ぬるぬる ♡

サカナ触った時の ぬるぬるが気持ち悪いって感じる人、いるかと思います。 このぬるぬるは「体表粘液」というもので、雑菌が多い水の中で身を守るためのバリアーみたいなものです。 水の中には病気の原因となる病原菌や寄生虫などが数多く存在し、いくら全身をウロコで覆い守ってるとはいえ、体表粘液がなければ容易に体内へ侵入されてしまいます。 直接 水に触れることが無いよう有害要素から防ぐ効果があります。 ネットでサカナを掬い上げたり飼育中のスレ傷など、体表粘液が剥がれると病気感染しやすいのはこのためです。
また 病原菌や寄生虫などの侵入を防ぐ効果のほかに、水から出ることの多いハイギョやトビハゼは体表面が乾燥し直接外気と触れることのない保湿効果、 捕食されないように毒性を含む防御効果、睡眠時には体表粘液を多く出す寝袋 など さまざまな体表粘液が見られます。 一般にウロコが顕著に見られるものほど体表粘液は少なく、ウロコが細かすぎて無いように見える魚 アナゴ・ウナギ・ナマズなどは体表粘液が多い傾向があります。

体表粘液は ムコプロテイン(mucoprotei-ムコタンパク質)という物質で、抗菌・抗微生物の免疫グロブリン、溶菌酵素のリゾチームを含んでいます。
免疫グロブリンとは 抗体と言えばピンとくるでしょうか。「Ig」と略されることが多く 主に血液中や組織液中に存在しています。 私たちが様々な抗原である細菌やウィルスに感染したとき それらに対抗する抗体であり、喘息症状や花粉症などのアレルギー症状を起こすのも この抗体です。
リゾチームとは 唾液や涙液・鼻汁・母乳などの分泌液、卵白やキャベツ・カブ・イチジクなどの動植物組織に 広く存在する酵素です。 細菌の細胞壁を構成する多糖類を加水分解し、細菌が溶けていくように見られることから溶菌酵素とも言われています。

じゃあ そんなに良さそうなら食べたほうがいんじゃね?って感じですが、食感悪いみたいです。 先に書いたように体表粘液に毒性があるサカナも多く存在します。 そういえばウナギの体表粘液にも毒性があり、粘液1gで体重20gのマウスを2000匹以上 殺せるんだとか。 あんま捕まえる機会ないと思うけど、手づかみしたらちゃんと手洗いしないとね。