≪はじめに≫ ただし、素人が何かひどい考え違いをしているかもしれませんから、あくまでご参考まで。たぶん間違ってはおらず、記載の通りにやれば少なくともPCに害を及ぼすことはありませんが、そこのところよろしく。 ≪このページの目次≫ |
PC本体のハードディスクドライブ(以下HDD)は必ず壊れる。明日壊れても不思議はない。そこで、二重、三重……にバックアップを取り、不測の事態に備える必要がある。これ、PCの常識。以下はWindows XPを使っているものとして話を進める。
次のものはバックアップしない。(1)オペレーティング システム(以下OS)、(2)各種ドライバ、(3)購入したソフトウエア、(4)ダウンロードしたソフトウエア。(1)(2)(3)は手持ちの(再)インストール用CD-ROMがバックアップとなる。(4)はダウンロードし直すが、ソフトウエアのあった場所を「お気に入り」に入れておく、または場所と主な設定を文書にして保存しておく(「お気に入り」や文書はバックアップの対象)。なお、(4)のインストール用圧縮ファイルの保存を勧める人があるが、1〜2年たてば改良されるかもっとよいソフトが登場するので必要ない。
前提として、PC本体のHDDにCドライブとDドライブがあり、CドライブにOSのWindows XPが入っているものとする。初心者のPCはその構成とすべきだ。とくに大きなサイズのデータ(画像、動画、CD丸ごとのコピーなど)を扱う人は、これをDドライブに保存しておくのが一般的だろうが、そのバックアップについてはここでは触れない。
バックアップすべきものは、以下の場所にある。番号は前項と対応している。「坂本衛」は「ユーザー名」に読み替えを。一太郎と異なるワープロソフトを使っている方は、該当するフォルダを調べれば、同じような場所(下記と横並びの場所)にあるはず。
バックアップすべきもののうち五つまではC:\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中にあることがわかった。そこで、次の二つをPCの外に出すべきである。
PCの外に出すとき、「どこに」出すかを考えると、次の二つが一般的だろう。
容量(HDDは80〜250GB程度、DVD-Rは4.7GB、CD-Rは650〜700MB)と運用の手間から、1.の外付けHDDを選ぶべきである。本体HDDと同じかそれ以上の容量のHDDを買う、古いPCのHDDを取り外しHDDケースを買ってきて入れるなどして、外付けHDDを用意し常時接続する。
外付けHDDも本体同様二つのドライブに分けて(パーテーションとフォーマットして)おく。それをPドライブとQドライブとすれば、CにあるものはPに、DにあるものはQに出す。なお、ドライブ文字は一例であり自分で付ける。システムによってはFとJかもしれない。
DVD-Rは安く容量が大きいので、DVDドライブがあればバックアップに使える。C:\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中身すべて、または1.に出したものをそのまま焼けば(コピーすれば)、第二、第三……のバックアップとなる。ただし、書き込みしかできない。CD-Rは容量が小さい難があるが、デジカメ写真だけ(アルバム)、ワープロ文書だけなど、テーマごとのバックアップに向く。DVD・CDドライブがあれば書き込みソフトが添付され、それにはデータDVD・CDの作成という項目があるから、そちらを参照(CD書き込みはWindows XPに標準添付)。
PCの外に出すとき、「どんなツールを使って」出すかを考えると、次の三つが一般的だろう。
本体HDDにあるC:\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中身すべてを、外付けHDDのPドライブにバックアップすることを考える。準備としてPドライブに「01バックアップ」フォルダを作っておく。フォルダ名に01を入れるのは、全フォルダのトップに置きたいため。バックアップ先がたとえばFドライブならば、以下PをFと読み替えを。
以上の設定で、毎週土曜日の夜にPCの電源を入れておけばバックアップが始まる。もちろん違う曜日や時間を入力してもよい。
いますぐ実行したい場合は、[スタート]→[すべてのプログラム]→[アクセサリ]→[システム ツール]と進み、[タスク]をクリック。一覧表の中にある「坂本衛のバックアップ」を右クリックして[タスクの実行]を選べば、バックアップが始まる。右クリックして[プロパティ]を選べば、スケジュールを変更できる。
差分や増分など、さらに凝ったバックアップをする人は、自分で研究を。上のように設定した後、バックアップ ユーティリティの起動画面からバックアップタブを開き、[ジョブ]をクリックすれば、「坂本衛のバックアップ.bks」が登録されている。これを開いておき、[ツール]→[オプション]と進んで詳細な設定ができる。全般は上の四つをチェック、バックアップのログは概要を選び、[OK]をクリックしておくとよさそう。再び[ジョブ]→[選択したジョブの保存]とすれば、上書き保存される。
同じようにして、[バックアップを作成する項目]と[バックアップを格納するメディア名またはファイル名]を変更し、[選択したジョブに名前を付けて保存]で異なる名前を付ければ、さまざまなバックアップ・セットを使い分けることができる。
