メディアとつきあうツール  更新:2006-08-05
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

日録メモ風の更新情報(坂本衛)
2005年7月〜9月

2005年7月〜9月の更新情報

09-30
●日大、後期の第1回。前回から2か月以上開いたが、その間に起こった最大の「テレビ事件」である総選挙について。手を挙げさせたり意見をいわせるなどして、学生の考えを確かめながら講義。3〜4年生なので全員が選挙権を持っており、住民票を動かしておらず実家に投票券が届く、いくつもりだったが急用で、などという者を除き、おおむね投票したよう(授業に出ている比較的マジメで意識の高い学生に聞いていることには注意)。注目すべきは、ほぼ半数が「自分の思っていたのとそれほど違わず、納得できる選挙結果だった」と応えたこと。マニフェストを読んだ者は皆無、選挙公報を読んだり政見放送を見た者はごく少数(1割強)、ほぼ全員がテレビによるイメージ選挙だったと認識しています
●最後に「政治がいまのままなら、君らが30〜40代の働き盛りには、月給60万のところ25万円が社会保障費で天引きされ、しかも消費税20%というような社会がくるだろう。そんな将来の日本は、バブル崩壊以降、今日ただいま着々と作られつつある。その責任を問わずに、あるいは各政党が掲げる将来像を確かめずに投票するのは、まずいんじゃないの」といったが、あまりお感じがない

09-29
●朝晩めっきり冷え込みますが、今朝の東京はたいへんよい天気。庭の朝顔が30個ばかり花をつけたが、もう今年最後でしょう、こんなに咲くのは
●午前中、新雑誌「オフレコ!」打ち合わせで田原総一朗、アスコム高橋克佳と
●明日は日大後期授業第1回

09-28
●校正作業ほか
●夜7時〜某社編集者と西早稲田「かわうち」。出版企画いろいろ

09-27
●吉本義人(彫刻家・麻布美術科)から案内2通
GAW展PART5 路地から路地へ ゴールデン街◆2005年9月26日〜10月9日◆吉本義人、久絽、建畠朔弥、森山大道ほか多数が店内・路上展やパフォーマンス
かわさき現代彫刻展2005「臨海工業地帯から」(藤森、このサイト早く完成させてくれ!)◆2005年9月26日〜12月16日(10時〜17時)◆テクノハブイノベーション川崎「アウマンの家」周辺広場◆JR川崎駅東口からタクシーかバス「JFE前」下車(わかりにくいが、V字路のGSと反対方向に歩き、貨物線のガードをくぐる)またはJR鶴見線・南武支線「浜川崎」下車◆オープニングパーティは9月30日17時◆吉本義人の自作を語る会は10月8日13〜16時(この日は私も家人と行きます。ハガキはこの時間になっていますが、3時間も自作を語るはずはないから、15時にいけばいいんじゃないかな)◆昨年の様子と地図はこちら
●ここ数日で誰かに話し、書き忘れていたことを1点だけ。NHKが3年で1200人をリストラします。NHK職員は1万2000人だから平均30年勤めるとすれば毎年辞めるのは400人、3年で1200人になる。今回のリストラは自然減で対応できる程度のささやかな規模ですが、新しい職員を採用しなければ組織はダメになってしまう。そこで、たとえば毎年100人採用し、100人を外郭団体(子会社)に出す。NHKエンプラの営業活動に前放送総局長(番組制作部門の総責任者)が同行しカネ集めをしていたのだから、NHK本体にいても子会社にいても同じこと。すると新規に1人も辞めさせなくても1200人のリストラはできてしまう(可能性の話です。そのような計画だと断定しているのではない)。NHK関連会社は、年がいってエラそうなだけであまり働かない職員を押しつけられると戦々恐々です。ようするに1200人減らすと形ばかりのことをいっても、中身がともなっていなければ意味は薄い。なお付言すれば、私はリストラなんてNHK改革の本筋では全然ない(その意味では、別にやらなくてもいい、やるべきことはほかにもっとある)と考えています

09-26
●昨晩、田原総一朗から電話で、サンプロ感想、オフレコ!次号の企画、NHK問題など小一時間。「NHKはBBCみたいに受信料を強制徴収するしかないでしょ」というから「いや、BBCは権力との緊張感を保とうとしている。それがないNHKが受信料だけ強制にすれば、より国営放送に近づくだけ」「だっていまでも国営みたいなもんじゃないか」「だから、それを直すのが先」「いいんだよ、NHKはあれで。よくなっちゃったら僕らが困る(笑)」「いや、ダメですよ。誰からもカネを取るって建前なんだから」「NHKがGALACに圧力をかけるのは、坂本クンがデジタル化に反対だからだよ」「いや、私はデジタル化に反対なんかしてない。20〜30年後には必ずデジタルになると最初から書いてる。やり方がまずいから現行計画は失敗するといってるだけ。ぐじゃぐじゃいったのは何もわかってないジジイ連中で、デジタル化で本当に苦労する私より若い連中は、誰も楽観してない。みんな私と同じ見方」「まだ10年以上の話か。ま、そのころ僕はいないから、どうでもいいや」うんぬん
●原稿書き、取材の仕込みほか
●夕方、ジャニーズV6の映画ホールドアップダウン完成披露試写会@渋谷NHKホール。藤島ジュリーKにご挨拶、白波瀬傑とGALAC表紙の打ち合わせ。試写の前に監督SABU、坂本昌行、長野博、井ノ原快彦、三宅健、森田剛、岡田准一、香椎由宇、高橋ひとみが舞台挨拶。27日朝の情報番組でやるでしょう。映画はウオォーォォーと叫びながら走りまくるドタバタ・はちゃめちゃ・スプラッタ喜劇。岡田クンがあんまりかわいそうとおもったら、実は……。謎の洋館は上越国際スキー場のホテルグリーンプラザですね。子どもが小さいころ毎年行っており、懐かしかった。バーのシーンには気持ちシャイニングが入ってる。終演後のレセプションにチラと顔を出し10時半帰宅
●アスコム高橋克佳とオフレコ!打ち合わせ電話で30分

09-25
条件を極端に設定すると、大もとの根本原理が見えてくるということがあります。よい例が幾何の「三角形の内角の和は180度」。普通これは、三角形のある頂点を通り対辺に平行な直線を引く。するとその頂点のぐるりに四つの角ができ、一つ(三角形の反対側の角)は180度だから、三角形のある内角とその両隣にできた角の和は180度である。ところで「平行線のつくる錯角は等しい」(錯角とはZの字の二つの角)という定理によって、両隣にできた角は三角形の残り二つの内角に等しい。よって「三角形の内角の和は180度である」と証明します。私は中1の1学期にドブチューからそう習った。いまは中2らしい(中学数学の基本問題〜このサイト、なかなか大したもんですねえ)
●ところが、小学校高学年の教室では、こんな説明ができます。まず黒板の左右いっぱい(5mとしましょう)を底辺とする高さ3cmの超平べったい二等辺三角形を描く。すると左右の角はほとんど角度がなく、頂角だけが180度に近い(ほんのわずかしか折れ曲がっていない)角とわかる。三つの内角を足せば180度になりそう。あるいは底辺5mで高さ3cmの直角三角形を描けば、一つの角は90度、もう一つの角も90度に限りなく近く、残りの角はほとんど角度がないとわかる。三つの内角を足せば180度になりそう。よって「三角形の内角の和はたぶん180度である」と説明します。同じやり方で、一筆書きで描く星形のとんがった五つの角の和は180度であるとわかる(極端に左右が短く、極端に下に伸びている星形を描いてみてください)
●で、社会システムでも同じことがいえる。条件を極端に設定すると、ふだんは見えない根本的な原理原則が浮き上がってくることがあるのです。カトリーナが典型的な例ですが、恐ろしいことに、今回の日本の総選挙の結果もそうだと私は思います。カテゴリIV〜Vの巨大ハリケーン「コイズミーナ」で、岡田川の堤防が決壊したと
●幸いリサの被害は大したことがなかったようですが、ブッシュ政権が周到な準備のせいと自画自賛をするのはどうも。カトリーナだって、堤防が決壊しなければ大災害には至らなかったわけで。竜巻が起こる地方だから風対策はそれなりに講じてあり、山がないから土砂崩れも起こらず、洪水にならなければ被害は限定的。送電線が切れて火災発生は日本ではあまり聞かないが、電柱が頑丈なのと雨台風が火事を消してしまうからですかね。専門家が解説すればいいのに。CSでCNNの生中継を見ていたら、むこうはレポーターのコメントがやたら長い。日本のようにはキャーキャーいわず、ボードのメモ読み上げ(発表情報)にとどまらず未確認情報や推測も(そうとわかるように)自分の言葉で伝える。必要な注意などもレポーターにいわせる。夜中の中継のせいもあるが、日本なら強風にしなう木の枝をアップにするというような絵が非常に少ない。彼我の違いがわかって興味深かった。CNNのデカいロゴ入りレインジャケットは、ありゃ民放も真似するとよいかも

09-24
●原稿書き、校正作業
●昨日は実家の墓参りだったが、もろもろあり家人に行ってもらう

09-23
●東京新聞23日付け朝刊に注目すべき記事二つ。【1】「(衆院選は)勝てると思っていなかった。ただ戦わないで降参はしないつもりだった」と22日夜の与党幹部との会合で小泉首相。「解散後の世論調査を見て行けるのではないかと思った。(与党優勢の)潮目が変わると思ったが、変わらなかった」「戦国時代は、城を包囲された殿様は腹を切り部下を助けたが、おれは絶対そういうことはしない。降伏するより、突っ込んでいけばわずかでも活路を見いだせるものだ」
●これ、タバコのロングサイズ箱大という小さな囲み記事ですが、私なら一面トップにしますね。勝算なき「はったり選挙」だったと、解散に踏み切った本人が認めた大ニュースなわけで。それにしても、小泉純一郎という人は「正直だ」と感心します。1年後もスパッと辞めるでしょう。田原総一朗は選挙当日の特番で任期延長論をぶっていたが、私はそれとは全然反対の見方
●【2】こちら特報部「郵貯崩壊の責任逃れ/国債大量償還の08年、新規含め200兆円!? 暴落か」「そして官僚高笑い/子会社や公益法人いっぱい、利権も天下り先も温存」の見出し記事。大和証券勤務後、実家の特定郵便局を継ぐため帰京し13年間3局の局長を務め、渡切費告発をきっかけに郵便局を去って先月「郵政・何が問われたのか」(現代書館)を世に問うたライター世川行介に聞く見開き記事です。世川は民営化はかまわないが、官僚支配をつぶすことが先決と主張しています。郵貯・簡保はその資産の52%、総額で172兆円を国債購入にあてている。一方、2008年度には国債の償還額が134兆円に達する見通し。借換債の発行でしのぐが、しのぎきれず全額を消化しきれないとの悲観論もある。しのげずに国債が暴落すれば、民営化とは関係なく国債引き受け手の郵貯・簡保を直撃すると、記事は伝えています
●これは私の見方――国の借金800兆円は通常の手法による返済可能な限界を超えており、ハイパーインフレでチャラにするしかなさそうで、個人・企業・地方の資産はできる限り国から切り離しておくべきであるという考えと同じです。日本丸は官僚機構の重みで沈没する、と言い換えてもいい。もっとも私は、カタストロフィは2020年〜30年あたりにズレ込むのではないか、と思っていますが(だからここ数年、今は幕末じゃない、似ているのは1840年だといっています。薩摩が200万両などというムチャクチャな借金を踏み倒して40年段階から雄藩へと脱皮したように、個人と民間と自治体には生き残るチャンス・猶予期間があると思っている。長野県の借金を減らしはじめた田中康夫を私が高く評価するのは、この点です)
●TBS出身で放懇会員の田原茂行から新著「視聴者が動いた 巨大NHKがなくなる」(草思社)をご恵贈いただく。GALAC編集長のとき盛んに「NHK問題をやりなさいよ」といわれていたが、2001年以降は放懇とNHKの「付き合い」を優先するとの判断から見合わせており、失礼しました
●日本放送労働組合から「活動報告 2004 NIPPOROフォーラム」なる冊子が届く。冊子の内容をもっと日放労サイトでも紹介すればよいのにと思います。同サイトの「日放労が考える『新生プラン』の基本理念」を読むと、抽象的な新生プランに抽象的な「〜すべき論」を対置させているだけに見える。具体的に何をどうするという議論や宣言は、日放労から出るのか出ないのか

09-22
●サンデー毎日「受信料拒否者に『法的手段』をとればNHKは『12万件の訴訟に包囲される』」の記事。坂本もコメント
●昨日3時、赤旗日曜版記者の大塚武治が10月番組改編で深夜帯からマシューTV(テレ朝系。なまりのあれは、とてもおもしろい)やサルヂエ(中京テレビ制作・日テレ系)などがゴールデンの早い時間帯に下りてくる話題について取材@神楽坂ジョナサン。昼、放懇に電話しギャラクシー賞担当・福島美子、深夜&サッカー担当・久野明、事務局長・中島好登からあれこれ深夜ネタを仕込む。ところが、このところ寝ておらず、うたた寝して待たせてしまう。大変失礼しました
●大きな流れでいえば、80年代後半以降に深夜帯をメインで開発したのはフジテレビで、若手P&Dによる実験的な番組をガンガン流し、これはというものを下ろしてくるスタイルを確立した(詳しくは話さなかったが、覚えのためにメモすれば、80年代最初の民放深夜ブームは土曜深夜の生番組で、83年4月「オールナイトフジ」が先鞭をつけ84年10月改編でTBS「ハロー!ミッドナイト」、日テレ「TV海賊チャンネル」、テレ朝「ミッドナイトin六本木」、テレ東「夜はエキサイティング」と各局が追随。これは85年2月衆院予算委での中曽根首相「民放深夜番組の性表現に対しては郵政省がチェックし、しかるべき措置を」の規制示唆で、85年4月に一斉に打ち切りに。その後もフジは86年9月、VHSビデオ6社提供の録画用番組「VHS録画チャンネル4・5」(4時間半)を放送するなど深夜番組開発に意欲的。87年4月テレ朝「朝まで生テレビ!」が始まると同年10月改編で各社が深夜拡充。フジは週5日、TBSは週6日、日テレとテレ朝は週末に24時間放送スタート。背景にバブル前夜のカネ余り、好景気があった。なかでも絶好調のお笑い路線に加えトレンディドラマで当てたフジは、他局以上に深夜に若手を積極投入し、深い時間帯ならではの実験的な番組を生み出した。88年「やっぱり猫が好き」、89年「奇妙な出来事」、90年「カノッサの屈辱」、91年「カルトQ」など)
●その後のライフスタイルや趣味嗜好の多様化、多チャンネル・多メディア化、女性の社会進出、少子高齢化、パソコン・インターネットによる情報化、スポーツ選手の世界進出などは、いずれもテレビの24時間化や深夜番組の多様化を加速させることになった。最近の深夜枠の特徴は、お笑いブーム、クイズ(だじゃれクイズ・とんち・雑学)ブーム、スタジオのひな壇に多くのタレントが並びリアクションを売りとする(合間にビデオ映像やギャグをはさむ)バラエティの作り(制作力を急激に低下させると思う)などが盛り込まれていること。たとえばサルヂエは、だじゃれクイズだが、正解が一抜け二抜けしていき、最後の者が気づいた時点で時間切れになる。最後の者が焦り、先に回答した者が余裕でからかうといったやりとり・リアクションに重点がおかれ、クイズだけでなくそちらをも楽しむ番組。クイズブームは日本語ブーム、100マス計算や大人のドリルブームと関係があり、大ベストセラー「バカの壁」ともたぶん関係がある。リアクション・バラエティ全盛は、不況に加えデジタル投資で制作費が削られていることを背景にしており(若手芸人を数出してギャラ節約、ロケ代節約、決まりきったセットにふきだし字幕やCGで味付けなど舞台装置節約)、どこから見てもどこで見るのをやめても大勢に影響ない作りで飽きっぽい視聴者の軽い(ながら視聴・BGM的な)テレビの見方に対応しているともいえよう。とくにテレ朝が好調なように見える。あと深夜で目立つのはアニメ・オタク系とサッカーなどスポーツ系。ただし、プロレスなどはCSにかなり移ったのでは。旧来のフジがやったようなカルト的な深夜番組は専門チャンネルのCSと視聴層が似ており、CS(やそれを流すCATV)と重なる。また、HDR(ハードディスクレコーダー)の普及で録画がより容易となり、会社勤めの若者などは夜10時頃に帰宅して、夜中まで録画番組を中心に見るというケースが多いようだ。タイムシフト視聴の影響で、本来の深夜番組を見る時間が削られるという現象が始まっている。――てな話です

09-21
●NHK総合は20日夜9時15分〜40分、21日朝8時35分〜9時(再放送)と25分番組「NHKは変わります」を放送。橋本会長と男女アナが登場し、会長の挨拶・コメント、フリップなどを使った新生プラン紹介、視聴者から寄せられた声・訪問や電話によるお詫び・新しい番組づくりの試みといったVTR映像などを流して、改革の姿勢を訴えました。前半では05年度上半期(9月末まで)の収入見込み額に237億円の不足が発生すると数字を出し、不足の内訳は(1)不祥事などの理由による不払い・保留▲90億円、(2)新規見込み分が伸びず▲40億円、(3)契約中止(口座解約など)による未収納▲107億円で、通期では倍の500億円減収の可能性もあると説明しています
●吉岡忍が中立公正が必要だと主張するVTRは流れましたが、政治介入で番組がねじ曲げられた事実はないとし、政府高官・政治家への番組内容の事前説明を通常業務と考えてきたことに対する反省は一切言及なし。父が単身赴任、子が下宿の世帯では3か所で受信料を取ることになるから割引制度を検討するというが、事業所からの徴収についても言及なし(ふつうの視聴者には、事業所はテレビの置かれた部屋ごとに受信料を払わなければならない制度とはわからない)。これは、さすがにまずいでしょう
●視聴者の声に応えて今度の正月に新選組・土方のその後を描くドラマを制作中であることなどを紹介し、そのように「視聴者第一主義」を貫きます、といまごろ訴えるのも、考えてみれば妙な話です。ふつうの企業は、よく売れて評判がよい商品は、消費者が何もいわなくても、改良版を開発・発売してもっと儲けようと思うはず。マーケティング調査なんかしないそこらの八百屋でも、たとえばモロヘイヤてのを並べてみてよく売れたら、今度はもっと仕入れてこようと思う。そんなのは当たり前のことであって、それを今後は一生懸命やるといわれれば、じゃあ今まで何をやっていたのかと聞きたくなる。NHKが視聴者むけに放送する前に、視聴者には内緒で、呼ばれもしないのに政府高官・政治家に番組内容を説明しに行ったのは、安倍晋三が明確に証言していること。それは誰がどう見ても「視聴者第一主義」ではなく「政府高官・政治家第一主義」です。そりゃおかしいだろうという視聴者に、いやみなさんからのご要望をちゃんと入れてウケのいい番組をつくっておりますと応えるのは、ハッキリズレています。視聴者はごまかされてはいけません【以上、NHK番組を見てから20日昼頃記】
500億円減収の可能性も NHKが新生プラン(共同速報)。橋本元一会長が20日会見で「新生プラン」を発表。一連の不祥事などを理由とした受信料支払い拒否・保留件数は約130万件(9月末推計)、さらに理由不明の一時的未納も約130万件(同)と公表。不払いが上半期ペースで進めば05年度の減収が約500億円となる可能性にも言及。プランの骨子は(1)公共放送としての「自主自律」貫く(2)全職員の1割1200人を削減(3)受信料不払いに法的措置の導入など
●私は昨年末の段階で不払いは200万、300万と増えるだろうと見ており(NHK受信料問題とは? 曖昧・受信料をどうする? NHK不祥事と不払い(支払い拒否)拡大の経緯)、今年3月の段階で不払い200万と書いていますから、9月末見込みの不払い合計260万件は目新しい数字ではありません。NHKの発表だけに基づき、不祥事を理由とした不払い件数のみを報じてきたメディアは、困ったものだと思います
●NHKは「自主自律を貫く」と言い張るだけではダメで、政権与党よりだった(政府高官・政治家への番組内容の事前説明は通常業務だと、前任の番組制作総責任者が今年初めに明言した)NHKのこれまでのやり方の、どこをどのように変え、確かに変えつつあるとNHK部内者以外の者が具体的に検証できる仕組みを導入しなければ、意味がありません。北朝鮮が何か約束しても、検証可能でなければダメでしょう? 一度騙された世界としては。NHKも同じで、自主自律は海老沢会長時代にも掲げていた方針なのだから、視聴者国民を二度と裏切らないという確かな保証を見せつけなければ説得力がない。年に2万円やそこらのカネを、番組をほとんど見ていない者からも徴収するには、そのくらいの厳密さは求められて当然。とくに損になる話でもないのに、NHKはなぜそうしようとしないのか、不思議です
NHKの視聴者への約束違反(中立公正を装って政権与党より)には抽象的な宣言を出してすませ、視聴者のNHKへの約束違反(受信契約を交わして不払い)には具体的な法的措置で対抗するという今回のNHKの方針は、自分に甘く外部に厳しいもので、私は視聴者をバカにしていると思います。NHKはしっぺ返しを受けるでしょう【以上20日未明記】

