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咳、痰、ぜんそく、肺疾患の漢方薬、自然薬
■ 咳、痰がでる時と言えば、
たいていの人は、風邪を引いて咳や痰を経験します。
この場合、長くても３日から１週間くらい続きますが、免疫が十分な方はほおっておいても自然と治ります。またその間、苦しい症状を和らげるために風邪薬、咳止め、去痰剤を服用するかどうかはご本人に判断によるでしょう。
ただし、虚弱体質等により免疫系がうまく働かない方は、重症化を避けるために体質に合ったお薬が必要になってきます。
■ 咳、痰が２週間以上続くとき、
この場合は念のため、呼吸器科のクリニックを受診することをお勧めします。
当初は風邪であっても肺炎に進行していたり、何か別の病気にかかっているかもしれません。自己判断は禁物です。
■ 病院でお薬が処方されたら
病院では、診察の結果、お薬が必要と判断されれば順当に何種類かの薬が処方されるでしょう。そして、うまくいけば、症状も落ち着くはずです。ただ、ここでぜんそくやCOPDなどの慢性肺疾患と診断されると、長く飲み続けなければならなくなることも・・・。
因みに、薬を飲み続けることへの不安と手間を考慮しても、この例は咳や痰が続いた方の中でも良い方の例です。一方、悪い例では病院の薬を長期服用しても、満足に症状を抑えることができなかったり、薬が体に合わなくて飲み続けることが困難であったりします。
■ 現代漢方薬のメリット
前出の悪い例に当てはまってしまった人は大変です。しかし、治療の選択肢はまだあります。病院のお薬で症状が改善できない咳、痰、肺疾患の症状に対しても、ある種の漢方薬や自然薬は効果を発揮するのです。
ここで漢方薬の作用をポイントに絞ってご説明します。
１、気管支を広げて呼吸を楽にする。
今までは、副作用に注意さえすれば、現代薬の方が気管支を広げる効果が高いと考えられてきました。ところが、慢性的な咳、喘鳴などの症状には、気管支拡張作用のある漢方薬が副作用も少なく効果的に働く例が出ています。ただ単に人間の考えで生薬から成分を抽出したものや化学合成したものを使う方が効果が高いとは一概に言えないようです。
漢方３千年の歴史は、まだまだ貴重な財産といえましょう。
２、痰の考え方
一般的に、咳をして痰がでれば「痰」があることがわかります。これを「喀痰(かくたん)」と言います。逆に、咳をして痰がでなければ、それを「空咳(からぜき)」と言います。
空咳でも、痰があるとする考え方？
咳をして痰がでなくても、その他の状況や証を勘案して、咳の原因を痰であると考えることがあるのです。漢方では特にこの傾向が強いと思います。
一つに「無形の痰」という考え方が漢方にはあります。またその他、漢方の痰は喉を通って口から排泄せれる痰だけを指すのではありません。たとえ痰が喉にからんでいなくても、「痰」の症候が弁証できれば、痰が肺に留まっていると捉えることがあります。
そして、このような場合に使われる漢方薬は、現代の去痰薬とは異質なもの(生薬)であるのが特徴的です。
これはある種の漢方薬に使われる生薬「麻黄」とそれから抽出・発見された成分「エフェドリン」で作られた西洋薬が、気管支拡張作用という点で同じ作用機序であることとは異なります。
つまり、漢方の化痰薬(痰を消すの意)と現代の去痰薬とは少し違った作用機序で咳を抑えるのです。
そして、実際に形ある痰が多量に出る場合は、気管支の炎症(漢方では熱毒)と水分代謝の異常(漢方では水毒)が関係するため、それらを中心に治療します。
またある報告によると、咳、痰に関連して肺に直接作用する漢方薬でも十分効果が得られていますが、さらに重症又は長期間症状が続いている人では、体全体の気血水のバランスを整えてあげると症状の軽快がより確かなものになるそうです。
あきらめずに、自分に合った漢方薬をうまく使うことで、きっと咳や喘鳴、胸のモヤモヤが改善されることでしょう。
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