メディアとつきあうツール  更新:2009-01-31
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<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

日録メモ風の更新情報(坂本衛)
2008年7月〜9月

2008年7月〜9月の更新情報

09-30
●11時、故・岩田糸子(25日未明、多臓器不全にて逝去。86歳)葬儀@東京・落合斎場。喪主/イワタルリ、連絡先/岩田マリ。岩田糸子さんは、日本の近代ガラス工芸作家を一人挙げよと言われたら誰もがこの人という岩田藤七の、長男のお嫁さん。嫁いでからガラス製作を始め、放送批評懇談会ギャラクシー賞のトロフィーを最初から最後まで作ってくださった方です。「ギャラクシー賞」の名付け親であり、放送批評懇談会の名誉会員でもあった。つまり、放懇の大恩人で、明らかに日本の放送文化を支えたお一人です。岩田工芸硝子の三代目社長でしたが、この会社はいまはありません
●神楽坂のアユミギャラリーでよく個展を開いていたので、私は毎回、初日に顔を出していました。昔、神楽坂に住んでおられ、それが私の今の住まいのそばなので、よく神楽坂の話もした。その最後には、いつも「今度、響(神楽坂の鮨屋)でデートしましょ」といっていた。テレビもお好きで、「あのドラマはすばらしい。だってあなた、……」と鋭い批評を聞かせてくれました。私の携帯についているストラップは、岩田糸子作のガラス玉(もやっとボールみたいな形と色味)。6月の放懇総会でお会いしたのが最後でした。ご冥福をお祈り致します。以下、同ギャラリーによるプロフィールを転載
●いわた・いとこ ガラス工芸家。1958年ガラス制作を始める。照明器具を発表。1960年ガラス壁面制作。以後各地に多数設置。1968年「うつわ」展を開始。以後毎年各地で開催。2000年コーニング・ザ・スタジオでガラス細工を開始。現在、コーニングガラス美術館理事、ピルチャックグラススクール国際評議員、デンバー美術館デザインと建築国際委員、グラス・アート・ソサエティ終身会員、(財)色彩研究所評議員、日本ガラス工芸協会功労会員、倉敷芸術科学大学客員教授
●祭壇左右には、三笠宮、高円宮、常陸宮妃の献花。放懇からは麻生千晶、小田桐誠、隈部紀生、中島好登(朝から受付お手伝い)、福島美子の顔も。最後のお別れのとき、携帯につけたガラス玉をご本人のほっぺたに触れて、思い出にさせてもらいました。中島、福島と早稲田通り沿いのそば屋で昼食後、一緒に帰る

09-29
●原稿ほか
●18時半〜9時すぎ、放送批評懇談会理事会@新宿5丁目事務所。藤久ミネ、兼高聖雄、音好宏、中島好登は、故・岩田糸子通夜に回ってからの参加。放懇グランドデザイン答申そのほかについて討議。毎年ギャラクシー賞贈賞式・宴の演出プロデューサーを務める嶋田親一・元専務ジジが、「来年6月は若い人に引き継ぎたい」といったが、「ご本人はそういうが、悪いけど、やっぱりやってもらう」と全会一致で却下。
●選奨ラジオ委員長の橋本隆から、「試聴して批評したい番組があったが、その意向が番組側に伝わり、『批評するなら、当方には反論権があるはずだから、当方に意見がある場合には掲載すると約束してほしい』旨の連絡があった。その番組については試聴も批評もしないことにしたが、どう思うか」との発言あり。私は、「どの新聞・雑誌・テレビ・ラジオも、何かを批評して自分(または誰か)の考えを載せるということをやっている。書評欄、映画批評、商品欄、グルメ・店紹介などがそうだし、ニュースや記事に人物・団体・物事についての評価が含まれている場合もある。しかし、どの新聞・雑誌・テレビ・ラジオも、批評や評価の対象となった側に対して、その批評や評価が気に入らないときは紙面・誌面・テレビ番組内・ラジオ番組内で必ず反論を出すなどという、バカな約束はしていない(今回約束してくれといってきた放送局も、絶対に約束していないはず。そんな約束をすれば「報道」は成立しない)。もちろん放送批評懇談会も『GALAC』も、そんな約束をする必要など一切ない。批評されたくなければ放送するな、というだけの話ですよ」「もちろん、批評が気にくわない場合に、批評された側が批評者に文句をいったり、自分の媒体で反論したりするのは自由。選奨委員会にそんな文句が来たときは、的はずれなものなら無視すればよいし、なるほどと思う部分があれば掲載すればよい」と発言
●放送局が、自分の番組のダメなところを批評されたくないと思うのは、「誰でも自分のマイナス点を指摘されたくないものだ」という意味では、気持ちはわかる。しかし、放送局の仕事には「他者のマイナス点を指摘する」行為が、もともと含まれている。報道部門を持つ総合局はもちろんだし、うちはエンタテインメントしかやらないという専門局でも、映画や音楽やスポーツやお笑いその他で、あれはよいがこれはダメと批評している。だから、「番組を批評されたくない」とは、思っていても口に出すべきではありません。自分だけを棚上げにして他者をあれこれいう、身勝手でわがままな、きわめてみっともない態度と受け取られるだけですから
●以上は新聞・雑誌・サイトも同じこと。たとえば当欄では、相手が大統領であれ首相であれ、あいつはなんなんだと勝手に批判しているから、自分だけは批判しないでくれなんてバカなことは、そりゃみっともなくていえない。仮に当欄がコメント欄つきで、そこに「バーカ」と書き込んであっても、私なら削除はしない。でも、そんなのを自分でカネを払って公開する必要も感じないから、このサイトは「いわゆるブログ」ではなく、コメント欄がないわけです

09-28
●午前中、原稿書きやら企画書づくりやら。13時半〜15時半、ANAホテル。志位和夫・日本共産党委員長、田原総一朗、アスコム高橋克佳、同・小林英史と。『オフレコ!別冊』で「新・日本共産党宣言」みたいなものをやろうかと。衆院総選挙の結果次第で中身は変わりますが、来年すぐの『オフレコ!』(本誌)は、まるごと1冊政治本にする予定
●なお、高橋克佳はアスコム代表取締役社長、小林英史は同取締役編集長。今日はいないが、いままで一緒に本や雑誌を作ってきた柿内尚文、谷口暢人も取締役編集長、編集デスクの斎藤和佳がいちばん下っ端という布陣。ドイツが第一次世界大戦に負けたとき、軍隊が何万人だったかに制限されたが、幹部・将校クラスばかりの精鋭軍となり、制限が解けたとき下士官・兵をごそっと入れていきなり巨大な軍隊になったという話を、何かで読んだことがある(チャーチルかな)。そんなのと同じで、いまはまだ兵がいないが、いずれ大きくなるでしょう
●そのアスコムから、竹中平蔵と田原総一朗の対談本が10月10日頃に出ます。いまの日本がダメなのは、本当に小泉純一郎・竹中平蔵(だけ)のせいなのかと問う内容。私は、それ以前の自民党政治家と官僚のほうが日本をダメにした程度は断然大きいと思いますし、すべての元凶が小泉・竹中ならば、小泉政権時代に閣僚や党幹部だった者の責任は、この二人と同じでなければおかしいと思います。もちろん安倍晋三、福田康夫、麻生太郎らも含めての話で、そんなことは当たり前。小泉のお陰で取った3分の2議席にあぐらをかいて、小泉に全責任を押しつけるのは、なんとも卑怯な態度に見えます
●さらに、佐藤優がらみの超おもしろ本を現在まとめ中。11月には出したい。鈴木宗男と佐藤の『反省』も書いていて(もちろん読んでも)おもしろかったが、こちらはさらにおもしろい。大作です。ご期待ください

09-27
●中山某という愚かな大臣が、25日にバカな発言を連発し、27日にも、「ごね得」と「単一民族」については取り消し・謝罪したものの、日教組関連発言は取り消しも謝罪もしないと表明。この態度が自分が一員である内閣、政党に非常に悪い影響を与えることは普通の大人ならばわかるはずだから、可能性としては(1)麻生内閣にわざと嫌がらせをしている、または(2)普通の大人並の判断力を失っている状態にある、または(3)自分の発言を自分でコントロールできない状態にある、または(4)真性のバカ、のどれかなのでは。(2)と(3)ならば病気の可能性も。いずれにせよ辞任または罷免が避けられない
●大臣はいわずもがな、多くの職業で、ある程度の地位を占めるに至るまでには、周囲との対立や軋轢《あつれき》があり、自分を押し殺して我慢するという経験を積み重ねるものです。この人物もそうだったに違いなく、本音・本心を押さえたり隠したりしてやってきたはず。それが今回できなかったのは、わざとでなければ壊れてしまったに違いないと思われ、わざとならば麻生太郎が許すはずがないし、壊れたならば大臣にしておけない。日教組関連発言はそのままというから、日教組の教員やその子どもたちは、国土交通省ではなく、この政治家の事務所や自宅へ行って罵声を浴びせるなりなんなりすればよい。苟《いやしく》も文部科学大臣だった者が、誰の子を指してであれ「子どもなんて……」という発言をすることは、断じて許されない。本当に下衆《げす》なクズ野郎のゴミ男。ハッキリ最低です。ところで、PTAは抗議文を出したのか?
●小泉純一郎の引退には、ちょっと驚きました。選挙区を息子に譲る、そこに民主党は田中康夫をぶつけるのではというニュースを見ましたが、田中康夫はまずいでしょう。誰が対抗馬で出ても勝てない、息子は小泉の過去最高得票以上の最高点で当選する可能性が高いだろうと、私は思います。【10月1日追記】小沢一郎でも勝てない。それが日本の有権者というもの
●まるで話は違いますが、パソコンのメモリが安い。もちろんものによるが、デスクトップ用の信頼できるメーカー製1GBが3000円以下、ノーブランドなら1500円以下というレベル。Windows XPの方は2〜3GBに増設・換装すると、たいへん具合がよろしいです。PCのメモリ増設に関心がおありの方は、「メモリ増設(換装・追加)のススメ──Window XP リフレッシュその2」ページを、ぜひご覧ください
●「リフレッシュその1」はHDD換装とOS再インストールについてで、もうすぐup予定。合わせてバックアップについても、お役立ち情報をup予定(現在のページ内容はいかにも古いので)。いずれも「このサイトについて」ページからアクセスできます