≪参考≫
Microsoft Windows XP Home Editionを標準インストールしてもバックアップ ユーティリティはインストールされず、[スタート]メニューにも、[プログラムの追加と削除]一覧にもバックアップは見あたらない。そこで、インストール用CD-ROMから、手動でインストールしなければならない。
1度インストールした後は、前項Windows XP Proの場合と同じ。
手動でインストールしても、自動システム回復機能のASR(Automated System Recovery)は機能しない。バックアップ ユーティリティの三つめの項目は無効のままである。これについてはインストール用CD-ROMの\VLUEADD\MSFT\NTBACKUP\README.TXT文書を参照。
≪参考≫
≪参考≫
以上は、それぞれ本体PCのCドライブにあるものとほぼ同じ中身のはずである。ただし、1.と2.には重複がありうるし、1.と2.いずれにも含まれない設定もありうるが、いずれも細かくは調べていない。
上記はあくまで一例。なお、ウィルスが含まれるデータや、ゴミのデータをバックアップするのは間抜けであるから、[タスク]のスケジュール設定で、ディスク クリーンアップ→アンチウィルスソフトによるPCの完全スキャン→バックアップの順に、たとえば毎週土曜日それぞれ21:30、22:00、23:00から始める設定にしておく。
上記のスケジュールでは、最大で直近1週間分の書き原稿その他が、トラブルの際に失われてしまう可能性がある。たまたま毎週1回のバックアップ時に停電があって作業されないかもしれない。日々書いている原稿や表データなどは、1日の作業の終了時に、本体とそれ以外の場所の二か所に同時に保存すべきである。一太郎ならば、保存のとき通常の保存場所と外付けUSBメモリの二か所を指定すればよい。USBメモリは差しっぱなしでよいが、PCの電源を切る前に必ず「ハードウェアの安全な取り外し」を使って停止させておく。
毎週せっせとバックアップしても、いざというときバックアップしたものをスムーズに使えなければ意味がない。そこで、復元方法を記しておく。ただし、実行するのは必ず最後まで読んでからに。
本体HDDが完全に壊れ、Cドライブにあったプログラムやデータがまったく読み書きできなくなったとする。このときはまずHDDを新品に交換し、元のOS(元と同じバージョンのWindows XP)、各種ドライバ、各種ソフトを再インストールし、コンピュータを新しくする。その後に、以下の作業をする。
(注)4.[既存のファイルを置き換えない]を選んだことによって復元されない設定があるかも。その場合は、このオプションを変更してやり直すか、復元されなかったものを再設定する。
以上で、PCから出しておいた二つ(もっとも古い場合で1週間前のデータと3か月前の設定)は新しいPCに復元される。ただし、これらの手順を本当に実行したいときは、インターネットに接続できず、メールも打てない可能性が大きい。そこで、以上の手順を控えておくか、テストを繰り返して習熟しておくことを強く勧める。詳しくは次の項目を参照。Microsoftサイトその他のバックアップに触れたページで、復元に関する記述がなく、復元に関するページにリンクすら張っていないのは、たいへん間抜けな話だと思う。
バックアップとその復元、転送とその復元(再転送)は、最初に何度かテストしてみるとよい。その後もたとえば3か月に一度、正しく復元できるかどうかチェックするとよい。
ところで、「PCから出す」作業では、バックアップや転送を何度テストで繰り返しても、失われるものはない。しかし「PCに戻す」作業では、古いバックアップファイルを使って新しいデータを上書きしてしまった、[既存のファイルを置き換えない](推奨)設定だから上書きは免れたもののバックアップファイルに異常がありゴミ(不要なファイル)が溜まってしまった、ということがありうる。これではテストにならないから、以下のようにする。
Dドライブ(Cドライブでもよいが、Cに同じものが二つできるのもどうかと思うのでD。サイズが大きい場合はとくに)にあらかじめ「復元テスト」フォルダを作っておき、【手順】3.のファイルの復元先を「場所の指定」、場所の指定を「D:\復元テスト」とする。これで復元してみる。復元テストフォルダ内に復元された坂本衛フォルダの中身と、元々の坂本衛フォルダの中身が同じ(プロパティで調べたサイズがピタリ同じ)ならば、正しく復元されている。
「どうでもよいファイルをバックアップし、復元してみる」「どうでもよいファイルを3分後に自動バックアップする設定にして、どうなるか実地に見てみる」なども試してみればよい。
(2)各種設定のバックアップ(転送)の【手順】5.で、どうでもよい(簡単に再設定できるような、たとえばマウスの)設定一つだけを残してほかをすべて削除。そのうえで転送する。そのファイルを復元(再転送)してみる。マウスが以前と同じ状態で動けば、正しく復元されている。
参考まで、坂本PCの主な設定を、ヒマになったら公開。フォルダの設定など、デフォルト(初期設定)のままにしている人が少なくないようですが。ま、好みの問題ですけれども、何かのヒントになるかも。