メディアとつきあうツール  更新:2004-06-14
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

日録メモ風の更新情報(坂本衛)
2004年1月〜3月

2004年1月〜3月の更新情報

03-31
●GALAC5月上旬発売号の表紙は山P、巻頭グラビアは蜷川幸雄
●有害社会環境対策基本法のころから反対意見を関係者に送っていたという神奈川県の21歳の男子学生からメール。青少年健全育成基本法案の国会提出を受けて、「本丸ともいえる自主規制法案ではない事もあってマスコミはタカをくくっているのか、前回と比べ反対の『は』の字も聞こえてきません」「公明党が容認してしまっているので法案成立→自主規制法案提出が、既定路線になりつつあり」「何故今回はこうも静かなのか甚だ疑問」「何とかマスコミ側からも大々的な行動を起こして頂きたいです」と
●行動すべきという点は同感。しかし、マスメディアのうち新聞紙・通信社とNHKは「自分たちに関係する問題」と思っていません。残りの商業放送局は「知らない」または「地上デジタル放送に公的資金を求める手前、政官と事を構えたくない」との理由から黙っています。黙っている状況は「有害〜」のときと変わらない。当時、最初に反対の声を上げたのは放送局ではなく、一握りの研究者・ジャーナリストたちだけ。2001年1月のキャスター会見も友人たちの手を借りて私が個人的に企画したもの(出席交渉・声明文起草・メディア告知などを坂本が担当し、会見場を借りる費用も坂本が支払い、会見したキャスターや手伝ってくれたスタッフからカンパを集めた。「長老」の田原と筑紫はポケットマネーから2万円ずつ、ほかの人は5000円出してくれた。会場に看板制作を頼めば2〜3万取られるから、これもワープロで手作り)。会見の様子はNHK以外の全局がニュースで流し、ほとんどのスポーツ紙と一部新聞も取り上げてくれましたが、実態はそんなものです。放送局トップの多くは放送局が「言論報道機関」「ジャーナリズムの一翼を担う機関」とは考えていないようですし、本気で反対もしないのでは
●民主党あたりがメディア規制反対を主張すべきという意見もあるかと思いますが、映画バトルロワイヤルの規制に熱心だったのは民主党議員、青少年の夜間外出禁止などという反動的で無意味な規制条例を出してくるのも民主党系の市長。これでは到底、望み薄でしょう
●2〜3日前CS(スターチャンネルだったかな)で「トリュフォーの思春期」をやっていました。終わり近く、息子が生まれ遅刻してきた教師が、生徒たちを前に、子どもの権利がいかに侵害され、子どもにとっていかに不当な大人社会が形成されているかを語るシーンがあります。私はトリュフォーの主張に100%共感しますが、まあ、有害社会環境なんて的ハズレで無責任なことをいってる大人どもには、この映画は愛に満ち高級すぎて理解できそうにない

03-30
●昨晩は石橋さや夏、久野明と太公望。安くてうまい

03-29
●田中康夫から、28日付日経新聞紹介に続いて、【★第2社会面の紙面上では、この後に「長野県は二月、年齢、学歴、職歴に一切の制限を設けず県幹部を一般公募した。約七百六十人の応募があり、田中康夫知事らが書類審査と面接で選んだ。田中知事は『新たな仲間と改革を進めたい』と話している。」と続きます。願わくは、「新たな仲間と『更に』改革を進めたい」として欲しかったかな。お利口な「新米」や「浅卑」の自称表現者、「嫌疑」たる代表らに揶揄されぬ様にね(苦笑)。】だそう。同じく中日新聞
●田中典子から励ましのメール。ありがとうございます。GALAC青焼きで午後放懇

03-28
●16時〜TOKIO AMBITIOUS JAPANライブツアー・ファイナル@武道館。花見客もあり会場までは大混雑。10年で、ライブは199日め(×299日)、のべ356回めだそう。タッキー&翼も応援に登場。前半終了のMC、松岡昌宏、山口達也、国分太一が名古屋で飲んだ話がおかしい。酒の席で国分は年上なのにいつもやり込められているが、この時は酒の勢いを借りて大声で説教しまくり、2人をバンバンぶっ叩いて大変だったとか。ついでメンバーの酒癖の話。山口は酔うほどに脱いでいく。長瀬智也は枝豆を飛ばして喜ぶ。城島茂は皆の水割りをこまめにお作りetc. 長瀬が2回突っ込みを入れ、皆が誉める。国分「メントレでも、そのくらいしゃべれ」。TOKIOはしゃべくりが非常に達者。ジャニーズのグループのなかでは、しゃべりが一番おもしろいのでは。3時間超の長丁場でサービス満点。2度めのアンコールで「9.21」を披露
●終了後のレセプションではジュリー藤島K、白波瀬傑に挨拶。松岡くんらとGALAC表紙の御礼がてら話す。「踊り、最高!」と

03-27
●テレビ朝日、久米宏「ニュースステーション」終了(26日)。日本のテレビ報道に一つの時代を画したニュースショー番組の終わりであり、日本のテレビでもっとも優れた司会者の一人の引退です。長い間お疲れさまでした。Googleに「久米宏」と入れると、私が10年前に書いた■MAMO's■テレビ論■「久米宏」論が約17400件中2番目に出てきます。久米宏への評価はいまでも当時と基本的に変わっていません。ご一読ください。ただし、長いです。(←注:ここだけの話だが、当サイトのSEOの優秀さを自慢している。××万件中10位以内に表示させれば×万円というような業者に騙されないようにしてください。私のような素人でも簡単にできることなので)
●森ビルによれば、「六本木ヒルズでは昨年4月オープン以降、手動も含め回転扉の事故が今回以外に32件。うち10件は救急搬送」だった。それで手を打たなかったのでは業務上過失致死は免れない。バブルの頃、東京臨海副都心開発のデタラメさを書いた(週刊現代「東京破産」)とき、複数の不動産関係者から「地上げに手を染めていない大規模デベロッパーは森ビルと三菱地所だけ。残りは財閥系以下すべて地上げ屋同然だ」と聞いた。以来、森ビルは優良会社だと思っていましたが、それでもこんな事件が起こるのは、会社の良し悪しなどと関係なく社会の至るところでモラル崩壊が起こり、無責任体制がはびこっているということでしょう。「これはヤバイ」と思っていた関係者は何人もいたはずだが、カネがかかる、責任問題が生じる、格好悪い、面倒だ、言い出す勇気がないというような理由で、改善の声が上がらなかったのだと思います
●エイズ問題の厚生省、BSEや鳥インフルエンザの農水省なども同様ですが、今回の事件でも国土交通省に大きな責任がある。監督責任があるのに気がつかなかったり黙っていたりすれば、監督責任をちゃんと果たさず税金でムダに食っていたわけだから、国民に対する責任が問われて当然。役所の責任を問うことこそマスメディアの責務です。居丈高になって森ビルの(それも末端の現場の)管理責任を追及するだけでお茶を濁せば、浅田農産の二の舞になってしまう

03-26
●放送批評懇談会で3時半、編集委員会。兼高聖雄、谷口正巳、入江たのし、小田桐誠、中島好登、久野明と。6時半、理事会。志賀信夫、伊豫田康弘、田代勝彦、麻生千晶、兼高聖雄、今村庸一と
●「汚く育てよ本」の進行で連絡した毛利子来から返信。「しっかし、地上デジタル計画についての坂本さんの主張に難癖がついているとは...、ああ、世の中、なにかと、ひどくなってるねえ(>_<) 負けないでください。陰ながら応援してます」。ありがたいことです。このような声に支えられ8年間GALACを続けてこられたことをたいへん幸せに、また光栄に思っています
●昨年末コメントした女性自身の記事。最近見つけました。番組VTRも見ましたが、こんな記事が出る前にいくらでも話し合う余地があったはずだと思います

03-25
●11時30分@新木場TADスタジオ、山下智久のGALAC表紙撮影と取材。負けず嫌いで根性のあるいい子。5月6日発売予定。3時帰宅
●6時半、丸山昇と「りゅうほう」で塩ラーメンを食べつつテレ朝「報道ステーション」の話
あまりに愚かだと呆れたこと、その1。大阪教育大附属池田小の校舎公開。9台の防犯カメラ、400(300以上?)の防犯ブザー設置。池田小に400の防犯ブザーが必要なら、日本全国のすべての小学校にも広さと児童数に応じた数の防犯ブザーが必要なはず。だが、そんな予算はなく、ということは教育関係者の大多数はその必要を感じていない。では、なぜ池田小だけに400の防犯ブザーをつけるのか? 一度襲われた学校はもう一度襲われる恐れが強いからでしょうか? そう思って設置したとすれば、あまりに非科学的で馬鹿げた話。いかにも官僚の考えそうな箱モノ行政の典型で、国立校と公立・私立校の差別の典型事例でもあります。そもそもキチガイが刃物を振りかざして学校に乱入してくれば、防犯ブザーが1000個ついていても、殺傷事件を防ぐことは難しい。私はPTA会長を3年やり防災キャンプというのを企画して子ども100人と小学校に泊まり込んだことがあるから、そんなことは経験上明らかです。防犯ブザーというハードウエアの数なんて関係ない。肝心なのは、いざというとき身をもって子どもを守る教員の養成や、それに協力する地域の人びとを増やすこと。防災キャンプの例でいえば、1年目PTAに付き合って泊まったのは校長だけだったが翌年以降は意欲ある教員たちも泊まりはじめたとか、地域の人びとも学校は何をやっているのかとのぞきにきてくれるようになったとか、その人びとが公園や路地で子どもたちの様子に気をかけてくれるというシステムの構築(ソフトウエアの問題)に決まっています
あまりに愚かだと呆れたこと、その2。民主党代表の菅直人が「江角マキコの国会(衆院厚生労働委員会)参考人招致を求める」。私は最初ただの冗談と聞いたのですが、どうやら本気らしいとわかり、信じられない馬鹿バカしさに呆れはてています。周囲に「そんな阿呆なことやめなさいよ」と注意する人はいないのでしょうか? 保険料未納者を起用した社会保険庁は阿呆(税金の無駄遣いをしたのだから、代理店に損害賠償を請求すべし)ですが、江角はそんなのは事務所まかせで払わなかったにすぎず、将来年金などもらわなくたってやっていける収入もある。たまたま仕事が来たから受けただけで、国民年金問題に関係も関心もないただの女優(モデル)。その江角マキコに何を聞きたいのか。万一出頭したとして「不注意で払ってませんでした。ごめんなさい。早速納付しました」以外のことをいうはずがないが、国会でそういわせてどんな意味があるの? 菅は「その事実関係を聞いたうえでないと(年金制度改正関連法案を)議論する意味がない」といったそうだが「はぁ?」 時間稼ぎのつもりだったとしてもお粗末すぎる名目。全国に数百万かいる「ショムニ」ファンは、子どもだって「おかしなことをいう政治家だ」と思ったはずです。もう、まるでズレまくっていて、本当に恥ずかしいです

