24/02/20
GCVS 削除
AAVSO 事例変更

ぜひいっしょに超新星の捜索活動に挑戦しませんか。

記載内容や画像の無断で引用・流用はお断りいたします。


お断り
下記の文中の山岡先生の所属は当時です。現在は国立天文台(NAOJ)です。 機材の注意1 : ZWO Seestar S50および小口径は向きません。 超新星捜索には適当な機材があります。 日本人から NAOJ 経由で ZWO Seestar S50 で見つけたという報告がありました。 しかしノイズでした。 また似た時期に13cmという小口径でやはり NAOJ 経由でありましたがこちらもノイズでした。 これらに共通なのは小口径であること、画像を複数枚、重ねていることです。 小口径では極限等級が高くなってしまいます。それを補うために画像を重ねているのでしょうが 1枚にノイズが生じていると平均で重ねたとしても数枚から10枚程度であり、 どうしても消えないのではないかと危惧します。 また複数枚を重ねるということは時間がかかりすぎ再撮影を行うには時間の余裕がありません。 先の事例ではノイズでないことの確認はしていないのでしょう。 CMOS は安価であるため各社が出していますが、一眼カメラと同程度の感度だと思われます。 小さなピクセルサイズで画素を細かくしているようですが、感度は必ず落ちます。 どうしても CCD にはかなわないと思います。 結論はやはり1枚で確認できる程度のそれなりの望遠鏡と撮影機材が必要になります。 機材の注意2 : QHY CCD の FTS 画像は捜索には使えません。 QHY の FTS は独自フォーマットのため撮影時刻が画像から取得できません。 そのため画質の悪い JPEG を使用するしかないのです。
☆なぜ超新星?
新天体観測には彗星、小惑星、超新星、新星があります。 これらはアマチュア天文家にも発見の可能性があるものです。 でも先にお断りしておきます。超新星と新星は地味なものです。 彗星のように「発見しても名前がつくわけではない」し小惑星のように「命名権」があるわけでもありません。 直に見えなくなってしまいますし、もちろん周期性もありません。 でも発見者としての名前はずっと残ります。唯一、それが取り柄かもしれません。 でも今は彗星は人工衛星や公共の天文台などでプロが、小惑星は明るいものはすでに発見し尽くされ暗いものだけが残り こちらも公共の大型望遠鏡が有利、ということでどちらもアマチュアの発見は難しくなってきています。 それに比べ超新星や新星はまだまだアマチュアにも発見できます。 とくに超新星は明るい新星のように同時発見者が多数いる、ということも少ないのです。 比較的簡単で単独に(自分だけで)発見できる新天体は超新星だけかもしれません。 そんなところから私は超新星だけの捜索を行っています。 というわけで、ここでの新天体の対象は超新星です。 説明中にわからない言葉が出てきてもあきらめず先に進みましょう。 そのうちにわかってきます。どうしても不明な点はメールをください。 わかる範囲でアドバイスできるかもしれません。
☆事例から練習し測定
今現在、発生している超新星から撮影し練習がてら測定してみましょう。 捜索なのですからどのようなものでも練習が必要だからです。 ★超新星精測例 ★精密測定
☆具体的な捜索方法
どこを探すのか、どうすればよいのか、必要なモノなどを具体的に書きました。 ★捜索
☆観測内容を報告
新天体の発見はアマチュアにとっては夢のひとつに違いないでしょう。 しかし誤報による「おおかみ少年」になってしまってはいけません。 どういうものが超新星であるのか、そのための練習にもなるため、 既知の天体での観測報告を九州大学 山岡先生にメール報告するのがよいかもしれません。 位置や光度がどうであるかを確認していただけるかもしれません。 その際、報告済みの超新星が自分の画像に偶然、写っているかもしれません。 TNSへも観測情報をあげることができます(TNSへの自己登録済みのとき)。 自己登録は TNSへの自己登録参照。 観測内容の報告は★TNSでの注意事項を参照してください。 この観測情報の追加は☆新天体の報告のときにあわてることがないように、勉強のためにもやっておくほうがよいでしょう。 なお、その際、 Last non-detection の出現前の過去撮影データが必要になります。 なお、画像があるなら Rochester Academy of Sciences の dbishopx@gmail.com 宛にメールで送付することができます。 その際に観測情報も簡略な英文で送っておくとよいかもしれません(メーラーを ascii コードに変更してください)。 山岡先生のメールアドレスが不明なときやほかの質問は私宛にメールをください。
☆新天体の報告
