2016.05.27

ウイリアム・グリム神父が「宗教改革500周年」のために自ら立ち上げた企画に於いて来年「東京カテドラル聖マリア大聖堂」でタクトを振らせようとしている音楽家はフリーメイソンである

Part 1

その「企画」↑ については前回を参照のこと。

ロバート・ライカー
Robert Rÿker, Robert Ryker

ロバート・ライカー

室内オーケストラ「東京シンフォニア」の主宰者・音楽監督・指揮者

私は別にこの人に恨みがあるわけではありません。ただ、「教会の中にフリーメイソンの影響を入れるわけにはいかない」と思うから書くのであります。(まあ、今の言葉が可笑しいくらい、既にいっぱい入っているわけですが)

私が「この人はフリーメイソンなのでは?」と疑ったのは、フリーメイソンのサイト「Masonic Genealogy(フリーメイソンの系譜)」の中の「Sinim Lodge(シニム・ロッジ)」に関するページの中に同じ名前を見たからです。私がこの事を書くことで、或いはそのページからその名が削除されることがある知れませんが、とにかく、今現在そのページにある文字を、ここに写してみます。

Masonic Genealogy

Sinim

SINIM LODGE (CHINA)

Location: Shanghai, China; Tokyo, Japan (1952)

Chartered By: Baalis Sanford

Charter Date: 09/14/1904 1904-105

Precedence Date: 12/02/1903

Current Status: Active. Relocated to Japan following the 1949 Chinese Revolution.

PAST MASTERS

Thanks to Bro. Rob Chan for help in compiling this list.

In Shanghai, China

(…)

In Tokyo, Japan

(…)

Robert Ryker, 1992, 2013, 2014

「Robert Ryker」氏のことに行く前に、幾つかのことを見ておきます。まず「シニム」という言葉ですが、これはイザヤ書49:12 の「みよ、この人々は、遠くからくる、あの人々は、みよ、北と西から、シニムの地からくる」から来ているようです。では「シニムの地」とは何処を意味するかと云えば、バルバロ/デルコル訳の旧約聖書の注釈では「エジプトの南にあるシエネ、現在のアッスワンのこと」となっています。しかし Web を探索すれば、現在では「シニム」=「秦[シン]」=「支那」=「中国」であるという見方がある(有力である?)ようです。

次に、この「シニム・ロッジ」ですが、上の記事とシニム・ロッジの公式サイトを参照すれば、もともとは中国の上海に1903年に設立され、翌1904に承認された(アメリカのマサチューセッツ・グランド・ロッジによって)ものだが、しかし中国革命の影響から1952年に東京に移された、ということのようです。上の記事の「PAST MASTERS(過去のマスターたち)」のリストを見ても、なるほど、上海のものは1952年までのものしか載っていません。だから、現在「シニム・ロッジ」と云えば、東京だけにあります。(と云う、今の言い方もおかしくて、もともとフリーメイソンの「ロッジ」というものは、「○○ロッジ」という名称のものがあるならば、それは世界に複数あるわけではない、一箇所だけ、ということなのでしょうが)

さて、「Robert Ryker」氏のこと。
上の記事に依るならば、この人はこれまで、1992年、2013年、2014年の三回、「シニム・ロッジ」の「Master」の地位にあったということでしょう。
「Master」というのは「位階」ではなく(つまり第三階級の「親方(Master Mason)」のことではなく)「役職」でしょう。ちょうど「Grand Master」というのが「位階」ではなく「役職」であるように。
「Grand Master」が「本部長」というイメージなら、
「Master」は「支部長」といったところでしょうか。

𠮷村(or 吉村)正和という人の本の中に理解を助けるものがありました。

ロッジ運営の役員構成
 フリーメイソンの位階も、「徒弟」「職人」「親方」という基本三位階を除くとさまざまな位階があったように、ロッジを構成する役員についても、それぞれのロッジによって違っていた。ロッジでの儀式を運営する役員としては、マスター、シニア・ウォーデン、ジュニア・ウォーデン、シニア・ディーコン、ジュニア・ディーコン、インナー・ガード、アウター・ガード(タイラー)などがある。
 マスターは、ロッジの中心人物であり、会員によって選挙で選出される。ロッジ運営の最高責任者であり、他の役員を任命する権限をもっている。

𠮷村正和著『フリーメイソン - 西欧神秘主義の変容』
1989年、講談社現代新書、pp. 59-60

筆者は「それぞれのロッジによって違っていた」と言いながらも、その後に、どのロッジにもおよそ共通する役職の構成を書いているようです。

とにかく「マスター」はロッジの “最高責任者” なのであって、儀式では「Worshipful Master(尊敬すべき棟梁)」と呼ばれることもあるようです。いわゆる「通過儀礼」(フリーメイソンへの入会儀式や「徒弟」が「職人」に上がる時などの昇級?儀式)の中では、志願者に質問を投げかける役もするようです。