09-26
●日大、後期授業の初日。朝10時40分〜マスコミII、1時〜放送特殊研究V。帰り、放懇によって、ギャラクシー賞報道活動部門審査会の打ち合わせ
●愚かな大臣がいたもんですね。「『ごね得』というか、戦後教育が悪かったと思うが、公のためにはある程度自分を犠牲にしてでもというのがなくて、自分さえよければという風潮の中で、なかなか空港拡張もできなかったのは大変残念」──つまり、成田の滑走路が1本きりなのは、戦後教育が悪く、公のために犠牲になる人がいなかったためと認識している。ほんと、バカですね。この男は、教育を担当する文部科学大臣をやったことがあり、今回、空港を担当する国土交通大臣になったわけだが、「空港のデカさとその国の教育のよしあしは、基本的に関係ない」ということが、わかってない。もちろん、どちらの大臣にも不適格なバカさ加減
●「日本はずいぶん内向きな、『単一民族』といいますか」──言いたいことはわかるが、公の場で「日本人は単一民族」と発言するとバカだと思われる、ということを知らないのが愚か
●「ついでに言えば、大分県の教育委員会のていたらくなんて日教組ですよ。日教組の子どもなんて成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低いんだよ。私はなぜ全国学力テストを提唱したかと言えば、日教組の強いところは学力が低いのではないかと思ったから。現にそうだよ。調べてごらん。だから学力テストを実施する役目は終わったと思っている」──これは、常軌を逸した病的な発言。日教組の組合員の子どもたちは、国土交通省に行き、このバカに石を投げてよいと思います。バカだと言われた大分県民も、電話なりメールなりでこのバカに文句を言ったほうがよい。それにしても、「日教組の強さと子どもの学力の低さの相関関係調査」のために全国学力テストを提唱したとは、左の記事を書いた私も知らなかった。全国の小学生たちは、「ふざけんな」といって次回のテストをボイコットしてよいでしょう。一つ、その通りと思うのは、文部科学大臣経験者が「学力テストを実施する役目は終わった」と述べていることで、だったらカネのムダ遣いだから、さっさと止めろという話
●夜、田原総一朗と電話で長話。進行中の本その他につき

09-25
●福岡の母親による小1殺しは、自分がひどい病気だからといって、手がかかる発達障害の子どもを殺した。手がかかる自分という存在を棚上げにして、自分にとってもっとも手にかかる面倒な存在(しかも、自分が勝手に好きで産んだ子)を抹殺したわけで、身勝手な、とんでもない母親だと思います。日頃から自殺を考え、未遂もあったようですが、殺すよりは自殺したほうがよかった。それができないのが、人間の浅ましさ、情けなさですね。こんな母親には、いささかも同情したくないと思います
●しかし、それにも拘《かか》わらず、周囲(夫、自分や夫の実家、親戚、知人、近所、学校関係、地域、医療機関、行政など)は、この母子のために何もできなかったのだろうかという疑問を抱かざるを得ない。子どもは軽度の発達障害で、その入学のために家族は引っ越しをした。有名小学校に受かったから近くに引っ越すのとは訳が違う。大変だったろうし、気の毒だと思います。そのような子どもは一定の比率でいますが、親が引っ越さなければ義務教育を受けることができない教育体制というのは、どうなのか。引っ越しに補助は出たのかどうか。また、母親は病気がちで、さぞ孤独だったでしょう。ただ子どもが普通と違って特殊な支援学級に行かなければならないというだけで、心的ダメージやストレスは相当なもののはず。それに難病なのだから、もちろん第一義的には夫、次に家族が支えるべきですが、周囲の支援や公的支援の余地はなかったのか
●なぜ、こんなことを書くかというと、私のささやかなPTA経験(小学校の会長をやった)からしても、どうも他人事のような気がしないからです。PTAのとき発達障害の子も、いわゆる知恵遅れの子も複数いて、よく知っています。子どもが性的いたずらを受けた、子どもがチックになってしまったといった相談も、何度も受けました(もちろん校長以下教員は、どのケースも知らない)。発達障害でその後に問題を起こした子を、学校が見放した(何もせず「とにかく学校に来ないでくれ」とだけいった)例も知っています。このときは何か手が打てないかと校長と話し合いましたが(その時はPTAではない)、PTAも含めてほとんどの親はその子のことにまったく無関心だった
新宿区の公立小学校が一つ、特殊学級があるために、その学校に子どもを通わせる親が減り、その結果として廃校になった(親の差別意識が小学校を一つつぶした)例も知っています。そのようにして、普通とはちょっと違っている子どもが通うことのできる学校が、遠くなり、引っ越しせざるを得ない家庭が出てしまうことがある。それが、行政のせいや予算不足のせいではなく、ほかの子どもの親たちのせいだったりするのです。このときは教育委員会も区議たちも、「なんという親たちなんだ」と困り果てていましたが、親は「お客さん」だから全員黙っていた。「このバカ親ども!」と怒鳴りつける政治家や役人や校長は、一人もいませんでした。私も、許し難い差別・人権侵害だと思うと同時に、普通と違う子どもと接することが子どもにとってどんなにプラスかわからないとは、本当にバカな親たちだと思いました。もちろんその学校のPTA会長だったら、ひと運動したでしょうが、廃校と決まったときに初めて事情を聞いたので、私も何もしなかった(何の話も寄こさない区小Pなんて組織の問題意識のなさにも呆れたけれど)
●病気がちの母親も何人かいました。足に障害があったある母親は、とても快活で積極的な人で、書記さんとして大活躍してくれた。一緒に、区の運動会のようなものに子どもらを引率していったとき、私が彼女をパイプ椅子に座らせようとしたら、青対(青少年対策委員会という時代遅れの老人組織)の役員だか何だかが「そこは敬老席だ」みたいなことをいったので、私は「ふざけんな!」と怒鳴り飛ばそうかと思った。ま、人目もあるから止めたけれども、青対だの町会だのというのはそんな無理解な爺婆《ジジババ》ばかりでした。で、「病気がちの母親とか要介護老人をかかえている母親は、PTAの仕事なんてやる必要はない。こんなものは、時間のあるヤツが、みんなのためにやればいいんだ」というのが私の考えで、会長時代は皆にそういい、反対意見はとくに出なかった。ところが、私が辞めて何年もたってから、「全員係制度」というおかしなことを同じPTAで始めたので、私は呆れ果てました
●「一部の親たちだけがやらされるのは不公平だから」ですが、なんでそういう話になるか。私は「PTAは義務ではなく権利だ。学校のしょうもないところを監視し改めさせるのだ」「PTA活動がつまらなくて引き受け手が少ないのは、PTAがバカでつまらないことばかりやるからだ」と思っていましたのでね。実際、形式的でつまらん区PTAの儀式なんかには人を出しませんでしたが、ある午後、学校で役員のおっ母さんたちと話し合っていたら、校長が「いま、区のナントカいう会合に出て帰ってきた。うちの席だけ空いてたじゃん」とぶつくさいう。行政順位第1位とかで、席順でも何でもいちばんの学校なので、最前列に看板だけあって誰もおらず、焦ったと。「そりゃ、失礼しました。こっちの会合のほうが大事なんでね」というと、「しょうがねえなあ」という感じで笑っていた。ただ、PTAによっては、病気がちで欠席することが、とても重荷になったり、他の親たちへの引け目になったりする(それは、もちろんPTA会長が悪い)。そんなことを思い出させる事件でした
●だから、「福岡の母親はヒドい。子どもは余りにもかわいそう」だけでは、世の中よくならない。次にこのような事件が起こることを防ぐために、それぞれの立場の人が、何かできることはないかと考えてほしいものだと思います。そういえば、うちの小学校は「全員係制度」だけど、病気がちのお母さんはいないかしら、とかね

