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いわさき薬局は北海道苫小牧市の漢方薬局・相談薬局、漢方薬・自然食品の専門店です。

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心臓病のための漢方薬

 

「ひょっとして心臓病では?」
と考える時はどんな時でしょう。


(むね)()けられるように(いた)くなった」

動悸(どうき)()まらない」

(みゃく)(みだ)れたり、()んだりするのを(かん)じる」

「ちょっと(うご)いただけで息切(いきぎ)れがひどい」

 

たとえ、医学的な知識がなくても上記の症状を自覚した時は、何かしら心臓に異変が起こったのではないかと心配になってしまうのが普通だと思います。ただ、症状の程度にもよりますが、上記の胸痛、動悸、不整脈、息切れなどの症状は生理的な条件下で健康な人でも自覚することがあるので、心配だけで終わってしまうケースも多々あります。

ですが、中には重症な病気のシグナルであったにもかかわらず、ほっておいたために病院に運ばれる羽目になってしまったり、症状をひたすら我慢したりする人もいるとのこと。症状が少しでも気になるようでしたら、お近くのかかりつけの薬局に相談するか、または病院で一度検査してもらうことが必要であると私は考えます。




■ 心臓病といえば、どんな病名を思い浮かべるでしょうか。



心不全(しんふぜん)狭心症(きょうしんしょう)不整脈(ふせいみゃく)などはよく耳にすると思います。

心臓病と一言(ひとこと)で言っても、この他、急性心筋梗塞、先天性心疾患、心臓弁膜症、心内膜炎、心筋疾患、心膜疾患、心臓腫瘍などがあります。心臓病をミクロの領域で検査・診察し、その診断に沿って治療にあたる現代医学の功績はすばらしいものであると私自身は考えています。

一方、漢方には独自の理論があり、まず、病気を陰陽(いんよう)虚実(きょじつ)などのように巨視的(マクロ)・全体として捉えるという特徴があります。また、漢方は体に現れた症状に対して体のバランスの乱れを調べ、症状の誘発因子について対応策を講じるものともいえます。

そして、体内のバランスを生薬の刺激で是正することでその症状が取れるのであれば、場合によっては対症療法として化学合成品を服用し続けるより安全で有益であるというのが漢方薬を服用する利点であると私は考えています。

ここでは、心臓病の漢方についてお話するにあたり、現代の心疾患の病名について言及するのではなく、心臓に関わる各種症状についてお話を進めたいと思います。

なお、心臓病に関わる症状には、胸痛、息切れ(呼吸困難)、動悸、浮腫、失神、チアノーゼ、ショックなどがありますが、今回は「胸痛」と「動悸」と「息切れ」についてお話します。

 


胸痛とは

 

胸痛とは、胸の不快感から胸部のあらゆる痛みを指します。痛み自体、主観であって数値的に計ることができず、人それぞれ表現も様々であるため、胸に何らかの違和感があれば胸痛を考慮する必要があります。
また、胸の痛みというのは心血管系を中心とする緊急性の疾患であることが多いので、注意を要するとも言われています。

 

■ 胸痛のときの対処法

 

まず、必ずしも「胸痛=心臓病」ではないことに注意してください。胸痛は、心臓病・循環器疾患の他に、自然気胸、胸膜炎、消化性潰瘍、逆流性食道炎、肋間神経痛などでも起こります。
因みに心臓病の胸痛では、胸の深部の痛みで圧迫感があると表現されることが比較的多いです。

それでは参考までに、もし私が胸痛を自覚したら次のように行動します。

 30
分以上も胸の激痛が続く → 救急車を呼ぶ。 (急性心筋梗塞かも?)

★ 5~10分続く胸痛が起こる → 内科を受診する。(狭心症かも?)