「マスター」はフリーメイソンのサイトで「歴代のマスターたち」としてリストアップされ記憶に留めようとされるほどには重要である。誰でもなれるものではない。フリーメイソンの内のそれなりの「有力者」である。──ということでしょう。

さて、そのようなわけですから、自然、次のような問いが持ち上がります。

では、それを探ってみましょう。以下、「東京シンフォニアの Robert Ryker 氏」に関する記事を幾つか拾い読みしてみます。

まずはジャパンタイムズの記事。
私による「ざっと訳」を英文の下に掲げます。強調は私。
注)この記事は表題に於いて彼の名を打ち間違えています、
「Rykey」と。しかし本文では「Ryker」としています。
表題のは単に打ち間違えです。

The Japan Times

People | PERSONALITY PROFILE

Robert Rykey

by Vivienne Kenrick

Jan 14, 2006

On Jan. 27, the world of music will celebrate the 250th birthday of Wolfgang Amadeus Mozart. In his honor, a yearlong calendar of events is taking place, centering on his birthplace, Salzburg in Austria.

1月27日に、音楽界は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの250回目の誕生日を祝う。彼に敬意を表して、イベントの一年間のカレンダーは埋められる。彼の出身地、オーストリアのザルツブルグを中心にして。

“Mozart certainly poured out an inexhaustible stream of instrumental music. Amongst the many concerts of Mozart music worldwide this year, the one at the Tokyo Masonic Center is actually on his birthday,” said music director and conductor Robert Ryker.

「モーツァルトは確かに、器楽曲の尽きることがない流れを注ぎ出しました。今年、世界中で催されるモーツァルト音楽の多くのコンサートの中で、東京メソニックセンターでのコンサートはまさしく彼の誕生日に催されます」と、音楽監督であり指揮者であるロバート・ライカーは語った。

(…)

On a side note, he is a knight of the Knights Templar of Jerusalem.

ちなみに、彼は Knights Templar of Jerusalem の騎士である。

グリム神父と組んでいるライカー氏、来年「東京カテドラル聖マリア大聖堂」に入ろうとしているライカー氏は、こともなげに「東京メソニックセンター」という語を出しますね。

彼の楽団「東京シンフォニア」の公式サイトから。
ライカー氏自身の文章です。

Tokyo Sinfonia

Tokyo Sinfonia in January, 2012-1

Posted on December 15, 2011 by Robert Rÿker in Newsletters.

(…)

The Mozart Birthday Concert will be presented from Jan. 28 (Sat.) from 7 pm in the Golden Hall of the Tokyo Masonic Center. Mozart joined the Freemasons Lodge in Austria at the age of 28, and remained active in his beloved Lodge throughout the seven years remaining in his life. He was deeply moved by the concept of men of all walks of life meeting as equals on the floor of the Lodge, and the tenets of brotherly love, relief and truth which Masonry espouses. His Emperor was a Mason, members of the nobility were Masons, and so were his father, his friends, and some of the musicians he most esteemed.

モーツァルト・バースデー・コンサートは1月28日(土)午後7時から東京メソニックセンターのゴールデン・ホールで公演されます。モーツァルトは28歳の時、オーストリアでフリーメイソン・ロッジに加わり、残りの人生の7年間を通して、彼の最愛のロッジで活発なままでした。彼は、あらゆる地位・職業の人たちがロッジの床の上で平等に接し合うというコンセプトや、フリーメイソン結社が信奉する兄弟愛(Brotherly Love)・救済(Relief)・真実(Truth)の教えによって、深く心を動かされていました。彼の時代の皇帝はメイソンでした。貴族階級の者たちもメイソンでした。彼の父親もそうでした。彼の友人たちもそうでした。そして、彼の尊敬する音楽家たちの幾らかもそうでした。

Our programme will open with the Overture to The Magic Flute. Considered by many aficionados to be the finest comic opera ever written, The Magic Flute was Mozart’s irresistible tribute to Freemasonry. Masonic allusions in the music will be described for the audience in our kindly conductor’s commentary.

我々のプログラムは『魔笛』の序曲から始まります。多くの熱狂的ファンからこれまでに書かれた中で最も素晴らしい喜歌劇であると考えられている『魔笛』は、フリーメイソン団に対するモーツァルトの抑えきれない賛辞でした。音楽の中のフリーメイソンの仄めかしは、我々の親切な指揮者の解説によって、観衆のために説明されます。

(…)

MOZART BIRTHDAY CONCERT – Sat. 2012年1月28日 (土) 19:00

(…)

Sponsor Tokyo Scottish Rite Bodies

ライカー氏自身がこのコンサートで指揮を務めるとするならば、自分で「我々の親切な指揮者」などと言うのは、ちょっとおかしな気がします。欧米人は何かの加減で(「親切にするつもり」とかで?)自分のことでもそのような言い回しをすることがあるものでしょうか。或いは、東京シンフォニアには「副指揮者」やライカー氏の指導を受けている「指揮者の卵」が居るようですが、そんな人たちのことを意味してでもいるのでしょうか。よく分かりません。

