薬浴する前に

古代魚やナマズ類には治療薬に対し敏感な種類が多いため、というか観賞魚というカテゴリーの中で検査・安全性試験を実施してない魚種につき結果は不明、だから使用不可といった感じです。ナマズ類に関しては別の理由はありますが、とりあえずその話は置いとこう。

なので体調が思わしくなさそうだ! よし薬浴やったろ!なんていう、すぐに行動に表すのは良くありません。 白点病や尾ぐされ病のようにあからさまな症状が出ていない限り、落ち着いてとりあえず塩水浴と適度な水換えで様子見。

しばらく塩水浴を行ってみたけど、ほとんど効果が得られない、さらに悪化してきた!となったら次の段階へステップアップ 薬浴。はじめる注意点として治療薬の多くは塩化ナトリウムを含んでいます。成分表を確認してみてください。もし含まれているなら塩分濃度が高くなりすぎないよう水換え後の投薬となります。 また、治療薬ごとに注意事項が異なるので必ず使用説明書をよく読んで用法・用量は守って行いましょう。

その他に気を付けておくこと

吸着性濾材

活性炭・沸石(ゼオライト)や麦飯石など吸着・分解を行う濾材。

化学濾過とも言われ、浄水や下水・廃水の水質処理の他に、イオン交換樹脂や脱臭など食品処理や医薬品、環境保全事業など幅広く使用されています。 内部にある非常に微細な多孔質の構造に様々な物質を吸着させる特徴があり、肝心の薬成分である化学物質の吸着・分解までも行ってしまうので、薬浴水槽では使用できません。

生物濾過を目的にした濾材

リング状濾材・サンゴ砂・軽石など多孔質や表面のザラつきなどを利用し濾過バクテリアを着生させ生物力によって濾過するもの。

基本的には病気個体だけを隔離するのが望ましいですが、病気によっては水槽内感染で病原体が多数発生している場合も多く、水槽全体で薬浴を行うほうが効果がみられます。 しかし多くの治療薬には殺菌成分が含まれているため、長い時間をかけて育て上げた濾過バクテリアもろとも一掃される危機に。

水草などの植物

多くの治療薬には塩化ナトリウムなどの成分によって生育の阻害や枯死などの可能性があるため投薬前に隔離します。 隔離した水草はさらに薄めた薬浴剤で3~5分漬けて消毒し、再び病原体を移し混まないようにします。 薬浴後に戻すときは薬浴水槽を2/3以上水換えしてください。

水草用の速効性の液肥や育成剤を使用していた飼育水槽で薬浴する場合、前もって2/3以上水換えしてから行います。

食べ残した餌・排泄物は、薬浴中の水を汚す原因になります。薬効期間3~6日程度なら餌を抜いても問題ないと思います。 ただし、1回の薬浴期間中に必ずしも完治すると限りません。 もしそれ以上かかりそうなときは、長い絶食期間は体力を消耗しますので、頃合いを見て適量与えて下さい。、重症個体も回復するにつれて食べるようになるかもしれません。 あくまでも その時の判断で。

薬効期間

治療薬により差はありますが、一般的に薬効期間は3~6日ほど。4日に一度や寄生虫駆除なら2週間に一度の割合で投薬し、最低でも2週間程度。 薬効がほとんど無くなったのに病気が治らない場合などは、1/2ほど水換えと行ってから再度投薬して下さい。
水に溶けた薬は魚のエラから血液中に吸収され、各器官へ運ばれて効果を発揮します。 また病原菌に対し直接効くものに対し効果が得られるためには、その治療薬にあった環境を整える必要があります。詳しい薬浴期間や水温は 使用説明書を参考にして下さい。

飼育・薬剤の保管場所

メチレンブルーなど色素剤・抗菌剤などのフラン剤は日に当たると分解速度が早まる特性があるため、直射日光は避ける。