09-24
●メディカル朝日の巻頭インタビュー「臼井律郎」の原稿書き。12枚ほど

09-23
●昼、母、兄一家、うちの一家で父の墓参り@新横浜・貴雲寺。新横浜プリンス地下「胡弓」で昼食。奥沢の実家に寄り、私だけ先に帰って仕事

09-22
●福岡市西区の小1殺害事件が母親の犯行とわかりました。「トイレに行った2〜3分の間に姿が見えなくなった」という母親の証言と子どもの所属学級を伝えた第一報から、私は母親が関与している可能性が高いと思い、うちではそんな話をしていました。というのは、「身内の大人がそばにいる可能性が高い公園内で、ある子どもを、2〜3分の間に、誰にもわからないように殺して隠す」ことが、身内の者以外にはほとんど不可能だからです
●秋葉原事件のように見境なく殺し、その行為を見せつけるのが目的ならば、遺体を隠す必要などない。今回の遺体はすぐには見つからない場所にあったから、犯人は殺人行為も遺体も隠すつもりだった。それを隠そうと思う犯人ならば、「2〜3分間に、自分以外に誰一人としてこの子を見ていない」という確信が持てない限り、殺さないはず。そして、その確信は、子どものいる場所から周囲をぐるりと見渡して、誰も見ていないことが確認できなければ、得ることができない。子どもを人目につかない場所に連れていくにしても、行為に及ぶ前に子どもに接触しなければならない。ところが、母親は「目を離したのはトイレに行った2〜3分間だけ。怪しい人物も見ていない」というのだから、以上の確信を持てるのは当の母親だけ、という結論になります
●その後の続報で、遺体が座った姿勢をしていた、履き物がそろえてあった、遺体に乱れがないなどが伝わり、顔見知りの者の犯行である疑いがますます強まった。しかも、新聞が意図的に母親に関する情報を出さないことから、その方向で捜査が進んでいるのだともわかりました。ただ、母親が精神を病んでいる可能性があり、依然として慎重に報道したほうがよい。今後、匿名報道に切り替わるかもしれません(昨夜、当欄で以上をほのめかす下書きしておいたところ、情勢が変わったので、ちょっと書き換えてupします。こういうのも広い意味ではメディア・リテラシーの一つでしょうしね)
●17時半、曽根宏、岩谷健一と打ち合わせ。@高田馬場CEL英語ソリューションズ。曽根の本の第一稿がめでたく完成したので。かわうちで夕食予定

09-21
●突然ですが、朝10時過ぎ、東京赤坂の日枝神社。10時半〜本殿でTBS金曜ドラマ『流星の絆』のヒット祈願。ご神体に向かって右に番組スタッフ、左に取材記者らが並び、真ん中を開けておいたところに、ドーンドーンと大太鼓が鳴り、二宮和也、錦戸亮、要潤、三浦友和、(脚本)宮藤官九郎、(P)那須田淳、磯山晶らが巫女さんに導かれて入場。簡単な祝詞《のりと》(祓《はら》いたまえ清めたまえ……畏《かしこ》み畏みまぉうすぅ……ってあれ)とお祓いのあと、出演者4人はじめ番組スタッフが昇殿し、着席。神主が出演者やプロデューサーの名前を一人ひとり列挙する長い祓詞《はらえごと》が読まれる。「……の安全、番組成功にむけて導き賜え〜。畏《かしこ》み畏みまぉうぅすぅ〜」と。次に巫女のお神楽(扇と鈴を持った踊り。神主も金色の特大の幣《ぬさ》を振るう)、終わると鈴を参列者の頭上で振ってお祓い。さらに神主が特大幣でお祓い。続いて4人で玉串《たまぐし=サカキの枝に紙などをつけた捧げもの》拝礼。二礼二拍手一礼。神主の一言挨拶のあと、御神酒をもらって順次解散。以上を下で見ていた。TBSは明朝以降、番組スタートの10月17日までに番宣で流すのでしょう
●続いて境内で撮影。その後、末広の間にて囲み取材を25分ほど。いくつかの丸テーブルに出演者が一人ずつ座り、記者が好きな人を囲んで話を聞くスタイル。出演者が横一列に並ぶ会見スタイルより、じっくり聞けるが、全員の話を聞けないのが難。二宮は、「絆を大事にしたい。(サスペンスとしては復讐の要素も入っているが)復讐だと、TBSの金10は半年間復讐ばっかやってることになっちゃうから」とかなんとかいっていた。12時前に終了。ジャニーズ事務所のジュリー藤島K、白波瀬傑、都志修平らにご挨拶、夕方の二宮和也取材をよろしくと
●17〜19時、都内某スタジオにて放送批評懇談会『GALAC』11月6日発売号(2008年12月号)の表紙撮影とグラビア取材。この号の表紙は二宮和也で、ドラマ撮影の合間をぬってきてくれる。フォトグラファーは末武和人、編集部からは久野明。お茶くみスタッフに家人も連れていく
●演技者・俳優としての二宮和也、嵐の一員・アイドルとしての二宮和也という二つの話を、じっくり1時間ほど聞きました。二宮和也はとても真摯に、考え考え話してくれた。ある意味で、相当な自信に満ちた、大胆で過激な話を聞くことができたと思います。たとえば演技者としての二宮は、来る者は拒まずというかEverybody OKというか、とてもオープンで、自然に振る舞う。自然というのは、そのときの態度が自然だというだけでなく、考え得る下準備を全部やって万全な姿勢で臨むなんてことはやらない(たとえば原作本など読まない。今回もそう)、一種の現場主義・即興主義をも含む話。共演者たちとの人間関係、関係性の中で何事をも作っていく姿勢といってもいい。しかし、考えてみるとそれは、「これでいいのだ」という自信、確信が持てないとできない(自信がなくて不安だから、あれこれ準備したくなるわけで)。「そのあなたの自信、確信はどこから来るの?」「何でも関係性の中で作っていくことと、休みのときは部屋にこもりがちなことと関係ある?」とかね
●あるいは『嵐の宿題くん』などを見ればわかるように、嵐の中での二宮和也は、ただ鋭いツッコミを入れるだけではない。全体の進行や段取りを頭に入れていて、次の段取りにいくときと判断したら、そのためにツッコミを入れる、「はいはい、もうわかったから」と止めさせて次にいくということを明らかにやっている。頭の回転が速く、万事器用で、番組スタッフからも信頼されている(二宮に「ここでこう段取って、それからあっちに移動してください」と頼んでおけば、やってくれる)わけだが、「そんな役割分担は、嵐の中でどう決める?」「それって、ものすごく疲れる話なのでは?」とか。あと、大宮SKは、ハッキリ解散したそうです
●ただ、二宮和也はあまりにも淡々と話すので、これが本当の真意なのか器用な現場主義・即興主義的な反応なのか、ちょっと判断に迷う場合もある。そんなことを含めて、2週間ほど寝かしておいてから、原稿をまとめます(よく編集者にいうのは、寝かしておく間に、自分の中でいらないものは沈殿し、重要なものだけが浮かび上がると。熟成期間が必要だと。編集者は、どうせ締め切りを伸ばす口実だろと思っていたりする)
●久野明と祐天寺やきとり倶楽部で夕食。日曜は焼き鳥が半額だそうで安かった。家族連れもちらほら

09-10
●三笠フーズの汚染米偽装転売事件につき、報道であまり語られないように思えるポイントをいくつか
●(農薬やカビによる)汚染米を、それと隠し工業用以外の食品原料用としてに売りつけた三笠フーズの責任(責任者は当然、詐欺で逮捕)だけが語られているが、その三笠フーズに汚染米を売った国(農林水産省)・商社(双日ほか)の責任は? 汚染米を日本国内で売り飛ばし、捌《は》けさえすればいいとほおかむりする態度は無責任である。当然、彼らの責任を追及すべきだ。とくに農水省の担当セクションは、全員配置換えして再出発しなければ、社会にとって有害きわまる
●なぜ、このような汚染米を日本が抱えなければならないかが、根本問題。一言でいえば、日本は国内の農業保護と引き換えにミニマムアクセス(最低輸入量)を義務づけられており、仕方なく買うため、管理が杜撰《ずさん》だから。このうちカビや残留農薬が出たものを、農水省が「事故米」として、食用以外の用途に払い下げているが、このシステムが不透明すぎる。たとえば、農水省の「事故米」判定は、誰がどうやっているのか? それは、国民の税金で買ったものが、ダメ商品であるという判定だから、間違えれば国民の財産を毀損してしまう。輸送途中で水がかかった、あるいはカビが生えたなら、輸送業者に損害を賠償させて当然だ。腐ったコメであれ、農水官僚どもの財産ではない、国民の財産だからだ。なぜ、そのことを誰も指摘しないのか
●古くなったコメと、農薬で汚染されたコメは、扱いが違う。そもそも農水省は、最低輸入分のコメのすべての用途を洗い出し、それぞれの用途につき、国内で使ってよい農薬やカビ毒などの汚染度(許容値)を決めているのか。「これこれの工業用ノリに使うならば、農薬××の検出値が何ppm以下でなければダメ」「家庭用ノリに使うならば、(子どもがなめるかもしれんから)農薬はゼロでなければダメ」「食品原料用に使うならば、せんべいの場合は……、焼酎の場合は……」というように。それをやらずに、農水省が「農薬が入っていたとしても、食べてもたぶん大丈夫」という意味のコメントを出すのは、無責任である。そのコメントを記事にする者は、合わせて「無責任では?」と聞くべきだ
●この事件で、事情を知っていた三笠フーズの従業員は、組織ぐるみの詐欺に荷担して給与を得ていたのだから、被害者というよりは加害者一味である。「どっちが表か裏かわからないが」(帳簿があってうんぬん)などと、ヘラヘラとした態度でメディアに登場した会社幹部は、ありゃ何だ? 従業員も、社会的責任が問われて当然だ。日本社会が、社長の命令で仕方なくやったのだからと彼らを許す限り、この種の事件はなくならない