しかし、それはともかく、彼は「モーツァルトが如何にフリーメイソンを熱く愛していたか」を力説しています。しかし、この文章はそれを言っているばかりでなく、「この筆者自身が如何にフリーメイソンを熱く愛しているか」も言っているのではないでしょうか。疑問の余地はないように思われます。

彼は「兄弟愛・救済・真実」という言葉のセットを出しています。それは「自由・平等・博愛」と同様、フリーメイソンらしい「3」つの言葉のセットです。Three Tenets of Freemasonry と呼ばれたりするようです。

港区にイベント・コーディネートの会社を構えておられる、
グローバリズムを信じて疑わないらしい女性のブログから。

40代の今どきlifestyle

2014年1月15日 (水)

1月24日 モーツアルト バースデーコンサートがメソニックセンターで開催されます

◆1月24日(金)19:00~

東京タワーの近くにありますメソニック センターでモーツアルトのバースデーコンサートがあります。

モーツアルトもフリーメイソンだったことは有名ですが、毎年、ロバート・ライカーさん指揮、東京シンフォニアの年初めの演奏会は、ここでのモーツアルトです。

モーツァルトを敬愛する音楽家はいっぱい居ます。しかし、モーツァルトの誕生日を「毎年」「フリーメイソンの施設内で」祝う音楽家は、そうあるものではありません。

次は、ここ最近、東京シンフォニアがそのコンサートの告知のために発行したチラシです。(クリックで参照元へ)

2014年

2015年

2016年

どのチラシの下にもスポンサーのロゴが並んでいますが、その中の一つが右のマークです。これはスコティッシュ・ライト・フリーメイソンのシンボルマークです。

2014年と2015年のチラシには次の絵があしらわれています。

Ignaz Unterberger という名の画家が1789年に描いた、モーツァルト在世当時のウィーン・ロッジの模様だということです。

PeatixCache

MOZART Birthday Concert

モーツァルトバースデーセレナーデ チャリティコンサート

Fri Jan 24, 2014   7:00 PM - 9:30 PM JST

(…)

終演後は出演者と一緒にシャンパンタイム

(…)

スコティッシュライト
全世界に600万人の会員を持つ世界的組織フリーメイスンの付帯団体の一つ。フリーメイスンについての詳細は日本グランドロッジへ (03) 3433 4981。本公演終演後に、東京スコティッシュライトボディーズにより、観客を招待して、観客とフリーメイスン会員、指揮者、ソリスト、出演者との交流を図る歓談パーティーが開催される。

この「シャンパンタイム」「歓談バーティ」は、日本人の心にフリーメイソンを浸透させる一つの機会にもなっているのでしょう。

儀式ホールの内部も見せたりするようです。参照参照

日本のバラエティ番組がフリーメイソンを取材したことを「都市伝説(urban legends)」という語を交えながら伝え、「フリーメイソンはライオンズクラブやロータリークラブと変わらない様々の慈善活動をするグループであるに過ぎない」と結論している或る英文記事の読者コメント欄に、ライカー氏は次のようにコメントを残しています。

Japan Today

Robert Rÿker May. 29, 2014 - 07:18PM JST

The Freemasons in Japan contribute over $1 million a year to disaster relief and other charitable works, all without any publicity.

フリーメイソンは日本で、1年に100万ドル以上を災害救助と他の慈善事業に寄付しています。どのような自己宣伝も全くなしに。

しかし、それが本当だとしても、どうしてライカー氏はわざわざそれを言うのでしょうか。そして、どうしてその事を知っているのでしょうか。そして、どうしてそれを言うことによって人々がフリーメイソンに関して持っているかも知れない「誤解」を解きたいと思っている(きっと思っているでしょう)のでしょうか。
それは、彼自身がメイソンだからでしょう。

管理人が注意を引きたいこと

ライカーさんは、或いは、人間的には「いい人」かも知れませんよ。しかし、そんなことを言ったら、以前見たモルモン教の人たちの中にも「感じのいい人たち」が居るかも知れませんね(いや、居るでしょう)。でも、それで済まないのが「宗教」というものだと思うのです。難しいけれど、その難しさを生きなければなりませんよ。

私はメラメラ敵意を燃やしているのではないのです(グリム神父には燃やすかもw)。しかし、物事を「伏せがち」に進めているようなところは嫌ですね。ライカーさん、ご自分がフリーメイソンであることを東京大教区に言って下さい。

「罪の概念は中世の哲学が聖書の内容を悲観的に解釈したものである、という考えを徐々に刷り込むことによって」

フリーメイソンの雑誌『Humanisme』1968年11月/12月号 より

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