09-20
●昨日の議論の後、小林道雄が送ってくれたオルテガ(1883年スペイン・マドリッド生まれの哲学者。マドリッド大学形而上学教授)の主著「大衆の反逆」の抜粋から一節
●「大衆を定義するのに、なにも人々が群をなして出現するのを待つ必要はない。目の前にいるただひとりの人間についても、かれが大衆であるか否かを知ることができる。大衆とは、みずからを、特別な理由によって――よいとも悪いとも――評価しようとせず、自分が《みんなと同じ》だと感ずることに、いっこうに苦痛を覚えず、他人と自分が同一であると感じてかえっていい気持ちになる、そのような人々全部である」(ホセ・オルテガ・イ・ガセー「大衆の反逆」)
●「テレビ・メディアの特徴は『速報性』『生』だといわれる。しかし私は、テレビというメディアのもっとも重要な特徴は、多くの人が同時に同じ映像を見るという時間と映像の『共有』であると思う。そして、この社会には『テレビ共同体』とでもいうべき共同体が成立していると、私は断言してしまいたい」(「感情増幅」装置としてのテレビ――テレビは、なぜ感情を増幅するか?)というのが、テレビについての私の基本的な見方です。人びとをオルテガのいう「いい気持ち」にさせる最大最強の装置がテレビ・システムだ、と私は思っています

09-19
●潮10月上旬発売号「文字・活字文化振興法」の記事の監修、GALAC10月上旬発売号にCM飛ばしについての記事、単行本の校正作業など
●夕方、小林道雄と久しぶりに長電話。メインの話題は、今回の選挙結果をもたらした大衆社会・情報社会をどう考えるか。これについては日を改めて、この欄でも書こうと思います。先日、調子がよかったので気持ちよく飲んだら、体調を崩し2日ほど寝込んだそう。胃腸は5年やそこら病み上がり状態が続くわけで、どのくらい飲んだか聞くと「たいして飲んじゃいないぞ。黒ビール2杯とウイスキー水割りが、そうねえ、10杯くらいかな」って、そりゃ水割り飲み過ぎ。腹を下して当然

09-18
●原稿書き、単行本の作業
●20日発売のサイゾー(10月号)に、坂本も立ち会った田原総一朗・岡留安則対談(後編)が載っています
●20日発売の週刊ダイヤモンド(24日号)が「巨大メディア帝国 NHKの落日」を特集。よく取材してある16ページの記事で、必見です

09-17
●原稿書き
●今日明日と牛込の総鎮守・赤城神社の秋祭り。夕方、神社に行き、花豊に寄って帰る。赤城幼稚園園長の風山繁子先生は、相変わらずのパワー

09-16
●原稿書き
●夕方、アスコム高橋克佳・柿内尚文と打ち合わせ@ジョナサン

09-15
●サンデー毎日が早ければ次号で、NHKが準備する受信料不払い世帯への法的手段について取り上げます。取材で話したのは、おおむね当欄09-09と09-05に書いた内容と同じですが、重ならない部分をメモしておきます。なお、NHK「新生プラン」で導入予定の「支払督促」とは、金銭支払い請求に相手が応じないとき、簡易裁判所に申し立てて督促状を送ってもらう制度。相手が2週間以内に異議を申し立てて裁判で争わなければ、督促は確定判決と同じ効力を持ち、差し押さえも可能になります。資料1 資料2 ◆信頼が損なわれているのに、信頼を回復する具体的な改革策を示さずに受信料の支払督促を導入するのは、順序が違うというほかない。行財政改革をやらずに増税だけやるのと同じで、誰にも支持されない。◆簡易裁判所からの督促状は契約者にしか出すことができない。未契約者には無効だし、契約者が契約そのものを破棄すれば無効。だから新たな不公平を生み出してしまう。◆たとえば限られた職員で作業する税務署が脱税を調べるときは、総所得1000万円以下は相手にしないというように効率を重視する。所得の3〜4割をみなし経費とすれば600万円からどう取るかだが、いくら頑張っても200万円も取れっこない。ならば総所得2〜3億円のヤツから1割着実に取ったほうがよい。どちらも手間は同じだからだ。ところがNHK受信料はそもそも年間1万数千円(これが平均)しか取れないのだから、リストアップし、手数料を負担のうえ、申し立て手続きするコストが大きい。だから実効性は薄い。◆現在のNHK会長は一貫して技術畑を歩んだ人で、受信料問題、番組ソフトの問題、NHKと政治の問題、NHKの社会的な役割などについて詳しいわけでも、見識があるわけでもない。キュウリやトマトの権威(ものすごく詳しい農家のオヤジとか農学部の学者)が、八百屋チェーンのオヤジとして経営に携わり消費者と相対しているようなもので、まったく的ハズレだと思う。◆NHK「デジタル時代のNHK懇談会」の委員たちが、事業所からの受信料収納についてNHK側の説明を聞くだけで何の突っ込みも入れないのは、どうかしている。3000万以上の世帯が受信料を払っているのに、受信契約対象になる事業所のテレビ設置台数が284万、うち215万件!!しか取っていない。旅館・ホテル部屋数150万、飲食店数70万、病院・診療所10万、同テレビ付きベッド100万(部屋ごとに取るとしても十数万契約以上)、学校など6万(幼13900、小23100、中11000、高5400、大700、専修3400、各種1800、盲・聾・養護1000。教室に置かれた生徒・児童用テレビからは取らないが、校長用・教員用・主事用・会議室用・PTA用などは部屋ごとに1台ずつ取る規定だから、学校関係だけで20〜30万契約以上必要)。ここまで、つまり何千人何万人が働く一般企業のテレビを1台も数えないとしても、215万契約を上回ることは確実だ。NHKが懇談会で示している数字はデタラメである。このような世帯と事業所の受信料収納のアンバランスを放置したまま、世帯の不払い者だけに法的手段を講じれば、弱い者イジメ、専門知識に疎く裁判所からの封書にビビリそうな者を狙い撃ちする脅しと受け取られかねない。◆在日米軍関係者(軍人・軍属・その家族)からNHKは受信料を1円も取っていないが、その理由は「基地・宿舎に入ることができない」であり、支払督促を検討したこともない。このようなケースと比べても、日本人世帯だけに支払督促をするのは極めてバランスが悪い。◆「スクランブル化への一里塚」とする声もあるが、10年以上先の射程が長すぎる話であるうえ、スクランブル化すれば見たくないヤツは見ずに払わないだけだから、NHKは力を失ってオシマイ。それはNHK、政府、視聴者大衆、誰の得にもならない

09-14
●自民の参院造反組は全員ビビリまくって小泉にひれ伏した。中曽根弘文も、大勲位オヤジがコケにされた(引退に追い込まれた)恨みで反対しただけで、郵政法案の中身はどうでもよかったわけです。野田聖子までも恭順の意を示し、なんとか自民党に戻れないでしょうかという雰囲気。本当に郵政民営化法案が国民のためにならないと思えば選挙の結果にかかわらず反対を貫くべきだが、そんな議員はごく少数(ミニ政党組+α)。そのいい加減さが、小泉純一郎を勝たせたというべきです。小泉は(気にくわない点はあっても)少なくともブレてはいないと、人びとに思わせた
●民主党も、分裂選挙をやっておきながら、負けたから大同団結で、しかも昔の名前で出ています――では、ダメでしょう。3〜4年かけてブレアみたいなのを育て、そこで勝負するしかない。岡田、菅、小沢、鳩山は「民主元老院」入りして、若手中心の執行部を盛り上げたほうがよいと思います。菅と小沢・鳩山は口も聞かない犬猿の仲なのだから、どちらが党首になってもうまくいかない。「選挙に強い小沢一郎を代表に」というのは、わかっていない。強いのはそりゃドブ板選挙の話で、今回のような「風」には勝てない。風を起こすには、若く明るく新鮮さが必要。高3の息子が、選挙直後の討論番組に出た仙谷由人(民主・政調会長)を見て「このオッサンはおもしろい。なんでこんなおもしろいのが、いままで俺の目に触れなかったんだ」とかいっていたが、確かにそういうことはある。若手についても、テレ朝「サンプロ」でも見ない限り、みんなあまりよく知らない。NHKが夜やった討論番組で、声を枯らした田中康夫はそれなりの存在感があり、武部・神崎から「いま田中知事もいわれたように」などと発言(政策)を引用されていました。そんな個人として立っている強い若手(といっても40過ぎだけど)が10人、うち2〜3人がスター(代表・幹事長級)というように、中長期戦略を立てるべきでは
山下柚実が東京新聞のコラム(9月13日)で「視覚の勝利」と書いていた。「『改革』や『変化』という抽象的な概念を、中身を問題にしないイメージ商品に仕立てあげたのです。男と女、年配者と若者、ネクタイとクールビズ、見比べればはっきりと違いがわかる『改革』の包装紙。これほど若者や庶民にアピールする表現方法は、他に無い。」――まさにその通り。小泉は刺客ならぬ視覚で勝った。ある年配女性がいうには「岡田さんの目は、あれを三白眼という。おまけに日に焼けて黒くアブラギッシュで、全然笑わず、怖い印象。決定的なことは、演説を必ず小泉首相への悪口から始めた。これでは勝負にならない。老いも若きも、女にはウケない。小泉さんは悪口をいわせようと記者が仕向けても必ず『いいんじゃないですか』といった」と。民主党ケリーもそうで、ブッシュにある愛嬌がなかった
●ちなみに山下柚実は、その昔「SUPR」で慶応病院・看護婦密着24時という企画をやったとき、看護学校の生徒さんたちのインタビューを手伝ってくれた。あのストロベリーチョコの好きな、患者のタマゴをレンジでチンして爆発させた看護婦さんは、元気かな
●午後、田原、アスコムと「オフレコ!」打ち合わせ。田原は官邸に行くというので30分繰り上げ。サンデー毎日にNHK受信料問題で小一時間コメント

09-13
●原稿書き

09-12
●小泉自公党は歴史的・地滑り的圧勝。私の見方は当欄09-05の項に書いた通り。09-10欄に書かなかった自民議席予測数値は285±10で、上限いっぱいに触れたわけです
●時間がないので、押さえておいたほうがよいと思うことを二つだけ。一つは投票率が小選挙区67.51%・比例代表67.46%推計67.24%と、現行制度下で最高のそれをもたらした小泉純一郎の手法(白黒を迫って中間切り捨て、歌舞伎の見得と一緒、渾身の賭け、一世一代の大バクチ、大いなるはったり選挙……どう形容してもいい)は正当に評価すべき。小泉はテレビ選挙、イメージ選挙に圧勝した。落選した候補者の「国民はマインドコントロールされている」「小泉に騙されている」「政策を訴える時間が足りなかった」という恨み節はナンセンス。「まともな判断力を持つ国民がこのような選択をした」と考えて対応しない限り、次の選挙にも勝てない
もう一つは、党派別得票数と獲得議席数のシェアで、これを見落とすべきでない。得票数は小選挙区で自民47.77%・民主36.44%、比例代表で42.93%・民主34.46%。だから民主は全国的にそこそこの票(自民の4分の3)を取り、とくに地方でかなり善戦した。強い候補は自民を負かしたし、民主と共産の票を加えると当選自民の票を上回る選挙区が多い。社民・共産も解散前と同じ議席数だから善戦で、公明は少しだが減らした。これが議席数は小選挙区で自民73%・民主17.33%、比例代表で38.13%・民主31.06%となり、衆議院の議席数の3分の2を自公党が占める結果となった。衆議院の優越によって、基本的にどんな法案でも通すことができる状況だが、自公は勘違いしないほうがよい。とりわけマスコミは、多数党の横暴があれば厳しくチェックしなければならない
●1人2票(小選挙区・比例代表)の総票数は今回1億3437万票。うち自民5780万票(43%)、民主4540万票(33%)、公明978万票(7%)、共産975万票(7%)、社民461万票(3%)だったから、小泉自公党は50%を獲得した。つまり、2人に1人は小泉自公党に入れた。しかし、2人に1人はそれ以外に入れたのだ。「小泉マジック」には「小選挙区マジック」が含まれていることを見逃してはダメである。

09-11
●昼過ぎ、家人と牛込一中の投票所へ。帰り、京王ストアに寄っている間に大雨。神楽坂を回って帰宅。花豊では、店内のベンチに座り通りを眺めていたママとカオちゃんが出てきて、しばらく立ち話

09-10
●夜、田原総一朗から電話。岡本行夫との対談本の文庫版ゲラについて、朝日から単行本にはあった2か所を削除したいといって寄こした件。削る必要はない箇所ですが、「どうでもいい」との結論。明日、田原は午後8時の特番スタート時にチラと出て、10時台の党首インタビューをやり、12時から「朝まで」ふうに議論するそう。あと新雑誌「オフレコ!」第2号の構想いろいろ。田原はマスコミ論はつまんないというが、私は「『小泉劇場』の検証はやるべき。マスコミはその劇場のモギリ《切符係》なのか照明係なのか演出助手なのか、ハッキリさせないと」と主張
●ある人のインタビューはどうと提案したら大いに乗り気で、そのとき私が触れた名前・森田必勝(1970年11月25日、三島由紀夫とともに割腹)に田原は「僕は森田とは親しかったよ。なんであんたは右翼なんだと聞いたら、『だって早稲田では左翼が多数派で体制。自分は反体制だからですよ』といっていた。これはすごくよくわかった。なるほどと思った」と。三島事件の後、私がこれは信じるにたると思った発言をした文学者は3人いた(3人しかいなかった。プロフィールページをご参照)。小林秀雄(テレビを見ていたら、なんだかわからないが、涙がとめどなく流れた)、倉橋由美子(私は男の子なら楯の会に入りたかった。そう書いたら三島さんから本が送られてきた)、吉本隆明(文学者の美学など関係ない政治的な死。取り残された若者たちの気持ちはわかる。畳の上で死ぬという市民主義者などクソくらえだ。この衝撃はボディブローのように日本に利いてくるだろう)の3人ですが、吉本のいう通りだったと思います。カッコ内は30年以上前の記憶で書いていますが、合っているはず
●某通信社の期日前投票の出口調査では、ものすごい議席予測数値が出ています。まあ書かぬが花ですが、この項09-05に書いた通りになる気配が濃厚【以上夜11時30分記】
●昨晩のニュースでは、ニューオリンズで米兵が銃を構えて一軒一軒武装解除の映像。イラクでやるのと同じことを国内でやらなければならない、悲しいビョーキの国です。1兆円近く違法持ち出し 中国、腐敗官僚が海外逃亡のこちらも困った国。デカい国というのは「デカいというその一点でダメ」なんだと、ヨーロッパはとっくに気づいているが、世界三大田舎国の米ロ中は気づいていない。今世紀中のなるべく早い段階で気づかせないと世界は大変
●昨晩、田原総一朗と中断をはさんで長電話。おもしろい。トークショーについては、若い連中は質問が恐ろしくヘタだねえ。選挙については、民主党はマニフェスト選挙にできなかったのが失敗。マニフェストといっても単純な政策3つ4つでいい。それを旗印に風を起こすことができなかった。もっといえば、執行部と岡田がズレたままの選挙になった。民主こそが分裂選挙で、むしろ自民は分裂というより追い出したかたちをうまく作った。うんぬん。――坂本は民主党はマニフェスト選挙でも勝てない、それを緻密にやって違いをわからせることは不可能、勝つためにはつねにテレビ選挙・イメージ選挙で勝つしかないという考えで、まあ似たような考え
選挙後の展開については、1)小泉は必ず1年でやめる。その際、指名も禅譲もしない。2)1年後の自民総裁選は、党内では安倍はまだ早い、安倍では危なすぎるという声が強い。1本化調整で安倍以外に落ち着くか、選挙で安倍になるか。3)民主党は前原誠司代表、枝野幸男幹事長がいい。このコンビなら、小泉がいない次の選挙での政権交代は有望だ。次は民主が勝つんじゃないか。4)小沢構想は頓挫、雲散霧消だ。もう終わった――詳しくは、テレ朝の選挙特番でも見てください。田中康夫はどうしたらいいと聞いたら、東京都知事をやればいい、とのご託宣
●8日の晩、逢坂巌が話していたことで追加。逢坂「民主党の岡田、枝野さんあたりはある意味で小泉首相と同じくらいクールだ」――そう。仙谷も。だから当然、改革路線で、現状維持の労組とりわけ官公労とは激突する。今回の選挙ではかなり踏み込もうとしたと思う。「期日前投票に行ったら、若者が多いので驚いた」――それ、小泉支持の可能性が大きいのよ。「刺客」すらも若い連中にはウケているんじゃないか

09-09
受信料の不払い、NHKが法的手段を検討(読売)。「不払いの人を放置するのかという声があり、不公平感が募る一方。不払いをいかに止めるかが、信頼回復につながる」という橋本会長の考えは誤り。不払いはNHKを信頼していないから起こっているので、不払いをいかに止めても、信頼回復にはつながらない。NHK会長の理屈だと、長髪を禁止している学校で、一部教師の不祥事や校長・教頭の傲岸不遜な態度に反発して、ボチボチ長髪のヤツが増え始め、長髪にしていない連中の放置するのかという不公平感が募る一方なので、全員とっつかまえて髪を切る。そうすれば学校に対する信頼が回復するという話になる。そんなバカな
●BSデジタル放送からラジオが6局12チャンネル撤退へ(来春メド)。受信機出荷台数は7月末に585万台(のべ数であり、もちろん普及世帯数ではない)。CATVのデジタル視聴は増えているが、アナログ視聴がなお百数十万あり、しかも585万台との重複がある。「BSデジタル放送」(カッコ付き)の普及が1000万世帯を越えたと一部で報道されていますが、これは「受信機出荷台数+CATVデジタル視聴世帯+CATVアナログ視聴世帯(デジタル方式の放送ではない)」のことで正確な普及世帯数ではありませんから、お間違えなきよう。WEBの利点は昔の記事を掲げておくことができ、誰がデタラメで誰が正確だったか一目瞭然になることですね。BSデジタル放送1000日1000万台が”絶望的”な10の理由は、5年前の段階で今日の状況を正確に予測した日本でほとんど唯一の論文数少ない論文の一つです(←イヤミな感じを反省し修正)。ほかの多くのマスコミは何も検証せずに、1000日1000万台の根拠なき楽観論を垂れ流しました。地上デジタルでも必ず同じことが起こります
●フジ「めざましテレビ」で、いわゆる「やらせ」(でっちあげ・捏造)が判明。番組中の謝罪で「過剰演出」という言葉を使っていたが、この言葉は不適切です(どうでもいいけど、女子アナが「失礼しました」といったのもヘン。職場や学校で、でっちあげレポートを提出してバレて怒られたら、「失礼しました」っていうのか?)。演出は、何かが「ある」とき「それを効果的に強調する」手法であり、そのやりすぎが過剰演出。たとえば「実際に暑く、そのことを強調したいが、汗が出るほどではないからストーブを焚く」のは広い意味の演出で、過剰かどうかはケースバイケース。しかし、何かが「ない」とき「それをあることにする」のは、演出ではない。それは「でっちあげ」「捏造」「やらせ」「ウソ」です。「冬の寒い日にストーブを焚き、今日は汗ばむほどの暑さ」とやれば、演出(過剰演出を含む)ではなく、架空の事象の創作。ドラマでは当然、一部バラエティでも一応許されている(是非の境界はハッキリしないものの、若者は「やらせ」でもおもしろければよいとの前提で見ている)が、ドキュメンタリーや情報ニュースでは原則として許されていません
●ちなみにNHKムスタンは、すべてやらせと断罪されたが、たまに起こる流砂の映像をロケ期間中に収録したいから上からけっ飛ばすのは、私は演出として許される範囲(過剰演出)だと思います(もちろん、やらせもあった)
●さらに、ニュースでやらせは100%絶対にダメというのは、ガキの理屈。生涯でウソをついたことが絶対にないという人は少数派のはず。時と場合によって許されるウソやでっちあげはありうる。たとえば、ポル・ポトの大虐殺は長く世界から無視されていた。仮に、当時その状況を何とか世界に伝えたいと考えた誰かが、虐殺の現場を撮影しようと何度も試みたが失敗し、仕方なく協力者が穴に埋められている映像をやらせで撮影して、そのビデオを命懸けで国外に持ち出したとする。私はこれは「やらせ」だからダメだとは断罪しません。そのビデオを見て各国の報道や政府が騒ぎ出し、ポル・ポト政権に圧力をかけ、100万人死ぬところ80万人ですんだとすれば、20万人の命を救ったのだから、それでよい。真実が大事、事実が大事、やらせはダメとお題目を唱えるジャーナリストには、「真実の報道で、お前は何人の命を救った?」と聞けばよい。それで黙るでしょう
●ジャーナリズムや報道は、それだけで自己完結するものではなく、時代と社会のなかで何かのために(それぞれが考えることだが、たとえば社会をよりよくするために)やっていること。そのより大切な何かのためにジャーナリズムや報道のルールを破る必要があれば、破ればよい。そんなことは当たり前。交通事故に遭遇し、瀕死の怪我人を病院に搬送するときは、交通のルール(たとえば速度規制)を破ってもいい。「オフレコ懇談は絶対に漏らさない」「取材では絶対に先方に断りない録音をしない」など報道のルールだけに固執するのは、社会全体を見ない愚劣な話。「絶対に」ではなく「原則として」といわなければならない
●昨晩のトークは、矢崎が田原をあれこれ批判し、田原がいちいち反論するというしょうもないもので、あれで席料1500円、飲み物600円は高い!! ぎっしり満員で暑く、水も出ないから枝豆に飲み物をお代わりしたが、ペットボトルを持っていくんだった。ただ、田原「自民党は、ホリエモンをタダ公認してあまりに無節操と批判されることを恐れ、ライブドア社長を辞めれば公認するとの条件を出した」は初耳。堀江が自社宣伝に徹し、実際、株価の上昇ですでに数十億円の含み益が発生、フジも何億か儲かったことは周知の事実ですが
●会場で、東大助手でテレビと政治を研究している逢坂巌に声をかけられ、場所を換えて飲む(確かめずに家を出たら財布に5000円札1枚しか入っておらず、ご馳走になる)。逢坂巌は自民が勝つにせよ圧勝ではないのでは、との見方。一言で「小泉劇場」というが、それはどんな舞台で、役者や演出家やスタッフは誰で(たとえばマスコミやPR会社もスタッフとして参加)ということを、ちゃんと検証すべき、とはその通り。民主党は読みが甘すぎた、広報戦略全然ダメも、おおむね意見一致。「このままでは202?年には給料50万で社会保障費天引き20万、おまけに消費税20%というようなムチャクチャな時代がくる、お前らそれでいいのかと若いヤツに聞くべきで、子どもに選挙権をやりゃあいい」というと、逢坂「参議院を年代別にしたらいい」と。衆議院は地域・空間の代表を選んでいる。参議院は十代枠何人、二十代枠何人……八十代枠何人と、人口比に応じて枠をつくり、二十代の人は二十代枠に投票する(候補者はジジババが二十代枠で出てもいい)。すると参議院は世代・時間の代表を選ぶことになるという。「それじゃあ、参院の多数決でつねにジジババが勝つんじゃないの」といったが、初めて聞くおもしろい考え方
●年金は坂本「もうどうしようもないから、ナショナル・ミニマムの生活保護だけを最低保障し(これに一本化・一元化)、あとは全部自由化しちまえば。で、生活保護の辞退を奨励し、もらわない人に名誉をやるべき」逢坂「玄関に張る顕彰シールとか」なんて話。国と地方の借金700兆円の話も。今朝のめざましは「この問題をどう解決するかを投票の指針に」といっていたが、誰も解決方法を示していないから、指針にはならない。700兆円が1500兆円でも3000兆円でも、みんなが大丈夫と信じていれば大丈夫。1円でも減り始めれば安心。ダメだとなって崩れ始めればハイパーインフレでチャラ(国債が紙切れ)になる。いまを第3の開国という人があるが、第1の開国、第2の開国とも、それまでの国(江戸幕府と大日本帝国)の財産をチャラにして出直した。第3の開国も同じかも、と私は思っています