★ たまにちょっとだけ胸が痛くなる。 

   → 毎年、職場や市町村の健康診断を受けていなければ、一度内科を受診する。

★ 毎年、健康診断を受けて異常なしのはずなのに、胸が痛くなることがある。 

                           → すぐに漢方薬を飲む。

 

 

■ 心臓病の胸痛に対する漢方・中医学の処方

 

心臓病の胸痛は、漢方・中医学の病証名では「胸痺(きょうひ)」の症状として取り扱うことができます。「胸痺」とは胸部が悶痛し、甚だしい場合は胸痛が背部にまで達し、息切れして横になれないなどを主症状とする疾患を指します。現代医学では、狭心症に相当します。また、「胸痺」の重症例を「真心痛(しんしんつう)」と呼んでいます。古来漢方の医学書『霊枢(れいすう)』『厥病(けつびょう)』においては、「真心痛」では手足が関節まで青白くなり、心部が激しく痛み、朝に発病したものは晩には死亡し、晩に発病したものは翌朝に死亡する、と述べられています。つまり、現代の「急性心筋梗塞」に相当します。細かいところは別にしても、現代の虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)が漢方・中医学でも昔から治療されていたことがお分かりいただけると思います。

現代では、胸痛の原因が病院の診察で心疾患であると明らかになった場合、原則、病院治療は欠かすことができませんので血行再建術、薬物療法などの治療を開始する必要があります。

ただ、原因が今ひとつはっきりしない場合、西洋薬を服用しても症状が改善しない場合は漢方薬の服用が功を奏するケースが多々あります。

 



★ ずばり、心臓病の胸痛を治療する漢方薬は


血府逐?湯(けっぷちくおとう) 

主治  胸中血?(きょうちゅうけつお)血行不暢(けっこうふちょう)

効能  養血活血(ようけつかっけつ)、じょ肝理気(かんりき)

解説 「胸中血?」とは、胸部に血液の循環を阻害して痛みを起こす?血(現代でいう
    血栓や動脈硬化等を指しています)があるものの意。「血行不暢」とは、血行
    不良とほぼ同義です。

    つまり、血府逐?湯がこのような素因を持つものを標的として使用すべきと述
    べられています。

   「血府逐?丸」

 




冠元顆粒(かんげんかりゅう)
 

主治  気滞血?(きたいけつお)

効能  活血化?(かっけつかお)理気止痛(りきしつう)

解説 「活血化?」とは、血行を阻害している病理物質(?血)を排除し、血行を促進
    するという意味です。

    「理気止痛」とは、気を巡らせて痛みを止めるという意味です。
     冠元顆粒はもともと、心筋梗塞・狭心症などの冠動脈疾患を適応とした
   「冠心Ⅱ号方(かんしんにごうほう)」という中国の処方をさらに改良して作られたものであるので、
    これも心臓病を標的とした処方と言えるでしょう。

  「冠元顆粒」 

 

 





動悸とは


 

動悸とは通常では自覚することのない心臓の拍動・鼓動やその乱れを自覚することをいいます。

生理的な動悸は運動時や精神的興奮時などに自覚しますが、この時は自分の心臓の鼓動を感じる理由について自分でも理解できているので、たとえ胸が高鳴ってもなんとも思わないでしょう。しかし、今ここで言及する動悸というのは、胸がどきどきする状況ではないと自分では思っているのに、理由も分からず鼓動を感じることに不快感を覚えるという状況です。

 

現代の動悸の原因としては、循環器系では心拍数の増加、一回拍出量の低下(心不全)、不整脈、高血圧などが挙げらます。また、心臓病・循環器疾患の他では貧血、発熱、低血糖、心因性のパニック障害などでも、動悸は起こることがあるのです。

 

■ 動悸を頻繁に自覚したら?

 

個人的な話、私も動悸を経験したことが何度かあるのですが、私の場合はたまたまひょんなきっかけで起こり、ほっておくと自然に消えていたというものでした。毎年の健康診断では引っかかったことがないので、あの時は疲れていたのかなと後になって考えるのです。しかし、世の中にはこのような動悸を長期間継続的に自覚している人が結構いるとのこと。

上記の私の例にもあります様に、誰しも健康診断で正常であっても動悸を自覚することがあるという事実を踏まえ、もし動悸を頻繁に自覚するようでしたら、まず、内科でしっかりと病気かどうか確認してもらいましょう。もし、何か異常が見つかれば、その治療に専念すればよいと思います。

ただ、検査で何も見つからなかったり、病院治療を開始しても症状が治まらなかったりしたときは、漢方薬で症状をとるという方法があります。

 

■ 動悸に対する漢方・中医学の処方

 

動悸は漢方・中医学では「心悸(しんき)」という病証に相当します。また、心悸は「驚悸(きょうき)」と「??(せいちゅう)」に分類されます。

「驚悸」は外因、現代でいうと心因性の動悸を指し、「??」は内因、つまり精神的なもの以外の体内病理変化が原因で起こる動悸を主に指しています。

 

