メディアとつきあうツール  更新:2003-07-02
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<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

メディア規制3法断固反対!!
TVキャスター声明発表
(記者会見)

2002年4月18日 参議院議員会館

≪このページの目次≫
2002年4月18日、民放テレビキャスター7人が参議院議員会館に集まり、「個人情報保護法案」「人権擁護法案」「青少年有害社会環境対策基本法案」のいわゆるメディア規制3法に断固反対する声明発表(記者会見)をおこないました。坂本は、篠田博之氏(「創」編集長)とともに裏方を務めました。新聞・テレビは「さわり」だけしか報じませんから、声明全文ほか、配布資料などをお伝えします。

メディア規制3法案に断固反対する
TVキャスターの声明

 いま、民主主義社会にとってもっとも大切な「表現の自由」が、戦後最大ともいうべき危機にさらされています。

 政府は「個人情報保護法案」と「人権擁護法案」を国会に提出して成立を目指しており、「青少年有害社会環境対策基本法案」を国会に上程する動きもあります。

 これらのいわゆるメディア規制3法案に共通するのは、本来ならば公権力による個人情報の不正な使用や、人権の侵害こそがもっとも厳しく規制されなければならないのに、それを棚上げにして、市民や民間やマスメディアの責任だけをことさらに問題視するという発想です。

 3法案が成立すれば、国民の「知る権利」に奉仕する「言論・報道の自由」が不当に制限され、政治や行政のあり方を監視するマスメディアの役割が果たせなくなるだけではありません。

 新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどあらゆるメディア、さらには市民一人ひとりの表現活動までもが官庁の監督下におかれ、規制されかねないのです。

 個人情報の保護、人権の擁護、「有害」な情報からの青少年の保護は、私たちの社会が全力を挙げて対応すべき課題です。しかし、それは公権力がメディアを規制することによってではなく、あくまでメディアの自主的な規制、市民と向き合う自律的な取り組みによって実現されなければなりません。

 私たちは、メディア規制につながる3法案の成立を認めることはできません。自由な言論、自由な表現こそが健全な民主主義社会をつくる原動力です。私たちの主張に耳を傾け、3法案の成立を阻止するために、みなさまの力をお貸しください。

   2002年4月18日

     真山 勇一(日本テレビ「ニュースプラス1」)
     筑紫 哲也(TBS「ニュース23」)
     安藤 優子(フジテレビ「スーパーニュース」)
     鳥越俊太郎(テレビ朝日「ザ・スクープ!」)
     田原総一朗(テレビ朝日「サンデープロジェクト」)
     蟹瀬 誠一(前・テレビ朝日「スーパーモーニング」)
     斉藤 一也(テレビ東京「ニュースアイ」)

※この声明は、2002年4月18日に参議院議員会館で開いた「メディア規制3法反対! TVキャスター共同記者会見」の席上で発表したものです。

メディア規制3法に断固反対するTVキャスターの記者会見 【参考資料1】
メディア規制3法の紹介・審議の現状・問題点

個人情報保護法案

●個人情報を扱うすべての者が守るべき「基本原則」と、個人情報取扱業者が遵守《じゅんしゅ》しなければならない「義務規定」を定める。義務規定の違反には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金がありうる。個人情報を集める目的が報道・学術研究・宗教活動・政治活動であれば義務規定の適用除外とされるが、基本原則の適用は受けることになる。

●政府与党は、法案を有事法制とともに今国会で最優先で成立させる方向。

●もっとも膨大な個人情報を持つ国や、それに準じる自治体の個人情報の扱いを何ら規制せず、国民や民間企業だけを規制する「官尊民卑」「上意下達」の法律。「つねに正しい政府が、ときに不正をする国民・民間を善導する」との発想が時代錯誤。適用除外の規定もあいまいで、法律の解釈・運用次第では、恣意的に義務規定違反に問われてしまう。

人権擁護法案

●法務省外局に人権委員会を設け、人権侵害事案を救済すると定める。差別その他による人権侵害と同様、報道機関の過剰取材やプライバシー侵害なども救済の対象とされる。

●政府は、法案を今国会に提出済み。

●人権委員会は、法務省外局という政府一部門に置かれるから、その人事や運営は政府の影響力を受ける。つまり政治や行政による恣意的な人権救済がなされうるから、政治や行政に都合の悪い報道その他を、人権侵害の名目で規制できる。同じ理由で、代用監獄問題のような政府による人権侵害が、何ら規制されないこともありうる。

青少年有害社会環境対策基本法案

●事業者、保護者、国民全体など広範に青少年保護の責務を規定するとともに、新聞、放送、出版など業界ごとに青少年有害社会環境対策協会の設置を義務づけ、協会が有害な商品や役務などの苦情処理と、業界事業者への指導・勧告をおこなうと定める。その運営が不適切な場合は、主務大臣や都道府県知事が協会を指導・助言・勧告でき、対策協会が勧告に従わないときはその旨を公表する、とされる。