09-09
●午後4時半、田原総一朗、朝日新聞出版と本(朝日ギロン堂まとめ本と、自民・民主大抗争史本)の打ち合わせと聞き書き。そのために朝から作業。進行中の単行本企画のうち三つないし四つが、辞任党トップ自慰表明のあおりを受けてスケジュール変更へ
●その辞任党福田自慰表明首相が、「重要なことだけ会見する」と中断していたぶら下がり会見を再開した由。「何が重要で何が重要でないかは、記者やインタビュアーなどメディア側に判断させるという前提で、時間が許す限り会見する」のが、まともな情報公開というものです。そのメディアの判断が違うと思えば、会見場で批判すればよいだけのこと。「自分が重要と思わない問題については会見しなくてもよい」というのは、「自分は恣意的に情報隠しをするつもりである」と公然といっているも同然であって、一国の首相たるものが、おおっぴらにいうべきことではない。答える必要がないと思う質問には、会見でそう答えればいい。そのことと、最初から会見せず質問自体を受け付けないことは、全然話が違う。そういうことがわからない人間は、政治家を続けるべきではないと思います。会見再開も、メディアによる自民総裁選の盛り上げを期待する手前、やらないのは具合が悪いから仕方なくという姿勢が見え見え。メディアもバカにされたもんです(ただ、メディアも人間のやっていることだから、意地悪されたら意地悪し返す。これは当たり前。福田康夫をチクチク批判する記事やレポートが増えるから、福田には損。そういう損得勘定ができず、「(自分を客観視できない)あなたとは違う」などと捨て台詞を吐いてしまうところが、ほんと歳を取ってもガキですね。田中真紀子の「気の毒なお年寄り」には同感)
●おととい、嵐・二宮和也をデビュー当時から応援をしているという九州在住の女性からメールをもらいました。6年前の高校生当時、二宮が載ったGALACを大変な思いをして入手してくれたそうで、いまだに『放送批評懇談会』がブックマークに入っていたと。ありがたいことです。二宮和也表紙のGALAC12月号(11月6日発売号)は、ネットからラクに、確実に手に入るようにしますので、よろしくお願いします。当時は雑誌が足らず、どうしてもという人に表紙コピーを実費でお分けしたんですが、たしか300人だか500人だかに送ったはず

09-08
●竹中本の最後の原稿書き
●Windows XPの自動アップデートが、このところ「Service Pack 3(SP3)の準備ができた。入れろ入れろ」とうるさいので、朝がた予備PCでやったら、すんなりいった。で、仕事用のDell機でやったら(バックアップにえらく時間がかかったうえに)、ゲッ!、Outlook Expressがどっかにいっちまった! スタートメニューその他からショートカットが消え、Program Files内のOutlook Expressフォルダにあるはずのmsimn.exeもない(アドレス帳起動プログラムなんかはそのままなのに、メインの実行プログラムmsimn.exeだけがない)。[設定]→[コントロールパネル]→[プログラムの追加と削除]→(左列上から三つめの)[コンポーネントの追加と削除]→Outlook Expressにチェックして[次へ]で直りましたが(【付記】ところがどっこい、次の黒丸参照)、みなさんも、お気をつけください。なお、[プログラムの追加と削除]リストの後ろのほうに並んでいたセキュリティ更新(百数十本やそこらあったはず)がほとんどService Pack 3に置き換わったのはいいが、きょう8日だけで新たなセキュリティ更新を13本も自動インストールしていやがるのです。「SP3には、いままでの更新が全部入っている」といっても、この有様。そろそろCPU(Pentium4)、メモリ(1GB)、HDD(80GB)のトロさが目立ってきたので、年内にはワークステーションDell Precisionてのを入れようかと思います。そのときIEとOutlook Expressに、本格的におさらばしようかと
ん!? 電源切ってないのに、何かの都合でまた消えた! 何じゃこりゃ! 原稿が送れんじゃないか! ほかにも、あちこち細かい何かが変わっている様子(スタートアップの設定とか)。まだService Pack 3にしてない人は、慌てて移行しないことを推奨(やるなら、丸1日空いているなんて十分ヒマなとき、マイクロソフトが推奨する事前準備をすべてやったうえで。あと2〜3年はXPを使うつもりという人は、いずれ導入しなければダメ)

09-07
●放送批評懇談会第46回ギャラクシー賞報道活動部門上期(審査対象は2008年4〜9月放送分)の募集が9月1日から始まりました。締め切りは9月26日の予定です。詳しくは、放送批評懇談会ギャラクシー賞への参加方法をご覧ください。各局報道部門からの奮ってのご応募をお待ちしております
●なお、2007年度の大賞・優秀賞・選奨を対象として、公開シンポジウム 「ギャラクシー受賞報道活動を見て、制作者と語る会」を、2008年11月29日(土)13時〜17時(開場12時30分)、東京工科大学八王子キャンパス・メディアホールにて開催します。入場無料です。都心からはちょっと遠いですが、ぜひお出でください。当サイト表紙ポンチ絵の下にリンクを貼っておきます
●福田辞任表明のあと、いろんな人(30人くらいか)に感想や意見を聞きました。一般人、編集者、放懇関係、店のオヤジ、タクシー運転手など、「東京」という偏りはあるものの、性別、職業、年齢、仕事などはバラバラ
●主な感想や意見は以下。◆自民党は「辞任党」、辞意表明は「自慰表明」。安倍晋三に続く福田康夫の政権投げ出し、無責任には呆れる子どもたちにまったく説明のつかない恥ずかしいことを公然とやっている。学級委員長とか班長があれで務まるか。もっとも教員や教育委員会も賄賂でなるのだから、デタラメさはいい勝負だが◆経済がどんどん悪くなっている現状を、まるで理解していないのでは◆自民党には飽き飽きした。総選挙なしの政権たらい回しはやめてくれ◆民主党だってしょうもないことはわかっている。だが、ここはいったん自民党を降ろし、民主党・小沢一郎にやらせるべきだ◆口がひん曲がった悪相で下品な人物を、日本代表として国際社会に出すのは問題だろう◆麻生太郎が選挙に初当選したときの映像を記憶している。はしゃぎぶりは実に子どもじみていた。テレビはあの映像を流したほうがよい◆麻生太郎は日本が朝鮮でやった創氏改名を「朝鮮人が望んだからやった」という意味の発言をしたことがある。必ずバカげた失言をして問題になると思う
●とくに野党支持者を選んで聞いたわけではないのに、こんな感じ。私もおおむね同感です。地方では、自民党議員ならばカネや工事を引っ張ってきてくれるという期待が相変わらずあると思うが、都市部ではそれが少ない。小沢一郎が、小泉純一郎の郵政解散時の演説のように「命を賭けるから、支持してくれ」と訴えて、それが伝われば、次の総選挙では自民党が負けるでしょう
●若い人は「創氏改名」(そうし・かいめい)なんて知らないかもしれないから、以下、蛇足ながら。これは、日本が朝鮮の植民地支配の一環として、朝鮮人の名前を日本式の名前に変えさせたこと(政策)。1939年11月の朝鮮民事令改正で公布、40年2月に施行。期限の同年8月10日までに80%の約322万戸が届け出たとされる。文字通り(1)創氏(氏を新たに作る)と(2)改名(日本式に改名できる)の二つの意味があった。(1)は、男系血統を基本とする夫婦別姓の朝鮮に、家長(戸主、世帯主)を中心とする家の観念を導入・確立するねらいで、全朝鮮人に適用。(2)は、同時に日本式に改名してもよいとされ、任意(希望者のみ)に適用。なお、「任意(希望者のみ)」は、あくまで建て前。実際には有形無形に強要・強制された。改名したかどうかが「皇民化」(天皇を父と仰ぐ臣民であるかどうか)の指標ともなった。創氏改名のほか、日本語の使用、日本式学校による教育、「皇国臣民の誓詞」斉唱(「一、私どもは大日本帝国の臣民であります。二、私どもは互いに心を合わせて、天皇陛下に忠義を尽くします。三、私どもは忍苦、鍛錬して立派な強い国民になります」と毎朝一斉にいう)、神社参拝などが「皇民化政策」。
●「朝鮮は日本だったのだから、日本の民法を適用するのは当然だし、改名は希望者のみの任意だからよいではないか」というのは、戦前の日本の考え方。いまそう主張するのは、朝鮮人を愚弄するばかりか、民族や文化の独立や尊厳について無知・無理解である(ということは、現在世界で起こっている混乱のほとんどをうまく認識できない。当然、日朝の拉致問題や中国のチベット・ウイグル問題などの認識もデタラメである)ことをさらけ出す、バカげた考え方。日本人だって、日本列島を朝鮮人に支配され、「朝鮮式に夫婦別姓にしろ、希望者は朝鮮式に名前を変えてもよい」といわれたら、朝鮮人を怨むに決まっている。朝鮮人が、朝鮮半島を日本人に支配され、「日本式に夫婦同姓にしろ、希望者は日本式に名前を変えてもよい」といわれたら、日本人を怨むのは当たり前。あったり前でしょう?
●麻生太郎は「当時、朝鮮の人たちが日本のパスポートをもらうと、名前のところに金とか安とか書いてあり(満州人から)『朝鮮人だな』といわれた。仕事がしにくかった。だから名字をくれといったのが、そもそもの始まりだ」という趣旨の発言をしているのですが、ムチャクチャな歴史理解。名字をくれといった朝鮮人が皆無だったとはいわない(推進する親日派も多数いた)が、全朝鮮人が名字をくれといった事実はないし、一部朝鮮人の希望が創氏改名の始まりでもない。始まりは、歴《れっき》とした日本国の植民地政策・皇民化政策。だから、戦前の日本政府すらをも愚弄する、ふざけた発言です。朝鮮半島から出る「一部朝鮮人の差別解消のため」をそもそもの理由として、全朝鮮人の創氏と希望朝鮮人の改名をするなんてアホな政策を、日本政府がやるはずがない。朝鮮半島外に出る金さんを金田さんに、張さんを張本さんにするだけなら、全朝鮮人の「創氏」は不要なのでね
●終日、原稿書き