観測を継続していくと必ず超新星を見つけることができます。 (ただそれが開始から1年なのか10年なのかはわかりません) 見つけたらすぐに報告して自分が一番乗りであることを世界中に知らせましょう。 ★新天体報告
以上です。 観測方法や報告は終わりますが、超新星はなかなか見つけられません。 ひとつの銀河に発生する数がきわめて少ないのですから無理もないのです。 中には一人で100個以上も発見している人がいますが、これはそういう観測環境で行っているからです。 普通の環境ではやってもやっても見つかりません。 でもいったん始めたら根気よく続けていくことをお勧めします。 発見数=観測数だと思っています。よく言うように継続は力なりです。

★超新星精測例

ペガスス座NGC7742 に 2014cy を 2014/08/31 に発見した私の事例です。
(D=350mm f=1600mm Newtonian,SBIG ST-8XME unfiltered CCD , Exp. 5sec) binning なしの画像を取得している最中に見つけました(15秒露出)。 上の写真は5秒とさらに露出を抑えて超新星をくっきりと出すようにしたものです。 (写真は銀河付近のみの2倍拡大) このぐらいはっきりしていれば、銀河面のスカイ値の減算をせず(減算するとかえって悪い値になる) 光度と位置を測定しました。 光度は1枚の5秒露出を、位置測定には15秒露出と5秒露出をそれぞれ2枚ずつ使用しました。 星図カタログはGSC-ACT,UCAC4を使用しています。
★精密測定
改めて精測ソフトについてです。 新規にTNSに登録し他の観測者からのフォローアップ観測を求めるためにも 赤経は数分の一秒未満、赤緯も1秒未満の精度が必要です(同じ1秒でも赤経は赤緯の1/15の精度)。 たくさんの種類の星表(星カタログ)がでていますが、精測ソフトではその中の一部を使います。 撮影画像に対し写っている星が星表のどの星であるかを中心付近の赤経と赤緯から決定します。 中心付近の赤経と赤緯は手入力や銀河名称から与えます。 各星の位置が決定すると求めたい星の位置を決定してくれます。 (当然、間違った銀河名や中心位置を与えられると星表と一致せずやり直しになります) 星表には位置のほかに光度データもあるため、精測ソフトでは光度測定もできるようになっています。 正しい光度を求めるためにもNABG CCDが必要になります。 ただ、光度測定は星雲がカブっているとき周辺のスカイ値を減算し、数回の測定で平均を求めます。 これらの求めた結果はTNSに報告された実績豊富な観測者の報告と比べるとよいでしょう。 TNS:Transient Name Server https://www.wis-tns.org/search/
★捜索
捜索そのものはまったく難しくありません。 銀河そのものを撮影、銀河の周囲と内部に過去画像にない明るい星があるかないかを捜すだけです。 ただし、もし見つけたとしても本当に正しいかを確認します。 それがもっとも大切なことです。 ひとつの銀河に超新星が出現する確率は数十年〜数百年に一個といわれています。 なのでできるだけ数多くの銀河を捜索しなくては見つからないのです。 (1)時刻合わせ 新天体を発見すると撮影時刻=発見時刻になります。 新天体捜索は世界との競争になります。早く登録したもの勝ちです。 下記精測ソフト(精密測定ソフト)でも画像に入っている日付と時刻を使っています。 また、銀が導入に使うプラネタリウムソフトでも正確さが必要です。 パソコンはON/OFFだけでも時間は狂ってしまうため、日付・時刻を秒単位で正確に合わせます。 @Windows10 の場合、歯車印の「設定」→「日付と時刻」→「時刻を自動的に設定する」が ON であっても 数秒のズレは修正してくれません。 そこでスタートメニュー→Windows システムツール→コントロールパネル→日付と地域→日付と時刻 A日付と時刻のウィンドウが現れますので「日付と時刻の変更」→日付を今日以外をクリック→OK→ インターネット時刻→設定の変更→「インターネット時刻サーバーと同期する」にチェックが入っていることを確認→ B「今すぐ更新」をクリック いったん、「・・同期中にエラーが発生しました。タイムアウト期間が・・終了しました。」のメッセージが出るように @、A、Bを行ってください。 最初の操作で「時計は正常に・・と同期しました」が出ても1秒程度の誤差が出るようです。 何回か行ってエラーを発生させてから「時計は正常に・・と同期しました」が出ると秒単位まできちんと同期します。 (2)精測ソフト・星表 精密測定ソフト(精測ソフト)とはすでに位置と光度が判明している恒星から新天体の正確な位置と光度を求めるソフトです。 例としてアストロメトリカ-Astrometrica-シェアウェア があります。 