創型会ホームページ

美術研究会「shoot」について

1.名前について
美術研究会の名前は、今後創型会の更なる発展を期待して「新芽(a shoot)」を育てる活動を念頭に「Shoot」としました。

2.活動方針について
美術研究会で芸術を学び、作家自身に「新芽(a shoot)」を発芽させ、新風を吹き込んだ作品を発表することで創型会発展の一翼を担います。
主なテーマは、美術史・近現代美術などで交互に開催します。必要に応じて国立東京博物館等、都内の美術館にも出向いて作品を観ながら進めます。
 参加者1人ひとりが当時の作品(写真等)を観、考え、その時々の人達がどんな思いで創作していたか、どんな技法を用いていたかを研究し、自身の芸術性を高めていきます。

3. 活動
多くの仲間が集まり、美術史上の立体彫刻について話し合えることは有意義で楽しいものです。また、自分自身経験したことのない作品の造形法なども知ることができて勉強になります。奮ってご参加ください。美術研究会は、参加できるときに自由に参加できます。

参加希望者は下記担当者に連絡をください。
創型会 美術研究会Shoot世話人:奥野良一
  ℡03-3614-3600
  e-mail:qq749t6d@cosmos.ocn.ne.jp


「美術研究会shoot」活動報告

2017.10.8

第73回活動報告

日  時:2017年9月28日(木)9:45~12:00
場  所:上野東京文化会館 4F 小会議室2
 
1.内容
1)国立アートビエンナーレの概要
  国立市で開催される彫刻展の概要を説明した。応募は、最初にマケットを提出し、入選すれば本制作になる。
  本作品は公園に設置される。
2)2017年行動展、新制作展を観て
  両展覧会とも質・量ともに素晴らしく、様々な作品の表現は参考になった。会場は広く見易い展示であった。
3)来年の創型会春季展課題展について
  2018年春季展の課題展案は現在「触れる彫刻展」があるが、課題はメンバー全員の意見を聞いて決める必要があるため課題の提案をお願いすることになった。
4)小川猛志氏自作作品解説
  今回は時間の関係でアトリエと彫刻紹介のみになった。彫刻では、卒業制作で4トンの石と格闘し仕上げたエピソードを語った。加工の苦労、それに伴う騒音、作品価格の交渉など、芸術表現とは別に苦悩があったとのこと。彫刻家を目指していた若き日の熱い思いが伝わるプレゼンでした。
  
2.次回第74回SHOOT予定
日  時:2017年10月26日9:45~12:00
場  所:上野東京文化会館 4F 小会議室2
課  題:・ジャコメッティの作品紹介について
・課題展について
     ・初期から現在に至る自作作品について
     ・中国仏教について


     
以上




第54回の様子

「美術研究会shoot」企画

美術鑑賞等の特別企画について、こちらでお知らせします


第六回 レオナルドとミケランジェロ展」鑑賞会報告

美術研究会Shoot「レオナルドとミケランジェロ展」鑑賞会報告

美術研究会Shoot「レオナルドとミケランジェロ展」鑑賞会報告

2017年10月29日


 今回の鑑賞会「レオナルドとミケランジェロ展」を三菱一号美術館で行った。最初に二巨匠の素描を見比べた。レオナルドの作品≪少女の頭部/<岩窟の聖母>の天使のための習作≫と自画像は極細線で一本もムダの無い完璧なものであった。一方ミケランジェロの≪<レダと白鳥頭部>のための習作≫の削り取るような斜線のタッチは立体感を意識していたような表現であり感動した。二人に共通する言葉は「いつでも素描しなさい」・「素描が基本」で追随者や弟子にそれが受け継がれていたようである。
 次は二人の失われた作品が追随者によって伝えられてきた油彩を見た。≪レダと白鳥≫に見られる二人の対比である。レオナルドの絵は男性性の強いレダと白鳥が印象的で風景とマッチした作品であった。その点ミケランジェロの方は優美な女性の横顔が印象的でレダと白鳥を向い合せにしていた。前述の素描がここで生かされていた。
 最後のコーナーでは、ミケランジェロの大型大理石像が展示されていて鑑賞者の注目を集めていた。≪十字架を持つキリスト≫未完の彫刻は後に他の彫刻家により完成されていた。彫像はゆるやかなS字を描くポーズが美しく胴体の筋肉や膝の表現に迫力があった。
 この作品展を通して素描の重要性を知った。また、レオナルドは多様性に優れた画家でありミケランジェロは創造性豊かな彫刻家であることを認識させられた。


