変更検査の対策



 当局のフロンテア社製のSB-2000DXは、新スプリアス規定に準拠しないリニアアンプなので「スプリアス測定」を受ける必要が有りました。

 AC電源については、資料を検討して、単相3線式200Vをシャック内に無線機専用回線を構築

           

 当然、スプリアス測定に対処すべくアンテナ側にローパスフィルター「LP3K」を挿入し、コモンモードフィルターを3個自作して同軸ケーブルの中間点と両側の3ヶ所に挿入しています。 いわゆるパッチンコアーのRFC-8とSFT72SNが、数10個あったので同軸ケーブルに取り付けて於きました。又、ものはついでとばかりに無線用のAC回線にもSFT72SNを20個程着けています

 規格内に入らないバンドに対しては、ノッチ方式の同軸トラップを設けて減衰させる為に準備をしました。また、使っているS-MaCTHアンテナカプラは、それなりにQを持っているのでスプリアスの改善に役立っています。よくある単なるバランでインピーダンス変換するだけでは、スプリアスの低減には役立たないと思っているが?。何らかのバンド切り替えの煩わしさを伴うけど同調型のカプラが、良いと思う。
 出来るか否かは個々の条件下になるけれど、各バンド毎のBPF或はLPFを用意するのも一案とかも。

 アンテナの系統は、下図の様になっています。ノッチ方式の同軸トラップの寸法については、下記の長さの表を参照。
 庭に巻き尺伸展して必要寸法に切断。規格表によると静電容量:約100nF/Km=約1000pF×100/Kmとある。これは、約100pF/mとなるから容量計で確認することも出来るはず。(アイデアのみで試していない)

 しばしば、アンテナ系の試作でコンデンサー容量不足を補う為に「必要な容量の長さの同軸を使った」と有るが、使用周波数の波長を考慮にいれているのだろうか?と思いたくなる。
  

 
  平衡フィーダー40mは、160÷4=40mで4分の1波長。同軸5D−2V=52mは、(160÷2)×0・66≒52mの2分の1波長

   同軸トラップは、第2高調波に対して有効に働くので十分に利用価値が有ります。
  * 、令和3年4月期の第一級アマチュア無線技士の試験問題に出題(Aー20問)。

 指定周波数スプリアス測定に於ける同軸トラップの長さの表

指定周波数 2倍周波数 波長 波長の4分の1  ×短縮率0.67
1,910KHz 3,820KHz 78.53m 19.63m 13.15m
3,537.5KHz 7,075KHz 42.40m 10.6m 7.10m
3,798KHz 7,596KHz 39.49m 9.87m 6.62m
7,100KHz 14,200KHz 21.13m 5.28m 3.54m
10,125KHz 20,250KHz 14.81m 3.70m 2.48m
14,175KHz 28,350KHz 10.58m 2.65m 1.77m
18,118KHz 36,236KHz 8.28m 2.07m 1.39m

同軸トラップの長さは、指定周波数の2倍の周波数の波長の4分の1波長の長さに同軸の短縮率(例0.67)を乗じた長さ
言葉で表すと非常に厄介なので、上記の表を参照してください

     
 エキサイターとリニアアンプの間のアンテナカプラ―は、ドライブ電力の「ばらつきを補正する意味で有った方が良い」とのご意見から、手持ちの物が有るんだから使おうと使った。



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