手入力やファイル名などから画像の中心位置の赤経と赤緯を得て、星表データと自動的に合致させてくれます。 最新のUCAC4(星表)は位置も光度も正確になっています。 観測機器によりますが20cm以上ではこれらの星表が使え、さらに変光星も判別できる精測ソフトがいいでしょう。 また既知の小惑星・彗星を判別してくれると便利です。 (私は別ソフトを使用しています。ですので Astrometrica の内容は不明です) (3)プラネタリウムソフト 銀河導入に必ず使うと思われますが、精測ソフトと同じ星表が使えるほうが便利です。 私はUCAC3(星表)を使い Cartes du Ciel V2.73C(ascom 経由)を使っています。 http://www.stargazing.net/astropc/oldversion/download.html SACカタログ(Saugaro Astronomy Club Database)は銀河の位置がほぼ正しく導入できます。 なお、最新の Cartes du Ciel V3 は重たいですがUCAC4が使えます。 https://www.ap-i.net/skychart/doku.php?id=en/download (4)よい画像の取得 よい空の条件で同一光学系で比較するための過去画像を取得します。 過去画像を取得せずにウェブを検索・比較するのは撮影条件が異なるため比較は難しいためです。 画像は必ず北が上になるように CCD を取り付けてください。 観賞用画像では北が出鱈目の向きになっているものをしょっちゅう見かけます。 ポートレート写真を撮って横倒しになったり逆さになっては変でしょう、と同じです。 (5)捜索範囲 これは私の事例ですが、視野が狭い、南側の条件が悪いなどにより、赤緯-5以上を対象とし、星座または星座内分割しています。 どの範囲を捜索対象にするかはもちろん自由です。 (6)観測方法の見直し 銀河が少ないところは移動にばかり時間がかかり捜索に無駄が生じます。 北極星周辺も赤経の移動に時間がかかります。しかし、捜索者が少ないので有利かもしれません。 撮影方法、過去画像、比較方法、捜索範囲などは実際にやっている段階で見直しすることもあるでしょう。 私の事例ですが、赤道儀のバックラッシュのため赤経の大から小に移動させたり露出時間やビニング法を変えました。 (7)具体的な観測法
@撮影 過去画像と同条件で撮影します。星像の検出が目的ですので、なるべく長焦点が適します。 私は350mm f1600mm ref. SBIG ST-8XME(Not binning) 15sec Exp. で撮影しています。 A画像比較 銀河内部および周辺を確認します。 銀河面に現れた超新星は検出が難しいためデジタル現像(DDP)が有効です。 私は目視で即時に比較していますが、さらに翌日に精測ソフトで確認しています。 B既知天体との比較 怪しい天体が見つかった場合、誤報を防ぐため再撮影して確認が必要です。 下記をチェックして問題なければ TNS へ登録してください。 (a)ノイズ  CCDのノイズでないかを位置をずらしたり露出時間を変更して再撮影します。  冷却CCDはダーク処理をしても結構、ノイズが発生します。 (b)移動天体、変光星、惑星の衛星  既知の彗星、小惑星でないかをソフトなどを使って確認。  さらに移動は少なくとも1時間以上の間隔を置いて確認します。  変光星はAAVSOで探すとよいでしょう。  *GCVS は新情報(最近、新星が見つかり、変光星に追加されたもの)が  追加されていないようです。なので削除します。  AAVSO を使ってください。  ただし、完全に削除すると何があったか履歴が残らないため下記2行は残します。  「まずは GCVS での具体的な方法です。 http://www.sai.msu.su/gcvs/cgi-bin/search.htm」  AAVSO 事例です(JAVA を使用します)。  https://www.aavso.org/vsx/index.php?view=search.top  以下の画面は実際に UGC6628 のそばにあった変光星の例で、16.0等級で観測されました。  日付 2020-03-15.46107 位置 11 39 50.52 +45 58 17.0  2段階で行います。  まず、下記画面から赤い矢印のある More を選択します。
 すると R.A. Decl. が入力できる下記画面になります。  これは赤矢印にすでに入力が終わった状態です。  Position は詳細な位置、Size は位置を基準に探す円形範囲です。  (観測日は入力しません。結果には変光範囲が示されるだけで、  観測日がどの程度の明るさかは不明だからです)