09-06
●相撲協会が、またわけのわからないことになっていますね。北の湖は、「徹底的に調べなければいけない。本人は1000%やっていないと言うのだから信じる」「痛み止めの成分が出ているかもしれない。警察に見てもらってもいい」「確実な検査結果が出たわけではない。けいこもやらせている」と。日本唯一のドーピング検査機関で精密検査結果が出てなお、こういうんだから、つける薬がないというか、手の施しようがない。実際、相撲しかやったことがなく、中学時代の通信簿も体育以外1と2だけで、それで万札を使いっ走に渡したりして、わがまま放題に育ち(と私は千葉という中学で使いっ走だったヤツから直接聞いた)、常識や知識や考え方に大きな問題がある(言い換えれば、頭が悪く、非常識で、世間知らずな)のです。日本語も、明らかにモンゴル人の朝青龍のほうが上手ですからね。それでも横綱時代は強いからよかった。いまは横綱ではなく指導者で業界トップだから、指導者・業界代表としての資質が問われて当然。疑惑力士ともども辞めるしかないでしょう
●いつか当欄に書いた通り、大鵬や柏戸すらも現役横綱時代にピストルを不法所持していた(1965年2月の項を参照。当時の新聞に載っている話。米国巡業で入手し、ヤバくなって隅田川に捨てた)のだから、この程度の不祥事は、不思議でもなんでもない。大相撲力士が品行方正、清く正しく美しくないと、日本の歴史伝統文化が保てないようなことをいう人があるが、トンデモないバカ話。明治時代に禁止された丁髷《ちょんまげ》を二十一世紀に結い、布切れ1枚で陰部を隠しただけで、人前で格闘する集団に、そんなこと期待するほうが、どうかしている。相撲なんてのは、まず、おもしろけりゃいい(『ヤバい経済学』という本に、千秋楽に7勝7敗の力士と負け越し決定済み力士が当たって前者が勝つのは統計的に明らかにインチキ、八百長という話が出てくる。統計的にはその通りだが、負け越し力士には消化試合だから、わざと負けても全然かまわない。ただし、おもしろく、手抜いてないと思わせつつ負けないと、おもしろくないからダメ。プロレスと同じこと)。次に、その格闘技のルールが守れればよい。さらに、最低限の社会的なルールが守れればよい。三つ目は、相撲協会ではなく社会が決めること(40年前はピストル所持すらも許した)。私はどうでもいいと思うが、今回は社会が許さない方向
●原稿書き

09-05
●午後5時半〜ARASHI AROUND ASIA 2008@国立霞ヶ丘競技場。資料によると、「アジア今年最大のコンサート」なのだとか。舞台制作スタッフ300名、運営警備スタッフ3000名、トランポ(運搬車)250台+映像カメラ20台(映像機材11tトラック20台)、噴水の水200t(トラック半分の長さの貯水タンク新たに設置)、電源5000kw(100kw電源車50台分)、外回りのフラッグ160本、ステージ延べ床面積700坪(嵐東京ドーム公演の2倍)、照明機材2500灯、弁当総個数3万個、バルーン1日5万個×2日=10万個、のべ衣装(嵐 Jr.)予備含め300着、特効花火400発、だそう
●今回の関係者席は中央ドーナツ脇のアリーナ席。いつも関係者は座っていることが多い(後楽園ドーム、武道館、横浜アリーナなどで、一か所だけペンライトなしで暗く、盛り下がっているのが関係者席)が、今回ばかりはちょくちょく立った。「魔王」に出ている女の子が前の前の席、ほかにフジや日テレのキャスター、アナ、TBSプロデューサーなどの顔も
●MCでは、相葉雅紀「ついに来ましたねえ」桜井翔「(天気の話で)嵐が来ても、嵐ですけどということで……」二宮和也「もし雨降ったら、MC傘差すの?」相葉「ポンチョっているアイテムも……」二宮「そんなこというけど、さっきケツ破れていましたから」相葉「おいっ」(と二宮を追いかけ回す)?「全然ラッキーマンじゃなかったですね」二宮「俺もアンラッキーマン。東山さん見に来てるでしょ。先輩に成長したところ見てくださいって(バック転)やったら、2回転してめちゃくちゃ痛かった」松本潤「1人死んだと思ったもん」二宮「全然事故ですよ。結果、相葉くんのほうが大事に至っているからね」以下、相葉の衣装のケツが破れたシーンをみんなで再現。あと、相葉が気合い入りすぎてカチカチのカツカレーを食った話、24時間テレビお疲れ話、松潤が24時間分のダビングを日テレスタッフに頼んだ話。二宮「夜中3時に突然ラピュタ見る人だから」松潤「たまにあるんですよ。(無性に見たくなることが)ジプリに」魔王の話も出て、大野智「今日、魔王ですもん。みんな、早く帰ってください」二宮「今日はリアル魔王で大丈夫だよ」桜井の北京話でMC終了。ま、おおよそこんな話をしておりました
●北京にちなんで『風の向こうへ』。その後、国立競技場が東京オリンピックのメイン会場だったとのビデオ映像(2日前に撮った小倉智昭の語り)。さらに、メンバー一人ひとりのビデオメッセージで、嵐10年目、アジアツアー(台北、ソウル、上海)で新たな出発をする、みなさん、その証人になってくださいうんぬん。メンバーはどこへ行ったと思っていると、聖火台に火が灯り、その脇から赤ずくめの衣装で登場。聖火の前で『Re(mark)able』を歌い、5台のリフトで降りてくる。魔王っぽい格好だなと見ていると、下で『truth』を歌った。エンディング近くでメンバー紹介。松本は指を口に突っ込むセクシーポーズ、二宮は手品、大野は目玉リレー、相葉は息で手をブラブラ、桜井はヒップホップラップ。それぞれにおもしろい。『One Love』で風船を飛ばしたら、あっという間に西の空へ飛んでいった。大噴水。アンコール4曲では、突然ジャンケン。相葉・松潤対決で相葉が負け「やりたくねー」。端っこのほうへいって海パンで水槽に飛び込む罰ゲーム。上がってきて「風邪ひく風邪ひく」。『言葉より大切なもの』で花火(神楽坂でも聞こえたと家人)。松潤が「俺らの名前は何だ? せーの」会場「A・RA・SHI!」とやったんだけど、ニノが後で相葉に「あんた、あのとき裸でしたから」さらに予定外の2曲を歌って終了。7万人も大盛り上がりで、たいへんおもしろかった
●レセプションでは、小倉智昭が乾杯の音頭。アーチェリーの山本先生もいた。ジュリー藤島Kに「今日はおめでとうございます。今度GALACで二宮さんを表紙にさせてもらいます」とご挨拶。二宮和也にも「今日は、とてもおもしろかった」「いま、GALAC表紙をお願いしているところ。よろしく」と。「同じ人物がGALACの表紙になるのは、二宮さんが最初ですよ」二宮「まじすか。いつかは月間賞も……」「そうそう。『拝啓、父上様』も『マラソン』も、とてもよかったからね。私は、アイドルや歌手としてだけでなく、あなたを若手俳優のなかでピカイチの存在だと思っていますよ。頑張ってください」と
●というわけで、嵐・二宮和也表紙のGALAC(ぎゃらく、放送批評懇談会編集)は11月6日発売の2008年12月号ですので、よろしく
●石破茂にはおととい、小川和久、岩谷健一と一緒に会って2時間、寿司を食いながらインタビューしたんですが、自民党総裁選出馬ですか。あと2回必要なんだけど、こりゃ、対談どころではないか

