メディアとつきあうツール  更新:2009-01-31
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

日録メモ風の更新情報(坂本衛)
2008年10月〜12月

2008年10月〜12月の更新情報

12-31
●昼、奥沢の実家へ
●夜、ウシシもぅ大変!東西ドーム10万人集結!! 年越しジャニーズ生歌合戦(Johnnys' countdown 2008-2009)@東京ドームに顔を出す。嵐が大活躍。白波瀬傑に年末年始の挨拶、『流星の絆』もよかったと一言交わす。1時すぎ神楽坂に帰宅

12-30
●風邪?にてダウン、寝る。寝ながら志ん生のCDを聞く。何年も前に入手した50枚組CDで、いまだに聞いていない話がある

12-29
●風邪?にてダウン、寝る。寝ながら志ん生のCDを聞く

12-28
●片付けなど

12-27
●片付けなど

12-26
●2〜4時、田原総一朗、滋賀県庁・土川、滋賀県立大・奥野と来年度琵琶湖塾の打ち合わせ。第1回ゲスト講師は佐藤優に頼む。滋賀勢が帰ったあと小一時間、久しぶりに田原とゆっくり話す。解散は2月というから根拠を聞くと、「いや、僕が言っているだけ」だそう
●6〜7時、放送批評懇談会理事会。引き続き事務所隣の成田屋にて忘年会。松尾羊一が「地デジはあんたの言う通りだ。あんたの言っていた通りになるね」と。朝日新聞25日朝刊の松尾エッセイもご参照
●帰宅すると、佐藤和美と片桐直子がいて、軽く忘年会の続き

12-25
●原稿書き
●6時半、メディカル朝日・近藤雅人と神楽坂・響。矢来町のバーinis(イニシュ。神楽坂を上がり、新潮社のある丁字路の次、時間貸しパーキング角を左折、右手に見える赤い灯が目印。前防衛事務次官宅そば。20:00〜、日休。03-3260-1249)に移動。谷口和巳も銀座から女性連れで合流

12-24
●5時、伊勢丹にてクリスマスケーキを買い、放懇事務局へ。毎年恒例のアミダくじ。今年の景品は、チェコ製ガラスペン、ハンカチ、恐竜鉛筆削り(歩く)、Pylonesクリップホルダ(鳴く)、PylonesおはしPetit(靴を履いて立つ)

12-23
●昼前、新横浜貴雲寺で父の墓参。新横浜プリンス地下の胡弓で昼食。この中華レストランは年明けに閉店とのこと。実家に寄り、自由が丘プチコキャンその他にて買い物。鳥ぎんで夕食後帰る

12-22
●原稿書き。昼、コグレ工務店がベランダ他を直しに来る

12-21
●原稿書き、雑用いろいろ

12-20
●原稿書き、雑用いろいろ

12-19
●日大補講。午前中、今年1年を振り返る話をして、「100年に1度の経済・金融危機といわれているね。100年前は1908年だ。このとき何があった?」と聞くと、お感じがない。「何時代だった?」とたずねると、あろうことかあるまいことか、明治時代だか江戸時代だか判然としていない様子。仮にも日大3年生なんですけど。「あのね」と石器時代から現代までを1時間で解説する歴史の授業に切り替えた。「とにかく日本史の時代区分と切れ目の年を覚えろ。丸暗記せよ。この話、今日俺がして以降、4年になっても、卒業しても、会社に入っても、きみらの一生で二度と誰もしてくれないぞ」と

12-18
●原稿書きとか買い物とか

12-17
●5〜8時、澤田隆治の事務所テレビランドにて取材。テレビランドという社名は、本当にテレビのテーマパークを作ろうとして設立した会社だから(以前は坂本自宅から1分の場所にあった)。放懇・久野明と。澤田は3時間話して、まだ話したりないらしく、エレベータの前まで送ってくれて、なお話していた。龍の髭にて飲む

12-16
●朝日ギロン堂本の原稿書き

12-15
●5時半、赤坂の魚しん。日本映像事業協同組合・谷弘と

12-14
●年末、時間が取れそうにないので、実家へ行き大掃除。風呂のカビ取りを徹底的にやり、使っていない24時間風呂のヒーターを撤去。かったるいので、そのまま泊まる

12-13
●朝日ギロン堂本の原稿書き

12-12
●日大授業はありません(大学そのものが授業休み)。「マスコミII」「放送特殊研究V」とも、12月19日に補講をやります。これが2008年の(年度の、ではない)最終授業。4年生は出るように

12-11
●朝日ギロン堂本の原稿書き
●元木昌彦らと野村克也本の打ち合わせ兼忘年会@西早稲田かわうち

12-10
●午前中『第三次世界大戦』の最終チェック。自分でまとめておいていうのも何ですが、悪いけどムチャクチャおもしろい。鈴木宗男・佐藤優対談『反省』(アスコム刊)も、『週刊文春』の連載で「こんなおもしろい本を自分だけで楽しむのはよくないと『反省』した」と大絶賛の小林信彦はじめ、多くの人がおもしろいといってくださった。その『反省』に劣らないおもしろさです。1時バイク便渡し
●朝日ギロン堂本(田原連載の単行本化)の原稿書き

12-09
●夜7時過ぎ、小林英史がアスコム刊『第三次世界大戦』(上・下)青焼きを届けてくれる。2時までチェック作業

12-08
●『日本の戦争力』文庫化で詰めの作業。19時〜21時前、新潮社・青木大輔とジョナサンで会い、入稿。青木大輔にはたいへん申し訳ないことに、私がヒドい勘違いをしていて、一部はデータで入稿したが、データ化していない書き込みで渡した分が多すぎてしまった。えらく迷惑をかけてしまい、ごめんなさい。それと、これは誰のせいでもないけれども、図版の処理に四苦八苦。ページの制約上、点数を減らすのは仕方ないとして、小さくしなければならないので、あれこれ打ち合わせ。2009年3月には出ます。まだ読んでいない人は、ぜひお読みください。若い人たちにこそ、真剣に読んでもらいたい本です
●佐藤優・田原総一朗対談、アスコム刊『第三次世界大戦』(上・下)は、今日明日で校了。佐藤優が「とてもよい原稿になった。自信作」と言っていると、アスコムではない別の編集者から聞いた。日本は、戦後60年の膨大な貯金を相当程度使いつくし、すでに貧困社会・窮乏社会に足を踏み入れたというのが私の現状認識で、それを踏まえてどうするかを考えない施策は無効だと思っています。ワーキングプアを「ちゃんと働いても生活保護世帯の水準と同じか、それ以下の所得しか稼げない世帯」と定義するならば、おそらく日本には数百万のワーキングプア世帯が存在するわけですから。この本の下巻は、まさにその話です。たぶん大晦日の『朝まで生テレビ』も、その話をするでしょう
●昨日、小林道雄とワークシェアリングから竹中平蔵の話になった。坂本はこう言いました。「竹中平蔵は、新自由主義の権化で、小泉とともに格差社会を生み出した極悪人のように言われている。そんなことはないというのは、格差の拡大は80年代から始まっているから。『失われた10年』にぶち込んだ特別経済対策130兆円の多くは、不良債権処理をしない金融業界やムダな工事を続ける土建屋に注がれ、ムダ金となった。竹中は不良債権処理をせよといって実行し、小泉は公共事業をやめろと言って実行したんだから、そこは断然、評価すべきでしょう。で、その竹中さんは、田原との対談『ズバリ!先読み日本経済 改革停止、日本が危ない!』のなかで、国は貧困調査をちゃんとやれ、セーフティネットを構築せよ、労働者のクビを切って社会に押しつける経営者どもはけしからん、派遣労働者や非正規社員から搾取しているのは資本家や経営者ではなく正規社員だと、とちゃんと語っていますよ」と。いま、企業がなし崩し的に派遣・非正規社員のクビ切りをはじめた。そういうこと率先してやる外資(国外資本が過半数)系会社、たとえばキヤノンのトップが経団連会長なんだから、財界は何をやっているんだという話でしょう。心ある経営者にはなんとか踏みとどまってもらいたいと、心底思います
●麻生内閣の支持率が激減。当たり前です。私は、2009年内に自民党政権は終わり、政界再編があると思います。最長で09年9月まで、一つのメドは年度末の09年3月。そのときは自民党が割れ、民主党も割れる可能性が大きい。小沢一郎は、命懸けで自民党を潰しにかかるでしょう。実質総理は岡田克也あたりにまかせて、本気でやると思います。そこで池田大作の話を聞きたいとは、田原も言っているし、私も同感

12-07
●『日本の戦争力』文庫化作業
●1時半、西早稲田かわうち。2〜3時20分、林家正雀の口演。「四段目」(蔵丁稚)、強飯の女郎買い(子別れ・上)、休憩をはさんで「深見新五郎」。弁当と生ビールなどが出て、6時半すぎまで。小林道雄、岩本太郎も参加。正雀師匠ともしばらく飲む
●小林「浅草木馬座で志ん生の『らくだ』聴いた。これはすごかった。これが私と落語の出会いでした」。林家正雀「そうですか。私は生前の志ん生師匠の高座に接する機会がなく、残念だった。うちの師匠(彦六)は、『貧乏だった頃の志ん生さんが、黄金餅で障子に穴を開けて覗く場面は、じつに真に迫ってすごかった。志ん生さんが金持ちになってからの黄金餅はつまらない』と、よく話してくれましたよ」と。話芸の伝承、テレビに氾濫する浅く刹那的な笑いといった話をして、小林「私は最近、よく知っている人の名前が出てこない。これには参りますねえ」正雀「それ、心配ないですよ。これも師匠が言っていた。頭の中にたくさん引き出しがあって、奥のほうに入っている。それが、すぐに出てこないというだけの話で、大丈夫、そのうち出てくるからと言ってましたねえ」。私が子どものころ、目黒の権の助坂の途中にあった寄席に行ったことがあると言うと、前座で出たことがあるそう。その後は、父の持っていた志ん生、文楽、金馬、円生なんかのテープをさんざん聴き、ついに5万円也で志ん生の50枚組CDを買ってしまった、なんて話も
●7時〜11時半、新宿「どん底」に移動。家人と4人で、どんカクを4〜5本。娘がバイト中で「これワインと度数が同じくらいだけど、大丈夫?」と心配していた。岩本太郎と、あれこれ大激論。「ふざけたこと言ってんじゃねえ!」と、久しぶりに怒鳴ったりもする

12-06
●『日本の戦争力』文庫化作業

12-05
●日大授業。来週は休講で、12月19日に補講をやります。よろしく。帰り、高田馬場のTSUTAYAに寄る。民事再生を申請というツクモ高田馬場店にも行ってみたが、電気が消えていた
●『日本の戦争力』文庫化作業

12-04
●終日、「日本の戦争力」文庫化作業
●ギャハハ……。こんなこと書いているヒマはないんだけど、仕事場で資料を発掘していたら、「世界史(麻布高3・試験)」というB5版厚さ3cm弱のファイルが出てきた。今は亡き玉井裕(麻布の世界史教員。東大紛争で革マルを率いたが、戦力温存のため撤退。のち内ゲバに遭い重傷)の1976年9月〜77年3月のB4プリント35枚やノートその他が綴じてある。加藤史朗(現・愛知県立大学教授)が1972年7月11日に出した中2の1学期末試験問題(B4で4枚)も入っていると。これはおもしろい。同期会にもっていくかな
●12月7日(日)午後2〜4時、西早稲田かわうち寄席が開かれます。「西早稲田で落語をきく会」と題する、林家正雀(しょうじゃく)の口演会。ボックス席を一つつぶして高座とし、観客定員は50人ほど。飲み物・弁当付き¥3000(最初にお茶が出て、終わってから小一時間弁当タイム。すぐ早く帰る人は弁当お持ち帰り可)。正雀師匠も弁当タイムに付き合うので、質問なんかもできます。店への電話にて要予約。坂本も小林道雄と観覧予定

12-03
●終日、「日本の戦争力」文庫化作業
●二宮和也が初めて『GALAC』の表紙になった2002年12月号のコピー・サービスへの申し込みが、今日夕方までに800近くに達したそうです。久野明から電話で、「数が多すぎてコピーはたいへんなので、料金はそのままに印刷することにした」とのこと。【追記】中島好登から、さらに電話で、「コピーがたいへんだから、じゃありません! 申し込み部数が多くなり、何万円か追加負担をすれば、コピーよりグレードの高い印刷物を入手できることがわかったから」とのこと。結果的にコピーの手間が省けるのであって、コピーがたいへんだから印刷にしたと思われては、放懇事務局の沽券にかかわる、と申しております。【追記ここまで】ようするに6年前の表紙・グラビアと同じ紙・同じ印刷所で、表紙はカラー印刷・グラビアはモノクロ印刷をします。6年前とグレードはまったく同じで、表紙とグラビア以外のページがついていないものを届けると。もちろん料金は据え置きですよ(コストはもちろん印刷のほうが高い)。ま、放懇からのお年玉ってところです。全然、掟破りだけどね。だって、筆者の私もフォトグラファーの末武も800人に余計に見せて、おカネをもらえないわけなのでね(そんな話は、この資本主義社会では、フツーはない。フツーだと思わないように!)。この情報も転載はご自由

12-02
●終日、「日本の戦争力」文庫化作業
●文化通信(速報)本日付(14616号)の4pに、「ギャラクシー報道部門賞制作担当者らが登壇 放送批評懇・東京工科大、共同シンポジウム」の記事あり。中島優記者、ありがとうございます
●『GALAC』編集部の久野明(注:『GALAC』は、私が編集長になった1997年[編集長だったのは2004年まで]から市販しているが、営利雑誌ではない。もともとはNPO放送批評懇談会の一種の機関誌です。編集部はNPOの事務局が兼ねており、放送批評懇談会の会員から選ばれる編集長や編集委員は外部にいます。編集部に常駐している男性は久野明のみ。ニノファンのみなさんが電話したとき、優しく応接してくれているのが久野さんですよ)から電話あり。昨日始めたGALAC2002年12月号の表紙コピー・サービスの申し込みが1日で600件もきてしまったと。また、地獄の日々が始まってしまったそうです
●坂本のところにも今回、10月に問い合わせをくれた方から「コピーサービスの再開 諦めていただけに 本当に本当に本当に嬉しいです!! こんな事ってあるんですね。泣きそうです。早速 友達の分も含め申し込みをさせていただきました。友達も大喜びしておりました。お忙しい中 とても誠実な対応 心より感謝いたします」とのメールあり。泣かないでね。これはGALAC編集部に転送済みで、編集部でも意気に感じて対応していますよ。ただ、手元に届くまで時間がかかります。年末年始は印刷所が止まるので、ほとんど2号を1か月で作る1年でいちばん忙しい時期なわけです。しかも、専従の編集者というのがいない雑誌(もちろん歴代編集長も専従ではなく、月に何度かしか編集部にはいかない。私と私の次の小田桐誠はもの書きが本業、現在の丹羽美之は東大准教授が本業)なのだから、そこのところをよろしく。営利雑誌ではないから、こんなことができるわけです。はい、この記事も転載はご自由にどうぞ

12-01
●TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』で本日4時10分〜20分くらいに、ニュース項目の何番目かにある「地上デジタル放送の世帯普及率」につき話します。「荒川さんの家に、ビデオデッキが1台あってテレビはないとする。それを普及世帯1と数えてよいと思うか?」と、逆に聞こうと思います
●「日本の戦争力」文庫化作業
●7時半、田原総一朗と『第三次世界大戦(上・下)』まえがきの件
●私のところまでメールで問い合わせがあった「『GALAC』2002年12月号の二宮和也さんの表紙・グラビアのコピーは、手に入らないんですか?」の件。GALAC編集部が、ようやくちょっと手すきになったので、【GALAC2002年12月号「二宮和也」表紙・グラビア 特別限定コピーサービス】を始めました。絶版となっているGALAC2002年12月号特別限定コピーサービスを、2008年12月の一か月間にかぎり実施するとのこと。代金は「一組400円+送料80円」の合計480円です。コピー機からの出力ですが、表紙のカラーコピーはちゃんと写真用高画質用紙を使うので、かなりキレイ。送る途中で折れたりしないよう万全を期します。もちろん実費しかいただきません。12月号をお買い求めくださった多くのみなさん方への感謝を込めた、純然たる出血サービスです。申し込みはこちら。なお、この情報は、自由に転載してかまいません
●ところで、ま、好みによりますが、私は6年前の表紙のほうが、いい写真だと思っていますけれどもね
「流星の絆」の二宮和也が支持されるのはなぜか(日刊ゲンダイ2008年11月28日掲載記事)。「表紙とインタビューに登場している発売中の放送専門誌『GALAC』(12月号)は通常の3倍の売れ行きというから驚異である」だそう

