160m帯用アンテナカプラの製作

  (2021.05.11 Uploard)


 全周80m、3・5帯用の先端開放の逆三角形のループアンテナは、見方を変えれば、1・8MHz帯の垂直ベントダイポールに他ならない!。垂直ループ状の折り曲げアンテナと言った方が良いかも知れない?。

 完成させて よっしゃ! これで160mに出るぞ と思ったが、その後、平衡フィーダ用S-Macthアンテナカプラの回路を知り、この回路ならば、これまでの機構で1.9MHZ〜28MHz迄のリモートコントロールを簡単に実現出来ると確信し、ほとんど使うことなくお蔵入りした。


 2022.05.21 シャックからの52mの同軸の処理方法 


 現状のアンテナは、下図の様になっている

 参照:http://www.maroon.dti.ne.jp/~ja2eib/tem_80mroop/80m_roop.html
             

 そして、アンテナの電流分布は、下図の様になるはず


        
 3.5MHZ帯、7.0MHz帯は、バンド内の全て運用出来、1.9MHZ帯は、1.860MHzで調整してみた。10MHz帯は、未定 いずれ作る


 全体の平衡フィーダーと無線機からの同軸の模式図
             

  40m長ハシゴフィーダーの実際の処理は、下記ページを参照
   www.maroon.dti.ne.jp/~ja2eib/tem_80mroop/80m_roop.html

  52m長同軸の処理方法は、下記のリンクでページ下方にあり
   シャックからの52mの同軸の処理方法

 宇宙のど真ん中で無い限り、アンテナ系は周囲の影響を受けると思う。増してや人の住んでいる所で波長160m帯ならば周囲の影響を受けないことは不可能だ。両側のアンテナエレメント、平衡フィーダーの左右が、完全に平衡しているとはとても思えない。又、同軸ケーブル上でも純抵抗になって居るはずもなく、実用上問題無いと考えられると言うだけのはず。アンテナカプラのフィーダータップの位置を左右それぞれ調整してより平衡に近づけば、もっと良い結果にはなるだろうが?。


 2分の1波長のダイポールアンテナの先端は、必ず電圧最大となり、中央は電流最大となる。従って、中央に4分の1波長のフィーダーを繋げば、フィーダーの先端は電圧最大となる。そこで、平衡フィーダーも4分の1波長として電圧給電となる様、無線機からアンテナカプラへの同軸ケーブルの長さも2分の1波長にすることに依って、整合が取りやすいようになるものと考えて実施した。

 周波数が決まれば、コイルとバリコンの組み合わせの定数は、一義的に決定してしまう。それは、このカプラ以外でも同じであって、実用上問題なく使える範囲で使うしかない。いくらバリコンの容量を可変できても、コイル側も可変して最良の組み合わせを目指さなければならないとは思うけど???。計算上で成り立つからどんな組み合わせでも良い訳ではなく、置かれている状態でとの最良の組み合わせがあるはず。残念だが、この組み合わせを確認する術を知らない。

 そこで、この方法が正しいか、否かは確信が無いけれど、これまでの経験から適当なコイルとバリコンを用意し、グリッドデップメータで共振周波数を測り、可変するバリコンの位置が中央付近になるコイルの組み合わせを探している。フィーダーのコイルタップの位置は、必ずコイルの最少から最大のどこかに存在するので、コイルの半分位の位置からカット&トライで反射が最少になる位置としている。



 今回、この160m帯のアンテナカプラを手持ちのコイル、バリコンで試作した。いずれサーボ機構を組み込みシャックからリモートコントロールする。

  バリコンは、430PF×2、コイルは、約50μH×2で40cm×40cmの板のシャーシに組み立ててある。(それなりに、でかい!)
    (参考:3・5/7・0MHZ帯用は、150PF×2、13μH×2)

       

 上の画像の状態でリンクコイルにワンターンコイルを繋ぎ、グリッドデップメータを結合して、1・8MHz帯に置いてバリコンの中央付近でデップすることを確認した。(全く、偶然で日頃の行いか?と思ってしまった)。実際にアンテナを繋いでみたところ、バリコンの位置は、デップメータでのバリコンの位置より小容量側に移動した。


 次なる問題は、3・5/7・0MHz帯用のアンテナカプラと切り替えなければいけない事で、カプラ切り替え器なるものを創った。
 平衡フィーダーと同軸を切り替える事になる。アンテナ切り替え器は、よく聞くが、カプラ切り替え器は聞いた事がないが、作らなければ

  回路は、簡単でフィーダー側は、2回路2接点のタイトリレーを使い、同軸側は、同軸リレーを使った。ここも、ラッチングリレーとしたかったが、取敢えず運用する時だけ通電して切り替え事にして、シャックからリレー電源のオン・オフができるようにはしてある。。

                 
               何も変哲のない回路です


   平衡フィーダー用コイルタップの取り出し(便利な部品がある)
 


   コイルタップの端子Jの字型の金具で引掛け、絶縁帯のネジで締め上げている 実際の様子


 2021.12.12 追記 (フックに金具への質問があった)

 自作するとしたら下図の様ににすれば作れる。ボルトとフックを接合部分の工夫が必要になる。

 上記の物は、ナットとスペーサ―が一体のベークライト製となっている

          フックの模式図
  



   カプラ切り替え器

      加工のし易さからグラス両面基板を使った。(グラス両面基板が、手持ちにあっただけ)
             
     カプラ切り替え器の表面              カプラ切り替え器の裏面

            
    リレー側から                      フィーダー端子の様子(塩化ビニールを剥いである)
    フィーダー端子の間隔は、150mm


     
    グラスポールを4本束ねた  端子側面        フィーダー端子の模式図
 
 グラスポールは、園芸用品店やホームセンターで6oΦ×2mの物が100円/本で売っていた物。グラスファイバーの棒に塩化ビニールの被覆が被っているから、高周波の部分には、塩化ビニールを使いたくない。値段が、値段なので塩化ビニールの耐侯性も値段相応だ。そこで端子部分以外の所は、被覆を剥いだ。4本を束にして端子になる部分に銅板を巻きつけ強度を稼ぎ、4Φoの穴明け加工をしてフィーダー用端子を作った。



   




 同軸ケーブルの処理

 160m帯を考えて、平衡フィーダーを40mに延長して置いた。フィーダーには、目的の周波数の2分の1波長毎に給電点のインピーダンスが現れる事を考えた時、送信機からこのアンテナカプラまでの同軸ケーブルも2分の1波長に延長する事が望ましく、即ち52mの長さに延長し、倉庫の屋根裏で処理する事にした。


 

 黄色のロープは、ループになっていて、このロープをガイドロープとして引っ張り、同軸ケーブル誘導して収めた。

 一般にドラム等に巻いてあったケーブルを巻きほどして丸めて置くと次の延長するときに必ず絡むので8の字になるようにしておくと絡む事を防ぐことなる。今回の場合、いわゆる「とぐろを巻く」状態を防ぐ為に8の字を描くように伸展した。

 
 無線機からケーブルの状態
      

    
    倉庫の壁面に取り付けた状態。平衡フィーダは、アンテナの給電部から少しの捻じれは有るがほとんど捻じれていないと言える。



 今回、1.860MHzに調整して前後15KHzづつ周波数を変えて見たが、実用にはなるがその範囲はかなり狭い。一応、それなりに使える位置を求めて運用した。


 まだ、数日の運用だが、約250Kmの房総半島の局、約300Km四国の局とQSO出来た事からそれなりの成果が得られたと考えている






                              
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