09-04
●午後6時半〜放送批評懇談会事務所。グランドデザイン小委員会。石井彰、入江たのし、音好宏、隈部紀生、深川章。事務局から中島好登。あと原稿書き
●先週(8月29日午後)『週刊新潮』から電話があり。「24日放送のテレ朝『サンプロ』ラストで、7月下旬に放送した田原コーナーでのブルドッグソース株価下落要因につき、説明不足があったうんぬんとの司会者コメントが入った。関係者によると、前日の23日にテレ朝食堂で打ち合わせがあり、そこで田原総一朗が『訂正の必要なんかない』と怒り、皿を投げて花瓶が割れたというのだけど、何か聞いていますか?」と。40分ほど話したが、坂本の返答骨子は以下
●そんな話は聞いておらず見てもいないから、本人に電話して聞いて。仮に番組スタッフがそう証言したなら、そいつはクビだから、くれぐれも慎重に書いてくれ。私が関わった打ち合わせで田原が激昂して何かしたなんてことは、一度もない。議論が沸騰して言い合いになることはあっても、机を叩くほど怒った記憶もない。『朝生』『サンプロ』で怒鳴ったり机を叩くのはディレクター(司会者じゃない)として盛り上げる演技。いつか二人でタクシーに乗って話していたら運転手が振り返って「あの、テレビに出ている田原さんですよね。田原さんて優しいんですね」といったよ。蜷川幸雄が灰皿ブン投げても文句をいう人はいないから、別に田原が投げてもいいと思うけど、まあ、ホントに投げたとは思えない。言葉足らずを補足し、謝罪訂正はしなかったというが、多くのテレビでは「ただいま不適切な発言がありましたので、お詫びして訂正します」といって、何が問題で謝るのかわけがわからない場合が多い。それに比べたら『サンプロ』が言葉足らずを具体的に補足したのは、まともな対応。「前回放送時に株価下落の要因をAといったが、BとCもありました」といったなら、それでよく、謝罪の必要もない(台本のない議論に言葉足らずの場合がある、なんてことは当たり前。そんなのにいちいち訂正が必要なら、政治家を呼ぶ討論番組など成立しない。意図的に嘘をつく連中を呼ぶのだから)。7月下旬に竹中平蔵、木村剛を呼んだ回は「日本の株式会社の買収防止策は、株主の利益にそぐわないやり過ぎで、裁判所の判決もデタラメだ」という趣旨のはず。それは彼らが正しい。ブルドックソース株式を米投資ファンド(スティール・パートナーズ)が公開買い付け(TOB)宣言したら、それを会社側は非適格者として排除した。そこでスティール側が差し止めを求めたら、東京地裁・高裁・最高裁が却下したというのは、裁判所が狂っている。オーストラリア投資ファンドが「日本空港ビルディング」株式を20%まで買い進めたら国土交通省がジャマした(空港整備法を改正)のも、英投資ファンドTCIのJパワー(電源開発)への投資を財務省や経産省がジャマしたのも、デタラメ。「日本企業に投資するな、日本の株式市場は閉ざされている」というシグナルを世界中に発信して、いい笑い者だ。その理由の安全保障など後付け。本当の理由は天下り先確保・保全以外にない。ソニーもキヤノン(そのトップが経団連会長!)も「外資」(株主構成を見れば外人が50%以上)だから、日本空港ビルディング株も電源開発株も何%以上は買えないというトンデモ規制。「そんなのやめさせろ」という竹中や木村のほうが筋が通っている。(新潮「田原マターだから、手が出せないということがある?」)そりゃ、田原コーナーは田原マター。総理大臣経験者を呼ぶときは田原が直接電話するのだから、田原マターに決まっている。手を出せないことはないが、そいつはダメだとか文句いうなら、もっと大物を自分で連れてくるしかない。(新潮「テレ朝内に田原を降ろそうという声がある?」)知らない。老害はなはだしいから降ろせというなら、代わりを見つけてこないとダメだろう。私は、代わりは見つからず、『朝生』『サンプロ』から田原が降りるときは、番組を終わらせるべきだと思う。田原がいつまで番組をやるべきかについては、「番組で15分くらい前に話したことを、もう一度(初めて口にするという調子で)いったら、その時は辞めたらいいんじゃないですか」と本人にいった。田原総一朗本人の理想は、「朝まで生テレビの本番中に、さっきまでうるさかった田原が静かになった。どうしたんだと見ると、田原は死んでいた」というもの。「そりゃ、とてもいい。番組中断せず、遺体をそのままに、最後までやるべきだ」と、これも本人にいった
●で、『週刊新潮』が届いたから、さて、どう書いているのかと思ったら、「裏が取りきれず掲載は見送った」そう。「なんで新潮や文春はぼくのこと書きたがるんだろう」と田原がいうから、「世の中に叩きがいのある悪人が減ったってことでしょ」といっておきましたけどね

09-03
●10月25日(土)午後1〜5時@東京・日本青年館、民放労連・メディア総研が共催で、2011年7月の地上アナログ放送打ち切り・地上デジタル放送完全移行についてのシンポジウムを開催するそうです。アナログ打ち切り推進派と慎重・懐疑派が議論すると。私は、慎重・懐疑派というよりは、「どう考えても無理」派ですが、呼ばれましたので出て話します。この日は、地上アナログ放送打ち切りまで約1000日前ということで、推進側も大阪・千日前で何かイベントをやるとの噂
放送デジタル化のページと「2011年 地上アナログ放送を停止できない10の理由」ページを更新。ただし、後者では全文は表示せず、冒頭さわり部分と小見出しだけです。全文をお読みになりたい方は、晩聲社発売『放送レポート』最新号(9月号)を書店でどうぞ
●嵐・二宮和也表紙のGALAC(ぎゃらく、放送批評懇談会編集)は11月6日発売の2008年12月号です。坂本がインタビューします。放送批評懇談会サイトから事前予約ができるように、頼んでおきます
●午後7時〜衆議院・石破事務所。石破茂と小川和久の対論第2回。あと原稿書き

09-02
●朝、田原総一朗と電話で話す。『週刊朝日』の田原連載「朝日ギロン堂」の単行本化を手伝っており、日本政治の裏のウラを暴く本にするつもりなんだけど、福田退陣をどう盛り込むかについて。9日に会ったとき、まえがき20ページ分くらいを追加するのと、本文をどの連載回まで入れ込むか。11月までには本になる予定
●これとは別に、田原が書くと言っていてやっていない小泉純一郎論を、『自民・民主激烈抗争史』に衣替えして来年出します。赤坂の小料理屋で小泉純一郎が自民総裁選に出馬する最終決断シーン(下に田原ともう一人ジャーナリストがいて、中川秀直が2階にいた小泉を連れてきた──こんな話、聞いたことないでしょ?)から書き起こし、小渕時代に遡って今日までを描くことになるでしょう。いずれも朝日新聞出版から
●サイト更新をサボっていたので、上記以外の単行本の予定をご紹介。竹中平蔵と田原の対談本(アスコム刊)は、9月中に出ます。竹中平蔵は、小泉政権の麻生太郎がきわめて古いタイプの政治家で、郵政民営化に対する最大の抵抗勢力の一人であったことを、最後に耳打ちされた麻生の捨てゼリフ(本邦初公開!)まで明かして証言しています。繰り返しますが、国民は郵政民営化選挙で小泉自民党に300議席を与えたのであって、抵抗勢力に300議席を与えるつもりはなかった。福田康夫が辞めて、麻生太郎が首相になると思われていますが、抵抗勢力排除を謳った選挙で獲得した多数議席によって抵抗勢力が権力を握るのは、おかしい。おかしいでしょう? 現行憲法には、そのことを阻《はば》む規定はないから、国民やマスメディアが「おかしい。ただちに総選挙をせよ」と圧力をかけていくしかありません
●ロシアが周辺国の一部地域を勝手に独立させ、「新冷戦も辞さない」と開き直っています。この世界はどうなるのかを、佐藤優と田原総一朗が「新しい戦争」という観点から徹底討論する上下2巻本(アスコム刊)を現在まとめ中。9月中にupの予定。ムチャクチャおもしろい超過激本。ご期待ください
●坂本のオリジナル企画による石破茂・前防衛大臣と軍事アナリスト小川和久の対論本を、ビジネス社から年内に出します。担当編集は岩谷健一。第1回対談はすでに終え、9月中に3〜4回済ませる予定でしたが、今回のドタバタでどうなるか。防衛省で孤立した石破茂は「まさに四面楚歌。孤独。あの寂寥感……」と語るが、そんな話は新聞に1行も載っていない。石破シンパの防衛記者は軒並み異動となり、新聞・雑誌が書くのは防衛官僚のリーク記事、情報操作記事ばかりなのです。マスコミが一切伝えない防衛問題の核心に迫る本です。ご期待ください
●ご心配おかけしておりますアスコム『オフレコ!』は、1冊まるごと共産党の別冊を出し、その後に本誌を出します。「『月刊現代』が休刊になって、雑誌ジャーナリズムがヒドいことになってきた。いよいよ『オフレコ!』が頑張らなければダメだ」と田原。昨日も巻頭企画の相談をしました。よろしくお願いします
●放送関係では、8月中旬に出た『放送レポート』(214号=2008年9月号)に400字50枚に迫る「2011年アナログ放送を停止できない理由10」を執筆。放送局もメーカーもよく頑張ったが、2011年にアナログ放送の停止はできません。テレビは、放送局やメーカーだけのものではないから(まして旧郵政省、総務省など放送や通信にたかる以外に能のない有害無益な存在だから)です。放送開始から半世紀以上、そのことがようやく浮き彫りとなる。10月半ば以降、当サイトにupします。以下、冒頭部分の一部を転載しておきます
【引用ここから】
 国や総務省、NHKや民放局、テレビなど放送関連機器を製造販売するメーカー、審議会などで意見を述べる学者らは、地上デジタル放送の現状とまじめに向き合い、必要ならば計画を修正し、真に有効な施策や対策を打ち出すべきだ。
 「絶対に大丈夫」と言い張り、予定通りを前提とする対策だけを実施し、3年後に「やっぱり無理だから延期」というのは、無責任である。何が問題で、どんな施策や対策が必要かは、ハッキリしているからだ。
 問題を明示せず、必要な施策や対策も講じず、もっとも起こりそうな事態と異なる宣伝を、いつまで流し続けるのか。敢えて嫌な言葉を使えば、それは視聴者国民大衆に対する偽装、騙し、脅し、嘘の類を流し続けることにならないだろうか。
 筆者は、総務省、放送局、メーカーの関係者は、それぞれのセクターなりにみな、日本の放送の将来を真剣に考えて行動していると信じる。同時に、だからといって、それが最良のものとは限らないと考える。
 太平洋戦争末期、日本の将来を真剣に考え命がけで行動した軍の主張の多くは、国民大衆に対する偽装、騙し、脅し、嘘の類だった。「絶対に勝てる」といって無意味な死傷者を増やし、「やっぱり負けました」といったのは、無責任である。多くのジャーナリストは戦後「軍は無責任だった」といったが、戦中にそう主張しなかった者も無責任である。
 筆者は地上デジタル放送への移行を、時代の必然であり、社会の当然の要請だと確信している。しかし、現実無視の無責任は放置できないし、後から「無責任だった」という無責任な立場に身を置くつもりもない。だから、この原稿を書くことにする。
【引用ここまで】
 現在喧伝されている普及率が、明らかに過大で現実離れした見込み数字であること(たとえば高齢者一人暮らし400万世帯を含む単身世帯1000万をはじめから除外するトンデモ調査!)も検証しています。地上デジタル放送の記事を書く記者は、読んでおかないと恥をかきます
●ジャニーズ嵐・二宮和也ファンにご連絡。GALACの表紙にニノが登場します。入手方法はこの欄に書くので、よろしくね