 Search をクリックします。  すると下記画面のように表示されます。  指定位置には変光星があることがわかります。  ただし観測日の明るさは不明です。変光範囲がわかるだけです。
   ●惑星の衛星について   完全に抜け落ちていました。   珍しいことですが、木星や土星のような明るい惑星にはそれなりに明るく写る衛星があります。   ほかに該当するものがなく、数度の範囲に木星か土星がいる場合は要チェックです。   https://minorplanetcenter.net//iau/NatSats/NaturalSatellites.html   を使用して    木星 Jupiter VI (Himalia) Jupiter VII (Elara) Jupiter VIII (Pasiphae) Jupiter XI (Carme)    土星 Saturn VIII (Iapetus) Saturn IX (Phoebe)   をチェックします。そのほかの衛星は暗いため対象外です。   使い方は     〇Just the following Jovian outer irregular satellites     の丸印にチェックを入れて黒をマークし、木星の上記衛星にチェックを入れます。     土星のときも同様にします。複数の惑星を同時にはできません。     一番下にあるStart date:に日付を20220829.99の形式で入力、     Ephemeris interval: は1分単位がいいでしょう。     たくさん出力しますが、Number of dates to outputで例えば10とすると10個だけになり比較しやすくなります。     そしてENTERします。     下記画面は木星の第6衛星Himaliaを2022 08 27.699で1分単位です。
    注目はUTは時分秒になっていることで観測時と近いものとのR.A. Decl.そして光度(V)を比較します。     ほぼ一致していれば衛星が写ったものと捉えられます。  ● LBV について   普通の変光星ではなく激変星というLBVと呼称されるものがあります。   かなり明るいようです。大口径で捜索する人は注意したほうがよいでしょう。   この情報を見つけたら該当銀河とその位置を記録し、比較するといいでしょう。
20130927.44713(UT)(JST.19:43:52.0)に撮影したペガスス座のNGC7451 (23 00 42.00 +08 28 00 J2000 Mag.14.0)のすぐそばに写った 709 Fringilla という小惑星です。 位置は 23 00 35.88 +08 28 03.1 Mag.12.7 です。 (D=350mm f=1600mm Newtonian,SBIG ST-8XME unfiltered CCD , 2*2 binning , Exp. 30sec) このような暗い銀河に明るい星が写れば怪しいとすぐに感じ取ることができますが 暗い天体ですと確認が欠かせません。
20170517.56666(UT) (JST. 22:35:48.0)に撮影したりょうけん座のNGC5326 そのそばに写った 6107 Osterbrock という小惑星です。 りょうけん座は黄道からかなり離れていますが、このように小惑星が通ることもあるのです。 (No binning , Exp. 15sec ほかは同上)  既知の小惑星や彗星は精測ソフトのほかに MPChecker と Comet Checker を使用して調べる方法もあります。  https://minorplanetcenter.net//cgi-bin/checkmp.cgi  https://minorplanetcenter.net//cgi-bin/checkcmt.cgi  です。日付は現在のパソコンの日付と時刻を UT(世界時)に変換して表示されています。  よほど入力が遅いと変更の必要があり、自分で JST - UT 変換して入力してください。  現在の時刻と数分程度の差であればそのままでもいいでしょう。  R.A. Decl. は 12 30 00 +23 34 56 と入力してください。(2000年分点)  あとのパラメータ類はデフォルトのまま ENTER すると該当のものがあれば文章表示されます。  (デフォルトならR.A. Decl. の周囲を 15.0-arcminute = 15' だけ広く探してくれます。  もっと範囲をせまくしたければ(つまり入力 R.A. Decl. がほぼ正確ならもっと小さい値を入れてください)  該当するものがない場合は No known minor planets となります(つまり未知)。  詳細は不明ですが  simbad(データ検索)やaavso(変光星検索)で過去に現れた天体を探す手段もあるようです。  