メディアとつきあうツール  更新:2006-02-25
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日本の「戦争力」

――小川和久/坂本 衛(聞き手)

日本の「戦争力」(小川和久・坂本衛/アスコム)

著者●小川和久
聞き手●坂本 衛
発行●アスコム 2005年12月
定価●税込み 1680円

※このページの内容は、掲示板やMLなどへの転載・ご紹介を大歓迎致します。

日本の「戦争力」のご紹介

 編集者から 

いま話題の憲法改正、日米安保・在日米軍問題、北朝鮮問題、テロ対策などに対する日本の「戦争力」(外交力、政治力、軍事力を含めた意)を、国際政治・軍事アナリストの小川和久さんが、Q&A方式でわかりやすく解説。これから最も重要になってくる日本の外交に対する問題が浮き彫りになってくる。

 目からウロコ! これが日本の実力だ!! 

●自衛隊にはそもそも海外で戦う能力がない!
●軍事費が多いことと、自衛隊が強いかどうかはまったく別問題だ!
●アメリカは軍事戦略上、日本に頭が上がらない!
●日本は北朝鮮の暴走を抑止する「2つのシステム」を手にしている!
●北朝鮮の脅威だけ騒ぎ立てる者は、北朝鮮の手先も同然だ!

 お知らせと御礼 

この本は、お陰さまで新聞広告を打つ前から動きがたいへんよく、各紙で大きく広告した時点からは、とてもよく売れています。アスコムの高橋克佳は「内容がすばらしいのは当然だが、タイトルの勝利だ」と申しております(彼がつけた)。編集では柿内尚文、森秀治にたいへんお世話になりました。ありがとう。1月末で6刷までいきました。八重洲ブックセンター本店の1階ではベスト第4位の売れ行きです(1月22〜28日の1週間)。お読みいただき誠にありがとうございます。引き続きご指導ご支援よろしくお願い申し上げます。田原総一朗責任編集「オフレコ!」(坂本責任副編集。奥付に副編集長と出てくるが、私は別にアスコム社員ではありませんので念のため)次号では、「不肖・宮嶋」こと宮嶋茂樹カメラマンと小川和久の対談が載ります。

日本の「戦争力」 あとがき(全文)

 「ヤバい、これは戦争だ!」――2001年「9・11」の映画どころではない衝撃映像をテレビで見て私はそう叫び、家族は「日本はどうなるの」と心配そうに聞きました。ところが、日本の放送局には戦争の始まりを中継しているという自覚がまるでなく、アメリカを襲う巨大災害を右往左往しながら伝え、邦人の安否が心配などといつもながらの些末なレポートを流し続けるばかりでした。

 続くアフガン空爆の報道も、私には他人事のような報道に映りました。2003年3月にイラク戦争が始まり米英軍があっという間に首都バクダッドに侵攻したときも、パレスチナで起こっているような殺し合いがこれから長く続くと確信しましたが、マスコミの多くは楽観論に終始していました。

 とりわけ私が不満だったのは、イラク戦争を論じる「軍事評論家」と称する人びとの多くが、確かに兵器や戦術については微に入り細をうがって解説するのに、実は戦争そのもの意味や各国の動きの背景にある戦略について、腑に落ちるような話を何一つ語らないことでした。

 使われている兵器や戦況について、いくら語っても、戦争を語ることにはならず、まして求められている平和への道筋を語ることにはなりません。この意味で日本の「戦争報道」は、いつも「戦況報道」にすぎないと私は思います。もっとも最近のイラクには、日本人の記者やジャーナリストは常駐しておらず、戦況すら伝わってきませんが。

 東アジアでも北朝鮮の核疑惑や拉致問題をはじめキナ臭い話題が相次ぎましたが、テレビを見ていると核弾頭か生物化学兵器を搭載したミサイルが明日にも日本に落ちてくるといわんばかりの、皮相な見方のオンパレード。いたずらに恐怖心を煽るばかりで、だから経済封鎖しかないという感情的な議論がエスカレートしていくのは、非常に危険だと思います。それに反対の見方はといえば、憲法を改正すれば戦争が避けられない式の、これまた感情論ばかりです。

 そこで、北朝鮮やイラク問題をはじめ自衛隊や米軍とは何かについて、冷静に、リアルに考える本が必要だと私は考えました。若者たちがインターネットで、マスコミが流すいい加減なデータや解説に基づいて戦争や軍事問題をあれこれ議論しているのを見るにつけても、その本は、何よりも読みやすく、わかりやすいことを旨とする必要があるとも思いました。

