ルームエアコンの洗浄方法

とても好評な弊社のルーエアコン オーバーホールをご紹介します。
詳しくご紹介するため、とても長いページになっておりますがどうぞ最後までお付き合いください。

 

こちらが今回お客様からお預かりした三洋電機のSAP-A22Tです。まずは分解をしていきます。

分解

分解の前に、接続部分を袋ナットで確実に塞ぎ、配管内へのゴミの進入や洗浄で水分が混入するのを完全に防止します。

 

1. 分解手順はまず初めにフィルターと前面パネルを外します。

2. 次に電装品を外します。
  (オーバーホールでは熱交換器を取りずすため絶対に欠かせない作業です。)

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電装品を外すとモーターが見えますがこのモーターは送風機と接続されているのでこの状態では外せません。

 

3. ドレンパンを外します。
最近の室内機はドレンパンが分離できない構造の物も多いですが今回は分解できるので外します

 

ドレンパンは吹き出し口と一体成形なのでフラップ(風向調整羽)と、フラップを動かすスイングモーターが付いています。
水をかけられないモーターと洗う際に邪魔になるフラップ(水平羽)も外してしまいます。

 

フラップを外すとこの様になり、フラップの奥にあるルーバー(横方向の風向調整羽) が良く見えて洗浄が楽になります。


 

4. 熱交換器(エバポレーター)を外します。
  このとき安いエアコンほど配管が折れやすいので慎重に取り外します。
  (熱交換器が外れると送風機が出てきます)

 

5. 先ほど外せなかったモーターと送風機、それらを固定している部品を外すとケーシングのみになり丸洗いが出来るようになります。

 

分解したパーツを並べるとこの様な感じです。
洗えるものは全て水洗いします。

 

洗浄

■ ケーシング

ルームエアコンでは最も汚れる場所になります。洗う前はこの様な状態でした。
 

洗浄の様子です。広く平らな場所はスポンジ等でこすり洗いします。
 

 

   弊社の場合、スポンジでは洗えない狭い場所やデコボコのしたところでは刷毛やブラシを使って洗います。

 

この刷毛洗いのおかげで細かい部分も掃除でき、作業も楽になったので大変重宝しています。

 

 

洗ったあとはすすぎをします。
 

 

■ 吹き出し口とドレンパン

こちらも洗浄前の様子から。
左の写真は吹き出し口を裏から見たところで、右の写真はドレンパン部分です
 

このように細かい部分は洗浄機を使用しても良いのですが完全に落ちない場合が多く、スポンジで洗っても洗い残しをしやすいので基本的に刷毛で洗っています。
フラップを外してあるのでルーバーの洗浄がしやすくなります。
 

ここで洗浄機で洗ったものと刷毛で洗った場合の比較をしてみましょう。
左が刷毛でこすり洗いした場合で、右が洗浄機で洗ったものです。
洗浄機でもソコソコきれいにはなりますがこすり洗いのような状態には出来ませんでした。 

 

洗浄後です。

 

■ 送風機 (FAN)

 

送風機はブラシなどでは洗えないので洗浄機を使います。
ルームエアコンの送風機は表面よりも中の方が汚れるため隙間から中を狙うようにして洗います。
 

 

 

■ 熱交換器(エバポレーター)

洗浄前の状態
 

熱交換器は洗浄機で洗う代表的な部品です。
正面側はもちろん、背面側の熱交換器もしっかり洗っていきます。
 

完全分解で熱交換器をまる裸にしているので裏側からも洗浄できたり、脇の部分だって洗えます。
 
 

洗浄したら必ず "すすぎ" をして薬品を完全に洗い流します。
産業用エアコンなど現地で洗浄する時はすすぎに洗浄機を使用しますが、引取り洗浄の場合は水道水を直接散布する事ができ、しかも大量の水で早く洗い流せるので とても『スッキリ・さっばり』 します。
気持ちの問題かもしれませんがこれがクセになっていて、いつも下の写真のように洗い流しています。
 

熱交換器を乾燥しているところです。
熱交換器はとても乾きにくいので送風機を使って乾燥させます。
引取り洗浄では室内機は寝かせて運搬するので乾燥が不十分だと電気部品を濡らしてしまう恐れがあるため完全に乾燥させてから組み立てを行います。
夏は2時間位、冬は4時間以上かかる事もあり引取り洗浄では1番時間のかかる作業です。 

 

そして、洗浄後です。

 

 

■ 前面パネル

前面パネルの内側は静電気や埃で意外と汚れやすい場所です。こちらも洗浄します。
 
 

 

■ フラップ

フラップ(風向調整のため上下に動く羽)です。
細かいデコボコや狭い場所もあり、洗浄機では落ちない汚れが多いので主に刷毛洗いをしています。
 

 

■ その他のパーツ

細かいパーツは基本的に手洗いです。

 

ねじ類は手でゴニョ ゴニョして・・・

 

基板などの電装品は圧縮空気やブロワなどで埃を吹き飛ばし・・・

 

モーターは拭き掃除をします。

 

メンテナンス

ルームエアコンの引取り洗浄は無償で軸受けのグリス(油)交換をしています。

送風器の軸受けについている古いグリスを除去して

新しいグリスを入れます。

 

 

これで洗浄作業は終了になります。

長いご紹介でしたが最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 

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