11-30
●佐藤優・田原総一朗対談『第三次世界大戦(上・下)』(アスコム刊)、本文は完成。これはおもしろい本です。「知の怪物」(©文藝春秋)佐藤優が、日本を代表する「権力党」党員で、日本の初代情報局総裁でもいいとまでいった田原総一朗と、「戦争と宗教」(上巻)、「カネと欲望」(下巻)の二つの切り口から、この世界を大解剖する。これには私も、力《りき》入れました。読んで絶対に損はない。ものすごく読みやすくしてあります(3か月もかかってしまった)。2009年、最初に読む本として、強くお勧め致します。よろしく!
●このところ並行して「日本の戦争力」文庫化作業
●昨日のシンポジウムの、北海道新聞社の記事はこちら。写真は左から、碓井広義、麻生千晶、坂本(ふんぞり返っていて?鼻とヒゲしか見えん)、寺内達郎(HTB情報部長)、山谷博(STV報道部副部長)。ご紹介ありがとうございます
●キンキキッズの緊急全国ツアー「KinKiyouコンサート」が東京ドームであった。坂本は仕事が詰まっていて顔を出せず、家人に代理取材を頼む。堂本光一と堂本剛が、ハガキの表裏に手書きでメッセージを書いたコピーをもらってきたので、ちょいとご紹介。まずA面は「今年はKinKiとして剛と2人でステージに立っている事の多い年でした.今後もご支援よろしくお願いします.堂本光一」。B面は「本日は!お忙しい中ご来場頂き誠に有難う御座居ました kinki kids堂本剛」「08年も大変御世話になりました。09年もkinki kidsにしか出来ない"何か!"を2人でやってのけます。キンキキッズ最高────。」この後半部分は、剛のニヤリとピースしている自画像の体の部分に書いてあって、脇に、ピースしている手と同じくらいの大きさで、光一の全身像が描いてある(似ている!)。"何か!"のところの「"」マークは、実は四つ描いてあったりします

11-29
公開シンポジウム「ギャラクシー受賞報道活動を見て、制作者と語る会」を開催致します。詳しくは当サイト紹介ページをご参照
◆日時 2008年11月29日(土)13時〜17時(開場12時30分)
◆場所 東京工科大学八王子キャンパス・メディアホール(最寄り駅は、JR横浜線「八王子みなみ野」駅。案内人が立って、誘導しています。学バス(無料)に乗って最初に止まる「本部棟前」で下車してください。
◆主催 放送批評懇談会ギャラクシー賞報道活動委員会/東京工科大学メディア学部
入場無料(定員450名)
◆パネリスト 受賞放送局から山谷博(札幌テレビ 報道制作局報道部副部長)、寺内達郎(北海道テレビ 報道情報局報道部長)、辻本昌平(テレビ金沢 報道制作局番組制作部)、大池雅光(名古屋テレビ 報道局CP部長)。放送批評懇談会から麻生千晶、上滝徹也、坂本衛、堀木卓也、小林英美
◆コーディネーター 碓井広義(放送批評懇談会/東京工科大学教授)
テレビはつまらない、くだらない、役に立たない、何やってんのと思われる方。そんなことはない、テレビは頑張っていると思われる方。どなたでも入場できますから、ぜひおいでください。ギャラクシー賞を受賞した報道活動を見る限りは、テレビはつまらなくはなく、くだらなくもなく、たいへん役に立つメディアです。世界的にも極めて高い水準にあるテレビ放送だ、と考えて構いません。これを、人びとにさほど大きな負担感を感じさせずに、1億台以上のテレビ受像機に送り、子どもでもお年寄りでも見ることができるようにしているテレビ放送というシステムは、実に大したものだと私は思います。もちろん新聞にも雑誌にもインターネットにも、そんなことはできていません。しかし、そんな報道活動にもさまざまな課題があります。それを、実際の映像を見たうえで、制作者、批評者、学生、一般の視聴者などが話し合う貴重な機会です。全員がボランティアで参加します。メディアのみなさんも、取材においでください。なお、日大芸術学部放送学科の坂本の講義を受けている者が出席した場合は、成績に反映させます。出席票を受付に出してください
●今回のシンポジウムは、東京工科大学の軽部征夫学長、山口治夫メディア学部長をはじめとする東京工科大学の先生方、また学生のみなさんの多大なご協力を得て、開催いたします。ありがとうございます。とりわけ、いろいろとお骨折りくださった碓井広義さん、ありがとうございます
●放懇関係者の集合は12時、集合場所は東京工科大学広報課(本部棟1F)です。よろしくお願いします
●【以下、12月1日に後記】午前10時35分の神楽坂発に乗り、中野で中央線に乗り換え。豊田行きで、八王子まで行かないじゃんと思っていたら、国分寺で特快というのに乗り換え。八王子で横浜線に乗り換え2駅、5分ほどで八王子みなみ野に着。駅で、堀木卓也、久野明(放懇事務局・カメラ担当)と、学バスで麻生千晶と合流。東京工科大学のキャンパスは、すばらしい。山の上にあって、広くて美しく、気持ちよい。碓井広義教授(放送批評懇談会・ギャラクシー報道活動委員会副委員長)がお出迎え。学長・軽部征夫、メディア学部長・山口治男、事務局部長・稲見衛、広報課係長・山岸利生、同課・田邉徳人のみなさんとご挨拶。番組制作側ゲスト・パネリストの山谷博(札幌テレビ)、寺内達郎(北海道テレビ)、辻本昌平(テレビ金沢)、中崎清栄(同)、大池雅光(名古屋テレビ)のみなさんも到着。放懇側は上滝徹也が家から車で20分ということで先着、駅から歩いてきたという小林英美も到着。大学側にご用意いただいた弁当で昼食の後、とくに打ち合わせもなしでシンポジウムがスタート
●今回は、東京工科大学が公開講座ということで全面的にご協力くださり、新聞の多摩版に広告出稿、折り込みビラ配布などしてくれたお陰で、地域住民のみなさんも多数ご来場。300名ほどの出席があり、大盛況でした。メディア学部の学生が、誘導、受付、会場案内、ビデオ上映の進行などしてくれて、これまた完璧の出来。放懇からは専務理事・隈部紀生(カンパをしてくださり、帰り4台のタクシー代に充てさせていただきました)、鈴木典之、小田桐誠(以上、報道活動委員会)、岩本太郎、三原治、石井彰、福島美子(放懇事務局)も。メディア関係者は、これは私が告知をサボっていた(まるで時間を取れず、ごめんなさい)のでちょっと低調でしたが、北海道新聞・岩本茂之、文化通信・中島優ほかのみなさん。吉田和晃(エルシーブイ編成制作部報道課)、大谷孝彦(新社会システム総合研究所)も、ありがとうございました。
●日大の受講生連中は、何人か来ていたのかもしれないが、気づかなかった。まあ、出席していれば、日大芸術学部放送学科でやっている「テレビ報道に関する最上の授業3コマ分以上」の勉強になったことは、間違いないと思いますね(つまり、連中がやっている勉強の1か月分以上!)。マスメディアやほかの大学の教員なんかの多くが、このような催しに興味を示さない一方で、地域の住民は、じつに真剣に映像を見て、制作者の言葉を聞き、討論に参加していた。この点には、いや、この点だけにテレビの可能性は開けているだろうと、私は確信しています。なお今回は、「映像20分+映像20分+討論30分」を3ブロックやったんですが、「映像15分+映像15分+討論40分」のほうがよさげ。次回はそうします
●帰りの電車のなかで、坂本「宮本武蔵って、なんで子どもがいなかったか知っている?」みんな「いや、知らない。なんで?」坂本「武蔵小金井」。ちょうどその駅に止まったので。次の駅で「そのまんま東って、なんで子どもがいないんだ?」「東小金井」というのは、しつこいので止めました。山上たつひこの『喜劇新思想大系』なんて、みんな知らないわけです。さらに車中で、山谷博と小林英美が、ほぼ同じ頃の早稲田大学文学部の同窓と判明。放送作家の松崎まことが小林の同級で、山谷の映研かなんかの先輩だと。坂本「その松崎まことって、10日ほど前に電話で話したぜ。ニッポン放送で、地上デジタルの話をしたよ」。世間は狭いと

11-28
●日大授業。それ以外原稿書き

11-27
●★【以下、27日夜追記】と思って、0時に寝て4時に目覚ましをかけた。で、起きたのですが、あんまり眠いので一眠りしたら、8時過ぎていた。昼過ぎ、帰京。まだ眠く、3〜6時昼寝して、あと原稿書き
●三枝成彰はおもしろい。ピアノを使いながら「西洋音楽と日本音楽」につき講演。楽譜がある、倍音列で違う音を出し、和音・ハーモニーを奏でる、ロジカルを重視し情緒を軽視する、メッセージ性を重視するという点で、西洋音楽は日本の音楽、さらにほとんどの世界の音楽と異なると。クラシックは、みんな「古典」という意味だと思っているが、「最高級」の意味だ。自分がいちばんエライと主張する、珍しい音楽なんだと。つまり、中世ヨーロッパの教会が、神を称える歌を同年同月同日同時刻に世界のさまざまな場所で歌わなければならないというので始めた。クラシック音楽は民族の音楽を切り捨てたといえる。クラシックの音楽家というのは最初はみんな坊さん。それから重要なことは、倍音で和音を奏でると気持ちいいということに、世界でヨーロッパの連中だけが気づいた。冒頭で江差追分を流し、尺八、三味線、人間の声などが出てくるけど、同じ旋律をかえるの歌のようにタイミングを変えてやっているだけでしょうと
●講演を終えて、私は「そのように西洋・日本とまったく違う音楽だったのに、明治新政府は、音楽はこれだとヨーロッパ式を教えた。そのいきさつは? 逡巡はなかったのか?」と質問。三枝によれば「明治の最初の音楽は、官軍の軍歌。軍楽で、戦争のための音楽だった。明治政府は、江戸時代のものをすべて切り捨てた。その一環で江戸時代の音楽も切り捨てられた」と
●ここから先は坂本の考えですが、つまり近代化とは、近代国家(近代国民国家)の成立とは、そういうこと。西洋のクラシック音楽が民族性を切り捨てたように、新政府も古い日本の民族性を切り捨てた。天皇は(即位式や結婚式を除き)なぜ日本式の着物(和服)を着ないのか? 不思議に思うかもしれないが、そんな新政府の象徴だからでしょう。ちょんまげ禁止と一緒ですね。だから、明治以降の「国民」というのは、それまでの「日本人」とは明らかに異なる概念。一種、人工的というか抽象的な概念で、それを成立させるとき琉球もアイヌも切り捨てた。穢多・非人も「一応は」ないことにした。その手続き、国民成立のプロセスは、そんなに簡単なものではなかったから、どうやら格好がつく形にするまでに20〜30年かかった。百数十年経過した現在でも、まだ片付いていない問題があると、私は思います。そこで、私が気持ち悪いなと思うのは、司馬遼太郎の幕末〜明治ものですね。一部エリートにだけ焦点をあて、国や時代を近代合理主義だけで切り取ろうとするから、以上のような視点が、まるでないでしょう(ないという感じを受けた早い段階から、読むのを止めたので、そんな視点のものを知らない)
●ところで、近代的な「国民」を成立させるには、(1)前近代よりも人びとを儲けさせて豊かにしなければならない、(2)国内に統一シンボルを作らなければならない、(3)国外に統一の敵を作らなければならない。どの国もだいたいこの三つ。日本でいえば、殖産興業・富国強兵、天皇、西洋列強。この(3)には、清は入ると思いますが、朝鮮と、清が崩壊した以降の中国は入らない。敵という感じではなかったと思いますね。明治の連中は、たいていが、中国・朝鮮をバカにするんじゃないと言っている。勝海舟(崩壊時の幕府軍の総司令官。「経済上の戦争にかけては、日本人は、とてもシナ人には及ばないだろうと思うと、おれはひそかに心配するよ」)も、頭山満(右翼の巨頭。「強者敵なしでは不可《いか》ぬ。仁者敵なしでないと。日本が朝鮮人などに臨むにしても、強者敵なしと云う様な、西洋人流の粗末な考へを真似ては不可ぬ」)もそうです。ところで佐藤優は、中国はいま、その国民を成立させる段階にある、と主張する(詳しくは『第三次世界大戦』上巻を参照)。私に言わせると(1)は資本主義、(2)は共産党だったのが、ガタつき始めて模索中(まだ毛沢東の看板は下ろしてない)、(3)は、まあ、佐藤優が指摘するように日本でしょうね。で、このプロセスでは、民族性を切り捨てる。チベットもウイグルも満州族も。日本だけが侵略国家といわれる筋合いなどない、だから日本は侵略国家ではないという、わけのわからないことを言った日本空軍の司令官がいたけれども、現中国の指導層は、中国だけが民族を弾圧した国家といわれる筋合いなどない、お前ら西洋列強だってやったじゃないかと思っているでしょう

11-26
●未明3〜6時に寝た以外、ずっと原稿。11時半〜12時半、小川和久と打ち合わせ@オークラ「カメリア」。『日本の戦争力』新潮文庫化、同志社、筑紫哲也、櫻井よしこの話など。3時半すぎの新幹線で彦根へ。午後7時〜琵琶湖塾。ゲストは三枝成彰。彦根プリンス泊。ノートPCを持っていき、ずっと原稿書き【★へ続く】

11-25
●3時、母親の目の具合がいまいちにて慈恵医大病院。兄も。案外時間がかかってしまい、放懇理事会はパス。目黒・香港園に移動し夕食。あとはずっと原稿
●慈恵は、医師から渡されたファイル一式を1階受付に出して番号札をもらい、準備が整ったという番号表示が出たら、診察カードを駅にある精算機のようなマシンに入れて料金を支払うシステム。出てきた明細書に薬の受け取り番号も印字されていて、窓口で薬を受け取る。ところで、この精算機に払えと出た金額が210円。あのね、1割負担でも2100円なわけだ。母、兄、私の3人が(私はノートを取りながら)根掘り葉掘り聞き、医師は説明図を四つくらい書き、白内障のその後の手術をするかしないかの話し合いに小一時間かかって、しかも薬が2本出て2100円。向こうは若いが専門家の医師。私がテレビや新聞や雑誌編集部と30分電話で話しても、いちばん安いところでも5000円は出す(まあ普通は1万円。放送局はもっと高い)。2100円では日本の医療が崩壊するわけですね
●なお、白内障は、眼の中でレンズの作用をする水晶体が濁る。母は7年ほど前ボシュロム製のレンズを入れる手術をした。そのレンズが最近、片方だけ濁ってきた。カルシウムが付着するとのことで、レンズ交換の手術をする場合はメーカー、つまりボシュロムが手術代を持つ(ベッド代まで出すのかと聞いたら、交渉次第と)。メーカーが製品に起因する濁り、つまり欠陥品と認めているわけで、世界的な問題になっているとのこと。アメリカなんかでは、ガンガン訴訟をやっているかも。ただ、なぜ濁るのか、メーカーもハッキリしたことを言わない(または、原因がハッキリしない。現に今回も同じものが入っているのに、片方しか濁っていない)。そのレンズは現在も使われているかと聞いたら、「普通の眼科医なら使わないはずだが、一部では使われているだろう」という。厚生労働省は、どこまで把握しているんですかね