09-01
●14時半〜、アスコム高橋克佳と打ち合わせ@ANAホテル2階喫茶。15時半〜17時半、田原総一朗、アスコム高橋、谷口暢人、小林英史@ANAビジネスセンター。竹中平蔵・田原の対談本のまえがき、その他のインタビュー。政治の話あれこれ
●夜、首相の福田康夫が退陣表明。田原は、年明けすぐに「インド洋給油を衆院3分の2以上の多数で再可決」を花道に福田退陣説だったようだが(たぶん森喜朗あたりもそう)、4か月以上早まった
◆【2007年9月12日当欄記事から】午後2時、首相の安倍晋三が辞任の記者会見。安倍内閣が「持たない」ことはわかっていましたが、このタイミングの最期の姿は想像すらできなかった。本当に驚きました。こんなバカで情けない無責任男がトップだったのかと、改めて日本という国のしょうもなさを実感しました
●午後2時を「夜9時半」、安倍晋三を「福田康夫」と読み替えてください。感想は1年前と同じです
◆【2007年9月16日当欄記事から】何が言いたいかといえば、国民は「郵政民営化、イエスかノーか?」と聞かれて「イエス」と応え、小泉に対して300議席与えた。安倍晋三に対しては 300議席与えていない。さらに福田康夫に対しても300議席与えていない。それどころか、福田康夫は、小泉に300議席与えることになる選挙の実施を直前まで阻止しようとした勢力の代表だった。その人物が、小泉に与えた300議席によって、つまり自ら否定し、断固阻《はば》もうとした総選挙の結果によって、日本国首相となる。「皮肉な話だ」との感想だけで済むでしょうか? 国民の意思は、どこへ? 小泉自民党を支持して投票した国民は、コケにされ、いいように利用されたことになりませんか? 福田政権の「正統性」には、疑念をはさむ余地があるのでは? なぜ新聞やテレビは以上のことを報道せず、既定の次期首相として、福田のプロフィール紹介や、福田と麻生を同席させる儀式を繰り返し流すのか? 報道の順序が違ってやしませんか?
●以上の趣旨も、1年たっても変わりません。国民は小泉純一郎に対して300議席与えた。だが国民は、安倍晋三にも福田康夫にもその次の自民党総裁にも、300議席与えていない。衆議院選挙による国民の過半数の支持を得ていない彼らは、首相としての資格が決定的に欠けています。衆院選をへずに首相になってもよいが、任期中に自らの手で衆議院選挙をやらなければ、資格は欠けたまま。つまり、衆院選で支持されるまでは、福田後継政権には「正統性」がありません。衆院選は、できるだけ早期にやるべきです
●その結果は、どうでもいい。日本は民主主義をやっているのだから、国民に総理大臣を決めさせなければ、話にならない

07-24
●未明(24日0時28分頃)、そろそろ寝るかというとき、震度3と2の間くらいの揺れ@東京・神楽坂。揺れが収まってすぐテレビをNHKに回したら、10秒ほどで地震ニュース速報がスタート。地震発生から3分ほどというすばやい対応は、さすがNHK。見事でした。「岩手沿岸北部震度6強」と出たのが0時32分頃、33分には「最大震度 洋野町 6強」と出した。35分頃からTBS、テレビ朝日(以上2局が早かった)、フジテレビ、日本テレビも相次いで地震速報に切り換え。NHK教育は、総合と同じ内容だが、画面上部に出すスーパーの具合が悪かったようで、しばらく文字が出ず(ずっと2行分の乱れた水色の帯)。0時43分あたりから洋野町役場と電話がつながったということで、アナが「聞こえますか」と何度か呼びかけるが不調。日テレも同じ役場の別の担当者と電話をつなぎ(NHK同様最初は不調だったが)、建物にそう変化はない、ものが落ちたというようなレポート。その後もうつらうつらしながら見ていると、ケガ人、火災、停電、高速道路規制といった断片的な情報。朝になっても、テレビはついていた。朝確認したところでは、死者や大規模被害は出ていない模様で、何より。震源が120キロ(その後、約108キロと修正)と深かったこと、揺れの周期が短かった(小刻みな揺れだった)ことが、建物被害などの少なかった理由でしょう
●原稿書き(来月中旬発売の『放送レポート』に地上デジタル放送問題。3年後のアナログ停波は、かくかくしかじかの理由で絶対に無理。延期しかないとの内容)、なんだけれども、サイト更新だのメールのやり取りだの雑用があれこれあり、なかなか進まない
●16時、法政大学第二高等学校3年生5人に青少年有害サイト規制問題について話す@神楽坂ジョナサン。代表の男子高生からの依頼メールは、ざっとこんな内容。「私たちは現在、3年生の情報科の授業で情報化社会におけるメディアの問題、特に青少年有害サイト規制法案について学習しています。青少年有害サイト規制法案についての質問に回答をしていただける方を探していたところ、ジャーナリストである坂本様のホームぺージを見つけました。そこで上記の法案に関して以下のような質問にお答えしていただけないしょうか? (1)現在、ネットの状況についてネットを取り巻く環境は悪化しているといえますか? (2)総務省が2007年に示した有害サイト規制法案に関してフィルタリングの原則適用について賛成か反対か、またその理由をお聞かせください。 (3)今回のフィルタリングにより未成年者が事件に巻き込まれるような問題が解決に至りますか? (4)今の日本のネットの利用環境、制度の問題について (5)フィルタリングの原則適用以外に他に手段はないのでしょうか? (6)国の法案に関わらず規制は必要か不要か、必要ならばどの程度まで規制するのか、また不要ならばどのように対処していきますか? などです」
●18時半〜放送批評懇談会理事会@新宿5丁目。出席者は、入江たのし、小田桐誠、音好宏、兼高聖雄、隈部紀生、五井千鶴子、上滝徹也、小林毅、坂本衛、嶋田親一、滝野俊一、橋本隆、藤久ミネ。終了後、音・小田桐が長々と妙なやり取りを続けていた。事務局・中島好登、福島美子、久野明と久しぶりに東順永。紹興酒ボトル2本に胡瓜冷菜、砂肝、辛い紙豆腐、豆苗炒め、イカと野菜炒めと、なかなか健康的なメニュー。久野明によると、「サッカー北京五輪代表は、なかなかいいチーム。日本代表より強いんじゃないか。オーバーエイジで遠藤を入れると遅くなるから、若い連中だけでいい。決定力不足は否めないが、それは日本代表だって同じこと」とのご託宣。初戦を勝てれば、ちょっと期待してよいかも。帰宅して、男女ともオーストラリアに勝ったと知る

07-23
●18時半〜WOWOWマスコ懇親会@ニューオータニ「おり鶴 麗の間」。放懇からは音好宏、隈部紀生、丹羽美之(『GALAC』の新しい編集長)、中島好登ら。鈴木嘉一、小林英美も放懇会員だが、読売新聞として。WOWOW社長・和崎信哉、制作局長・高見澤尚樹らと話す。WOWOW音楽Pの松崎(松ッチャキ)の話も(出席はしておらず)。現・日本インターネット新聞社の小池正春に声をかけられ、「市民メディア」の話をひとしきり(そもそも「市民」という言葉が気に食わん。普通の人・一般大衆の情報発信が無視できないうねりとなっているのはその通りだが、それはいわゆる市民メディアの成立とは違う話。まして、ビジネスとして成立している市民メディアなど存在しない。現在は、ネットそのものが混乱する移行期。ネットが落ち着くところに落ち着き、テレビも落ち着くところに落ち着くまでに、10年やそこらかかるんじゃないか。うんぬん)。隈部、中島、小林、坂本の4人で赤坂見附の駅前で一杯飲んで、23時前に帰宅(隈部紀生にご馳走に。ありがとうございました)
●原稿書き

