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ひょっとして直前に食べた食べ物がわるかったのかなあと悩んでしまいます。しかし、どうしてお腹が痛くなったのか解せないときもあります。
今回は、日常経験する腹痛がどうして起こるのかについて、生理学的な視点でお話ししたいと思います。
■ 腹痛の種類
神経生理学的に、腹痛は次のように分類されています。
内臓痛・・・重苦しく、締め付けられるような痛み。場所がはっきりしない。
臓器の異常収縮または急激な伸展により生じると言われています。
体性痛・・・鋭い持続する痛み。場所がはっきりしている。
炎症や刺激が腹膜などの体内内壁に及んだ時に起こると言われています。
関連痛・・・強い内臓痛に伴って腹部以外のところにも痛みが生じること。放散痛とも
言われる。
痛みというのは、体の損傷、障害を知らせる一種の危険信号です。
腹痛も然り、痛みが長引いた場合や強烈な疼痛は、病院でしっかりとした検査をする必要が出てきます。
しかし巷には、病院で検査をしても異常が見つからず、一般的なお薬を飲んでも治まらないという腹痛があります。
現代医学では、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などと呼ばれるものがこれに当たるでしょう。また、これらは器質的な病変がなく、機能的な消化管の障害と考えられています。
■ 漢方薬が効果的な腹痛とは?
まず、今回お話に取り上げる「腹痛」は現代医学検査において器質的病変の確認できないものについてのお話です。
例えば消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、消化管ポリープ、術後の癒着、子宮筋腫、子宮内膜症、胆石、胆のう炎、その他消化管以外の病変などは、病院の検査で原因が判明する場合がありますのでそれに準じた治療が必要であり、今回のお話の対象ではありません。
因みに、漢方薬は器質的病変がある場合にも効果的に作用しますが、速やかに症状をなくすことできるかどうかの視点でみると、器質的病変が確認できずに腹痛等の胃腸症状を訴えている場合にこそ、特に漢方薬の効果が著しいと考えています。
さて、腹痛の発生は大きく2つに分けることができます。それは、前出の内臓痛と体性痛です。このうち、体性痛は主に炎症という器質的病変のために起こるので、今回のお話の対象となる腹痛ではありません。
つまり、漢方薬の最も得意とする腹痛は内臓痛であると私は捉えています。
■ 内臓痛はどうして起こるか?
内臓痛は前出の通り、消化管の異常な収縮と急激な伸展により生じると言われていますが、消化管がどのような状況になると痛みを感じるほどの収縮や伸展を起こすのかについては明確にされておらず、疑問が残ります。確かに、消化管の収縮と伸展を起こす原因はいろいろと考えられますが、消化管の構造と運動を生理学的に捉えた結果、その主な要因は消化管の痙攣と消化管の内圧の上昇であると私は考えています。
一般的に、痙攣が胃で起これば「胃痙攣」と呼ばれ、大腸で起これば「痙攣性便秘」を引き起こすことが知られていますが、消化管臓器がすべて筋肉でできていることを考えると、口から肛門までのどこに痙攣が起きても不思議ではないでしょう。そして、その痙攣の程度により痛みを起こすものと考えています。表現は悪いですが、足がつって痛いのも、筋肉痛も、安静時狭心症の胸痛も、突然の痙攣、筋肉の収縮で痛みを起こすということでは、基本的に消化管も一緒であると考えています。
また、消化管の伸展では、器質的病変が見当たらない場合、自律神経を含む機能的運動障害の他に、消化管の内部環境が影響すると考えています。それは、何らかの原因で消化管の内圧が上昇して腸管が膨らみ、消化管の伸展が限界を超えると痛みが起きるというものです。
■ 現在の腹痛に対する痛み止め
実は、内臓痛の一つの要因である消化管の痙攣を抑えるお薬は以前から存在します。それは、病院ではよく使われている鎮痙薬(ちんけいやく)と呼ばれるもので、消化管を支配する迷走神経に働いて痙攣を抑制します。
この系統の薬の問題点としては、口渇、眠気、排尿障害などの副作用が起こることがあることです。そのため、これらのお薬は主に病院から出され、ドラッグストアなどでは手に入りません。
因みに、漢方薬の中にも消化管の痙攣を抑える作用のものがあります。これには、西洋薬のような副作用もなく安全に使うことができるのでお勧めです
また、もう一つの問題点として、鎮痙薬は内臓痛であっても効かないケースがあるということです。
なぜかというと、これは鎮痙薬が消化管の収縮・痙攣によって起こる場合にしか有効ではないからであると私は考えています。つまり、消化管が伸展した場合の痛みには対応していないのです。
■ 腸管の内圧とは?
内臓痛のもう一つの要因である腸管の内圧はどのように変化するのでしょうか。
大きな因子と考えられるのは、未消化物と腸内細菌を含む腸内環境と、腸管の蠕動運動です。
このうち、腸管の蠕動運動では、局所の痙攣により腸管の運動が止まって内容物の移動が渋滞すると、痙攣の直前の所で腸管の内圧が上昇します。
ただ、消化管はある程度までの伸展には対応できるため、もちろん少しぐらいの腸管の伸展では痛みを起こすことはありません。
では、痛みが起こる場合と起こらない場合では何が違うのかというと、それは腸管の内部環境です。
悪い腸内環境というのは、例えば、腸管内で発酵や腐敗の活発な場合であり、容易に腸管の内圧が上昇しやすく、腸管の伸展により腹痛を起こしやすくなると考えられます。
そのため私は、腸管内圧を上昇させやすい腸内環境を改善することを目的に漢方薬を探しました。
■ 腸内環境とは
腸内環境を変えるとなると、数か月以上かかるのではないか?と思う方もいるかもしれませんが、それは違います。
確かに腸内細菌叢のバランスの観点からみるとある程度時間がかかるかもしれません。ただ、痛みなどの胃腸障害を引き起こしている現時点での腸内環境としては、新たな摂取物(漢方薬)によって即時その環境を変えることができます。
私は、これを即時的腸内環境と呼んでいます。食べ物などの影響により変化した腸内環境がこれに当たり、例えば食中毒を起こした時の腸管内は顕著な例と言えます。
また、過敏性腸症候群などのように食べ物や他の刺激に過敏に反応してお腹を壊す場合も即時的腸内環境の悪化と捉えています。
しかし、一般的な腸内環境と言えば、体質、食生活、生活環境が複雑に絡み合い、影響した中で作られるものであるので長期的な環境を指していると言えます。
突発的な腹痛などの胃腸障害では、即時的腸内環境の改善で元の健康な胃腸に回復しますが、慢性的な腸内環境の不良がある場合は、再発予防のため、食生活や腸内細菌叢を含めた抜本的な改善が必要になってくると思います。
自然環境が正によい例で、公害などのように、人体にとって悪い環境は病気を生む元となります。それは体の内部、腸管内についても同じことで、消化管内の環境の悪化は胃腸障害につながると考えられています。
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