09-08
●今夕6時半開場『創』トークライブ@新宿ロフトプラスワン◆第1部(夜7時半〜)いま雑誌をめぐる現実 田原総一朗『オフレコ!』創刊を記念して(田原、花田紀凱、矢崎泰久)◆第2部(夜9時〜)メディア・市民・国家 『おかしいぞ!警察・検察・裁判所』刊行記念(森達也、鈴木邦男、斎藤貴男)司会はどちらも『創』編集長・篠田博之。原稿があるが、いかないわけにもいかず
田中元外相「助っ人」に 民主・岡田氏とそろい踏み(共同速報)。遅すぎ。民主党は最初から小沢、両田中が「大異を捨てて大同につく」(バカ正直でも固すぎても、何でもかんでも岡田を担ぐ)べきだったが、できなかったのが失敗。途中から改革案を小出しにしたのも失敗。田中康夫は前回衆院選で民主党に応援演説どころではない協力をした(マニュフェストづくりの「通訳」が田原で「書記」が康夫だった)が、今回は「応援したい政党がない」といった。つまり、自民党は分裂選挙だが、民主党もまた分裂選挙なのです。半世紀(55年体制から50年)のうち38年間も独裁政権を維持し、93年に一度だけ野に下ったものの宿敵・社会党と組むという掟破りの奇策で復活し(おまけに社会党を見事に潰し)、なお連立独裁を続けるゾンビ自民党に、野党がバラバラで勝てるはずがない
●今朝のフジ「とくダネ!」が、今回の選挙で身の回りの何が変わったか街頭インタビューの好企画。家庭で選挙の話題が増えた(両親との会話が増えた、ふだん無口なオヤジがえんえんと語る)、職場も同じ(昼休みや飲み屋の話題は選挙)、新聞記事をシッカリ読むようになった、選挙権のない孫(高校生)が関心をもち祖母に「選挙に行くの」と電話してきた、娘(小5)も政治のことがいろいろとわかったようだ、といった街の声を紹介。私の周囲でも、その通りです
●そして、いまの若者は「わかりやすさ」「単純さ」「強さ」を求める。二十代に聞けば、イラク自衛隊派遣、靖国参拝、憲法改正いずれもオーケーで、中韓に毅然とした態度をとれと答えるのが多数派。都市の若者は「郵便局? コンビニでいいじゃん」というと思う(坂本注:こう書くと「お前もそれでいいと思っているのだな」と勝手に解釈する人がネット上では少なくないらしく、たまにそんなズレたメールがくる。坂本の考えは、また別)
●小泉純一郎は原稿を読まず、顔を上げて、テーマを絞って演説しますね。子どもたちは小学校のうちから、それができる人には一目置くが、原稿棒読み・何をいっているかわからない・聞いたふうな紋切り型で長い挨拶をする校長や教頭を、徹頭徹尾バカにする。たとえば「サンプロ」を見せれば、30秒か1分で「うん、こいつはいい」「ダメだ、こりゃ」と判断すると思う。郵政関係の公務員30万と外務省6000人を比べるなんてムチャクチャなヘリクツですが、細部は関係ない。それがテレビ選挙であり、小泉純一郎は独特の感覚(ある意味で「天才」といってよい)によって、そのことをよくわかっている。民主党がテレビに出してくる人を見ると、わかっているとは全然思えない。テレビにいわれて幹事長代理を新設するようでは、話になりません。このテレビと政治の問題は、まだおおいに研究の余地があり、私は本の1冊も書こうかと考えています
●さらにいえば、小泉純一郎は人の使い方が妙にうまい。狂牛幹事長はずっとハイ状態で猪突モー進中ですが、まさに適材適所。たとえば安倍晋三では、次があるからあそこまではできない。いわゆる「刺客」も、まんまと受かればしめたもので、落ちても大勢に影響ない者を選んでいる(不倫メーラーも、国防関連から総スカンの勘違い主計も、広島巡業中の自社宣伝チンドン屋も、落ちても誰も困らない)。で、ある人が「永田町の情報は9割が小泉・武部発」といっていたが、まさにそうで、新聞がそっちばかり書く。書かれないほうが書いてもらうためには仕掛けが必要だが、適材が適所にいない(自民党の幹事長補佐はNTT広報部報道担当課長!!だった世耕弘成。勝負にならん)

09-07
産経の終盤情勢分析。自公300議席をうかがうってホント? 同ページに郵便局不祥事2件で援護射撃
●ハリケーン大被害で米軍が治安維持。イラクでも同じで、軍隊は悪くなった治安をそれ以上ひどくしないための強制装置。当たり前すぎる話ですが、治安が悪くならない社会を作るには、まったく違う仕組みが必要です。それにアメリカは力を注ぐが、まだ100年や200年かかるのでしょう
●ジャニーズ白波瀬傑から、GALAC表紙の企画について電話あり、「前向きに検討」と返事

09-06
●5日発売の朝日新聞社「論座」(特集 テレビは進化する)に「急拡大!HDRがCMを変える!?」を執筆。広告をめぐる「わからない話・不思議な話」と合わせてどうぞ。潮出版社「」にも監修記事。6日発売の放送批評懇談会「GALAC」グラビアに城島茂を執筆。週刊SPA!にコメント
●田原総一朗と電話で新雑誌「オフレコ!」第2号の打ち合わせ。創刊号は渡邉恒雄インタビューの評判がよかったが、それに匹敵するか、さらにインパクトのあるタマを仕込み中
●ついでに選挙についてあれこれ聞く。報道されている情勢とそう大きな乖離《かいり》はない見方(小泉自民は強いが、当初よりは民主が追い上げ)。小沢一郎や田中康夫にはあまり時間がないのでは、ただの反小泉派(「人間として許せず」派、「自滅しても一矢を報いる」派)とは違うのだと示すには1か月やそこらで次の手を打たないと、というと「まあ、そうだ」と。「オフレコ!」でも彼らを取り上げるのはありですが、12月上旬刊行なので、中途半端な時点でやると、大きく動いたとき賞味期限切れ記事になってしまいマズい

09-05
●午後、産経新聞文化部から電話。NHKが受信料不払い者に対して民事手続きを検討中とされる問題についてコメント。◆【1】カネを巡る不祥事、それを一向に反省せず視聴者無視、特定の政治勢力に番組内容を事前相談など、受信料不払い・保留への流れを作ったのはそもそもNHKのほうだ。それを改めるのが先だが、視聴者への「約束」を見ても、たとえば政治的な偏向を改めるとは約束していない。やるべきことをやらずに法的手段を検討は、順序が違っておりナンセンス。ますます視聴者にそっぽを向かれると思う。◆【2】NHKは受信料徴収の実態を隠し、不公平を一向に是正してこなかった。事業所からロクに徴収できていないうえ、温泉地で受信機台数を数えず旅館組合と一括割引契約する、事業所でも数台あるところ「2台分でどうか?」と割引を持ちかけるなど、杜撰《ずさん》な徴収をしてきた。放送法上、受信料は番組の対価ではないが対価のような取り方をし(BSを見れば高く取り、映りが悪ければ負けるなど)、白黒テレビ用など「ありえない」割引を設定してきたのもNHK。そのようないい加減な徴収をしてきた自らの責任は棚上げし、不払いする視聴者だけを悪者と見なして法的手段とは剣呑で、どうかしている。◆【3】特殊法人NHKは、NHK関係者だけの持ちものではなく、国民的な財産。受信料の収納について大きな路線変更をするには、幅広い議論が必要で、もちろん国会でも審議される。案を検討するのは自由だが、そう簡単には実現できない。◆【4】NHKはこれまで、強制力をともなう受信料徴収はしないと一貫して主張してきた。視聴者との信頼関係を大切にしてきたからだが、前言を翻してNHKの側から信頼関係を壊すなら、視聴者国民に説明が必要。◆【5】スクランブル化(払わない人には見せない)を含めて、受信料を強制的に取れば、政治権力に非常に近い(弱い)NHKは国営放送に近づいてしまう。それは21世紀の日本に必要ない。この点、政治・体制批判もする英BBC(強制徴収している)は参考にならない。日本で強制徴収はなじまず、やめたほうがよい。払わなければ見せない方式は、災害時と有事の際に、NHKを見せないことによる死者が出ると覚悟が必要。NHKは、それには踏み込めないと思う。おおむね以上のようなことを、あまり整理せずに話しました。話さなかったことで付け加えるとすれば、◆【6】国民年金を払うべき人の4割が払わないこの国では、簡易裁判所を通じた支払いの督促手続きにどれほど実効性があるか疑問。そもそも受信料を支払うべき世帯・事業所かどうか確認・捕捉が難しく(普通は集金人を家に上げないから、テレビがあるかどうかわからない。デジタル化に全面移行すれば簡単だが、それは10年以上先の話)、捕捉できた世帯だけを(簡易ながら)「裁判沙汰」にすれば、新たな不公平という批判が噴出するのでは
●3日までに共同通信・加盟社が衆院選情勢を全国電話調査。やはり小泉自公党の強さは圧倒的で、今回とくに都市部で強い。田舎では配達にきた郵便局員は「まあ、お茶でも飲んでいけば」というありがたく親密な存在かもしれないが、東京では何度注意してもバイクのアイドリングをやめず、いつも小走りの宅配ドライバーよりはるかにタラタラと、ときにタバコを吹かしながら配達するどうしようもない存在。不在票が入ったとき、宅配ドライバーは携帯に電話すればすぐ来るが、郵便局は住所・氏名・電話・荷物の番号などえんえん問いただした挙げ句に翌日持ってくる。こんなの、民営化以外に改善の余地はないと、普通の人なら思うはず。しかも、民主党はいずれ郵政民営化はする、増税もするといい、憲法改正も若手の議論は自民党と変わらないのだから、「反小泉」以外に自民党との違いが見えない。日共の「同じだ」というアナウンスも民主党には逆風。目立つ違いはイラク早期撤退くらいだが、いつかの世論調査でイラクへの関心が4%(25人に1人しか関心なし)だったように(しょうもない国民だと思うけれども)争点にならないし、争点にする努力も見かけない。おまけに、党を代表する面々が暗い。必死に理屈をいうのが、いっぱいイッパイで余裕なく見えてしまう。このままだと小泉自公党は地滑り的に歴史的な大勝利を収めるでしょう
●そうなると政界再編どころではない。新党は総崩れ、無所属当選議員も郵政再可決後の人事をエサに一部呼び戻されたりしてバラける。小泉一郎は、変人でも嘘つきにはなりたくないでしょうから1年でやめ、二人くらいに絞られた後継者の一人にバトンタッチし、政権交代はしばらく望み薄というのが、現時点でいちばんありそうなことのように思えます。健全な政権交代を繰り返す二大政党制というのは、どうも、寄らば大樹のこの国では成立しないようにすら思えてくる
●「反小泉」だけでまとまっている勢力は、明らかに弱く、賞味期限が短い。当たり前の話で、小泉が「やーめた」といえば存在意義を失い、バラけてしまう。この意味で「反小泉だけ」をテコにした政界再編は、あるきっかけにはなっても、中長期の展望を描けない。小泉は自民党をぶっ壊すといって自民党を固めなおした。民主党・社民党・共産党をぶっ壊すくらいにインパクトのある政界再編以外は、ほとんど無効でしょう。それより先に、借金1000兆円の国家財政が破綻するかもしれない。そのカタストロフィに備えて、個人・企業・自治体の財産をできるだけ国家から切り離すのが21世紀前半に生きる日本人のテーマだと、私はここ10年くらい思っています

09-04
●またしばらくサイト更新が滞るかもしれません(選挙には関係ありませんよ)が、ボチボチおつきあいのほどを
●「suicaの人生桃色/優しいダンナと子持ちししゃもと愛娘ふーちん大統領の人生いろいろ」。このブログのトップに赤ん坊の写真がついてますね。8月30日の総選挙公示日、都内で選挙宣伝カーに乗っていた小林興起・前議員は、赤信号で隣に並んだクルマから「赤ん坊が寝ているので静かにしてください!」といわれ、アナウンスをやめてボリュームを下げたでしょう。そのとき寝てたのがこの子です。小林さん、すみませんねえ
●谷口和巳が株式会社ブルームウエイを設立。おめでとうございます。段階世代を主軸とした「GO-ぎゃん」プロジェクトを企画・準備中で、近々発表とのこと
●昨晩は、家人と娘が新宿に買い物に出るというので、終わった頃に出かけていって夕食。二丁目イノセントのマミーのとこに、ちょこっと寄る。マミー含め4人が順繰りに歌うことに。マミーは、I could have danced all night!!(マイフェアレディから)、色づく街(南沙織)、Tennessee Waltz、Johnny Guitar(ジョーン・クロフォード「大砂塵」のテーマ)、Danny Boy、Quizas,Quizas,Quizas、愛は燃えている(金子由香里)、I Left My Heart In Sanfrancisco(想い出のサンフランシスコ)などを歌ってゴキゲン。京王プラザだったか、昔のリサイタルを思い出しました。涙そうそう、さとうきび畑の唄、イムジン河、悲しくてやりきれない、GS、水原弘、以下どんどん大正時代までさかのぼって対抗(できるわけないが)

09-03
●週刊SPA!巻頭ニュースコラムで今回のハリケーンを取り上げるというので編集者・鈴木靖子から電話あり、あれこれこ1時間コメント。アメリカはFEMA(緊急事態管理庁)や国土安全保障省のシステム、重要インフラ保護の考え方や取り組み、国家存続の考え方、いざ事が起こった場合の合理的な救助・復興活動など、日本と比べて相当程度進んでいる。にもかかわらず、想定外(今回では堤防決壊、9・11では同時多数航空機乗っ取り・自爆)のことが起こり、モザイク国家(多様で自由な社会といえば聞こえはよいが、貧富の差が激しく、英語すら満足に読めない多数の人も含めた雑多な、非同質社会。そして自分のことは自分で守り、フリーズといって動くヤツは撃ち殺す厳しい社会)の矛盾、病理、脆弱性が噴出した。油断というか、イラクにかまけて足下がおろそかになった印象は否めない。自然の恐ろしさは、寺田寅彦がいったとされる「天災は忘れた頃にやってくる」の通りだ。日本の場合は……うんぬん
●まだ読んだことのない方は、寺田寅彦「天災と国防」をオススメ
●まあ、どうでもいいことですが、朝居間に起き出してフジテレビ(朝は毎日ほとんどこのチャンネルになっている。中高生のいる家はたいていそうでは。日大の授業中に手を挙げさせたら視聴率3〜4割以上って印象)を見ていたら、期間を切って震度何以上の地震が発生した時刻を24時間の時計状パネルに表示し「昼前の11〜12時が多い」といっていた。自分たちが何を放送しているか、理解してやっているのか? 1〜24の目が出るサイコロを何十回か振ったら、12がいちばん多く出て次は11でした、というデータを放送する意味があると思うか? これで「地震は昼間に多く来る」と何万人かが思ったら、デマや妄想を放送したのと同じですよ(「ニュースココ調べ」として「ニュース」という表現を使っているから、放送基準にもあからさまに抵触する)
●なお、月の引力が潮の満ち干をもたらし(地球上のある場所で月が上に来るか下―裏側・反対側―に来るかするのは日に2回だから、満ち干も日に2回)、同じ力が地殻にも影響して、歪みがたまりにたまった地下の大破壊の引き金になることは、おおいに疑われている。ただし、断層が走っている方向・ズレが起こる方向によって月の引力が引き金になる度合いが異なる(ある地震では後押しする方向に力が働くが、別の地震では抑制する方向に働くかも)、太陽の引力も働くから太陽・月・地球の位置関係も考える必要がある(これは月2回というような変動)、潮の満ち干による海水の重みも作用するなら内陸部地震と海底地震への影響は異なる、引力が極大のとき必ず地震が起こるとはいえない(前回の極大時に発生直前まで進んだがいったん収束し、次回の7分目のとき大破壊が起こる、というようなメカニズムやタイムラグがありうる)などの理由によって、「24時間中この1時間に多い」と結論するのは非科学的で、デマの類と同じといってよい
●続いて「マジックバー」の話題で、「番組独自の調査によると」とかなんとかナレーションを出し、局でインターネットを覗いている連中と雑誌を眺めている連中の映像が出た。テレビ局の番組による「調査」とは「Googleにマジックバーと打ち込むか、マジックバー特集をやってる情報誌を何冊か買ってくることです」と堂々と公表しているわけです。きょうび小学生や中学生でも同じことをやる。小中学生と違うのは、カネがあって情報誌を何冊も買えるというだけ。いい大人が、恥ずかしいとは思わないのか? 太田英昭(ロス疑惑の頃から何度も会って話を聞いた)あたりの意見を聞きたい気がします
●日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)ボランティアスタッフの村田(フルネームくらいちゃんと名乗れ!!)から、以下の案内メールがきたので、抜粋して転載します
●写真展「フォトジャーナリスト13人の眼」◆2005年9月20日(火)〜27日(火)◆キッド・アイラック・アート・ホール(京王線「明大前」駅改札右徒歩2分)◆開館時間11:00〜20:00期間中無休※27日(最終日)は16:00まで◆主催:日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(←予約・問い合わせ先)、後援:集英社新書編集部、協力:写真弘社◆心情を詩に刻むパレスチナ人少女の中に、津波被害によってひとりぼっちになった少年の中に、あるいは人間に怯え赤い涙をながすアフリカ象の中に、声にならない叫びに耳を澄ましフォトジャーナリストたちは何を伝えようとしているのか。展示数100点におよぶ写真の数々と願いをこめた言葉で世界のいまを伝える。
●【同時開催JVJAトークショー】参加費1000円/予約先着順・定員40名◆劣化ウラン弾の異常値が認められた米軍帰還兵、果たしてサマワの自衛隊は? パレスチナ・ガザ撤退から地球環境まで、現地からの声をJVJAジャーナリストたちが伝えます。◆9月22日(木)18:30〜綿井健陽、23日(金)18:00〜古居みずえ/土井敏邦、24日(土)18:00〜豊田直巳/桃井和馬、25日(日)14:00〜JVJA特別トークショー「ビジュアル・ジャーナリズム論」〜写真と映像で何を伝えるのか?〜同日18:00より出版記念パーティーも開催(坂本注:何の出版記念かは不明)
●【出展者紹介】広河隆一、古居みずえ、土井敏邦、山本宗補、桃井和馬、林克明、森住卓、豊田直巳、小林正典、佐藤文則、綿井健陽、亀山亮、大石芳野、八重樫信之