11-24
●厚生労働省事務次官OB宅襲撃事件、私は年金テロかどうかわかったものじゃないと思っていたので、ここまで1行も書きませんでした。現段階では「昔ペットの犬を保健所に殺された恨み」という動機が提出されている。これも、別に確定した事実ではないという前提で、ちょっと書いておきます
●【1】犯人が特定されていない段階で、背景に年金問題があるとしたり顔でコメントしていた評論家、学者、ジャーナリストの類は、無責任で勝手な推理、しかも現段階では容疑者らしき男が否定している説明をしたことをとりあえず反省し、不明を恥じるべきであると思います。そんな発言で、そこらのフリーターが2〜3日働いても稼げないようなコメント料を受け取るわけなので、これは世間様に申し訳ないと思ったほうがよいでしょう
●【2】マスコミや野党の厚生労働省・社会保険庁批判がよくない、それが事務次官OB宅襲撃事件の背景にあるという趣旨を語った政治家(たとえば元厚労相の津島雄二)は、とんでもない発言をしたと反省し、不明を恥じるべきであると思います。それは、関係ない二つのものを結びつけて、一方が他方の原因になっていると主張する、なんの根拠もなく極端に飛躍した論理だからです。「昔飼っていた犬を保健所に殺されたのは、厚生労働省事務次官のせいである」というのと同様に、ムチャクチャな論理だからダメなのです
●【3】現時点では、今回の事件は、ムチャクチャな逆恨みの動機によって罪のない3人を殺傷するという、卑劣で許しがたい事件です。しかし、「キチガイがやった極端な事件」「悪いヤツの悪い事件」として、簡単に片付けるべきではないと思います。逆に、極端な事件だけに、世の中で普通に見過ごされていることが異常な形で表面化していると思い、その見過ごされていることについて考えたほうがよいでしょう。たとえば次のような問題です
◆あのような考えを持ち、何をしでかすかわからない人間が、世の中には結構いる
◆人格障害など一種の病気が要因の一部になっている可能性もあるが、それが見過ごされているケースも少なくない(たとえば私はPTA会長時代、小中学校でその恐れが強い子どもを何人か見ており、その件で複数の校長と協議したこともある。しかし、学校の親や教師のほとんどは何も気づいておらず、何の対応もしなかった。その子の親すらも、当初は気づいていなかった)
◆この種の逆恨みの論理は、客観的には明らかにムチャクチャだが、本人の主観的には正当で、それしか選択肢がないと強く信じられる場合がありうる。極端な話、「誰某《だれそれ》を殺せ、殺せ……」という声が頭や心のなかに四六時中(場合によっては、本当の物理的な声と区別がつかない形で)聞こえていた、ということがありうる。人間とは、そのようなしょうもない弱い生き物、壊れやすい生き物である
◆今回の事件は襲撃対象が特定されていたようだが、秋葉原の事件はじめいくつかの典型的な通り魔殺人事件では、容疑者は「殺すのは誰でもよかった」と語る。いずれにせよ、社会や他者に対するムチャクチャな逆恨みがあり、自分は社会や他者から必要とされておらず、社会や他者のなかに居場所がなく、悪いのは社会や他者だという感覚が、強くあると思われる。そのような人間が多くいる社会は、危険で、大多数のまともな人びとにとって住みにくい社会であるから、社会として対策を講じるべきだ
◆その意味では、かつては血縁共同体や地縁共同体が、一種の社会的なバッファ(緩衝材)やセーフティネットの役割を果たしていた。本家分家といった親戚関係もそう。親戚に一人はいた、ヘンに物わかりのよいヤクザなおじさんもそう。若衆宿(若者宿)や娘宿もそう。長屋(「大家といえば親も同然、店子といえば子も同然」の発想、世話役や「兄い」「あにさん」の存在、月番を決めた共同生活)や向こう三軒両隣や隣組や近所付き合いもそう。ヤクザの親分子分のような擬制的血縁関係やゴンゾウ部屋もそう。それらが、危ない連中や病気になりかけた連中に居場所を提供し、指導や矯正の場所となっていた。工業化、都市化、核家族化、少子化、情報化などによって、そういったものが崩れた。新たなバッファやセーフティネットが必要だが、その再構築には20年や30年という長い時間がかかるだろう(それ以上の年月をかけて崩れてきたのだから)。それでも、いまから手を着けるべきではないか
◆なお、凶悪犯罪に対する厳罰化は、今回のような事件には抑止効果がない。社会的な居場所がなく、自分がどうなってもよいと考えていることが事件の大きな要因だとすれば、死刑になろうが監獄にブチ込まれようが本人はどうでもよいのであって、やったヤツを死刑にしても、やるヤツの数は減らない。以下は事実を異なるかもしれず、誰かに調べてほしいと思いますが、この種の犯罪者は、刑務所で規則正しく、おっかない看守や先輩受刑者のなかで生活し、決められた作業なんかをやると、ほとんどキレたりせずにおとなしく、むしろ生き甲斐を感じてくるんじゃないかという気がします。つまり、監獄で居場所を見つけると。あくまで推測ですから、メディアには追跡取材をしてもらいたいと思いますけれども
●終日、原稿書き

11-23 ●「ドーンと福井in神楽坂 越前・若狭まつり」が神楽坂にて開催中。22〜24日、11〜17時。お出かけください

11-22
●田原総一朗から電話あり。アメリカに行ってきて、いま帰ったと。ブッシュ大統領に会ってきたそうです。明日のサンプロでやると。佐藤優との対談本(上巻)を、えらく喜んでいた
オバマのニューディールが始動します。ラジオ演説というのも、ルーズベルトを意識してのことか。ブッシュは、つまり共和党フーバーです。世界大恐慌のときは、民主党ルーズベルトがやったけれども、本格的な景気回復は第二次世界大戦までずれ込んだ。今度はどこで戦争するのか? あるいはアメリカは、もう戦争ができないのか? 佐藤優・田原総一朗緊急対談『第三次世界大戦』(上・下2巻本。アスコム刊)に答があります。お読みください
●終日、原稿書き

11-21
●首相をやっている麻生太郎が、「郵政の株式売却を凍結する」(未来永劫に凍結するならば、民営化否定と同じこと)とか「高いとき売れと言っただけ」とか、ほとんど壊れた発言を繰り返している。株の放出は先の話で、いま凍結をいうのは意味不明。NTT株を20年かけて放出したことを知らないのか。「未曽有」を読めないレベルだから、知らないんでしょうけどね。親から会社を引き継いだだけで経済通を自認しているらしいが、政府は株屋ではない。政府は、そもそも思い通りの価格では売れない(価格は市場が決める)。政府には、市場が高いときだけ売る見極めなどつかない(つけば、こんなにオロオロしていない)。価格をつり上げて売って歳入を増やしても、すぐ値下がりすれば国民に対する騙し同然。それは、ほめられた政策でも何でもない。NTT株の放出のとき、野村総研が50万円と見積もったのに、野村證券がこれを強引に伏せて売り出し価格をつり上げ、政府を儲けさせたのは有名な話。煽り政策が奏功し、NTT株はバブル期に一時300万円台を付けたが、その後、急激に値下がりした。現在は40万円以下だから、政府放出時にNTT株を買ってずっと持ち続けている者は全員が損をこいている(高値売り抜けに成功した者しか儲けていない)。国民はNTT株で政府や野村證券に騙されたと学習しているから、麻生の目論見のように簡単には、騙されないでしょう
●親から会社を引き継いだといえば、麻生太郎は、医者には世間知らずが多いというときも、わざわざ「社長をやっていたから言うわけじゃないが」とか、自慢とも何ともつかないことを口癖のように言う。「財産はうなるほどある」とか。あと自慢できるのは、『ゴルゴ13』などマンガで国際情勢を学んだことくらいらしい。というのは、ほかに自慢めいた言葉を聞かないので。ところで、自分が努力して得たものでないものを自慢げに言う人物を、私は子どもの頃からバカにしていました。もちろんいまでもバカにしています。同じようなことを、政治広報センターの宮川隆義が『週刊文春』(一つ前の号かな)で書いていた。自民党総裁選で勝ったとき、麻生は就任挨拶で「私も今ここに立ちます時に、少なくともこれは麻生太郎に与えられた天命だと思っております。思い返せば130年前の9月の22日、吉田茂が生まれております。おととい私も68歳になりました」と挨拶した。つまるところ、この男には、ほかに自慢するものがないのだ。オバマを見よ。オバマのオヤジはアフリカ系の黒人。ましてオバマの祖父が誰だろうが、そんなことは一切問題にならないんだ、と
●同じような話を、佐藤優は田原総一朗との対談『第三次世界大戦』で、ロシアの政治家から言われたと語っている。安倍晋三や福田康夫らのお世話係を務めたとき、「すごいな。北朝鮮と一緒だな。まさに東アジア類型だ。世襲を誇る政治家なんて、ロシアにはいないぞ」と、向こうの外交委員長か何かに言われたと。もう少しで本になります。ご期待ください
●日大授業。あとは原稿書き

11-20
●終日、原稿書き

11-19
●終日、原稿書き

11-18
●1時から30分ほど、ニッポン放送の電話インタビューに応える。地上デジタル放送について。放送は21日の朝、『お早う!Good Day』にて10分ほど予定

11-17
●終日、原稿書き

11-16
●原稿書き
●金融サミット報道で一言。メディアは「日本国首相がどう言った」かでなく、「日本国首相の言ったことは、世界でどう受け止められた」かを報道してもらいたい。麻生太郎は「市場主義のアメリカもダメ、規制強化のEUもダメ。その中間がイイ」という趣旨を述べた。それはアメリカやEUに支持されたのか? それともアメリカにバカにされ、EUにもバカにされたのか? どっちなのか? というより、それ以前にアメリカやEUに麻生発言は伝わったのか? 伝わらなかったのか? また麻生太郎は「次の金融サミットが必要。それは日本で」と述べた。そんなこと日本の記者団に言うだけでは無意味だが、麻生太郎は各国首脳にちゃんと言って、前向きな感触を得たのか? そもそもアメリカやEUに、次回日本でという麻生構想は伝わったのか? 伝わっていないのか? そこまで報道しなければ、ただの提灯持ち報道にすぎないでしょう

11-15
●原稿書き

11-14
●日大授業以外は原稿書き。午前中、メールの話になって電子メールのマナー(件名 返信 CC・BCC ファイル添付 改行など作法・常識)についてひとしきり。「WordやExcelは世界標準じゃない。いきなりメール添付して人に送りつけてはダメ。一太郎をいきなり送りつけるのと同じだから。わかった? こういう話、初めて聞いたのか? 1年や2年のとき情報処理とか、やらなかったの?」と聞いたら、「それ学校に言ってください。やったけど、WordやExcelの使い方をやった」と。つまり、私が教えたのとは、まったく逆の話を教わり、それではダメだと、いま初めてわかった、と。ま、どの大学でも似たようなものなのでしょうね。午後は、マイケル・ムーア『ボウリング・フォー・コロンバイン』を放映。マイケル・ムーアは原一男を尊敬しているらしい。その原一男は田原総一朗を尊敬していたわけよ、と話す。田原のところには『ドキュメンタリー青春』のビデオが何本かしかないそうだけど、一度、上映会をやりましょうと言ってある。見れば、ただ人の発言を遮るだけのオヤジじゃないと、誰でもわかるでしょう
麻生ドングリ政治、朝三暮四政策の続き。猿どもにドングリを四つ配るが、セレブ猿には配らなくてもよい。どうするかは、地方地方の役人ザルに任せる。それが「地方分権ってもんだ」という。こんなミゾウユウ(正しくは未曾有=みぞう)の政策は、地方ザルにはいい迷惑。忙しく働いている地方自治体、たとえば町長を入れても町役場に十数人しかおらず、ある職員が「上下水道関係および住基ネット」を一人で担当しているという町が、日本にはあるわけです(長野県で視察したことがある)。そんな「地方自治体に、中央政府がカネを渡し、期限までに配らせ、所得1800万円以上の金持ちにも配るかどうかだけを地方自治体に決めさせる」のが、なんで地方分権? ま、冗談のつもりだったんでしょうが、この冗談は通じない。財源(カネじゃなくて、カネを生み出すもの)を地方に渡し、それを使う権限を地方に渡すのが地方分権。過去の中央による地方支配のやり方をフシュウ(正しくは踏襲=とうしゅう)していては、地方分権はできない。それこそ腐臭の漂うやり方です

11-13
●終日、原稿書き
●私がまとめ構成した竹中平蔵・田原総一朗著『ズバリ!先読み日本経済──改革停止、日本が危ない!』(アスコム刊)が3刷になりました。おかげさまで、ありがとうございます。まだお読みでない方、よろしくお願い申し上げます
朝日新聞サイトから。《トヨタ自動車の奥田碩相談役は12日、首相官邸で開かれた「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の席上で、厚労省に関する批判報道について、「あれだけ厚労省がたたかれるのは、ちょっと異常な話。正直言って、私はマスコミに対して報復でもしてやろうかと(思う)。スポンサー引くとか」と発言した。(中略)「新聞もそうだけど、特にテレビがですね、朝から晩まで、名前言うとまずいから言わないけど、2、3人のやつが出てきて、年金の話とか厚労省に関する問題についてわんわんやっている」(中略)「正直言って、ああいう番組のテレビに出さないですよ。特に大企業は。皆さんテレビを見て分かる通り、ああいう番組に出てくるスポンサーは大きな会社じゃない。いわゆる地方の中小。流れとしてはそういうのがある」(中略)「現実にそれは起こっている」》
ボケてきましたね、この奥田碩というお年寄りは。お気の毒なことです。若い頃、苦しい生活のなかで必死に年金の掛け金を払ったのに、その記録がどっかいっちゃって年金が減額されれば、国民が怒るのは当たり前。それに乗じてテレビが厚労省批判をするのは、なお当たり前の話(怒る国民にテレビが乗じて、です。テレビに乗じて国民を怒るわけじゃない。ここ超大事)。トヨタが、そんな当たり前のテレビ番組のスポンサーから降りるのはトヨタの勝手だからよいが、二つほど疑問がある
●【1】なんで、そうまでして厚労省批判を阻止したいのかが、よくわからない。トヨタにどんな得があるのかも、国民にどんな得があるのかも、見えない。【2】経団連会長までやったトヨタ相談役は、「厚労省批判一辺倒のテレビ番組はけしからん」→「そんな番組はスポンサードしない」→「そんな番組を見る連中には、トヨタのCMを見せない」→「そんな番組を見る連中は、トヨタの車を買ってくれなくて結構だ」と、言っていることになる。そんな番組を見る連中とは、つまりは「厚労省をけしからんと思う国民」でしょう。私の理解では、厚労省をけしからんと思う国民のほうが、思わない国民よりはるかに数が多い。とすれば、トヨタ相談役は「国民の大多数はトヨタの車を買わんでいい」と、そう口に出したわけではないけれども、そんな考えと思われかねない発言をしたも同然となる。その過半数は、ぶっちゃけ貧乏なほうに寄った多数派です。そこで、なぜそんなトヨタの損になる発言をするのかが、よくわからない。別に背任行為をしたわけではないが、トヨタに損害を与えかねない背任的な発言ですから。トヨタは超高級車だけを作るのではなく、大衆車も製造販売していますからね。そもそも低所得層も含めて、つねに国民全体の幸せを考え、広く国民に使ってもらう車を作るというのが、日本1の製造メーカーの責任であり、誇りというものでしょう(スポンサーを降りるなんてのは、せいぜいが宣伝部長のいうこと。世界トップに躍り出ようという巨大メーカーのトップが口にする話ではない)。その自覚もなしに、こんなわけのわからない発言をするというのは、つまり呆けたんでしょうね
●ところで、メディアは、政治家でも経営者でも誰でもいいが、誰かの発言を右から左へと流すだけではダメです。それでは中継鉄塔の意味しかない。ある発言があったら、発言者に対して「その発言は、これこれの意味になると思うんですけど、あなたのお考えは?」「その意味に受け取られても、かまわないんですね?」と聞かなければならない。もちろん、そう聞くチャンスがなければ、急ぎ発言だけを報じてもよいが、フォロー取材や後からの解説が必要になるわけです。それ以前に「これこれの意味」を読み取る読解力、批判力が必要であることは、いうまでもありません