http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/  https://www.aavso.org/vsx/  とくにsimbadでは指定した R.A. Decl. に過去に出現して確定した天体を表示してくれます。 (c)Aladin 撮影画像との比較に使用する各種画像を取得できるソフトでフランスの ストラスブールデータセンターCDSが提供するフリーソフトでjava言語で動作します。 画像の種類はDSS , SDSS , 2MASS などです。 https://aladin.u-strasbg.fr/java/nph-aladin.pl?frame=downloading から Aladin 本体をダウンロードしてください。 < DSS の画像版権 https://archive.eso.org/dss/dss-copyrights.html > 「使用上の注意」 ・使用中は常時、ネットにつないでおく必要があります。 ・java が導入されていないパソコンでは動作しません。フリーですのでダウンロードしてください。  Aladin.exe を実行した際に、導入されていなければ自動的にブラウザが起動されダウンロードするように促されます。 ・ .aladin というフォルダーが C:\Users\コンピュータ名 のフォルダーにできます。  バージョンアップの際はこれを削除しなくてはいけません。 ・Windows操作上の不明点は私にメールをください。 Aladin.exe の不明点はわかりません、悪しからず。 ・DSS や SDSS 画像をいったん取得した後で再度、DSS などをクリックすると Reload するかどうかを聞いてきます。  これの返答がわずらわしいため TAB キーを使用すればいったん取得した画像を切り替え表示させることができます。 「Aladinの便利な使い方」 下記の画像を見てください。左の小さな画像は私がSBIG ST-8XMEで撮影した画像の一部でNGC2268でDDPしたあとです。 同じNGC2268をaladinで表示したのが右側の大きい画像です(旧バージョンAladin)。 左にある印の先の星は今までピントや光軸などから写っていませんでした。 この怪しい星を確かめるためにAladinを使いました。 aladinの優れている点はマウスの位置のR.A. DEC.を常に表示してくれる点で、画像には表示されていませんが、 中心付近左側の星にマウスを当てています。その位置が画像の上に表示されています。 左の画像の怪しい星の位置をあらかじめ求めておき、Aladinの位置と確かめるとほぼ同じ位置であり、 天の川銀河の星であるとすぐに同定でき、誤報を防ぐことができます。 ・コピペ  R.A. Decl. のコピー&ペースト(コピペ)を行うことができます。  例えば TNS でコピーした位置をAladinでは ctrl + V としますとペーストされます。  なお、TNS の表示位置は R.A.〜Decl. まで一気にコピーできますし、ペーストもできます。 ・Aladin console  F5 キー押下すると Aladin console というのが表示されます。  この Aladin console を見るとわかりますが、Delete hist. をクリックすると Aladin に入力した内容を消せます。  また下側の Notepad にある Clear をクリックするとその中を消せます。  これらはどこかに記憶されて保存されています。余計な内容を少しでもパソコン資源から消せます。 (d)DSS  上記の Aladin で過不足なら下記から画像をダウンロードすることもできます。  https://archive.stsci.edu/cgi-bin/dss_form または http://stdatu.stsci.edu/cgi-bin/dss_form  ここにはフリーでダウンロードできる画像があり取得する画像の種類と画像形式が選べます。  赤経、赤緯を入力するかNGC,UGC,PGCならNGC1234のように入力します。  350mm程度の口径での限界である18等級程度ならくっきり写っています。 (e)TNS へ登録  すでに同位置に既登録があれば追加報告になるだけです(<発見登録>、<フォローアップ登録>などを参照)。  ですので既に見つかったものかどうかに関係なく上述までで問題がないと判断したなら登録してください。  新天体は時間勝負で TNS は見つけた時間ではなく登録の早いほうが「発見者」です。  これは他者が登録後に自分の画像を確認したら写っていたという後出しじゃんけんを防ぐためです。
★新天体報告