●参議院自民党は、法案の国会提出を検討中。一部報道によれば断念とも。

●規制の対象となる商品や役務があいまいで、あらゆる商品やサービスが規制の対象となる。大臣や知事が協会を通じて業界に影響力を行使し、恣意的にメディアを規制することができる。大臣や知事が誤った判断をしたとしても、異議申し立ては何ら認められない。

※このペーパーは、今回の会見で裏方の一人を務める坂本衛(ジャーナリスト/GALAC編集長)が、あくまで個人的にメディア規制3法案についての紹介・現状・問題点を短くまとめ、ご参考に供するものです。引用はご自由にどうぞ。

メディア規制3法に断固反対するTVキャスターの記者会見 【参考資料2】
5月6日発売の月刊「GALAC」は、
「メディア規制3法 絶対反対!!」を
大特集します。

治安維持法よりタチが悪い 「暗黒の時代」再来は許さない!!
●作家 城山三郎

正しい政府が悪い国民を善導――その考え方が間違っている
●ジャーナリスト 櫻井よしこ

メディア規制は必要ない 自主規制を見守ってほしい
●民放連・放送と青少年問題特別委員会委員長 亀渕昭信

前近代的な時代錯誤 メディア規制三法に反対する!!
●ジャーナリスト 田原総一朗

プロセスに関係なく「法」となれば権限が執行される!
●神奈川大学教授 田畑光永

いまメディアがやるべきことは 国民に対するきちんとした説明だ!
●日本テレビ編成局編成部企画担当部長 五味一男

公権力による人権侵害と報道・取材を同列に置く「まやかし」
●ノンフィクション作家 小林道雄

「保護」とは名ばかりの 知る権利を侵害する「悪法」だ
●ジャーナリスト 岩瀬達哉

(入稿中につきタイトル未定)
●長野県知事 田中康夫

人権擁護法案は政治家の意を受けた官僚統制
●青学大名誉教授・BRC委員長 清水英夫

解説
個人情報保護法案
●ジャーナリスト 岩本太郎

人権擁護法案
●マスコミ倫理懇談会記者 田北康成

青少年有害社会環境対策基本法
●ジャーナリスト/GALAC編集長 坂本 衛

●お問い合わせは、放送批評懇談会/GALAC編集部まで
電話:03-5379-5521 FAX:03-5379-5510
e-mail:galac@pop21.odn.ne.jp

報道むけ事前配布資料
メディア規制3法案反対!
TVキャスター共同記者会見のお知らせ

報道各位

「個人情報保護法案」「人権擁護法案」「青少年有害社会環境対策基本法案」のメディア規制3法案に反対するキャスターの記者会見を4月18日(木)に下記の要領で開催します。影響力の大きいキャスターがこれだけ一堂に会してアピールを行うのは異例のことでもあります。ぜひ取材をよろしくお願いします。

会見出席者
真山勇一(日本テレビ「ニュースプラス1」) 
筑紫哲也(TBS「ニュース23」)
安藤優子(フジテレビ「スーパーニュース) 
鳥越俊太郎(テレビ朝日「ザ・スクープ!」)
田原総一朗(テレビ朝日「サンデープロジェクト」「朝まで生テレビ」) 
蟹瀬誠一(前・テレビ朝日「スーパーモーニング」)
斉藤一也(テレビ東京「ニュースアイ」)

※他にもスケジュールを調整中のキャスターがおり、当日もう少し増える可能性があります。
※民放各局のキャスターが揃いましたが、この会見はあくまでも各人が個人の資格で参加するものです。

日時 4月18日(木)午後2時10分〜3時20分 開場1時50分
※当日あいにく1時50分まで他の催しで会場を使用しています。1時50分から受付開始し2時10分には会見を始めますので、スムーズに準備できるようご協力をお願いします。1時50分までは会場(第一会議室)内には入れませんのでご了承下さい。

会場 参議院議員会館第一会議室 電話03-3581-3111
     (地下鉄「国会議事堂前」駅下車3分)
※国会にアピールする意味を込めて議員会館にて会見を行うことにしました。
※記者会参加社以外は議員会館を入館する際に通行証が必要です。会館入り口の階段脇にてスタッフがお待ちしますので、通行証を受け取って入館して下さい。
※当日、声明文を配布する予定があります。会場入り口の受付にて受け取って下さい。
※テレビカメラのセッティングがスムーズに行われるよう、取材予定をあらかじめ把握したいと思います。テレビカメラを持ち込む予定のところは、下記連絡先まであらかじめお知らせいただけると幸いです。

問い合せ先 電話03-3225-1413/FAX03-3225-0898 創出版
     篠田博之(月刊『創』編集長/
          個人情報保護法案拒否!共同アピールの会
          日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長)
     坂本 衛(ジャーナリスト/『GALAC』編集長)