メディアとつきあうツール  更新:2004-10-27
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

日録メモ風の更新情報(坂本衛)
2004年7月〜9月

2004年7月〜9月の更新情報

09-30
●小川和久との単行本、1章分から入稿開始

09-29
●台風被害がひどいようで心配です。ネットで読んでいたら中日新聞にこんな解説?。「<時間雨量> 1時間当たりの雨量で、30−49ミリでバケツをひっくり返したように、50−79ミリで滝に打たれているように感じる。80ミリ以上になると、息苦しさや恐怖を覚えるとされ、車のワイパーを最速にしても前が見えない状態になるという」。よくこんなのを新聞に載せますねえ。バケツをひっくり返すと、普通は1秒当たり300ミリくらいの水が降るのでは? 私は時間数十ミリの豪雨を経験したことがあるが、温泉にある作り物の滝にすら打たれているようには感じなかった(本物の自然の滝には打たれたことがない)。滝にも華厳の滝だのビクトリアの滝だのいろいろありますが、はて、どれのことやら。滝に打たれると明らかに息をしにくいから、解説によれば50-79ミリで「息をしにくいように感じる」はずですが、80ミリ以上でも「息苦しさを覚える」という。なんのこっちゃ。同じじゃん。そもそも、1時間49ミリの雨と1時間50ミリの雨の印象が違うってヤツの顔が見たいわ。書いた新聞記者は違いがわかるとでも? 一見もっともらしくワイパー速度の話も出てくるが、車の速度(フロントガラスに横から当たる雨量は20キロと100キロで5倍違う)の話をしてないから無意味
●昼、放懇・中島好登とジャニーズ記者会見@ウエスティンホテル。明朝フジ「めざまし」「とくダネ!」あたりでやるネタ。司会の笠井信輔と立ち話。ライオンでカキフライ。帰り、厚生年金にオギジジイを見舞うと、響・愛ちゃんに遭遇。それ以外ずっと原稿書き。近頃この欄、読みでがなく申し訳ないことです

09-28
●原稿書き

09-27
●原稿書き。夜「政治とメディア」研究会(草野厚、碓井広義、土井系祐、慶応大研究者・院生らがメンバー)の講師@PHP東京本部。テーマは「テレビ批判」。さまざまな批判があるが、「テレビ・システムの原理」を踏まえたうえで、そのメディア特性を撃つ批判こそ本質的なもの。とりわけ、そのシステムの半分を「視聴者・大衆が初めから担う」(テレビ局と視聴者側が共同してつくる)点をきちんと理解していないことに起因する問題が大きい。内容面でいえば、娯楽部門は視聴者・大衆に必要なものとテレビ局の提供するものにズレを生じにくいが、報道部門は大きくズレる。だから、娯楽部門に問題は少ないが、報道部門には問題が多い。具体的には……という話

09-26
極めて信頼できる筋からの情報。楽天で決まり。三木谷社長はナベツネ、オリックス宮内らにパ・リーグ再生案を提案。説得に成功し、彼らの了解を得て仙台に乗り込んだ。ライブドアはTシャツ姿がまずく警戒され(ナベツネを怒らせ)、楽天は大人だった。(「楽天1球団はJリーグや大リーグを参考にうまくやれるかもしれないが、パ・リーグ全体の状況は変わらないのでは?」との坂本質問に情報通いわく)全体の底上げもいけるのではないか。少なくともナベツネや宮内はいけると判断した
村岡元長官を在宅起訴 1億献金隠しで東京地検。「政治の時間」が終わり、夕方・夜ニュースがない日曜日の昼過ぎに発表という、諸先生方への温かい気遣い。野中元幹事長は関与を認定しつつ起訴猶予の情けなさ。東京地検特捜部も落ちぶれたものです
●ちょっとおもしろい読売記事。縄文系は秋、弥生は春に濃い?日本人の精子に2タイプ。ふーん
●原稿書き

09-25
●原稿書き

09-24
●今日、日大「放送特殊研究V」後期第1回授業です。学生諸君に教えたメールアドレスの調子が悪い。必要あるときは当面、このサイトに載せているアドレス宛に。江古田校舎に行ったら、正門がないのと、K助教授が太っていたのに驚いた。原稿書き

09-23
●原稿書き
豊島新聞の記者からメールをいただく。豊島区が官民あげて新タワー誘致中。そもそもの地上放送デジタル化やタワーの必要性について総務省などに取材を重ねても腑に落ちる理由が見いだせなかったが、当サイトでかなり納得できたとの趣旨
●関東では600m級のタワーがなければ話にならないとされています。空き地だらけのお台場あたりではと思っても、羽田の空域に引っかかってダメ。横田の空域も問題。適当な場所は限られるが、大雑把にいって東京23区の北のほうは問題が少ない。豊島の構想では高層ビルの上に塔が突き出る形を検討中らしい。候補地の所有者・使用者が了解していない、将来のオフィス需要(供給過剰が進むと見られる)との兼ね合い、タワー機能とビル機能を両立させる難しさ(二兎を追ってどちらも中途半端になる心配)、この経済状況下に出資者を集める困難など、課題は少なくなさそう

09-22
イチローってのはスゴイ男。ホント感心します。ところでイチローがファーストベースを駆け抜ける映像を見て、いつも思うのは、1塁にヘッドスライディングするヤツは馬鹿だということ。高校野球でよく見るが、オリンピック日本代表戦でも見た。高校野球の監督たちが、なぜあんな馬鹿なプレーを許すのか、私は理解に苦しみます。明らかにスピードが落ちてアウトになる可能性が高くなるし、ファースト後逸時に立ち上がる手間がかかって進塁できる可能性が低くなる。「望みないけど、一応頑張っている姿を見せておきますんで」という格好つけ以外、何の意味もない最低プレー。で、あの格好つけは高校野球の精神に合致するのか?

09-21
●イラク情勢について09-13本欄に「首都、それも米軍管理区域近くで市街戦、地方では空爆・砲撃というのは、駐留米軍による治安維持が破綻しつつある証拠かも。首都で武装勢力がうろつき、地方都市では地上から近づけないわけですから」と書きましたが、どうやらその通りのようです。10万人規模が必要とされ、9万人いたイラク警察は、離脱により4万人割れ。この数では主要都市の主要エリアしか警備できない(天皇即位式や東京サミットなど、都心に警官が多数配置されているときで3万といった数。日本全体では22万人)。イラク軍が持っていた弾薬は見つかった量より見つかっていない量のほうが多い。イラク警察4万と13〜14万の英米兵・傭兵・その他ではイラク全土の掌握は無理で、点と線の確保しかできない。それで1月選挙って、スンニ・トライアングルでどう選挙をやるのか。来年3月にはサマワからオランダ軍が撤退。自衛隊駐留延長というが、英米軍に来てもらわず族長のみなさんにカネをつかませるのが、いちばん安全かも。でも、そういうのって復興支援?

09-20
●昨19日は午後4時〜TOKIO10周年ライブツアー・ファイナル@武道館に顔出し。なかなかおもしろかった。少年隊、KinKi Kidsらもビデオメッセージを寄せ、風船飛ばしのときはV6イノッチや嵐が乱入。アンコールのアンコール後「本日は終了」の館内放送にもめげずファンが「本当の恋をするなら、相手は僕しかいない」(LOVE YOU ONLY)と歌い続け、国分太一号泣。城島、松岡、長瀬も涙。ファンがハッピーバースデーを大合唱し、7時半すぎようやく終了。その後に囲み取材。ジャニーズ白波瀬傑にはGALAC表紙の御礼など。9時すぎ帰宅。大音量でオジサンは深夜横になっても耳がキーン

09-19
●昨晩8時すぎ、日米地位協定の解説記事を書き上げ、家人と神楽坂へ出てみる。もう神輿はおしまい。赤城神社境内や周辺では、息子や娘の同級生がデカくなってたむろ。隆貴、ケイジロー、リョウ、ミキ、ミヒ、シブとか。谷合校長(5キロ太った)以下笹川、水谷など牛込三中教師軍団も「中学生早く帰れ」のおせっかいパトロール中。じぇんぬ、愛ちゃん、和美、そのおっかさんにも遭遇。軽く夕食後、花豊の店先で缶チューハイをご馳走に。花豊ママとオヤジ、三上夫妻、カオちゃんとダンナ、琴、日暮夫妻、ナベ、奥村ウグイス嬢ほか。堀全子女史や案山子ママも通る。まあ、いろんな人に会うのでおもしろい街。今日は何年ぶりか知らないが赤城神社の大神輿が出る。昔一度かついだが、ホントに重い神輿
●東西線・神楽坂駅赤城下口出口を出て通りを少し左に行った「竹ちゃん」で10月7日19:30〜22:00、九代雷門助六の落語と神田京子の講談あり。2500円でフリードリンク+つまみ一品以上頼むべし(看板見たののウロ覚えなんで、間違っていたら、黒川玲子か誰か訂正よろしくのこと)。当サイトにある神田京子ほかの日大時代の研究。
●MSF臼井律郎からメール。「戦争を支持した理由も、自衛隊を送った根拠や状況も、いまやまったく無と化してしまったのに、戦争支持を今からでも取り下げようとか、自衛隊を帰そうとか、どうして大きな声でいう人がいないのでしょうか。右とか左とかの問題ではなく、現実認識の問題だろうと思いますが」。そう。しかし参院選の前だったか、イラクに関心あり4%とかいう世論調査があって、ちょっと手の打ちようがないと感じたことを思い出します。
●「イラクへの自衛隊派遣も経済支援も、もともとの根拠は”戦後復興支援”です。”戦前復興支援”とか、”戦中復興支援”というのはない。もし戦中に軍隊を送れば、”戦中軍事支援”に決まってます」「イラクに関しては、最初から”復興支援”と、”戦後”を落としてごまかしている。それで頭に”人道”をつけて”イラク人道復興支援云々”とかいう、意味不明の名前の法律まで作って無理やり出かけたわけです。でも、いまが戦後でなくまだ戦争をしていることは、ブッシュでさえ認めています。”戦中復興支援”している日本の皆さん、頭は大丈夫でしょうか
●「アナンの発言については、ちょっと感じ方が違う。前のガリさんが、アメリカの圧力でとうとうやめさせられたように、国連にとってアメリカに喧嘩を売るのはよっぽどのことです。何とかアメリカとヨーロッパと、途上国と、その他の国々の間でバランスを取りながら、仕事をするのが事務総長の役割です。彼に建前論や筋論を求めている人はいないと思います。本当の政治家の仕事が求められている」「彼が前からイラク侵攻に反対だったのは周知の事実で、以前から何とかこの言葉を引き出そうとした会見は山ほどある。今回、BBCを相手に選んであえて言ったのは、彼の自発意思だと思います」「これに反応した政府は、現在までブッシュ政権だけで、ヨーロッパも、アフリカも、報道された範囲では全部沈黙しています。いや、オーストラリアのハワードがなんか一回だけ言った。ブレアは反応していないと思います(坂本注:英外務省は何かいった)。日本の反応はご存知の通り。下手に何か言って巻き込まれたくないからでしょうが、世界の大部分の政治家の内心はもちろん、”アナンさん良くぞ言ってくれた”です。イラク侵攻・統治が失敗だったことがこれだけはっきりして、しかもアメリカが選挙を前にますます強気で世界をかき回しそうなのを、ここで一発強く牽制する発言です。失言などではないと思う」
●そう、坂本も失言とは思わず、政治的発言だと思う。だが、それにしては、いまごろポロッと言いさしのような感じでいうのが違うんじゃないか、もっと理論的に詰めるとか根回ししてからいうべき重大発言じゃないのかと思うんだけれども。「スベッた」は口がスベッたという意味でなく、空回りっぽく詰めが甘いのではという意味。というのは国連決議(何号と何号って忘れたが、どっかに書いたのがある)違反で制裁という手続き論の部分は、国連憲章の精神や原理原則違反とはいえるだろうが、一概に不備で違法とはいえないんじゃないかと思うので。パウエルはアナンに会うといっているから、その手続き論を説明して、あと何か脅すんだろう。そのとき大丈夫なのか、という感じがするわけ
●ところでブッシュは17日、「フセインには大量破壊兵器を造る能力があった。仮に存在しないことがわかっていても同じ決定をしただろう」と選挙遊説先のノースカロライナ州シャーロットで発言。こら、ちょっと待て。存在しないことがわかったら、戦争するんじゃない。誰かこの猿を止めろ。オヤジの恨みだか何だか知らないが、とにかくサダムのイラクをやっつける予定だったとは、正直すぎる。だが、オウム教団ですら粗悪品ながらサリンを造ることができた。いまどき大量破壊兵器を造る能力がない国のほうが珍しい。だから、ブッシュ発言は「どんな国であれ、気にくわないヤツは戦争する」といっているのと同じだ。もちろん、そんな阿呆な主張は受け入れられない。まったく、これが世界最大の国の大統領とは(この項、初出から一部書き換え)

09-18
●今日と明日、牛込の総鎮守「赤城神社」秋の例大祭。わっ、原稿が……
●長崎小6少女カッター殺人は、つまり「精神障害ではない」が「鍵のかかる施設に2年ブチ込む」と。少年審判の決定への疑問を羅列すれば、少女の精神鑑定の有効性に議論の余地あり(赤ん坊の精神鑑定は無効だろうから、大人の精神鑑定が有効ならば、子どもの年齢のどこかに有効・無効の境目がある。少女は境目のどっち側? 精神鑑定の結果、少女はある部分が著しく未熟という結論だが、赤ん坊の精神鑑定は未熟だからこそ無効なはず)。おおよそどういう少女かはわかったが、なぜ殺したのかが依然として不明(決定は少女の性格・性向についてあれこれ書き、やがて殺すに至ったといってるだけ。「聴覚的な情報より視覚的な情報のほうが処理しやすい」から会話によるコミュニケーションが不器用なんていうが、じゃあ聴覚障害の子はそうでない子より友だちを殺す確率が高いとでも?)。どうすればそんな少女ができあがるのか、同じような少女ならやっぱり殺すのかもわからない(生来的に少女のような性格の子を両親が放っておくと、本当に殺人者になるのか?)。友だち・家族・教師などとの人間関係の中で殺したのに、その関係性の分析がない。わからないことだらけのまま2年隔離するのでは、同様の事件の防止には役立たず、殺した少女も自立できないでしょう
●それでも、うちの子どもや、親戚や近所の子のだれそれが、あのように友だちを殺すことはないと、大部分の親は思うでしょう。私もそう思っています。どうすりゃいいか。基本はできるだけ自然に、ということは猿やキツネ(ライオンでもオオカミでもいい)の子どものように育てることでしょう。連中は同族を殺さないが、子どものときはじゃれ合い取っ組み合い噛みついたりしてる。連中の親は、「母親学級」なんて通ってないのに必死に子どもの面倒を見て、「義務教育」すら受けていないのに子どもがある程度育つと自分の縄張りから追い出す。私は「ソロモンの指輪」でコンラート・ローレンツが絶対おススメというので、ハムスターを飼ったことがあります。子どもが5cmくらいに成長した頃、部屋で放しておくと、出会いがしら親が子どもに本気で噛みつくので、とても感心しました。当たり前ですが、携帯、テレビ、PC、自動車、核ミサイル、学校、会社、銀行、政府なんてものは、自然ではない人工のもの。で、人間は周囲のものを限りなく人工にすることで、よりよい存在になろうとする。それはよいが、真ん中にいる人間だけは、周囲が人工になればなるほど自然に戻したほうがいいと、私は思います

09-17
●米国務長官パウエル「大量破壊兵器はなかった。今後も見つからないだろう」(13日議会証言)。国連事務総長アナン「アメリカは国連憲章違反。二度と起こすべきでない」(15日BBC会見)。いずれも新聞・テレビの扱いが極めて小さい。イケイケどんどんだった2003年春の紙面・画面に比べて。メディア報道をも撃つ発言なのですが。前者については、日本政府は官房長官や外務省が「本当に言ったのか」「詳細に発言内容を検討」「クルド人に化学兵器を使ったのは事実」など、トボけた反応。私はバカな戦争だったと思いますが、輪をかけて日本政府が愚かだと思うのは、「大量破壊兵器の有無」という自ら検証不能な領域に踏み込んで戦争の理由づけをしたこと。「国としての自らの立ち位置」を見失い舞い上がったことは、深刻に見つめなおさなければなりません。後者については、ちょっとスベった無責任発言と見えます。どこが国連憲章違反で、事務総長がなんで国連憲章違反を今まで放置していたのか、説明すべき
●プロ野球スト突入。牛耳るジジイたちのあまりのお粗末ぶりに、ライブドアや楽天が「白馬に乗った王子様」に見えているが、彼らに何をまかせられるのか、プロ野球に何が必要なのかをもっと冷静に検討が必要では。選手も「一方的な被害者」に見えているが、本当にそうか。「選手に共感」という新橋駅頭サラリーマンの声もわかるが、近鉄やロッテのサラリーマンの声も聞いたほうがいい。ただ、古田敦也の頑張りはイイ。古田を獲得したほうが次の政権を取るかも、とすら思うほど(笑)

09-16
●坂本がコメントした日刊ゲンダイ記事。ま、コメントてのは「記者のもの」と思ってますので何もいわないが、「放送ジャーナリスト」って肩書きがちょっと。そう名乗ったことはかつて1度もなく、別に放送専門でもないので、次回からは「放送に詳しいジャーナリスト」ってことでお願いしたいかな、と。掲載紙の送付もよろしく。峯ちゃんにもよろしく
●おととい岩崎貞明と会ったときに出た電磁波の話。当サイト「疑え」の趣旨に適《かな》うので触れておきます。私は電磁波問題研究グループのシンポジウムに呼ばれたことがありますが、彼らの心配はわかると思うこともある。高圧電線の下の家や、窓を開けると電柱のトランスが目の前にある二階家なんかは、私もヤバそうだ、ちょっと住みたくないぜと思います。携帯電話をテレビの脇に置くと着信時に画面が乱れるから、それなりのパワーがかかっていることは確か。一方、「?」と思うことも。シンポジウムの打ち上げで、ある人が「皇太子妃の帯状疱疹は地上デジタル電波のせいだ。発症と本放送の始まった12月が一致する」といったときは、「試験電波は夏から出てましたよ」とはいいませんでした。座がシラケても悪かろうと思って(笑)
●私がいつも妙だと思うのは、電車内の「シルバーシート付近で携帯電話を使うな」というルール。3m四方くらいの携帯禁止エリアが車内に絶対必要なら、なぜ駅に禁止エリアがないのか? 乗り換えで夜遅く地下鉄東西線・九段下駅を端から端まで歩くことがよくありますが、プラットホームではみな2〜3mおきに立って携帯メールを読み書きしている。心臓ペースメーカー装着者でシルバーシートに座る人は、その時間、九段下駅では乗車も下車もできない!! むろんホームだけでなく、幅が車内禁止エリアの一辺(2〜3m)以下しかないエスカレーター、エレベーター、階段、通路はすべて禁止エリアにしなければ、理屈が合わない。車内禁止エリアにたどりつくために、そこを通るかもしれないからです。ところが、そんな場所に「使うな」の表示はない。この状況は明らかに馬鹿げています
●そもそも新幹線なんかが走るのを見ていると、架線から火花をビリビリ飛ばしまくっている。電車というのは場所によっては、足下何十cmのところだか知らないが、強力なモーターがブンブン回っているわけでしょう。そういうものから危ない電磁波が出ないと誰が確認したのかも疑問。携帯電話の電波のせいで亡くなったり倒れた人が何人という統計を、見たことがないのも不思議。ある調査によれば、携帯電話から5cmの距離で誤動作を起こすペースメーカーは124機種中8機種とか。ならば、その8機種を製造中止にするほうが先でしょう、「携帯を使うな」と呼びかけるよりも。で、誰か製造中止にしたのか?
埼玉医科大学第二内科(心臓病センター)講師・松本万夫は「ペースメーカーを生理食塩水に浸け、22cm以下にまで携帯電話を近づけたところ、設定の変化やペーシングの停止が呼び込まれた。生体では皮膚がシールドになるため、おそらくは体表面から6cm以上離すだけですむが、腕がアンテナの役割を演じる可能性もある。また、満員電車のなかで受信状態の携帯電話を直接、押し付けられるという懸念も払拭できない」という(7年前の話なので改良は相当程度進んでいるはずと思いますが、それはさておき)。ならば、たとえば「他人と30cm以上距離をとれない場所では携帯電話の電源を切れ」という指針を、医療業界・通信業界・電機メーカー・公共交通機関・総務省・厚生労働省・学者・ユーザー代表などが集って決めるのが先。次にそのルールを学校で教える、携帯電話販売店・パンフレット・マニュアルに掲示を義務づける、車内(シルバーシートかどうかを問わず)や駅、エレベータ内ほか人と人が接触しそうな公共の場所に掲示するなどすればよい。そうすれば「シルバーシート付近だけはダメ」などという不合理で情緒的で恣意的な対応は不要。なぜ、そんな実効性があると思われる対応を誰も言い出さず、わけのわからない対応でお茶をにごそうとするのか。ヘンだとは思いませんか?
●ところで、ペースメーカー装着者は20〜30万人らしい。携帯人口は数千万。ならば、小学生まで含む数千万人にルールを厳守させるより、20〜30万個のペースメーカーを誤動作しないものに変えるほうが簡単だし確実でしょう。上記の「30cm以上距離をとれない場所で携帯電源OFF」は過渡的な緊急措置とし、中長期的には今後10年をメドに携帯の電波で誤動作するペースメーカーをゼロにするというような計画が立てられて当然。必要なカネは携帯電話利用者から月10円集めればいい。「携帯電話で殺人者にならないため」「どこでも使えるようにするため」といえば、文句をいうヤツがいるとは思えない。ペースメーカーは10年も立てば交換するだろうから、さっさと始めりゃいいのです。専門医が「体表面から6cm離せばすむ」というなら、素人目にはハンカチ状シールドを胸と背中につけるだけでも有効ではと思えます。それが2枚セットで1万円なら20〜30億円だから、携帯電話会社が負担して年内にタダで配れという話。「携帯を使うな」という話ではない
●「うるさい」からダメなら、話が全然違う。子どもや学生どもやオバちゃんもうるさい。車内アナウンスもうるさい。それに比べたら車内で携帯電話を使う人は、たいていシートから立ってドアのあたりに移動したり、手で口を押さえながら「いま電車に乗っているから」というようなことを話して、すぐに切っている。どうってことはないと私は思います

