2015.12.20

現在の教会はサタニストの影響下にある 6

ロッカとド・ガイタは或るオカルト誌の共同編集者

宗教家でありながら、宗教というものを「頭」で考えること圧倒的に多く、 天国側の「超自然」も悪魔側・敵側の「オカルト」もさっぱり分からないらしい大部分のカトリック司祭と信徒たちへ

ロッカとド・ガイタが「仲間」であることは、Google の検索ボックスに「Paul Roca Stanislas de Guaita」とでも打ってみればすぐに分かります。
その文字列で検索した時、現在(検索結果は時の経過と共に変動しますが)、上位3件に挙がるのは、IAPOP(International Association for the Preservation of Spiritualist and Occult Periodicals)というサイトの記事です。訳せば、「スピリチュアリストとオカルト定期刊行物の保全のための国際交流協会」という感じになるのでしょう。アメリカの非営利団体とのことです。

ロッカとド・ガイタの関係が濃厚であることは、それらの記事を詳しく読むまでもなく、検索結果の文字を読むことで足ります。

検索結果・第一位と第二位

L'Etoile (IAPSOP) - Iapsop.com

www.iapsop.com/archive/materials/etoile/

Publisher: Librairie de l'Art Independant. Editor: Abbe Paul Roca, founder and editor, and Stanislas de Guaita, with "Jules Bois" (Henri Antoine Jules-Bois) as secretary; "Alber Jhouney" (Albert Jounet, 1863-1923), founder, and Rene Caillie ...

Revue des Hautes Etudes (IAPSOP) - Iapsop.com

www.iapsop.com/archive/.../revue_des_hautes_etudes/

Stanislas de Guaita, Paul Roca, and other collaborators of the journal. In early 1887, Dramard withdrew his support and the magazine collapsed. Dramard then devoted his efforts to the new Le Lotus and the Isis branch of the Theosophical ...

このように、ロッカとド・ガイタは同じ刊行物の編集者なのです。

それでも、少しだけ記事の中身を見ましょうか。
検索結果・第一位の記事には、古い雑誌か何かの破れたページの写真があります。そして、その右上の角には「1889年3月」の文字が見えます。

注)そこに表示されているのが「破れたページ」だからと云って、その古い雑誌のようなものが断片しか残っていないということではないようです。そのウェブページの下の方に「Issues:  Etoile V1 N1 Mar 1889, Etoile V1 N2 Apr 1889, Etoile V1 N3 May 1889 … 」と文字が並んでいます。それらの文字は、保存された各号のPDFにリンクされています。

その刊行物の題名「L'Étoile(レトワール)」というのは──私のように語学に弱い人のために説明すれば──フランス語で「星」という意味です。1889年から1895まで、パリで発行されたオカルトの月刊誌のようです。破れたページの上部中央には「N° 1」の文字があります。創刊号だったのですね。

「星」は魔術の世界でしばしば好まれるものです。そして、この月刊誌「星(L'Étoile)」の表題の下には、その通りに、五芒星をあしらった一つの奇妙な図柄があります。

これと同じものが。

この画像は Wikipedia の「Eliphas Levi」の項にあるものです。
(そのページにはバフォメットのもう一つの代表的な図柄もありますね)

この Eliphas Levi(エリファス・レヴィ)という人物については日本語の記事があります。Wiki  人名録

で、この不思議な形象は、左にも英語で書かれているように「エリファス・レヴィのテトラグラマトン」と呼ばれているものらしいです。ただし、「テトラグラマトン」自体は「神聖四文字」という意味参照。しかし、それを取り入れたこの図柄は、その方面の人たちから、或る魔術的な効果が期待されているようです。よく分かりませんが、この図柄を円で囲めば、一つの「魔法円」なるものになるのだそうです。参照

検索結果のあれらの記事の中には、その他にも良からぬ人たち(気の毒な、道に迷った、オカルトな人たち)の名前が並んでいるようです。

そして、次に注目して下さい。

検索結果・第三位

L'Initiation (IAPSOP) - Iapsop.com

www.iapsop.com/archive/materials/l_initiation/

Editor: Papus (Dr. Gérard Encausse) and Georges Montière, with the assistance of F. Ch. Barlet, Stanislas de Guaita, and ... Peladan (1858-1918), Jules de Marthold, Jules Doinel, Jules Lermina, Julien Lejay, Juliette Adam, Abbe Paul Roca, ...

これも同じサイトの記事です。そして、頼んでもいないのに──私は「Paul Roca Stanislas de Guaita」という文字列で検索しただけなのに──ここには「アンコース」の名が登場しています。
「アンコース」とは、先日取り上げた「ガイタ - ロッカ - アンコース 書簡集」に於けるアンコースです。

そして、その記事には「L'Initiation(秘儀参入)」という表題の印刷物の画像があり、その表題の下には先程と同じように一つのシンボルがあります。

これと同じものが。
この画像もまた Wikipedia から頂いたものです。Martinism

これは「Orden Martinista(Martinist Order, マルタン会)」というオカルト組織のロゴで、アンコースは後年、その創始者の後を継いで、そのグランド・マスターになったのだそうです。人名録

「L'Initiation」のその記事ではポール・ロッカは特に大きく取り上げられておらず、大勢の中の一人として名が挙げられているだけのようです。

しかしそれでも──

結論

しかしそれでも、以上のような具合ですから、「ガイタ - ロッカ - アンコース 書簡集」なるものが実際に存在した(している)可能性はあると思いませんか?

確かに「可能性」ということですから、「推測」と云えば「推測」です。しかしそれでも、少なくとも「へっ、そんなの単なる憶測だろ」と軽く笑うことはできないのではありませんか? と云うか、そうしてはいけないのではありませんか? 「警戒」ということに於いて。

いや、間違いました。「警戒せよ」という段階はとうに過ぎているでしょう。あれだけのものが、あれだけ多くのものが出ているのですから。参照: カトリック信者には普通の推理力さえないのか

ポール・ロッカと他のサタニストたちの関係のことはこれぐらいにして、次回からポール・ロッカ自身の思想についてもう少し見てみようと思います。(私には言葉の壁が厚いけれども)

注)関心の対象は「オカルト」そのもの、「サタニズム」そのものではありません。関心の対象は常にこれです──「現在のカトリック教会はオカルティストやサタニストの影響下にあるのではないか?」

閲覧可能なスタニスラス・ド・ガイタの原著(詩集を除く)

  • 呪われた科学についてのエッセイ(Essais de sciences maudites)

メモ

「罪の概念は中世の哲学が聖書の内容を悲観的に解釈したものである、という考えを徐々に刷り込むことによって」

フリーメイソンの雑誌『Humanisme』1968年11月/12月号 より

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