03-24
●午前、田原総一朗から電話。「朝日は『かつては新聞雑誌が論壇を形成したが、いまではサンプロに代表されるテレビが論壇の機能を果たしている』と書く。GALACに載る放送批評にそんな視点からの議論がまったくないのはなぜ?」と。
●私の見方はこうです。現在の放送批評は番組(作品)中心主義。目の前にある日のある番組を録画したVTRがあれば、それを、それだけを徹底的に見て批評するやり方。だから、一連の番組が社会とのつながりのなかでどんな機能を果たしているか、という視点が薄くなる。それは政治経済にとってのサンプロだけの話ではなく、幼児にとっての「おかあさんと一緒」、小学生にとってのポケモン、おばさんにとっての「渡る世間」「2H」でも同じ。それを批評する評価軸がなく番組を見てもいない。つまり、映画館という非日常的空間で見る映画を1本1本批評するやり方に近く、朝から晩まで家でついているテレビやそれが流す番組が社会や日常生活にとってどうなんだという批評が薄い。音楽に造詣の深い人が「この番組は日本の音楽シーンにとってこれこれの意味があるから評価する」という批評はたまに読むが、政治経済に詳しい人が手薄なことも事実。GALACに載る放送批評のうち「ギャラクシー賞に値する番組を選ぶための批評」にはそのような限界があるから、ギャラクシー賞関連でないページでは、議論し評価や批判もしている。――そんな話をしたら、田原「放送批評家というのはテレビがわかってないね」
●今月のGALAC関係の作業がヤマを越したので、たまっている仕事や連絡などあれこれ
●ハマー一家来る。ジョナサンで昼食。夕方、大山勝美のお祝いの会@東京プリンス
●大山勝美の叙勲祝いの会、おめでとうございます。乾杯は前NHK会長川口幹夫。加藤剛、賀来千佳子、仁科明子、佐々木すみ江、国広富之らが壇上に立ちお祝いの言葉。森繁久弥も来ていたが、みんな断りなくそばに立っては記念撮影するので(森繁を置物扱い)あまりにも気の毒(早々に帰ったのは正解)。山田太一、吉田直哉、今野勉、市川森一の顔も。放懇からは志賀信夫、松尾洋一、嶋田親一、鈴木典之、麻生千晶、上滝徹也、谷口正巳、中島好登ほか。ここ何年かの原稿を預かっており本にまとめる話があるのだが、体調のこともあって中断。大山勝美にはお祝いとその話を少々

03-23
●「正しい戦争」についての補足。「大量破壊兵器の有無とは関係なく、国民を弾圧している政権を倒したイラク戦争は正しい戦争」ならば、「連合軍の日本攻撃は正しい戦争」です。戦前の日本が一部国民を弾圧したのは確かだから。しかし、私は「太平洋戦争では、日本だけが悪く英米は100%正しかった」とは全然思っていない(むろん「英米だけが悪く日本は100%正しかった」とも思っていない)。当然イラク戦争でも「イラクだけが悪く英米は100%正しい」などとは全然思っていません
●アメリカというのは、すばらしい点が多々ある国だと思いますが、同時にいまだに「広島・長崎への原爆投下は正しかった」と言い続けるトンデモ国。原爆投下は、広島と長崎にアウシュビッツのガス室同然の異常な空間を出現させ、一瞬のうちに数万〜十万以上の人(その多くは子ども、女性、老人など非戦闘員)を殺した人類史上例のない瞬間大量虐殺であり、国際法違反はもちろん、どんな時代やどんな地域の人道に関するルールに照らしても明白な犯罪行為だと私は思います。「戦争を終わらせ連合軍兵士数十万の命を救うために止むをえなかった」も大嘘。東京湾にデモ投下しても日本は降伏したに決まっている。それをわざわざ市街地に投下したのは、建物を破壊し人間を殺傷する効果を確認し見せつけたかったという以外、理由などありません。つまり戦争というどさくさ紛れの大規模人体実験。それを正しいという連中が「××は正しい」というときは、日本人は疑ったほうがよいのです
●原稿書きの後、放懇。校正し1時帰宅。GALACは次号から「放送お騒が史」と題する放送裏面史を「読める年表」の形で掲載しますが、7ページも費やしたPART1に1960年までしか収まらない!! たとえば今日まで知られている放送中止事件はすべて網羅する予定ですが、60年代に頻発するので、PART2は1965年あたりまでしか収まらないかも。上中下3回くらいでまとめるつもりだった構想が破綻してしまい、困った

03-22
●終日仕事
●イラク戦争開戦1周年であちこちから出た感想(19日の談話)で、ひどいのを2つ。首相・小泉純一郎「正しい戦争だった」「(大量破壊兵器は)ないとは断定できない。今でもあると思う」――あれが正しい戦争なら、冷戦時代、大量破壊兵器を持ち国民を弾圧していた国(旧ソ連や中国など)を先制攻撃しても正しい戦争だし、現時点で北朝鮮を先制攻撃しても正しい戦争です。口から出まかせでなくそう思うなら、正しいと思う道を進めばよい。しかし、そうしないのはなぜだという話になる。「仕方がなかった戦争」くらい含みを持たせておかないと、ブッシュが倒れたときに困る。また、大量破壊兵器があるかないか日本国には確かめようがないのだから、日本国総理大臣は「有無は関知しない。ただし開戦時はイラクが保有していると疑われても仕方のない状況だったと思う」というべきです。そうしないと、ブッシュ政府が嘘をついていた場合、日本まで嘘つきになってしまう。以上は、イラク戦争をやむをえず支持する人だって納得できる批判だろうと思いますが、なぜ誰もそう指摘しないんでしょうかねえ
●自民党幹事長・安倍晋三は「いちばん悲しい出来事はわが国の外交官2人が殉職したこと」――何も知らない外務省の事務の女の子がいうならこの感想でよい。しかし、首相に推す声すらあった外相の息子で、政権党の現職幹事長の発言ですよ。この島国根性丸出しの異常な国際感覚には、嘆息するほかありません。米兵だけでも500人以上が死に、イラク側は少なくとも数千人以上(たぶん1万人前後、ひょっとしたら3万人というような数)が死んでいるのに、こんな感想を公の場で口にしてよく恥ずかしくないなと思います
●っていうか、私がつくづく不思議なのは、首相が「正しい戦争」といったとき「じゃあ北朝鮮に進攻しても正しい戦争ですね。北朝鮮は大量破壊兵器を持ち国民を弾圧しているのだから。本当にその内容で報道していいですか?」、あるいは幹事長が「いちばん悲しいのは2人の外交官殉職」といったとき「本気ですか? 米兵は500人、イラク人は数千人以上死んでいますが、それより日本官僚2人の死が悲しいという感想でいいんですね。アメリカ人やイラク人が聞いたら怒ると思いませんか?」って聞いた記者が、1人もいなかったらしいこと。この状況は、仮に国営放送や自民党テレビが存在するとして、それが彼らの発言を伝える場合と、どこがどう違うんですか?

03-21
●きのう寝る前、娘の卒業からの連想か、ふと映画「二十四の瞳」のビデオを引っぱり出して見入ることに。大石先生は何もできず、ただ子どもと一緒に泣く。一緒に泣くことがどれほど大切かを伝える名作。それにしても「いくじなしで何が悪いか」のセリフを、もう一度、真剣に考えなければならない時代になったとは。高峰秀子には対談や取材で何度か会ったことがある。扇谷正造の晩年の対談「顔で笑って心で泣いて」(私がまとめていた)では「あたし、松山善三という人は、もうすぐお亡くなりになると思うの」なんてことをあっけらかんという、実におもしろい大女優。芸の小銭(「二十四の瞳」ラスト近く、料亭シーンにその小銭が出ます)、梅原龍三郎との交流、久保田万太郎急死の話などを思い出します
●昭和20年代に週刊朝日を100万部売った編集長・扇谷正造も、おもしろい人でした。晩年は足が衰え、ゆっくりゆっくり歩いてJR四谷駅の改札に出てくる。そこで福田家までタクシーに乗せ、対談してもらうというのを月1回、1年半ほど担当しました。「次の対談は誰にしましょう?」「永井龍男さんはどうかねえ」と、文化勲章クラスの名前が飛び交うので、準備が大変。いつか、対談1週間ほど前に「×日の×時、よろしくお願いします」と電話したら、先に入れた電話を忘れていたらしく、「君、そんな大事な連絡はハガキで寄こさなければダメじゃないか!!」と怒られてしまった(笑)。最晩年「奥さんのこと書きませんか」と勧めたのですが、奥さんを亡くした気力の衰えが激しく、かないませんでした
●いかりや長介、亡くなる。GALAC1999年2月号で表紙をお願いしました。合掌

03-20
●田中康夫がWebSPA「愛の大目玉」で、この日録メモに言及。ちょっと前のはこちら
●「週刊文春」出版差し止めの仮処分の追認はヘリクツ!! 記事は公人・田中真紀子の動静をも同時に伝えている。2代続いた政治家親子の3代目(長男は不出馬宣言済み)の話題は、そこらの若い女性の離婚話とは訳が違います。出版差し止めしか救済手段はないと結論しながら、70万部以上出回ったのは仮処分が回収命令を含んでいないのだから仕方ないといい、それでも残り3万部止めることに大いに意義があると言い張るのは、現実離れしているうえに錯乱した判断だと思います
●田中真紀子は2001年4月、小泉純一郎元厚相(当時)への応援演説で故・小渕恵三首相について「1年間で借金100兆円作った、ガハハなんてカブ上げて、喜んだら頭がパチンと切れて、小渕さんがお陀仏さんになっちゃった」というような発言をした。秘書給与疑惑を告発した元秘書に対して「(元秘書は)いま、雨戸を閉め切って生活しているんですよ。子供は不登校になってる」と発言したこともある。前者は名誉毀損、後者はプライバシー侵害でしょうが、みんな田中真紀子は日本の政治を変えるのに必要な人だと思ったから、(自民党反小泉陣営を除けば)あまり問題にせず笑って許したのです。田中真紀子が「今回の週刊文春だけは許せない」と考えているのだとしたら、なんとも傲慢で自分勝手な話。それは世間様に申し訳が立たない話でしょう
●終日仕事

03-19
●娘の卒業式も出ずに原稿書き(各方面、重ねてすみません)。はかどらず(放懇事務局ごめんなさい)

03-18
●原稿ほかもろもろたまっていますが、前から予定を入れていたシアターコクーンへ娘と(各方面すみません)。岩松了脚本、蜷川幸雄演出。最前列で1.5メートルの至近距離から二宮和也、小泉今日子、勝村政信(GALAC表紙に頼みたい)らの力演を堪能。ちとセリフを噛むシーン多し(娘によると16日は全然噛まずだったそう)。ラスト、ウェルテルの元気がいまいちでヘンなところに滞留したため、ニノ笑いすぎ。たいへんおもしろかったが、3時間はちょっと長すぎないかと感じました。微妙に揺らめく岩松了の世界というのは、一見ムダとも冗長とも思えるわけのわかんない部分もひっくるめて成り立っていると思うが、それを(蜷川幸雄が)もっとぶった切ってもよかったような。勝手な想像だが、やや遠慮したのではないかと。それがまた蜷川のしたたかさか、とも思いますが。恵美子さんありがとうございました。終わってイタ飯。(どうでもいいけどシアターコクーンのホームページ、科学反応は化学反応に直さないとみっともない対応が素早い)
●大久保エライ!! 相変わらずがむしゃらだが、ディフェンスや人を使う仕事も光り、一回り大きくなった印象。全般的にみんなちょっと「持ちすぎ」なのと、「クリアが小さい」のが気になる。カッコよくヘディングでクリアしても遠くに飛ばず取られる。昔クレマーさん(本のうえでだけど、八重樫茂生とともに私の昔の師匠)は「クリアは大船まで飛ばせ!!」といった。ちゃんとトラップして遠くの味方のほうに蹴り出してください
●毎号送ってもらっている週刊文春が届いたが、どうってことない記事。確かにプライバシー侵害といえば侵害でしょうが、そんなことをいえば、長嶋茂雄の家族の話だってほとんどプライバシー侵害。長嶋家の弁護士が倒れた翌日プライバシー侵害だと新聞雑誌の出版差し止め仮処分を申請したとしたら、裁判所は今回同様の判断を下したでしょうか。あるいは、麻原の娘やオウム一般信者の記事は? 少年Aの家族の記事は? 新聞も、週刊文春以外の週刊誌や月刊誌も、もちろんテレビも、とても他人事とは思えません。しかし、今回の報道を見ていると多くが、他人事を扱っているようにしか見えない。何よりもそれが不思議です(読んだ中では東京新聞が頑張っている