09-15
●昨日この欄に書いた件で、欧米が一斉にロシア批判。私が不思議でならないのは、日本のマスコミに「とんでもない暴挙だ」という解説記事が出るわけでも、日本国外務大臣が何かコメントを出すわけでもなく、自由民主党や民主党が「抗議」や「懸念」の意思表示をするわけでもない(ロシア連邦が、自分たちが政党名に掲げている「民主」の理念をこれから踏みにじるという方針を掲げたのに、一言もない!!)――ようするにこの国では誰も何の反応も示さないことです。ロイター通信はパウエルの肉声を伝えている。メディアに伝えようという意志が、政治家には言っておかなければならないという意志があることがわかります。そのような不断の意思表示が民主主義に血を通わせていく。「民主」って看板を掲げているだけではダメなのです。小林道雄ホームページ「偏屈庵通信」にも、参考になる記事
●昼すぎ、家人と神楽坂で食事後、津久戸小に顔出し(並木文とおしゃべり)し、厚生年金病院へ。昨日ジジイが入院し、今日手術というのでお見舞い。始まったのが遅かったらしく戻って来ないので、改めて出直すことに
●昨夜は6〜11時@かわうち「放送レポート」編集長・岩崎貞明。NPO・中間法人の話、メディア総研の話、地上デジタル放送、NHK問題、オリンピック報道、電磁波の話など、たいへんおもしろい。12月号あたりで、アナアナ変換の惨状について書くことに。NHKについては、内部の話として「選挙前〜選挙中には各地のNHKに政治家からどこそこで立会演説というような取材要請が頻繁に入り、政治に弱いから受けてしまう(現場はうんざりだが、応じざるをえない)」とか。もっとも頭にきたオリンピック中継はNHKの女子ハンドボール決勝戦(デンマーク対韓国)で、延長の延長の残り2分、韓国リードの場面でいきなり「関東地方のみなさまにはニュース」となり、その後いくら待ってもテロップの1行すら出なかったと。私は、今回は日本選手の活躍がすばらしすぎ、みんな感動のあまり気にとめていないが、テレビ中継は「お粗末」の一言に尽きると思います(来月発売のGALACにちょこっと書いています)
報道する側の「想像力」の欠如でも意見が一致。坂本「小泉がチラと何か感想を述べる。それをニュースがたった10秒かもしれないが毎日流す。その積み重ねが結果的に、小泉純一郎へのシンパシーを増大させている。小泉は日本史上、もっともうまくテレビを利用した政治家だと思う。ところがその10秒を伝える報道側に、それがもたらす結果への『想像力』がない」。岩崎「そう。メディアスクラムでも同じ。各社は、うちは最低限の取材だけと心がけ、これくらいなら許容範囲だろうと考える。しかし、そう思う報道が10社集中したら取材される側はどうなのか、という『想像力』がない」

09-14
ロシア連邦が対テロ名目で中央集権強化、プーチンが地方知事の任命制を提案。朝日新聞によれば「チェチェンや北オセチアを含む21共和国の大統領の直接選挙を廃止したうえ、プーチン大統領が指名する候補者を現地の議会が承認するとした。67の地方・州・自治管区の首長についても同様の方式がとられ、いずれも年内の実現を目指している」といいます。私たちは"世界史の後退"を目の当たりにしていることを自覚すべきだと思います
●中央が地方の首長を選ぶ「官撰知事」は、日本では明治時代から太平洋戦争の敗戦まで続いた制度です。1890年に府県制が敷かれるまで、「知事」は東京・大阪・京都にしかおらず、県の長は「県令」と呼ばれていました。府県制で知事は府県を統轄代表するとされ、同時に修正施行された勅令「地方官官制」によって、知事は天皇に任命される官吏であり、国政事務の執行を責務とする国の普通地方官庁と位置づけられたのです。こうして府県の「国の出先・下部機関」としての機能が確立し、知事は、たとえば府県庁の組織と人事については内務大臣の指揮監督下、各省の所掌事務の執行については主務大臣の指揮監督下に入りました
●その後、敗戦でアメリカが日本に民主主義と地方自治をくれた。彼らは「地方自治は民主主義の学校」といい、新しい制度を日本にもたらしたわけです。GHQ最高司令官マッカーサーが「日本人は12歳の子どものよう」といったのは無理もない。それまでは「天皇の赤子《せきし=赤ん坊》」を自称していたのですから。しかし、日本人が自前でつくった組織や伝統がそう簡単に壊れるはずもなく、自治体警察(地方)の長は警察庁(中央)が決める、県の土木部長は建設省が決めるという制度が今日まで続いています。警察庁、総務省、国土交通省、厚生労働省というのは戦前の内務省が分割された組織であって、「財閥解体」後も「企業グループ」が続くように続いている。三位一体改革もそうですが、ようやくこれから変えていくのです
●ところが、ロシアのウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンは「明治時代の日本に戻す」「民主主義を独裁・強権政治の方向に修正する」といっているのと同じ。日本の戦後史にも「逆コース」といわれた時期があり、引き金になったのは東西冷戦(cold war)や朝鮮戦争(hot war)でした。ロシアの逆コースの引き金は対テロ戦争。歴史は繰り返す、そして恐怖と憎しみの連鎖が世界を覆うという感慨を禁じ得ません
●フジ特ダネ!で紹介していたSgt.Jenkins Return。注目は写真のデカさ!! ついでに米陸軍のTERRORISMページ。B級映画サイト風のブラックなつくりが、恐怖と憎しみを煽る
●午後、文春記者。夕、メディア総合研究所事務局長/放送レポート編集長・岩崎貞明@かわうち

09-13
「交渉すれば逮捕」と警告 北オセチア大統領が明かす(共同記事)。学校占拠事件でテロリストどもとの交渉を妨害したのはロシア軍との、確度の高い情報。テロリストどもが最初から学童たちを皆殺しにするつもりなら、ただ爆発させればよいわけで、人質としたのは何か言いたいことがあったのでしょう。「人命は地球より思い」「粘り強く交渉」など日本の人質事件と同じ感覚で報道すると間違えるという絶好の見本です
●イラクのバグダッド中心部や近郊でイラク側死者100人以上。旧軍出身者らで組織されたファルージャ旅団は一部が武装勢力に合流するなどして解散。そのファルージャでの死者は空爆や砲撃によると。首都、それも米軍管理区域近くで市街戦、地方では空爆・砲撃というのは、駐留米軍による治安維持が破綻しつつある証拠かも。首都で武装勢力がうろつき、地方都市では地上から近づけないわけですから。もっとも共同電はAPやロイターからの又聞きが含まれており、情報が少なすぎてハッキリしたことはいえません。明日、日本の新聞に載る記事が「又聞きの又聞き」というのもすごいけれども
●久びさの更新情報。テレビ資料集に放送お騒が史1960〜1969(64年まで)をup。テレビをめぐって40年前にどんな事件が起こったかですが、今と変わり映えがしないなと思います。とりわけテレビの青少年有害論とメディア規制については、まるで進歩がない。さらにぎゃらく式放送未来図をup。GALACに掲載したデジタル放送総まくりのさわりです。開けているのはバラ色の未来? 灰色の未来? もうひとつテレビ論に「何をなすべきか」を伝えよをup
●文春がNHK問題をさらに追いかけています。明日、記者と会うことに
●創・篠田博之から「NHKやりたいんだけど」と電話。「単行本で身動きとれない」といいつつ、どんなやり方があるかについて話す。「週刊文春・新潮と同じことをやっても」というから「そう。タレ込みもあってのことで、現場のグジャグジャした不祥事を後追いしてもしょうがない。ただ、一連の不祥事、隠蔽・内向き体質、会長絶対化といった問題を踏まえつつ、やや大所高所から現在と今後のNHKのあり方を考えるという座談会は、成り立つのでは」と。たとえば、関連団体を入れて1兆円コンツェルンNHKの暴走気味の商業主義・拡大主義。インターネットや24時間ニュースはじめ「全部やる」ことの是非。それらと受信料の関係。潤沢な受信料あっての地上デジタル放送の牽引車としての振るまいと、地方デジタル化で協力を得る都合上対NHKで強く出ることができない民放の構図。ようするにデジタル化や多メディア多チャンネル化で、放送とは何かが問われるのと同様、「あまねく普及」や「受信料」の意味合いが変わってきており、NHKのアイデンティティーが問われている。そこはどうなんだというのは、考えてよい話

09-12
Googleニュース日本版――9月1日からスタート。「610サイトからの最新ニュースを収集・検索」が謳い文句。610は最初にいっていた数と違い、転載拒否などで減ったのでしょう。たとえば毎日新聞の記事は出てきません。新聞の論調やデータの違いを見るには、そこそこ便利。「スーダン」「ダルフール」でニュース検索してみるのも一興。US版のジェンキンス軍曹関連はこんな感じ
●09-04欄のMSF(国境なき医師団)がいう「公平」についてJAPAN副会長・臼井律郎から補足。「正確に書くと、”Non-discrimination"と”Proportionality"です。前者はいいのだけれど、後者は日本語がちょっと分かりにくいので、この間のように”一番やばいところから助けに行く”などと言っています。実際は、”必要度に見合ったバランスのとれた援助”くらいの意味で、マスコミの公平に当てはめるには原義のほうがいいかなと思いました。重要な事件ほど多くの紙面を割く、くらいの意味になるから。これの極端な状態が、何をおいても一番やばいところへ行く、となるわけです」
前者は「差別せず」、後者は「均衡、調和、つり合い、バランス」ですね。MSFの定義も一つの考え方。この種の理念的な問題は「政治的な公平が大切」という抽象的な標語のレベルにとどまっていては何の指針にもならないから、その意味は噛み砕いていえばなんなのだ、実際にはどんな状況でどうなるのだと、具体的に議論することが大事。テレビでいえば、均衡やバランスというが、3党の代表を出すとき時間配分が1対4対9ならいいのか、1時間ニュースの冒頭と後半では同じ時間を割いても視聴者に伝わる程度が違うのでは、といった問題が次から次へと生じる。3党代表を3日に分けて出しても、曜日やどんな裏番組があるかでバランスは崩れる。国会の議席数に基づき自民党は3分、民主党は2分、社民党は15秒ですとやれば、弱小政党は内容のあることを何もしゃべれないかもしれない(←数字はいい加減)。理念のレベル、現場への指針のレベル、現場での運用のレベルで、要求されるものは異なるし、クソ忙しい現場はそんなの面倒みきれんというのも事実。だから、それぞれのレベルでおよその了解をまとめ、「不公平じゃないか」「差別だ」と突っ込まれたとき、いちいち反論できる体制をつくっておくことが必要でしょう。なにしろ「不公平じゃないか」という側は、恣意的に(あるときは番組内だけでバランスが悪い、別のときはここ1週間見ているとバランスが悪い、また別のときにはこの出演者はバランスが悪いetc.)イチャモンをつけてくるからです。いずれにせよ、文句をいわれたとき、何もなかったことにする態度がいちばん悪い。「こんな抗議を受けたが、報道局はこう考える」とインターネットで情報公開し、視聴者の判断を仰ぐようなことを、もっと考えていいと思います

09-11
●学校行かず働かず52万人、2004年版労働経済白書について20代後半女性フリーライターからメール。「求職活動してない人どころか、バイトでちゃんと仕事してる人でも、問題みたい。何回か前の選挙運動中に、『不登校、少年犯罪、フリーター増加といった青少年に関する社会問題を解決したい』とか言ってる政治家がいました。そのとき私は「おいおい、少年犯罪もフリーターも同列かよ」と思ったわけなのです。今の経済状況で、本人が望んでもないフリーターまでみんな社員にするって、大変な話ですよ。そんなことはできないし、逆にそういう人たちがいてくれるからこそ、商売成り立ってる会社なんていっぱいあるわけで、何にもわかってなし。そういうこと言う人は、社会勉強のため一緒にアルバイトでもするといい。社員でなくとも責任感をもってちゃんとやってるバイトさんたちがたくさんいることを、わかってから発言しないと。そういう人たちの保障を考えなければ、というならわかるのですが、まるで『腐ったミカン』扱いです。若者は、身を粉にして朝から晩まで働き、運動などもして、できればオリンピックかノーベル賞などをめざし、爽やかでないといけない。球団のオーナーは、老舗企業の人格的にも立派な、いつもスーツ着てる信用に足る人間でないといけない。本当に、バカなことばっかり言ってるエライ人、多いです」
●9.11から丸3年の感想を一言。WTC崩壊の死者は、整然とした避難と勇敢な救助活動の賜物でしょう、当初見込みより少なく2900人弱だった。その後の米英のアフガン攻撃による民間人の死者は優に3000人を超え、アフガニスタンが親米民主国に変貌したわけではない。恐怖と憎しみの連鎖は、どこかで止めなければならない。「文明の衝突」という見方があるが、私はそうは思わず、これは「文明内の衝突」「教典の民・原理主義同士の衝突」だと思います。彼らの文明外にいる「非教典の民」「非原理主義者」には、彼らと違う考え方や立ち回り方がある。私たちはそれを貫くべきです。アフガンでは医師の中村哲が活動を続けている。こういう人にこそ国民栄誉賞を出すべきだといつも思っています。なお、まだの方は【鼎談】米テロ事件・戦争突入をテレビはどう伝えたか戦争と報道「テレビ10の陥穽」をご一読願いたく
●昨晩、日刊ゲンダイ岩瀬耕太郎記者から電話。NHKが冬ソナの第2弾だか第何弾だかをBSでやる件でコメント。田原もNHKはどうなってるのかというので30分ほど解説。別にどこかに書くわけではないようですけど
●昨夕、臼井が「今朝(10日朝)の世界のマスコミのトップ記事はパウエルの『ダルフールではGenocideが行われ、今も起こっているようだ(genocide has been committed in Darfur…and genocide may still be occurring)』発言」だと教えてくれました。Guardian Unlimitedall Africa.ComAlJazeera
●「国連やMSFやヨーロッパの多くのメディアはスーダンの状況を”世界最悪の人道危機”と呼んでいて、一部の人権団体やメディアは”人道に対する罪”と言います。Human Rights Watchなどは前から”民族浄化、Genocide”と言っています。で、何が違うかと言うと、”Genocide”とか”民族浄化”が現在起こっていれば、国際社会はこれを止めるために、武力を含めて介入しなければなりません。義務です。Convention on genocideというのがちゃんとあり、関係した国連決議もあります。つまり、これを公式に”Genocide”と呼んだというのは、もうじき武力介入ですよと言っているのと同義です。欧米のメディアは、ことの重大さがわかって書いています」
●「パウエルは、今度は何とか国連による介入にしたいようです。アメリカさすがに疲れたか。でも、いずれにしても大統領選挙をにらんで、もしかしたらもうひとつ戦争しましょうという話です。少なくとも、国連から強い経済制裁を出して、それでも改善しなければやっぱり軍事介入です。最低でも大規模な治安維持部隊派遣という話ですが、これは詭弁で、ダルフールのように今現在紛争状態に近いところに外国人の治安維持部隊というのは、実際は戦闘になる可能性がとても大きい。停戦監視とはまったく違います。アメリカにこんなふうに言われたら、スーダンは絶対反発してまとまる話もこじれること、パウエルはわかっていてわざとやっていると思います。選挙のプロパガンダで戦争されちゃたまらんよ。で、日本のマスコミは、朝日、毎日、読売、何も書いてない(以下あえて略)」――共同は昼すぎに伝えましたが、夜にはサイトから消えています。なお、日本はジェノサイド条約(集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約)を批准していない。

09-10
学校行かず働かず52万人 2004年版の労働経済白書なる共同記事(東京新聞は夕刊トップ)。「求職せず通学もしないため社会問題になっている『若年無業者』」とは初めて聞く言葉。「若年無業者は、求職活動していない非労働力人口のうち、15−34歳で、学校を卒業した後、進学などせず結婚もしていない人などを指す」ってことは、農家の次男坊なんかでブラブラしてたまにバイトしたり家業を手伝ったりするヤツは若年無業者で「社会問題」のタネ。親に高いカネを出させて日本大学あたりで遊んでいるヤツは「無問題」なわけですな。ヘンなの。ようするに若いヤツの選択肢は「働く」か「学校に行く」か「結婚する」かの3つで、どれもやらないと社会問題だと。ヤな国ですねえ。1億2500万も人がいる中で若者50万がブラブラしてるだけで社会問題にされちまうんだから。私はこの国の若者たちに心底同情します。そんな余裕のない国をつくったのは君らじゃない、ジジイたちなのにね
●臼井律郎から、3日に会ったときチラといっていた「チェチェンのやつらにすると、これくらいやらなければ世界中誰も注目してくれない」件についてメール。「メディアの人たちに言いたいのは、当事者の気持ちになって少しは考えて下さいということです。沖縄で墜落(不時着?)したヘリコプターの操縦士について話したのと、同じ視点です。相手を自分とは違うもの、非人間的で理解不可能な存在として片付けることのほうが、はるかに非人間的と思います。理解する努力をせず、除外するだけの論理では、決して真実は見えてこないと思います」と
●同時に、70年前の日本について考えてみるべきだとも。「日本は今で言うと北朝鮮とミャンマーとスーダンとちょっと前までのリビアと前イラクとタリバンとアルカイダとイランを足したくらい恐ろしい存在で、しかもそれがナチと手を組んで”世界を征服しましょう”といっていたのだから、本当の脅威だったと思います。もしそのころの日本が今そのままあれば、間違いなく世界第一級の非人道的テロ国家です」「今の日本のマスコミの言い方に従えば、特攻隊員は自爆テロリストで、テロ国家にマインドコントロールされて自分の命も人殺しもなんとも思わない、非人間的存在になるのでしょう。(中略)彼らがいよいよ出陣する前の晩に、母や家族に書き送った手紙をまとめて出版したものを読んだことがありますが、多少の脚色はあるにしても感動的で、そして非常に人間的です。マインドコントロールで人間性を失った、ミュータントのものではありません」「パレスチナの小学校高学年くらいの男の子が、自爆テロをしようとして直前にイスラエル兵に捕まってしまい、その後しばらくしてBBCにインタビューされた記事を読んだことがあります。マインドコントロールされていたには違いないのですが、でも、夕食のあといよいよ死にに行くとき、母親に見つかると悲しまれ、とめられると思い、こっそり家を出たと話しています」
●同感です。アメリカのイラクや北朝鮮に対する言い方、ロシアのチェチェンに対する言い方に接するとき、私はいつも何十年か前の日本、私の父母や祖父母たちが生き、つくってきた日本のことを思います。ブッシュのアメリカはイラクやイランや北朝鮮を「世界のならず者」「悪の枢軸」と決めつけました。しかし、世界史的に見れば、ついこの間の「悪の枢軸」とは「ベルリン―ローマ―東京Axis」のこと。それは私たちの父母や祖父母たちの日本国が入っていた同盟のことです。私の父は陸軍士官学校出身で、ついこの間の枢軸国で陸軍大将を目指していた(たぶん)。だから私は、ブッシュが「この国とあの国は悪の枢軸である」といっても、無条件に「はい、そうですか」と受け入れるつもりなど、さらさらない。「70年前の世界では、ジャップとドイツ野郎とイタ公だけが悪であった」という一方的な見方が受け入れられないのと同じです。同様に、現在の北朝鮮を見ても「過去の日本の鏡だ」と思います。「あんなひどい状態なのか。信じられない」とは思わず、「あんなひどい状態なのか。かつての日本そっくりだな」と思います。
●ジャーナリズムの教科書には「多様なものの見方を伝えることが大切」と書いてあります。これは、多様な見方を突き合わせたうえで判断したほうが、間違えることが少ないから。そして多様な見方とは、つまり物事を相対化することです。ところが、たとえば北オセチアの学校占拠の現場に立つと、「テロリストのやつらは絶対的に悪い」と思えるのです。何百という死体を目の当たりにすれば、普通の人ならそう思って当然。しかし、ジャーナリストが普通の人のままなら、ジャーナリストなんていらない。ジャーナリストであれば、「テロリストのやつらは相当に悪い。だが、子どもまで人質に取るからには、それなりの理由があるかも」と考えて当然。そして、多様な見方をつかむためチェチェンに入り、そこで政府軍に殺された何百という死体を目の当たりにすれば、「やつらは絶対的に悪い」というのとは違う相対的な考えを抱くかもしれない。問題は、ロシア政府がジャーナリストのチェチェン入りを一切差し止めていること。モスクワ特派員にはロシア政府が機嫌を損ねる記事は書けない。多様な見方、相対的な見方をもたらすであろう事実が、簡単には(あるいはどうしても)手に入らない。どうするか?
●そこは私は、想像力で補うしかないと思います。その想像力の基本は経験――これまで何をし、どこに行き、何を見たという体験に加え、時間的・空間的に離れた事象(たとえば歴史)を書物や映像で追体験することも含めて――でしょう。「ジャーナリズムの基本は事実」だという。しかし「与えられた」事実だけを報じることに汲々とするのは、私にいわせれば「事実乞食」です。そんな記事を読むよりは、出来のいい小説を読むか映画を見るかしたほうがいい
●「ジャーナリズム 事実」とグルグルして出てきたサイトから2つ。ジャーナリズム考現学 中尾ハジメ「環境ジャーナリズム」2001

