テキスト ボックス: 1989年の立川市議会決議とNPO法人たんぽぽ設立の経緯

 

1989年の立川市議会決議と、喫茶コーナーたんぽぽ、心身障害者訓練事業所 NPO法人たんぽぽ設立の経緯

2010年06月12日  

 今から二十数年前、立川市在住の障害者の人々が立川市の中央公民館に障害者が働ける喫茶コーナーを設立するため、市内各障害者団体や障害者個人に呼びかけ「喫茶コーナー」を運営するための組織づくりや喫茶実習を積み重ね、「障害者の自立を目指して喫茶コーナーを創る会」を設立しました。そして、「障害者の働ける場と触れ合いの場の設置と、運営費助成の検討を求める請願」を市議会に提出、採択されました。 請願の要旨は下記の通りです。

 

−−−− 請願の要旨 (「障害者の働ける場と触れ合いの場の設置と、運営費助成の検討を求める請願」 より抜粋) −−−− 
 立川市中央公民館一階ロビー等公共施設に「喫茶コーナー」ができるような設備の設置と、運営に関しての助成の検討をお願いいたします。

 「障害」のある人ない人がともに生きる地域社会のあり方の一つとして、障害者が働けて、一般市民と触れ合いながら「障害」の社会的理解になるような場が、隣の国立市の公民館内喫茶店「わいがや」を筆頭に、幾つかの三多摩地区の公民館内や公共施設内に喫茶コーナーができています。

 立川市においても、以前から「そのようなところなら働いてみたい」と思っている障害者は少なくありませんでした。そこで、私たちは市内各障害者団体や障害者個人に呼びかけ「喫茶コーナー」を運営するための組織づくりや喫茶実習を積み重ねてきました。

 その結果、私たちは「喫茶コーナー」を立川市により設備を設置していただき、運営費の助成をお願いできれば営業できるめどがつきました。

 そこで貴議会におかれましては本請願の趣旨について審議を賜り、御採択くださるようによろしくお願い申し上げます。

−−−−−−−− (以上、請願の要旨) −−−−−−−− 

 

 市議会では「障害者と健常者との触れ合い交流や障害者の自立のための援助は公民館の本来の事業目的に沿っているころから、積極的に推進されたい」との見解が示されています。

 こうして市議会決議に基づき、中央公民館(現在の柴崎学習館)のロビーの一角に障害者が働く「喫茶コーナーたんぽぽ」がつくられました。

 「喫茶コーナーたんぽぽ」は、「心身障害者訓練事業所たんぽぽ」として心身障害者訓練事業を都から委託されたという形態として運営されてきました。社会福祉の増進に努めることは国の責務(憲法25条2項)であり、その一部を民間市民の任意団体が運営しているというような形態です。

 設立当初の「障害者の自立を目指して喫茶コーナーを創る会」は「障害者の自立を目指す会」となり、後に「たんぽぽを支える会」として、多くの一般市民の方々の参加と支援を頂き、たんぽぽを支えてきました。そして、多くの人々がたんぽぽで何かを学び経験を積んで巣立って行きました。たんぽぽは多くの人々の参加と支援によって二十年以上もの間続けてくることができたのです。

 そして平成19年には、障害者自立支援法の影響により、「NPO法人たんぽぽ」が設立され、NPO法人がたんぽぽで働く利用者や職員を募集・雇用するという形態として運営されることになりました。また、障害者の社会参加と自立支援のひとつとして、喫茶コーナーの運営だけではなく、「ハンドメイドたんぽぽ」などの心身障害者訓練事業も行っています。

 

 

 

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<関連資料>

(1)請願第十一号 障害者の働ける場と触れ合いの場の設置と、運営費助成の検討を求める請願(全文)

(2)昭和六十三年十二月十二日 立川市議会 厚生委員会記録 (抜粋)

請願第十一号 障害者の働ける場と触れ合いの場の設置と、運営費助成の検討を求める請願(継続)

(3)平成元年三月二十二日  立川市議会 厚生委員会記録 (抜粋)

請願第十一号 障害者の働ける場と触れ合いの場の設置と、運営費助成の検討を求める請願(採択)

(4)立川市議会 厚生委員会審査意見報告(抜粋)

請願第十一号 障害者の働ける場と触れ合いの場の設置と、運営費助成の検討を求める請願(採択)

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