03-17
●麻生千晶から「週刊文春の出版差し止めに、なぜみんな黙っているの!? 若い連中は情けない!!」と怒りの電話あり、いろいろ意見交換。夜、小林道雄とも話す。「戦後」の評価については食い違ったが、現在のメディア状況が絶望的な点では一致。麻原彰晃の娘の大学入学拒否の話になって「和光大学はリベラルな学校じゃなかったか」というから調べたら、大正期に開花した「自由教育」の理論的指導者・澤柳政太郎が創立した成城学園の流れを汲む大学らしい。澤柳政太郎が学長だったらやっぱり入学拒否したでしょうか。オヤジが犯罪者だから入学させない自由教育などクソくらえだ、と私は思いますけれども。本人が犯罪者だとしても、受け入れて導くのが教育というものじゃないの? 教育の原理や原則はどこへ? 一向に報道されまぜんが、大学の方針に異を唱える教員や学生は1人もいないのでしょうか?
●「週刊文春」に東京地裁(鬼沢友直裁判官)が出版禁止の仮処分命令。「独占スクープ 田中真紀子長女 わずか一年で離婚 母の猛反対を押し切って入籍した新妻はロスからひっそり帰国」と題する記事がプライバシー侵害に当たるとの判断。問題はプライバシー侵害に当たらない場合、当たるか当たらないかの境界線が微妙で慎重な判断が必要な場合、名目はある記事のプライバシー侵害で実は別の記事の差し止めが狙いだった場合などにも、一裁判官の判断で同じような仮処分が出てしまい、これを阻む有効な手段が出版側にないこと。早い話、万一裁判官を抱き込む検閲(当然、憲法違反)があっても、この国では阻止できない。裁判官は神様ではないのだから、現行のシステムは問題があると思います。1日やそこらでプライバシー侵害の判断が下せるなら、なんで普段はちんたら何年もかけて裁判をやっているのかも疑問
●どうも最近の裁判の判決を見ていると、青色発光ダイオードの発明者に200億円(特許の対価600億円の3分の1)払えなど、あまりに非常識と思います。10億や20億なら妥当だと思うが200億!! 発明者が自分の発明は会社のお陰でなく、しかも数百億円の価値があると思えば、サッサと会社を辞めて数百億円を自分で稼げばよかった。それはせずに儲かった後から払えでは、日亜化学工業の幹部はもちろんほかの社員が納得するはずがない(もっとも報奨金2万円しか払わなかったという会社もどうしようもなく非常識な会社で、みっともないったらないですが)。たとえば青色発光ダイオードの販路を開拓した営業社員は年収1000万円で当然、しかし発明者だけは200億円では、この国の風土ではバランスが悪すぎる。最近の裁判は、そのバランスを欠いているものが多いと感じます。どうも「発明」という部分だけを見て方程式を当てはめたら答えが200億円と出た、だから200億円払えという感じ。日本の会社とか給与システムとか周囲の社員の存在という全体を見ていない印象です。今回の仮処分命令も「プライバシー侵害」という部分だけを見て、全体をまるで考えていないように思います
●大久保エラい!! 鈴木のFKは、もう一段上のクラスなら阻まれている。それにしても恥ずかしい試合。ゴロでつなげ、押し上げろ、それがサッカーの基本だといいたいが、オリンピック代表にいうことではない。こうなったらUAEに、おたくらはもうどうでもいいんだからうまく大差で負けてね、次は新宿に招待するからさと、お願いするしかない?
●終日、原稿書き。体調悪し

03-16
●昨日の高橋尚子は立派。ときおり表情が陰ったものの、あれだけ笑顔を振りまきながら自分の言葉で話ができるのは大変なことです。私は、小出監督が自信を持って名古屋をパスしたからには、内定に近い感触を得ていたのではと思っていましたが、そうでもなかったらしい。ただ、満を持して臨んだ東京で失速してしまったのだから、それが現在の実力と思われても、それは仕方がない。名古屋で土佐礼子が遅れたままの2位だったら、野口みずき、坂本直子、高橋で決まっていただろうから、切符をもぎとった土佐を讃えるしかないでしょう
●今朝のフジ「とくダネ」では瀬古利彦が登場。本番半年前の選考レースなど無理、2〜3か月は気力が戻らず本番に間に合わない、今回の選考結果は欧米では考えられない、というような話をしていました。走る修行僧だとばかり思っていたら、「名前はせこ(成功)だが僕は失敗した」「何でも一番!!」などおもしろく、大いに見直した。本当に瀬古のいう通りなら、そもそも名古屋を選考レースに含めたのがおかしかったことになる。その是非はアテネの結果によるわけです
●2時、GALAC表紙の撮影・取材で八嶋智人。5時、日経BPからの取材。「なぜ日本は負けるに決まっている太平洋戦争に突っ込んでいったのか?という議論がある。私も昔は疑問だったが、いまは疑問に思わない。なぜハナから破綻している地上デジタル放送計画を修正できないのかを、つぶさに見てきたからだ」と話す。政治家・官僚・企業・放送局など当事者の無知と無責任体制。マスコミの翼賛・長いものに巻かれろ主義。学者の無知・無能・無力。全部門に共通する目先の利益追求と中長期戦略の欠如。半世紀前とあまり変わっていない、と

03-15
●朝メールを開くと「19通受信中」と出てイヤーな感じながら、14通はゴミ箱行きに。どうやるんだと聞かれたので、簡単に解説。Outlook Expressの場合は、ツール→メッセージルール→メール→新規作成と進み、1.ルールの条件「件名に指定した言葉が含まれる場合」にチェック。2.ルールのアクション「削除する」にチェック。3.ルールの説明で下線をクリックした後、単語を入力し「追加」「OK」を押します。たとえば単語「Here」を入力すれば、その件名のついたメールは受信トレイに入らず自動的に削除されるようになります。4.ルール名は「ゴミの分別」など適当に。一度作ったあとは、(ルールを選択してから)「新規作成」のところ「変更」を押し、単語入力→追加→OKを繰り返します。ゴミメールによくある件名は03-03の項を参照

03-14
●女子マラソンおもしろかった。ただし、実況アナが「10メートルの差」というときは大抵20〜30メートル以上離れていたし、「並んだ」というときは数メートル離れていた。マラソンは1秒で5メートル走り、画面右肩でつねに秒を刻むから、選手Aが横断歩道の白いラインなどを通過して何秒後に選手Bが通過するか測れば、距離はすぐわかる。視聴者が見ていて明らかに間違いとわかる数値をアナウンサーが連呼するのはなぜなのか。なんとも不思議な話です
●イラク派遣米兵のNHKスペシャルを見ていたら、サッカーを見逃してしまった。ホームで負けてどうする!!
●深夜、CSシネフィル・イマジカでマルクス兄弟の長編2本。とりわけ1935年「オペラは踊る」は、チコのピアノ、ハーポのハープに感動すら覚える名作。明け方の「一番乗り」は録画。古い映画については、素晴らしき哉、クラシック映画!が充実しています。なお、今月シネフィルでは「乙女の祈り」をやっている。2少女が母親を殺す美しくも衝撃的なP.ジャクソン監督作品(94年ニュージーランド)で、日本であれば政治家だのPTAだのが総攻撃して封印するであろう問題作です。その監督にロード・オブ・ザ・リングを撮らせるハリウッドは、やはり豊穣な映画世界というほかはない。絶対にかなわないよなと、いつも思います

03-13
●午前中、片付け。2時、クマ一家来る。子どもがプールで世話になったクマとは何年かぶり。奥さん、息子はむろん初対面。1歳半すぎの祐太朗は「ダイジョウブ」らしき言葉を連発。久しぶりに将棋を指して1勝1敗。夕方、友人の披露宴でグランドヒル市ヶ谷まで来ていた明美一家も来る。4か月にしてスキンヘッドの千広は盛んに寝返りを打って元気。今日はハマーは何も壊さず

03-12
●幼稚園で下の子と一緒だったケイコちゃんのお母さん亡くなる。合掌。お通夜。本人から聞いた話だが「長く子どもに恵まれずまったく諦めていた。ある日、あんまりお腹が張るので便秘でもしたかと思い病院に行ったら、『おめでとうございます!!』といわれ、腰が抜けるほど驚いた」と。たしか48歳くらいの高齢出産。このお母さん、とても穏やかでニコニコしている人だった。いつも最後に控えめに「それはこういうことじゃないかしらねえ」というようなことをいい、ギスギスしがちな幼稚園のおっ母さんたちの中で、独特の存在感を発揮して慕われていた。卒園のとき出版クラブ会館で、ケイコちゃん、亮輔、友紀、ももの4人で記念写真を撮った日のことを思い出します。通夜の帰り、友紀とその母・和美が家に寄って、深夜まで酒。アキちゃんのお母さんのときもそう思ったが、いい人ほど早く亡くなるというのは、ほとんど間違いない人間界の法則のようです。裕馬はFC東京ユースU-15深川で頑張っている由、なにより
●03-09に書いた都条例の話を読んだという女性(聞いたことのない女名前だが、男かも)からメール。「石原慎太郎の新しい都条例の話。『うわー』ですね。『あれをいいと思ってるの』って、それ決めんのはお前ではない、と言いたい。しかも、週刊現代には、良くも悪くも今日日の子ども達に害になるような写真は載ってません。『こんなもんで、欲情するなら、男はかわいそうな生き物だ』と、いつも思う程のお粗末さ。逆に、ビニールかければ、中覗きたい衝動に拍車をかけて、いいかもしれませんけど。(ヤバイ暴露話を中略)なんにしろ、嫌な世の中です」だそうです

