MZ-700の画面出力は水平周波数15.7kHzのデジタル8色RGBですので、いまどきの液晶ディスプレイなどにはそのままではつながりません。コンポジットビデオ出力・RF出力があるので普通のテレビに画面を映すことはできますが、ちょっと物足りない画質です。
そんなわけで、シャープ純正の8ピンデジタルRGB→21ピンアナログRGB変換コネクタAN-2108A + マイコンソフトのアップスキャンコンバータXRGB-2の組み合わせで長らく使ってきたのですが、このAN-2108Aに+5Vの電源が必要だったり(当時のシャープのTVにはこれ用の電源供給端子があった)、XRGB-2のセットアップが面倒だったり、液晶ディスプレイなのに結局dot-by-dotで映らなかったりで、「MZ本体にアナログRGBのケーブル1本挿せば映るようにならないかなあ」などと思うようになりました。
ということで、MZ-700の画面出力を31kHzにしてしまうことにします。
XC9572の中身はこちら。
手持ちの液晶ディスプレイEIZO L997では、クロック912、横解像度800に調整することでdot-by-dot(というかdot-by-16dotですが)で映りました。
また、MZ-700本体のタイミングは全く変更せず、出力を単純に倍速で出しているだけですので、MZのタイミングに依存するようなソフト(野球拳2000)もちゃんと動きます。
というわけで実験してみたのがこちら。MZ-1500はC-VIDEO信号にテキストのみのモノクロ画面が出ているので、これを利用すると一応テキストとの重ね合わせもできます(アトリビュートを00hにしておかないと、テキストの色も混ざっちゃいます)。
・デジタルRGBをアナログRGBにレベル変換する
MZ-700のデジタルRGB出力はオープンコレクタ出力が220Ωの抵抗でプルアップされていますので、150Ωの抵抗を直列に入れればアナログRGB出力のレベルに合うようになります。MZ-1500の場合、プルアップ抵抗が1kΩですので、抵抗直結では変換できません。一度TTLで受けて変換する必要があります(その代わり、変換せずに直結しても輝度が半分くらいになるだけで特に問題ありません)。
・D端子につないでみる
アナログRGBに変換した出力を、CP-264を通してD端子に入力してみます。ただし、MZから出力される信号のタイミングはD1とは微妙に異なります(D1が525iに対して、MZの信号は262pといった感じのもの)。世の映像入力機器は、コンポジット信号に関しては規格外でもかなり頑張って映そうとしてくれるようですが、D端子からの入力に関してはあまり頑張ってくれないようです。手持ちの機器で試した結果が以下の表です。
…というわけで、D端子(コンポーネント入力)をRGB入力の代わりとして使うのはやや難しいかも。MZの出力を映せる機器があるなら有効な手段ではあります。
入力機器 結果 備考 液晶テレビ
東芝 REGZA Z1○/× 正常に映る
ただしゲームモード(遅延小)では全く映らずHDDレコーダ
東芝 RD-X2× 同期が合わず、映らない アナログ液晶テレビ
シャープ LC-20E2-S△ 画面上部が多少流れるが、一応正常に映る