11-12
●終日、原稿書き
●いまから2500年以上も前のこと。中国の春秋時代、宋に狙公というオヤジさんがいて、飼っている猿どもに「お前たちにドングリをやるけど、朝三つに夕方四つでどうだ?」と言った。猿どもは「朝三つ? そんなの少なすぎだ。もっとくれ!」「そうだ、搾取しすぎだ」「もっとよこせ!」とキーキー騒いだ。そこで狙公が、「わかった。物は相談だ。財政難でこっちも苦しいが、頑張って朝四つにする。いいか、朝ドングリ四つだぞ。それで夕方三つだ。これでどうだ?」。すると猿どもは、「うん、それならいい」「いいぞ、いいぞ」「やったね!」「いよっ、さすが狙公!」と大喜びした。──朝三暮四です。減税をやめ消費税アップで、でも国民一人に1万2000円(子どもや老人は8000円加算)を配るという麻生バラマキ政策に、どのメディアが言い出すかなと思っていましたが、東京新聞が特報面で書いていた。このところずっと原稿書きで、ほとんどテレビ・新聞・雑誌に目を通していないので、ほかのメディアも取り上げているかもしれませんけれども。ま、政府与党には悪いが、日本国民は猿どもとは違う。こんな稚拙なバラマキに騙されはしない。今回の麻生ドングリ政治は、「政権」浮揚策にはなりません
●付言すれば、麻生太郎または日本政府は、猿をだました狙公より悪質である、ともいえます。狙公はドングリを、山から取ってくるか、どこからか買ってくるかする。つまり、配るドングリは、猿どもが栽培したり、拾ってきて収めたりしたドングリではないでしょう。しかし、日本政府が国民に配る一人1万2000円のドングリは、もともと国民が税金として収めたものですからね。それにしても、「カネをばらまくけど、高額所得者は受け取らないで」と頼むなんてアホな政策が、どこの世界にあるか
●もちろん、2兆円ごときをばらまいたところで、アメリカ金融危機に端を発した世界経済危機によって沈んでいる日本経済には、何の効果もない。「景気」浮揚策にもなりません。リーマンブラザーズの負債額は1社で65兆円超。米大手金融は2ケタの兆の損失を出してもがき苦しんでおり、その連中を含む外国人が東京株式市場の過半数(6割以上)の株を買っていたのだから、大暴落して当たり前。日本国内で2兆円配っても、株式市場はピクリともするはずがない。★日本の大企業はアメリカ経済が危機に瀕しているから、アメリカで物(たとえば自動車)が売れず、円高のせいもあって輸出が不振で、したがって下請け・孫請けも業績が悪い。つまり景気が悪い★んだけど、一人1万2000円の配布は以上のプロセス(★〜★)のどこにも、ほとんど作用しない。だから、景気は悪いまま。そんなのは、子どもでもわかる理屈だと思いますけどね。麻生太郎は100年に1度の危機というが、それよりしょぼい危機だった1990年代、日本政府は「特別経済対策」というバラマキを毎年のようにやり、何の効果もなかった(土建屋がムダな工事をやっただけ)。それよりケタ違いに額が少ない2兆円は、単なる捨てガネです。もったいないことです。その2兆円で一家(5000万世帯)に1枚4万円の地デジ振興券を配ったほうが、まだマシだと思いますが、誰一人そう提案しないのも、なかなかすごい。3年後、あのとき配っときゃよかったと嘆いても、後の祭り

11-11
●終日、原稿書き。『文藝春秋』最新号によると「知の怪物」こと佐藤優と田原総一朗の対談『第三次世界大戦(上巻)』(アスコム刊)脱稿。引き続き下巻を執筆中。年内配本を目指します。佐藤優と田原が、のべ20時間以上話し、ときに激論を交わした(たとえば天皇問題)渾身の対談です。ある回に佐藤は、対談前にイスラエル諜報機関モサドの元ナンバー3だか4を連れてきたこともあった。むちゃくちゃおもしろい。グルジア問題なんて、日本政府・外務省の知らない情報が満載です。とにかく買ってください。ぜひお読みください

11-10
●終日、原稿書き

11-09
●終日、原稿書き。えびす亭で夕食
●午後、田原総一朗から電話で「いま、筑紫さんの出棺に立ち会ってきた」と、なんともがっかりした様子。「田原さんが、さぞ気落ちしているんじゃないかと、心配していた。頑張ってくれないと困りますよ」「老骨にねえ、鞭打って、やるしかないか」と。テレビ局が自前のキャスターを全然育てていないこと、久米宏の番組などにつき、しばらく話す
●右とか左とかいう前に、大統領でも自民党総裁でもいいが、そのレベルの政治家とテレビで1対1のまともな議論ができるキャスターが日本に何人いるか、考えてみてください。筑紫哲也が亡くなったことは、テレビ全体にとって大きな打撃だと、私は思います。2年ほど前か、民放連の報道研修会で同席し、講師控え室でタバコを吸うのが筑紫哲也と私しかいないものだから、間に灰皿を置いて「最近は人間扱いされていませんよね」なんか言って、スパスパやったのを思い出します。ご冥福を祈り上げます。(原稿が詰まっていて、遅くなりました)

11-08
●終日、原稿書き

11-07
●日大休講。終日、原稿書き

11-06
●終日、原稿書き
●フジテレビの調査情報誌『aura(アウラ)』2008年10月31日号が、「地デジ移行まで1000日」を30ページで大特集。市販されていないので、図書館などでお読みください。山本博史の「地デジ推進策の通信簿」には、参考文献五つの一つに拙稿「地上アナログ放送を停止できない10の理由」(『放送レポート』214号)を挙げている。専門家12名への600字アンケートも掲載され、私も回答しています。「地上デジタル放送 現行計画『すでに破綻』の決定的な理由10」(『GALAC』2003年10月号 総力特集「地上デジタル放送の落としどころ」)を書いた私としては、「予定通りにデジタル移行できないと考える人、こんなにいったっけ?」というのが率直な感想。5年間で、それだけ状況が変わったわけでしょう
●参考まで、アンケート回答の筆者/見出しをご紹介。桂敬一・立正大講師/文化的独自性をどう維持していくのか、鈴木嘉一・読売編集委員/自己目的化した地上デジタル放送、阿南久・消費者連事務局長/説明と広報不足による混乱は必定、佐々木俊尚・ITジャーナリスト/地上波放送の従来の概念が崩壊の可能性、志賀信夫・放送批評懇談会名誉会長/国策と認識した責任ある政府方針を、須藤春夫・法政大教授/地デジ「構造改革」に見直しを、歌田明弘・評論家/デジタル化の「ほんとうの理由」をもっと説明すべきでは?、隈部紀生・放送批評懇談会専務理事/親身になった情報の提供がカギ、石橋庸敏・日本CATV連盟/国民の理解を薦める努力を、大井眞二・日本マス・コミュニケーション学会会長/地デジで視聴者との距離が縮まるだろうか、清水英夫・青山学院大名誉教授/現代最大の人権問題となりうる、坂本衛・ジャーナリスト/アナログ地上放送の完全停止を延期するほかに道はない

11-05
●日本時間で正午過ぎ、オバマ当確。まさに地滑り的な勝利、圧勝です(【2時半追記】ほぼダブルスコアでの大勝)。小沢一郎とオバマ、日本の民主党とアメリカの民主党は、まるで違っていますが、米共和党と日本の自民党は、長くやってきた、それも一緒にうまくやってきた(たとえば子ブッシュのイラク戦争を世界最速で支持したのは小泉純一郎)という点で、よく似ています。だから米大統領選の結果は、日本の総選挙に必ず影響するでしょう。大統領就任は1月20日午前零時。麻生太郎が「政権与党からの転落だけは絶対に避けたい」という考えならば、総選挙は2月以降です。もっとも可能性が高いのは2009年9月選挙で、それまでいつの時点で選挙をやっても、自民党は負けると思います。言い換えれば、日本では2009年9月までに政権交代が起こるだろうと、私は思っています
●夜、TBSニュース23をちらと見ると、オバマ対マケインは獲得選挙人数で349対163(圧勝)、得票率で52%対47%(接戦)。「小選挙区制」や「選挙区ごと総取り方式」は、こういう結果となります。小泉郵政選挙(2005年9・11)も同じで、自民・公明対民主・その他野党は議席数で327対135(圧勝)、得票率で小選挙区49%対46%、比例区51%対48%(接戦)。それにしても、よく似た数字が出るもんだと思いますねえ。多くの民主的な先進国で、国政選挙の結果がこんな感じになるとすれば、(1)ある程度豊かな国では、国の基本システムを抜本的に変えるという話にはならず、それを大きな争点にしないという意味で、与野党の政策が似てくる。(2)テレビ選挙やネット選挙を通じて有権者の支持を得るシステムなので、政治がウケを狙うわかりやすい政策やバラマキ型政策を指向し、与野党の政策が似てくる。(3)価値観が多様な社会では支持政党なしの「どっちつかず党」(中間層、浮動票)が最大のボリュームを占め、その支持を取り付けようとするために、与野党の政策が似てくる。──からでは。もちろん、まったく逆方向の左右真っ二つに割れている開発途上国の総選挙結果が51対49と出る場合もあるんだけど、民主的な先進国では80対20というような結果は出ず、だいたいが「50いくつ対40いくつ」に近づくように思います(調べたわけじゃない。興味のある方はお調べを)。まあ、大統領支持率85%というような国は、早い話が後進国
●現時点で、自民・公明党と民主党の政策は、ほとんどウリ二つ。この場合は(どうでもいいけど)「飽きた」「賞味期限切れだ」といった理由が選挙結果を決定づけるでしょう。2005年9・11は(どうでもいいけど)「郵政民営化に命がけらしいから、小泉にやらせろ」という結果。国民が騙されたわけでも何でもないと思います。2代続けて「あいつら命がけじゃない。放り出しやがった」とわかったんだから、同じ国民が違う結果を出すでしょうね
●終日、原稿書き

11-04
●原稿書き。18〜19時半、議員会館にて石破茂・対談の最終回。ビジネス社・岩谷健一と。神楽坂に移動し、焼鳥屋で軽く打ち合わせ。9時半〜新潮文庫・青木大輔と打ち合わせ@ジョナサン
●前防衛大臣・石破茂は田母神前空幕長の一件につき、「自分がさんざん言ったことをまったく理解していなかった」と、怒り心頭を通り越し、呆れ果てていた。『諸君』『正論』『Will』しか読まず書かず、国際的にまったく通用しない「日本は侵略国家ではない」「蒋介石とルーズベルトに騙された」「先の戦争は100%自衛戦争」などと無知蒙昧の妄言・謀略史観・自虐史観を振りかざす連中(たとえば、渡部昇一「先生」)もボロクソに批判。ついでに映画『靖国』でシャシャッてきた自民党若手のアホな考えも、苦り切った顔で切り捨てた。まったく正論だと思います。航空自衛隊(国際的な理解では日本の空軍)が「日本はアメリカに騙されて太平洋戦争に引きずり込まれた」「朝鮮半島の連中は日本のお陰で幸せになった」などと公言するバカな司令官に率いられていると、米軍や韓国軍との共同作戦(対北朝鮮で何かあれば、一緒に戦争する)に支障を来す。日米安保体制を揺るがすのです。断じて、定年退職で済む話ではない
●小川和久も、「日本の外交・安全保障に悪影響を及ぼしかねず、厳しく責任を問われなければならない。田母神空幕長の行動は、軍事組織に置き換えれば無謀な作戦指導を行なったに等しい。そうした判断すらできない人間が航空自衛隊のトップにふさわしいかどうかは明らかだろう。思想・信条の問題ではないのだ。」と書いています(「電気新聞」最新コラム)。いまアメリカはお祭り騒ぎだから、目もくれず、何も言わないだけ。落ち着いたら、ちょっとした事件をきっかけに、慰安婦問題や日本の右傾化問題が吹き出す恐れが、たぶんにあるでしょう

11-03
●午前中、工務店の監督が来て、うちの外階段やベランダの防水工事の予定を説明していった。明日から階段工事に入るというので、植木鉢だのプランター棚などを移動し、掃除。午後までかかってしまって痛い。あとは原稿
●医者・医院むけの月刊誌、朝日新聞社『メディカル朝日』の2008年11月号(1日発売)の巻頭インタビュー10〜13pに「医療ができることを探し求める」と題して、外科医・国境なき医師団日本前会長の臼井律郎が登場しています。聞き手は坂本衛。ぜひお読みください。とくに麻布関係よろしく
●米大統領選挙は、アメリカ合衆国史上初の黒人・オバマが勝ちます。地滑り的圧勝となる可能性もあるでしょう。ダイナミックに動く国だ、アメリカも捨てたものではないという感想を持ちます。日本政府は、共和党マケインになってほしいという願望も作用したのか、ずっとマケイン優勢という分析で動いていた。麻生太郎の直近の総選挙断念には、オバマ当選確実という分析に変わったことが甚大な影響を与えました
●レイムダック(びっこのアヒル)どころか、水かきを失い、ただ浮いているだけのアヒルと化した子ブッシュに代わって、金融安定化法案の再可決に精力的に動いたのはオバマです。イラク、北朝鮮、イランと、アメリカは大きく変わると思います。それにひきかえ日本は……とは、日本国民だけではない、世界がそう見ています。偏狭な右派思想の持ち主に率いられた現政権は、総選挙をへていない不安定政権と見られていますから、リベラルな米民主党政権にあれこれつけ込まれそうな気配。国内へのバラマキに必死こいてるようでは、先が思いやられる