03-11
●東京新聞が日本歯科医師連盟(日歯連)の自民党への政治献金問題を盛んに書いています。私は、まだ知られていない問題は疑い、さらけ出せという主義ですから、結構なことだと思っています。ただし、「疑わしい」から「つかんだ!!」そして「出すぞ」という高揚感の中では、ミスが起こりやすい。テレビ朝日のダイオキシン報道がよい例ですが、新聞も例外ではありません。たとえば東京新聞2月4日付朝刊一面トップは「日歯連 不明朗資金1億4000万円 東歯連向け 報告書食い違い」の見出しで、日歯連から東京都歯科医師連盟(東歯連)への配分金が都歯連盟の帳簿から漏れているという記事。しかし、この日のうちに、報告書への記載方法が日歯連と東歯連で違っていたためで、飛ばしすぎと判明。ある関係者は、「事務局が帰った後に資料を出してほしいと新聞社から連絡があり、都歯連副会長が『担当者がいないので明日にしてくれ』といったら、そのまま記事が出てしまった。なぜきちんと裏付けを取らないのか。拙速にこんな記事を書く必要があったのか」と疑問を呈します
●私は直接見ていませんから番組名は伏せますが、夜の民放ニュースで「歯科医にかかると自民党へ献金が行く」との表現が流れたとも聞きます。そう私に教えてくれた歯科医は「経団連が自民党に献金していても『この銀行に預金すると自民党へ献金が行く』『この自動車を買うと自民党へ献金が行く』とはいわない。川に落ちた犬を打つとはまさにこのことだ」「なぜ日歯連盟が多額の献金をしているかという肝心な点について、どのマスコミも報じていない」「『なぜこの事件が起こったのか』『歯科医療に問題点があるとすれば、どうすれば患者さんがよい医療を受けられるシステムにできるのか』という報道をしてほしい」と訴えます。私は東京新聞の一連の取材を評価しますが、「なぜ」という背景、「どうすれば」という提案にまで踏み込んでもらいたいものだと期待しています。ゆっくり時間を取ってそのことを解説してくれるキーパーソンは、必ず見つかるはずです
●昔、小林道雄と組んで建設談合を取材したとき、某ゼネコンの取締役がそのキーパーソンだった。私が「会ってくれ」と電話で頼んだら「時間はどのくらいだ?」と聞く。「2時間くらいで」というと「ダメだ。ちゃんと話せば4〜5時間かかる」と。この人は、談合にはいくつかレベルがあること、建設業界としてはあるレベルまでの談合は認めてほしいこととその理由、「官」が談合システムの中心をなしていること、談合の仕切り人の名前と所属などを、長時間、見事に解説してくれました。「マスコミは業界の談合体質というが、ちゃんちゃらおかしい。『体質』なんかじゃない。官と民の『構造』なんだ」という言葉を、いまも覚えています。結局、建設クラブ記者は誰1人としてその構造については書きませんでしたが
●弱い者――槍玉に挙がり、この対象は打ってよいのだと世間が認めた者に対しては、マスコミは非常に強く出ます。けれども、強い者――まだ、この対象は打ってよいと世間が認めるに至らない者に対しては、マスコミは黙っています。すでに破綻が確実な地上デジタル放送計画(断っておきますが、坂本はデジタル化に反対などしていません。ただ、現行計画は失敗するから修正したほうがよいといっています)に全マスコミが疑義を呈さないのは、放送局・メーカー・総務省が、現時点で強い者だからです。それに疑義を呈するお前は何なのだといわれれば、別に私は強い者ではありませんが、しかし放送局・メーカー・総務省より視聴者・大衆・国民のほうが強い者であると信じている者です。私は、視聴者・大衆・国民に軸足を置き、その幸せ(いいたければ「国益」といってもいい)という観点から発言しているにすぎません
●放送批評懇談会理事長・志賀信夫が四半世紀続けた「年間テレビベスト作品」で芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞。おめでとうございます
●2時TBSR&C社長・清水洋二取材。中島好登、黒川公人と。ラジオの魅力について熱い話。オンエア直前の荒川強啓に挨拶。「神楽坂の理清蘭、覚えてます?」「え? ああ、あの狭くてきったねえ焼肉屋ね。オヤジが冬でもTシャツの。たまに行くよ」。まだ店で遭遇したことはないけれども。草野満代には、明日はNHK紅白の司会を務めるという日に理清蘭で会いましたが。TBS―焼肉屋といえば、先日の「学校へ行こう」で、TOKIOが「あなたの好きな焼肉屋はどこですか?」をやっていた。理清蘭にも話が来たが(ああいうのは、もちろん仕込むわけです。行き当たりバッタリで成り立つ企画ではない。念の為)、料飲組合の会合と重なって断ったそう。それもまたジジイらしい

03-10
●5時、新宿区教育委員会に津久戸小PTAで大変お世話になった小笠原功(当時の学校長)を訪ねる。神楽坂に移動してもー吉。安部俊彦も大歓待。野球の話、学校の話、神楽坂の話などいろいろ。結局、教育というのは愛だ、愛がないところには何もない、と。松井秀喜については一回り大きくなり余裕が出てきた、今季も大丈夫だとの見立て

03-09
●10時、日比谷図書館で久野明と待ち合わせてGALAC調べもの。ずいぶん久しぶりに行ったが、あまり変わっていない。ここがよいのは開架式でコピーも割と空いていること。1人10冊(CDもあり)も借り出せるのに驚く。食堂のカレーは相変わらずどうしようもないが、懐かしい味ではありました
●5時、ANAで田原総一朗。アスコム高橋克佳、柿内尚文も。企画進行中の「田原選集」について。書籍のピックアップは いいが、田原のもう1本の仕事の柱であるテレビが見えてこない、坂本が昔書いた「田原総一朗のつくり方」(なぜかPENTHOUSEに二十数回連載の田原半生記)を使って1冊作るか、と
●田原は最近のマスコミに怒り、非常な危機感を言い募る。たとえば「何で韓国でまったく相手にされていない、わけのわかんない脱北者を使っていい加減な番組をつくるんだ?」「ケイが『大量破壊兵器はない』と語ったと報じているが、正確には『戦争には大義はある』『自分の探したところには大量破壊兵器はなかった』と語った。おかしいじゃないか!!」「国連事務総長アナン来日で、読売と産経は日本の自衛隊イラク派遣にお墨付きが出た、朝日はお墨付きは出ていないと報じた。アナン来日の目的――アメリカがへたってきたから今後は独仏も入れ国連中心でいく。ついては日本もよろしく頼む――という肝心な問題を報じないのはどういうわけだ?」「自己規制とかいう話じゃない、自分に都合の悪い事実を隠して報じる。自分で物事を考えようとしない。自分の倫理を全然追求していない。どう思う?」と。坂本「その通り。新聞もテレビもそれぞれ自分に都合のよい読者像・視聴者像をつくり、それに対して媚びているということだと思う。たとえば牛丼最後の日の報道のアホらしさ。読者・視聴者はそれを求めているはずと勝手に思い込み、もっとも安易なニュースに仕立て上げ全マスコミがそればかり流す。多くの人びとは、狂牛病に関してあんな情報がほしいわけではない。ニュースの価値判断が狂っている。媚びのせいだ」田原「ものすごく媚びている。危険だ。鳥インフルエンザもそう。通報をためらったにせよ、浅田農産会長は天災の被害者だ。加害者ではない。あの夫婦はマスコミに殺されたんだ
●もうひとつ未確認情報。石原慎太郎が3月中に新しい都条例を出す。ヘア・ヌードつきの雑誌を都内で販売するときは、ビニールかけを義務づけるというもの。雑協会長がそれは困るといったら「あなた、あれをいいと思っているの?」といわれたそう。つまり週刊ポストと週刊現代の狙い撃ちらしい。うーむ
●岩本太郎から下村健一MLの転送メールあり。浅田農産会長夫妻自殺について。弱いヤツに強く、強いヤツに弱いヤツは、嫌なヤツです。私は子どもにそういうヤツにだけはなるなと話してきたつもりです

03-08
●浅田農産会長夫婦が自殺。家人とテレビを見ていて、「この連中、死ぬんじゃないか」といったのは何日か前です。彼らにとってこういう悲惨な「解決方法」しか見つからなかったこの国は、つくづくいやーな国だと思います。3週間ほど前、ある雑誌に鳥インフルエンザの解説原稿を書いたときは、あえて「いたずらに騒がないよう」と強調しました。その際、ここ数年の新聞記事やいくつかのホームページを丸一日かけてチェックしましたが、公的機関も研究者も「感染したニワトリの肉や卵が市場に出回ることはありえない」と断言していた。それは結果的に誤りだった。「農林水産省や専門家のいうことなどハナから信用できない」と考えるのが正解です
●3時、清水英夫と会う@千代田放送会館。帰宅後、志賀信夫と電話で小一時間

03-07
●3時、NEWS(ジャニーズ山下智久くんほか)記者会見@台場グランパシフィックメリディアン。アテネオリンピックへの出場権をかけたバレーボール世界最終予選(5月)をTBSとフジが共同放送するが、そのスペシャルサポーターをNEWSが務めるとの発表。会場で石井清司と遭遇。お台場は東京より5度くらい寒かった。夕、えびす亭。東京テレポート駅で配っていた八丈島のフリージアをママさんにプレゼント
●夜、息子が買ったホテル・ハイビスカスのDVDを一家で見る。なかなかイイが、美恵子(蔵下穂波)の力演にちょっと疲れた。この点は家人3人の意見と違う。歳かも

03-06
●夜、田原から電話。週刊文春の森喜朗、テレ朝社長、田原総一朗が出てくる記事は「事実誤認」で「会っていないよ」だそう。いろんな政治家がバラバラに勝手なことをいうが、組織的な動きではない。ヘタなことをしたら大問題とは政治家連中も心得ている、と
●放送批評の話になり、放懇は(われわれの知る)第一世代(たとえば志賀信夫、青木貞伸、ばばこういち)に比べて次の層が薄いというと、田原「テレビもまったく同じ。育てていないし、追ってくるのがいない。筑紫哲也ともその話をした」と。もうすぐ久米宏の番組が終わる。やがて朝まで生テレビも、ニュース23も終わる。そのとき……とは、「番組終了」を決めるものに1年半ほど前に書きました。本当にヤバイ

03-05
●夕方、神楽坂に最近移転の松永 事務所。田代勝彦、中島好登と。放送批評懇談会のロゴ制作とギャラクシー賞40年史の表紙デザインを担当していただきました。ポスターや名刺も。放懇はおカネがないのでまったくのボランティア仕事。ありがとうございました。事務所を訪ねた後、理清蘭の予定
●世界的なグラフィックデザイナー松永真の新事務所は、神楽坂駅からすぐの閑静な住宅地に建つ黒いビル。応接室の壁一面の棚には、各地の民芸品、小さな人形、ガラス器などが並び、さりげなくガンダムShin MATSUNAGAモデルや、ミッキーの古人形も。ココヤシの殻で作ったカメが渋くかわいい。イランで開かれたデザインコンクールで審査員を務め、講演などしてきた由、写真を見せてもらいました
●4人で理清蘭。京蘭は、デカい東京都推奨30Lゴミ袋で客のコートを覆うというふだん使わない技を繰り出す。極上牛刺、タン塩、ミノ塩、スペシャルカルビほかにマッコリ。文明の十字路イラン、韓国、シルクロード、どん詰まりのゴミ溜めみたいなものだが、しかし熟成した日本の話、レイモンド・ローウィの話(坂本「子どものころ『口紅から機関車まで』を繰り返し読んだ。あんなにおもしろい本も珍しい」松永「そうそう。全部レイモンド・ローウィだよ。レイモンド・ローウィは口紅から機関車まで怒っていたんだよ!!」――なるほど。松永真も同じように怒っていると見た)、ダイム入札の名刺の話、映画タイトルデザインの話など。実におもしろくパワー溢れる話。小学館ダイムは「松永真に名刺を100枚作ってもらう権利」を設定して入札を受け付け、25万円だか30万円だかで落札されたそう。実は放懇の坂本名刺も松永真のデザイン。なんとももったいないことで……。マッコリをお土産にしてもらう。サッカーがあるため間に合うように10時すぎ解散。ありがとうございました

03-04
●次回GALAC仕込みなど。ジャニーズ事務所・白波瀬傑から「どう? 最近」。ってことで5月上旬発売号の表紙は山下智久くん(ヤマピー)。ちなみに4月上旬号は八嶋智人、6月上旬号は泉谷しげる(予定・交渉中。長谷川さん、ありがとうございます)
●夜、日本映像事業協同組合・谷弘と。赤坂・木曽路、GRACE