09-02
●NIKKEI NET [IT+PLUS]に広告をめぐる「わからない話・不思議な話」を掲載。お読みください
●いま出ている「週刊SPA!」検証 地震に強い[インフラ&サービス]を探せ! にコメントしています。地震の時のエレベータの話など。そういえば今夜7時すぎ、全日空ホテルの6階からエレベータで下りるのに十数分待たされた。エレベータは4基あるが、ずいぶん待って来たのは満員。それっきり来ないから階段で下りようかと非常階段までいったが、ドアノブに「このプラスチック・カバーを壊して開けよ」とあり思いとどまる。その数分後に来た昇りに乗って、いったん上まで行き、また下がってようやくフロント階へ。フロントでどうなっているんだと聞いたら、地下で200人(たった200人!)規模の宴会があり、宿泊客が一斉に下りてきたためという。バカなエレベータのプログラムで、満員でもう乗れないのに下りボタンが(外から)押された全階で止まるので、「各駅停車」状態になったらしい。満員のときはエレベータ内で押された階(今回はフロント階か地下)だけにノンストップで直行し、空にして上がったほうが速い。このホテル、開業から何年たって、何度同じことを繰り返しているのでしょうか。フロントの連中は、何もわかっていないようでした
●総選挙記念・2年近く前ので恐縮ながら小沢一郎インタビュー再掲
フリーライターの大宮知信から新刊案内。「金の卵」転職流浪記――元フーテン・ライターのフリーター応援歌。ポプラ社刊。税別1300円。内容(章立て)は、学業放棄、集団就職、転職流浪、フーテン生活、記者修行、突撃取材、東大潜入、日本脱出、フリーランス万歳。集団就職で都会へやってきた少年の、「それから」。下町の商店、町工場に集団就職、劣悪な労働環境の中で青春を駆け抜けた――。転職を繰り返しつつ生き方を探しつづけた「元祖フリーライター」の哀感溢れるエッセイ
大宮知信は1948年茨城生まれ。中卒後、さまざまな職業をへてノンフィクション・ライター。主な著書に文藝春秋「さよなら、東大」、草思社「デカセーギ・逆流する日系ブラジル人」「学ばず教えずの大学はもういらない」「お騒がせ贋作事件簿」、光文社「101人の起業物語」、「ウチの社長は外国人」(祥伝社)など
●確かフリーライターの早川和廣(阿含宗の批判本や経済本など著書多数。1991年に幸福の科学による講談社「フライデー」抗議事件があったが、元になった記事を書いたのも彼。子どもが小さい頃、秩父の早川邸に泊まりにいったりしたが、最近は会っていない)から紹介されたのだと思います。91年頃「エスタミネ」という雑誌が出て、その編集部で会って飲んだりしたのが最初ではなかったかと。今回、初めて自分の体験をエッセイに書いたそう。おもしろそうな本で、おススメです。岩本太郎も読んで、100円ライターブログで宣伝してくれ。定職に就けず元気をなくしているフリーターの若者たちも、「俺だって生きのびてこられたのだから、君たちだってなんとかなるよ」と元気づけられるはず
●昨日の記事、なんでもかんでもアメリカ礼賛と誤解なきよう。米テレビでキリスト教伝道師だの元CIA情報員だのから「暗殺するのが安上がり」と攻撃されているベネズエラのチャベス大統領は、「避難計画がなかったとは信じられない」「世界一の大国だが、イラクにかまけて自国民をほったらかしに」「ブッシュ休暇の王様」「避難するようにいうだけで方法は指示しない。カウボーイの精神構造」とこき下ろした(共同電ほかによる)。これ、確かに当たっている部分も。しかもなおベネズエラは、救援隊派遣や石油供与を米政府に提案したそうで、なかなかやるもんです
●昨日の「今日、始業式」のテレビ・新聞の記事。今回は東京の全社が新宿区立西戸山小学校にいった。気がつきました? 放送局・新聞社も教育委員会・学校側もラクだが、同じ学校の横並びニュース・記事にしか接することのできない視聴者・読者は、バカにされているとは思いませんか? いつまでこんな「お約束取材」を続けることやら。教育委や学校は「個性が大事」と思っているんじゃないのか?
●4時、新雑誌「オフレコ!」第2号打ち合わせ。田原総一朗、協力スタッフ、アスコムスタッフほか。第1号の反省会と企画・編集会議ですが、詳しい人が何人もくるので、政治・選挙の話をいろいろと聞くことができそう
●ウーム、田原の爆弾発言連発をはじめ、ホントにオフレコ話ばかりで、すみませんが書けない。小沢一郎の今回の構想(当欄08-26の項をご参照)を失敗と見る出席者もいました。信濃毎日や八十二が長野で何やら準備工作中との情報も。不倫メール500通を自民党は無視の構えだそう。小泉自公党の勢いは当初に比べるといくぶん弱まってきたと見る意見が強い。ポスト小泉は中二階がすべて吹っ飛び残るは安倍晋三のみという声と、谷垣禎一あたりはありではという声に分かれた。負ければ代表を降りると宣言したポスト岡田・民主党情勢については、どっちの陣営も「またあの人」という名前で堂々巡りの印象。8時帰宅

09-01
●夜、NHK「ご近所の底力」が「地震 マンションの備えは」をやっていた。その中で、大きな地震の際の負傷者の過半数は家具の転倒や落下物によるとし、マンションでの家具固定をどうしたらよいかをレポート。それによると震度6強のような強い揺れで、0)対策なし→転倒、1)ストッパー(家具前面の下に敷く楔型断面の細長いゴム)→転倒、2)突っ張り棒→はずれて転倒直前、3)L字金具→転倒せず、4)突っ張り棒+ストッパー→転倒せず。タンス上前部の左右から長押《なげし》のヒートン(「?」型金具)に荷造りヒモを張るのでも、転倒は避けられる(見栄えは悪いが費用200円)。強い揺れでは金具が変形したりはずれたり、転倒しないまでも家具がズレたりしますが、そうなるまでに時間をかせげるので、下敷きにならずに済む。東急ハンズあたりにいってバラで金具を買い、日曜大工をするので十分効果がありますから、ぜひ対策を。番組では各地のマンションのユニークな防災対策を紹介して、なるほどと思いました。家具転倒実験のネタ元はこちら(消防庁にもまったく困ったもんです。L字型金具の下向き取り付けって、どうやるんだか誰かわかります?)。こちらは静岡県住宅部。なお、突っ張り棒をスチール本棚に使うと、阪神・淡路級の揺れでは天板が折れ曲がり、はずれますからご注意(兄の家でそうなった)。長押や付け鴨居(飾りで付いているだけで強度がない)を含めた壁側の強度と、金具をつける家具側の強度にも注意が必要。たとえばタイコになってるベニヤ部分に金具を固定しても意味がないわけです
●余談ですが、この番組、私は始まったときからたいへんよいと評価し、ギャラクシー月間賞に一度も入ったことがないのが、いまだに不思議でいます。堀尾アナもまさに水を得た魚で、10時のニュースとは大違いのはまり役。この種の番組には作品性がなく評価に値しないと決め込んで、見もしない批評家や学者が多いが、テレビの見方として間違っていると思っている。メディアが違うのだからテレビ批評は映画批評とはかなり異なるはずですが、多くの批評家は映画を見るように番組を見る。だからニュース番組、時事番組、ワイドショーなどをろくに批評できない【以上2項目は深夜に追加】
●超大型ハリケーン「カトリーナ」で数千人が死亡かと、米ニューオーリンズ市長発表。アメリカでは責任者が最初に、ある程度大きな死者見込み数をいう。9・11のときもそうで、相当長い期間、死者6000人以上といわれていたが、実際は3000人余。で、途中は6000人以上をなんとかする対策を立てるから、作業に余裕が生じる。事後は、思いの外少なくてよかったという感じになる
●日本は「真逆」です。阪神・淡路大震災のとき、前夜が遅く私は午前8時すぎに起きたが(なぜ起こさないかと家人に文句をいった。ただ明石に住む兄一家の無事は確認済みだった。まだみんな寝ているから、兄嫁の母が東京・世田谷から地震直後にかけた電話はつながった)、映像を見てひと目、死者数千人規模と確信しました。しかし、報道は警察が発表した死者200人、300人、500人という数字を伝えるだけで、専門家も含めて「死者数千人に達する可能性がある」と誰もいわない。で、死者数が増えるにつれてタラタラと対策を広げていくから、後手後手の作業になる。事後は、六千数百人の死者と、当日午前中に伝えていた数の十倍にも上り愕然とする。この中には、行政の初動がうまくいけば助かったかもしれない人が1000〜2000人以上(一説には2500人規模で)含まれてしまいます(その死者を増やした責任者の一人が、その後も知事をやったのだから、阪神・淡路の人びとは、私の理解範囲を超えたお人好し)
アメリカ方式と日本方式、どちらがよいか。危機管理の面からは、アメリカ方式のほうがよいことに議論の余地はない。危機管理というのは最悪の危機を想定するところが出発点。想定外のことが起これば、それはその時点で管理不能な出来事が発生するわけだから、管理に失敗したことになり、危機管理として落第です
●日本方式の背景には、確認できない死者を見積もることは不謹慎で、死者への冒涜や遺族への非礼に当たるというような、奇妙な考えがある。それにマスコミが発表報道しかしない(推定を口にして間違い、後で責任を問われるのを恐れる)ことも、危機管理の出発を遅らせてしまう。この点、行政や企業その他団体の危機管理担当者とマスコミ関係者は、従来の非合理的な考え方を改めるべきだと思います
●私は奥尻のとき夜を徹してテレビを(メモを取ったりしながら研究対象として)見ていたので、報道が伝える地震の発表死者はこういうふうに増えていくと、ある程度わかっていた。95年1月17日の昼前には救援物資を作って近くのコンビニにクロネコ便を出しにいき、明日届くというから「死者数千人になる地震だよ。本当に大丈夫か?」(こう聞いたのをハッキリ覚えている)と半信半疑ながら預けた。午後になってコンビニから電話があり「1か月やそこら届きそうにない」というので、郵便局(牛込の本局)に持っていった。郵便局は、コンビニでは受け付けた段ボール箱を大きすぎてダメというから、「じゃあ空き箱をくれ、ガムテも貸してくれ」といって、その場で荷物を二つに分けた(使用済みのをタダでくれる)。3〜4日後だか、うまく届いた。私は郵政民営化に基本的に賛成ですが、このときは「さすが国営だ」と思いました。民営化反対論者が誰もこの話(災害時・有事の際の国内郵便の信頼性)をいわないので、私は不思議に思っています。私は基本は民営化で、民営でできないこと(離島・過疎地・非常時)は国(他地域の人も含めた全国民のカネ)でやれという考え
テレビ論のページに、地震と報道に関する文章をいくつかおいてあります。興味がおありの方はどうぞ

08-31
●日経サイトコラム用に「広告をめぐるわからない話・不思議な話」を書き送る。400字で10枚近くも書いてしまい、「それってコラムなのか?」という疑問が……。近日中にアップされると思いますので、ぜひお読みください
現代メディア・フォーラムページに新着情報を追加。10月22〜23日、京都嵯峨芸術大学ホールで国際シンポ「メディアのM&Aと危機管理」が開催されます。取材およびご参加(定員300名)をよろしくお願い申し上げます
●夏も終わりですね。どこまで続くぬかるみぞ、原稿がいろいろたまっているうえに雑用が多く、更新できずすみませんでした。仕事は、まだひと月分くらい、たまっている。岩本太郎ブログになんか書いてあったが、選挙とは関係ありませんので念のため
●この日録メモに書こうと思っていたことが多すぎ、しかも「すみませんねえ」という言葉で書き始めるのに気が滅入り、NTML Project2(ホームページ制作ソフト――フリーウェアですが大したもんです。市販ソフトを使う気がしなくなる)を開こうとしなかった、という感じも。ま、ボチボチやります。前から読んでくださっていた方は、8月11日以降にさかのぼってお目通しいただければ幸いです
●朝日新聞・長野の取材データでっちあげ記者。まったくひどい話で呆れます。そこそこの大学を出たまあ優等生で、教科書に載っているようなこともよく覚えているはずの若者だろうが、人間としてなっていない。勉強はできても、バカはバカです。そのようなバカを大量に生産している教育(週1コマだけだが大学で教える私の授業も含めて)、バカを採用してしまう企業(ほかの企業や役所も他人事ではない)、今回のようないずれわかるに違いない単純なでっちあげをやってしまう状況に若い記者を追い込んだ朝日新聞社のシステムや環境、とりわけ直属の上司や周囲の記者の日々の仕事のやり方に、それぞれ問題があるはずです。朝日は、上層部の処分だけして、サッサとでっち上げ記者をクビにした。このトカゲの尻尾切りのような決着の仕方は、非常によくない。マスメディアは書いたものを売るのが商売で、読者の信頼を得なければ売れない。信頼を得るためには、このような「些細」かもしれない不祥事を一つひとつ検証し、何がまずかったのか書くことで公開のうえ反省することで、潰していくべきです
●1年ほど前、編集長として出したGALACの最後のころの号にある人が書いた記事にイチャモンをつけてきて、私を告訴すると騒いだバカがいました。そのときGALACは、「そちらの言い分は誌面に載せてもよい。GALACは誌面への抗議を黙殺したことは過去に一度もなく、すべて書いて公開することで処理した」と、そのバカに告げた。そのような日々の積み重ねしか、誌面の信頼性を確保する方法はないと信じるからです(そのバカは弁護士にでも相談して止められたのでしょう。告訴は沙汰やみとなりました。あまりに逆上したせいか「名誉毀損が無理なら、なんでもいいから坂本を告訴できないか」と弁護士に相談するメールが、なぜか放懇宛に発信され、みなの失笑を買っていた)

08-30
英文毎日サイトの写真特集。台風カテリーナ、戦後60年関連(長崎、広島、終戦直前)、靖国神社など一見の価値あり
●10月に朝日新聞社の文庫から『「外交」とは何か、「国益」とは何か――増補版・生きのびよ、日本!!』が出ます。2003年後半に岡本行夫と田原総一朗が対談し、坂本がまとめて暮れに出した本。この3日ほどで書いた、今回新たに付け加える第7章(400字65枚分)を入稿

08-29
●田原自選集第5巻の坂本担当分原稿を入稿。400字15枚くらい。遅くなりすみません
●サイゾー畠山志穂が送ってくれた田原・岡留対談(後編)原稿をチェック。9月18日頃発売

08-26
●田中康夫が「新党日本」代表となったことに、いろいろと意見をいってくる人が多い。私は、新党立ち上げの記者発表の直前に平山誠(新党日本の事務総長)から「今日打って出る。よければ会見場に来てほしい」と電話をもらっただけで、琵琶湖塾以降は田中と話していません。各方面からの情報を参考にすると、たぶん次のようなことなのだろうと思います(あくまで8月第3週すぎ時点での、私の勝手な「推測」です。念のため
●総選挙後、小沢一郎・鳩山由紀夫らが民主党を割って新党を結成し、自民党からの反小泉勢力を受け入れて、政界再編を目指すのではないか。今回登場した政党は、その新党に参加する可能性が強い(つまり、小沢一郎、鳩山由紀夫、田中康夫、田中真紀子が組む。むろん民主党が善戦し小泉自公党に肉薄する場合は、小泉自公党以外は岡田首班指名で結束すると思います。というか、結束すべきです。すでに旧来の地方利益誘導政党としての自民党は相当程度壊れ、むしろ小泉自公党は大都市政党に変わりつつある。小沢新党は地方をも基盤にしながら、地方利益誘導型でない地方自立を目指すという方向性でしょう。田中康夫がこのまま守旧派と組んだミ二政党代表で終わるなら、何をやったのかわけがわからないが、そうはならないのでは【このカッコ内のみ09-01追加】)
●自民党の郵政民営化反対勢力は、小泉首相が解散を決断するとは思わず、「変人度」の見積もり方を完全に誤った。自民党に残っていても、もう先はない。将来の首相候補の一人と目された人物も、完全に芽を潰された
●至るところにコンビニがある(少なくとも郵便局よりたくさんある)都市部では、郵政民営化は支持される見込み。子どもじみているが、単純でわかりやすく、熱い思いだけは伝わってくる小泉純一郎は、テレビ選挙に極めて強い。女性にも強い

08-25
●夜8時、神楽坂ジョナサンで「週刊SPA!」の取材を受ける。地震に弱いインフラの話。当欄07-23に書いたことを読んでくれた由
●11時30分、新宿南口小田急ホテルセンチュリーサザンタワーで小川和久、アスコム柿内尚文、森秀治と。10月に出す単行本の追加の話を2時間半。東急ハンズのメッセ(バーゲン)のビラが新聞にはさまっていたのを思い出し、JRを隔てて向かいのハンズ新宿店に寄ってみる
●小川和久の軍事本、脚注を入稿。30枚分くらい

08-23
●夜、アスコム高橋克佳と新雑誌「オフレコ!」のお疲れさんで飲む約束ながら、バタバタしていて行けず、先送りに

08-22
●朝日「論座」が9月上旬発売号でテレビ特集。HDR(ハードディスクレコーダー)とCM飛ばしについて15枚ほど書き入稿
●午後2時、神楽坂ジョナサンで「週刊××」副編集長・編集者の取材を受ける。NHKの経営問題。まだ取材を開始した段階でNHKから妨害されたくない(取材を相当程度に進めた後で、正面からNHKを取材する)というので、誌名は伏せます
●海老沢体制下のNHK広報のやり方では、週刊誌の発売日前にゲラを入手し、取材協力者探しを始めるという例がありました。コメントした雑誌から発売前に「内部協力者から連絡があり、犯人探しを始めたようです。坂本さんに迷惑がかからないよう、念のため連絡します」と電話をもらったことも何度かある。この手の取材では、一度相手を正面から訪ねて言い分(こちらが持っているデータに対する反論)を聞く必要があるが、取材の初めのほうでそれをやると関係者への口封じが始まったりするから、ギリギリの段階でやるわけです

08-20
●「潮」市民講座にアスベスト問題を10枚弱

08-19
●GALAC9月6日発売号、巻頭グラビアに城島茂。短い原稿を書いて送る

08-18
●2時〜江戸東京博物館のホールで神田京子の講談。虎のこプロデュース「道成寺」特別講演というので、講談だけ聞いてさっと帰るつもりだったが、観客が少なく出るタイミングを失い、最後までいるはめに。大喜利なんかもあったが、程度が低く辟易
●夜、田原自選集第4巻の直し

08-17
●CSのヒストリー・チャンネルが第二次大戦終結60周年ということで、渋い番組を連発。バイオグラフィー「エヴァ・ブラウン」(ヒトラーの愛人、死の直前に結婚)、「F.D.ルーズベルト」「吉田茂」、映画「東京裁判」(これ、録画したら嵐でギリギリ最後が映らなくなった。うわっ、いま調べたら27日まで再放送してたのか)、「鎮魂・硫黄島」など。TBSチャンネルの「私は貝になりたい」(オリジナル版/リメイク版)も録画

08-16
●夜、家内の実家へ。一晩泊まって帰る

08-13
●夕方、奥沢の実家へ。兄一家も来る。一晩泊まって帰る

08-12
●このところ単行本ゲラチェック、危機管理推進会議報告書の直しなどに時間を取られ、原稿進まず
●庭というかベランダが、あまりにも荒れ果てているため、原稿がたまっているにも拘わらず、エイヤッと大掃除。去年の秋から放っておかれ、あるものは今年の夏も生い茂り、あるものは死に絶えた。小さな白いキク(の一種)、青ジソ、いくつかのハーブは、こぼれ種で生える。あとチャイブ、アイビー、アロエ、オリヅルラン、ハイビスカス(これのみ室内で冬越し)なんかは元気。中島好登が、確か「サントリーだかどこだかが作った一代品種で、増えない」といっていたペチュニアが、増えてました(それとも話してたのはインパチェンスのことだっけか?)