★ 心悸(動悸)を中医学の素因別に分類し、対応処方の例を挙げると次のようになり
  ます。

1、よく驚き、何かに怯える素因あり → 不安感をとる → 柴胡加竜骨牡蠣湯

2、血色の悪い素因あり → 心の機能を改善 → 生脈散、炙甘草湯、帰脾湯

3、()せ型で体がほてる素因あり → 陰を補う → 天王補心丹

4、冷え性の素因あり → 心陽を補う → 桂枝加竜骨牡蠣湯

5、水分停滞の素因あり → 水分の停滞を改善 → 苓桂朮甘湯

6、?血(血行不良)の素因あり → 血管の狭窄を改善する → 血府逐?湯

 

さらに日本には、心因性と心臓病の両方の動悸に対応できる素晴らしい漢方処方があり、昔から重宝かつ愛用されています。

  妙泉(みょうせん) 牛黄清心元(ごおうせいしんげん)

  救心(きゅうしん)



これらの特徴としては、イライラ・意識障害などの時、症状を緩解させる開竅薬(かいきょうやく)牛黄(ごおう)」「麝香(じゃこう)」などが配合されていることと、肺の気を補うことで血脈を主導する「心」の働きを助ける「高麗人参(こうらいにんじん)」を配合し、心臓や意識の状態が不安定な場合にも即効性が認められることです。

上記漢方処方を単独で服用、または中医学弁証の処方と併用して体のバランスを整え、症状を予防するということでスムーズに動悸の症状から開放されることと思います。
 

 





息切れとは


 

息切れとは、ハアハアと息が切れたり、息をすることが難しかったりする状態を指します。また、呼吸がいつもと違うというような違和感・不快感を伴う症状を含みます。なお、巷には言葉の使い分けをする方もいますが、呼吸困難と同じ意味です。

 

 

■ 心臓病の息切れとは?

 

激しい運動をした後は誰でも息が切れます。問題なのは、軽い運動をしただけで息切れを感じるということです。この場合は呼吸器疾患や心疾患、その他に根本的な原因がないか調べる必要があります。

ただ、息切れ・呼吸困難の原因疾患の頻度としては、呼吸器疾患が75%、心疾患が10%と言われていますので、本来であれば、息切れ・呼吸困難を訴えれば、まず呼吸器疾患を疑うということになるでしょう。

しかし、もともと呼吸器疾患がある人もない人も、息切れ・呼吸困難という症状に心臓が関係していることがあるという事を知ることは、ご自身の健康を把握する上で大切であると私は考えています。

 

★ 心臓病における息切れとその特徴

1、心臓病としては主に心不全により肺うっ血をきたすことで息切れを起こします。

2、心不全の息切れでは、横になった状態で症状が増悪し、座った状態で症状が楽になり
  ます(起座呼吸(きざこきゅう))。

3、心不全の息切れでは、動悸、冷や汗、疲労感、尿の出が悪いなどの症状を伴うことが
  考えられます。

 

 

■ 息切れ・呼吸困難に対する漢方・中医学の処方

 

心臓病に関わる息切れは、中医学では主に心悸(動悸)の「心陽不振」、胸痺(胸痛)の「陽気虚衰」という病証などの症状として出てきます。しかし、従来の漢方は弁証論治により積極的に心臓を治療する方法論としては難しいものがあると考えます。そのため、現代の生理学・病理学を適用し、漢方薬の処方決定に応用することも必要になってくると私は考えています。

例えば、息切れを訴えている方が慢性心不全と診断されている場合は、漢方の強心薬を積極的に応用することで症状が改善します。また、狭心症の既往がある方は、漢方の活血薬を使用することで症状が改善します。因みに漢方の強心薬や血行改善薬というものは、その種類にもよりますが、根本的に西洋薬と作用機序が異なると言われていますので、長年病院のお薬でも症状が落ち着かない方に対しても効果的で、しかも安全です。

 

★ 心臓病の息切れ、呼吸困難に対する漢方処方は

①、動悸を伴って息切れを起こす場合 → 「れいめいしん」、「救心」など

②、胸痛を伴って息切れを起こす場合 → 「参附湯(じんぶとう)+「血府逐?湯」など
 












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