09-09
●ロシアの学校占拠事件で「突入は偶発的だった」という見方がマスコミに流布されていますが、何をいっているのでしょうね。テロリストどもの爆弾が「偶発的に」爆発することはありうる。その際、突入する命令と意思がなければ、爆発しても黙って見ているはず。ところが突入したのだから、突入準備がされており、突入命令が出たのです。爆発は偶発的だとしても、突入が偶発的なんてことはありえない。この河北新報の記事見出しは、爆発と突入をゴッチャにした誤り例。「特殊部隊はじめロシア当局」ではない者(父兄など民間人)が撃ち合いを始めたという説もあるが、もしそうなら、現場からそんな連中を排除しなかった当局は、偶発的な衝突を黙認したわけです。それは突入の引き金となる「偶発的な混乱を準備した」のと同じことです。もっといえば、そんなのは私服が2〜3発撃てば、いくらでも仕掛けられる(誰が撃ったなんてわかるはずがない)。ロシアが最初から強行突入を想定していたことは誰が見ても明らかな「常識」でしょう。だって収容所群島で自国民を数千万単位で殺した国で、大統領はKGB出身者ですよ
●昨日の打ち合わせで「大きな穴がポッカリ空いてる。しょうがない」と田原総一朗。その穴は誰にも絶対に埋めることができない。田原「財界の人も大丈夫ですかと心配してくれる。ソニーの出井会長がおもしろいことをいった。どんな会社でも社長の女房役が必ずいて、その女房が倒れると大変。ところがソニーという会社は女房役がいない。みんな亭主役になりたがるので困ると」
●田原選集はツカ見本ができ、近々入力開始。2005年初夏には第1巻ができあがり、そのときには他巻もほぼ校了済みまでもっていく。その段階で出版記念会を予定。(仮題)季刊「田原」は企画書2枚に執筆者リスト1枚を坂本が書いていき、叩き台として議論。詳細はまだ"企業秘密"ですが、企画書から惹句《じゃっく》ふうに抜粋すれば、「編集長・田原がキーパーソン発掘・人選からテーマ設定まで『全部やる』本邦初で唯一の雑誌」「これ1冊で日本がわかる、ニュースがわかる」「マスコミ報道の裏にあるホントの日本の常識、ホントの社会の常識を伝える」「マスコミの常識をひっくり返すとホントの常識が見えてくる」「大本営発表や建前でない真相、ホンネ、カラクリを解明」「田原総一朗渾身の日本へ、若者たちへのメッセージ」
●たとえば郵政民営化は「窓口ネット+(その下に)3本柱」vs.「4本柱」、これはつまり総務省・郵政族(既得権益擁護)vs.金融庁(リスク遮断)。義務教育の問題も文科省vs.総務省。新聞に載らないそういう解説や見方を提示していく。あるいは小泉純一郎の手法を理解するには、その「逆バリ」「逆マネ」発想を解き明かす。「朝まで生テレビ」がやったキーパーソン発掘もやりたいと。田原「(サンプロのような仕事をしていると)リアリストになりすぎという反省がある。もっとロマンを持ちたいんだ」
●インド戦、ちょっと恥ずかしい試合。あんなヘボチームは8対0くらいで蹴散らしていただきたい。早大や筑波大でも勝てる相手。前半ヘタしたら零封というのはマズイ。久保に身体を万全にしてもらうしかなさそう。そして、またしても最低の審判。アジアにまともな審判はいないのか

09-08
●3〜5時ANAで田原総一朗・アスコムと打ち合わせ
●明日9日(木)13〜15時MXTVで緊急特別番組「海老沢NHK会長国会参考人招致」衆院総務委員会から生中継 一連の不祥事はなぜ起こったか? 業務総点検の結果や再発防止策をどう説明するか

09-07
●長野県ホームページ「WEB SITE信州」にある地上デジタルテレビ放送開始に関する提言。地上放送デジタル化計画推進の中枢にいるある人が、この提言を読んで「もっともな指摘かと思う」といって寄こしました。放送のことをまじめに考えている人びとは、みなそのような認識です。自治体関係者は、何年後かに「話が違う」と慌てないように、大本営発表でない情報にもきちんと目配りを。同じページから、田中知事が全国知事会で提言とともに配布した雑誌(GALAC)記事(PDF形式)も読むことができます
●NHK不祥事を伝える共同記事。相次ぐ不祥事で全役員処分 海老沢会長が謝罪 海老沢会長は「先頭に立ち緊張感ある組織づくりをする。視聴者、国民にあらためておわび申し上げます」と謝罪したとのこと。もちろん緊張感あるデジタル放送計画が、この国には必要です

09-06
●なかなか便利→新聞リンクβ版
●Nortonがいまいちっぽいので、無料ソフトAd-Awareでスパイウェア対策てのをやってみました。私の場合は、駆除後インターネットの操作やGoogleサイトへの接続が明らかにきもち速くなったようです。AD-AWAREの使い方←ダウンロードから使い方までわかりやすく解説するページ。Ad-aware6.0によるスパイウェアの除去方法←セーフ・モードで実行を推奨だそうです。【ご注意】赤いクモ印以外のものは削除しないように。また、バックアップしていないPCではオススメしません

09-05
●3日の話のつづき
●臼井「僕は議論したり書いたりするとき、これは英語かフランス語でいえるかとつねに自問する。訳せなければ、定義できず、議論にならない。たとえば『自己責任』。これは欧米人にいってもわからない。責任は自分の責任に決まっているのに、なんでわざわざ自己とつけるんだ、じゃあその責任て何なんだという話になってしまう。日本でいう『国益』『普通の国』は、欧米では絶対に通用しない言葉。国益というから、それは国民の利益かと思うと、日本では違うんだ」
●小林「日本では、責任はつねに組織責任。個人は個人であって個人ではなく、責任は組織にあって個人にはない。だからイラク人質事件で自己責任なんて馬鹿げたことを言い出した」
●臼井「先日エコノミストで読んだ記事を読売新聞がそのまま社説に書いていた。エコノミストの英文記事を読んでいるヤツが読売新聞の読者にいるはずがないと、たかをくくっているんだろうか」「日本の精神科医って欧米から全然相手にされてないんだね。ある学会を聞く機会があったが、日本の医師が日本の自殺者のデータで40〜50歳のところに突出する山があるのを新しい鬱病だと発表し、それはストレスだろう、なぜストレスによる自殺という説明でダメなんだと散々に質問されていた。完全に浮いていた」
●綿井健陽「サマワにはAPなど通信社が少しいるが、とうとう日本人ジャーナリストが1人もいなくなった。何が起こっても大本営発表のみ。自衛隊は駐屯地から一歩も外に出られない状態が続いている。外に出ると危ない。車両の移動中にリモコン式の爆弾などで攻撃されたら、防ぎようがない。チェチェンも西側ジャーナリストは一歩も入れない。何が起こっているのか、まったくわからず、ロシア政府の発表なんて鵜呑みにはできない」
●臼井「アメリカは第2次大戦後もずっと戦争をし続けているが、昔はWASP(WhiteでAnglo-SaxonでProtestant)が前面に出て戦った。今度のイラクではどうか。イラクの映像や刑務所虐待で出てくる名前を見ていればわかる。WASPが戦争を指導し、戦地に出るのは黒人やスペイン系ばかりでは、おかしい。そうアメリカ人に話したら黙ってしまった」
――仕事にならないので、とりあえずこのあたりまでにしておきます

09-04
●いやー、昨日の飲み会、みなさんお疲れさまでした。印象に残っている話を以下にメモ(――以下は坂本見解)
●臼井律郎「ヘリ墜落で米軍出ていけの大バッシングは、どうかしている。あれだけ飛行場がありヘリが飛べば事故は起こるだろう。だが米軍ヘリ操縦士は、人家ではなく人的被害の出ない場所になんとか不時着させた。これはむしろ勲章ものでは。同型機は飛ばさないという非科学的なとりあえずの対応は、日本てのはその程度で納得するんだ、いいからやっとけと、アメリカに馬鹿にされた結果では」――今回の米軍の対応は世界の駐留米軍で例のない手厚い措置。イタリアや韓国では死者が出ても謝りもせず、同型機飛行停止なんてありえない。そもそも米軍は日米地位協定違反をしているわけではないから、地位協定がけしからんなら日本政府とアメリカ政府の両方を批判すべき。日本政府を批判せずアメリカだけを批判するのは明らかにヘン。そもそも論をいえば、戦争するために駐留している米軍が、ヘリが墜落したからといって、いちいち日本警察に現場検証させるはずがない(戦場で警察が現場検証するのは馬鹿げた話。イラクで奥・井ノ上の2人殺されたとき警察は何ができた?)。ただし、以上の問題と、沖縄に米軍基地が集中し沖縄の人びとが苦しんでいることとは、話がまったく別。日米安保の議論とも別
●小林道雄「日本には『社会』―societyがない。日本には『社会的』なるものはある。それは正確にいえば『世間』だ。日本人は社会と世間を混同し、つねに世間でどうなのか(どう見えるか、どう評価されるか)を判断基準にする。それはつまるところ、この国に『個人』がいないからだ。個人主義が成熟して育っておらず、まともな民主主義が根付いていない。民主主義は手続き上の問題であって、それは衆愚政治に直結する。必要なのはそのチェック機能だが、それがどこにもない」――坂本の言葉では、その世間とはつまり「大きな一つのムラ」。村の掟も村八分も、この国ではハッキリ生きている。手続き的にはアメリカが民主主義(民主的な政治)をもたらしたが、本来チェック機能を果たすべきジャーナリズム、アカデミズム、シンクタンクといったものが、政府の下位組織となっていて権力監視や権力批判をしていない
●臼井「国境なき医師団の『公平』の定義は、ごく簡単に要約していえば、1)差別をしないこと、2)いちばん必要とされる場所に行くこと、の2つ。だから政府軍だろうが米軍だろうが反政府軍だろうが民間人だろうが、すべての人びとを差別することなく治療する。そして、イラクよりはスーダンだ、といちばんヤバそうな場所に行く」――だから、あらゆるものの真ん中に立つというのが、公平とか中立の定義なのではない。等距離というような概念だと、新しい勢力が出てくるたびに、自分が位置を変えなければならない。ヒトラーが出てきたら左に3歩動く、いなくなったらまた右に2歩動くなんて中立などクソくらえ。テレビでは「政治的公平」が問題となるが、MSFの定義を援用できる。マスコミの政治的公平とは、1)すべての問題を差別をせずに扱うこと、2)いちばん必要とされる問題から報道すること。つまり、自民党の腐敗も民主党の腐敗も同様に扱う。そして、自ら報じることが必要だと思う緊急の問題から順に報じる。それには「主観的な判断」が必要だ。判断を停止して記者クラブ発表だけを報じれば公平なのではない

09-03
●5日(日)午後2時〜3時半テレビ朝日で「田原総一朗スペシャル・帝国アメリカが崩壊する日?! 日本の命運は?!」放送。日下雄一・品川作P
●4〜6時、神楽坂で相澤洋次郎と会う。地上デジタルラジオ放送(受信機は出回っていないが京阪で試験放送中。なお、ラジオはテレビと違って全面移行はせず、現在のアナログ放送と共存させる計画)に報道専門局で新規参入を目指しており、ついてはジャーナリストの協力を得たいとの趣旨。事業計画その他を聞き、議論とアドバイスなど。現在の携帯電話が「電話機+メール発受信機+ネット端末+地上デジタルテレビ(1セグ放送)受信機+地上デジタルラジオ受信機(音声、静止画/簡易動画、データ放送)」となる。そこで何ができるか、どう客をつかめるかという話。ハード面で最大の課題は電池容量。ソフト面の大問題は、電話とメールが最優先されるところ、ごく小さな画面に複数のメディアが混在し、課金が極めて困難(放送系はタダ――広告放送にするしかない)なうえ、見る側が好き勝手に画面を切り替えること。「リモコンに極小型テレビ様画面がついている」のと同じだから、電車待ちで見ていた画面に広告が1分も出れば、たぶん2度目からは瞬時に他番組に切り替えられてしまうでしょう。バナー広告も期待できず。そもそも何人が見ているか不明では広告料金の設定が難しい。しかも、いま見ているのがNHKなのか他局テレビなのかラジオ簡易画像・文字なのかネット画像・文字なのかわからないと、(視聴者にとってはどうでもよいことでも)放送系事業者にとっては極めて問題です。2時間では足りず、またそのうち会おうと
●6時〜12時@松兵衛。MSF-JAPAN副会長・外科医の臼井律郎、ジャーナリスト小林道雄、カメラマン黒川公人と飲む。途中からフリーライター岩本太郎、アジアプレス綿井健陽も合流。沖縄ヘリ墜落、イラク、サマワ、チェチェン、スーダン、テロ、虐殺、自衛隊、日本、イスラム世界、アメリカなどをめぐって談論風発。さらに臼井、岩本、綿井、坂本の4人で理清蘭に移動し2時まで。8時間ぶっ通しで、民主主義、衆愚政治、個人主義、社会と世間(日本は巨大な村)、ジャーナリズム、自己責任、言葉の定義(あいまいな言葉)、人道、国益、政策の優先順位etc.について語り合いました。実におもしろい一夜。詳しくは後ほど

09-02
●夜中スターチャンネルでデビッド・リンチ「マルホランド・ドライブ」をやっており、つい見入ってしまいました(2年前公開だが初見)。一見わけがわからず、とにかくキレイで、相当に怖く、ところどころ大笑いさせてくれるのは相変わらずのリンチ節。昔「ツイン・ピークス」を日に2話ずつ半月かけて(前の狭いマンションでテレビが寝る部屋にあったので)深夜真っ暗な中で見て、実に不気味だったのを思い出します。どちらも私は好きなほうですが

09-01
●今日発売の民放連「月刊民放」9月号に政治的公平についての原稿を4P書いています

08-31
●9月3日に国境なき医師団JAPAN副会長の外科医・臼井律郎と飲むのですが、アジアプレス綿井健陽も(朝日ニュースター「ニュースの深層」3日夜8:00〜8:55、再放送9:00〜9:55/深夜0:00〜0:55「サマワ現地報告」に出演後)来ると。でもって岩本太郎も、カメラマン黒川公人も来る。現在のメディア状況下では、そのまま雑誌の座談会「アフガン・イラク・スーダン報道を語る」にしても全然おかしくない。あんまりもったいないのでテープでも取り、当サイトでかいつまんで紹介しようかと思います
●単行本原稿書き

08-30
●創出版「マスコミ就職読本」のBS、CS、CATV概況の原稿、昨年分をもとに加筆・更新して入稿

08-29
●田原から午後と夜と2度電話。30分ほど話す。かねてから某出版社が提案していた季刊or月刊「(仮タイトル)田原総一朗」について「やろう。編集長やってよ」と。「テレビも新聞雑誌も建前ばかりでつまらない。いまの常識が、常識じゃないんだ。日本のホントの"常識"を伝える雑誌、噂の真相ではないホントの真相を報じる雑誌を」「田中康夫が書いても小林よしのりが連載してもいい。岡留のページがあってもおもしろい」と。「それは願ってもないこと。やりましょう。ただ編集長は田原総一朗」と答える。9月8日に打ち合わせ

08-28
●昨日、日本印刷さんでは田中会長、相原敏一・取締役営業本部長にご挨拶。中村武社長は出張でお会いできず残念。7年余、1号も遅れることなくGALACを印刷してくださり、誠にありがとうございました。取締役営業部長・毛利鉄男、GALAC担当・成田勝也、小田桐、坂本で湯島の鮨屋へ。ご馳走になる。釣りとボーリングのプロ級(300点を何度か出してる)成田勝也が「GALAC編集委員会は網代でやって翌日アジ釣り」と小田桐誠・編集長にけしかけ、どうやらそんな方向。毛利鉄男によると「五輪開会式の翌日、テレビがまったく映らなくなった。テレビボードがあるから、薄型でも部屋は広くならない。ハイビジョンをと思ったが、ボード幅から32型は東芝しか入らない。Y電機あたりで17万円台だったのが、ネット通販で13万円弱を見つけた」と。ここまで下がってくれば、かつての29型4対3の出たてのころに近い。ただし、29型の高さをそのまま横長にしたサイズは36型で、これはまだ20万円台。しかも十数年前すべての家庭が29型テレビを買ったわけではない。やはり問題は21型以下の小型で、現在2〜3万円で売られているテレビ「すべて」に地上デジタルチューナー(BS・CSなど不要)を組み込んだ時点から数年後でないと、アナログ停波はできないし、してはなりません。1万2800円で買った14型テレビに3波共用チューナー(いくら?)をつければ「お手持ちのテレビで大丈夫」なんて馬鹿な話は、もちろんありえない(総務省はそういっていますが)

08-27
●夕方、NPC日本印刷にGALAC編集長交代のご挨拶。小田桐誠と

08-26
●昨夜の巨人―中日戦は3塁ベースのやや後方、前から11列目。家人と久しぶりにゆっくりできました。理清蘭によって午前1時帰宅。ところで、どの新聞にも昨日の観衆は5万5000人と載っていますが、ある建築家から「後楽園ドームには5万人も入らない。席がそんなにない」と聞きました。しかも昨日は空席もチラホラ。なんで新聞は事実と違うことを書くのでしょうか? 少なくとも「主催者側発表」と注記すべきです
ドキュメンタリー・ドリーム・ショー ――山形 in 東京2004の告知。9月8日〜10月11日@国際交流基金フォーラム、アテネ・フランセ文化センター、映画美学校。10月6日(水)夕にはアテネ・フランセで「ドキュメンタリスト 綿井健陽」(トークも)があるそう

08-25
●アルゼンチン強し。イタリア話にならず。体を半身にしボールを受け瞬間に前を向くトラップ技術、倒れず外に出さずボールをキープし続ける技術、ボールを持たない選手が空いていてシュートを狙えるパス受けポイント(←エリアじゃない!!)に全速力で駆け込む技術、キーパーと向き合った瞬間キーパーが絶対にさわれないシュートを放つ技術……。それらの技術を生かす判断力と想像力と体力……。日本のレベルとあまりにも違いタメ息。アルゼンチン・チームは、昔マリオ・ケンペスが来日したとき後楽園(野球場)でやった試合を見に行きました。もちろん日本代表に勝ったが、ちんたら流してやっていた。イタリアあたりとやるときは、南米大陸vs.欧州と思うから普段以上に本気
●夕方、家人と後楽園ドーム巨人―中日戦。帰りに理清蘭による予定
●ナベツネの無礼発言や200万円小遣い事件のことを本欄に書いたら、サイト読者からいくつかメールをいただきました。なかに「辞任の理由がよくわからない。裏に何が?」という疑問の声も。最大の理由は、一連の騒ぎによる新聞販売部数の落ち込みのようです。ざっと1000万部のところ秋までに1040万部の目標を掲げていたが、1000万を急激に割り込んで落ちはじめた。長嶋解任時の「解約の嵐」という悪夢の再来に、緊急措置として辞任したのが真相とか

08-24
●放懇。GALAC校了日なので応援に。小田桐誠、小林潤一郎、岩本太郎、石橋さや夏、中島好登、福島美子、久野明らと追い込み作業。昼食はドイツ料理「カイテル」(サッカー好きのオヤジの名前がハルトムート・カイテル)。今日はここの冷製スープが超豪華(「そこらのレストランだと、これだけで1200円くらい取られちゃう」と中島好登)。これにパン、メイン皿の肉+ライス、デザートのケーキ、飲み物の日替わりランチが税込み1050円。オフィスが新宿5丁目付近の方、オススメです。夜12時帰宅

08-23
●長野県経営戦略局から、19日全国知事会で地上デジタル放送に関する長野県の見解文書を出し知事が説明、このとき参考資料として坂本論文コピーを配布した旨、連絡あり。梶原・岐阜県知事が中心となってまとめた全国知事会としての提言は、そのまま出し、それとは別に今後議論を進めていくそう。多くの知事は、地上デジタル放送計画に何か問題があるという声を初めて聞いた、というところでしょう
●「アナアナ変換の進め方がデタラメだ」「地方では某財団やNHK関連団体の下、2次3次の下請け業者ピラミッドができ、地元電器店まで徴用されているが、電器店に提示された手数料の安さに驚く」「一家に2〜4台あるテレビのプリセットだけでも非常に面倒。リモコンが壊れている・なくした(安い汎用リモコンで代用している)場合はお手上げ。ブースター障害、その他アンテナやケーブルの不具合なども、対応しきれない」といった声が、地方の小規模電器店などから坂本に寄せられています。そのうち書くかもしれません。とにかくヒドい状況です
●原稿書き

