DIO修理
ボアアップしたDIO号は快調に走っていた。
その日までは・・・・


 いつもの駅までの道のり。信号が少ないため、70キロ+までは出る。  いつもの様にアクセルOFF、次の瞬間、駆動系からガラガラとスゴイ音が!!

 それでも、だましだまし走っていたのだが、ついにエンジンは静かに停止した。

 その日の仕事帰り、午前0時30分。駅の駐輪場から家までの上り坂を汗だくになりながら、
DIOを押して登る私の姿があった・・・

 直すまで、自転車で駅までの道のりを通うこと決定(涙)

 さて、原因調査だ。
 クランクベアリングが逝ったかな?プーリーがバラバラになったかな?ピストンが割れたかな?
・・・などと想像を巡らせていたが、、、
 駆動系のカバーを外しても、特に異常は見受けられない。
 プーリーを外してみても、ウェイトローラーもさほどすり減っておらず、良い状態であった。
 しかし、妙な事に気が付いた。クランクシャフトが動く?

 ・・・クランクシャフトが折れてました(しばし放心)
折れたクランク

 プーリー側が折れ、折れたシャフトが外側に張り出したためにプーリーが開いている場合
(アイドリング時など)、ウェイトローラに遊びが生じて暴れていたのだった。
 エンジン停止したのは、クランクシールの破損により一次圧縮が漏れ、燃料ポンプが動かなくなり、
ガス欠症状となった為と推察される。

なお、バイク屋さんによると、クランク破損は、改造を行ったAF27,28には
散見されるとの事である。
ぽっきりクランク

 クランク交換・・・これは結構な大事となってしまった。
 他に損傷はないかチェックする。メットイン、マフラー、シェラウドを外し、シリンダヘッドを外す。
 幸い、シリンダ、ピストンとも綺麗であり、問題なかった。
 ピストンを外し、クランクを見ても特に損傷は見つけられない。オイルポンプを外して駆動ギアをチェック。
 ・・・特に問題ないようだ。本当にクランクだけが逝ったっぽい。

 カミさんからは、「新しいの買ったら?」とも言われたが・・・・・
・・・・せっかくここまで育てたDIO、捨てるワケにはいかない。
 それに、この際、不満な部分もブラッシュアップしよう!

不満な点

 不満な点はいくつかあった。
 まず、フロントフォークのオイル漏れ。これはOH必須だ。ついでに油量をアップさせて硬くしてもらおう。
 ヘッドライトが暗いのも不満。通勤の帰りは夜なので危険である(80キロ近く出るし・・)。
 これは、以前から憧れていたライブDIO後期型のハロゲンランプ対応の顔(ハンドルに付くカウル一式)を
組む事に。
 そして、最大の不満が、最高速である。80行く事はまれであり、その時の回転数ではトルクも落ち、
完全にオーバーレブ状態である。
 ポートタイミングを変更すれば伸びるのは分かっている。しかし、今までの経験上、上は良くても、
パワーバンドに達するまでが非常にかったるくなる。クラッチスプリングでクラッチミート回転数を
上げる手も有るが、五月蠅くなりすぎる。なにより、回転数を上げるのはピストンなどへの
負荷が高い。以前、スワニーでポート研磨のみで75キロオーバーしたことがあったが、大端ベアリングが
ぐちゃぐちゃになってお釈迦にしてしまった。
 一方、エンジンパワーはボアアップにより余裕があり、発進ではフロントアップ必至で、無駄である
・・・結論としてはハイギア導入しかない。

部品選定&収集

 まず、クランクシャフトは、純正互換の安価なものを、激安原付パーツ販売で
名を轟かせる、KN企画さんより取り寄せた。
 なお、新たな苦労を背負いたくなかったため、ノーマルストロークである。
 純正の方が良かったかな・・でも、安さと、ノーマルより軽量なのに負けました。
 ちょっと気になったのが、コンロッド形状。純正のI型断面に対し、楕円形断面である。
 ただ、太いため、強度には問題ないであろう。多分。
 ・・・折れたら、ストロークアップクランクを組もう・・・

 ハイギアも、安価なKN企画製を考えたが、問い合わせたところ、ギア比が高すぎるために断念。
 キタコのハイギアを取り寄せた。
 もともと、AF28DIO-ZXのエンジンのため、ノーマルよりはハイギアであるが、更にハイギアとなる。
 ※AF27:12/42、AF28(ZX):13/41、キタコハイギア:12/34。結構凄く違う・・・怖っ!
KNクランクと、キタコハイギア
KNクランクと、キタコハイギア