03-03
●朝メールを開くと20通弱、また坂本アドレス発(もちろん騙り)またはほかの誰かのアドレス発の怪しいメール。坂本発は宛先不明で戻ってきたもの。うちいくつかはウイルス。お気をつけください。件名はたいてい頭に「Re:」がつき「A special new website」「Details」「Document」「Excel file」「fake」「Files」「Hello!」「Here」「hi」「information」「Message」「My details」「read it immediately」「something for you」「Thanks!」「Your bill」「Your document」「Your Files」「Your letter」「Your day」「Your picture」「Your product」「Your software」「Your text」「Your website」「warning」てな名前。面倒なのでこうした件名のメールは削除する設定に。日本語でも「例の件」「お願い」「ご連絡」「こんにちは」「ありがとうございます」といった件名は感心しません。年末に「Re: 忘年会の件」というメールが来たら、それはウイルスの恐れが大きい。やめましょう。私は本文の一節をコピペして件名にし、( )で名前を書くようにしています
●小林道雄からメールで「28日の日録が気になった」と。電話し、各方面の老害、ケツの穴の小ささ、テレビにジャーナリズムはあるかなどについて話す。夜、田原総一朗から電話。テレ朝と自民党のゴタゴタはもう済んだそうです。メディアが「単純化」し「一本道でほかの道がない」方向にむかっていることへの懸念について議論

03-02
●「テレビお騒が史〜不祥事史、裏面史」の年表づくり

03-01
●1時30分〜3時、永田俊和に誘われ東京ラジオ5社共同キャンペーン企画「子供たちの未来へ〜ラジオ課外授業〜」記者会見@神田女学園。TBSR&C社長・清水洋二、FM東京常務・沼尻一彦 こんのひとみ、はなわ、やまだひさしらが登壇。左記3名のほか泉谷しげる、土屋礼央、小曽根真が講師を務める授業に参加する中学生をラジオで募集。約5000人の応募があり、うち1000人(200人×5コマ)を対象に3月14日、神田女学園講堂で授業。20日から25日にかけて各局でオンエア予定。はなわはSAGAのメロディで「僕が中学生の頃、ラジオを聞きたかったが聞こえない。それは佐賀でラジオをつけると、入ってくるのは全部韓国の電波。R-A-D-I-Oラジオ、R-A-D-I-Oラジオ……」と歌い、泉谷はビデオ出演で「参加したヤツらを一生後悔させてやろうと思っている。思い込みだよ、人生は。村上龍が13歳のハローワークを書いたそうだが、そんなことやる前に、テメー痩せろ!!」と吠える
●TBSR&C清水洋二、経営企画室担当部長・平山直樹、文化放送編成局制作スポーツ部次長・長谷川実、編成部・上野政治、NHK出版編集局・梅村定宣と挨拶。会見終了後、石井彰、三原治とお茶
●夕方、一家で響。菊地実ご一行と遭遇し、電通・千田利史と挨拶。娘の受験終了祝い(希望の都立に決まった)で、平川パパがカニだの鯛かぶと焼きだのを出してくれる。大きな鯛だとほっぺたのところに、鯛の形をした骨があると教わりました

02-29
●しんぶん赤旗日曜版2月29日号31面に「ご存じですか 視聴質/動き出したTV改革」の記事。民放連「視聴率等のあり方に関する調査研究会」座長・清水英夫とともに坂本もコメント
●岩本太郎から電話。ホームページを見たが、何?と。何ということもないがと、焼きが回ったテレビ局トップについてしばらく話す。前日分の「そろそろ潮時かも」というのは、坂本の感想にすぎないので間違えなきよう、とも

02-28
●昨夜、放送批評懇談会の理事会で、GALACの存続に関する話題。まだ詳しくは書きませんが、来週、放懇会長・清水英夫(BPO理事長・青山学院大学名誉教授)と会う予定
●理事会後、中島好登、福島美子と「ほのほ」で一杯。久しぶりにへぎそば
●放送局は、企業からカネをもらうが、企業には不都合なニュースも流す。カネをもらっているからといって、企業の御用ニュースだけを流すわけではない。同じように、GALACは放送局からカネをもらう(放送批評懇談会の予算=年間およそ8000万円の半分近くが、維持会員である放送局からのカネ)が、放送局には不都合な評論も載せる。カネをもらっているからといって、放送局の御用ニュースだけを流すわけではない。創刊以来そのような考えでやってきましたが、そろそろ潮時かもしれません

02-27
●うっ!! あっ!!という間に2週間以上も更新せずに過ぎてしまいました。すみません。「どうなっているんだ?」との問い合わせも数件。別にどうということはなく、仕事やら雑用やらにかまけてサボッてただけです。2月11日以降、手帖メモなどをもとに埋めておきます
●昼前、某新聞社から電話。記事にするかどうか以前の相談だが、(1)「サブリミナル」について、(2)それが2ちゃんねるあたりで騒がれ、表沙汰になる前にテレビが修正することの是非について。以下、坂本の見解
●(1)テレビは「普通の人が普通の環境で見ているときに見えないもの」を映してはならない。なぜならテレビは「見せること」で成り立っている商売だから。視聴者は見えている番組に対してNHK受信料を支払い、スポンサーも見えている番組やCMに対して広告料金を支払っており、見えないものがテレビ画面を通して送られることへの了解などどこにも存在しないのだから当然だ。ただし、画面を通して「見えるもの」「見えないもの」の判別は微妙であるから、NHKと民放連が学者の協力を得て実験などして、妥当な基準(秒30コマのうち最低何コマ以上連続しない映像は不可というような)をつくり徹底すべきである。それで問題は解決する。以上は、いわゆるサブリミナル効果の有無とは関係なく、そのようにすべきだ。なお、詳しくは心理学者に聞いてほしいが、アメリカでかつていわれた「映画にコカ・コーラのコマをはさむとコーラが飲みたくなる」などのいわゆるサブリミナル効果は、デタラメなものが多いはずである
●(2)2ちゃんねるに指摘があったからテレビ局が(とくに公表せずに)修正しても、よりよい方向に改善されるなら何の問題もないと思う。ディレクターが自分の番組を子どもに見せ、「もっとこうしたら」という意見を聞いてそのように直しても問題ないのと同じだ。視聴者や放送の専門家が気づかないことを、2ちゃんねるなどがあれこれ話題にし結果的に修正されれば、それはよいこと。たしか2ちゃんねるが、テレ朝「朝まで生テレビ」で紹介された視聴者からの意見を表した円グラフがおかしい(数字と面積が対応しておらず、サンプル数も少なすぎ)と問題にしたことがあった。そのような批判がなされるのは結構なことだ。(記者「不特定の匿名の意見におもねることにならないか?」)間違いを改めたり番組をよくすることを「おもねる」とはいわないだろう。ある評論家から「某有力代議士を訪ねたら、代議士がどこかへ電話して『誰某を出してくれ』といっているのに居合わせた。実際、その日のNHK夜7時のニュースにその誰某が出た」と聞いた。この話はGALAC今号で活字になっている。おもねるとはそういうことをいう。テレビは日々、視聴者はじめ政治家や役所や企業におもねっている。そのおもねりの根深さに比べれば、2ちゃんねるの書き込みを黙って参考にしたなど問題にならない
●夕6時半、放懇理事会

02-26
●放送批評懇談会シンポジウム2004「地上デジタル時代の見取り図」10:30〜17:00@アルカディア市ヶ谷【基調講演】デジタルテレビ新時代の創造/NHK会長・海老沢勝二【特別講演】ブロードバンド時代のモバイルインターネット戦略/KDDI代表取締役社長・小野寺正【特別講演】地上デジタルテレビ開始とデジタル家電/ソニー代表取締役社長・安藤国威【パネルディスカッション1】地域放送の充実/北海道放送社長室長・溝口博史、讀賣テレビ放送取締役制作局長・小谷松和弘、NHK福岡放送局放送部長・織田柳太郎、NTTコミュニケーションズ常務取締役・飯塚久夫、コーディネーター堀木卓也【パネルディスカッション2】放送産業の将来/テレビ朝日常務取締役・堀鐵藏、エフエム東京常務取締役・園城博康、ソフトバンク・ブロードメディア代表取締役社長・橋本太郎、メリルリンチ日本証券会長室付エグゼクティブアドバイザー太田清久、電通上席常務執行役員・新山迪雄、コーディネーター音好宏。250人以上の参加者あり盛況。電通・中込洋之介、ありがとう!! NHK会長講演の中で「NHKはこの夏始まるモバイル放送にコンテンツ提供していく」と、これは新聞にも載っていない発言では
●8:30(ちょっと遅刻して失礼)〜18:00すぎまで終日。堀木卓也、原由美子、小林潤一郎、中島好登、福島美子、藤久美子とPRONTOで打ち上げ。ワイン、お好み焼き、チョリソ、パスタなど頼んだが、予想外に安い

02-25
●2〜3日前の強風で物干し台が根本から折れた!! 近所とネットで探したが取り寄せに1週間ほどかかりそうなので、直すことに。鉄パイプをぶったぎり、錆落し・下地調整後、錆止め塗装。乾かして2〜3日後に色ペンキで塗装予定。晴れつづきなようで好都合。午後GALAC青焼き、そのほか雑務

02-24
●GALAC編集委員会。出席率、極めて悪し

02-23
●確定申告作業。まだまだ終わらない。バルコニーの片付け

02-22
●確定申告作業。まだ終わらない

02-21
●確定申告作業。終わらない

02-20
●1時きく亭、小川和久とスッポン雑炊。じぇんぬ&オヤジともに元気そう。アスコムに移動し単行本取材と打ち合わせ。放懇に移動し4時半〜深夜GALAC校了作業

02-19
●GALAC原稿書き。夕方放懇でGALAC校正

02-18
●11時、視聴質問題の新聞取材で近所まで出る。それ以外は潮、GALACなど原稿書き

02-17
●GALAC原稿書き。夕方、新社会システム総合研究所「デジタル放送セミナー」講師@明治記念館。12月1日に地上デジタル放送が始まったが、基本的な状況は昨年のGALAC「すでに破綻10の理由」から何も変わっていない。アナアナ変換前倒しも1800億円の枠内。放送局もメーカーも、2011年にはアナログ停波不可能という前提で今後の戦略を立てるべき。そのために必要な考え方、模索される連携のあり方は……という話
●それにしても、専門家の肩書きを持ちながら「デジタル時代の近い将来には放送がブロードバンドで置き換わる」などと妄想している人が少なくないので閉口する。テレビは同一チャンネルを見る人の数が数十万〜数千万世帯と変動しても、放送局の手間・コストは同じ。しかし、インターネットのアクセスが数十万〜数千万と変動するときは、もっとも多い想定の数千万が同時に見て大丈夫なシステムにしなければならない。それは手間・コストが馬鹿馬鹿しくかかり、ビジネスになりそうにない。しかもデジタル放送の高画質に匹敵するシステム構築となれば、何兆円かかるかわからない。数万〜数十万人という限られた人がインターネットでテレビを見るといったケース(例外)を除き、放送全体をブロードバンドで置き換えることなど当面は無理というのは、子どもでもわかりそうな話。それがわからない専門家とは何ですかねえ

02-16
●昼プレスセンターで山田健太、田代勝彦と、放懇法人化のヒアリング。夜、理清蘭で取材(プロ野球への注文)