08-22
●原稿書き。放送お騒が史part3ほか

08-21
●田中康夫から連絡メール。「明日22日(日)07:30〜09:00迄、フジテレビの『報道2001』に出演します。全国知事会議の問題、信州・長野県の教育、災害に関する取り組みに関して語り、後半は寺島実郎、小林よしのりの両氏と語ります。宜しければ、御覧下さい」
Mounting obstacles for aid workers(臼井律郎が教えてくれたBBC記事)。この記事の後半は、当欄2日前の記述と同じ。「この記者、MSFのニュースリリースを、まじめにフォローしているらしい。ヨーロッパのマスコミ、捨てたもんじゃないでしょ」と臼井。BBC NEWSを先取りする当サイトも、捨てたもんじゃないでしょ
●11時〜田原節子告別式@築地本願寺。葬儀委員長は電通・成田豊。今日も森喜朗、小沢一郎、加藤紘一、石破茂、土井たか子、古賀誠、「朝まで」常連など政治家多数。「噂真」健在ならあれこれ書いたかも。弔辞は吉武輝子ほか。田原総一朗の挨拶は当欄08-17に書いた話。棺に花を入れ最後のお別れ。ふっくらとして落ち着いたお顔でした。田原「最後にキスをした。やわらかく生きているような顔で、舌が出てくるかと思った。が、出てこなかった」。節子さんの妹で有名な童謡歌手・古賀さと子(田原事務所の「古賀さん」)の歌う「ふるさと」が流れるなか、13時出棺。高橋良典が「そばを食おう」というので店を探しながら東銀座方面へ歩いたが、土曜日の午後ではどこも開いておらず。串カツ屋でビールと昼食。私がこの世界に足を踏み入れるとき最初に会ったのが高橋良典で、大学2〜3年の頃、二十何年か前だった。私の長男が生まれたとき産院まで来てくれた田原敦子が、どーんと貫禄がつき、オヤジのことをあれこれ心配していた。あのときの赤ん坊が今は高2だから、みんな歳を取るわけです
●昨日の通夜は首相はじめ政財メディア界から多数。家人と2人、焼香し田原・3人の娘に挨拶後、2階通夜ぶるまい会場に上がっていくと、高橋良典、潮・阿部博、ビジネス社社長・岩崎旭がいて(ほかにはあまり人がおらず)話し込む。そのうちにテレビ朝日、アスコム、集英社ほかスタッフも来て、田原が一言挨拶。最後に線香を立てお参り後、良典、阿部と4人で居酒屋。11時半帰宅

08-20
●今日、田原節子さん通夜@築地本願寺。明日、告別式。いつも私のことを名字でなく「衛さん」と呼んでくれていた。田原が本を作りたいといったとき、大宅文庫で彼女に関する雑誌コピーを大量に集めて読んだことがあります。それで知ったが、元祖ウーマンリブの1人ともいえる過激で実にタフな女性でした。今日の通夜会場は警備が厳しくなりそう
●いま出ている「ダ・カーポ」はテレビの特集。坂本もコメントしています

08-19
●MSF(国境なき医師団)JAPAN副会長・臼井律郎の見解の続き。「最近、日本だけでなく、特にアメリカなどは軍事・政治活動を”人道”の名の下にやろうとしています。NATOのコソボ空爆を人道介入と言ったあたりから、軍事・政治目的のものを人道と言い換えることを、盛んにやってます。占領軍の義務である戦後復興を人道支援と言う、というようなことです」「で、経過を省いて結果を書くと、本当の人道援助者が、軍人や政治家と一緒くたにされて狙われるということが起こっています。4月のイラクでの日本人人質事件もそのコンテクストで理解可能だし、6月にはアフガニスタンで活動していたMSFが一度に5人殺され、MSFは結局アフガニスタンから撤退する羽目になっています。この事件はアルカイダが犯行声明を出し(実際は違うやつらがやったことがわかっている)、そのなかで『MSFアメリカ軍のスパイなのでこれからも殺す』と言っています。とんでもない言いがかりで、アフガニスタン中でアメリカ軍ともっとも関係がないのはMSFなのですが、明らかに誤解されています」
●「コーリン・パウエルはイラクを占領したとき、既にイラクで活動していたNGOを集めて、『これからはアメリカの戦闘部隊の一部として一緒に活動しなさい』といっています。なんで人道援助が戦闘部隊の一部なの? (これがMSFがイラクから引き上げたもうひとつの理由です。MSFが移動しようとするとアメリカ軍が護衛をつけようとし、断ると『では、行ってはいけない』ということが何回もありました。アメリカ軍に守られていったのでは、MSFはアメリカ軍の同胞ですと言っているようなもので、殺してくれと言っているのと同じです)」
●「5〜6月にアフガニスタン南部でアメリカ軍がアルカイダ・タリバン掃討作戦をやったとき、『アルカイダやタリバンの残党がいたら通知してください。もしかくまうと人道援助が止まります』というビラをまいて、これはMSFなどから猛烈に抗議されてさすがに謝ったりしています。人道援助が、アメリカ軍の管轄下にあるかのような言い草です。軍人や政治家は、自分たちが人道援助と一体のふりをし、人道援助を隠れ蓑にして批判をかわして、いい子になろうとしているわけです。僕たちから言わせると、軍事介入する理由があってするのなら、自信を持って自分たちの名のもと、自分たちの責任でやりなさい、他人のふんどしで相撲をとるな! ということです。僕が、自衛隊の活動を”人道支援”と書かれた瞬間、『ざけんなよ』とすぐ反応する背景は、こういうわけです」
●ヨーロッパのマスコミはこのあたり理解してくれていて、NGO・人道援助者の独立や、軍事・政治からの中立といったことに結構敏感です」「貴君のいうように、ジャーナリズムの権力からの独立という意識は彼らにはもちろんあり、したがって人道援助者の独立にもシンパシーがあるわけです。たとえば、いつも英語で恐縮ですが、4月(だったかな?)にイギリスのGuardian Unilimitedにのった、MSFから出た本に対する書評Humanitarians must avoid becoming tools of powerは大変よくかけています。NGOの中にも独立の気持ちが弱く、イラクでアメリカ軍に護衛されて金もらって喜んでいるようなやつらがいるのですが、戒める趣旨の記事です」
●ナジャフ情勢に関しては、「中東の人たちというのは、プライドも高く、しかもいざとなれば何でもする無茶苦茶タフな連中」。坂本の意見は「同感。世界文明の最初の発祥地、文明の十字路で、揉まれに揉まれてきた連中だと思う。それをアメリカのやつらは『頭におむつみたいなのを載せている連中』とかなんとか(誰か上院議員だったかが)いう。そこのところの歴史認識と敬意とがなければ、何をやってもダメ」。これに対してはさらに「ナジャフは、日本人の感覚からすると煮え切らない感じで、やるのかやらないのか、死ぬのか死なないのか、はっきり言って理解不能ですが、この辺が彼らの無茶苦茶タフなところです。結構うまく落としどころを見つけてくれること、祈ってます。ただ、ナジャフの停戦交渉に関して、事実上アメリカ人は全部締め出してイラク人同士でやってるらしいのは、頼もしいよね。たいしたやつらです。カネと力はアメリカ人、でもイラク人はアメリカ人に足りないものちゃんと持ってるよと言わんばかりです。頭に載っけてるのは、オムツではないわけだ」
●米大統領選について「潮」原稿書き。米国大使館のページ、勉強になります。選挙関連用語集も。在アメリカ日本大使館のホームページに選挙用語集があって、「地盤・看板・鞄」とか「泡沫候補」なんて解説してますか。こういうところは、たいしたもんです

08-18
●ここ何日か古い友人のMSF(国境なき医師団)JAPAN副会長・臼井律郎とイラク情勢についてメールのやりとり。とても重要なことを指摘しているので紹介します。とりわけメディアの方は参考にしていただければ幸い
●「(イラク情勢は)貴君の言うように非常にやばくなっていて、はっきり言って長い内戦のはじまりになるかどうかの分かれ目と思います」「イラク暫定政府は、ナジャフにいるすべてのジャーナリストに対し退去命令をだし、聞かない場合は逮捕するといっています。いよいよ、見られては困ることでも何でもやるつもりなのでしょう。なりふり構わずというやつです」「日本では何も報道されていないでしょう?(15日夜から16日のことです)。非現場主義・受け売り主義の日本のマスコミには、何もいえない事態になっているわけです。言う気もないだろうけど」
●「肝心の日本のマスコミや世論は、何をやっているのでしょうか? 民主的先進国のイラク占領軍参加各国では、戦争開始の正当性に関して大騒ぎで、アメリカ、イギリスで始まってどこも大揺れ、オーストラリアでもハワードの責任問題になりつつあります。いわゆる西側先進国でまだイラクに残っているのは、オランダ、イタリア(世論は大変だが、ベルルスコーニの意地?)、デンマーク(任務は地雷処理で治安維持ではない)、ポルトガル(先進国でない?)、それにオーストラリア(ニュージーランドはオーストラリアを裏切ってもう出て行きます)と日本くらいです。大口参加予定国のおとなり韓国でも、15日の対日独立記念日にソウルで大規模なデモがあって、スローガンは”イラク撤兵”と”アメリカ軍出て行け”だった」「つまり、おとなしく軍隊を送りっぱなしにしているのは、先進国では日本だけのようです」
●「肝心のアメリカやイギリスにしてから、なんとか国連なりNATOなりに早く肩代わりしてもらって出て行く算段をしているのが見え見えで、他の先進国も、いつうまく引き上げるかアメリカの顔色を伺っているようです。その中でこの日本の態度は、アメリカのためなら日本の兵隊を殺しても惜しくないといわんばかりで、さぞや覚えめでたいことでしょう。もし奴隷とみなされて馬鹿にされきっているのでなければ」
●「イラクに人員を送っている国は20何か国かありますが、それぞれ任務を”治安維持”とか”戦後復興”とか”医療支援”とか”インフラ整備”とか具体的に言っています。そのなかで日本だけが”人道支援”というとんでもない任務名になっています。治安維持や、水・食料の確保、必要なインフラ整備など、占領地域の行政を遅滞なく肩代わりして市民の生活を守ることは、ジュネーブ・コンベンションにも書かれている占領軍の義務で、やらなければ条約違反になります。この義務を遂行することを”人道支援”と呼ぶのが不適切なのは、さすがに世界中誰でも知っているみたいで、知らずに政府の使った言葉をそのまま載せているマスコミは、日本だけということになります」
●坂本の返信は以下(続きはまだありますが、今日はここまで)。たとえば「盗聴法」てのは、政府の法律案の名称(「組織的犯罪対策3法案」とか「通信傍受法」とか」)がどうであれ、「俺の新聞・テレビは『盗聴法』と呼ぶ。そう呼ぶにふさわしい悪法だからだ」というヤツがいてもよいわけですね(もちろん「通信傍受法と呼ぶのが適切である」と主張する新聞・テレビがあってもよい)。だが、必ずお上の呼び方に合わせるのです、日本のマスコミは。どう呼ぶかが適切かを検討したうえでなく、自動的にね。「発表報道」至上主義なわけだ
●ようするに、自分たちの役割の一つに「権力のチェック」があると、思っていないのです。そして、私などは警察が(総務省が、でも何でもいいが)何か発表すれば、必ず嘘があるかもしれない、目くらましが含まれているはずだと疑うけれども、今の記者の多くは、警察発表や総務省発表は正しい(ほかの誰の発表より信じられる)とハナから思っている。信じられないけど、そうなのです

08-17
●昨日の「琵琶湖塾」打ち合わせ、田原総一朗には「お疲れさま。奥さんは本当によく頑張られた」とお悔やみ。田原は滋賀県のスタッフに「僕の番組は家内にいちばん最初に感想を聞いた。原稿もできあがるとまず家内に読んでもらい感想を聞いた。彼女に誉められたい一心で番組をつくり原稿を書いたが、ほとんど誉められることはなかった」と田原。坂本「じゃあ、これから大変だ」というと、田原「そう。どうしようかと思っている」。ただ、たいへん元気で、いつもの調子。日曜日のサンプロもそう、というか、いつも以上に元気でした。なお、近畿では高校野球でサンプロが流れなかったようだが、今週にも放送する見込み
●滋賀からは、県の深井鉄平、同じく藤原久美子、「とーく」堤幸一、滋賀県立大環境科学部・近藤隆二郎ほかのみなさん。忌憚ない意見を出し合うことができ、県の試みとしてはおもしろいものになりそう。今後ともよろしくお願いします。「子どもの頃、父の転勤で西宮に2年ほど住んだことがあり、名神高速バスで琵琶湖のほとりの水族館に何度も行った。体長1mくらいの鯉がいたことを覚えている」と話すと、琵琶湖塾の会場はそのすぐそばとのこと。40年ぶりに訪れるのが楽しみです
●18〜19日、全国知事会。田中康夫知事の長野県が「地上デジタルテレビ放送にかかる問題点」文書を出し、地上デジタル放送の問題点について意見表明する見込みです。2011年にデジタル放送への完全移行(現行アナログ放送の終了)ができると思っている人は、放送業界にはまずいないが、誰かがいわなくては、いつまでも国民を騙し続けることになる。全国自治体は、現行計画のままでは、地域住民に密着した放送サービスが劣化する(地方局の数が減る、チャンネルが減る、地元密着ニュースが減る)恐れが強いこと、行政情報を流すから公的資金を出してくれと放送業界から求められかねないこと、第三セクターなどCATVのデジタル化で資金負担を余儀なくされること、低所得層を中心にデジタル化の恩恵に浴することができない地域住民が大量に出現することは、間違いない見通しと考えなければなりません。以上はすべて、とっくにGALACが指摘しており、修正計画まで提案しています
●書き忘れてましたが、昨日家内の実家で聞いたところによると、卓球オリンピック代表に入っている梅村礼選手は、私の家内の亡くなった父の妹のご亭主の妹の娘、だそうです。「ってことは、お前にとって他人なわけだな?」と突っ込まれそうですが。北海道にいる親戚の誰それがアテネに行っているらしい。スポニチによると「03年USオープンV。日本の絶対的なエース」って、世界的な選手ではないか。テレビを見なくては

08-16
●午後、田原総一朗と琵琶湖塾の件で打ち合わせ(滋賀県担当者も)。夜、家人の実家に回る予定

08-15
●昨夕、一家で世田谷の実家へ。兄一家も。夜、近くの区民センター(9時まで開いている)で卓球をやり、大汗をかく
●朝、劉霆来る。一緒に父の墓参。新横浜プリンス、胡弓で昼食。アジア杯決勝戦の話、中国ナショナリズムについて、むこうのインターネットや携帯事情、日中の食べ物の話ほか興味深い話題いろいろ。劉君とは武蔵小杉で別れる。実家で「新選組!」を見てから帰宅。土方歳三(山本耕史)はGALAC9月6日号の表紙です

08-14
●今朝の東京新聞テレビ欄に「オリンピック報道に注文」の記事。坂本もコメントしています
●ナベツネ辞任。プロ野球トップ球団が、ここまでカネまみれでキタナくお粗末とは。まあ、料亭で1億円小切手を受け取った元首相が「私に何か責任がありますか」と開き直るこの国では、巨人軍が大学野球部選手に小遣い200万円也を渡しても、さほど違和感はない。なんでもカネで片を付ける、いやな世の中になったものです。それにしても非常識な野球部所属の大学生。その場で断りきれなかったら、親や監督に相談して突っ返せばよいものを、一部使っちまったとは。世の中には必死に働き200万円程度の年収で一家を養っている人が大勢いるとか、「たかが大学野球選手」が200万もらうのは異常だとか、税金問題はどうなるのだろうとか、この大学生は思いつかなかったのでしょうか。大学は学生に何を教えてるんだ?
●アメリカはイラクで、ますますドツボに。ナジャフ掃討作戦の根拠、正当性、大義名分は何? 攻撃するのは、彼らがテロリストだから? 犯罪者だから? 大量破壊兵器を持っているから? 武装解除しないから? 反政府勢力だから? 反米勢力だから? 新聞やテレビは「戦闘が起こっている」と伝えるが、なんのためとなぜ伝えない? 万一「反政府・反米勢力だからブチ殺す」なら、イラク全土で反政府・反米闘争が起こりかねない。その先は第2次イラク戦争かイラク内戦で自衛隊撤退。「米軍は自制せよ」と、日本政府の誰か米政府に伝えたのか?
●節子さん関連スポニチ記事

08-13
●午後2時〜4時前、某局報道局社会部記者の取材を受ける。橋本1億円小切手・日歯連をめぐる一連の事件について。知り合いの歯科医何人かから得た情報と、私なりの事件のとらえ方・取材の進め方などについて話しました。たとえば「政治家にとっての『仲良し』は、私たちが『あの人とは仲良し』という意味とは違う。政治家にカネを出してくれる人は、カタキだろうが昔からの因縁があろうが『仲良し』。出してくれない人は、それ以外の存在。元総理が『××とは仲が悪い』と口にしたり、ある政治家と××氏の対立場面が数年前に目撃されたからといって、それを額面通りに受け取るのは間違いだ」とか。「目からウロコ」といっていたから、会ってよかった。現場の記者はまじめで一生懸命。ただ、彼らが現場を地道にコツコツ歩き、レポートやVTRを上げても、もっとハデでおもしろおかしいネタがあれば、ニュースでは脇に追いやられたり、飛ばされたりしてしまう。CSやBSがもっとその受け皿となって、地上で流さない・流せないニュースを流したほうがよいと思います(一部そうなっているが、まだまだ認知されていない。また、有料では見る人が少ない)。また、せっかく歯科医の取材を重ねているのだから、「歯科医療の実態」「患者本位の歯科医療のために」というようなドキュメンタリーづくりに取材成果を生かすことも考えたら、と思います。国民にはそのほうが切実な問題。歯医者に行き治療を受けるだけでエイズや肝炎に感染しても、不思議ではない現状ですから
●田原総一朗の奥さん、田原節子さんが亡くなりました。いろいろとお世話になり、ありがとうございました。癌との長い闘い、お疲れさまでした。何年も前に「あと3か月」と聞いたが、奇跡的な生命力で見事にもちなおされた。田原は北朝鮮にいて、明日帰国予定です。田原らしい(覚悟のうえで北朝鮮に行った)、また(自分のことはいいからと送り出した)節子さんらしい最期と思います。合掌。来週後半、築地本願寺で告別式の段取りのようですが、詳しくは後で。取り急ぎ
朝日のおくやみ記事。問い合わせが必要な方は、テレビ朝日広報部宛がよろしいです。田原事務所は留守電。供花の連絡先は公益社03-5491-7520

08-12
●米軍がサドル派壊滅の大規模作戦。オリンピック期間中、それを目くらましとしてナジャフで相当なことをやるかも。ナジャフはサマワからそう遠くない(120キロも離れてない)。そのサマワでは自衛隊テントから50mに迫撃砲の不発弾が着弾(朝日新聞ほかによる。政府は宿営地外として朝日報道を否定。大本営発表さながら、そもそもまったく報じていない新聞あり)。イラク中・南部の治安は非常に悪化しており、いつ自衛隊に死者が出ても不思議ではない状況だと思います。小林道雄は「戦うこともならぬ人間を、ロシアンルーレットに等しい恐怖下に置くことは、断じて許されることではないと私は思う」と書いています。新聞やテレビにはそんな見方は1行1画面も出てこない
●東京新聞から昨夜、「オリンピック前にテレビに注文を」と電話取材。およそ次のようなコメント。【1】日の丸、日の丸と、過剰に「国」を出してもらいたくない。選手に国を代表する気負いはあるだろうし、日本人が日本チームや日本選手を応援するのも当然。だが、あまりに過剰なニッポン応援オンリーの番組をつくり、選手を視聴者をナショナリストにしてほしくない。他国の選手のよいプレーに目配りしたり、国なんて関係なく個人として頑張ろうとしている選手にも応援を。【2】アナウンサーの絶叫調は、いい加減にしてほしい。感動したいのは観客。アナや解説者はそのサポート役。エキサイトしすぎのアナや解説が感情を押しつけると、見るほうはものすごくシラける。それから形容詞を使いすぎ。「すごい」「すばらしい」といわずに、すごさ・すばらしさを伝えるレポートを。【3】スポーツは知っているようで案外知らないことが多い。たとえばバレーのローテーション、1人だけ違うユニフォームのリベロって何とか、卓球の点の数え方、サーブの順番とか。そんなちょっとしたことも、わかりやすく的確に解説したら。視聴者・観客と同レベルに立つのでなく、見る人の目をより高める解説を。【4】紋切り型、ワンパターン、ステレオタイプ、横並び映像をやめ、作り手の個性がにじみ出る番組づくりを。カメラワーク、絵づくり、アナウンス技術、レポーターや解説の人選、編成など、局ごとにもっと独自の個性を発揮してほしい。【5】お涙頂戴の、父と子の熱血スポ根物語や、地元で見守るおばあちゃんがどうこうなんてのも、個人的にはうんざり。早くも女子レスリングは「気合いだー」の父娘ド根性物語一色だが、ほかの選手も見せてくれ。【6】スタッフ(アナやレポーター)の楽屋ネタ、現地アナとスタジオと結んだギャグのやりとりは、いい加減にしてもらいたい。主役は選手、スタッフは伝える役。スタッフが忙しいだの、何を食っただの、わざわざ放送しなくっていい。「局スタッフ露出」と「局の個性発揮」を混同するな。【7】メダルの期待がかかる選手だけでなく、世界では25位かもしれないが日本1位で頑張っているというような選手の顔も見せてくれ。【8】オリンピック期間中だって、国際社会も日本も変わらず動いている。イラク、アフガン、スーダン、パレスチナ。あるいは年金、日歯連献金、金融再編、若者や子どもの事件。オリンピック以外の大切なことの報道を忘れないでほしい