「美術研究会shoot」企画報告

第五回 美術鑑賞会を終えて

2016年12月18日


 去る11月30日に恒例の美術鑑賞会を実施した。参加者は美術研究会のメンバー7名で、その概要は次の通りである。
 午前中は朝倉彫塑館を見学した。丁度「初めての父娘三人展」の開催中で父と二女のブロンズ像を間近に眺めることが出来た。二人共愛すべき人間像を追求していただけにどの作品も均斉のとれた肉体の優美さは見事でした。また長女の日本画家を目指したモチーフも父と同じ人であり、そのデッサン力は力強かった。
 午後は国立博物館で平安時代の秘仏「大観音と御仏たち」を鑑賞した。高さ5mを超す11面観音菩薩像は圧巻で慈悲深く感じられた。その他の神仏像は金箔が剥がれて時代を思わせる名品が多かった。常設展では高村光太郎の「老いた人」をはじめ門下生の木彫があり興味深く鑑賞した。東洋館ではシルクロードを経てガンダラーから中国へ伝来した仏教美術の変遷を、石仏を通して学ぶことが出来て大変有意義な会で終わった。


「美術研究会shoot」企画報告

堀内正和彫刻展鑑賞 関口美術館(東京江戸川区中葛西)

2016年8月19日


関口美術館東館で開催されていた日本の抽象彫刻の先駆者である堀内正和(1911年-2001年)の彫刻展を、Shootの有志で訪れました。
1Fはマケットや鉄の作品、2Fは鉄の棒を曲げた作品や鉄板・パイプを溶接した作品が展示されていました。シンプルな形の中に人の感情を揺さぶるものを秘めた作品でした。制作技法においても、どのように鉄素材を構成したか分からない作品があり、溶接の痕跡が無いため鉄パイプの一部を切断して曲げただけでは造形できない不思議な形でした。
本館では、戦後を代表する具象彫刻家・柳原義達(1910年-2004年)の人体と鳩の彫刻の他、屋外に鉄のオブジェが展示してありました。人体は具象彫刻といってもかなりデフォルメされており、具象的な抽象彫刻のようでした。その中の作品≪犬の唄≫は、手を後ろに廻し空を仰ぎ見るような作品で、何かのメッセージを込めた作品のように感じました。学芸員の方の「これはレジスタンスを表現した作品です」との説明に、レジスタンスをどのような造形で表現されているか改めて観ました。後ろに廻され身体に密着した右手は、握手など差し伸べるべき手であり、それを拒んでいるように思えます。そして空を仰ぎ、何を思うのか。個性的で魅力的な造形と様々な意図を考えさせられる作品でした。


「美術研究会shoot」企画報告

創型会・美術研究会shoot・第4回美術鑑賞会 活動報告


○日 時: 2015年10月15日(木)10:00~16:00 快晴 ○鑑賞先:
①東京・中野区・哲学堂公園内(哲学の庭)・ワグナー・ナンドール作ブロンズ像鑑賞
②東京・小平市・武蔵野美術大学 「図書館」見学 ・ 「美術館」鑑賞
③東京・小平市・彫刻家・平櫛 田中美術館鑑賞
○参加者:
小川猛志・奥野良一・尾崎英道・久保田芙美像・堺恵子・佐藤光勇・関口マリ・高野竜生・田島佑子・戸田尚代・洞内史郎・本田紘一・村上宗一・森田佑子 ・ 計14名
○概 要:
①東京都中野区にある哲学堂公園は、哲学の世界を視覚的に表現し、哲学や社会教育の場として、他に例を見ない公園。その公園内の一角に「哲学の庭」があり、ハンガリー出身(日本帰化)の彫刻家(ワグナー・ナンドール氏)作の老子・釈迦・キリスト・聖徳太子・アブラハム・ガンジー像など計11体の哲学者ブロンズ像を鑑賞。
いま哲学ブームの中、印象に残る公園であった。 ②武蔵美の学食で昼食後、図書館を特別許可を得て見学。図書館は2010年に改築し、斬新な建築と内装にあり、ITCの新技術を導入したすばらしい図書環境。 また、後にリニューアルした同校の美術館に入館。 1960~80年代に日本のグラフィクデザインをリードしてきた亀倉雄策氏のオリンピックポスターの他、永井一正氏・田中一光氏・福田繁雄氏・石岡暎子氏4人のポスター展を鑑賞。 更に、併催の舞台美術家の堀尾幸男氏が手がけた舞台模型を鑑賞後、平櫛田中美術館へ向かう。 ③平櫛田中美術館は、小平市内の閑静な地にある邸宅を美術館として昭和59年に公開。 明治・大正・昭和の3時代を通して日本の彫刻界をリード・文化勲章を受章。 特に「伝統」と「近代」の間に表現の可能性を求め20年の歳月をかけて完成した <鏡獅子>は、田中美術の集大成を見ることが出来る。 同美術館には50センチ台の<鏡獅子> 展示を鑑賞。その他、展示<尋牛><気楽坊>など数十点を観ることが出来た。更に、秋季展示では田中氏が晩年に趣味で行った書作や遺品等を鑑賞し感動の1日を過ごす。                                      記:おざき