11-02
●終日原稿

11-01
●終日原稿
●ジャニーズ「嵐」の二宮和也が表紙とグラビア3p「嵐がすべて。で、嵐はずっと嵐」に登場する11月6日発売の『GALAC(ぎゃらく)』12月号(No.139)は、その後も注文殺到。やや勢いが弱まったものの、在庫切れ間近なようです。どうしても入手したい方は、お早めに。なお、二宮和也が本邦初!──日本で初めて「単独で」雑誌の表紙を飾った『GALAC』2002年12月号のコピー・サービスはもうやっていないんですかとの問い合わせメールが、私のところにまできた。6年前のこの号は即完売で、表紙のコピーでもいいから入手したいという方が300人だったか400人だったか殺到。表紙とグラビアの極上コピーを実費でお分けした。送料込み400〜500円くらいだったかな。編集長だった私が断言しますが、もらったのはホント実費だけで、編集部はタダ働きでした。GALAC編集部では今回、一度お断りしたようですが、その後も問い合わせが相次いだため、手が空《す》く11月中頃に期間限定でコピー・サービスをするそうです。しばらくしたら放懇サイトに告知が載ると思いますので、ご希望の方はそちらをご参照
●クビになった空自・航空幕僚長のバカさ加減に驚きます。昔、自衛隊を当然、国軍にすべきという考えかと思って小川和久にそう聞いたら「いや。自衛隊には、とんでもない考えの連中が多い。まだまだ時期尚早だ」と答えたことを思い出します。◆「私たちは多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価していることを認識しておく必要がある」──国際感覚ゼロの、愚かな時代錯誤者による、完全なデマです。多くのアジア諸国って、どことどこが? そういう評価の国の数と人口、そうでない評価の国の数と人口を比較してから、ものを言え!◆「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」──朝鮮・満州国境から出たのはどっちか、上海に追撃し、なお奥地へと進撃したのは誰か、調べてからものを言え! 蒋介石が中国大陸の何%を実効支配していたと思うんだ? そんなショボい蒋介石に戦争に引きずり込まれ、満州と朝鮮半島を失った日本って、どれほど愚劣な指導者に率いられたアホで他律的な国家だったんだ? 引きずり込まれたバカどもの責任は? 日本遺族会は蒋介石やルーズベルトに愚かにも騙された被害者の会か? 大日本帝国や旧軍人をバカにするにもほどがある。ふざけんな!◆アホらしいからやめますが、「戦後の自虐史観から脱却を!」と主張する連中が、なぜ一様に「戦前の日本は悪くない。一方的に騙された日本は、アホでバカで他律的な正直者でした」という明らかな「自虐史観」を主張するのか、私はたいへん不思議です◆どうでもいいですが、こんなくだらない論文だか何だかを1等賞にして300万円の賞金をやったホテルチェーンは、中国人客や韓国人客やアメリカ人客からボイコットされて当然でしょうね。愚かな経営者だと思います
毎日新聞2008年11月1日東京朝刊「立場をわきまえず──軍事アナリストの小川和久さんの話 田母神氏の論文公表は、航空自衛隊トップとして立場をわきまえない幼児的な行動だ。内容も非科学的で、自衛隊をはじめ、日本に単純思考のタカ派が台頭しているのではないかとの警戒感を世界に与える恐れがある。国家の存亡を左右する組織トップの不祥事だけに、更迭で終わらせるのではなく、厳しく処罰されるべきだ。」──その通りでしょう
●ついでに一言。この種の妄言は、たとえば『諸君』2006年6月号、東大名誉教授・伊藤隆、立命館大教授・北村稔、ジャーナリスト・櫻井よしこ、国際問題評論家・瀧澤一郎、京都大教授・中西輝政らのトンデモ座談会「あの戦争の仕掛け人は誰だったのか?」が典型的。張作霖爆殺をやったのはソ連スパイ、日中戦争の仕掛け人は中国共産党と、戦前の日本が何も考えておらず、アカの意のままに右に左に動くあやつり人形だった式のバカげた歴史観を開陳している。日清、日露、第一次大戦、二十一ヵ条要求、五・四運動、五・三〇運動といった歴史の流れ、歴史的な背景への理解がまるでない珍妙史観。歴史の連続する構造や動き・展開を体系的に見ず、どこそこに共産党のスパイがいたからこの事件はこいつのせい、あの事件はあいつのせいと指摘するだけだから、実は「史観」とはいえない、単なる「歴史的事件観」。なんでこんなのが東大名誉教授や京大教授でいられるのか、理解に苦しみます。前・空幕長の論文には「(日米戦争は)日本を戦争に引きずり込むために、アメリカによって慎重に仕掛けられた罠《わな》であったことが判明している。実はアメリカもコミンテルンに動かされていた。」とあるから、この座談会記事も参考にしたのかも
●今後の予定その1。佐藤優・田原総一朗の緊急徹底対論本(上下2巻)は、アスコムから年末刊行。年初には書店に並ぶ予定です。各社の単行本を軒並み遅延させているらしい佐藤優が、「この本の校正は、すべてぶっ飛ばして、編集部に行ってやります」と。「こっちも寝ないでやりますから、くれぐれもよろしく」と。なお、小林よしのりと佐藤優の戦争が、沖縄から北海道、アイヌ方面に戦線拡大中。雨宮処凛の主張(格差をなくせとはいわない。絶対的貧困をなんとかせよ)に共感する佐藤優は31日、先日の東京渋谷・麻生太郎邸見学ツアーでおとなしく歩いていた一団を警察が突如として制圧し、無届けデモ・公務執行妨害で3名を逮捕した事件に怒り心頭。鈴木宗男に話したら、鈴木は「それは捨ておけない」と警察に「何をやっておるか!」と電話し、政府にも質問趣意書を出す由。「絶対的貧困を、なんとかしなければ。雨宮処凛たちの支援が必要だ」と言う佐藤優に、田原総一朗は「わかった。財界にも、ちゃんと話す」と。なお、『GALAC』2007年8月号で岩本太郎が雨宮処凛をインタビューしています
●予定その2。石破茂・小川和久の徹底対論本は、年明けにビジネス社から刊行予定です。『日本の戦争力』『日本の戦争力vs.中国、北朝鮮』を読んでいささかでも得るところがあった方は、小川和久の分析を前・防衛大臣にぶつけた回答、その石破茂が明かす自衛隊の驚くべき実態を逐一書いてあるこの本を、どうぞお読みください。国防・防衛・自衛隊についての、ここ2〜3年でもっとも刺激的な本であることは、私が保証します。なお、『日本の戦争力』も今回の本も、企画プロデュース・構成・執筆ともに坂本
●予定その3。野村克也・田原総一朗の対談本は、2009年3月上旬にイーストプレスから刊行予定です。難題噴出、組織も家族も人も沈みつつあるなか、組織を家族を人を子どもたちを再生するには、つまり日本を再生するにはどうしたらよいかという指針を示す本。企画プロデュース元木昌彦。田原は31日、「野村さんのWBC監督問題についての発言、スポーツ紙にもっていったら一面トップだよ」と、私と同じことをいっていた
●予定その4、その5。『オフレコ!(仮タイトル)丸ごと一冊、どうなる資本主義、どうする日本!』『オフレコ!別冊(仮タイトル)新・共産党宣言』は準備ができ次第、取りかかります。もうしばらくお待ちください
●予定その6、その7。田原の「朝日ギロン堂まとめ本」は年内、「新・自民党抗争史」は2008年春以降に朝日新聞出版から刊行予定です
●予定その8。『日本の戦争力』は2009年3月までに新潮文庫から刊行予定です。というわけで、サイト更新も当分とぎれがちとなるので、よろしく

10-31
●日大授業は芸祭準備でナシ。午後1〜3時、佐藤優と田原総一朗対談最終回@ANA。アスコム高橋克佳・小林英史も。4〜6時野村克也と田原対談最終回@ニューオータニ。出版プロデューサー元木昌彦(元『週刊現代』編集長、前オーマイニュース社長)も。編集部と四谷の中華料理屋・京華園で軽く一杯
●以上のほか、終日原稿
●竹中平蔵と田原総一朗の対談本『ズバリ!先読み 日本経済 改革停止、日本が危ない!』(アスコム刊。構成・執筆は坂本)が10月10日以降に書店に並びはじめ、2度目の増刷がかかりました。ありがとうございます。手に入りにくい書店が多いかと思いますが、ぜひお読みください。これ以外のアスコムの本も幸い順調なようです。引き続きご支援をよろしくお願い致します
●竹中の勉強法の本(幻冬舎)が売れていますが、勉強法は、いってみれば手段・方法。その勉強法による成果で、竹中平蔵は何をどうしたかという目的・実践は、こちらの本をご参照!。総務大臣で現首相・麻生太郎が、小泉・竹中の郵政改革に徹底抗戦し、「竹中、覚えてろよ」と捨てゼリフを吐いたエピソードも必見です。その男が、「郵政民営化をやるか、やらないか」を問うた総選挙による300議席を背景に、国民の審判をへず首相になったのだから、私は「麻生内閣には正統性がない」と思っています
●私は、竹中平蔵の考え方に全面的に賛成などしていないが、竹中による不良債権処理(バブルに踊って、バブル崩壊後に何もせず「失われた10年」を招いた無責任な大蔵省・自民党・銀行その他金融機関の後始末)や郵政改革(30万人の公務員クビ切り)は、やったほうが、やらないよりもはるかによかったと確信しています。もちろん小泉の「民間にできることは民間で。官がやる必要はない」との考え方も、基本的に大賛成。以上と格差の拡大は、基本的に別の話。90年代に借金を重ねてムダな総合経済対策を連発し、たとえば土建屋や不動産屋とサラリーマンの格差を広げたことは、小泉・竹中の責任より、それ以前の首相・大蔵大臣・政府与党の責任のほうがはるかに甚大
●竹中は本の中で、「国が貧困調査をやれ。アメリカではちゃんとやっている。絶対的貧困層のセーフティネットを大至急、構築せよ」「バイトやパートを低賃金で使い倒す企業はけしからん」という意味の主張をしています。貧困調査の実施は安倍内閣に進言したとも。これは、たとえば雨宮処凛の考え方と変わらないでしょう。官僚のどうしようもない自己保身についても繰り返し批判している。「悪いのは全部、小泉と竹中(だけ)」「竹中の主張は全部ダメ」という見方は、全然デタラメです

10-30
●私は彦根プリンス(9階の端っこの部屋[田原も同フロアの反対側の部屋で、たぶんいちばんいいツイン部屋]だったが、汚い。浴槽には誰かの髪の毛が3〜4本。ロクに掃除をしておらず、湯のポットも空で、コンセントが抜いてある。西武から別の会社が買ったらしいが、ヒドいもんです)で朝食を取ったが、田原は米原駅で弁当を買うという。キオスクで、レジ脇にある草餅みたいなのを指して、「こういうの食べない?」「いや、遠慮しときます」。それを一つ取って弁当に乗せて、レジに出していた(酒は飲まず、甘いもん好き。いつか琵琶湖塾の懇親会に神楽坂の和菓子を買っていき、司会者が「差し入れがきているから、どうぞ」というようなことを言ったら、どれどれといちばん最初に行って手をつけたのが田原だった)。「田原さんは、キオスクで買い物するから、カップ麺の値段を知っているわけね」「僕は女房が炊事や洗濯をするのが嫌いなんだ。いまは、朝は自分でレタスなんかちぎってトーストを焼く。夜は全部外食。昼は近所で170円のソバを買って、自分で茹《ゆ》でて食べる」「カップラーメンじゃなくて、袋入りのヤツ?」「そう」だそう。昼過ぎ帰京。原稿。午後6時半、放懇理事会。午後8時〜西早稲田「かわうち」にて打ち合わせ

10-29
●昨夜10時に寝て未明3時に起き、原稿書き。午後7時〜公開琵琶湖塾@彦根・滋賀県立大学。ゲスト講師は手嶋龍一。田原総一朗と。ホテルでも新幹線でも原稿
●いま朝6時半ですが、ちょっと古いことを調べていて、自分の書いた記事に行きあたりました。いま、バラマキ経済対策が議論されています。そして国策「地上デジタル放送」の完全移行期限まで残り1000日を切った。いまから10年半以上前、『GALAC』1998年6月号(執筆は4月半ば)の、同誌巻頭言です。いま私が思っていることと同じなのがおもしろい。以下に紹介させてもらいます。タイトルは「地上デジタルへ国費2000億 これが『運命の分かれ道』」
● 日本国首相・橋本龍太郎によると、景気は「大戦後初めてというくらい、あらゆる悪条件が重なり、きわめてきぴしい状況」です。
 その通り。ただし、こう付け加えるべきです。最大の悪条件は、バブル経済をあおり、バブル崩壊後は不良債権を隠し、バブル後始末を今日まで引き延ばした日本政府だ、と。
 この「戦後最大最悪」景気から脱出するために、いまや「何でもあり」状況。自民党の総合経済対策に5兆、8兆、いや16兆円だと、お前、そりゃいったい誰のカネなんだ。
 昔「3万円、5万円、7万円、運命の分かれ道!!」とやっていた買い物ゲーム番組を思い出します。皆ほしかった冷蔵庫なんかを買った後は枠ギリギリに収める商品選びをし、最後に値段の知れたカレー10箱を積み増したりする。情報化・生活関連、新社会資本――どんな言葉で取り繕《つくろ》っても、いらないものを買う数字合わせには、納得できません。
 情報通信に1兆数千億。中身はたとえば全公立校にパソコン網、中高生は2人に1台って、馬鹿馬鹿しさにのけぞります。単学級化が進む都心の学校は、軒並み40人学級ですよ。教師ふやすのが先でしょう。ナイフもってくる連中が2人仲良くパソコンの前に座る? マシンでどうやって「心の教育」するの?
 郵政省が、突如方向転換して打ち出した地上波デジタルヘの国費負担2000億円にものけぞります。テレビ局と鉄塔屋さんはいいが、国民はどうするんだ国民は。デジタル化が本格化すればテレビは強制的に買い替え、しなければ2000億円ゴミ箱行き。どっちも国民負担でしょう。こんな重要なことを、郵政官僚の何人かが勝手に決めてしまうこの国の歪《いびつ》なシステム、もう変えませんか。(「GALAC」1998年06月号)
●麻生太郎のしょうもなさが露呈してきました。国会で「カップラーメンは400円くらい? よくわからないが」という趣旨の発言。なんとも非常識というか、バカですね、この男は。仮にカップラーメンが400円だとすると、4人がカップラーメンだけを食うときの食費は1回1600円。1日3食で4800円。1か月で14万4000円。1年で172万8000円(正確には175万円以上)。だから、日本国首相は「カップラーメンだけを食べる一家4人の食費は年に175万円くらい? よく知らんけど」と、白昼堂々国会で尋ねたも同然です。年175万円の食費は、日本の4人家族の一般的・平均的な食費(日本のエンゲル係数は20〜24%程度。年収600万円でも150万円以下)より大きいから、月10万円前後の食費で日々やりくりしている日本の主婦たちを完全にバカにしていると思っていい(というか、主婦たちはバカにされたと思っている)。あるいは、こうも言えるわけです。日本国首相は「食費が年間175万円くらいの4人家族は、カップラーメンくらいしか食べないんでしょ? よく知らんけど」と、白昼堂々国会で尋ねたも同然です。かつて「貧乏人は麦を食え」と言ったとされる首相がいた(池田勇人。発言趣旨は違っていたが)。麻生太郎は「貧乏人はカップラーメンを食っている」以上のムチャクチャな話、つまり「平均所得を上回る家庭でも毎食カップラーメンすら食えない」というムチャクチャな認識をさらけ出したことになる
軽い。情けないほど軽く、気楽なもんだと、嘆息せざるを得ません。カップラーメンが400円ならば、4畳半(月2万やそこらかかるでしょう)に住み毎食カップラーメンしか口にしない4人家族でも、年に200万円の出費がかかる。水も飲まない、電気もつけない、外出もしない、トイレットペーパーも買わないとして。しかし、日本には年収200万円以下の世帯が1000万ほどあり、年収200万円以下の労働者が1200万人ほどいるのです。このすべてが単身者や2人世帯、ではなくて、当然4人世帯も含まれている。「カップラーメンだけで175万円なんて、そんなバカな」と思わなければ、日本経済の満足な運営など期待できない(年収200万以下を無視する日本経済の運営は、満足なものではありえない)。ところが、「そんなバカな」とは思わず、ただ「知らない」という非常識な男が総理大臣なのだから、この国の経済の運営はダメでしょうね。ついでに言えば、カップ麺の値段すら知らない麻生太郎が、若者に支持されているなどというのは大嘘。大学で何十人かに聞いてみたが、それらしい声を聞くことはできなかった。麻生太郎のタカ派的な発言またはオタク的な姿勢に共感する一部の者が、ネットの一部などで支持を喧伝しているだけ。ネットの一部だけを見て多くの支持と間違えるのは、メディアや政治家の悪い癖で、加藤紘一の乱のときもそうでした

10-28
●原稿書き。午後16〜18時、野村克也と田原総一朗対談。野村がWBC監督問題について語った話は、明日のスポーツ紙の一面をデカデカと飾ってもおかしくない内容と思えた。誰か、じっくり話を聞いたほうがよいのでは
●25日の地上デジタル問題シンポジウムにつき、放送業界紙「文化通信」(速報)28日付に記事あり。ちょっと坂本の言葉づかいがマズかったせいで、総務省のデジタル移行に関する緊急アンケート調査が「回収率が低い」から「間違っている」と坂本が語ったと受け取れる内容になっています。これについての坂本の主張は、当欄10-23記事五つ目の●の通り。坂本は「(1)回収率が低く、多くはじかれるサンプルが、単身者・高齢者などに偏りがちになる、(2)調査地域に偏り(調査しやすい場所=比較的人口が密集している地域など)がある、との理由により、普及状況を正しく伝えておらず、信用できない調査である」と考えています