08-11
●昨日の暑気払い、出席は《日本印刷》成田勝也、山本清久、《ビアード》滝野俊一、《フリーカメラマン》黒川公人、坪和正幸、《イラストレーター》ぶぶりん、《放懇事務局》中島好登、福島美子、久野明、佐々木七津女、《放懇以外》Greg Sonbuchner、同時通訳の美女、小島清、黒川玲子、《放懇》堀木卓也、津田浩司、小田桐誠、永田俊和、石橋さや夏、鈴木昭、田代勝彦、岩本太郎、今村庸一、伊藤洋子、砂川浩慶、兼高聖雄、深川章、布施公章、田中典子、坂本衛の30人大宴会に。放懇総会より人がいっぱいいるんじゃないか、なんていうヤツあり。欠席は小林英美、藤久美子、横浜ロケの《TAD》末武和人、楜澤新太。田中さんが、ニューヨーク・フェスティバルNYf)の新Presidentグレッグ氏を通訳付きでお連れくださり、彼我のテレビやCMの話なども。かわうち渡部雄一・八重子ご夫妻、夕方から0時すぎまで出血大サービスありがとうございました。大変ごちそうさまでした。うちの奥さんもお疲れさん
●途中、デカい伊勢丹の紙袋が出てきて中島好登が立ち上がったので、余興にビンゴでもやるのかと思ったら、思いがけず、GALAC編集長お疲れの記念品を贈呈くださるとのこと。2004年度までの放懇出版編集委員、事務局、田代専務理事の連名で、ソニーのHDD付きDVDレコーダーをいただきました。温かいお心づくし、本当にありがとうございました
●HDD+DVDは、本の2〜3冊も仕上げ終わった年末あたり入れるかと思ってましたが、子どもが大喜び。「日テレ24時間テレビまでに見えるようにして」と娘。なにしろうちは、テレビの下と左右にワカツキのAVラックが3台(3連ワイドにタテ旧型2本で、それぞれアンプが6台ずつ入る)。重さ20kgで何百ワットかのデジタルアンプを中心に、LCDだのCSだのVTRだのテープデッキだのゲーム機だのメイン・リアスピーカーだのウーハーだのをギトギトに接続。裏側の配線なんて、写真に撮って見せたいくらいものすごい。アンプの音量ダイアルは時計でいえばゼロが7時・最大が5時の位置で、10時のところで窓ガラスが震え、スピーカー損傷の懸念から12時半より右には回せない。地上テレビを見ながら録画し、ゲームもやり、しかもスターチャンネルをVTRに録画しつつ、同時にCDをテープ2本にダビングできる(そんな阿呆なことやるわけないが)総重量400kg近い巨大システム。で、ラックのAV機器以外の棚にVTRテープだのLDだのCDだの本だの新聞だのを突っ込んであり、すぐには設置できない。テレビの裏側に回り込むだけでも、たぶん150kg以上ある中央ラックを引っぱり出さなければならず、出して戻すだけでも小一時間かかるのです。何とかなるのはお盆すぎか

08-10
●この欄で、月尾嘉男・前総務審議官がGALAC座談会で「現行放送の2011年停止・地上デジタル完全移行は難しい」と言ったのは本邦初では、と書いたところ、ご本人から「すでに『放送研究と調査』(2004年7月号)で、坂本さんの意見などを借用して疑問を呈しています」とメール。読むと「精細な画面で退屈な番組を見たいか、画面は粗くても面白い番組がいいか」「テレビがプラットフォームになるには問題……やはり長年の習慣で、居間で見るという歴史があり」「4800万世帯で約1億台のアナログテレビ……これを7年ほどですべてデジタル受信機に置き換えるのは容易ではありません」「問題はテレビの生産能力と視聴者の購買力」あたりは、坂本と同意見。GALAC座談会よりNHK「放送研究と調査」のほうが先でした。大変失礼しました。1点だけ、この記事中「85%普及でアナログ停波」は、電波法改正のとき外したのではなかったでしたっけ?
●もう一つ訂正。08-05に「嵐は日テレ27時間テレビ用V撮りの後」とあるのは「日テレ24時間テレビ」のまちがい。これまた失礼しました。恵美子さん、ご指摘ありがとうございました
●夕6時〜GALAC式暑気払い@西早稲田かわうち。出席予定は《日本印刷》成田勝也、山本清久、《ビアード》滝野俊一、《TAD》末武和人、楜澤新太、《フリーカメラマン》黒川公人、坪和正幸、《イラストレーター》ぶぶりん、《放懇事務局》中島好登、福島美子、久野明、佐々木七津女、《放懇》堀木卓也、津田浩司、小田桐誠、永田俊和、石橋さや夏、鈴木昭、田代勝彦、岩本太郎、今村庸一、伊藤洋子、砂川浩慶、坂本衛。ほかに出席の方向だが、確定でないのが小林英美、黒川玲子、兼高聖雄。うちの奥さんも手伝いに来るゾ。なお、かわうち主人・渡部雄一から電話。「よい穴子が手に入らなかったので天麩羅はヤメた」とかなんとか。刺身もドカーンと用意するそうなので、黙って欠席のお方からは会費を徴収するゾ、と
[検証ポケモン事件]ピカチュウからの警告に追加情報を掲載

08-09
民放連「月刊民放」9月号(9月1日発行)の特集「テレビ放送の『政治的公平』」原稿up。総務省から放送局(山形テレビとテレビ朝日、6月22日)への「政治的公平」を理由とした厳重注意・行政指導は、椿発言事件以来10年ぶり。特集では、松井茂記(大阪大法学部教授)、清水英夫(BPO理事長)、坂本の原稿ほか、編集部による「厳重注意」の系譜、一口メモ「厳重注意って何」、2放送局への「厳重注意」全文などを掲載するらしいです
「感情増幅」装置としてのテレビ――テレビは、なぜ感情を増幅するか?をup
●昨夜10時すぎ田原総一朗から電話。「明日9日、北京から北朝鮮に入り、外務次官ほかに会う。テレ朝サンプロ総勢6人。帰国は14日」とのこと。「週刊文春」がチラと書いた件です(本人曰く「デタラメ」だそう)。「11〜12日の実務者協議で(5月首脳会談で金正日が約束した安否不明の拉致被害者)10人に関する再調査の結果が出る。それを踏まえて突っ込んで聞く。なぜ拉致なんてやったのか、どこを拉致問題の最終的な落としどころにしたいのか、と」うんぬん。「僕は拉致を解決し、核を解決し、そのうえで日朝国交を回復することができると思っている」「(この件で小泉さんは行き詰まっていないのか?と聞くと)そんなことない。行き詰まったら、内閣は潰れる」「要は金正日を生かすか殺すかだ。僕は現体制のまま仲良くすべきだと思う。森本敏郎は今日のサンプロで『潰すしかない』というから、違うといった」「日本では自民党にも右翼にも、とにかく潰すんだといってる連中がいる。だが、アメリカ、中国、韓国――どこも、北朝鮮の現体制が潰れてよいと思っている国などない」(←これはその通り。ソフト・ランディングさせるほか選択肢はない)「まあ、僕の乗った飛行機が落ちるとか、拉致されるということは、ないと思うよ」とのこと。くれぐれもお気をつけて。10人については、私はよくない結果が出る恐れが強いと思います。

08-08
●民放連「月刊民放」原稿書き。政治的公平の話
●サッカーで思い出しました。今年は麻布学園サッカー部(中学)が都大会で國學院久我山を破り優勝、関東大会に進出。第1試合は7日って、昨日ではないか。13:00〜@千葉「青葉の森スポーツプラザ」陸上競技場。PTA副会長の藤森隆によると「相手チームは貸し切りバスで応援団を送るとのこと。応援合戦では負けたくありません。よろしく」か。で、勝った場合の第2試合は8日10:00〜って、今日じゃん。勝ったのかな? 私が麻布サッカー同好会に入ったとき(33年前!!)の高3高2あたりはサッカー部より強かったようだが、私たちの代では部のほうが全然強かった。私は小6のころ身体がデカく、足も速かった(男先生といい勝負で、世田谷区大会の短距離では優勝するつもりだったが、雨でナシに!!)ので、中2くらいまでは我ながら相当なもんだったと思いますが、そこらへんで終わっちまいました
●ただ、麻布は応援が強かった。というか、チームがそれほど強くないので、応援で野次り倒し少しでも上に行くって伝統。高2のときの野球部は曽根宏がピッチャーで西東京ベスト16(ここまで行くと、明大中野とか日大ナントカとか本チャンのが出てくる)まで進んだのだったかな。剣道に全然出なかったら(腐ったような面をつける気がしなかったので)「仮進級」とかいわれ、野球部の応援が義務づけられ(それでチャラにしてやるというような話だった)神宮第2球場に通った。応援があんまりなので「週刊朝日」が取材に来てました。「安全パイ」コールとか「オリバーくん」連呼とかね。当時、染色体数が人間に近いチンパンジーのオリバーくんというのが騒がれており、相手チームに手が長くよく似た選手がいたので、そう呼んだ。彼は完全に怒り、動揺していました。いま思えばなんとも気の毒。ゴメン

08-07
サッカーアジア杯、ま、あんなものでしょう。中国はデカいが、まだ粗削り。キーパー経験不足、フォワード決定力不足、キャプテン欠場を考えれば、順当な結果。日本はタフになり、中沢、宮本がよく頑張った。中村はミスが目立った。アレックスはもっと守備せよ。みんな誉めているようだが、川口も(今大会通じて)並の出来。日本選手に総じていえることは、(1)クリアが小さい(アタマで処理しすぎ。クレマーさんの「大船まで飛ばせ」ができてない)、(2)トラップがヘタ(受けるときボールを体から2mも離すトラップが通用するのはアジア大会止まり)、(3)パスしたら走れ(「三角パス」のつなぎが足りない)、(4)上がったバックを使え(見えていないのでパスが出ず、空上がりが多い)、(5)シュートを打て(完全に抜ききってから次のプレーをしたいという意識が強すぎ。持ちすぎ。これも通用するのはアジアだけ)――こう書くと、サッカーの基本ばかりですが
●ウルウル・ジーコ(とりあえず「よかったね!!」)の選手起用も硬直的すぎ。とくに鈴木とアレックスへのこだわりが、ちょっとわからない。中田、小野、稲本、久保がいるとき、どうやるのか、いまから心配
●それにしても、なんで決勝戦にあんなクズ審判が出てくるのか。札付きレフリーの忌避制度のようなものはないのだろうか

08-06
●今日、GALAC9月号発売。表紙は上野樹里、巻頭グラビアは毛利子来、特集は「ぎゃらく式放送未来図」。2011年「バラ色の旅」篇と20XX年「灰色の世界」篇の2つの絵、どちらが信じられるか、読者がご判断を。地上デジタル、BS、CS、CATV、ケータイ、ネット、モバイル各見開きで現状と可能性もリポート。月尾嘉男+千田利史+音好宏の座談会を付す。前総務審議官(昨年まで総務省事務次官の次かその次)が2011年のデジタル移行は「いまの状況でいけば難しい」と断言している、私の知る限り本邦初のスクープ座談会。退任後とはいえ総務省高官のそんな発言は、これまで新聞・雑誌・テレビ・ラジオに出たことがない。地上デジタル放送の記事を書く記者は、今後はそのことを踏まえて書かなければ具合が悪いです。総務大臣以下総務省官僚も、総務委員会委員はじめ国会議員も、そういつまで誤魔化し続けてはいられません。この欄をお読みの議員秘書のみなさんや、自治体関係者のみなさんには、ぜひGALAC今号を入手されることをお勧めします。GALAC注文ページはこちら
●まずまず妥当な地上デジタル放送計画修正案はこちら(2011年に「やっぱ間に合いませんでした」と泥縄的に法改正するか、2〜3年のうちにもっと国のため人びとのためになる計画に修正するか、どちらがいいか。現状維持が当然という与党の立場はわかるが、政権がほしくて政権党を叩くネタを探しているはずの野党が、なんで沈黙しているのか、私は実に不思議です。あと7年足らずでいまの放送をストップすると最終的に決めたのは、国会議員(共産を除く与野党が賛成)。2011年に止められなかったら、第一に問われるのは、あなた方国会議員の責任ですよ!! (放送局やメーカーは、放送全体を全面的に止めて違う放送をやりたいとはいったが、そんな大それたことを決める権限などない。最終的に決めたのは国会。だから最大の責任は国会にある。「総務省ができるといった」なんて言い訳は通用しない。総務省がいったことを追認するだけなら、総務委員には存在意義がないでしょう)
●この「GALAC」2004年9月号が、坂本衛が編集長を務める最後の号となります。1997年のリニューアル創刊以来7年余、前身の「放送批評」の最後から数えれば8年以上の長きにわたり、ご指導ご支援まことにありがとうございました。9月6日発売号からの編集長は小田桐誠。引き続きよろしくお願い申し上げます

08-05
●アジア杯、中国の日本へのブーイングについて、マスコミも政治家も騒ぎすぎ。「政府として抗議」などというが、中国民衆と同じ感情的なレベルまで降りていき、スポーツに政治を持ち込んでどうする? 申し入れはサッカー協会や観光協会にまかせて静観するのが、大人の対応というもの。以下は、久野明の意見
●「予選リーグでは中国戦以外の試合は、あまり観客が入っていないのが現状。ところが重慶の日本戦は、ほぼ満席。日本サッカーへの期待は、地元ではあったはず。テレビで反日感情について、インタビューを受けている中国人の1人は、 JAPANのユニホームを着ていたくらい。それがなぜ、ブーイングになるのか」
●「確かに反日感情もあるだろう。ネットによる誘導も大きい。中国にとってライバルとなる強い(?)日本に対する反発もある。でも一番の要因は、中国における『サッカー・リテラシー』の低さに原因がありそう。つまり、拍手するのと同じ次元で、日本に対するブーイングも面白半分でやっている。サッカー観戦するときの、一つの【掟】だと思っているようだ。黙って観戦するより、『ブーイング』することが楽しい、といった次元のこと」
●「マスメディアは『完全なアウェー』などとほざいているが、あの程度は『やさしい洗礼』でしかない。ヨーロッパの『フーリガン』の殺気とは比べたらかわいいもの。本場はネオ・ナチもどきのスキンヘッズで、刺青入れたガタイのいい男たちが、地鳴りのような野太い声で挑発する。コーナーキックをしようとすれば、オレンジやペットボトル、コインまで投げ入れる。アウェーのサポーターは完全分離されて、ひどい場合は檻のようなゲージに入れられる。(これを別に容認しているわけではないし、FIFAやUEFAも制裁措置を厳しくしているわけですが)」
●「日本、中国ともマスメディアが表層だけの現象を伝え、『反日感情』というキーワードだけを強調しすぎでしょう。 まさに「感情増幅」の悪しき例。サッカーをろくに知らない自民党議員が中国に抗議するなんていってるが、恥をかくからやめたほうが身のため」(久野明の意見ここまで。まったく同感です。メディアにはこのくらいもののわかった視点がほしい)
●昨日は胡弓で昼食後、横浜アリーナ(娘は3日連続!!)。嵐は日テレ27時間テレビ用V撮りの後、囲み取材。2時〜5時前まで「嵐! いざッ、Now Tour!!」コンサート。MCで桜井翔が「今日たいへんなことがあった。痴漢にあったんですよ。電車の中で手が触れたんで、あー気持ち悪いと振り払ったら、おじさんが『すみません』と。降りる前、小指に小指をからめてきた。痴漢にあった女性が怖いと思う気持ちが、身に染みてわかった」「接触は結局3回」うんぬんと告白(「報知」かな、一部スポーツ誌既報)。大野智も「ジュニアのとき、おへそのあたりをクリクリされた」。二宮和也は「俺は痴漢に間違えられた。女性と触れていたケツのポケットでケータイが鳴った。そんなの取れないじゃん。出ないでいたら、一緒にいた村上刑事を(←村上信五? よく知らん)ものすごく睨んだ。同じ駅で降りたら『そんなわかりやすいことしないでください』と2人で怒られた」。相葉雅紀は「俺もあったなぁ、電車の中で殴られたこと。中2のときの帰り道、ニノともう一人ジュニアの子と電車で座って、みんなでガム食ってた。それを銀紙に吐いた。で、丸めました。それをイスとイスの間(座るところと背もたれの間?)に落とした。その瞬間、目の前の吊革の手がそのまま頭に降りてきてポカッ。『何やってんだ!!』と。あれは怖かった」。二宮「俺は慌ててマンガを読みふけった」。終了後レセプションで白波瀬傑、ニノと一言。ものすごいハードワークだが、身体を壊さないようにと思います。GALAC1月号表紙は、たぶんタッキー
●新宿にトンボ帰りしたら、案外早くついた。新宿コマ裏、車屋で志賀信夫、田代勝彦、中島好登と。ごちそうさまでした。また何かとご配慮ありがたく。志賀信夫と高田馬場まで一緒

08-04
●アジア杯サッカー決勝は対中国。大荒れになりそう。「スポーツに政治的意識を持ち込まないほうがいい」は小泉純一郎の発言。その通り、スポーツは政治・行政と距離を置くべき。だから、第3次イラク派遣陸自部隊の代表がJOC事務局を訪ね、隊員500人全員が記入した応援寄せ書きをアテネ五輪選手団に贈ったというのは、気持ち悪い。「君らはアテネで日の丸を掲げてくれ。サマワの日の丸は我々が掲げる」てのは、戦前(1945年以前)に聞いたことのあるセリフだからです
●2時〜嵐コンサート@横浜アリーナ。二宮和也は蜷川芝居以来。手をケガしてるそうだが大丈夫? 夜、新宿で志賀信夫と

08-03
NHK支局長を厳重注意 ソウルで取材費水増し――今日発売の週刊新潮《「汚れたNHK」の決定的スキャンダル! 「海老沢会長」が隠蔽した「夜の帝王」(ソウル支局長)の巨額「裏金豪遊」》問題。93〜97年の4年間にわたる経費水増し請求が97年に発覚、厳重注意処分も出た。共同記事によれば、NHK経営広報部は「私的流用はなく、領収書のもらえない取材目的の飲食などにかかった経費を穴埋めするためだった」から公表せずと、お粗末な釈明をしているらしい。領収書がもらえない経費(たとえば香典)は、支払い者が伝票を起こしてNHKが直接払うべき。他社に水増し請求させれば、それは架空経費で、私文書(領収証)偽造や詐欺と五十歩百歩のインチキ。私的流用の有無など言い訳にならない。受信料の使い方として、なってないことは確か。学校のいじめと同じで、この種の不祥事は、隠し続ける限り、なくならない
●東京医科歯科大学の「寄生虫博士」こと藤田紘一郎によれば「BSE(狂牛病)全頭検査は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法で延髄(後脳と脊髄を連絡する部分)にプリオンがあるかどうか調べる。しかし、(1)延髄にプリオンがあっても検出できない場合がある、(2)延髄以外の場所にプリオンがあれば当然、検出できない、(3)PCR法で検出できない新しいプリオンが登場してきた(日本で1頭、イタリアでは10頭)という3つの理由により、まったく無意味だ。より安全で科学的、合理的な特定危険部位の除去に、一刻も早く改めるべき。専門家は全員そう思っているが、一言もいわない。農学部などにいる学者たちは、農水省や厚労省から莫大な補助金を得ているから、役所の意向に反することを言えない」そうです(正確にいうと、ELISA法でスクリーニング検査をした後、陽性のものをPCR法で確認検査するらしい)。ということは、農水省や厚労省のクラブ所属記者にも書けない。社会部か遊軍が書いてください。関連情報を探して見つけたサイト「ただの医者じゃない」はおもしろい。全頭検査の正しい知識というページもある
●オウム関連の取材を続けてきた岩本太郎から、国松長官狙撃事件捜査についてのメール。長いので一部抜粋して無断転載。「連行していくシーンを見た瞬間に『これはモロにメディアでのキャンペーン化を図ろうという意思が働いているな』と思いました」「今ではメディアが常時オウムの動向を監視しているなんて状況は、教団の中枢部門がある世田谷の南烏山周辺でも見られない。まして、既に脱会して社会生活を営んでいる石川と小杉(前者はその後中央大学に入学して無事卒業。後者は警察を辞めた後に静岡県内の実家に戻って働いていた)の動静をわざわざ追ってたメディアがあるとは想像しにくい。にも拘らず、彼らのもとに捜査員が訪ねていき、容疑者として連行されていくシーンが、おあつらえ向きの絵としてテレビや新聞、雑誌などで大々的に報じられた。こんなのは警察サイドからの『やるからな。撮ってくれ』とでもいった依頼もなしに、事前にカメラマンがその場に駆けつけていたとは到底思えない」
●「既に実行犯として二審まで死刑判決を受けている端本悟が狙撃犯ではないのかという説にしたって、ちょっとオウム問題を追ってきた人であれば『え、そりゃちょっと無理があるんでないの?』と思うはず。自らの罪を悔いて死刑判決に控訴しない意向を表明し(弁護人が代わりに控訴)、獄中で自殺未遂まで図ったという端本が国松長官狙撃犯だったならば、今までそれを黙っていたというのは不自然だ――と、まともに予備知識と思考力のある記者がいれば、そこで気付いて然るべき」
●「ちまたで言われる『追いつめられた政権与党の選挙対策だったのでは』という見方には確証はないし、その辺りはこれ以上掘り下げることはできそうもない。もっとも、選挙戦終盤でますます創価学会頼りになっていた状況下で、かつて池田大作名誉会長暗殺未遂事件をやらかしたオウム教団の一員が捕まったということについては(それが信憑性のある説かどうかはともかく)仮説として提示するぐらいのことは誰かやっていてもおかしくないんですけどね」
●「嘆かわしいのは、こうした疑問点があるにも拘らず、警察から情報が提供された(であろう)途端にメディア側が何も考えずに乗ってしまうことですね。本来なら参院選前で誌面や編成も選挙シフトに買えたり、取材スタッフも選挙報道に動員したりして他の話題が出にくく時期なのに『国松長官狙撃事件が解決に向け大きく踏み出した!』などと大きく取り上げてしまう。どの新聞社やテレビ局でも人事異動によって、かれこれ10年前のサリン事件当時からオウム問題を追ってる記者なんていうのは現場ではもはや絶無。だから時折オウム関連でこういうことがあると、何の疑問も持たずに『あの国松狙撃事件ですかー!』と飛びついたり、とにかく外部識者のコメントをとらねばということで、私なんかにも電話をかけてきたりする(今回も実際に来ましたけど)」
●「どうも『世の中で起こっている事象の現場や当事者に迫って、その素顔を伝えていく』という、ジャーナリズムやらノンフィクションの戦線といったものが、あらゆる分野において著しく後退しているのだろうか――そんな印象を受ける今日この頃です」(メール引用ここまで。最後にある印象は坂本もまったく同感です)