08-11
●小林道雄と久しぶりに電話で話す。郵政・解散・総選挙のことども。新聞・テレビ報道は何なのだ、「争点は郵政」という主催者側発表をそのまま報じているのは、どうかしている。国民の関心事が10件あるところその7番目だか9番目だかにくる郵政民営化をしなければ、ほかのすべての問題が一歩も進まないというのは詭弁、極めて非論理的な話だ、うんぬん
●同感。選挙の争点は、選挙戦を闘う者たちがぶつけ合うものだが、マスコミは違うと思ったら、これが争点だろうと問題提起すべき役回りです。しかし、前回の衆議院選挙でも「争点はない」と逃げた。それはこの欄でも強く批判しました。民主党もイラク問題を争点にできなかった。小沢一郎は「(民主党の公約は)3分の1が玉虫色。同じ玉虫色なら国民は自民党を選ぶ」といったが、まったくその通りと思います
●郵政民営化とそのほかの重要な改革は、確かにどっちが先という話ではない。いくつかの柱を示し、最終的な姿をハッキリ描いて、やれることから同時に進めればよい。ところで、自民・民主とも盛んにマニュフェストといっているが、たとえば100項目の精緻な政策を掲げても、選挙の帰趨を決めはしない。7つでも多すぎ、せいぜい3つか4つ。そこまで絞らなければ、人びとにうまく伝わらない

08-10
●先ほどテレビ・ザッピングしていたらMXTVで「ウルトラマン」のオープニング(歌)に行き当たったので、つい見てしまう(夜11時20分頃から)。「アボラス・バニラ登場」なる回で、記憶にはありませんが、子どものころ見たかもしれない。ウルトラQ、ウルトラマンは欠かさなかったので(ウルトラセブンが始まると飽きました)。ところで、この回は東京の建設工事現場から古代人が埋めたらしいタイプカプセルを掘り出す。それを開けたら、封印されていた赤い怪獣と青い怪獣が復活してしまうという話。で、宇宙考古学のフクヤマ博士がカプセルの年代を推定するのですが、これが「3億5000年前!!」といっている。カプセルと一緒に出た化石からの推定で、そんな昔には古代人(彼らの残した謎の金属板の文字はムー帝国の文字に似ている)はいないはず。しかし、これは宇宙人かなにかでもよしとしましょう。問題は3億5000年前(300005000年前)という推定で、明らかにヘン。「あのビルの高さはおよそ30mだ」と推定する人はいても、「およそ30.0005mだ(30mと0コンマ5ミリだ)」と推定する人はいないわけで。なので「3億5000万年前」の言い間違いだろうと思ったのですが、別シーン(科学特捜隊本部)の会話でもやっぱり3億5000年前といっている。なに考えてたんでしょうねえ? シナリオライターが「万」を間違えて落としたか台本に誤植があったかしたのを、誰もおかしいと思わずに収録してしまったのでしょう。バカですねえ、テレビの制作者や俳優というのは(笑)。両怪獣は「オリンピック競技場」で戦うのだけど、これは千駄ヶ谷の国立競技場(霞ヶ丘)。あのころはそう呼んでいたんですね。どうでもいいけど、確かウルトラマンの身長は40mくらいだったような。競技場と比べてデカすぎ(笑)。サッカーのピッチ長辺は100m以上あるから、トラックの幅を考えれば、身長40mのウルトラマンは3人がタテ1列になって国立競技場に寝っ転がれるはず。でも、全然そんな小ささではなかった
●選挙がらみで書こうと思っていたこと、いくつか。8日の参議院郵政民営化法案採決で、自民党参院議員・世耕弘成の賛成討論は元気があってよかった。対する民主党の反対討論はボソボソと地味すぎ。なんでああなんでしょう。なぜ、もっと説得力のある議員を出してこないのか? すでに選挙は始まっているのだ、という感覚はないのでしょうか?
●続く小泉純一郎の会見や、折に触れてちらほら伝わる発言も、相当程度ポイントを稼ぎました。「サウンドバイト」といいますが、ここ何年か、NHK7時のニュースその他で首相はこうコメントしたというのが、10秒といった短い時間ながら繰り返し流されている。あれがボディブローのように利いています。あの断片的な映像の積み重ねは、コメントの中身にかかわらず小泉支持を増大させる効果があることが、テレビ研究からわかっている。政策がどっこいどっこいなら必ず小泉が勝つ、と断言できるくらいの力がある。それが「テレビ政治」です。マニュフェストなんて関係ない。前回の選挙で誰がマニュフェストなんて読みましたか? 小泉が必死で先手を打ったのだから、民主党はよほどの起死回生策を講じないとまずい。小沢一郎と田中真紀子の歴史的和解、真紀子の民主党入党、「積極的に支援したい政党がない」という田中康夫を三顧の礼で迎えて応援団長に据える、くらいやって風を起こすべきだと思いますがねえ。いまは小泉純一郎の起こした風に巻かれ、右往左往しているようにしか見えない
●郵政民営化反対の自民造反組は、命運が尽きました。もう何をいっても引かれ者の小唄にしか聞こえない。一方、社民党も存亡の危機を迎えたようです。本気で生き残り小泉政権を終わらせたいなら、自ら「民主党・社民派」を選択するのも手。岡田克也が福島瑞穂と意味ありげに会談してみるとか、そんな作戦を立てる人は誰かいないんですかね

08-09
●とりあえず。田中康夫が教えてくれた(転送タイトル「阿呆アホ。」)毎日記事<衆院選>「新党」構想早くも失速? いつでも復帰、身軽に
ほとんど新聞が書かずテレビも伝えないので、各方面からの情報を総合して自民党のいわゆる「造反議員」のモチーフを書いておきます。たぶん田原総一朗あたりも同じ見方では。【綿貫民輔】1998年に小渕恵三の首相就任で平成研究会(前身は田中派番頭の竹下登が派中派として作った経世会。小渕派)会長に就任。その経世会を徹底的に潰した小泉純一郎が何が何でも許せない。赤穂藩を吉良に潰されて仇を討つ大石内蔵助の心境。【亀井静香】2001年自民総裁選で小泉を勝たせるため本選を降りたが、主要大臣ポストを得られなかったどころか人事構想も蚊帳の外、政策も無視された。以来、小泉を「人間として」許せない。【平沼赳夫】国家基本問題同志会以来、亀井が兄貴分(議員として1期先輩)。小泉内閣で経済産業大臣を務めた負い目(亀井への義理)と、ポスト小泉への焦り(中二階全滅の危機)から反小泉を鮮明に。7月31日「サンプロ」で反郵政民営化論ではないと露呈。つまり、以上3人は、郵政改革の中身に文句をいっているのではないと私は思います
●今回の解散は、後見人・森喜朗の「変人以上だな」から「超・変人解散」という呼び方でよろしいのでは。田中康夫によると「パワーハラスメント解散」略して「パワハラ解散」とか。信州・長野県では今日の知事会見がもう文字になっている。これはエライ。共謀罪についてはこちら
●2002年7月9日の郵政関連4法案の衆議院通過のとき、実は「変人解散」の一歩手前までいったという説がある。中川秀直マガジンから。当時、私が「潮」に書いた郵政改革Q&Aはこちら。ちなみに私は小泉純一郎の郵政民営化論には基本的に賛成。98年に私が書いた郵政民営化に触れている原稿はこちら
●民主党の岡田克也代表が「負ければ代表辞任」といったのはよい(次は誰というのが心配ですが)。ただ、「選挙の争点は郵政民営化ではない」といったが、独自の郵政改革はハッキリ打ち出すべきです。郵便関係の労働組合が世襲制の特定郵便局長と手を組んで現状維持だけをいえば、それは抵抗勢力としか見えない。その組合の支持だけに頼れば選挙には勝てない

08-08
●原稿書きほか忙しく更新できず、すみません。田原自選集第4巻の坂本担当原稿出来。新雑誌「オフレコ!」第2巻が俄然おもしろくなってきました。乞うご期待!!
●解散・総選挙が決定。夕方ニュースをちらほら見ていたのですが、ある局は長引く臨時閣議を伝えて「どのような手続きになるか、前例がなくハッキリしない」などとムチャクチャ。いったいどこから情報を取っているのやら。署名しない大臣は罷免されるなんてことは、中学生でも知っていること。私が昼前に書いた通りです。9・11選挙は民主党が「分裂」せず、真の改革派はこちらだと印象づけることができれば勝つでしょう。民主党が自民抵抗勢力と同じで、郵政民営化はじめ構造改革に全部反対と思われれば勝てないでしょう。その選挙のキーパーソンは、党代表の岡田克也、幹事長の仙谷由人、そして小沢一郎だと思います。あと応援団としての田中真紀子と田中康夫。自民側はもちろん小泉純一郎と安倍晋三【以上18時55分記】
●郵政法案・参議院の採決、終わるまで依然として見通せませんが、ここまで来れば日和ったほうの政治生命は終わりですから、双方突っ張って解散・衆議院総選挙になる可能性が高いでしょう。解散の閣議決定に署名しない大臣は罷免されると思います
●ゴタゴタの末の分裂選挙では、自民党は法案反対議員を公認せず対立候補を立てるほか、公明党が法案反対議員への選挙協力をしないので、相当数の自民有力議員が落選する可能性があります。共産党も候補者を絞るので、たとえば前回自民6万・民主5万・共産1万5000票というような選挙区で自民候補が落ちる可能性が大きい。自民党は勝てないのではないかと思います。小沢一郎は一兵卒ではなく大(副)将軍として前面に出て、政権奪取への舵取りをすべきです。ここが小沢の最後のチャンスでしょう。当サイトテレビな人びとに小沢一郎インタビューのページをアップする予定。ついでに田中康夫のも
●サマワ情勢が悪化しており、目が離せません。北朝鮮拉致問題も核のはるか彼方の背景へ。常任理事国入りも夢のまた夢で絶望。こんなときに選挙とは……という声もあるが、選挙をやらなくたってダメなんだから、選挙をやればいい【以上11時50分記】

08-05
●原稿書き、片付けなど

08-04
●3日は京都駅で田原総一朗、田中康夫、平山誠(田中の在東京秘書というかパートナー)、県庁・深井鉄平、琵琶湖塾ニュース「たはら版」編集長の実行委員・森本純代らと落ち合う。JR在来線で2駅先の大津に移動し、タクシー3台で淡海プラザへ。滋賀県副知事・安藤よし子が出迎え
●控え室で、田中康夫はノートパソコンを出し長野と携帯電話であれこれやりとり(「ダメですよ、こんなの。やり直し!!」などと叱正)。田原総一朗は週刊誌の石原慎太郎対談の校正ゲラ読みに没頭。2人がガンガン仕事を始めたためで、スタッフは慌てて全員退室。私は長野のりんごジュース(実行委員が気をつかって出してくれた)をいただきながら進行表などをチェック
●夜7時開講。田原と坂本が出て、田原が「なぜいま田中康夫か」を語り、私も「田中知事はぶっ壊し屋だと見られ、マスコミも盛んにそのように報じている。しかし、長野県で田中さんが、どんな新しいことをやり、いろいろと創っているか。それが今日の講演でわかるはず。そこにご注目を」と一言。で、田中康夫を呼び入れ、パワーポイントを使って40分ほど講演。2人は客席で聞く。おもしろい!! コモンズ(住民)主導で官から民への脱却を図り、ピラミッド型の縦社会をネットワーク型の平面社会に変えていく。天動説から地動説へ転換せよという話
●その後、坂本が進行役で田中―田原―会場のディスカッション。2人ともガンガンしゃべるので、やはり時間が足りない。「質問が二つあります」という人がいたが、あれは次回からはナシにしたほうがいい(質問は一つに限り、二つある人は改めて挙手というルールにすべき)と反省。5分ほど時間をオーバーして終了
●田中康夫は出口のところで名刺を配り、塾生一人ひとりと握手。約400人のほとんどと握手したようです。みんな驚いていたが、私は長野の車座集会で必ずやっていたから、やるだろうと思っていました。引き続き実行委員の車座。田中康夫はチラと顔を出し、一言挨拶して退席。今夜は京都泊とのこと。田原は宿舎に帰り、私は2次会の飲み会へ
●裏琵琶湖塾こと2次会の出席者は、二十数人いたでしょうか。この日、琵琶湖塾実行委員の中核メンバーの一人・上野賢一郎(自治省官僚を辞め、2003年11月衆院選2004年7月参院選に挑戦。国政を目指し活動中)がちょうど誕生日というので、事前打ち合わせにより「坂本さんは何歳?」「昭和33歳。平成に入って年がわかんなくなっちゃった。まあ40代ってのは大変。ところで40代といえば、誰か誕生日の人がいるのでは?」とやらせ問答。クラッカーを鳴らしケーキを出してお祝い。上羽みき枝(実行委員最長老)、駒井久子・駒井千代(どっちかがおっ母さんです)、津田貞次、山村早苗、平柿芙紗子、藤原久美子ほかのみなさんと話す。深夜0時すぎ大津プリンス
●4日は10時フロント集合。琵琶湖博物館を見たいと希望を出していたので、深井鉄平が役所を半日休んで車を出してくれ、実行委員の後藤英夫、山村早苗も付き合ってくださる。夏休みの子どもむけ企画展歩く宝石「オサムシ」(深井はマイマイカブリの帽子をかぶり、巨大でんでん虫模型にかぶりついてマイマイカブリの気持ちになってみたらしい)をのぞいたあと、琵琶湖の自然、人びとの暮らし、水族館などを見て回る。ミュージアムショップで土産を買い、レストランにほのうみで湖の幸天丼を食べ、大津駅へ。3時すぎの京都発新幹線で帰宅
●控え室での田中知事を見て「あんなに仕事するんですねえ」と感心していた実行委員がいましたが、あれだけじゃない。塾生が田中康夫宛に送ったメールを、田中は間違いなくすべて読んでいますよ。さすがにいちいち返事は出さないと思うが、これはという意見については、発信人を伏せて坂本まで転送してくれている

08-03
受信料不払い117万件 NHK予算に影響も(共同サイト)。これは2004年秋からの増加分にすぎません。数えはじめ時点であった不払い120〜130万以上を加えると、不払い・保留は約250万件に達しました
●NHKが公表済みの2004年3月末(2004年度期首)の契約件数は3690万(うち一般家庭3475万世帯、事業所219万件)。3690万−130万−117万=3443万ですから、現時点での受信契約世帯・事業所数が3443万件を越えることはありません。NHK部内の情報などを総合し、現実にはすでに3400万を割り込んでいるだろうと私は見ています。いいですか、日本には事業所が600万あり、ホテル・旅館の客室が150万、病院のテレビ付きベッドが100万もあるのに、事業所の契約(1部屋ごとに徴収する規定)件数が全部で220万しかないのですよ!! 普通の日本人なら「アホらしくて払えるか。カネ儲けしている事業所から取ってくれ」というだろうとは、思いませんか?
●現在のペースは月10万減ですから、現在のようにNHKが何も手を打たなければ、早くて今後3〜4年で3000万契約を割り込むでしょう。橋本元一NHK会長は今年3月15日の衆議院総務委員会に参考人として呼ばれ「今のNHKの状況はどん底というふうな大変厳しい状況だと判断」と答弁しましたが、認識がまったく甘すぎます。3月時点をどん底と見て対策を講じれば、的はずれな後手後手の泥縄策しか出てこない
●退職金支払いの凍結・減額など些末な話で、私は規定通り全額支払えばよいとの考え。NHK受信料を払いたくないというのは視聴者の情緒的な対応です。これに「悪いヤツらの退職金を後で払うかマケさせるかした。だから払って」と情緒的な対応をすべきではありません。視聴者の感情には論理的な行動で応えるべきです。こんな低次元の対応でごまかし続ける限り、受信料問題は解決しません
●本日、琵琶湖塾第2回。午後、田原総一朗、田中康夫と新幹線で京都へ(同じ列車だが席はバラバラ)。7時開講、7時45分まで田中がパワーポイントで講義し、8時半までディスカッション。その後、実行委員車座集会、飲み会というスケジュール。4日は、琵琶湖博物館を視察後に帰る予定

08-02
●原稿書きほか。夕方、GALAC編集部納涼会@新宿三丁目ごまや。小田桐誠(GALAC編集長)、石橋さや夏、入江たのし、岩本太郎、田北康成、谷口和巳、津田浩司、遊佐百佳(以上編集委員)、中島好登(放懇事務局)、久野明(同)、成田勝也(日本印刷)、坂本衛(前GALAC編集長)の12人。ワカメちゃん風(?)に髪を短くして現れた石橋に、みんな「そのほうがいい」「二つは若返った」と勝手なことをいう。肝臓関係でドクターストップだの、歩いて何キロ落としただの、今年初めは物が二重に見えていただの、健康関係の話題多し。高齢者を「シルバー」と呼ぶのはやめ「ゴーギャン」と呼ぶ(そんな名の雑誌が創刊準備中)との話も。放懇関係飲み会は久しぶりでおもしろかった。
8月2日東京にて「特別上映会」開催(綿井健陽)
●そうそう、インターネット規制の話で、昨日田原に話したこと。権力が規制し、特定のサイトに接続できないようにするなら、それはインターネットじゃない。国規模の巨大なLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)と呼ぶべき。規制なんて不可能だから放っておけばよいが、規制しようとしていることには注意を払うべき。ソ連では個人が自由にコピー機を買うことができなかった。ビラを何百枚も印刷できる危険な機械だから。そのような社会は遅れたダメな社会。そのような社会に日本を持っていってはならない。規制論者はソ連や北朝鮮当局と同じで、けっ飛ばすほかない

08-01
●11〜13時、岡本行夫・田原総一朗対談。編集・鈴木雅人と@有楽町・朝日談話室。朝日新聞社刊「生きのびよ、日本!!」文庫化のための対談。補遺として第7章を追加する予定。田原は引き続き「論座」テレビ特集の対談をするというので、相手の小倉智昭に「その節はどうも」(以前GALACワイドショー特集でインタビューした)とご挨拶。同じ号には、坂本もHDD録画・CM飛ばしにつき15枚ほど書きます
●有楽町ビックカメラで買い物。DVD-Rは10+1枚で1180円(松下)のを3つ買う。1枚ずつスリムケース入りでいちばん安いのは10枚880円。私の経験(400枚ほど録画)によれば、純然たる台湾メーカー製は10枚に1枚ほどの割合で書き込み不能品があるが、日本メーカー製は生産地・台湾となっていてもそれはないです。まあ、1枚9800円とかいうレーザーディスクを買っていた昔を思えば、あるいは10本2200円くらいのS-VHSテープを買っていた2〜3年前を思っても、安い!というほかない。PCプリンタのインクは、リサイクル用インク(タンクを再利用して詰め替える)を買ってみる。黒色タンクを4つ4000円弱のところ、1500円で4回詰め替え可とある
●ビックカメラでは液晶・プラズマをガンガン展示中。いま居間にある大画面テレビがイカレたら松下のプラズマ37インチあたりでも買おうかと思っているのだけれど、古いテレビが全然壊れない(壊れないと家人の了解が得られない!)。しばらく売り場で観察すると、みな立ち止まって感心したように眺めるものの、実際に買う人はほとんどいない。30万円以上なんだから当然。ここのような大規模な売り場では、見ているそばから次から次に売れなければ、年間1000万台は売れません。PC売り場で目立った日本メーカーのテレビ(地上デジタル放送)を見ることができる大画面PCも、なんであんな間抜けなものを売ろうとするのか本当に理解しがたい。たぶんテレビのこともパソコンのことも、両方ともわかっていないのでしょう。あれならデルPCと大型ブラウン管ハイビジョンを別々に買ったほうがはるかによい(両方買っておつりがくる価格!)。開発者たちは子どものころ「テレビは近くで見るな」って、親に言われなかったんですかね
●夕方6時すぎから、ANAで再び田原。アスコム高橋克佳、増澤健太郎と自選集・オフレコ!の打ち合わせの後、田原敦子も入っていろいろと話す。永岡議員自殺はどう出るか、衆議院解散になるのか、靖国は?etc. 田原によると永岡議員の自殺が、郵政民営反対派を勢いづけるのか萎《しぼ》ませるのか、永田町ウォッチャーの間でも意見が割れているそう。私は、どちらかといえば萎ませるんじゃないか、という見方。田原が帰ったあと、単行本企画などを小一時間話し9時帰宅
●息子が「議員が自殺? ふざけんな。国会議員が自殺してどうする。バカ野郎、俺の1票返せって話だ」という。まあ、その通り。折しも総務省は、インターネット規制についてのムダな研究会を立ち上げ、自殺を勧めるサイトや爆弾の作り方サイトを削除したいという。一方で、国民の代表たる国会議員がネクタイを手すりに結んで首を吊り、政治家連中が「立派な男だった」とコメントする。テレビは「どうしようもなくなったら自殺もあり」というメッセージを、子どもたちに伝え続けている。自殺を勧めるサイトより、タダで茶の間に入ってくるテレビのほうが影響力ははるかに大きい。自殺を減らしたいなら、このように自殺するヤツはバカだとテレビでいうほかないと思います
●古い資料を読んでいたら、こんな話。いまから70年近く昔の昭和8年(1933年)2月12日、実践女学校専門部の学生松本貴代子が、親友を立会人として伊豆大島・三原山の噴火口に飛び込み自殺した。これを新聞が大きく報道。以後、三原山での自殺者が相次ぎ、5月7日には6名が飛び込んだ。昭和8年の三原山飛び込み自殺者は男804人、女140人。このブームは昭和10年まで続いた。インターネットに自殺サイトがあろうがなかろうが、この国ではそのようなことが起こる。練炭自殺の連鎖反応も同じことで、自殺サイトの隆盛は自殺者を増やす原因ではなく、自殺好きが多い社会の結果にすぎない。70年前から変わらない日本人の心性を(家庭・学校・社会の)教育その他でたたき直すこと、とりあえずマスコミ報道が自殺を批判的に扱い「自殺はバカなこと」というイメージを流布させる以外に、自殺を減らす有効な方法はないでしょう。私は、親子心中の報道は親を殺人容疑者として呼び捨てて報道すべきだ(同時に悩み相談窓口の存在も報道すべきだ)と思っています(たとえば近所からコメントを取るとき「なんで市役所に相談にいかなかったのかしらねえ」といわせる。で「市役所にはこれこれの窓口がある。子育てに悩む若い母親はいつでも相談をといっている」と付け加える。面倒くさがらずに、そこまでやれ。何のために報道という仕事を選んだんだ? 警察発表を仲介するためか?)。なお、私は暴走族を珍走族と呼ぶのも賛成。警察24時だの暴走族との戦いだのというくだらない警察ヨイショ番組は、全然世の中のためになっていません