10-27
●終日原稿書き
●10月25日のシンポジウム、回収した会場内アンケートによると87%が「おもしろかった」と答えたそう(「普通」や未回答はごく少数)。主催者側とのメールのやりとりで書いたこと三つほど。注は当欄での追記
●〈議論も多岐にわたり、Xデーの議論も見解の相違するバトルにならず、まとまった印象。坂本さんの熱いメッセージを、上瀬さんが受けて「そのとおり。いいことを言う」と後押ししたのは感動的でした〉に対して◆ま、私ほど「テレビに優しい」論者も少ないと思いますけれども。放送局が言えずにいることを全部、総務省が悪い、国は何やってんだと、リスクを一手に引き受けて「代弁」しているわけですから(注:フジテレビ技師長がうなずいたのは、「Xデーがいつなんて、どうでもいい。肝心要《かなめ》の大事なことは、テレビ放送が明日も、3年後も、5年後も、わが家で受信できなければ絶対に困ると、視聴者国民大衆みんなが思うおもしろい番組、役に立つ番組、感動や癒しをもたらしてくれる番組を作り続けることだ。放送局はそれに全力を注ぐべきで、その姿勢が支持されればデジタル化できる」といった趣旨の坂本発言)
●ちょっと嫌みですが◆アナログ・ハイビジョン失敗、BS1000日1000万無理、CS400万無理、光ファイバー普及たいへん(計画達成できず)、NHKは値下げできる……。誠に申し訳ないが、いずれもこれまで、そうなる何年も前に断定して、ハズレたことはない。その証拠となる古い論文も全部サイトで公開している。ま、今回もハズレはしないでしょう。
●〈地上アナログ終了決行・地上デジタル延期がどう決まっていくか、読めない〉という趣旨に対して◆私は、すんなり延期すると思います。延期して困るのは総務省と放送局「だけ」なので(注:放送局は地上アナログ終了を決行しても困る。後述)。メーカーはハイビジョンが6000万台売れれば御の字(予定通り。何の問題もない。それがJEITAの予測。少なすぎるからと増産計画など立ててない!)。国民も全然、困らない。延期できないと思うほうが、大局観がおかしいと思いますね。
●三つ目につき、さらに言えば、総務省は「メンツが潰れる」だけで、別に損はしない。自分のカネで何かやったわけではないし、延期しても給料は下がらない。「なんだ。無責任じゃないか」と言われても、「前の人がやったこと。もういません(別の部署に移っている)」と言えばいいだけ(アナログ・ハイビジョン失敗のとき「無責任じゃないか」と坂本が言ったら、郵政官僚はそう答えた)。延期で出費が嵩《かさ》むのは、アナログ・デジタルのサイマルコストが余計にかかる放送局「だけ」。もっとも、アナログ・マスターの更新はせず、なんとかツギハギ処理でもたせれば、あとはアナログ送出コストだけを、なんとかすればよい。その出費のマイナスと、アナログ停波強行時のマイナス(国民の過半数を占める中〜低所得者層の猛反発と、NHK=受信料/民放=広告費の大減収)をテンビンにかければ、延期したほうが「放送局にとって」得策に決まっている。ようするに、延期して本当に困る者は少ないが、延期しないと大勢が困る。これが大局観。だから、延期は規定路線。これはシンポジウムでも言ったが、1990年に国会が全会一致で「国会及び政府機能の移転を行うべきである」と決めた首都移転(首都機能移転、遷都)は、誰一人ヤル気がない。議決を通した政治家(90年当時の衆参国会議員の全員)は誰も責任を取っていない。日本の国策なんて、そんなもの。できなきゃ、やらないか、延ばすだけ。インド洋給油もそう。一時中断したら、アメリカはどんな剣幕で怒った? 日米同盟関係の、どこがどう崩れた? ガソリン暫定税率の一時撤廃(税金分値下げし、すぐ元に戻した)もそう。大混乱すると言っていたが、どう大混乱した? 道路が造れなくなって、誰が深刻に困った?

10-26
●昨日のシンポジウムは、非常におもしろかった。会場には岩本太郎、丸山昇、隅井孝雄、松田浩、谷口源太郎、音好宏、田場洋和、石井清司、碓氷和哉、井戸秀明はじめ100名弱ほどか。名刺交換したのはテレビ新広島・平田洋一(システム技術局技術部リーダー)、文化通信・中島優(編集局放送部兼サイト事業部。日大芸術学部放送学科出身だそう)、しんぶん赤旗・和田肇、衆院議員吉井英勝秘書・山下唯志。会場には、視覚障害者も来ていて、地上デジタルに対する切実な不安を語った。たとえば「初期設定で住んでいる地域を入力するそうだが、停電で入力し直すのか」「リモコンが複雑すぎ、どうしてよいかわからない」「耳で聞いてわかる、言葉による解説番組が少なすぎる」などなど。地上デジタルを本当に国策にしたいなら、厚生労働省が地上デジタル問題を自分たちの問題としてとらえ、高齢者にとって望ましいテレビ、障害者にとって望ましいテレビのことを考えるべき。それが全然できていないと、私は放送開始前から主張している。まだ、全然やっていません。高齢者や障害者を一切無視する面積比56%縮小のインチキ5000円チューナー問題もそうだが(なんで誰も国会で取り上げない?)、これはシンポジウムでは話す時間がなかった。終了後、南青山3丁目のナントカいう店(碓氷和哉と「どんな店?」「さあ。店を予約するヤツが、魚民みたいなチェーンじゃないほうがいいですよね、と言ってたけど」なんて話しつつプラプラ歩いていき、店の看板を見ると、魚民と同じ感じの文字で、魚民と同じフロア。「これ、きっと裏で調理場つながってるぜ」と)で懇親会。9時前帰宅
●シンポジウム概要は『放送レポート』に載せるそうです。フジテレビ技師長・上瀬千春とは2003年3月7日の緊急国会シンポジウム「地上テレビのデジタル化を考える」でもご一緒。このときの司会も須藤春夫(法政大社会学部教授/メディア総研所長)。こうやって討論会にちゃんと出てくるのだから、やっぱりフジテレビは民放の中でも、もっとも開かれている放送局でしょう
●ところで『月刊ニューメディア』編集長の吉井勇が、非常におもしろいことを二つ言っていた。一つは「昨年、増田寛也総務大臣に大臣室で会った。デーンと置かれた50インチのハイビジョンで字幕放送を見ようということになったが、どういうわけか字幕が出ない。調べると、デジタル放送ではなく、アナログ放送に接続されていた!」と。だから、その前の総務大臣も、その前の前の総務大臣も(増田寛也、菅義偉、竹中平蔵、麻生太郎らは)総務大臣室の50型薄型ハイビジョンでアナログ放送を見ていた可能性が非常に高い。これは、おもしろい。というか、日本の地上デジタル放送推進計画の絶望的な状況を如実に示す大スキャンダルです。うちのハイビジョン受像機は、地上アナログ放送・地上デジタル放送どちらも受信していますが、画質が全然違うから、アナログだけ見ても、いくらなんでもヘンだとわかる。それに気づかないのは、霞ヶ関ではきれいなアナログ放送をケーブルで見ているからかも。いずれにせよ、国策「地上デジタル放送完全移行」の歴代責任者である歴代総務大臣が、現在の地上アナログ放送を薄型ハイビジョンテレビで見て、何の問題もないと思っていた(忙しかったから見てない? ならば大臣室のハイビジョンはただの飾りで、何十万円かの税金の無駄遣いだから、さっさと売り飛ばせ!)。じゃあ、大多数の国民も、地上アナログ放送で何の問題もないと思って当然では。大多数の国民に、あと1000日でテレビを買い換えろと、どの面下げて頼めるんでしょうねぇ!? もう一つは、「菅義偉、竹中平蔵、NHKのせいでそれぞれ1年ずつ。都合3年遅れた」と。なるほど、そういう見方もあるかもしれない。私は誰が総務大臣でも3年やそこらは遅れている(遅れているのが現状である)と思いますが
●終日、単行本の原稿書き
●さきほど小林道雄と30分ほど電話で話し、地上デジタル放送の話も出て、「たとえば戦争になったとき、テレビをデジタルにしておくと(国家として)よいことはあるか?」と妙なことを聞く。坂本の答えは、「テレビ1台1台を把握・管理でき、原理的・技術的には、特定のテレビに特定の情報を送ったり、特定のテレビだけを映らないようにもできる。この民主主義の世の中、そんなことは誰もしないだろうし、できないだろうと思われているが。パソコンでも同じこがいえる。ビル・ゲイツのマイクロソフトは、日本にあるパソコンの過半数を、一夜にして全停止することも、まったく使い物にならなくすることもできる。それ用の更新ソフトを送り込めばよいだけの話。だから、もはやアメリカとは総力戦の戦争は戦えない、ともいえる。原爆二発落として平気なんだから、いざというときパソコンを全部止めるくらい楽勝だろうから。日本も核武装すべきだなんていうヤツは、この問題も議論しないと。グローバル化は、この問題を含む。仕事や遊びでもっとも重宝する机の上の機械の急所を、アメリカに握られていることは、覚えておくべきでしょう」と。ま、74式戦車部隊をどこに配置するなんてことよりは、企業と家庭のパソコンをどう防衛するか考えたほうが、はるかに防衛力強化に役立つ。e-japan計画には、項目すらないだろうけど(小川和久は、防衛大臣や幕僚トップがいる席で自分の携帯電話を取り出し、「何やっているのか。なぜ自分が携帯をこの場所に持ち込めるのか。これで情報戦が戦えると思うのか」という意味のことをいったそう。気の利いた企業は個人携帯を一切持ち込み禁止にしているが、防衛省は全然わかってなかった)

10-25
●午前11時半、日本青年館。昼食兼打ち合わせ。午後1時〜5時、アナログ放送「終了」まであと1000日 公開シンポジウム「地デジ『完全移行』への道」(入場無料詳細は10-24の項をご参照)。終了後に懇親会。地上デジタル放送の進捗状況について、その正確な普及状況について、2011年7月24日の「地上デジタル放送への完全移行・地上アナログ放送の完全停止」の実現可能性について、真摯で現実的な議論ができる場になればよいと思っています。とくにこの問題を担当する新聞・雑誌・放送記者のみなさんには、参加をおススメします(会場からどんどん質問してください。あとで個別にお話しするのも望むところです)
●もちろん坂本は、「地上デジタル放送への完全移行・地上アナログ放送の完全停止」は、延期するしかないと思っています(いうまでもなく、地上デジタル放送への移行には賛成)。また、5000円の簡易チューナーなどという“まがい物”を普及させることにも反対です。詳しくは、地上アナログ放送を停止できない10の理由にて。反論がおありの方は、ぜひご参加のうえ、まともなデータに基づいて具体的に反論を。もちろん、反論に足るまともなデータなど存在せず、延期は規定路線といえるでしょうけれども(私は総務大臣経験者から、間に合わなければ延期すりゃいいと直接、聞いている。最近の経済の落ち込みは、誰もが想定外なのだから、経済環境の悪化を理由に延期すればよいだけの話)
●ところで、『GALAC(ぎゃらく)』12月号は1万2000部を印刷へ。ふだんの3倍以上と、断トツで過去最高の刷り部数です。予約注文してくださった方、ありがとうございます。24日までの「通常部数(ほとんどが放送局向け)+予約数」は1万弱ですので、事故などがない限り大丈夫、入手できます。安心して。24日午後以降も、編集部に「締め切りをすぎたようですが、注文できますか」という問い合わせが相次ぎました。そこでお知らせ
2000部ほど余裕を見て刷ったので、まだ間に合います!! ただし、編集部にもっとも早く注文が届き、郵送料も安い(1冊84円、2冊116円、3冊140円、4冊172円、5冊196円)のは放送批評懇談会サイトまたは放送批評懇談会宛てFAXによる注文(「『GALAC』を申し込みます。冊数・郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・FAX番号・支払方法(郵便振替または銀行振込のいずれか)」を明記してFAX番号03-5379-5510へ)です。今後の注文は、以上どちらかでお願いします(アマゾンは受付を終了した模様。書店店頭での注文は伝わるのが遅れます)。23日午後以降の注文が2000冊程度に達した段階で、注文の受付を終了します。そのときは当欄でもお知らせします。なお、この土日の注文数が予測できず、「どの時点までに注文すれば確実」という約束はできませんので、あしからず。「24日夜の時点で、あと2000部程度の申し込みに対応できる」状況だったことだけは確かです
【ご注意】注文が済んだら、それで終わりではなくて、入金していただかなければ発送できません(前払い制)。サイトから注文される方は、注文ページいちばん下の「お支払い方法」に郵便振替または銀行振込による送金方法(口座名・番号など)が書いてあります。FAXによる注文の方は、事務所から折り返し電話して送金方法を伝えていますが、上の「お支払い方法」と同じです。以上、お忘れなきよう。なお、土日は事務所に人がおらず、電話応対はできません
●上記は、本来ならば放送批評懇談会サイトで告知すべきです。坂本サイトは通販サイトじゃないんでね。ただ、編集部も何かとたいへんだし、事務所にはもう人もいないので、坂本が代わりに告知しておきますよ