(1)国立天文台へ連絡 国立天文台の留守電に通報しておきます。 (ウェブの下部の「お問い合わせ」から「新天体発見の通報」) ただ天文台の状況により連絡が遅い場合がありますので、私の見つけた超新星のような方法もあります。 そのため私のようにフォロー報告である程度の指導を受け経験を積むのが良いと思います。 発見報告は時間との勝負なので、ウェブからTNSに発見報告することもできますが、 その前に新天体であることが確実であることが重要です。(上記の「捜索」もご覧ください) (2)TNSへの自己登録 TNSとは Transient Name Server のことで https://www.wis-tns.org/ です。 TNSへの自己登録 (3)新天体の報告 TNS の https://www.wis-tns.org/ に login します。 ユーザ名、パスワードを入力します。 ホームページ右上には REPORTS が現れますのでクリックしますと A Report form が現れます。 ( REPORTS が表示されないときはブラウザの Cookie と JavaScript を使用できる状態にしてください。★TNSでの注意事項を参照してください) 報告項目などは★TNSでの注意事項を参照してください。 その際、 Last non-detection 項目、つまり過去の撮影データが必要になります。 (3)その後 超新星は公立天文台などで分光観測して、スペクトルから型が決まると確定します。 国立天文台に確定時の連絡をお願いしておくとよいでしょう。 https://www.rochesterastronomy.org/snimages/ を参照するといいでしょう。 簡単な英文で書かれています。Type unknownは未確定でType II などは確定したものです。 References: ATEL 9999のようにATel番号がありますのでクリックしてATelを確認するとよくわかります。 ATel:Astronomer's Telegram https://www.astronomerstelegram.org/ (4)誤報告 国立天文台の留守電に誤報だったことを入れておきましょう。 TNS での誤報告は「★TNSでの注意事項」にまとめてあります。
★TNSへの自己登録
TNSへ観測を報告するにはまず自分自身を登録する必要があります。 その前にブラウザの設定を変更する必要があるかもしれません。 念のために★TNSでの注意事項を参照してください。 それでは登録に行きましょう。 https://www.wis-tns.org/ に login し Create new accountを選ぶと、  希望するユーザ名  メールアドレス  肩書(男性Mr.、女性Ms.、学位があればDr.)  下の名前  名字  所属(空欄でもかまいません)  コメント(空欄でもかまいません) を書く欄があり、下のCreate new accountをクリックして登録ください。 登録すると Account details for ユーザ名 (pending admin approval) のメールが自動で届き、 数日後に Account details for ユーザ名 at Transient Name Server (approved) のメールが届きますので、 その URL をコピーアンドペーストしてネットからパスワードを設定してください。 パスワードは大文字、小文字、記号などを設定しないといけません。 さらに幾日か経ちますとパスワードの変更要求が来ます。それが結構面倒です。もちろん覚えなくちゃいけないからです。 なお、空白では漢字空白も入ってしまいます。私はその失敗をしてしまいました。 間違いないようにしてください。セーブメッセージが出ましたら完了です。 (なお、このパスワード設定画面はパスワードの変更も上の表示をクリックするとできます。 このときもメールが送付されてきます)
★TNSでの注意事項
=============================================================================== <ブラウザについて> ブラウザは Cookie と JavaScript を使用できる状態にしてください。 使用後に Cookie は削除してかまいません。 =============================================================================== アドレスは https://www.wis-tns.org/ です。 <Login> Username Password を入力。 FONT COLOR="BLUE">発見登録でもサーチでも終了後は必ずLOGOUTをクリックしてください。 そうしないといつまでかは不明ですがログイン状態が保たれてしまいます。 