メディアとつきあうツール  更新:2007-02-02
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

PCバックアップメモ(旧バージョン)
──バックアップのお勧め

≪はじめに≫
 過去に筆者は一度経験しましたが、最近も知人が深刻なパソコン(以下PC)トラブルに見舞われアドバイスや復旧に手間取ったことから、参照用としてこのページを作成。みなさんにも役立つかもしれませんのでアップします。Windows XPを使っている方で興味がある方はお読みください。バックアップはすべての方に推奨します。

 ただし、素人が何かひどい考え違いをしているかもしれませんから、あくまでご参考まで。たぶん間違ってはおらず、記載の通りにやれば少なくともPCに害を及ぼすことはありませんが、そこのところよろしく。

≪このページの目次≫

バックアップの考え方

【1】基本!

 PC本体のハードディスクドライブ(以下HDD)は必ず壊れる。明日壊れても不思議はない。そこで、二重、三重……にバックアップを取り、不測の事態に備える必要がある。これ、PCの常識。以下はWindows XPを使っているものとして話を進める。

【2】バックアップすべきものは、何か?

  1. マイドキュメント関係(原稿とデータ。書いたものと集めたものは、文書、画像、音声の種類を問わず、必ずマイドキュメントに入れておく!)
  2. メール関係(メール本文、アドレス帳、メールの設定)
  3. ネット関係(お気に入り、ブラウザの設定)
  4. 一太郎関係(ユーザー辞書、一太郎やATOKの設定)
  5. スタートメニュー、デスクトップ関係
  6. その他PCの各種設定

 次のものはバックアップしない。(1)オペレーティング システム(以下OS)、(2)各種ドライバ、(3)購入したソフトウエア、(4)ダウンロードしたソフトウエア。(1)(2)(3)は手持ちの(再)インストール用CD-ROMがバックアップとなる。(4)はダウンロードし直すが、ソフトウエアのあった場所を「お気に入り」に入れておく、または場所と主な設定を文書にして保存しておく(「お気に入り」や文書はバックアップの対象)。なお、(4)のインストール用圧縮ファイルの保存を勧める人があるが、1〜2年たてば改良されるかもっとよいソフトが登場するので必要ない。

【3】バックアップすべきものは、どこにあるか?

 前提として、PC本体のHDDにCドライブとDドライブがあり、CドライブにOSのWindows XPが入っているものとする。初心者のPCはその構成とすべきだ。とくに大きなサイズのデータ(画像、動画、CD丸ごとのコピーなど)を扱う人は、これをDドライブに保存しておくのが一般的だろうが、そのバックアップについてはここでは触れない。

 バックアップすべきものは、以下の場所にある。番号は前項と対応している。「坂本衛」は「ユーザー名」に読み替えを。一太郎と異なるワープロソフトを使っている方は、該当するフォルダを調べれば、同じような場所(下記と横並びの場所)にあるはず。

  1. C:\Documents and Settings\坂本衛\My Documents
  2. C:\Documents and Settings\坂本衛\Local Settings\Application Data\Identities\{794AE999-5024-4684-8718-D6E62CE9772F}\Microsoft\Outlook Express
    C:\Documents and Settings\坂本衛\Application Data\Microsoft\Address Book
  3. C:\Documents and Settings\坂本衛\Favorites
  4. C:\Documents and Settings\坂本衛\Application Data\Justsystem
  5. C:\Documents and Settings\坂本衛\スタート メニュー
    C:\Documents and Settings\坂本衛\デスクトップ

【4】バックアップすべきものを、どうするか?

 バックアップすべきもののうち五つまではC:\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中にあることがわかった。そこで、次の二つをPCの外に出すべきである。

  1. C:\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中身すべて
  2. 各種設定

【5】バックアップすべきものを、「どこに」出すか?

 PCの外に出すとき、「どこに」出すかを考えると、次の二つが一般的だろう。

  1. 外付けHDDを接続し、これに出す。
  2. DVD-RやCD-Rなどに出す(焼く)。

 容量(HDDは80〜250GB程度、DVD-Rは4.7GB、CD-Rは650〜700MB)と運用の手間から、1.の外付けHDDを選ぶべきである。本体HDDと同じかそれ以上の容量のHDDを買う、古いPCのHDDを取り外しHDDケースを買ってきて入れるなどして、外付けHDDを用意し常時接続する。

 外付けHDDも本体同様二つのドライブに分けて(パーテーションとフォーマットして)おく。それをPドライブとQドライブとすれば、CにあるものはPに、DにあるものはQに出す。なお、ドライブ文字は一例であり自分で付ける。システムによってはFとJかもしれない。

 DVD-Rは安く容量が大きいので、DVDドライブがあればバックアップに使える。C:\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中身すべて、または1.に出したものをそのまま焼けば(コピーすれば)、第二、第三……のバックアップとなる。ただし、書き込みしかできない。CD-Rは容量が小さい難があるが、デジカメ写真だけ(アルバム)、ワープロ文書だけなど、テーマごとのバックアップに向く。DVD・CDドライブがあれば書き込みソフトが添付され、それにはデータDVD・CDの作成という項目があるから、そちらを参照(CD書き込みはWindows XPに標準添付)。

【6】バックアップすべきものを、「どんなツールを使って」出すか?