08-02
●午後、藤田紘一郎追加取材(汚く育てよ本)
●レアル・マドリーさすが。ジダンの美技、言うことなし。ジダンの足は宝石なので、踏んずけてはいかん。フィーゴもよく隅に決めた。ロベカルのロングシュートを見たいと思っていたが、ありゃロングすぎ
●昨日、毛利子来からメールで「ご参考までに、『イラクから帰国された5人をサポートする会』の活動を紹介」と。テレビ朝日「朝まで生テレビ」公開質問状関連文書、まだちゃんと読んでおらず、言及は後で

08-01
●小林道雄から電話。ようやく偏屈庵日乗を再開したと。ひと頃より声もだいぶ元気。更新は3〜4日に1回くらいのペースでゆっくり、と話す。食事の様子をたずねると「ご飯は茶碗に一杯。ただ、メシは噛めば噛むほどうまいが、おかずは噛めば噛むほどまずい。困ったもんだ」そう。その日記を読むと、思っていたより小腸の切除部分が大きく、これではショックで小腸が働かないのは当然。医師に切ると聞いたのは「上行結腸+小腸の終了部少々」だったが、実際に切ったのは結腸20cmに小腸50cm
●1484がキラキラ☆日記なるブログ始めました。「三十路の行き遅れ1484が、日頃目にするテレビ&ラジオ番組をネタに、自らの独断と妄想をまじえつつ、勝手に駄文をしたため」るそうです

07-31
●朝まで生テレビはVTR録画。うーむ……。久々におもしろかったが
●サッカー、ヨルダン戦。ヘンな審判。最初はむこうに贔屓《ひいき》してんのかと思ったが、ただヘタなだけだ。ラインズマンも話にならず(なにあのオフサイド判定)、両チーム選手とも気の毒。ま、勝ちは勝ちだがね。宮本、抗議するなら中村が蹴った直後だろ。PKを2回蹴らせろって三都主も見苦しすぎ。アナや解説も「いままで打った分はどうなるのか」なんて、ありえん会話
●昨日のへちま暑気払いは、弁護士、建築家、医師、東京ガス、NTTデータ通信、JFEホールディングス(旧鋼管+川鉄)、日銀、、三菱信託、みずほ、電通、三井住友、ジャーナリストの異業種交流。「エンタテインメント契約法」を上梓した内藤篤は、本の話はそこそこに、渋谷の映画館のオヤジ(オーナー)となるプロジェクトについて。東急本店の先、文化村入り口から左折したラブホ街に、来年7月複合シアタービルがオープン。この5Fが内藤の映画館(客席144)。文芸地下のような路線で内藤の好みの映画(邦画7:洋画3)をかける、高校生以下は500円てな構想。日銀はBIS規制のバージョンアップを終えたところ。日欧が組んでどうアメリカのワガママを押さえ込むかに腐心したらしい。ハンセン氏病施設勤務の医師によると、南〜東南アジアを中心に年間発症者は100万人規模。銀行・不動産部門の見立てでは東京地価の底は昨年夏。いまは一部でミニバブル状態。ただ、不動産価格「『の』の字」説でいえば汐留→品川→大崎→渋谷と来たが、新宿まで行かないかも。電子政府・電子自治体のシステムの話では、ネット上で申告ができるなんてのは、ケーキでいえばデコレーションで、クリームやイチゴやチョコの板にすぎず、問題は土台だと。某銀行は、机をブッ叩いて「犯人はお前だ!! 証拠は上がってんだ!!」と怒鳴る鬼刑事・金融庁と 「どうだ、カツ丼でも食うか」という優しい日銀刑事とに、日々攻め苛《さいな》まれているそう。ただ、日本の銀行は「もっと縛って!! ぶって!!」ってマゾなんだと。再編とはつまり「ワラのお家から出たが、UFJさんの木のお家も吹き飛ばされたんで、今度は東京三菱さんのレンガのお家に入りたいなー」ってわけだが、「だいたい英語3文字の会社はロクなことがない」「カナ3文字もだ」とか。いろいろと勉強になります。昭和60年に妻にテレビを捨てられて以来家にテレビがないヤツ(これまで「ああ、テレビがあれば」と思ったのは、平成の改元のときで、聞いていたラジオでは「ヘイセイ」の字にいまいち確信が持てなかったから――「それ、GALACに書いてくれ」)とか、毎夏スイスに行って旅行記を書きため某女子校のパソコン教師である妻がホームページを作ってくれるのを待っているヤツとか、麻布学園PTAの副会長をやらされてしまい毎週土曜はそれで潰れているヤツとか、いや、おもしろい
●自営以外のサラリーマン稼業では、「50歳」が射程に入ってきて、通称「たそがれ研修」(セカンドライフ研修など各社で呼び方は異なる)が、来年あたりから始まったりするそうな
●大西が「昔のが出てきた」と、玉井裕の世界史(玉井については本欄2004-01-25参照)と、吉川涼の生物(吉川はキッカワ。第5代麻布校長)の授業録音テープを持参。玉井の声の若いのに改めて驚く
●もー吉後、大留と本多横丁の沖縄居酒屋へ行き、2時前帰宅

07-30
●週刊文春が、隠蔽体質に蝕まれた公共伏魔殿NHK、朝日新聞のいう「日本放蕩協会」のことをいろいろと書いています。NHKvs.朝日はムスタン・サンゴ以来相変わらず。だが、文春がいうように、朝日は週刊文春の4文字くらいどこかに出しておくべき。他人の褌《ふんどし》なんですから
●週刊文春が書くNHK経営広報部のお粗末な対応は、まったくその通り。いつかGALACニュースの欄に川島正がNHKのブロードバンドへの進出について書いたら、経営広報が「事実誤認も甚だしい。すぐ来てくれ」というので、行って経営広報部長(現任者ではない)が事実誤認と指摘する箇所を聞いた。直後に川島正とも会って「こういってるが」と伝えたら、「じゃあ内部文書を出す」というから、それは止めてしばらく様子を見た。すると、3か月ほど後に海老沢勝二会長が定例会見でGALACに載った内容を発表したので、NHKの抗議は沙汰止みとなりました。つまり、このときのNHK経営広報部は、GALACが事前につかんでいたNHK中枢(経営企画や会長室)の情報を知らされておらず、文句をつけてきたわけです。実に恥ずかしくお粗末な話。しかも、その後この件について「来てもらって悪かったが、抗議は撤回する」という挨拶は一切なかった。そんなクズみたいな話は本1冊書けるほど知ってるが、あんまりくだらないので書かない
●だだし、一つだけ、暇になったらupすればおもしろいかもと思うのは、文芸春秋(本誌)用に書いた池田芳蔵(故人)NHK会長時代末期のNHKレポート(手書き原稿が家のどこかにある)。会長辞任でお蔵入りとなったが、辞任が遅れたら、文春記事で会長のクビが飛んだかもしれないと思います。担当編集は「疑惑の銃弾」(ロス三浦事件)の安倍隆典で、それを狙っていた。当時のNHKのハチャメチャぶりは、それはものすごかったが、文春の取材もなかなか。私がインサイダー(故人)を取材中に、シマゲジ(当時副会長の島桂次)から電話が入り、インサイダーが「胃が痛いってさ」なんていってたのを思い出します。池田は昭和天皇の大喪の礼を欠席したが、実はゴルフをしていたという話があり、文春はNHKの会長車の運行記録まで調べようとした。池田はアメリカでわけのわからぬ業者とNHKエージェント契約を結んでしまい、NHKは解約金を取られた(受信料から何万ドルかムダ金を払った)なんて話、初耳でしょう。池田本人、シマゲジ、後始末に動いた特派員と急遽渡米した役員、私が会ったインサイダー以外、ほとんど誰も経緯を知らないだろう話です
●単行本原稿書き
●久野明いわく「昨日のレアル・マドリーの試合はジェフの健闘もあって、見所がいっぱいでした。でも、ジェフ相手にカウンターを食らうマドリーのディフェンスは、ちょっとヤバそう。今年もタイトル取れるかどうか」と。私も見たが、林という選手がよかった。それにしても日本選手には「シュートは、打たなければ入らない」と申し上げたい。ま、レアルはチンタラやっていた。ロベカルは、足がつったジェフの選手をグティがストレッチするところに駆けつけ、超丁寧に水をかけてやったりして、おもしろいヤツ(久野明によると、ロベカルは昨年今年と連続で日本での少年サッカー教室をドタキャンし、イメージを悪くしていので、「いいひと」ぶりをアピールする計算)。ヤツの30m超のシュートを見たかった。中継の感想を少し。フリーキックのとき距離と角度を出すのはいい。ただ、角度30度は90−30=60度とすべき。昨日の言い方だと、普通の感覚では「角度がほとんどない」たとえばコーナーに近い位置からのキックが「85度」(5度ではなく)のように表示されてしまう。「釜本が左45度のシュートを得意とした」というときの「45度」はゴールラインとシュート(の軌跡)のなす角度。ドーハの悲劇の前に中山が放った奇跡のシュートは、角度が90度近かったのではなく「ほとんど0度だった」からすごかった(多くの人は何が起こったのか、すぐにはわからなかった)。それから、グラウンドにエンブレムや点数を出すのもよいが、もっとアナウンサーが「CG画面を出している」と合間合間に言及すべき。よい出来だけに、一瞬だけ見た人はそういうグランドなのかと思い込みかねない

07-29
●昨晩の放送特殊研究V飲み@かわうちは、中村瞬(4年)、藤塚央(3年、以下同)、村澤真琴、松岡布佐子、加藤有紀、吉田康生(T.A.)、坂本。渡部ご夫妻ご馳走さまでした。会費2500円だが会計は28,090円だったので、なんとかしておいた。藤塚、日本酒飲みすぎ。ちなみに、お前たちに教える非常勤講師の月額報酬はこの日の飲み代とほぼ同額だぞ。わかってんだろうな
●明晩7時前後〜へちま暑気払い@もー吉。内藤篤(弁護士。スピーカー)、中込、トリ、大西、片山、宮内、勝倉、曽根、村上、大留、藤森、坂本の12名が出席予定
●日経エンタテインメント5月号「OPINION」欄に掲載の「2011年にアナログ放送停止は無理 地上デジタル放送は計画を見直すべき」をup

07-28
逮捕者一覧 東京地検特捜部――大物逮捕への地ならし? それとも幕引き?
NHK編成幹部がカラ出張 3年前処分、公表せず――隠蔽体質に蝕まれた公共伏魔殿から、この手の内部告発がどんどん出てくる気配。受信料不払い増が懸念されます。読売新聞はナベツネ「無礼」発言直後に何万部か解約が出たそうです。なお、NHKでは昨年あたりから、受信契約はしているのだが口座に残額がないために受信料が引き落とせないというケースが続出している由
国境なき医師団JAPAN副会長の臼井律郎から「日本のマスコミが絶対書かない別の話」と、以下のメール。無断で転載させてもらいます(臼井、名前出していいよね)
●「今、アフリカはひどいですが、中でも北スーダンのDarfurというところは、現在、世界で一番の人道上の危機といわれています。去年の秋くらいから、スーダン政府に援助されているJanjaweedという民兵たちが、Darfurのすべての村を順に襲い、男は全員殺し、女はレイプし、そのあと村を完全に焼き払うという行動をしています。焼け跡の様子は、衛星からの映像でもわかるくらいだそうです。そのため、100万人以上の難民・国内避難民が出、すでに死亡者数は3万とも5万とも言われています。一時は、国境を越えてチャドに逃げた難民のキャンプを、Janjaweedだけでなく、スーダン政府軍が国境を越えて空爆するということもあったようです。雨季が始まって状況はますます悪化・切迫しており、国際社会が知らん振りをすれば、ここ数か月で10万単位の死者が出ます。飲み水は乏しく、食料のストックは底が見え、雨でぬかるんだ道のせいで物が運べなくなっています。ほうっておけば、コレラの大発生は時間の問題みたいです。スーダンはとてつもなく巨大な国で、スーダン1国で西ヨーロッパの広さ、Darfurだけでもフランスくらいあるそうです。トラックがいけなくなれば、もうお手上げです。MSFは、裕福なイラクなどとっくに後にして、みんなDarfurへ向かっています」
●「Darfur攻撃の理由は大変複雑ですが、すごく簡単に書くと、北スーダンはイスラム教徒のアラブ人、南スーダンはブラックアフリカンで、南北で過去30年間内戦をやっています。最近、ようやく国際社会の仲介で、停戦協定ができました(もちろん守られてはいませんが)。で、北スーダンの政府としては、北スーダン内のブラックアフリカン居住地であるDarfurを無人の野原にしたいというのが、一番手っ取り早くかつ超単純化した説明です。実際は非常に複雑で、本当のことは誰も知りません。当初は国際社会もまったく無視していたのですが(というより、下手に刺激してせっかくの南北和平が壊れるのを恐れた。スーダンは石油、ダイヤ、金の埋蔵など(だったかな?)、先進国にとっては大変興味のある国です)、去年から、MSFだけでなく赤十字、UNHCR、AMNESTY INTERNATIONAL、Human Right Watchなどなど、世界中の機関がわいわい騒ぐので、ようやく今年の4月くらいからは、先進国も何とかしようという話をし出しました。日本政府もすでに何十億かくらいはいやいや支出しているようです。それで今は、世界の先進国のマスコミにDarfurが載らない日はないのですが、日本のマスコミは、毎日がごく小さく忘れたころに書く以外は、一切ノータッチです。(嘘だと思ったら、朝日でも読売でも、Webで検索してみてください。”スーダン”も”ダルフール”も、何もありません)」(坂本注:朝日はこのメールと相前後するタイミングで、7月22、26日とチラホラ書きはじめたようです)
●「6月のG8は、イラク、パレスチナと並んでダルフールに関する決議を出していますし、今月はじめにはアナン事務総長や、コーリン・パウエルも現地を訪問して、強い声明を出しています。国連安全保障理事会でも、決議を出す話になっています。しかし、日本のマスコミは、G8の決議さえ報道していません。どうなってるの? 日本って、G8のメンバーでしょ? MSF日本も何回もメディアを呼んで説明し、先日はそのダルフールで活動して帰ってきた日本人の帰国記者会見までしたのですが、それでも1行も書きません。上のほうに検閲があるんだね。以下BBCの報道のURL。G8 urges end to Darfur killingsAnnan reassures Darfur refugeesPowell delivers tough message to Sudan
●「日本のマスコミがいかに秘密を守るために結束しているかという例として、ご報告。貴君のいう『すべてを疑え!!』はまったくそのとおりですが、一番の報道管制は何も書かないことです。書いてあることの正否も大事ですが、僕などは日本の報道を見るときは、世界の報道と比べて”何が書かれていないか”をまず見るようにしています。でもあと5年もすると、日本のマスコミは”2004年のダルフール危機”とか、平気で書くのでしょうか?」(メール引用ここまで)
●蛇足ながら私の見解を添えれば、新聞がこの問題を積極的に伝えない(朝日7月26日付の記事にしても、国連や米政府の対応を報じるニューヨーク発の記事で「間接的」に伝えるだけ)のは、次のような理由からでしょう。(1)遠いアフリカの話で自分たちには関心がない。(2)もちろん読者も関心がないに決まっている。(3)取材する態勢がなく、直接情報を取ることができない。(4)自分たち以外の日本の通信社や新聞社が伝えていない。テレビが伝えないのは以上に加えて、(5)絵がない(坂本注:ところが国境なき医師団JAPANは、絵をもっています。ここを読んで報道してみようというテレビ・ラジオ番組関係者は、問い合わせてみればいい)
●午後、GALAC青焼き校正。午後5時半〜@かわうち、日大放送特殊研究Vの飲み会。2卓でこぢんまりの予定

07-27
●寝不足。午後、プロバイダのサーバーのせいか、サイト更新できず。接続できなかった方には不具合をお詫びします

07-26
●10時過ぎ〜夜9時前まで放懇事務所。金曜に校了できず、印刷所渡しは夜8時。ビアードさん、日本印刷さん、ご迷惑をおかけしすみません。途中、田中康夫の秘書から電話。ある会合で地上デジタル問題をぶちかますので資料がほしいというから、一式をTBSアクセス気付のバイク便でぶち込む。GALAC8月6日号特集は「チャートでよくわかる ぎゃらく式 放送未来図」。見開きで「2011年バラ色の旅篇」を描いたものの、「放送デジタル化で需要創出200兆円超、雇用創出711万人」なんてデタラメな政府筋見解(役人はこういう数字を審議会や諮問委員会「筋」に出させる)を書きっぱなしにはできませんので、「20xx年灰色の世界篇」の絵もつけた。誰のヒモつきでもないジャーナリストらが、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送、CATV、携帯TV、ネットTV、モバイル放送の現状と将来像をレポートすると、こうなるという内容
●一例を挙げましょう。地上デジタル放送はハイビジョン中心なのに、1999〜2003年に出荷されたハイビジョン受像機(PDP含む)はたったの180万台。日本にはおよそ1億2000万台(1億3000万台かもしれないが低めに見ておく)のテレビ受像機があるから、7年で残り1億1800万台をハイビジョンに置き換えなければならない。しかし、日本では年に1000万台しかテレビ(しかもほとんどハイビジョンでない低価格機)を作っておらず、置き換えは絶対に不可能だから、現行の地上デジタル計画は破綻しています。一家に1台のハイビジョンでよしとする(全家庭で2台目以降のテレビが粗大ゴミと化す)場合でも毎年660万台のハイビジョン受像機を売る必要があるが、これも不可能。松下、ソニー、東芝、日立、三菱、三洋、シャープ、日本ビクターなど、どの製造メーカーに聞いても、そんなハイビジョン生産・販売計画など公表も立案もしていないからです。手持ちのテレビに地上デジタルチューナーをつけアンテナをUHFに代えれば映ることは映るが、画質は今と同じ(ただし4対3テレビで見ると、上下に黒味が出るかか左右が切れるかする)で、プライムタイムに流れる民放番組も現行チャンネルのみ(多チャンネル化はしない)――それが2011年段階の過半数の家庭の状況となることは、計画を修正しない限り絶対に確実です。「それは失敗を意味する」から、私は早く計画を修正すべきだといっています。むろん総務省は2011年までに計画を修正し、国会も電波法を改正する見込みです
●津田浩司のレポートによれば、CATVも思っていた以上にヤバイ。有料CATV(難視聴解消の無料サービスではない)は500万やそこらで頭打ちになるかもという。地上デジタルやBSデジタルのうちCATVで送ることを想定していた分が、見込みハズレになる可能性が大いにあります。地方によっては、放送局統合などで番組の多様性が失われ、しかも民放地上デジタル放送が受信できない(NHK以外のテレビがただ縮小するだけ)という悲惨な状況を、回避できないでしょう
●これをお読みのみなさんは、「テレビが何もいわないのはともかく、記者クラブで総務省の情報に接しているはずの新聞が書いていないじゃないか。本当なの?」と思うかもしれませんね。ひとつエピソードを書いておきます。何年も前、民放連がラジオ・キャンペーンをやるというので、いちばん大きい会議室に放送関係の記者を100人ほど集めたことがある。この会見で質問したのは、山家誠一(放懇会員)と私だけで、ほかはスポーツ紙の記者が「キャンペーンガールのスケジュールはどうなっているか」とかなんとか聞いただけ。それで会見終了後、通信社などの記者が何人か私のところに来て「先ほどは、いい質問をありがとうございました」と名刺交換を求めたんですよ!! 「よろしく」と名刺を出しながら、悪いけど私は「ふざけんな。お前らの仕事だろうが」と思った。フリーの山家や私は、会見に出ても1銭にもならないのに、質問する。いや、1銭にもならないからこそ質問する。質問しないと、ただのヒマつぶしで終わってしまうのでね。ほかの多くの記者は給料をもらって来ているのに、質問しない。いや、給料が出ているからこそ質問しない。質問してもしなくても、給料の額は変わらないのでね
●同級生カッター殺人を長崎・佐世保で4日ほど取材した岩本太郎が帰ってきていうには、「記者会見で、学校側が事件のあった部屋を改装するといい、記者がもう発注したのかなんて聞いている。馬鹿バカしくて話にならない。事件の原因を聞かれた校長が『子ども同士のコミュニケーション不足だった』といい、記者が誰一人も何も聞かないから、自分はアタマに来て『あなたは、同じクラスの子どもたちにも、子ども同士のコミュニケーション不足で事件が起こったと説明するのか。子どもはそれで納得すると思うか』と聞いたら、答えはなかった」そう。そんなもんです

07-25
●ジェンキンス問題で、この2〜3日「外務省が米側に問い合わせ、40年ほど前の脱走段階で訴追されていたと判明」と報道されています。日本にこれだけテレビ・新聞・雑誌がありながら、記者の誰一人としてその事実関係を調べようとしなかった。このことは、日本のマスコミの抱える問題を象徴しています。肝心なことを自分で考えたり調べたりせず、スコーンと抜けたままでいることが、マスコミにはよくあります
●私が知る放送分野では、家電製品やAV(オーディオビジュアル)製品は、16%を超えたら急激に普及する(ロジャースのイノベーター理論=普及率16%の論理。上に普及数、横に年数をとったグラフで普及曲線はS字を描き、イノベーターとオピニオンリーダーに行き渡った普及率16%前後を境に、爆発的に普及する)から、ハイビジョン(または地上デジタル受信機、BSデジタル受信機)も、やがてそうなると思っている人が、いまだにいる。しかし、これは普及率が0%のもの(代替物がない革新的製品)が広がっていくときの理論。そのことと、多くの家庭に普及しているもののうち占有率16%に達した製品が、それを超えて爆発的に普及するかどうかは、まったく別の問題。「冷蔵庫が普及率16%を超えて爆発的に普及し、その後ほぼ100%に達した」としても、「冷蔵庫のうち400L以上の大型のものが16%を超えた時点から爆発的に普及し、ほぼ100%に普及する」とはいえない。ベンツの占有率が3%、5%、10%と上がっていって16%を超えると爆発的に普及し、やがて日本を走るクルマはほぼ100%ベンツになる、なんて阿呆な予測はありえない!! ロジャースは「ベンツ」ではなく「クルマ」の話をしているのです。で、現時点でテレビ受像機はほぼ100%に普及しており、ハイビジョン受像機はその高機能機であって、自動車でいえばベンツやセルシオやシーマに相当する製品です。しかも、日本の現行アナログ受像機は世界最高画質だから、ハイビジョンと大型デジタル対応テレビの違いは、ベンツと軽自動車の違いより小さい。「ハイビジョンが世帯普及率16%を超えたら爆発的に普及する」と予測しているアナリストや学者、そして彼らのいい加減な発言を無責任に報じるマスコミを、私はスコーンと抜けていると思っています
●ジェンキンス問題に戻れば、現実には、アメリカと北朝鮮は朝鮮戦争後の「停戦(休戦)」状態にある。戦争を途中で止めたままにしているだけで、平和な関係を樹立したわけではない。脱走兵で北朝鮮の宣伝映画に出た元米軍兵士を軍法会議にかけるというのは、軍の規律からは当然の話。朝鮮戦争の死傷者は韓国軍が100万人規模、米軍主体の国連軍が20〜30万人規模だから、米軍人遺族会や軍人OBも(アメリカでまともに報道されれば)黙っていないと思います。北朝鮮の国家テロによって国外に連れ去られ、米脱走兵と結婚し2人の子どもまで生んだ拉致被害者には、慰めの言葉もなく、北朝鮮の蛮行にはらわたが煮えくり返る思いがする。しかし、そのことで米軍が簡単に折れるとも考えにくい。70年代にはアメリカだって、中南米や中東をはじめ世界中で拉致や暗殺を繰り返していたわけで、その意味では北朝鮮とは同じ穴のムジナですから
●ついでにいえば、朝鮮戦争を闘った国連軍の司令部は、日本国内(たしかキャンプ座間)に、現在もなお存続し、機能しています。外務省はその要員数を38人とかなんとか国会答弁したそうだが、有事の際、在日米軍はすべて国連軍に繰り入れられるのだから、外務省の数え方はおかしい(と小川和久がいっていた。秋には本にします)。この国連軍の存在が、93〜94年の北朝鮮危機に際し、アメリカが北朝鮮に対する先制攻撃を断念した大きな理由の1つ。日本ではまともに報道されなかったが、米クリントン政権は本気で北朝鮮攻撃を検討した。当時、海外にいた国境なき医師団所属の友人は「お前、こんなところにいていいのか? 朝鮮で戦争が始まるんじゃないのか?」と、みんなにいわれたそうです。ここ何年か、日本の新聞は「93〜94年の北朝鮮危機」という言葉を平気で(黙って)使っていますが、当時の新聞縮刷版をひっくり返して読むといい。一触即発だった形跡なんて見つからない

07-24
●GALAC校了が終了せず、編集オフィス・ビアード野村礼は休日出勤。申し訳ない。こちらも土日をかけて作業。メールやFAXのやりとりでなんとかなり、放懇へは行かずに済みそう
●6時すぎ、バイトの1名を除き家族3人で神楽坂下まで行ってみる。花豊でビールをご馳走に。阿波おどりには神楽連の舞衣ちゃん、ボーイスカウト連の油井・渡辺・浜野ママはじめ、知った顔も多数。浴衣や甚平姿の2〜3歳の子どもは、どうしても自分も踊りたくなってしまうようで、至るところで道に出て踊りの真似。大喜びしている外国人も多く見かけた。新一家とも遭遇。ラーメン屋で夕食後、花豊付近まで戻って見物。清美が来たのでジョナサンへ、美姫も合流。12時帰宅

07-23
●今日23日と明日24日、夜7時〜9時15分、神楽坂阿波おどり大会。神楽坂下から神楽坂上を越えて赤城神社入り口付近まで、坂を踊り上がります。たしか東京でシーズン最初の阿波踊りのはず。ぜひお出かけください。オススメの見物場所は毘沙門天付近だが、たいへん混む。もちろん交通規制を敷くので、車で来てはダメです。神楽坂地図はこちら 見物後に飲む人への店情報はこちら
●上の地図に神楽坂は逆転式一方通行(昼と夜で向きが入れ替わる)とあるでしょう。なんでそうなったかご存じですか? 目白の角栄が永田町方面と行き来するのに、朝下りで夜上りだと都合がよかったからだそうです。そういえば息子の田中京(真紀子の腹違いの弟)が銀座でやっていた店に案山子ママと行き、会ったことがある。神楽坂の古いオヤジたちは、田中京に「神楽坂は角さんに足を向けて寝られないんだ。あんたはいつだって神楽坂で飲んでていいんだよ」なぁんていうわけです。ちょいと思い出したので書いておきます
●GALAC校了日。10時〜深夜まで放懇

07-22
●ここ数日で単行本原稿書き以外に潮(9月号市民講座「チャット」)、GALAC座談会まとめ、同CSデジタル原稿、GALAC+ismなど。「女性自身」にNHK不祥事(8000万円横領事件)でコメント。17日に退院した小林道雄から、お裾分けを送るよと電話をもらう。昨日、滋賀県企画調整課から電話で「びわ湖塾」の件。塾頭は田原総一朗、副塾頭を務めてくれとのこと。8月16日に打ち合わせ
●8月6日発売GALAC「ぎゃらく式テレビの未来図」はデジタル放送に関わる方、興味ある方必見。昨年までIT・通信担当の総務審議官だった総務省首脳(現・東大名誉教授)が、2011年7月24日をどうとらえているか(その日をもってアナログ停波・デジタル完全移行が可能と思っているかどうか)、読めばわかります。もちろん基本的に坂本と同意見で、技術主導・ハード偏重が今日の惨憺たる現状を招いたと指摘しています

07-21
●昨日、ベランダの温度計は40度(照り返しで日陰なのにクソ暑い)。なんじゃこりゃと思っていたら、東京は観測史上最高気温だった。21日未明の東京の最低気温30.1度も史上初。いよいよ温暖化ジワジワってことなのか。もっとも、直近50万年くらいを見渡すと、50〜40万年前にミンデルン氷河期、20〜13万年前にリス氷河期、7万年〜1万2000年前にウルム氷河期があった。水が氷になって、前2つの最盛期には130m前後海面が下がり、数万年前は80mほど下がったという。地球は二酸化炭素量とあまり関係なく、10〜数万年サイクルで氷河期・温暖期を繰り返すわけです。だから、温暖化が進み氷が溶け海面が100年で1m上昇したって、地球にとっては全然どうってことないといえる。人類というちっぽけな種にとっては大変ですが、地球生物の一員として私はあまり心配していません
●というか、氷河期より温暖化のほうがマシと思える。少なくとも、最後の氷河期――ウルム氷河期が1万年長く続いていたら、農業の始まりや普及・拡大が遅れ、今日の文明はまだなかっただろうと思います
よくわからないのは、温暖化が大変だたいへんだといっている人びとが、車1台だのペットボトル1本だのは年にどのくらいCO²を出すと計算するのに、三原山その他世界中の火山がどのくらいCO²を出すと計算しているように見えないこと。何万ヘクタールを焼いた山火事とか、途上国が大規模にやっている焼き畑(スペースシャトルから煙がよく見える)も同様です。デカい火山がいくつかあれば、CO²削減目標何%なんていうときの1%やそこらは、簡単に左右してしまうのではないかと思うのですが。そっちは手抜いて、会議で何%と議論する。しかもアメリカは離脱。2度の石油ショックで省エネ化が進んだ日本も、古い設備で煤煙出しまくりだった旧共産圏も、同じ削減率だけを問題にする。これはなんとも滑稽な話です

07-20
●毎日新聞朝刊に「自民 放送法改正を検討 『政治的公平』削除図る」の見出しで政治部・中田卓二の署名記事。3面に臺宏士の解説「メディアの役割、弱体化も 与党有利の状況有無懸念」。坂本もコメントを寄せています。07-17の項もご参照を
●午後1時37分ころから数分間、TBSラジオ「ストリーム」で放送法改正の話題について電話コメント。たしか今日は終業式。子どもが早く帰ってきて電話中に「オヤジ!!」とかいうとマズイので、念のため玄関に張り紙
●田原総一朗が「来年4月から滋賀で田原塾(早稲田の大隈塾のような)をやりたい。手伝ってくれ」というので引き受ける。田原は滋賀県近江の出身

07-19
●昨夜@目黒・香港園。劉霆一家(男の子は3歳の銘王宛←王へんに宛という字)、その両親、妹ヤンヤン、立木わこ夫妻、子息、母、兄と。劉霆の父君はリューマチでは上海一の医師らしい
●原稿書き

07-18
●直径12〜13cmの朝顔が30いくつか開いて(プランター2つに青、紫、桃、白の4株)、ちょっとしたもんです。ジジくさいことをいいますが、およそ植物というのは先っぽをちょん切ってやらないとダメ。もっとも元気のよい成長点は先っぽ(茎と根の)で、放っておくとどんどこ徒長する。ちょん切って初めて枝分かれし、こんもりとバランスよい姿になる。放送局でも企業でも同じだと、いつも思います。不採算部門を切り捨てる合理化・リストラは、植物でいえば上のほうが枯れて下のほうから別の枝を伸ばすわけですが、それでは遅い。いちばん伸びる時期(本葉何枚かで高さ20cmくらいのとき)にちょん切らないと。大きな花が咲いているようだが、ちょん切ってないからバランスを失した企業が多い。さらに「ニッポン農園」の最大の問題は、役所・公的部門というヤツが太い根と枝を張り、水も栄養分も太陽光もあらかた吸収してしまっていて、ちょん切る者が誰もいないことでしょう
●夕、劉霆(Liu Ting)博士号取得(筑波大学)のお祝いの会。中国からご両親も来日とのこと。私の父は、80年代からと思うが、知人を集めて中国からの留学生を世話する(ポケットマネーを出しあい留学資金を提供する)会をやっていた。父の死バブル崩壊後に活動は縮小したが、その関係で知りあった1人で、正月など実家でよく会っていた。古い人は上海あたりで大学教授をやっていたりします

07-17
●夕方、毎日新聞政治部から電話。政治とテレビ(政治的公平、放送法改正、自民チャンネルなど)についてコメント。おおよそこんな話
●テレビ電波の希少性・国民の共有財産であること、茶の間に否応なく届くシステムであることから、「(放送事業者は)政治的に公平であること」(放送法第三条の二)が求められている。しかし、多チャンネルの進展、事実上のテレビ・新聞の系列化などを考えれば、政治的公平の規定は、ある程度は緩めてよいだろうと思う。テレビは多様化すべきであり、政治的にも、もっと多様な見方を伝えるべきだ。デジタル放送の進み方を見ると、放送主体が変わらないまま高画質・横長化して、多チャンネル化は目指されていないが、これはおかしい。ただし、基幹放送については一定の歯止めをかける、「社説放送」のような番組を認める(今も「○○新聞ニュース」をやっているのだから、それで問題なければ問題ない)ことから始める、選挙報道では公平を求めるといった対応が必要だ。政治的なことはやりたい放題オーケーということではないはずだ。CSに自民党チャンネルが登場するくらいは別に問題ないと思う。なお「政治的に公平であること」は、自民党〜公明党〜民主党〜社民党〜共産党の「左右の真ん中に立つ」ということを、まったく意味しない。ある政党が金権まみれでデタラメなら、マスコミは自らを支える国民大衆の立場から、「ある党だけ」を批判してもよく、それは政治的に不公平でもなんでもない。それどころか、放送法は第一条に「健全な民主主義の発達に質する」と規定してあるのだから、放送局が独裁政治に抵抗して反政府的な放送を流しても、放送法違反ではない。誤解されているが、放送法上は放送局に「不偏不党」の義務などない。放送法第一条の「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」を遵守すべきは、国会であり、政府であり、裁判所であり、国民である(もちろんこの条文を改正する必要はない)。日本のテレビは政治に弱く、ウオッチドッグ(権力の番犬)として十分に機能していない。その機能を果たすことのほうが先だ。機能していないまま放送法をいじり政治的公平だけを認めて、○○党翼賛番組が氾濫するというのでは困る
●日歯連などの内情を知る歯科医から「腐りきった歯科界ではありますが、今回の報道は意図的な物を感じま す」とメール。医師会・大学(歯科大や歯学部)・政治の世界が、カネと人間関係(身内や同窓や地元やら)で極めて複雑に絡みあった事件で、「××氏が総理になるときには日歯連盟の会計から数億円という巨額の政治資金を出したと言われており使途不明金となっています」(××は実名)など、「日歯疑獄」に発展しかねない巨大な問題です

07-16
●本日、日大放送特殊研究Vは休講です(7月28日宴会を除き、秋までありません)
●日本歯科医師会前会長・臼田貞夫(業務上横領容疑で再逮捕)が1億円小切手を元首相・橋本龍太郎に直接渡したと供述。橋本派(平成研)は受け取ったと認めたが、橋本は「知らない」といい、何に使ったかも不明。逮捕者がこの期に及んでわざわざ嘘をつく理由は見あたらず、元首相が1億円小切手を受け取ったと推測するほかない。橋本派幹部もそう認めている
●自分らの主張を国会で通すため議員に大金を渡すというやり方は、もうこの国では通用しない。それは民主主義ならぬ金主主義。渡すほうも受け取るほうも「もう、お前は死んでいる」。「1億円もらい、バレりゃ収支報告書に訂正記載すればよく、バレなきゃ黙っていればよい」のが通るなら、そんな政治資金規正法はクズの法律。法が機能せず法秩序が維持できないのであれば、特捜でもなんでも出てきて、元首相でもなんでも逮捕するしかない。今回、政治資金規正法違反(虚偽記入)を問えないのであれば、東京地検特捜部もやっぱり「もう、お前は死んでいる」のです
●終日GALAC関係原稿書き

07-15
●放懇随一(知るかぎりにおいて)のサッカー通で、W杯フランスや韓国にも行き、今回ポルトガルに行くつもりだったらしい久野明に、メールのついでに「曽ヶ端くん何ブチ壊してくれてんの。高原くんボツ。ダメじゃん」と書き送ったところ、次のようなご託宣。(スポーツ紙の解説より確かなことは保証します)【曽ヶ端くん】「まあ、昔から、ファインプレーもあるが、ポカもある選手ですから。総じて、日本のキーパーはキャッチング(とくにハイボールやクロス)に難あり。いま、世界を見ても、すごいキーパーは少なくなった。イングランドなんて、バンクスはじめキーパーの宝庫だったのに、惨憺たる状況です。それに比べれば、まだましかも」【高原くん】「これは、はじめから〈ムリ筋〉。なんで病み上がりの選手を使うのって、疑問はあった。それも、病気する前の高原は、絶不調。ドイツでは『ゴールを決められないフォワード』という厳しいレッテルを貼られていた。高原本人も、代表戦で挽回しようとしていた矢先に、エコノミー症が再発し、落ち込んでいた。ならばと、山本昌邦の温情もあり(ジュビロ時代からコーチ)、オリンピックに再起を賭けていたんですがね。小野伸二とは、小学生の時から知っている仲。ジュニア、ユース、代表とずっと一緒に過ごしてきた。このコンビに期待はしてたんだけど。【それはさておき】でも、「大久保、平山」という未知数のフォワードに、小野がどんなパスを出すかというのも、期待がもてて楽しみ。そんなことより、イタリア、パラグアイの本気度が怖い。予選突破は、緒戦のパラグアイ戦で決まりそう。これに負ければ、メダルなんてムリでしょうね」
●朝、ついていたテレビがきっかけで「モラルハザード」につき家人としばらく話す。自民党幹事長・安倍晋三が辞めても辞めなくても世の大勢には影響なく、どうでもいい話ともいえるが、「その時はしかるべく責任を取る」と本人がテレビでさんざん口にしながら(その時は本心からだったに違いない)やっぱり辞めないというのは、本人にとって極めてよくない。その程度のウソツキ男という印象だけが残ってしまうからです。東京新聞も同じようなことを書いていたと思うが、将来のある人間を周囲がウソツキにしてどうする?
週刊新潮の見出しに「『たかが選手』と言い放った『たかがオーナー』の哀れな時代錯誤」――まったく同感。もうひとつ「『恍惚キャスター』と化した『田原総一朗』」――同感とはいわないが、こういう記事はあっていい。ただ、一言書いておいたほうがいいと思うのは、ナベツネは人のいうことを全然聞かないようだが、田原は人、それも若い人間のいうことをよく聞くこと。先日も久しぶりにゆっくり話したが、隣にいた編集者に「僕は何だと思う?」「田原はどういう人間だと見えている?」といきなり質問し、あれこれ議論した。テレビのスタッフとも同じことをやっている。そういうときの田原とテレビに出ている田原は、かなり違う。タクシーで移動中に話していて、運転手が「あの田原さんですよね。テレビとずいぶん違うんですね」というのを何度も聞きました。だから、テレビは明らかに「演技」が入っているのです。そして、テレビで「なんであなたは、公明党なんて嫌われている党から出馬したのか」なんて聞く人間はほかにいない。そこを私は高く評価します。おまけにもう1点、田原がよく誤解されているのは、本を自分で書いていないのではということ。そんなことはない、ほとんど自分で書いています。「こんなのまで自分で書いたの。誰かにやらせればいいのに」というくらいなもんです

07-14
●三菱自動車の技術者の奥さんから、こんなメール。「リコール隠しと隠蔽《いんぺい》体質で事故が起こり、元社長まで逮捕されるという会社の経営のあり方については、弁解のしようがない最悪の組織だったと思います。その上、何億も退職金もらって平気な顔をしているほんとの悪者には『金返せ! こっちはボーナスも出ないんだぞ!』と私は怒っています。しかしその後続いている三菱車火災については、あまりにも報道が偏っているのではないか。日本の車両火災は年間7000から8000件あるそうです。車両火災の割合は、各社の販売台数の割合とほぼ同じ。各社と取引をしている部品屋さんによると、三菱車の割合はむしろ低いぐらいだそうです。しかし、今のような状況になると『またパジェロ炎上!』と、民放からNHKまでいっせいに流す。石原親子は『走る凶器』と言い、中川氏は『国民は三菱のマークを見るだけで道を歩くのがこわいんだよ』という。『民間のくせにつけあがるな』という嫌悪がむき出し。報道も『燃えた燃えた』と、袋だたき。車両火災の各社の割合はどのくらいなのか? ほんとうに三菱車だけが危ないのか? どこも報道しません」(メールには「これはこの場だけの独り言」とあったが、無断で転載)
●メールの内容はその通りだろうと思います。この人は別に開き直っているわけではありません。日本のマスコミ報道は、「池に落ちた犬を打つ」「落ちた者に飛礫《つぶて》を打つ」傾向がとりわけ強いのです。これはマスコミのあり方の問題ですが、それにとどまらず「村八分」(江戸期以降、村民にルール違反があったとき、全村が申し合わせてその家との交際や取引などを断つ私的制裁)の伝統をもつ日本社会の問題だろうと思います
●昨日、ビジネス社・岩谷健一から久しぶりに電話あり。そうか、4歳の子のオヤジなのか。良典と3人で飲もうぜ。旧姓三谷によろしく、お大事にね

07-13
●GALAC座談会13〜15時@都市センター602会議室。むちゃくちゃ暑く(東京は36度超)千田利史は坂本より汗っかきと見た。月尾嘉男からはマゼラン海峡の冒険本とDVD「日本百年の転換戦略」を、千田利史からは近著「デジタルで変わること、変わらないこと」をいただく。月尾「(坂本ホームページの)テレビ生産台数が年間1000万だから間に合わないという主張は、なるほどと思った。(テレビかなにかで)使わせてもらった」そう。念のため、月尾嘉男という人は去年まで総務省でIT・通信・デジタル化問題を見ていた総務審議官(事務次官の次)です(今はほぼ週休4日状態で午後6時以降は仕事しないという優雅な暮らし)。音好宏は授業の後タクシーで駆けつける。放懇からは中島好登、カメラ坪井正幸。「テレビの未来図」座談会は、一言でいえば、ハード・技術は伸びるが肝心なのはソフトでありコンテンツであり多様化だという話。このままでは2011年段階はヤバイというのは、ほぼ全員共通の了解事項
繰り返しますが、現在1億台以上あるテレビ受像機を2011年7月までにすべてハイビジョン受像機に置き換えることは、絶対に不可能です。万万が一可能であれば、2011年7月以降、私は放送について発言することを一切やめます(いま絶対大丈夫と言い張っている連中は、自分の予測がハズレても何か言い続けるでしょうが、そんなのとは一緒にしないでいただきたい)。地上デジタル対応チューナーを4800万世帯に普及させること(もちろんこの場合は、4800万世帯すべてでハイビジョンや16対9画像を見ることができるか、双方向が可能かなどは、一切問わない)は不可能ではありません。しかし、画質もチャンネル数も番組の中身も今と変わらないまま、「チューナーだけはコスト自己負担でデジタル放送対応に交換せよ。交換しなければテレビは見られなくなる」と、たった7年の猶予期間をもって視聴者に強制することには、私は断固として反対です