07-31
●昨日の嵐コンサート、関係者席は南側1階中央のロイヤルボックスで、その1列目だったので、「オヤジ、何でそんないちばん前なワケ?」と始まる前に娘がぷんぷん怒って電話してくる。アリーナの観客席上を透明舞台が(長辺方向に端から端まで)動くのは、私は初めて見ました
●終了後、短いレセプションあり。ジャニーズ白波瀬傑にGALAC10月号表紙(リーダー城島)のお礼。相葉くんとは「関係者席があんな真ん前だとやりにくいでしょ? あそこだけ真っ暗で座ったまま盛り下がってるから」「すんごく恥ずかしいですよね」。二宮くんとは「芝居もドラマもとてもいい」「またまた、そんなあ」「いや、ホントだよ。あなたくらいの年ではピカイチですよ」「じゃ、どんどん書いてください」。大野くんとは「声がいい。歌がうまい」「いや、そんなことないっス。音量が全然わかんないんですよ、聞こえなくて」「サトシです……は、もう1つ2つやってもよかったんじゃない?」「あれしか思いつかなかったんですよぉ」「大宮もいい」「怒られちゃって封印してたんですけどね、2年ぶりに復活しました。また怒られちゃうかな」とかなんとか。小川直也が挨拶し、関東1本締めの要領で「3、2、1、ハッスル、ハッスル、いよーぉっハッスル」とやって締める
●家人・娘と出口でおちあい、渋谷センター街の魚や(=うおや。宇田川町31-9花亭ビル1階。西武A・B館の間の道、V字の分岐で右の東急ハンズ方面へちょっと歩いた左側)まで歩いて、遅い夕食というか飲む。カウンターの中にいるはずの大輔は休み。ここは実に安くてうまい!! 超オススメです。渋谷で飲むときはここに決めました。子ダイ姿造り500円くらい?、いかポタポタ焼350円、いわし丸干し2尾210円、焼はんぺん410円、厚揚げ390円、小アジ開き100円、みそきゅう190円、〆鯖、ニンニク丸揚げetc. 年中無休、午後3時半〜深夜1時。NHK関係もよく来てます

07-30
●7月からリニューアルした日経サイト「IT+PLUS」で月1のコラム連載が始まりました。ぜひ、お読みを。西村博之(ひろゆき)、東浩紀、小林弘人、山形浩生、坂本で回していくらしい
綿井健陽が24日から29日までイラク・サマワを取材。帰国の途についたが8月2日か3日頃に成田着の由。綿井の取材に応じた在サマワのサドル派事務所代表ムハナド・アル・ガラウィ氏は「私たちは、日本人は好きだ。自衛隊を日本の軍隊とはみなしていない。自衛隊はキョイジュミ(小泉)の軍隊であり、米軍の手先だ」と。情宣不足ですよ、キョイジュミ首相!! それにしても外務省の官僚どもは、いったい何をやっているのだ? 綿井サイトにある柔道パフォーマンス他サマワ友好イベントは、あれは外務省の仕事じゃないのか?
●今日6時半、嵐のコンサート@国立代々木競技場第一体育館。私とは別に、家人と娘も行くらしい。嵐のやっているテレビは「孫になります」とかいうのがイイですね。それにしても、バカなフジ民放女子アナに一生を台無しにされたNEWSの若者は、なんとも気の毒

07-29
●遅くなりましたが、岩本太郎から以下の案内(27日受信メール)
みなさまへ
 岩本太郎です。いつもお世話になっております(あるいはごぶさたしております)。
 関東地方では梅雨明け後もすっきりしない天気が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
 さて、本日は新刊書のお知らせです。このほど私が制作をお手伝いさせていただいた書籍が無事完成し、世に出る運びとなりました。さる7月22日に宝島社より発売された『「視聴率男」の発想術』(五味一男 著 定価1600円+税)という作品です。
(長いので大幅に中略
 詳しくは宝島社の公式サイトに新刊案内が載っておりますので御参照ください。すでに街中の大手書店などでも新刊書として店頭に並んでおります(オレンジ色の表紙が目印です)ので、見かけたついでに是非お手にとっていただき、できましたら御購入もいただければ誠に光栄に存じます。何卒宜しくお願い申し上げます。
(後略 全文はこちら
●ひっちゃかめっちゃかな部屋を片付けていると、仏ドキュメンタリー映画「夜と霧」(監督アラン・レネ 脚本ジャン・ケロール 語りミシェル・ブーケ 1955年 32分)のビデオが出てきたので、つい見入ってしまう
何もいうことはない。言葉を失う映像ですから。この映画に記録されたことをやったナチスドイツと組んで、私たちの国・日本が世界の5分の4と戦ったことは、何度でも思い出したほうがよい。とりわけテレビや映画をはじめ映像に関わる人は、見ておくべきです(日大の学生諸君の多くが未見なら、今度見せる)。映画の最後で語られる言葉は、何度聞いても私自身の問題として考えさせられます。以下に引用させてもらいます(どの程度、正確な訳なのかは知りません。字幕スーパーそのままです)。
●「我々の中のだれが戦争を警戒し知らせるのか。次の戦争を防げるのか。いまもカポが将校が密告者が隣にいる。信じる人。信じない人。廃墟の中に死んだ怪物を見つめる我々は、遠ざかる映像の前で希望が回復したふりをする。ある国のある時期の話と言い聞かせ、絶え間ない悲鳴に耳を貸さぬ我々がいる」(仏映画「夜と霧」より)
遠ざかる映像!!――そう、現実のほんの一瞬、一部分だけを切り取った映像は、事実や真実をほんのちょっぴり含む場合がありうる。しかし、その映像は、自分で勝手にどこか遠くに歩いていくのではない。私たちが、放置し、やがて忘れ、映像から遠ざかるのです。NHKの解説委員長だった山室英男は、何年か前のGALACの座談会で「9・11で旅客機がタワーに突っ込む瞬間の映像を、大きく引き延ばし掲げている。それを見ていると……」と語ってくれたことがある。私は「瞬間瞬間に消えていく映像を静止画にして、いつも見えるところにおく。それはテレビのとてもよい見方ですね」と応じました
●蛇足をいくつか。「カポ」とはアウシュビッツなどの収容所で、ドイツ軍が収容者を監督させるために使ったドイツの囚人のこと。脚本のジャン・ケロールはレジスタンスの闘士で収容所経験もある作家・詩人。彼が1945年に書いた「夜と霧の詩篇」が映画の原作といってよいでしょう。なお、この映画は1956年(昭和31年)に輸入が試みられましたが「あまりにも残虐」として税関で止められ、製作7年後の1962年に1分弱のシーンを削除のうえようやく日本公開されました。最近、CSのシネフィル・イマジカでやっているのを見たら、当時の削除シーンはちゃんと入っています

07-28
●この数日間の原稿追い込みが終わりましたので、サイト更新を再開します。失礼しました
●何を書いていたかというと小川和久との共著で、タイトル未定ながら、軍事の常識・ニッポンの非常識てな感じの本。1〜2見開き単位のQ&Aで、何がどうなっているのかをズバズバ解説。第1章自衛隊58p、第2章在日米軍とアメリカ54p、第3章テロとの戦い32p、第4章イラク50p、第5章北朝鮮42p、第6章憲法20p(1p=400字3枚)の後ろのほうを書いてたわけです。9月アスコムから刊行予定
●道路公団の副総裁逮捕だの官製談合だの天下りだのと、いまごろ何いってんでしょうね。当サイト表紙ポンチ絵下の「官」がつくる談合をお読みください。で、国土交通省ルートの官製談合の捜査状況は? 国交省からの天下りは? なぜ新聞テレビは報じないわけ?

07-24
●執筆のため、しばらくサイト更新を停止します。あしからず

07-23
●首都圏で最大震度4(地盤が悪い足立区は震度5)の地震。最低限必要なことをいくつか。
【1】国土交通省は早急に研究PTを立ち上げ、「強い地震のときは、その場で列車を止め、全線の点検が済むまで動かさない」という現行方針を見直すべきです。望ましい新方針は「(a)強い地震のときは、たとえば時速5キロ程度の要注意走行で全列車を最寄り駅まで移動させ、乗客を降ろした後に全停止し点検。(b)さらに強い地震で、明らかに脱線など走行不能の事態が起こっているときは、その場で全停止し、ただちに徒歩で避難開始。(c)要注意走行中に脱線したら、その時点で(b)の措置に移行。」。現行方針だと、今回のような小さな地震でも、条件によっては(暑い日のラッシュアワー時など)車内で死者すら出かねません。現行方針のメリットは(c)の事態が回避できることと思うかもしれないが、それは(b)が顕在化していないというだけの話。緊急停車した列車の真下で、動かすと脱線する状況になっていれば、現行方針でも注意走行中の脱線は回避できない
【資料 24日付の朝日新聞から】 JR東日本や東京メトロは、駅や保線基地などに設けた地震計で揺れを観測。一定の基準を超えた場合、保線員が線路を歩いて被害を確認する「徒歩巡回」が運転再開の条件となる。各線区の地盤の状況や設備の古さなどによって異なるが、今回は、JR東日本は東京支社管内のすべての路線、東京メトロも全線で徒歩巡回が必要だった。
【2】あの程度の地震で列車が2〜3時間以上もその場で止まってしまうなら、首都圏で電車に乗る人はペットボトル小とカロリーメイト(チョコ味のはなんとか食える)と携帯トイレが必須。マグライト・ミニがあるとなお安心(私は常時カバンに入れている)
【3】エレベータ閉じ込めも極めて問題。首都直下型では火災対応が優先され、管理会社の点検要員も現場にたどり着けないから、1〜2日以上の閉じ込めが多発する。震度4以上で停止どこでも停止などというマヌケな設定は行政指導で禁止し、どんな震度でも(初期微動中に)最寄り階で停止・ドアを開けるという設定に早急に改めるべきです。ワイヤがはずれて落下という事故が起こるかどうか知らないが、はずれるときは、動いていても止まっていてもはずれるのでは? ※この項は後から訂正 震度1や2でも必ず止まってしまい、管理会社が来ないと復旧できないのであれば、これまた大問題なので。「停止するときは必ず最寄り階で止める」という条件だけを義務づけ、その制御ができないエレベータは停止させるべきではない。その場合は乗客が全階のボタンを手動で押す。エレベータによって地震の際の動き方が異なるのは困るから、わかりやすいシール(地震の際どう動くか、乗っていたらどうすべきか)を貼ることにすれば? 巨大地震では停電・電話輻輳・道路遮断などで管理会社の機能が失われるから、乗っている人が何とかするしかない
【資料 24日付の朝日新聞から】 都内のエレベーター管理会社によると、地震から10分後ぐらいから電話が鳴り始め、すぐに回線がパンクした。担当者は「全社員フル稼働で点検に向かっているが、翌朝までかかるのではないか」と語った。
 別の管理会社によると、一般的に各メーカーでは、震度4程度の揺れで停止するように設定されているという。「閉じこめが起きたことは、今後の検討課題としたい」と話した。
【資料 坂本が執筆中の危機管理都市推進会議の報告書(9月下旬に公表予定)から抜粋】 中央防災会議の専門調査会がまとめた首都直下型地震による被害想定の項目別詳細は、次の通りである。主として「東京湾北部」地震の想定を記し、必要に応じて「都心西部」地震の想定を補った。(※注 阪神・淡路大震災級の想定です。念のため。関東大震災タイプの地震はたぶんあと100〜200年は起こらないが、首都直下型はいつ起こっても不思議はないとされています。政府の地震調査研究推進本部・地震調査委員会は2004年8月、「南関東直下でM6.7〜7.2の地震が、10年以内に発生する確率30%程度、30年以内に発生する確率70%程度、50年以内に発生する確率90%程度」との長期評価を発表。つまり、首都・東京は、近い将来、必ず巨大地震に襲われます)
【人的被害】 午後6時に風速15メートルという最悪の想定で死者1万1000人。「都心西部」の場合は死者1万3000人。
【建物被害】 冬の強風下の夕方という最悪の想定で建物の全壊・焼失が約85万棟。
【避難者】 震度5弱以上に達するとされる地域の人口3680万人のうち、地震から1日後に540万〜700万人の避難者が発生。うち避難所での生活者は350万〜460万人、残りは親戚宅などへ。1か月後に断水が95%復旧したとしても、150万〜270万人が避難所生活を強いられる。うち家屋被害を理由とする者が120万〜240万人。
【帰宅困難者】 正午に発生した場合、都内で390万人、1都3県で650万人が、勤め先などから帰宅できない。
【ライフライン】 地震直後(1日後)の断水が最大340万戸(1100万人に影響)、停電が160万戸、ガス停止が120万戸、固定電話の不通回線数が110万。復旧は停電が数日だが、上水道は1か月、ガスは2か月近くかかると見込まれる。
【交通】 首都圏の高速道路は耐震補強が済んでおり落橋・倒壊などの大被害はなく、亀裂など中小被害700件。一般道路は大被害70件、中小被害が480件。鉄道は高架下 を店舗に利用する箇所の耐震補強が遅れ、JRや私鉄などで大被害30か所、中小被害780か所。1071ある岸壁は約480が被害を受ける。羽田空港は液状化によって滑走路の一部が使用不能になる恐れがある。
【細い街路】 倒壊した周辺家屋の倒れ込みで幅13m未満の狭い道路では通行支障が起こる。世田谷区、江戸川区、墨田区などをはじめ、環状6、7、8号線にかけて広く分布する老朽木造密集市街地で閉塞が発生し、通行やライフラインの応急復旧活動に支障が出る。
【交通被害による死傷者】 朝8時のラッシュ時、脱線などによって新幹線100人、在来線や地下鉄200人の合計300人(「都心西部」の場合は400人)、道路では落橋など20 人、ハンドル操作ミスで10人の計30人が死亡。負傷者は全体で1万3000人。
【地下街・ターミナル駅】 新宿地下街で群衆殺到事故が起こった場合は死者40人、負傷者900人。震度6強前後になるターミナル駅は新宿、池袋、上野、東京、品川、渋谷で、午前8時の発生想定では死者10人、負傷者420人。
【中高層ビルのエレベーター】 利用がピーク時の停止エレベーター基数は、住宅内が約18万(1500人が閉じ込められる)、事務所内が約12万(同じく1万1000人)。
【石油コンビナート】 千葉県市原市では漏えい約120施設、破損約1500施設。神奈川県川崎市では漏えい約70施設、破損約870施設。いずれも出火は少ない。
【直接的な経済被害】 住宅、企業、家財、償却資産、在庫資産などの直接被害は35兆〜61.9兆円、ライフライン施設0.6兆〜1.1兆円、交通施設3.1兆円、河川施設0.2兆円、その他公共土木施設0.4兆円で、合計66.7兆円。
【間接的な経済被害】 人流・物流など道路・鉄道網の寸断による影響額は、1か月で5.0兆円、3か月で5.5兆円、6か月で6.2兆円。経済被害の波及は東京都13.2兆円、東京都以外の国内25.2兆円、海外0.6兆円の合計39.0兆円。合計45.2億円。前項の数字と加えれば、直接被害と間接被害の合計は112兆円に達する。
●ヒトは3日食わなくても死なない。まずは地震直後に生きていること(家や家具その他の下敷きにならず、避難できる自由な身を確保すること)。そして断じて火を出さないこと(近所の火は、小さいうちによってたかってとにかく消すこと)。阪神・淡路級では消防は来ないと思うべき。あとは何とかなります。3日間は何の救援も来ないと思い、自力で生き残らなければなりません

07-22
●10時40分〜日大授業。前期最終日でA試験を実施。事前にテーマを告知し、持ち込み・下書きなど一切可で800字の小論文を書かせる。初めに諸注意(タテ書きにせよ、番号と名前をこの位置にかけetc.)をデカデカとカラー(白・赤・黄)で板書。それでもその通りにできない愚か者が何人かいる。ウザい!!
●提出後は帰ってよい試験だから、終わりのほうは人数が少なくなる。前のほうに座って監督していたら、通りがかった兼高聖雄助教授(前GALAC副編集長)が戸を開け「何してるの?」。何してるじゃない、試験中だ。邪魔だ!! 「あっ、そうか。なんかつまんなそうにしてるからさあ」 余計なお世話だっ!!
●後期の終わりまでに、放送特殊研究Vブログを作り、それに書き込ませるようにしようかと思ったりする。コメント欄で学生同士が議論したり、勝手に評価を書き込ませたりしてもいい。うまくつかえば、学校に行かずにインターネット授業もできるわけです
●神楽坂の阿波踊り初日。並木文が「つくど連」で踊るというので見にいく。響で夕食後、花豊をのぞくと、津久戸の校長・副校長・教員何人かがいて、一緒に缶チューハイをご馳走になる。小寺良典・良子(旧下川良子)一家、ジェンヌの息子タカオほか、懐かしい面々とも遭遇

07-21
Google Earthをダウンロードしたら、これはとてもスゴイ!! 宇宙飛行士の気分で、丸い地球を眺める。そこからぐぉおーーんとズームしていって、なんと私の自宅のルーフバルコニーがハッキリ見える!! バルコニーの真ん中に黒い部分があり、人影っぽかったりもする(だとすればたぶん私)。航空写真を撮る日時がわかっていたら、家族で大の字に寝て映ったでしょう。なにしろ横断歩道の白い段々の数がハッキリ数えられるし、渡っている人影もわかる。高度200ftの設定で、うちがタバコの箱の大きさに表示される(ここまで拡大するとかなりボケボケ)。なお、東京の写真はかなり古いです(警視庁の隣の合同庁舎が立ち上がっていない頃)。全世界を粗っぽい衛星写真、特定の地域を詳細な衛星写真、大都市をさらに詳細な航空写真でツギハギしています。クルマ1台1台を識別できるような詳細写真は、日本では東京ほか一部地域だけなのが残念
●ここ1〜2年に買ったパソコン(Windows、P4、メモリ0.5〜1GB以上)でないとしんどそうですが、とにかくオススメです。ナイル河岸のピラミッド、パリの凱旋門、バチカン宮殿など見事。新宿の放懇事務所から自宅まで、直線距離で何m、歩く道筋を角角で曲がりながら線を引いて計何mなんてこともわかる。空からの眺めを横に寝かして3Dで空中散歩もできる。3Dでヒマラヤやグランドキャニオンを見てください。これがタダとは、いやはやどうも……。昔、小学館のサイトにあったものの高機能全世界版
●国土地理院も国土交通省もよい写真を100万枚単位でもっているはずですが、その使い方を知らず、宝の持ち腐れ。閲覧サイトにいくと著作権がどうたらと文字ばかり並び(本来、国民の財産であるものを著作権を楯にガメても、何の得にもならないと思うが)、肝心の操作性がものすごく悪い。ホント、恥ずかしい話です
●日経朝刊に地上デジタルを光ファイバー(インターネット)でとの総務省の泥縄策。田中康夫からメールで知らせてきたので、「地方放送局が鉄塔を建てるコストを、視聴者が光ファイバーを自宅まで引き入れるコストで代替するという視聴者への負担押しつけ策」との趣旨を書き送る。すると、「阿呆アホな喪・無能省の付け焼き刃的新たな税金の無駄遣いに関する本県の見解をHPにアップしましょう」と返事。ちょっと忙しいので月末以降に
●原稿書き

07-20
●原稿書き
●いささか旧聞に属しますが、未見の方はどうぞ。グーグルマップ。全世界の地図(必ずしもどこでも詳細なものが用意されているわけではない。米英日は詳細な地図あり)と衛星写真を、瞬時に切り替えながら見ることができ、ぐわーんと拡大可。北朝鮮、バクダッド、スマトラ、カイロ周辺など見てみましたが、いまいち解像度が低い(ぐわーんと拡大すると、ここから先は画像がないとの表示)。ニューヨークのグラウンド・ゼロや自由の女神は、ハッキリ見えます

07-19
●昨日の東京新聞に『ほおずき市』露天商お断り/神楽坂『暴力団の資金源になる可能性』の記事。コメントしている助六の石井要吉は、私の前の津久戸小PTA会長。漱石(市谷小卒)の「坊っちゃん」に毘沙門の縁日で鯉を釣ったと思ったら逃げられたと、赤シャツに語る場面がある。釣りに行ってゴルキだ、あの岩の上にマドンナを立たせたい、ターナーだって部分の直前ね。今年の第34回神楽坂まつりは20日(水)〜23日(土)。20〜21日がほおずき市で、22〜23日の夜が東京でいちばん早い阿波おどり大会。ぜひお出かけを
●それにしても、警視庁牛込署が「公道を使う祭りに、暴力団の資金源となる可能性がある露天商に出店させていいのか」と商店会に指摘というが、暴力団の資金源とならない可能性がある露天商の出店を一律に排除してよいのか? 警察関係者は、暴力団の資金源となる可能性があるパチンコ屋に、大挙して天下っているではないか。何しろ警視庁牛込署(大昔、正力松太郎がいた)は先日、夜遅く友だちの家かなんかで勉強後、歩いて帰る途中の私の息子(高3の受験生)を「補導」し、携帯番号まで書かせ、その後、少年係がうちに電話してきて「11時半以降の未成年の外出は禁止されている」とか、バカなことをいっていた(脅しのつもりか、今回は学校には知らせないでおくともいっていた)。「そんな決まりがどこにあるか? 根拠を示せ」といったら、すぐには答えられないといい、電話をかけ直してきて、警察法、警察官職務執行法、少年法などをえんえんと提示。「だから、それらのどこに、何時以降外出禁止と書いてあるわけ?」と聞くと、「警視庁が警察署に下ろしてくる指示文書(警察の部内資料)に、11時半〜午前4時に街を歩いている若者は声かけせよとある。これが補導した根拠。法的にそのような決まりがあると誤解を与えた点は謝罪する」といった(以上、1時間弱の長電話)。この声かけが、すなわち「街頭補導」(警察に連れていかなくても補導で、警察に少年の詳細なデータが蓄積され、場合によりノルマを1件クリアと数える。これを集計して「補導される少年が多い」→「少年は悪くなっている」→「テレビのせい」なんて、愚劣な話になる)
●だから、個人情報保護法がどうの住基ネットがどうのといっている人びとは、まったく脳天気だ、と私は思います。警察はそんな法律とは関係なしに、個人情報なんかいくらでも集められるし、実際に集めている(息子は「眠かったし、面倒だから携帯番号を書いた。いざとなれば番号を変えりゃあいい」といっていたが、書くのを拒否し黙秘でもすれば、それだけで引っ張られたかも)。まったくふざけた世の中になってきたもんです。「忍び寄る警察国家」というが、忍び寄ってなんかいない、ズカズカと足音を立てて近寄ってきている。そういえば、高3の息子宛に自衛隊東京地方連絡部豊島出張所から自衛隊の採用説明会の案内が来ていました。「うちの住所と息子の名とその学年」という個人情報セットを、防衛庁・自衛隊はどこで収集したんだか。都立高だから東京都からかも(都庁詰め記者は取材したら?)
●夕6時半〜、ビアードにいた野村礼、久野明と@かわうち。GALACで6年間くらいお世話になり、御礼のご馳走をするといっていたのがようやく果たせた