 PCの外に出すとき、「どんなツールを使って」出すかを考えると、次の三つが一般的だろう。

  1. 元フォルダとコピー先フォルダを開き、[コピー]と[貼り付け]を繰り返す。……費用はかからず、単純作業で確実だが、手動で面倒くさい。大量データの頻繁なバックアップには、あまり向かない。
  2. 専用のバックアップソフトを購入して使う。……費用はかかるが、確実。自動でラク。買い足す外付け大容量HDDに同梱されていることもある。
  3. Windows XPのバックアップソフトを使う。……費用はかからず、確実。最初だけやや面倒だが、一度設定すれば後は自動でラク。ここではこれについて記す。

(1)坂本衛フォルダのバックアップ

●Windows XP Pro SP2の場合は、標準添付のバックアップを使う。

【前提】

 本体HDDにあるC:\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中身すべてを、外付けHDDのPドライブにバックアップすることを考える。準備としてPドライブに「01バックアップ」フォルダを作っておく。フォルダ名に01を入れるのは、全フォルダのトップに置きたいため。バックアップ先がたとえばFドライブならば、以下PをFと読み替えを。

【手順】

  1. [スタート]→[プログラム]→[アクセサリ]→[システム ツール]と進み、[バックアップ]をクリックして、バックアップ ユーティリティを起動する。
  2. [バックアップ ウィザード(詳細)]を選び、[次へ]。
  3. [選択したファイル、ドライブ、ネットワーク データのみのバックアップを作成する]を選び、[次へ]。
  4. [バックアップを作成する項目]の左側の窓内で、マイ コンピュータ→ローカルディスク(C:)→Documents and Settingsの順に[+]をクリックして開き、坂本衛フォルダのチェックボックスに[レ]印をつけ、[次へ]。
  5. バックアップの種類は「ファイル」に固定されているはず。バックアップの保存場所は[参照]を使って「P:\01バックアップ」とし、このバックアップの名前は「mamosbackup」などと(ユーザー名などに応じて適当に)つけ、[次へ]。
  6. バックアップ ウィザードの完了画面で、[詳細設定]をクリック。バックアップの種類は「通常」を選び、[次へ]。
  7. [バックアップの後にデータを検証する]をチェックし、[次へ]
  8. [既存のバックアップを置き換える]をチェックし、[次へ]。
  9. [後で実行]を選び、ジョブ名に「坂本衛のバックアップ」などと(ユーザー名などに応じて適当に)入力。
  10. [スケジュールの設定]をクリックし、タスクのスケジュールで週単位、開始時刻23:00、土曜日にチェックし、[OK]。
  11. アカウント情報設定画面が出るので、Windows XPのパスワードを入力し[OK]。
  12. 再び出るバックアップ ウィザードの完了画面で、[完了]をクリック。

 以上の設定で、毎週土曜日の夜にPCの電源を入れておけばバックアップが始まる。もちろん違う曜日や時間を入力してもよい。

 いますぐ実行したい場合は、[スタート]→[すべてのプログラム]→[アクセサリ]→[システム ツール]と進み、[タスク]をクリック。一覧表の中にある「坂本衛のバックアップ」を右クリックして[タスクの実行]を選べば、バックアップが始まる。右クリックして[プロパティ]を選べば、スケジュールを変更できる。

【補足】

 差分や増分など、さらに凝ったバックアップをする人は、自分で研究を。上のように設定した後、バックアップ ユーティリティの起動画面からバックアップタブを開き、[ジョブ]をクリックすれば、「坂本衛のバックアップ.bks」が登録されている。これを開いておき、[ツール]→[オプション]と進んで詳細な設定ができる。全般は上の四つをチェック、バックアップのログは概要を選び、[OK]をクリックしておくとよさそう。再び[ジョブ]→[選択したジョブの保存]とすれば、上書き保存される。