07-12
●明日、座談会「GALAC式テレビ未来図」。月尾嘉男・元総務省総務審議官(東大名誉教授。学長や知事の口をいくつかずつ断ってマゼラン海峡までカヌー冒険旅行に行った。坂本が手伝った著書はこちら。総務審議官てことは総務省No.3くらいの高官ですが、その人の本も手伝う(月尾はあとがきで坂本との共著といってもよい内容とまで書いてくれた)。総務省のデジタル放送政策も徹底的に批判する。不思議に思う人があるかもしれないが、私の中では全然矛盾していない)、千田利史(ワンズ・コンサルティング代表。前電通企画開発部長)、音好宏(上智大社会学部助教授)。私が司会ですが、そのレジュメづくり(先週末送るはずだった!!)ほか、いろいろ原稿書き

07-11
●夜しばらく参院選開票速報を見る。東京の結果は予想通り。大阪は辻元清美がもっと上にいくのではと思っていた。その辻元、青島幸男、鈴木宗男を落とした選挙民の選択は、まあマトモ。全体としては「小泉よ、驕るな。いいかげんにせよ」とお灸をすえた結果。民主は善戦だが、菅直人のままならここまでいかなかっただろうから、タナボタでしょう。政治広報センターの宮川隆義(政治評論家)が週刊文春で「『人生いろいろ』で小泉大惨敗。民主『地滑り的大勝』なら、自民『馬糞の川流れ』。その場合は来春、民主政権誕生も」という可能性を指摘していたが、そこまではいかなかった。馬糞《まぐそ》の川流れとは、金丸信がいったそうで「ばらける」の意。愉快な言葉なので紹介
●田原総一朗は相変わらず「そりゃ、どっちかといえば詭弁でしょ」という言い回しありで突っ込み。むろんわかって、わざとやっています。可哀想なので福島瑞穂や志位和夫には突っ込まない。わかってて田原に逆ギレしてみせる政治家がいてもいいと思うが、みんなおとなしい

07-10
●読売新聞グループ本社会長で巨人オーナのナベツネこと渡辺恒雄が「無礼なことを言うな。分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が」。無礼なのはお前だよ。何様のつもりなんだ? プロ野球の主人公である選手に対して無礼で、その選手のプレーに一喜一憂しプロ野球を支えているファンに対しても無礼だ。「オーナーと対等で話す協約上の根拠はひとつもない」って? アホか。そんなことをいえば、小学生には馬鹿教師やセクハラ教師と対等で話す根拠はひとつもない。むろん全国プロ野球ファンにもオーナーと対等で話す根拠はひとつもない。刑務所の囚人にも暴力看守と対等で話す根拠はひとつもないぞ。だから何なのだ? 話す根拠がひとつもなくても、話す必要があることも、話を聞いたほうがよいこともある。そんなこともわからんのか、この耄碌《もうろく》ジジイは。プロ野球ファンは1人残らずナベツネではなく選手の味方だ。ストライキ、「どうぞ、やったらいい」
●昼前、家人と期日前投票@箪笥区民センター。京王ストアから神楽坂を回り昼食後、帰宅
●上の記述にサイト読者からメール。「渡辺オーナーの傍若無人ぶりには目が余りますが、そもそもそれを許すお飾りのコミッショナーがおかしいと思います。自分の意のままになるような人をお飾りにして意のままに操る、とてもマスコミの長がやることとは思えません」「どこの世界にもおかしな人はいるので、上に立つ人をしっかり選ばないとなりません。それには選考に選手会もくわわる等、変えるしかないと思います」

07-09
●【訂正とお詫び】07-02の当欄の記述に誤りがありました。地上デジタル放送に関する野村総研の普及予測のグラフを私・坂本が読み誤り、「全然ハズレ」などと書いてしまいました。まことに申し訳ありませんでした。お詫びして、当該箇所を削除します。なお、誤りを指摘してくださったサイト読者に御礼申し上げます。ありがとうございました。
●本当に、いまは梅雨なのか?
報道機関に工作と安倍(共同通信記事。見出し一部略)。「うちは断じて工作を受けていない」または「うちは工作を受けたが断固として拒否した」という新聞社、テレビ局、学者、評論家、コメンテーターは、自民党幹事長・安部晋三に「不用意な一般論は困る」と社説その他で意見表明すべきです。1社だけ突出したくないなら、記者クラブはこういうときのためにある。黙っているのであれば、人びとは「ああ、報道機関てのはそんなもんだろ」と思うでしょう
●今日、日大前期最終授業。なお、宴会は7月28日(水)かわうち。マス演OG・OBも歓迎するが、飛び入りでなく連絡ちょうだい。授業後、野田教授・兼高助教授と雑談。野田「今日は何?」とかいうから「1回休んだ補講」「遊びに来たのかと思った」「そんなにヒマじゃないですよ」「じゃ、来週は休講にするんだ」「え? 今日で終わりじゃないの? いま『前期はこれで終わり。お疲れさん』っていっちまったけど」と、我ながらわけのわからない会話。もう1週あったらしい!! じゃ来週は休講にして、後期のはじめに作文やりますのでよろしく。吉田T.A.(今日はよーく寝てた)とも「4月から長期間お疲れ」の挨拶をしたところだったのだが……
●江古田からひばりヶ丘へ行き、バスで田無へ出て小林道雄の様子見。思ったより元気そう。奥さんと一緒に帰る。午後4時頃、高田馬場駅ホームで20代の女の子が壁にもたれかかってぐったり動かず。様子がおかしいので駅員に「気分が悪そうな人がいる」と教える。ちょっと見ていたが、ややもたついている感じなので戻り、「救急車を呼んだほうがいい」。肩かけバッグをはずし、通りすがりのもう1人の男性と地べたに寝かせ、「見ているから」と付き添い。駅員はマイクのところに走って連絡へ。「大丈夫。今救急車が来るから、もうしばらく待って」と呼びかけると、やや聞こえているらしいが、口は全然きけない。しきりに瞬きし(というか、つむった眼の瞼《まぶた》が痙攣《けいれん》し)、白目をむく寸前。額に手をあてると熱はない。戻ってきた駅員が「いま救急車を呼びました。応援も来ます」というので、しばらく2人で様子見。2人目の駅員が来たところで、現場を離れました。熱中症か貧血かだと思うが、みなさんお気をつけて。ああいうひどい状態になる前に、水を飲むとか、ベンチで休むとかしないと。熱中症56人、うち3人死亡――たぶんこの記事の21人の中の1人でしょう。重体でなければよいが

07-08
●三菱ふそうのトラックが連日のように火を噴いています。ホント、機械は正直という感じ(他社のは通報されず、だから報道されないのかもしれませんが)。三菱グループは、なぜこんな会社に「三菱」の名をつけて存続させているのか不思議
●あと3、4日かで国会(2院制)の片方の半分のメンバーを入れ換える選挙があるとは、到底思えない静けさ(シラケ具合)です。イラク問題への関心が4%とかいう世論調査結果があったが、いやはやどうも。何なのですかねえ? このニッポン国の脱力ぶりは? 国民25人中24人まで(1億2500万人中1億2000万人まで)がイラク問題も自衛隊派遣もどうでもいいと思っているのだとすると、これはもう、どうしようもない。主宰者側発表ですが、創価学会員だけで800万世帯もあるわけで

07-07
個人情報保護法案に反対するに、公的機関からの個人情報流出が民間を上回ったとの政府答弁(6日)に関する記述を追加
●それにしても暑い。うちは4階で東西南北に窓があり風はよく通る(東の飯田橋方面、西の早稲田方面、南の市ヶ谷方面、北の江戸川橋方面といずれも坂道を下るのでそもそも地面が高く、台風のときなどはものすごい風が吹く)のですが、玄関脇の温度計(玄関はコの字型に建物側に凹《へこ》んでいるので日陰で、人の顔の高さにブラ下げてある)は36度!!(午後1時現在)。バルコニーが長くさわっていられないほど焼けているせいでしょう。日に2度水をやらないと、鉢やプランターが全滅しそうな感じ
●小林道雄が再入院。うーむ。ちょっと退院が早すぎないかと懸念はしていたのですが。胃が痛むようなので、手術の箇所とは直接関係のない症状かも(たとえば入院のストレスまたは抗炎症薬による胃潰瘍とか「びらん」―浅い潰瘍―とか)

07-06
●昼、GALACグラビアの取材で毛利子来医院。「学校に行きたくない子どもは、まずお腹が痛い、頭が痛い、気持ちが悪いというので医者に来る。だから小児科医院はいわゆる不登校のアンテナとなる。で、ハッキリ2001年春から、当医院ではそのような子どもが増えた。その後も増え続けている」とタヌキ先生。どうすりゃいいんだという話を1時間半。久野明、黒川公人と。それにしても、なんとも暑い日差し。今年いちばんの暑さでは? 今日、GALAC8月号発売。表紙は竹野内豊、グラビアは鳥越俊太郎、特集は「感情増幅装置としてのテレビ」
●小林道雄「偏屈庵通信」が明日で1周年。そのサイトマップ
●ある人物(本人)から、ヨドバシカメラでゲーム機のコントローラーを1個1000円で安売りしていたのを、30個とか全部買い占めてYahoo!オークションに出したら、4000円くらいで完売し10万円ほど儲けたという話を聞きました。中古オークション市場では、売り手にとっては古本屋やソフト屋に売るより得(高い)で、買い手にとっては古本屋やソフト屋で買うより得(安い)な値段が付き、うまい具合に回っているとも。なるほど。別の人物(これも本人)からはおとといの日曜日、100万円ほど儲ける予定だったが、あくまで予定であって、それ以上のものではなく、しかもその予定が狂ったとも聞きました。2着の馬が来なかったそうで

07-05
●昨日、入院中の小林道雄から電話。今日退院とのこと。電話ではしきりに「来ないでいい」といっていたが、10時すぎ田無の病院へ。最後の回診で病室を追い出され、喫煙小屋(ホント玄関のところに掘っ建て小屋がある)で一服していると、奥さんも来る。家電量販店でくれるいちばん大きい紙袋を持っていき、結局、退院の荷物は3つに。奥さん1人では持てない荷物で、行ったのは正解。タクシーで小林宅へ。五分粥くらいまで来ているとのことで、カステラを一切れ食べた。私の父が大腸の手術をしたことがあり10年ほど前に入手した「胃・腸手術後の食事療法」なる本が家にあったので進呈。「ま、牛肉・豚肉・鶏肉の皮・脂っこいもん・繊維質・辛いもんは当分ダメってこと」「やわらかいものを牛みたいにモグモグもぐもぐ、ゆっくり食べないと」「酒タバコも2〜3か月はダメ」と冷ややかに断定すると、「それじゃ食うもんがない」「理清蘭や、しょうちゃんや、もー吉では、何を食えばいいんだ」。「散歩はしたほうがいいが、必ず奥さんと2人で」と言い置いて1時半帰宅。なお、小林道雄ホームページ「偏屈庵通信」も、近く再開の見込みです
●講談社の心優しき編集者連は、小林道雄の開腹手術で「腹の中が思ったより汚かった」との医者の言葉をとらえ、みな口々に「そうですか。やっぱり腹の中は真っ黒でしたか。そうでしょうねえ」と、どこかしらうれしそうにいった(らしい)。私は「小腸がなかなか動かない」というので、「そりゃ小腸だけに、しょうちょうお待ちください」(これは高橋克佳の受け売り)といったら、小林道雄は笑いすぎて傷口が開きそうになった
●曽我さん一家の再開が9日に決まりました。当欄では7月2日の記事で「参院投票日前に実現」と書いていますが、この2〜3日の新聞は「12日以降」などと政府の情報操作に乗って報道していた。「参院投票日前」と知っていて書かなかったなら、政府の宣伝機関も同然。知らないで書かなかったなら、情報ソースがなってない

07-04
●↓夜までにと書いたのですが、他の仕事でできず失礼。そのうち

07-03
●朝刊に「ジャパネットたかた」の折り込みチラシが入ったはず。ぜひご覧ください。地上デジタル放送やハイビジョンを家電量販店がどのように評価しているか示す絶好の見本です。民放連のある人は「だめだよ。『地上デジタル、お前はもう死んでいる』なんていっちゃあ」といったが、もちろんそんなヒドいことはいわない。しかし、「地上デジタル、お前が育つのは大変だ」とはいわざるをえない。今日のチラシをもとに、役所やシンクタンクより説得力のある見方を示しましょう(この欄で夜までに)

07-02
●朝、授業レジュメづくり。10時50分〜日大。兼高聖雄が「地上デジタル受信機の出荷台数は半年で90万台(ということは普及台数70〜60万台以下)。総務省あたりの予測はアテネ五輪で800万台。あと2か月で710万台どうするんだろうねえ」「さあねえ。どうもせんだろう」「すみません、印刷ミスでゼロ一つ多かったです、とかさぁ」【ここに書いた野村総研の予測についての記述は誤りですので、削除しました。野村総研はじめみなさまに心からお詫び申し上げます。すみませんでした】
●1時半小川和久と昼食、4時半まで小川事務所で単行本の詰め。「ラムズフェルドの戦争」の評価、「マクナマラの戦争」とのアナロジー、米占領統治政策の失敗、戦闘・非地域区分けの官僚作文、イラクが落ち着くまでに10年の見通し、米軍撤退の可能性、アメリカとの付き合い方、言うべきことは言う日本外交への転換、小泉政治・テレポリティクスの評価、軍事・安全保障問題に対する国民大衆の接し方・心構え、国家百年の大計の必要etc. おもしろい。必要なものは情報を入れているそうだから、小泉純一郎は相当程度にわかって、なおトボケるところはトボケているのでしょう
●インドネシアでのジェンキンス一家再会も、政府は「娘さんの誕生日(23日)までになんとか」とトボケつつ、北朝鮮側に「早ければ早いほうがよい」なんていわせ、もちろん参院投票日前に実現します。なお、ジェンキンス氏や2人の子どもの「日本への帰国」という表現はおかしい。アメリカ人が帰国できる国はアメリカのみ。北朝鮮で日米の夫婦間に生まれた子は第一義的に北朝鮮人だから(本人が国を選べるとしても北朝鮮・アメリカ・日本のどれかであって、まだ日本人と決まったわけではない)、やはりヘン。3人が日本側の説得に応じるかどうかも、まだハッキリしません
●5時半放懇。6時から小田桐誠、滝野俊一、中島好登、久野明とGALAC打ち合わせ。小田桐、滝野と弥兵衛によって11時半帰宅
卒業証書を 小6女児事件の学校が検討 何とも不謹慎でくだらんことを考えるものです。5年のときから事件前後を通じて学校や学級の対応は適切だったのかと、自己検証するほうが先でしょう。事件当日、容疑者でもなんでもない児童多数を半日拘束して、警察の取り調べを優先させ、拇印までつかせた。そんな子どもを守る姿勢の欠如した学校の卒業証書など、誰がもらってうれしいか。しかも、加害児童にも卒業証書を渡すのでしょう。ならば、なんとも残酷な卒業式の演出を今から考えはじめたことになる。万一、渡さないつもりならば、学校や教育委員会は、同級生を殺した児童が精神鑑定中にもかかわらず、卒業させない方向で検討しはじめたことになる。子どもを守れなかった連中に、精神鑑定も終わらない段階で子どもを裁く(卒業に値するかどうか判定する)権利などない。だから現段階で言い出したのは、どっちに転んでも、とんでもない話です

07-01
●夕@青山劇場のジャニーズ「ウエストサイドストーリー」舞台稽古に顔出し、家人と。出演:東山紀之、錦織一清、植草克秀(以上少年隊)、島田歌穂、香寿たつき、佐藤アツヒロ、赤坂晃、生田斗真、東新良和、斎藤晴彦、渡辺哲ほか、振付・演出:ジョーイ・マクニーリー。このミュージカルを日本でやることがジャニー喜多川の長年の夢だった(これを見てジャニーズ事務所を作ろうと思った)由。あすが初日
●17時から30分、少年隊3人とジョーイの囲み取材。スポーツ紙用写真撮影と、明日のワイドショー用インタビュー(めざましテレビはじめカメラ8台)。ロビーで飲み物・軽食(白波瀬傑とちょっと話す)の後、6時から8時半まで試演(途中休憩20分)。名目は舞台稽古だが報道用舞台で、カメラが入りキスシーンなどでシャカシャカ音が聞こえるほかは本番と同じ。少年隊はほとんど40歳近いが、それにしてはよく踊り歌って熱演(錦織やや息切れ気味)。なにしろ原作・音楽がダントツによいからおもしろい。高さと奥行を生かした装置もよい出来。東山と島田のTonightにはちょっとゾクッとしたし、女たちのAmerica、全員で歌うTonightもなかなか。そもそもリフ、トニー、ベルナルド、シュランク警部補なんて役を日本人がやるわけで、外国人が淳一、太郎、俊彦なんて役をやることを思えば、輸入ミュージカルというのは最初から難がある。さらに、島田歌穂とちゃんとデュエットすればそりゃバランスが問題だし、ダンサーとは踊りも違う、武闘シーンにもっと迫真力がほしい、トニーとマリアの出会い=一目惚れの説得力がいまいちなど、重箱の隅をつつけばきりがない。まあ総じて、そんなことはあまり気にならない元気で楽しめる舞台だと思いました。「ひごの屋」で焼き鳥のち帰宅
●昨晩、田原総一朗とは軽い夕食がてら久しぶりにゆっくり。高橋克佳、柿内尚文も。田原「小泉首相は作戦を間違えた。攻めれば強いが、今回は最初から守りの姿勢。ということは旧来の自民党と変わらない手法。インドネシアでの曽我さん夫婦再会も、そう大きな影響を与えないのでは。ただ、人びとの関心は薄く自民・民主どっちも大差ないと思っている。自民批判も、期待はできないがたまには民主にやらせてみればという程度。その程度の、自民にちょっとお灸を据える結果になるのでは」とのご託宣。そのほか、番組をいつまでやるとか(「サンプロはともかく朝生は死ぬまでやるべき」「生番組中に静かになったと思ったら死んでいた、というのをやってください」と私はいった)、前回サンプロ秘話(救急車を呼ぶ呼ばないうんぬん)とか、森喜朗が田原風に突っ込む某局キャスターを「田原の形だけを真似てどうする」と怒鳴りつけた話とか、イロイロ。森喜朗は、独自にクレーム対応だの勉強会だの提言だのをし、長年信頼関係を築いたうえで突っ込んでいる田原とキミは違う、と言いたかったのでしょう。私が田原と一緒に初めて森喜朗と会ったのは十数年前で確か海部内閣の話題でした(森は立ち上がって海部俊樹の野球オンチぶりを実演してくれた)。もっと昔、田原がバイオテクノロジーの取材をしていた20年くらい前には「国が動かない」と嘆く慶応大の渡辺格に「田中角栄と会いますか」なんていっていたから、森喜朗の言いたいことはわかります。その森喜朗は「次は福田康夫でどうか」、参院青木は「麻生太郎でどうだ」といってるそう。そういいつつ順番待ちのお客さん大臣を処理する内閣改造を迫るわけでしょう。私は小泉純一郎の次は、何でもかんでも(期待できようができまいがどうでも)非自民政権にしたほうが日本のためだと思いますけれども
●本題は来春の田原選集刊行。構成・ディレクションを担当するが、(坂本が)それだけでは心配ならしく「ほかに何かやってよ」(高橋に)「何かやらせないと、ちゃんとやらない」なんてワガママをいう。選集と合わせ別に1冊――幻のPENTHOUSE連載「田原総一朗のつくり方」をもとにするか、時事的なムック本にするか――を検討
●新聞やテレビが触れないことなので、書いておきます。私は昔、皇室の取材をしたことがあり、かつての皇室担当記者から「現皇后がまだ皇太子妃で、第二子の流産直後に葉山に籠《こ》もられていたころ、皇室記者たちの間では『自殺の可能性』すら囁《ささや》かれていた」と聞きました。現時点で皇室担当記者の間では『正式な離婚』『皇太子の皇位継承権放棄』『万一の場合』の可能性までもが囁かれており、事態は深刻です。私は宮内庁長官が辞任してもまったく不思議ではない状況だと思います。さっさと皇室典範を改めて女性天皇を認めるべきという意見には賛成ですが、将来の天皇(女性)の婿《むこ》さん探しは、天皇(男性)の嫁さん探しより難しいはず。つまるところ、皇室を開き大改革しなければ、問題は何も解決しません。臣・中曽根康弘はじめ長老方は、この際、何人かで集まってアピールを出すとか影響力を行使すべきでは。皇室問題は官僚まかせではダメで、元老のような超法規的な存在が必要
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2003-05-25
●リニューアル版運用開始。リニューアル終了まで2〜3か月かかる見込み。旧版は残します
2002-04-11
●ホームページ試験運用開始。キリがないので、未校正ありのまま見切り発車しました。あしからず
●この欄、文中敬称略ってことでよろしく願います