≪ご注意≫ (「GALAC」2001年??月号「編集後記」を改編) |
▼まず、1000日=3年とみなし、この期間中に「BSデジタルチューナーとデジタル対応テレビ」または「BSデジタルチューナー内蔵ハイビジョンテレビ」(内蔵型プラズマテレビなどを含む)が、合わせて1000万台(1000万セット)売れると仮定する。【仮定A】
この放送を清く正しく美しく楽しむためには、もっとも低価格のものを選ぶとしても、5万円のチューナーと20万円のデジタル対応テレビテレビが必要である。もっと高価格のものを無視すれば、国民全体がBSデジタル放送を見るため新たに支出する金額は3年で、
5万円+20万円=25万円
25万円×1000万台=2兆5000億円也
である。
▼一方、民放5系列のBS会社の資本金および売上高の見込みから、民放BS会社は1社最大300億円を5年間で使う計算である。そこで、
1社あたりの年間経費は、300億円÷5年=60億円
∴5系列では、60億円×5社=300億円
したがって民放がBSデジタル放送で流すコンテンツに使うカネは、
300億円×3年=900億円
を超えることはない。
また、NHKは「BSデジタル放送にいくらかかっているかわからない」というのが公式見解である。そんなデタラメな話はないので、受信料収入6000億円の1割を見込むと、600億円。実際には、NHKの制作費は十いくつかある波を全部出して1日10億円前後だから、BSデジタルだけならもっと少ない。そもそも、地上波とアナログBSのために払っているカネのうち、自分たちが見ることができないBSデジタルに1割回しているといわれたら、ほとんどの視聴者は怒り出すだろうが、そのことは無視する。
するとNHKがBSデジタル放送で流すコンテンツに使うカネは、
600億円×3年=1800億円
を超えることはない。
民放とNHK以外はWOWOWとスターチャンネルだが、どちらも大サービスで100億円ずつソフトを買ってくるとすれば、両社がBSデジタル放送で流すコンテンツに使うカネは、
100億円×2社×3年=600億円
である。
▼以上から、BSデジタル放送局全体が、BSデジタルのコンテンツにかけるカネは3年で、
900億円+1800億円+600億円=3300億円也
を超えることはない。
∴日本国民は、3300億円の中身のテレビを、2兆5000億円を新たに支払って見ることになる(実際には、NHKの受信料や有料放送の契約料、電気代、アンテナ代、古いテレビの粗大ゴミ処理代などを払う必要があるが、ここでは無視する)。
しかしながら、日本国民は3300億円の中身しかないテレビを2兆5000億円出して見るほどお人好しではないし、馬鹿でもない。
▼「BSデジタルが3年で1000万台売れる」と仮定したことによって、「日本国民は3300億円の中身のテレビに2兆5000億円出す」という馬鹿げた(現実と矛盾する)結論が得られたのだから、最初の仮定Aは誤りである。(背理法)
∴BSデジタルは3年で1000万台は売れない。
Q.E.D.<以上証明終わり>