07-22
●半日、原稿書き ●14時〜田原総一朗の単行本打ち合わせ@ANAホテル。朝日新聞の近藤雅人(『メディカル朝日』編集長)、高橋伸児(出版の時事編集長、前『論座』)と。かつて『頭のない鯨』を書いた田原は、以前から小泉純一郎についてちゃんと書くといっていたのですが、それにかなり変更を加えたうえ、年内か来年早い時期までに出す予定。佐藤優は田原を「権力党のメンバー」と評している。まあ、その権力党主要構成員として、何を考え、どんな行動を取ったかという話。これまで知られていない驚くべきエピソードが含まれている。日本政治の裏の裏をさらけ出す本といってよいでしょう。高田馬場で買い物後、帰宅(HDDレコーダーの1台が、DVDをうまく認識しないので、違う種類のを買って試したんだけどダメぽ)
●18時半〜21時半、Kinki Kidsの「Kinki you コンサート」(緊急全国ツアー)@後楽園ドーム。出だしが、センター最奥に作った長階段52段を降りてくる。足を踏み外して転げ落ちたら死ぬんじゃないか、という感じの急階段。ドームに行くと、高所恐怖症ではアイドルは務まらないといつも思う。この階段は跳ね上げ式になっていて、裏側に電飾が施してある。これはドームで初めて見ました。舞台背景のモニターも、これまで見た中でいちばんデカいのでは。あちこちに設《しつら》えた探照灯や、巨大なミラーボール2個なんかも、なかなかの作り。7000円で5万5000人入ったそうだが、堂本光一・剛の二人でそれだけ集めるんだから、大したもんです
●それにしてもKinkiは、これでもかこれでもかと語りまくる。21日の公演後、ジャニー喜多川から「ユーたち、長いんだよ。2回目のMCなんて、信じられない」「ユーたちは、一つの(話題)を引っ張りすぎ」と怒られたそうだが、一向に懲りずに引っ張る引っ張る。冒頭から光一「夏のツアーは8年ぶり。これまで年始の三が日にやらせてもらっていたけど、家族で過ごすとか、来れない人もいただろうから」剛「そうそう、夏休みだから忙しい人もいると思いますけど」光一「ん? 冬休みでしょ。いま夏休みといった?」剛「何ですか。いや、そんなこといってません。僕じゃありませんよ。神が降臨してそういわせたんです」光一「ちょっと裏来い!」てな調子
●最後には堂本剛が上半身裸となり、アンコールしまくり。ゲストルームの応接室で白波瀬傑とGALAC表紙につき相談。終演後、打ち上げレセプション。堂本光一に、いつぞやはとGALAC表紙の御礼をいい、「今日は踊りまくって疲れたでしょ?」と聞くと、「いや、疲れてません。全然、大丈夫です」と

07-21
●「第53回鎌倉市小・中・高 学生音楽コンクール」というので、私の姪っ子が鎌倉市長賞(総合1位)となったそう。鎌倉音楽クラブの「フレッシュコンサート」というのが7月27日(日)午後2時〜鎌倉生涯学習センターであり、ラストに出演。鎌倉方面でおヒマな方は
●以上とは別に「第24回かながわ音楽コンクール」でも神奈川トヨタ賞をいただき、神奈川フィルハーモニー管弦楽団とコンチェルトで協演すると◆トップコンサート 日時:2008年10月5日(日)14:00開場 14:30開演◆場所:横浜みなとみらいホール・大ホール(みなとみらい線みなとみらい駅 徒歩3分)◆出演・曲目:♪毛利文香(ヴァイオリン部門中学生の部最優秀賞・神奈川県知事賞)サン=サーンス / ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調Op.61、♪白井明来(ユースピアノ部門Cの部最優秀賞・神奈川県知事賞・中田喜直賞)ハイドン/チェンバロ協奏曲ニ長調Hob.XVIII-11、♪坂本遥(ユースピアノ部門Fの部最優秀賞・神奈川トヨタ賞)ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37◆指揮:上野正博、神奈川フィルハーモニー管弦楽団

07-20
●終日、原稿書き

07-19
●終日、原稿書き

07-18
●【予定】日大放送学科、前期最終回。10時40分〜マスコミII、13時〜放送特殊研究V。放送特殊研究Vの受講者は、夏休みいっぱいブログ(「テレビ報道を考える!!」のタイトルはあえてそのまま)に書き込みのこと。学生以外でも、古いドキュメンタリー映像を見たい方はどうぞ。ところで、ヒマな人はGoogleに「テレビ報道」または「テレビ 報道」と入れてみてください。当然ながらか、意外なことにか、検索結果第1位と第2位は坂本が作ったページ。テレビ報道に関わるメディア関係者やメディア学者は、ネットでやることがないのか、ネットを重視していないのか、Googleを重視していないのか、あるいはGoogleで上位表示させる技術がないのか。いずれにしてもインターネットというものが、あまりよくわかっていないらしい

07-17
●京都は祇園祭の山鉾巡行日。見物したかったが、もろもろ予定があるため昼前に京都発の新幹線で帰宅。18時半〜日大放送学科「マスコミII」飲み会@西早稲田かわうち。携帯版の神楽坂情報「MAMO's@神楽坂」に番外として店情報・地図あり。出席者は、石井、吉野、野村、中野、ジョン、片山、(以下遅れて参加)渡邊、鶴見。欠席者は、水谷、田村
●15時すぎの新幹線で京都へ。京都は宵山。19時〜20時半、琵琶湖塾第1回(ゲストは辻井喬=堤清二)。人間力のうち「創造」(創造力や創造行為)について。20時45分〜21時半、車座集会。その後、飲み会(通称「裏塾」または「裏琵琶湖塾」)@旬遊「あゆら」。旧東海道に面した、なかなか渋い店。運営委員を中心に塾生も含めて20名が参加(参加者は、植木政輝、松下周平、宇川茂樹、三好孝夫、井内省吾(以上塾生)、小笠原慎二(共同通信)、澤田宗吾、神田輝代、片岡大輔、津田貞次、服部健一、上羽みき枝、津田良子、田井めぐみ、駒井千代、駒井美代、田村邦昭、岡田博史、小松大治(以上運営委員)。足がなくなる人は適宜帰り、最終組は0時半まで。0時45分、大津プリンス着
●裏塾会場に向かうタクシーの中で、「僕は坂本さんに会っているんですよ」という若い男あり。「どこで?」「『朝まで生テレビ』の日下さんの塾で。亡くなった日下さんの会でも」「おお、あのときの」。これが共同通信大津支局記者・小笠原慎二。2006年入社だそう。亡くなったテレビ朝日の日下雄一は、主としてマスコミ志望の大学生たちを集めて塾(というか勉強会のようなもの)を主宰していた。開いていた場所から「飯倉塾」と呼んでいた。入院するとかしないとかいう最後の頃、「自分は出られないから、行って話をしてくれ」といわれて参加したことがある。そのときの学生の一人です。終わってからサイゼリアに行ったら、ビールを大サービスしていた。放送局や新聞に何人か入ったようです
●11時〜13時40分(長い!)、しんぶん赤旗編集局テレビ・ラジオ部の板倉三枝、佐藤研二の取材@神楽坂ジョナサン。地上デジタル放送について

07-15
●18時半〜9時半すぎ、少年隊「PLAYZONE FINAL」(1986-2008 SHOW TIME Hit Series "Change")@青山劇場。出演:少年隊(錦織一清、東山紀之、植草克秀)、屋良朝幸、M.A.D.ほかジャニーズJr.。演出:ジャニー喜多川。23年目の今年で少年隊のPLAYZONEは終了。少年隊の総集編集・ダイジェスト編の趣き。20時までは子どもたちも大勢出て、10歳の子が三味線を弾いたり、詩吟をやる子もいました(錦織「事務所も、わけのわかんない方向にいっていますね」とかなんとか)。植草の息子と京本が、目の前の通路で踊った。幕間に瓢亭《ひょうてい》の弁当をいただく。吸い物にビール付き
●月刊「潮」原稿書き。テーマは「ヒートアイランド」。15時入稿

07-14
●終日、原稿書き

07-13
●終日、原稿書きと日芸ブログの更新・お掃除
●朝日新聞に《縁 出版社再生 「泥船」こいだ浮かんだ》の記事。アスコムは、なんとかなりそうです。半年以上、カネが入ってこず、とんでもないことになってますけどね。高橋克佳に初めて会ったのは、単行本『官僚たちの熱き日々』(前屋毅と坂本衛の共著、アイペック出版、1990年1月刊、絶版)のときだから、かれこれ19年前。これが、高橋が初めて手がけた単行本だそう

07-12
●12時45分、TBS。1時25〜45分あたり、『久米宏 ラジオなんですけど』で地上デジタル放送について、久米や小島慶子と話す。赤坂サカスを少し見て回ってから帰宅

07-11
●突然ですが、明日12日午後1時〜3時のTBSラジオ『久米宏 ラジオなんですけど』で、地上デジタル放送について話します。今回は電話ではなくスタジオ生出演で、久米宏とあれこれ話す(1時20分〜45分あたり)。おヒマな方はどうぞ
●本日の日大授業は午前中のマスコミIIのみあり。放送特殊研究Vはなし。補講期間中なので、出席は取りません
●以下、抜けている部分はあとで追加します
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2003-05-25
●リニューアル版運用開始。リニューアル終了まで2〜3か月かかる見込み。旧版は残します
2002-04-11
●ホームページ試験運用開始。キリがないので、未校正ありのまま見切り発車しました。あしからず
●この欄、文中敬称略ってことでよろしく願います