07-18
●赤尾晃一の日記がブログに移行したりするご時世。琵琶湖塾の塾生さんからメールをもらったのをきっかけに、朝ちゃっちゃと琵琶湖塾(裏)ブログ試行版を開設。公式サイトのフォーラム・ページができるまでの間、暫定的に開いておきます。実行委員や塾生のみなさん、あれこれ書き込んで議論したり遊んでください
●昨日は小林道雄と新宿・魚や一丁で飲む。加藤店長に顔を覚えられていたりもする。小林道雄は、ここの「刺身盛り合わせ」や「だし巻き卵」に驚愕。「ほっけ」「茶碗蒸し」なんかも初めて行くと驚くはず。安く飲むには焼酎ボトル+炭酸の注文がオススメ
●昔の子守歌は短調でもの悲しい響きだった。テレビCMに使われる音楽はほとんどすべて長調だ。ならば、テレビに子守が務まると思うか? CMに赤ん坊が強く引きつけられる(赤ん坊はテレビCMで覚醒してしまう)のはなぜかと、どうして放送批評しないんだ?――てな話に始まり、ローレンツだの自閉症だの母子相互作用だのモースだの白拍子だの万葉だのモーツァルトのト短調だの美空ひばりだのと、数時間に及び談論風発。以上とテレビがすべて関連するというのはとても大事な話ですが、どこのテレビ雑誌にも載っておらず、深く考えているメディア研究者を私は知らない

07-17
村山元首相が交通事故 自転車の子どもに衝突(共同速報記事) 元首相に運転手くらいつけないのか、日本国は? あんまり気の毒ではないか
●以下、ほとんど誰にも話したことのないことを書きますが、いま高3と高2の私の息子と娘は、東京・神楽坂の赤城幼稚園に通い始める前、飯田橋駅そば、家から歩いて20分ほどの富士見児童館(の幼児クラブ)に通っていました。そこで、うちの子はK平くんとKちゃんという兄妹と仲良しになり、家内もそのお母さんと仲良しになった。私もお母さんと飯田橋ラムラあたりでお茶したことがあるが、彼女は「父が代議士で、九段の議員宿舎に住んでいる。今度の選挙で引退かなあ」と話していた。本当に苦労ばっかり、という口振りでした。白銀公園で遊んだり、九段の宿舎で夏祭りか何かイベントがあって、うちの子たちも招かれていき、渡辺ミッチー(美智雄)なんかと一緒に写真に収まったりしたもんです
●実はこの、うちの子と仲良しの兄妹のおじいちゃんが、村山富市その人だったのです。それが、ひょんなことで日本国の総理大臣になったので、私は非常に驚いた。うちの子どもたちはテレビで国会の首班指名を見て、「K平くんとKちゃんのおじいちゃんだ!!」と大喜び。村山首相が箱根の遊覧船に孫と一緒に乗るというニュースが流れたときも、友だちが映っているので喜んでいた。お母さん(首相の娘)はなにしろ外遊時などにファーストレディとして付いていった人ですから、取材も頼めばできたでしょうが、孫つながりで首相インタビューてのは格好悪すぎですから、私はそれは一切しませんでした(政治むきの雑誌の仕事でもメインにしていれば、頼んだかもしれないけれども)。阪神・淡路大震災のとき、私は村山富市をトップとする日本政府の対応を批判する記事を書いた(このサイトにも、死者が1000人単位で増えた原因をつくった責任者は首相と兵庫県知事、と書いている)が、頼みごとをしていればトーンを落として書くことになったでしょう
●それはともかく、元首相の娘さんとお孫さんは元気かな。今度のことでも心配でしょうが、相手の子が軽傷ですんでホッとした。81歳で車の運転は、もうやめましょうよ
●夕方、小林道雄と会う予定
新雑誌「オフレコ!」が紀伊國屋POSデータなどで見る限り幸先よいスタート(思想・哲学部門では連日1位)(←思想・哲学書かよ、って疑問はさておき)。広告を打つ前段階で、全国で日に500冊やそこら売れた感じ(経験的には、新宿紀伊國屋で売れた本の数を4〜5倍すると全国の紀伊國屋で売れた本の数[=ここまではPOSによりリアルタイムでわかる]。それを10倍するとだいたい全国の全書店で売れた本の数[=推定]になる、とされている。もちろん少部数の本では新宿で1冊売れりゃ全国で40冊って計算はナンセンス。ある程度以上の部数の本や雑誌の話です)。今朝の朝日新聞に7段広告を打っているので、これでまた動くでしょう。早ければ来週中に増刷か

07-16
●月尾嘉男が「日本崩壊」という本を出したいといい、同名の講演に使ったデータを送ってくれたのですが、これが実におもしろい。人口崩壊、教育崩壊……と「××崩壊」がいっぱいあって、まとめてたしかに「日本崩壊」だ、ヤバイと思わせる。そこで解決策を示すという本(たぶん)。まだ本決まりではないですが
●ところで、アスベストがどうたらと騒ぎになっていますね。私が通った小学校の階段のナナメ天井は、明らかにアスベストでした。よくボールなんかぶつけていたし、箒の柄なんかで押すとへっこんだ。あれはアスベストというもので燃えないんだと、40年前に聞いた。あと理科室に石綿《いしわた》金網というものがあって、クラスに1人必ずむしってるヤツがいた。それと天井は同じものなのだと。アスベスト(石綿)の粉塵が珪肺の原因となる(職業病の一つで当然、死者も出る)なんてことは、何十年も前から知られていることでしょう? なに今ごろ大騒ぎしているんですかね
文京区の除去対策はこちら。なお、中皮腫・じん肺・アスベストセンターサイトによれば「2002年、日本の男性で2000‐2040年の今後40年間の悪性中皮腫の死亡数が10万に達するという、早稲田大学の村山教授の研究が公表された」。年間自殺者3万人の国では、たいした数ではないです。日本国がいち早く支持したイラク戦争のイラク側死者は、2年もたたずに10万を超えていますし。もっとも、石綿製造業の現場社員と、石綿製品を使う建設作業員や塗装工などを10年以上というような長期間勤めた人は、健康被害を受ける恐れがありそう。中でも煙草を吸う人はケタ違いに深刻(死亡率が1ケタ上がる感じ)だが、発症までに40年かかることもあるらしく、あんまりじたばた大騒ぎしても仕方がない。メディアは冷静な報道、改善に向けた前向きな報道をすべきです
●夜、田原が電話してきたが、声でそれとわからず。14日に声を枯らしたところに風邪を引いたという。明日のサンプロは、いつもの声ではないでしょう。テンション上がりすぎたのが、ちょっと心配

07-15
●昨日の田原出版パーティーには多くの方にお出でいただき、本当にありがとうございました。司会の渡辺宜嗣、あれこれ面倒見ていただいた日下雄一・吉成英雄(以上「朝生」の面々)はじめアスコム・スタッフにはお世話になり、ありがとうございます。政界からは安倍晋三、加藤紘一、武部勤、谷垣禎一、平沼赳夫、額賀福志郎、山崎拓、石原伸晃、平沢勝栄、小沢一郎、菅直人、石井一、藤井裕久、仙谷由人、枝野幸男、蓮舫、福島瑞穂、田中康夫ほか。安倍晋三には「田原と一緒にいろいろやっています。今年はじめ、NHK問題でいろいろ書かせてもらった者です」とご挨拶。鈴木宗男にはオフレコ!登場のお礼。辻元清美に「辻元清美と田中康夫のヤスキヨ対談本を作ろうって康夫にいったのは私ですよ。事件でボツになったけど」といい、次号オフレコ!出演交渉。おもしろい話がいろいろあるので、またゆっくり。朝、田原からガラガラ声で電話あり。昨日ものすごいハイテンションでしゃべりまくって、声が枯れている
●10時40分日大授業、15時「論座」副編集長・高橋伸児(9月発売号でテレビ大特集)打ち合わせ@神楽坂ジョナサン、17時福井から上京中の中山裕司と食事@西早稲田かわうち、20時半〜22時45分ジャニーズ城島茂のGALAC表紙撮影・取材@六本木Studio23
●14日の話の続き。だいたいこんな感じでした。会場には田原自選集全5巻、オフレコ!(表紙の特大パネル)、これまでの田原の著作などを展示。まずアスコム社長鈴木憲一が挨拶、続いて発起人・花田紀凱が「自分は還暦すぎに『WiLL』を創刊し、こんなバカはいないと思っていた。ところが田原さんは古稀をすぎて『オフレコ!』を創刊。田原さん、もっともっとバカをやり続けてください」。猪瀬直樹、姜尚中(「田原さんのやることの根底にあるリベラル、これを評価する。いま必要なのはリベラルな保守」との趣旨)が祝辞、田丸美寿々が花束贈呈、ここで田原の御礼の言葉をはさんで、筑紫哲也の音頭で乾杯。テレ朝スタッフの作ったVTR5分を流した後、田原が会場からゲストを呼び出して舞台上で語り合う。安倍晋三、加藤紘一(「宮澤喜一さんという人がいて、田原さんのインタビューがもとで死んだ。死んだといっても政治生命を絶たれたわけですが。田原さんは日本一危険なキャスター」とかなんとか。←93年の宮澤嘘つき解散のこと)、田中康夫(「ボクは男芸者。ほかからお呼びがかかると、ひょいひょいいっちゃうよ」←最近、フジ報道2001の出演が多い)辻元清美ほか。小沢一郎は指名されたが、ダメダメと笑いながらスタコラ逃げる
●まあ、民主党岡田克也以外の「次の総理候補」は全員来ていたわけで、朝日新聞はこんな記事。民主党は、面倒くさがらずに来たほうがPRになると思うんですがねえ、こういうときは。念のため書いておくと、政治家は全員ちゃんと会費を払って来ています(というよりお祝いを包む人が多い)。あと、私は始まる前、控え室で田原に鈴木宗男と辻元清美を一緒に舞台に上げちゃえばと提案したが、そりゃおもしろいけど、さすがにまずかろうと却下
●田原の娘たち3人や、事務所の古賀さと子(子ども時代は川田姉妹、小鳩くるみ、安田姉妹などと並ぶ有名な童謡歌手。村上節子の妹さん。十数年来、電話で話しているが、初めてお会いした)も喜んでくれてなにより。田原敦子(田原の長女)は、連れていった高3の息子を見てビックリ(生まれたてのとき病院に来てだっこしてくれて以来、18年ぶりなもので)。敦ちゃんも私が初めて会ったときは高校生だったと思うが、いまは立派な二児の母でオバサン
●15日「毎日新聞」夕刊にワイドショーの企画記事「視角アングル 戦後60年 ワイドショー」が載っており、私もチラとコメントしています

07-14
●10時40分〜11時10分民主党筆頭副代表・石井一。バックアップ都市構想(NEMIC報告書)の件で打ち合わせ@永田町
●石井一に政局の見通しをたずねると「これは誰にもわからない。衆議院で郵政法案は、3日前まで楽に通ると見られていたが、前日にバタバタ動いて5票差に詰まった。参議院でどうなるかもギリギリまでわからんね。参院議員は大人しく気持ちを露わにしないが、心の中は梅雨空のごとくハッキリせずに揺れ動く。法案を否決された場合、何もしないのか内閣総辞職か衆議院解散かも、小泉の腹の中」という。田原総一朗は勝負あった、参議院で可決成立するとの見方だがと聞くと、「どちらかといえば、私もそれに近いがねえ。というのは13年前われわれも青票ぶつけて反対したわけだが、今の連中に党を割ったり政変を起こす覚悟はなく、それを避けようとしている。新党も辞さないなんていうのは口だけだな。公明党が選挙には絶対反対しておるし」。いま選挙やったら民主党は勝つでしょうというと、「相当いけると見ている」。
●16時半〜17時半「GALAC」CS特集取材でスカパー!社長・重村一@渋谷クロスタワー。中島好登、カメラ黒川公人と
●終了予定時間を大幅に超過し、非常におもしろいインタビュー。8月6日発売号をお読みください。重村がフジテレビ編成局長・取締役からJスカイB(これとパーフェクTVが合併してスカパーに)副社長になったとき、私は「後にフジテレビ社長になるべき人物だ、フジはいずれ本体に戻すのだろう」と思いました(ずいぶん長くそう思っていた)。もはやそれはない、どこかの時点でスカパーに骨を埋める覚悟をしたのかもしれないが、それでも重村は、民放経営者の中で(ということは、NHKがあんな体たらくだから、日本の全テレビ経営者の中で)もっとも志高く、放送に何が必要かがわかっているピカイチの経営者であると思います。重村一がフジ社長だったら、ホリエモン事件はあんなみっともない結果にはならなかったはずだと、私は思っています。大急ぎでタクシーを拾い中島、黒川とANAへ
●18時すぎ@ANA地下プロミネンス「田原総一朗自選集出版記念パーティー」(開場19時、会は19時半〜21時半)。発起人は、青木康晋(「週刊朝日」編集長)、岡部ひとみ(講談社)、木佐貫治彦(中央公論新社)、岸井成格(毎日新聞社)、日下雄一(テレビ朝日「朝まで生テレビ」統括P)、坂本隆(小学館)、坂本衛(ジャーナリスト)、笹本弘一(文藝春秋)、白石泰稔(PHP研究所)、鈴木憲一(アスコム・発起人代表)、高野孟(インサイダー)、高橋明男(講談社)、高橋克佳(アスコム)、竹内明彦(小学館)、立林昭彦(文藝春秋)、長坂嘉昭(プレジデント社)、西原賢太郎(潮出版社)、花田紀凱(「WiLL」編集長)、早野透(朝日新聞社)、水口義朗(元「婦人公論」編集長)、宮一穂(中央公論新社)、吉田慎一(朝日新聞社)、渡瀬昌彦(講談社)
●自選集第1巻とオフレコ!創刊号がお土産に付きます(会費壱万円でお土産代が4200円以上という大赤字の珍しい会)。出席者は400人以上で、アスコム総出で対応。坂本は始まるまで報道受付のあたりにいます。自選集/オフレコ!(ともにアスコム高橋克佳のチームと坂本でやった)を取材されたい方はお声をおかけください。田原の奥さんがいないことが誠に残念です

07-13
●今日、明日と徳島県で全国知事会議が開かれ、41府県の知事と6都道県の副知事らが参加し、国・地方財政の三位一体改革への対応などを議論しています。この中で田中康夫・長野県知事が、地上デジタルテレビ放送の問題点について発言。2011年アナログ放送停止の実現可能性に強い疑義を呈し、総務省の「省策」にとどまっている「国策」を批判。民放地方局やCATVのデジタル化で地方自治体に過剰な負担が押しつけられかねないとして、全国の知事たちに注意を喚起しました。長野県サイトで全国知事会議における田中知事の発言を聞くことができます
●長野県の見解「地上デジタルテレビ放送開始にかかる問題点(その2)」というペーパーと一緒に、私が執筆した「放送レポート」195号(2005年7月号)の「地上デジタル放送・まだこれだけの疑問」のコピーも知事たちに配布したようです
●オフレコ!見本誌が届きました。創刊号としては、なかなかの出来。ぜひお読みください
●深夜、田原が電話してきて30分ほど。「周囲の何人かにオフレコ!を見せたら非常に評判がいい」と。あと田「何で日テレ・フジはネットをやるの? 儲かる?」坂「あれは放送とネットの融合じゃない。儲かりません」とか田「東京キーがスポット料金を5%上げた。あおりを食って地方は大変」とか田「若い映像作家が評論家みたいになってるのが心配」坂「思い当たる節はある。たしかに映像で勝負しないと」とか田「市民って言葉はダメだ」坂「おっ、それ日経サイトに書くつもりでいました」とか。今日は、けっこう話が合った

07-12
田原総一朗責任編集・新雑誌「オフレコ!」のページをup。新雑誌の表紙をご覧ください。ここまでやらせるかって、おもしろい表紙でしょ。発売は14日です。よろしくお願いします
琵琶湖塾のページもup。同塾の実行委員のみなさんは、ぜひご覧ください

07-11
●きのうの日曜は父・坂本文雄の墓参り。11時半、新横浜の貴雲寺。父の妹の豊田愛子、坂本八重子、母、兄、息子を除くうちの3人で、新横浜プリンス地下の胡弓にて昼食。実家によって庭の木の枝を払うなどして帰宅。夕食は娘を除く3人で新宿まで出て魚や一丁。夜9時、3人で「イノセント」。ホント10年ぶりにマミーこと高田まさしの歌を聴いた。サランヘ日朝歌詞交換バージョンを歌うと、マミーは「釜山港へ帰れ」。あと、マイフェアレディから「I could have danced all night!!」、ムスタキの「時は過ぎ行く」(日本では金子由香利が歌っている)ほか。旧イノセント(新宿二丁目、仲通りから路地を入ったところにあった)は6年、今の場所に移って20年というからマミーも歳を取ったが、歌は衰えず(昔はリサイタルをやったりレコードを出したりしてた)
●最近は「彼」に会いにフィリピンのほかタイにも行ってるそうで、家人にはタイシルクのスカーフ、私にはシャツをくれる(これも昔のまま。フィリピンの貝細工のスタンドだのネックレスだのをよくもらったもんです)。息子には「あなた、18歳の男の子はここには来ないわよ。女の子は誰かに連れられて来るけどね。優香なんて来たのも18くらい」とかいって、なにやらごそごそ探し「タイで買ってきたシャツは大きすぎるから、あなたにはこれ。全然使ってないの」とバーバリのバッグをくれた。中古で入手しても、この日の飲み代くらいするだろうと思うんだけど。息子はイノセントのトイレ(古い映画のパンフが全面に飾ってある)や、見せてもらったルードウィッヒの写真集(店名はもちろんヴィスコンティの映画からとった)に大感激。12時帰宅

07-10
●9日は12時50分頃北千住駅についたが、「ミルディスI番館に行きたいのですが?」と誰に聞いても「知らない」「わからない」。丸井の上と教えてくれる人は誰一人なく(掲示も皆無。北千住の駅ビルのサイン計画は、まるでなってない。地元記者によると「以前、シアター1010を丸井の上と紹介記事を書いたら、ミルディスI番館と書き直しを要求された」そう。そりゃ「来るな」といってるようなもんです)、たどり着くまでに15分くらいかかる
●シンポジウムはNHK問題が中心で、NHKエンタープライズの高橋康夫(NHK前会長の海老沢勝二がシマゲジから警戒されエンプラに出されたのと一緒にエンプラ入り)が、NHK関係者としては相当突っ込んだ(少なくとも私は初めて聞く)自局批判。会場にいたマスコミ関係者は産経、朝日、新潮だけだったようですが、なんとももったいない話
●「デジタル時代のNHK懇談会」 委員でもある音好宏(上智大学文学部新聞学科助教授/メディア・ 情報社会論)、朝まで生テレビ統括Pの日下雄一、坂本もまずまず言いたいことをいい、タイミング的にもよい会でした。みながほぼ一致した見解は「NHK改革はまだ全然不十分で、情報公開と広範な議論が必要。残された時間は少なく、NHKが自力で再生できなければ、国が受信料収納に強制力を持たせよと乗り出し取り込まれる怖れも。ここ1〜2年が正念場」というところ
●高橋康夫は三田佳子のだんなさんで、GALACの表紙撮影で自宅にお邪魔したときにもお世話になった。会が終わってそんな昔話も(全マスコミが会えないときにGALACが表紙にできたのは、放懇の当時の専務ジジ、もとい専務理事の嶋田親一が三田佳子の名付け親だったという、つええ味方があったから。ちなみにかつてのフジ名物P嶋田親一が名付け親になった人・ものは3つあって、三田佳子、ゲゲゲの鬼太郎、スタジオアルタの3つらしい。なお、新国劇出身の嶋田によると、国定忠治の「赤城の山も今宵が限り」は間違い。正しくは「今夜が限り」)。日本放送作家協会の市川森一、安達充、三原治はじめスタッフのみなさま、お世話になりありがとうございました
●会場に来ていた岩本太郎、逢坂巌(厳でなく巌です。失礼しました)と和民で飲み11時帰宅。テレビと政治について研究している(この間まで東大総長だった政治学者・佐々木毅の弟子で、国会テレビにもかかわり、いま東大助手)逢坂がいうには「田原総一朗の自選集の次は、サンプロ田原コーナーのアーカイブ化が絶対に必要だ。政治家たちが10年前テレビで何といったか。現代政治研究に必須の資料で、日本の民主主義のためにアーカイブ構築をやらなければならない」と。なるほど。サンプロは800回やそこらある(朝生は200回以上)そうで、1回につきコスト1万としても800万円かかるが、田原がやるといい資金の手当てがつきテレ朝の協力も得られれば、なんとかなるかも。田原が自分の出演部分のビデオを個人的に手元に置きたいといえば、局に拒む理由はないわけで