02-15
●原稿書きほか雑用

02-14
●午前、地上デジタルのドタバタぶりなど取材
●3時、銀座「青羅」で吉本義人展(彫刻)の最終日。家人ともギャラリーで落ち合う。お容ちょっと元気ない。林武は相変わらず。斎藤晃生は印刷屋を辞めた由。5時、撤収作業開始。作品を解体し箱詰めしてトラックに積み込むのだが、麻布(吉本は美術科教員)の現役らしい連中2〜3人は椅子に座り、せんべいを囓りながら見ているだけ。何もしないし、「僕、何をしたらよいですか?」と聞きもしない。吉本も黙って放っておいたが、高さのある大物を解体する段になって「おーい、お前たち」と声をかけ、ようやく動き始めた。何なのだ、あれは? 氷上(校長)も苦労するわけだ、あれじゃあ

02-13
●終日へたる

02-12
●昼すぎ渋谷・東急イン地下で朝日・鈴木雅人と単行本打ち合わせ。3時、三鷹で教育評論家・尾木直樹取材。GALAC巻頭

02-11
●GALAC座談会原稿チェックなど。森達也と綿井健陽と岩本太郎の新大久保の焼肉屋での新年会を座談会に仕立てたわけだが、なかなかによい話

02-10
●なんかいろいろバタバタで、しばらく更新できず失礼しました。3日も休むとペースを取り戻すのが大変
●今日、GALAC4月号表紙・松下由樹の取材と撮影。末武和人、久野明と
●9日、日本映像事業協同組合・谷弘事務局長と、游玄亭赤坂。レバー刺は入荷なし
●8日、日大関係の雑務ほか

02-07
●6日GALAC3月号発売。表紙はオダギリジョー、巻頭グラビアは堤幸彦。特集は視聴率問題、有事法制と放送など

02-06
●5日、雑用多し
●6日、昼放懇。ドイツ料理カイテルで中島好登、福島美子、石橋さや夏、久野明、佐々木七津女、藤久美子、浜田金広と。GALAC3月臨時増刊号のかたちで「ギャラクシー賞40年史」が完成、400冊ほどの発送作業を手伝う。6時30分、石本建築事務所・長尾昌高と7〜8年ぶり(?)もー吉。帰り案山子に寄り松田五郎と遭遇

02-04
●2日、打ち合わせ後、高橋克佳と響→理清蘭。吉本隆明の最近の様子とか
●3〜4日、小川本構成、テープ起こしなど

02-02
●日大次年度レジュメづくり
●3〜6時、小川和久と単行本打ち合わせ。神楽坂で鮨でもという予定

02-01
●終日、小川和久本(たとえば仮タイトル「軍事の常識、ニッポンの非常識」または「小川和久に聞く/自衛隊・イラク・北朝鮮・憲法100の質問」てな感じ)の作業。だいたい構成はできあがりました。たぶんアスコムから出ます

01-31
●突然ですが、ご同業(新聞記者、編集者、ライターなど)のみなさん、ご馳走になる相手には気をつけましょう。真偽のほどは不明だが、こういう文書を出されてしまうことがある
●騙《かた》りメールの戻りは10通弱に減りました。某メディア学者のパソコンのハードディスクがブッ飛び、3日ほど仕事にならなかったそうです。バックアップしなければ、しなければと思いつつ、やらずにいて悲惨な結果に。ま、よくある話。HDDというのは突然イカレます。某IT学者(所管官庁No.3あたりを務めた人物)から「某メーカーのハードディスクは3年で壊れるように作ってあると噂されている」(発言時は実名入り)と聞いたことがある。みなさん、気をつけましょう。私は、単行本の原稿やホントの締切(校了)まで時間がない原稿は、いちいちフロッピー2枚にコピーします。メールも編集者の自宅と会社、同一編集部内のAとBというように、なるべく2系統で送るようにしています

01-30
●今朝メールを開くと二十通弱(以下昨日と同文)。坂本アドレスを使って怪しい英文メールが各方面に送られ、宛先不明・不達のものが返ってきているようです。ご注意ください
●昨日の毛利・藤田対談、大いに盛り上がり、日本の少子化、高齢化、セックスレス化(いずれも世界でダントツで、人類400万年史上、例のない事態)に非常なる危機感の表明あり。坂本は、もうダメ、若い世代には高齢世代を到底支えきれない、70歳の誕生日に国が丸薬(安楽死用)を贈ることにしたらどうか、1000万単位の医療費で1か月延命なんて無意味では、スパゲッティ状態で意識がハッキリしない患者はさっさとスイッチを切ったほうがいい、などと過激主張で挑発。「うん、姨捨ね。僕なんか74だから、もう捨てられるほうだ。ところがね、その問題は医者には絶対に言い出せないんだよな」と毛利子来。幅広くも大胆な「汚く育てよ」本(朝日から5月頃刊行予定)ご期待を!!
●2人とも理清蘭の肉に大満足のご様子。藤田紘一郎の数々の武勇伝(大学との激突とか)も噴出し、たいへんおもしろい。朝日・鈴木雅人も合流。11時まで
●夕、放懇理事会。志賀信夫伊豫田康弘田代勝彦上滝徹也篠原俊行麻生千晶坂本衛とこぢんまり。40年史の展開、法人化プロジェクトの経過など。本題ではないが、某放送局の某氏と広報セクションの評判がものすごく悪く、一部新聞がブツクサいいはじめたとの情報、またある人から新聞こそちょっと視聴率がよい番組はヨイショしまくって視聴率至上主義に陥っているとの主張あり。坂本私見では両方ともその通りです

01-29
●今朝メールを開くとMAILER-DAEMON、Mail Delivery Systemうんぬんメールが二十数通。他人のアドレスからわけわかんないメール(ウィルス汚染の可能性あり)を送ったヤツがいるようです。ご注意ください。なお、私は出すメールに「受信者が発信者と内容を特定できる件名」を付ける主義、「件名から発信者と内容を特定できないファイル添付メール」は読まずに捨てる主義です
放送リンク集にいま売り出し中の講釈師神田京子を追加
●昨日「週刊朝日」田原総一朗・岡本行夫対談あり。顔を出したかったが行けず
●6時半、藤田紘一郎・毛利子来「子どもは汚く育てよ」本の対談第6回(すでに15時間以上で一応最終回)@日本出版クラブ会館。テーマは大人の役割。終了後、理清蘭でお疲れさま食事会を予定

01-28
●それにしても、19単位も足りないのに自分が大学を卒業したかどうか渡米しなければわかんないバカに、イラク派兵が是か非かも、消費税は何%がいいのかも、わかるはずがない。米大学の自分の卒業手続きすら弁護士まかせにしていたのだから、米政府との交渉なんかもアメリカの弁護士にまかせるしかあるまい、こんなヤツは。国会に存在している意味はない。さっさと辞めろ。民主党は一刻も早く辞めさせなければ、ますます政権から遠ざかる。ただでさえ政権担当能力が疑われているのだから、政策以外のすべての面(たとえば資金面のクリーンさ、進退の清廉潔白さ)で自民党よりは数段マシと印象づけることが必要だと、なぜ気づかないのか? 田中康夫は(田原総一朗も)小沢一郎にそういってくれ!! 全国PTAはこういうのこそ青少年にとって有害社会環境だと弾劾せよ!!
●あけみからメール「久しぶりにHP見てみました。チヒロも登場していてうれしいです。そこで、訂正がひとつ。『千宏』でなく『千広』です」と。失礼
●GALAC青焼き校正で昼すぎ放懇へ。グラビア写真でトラブル。出力プリンタの問題か、モノクロ写真の「色」が変化し悪さする。TAD楜澤新太が焼き直し&デジタルデータを持参。当面デカい写真は「銀塩」でいくことに
●今日6時GALAC新年会@理清蘭。出席予定は成田勝也、山本清久、黒川公人、石橋さや夏、津田浩司、中島好登、福島美子、久野明、田代勝彦、末武和人、小林潤一郎、黒川玲子、小田桐誠、坂本衛。放送局、監督官庁、放送事件を江戸時代末期になぞらえればってバカ話や、某局(複数)のお粗末広報話などで盛り上がる。玲子は自らの研究精進の結果、嫁の着物の紋は(両家のものを)どのように入れるかなどに妙に詳しい縁談百科女と化す。あと長野朝日放送で上司のクビを絞め(落とし?)た豪傑の話とか、いま売り出し中の講釈師神田京子の話とか。安田天と遭遇

01-27
●単行本の仕込み、レジュメづくりなどの仕事。ありゃ? Google PageRankが5から4に下がってしまった。前にもあったことなので、気にしても仕方ないですが
●娘がインフルエンザで、2〜3日前39.7度の熱を出しました。熱は引き心配はないが、念のためまだ休んでいます。みなさんもご注意を。予防注射をしてあったので「やっぱり効かないじゃないか」(毛利子来に「効果がハッキリしないから打つ必要ない」と聞いていた)といったら、家人が「先生は注射してあったから軽くて済んだといっていた」という。どっちなんでしょうねえ。なお、昨日会った知人の平熱は35.4〜5度で、「37度になるともうフラフラで学校を早退していた。保健室の先生に、親に電話して平熱を聞いてくれと頼んで。自分が40度になったら死んでしまう」そうです
●夕方@ANA日本映像事業協同組合澤田隆治理事長)の10周年記念の会、合わせてヤングクリエーター賞発表・増賞式。おめでとうございます。澤田隆治挨拶のあと経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課長広実郁郎、NHK会長海老沢勝二、TBS社長井上弘、テレビ朝日小澤啓一郎専務(社長挨拶代読)、テレビ東京社長菅谷定彦、WOWOW社長広瀬敏雄が祝辞。東京商工中金の東京支店長の音頭で乾杯。司会赤坂泰彦。相変わらず事務局長谷弘、大活躍。組合はこの人が支えています。授賞式は例年に比べてサラリだが、応援で壇上に立った木田優夫投手のスピーチがたいへんよかった。野球界のバラエティ担当を自認するだけのことはある。放懇からは志賀信夫、伊豫田康弘、岩本太郎ほか。読売・鈴木嘉一と話し、神楽坂の旅館「和可菜」(神楽坂ホン書き旅館として有名)には脚本の竹山洋もよくこもっていたと聞きました

01-26
●昼すぎまで「有事法制と放送」原稿・資料編のチェック
●6時半〜9時半GALAC編集委員会。谷口和巳、平井景、入江たのし、小林潤一郎(オブザーバー参加)、中島好登、久野明と。3月号の特集「頑張れプロ野球中継!!」「イラク焼肉鼎談」ほか。4月号の特集「その道のプロが語るドラマ批評」(たとえば医師が「白い巨塔」を、看護婦が「ナースのお仕事」を批評する。パイロット、客室乗務員、弁護士、刑事など10職種くらい)、「韓国ドラマの魂」、「放送半世紀・テレビ不祥事大年表」など

01-25
●昨日はおもしろかった。氷上校長の挨拶・乾杯に引き続き教師連中がスピーチ。根岸前校長、超ゴキゲン。菅野(すみませんが、この欄は首相だろうが恩師だろうが敬称略なもので)は、「漢文の授業で臼井に解釈が違うと突っ込まれ、漢文の権威の大先生に聞いたら『まあ教科書もいい加減なものだ』といわれ、現在では臼井の解釈のように教えている」と(「臼井エライ!!」の声あり)。彫刻の吉本は「この学年は教えたことがないが、川口政弘先生の後釜で君らが高1のとき麻布に入った。廊下を歩いていると美術部の看板があったので入ったら、2人の生徒がマンガを読んでおり、顔を上げて『なんだ、お前』といった。この2人が坂本衛と林武だった。こいつらはヘルメットをかぶっていた。荒川河川敷で葦の原っぱを刈り鉄板で作品を作ったとき、2人も来て作業し、新小岩で夜10人ほどで酒を飲んだ。2人も大人に混じってまったく普通に飲み話していたが、後で聞くと帰りの電車で1駅ごとに降りて吐いたそうだ」と(「飲ませるか? 普通」の声あり)。これ、話の前半分は上級生の人違いだと思うのですが。後ろ半分は中3の冬だったような気もするが、だいたい合ってます。吐いたのは林ね。坂本は「大丈夫か、お前」といいながら一緒に帰った
●先生方から名前が出たというので、臼井、坂本、曽根あたりが1言ずつスピーチ。坂本は「今は雑文書きというかジャーナリストというか、それと放送専門誌の編集長をやっている。前回ここでジャーナリストにもっとも重要な資質は『疑うこと』で、それは麻布で学んだと話したと思う。何しろ71年に入学して、こいつがいちばんエライやつかと思った校長代行(注:校長は不在)が、学園100年の歴史上サイテーの野郎と判明した。小6の時どんなにすばらしい先生が立派な学問を授けてくれるのだろうと思ったら、紛争で教師たちは互いにののしり合っていた。ああ、そういうものかと、身体で学んだ。で、今も疑い続け、たとえば昨年12月に始まった地上デジタル放送、そんなにうまくいかないよと文句をつけたりしている。テレビニュースなども眉にツバつけて疑いながら見るから疲れる。でも、今日ここに来て、ああ疑わなくていい場所があるなと思った。30年前ああいう顔でああいうことをいってたヤツが、今日もやっぱりああいう顔でああいうことをいっている。いいものだなとホッとした。1年に1度でもこういう機会を持てたらと思います」てなことを言いました
●塚崎が「ニュースステーション見てたらむさ苦しいヤツが出てきて何かいってる。坂本だったんで驚いた」と。何人かが「サイトをお気に入りに入れてるぜ」「俺も入れている。ま、年に3回くらい見るだけだがな」ありがとう。昨日の出席予定リストにわかる範囲でリンクをつけた。楽しんでくれ。吉本義人サイトのベルリン個展のスライドショーに林武が写っているぞ
●ガス圧と水圧の比較実験(水が勝った。詳細は本サイト・プロフィール欄参照)の教唆犯、ちょっとやってみたが中止犯、その後でまたやった本格犯が30年ぶりかでわかった。そうか、お前らだったんか
●某外科医の話にも考えさせられた。手術しないと助からないと思われた交通事故の患者に「輸血したら後で訴える」といわれたそう(意識はあった)。ところが患者の家族が「本人はああいっても輸血して助けてくれ。輸血せずに死んだら訴える」という。「本人と家族、15分で結論を出してくれ。それ以上待てば助からない」といったが結論は出ず、輸血なしで手術に踏み切って、なんとか一命を取り留めたと。輸血拒否患者の言い分を通して医師を断罪した判例があるそうで、「どうしろってんだ。どっちにしても訴えられるんだぜ。裁判官にはそういう現場に来て判定を下してもらいたいもんだ」と。「インフォームドコンセントも過渡期。というより2000万人はそれを求めても8000万人は求めておらず、医師に『安心して私にまかせなさい。必ず治してあげます』といってほしいんだ。ちゃんとインフォームドコンセントすることで、かえって『あの医者は信用できない』という話にすらなる」と
●衆議院に出馬するか、とりあえず首長かというヤツには、首長1期か2期は悪くないと思うがな、なんて話も
●世界史の玉井裕が昨年12月亡くなったと聞きました。とりわけその中国史は、剃刀の切れ味の中にロマンチックな偏愛があり(諸葛孔明とか)印象的でした。「一緒だったヤツらが問題を作るんだから、東大入試に何が出るかは、聞かなくたってわかるんだ」なんていっていたのを覚えています。たしか高2の学年旅行のとき、東京駅で解散となり、私は世田谷区奥沢の家に帰った。私の乗った東急目蒲線の電車の何本か後、引率していた玉井が等々力だかに帰る途中、同じ奥沢駅で過激派に引きずり出され、鉄パイプ攻撃を受けて瀕死の重傷を負った。当時の内ゲバは完全に頭を狙って殺しにかかる(鉄パイプが登場した初期は手足を殴っていた)。一緒に乗り合わせていたかもしれず、そうだったら自分はどうしたろうかと真剣に考えたものです。東大安田講堂落城の日攻防戦のとき、下で革マルを率いていたのがこの先生だったと聞いています。合掌

01-24
●5時、麻布昭和52卒同期会@高輪プリンス。出席予定は氷上信廣(現校長/倫社)、根岸隆尾(前校長/国語)、秋山(数学)、及部治人(物理)、菅野正則(国語・漢文、高3担任)、中山(生物)、平野(数学)、松元宏(英語、中3担任)、吉本義人(芸術、ここまで一応恩師)、淺間一、市川泰彦、石井裕満、臼井律郎大橋範行大森信太郎、笠原良男、片山元、河上滋夫、川村雅昭黒木正郎、小林雅一、斉藤敬之、坂本衛、佐熊俊晴、柴田健太郎、清水祐二、鈴木康夫曽根宏、田島裕史、田辺修、田辺敏、玉木彰、塚崎弘雅、トリ、内藤篤中込洋之介、中部達郎、仁藤学、沼田篤野口良輔、橋本孝之、林田謙一郎、日野義博、平田圭二、福沢伸哉、藤井康弘藤森隆、星野淳、本多隆之、間瀬泰宏(奥さん同伴)、三木一彦、南雅之、村越晃、森田準、矢澤一郎、山縣充、山崎高明、山田浩一、山高篤行、山内勝義、山本人一、米谷達哉渡邊宗章、森田道比呂。下の名前が出てこない先生方、失礼。世話人(幹事長藤森、総務星野、会計トリ)お疲れさまです。勝手に人の名前をupしてますが、差し障りのある方はPC画面の中心でバカと叫んでください。リストにない出席は、竹沢克之野入英世(注:本人の希望により一部匿名)
●高3自由選択の倫社は、近代日本の思想家研究(明治から昭和まで)で、各人が1人を選び研究発表。私は最終回の吉本隆明で、77年1月頃だったと思うが、何枚かプリントを刷り、主として三島由紀夫と吉本の共通点・対立点を軸に、そのウルトラの思想を論じました。文芸評論の磯田光一が似たようなテーマをやっており、援用もしたが批判もしたと思います。右翼のさらに右の三島、左翼のさらに左の吉本は、中間にいるヤツらは全部スカだ、とりわけ市民主義者なんて虫酸が走るって考え方だから、大人なんて全部ロクでもねえと思っていた若者には大変しっくりきたわけです。それにしても受験直前に授業で、吉本の対幻想がどうしただの、三島が東大全共闘に「毛沢東を捨て天皇を戴けば君らと手を握る」といっただのと議論するのだから、相当イカレた高校(生)。その担当教師だった氷上さんが現・麻布学園校長だから、みんな年を取るわけですな。ちなみに氷上校長は麻布出身として3人目の校長で、吉田茂が「曲学阿世の輩」と呼んだ東大総長の南原繁の孫、ニーチェ学者の氷上英廣の息子さんらしいです(聞いた話なので間違ってたら失礼)
●小林道雄から「GALACに書いた論文をサイトに載せたいが、差し障りはないか。編集者との共同作業という側面もあるわけだが、どう考えればいいか」と電話。これについての坂本の考え方は、サイトの制作方針をお読みください

01-23
●日大「テレビ、その弱さの研究」最終授業。放懇へ回り、GALAC校了作業。深夜帰宅。1週間ほどサイト更新できず、すみません。石川、写真upもうしばらく待って

01-22
●終日GALAC原稿書き。テレビ東京懇親会@プレスセンター、欠席ですみません

01-21
●終日GALAC原稿書き、堤幸彦、小川和久(有事法制と放送)そのほか。昼、某誌記者の取材を受け近所まで出る

01-20
●潮原稿書き、裁判員制度

01-19
●サイト手直しなど、雑務いろいろ

01-17
国境なき医師団臼井律郎→CEL英語ソリューションズ曽根宏経由で「世界の医療団」からの医師募集の案内あり。Medecins du Monde Japonは長期開発援助(最低6か月以上)に参加可能な医療従事者(医師、看護師、助産婦)を常時募集中。次回オリエンテーションは2月6日(金)18時〜(1時間半程度)@特定非営利活動法人メドゥサン・デュ・モンド ジャポン事務所(東京都港区東麻布1-23-5PMCビル6階 最寄駅:都営大江戸線/赤羽橋、都営三田線/芝公園、営団地下鉄日比谷線/神谷町)電話03-3585-6436(平日10時30分〜18時)担当:森由美子
●共同配信「小泉純一郎首相が、総務省と経済産業省に分かれている政府の情報技術(IT)担当部門の現状を見直し、『情報通信省』(仮称)創設を含め、担当部門の一体化を検討するよう関係閣僚らに指示したことが17日、明らかに」――方向そのものは間違っていません。放送行政は、過去50年ばかりのデタラメ・ビジョンなし・失政ぶりを見れば、あってもなくても関係なかったようなものだから、どうでもよい話といえなくもない。ただし、放送分野は郵政省時代にまず通信に飲み込まれ、総務省になって規制色の強い自治行政に飲み込まれた。次は産業振興色の強い経産省に飲み込まれることが必至。放送行政はますます「放送以外のもの」に振り回され独自性を失うことになるでしょう。テレビ報道部門はそれでよいのか、よく考えたほうがよい。一応は言論報道機関である放送局を所管する行政が、たとえばテレビの売れ行きを所管する行政の下位にあってその意向に左右されるというのは、まったくもってぞっとしない。統合はよいが、放送行政の根幹部分(とくに免許)は独立性を強めた第三者的な機関「放送行政委員会」を設置しこれに委ねるべきである、と私は思います
●大切なことは、組織の統合でなく、戦略や政策の統合です。たとえば現在のe-japan計画では、インターネットは3000万世帯に安価な常時接続環境を実現、テレビは4800万世帯にデジタルハイビジョンを普及とお題目を並べるだけ。どちらも双方向だが、どう棲み分けるかなどという発想は一切ない。また、何のために実現させ普及させるか、それによって国民がどう幸せになるかという根本の理念がなく、ニーズも調べていない。3000万世帯がパソコン(DeleteとかEscとかEnterなんてボタンが説明なしに100個もついてるおかしな機械!!)を買えば、いちばん儲かるのは海外メーカーのマイクロソフトでありデルでありサムソンであると思うし、ますます多くの日本人が海外メーカー製の日本語ワープロソフトを使うことになると思うが、それが日本政府の政策(金儲け政策もあるが、文化政策もある)として妥当なのか、誰もまともに検討したことがない。私は別に国粋主義者ではないが、ヘンな話だと思っています。戦略や政策を考え直さずに組織だけ統合しても、それは箱モノ行政の強化につながるだけでしょう
●冒頭の共同配信をテレビが流すとき、以上のような解説を付けなければ、テレビ報道部門はどうかしています。ほかならぬ自分たちの問題なのですから