10-24
●日大授業は平常通り。20日に田原総一朗とANA雲海で夕メシを食い、1970年3月6日放送『ドキュメンタリー青春 おれはガンじゃない! 片腕の俳優高橋英二の1年半』のビデオを本人から借りてきたから、放送特殊研究Vで流す。役者・高橋英二が、癌の手術で片腕を切り落とす前日から、全身が癌に冒されて死ぬまでの1年半を、“高橋本人の語り”(何じゃそれ!)で構成した25分の超異色・衝撃ドキュメンタリー。田原総一朗がディレクター。こんなのよくテレビで流したもんだと驚くはず。映画・演劇学科も含めて必見の映像!
●日大授業の後、電話応対などに追われる新宿・放送批評懇談会事務所/GALAC編集部へ。池袋から新宿三丁目まで新副都心線に初乗り。急行(池袋→新宿三丁目→渋谷と駅を飛ばす)で6分くらい。伊勢丹地下TOPSにて差し入れチョコケーキ。表紙とグラビアの写真を見たが、よい出来。とくにグラビアの1枚目(デカいの)がいい。6時帰宅
●二宮和也が表紙とグラビア3p「嵐がすべて。で、嵐はずっと嵐」に登場する11月6日発売の『GALAC(ぎゃらく)』12月号(No.139)は、予約注文が殺到し、編集部が大混乱に陥っております。ヤバいです。アルバイトの手当てがつかず、中島好登・久野明が校了しながら電話対応。23日校了だが、表紙の色校正を見る時間がなく24日朝に回したとか。放懇宛て注文が4000冊以上、取次経由(書店分)が2000冊以上で、通常部数と合わせて最低1万部は決定。これはGALAC史上最大部数で、本日正午までの状況を見てあと1000〜3000部程度を上乗せする(いつもの3倍近く刷る)ということらしい。GALAC編集長の丹羽美之(東京大学大学院情報学環准教授)も大喜びとのことです。みなさん、ありがとうございます
●【再掲】アナログ放送「終了」まであと1000日 公開シンポジウム「地デジ『完全移行』への道」のお知らせ◆日時2008年10月25日(土)13:00〜17:00会場:日本青年館 中ホール 会場案内図)◆入場無料主催:民放労連・メディア総合研究所◆プログラム第1部:講演・冒頭発言(1)上瀬千春(フジテレビ技術開発局役員待遇技師長)、(2)坂本 衛(ジャーナリスト)◆プログラム第2部:パネルディスカッション パネリストは上記2名に加えて、吉井 勇(月刊ニューメディア編集長)、荒川顕一(ジャーナリスト)、赤塚オホロ(民放労連中央執行委員長)、岩田 淳(テレビ朝日編成局)、コーディネーター/須藤春夫(メディア総研所長・法政大学教授)◆明日です。ふるってのご出席、ディスカッションにご参加をお願いします
●【この項3ページは別窓で開きます】2011年 地上アナログ放送を停止できない10の理由(『放送レポート』2008年9月号=通巻214号)の項目だけピックアップしておきます。詳しくは全文をお読みください。興味がある方は、地上デジタル放送 現行計画『すでに破綻』の決定的な理由10(「GALAC」2003年10月号 総力特集「地上デジタル放送の落としどころ」)、BSデジタル放送 1000日1000万台が“絶望的”な10の理由(「GALAC」2000年12月号 特集「発信!! BSデジタルの『吉凶』」)もどうぞ。30の理由のうち、放送局やメーカーの取り組み、視聴者国民大衆の意識の変化などによって、変わったものもあれば変わらないものもある。どれがそうで、なぜなのか、よく考えてください。なぜテレビ・新聞・雑誌があまり問題にせず、広く伝えもしないことを、8年前、5年前から筆者が強く主張しているかについても、お考えいただければ幸い
【地上アナログ放送を停止できない理由─1】日本にあったおよそ1億2000〜3000万台のアナログ対応テレビのうち、半分程度しかデジタル対応テレビに置き換わらない。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─2】「地上デジタルテレビが6000万台以上あれば、1世帯に最低1台以上だから完全移行できる」という考え方は、誤りである。テレビの半数が失われることは、視聴者国民大衆にとってデメリットが大きすぎる。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─3】テレビの半数が失われることは、放送局にとってもデメリットが大きすぎる。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─4】「2011年には地上デジタル放送受信機が1億台に達するから完全移行できる」という考え方は、誤りである。メディアが報じる受信機の普及台数は、地上デジタル放送の普及世帯数と大きくかけ離れている。総務省や民放連発表の世帯普及率も過大な見積もりだ。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─5】古いアナログテレビにつなぐ簡易チューナーは、まがい物であり、普及すればするほど視聴者国民大衆が迷惑を被る。地上デジタルテレビの代替物とはならず、その普及を前提とする地上アナログ放送の停止は、誤りである。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─6】4〜5万円の地上デジタルテレビや、5000円以下の簡易チューナーは、それだけの出費では済まない。アンテナかケーブルにつながなければ映らないからだ。その分、地上デジタル放送の導入コストはふくらみ、普及に時間がかかる。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─7】集合住宅の共聴施設の多くで、これまでの設備を地上デジタル放送用に改修する必要があるが、なかなか進んでいない。受信障害対策共聴施設や辺地共聴施設の改修、個別受信への移行にも、問題がありすぎる。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─8】2150万世帯が加入するCATVは、事業者が営利企業、三セク、地方自治体、その他と入り乱れ、実態がハッキリしない。ロードマップでは「視聴可能」となる予定だが、結局は、加入世帯がどれだけSTBやテレビを導入するかによる。その見通しは暗い。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─9】地上デジタル放送の計画時や着手時期と比べて、放送を取り巻く環境が大きく変化した。格差の拡大、貧困化、さらに最近の物価高が、デジタル化に大きな影を落としている。スタグフレーション状況で、個人消費が冷え込んでいるのだ。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
【地上アナログ放送を停止できない理由─10】地上デジタル放送を「国策」というが、視聴者国民大衆に正確な見通しを伝え、その強い支持を得てこそ、真の「国策」となる。現状では、本当に国を挙げた国策の体をなしているか、大いに疑問である。だから、2011年にはアナログ放送を停止できない。
言いたいことはただ一つ。デジタル化は「手段」にすぎず、「目的」ではない。これだけです。以上の10項目は、商用サイトでなければ自由に引用・転載して構いません(できれば当該ページにリンクを。本文の転載は避けてください)。そして、どうかみなさんで議論を深めてください。テレビは放送局だけのものでも、まして総務省のものでもない。テレビ・システムは間違いなく半分、あなたがた視聴者・国民・大衆のものなのだから。放送局の論点は「2011年7月24日に地上デジタル放送完全移行・地上アナログ放送完全停止ができるか、できないか」(ほとんどが、できないと思い始めていますけれども)。ところが、あなたがた視聴者・国民・大衆の論点は違う。「2011年7月24日に地上デジタル放送完全移行・地上アナログ放送完全停止をさせるか、させないか」です。決めるのは、みなさんなのです

10-23
●時間なく、すぐに書けませんでしたが(いまもないけど)、緒形拳は本当に残念でした。『GALAC』2000年10月号でインタビューしたが、こんな表紙、ちょっとない。これも末武が撮った。取材が終わって新国劇出身の嶋田親一(のちフジテレビ)らと一緒に撮った写真が1枚手元にあり、緒形拳が私の肩に手を回している。1966年NHK大河『源義経』で弁慶の名シーンのいくつかを、いまもまざまざと思い出します。もっとすごい映画に何本も出ていてもおかしくなかったと思うが(たとえば三船敏郎のように。あそこまではいかないとしても)、もう日本映画にその力がなかった。緒形は「六十代に入って、役者というのは本当におもしろいと思うようになってきた」と語っていた。そう思ってからが、あまりに短すぎました。合掌
●げっ。昨日夜11時過ぎ、GALAC編集部・久野明から入った連絡によると、21〜22日に放送批評懇談会サイト・FAX・電話でいただいた『GALAC』12月号(表紙=二宮和也、グラビア3p=二宮和也インタビュー「嵐がすべて。で、嵐はずっと嵐」)の予約注文は、ざっと2400件(件数だけ。冊数まで数える時間がない)に達したそう。亀梨和也表紙号とほぼ同じか、おそらくはそれ以上の勢い。ありがとうございます。これに取次経由の書店・アマゾン注文分が少なくとも数百以上あるようで、3〜4000部以上増刷する(ふだんの倍以上を印刷する)ことになりそうです。事務局長・中島好登が、GALACを印刷してくれている日本印刷と調整し、用紙の注文を24日正午まで延ばしてもらった由。なので、刷り部数の最終決定は24日昼。24日午前中までに放送批評懇談会に届いた注文分は確実に印刷し、お手元に届くようにします。まだ間に合いますので、引き続きよろしくお願いします
●メディア総研から、シンポジウム開催のお知らせ
アナログ放送「終了」まであと1000日 公開シンポジウム「地デジ『完全移行』への道」
11月25日(土)、下記の要領でシンポジウム『地デジ「完全移行」への道』を開催します。テレビのアナログ放送終了・地上デジタル放送「完全移行」の予定日である2011年7月24日まで、あと1000日余りとなる10月25日に、アナログ終了に向けた取り組みの検証と展望を、さまざまな立場から議論する企画です。これからの放送における重要な問題でもあり、ぜひ多くの方々にご参加いただきたくお知らせいたします。
日時2008年10月25日(土)13:00〜17:00会場:日本青年館 中ホール(東京都新宿区霞ヶ丘町7-1 TEL:03-3475-2550 会場案内図)◆入場無料主催:民放労連・メディア総合研究所◆プログラム第1部:講演・冒頭発言(1)上瀬千春(フジテレビ技術開発局役員待遇技師長)、(2)坂本 衛(ジャーナリスト)◆プログラム第2部:パネルディスカッション パネリストは上記2名に加えて、吉井 勇(月刊ニューメディア編集長)、荒川顕一(ジャーナリスト)、赤塚オホロ(民放労連中央執行委員長)、岩田 淳(テレビ朝日編成局)、コーディネーター/須藤春夫(メディア総研所長・法政大学教授)
●シンポジウムのA4チラシ(pdf)はこちら。日大マスコミII・放送特殊研究Vの受講生も、参加していいよ。ちなみに、10月10日に坂本が受け取ったチラシでは、第1部「問題提起」の部が「(1)デジタル化に向けた取り組み 交渉中(2)デジタル化計画に死角あり? 坂本 衛」となっている。総務省が全員「時間がない」、各局も軒並み辞退で、フジ技師長がようやく出てくれたと。テレビ局は、NHKも民放も「やれ」と言われ「やる」と約束したことは、2011年までにほぼ完了する見込みだから、いちばん無責任なのは「国策」推進の総元締め・総務省。総務省はあと1004日、どこに逃げて、どこに隠れているつもりなのか。メーカーも放送局も商売。その総務省だけを、私たちは税金で食わせているわけですが……
●それにしても総務省詰め記者たちは、なぜ総務省の報道発表が世の中の出来事を正しく反映していると思うのか、本当に不思議。たとえばデジタルテレビ放送に関する移行状況緊急調査(平成20年9月)。これは、中央調査社が毎月実施する「個人オムニバス調査」(複数の依頼者による相乗り)に1回限りで調査項目を加えたもの。電子住宅地図からの層化3段無作為抽出法によって全国20歳以上の男女約4000人を抽出し、個別面接調査によって1265サンプルを回収した。だから約4000人のうち回答が得られた1265人の調査結果(回収率30%前後)であって、単身者・学生・共稼ぎ・外国人世帯などに多いだろう連絡がつかなかった人(不在者)、調査そのものに無関心な人、地上デジタル放送に無関心な人などが(結果的に、平均より高い比率で)除外されてしまうデータである。もちろん、住宅地図からの抽出段階でも対象地域が限定される(たとえば北海道のド真ん中の原野や離島など、そもそも住宅地図データが存在しないか、調査員が極めて訪問しにくければ、対象地域から外す。また4000人が全国に均等に散らばるのでなく、いくつかの狭い調査エリアが全国に散らばる。その散らばり方、都市部がどの程度の割合かなどは非公開だが、地上デジタル放送の普及が進んでいない郊外・山間部・過疎地などが高い比率で除外される傾向にあることは当然)。2011年7月に日本全国の地上アナログ放送を全停止するのだから、私たちが知りたいのは日本全国津々浦々に住む4000人のデータであって、調査しやすい地域に住む4000人のうち、調査に協力的な在宅者1265人に限定したデータではない(注:総務省によれば、この1265人だけに限定しても、地上デジタル放送を見ることができるのは4割にも達しない。実際に見ている人はさらに少ない!
●だから、この調査はサンプルにもともと偏りがあり、地上デジタルの全国普及率調査としてはかなり信頼性に欠けるが、そのことを総務省は問題にしていないらしい(北京五輪後で、もっと高いのではと期待していた点は、やや残念と思っている)──なんてことは、総務省情報流通行政局地上放送課の担当課長補佐と5分電話で話し(さっき話した)、中央調査社サイトを5分調べればわかる。なぜ、新聞記者は10分の手間すらも惜しんで、デタラメ記事をタレ流すのだ? 約4000人を対象とする調査で、実際に面会できた約477人(世帯)が、地上デジタル放送を見ることができると答えた(4000人に聞こうとしたが、不在者その他が多く、地上デジタル放送を見ることができると答えた世帯は、12%に達しなかった)という明白な調査結果から、どうやったら日本全国で世帯普及率5割弱などという記事が書けるのか? 特定の地域「だけに」電話する回収率30%前後の内閣支持率調査があったとして、政治部記者がそのまま記事にできると、本気で思うのか?【10月26日追記。一部誤解を招く表現があったと思われるので、一部を修正(この●と一つ前の●)。上智大学・音好宏の指摘による】
●【ついでに、以下も追記】たとえばビデオリサーチの調査は、調査機を自宅に設置し調査に協力してくれる世帯を調べる視聴率であって、置いてくれと頼む機会がなかった(昼間は不在がちの)世帯は、平均より高い比率で除外される。たとえば単身者、夫婦共稼ぎ、外国人世帯など。そんな面倒くさいことはご免と断った高齢者世帯なども除外される。結果的に、3人以上世帯や二世代以上世帯(主婦や年寄りが在宅する確率が高い)の割合が高くなる。だからダメ調査だとか使えない統計だとはいえないが、そのような調査・統計データだとわかって使う必要がある。以上によって除外される世帯の傾向と、世帯訪問によってNHK受信契約をしてもらうときに除外される(会えなかったり断られたりする)世帯の傾向がよく似ているため、視聴率調査では、もっぱら若い単身者や学生が見る、あるいは高齢者しか見ない番組の視聴率がハッキリ低く出る。総じてNHKの視聴率が、民放よりも高めに出る。また、調査機を置いてある世帯は、視聴率調査に高い関心のある世帯であるから、たとえば「視聴率とは何か?」という番組の視聴率が、ハッキリ高く出る。もちろん誤差があるから、2〜3%の違いをうんぬんしてもほとんど意味がない。さらに、一般には「関東地区」の調査結果しか使われないため、全国の視聴率や各地方の視聴率と大きく食い違うことがある。たとえばプロ野球の視聴率は、地域の人気が根強い球団が西日本に多いから、関東地区の視聴率と近畿や北九州の視聴率が全然違う(7%と25%というような違いが出ても、何の不思議もない)。新聞による内閣支持率調査(電話)は、「読売ですが」と聞いただけで断る者・協力的な者、「朝日ですが」と聞いただけで断る者・協力的な者が、それぞれ一定の割合でいるため、自民党政権の支持率は読売で高く、朝日で低く出る(半年前より高い・低いというトレンドはどちらも同じように出るが、パーセンテージに開きがある)。業界では「読売と朝日の中間を取れば、だいたい間違いない」と思われている

10-22
●「2011年 地上アナログ放送を停止できない10の理由」(『放送レポート』2008年9月号=通巻214号)全文をサイトアップしました。400字で46枚
●10月25日(土)13:00〜17:00には、民放労連・メディア総合研究所共催の公開シンポジウム「アナログ放送「終了」まであと1000日 地デジ『完全移行』への道>」が東京・日本青年館で開催され、坂本も第一部で講演し(30分ほど)、第二部パネルディスカッション(2時間以上)にも参加します。入場無料。地上デジタル放送に関心のあるすべてのメディア記者、メディア研究者に(上記論文を読んでからの)参加を強くおススメします。総務省発の情報だけで記事を書くと、必ず間違うからです。総務省の主張が正しいか坂本の主張が正しいかは、1000日後にはわかります。そのとき(2010年7月24日)を待たなければ、日本のテレビがどうなるか判断を下すことができない新聞記者・雑誌記者・放送記者・ウェブ記者・メディア学者・メディア研究者には、悪いけど存在意義がない。ないでしょう? そのときには、子どもにだって、どうなるかわかるんだから
●二宮和也表紙の『GALAC』(「ぎゃらく」と読む)11月6日発売の12月号(No.139)では、お世話になります。急ぎ、訂正とおわび。インターネットが使えない方は、「『GALAC』を申し込みます。冊数・郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話/FAX番号、支払方法(郵便振替または銀行振込のいずれか)」を明記し、GALAC編集部の★★★FAX 03-5379-5510★★★まで申し込んでください。「電話しないでね」と書いたのに、昨日書いた番号は電話のだった! バカですねぇ。失礼しました。何度もFAXしたのに送信できなかった方が、昨夜かなりいらしたようです。ごめんなさい。m(_ _)m インターネットが使える方は、放送批評懇談会のGALAC予約ページから申し込んでください(こちらは訂正なし)。本日以降の書店・ウェブ書店(密林アマゾン含む)経由の注文は、刷り部数の決定に間に合わないと思われますので(余裕をみて増刷はしますが)、ウェブかFAXで放送批評懇談会まで直接申し込んでくださるようお願いします。1週間前にここ2〜3日以前に書店(アマゾン含む)に注文したという方の情報は、(本屋がのんきすぎない限り)角川経由で放懇に届きますので、書店注文を取り消して放送批評懇談会「直」のウェブ注文に切り替える必要はありません。取次・大阪屋の注文部数は現時点で400くらいで、アマゾンで注文した人の分は、これに含まれるはず
●掲示板、サイトなどで10-21の項の『GALAC』入手方法を紹介してくださっているみなさん。誠にお手数ですが、上記の訂正をしていただければ幸いです。よろしくお願いします。携帯のJohnny's Web(の嵐に関するメディア・インフォメーション、雑誌の部)にはまだ載っていないようですが、発行直前になって載り、それで初めて気づいて申し込むという人が大勢いると、ちょっとマズい。できるだけ、大勢の人に教えてあげてね。ちゃんと手袋してビニール袋に入れてから封筒に入れてくれと、GALAC編集部の久野明さんに頼んでおきますからね。なお放懇サイトには、21日に当欄記事を出してから今朝までに、1300通ほどネット予約があったようです。引き続きよろしくお願い申し上げます
●ちなみに、表紙写真を撮った末武和人は、タッド若松事務所の大番頭というか、トップ・フォトグラファー。二宮和也の取材は8月下旬以降2度ほど日程を出してもらったが、フォトグラファーのスケジュールと合わないという理由で、誠に申し訳ありませんがと再調整・再々調整を頼んだ。悪いけど、そこらのテレビ雑誌や週刊誌とは、作り方・撮り方が全然違うのです。二宮和也のスケジュールを雑誌側の都合で2度もずらすなんてのは、聞いたことないでしょ。ということで、写真にも大いにご期待ください
●放送批評懇談会は「ギャラクシー賞マイベストTV賞」というものを設けています。サイト紹介はこんな感じ。「◆投票資格をもつ放懇Web会員を大募集します◆ 歴史あるギャラクシー賞に、視聴者・市民の手によって選ばれる賞が誕生しました。その名も「ギャラクシー賞マイベストTV賞」。放送批評懇談会の正会員とWeb会員が年間のベスト番組を選出するものです。放懇Web会員になってギャラクシー賞の選定に参加しましょう!」。登録していただくと、今月のドラマでよかったのはこれと、どなたでも投票できます。2008年度のマイベストTV賞を決める2009年3〜4月頃の決戦投票にも参加できます。登録はこちらのギャラクシー賞マイベストTV賞のページからどうぞ。携帯からもオーケーです
●なお、本日付の記事も、もちろん引用・転載はご自由にどうぞ

