メディアとつきあうツール  更新:2003-07-03
すべてを疑え!! MAMO's Site(テレビ放送や地上デジタル・BSデジタル・CSデジタルなど)/サイトのタイトル
<ジャーナリスト坂本 衛のサイト>

2003-06-13

テレビ、その「弱さ」の研究 レジュメ5
――「免許」に見るテレビの弱さ

0)先週の「逆コース」補足

1)国・政府の放送局支配の源泉=放送免許

・言葉=許認可行政/許認可権/行政改革

・NHKと民放で、その効果はやや異なる
 →ある地域でNHKに免許を出さず、他民放に出すということはあり得ない
 (「あまねく普及」義務・責任のNHKは、必ずその地域の放送局第一号の一つ)
 →免許で縛ることができるのは民放、NHKは人事と予算で縛る

2)免許はどのように下されるか?

・言葉=免許申請の一本化

・1959年(昭和34年)田中角栄の一括大量免許
 →若手実力郵政相が赤鉛筆ナメナメ一本化調整
 →以後、郵政相は田中派「郵政大臣はテレビを支配できるだけじゃない。新聞を支配できる」
 →角栄の首相就任直後の軽井沢発言「君らの上司のことはすべて知っている。怖いのは番記者の君らだけだ」

・1968〜70年 ネット化進むなかU局免許

・1980年代半ば〜 多メディア/多チャンネル化のなかでの免許

・2003年 地上デジタル免許

3)課題

・戦後、政府が局に対し「免許」で脅した(「免許」を取り上げると)脅したケースを調べてみよう
 →椿発言事件(1993年 テレビ朝日椿報道局長発言事件)、地上デジタル放送の予備免許(この前)

※実際に授業で配ったのは、当日電車の中で書いたアラアラ版。以上は大幅に加筆してある。
※このレジュメからわかるように、本研究は地上デジタル放送など現在進行形の事例も扱う。たとえば、そのスタート時期が地上免許更新に合わせて設定され、局が免許で脅されている側面があることは、どの教科書にも載っていないどころではない。新聞にも(たぶん坂本が書いたものを除き)1行も載っていない。心して受講せよ。