07-09
●田中康夫から「デジタル化関係、長野県のホームページにアップした」と連絡あり。地上デジタル放送と地方の関係について興味がおありの方はお読みください。総務省がフニャフニャの言い訳(音声を聞くことができます)に終始しています。◆2004年に出荷された地上デジタル対応受信機はたった2割200万では?――1年5か月で400万以上と聞いている。◆徳島はどうなるのか?――CATV再送信で対応。◆2600万世帯のCATVのデジタル化はどうなるか?――各CATVがやる。◆2011年段階で民放が全エリアでデジタル放送を出すのは不可能では?――それをやるのは民放の責務。◆じゃあ、地方自治体にカネを求めないと約束されるのですね?――離島など一部地域ではカネがないからできないかも。◆地方自治体に費用負担を求めないと約束せよ――約束はできないらしいということを、ボソボソした声でぐじゃぐじゃ。光ファイバーでやるとか、ムチャクチャなこともいっている(離島に誰が光ファイバーを引く?)。ダメだ、こりゃ。地方自治体の関係者のみなさん、民放は民放連会長が国と自治体に公的支援を求めると公言しています。民放地方局は、現在放送中の全エリアを2011年までにデジタル電波でカバーすることは、自力では(資金的に)絶対に不可能だからです
●今日はパネルディスカッション「テレビを変えなくちゃ!」(第1部NHK 第2部民放 第3部放送の未来)◆午後1時〜4時◆北千住シアター1010アトリエ会場(千住ミルディスI番館10F)JR・地下鉄北千住駅4番出口◆パネラーは音好宏(上智大学助教授)、坂本衛(ジャーナリスト・前GALAC編集長)、日下雄一(テレ朝/報道局統括プロデューサー)、高橋康夫(NHKエンプラ/エグゼクティブ・プロデューサー)、竹内日出男(脚本家)、香取俊介(同)
●昨夜は7〜10時(9時までの予定が)「噂の真相」岡留安則と田原総一朗の対談@ANAホテル雲海。噂の真相を休刊し沖縄暮らし(執筆、ゴルフ、ダイビング、そして毎夜キャバクラ通いの超優雅な生活。キャバクラの女たちから見た沖縄って本を書くそう)の岡留安則が4月からCS朝日ニュースターで月1番組「ウワサの真相」をスタート。一方の田原は、朝生・サンプロで吼えつつ7月から責任編集長として新雑誌「オフレコ!」をスタート。そこで坂本が進行役を務め、雑誌編集長がテレビをやり、テレビキャスターが雑誌編集長といういわばクロスネット・腸捻転は何? いったいなんで始めたの? というところから、現在のメディアの問題点、オフレコとは何か、取材源秘匿の問題、メディアへの訴訟問題(噂の真相の裁判沙汰は過去40件)、メディア規制、右翼その他の抗議とそれへの対処、雑誌のおもしろさとは、などにつきそれこそ実名と具体例の飛び交うホントのオフレコ話満載で激論怪論快論。テレコを回した時間だけでも2時間半以上。いや、これは実におもしろい。雑誌編集者はじめ業界の方は8月18日売り「サイゾー」を読まれることをオススメします
●むろん岡留は噂の真相で田原をさんざん批判したが、「これは、愛に満ちあふれた批判」(岡留)。田原は「権力との距離を取れという警告と受け取った」と応じる。2人とも田中康夫を極めて高く評価するが、田原「あの日記に書いてたセックスの話、ちょっと誇張があるんじゃないの?」岡留「いや、康夫の彼女を4人集めて座談会をやった。マメでモテますよ、田中は」坂本「歳で最近は…とどっかで聞いたような。あと手術をしましたからね」岡留「そう、今は(彼女は)1人」とかなんとか。その手の話もいっぱい出たが、メディア規制をめぐる話は新聞が全面使って取り上げても全然おかしくない、まっとうな問題提起です。3人とも編集の畠山志穂に「これで6ページ? 少ないよ。8ページくらいなきゃ」と増ページを要求
●昨日は東西線が妙にイカレた日でした。私のところからANAは地下鉄「神楽坂<東西線>飯田橋<南北線>六本木一丁目」が最短。ところが行きは、早稲田駅で人身事故があって不通(止まっているなら掲示を地上の穴の入り口に出せ! わざわざ下まで往復させんでくれ)。慌てて駅前でタクシーを拾い、混んでいたので市ヶ谷で降りて地下鉄に乗った。帰りは、飯田橋まで来たら高田馬場駅で人身事故があってまたも不通。飯田橋駅から20分ほど歩き、11時すぎに帰宅。行きも帰りも地下鉄が止まっているとは、ロンドンじゃあるまいし。なお、田原の物騒な見立てによると「次はサマワか日本、東京だ」。その可能性については、私も午前中の日大授業で「東京はいつ攻撃されても不思議ではない。イラク攻撃の主力部隊は日本から出撃したんだからね。遠く英語も通じないし目立つからやりにくいのと、十字軍にこだわっている連中が欧米とアジアを分けている節はあるが、ただ覚悟だけはしておけ」と話しました。ところが学生たちからはとくに「ええーっ」という反応も、質問も出なかった。わかってんのか?

07-08
●田中康夫からのメールを転載。「今週末10日(日)のフジテレビ「報道2001」(07:30〜09:00)に、石原慎太郎氏と出演します。2人で90分間、日本を語ります。宜しければ御覧下さい」とのこと
●10時40分日大授業
●英ロンドン同時多発テロ。昨夜TBS、けさテレ朝と、小川和久がテレビであれこれ語っていますね。小川和久著「危機と戦う――テロ・災害・戦争にどう立ち向かうか」(新潮社)を強くオススメします。27日までに書き上げる予定の小川和久・坂本の本にも乞うご期待!!

07-07
●6日は京都駅で滋賀県庁企画調整課・瀬古良勝、深井鉄平と合流、10分JRに乗って大津駅から車でピアザ淡海へ。控え室で県知事・國松善次滋賀総研理事長・沢田敏男(京大名誉教授・元京大総長)、常務理事・北村太一郎、県庁企画調整課・辻勝郎、ボランティアの実行委員(植野朱美、上野賢一郎、近藤隆二郎、堤幸一、藤原久美子、森本純代、二宮郁夫ほか。総勢は60人)のみなさんと挨拶。7時沢田理事長の長ーいご挨拶で琵琶湖塾オープン。田原総一朗が40分弱最初の講義(そのうち琵琶湖塾サイトで紹介されるでしょうから、ここでは略)。その後、坂本の進行で会場420人の塾生と質疑応答・討論。最後に田原が登壇を求めた國松知事がスピーチし、8時半すぎ終了。時間が押したこと(会場からまだまだ発言したいという手が挙がったが途中で打ち切り)以外は、初回としては大成功でしょう。塾生はちゃんとメモを取り、みな活発に発言し、納得できない!!と田原にキリキリ問いただす若い女の子(学生さん)もいて、とてもよかった。産経7日朝刊滋賀版に田原写真付きで記事あり
●実行委員との車座集会を10時近くまでやり、田原は宿へ。私は実行委員有志と徒歩10分の二次会会場きてや膳所店へ。深井鉄平によるとこれは「裏琵琶湖塾で、その裏塾長は表の副塾長である坂本」(田原は酒を飲まない)ということだそう。18人しか入れない部屋に、東京での打ち合わせや控え室で会った方々のほか上田紘嗣、池平正治、中山裕司、平柿芙紗子、紅谷昌宏、上羽みき枝はじめ24名のみなさんが参集し、ビールや焼酎を飲みながらあれこれ議論するという趣向。裏塾長からはどうしても会費を取らないというから、ごちそうになる。終了後、タクシーで大津プリンスホテルへ。宿についたのは12時すぎ
●7日朝は、久しぶりにゆっくり。大津プリンスホテル(堤義明は滋賀出身で、つまり近江商人《おうみあきんど》=江商《ごうしょう》。室町以降、近江は京都と北陸・東海を結ぶ商路にあって商人を輩出、伊勢=伊勢商人と並び多くの成功者を出した。これを江戸の連中がやっかみ半分にののしったのが「近江泥棒伊勢乞食」)は琵琶湖のほとりに建つ。泊まったのは35階で眺望もよいが、朝はいまいちもやって向こう岸がよく見えず。11時、文藝春秋(瀬尾泰信、カメラ飯窪敏彦)の田原取材に付き合い、膳所《ぜぜ》城跡公園で撮影。田原はホテルに帰って昼食を取るというので大津駅で別れ、12時20分すぎの京都発新幹線で帰る
●滋賀のみなさん、いろいろとお世話になりありがとうございました。いずれ当サイトにページを作るので、そこに感想そのほか書くことにします。実行委員のみなさん、ご意見あれば、どんどこメールを寄こしてください(すみません、全部には返信できないと思いますが)。新雑誌「オフレコ!」には、車座集会で出たみなさんの疑問に応える記事が載っている。ぜひお読みを。平柿文仙堂さん、ガンガン売ってね(平垣ではなく平柿です。間違い失礼)

07-06
●本日、滋賀県の「琵琶湖塾」開講。3時すぎの新幹線で京都へ。夜7時〜8時半@大津市の琵琶湖のほとりにあるピアザ淡海「ピアザホール」(淡海《おうみ=近江》は、塩を含まない淡水の海、つまり琵琶湖)。田原総一朗が塾長で、私はその手伝いをします。塾生420名は、早々と定員に達し募集を打ち切った(ただし彦根会場分はまだ少し余裕がある)とのこと。滋賀のみなさん、どうぞよろしくお願い致します
●夜には飲み会もあるそうで楽しみ。1泊し、7日は田原が文春の取材で琵琶湖周辺を回るのに同行して、夕方帰る予定
●8日夜、噂の真相・岡留安則と田原の対談(8月18日売り「サイゾー」に掲載予定)に同席。私は昔、噂の真相に書いたことも何度かあり(20枚でたしか4万円と当時にしたってバカ安の原稿料)、ゴールデン街で早川和廣(阿含宗や幸福の科学について、日本でもっともまともな本や原稿を書いた先輩ライター。私の恩人の一人)あたりと一緒に飲んだりしたもんです。20年近くも前ですが
●9日は第4回メディアのゴジラ講座 パネルディスカッション「テレビを変えなくちゃ!」(第1部NHK 第2部民放 第3部放送の未来)◆9日(土)午後1時〜4時◆北千住シアター1010アトリエ会場(千住ミルディスI番館10F)JR・地下鉄北千住駅4番出口◆パネラーは音好宏(上智大学助教授)、坂本衛(ジャーナリスト・前GALAC編集長)、日下雄一(テレ朝/報道局統括プロデューサー)、高橋康夫(NHKエンプラ/エグゼクティブ・プロデューサー)、竹内日出男(脚本家)、香取俊介(脚本家)◆主催は日本放送作家協会事前の申し込みが必要らしいです。電話03-3401-5996またはFAX03-3408-7411までどうぞ。このサイトのイベントだよりもご参照)

07-05
●放送リンク集に逢坂巌を追加。90年代政治マップはたいへんな力作で、テレビと政治を考える際にも非常に参考になります。情報満載で、全画面表示にすると見やすいとかいってるが、ウソつけっていうくらいてんこ盛り
●郵政法案が衆院通過。当サイトには小泉純一郎インタビューのページもあったりする。現首相がかつて語った郵政民営化論が読めます
三洋が国内工場2割閉鎖 社員も1万人超削減(共同サイト) この写真は、この会社が悪いけど「終わってる」ことを見事に示しています(今年、共同が配信したもっとも出来のよい写真の一つ)。昔ゴルフ中継番組なんかでレポートしてた女性「ジャーナリスト」から首切りを言い渡される1万人超は、さぞや無念でしょう。よくこんな冗談みたいな会社が続くもんだと感心します。自社製品を何十万だか買わされてクビって社員は、買い戻し要求訴訟でもしたら? 当欄01-30の記事もご参照
●中断していた仕事、連絡など
●夕5時半〜8時@ANAビジネスセンター、田原、アスコム高橋克佳以下スタッフと新雑誌「オフレコ!」最終チェック。他雑誌ぶっちぎりのムチャクチャすごい表紙(高橋いわく)出来。以下、サイト読者に特別サービスで新雑誌の概要を公開
《タイトル》田原総一朗★責任編集 ニッポンのカラクリを解き明かす!! 新雑誌「オフレコ!」
《コンセプト》◆責任編集長・田原総一朗が、記事の企画立案から、ゲストや執筆者の選定、個々の記事の読み方解説まで「全部やる」本邦初めてにして唯一の雑誌。日本に、若者たちに贈る田原渾身のメッセージ。◆「正義」なんていらない。ひたすら「おもしろさ」を追求。◆既存の新聞・雑誌・テレビが伝えないカラクリ、あるいは表層しか伝えない建前ニュースの背後にあるカラクリ(真相、本音、本質、裏側)をキッチリ伝え、マスコミが流布する「世の常識」をひっくり返し、叩き壊す。◆これ1冊読めば日本が、ニュースがわかる。政治、経済、社会のカラクリがわかる。よく見聞きするのに、なんだかよくわからない「素朴な疑問」にズバリ答える。◆田原総一朗がキーパーソンにスポットを当て、これからの人物(書き手も含めて)を発掘。◆絵解き(図解)や写真を駆使して、わかりやすい。
《想定読者層》20代〜40代男。バリバリ仕事をしている、しなければならない連中
《仕様》A5判並製、248ページ、カバーなし、無線とじ
《価格》税込み780円(←アスコム、勝負にいってます。広告を入れず248ページで、これはものすごく安い設定)
《初版部数》3〜5万部程度?(←まだ確定していない)
《発行》アスコム(2005年7月14日刊行)
《主な内容》◆巻頭カラーグラビア◆田原総一朗の創刊宣言◆独占スクープ!渡邉恒雄「靖国問題、妻の介護、巨人軍会長」◆対談「中国論争戦」小林よしのり◆「国家にハメめられた男」佐藤優+鈴木宗男◆非常識!オフレコ匿名座談会総力62ページ(司会=田原+匿名ジャーナリスト5名)関連レポート6本+図解多数つき◆4コママンガ「田原総一朗の漫デープロジェクト」◆ワシントン発ジャパンウォッチャー匿名座談会◆マンガ「いのちの食べ方」◆田原インタビュー堀江貴文◆プロ野球記者匿名座談会◆田原総一朗の編集後記 ほかてんこ盛り
●これ、ハッキリいっておもしろいです。ぜひ買ってお読みください。これを読めば、たとえば全新聞の安保理常任理事国入りに関する記事が、アホらしくて読めなくなること必定

07-04
●原稿書き
●田原からの伝言「こういうことをドーンといいたいんだ、ってのを(坂本経由で)寄こしてくれ、そしたら出すって、いっといて」だそう。あと、地上デジタル放送について全国知事会のうち32道県はまとまって総務省・NHK・民放連などに要望書を出しているが、これに入っていない15都府県のうち大都市圏と長野・新潟を除く県の放送局は、それぞれ地元でどういう対応を取ってよいのか(県庁をたずねていって大丈夫なものか)わからず、心配しているそう。10余りの県は、何か考えがあって抜けたのか、何もわかっていないのか、よくわからない(放送界では後者だという説が根強い)
●そうそう、昨日の書き忘れ。田中康夫からの伝言「田原センセに『最近とんとお座敷がかからないじゃぁない。また呼んでね』っていっといて。男芸者は、ほかからお呼ばれしたらひょいひょい行っちゃうよ」とかなんとか。「次は、前いってた神楽坂の焼き肉屋さんに行こう」ともいってたんで、理清蘭さん、よろしくね(安田はそう伝えておいてくれ)

07-03
●朝5時半までアスコム。帰宅し少し寝て、昼過ぎから再び麹町アスコム。「新雑誌オフレコ!」の初校戻し作業。なお10枚ほど、最後の原稿が残っている
2時半、3時半、長野県知事・田中康夫がアスコムに来る。小一時間、地上デジタル放送と地方自治体の話。昨年のテレビ出荷は200万対800万で地上デジタル非対応が多く、当面この比率の逆転は無理で、2011年アナログ停波は絶望。地方民放は自力で末端までのデジタル化ができない(全世帯のおよそ2割が住むエリアのデジタル投資約1700億円が、そのエリア内の弱小放送局だけでは負担できない)見通し。そこで民放は、国の補助と地方自治体の資金拠出(公的資金投入)、つまり国民・住民の税金投入を求める。自治体は住民のためにどのようなことを考えるべきか。また推進者である総務省に何を求めていくべきか、などにつき小一時間。6日16時半から、全国知事会の情報化推進部会で総務省担当者が来て議論するそうなので
●2011年までに達成できないとわかっている計画に、自治体が「できる」といって住民の税金を投入することは住民への裏切り行為(2011年時点で確実に約束違反となる行為)であるから、自治体としては慎重な見極めが必要。まずは、現行計画達成への国・総務省の見通しを問う(「絶対に大丈夫、できる」という言質《げんち》を取る)べき(この後におよんで、そんなウソは付かないだろうけど)。その際、1億2000万台のテレビをあと6年で地上デジタル対応に置き換えるために国が考えている具体的な方策、テレビの6割を占める小型テレビについての普及見通し、2600万とされるCATV視聴世帯のデジタル化の方策、総務省だけが突出し財務省・経済産業省その他(たとえば数千万台のテレビのゴミ処理が必要だから環境省もかかわるべき)が何もしない国の足並みの乱れの解消策、そもそも放送局側で制作費を削り(収入が同じなのにデジタル投資が必要だから制作費は減る)視聴者側でテレビを高画質・横長(ケタが1つ違う高価格製品)に変えてなおテレビの中身が現在よりよいものになる(だから人びとがより幸せになる)と国や全国自治体が信じる根拠などについて、確認(自治体の共通理解)が必要でしょう
●ようするに全国知事会は、国・総務省に対して、自分のところの都道府県民が被る不便や不利益(とりわけ低所得者層、お年寄り、身障者など弱者への迷惑)、地元の放送局を疲弊させる過剰な投資負担をどうしてくれるのだ?と、問わなければならない。不便や不利益など一切ないというなら、税金を投入する必要もまた、ないわけです。悪いけど税金を投入させてくれというなら、不便や不利益を強いる政策を立てた国の責任を認めてからいえ、というべきです
●田原総一朗自選集第1巻、第2巻の見本出来。立派なもんです。7月12日発売

07-02
●昼過ぎ田原から電話。深夜のテレビ朝日「朝まで生テレビ」について、いささか興奮気味にあれこれ。私は原稿が忙しくチラとしか見ていないが、いつもの激論はなく、先の戦争に行った軍人たち13人(みな80歳以上)が「朝まで生証言」をした。彼らの「朝まで生遺言」でもあった(録画だけど)。ギャラクシー選奨委員で見逃した方は、VTRを取り寄せてじっくり見ることをお勧めします。原発、部落、天皇問題などと並ぶ「朝生」の、そして田原総一朗のテレビにおける仕事の一つの到達点だろう(これが生のテレビの力であり、怖さでもあろう)と思います。出演者をよく探し出しよく説得した「朝まで生テレビ」スタッフに敬意を表します。できれば本にしたいと思っています
●深夜までアスコムにいます

07-01
●10時40分日大授業。前期は7月8日、15日(1回休んだ分の補講)、22日(最終回)とあと3回ある。22日には小論文(テーマは15日に発表)を書いてもらうのでよろしく
●「雑誌オフレコ」の詰めの原稿がありてんてこ舞い。小川和久からは「どうなってる?」と怒りの電話。ひたすら「すみません。今の山を越したらすぐ……」と平身低頭するのみ。本当に各方面申し訳ありません。日経さんもちょっと待って
●今日7時〜本田聖嗣ピアノリサイタル〜馥郁たるパリの香りIV〜浜離宮朝日コンサートホール。曲目はラヴェル/ソナチネ、リスト/メフィスト・ワルツ第1番、モンポウ/「歌と踊り」より、ドビュッシー/前奏曲集第2ほか。おめでとう!! 誠に残念だが行けず、ピアノをやっている姪っ子と義姉に代わりに行ってもらう。ごめん!! 【姪っ子の感想】ありがとうございましたっっっ☆★本田さんの手がめちゃ見えてベンキョーになりました■(■=音符マーク)ハルカは本田さんの演奏好きなので、また機会があれば是非教えて(下)さぃ!!!!今ハルカは7/10と7/21のコンクールに向けて頑張ってますo( ̄皿 ̄)Oとっっても暑いですが元気に夏を乗り切りましょぉ↑↑でゎでゎ本当にありがとうございました!!さょぅならぁ。【その母】リストのメフィストワルツがすごかった。手の良く見える席だったのですごくよかったです。前の柵にかじりついて観ていました。楽しかったです
●上向き矢印2つの意味がわからん。2日午後2時以降、3日とアスコムに詰めて校正作業を予定
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2003-05-25
●リニューアル版運用開始。リニューアル終了まで2〜3か月かかる見込み。旧版は残します
2002-04-11
●ホームページ試験運用開始。キリがないので、未校正ありのまま見切り発車しました。あしからず
●この欄、文中敬称略ってことでよろしく願います