メディアとつきあうツール  更新:2003-07-03
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

結局、
どうすりゃ売れるんですか。

結局、どうすりゃ売れるんですか。(田原総一朗著)

著者●田原総一朗
発行●ぶんか社 1999年7月
定価●税別 1600円

≪参考リンク≫

1997年11月から98年11月まで、田原総一朗は「ペントハウス・ジャパン」誌上で「メディア仕掛け人に聞く」を連載。坂本は、企画から参加して毎号の記事を執筆。これをまとめたのが、この本。

登場するメディア仕掛け人は、「電波少年」の土屋敏男、「だんご3兄弟」「ポリンキー」の佐藤雅彦、「SMAP×SMAP」「笑っていいとも」の荒井昭博、「エヴァンゲリオン」の庵野秀明、「マジカル頭脳パワー!!」「速報!歌の大辞テン!!」の五味一男、吉本興業社長の中邨秀雄、「ファイナルファンタジー」スクウェア社長の武市智行、プレステ仕掛け人でソニー・ミュージック社長の丸山茂雄、スカパー副社長の重村一、「RAMPO」の奥山和由、全米にニンジャ・ブームを起こしたショー・コスギ、「御法度」の大島渚、ビデオニュースの神保哲生(肩書きは当時)。

なかなか豪勢なメンバーと思うが、彼らに田原総一朗が「なぜ売れるのか?」「なぜヒットするのか?」「そのためにはどうすればよいのか?」を繰り返し問うた。彼らは「銭を儲けたいという売らんかな」姿勢だけでは絶対に通用しないと、繰り返し語った。

各人のインタビューのあとに、田原による「メディア仕掛け人に学ぶビジネスのヒント」がついている。また、連載時は写真に凝りに凝ったフルカラーで、単行本ではさわりだけだが、ビジュアル面も楽しむことができる。

ところで、残念ながらこの本、売れ行きはいま一つ。これ「結局、どうすりゃ売れるんですか。」と、ライターや編集者が、誰かに真剣に聞きたい結果となってしまった。連載はメディア仕掛け人への直撃インタビューふうだったが、単行本ではビジネス本ふうにしたのが、裏目に出たのかも。すると「売らんかな」が勝ちすぎた失敗か。うーむ。もっとこの本ちゃんと読めばよかった――って、書いたやつがいってどうする!? と、これは冗談ですが、冗談抜きに、メディア仕掛け人たちの発想や生き様がよくわかる本。とくにマスコミ志望学生に勧めます。