 同じようにして、[バックアップを作成する項目]と[バックアップを格納するメディア名またはファイル名]を変更し、[選択したジョブに名前を付けて保存]で異なる名前を付ければ、さまざまなバックアップ・セットを使い分けることができる。

≪参考≫

●Windows XP Home Editionの場合は、インストールCDからバックアップ ユーティリティをインストールする。

 Microsoft Windows XP Home Editionを標準インストールしてもバックアップ ユーティリティはインストールされず、[スタート]メニューにも、[プログラムの追加と削除]一覧にもバックアップは見あたらない。そこで、インストール用CD-ROMから、手動でインストールしなければならない。

【手順】

  1. Microsoft Windows XP Home Editionのインストール用CDをCD-ROMドライブにセットする。
  2. CD-ROM Drive:\VALUEADD\MSFT\NTBACKUPフォルダ内にあるNtbackup.msiファイルをダブルクリックすれば、インストール ウィザードが始まる。
  3. ウィザードの指示に従ってインストールし、最後に[Finish]をクリック。

 1度インストールした後は、前項Windows XP Proの場合と同じ。

【補足】

 手動でインストールしても、自動システム回復機能のASR(Automated System Recovery)は機能しない。バックアップ ユーティリティの三つめの項目は無効のままである。これについてはインストール用CD-ROMの\VLUEADD\MSFT\NTBACKUP\README.TXT文書を参照。

≪参考≫

(2)各種設定のバックアップ(転送)

【手順】

  1. [スタート]→[アクセサリ]→[システム ツール]と進み、[ファイルと設定の転送ウィザード]をクリックし、[次へ]。
  2. [転送元の古いコンピュータ]を選び、[次へ]。
  3. [その他](例、リムーバブルまたはネットワーク ドライブ)を選び、[参照]を使ってフォルダまたはドライブを「P:\01バックアップ」と指定して、[次へ]をクリック。
  4. 何を転送しますか?で[設定のみ]を選び、さらに「[次へ]をクリックしてから、ファイルと設定のカスタム一覧を選択する」をチェックして、[次へ]。
  5. 窓内でOutlook Expressをクリック、[削除]して[次へ]。(注 この項目は坂本衛フォルダのバックアップに含まれるため、重複を避けて削除しておく。「設定」と称して保存メールデータを含んでいる設計が悪い!)
  6. 以下[次へ]、上書きするか聞かれたら[OK]をクリック、最後に[完了]をクリック。

≪参考≫

バックアップのまとめ

【1】外付けHDDのPドライブに、何がバックアップされたか?

  1. \Documents and Settings\坂本衛フォルダの中身すべて(坂本の場合はサイズ約4GBのmamosbackup.bkfという名前のファイル)
  2. PC本体の各種設定(USMT2.UNCという名前のファイル。サイズ数MB)

 以上は、それぞれ本体PCのCドライブにあるものとほぼ同じ中身のはずである。ただし、1.と2.には重複がありうるし、1.と2.いずれにも含まれない設定もありうるが、いずれも細かくは調べていない。

【2】次のようにスケジュール設定すればよい。

  1. 「\Documents and Settings\坂本衛フォルダの中身すべて」の外付けHDDへのバックアップは、毎週1回「タスク」として自動化する。
  2. 「本体の各種設定」の外付けHDDへの転送は、3か月に1回手動で行う。
  3. 坂本衛フォルダのDVDへの焼き付けは、3か月に1回手動で行う(必ず正副2枚作成し、会社と自宅など別々の場所に保管して焼失その他に備える)。

 上記はあくまで一例。なお、ウィルスが含まれるデータや、ゴミのデータをバックアップするのは間抜けであるから、[タスク]のスケジュール設定で、ディスク クリーンアップ→アンチウィルスソフトによるPCの完全スキャン→バックアップの順に、たとえば毎週土曜日それぞれ21:30、22:00、23:00から始める設定にしておく。

【3】それでもなお、必要なこと

 上記のスケジュールでは、最大で直近1週間分の書き原稿その他が、トラブルの際に失われてしまう可能性がある。たまたま毎週1回のバックアップ時に停電があって作業されないかもしれない。日々書いている原稿や表データなどは、1日の作業の終了時に、本体とそれ以外の場所の二か所に同時に保存すべきである。一太郎ならば、保存のとき通常の保存場所と外付けUSBメモリの二か所を指定すればよい。USBメモリは差しっぱなしでよいが、PCの電源を切る前に必ず「ハードウェアの安全な取り外し」を使って停止させておく。

復元

 毎週せっせとバックアップしても、いざというときバックアップしたものをスムーズに使えなければ意味がない。そこで、復元方法を記しておく。ただし、実行するのは必ず最後まで読んでからに。