 その本の書き手は国際政治・軍事アナリストの小川和久さんしかいないと、私は確信していました。初めて一緒に仕事をしてもう20年になりますが、当時から私は、つねにファクト&フィギュア(事実と数値データ)から出発するのだという小川さんの国際政治・軍事分析を信頼してきました。

 湾岸戦争時も、9・11やアフガン空爆時も、イラク戦争でも、テレビに登場する小川さんの話を聞くと、「現時点ではここまでしかいえない」「押さえるべきはこの3点で、事態はそれに沿って動く」というように、必ず枠組みを限定して語っています。だから間違えることがなく信頼できるのです。今回の取材でも、小川さんの明快な解説は「なるほど」と膝を打つ話ばかりで、たいへん勉強になりました。

 私は、とりわけ若い人びとにこの本を読んでもらい、軍事や安全保障について冷静に考える手がかりにしてほしいと願っています。そこで、できるだけ読者に伝わるような問いの立て方をし、日本語としては少々粗っぽいところやくどい部分もありますが、身近なこととして受け止めてもらえるよう、話し言葉にしました。また、わざわざ他の文献を探さなくても一定の知識が得られるよう、脚注をつけました。

 もちろん小川さんの見方に異論がある人もいると思います。私とて100%意見が一致しているわけではありません。しかし、日米安保に賛成であれ反対であれ、たとえば「全世界に展開する米軍にとって日本列島とはどんな存在か」を押さえなければ、発展的な議論は望めません。この本には、そんな過去にあまり語られたことのない話、腑に落ちる話が、たくさんでてきます。

 この本を出発点として、日本の「戦争力」、つまりは日本の「平和力」についての議論を深めていただければ幸いです。

2005年12月        坂本 衛

日本の「戦争力」の書評など

琉球新報/日本の「戦争力」書評

●2005年12月11日付「琉球新報」に掲載された書評です。編集委員の前泊博盛さん、ありがとうございました。

公明新聞/日本の「戦争力」書評

●2005年1月9日付「公明新聞」に掲載された書評です。ありがとうございました。

●2005年2月28日付「聖教新聞」には、「日本の平和戦略 日米同盟の重み使いこなせ 北朝鮮の暴発防止のシステムを」との小川和久インタビューが掲載されました。以下で読むことができます。なお、公明新聞、聖教新聞と来て「ん?」と思った方のために書いておきますが、小川和久はクリスチャンです。 日本の平和戦略 (国際政治・軍事アナリスト 小川和久氏に聞く)

● 第164回国会法務委員会(2006年3月17日)では、こんな質問も出ました。
○漆原委員 公明党の漆原でございます。
 今回の法改正の大きな柱の一つは、テロの未然防止のための規定の整備というふうに承知しております。
 日本がテロの対象になるかどうかということについて、この前、軍事評論家であります小川和久さんの「日本の戦争力」という本を読みました。こう書いてありました。アメリカを敵視しているテロリスト・グループにとって、日本はアメリカの最重要同盟国としてテロの標的になり得る。また、対テロ戦争を戦っている国としても、世界を牽引する主要国としても、テロの標的になり得ることは覚悟すべきでしょうというふうに述べられておりました。
 私自身も、日本がテロの標的になる可能性は十分にあるというふうに考えております。国民の生命の安全を守るために万全な措置を講ずるべきだと思っておりますが、この点に関する大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

●ウェブ上でも、ブログなどで本の紹介・書評・読後の感想を書いてくださっている方がおいでで、いくつかご紹介。ありがとうございます。

日本の「戦争力」の告知ビラ、新聞広告(アスコム)

日本の「戦争力」ビラ表

●これは小川和久さんの講演会などで配布しているビラです。「さっそくプリントアウトしました。店内広告に使わせていただきます。当店も貢献できるようがんばります!!」とメールをくださった書店さんがあります。ありがとうございます。

日本の「戦争力」ビラ裏

●お近くの書店での入手をお勧めしますが、書店が遠い方はこのビラに書かれた方法でご注文いただけます。画像を保存(画像上で右クリックし保存を選択)し印刷すれば、A4でプリントアウトできます。

日本の「戦争力」新聞広告

●2006年1月22日、出版社が朝日新聞に打った広告(半5段)です。読売新聞には全5段(新書大の高さで、新聞1面の下段ぜんぶ)広告が出ました。