10-21
●非常に忙しいので3週間分を飛ばして、急ぎ要件のみ。二十代半ばの男優では抜群の演技派(私は日本のテレビ・映画・演劇界を通じて、いちばん芝居がうまい最高の役者だと思う。いちばんうまい俳優の一人じゃない、この男がいちばんうまい)、ジャニーズ「嵐」の二宮和也が表紙とグラビアに登場する『GALAC』は、11月6日発売です。原稿は坂本が書いた。タイトルは「嵐がすべて。で、嵐はずっと嵐」放送批評懇談会編集・発行のこの雑誌は、ふだんでも4000部程度しか刷っていません。『放送批評』時代も含めて、過去最大の増刷をしたときでも7500部(亀梨和也の号)。とくに地方では極めて入手しにくい雑誌で、11月6日以降に書店で取り寄せ注文しても、注文が出版社に届く前に完売してしまう可能性が高いです(書店店頭で店員が「取り寄せできる」と請け負っても、何日か後に「在庫切れでダメでした」という話になってしまう。WEB書店も同様です)。
●なので、確実に入手したい方は、放送批評懇談会サイトで直接予約し、通販で入手することを強くオススメします。23日には刷り部数を最終決定します。通常部数に加えて、この日までに届いた予約数プラスアルファの部数しか刷らないので、絶対確実に入手したい方は、10月23日までに放送批評懇談会のGALAC予約ページから予約してください。インターネットが使えない方は、「冊数・郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話/FAX番号、支払方法(郵便振替または銀行振込のいずれか)」を明記し、FAX03-5379-552103-5379-5510から申し込んでください。22〜23日はGALACの校了日のため、電話の対応が十分にできません(アルバイトを置かなければ、まるで仕事にならなくなってしまう)。電話での問い合わせ・申し込みはご遠慮ください。なお、24日以降の申し込み分がプラスアルファの部数に達した段階で在庫切れとなり、わずかに出回る書店販売分を探してもらうしかなくなります
●以上の情報は、転載自由です。ファン掲示板やサイトに自由にコピペして構いません。入手したいのに入手できない方が出ないよう、みなさんのご協力をお願いします
●17日のTBS「流星の絆」初回は、NHK大河を除く今年の連ドラでトップクラスの視聴率だったようですね。二宮和也が「原作は読んでないけど、(打ち合わせで)原作とかけ離れたドラマとわかった」と言っていた通り。クドカン(宮藤官九郎)節が炸裂《さくれつ》し、重大エラーが発生したりして、大いに笑った
●ずっと原稿書き。夕5時半〜7時半、議員会館・石破茂事務所。小川和久との対談最終回。ビジネス社・岩谷健一と。小川「大臣就任、おめでとうございます」、坂本「その前に、自民党総裁選ご健闘、おめでとうございます」と。前回対談の2日後が総裁選出馬だったので、いつ決めたのか聞いたら、石破「だからその日。2日前、全然そんな話してなかったでしょ」。若手議員から、とにかく派閥首脳の押しつけでない候補者が必要だとの声が盛り上がった。20年以上議員をやっていれば推薦人20人を集めるのがいかに大変か、もちろんわかっているから、無理に決まっていると思っていたら、あれよあれよという間に20人集まっちゃった、ということらしい。日本の防衛と自衛隊問題にキリキリ切り込む石破茂・小川和久の対談本は、なるべく急いでまとめますが、本になるのは来年かな。絶対におもしろい、とんでもない中身の本です。オタクといわれようが、間違いなく日本で防衛問題にもっとも詳しい政治家で、防衛庁長官・防衛大臣を歴任した石破茂が、防衛庁・防衛省の中で徹底的に孤立し四面楚歌になるというのは、どうしたことなのか? 日本各地にある歴史と伝統を誇る74式戦車部隊は、いつどこで、どこの誰と、どうやって大戦車戦を戦うつもりなのか?(海上自衛隊・航空自衛隊が全滅した後、鳥取砂丘なんかでやるのか。「戦っている姿をどうしてもイメージできない」と、前・防衛大臣が断言する!) なんで、米軍とドッグファイトできない(空中分解する恐れすらある)戦闘機を、自衛隊は世界最高と思われる価格で買い、誇らしげに持っているのか? 全部、書きます。ご期待ください
●岩谷と赤坂・串焼きの蔵屋で10時半まで。司馬遼太郎史観を徹底的に撃つ単行本企画「真説・日本近代史」で盛り上がる(著者も決めた)。「教科書問題」というのは、アジア各国が日本に対し、戦争中に自分たちがやられたことがちゃんと書いてないと文句をいっている。しかし、実は「内なる教科書問題」もあるのに、ほとんど誰も問題にしない。問題の所在にすら気づいていない。教科書には江戸時代が終わって明治新政府ができ、列強の仲間入りして……と、万事順調だったようにサラリと書いてある。司馬遼太郎の本にも、明治の日本人は立派な連中ばかりで、みな一丸となって坂の上の雲を目指した式の夢物語が書いてある。大ウソです。司馬がいうように一丸になど、全然なっていない! その最大の証拠の一つは、1968年の明治維新から1889年の大日本帝国憲法の公布まで、20年以上もかかっていること。国の基本法を作るのに、なんでそんなにかかるんだと、日本の教科書に納得できる理由が書いてあるか? 明治のはじめには小学校ができ、地租改正して……うんぬんとあるが、ごく普通の農民たち・平民たちによって小学校がいくつ焼き討ちにあったか、なぜ人びとはありがたそうな小学校をこぞって攻撃したのか、日本の教科書に書いてあるか? おかしくないですか?──てなことを、徹底的に討論する本って、読みたくない?

10-02
●以下の◆〜◆、田中康夫からのメールをそのまま転載。
◆御無沙汰しています。 田中康夫です。
★明日、10月3日(金)午後、参議院本会議で代表質問に立ちます。
開始時刻は概ね13時30分頃です。
質問時間は30分。首相を始めとする閣僚の答弁が、これに続きます。
当日はNHKのテレビ、ラジオで生中継されます。
また、参議院のHPでも同時中継、更にアーカイブで御覧になれます。 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
●昼前、GALAC編集部に企画書1枚送付。お笑いの首領《ドン》で元ATP理事長・澤田隆治とは、ギャラクシー賞贈賞式や琵琶湖塾ゲストに来てもらったときにも話したのですが、テレビ制作会社(プロダクション)の制作環境がヒドいことになっています。ただでさえ、デジタル投資がキツく、ネットとの競争もキビシいところ、未曾有の不況・経済危機が襲って、放送局の収益が急激に悪化。子どもが見ている昼間っからパチンコやサラ金(一応、買収した銀行の名前は入っているが)のCMばかり流しているのは、スポットが集まらないから。以前なら組合が問題視したと思うが、背に腹はかえられないのか、ウンともスンともいわない。スポンサーが行列し順番待ちしている状況なら、パチンコ、サラ金、公共広告機構のCMは、こんなに入らない。ギャラが極端に安い芸人たちを集めてクイズらしきものばかりやるのも、収益悪化の現れ
●そのしわ寄せ、あおりをモロに受けるのが制作会社。有無をいわせぬ制作費削減(とにかくいきなり3割減。グレードは以前と同じでなければ、他社に頼むだけ、とか)や、TBSが先鞭をつけた外注の総「派遣化」(派遣なんだから制作会社に権利は一切なし。もともと派遣専門の制作会社もあるから、制作会社側の足並みも乱れまくり)で、「もう番組が作れない」との悲鳴すら上がり始めた。今後、廃業も相次ぐ見通しで、テレビ制作の現場の疲弊が、テレビ放送そのもののあり方や番組の中身、つまりはテレビのおもしろさに直接的な悪影響を及ぼしはじめています。企画書は、各方面(局、制作会社その他)にインタビュー、テレビ制作の現状をルポし、必要な提言をおこなうという内容
●経済が悪いと書きましたが、年初来、原油・穀物価格が上がり、玉突き現象で多くのものが値上がりした。その結果、日本から出ていったカネは二十数兆円。日本国民はそれだけ、値上がり前より(去年や2年前と比べて)余計に支払わされたと。で、消費税を1%上げると歳入は2兆円ほど増えるとされているから、払うほう(消費者)からすれば、消費税が15%くらいになったのと同じくらいの負担増です(消費税アップと違うのは、負担は増えたが、それが日本政府に入らないこと)。車も何も、売れなくて当然。そんな状況で、福田康夫からも麻生太郎からも、国民に対して何の説明もないというのは、何なのだ?
●経済が悪いせいで、この8月ひと月の間に、地上デジタル対応のプラズマテレビは6万台、液晶テレビは59万台しか出荷されなかった。オリンピックがあったのに、です。ただ「夏枯れ」「二八(にっぱち)」のせいだけとは思えない。デジタルレコーダ(HDD/DVD録画機)は2007年8月の7割しか出なかったので。もう少し様子を見る必要がありますが、パッとしない兆候が現れていることは確かでしょう

10-01
●マスメディアをはじめみんな、明日あさってにも解散・総選挙という勢いですが(田原総一朗も絶対確実といっていた)、ホントですかねえ。所信表明は選挙演説そのものでしたが、麻生太郎にしてみれば、すぐ選挙をやって負けてしまったら終わりで、首相にはもう当分なれない。しかし、解散さえなければ、あと1年(衆議院議員の任期満了まで)は首相のままいられる(解散圧力が高まり、国会は空転また空転といった混乱を生じるかもしれないが)。到底勝てないと思えば、できるだけ長く首相をやろうと思うのでは
●そうすると、中山某なる愚かな大臣の愚かな発言は、内閣支持率をガクッと落とし、そのことによって早期解散を不能とし、麻生政権を1年もたせる超高級戦術と取れないこともない。内容がくだらなすぎ、到底そうは思えず、たまたま結果的にそうなっただけでしょうけれども
●ところで国民の過半数は支持政党なしの無党派で、つまり、「無党派」という党派が現・日本の“最大政党”。この“党”は「風」によって右に左に動くから、方向を正確に読むことは非常に難しい。前回の総選挙時は、郵政解散直前まで民主党が自民党をかなり追い込んでいたように見えた。風が変わったのは、解散の瞬間から、まさに解散によってだから、解散前の予測が大きくハズレたわけです。今回も、解散の瞬間を見なければ、なんともいえない。それでもあえて現時点での見通しをいえば、私は、民主党が勝つだろうと思いますし、自民党が勝つと見る人もギリギリ、スレスレだろうと見ているでしょう
●私の大局観は、こうです。数年前と比べて、国民の可処分所得が世帯あたり100万円以上といった額で減っていることは、政府統計から明らか。貧困化が進んでいることも明白。世帯年収600万円以下という家庭のほうが、それ以上の家庭より断然多いのだから、普通の暮らしをしている人びとと、普通以下の暮らしをしている人びとが、普通に投票すれば、民主党が圧勝するのは当然。民主党は、そういう人びとに「とにかく投票に行ってくれ。あなたたちの代弁者は自分たちだ。こんなに所得が減らされ、生活を苦しくされてしまったのに、なおこんな大金持ちを首相に仰ぐ政党に日本を託すのか」と訴えるのが正解。このメッセージがうまく伝われば、民主党が勝つでしょう。大都市圏の住民にとっては、公共事業バラマキや農業バラマキは自分が損する話だが、地方には、低所得でも、やっぱり勤め先の会社に土木工事がきたほうがよいという人がいる。これには、田中康夫が主張したように「工事がきても、実はゼネコンや天下り官僚にかすめ取られているだけ」といい、「中央省庁の支配を脱した本当の地方分権を推進したほうが、絶対に得だ。あなたたちはそのほうが儲かる」と訴えればいい
●とくに両党の政治家を見ると、1993年の細川護熙政権の前後以降に登場した比較的若い層では、圧倒的に民主党のほうが厚い。自民党には人材がいないと、多くの政治家や評論家がいいます。小泉チルドレンと呼ばれる自民党の若手は、親がいなくなって総崩れだし。民主党はバラバラというが、かつて敵対していた自民党と公明党が一緒になっている現与党のバラバラさ加減を見れば、どうってことはない。自民党と組んでいる公明党は、イカレ大臣が、成田空港に滑走路が1本しかない元凶と決めつけた「戦後教育」を、長く推進してきた(民主党ができるずっと前から野党だった)側なのでね(注 クビになった国交相に、「あんた、与党公明党や前の国交相も元凶の一人と決めつけるわけだな」と突っ込む記者がいなかったようなのは、情けない)。メディアの取り上げ方もあって、元気な老人は自民党のほうに多いように見えるし、漠然と「民主党は頼りない」と思っている人が多い。しかし、そんな人に「だって所得を100万円も減らしたのだから、頼りなさなんて与野党どっちもどっちでしょ。ここは一つ、命をかけた小沢一郎に預けてくれませんか」と頼みこみ、「ダメ元で、そうしてみるか」と思わせることができれば(すでにそう思っている人が、かなり多い)、やはり民主党が勝つでしょう。こうした状況下で、それでも解散に打って出るかどうかは、麻生太郎のみぞ知る
●さて、田原総一朗に、民主党が勝ち小沢一郎が首相になったらどうなるかと聞いたら、こんなシナリオを語っていました。「長くは持たない。次にくるのは政界再編だ。小沢が首相になったら、国政なんかに興味はない。それは岡田克也あたりにまかせっきりになる。では何をやるか。当然、自民党潰しに全力を挙げる。自民党の連中なんか、大臣ポストで釣ればどんどん出てくる。民主党で小沢についていけないのも、党から出る(または追い出す)。──というシナリオがあるから小沢は恐いと、自民党の誰それが僕にいった」と。誰それは、誰でも知っている大物。ま、これはいちばんおもしろいシナリオで、田原が好きなのは、つねにいちばんおもしろいシナリオ。何%の確率でこうなりそうなんてことは、私は一切関知しません
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2003-05-25
●リニューアル版運用開始。リニューアル終了まで2〜3か月かかる見込み。旧版は残します
2002-04-11
●ホームページ試験運用開始。キリがないので、未校正ありのまま見切り発車しました。あしからず
●この欄、文中敬称略ってことでよろしく願います