農家のみっこさん

勉強した事をメモ代わりに書いてます

ストロビーフロアブルその1

作物の病気、それの多くは特定の微生物、なかでも真菌類(つまりはカビの事)の感染が大多数を占める。ただ、土壌に潜むカビの多くは植物に対しても、人間に対しても無害で、そのうちの数%が植物に病原性を持つと言われている。
この、カビをやっつけるのに、農薬を使う訳であるが、これまではチルト乳剤などのEBIと略される、エルゴステロール生合成阻害剤が主流を占めていた。
エルゴステロールとは細胞膜の構成成分の一つで、それが合成できないから死んでしまうという事です。
よく水虫の薬のCMで、「水虫菌の細胞膜を破壊!」なんてフレーズがありますが、それをイメージしてもらえれば分かりやすいかな?
他にあるカビ系に効く薬は有糸分裂阻害剤。トップジンMがそれにあたって、作用スペクトルも広くて(色んな種類のカビ菌をやっつけるという事)、安くて便利だけど、EBI剤と比べると耐性がつきやすいという点がある。
そこで近年、ストロビーというカビ系をやっつける農薬がでてきた。ストロビルリン系と呼ばれるもので、これは呼吸阻害剤。呼吸というのは酸素をすって二酸化炭素を出す事だと思われるでしょうが、本当はガス交換の部分と、細胞内呼吸の二つから成り立っているのです。ストロビルリン系はこの細胞内呼吸の一部を阻害するのです。

つづく。