01-16
●10時40分、日大授業「テレビへたれのハード迷走史」。年表をそのうちupします(最近このフレーズが多いが、ハッキリいって滞っております。失礼)
●夕6時、田原総一朗、アスコム書籍編集部(高橋克佳・柿内尚文ほか)と打ち合わせ。詳細は本決まりになってから

01-15
●11時、新社会システム総合研究所(SSK)桂暢生。デジタル&ブロードキャスティング戦略特別セミナー打ち合わせ。デジタル放送でテレビは変わるか―新放送サービス実現の鍵と可能性―2月17日(火)1〜6時@明治記念館(参加費3万円だそうなので企業むけ。ITU緊急会合に出る池田信夫の紹介)
●5時半、小林道雄と神楽坂矢来口で待ち合わせ。元気になったとのこと一安心。「きらく」でおでん、後ラーメン屋。青少年・子どもの問題、マスコミ、記者クラブ、インターネット、文学の話、小林道雄・三島由紀夫・吉本隆明(どれも話自体はむちゃくちゃ古いが)など。11時まで
●防衛庁官房長は、とりあえず前言を撤回した由。福田官房長官に押されての失態らしい。記者クラブ定例会見の有無が情報漏洩の有無を左右すると考えている連中は、まったくどうかしています。村役場の広報担当だって、もっとマトモなのでは? それにしても日本のすべての記者クラブのみなさん、質問ゼロと突っ込まれないよう、定例会見では何でもいいから毎回1人1つは質問しましょうね
●ついでに日大生徒諸君も毎回1人1つは質問しましょうね。この連中が卒業して記者になったら、きっと質問は出ないだろうと思うから、大学の責任を痛感します。昨日、東京医科歯科大大学院教授の藤田紘一郎が毛利子来との対談でおもしろいことをいっていた。学生を試すため、授業中に明らかに矛盾のあることを教えるそう。昔の学生は「先生、おかしいじゃないですか」と突っ込んだが、今の学生は何もいわずしっかりノートを取る。ついでに矛盾点を試験に出すと、授業中教えたインチキをそのまましっかり書いてくると。だから「すべてを疑え!!」というんです

01-14
●共同配信「防衛庁は13日、新聞、通信、放送各社が加盟する防衛記者会に対し、毎週定例で行っている陸上、海上、航空各自衛隊トップの幕僚長や副長官、官房長の記者会見を廃止すると一方的に伝えた」
●新聞ラジオは団結して政府の情報隠匿・情報操作と戦わなければなりません。とくにテレビ、「イラク自衛隊派遣と報道」をテーマにいまから特別番組を作るべきです。北原巌男官房長は廃止の理由を「質問がない会見も多い」といっているが、これは記者はバカだといっているのと同じ。完全にナメられています。手遅れかもしれないが、ちゃんと勉強し質問のできる実力記者を配置すべきです
●「戦前の大本営発表報道の再来を許してはならない」というマスコミ関係者が多いが、昭和期のある時点で反戦姿勢を捨て、戦争に突っ込んでいったのは、ほかならぬマスコミ自身でした。治安維持法も検閲もないこの21世紀に大本営発表がまかり通るなら、それはマスコミ自身が悪いのです。政府が情報隠匿し情報操作をするのは当たり前なのだから、やめてくれと頼んでもダメ。戦うほかに道はない
●GALACは自衛隊トップ(統合幕僚会議議長)に巻頭ページに出てもらおうとしたことがある。しかし、「国際情勢が落ち着くまでは遠慮したい。他誌も同じ」との理由で取材拒否でした。テロとの戦いは10年単位で続く見通しですから、幕僚長は任期中は愚か、一生雑誌に出ないつもりでしょう。ところが防衛記者会にはこれまで毎週出てきていた。それなのに、GALACが聞きたかった自衛隊トップの発言が新聞に載ったことはない(載っていれば放送専門誌がわざわざ取材など申し込まない)。官房長のいう通りかもしれません
●日録メモ風の更新情報の過去のものを2003年前半後半に分割しました。それでも138KBとかありますが、勘弁。放送デジタル化ページもいじる

01-13
●小林道雄から「邪魔するよ」と電話あり。身体が復調した由。偏屈庵通信の更新も始まり一安心。15日会うことに
●明日、毛利子来・藤田紘一郎対談第5回。「よい子に育てるな」のレジュメづくり。いわゆるよい子とは、大人(親・教師・そのほか)のいうことをよく聞く子、育てやすい子、思い通りになる子。それは実は生きる力の弱い子ではないのか。汚いもの、醜いもの、嫌なものを子どもから遠ざけて、ロクなことはないのではないか、という話

01-12
●サイト手直し中。一部リンクで「ページが見つかりません」エラーが出ますが、ご了承のほどを
●某週刊誌記者から「NHK受信料を過去数年間に遡《さかのぼ》り十数万円請求しているケースがある」と聞いたが、と電話。そりゃ初耳だと応えたうえで、受信料問題をあれこれ解説。そのうち記事になるかも

01-11
●「クマ」こと大熊邦裕と久しぶりに電話で話す。SSRIを出している某メーカー医薬部門で精神薬(抗鬱剤)を研究・開発中。モノアミンと呼ばれる脳内物質(代表的なものはセロトニン)が足りないと鬱状態になる。SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)は「選択的セロトニン再取り込み阻害剤」の意味で、脳内細胞でセロトニンの再吸収を抑止し、その濃度を上げて鬱を改善させる。ところで、これが効きはじめるまでに2〜3週間かかる。ただセロトニンが増えるだけではダメで、その後の2〜3週間に別のメカニズムを経て、はじめて効くと。だが、そのメカニズムがよくわからず、なぜ効くかという機序が不明。そこを研究しているのだそうだ。メインは鬱病に効く薬作りだが。(クマ、これで合ってるか?)。昨年は知人に鬱が相次ぎ、見舞いにいった者2人、なったと伝え聞いた者3人。頑張って研究してください。そのうち一家で遊びに来てくれ。一局指そう
●夜、一家でえびす亭。レバー塩2、ホタテバター焼き2、ポークカツ、ワカサギフライ、ライム酎2。ご主人が喜寿の祝いで、ママは来年だそう。私の両親と同じ年です
●帰宅後NHK「新選組!!」。史実から自由に離れるのはよいが、3分くらいの解説(「この部分はフィクションです」)をつけたほうがいい。なにしろこのドラマで初めて、佐久間象山だの坂本龍馬だの桂小五郎だのを知る若者が少なくないわけで。ただし訳知り顔で「ありえない設定だからダメ」という批評は、くだらなすぎて話にならない。三谷幸喜はもっと何でもありで突っ走れ!!

01-10
●賀状書きほか雑用イロイロ

01-09
●日大授業。テレビへたれの放送中止事件史
●10時ころ、江戸川橋へ下る道で妙な道路工事の一団を目撃。道路に黄色で描かれた制限速度などの文字がカスレたのを上描きしているのだが、1つの「40」になんと白っぽい作業服が9人、ガードマンが3人へばりついていた。うち1人はしゃがみこんで何か作業中で、1人は箒とチリ取りを持ってウロウロ、1人はカメラを首からブラ下げて立っていたが、残り数人はただ立っているだけ(としか見えない)。しかもガードマンの1人は、作業現場でなく一団が乗ってきたらしいボックスカー付近をガード(パーキングに止めた車をなぜガードする?)。確かに「40」は縦何メートルかのデカい文字だが、9人がかかりきりにならなければ描けないとは、到底思えない。道路を掘り返しているわけではなく、そんな機械も見なかった。彼らの人件費はどこから出ており、誰がそれをチェックしているのか? この種の道路工事は失業対策事業にほかならないわけだが、それにしてもムダな話だ
●午後、放懇へ。田代勝彦・専務理事と遭遇。ギャラクシー賞40年史の校正そのほかで7時過ぎ帰宅
●放送リンク集に中町綾子のページを追加。すぐGoogleが行くぞ

01-08
●3時、田原と「テレビと政治」本の打ち合わせ
●6時、堤幸彦取材。金田一少年の事件簿、サイコメトラーEIJI、ぼくらの勇気〜未満都市〜、ケイゾク、池袋ウエストゲートパーク、ハンドク!!!、TRICK2、Stand UP、溺れる魚、ピカ☆ンチなどの映像作家・監督。いまもっとも注目したいドラマのつくり手の1人。GALAC3月号巻頭掲載予定。久野明、黒川公人と

01-07
●昨夕、小川和久と会ったテーマは「有事法制とメディア」。小川「テレビであれ新聞であれ『指定公共機関になるかならないかが言論・表現の自由の岐路』というのは馬鹿げた考え。メディアが日頃からジャーナリズムとして権力・政府をチェックしていれば、何も恐れることはないはず」と。まったく同感。そもそも「地上デジタル放送の現行計画はおかしいのでは?」という議論を封殺しているのは巨大マスコミ。個人情報保護法を(自分たちが適用除外となった時点で反対をやめて)通したのも新聞とテレビです。言論・表現の自由というのは、表現者が不断の営為によってそれに近づくかどうかの問題であって、どこかにあるものをお上が認めるか認めないかの問題ではないわけですが。プレジデントホテルで食事。単行本打ち合わせほかも
●アスコム本「愛国心とは何か?」(テレビ朝日「朝まで生テレビ」の討論に、新たな意見を加えて再構成したもの)のまえがき・あとがき書き

01-06
●潮出版社、阿部博から田原総一朗「政治とテレビ」本の企画。8日打ち合わせ
●GALAC3月号特集「放送と危機管理」の仕込み(NHK気象災害センターほか)。放懇に顔を出し、6時に小川和久取材
●本日GALAC2月号発売。特集は「ダイオキシン報道最高裁判決を撃つ!」。木を見て森を見ず/清水英夫、倒錯し矛盾した判決/坂本衛の最高裁判決を批判(2003-10-16の項を参照)する論考2本を掲載。表紙は小林聡美、パーソンは藤田紘一郎

01-05
●雑用いろいろ。昨日のコメントは、バカ番組批判に特化した2ページ企画のため没だそう。夕、息子とえびす亭へ

01-04
●雑用いろいろ。週刊文春から正月のテレビ番組について電話あり。見たダメ番組をボロクソにやっつける企画とのことだが、ダメ・バカ番組はハナから見ないので、一般論(スポーツ番組やスポーツ仕立てのバラエティが多く視聴率も高いわけ、再放送が多すぎ、NHK紅白の限界、民放に見るべきものなし、テレ東イイなど)をコメント
●田中康夫からメール。県名改称を検討、「信州県」軸に調整だそう

01-03
●3時帰宅。5時すぎ荻原家新年会。荻じじい、京蘭、志帆、大輔、亮輔、ガーラ、清美(黒木あかね)、美姫、理香、ポン太、安田天(「たかし」と読む)、由佳、深結、和美、直子、睦美、ももなど集まる。うち子持ち女性の離婚率50%。ウーム

01-02
●10時30分高田馬場。田無の春男叔父宅へ見舞い後、所沢の愛子叔母宅。父方の親戚一同集まり新年会。夕方、生田へ。夜、賀状書き

01-01
●あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします
●奥沢神社へ初詣。午後から賀状書き
--------------------------

2003-05-25
●リニューアル版運用開始。リニューアル終了まで2〜3か月かかる見込み。旧版は残します

2002-04-11
●ホームページ試験運用開始。キリがないので、未校正ありのまま見切り発車しました。あしからず
●この欄、文中敬称略ってことでよろしく願います