 ヘッドライト交換の為の部品はヤフオク調達だ。
 ハンドル、カウル、メーターまでのセットを落札。しかしヘッドライトのバルブが付いていない。
 AF27のヘッドライトバルブと、後期型ライブDIOのバルブは形式が違い、コネクタに互換性はない。
 なお、前期ライブDIOは互換性があるが、同じバルブでは明るさに大差ないので意味がない。
 ※スーパーDIOは35Wの通常電球。ライブDIO後期型は40Wのハロゲン。
 そこでコネクタを付け替える必要がある。その配線は付属していたのでAF27のハーネスと合体させた。

 なお、ヤフオクの画像では赤だと思っていたカウルの色だが、実際は赤スケルトンという希少色であった。
 黒く塗装して組むつもりであったが、勿体なくなって、他の黒いカウルを落札。
・・・しかし、ヘッドライトの固定部分の形状が違う前期型であった。
 結局、新品を購入。しかしコピー物(笑)


作業は誰が?
 仕事で忙殺されており、ただでさえ家に居る時間が短い、ここ数年の俺。
 子供と一緒に居ることが出来る時間は貴重だ。
 従って、深夜しか作業出来ない。
 一方、バイク屋さんに全て頼むのは費用の点で不可である。それこそ、アドレスV100を買った方が良い。
 もともと、クランク脱着は特殊工具が無いと出来ない作業であるため、バイク屋さんに頼む予定であった。
 エンジンを単体にして持っていき、クランク交換とハイギア交換、フロントフォークOHを依頼する事にした。
修理前エンジンとフォーク
修理前のエンジンと、OH依頼するHD-SUS

作業

 職場から帰宅してからの0時〜2時までの時間での作業を2〜3回行い、エンジンをおろし、
外せるものは全て外し、洗浄する(でもあまり綺麗にならない・・)
 フロントフォークも、ヘッドライトカウル、ハンドルも外す。

 蚊に刺される。蚊取り線香を焚く事も考えたが面倒なので無視して作業に没頭する。

 土曜日、仕事に行く前にクルマでバイク屋さんまで持っていき、作業依頼と不足パーツのオーダーを行った。

 作業が上がるまでの間、以前いたずらされ、メットインの鍵が壊されたために、そこのキーだけ交換し、 複数キーとなっていたのを解消しようとして買っておいた、(これも妖しい台湾製)キーセットを装着した。
 サイドカウルを外し、メットインと給油口の鍵を交換。難しくないが面倒。
 メインキーはハンドルを外しているのでわりと簡単であった。
 これでますます台湾製に近づいた。
 また、以前確保していた、ライブDIOのエアクリボックスから外したダクトを追加する。
 高回転では効く!   はず。
ダクト追加エアクリ内部
ダクトを1本、追加したエアクリボックス

ダクト追加エアクリ外観
外はこんな風。全然フツーですね。


組立!

 バイク屋さんにエンジンを取りにいく。
 完璧に作業を終わらせてくれており、お茶まで頂いた(いつもながら感謝)。

クランク交換されたエンジン
新クランクとハイギア組み込み済み。

 今回注文した部品には、キャブのガスケットセットも含まれる。これを交換することで、
数年はドロドロキャブとも顔を合わせる事はない。

 また深夜の作業だ。フロントフォークを付け、フロント廻りを組み上げる。
エンジンを載せ、ピストンを組む。
エンジン搭載
エンジン付きました。

エンジン搭載2
角度を変えて。


 ココで問題発生。ピストンピンサークリップはホンダ純正を頼んでいたのだが、デイトナ製ピストンに
装着するのが非常に難しい。これはピストン側面の形状の違いと、サークリップ装着方法の違いによる。
 ちょっと考えたが、仕方なくデイトナのサークリップを再使用する。動かない様に入念に確認。
 大丈夫だと思う。

 その後は問題も無く、順調に組み付け。シリンダ周りはカーボンを落としただけで組む。
 時間が有れば、クランクケースの掃気ポート周りにも手を入れて・・・とか考えましたが。
 この状況下のため、妥協します。
 2日目には殆ど組上がりました。
 エンジン始動は週末まで待たなければ。深夜なのでノーマルマフラーとはいえ気がひけます

・・・

 さて、週末。いさんでキックしますが、なかなかエンジンに火が入りません。
 燃料・・キャブのドレインを緩めたら出てきたのでOK。  点火・・OK、火は飛んでる。  圧縮・・・有ると思う・・・
 ん?キャブの取付ボルトが本締めされてない?!(笑)
 締めてからキック5発でエンジン掛かりました。一安心。

ライブ後期顔
ライブDIO顔面となりました。ライト明るい!

<<セッティング編>>2004.09.28

<<その他トラブル編>>2004.10.08

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