通常は問題ないと思いますが、最近はろくでもない事象が数多くありますので注意が必要です。 <発見登録> お断り:下記画像にある入力項目には間違って登録されないために わざとエラーになるように入力していることに注意してください。 ノイズや小惑星などの類ではなく SN と思われるものを見つけたとき遠慮なくこの TNS へ登録してください。 すでに既登録だった場合、登録メッセージに出ている AT または SN 記号を SEARCH すればそこに自分が登録した内容があります。 つまりフォローアップしたのと同じになります。新規登録のつもりなのに先頭付近にアップされていないときはフォローアップとなったはずです。 AT 記号などの確認を忘れた場合、自分の名前やR.A. Dec で SEARCH すればそこにあるはずです。 発見登録は上の右の Reports をクリックします。 下記は発見したPSN(未確定の超新星候補)の位置を確定するためのものです。 発見光度は別の欄での入力になります(下のほう)。 見づらいですが各項目の必須入力欄には下向きの印がついています。 R.A. (必須)は 23:59:59.99 Dec (必須)は +89:59:59.59 のように入力します。Dec の +- 記号も忘れずに。 もしすでに発見登録されていた場合、エラー表示されるようです。ただし標準で 3 秒の誤差までです。 Error にはそれぞれの誤差を少し大きめに秒で入力しておくといいかもしれません。 Sourse group (必須)は None を選択、Reporter (必須)には報告者名を入力します。名前は Login 名が初期値として入っていますが 間違っている場合があります(私の場合)。訂正しておきましょう。 Discovery Datetime (必須)は必ず UT で 2016-12-31 23:59:59 のように日付は - で時刻は : で分けて入力します。 発見時刻から 9 時間を減算するとき、日付から 1 を減算しなくてはいけないときがあります。 Host name は本体の銀河の番号がわかるとき入力しておきます。コメント扱いです。
下記の Last-non-detection は比較画像(過去画像)のデータ入力になります。 見づらいですが各項目の必須入力欄には下向きの印がついています。 Obs-date には発見日時よりも過去を入力しないとエラーになります。 Limiting Mag. (必須)には比較画像の極限等級を入力してください。 Units (必須)は VegaMag を選択、Filter (必須)は Clear を選択してください。たとえフィルターを使用していなくてもです。 Instrument (必須)は Other を選択します。Exp-time は露出時間です。 長いコメント欄(必須)には 0.35-m refl. (35cm反射)のようなコメントを書き入れます。 Other しか選択できないからです。
下記の Photometry1(discovery) は発見時のデータ入力になります。 Last-non-detection と同じ項目が必須になり入力形式も同じです。 もちろん Obs-date には発見日時を入れます。
下記画像は発見画像になります。パソコン内のフォルダーを選択して画像を選んでください。
入力が完了したら Submit AT reports をクリックします。
下記はエラーがある場合です。赤枠で囲まれたところにエラーがあります。 修正して再度、 Submit AT reports をクリックします。エラーがなくなると緑文字で表示され Search ができます。
<間違った発見登録をしてしまった場合> 基本は必ず細心の注意を払って発見登録することを心がけてください。 TNS では発見登録したものを削除する機能はありません。 Login し、 Search で AT 符号をクリックし(または Obj. Name 入力)、表示された画面の最下行に下記の表示が出ますので Comment で間違いであることを書き込んでください。しかし、無論、間違わないようにすることが第一です。
Subject にタイトル、その下の Comment を入力します。 必要に応じてその下から画像を指定します。 <フォローアップ登録> 基本的に<発見登録>に準じます。 フォローアップ用の入力欄が別途用意されていないため、位置がほぼ同じであると既存への追加報告となります。 新規登録したつもりでも既登録の場合もフォローアップと同じ扱いになります。 この場合、新規登録した人の R.A. と Dec 値とは秒未満などで異なるでしょうが、TNS ではフォローアップのように扱ってくれます。 (逆に新規登録したつもりなのにSEARCHで見当たらないとき、フォローアップになったはずです)

閲覧者数: