2017.08.05

情欲への対処

同性愛問題(或いは LGBT 問題)については、前回で終わりました。今回のこの記事は、その問題と特に関係ありません。私たち全般に関わることとして、これを掲げます。情欲への対処法。

1.Fly, fly.(逃げよ、逃げよ)

拙訳

スクポリ著『心戦』
付録・第30章より

貞操に反する情欲に打ち勝つ方法

How to overcome the Impure Passion.

他の全ての邪欲に関しては、それと面と向かって戦うことによって克服できる。たとえそれによって傷を負っても、大小かかわらずその動きの全てに精通するまで、その戦いに新たに〔何度も〕挑戦することによって。

Every other passion is overcome by being faced and resisted, even though we receive a wound in the attack, and by challenging it anew to the battle, till we master every movement of it, both great and small.

しかしながら、この恥ずべき情欲に関しては、それに誘われてはならないばかりでなく、誘因となり得るものを全て、スッカリ排除しておかなければならない。

But this shameful passion must not only not be provoked, but every possible incentive to it must be removed out of the way.

面と向かうことによってではなく逃げることによって、肉欲の誘惑に勝つことができ、貞操に反する情欲を克服することができる。

The temptation of the flesh is conquered and the impure passion mortified by flight, and not by an encounter face to face.

規則正しい生活、真面目な意向、過去の試練と勝利の経験、身なりを野暮ったく醜くしていること、これらがあなたを危険から守ってくれるように思えても、また何であれ他のものがあなたの安全を保障してくれているように思えても、それだけでは、あなたが逃げなくていいという十分な理由にはならない。逃げよ、逃げよ、愛する霊魂、もしあなたが捕まりたくないなら。

A regular life, sincere intentions, past trials and victories, relationships, meanness or ugliness in appearance, which do not threaten danger, and whatever else may seem to betoken security, are not sufficient grounds for not taking flight. Fly, fly, beloved soul, if you would not be taken captive.

英訳 英訳 和訳

2.記憶の管理

聖イグナチオ・デ・ロヨラ著『霊操』より

第四週「愛を得るための観想」
234.(…)主よ、わが自由をあますところなく、記憶も知性[ちえ]も意志のすべてをも、およそわが持てるもの、おのが所有[もの]とせるものは、ことごとくわれより、取りて受けおさめ給え。おんみはこれをわれに与え給いしにより、主よ、われはおんみに返し奉る。すべては主のものなれば、み旨のままに計い給え。願わくは、われにおんみの愛と聖寵とを恵み給わんことを。われはこれにて足ればなり。

Take, Lord, and receive all my liberty, my memory, my intellect, and all my will -- all that I have and possess. Thou gavest it to me: to Thee, Lord, I return it! All is Thine, dispose of it according to all Thy will. Give me Thy love and grace, for this is enough for me.

英訳 和訳 和訳

「パウロ家族の祈り」より

父と子の永遠の愛である聖霊、あなたを礼拝し、
愛と感謝をささげます。
わたしのうちにおられるあなたを幾度も悲しませたことをおゆるしください。
司教・司祭の叙階、修道者の立誓願、
信徒の堅信に際して豊かな恵みを与え、
かれらの光、聖性、熱誠の源となってください。
真理の霊よ、あなたに、知性と想像と記憶の力をささげます。
師イエス・キリストを知り、
福音と教会の教えを理解することができるよう、
わたしを照らしてください。
すべてを聖とする霊よ、あなたにわたしの意志をささげます。
み心のままにわたしを導き、おきての遵守と義務の遂行に際してわたしを支え、剛毅と敬畏の賜物を与えてください。
いのちを与える霊よ、あなたにわたしの心をささげます。
わたしのうちに神のいのちを保ち、豊かにし、
孝愛の賜物を与えてください。

Laudate | 祈りのひととき

短くまとめれば、必要なのは、
第一には、見ないこと、見てはならないものを見ないこと。
そして第二には、思い出さないこと、快楽と結びついた記憶を自分の中で甦らせないこと。つまり「追憶しない」こと。「記憶を思慕しない」こと。

「罪の概念は中世の哲学が聖書の内容を悲観的に解釈したものである、という考えを徐々に刷り込むことによって」

フリーメイソンの雑誌『Humanisme』1968年11月/12月号 より

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