【前提】

 本体HDDが完全に壊れ、Cドライブにあったプログラムやデータがまったく読み書きできなくなったとする。このときはまずHDDを新品に交換し、元のOS(元と同じバージョンのWindows XP)、各種ドライバ、各種ソフトを再インストールし、コンピュータを新しくする。その後に、以下の作業をする。

●バックアップファイルmamosbackup.bkfの復元

【手順】

  1. バックアップ ユーティリティを起動。[復元ウィザード ウィザード(詳細)]を選び、[次へ]。
  2. [復元する項目]の左側の窓内で、ファイル→mamosbackup.bkf→(C:)→Documents and Settingsの順に[+]をクリック(または名前をダブルクリック)して開き、坂本衛フォルダのチェックボックスに[レ]印をつけて[次へ]。
  3. 復元ウィザードの完了画面で、[詳細設定]をクリック。ファイルの復元先は「元の場所」を選び、[次へ]。
  4. [既存のファイルを置き換えない](推奨)を選び、[次へ]
  5. 使用するオプションは初期設定のまま(全部チェックしても問題ないはず)、[次へ]。
  6. 再度出る復元ウィザードの完了画面で、[完了]をクリック。

 (注)4.[既存のファイルを置き換えない]を選んだことによって復元されない設定があるかも。その場合は、このオプションを変更してやり直すか、復元されなかったものを再設定する。

●設定転送ファイルUSMT2.UNCの復元(再転送)

【手順】

  1. [スタート]→[アクセサリ]→[システム ツール]と進み、[ファイルと設定の転送ウィザード]をクリックして、[次へ]。
  2. [転送先の新しいコンピュータ]を選び、[次へ]。
  3. [ウィザード ディスクは必要ありません。既に、古いコンピュータからファイルと設定を収集しました]を選び、[次へ]。
  4. [その他](例、リムーバブルまたはネットワーク ドライブ)を選び、[参照]を使って「P:\01バックアップ」と指定し、[次へ]。
  5. [完了]をクリック。

 以上で、PCから出しておいた二つ(もっとも古い場合で1週間前のデータと3か月前の設定)は新しいPCに復元される。ただし、これらの手順を本当に実行したいときは、インターネットに接続できず、メールも打てない可能性が大きい。そこで、以上の手順を控えておくか、テストを繰り返して習熟しておくことを強く勧める。詳しくは次の項目を参照。Microsoftサイトその他のバックアップに触れたページで、復元に関する記述がなく、復元に関するページにリンクすら張っていないのは、たいへん間抜けな話だと思う。

テスト

 バックアップとその復元、転送とその復元(再転送)は、最初に何度かテストしてみるとよい。その後もたとえば3か月に一度、正しく復元できるかどうかチェックするとよい。

 ところで、「PCから出す」作業では、バックアップや転送を何度テストで繰り返しても、失われるものはない。しかし「PCに戻す」作業では、古いバックアップファイルを使って新しいデータを上書きしてしまった、[既存のファイルを置き換えない](推奨)設定だから上書きは免れたもののバックアップファイルに異常がありゴミ(不要なファイル)が溜まってしまった、ということがありうる。これではテストにならないから、以下のようにする。

●バックアップファイルmamosbackup.bkfの復元テスト

 Dドライブ(Cドライブでもよいが、Cに同じものが二つできるのもどうかと思うのでD。サイズが大きい場合はとくに)にあらかじめ「復元テスト」フォルダを作っておき、【手順】3.のファイルの復元先を「場所の指定」、場所の指定を「D:\復元テスト」とする。これで復元してみる。復元テストフォルダ内に復元された坂本衛フォルダの中身と、元々の坂本衛フォルダの中身が同じ(プロパティで調べたサイズがピタリ同じ)ならば、正しく復元されている。

 「どうでもよいファイルをバックアップし、復元してみる」「どうでもよいファイルを3分後に自動バックアップする設定にして、どうなるか実地に見てみる」なども試してみればよい。

●設定転送ファイルUSMT2.UNCの復元(再転送)テスト

 (2)各種設定のバックアップ(転送)の【手順】5.で、どうでもよい(簡単に再設定できるような、たとえばマウスの)設定一つだけを残してほかをすべて削除。そのうえで転送する。そのファイルを復元(再転送)してみる。マウスが以前と同じ状態で動けば、正しく復元されている。

オマケ(主な設定例)

 参考まで、坂本PCの主な設定を、ヒマになったら公開。フォルダの設定など、デフォルト(初期設定)のままにしている人が少なくないようですが。ま、好みの問題ですけれども、何かのヒントになるかも。