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Smegging English (Lesson5)
は、NHK放送時にカットされたシーンのセリフ。

wonder if 〜 (〜なのかなと思う)   Just wondered if you're a bit bored ?  少し退屈されているのではありませんか?   リスターがメロドラマのビデオを見ていると、ホリーが突然、現れました。 そんな番組を見る程ヒマを持て余しているのかと思ったのです。 でも、リスターは、本当にその番組が見たかったのですが……。   《こんな時に役に立つ》 くだらないメロドラマなんかを見ている三等技術士に退屈しているのではないかと尋ねたい時。
at a loose end (することがない)   I'm at a loose end now.  いま、することがないんです。   ホリーは、ちょうど人類が生み出した全ての書物を読み終わったところでした。 退屈で困っていたのです。 「読み終わった本を、もういっぺん最初から読めばいいじゃない」 とリスターは言いますが、下手にIQが6000もあるホリーにとって、それは難問でした。   《こんな時に役に立つ》 人類の生み出した全ての書物を読み終わってしまった時。
Is there something that you want? (何かご用でしょうか?)   Is there something that you want ?  俺に何かして欲しいわけ?   現れたり消えたりを繰り返すホリーのおかげで、リスターは落ち着いてドラマを見る事ができません。 ホリーがウロウロしているわけは、何か頼みごとがあるからのようでした。   《こんな時に役に立つ》 ドラマを見る邪魔ばかりしているコンピューターに、さっさと用件を言ってもらいたいと思った時。
Would you mind 〜ing ? (どうか〜していただけませんでしょうか?)   Would you mind erasing some of my memory banks ?  私の記憶バンクをいくつか消して下さいませんか?   ホリーはアガサ・クリスティーの小説をもう1度読みたかったのです。 でも、トリックも犯人も、とっくに分かってしまっています。そこで……   《こんな時に役に立つ》 自分の記憶バンクの消去を頼みたい時。
How do I do it? (それはどのようにするのですか?)   How do I do it ?  それ、どうやってやるの?   これ以上、ホリーに邪魔されたくないリスターは、彼の頼みを聞いてやることにしました。 でも、彼はそのやり方を知りません。   《こんな時に役に立つ》 船のメイン・コンピューターに、自分が今までやったことのない記憶バンクの消去を頼まれた時。
hear of 〜 (〜について耳にする)   I've never heard of her.  そんなひとのことは聞いた事もありませんよ。   リスターはホリーに言われた通りに、キーボードを打ち込みます。 さあ、これでアガサ・クリスティーに関するデータは全て、ホリーの記憶バンクから消去されました。 ところが、記憶が消えたホリーは、自分がリスターに頼み事をしたことも忘れてしまいました。 ホリーはリスターを質問攻めに遭わせます。   Done what ? 何をしたんですって?   Who's she, then ? で、それは誰なんです?   Why should I do that ? なぜ、そんな事をしなけりゃならなかったんですか?   What'd you do that for ? 何のためにそんな事をしたんですか?   やれやれ、これではますます落ち着いてドラマなんか見ていられません。 リスターは睡眠室へと退散する事にしました。   ‘I've’は‘I have’の短縮型。 現在までの経験を現わす現在完了の否定型です。   《こんな時に役に立つ》 聞いたこともないアガサ・クリスティーに関する記録の消去を、自分が頼んだのだと聞かされた時。
anyway (いずれにせよ、ともかく)   Why were you mooching around up there, anyway? それはともかく、お前なんだってわざわざ、そんなところをうろついたんだ?   睡眠室でメロドラマの続きを見ようとしているところに、今度はリマーがやって来ました。 リマーに「お前は1日中何もしないで過ごした」と馬鹿にされたリスターは、頭に来て言い返します。 「お前は知らないだろうが、俺は今日、士官ブロックまで行ったんだぞ」 それを聞いたリマーは驚きます。 「え? あそこはまだ消毒してないぞ」 士官ブロックには、300万年の間にどんな突然変異を起こしているかも知れないバクテリアが未消毒のまま残さ れていたのです。 「先週、消毒したって言ったじゃん!」 「消毒する予定だったと言っただけだ」   ‘mooch around 〜’は「〜をうろうろと歩き回る」 ‘up’は「ある一定の水準への到達」を表す副詞。「(そんなところ)までも」   《こんな時に役に立つ》 阿呆な三等技術士が、未消毒のブロックに立ち入ってしまったことを知った時。
Where am I ? (ここはどこですか?)   Where am I ? What time is it ? ここはどこだ? 今、何時なんだ?   その夜のことです。真夜中にリスターは高熱を出しました。 「リマー、起きてるか? 俺、なんだか具合が悪いんだ……」 目を覚ましたものの、リマーは完全に寝ぼけています。   ‘Where am I ?’は直訳すると「私はどこにいますか?」 ‘What time is it ? ’は時刻を尋ねる非常に一般的な表現。 他に‘What is the time ?’なんて言い方もありますね。   《こんな時に役に立つ》 ここがどこだかわからなくなった時。
half past 〜 (〜時半)   Half past three ?! 3時半?!   夜中にリスターに起こされたリマー。 寝ぼけまなこで時計を見ると、まだ真夜中です。   Lesson3に‘quarter to 〜’「〜時15分前」という表現が出て来ましたが、これは「〜過ぎ」。 いずれも時刻を表す場合に頻繁に使われる表現です。   《こんな時に役に立つ》 午前3時半に、ルームメイトに起こされた時。
I don't feel very well. (具合が良くありません)   I don't feel very well. 具合が悪いんだ。   リスターは、リマーに体調が悪い事を訴えます。 ‘I feel really ill.(マジに病気みたいなんだ)’ ところがリマーは寝ぼけています。 ‘Well, you are really ill.(ああ、お前は本当に悪党だよ)’ ‘No, I mean, really ill.(そうじゃなくて、マジで病気だって言ってんの)’   ‘ill’には「病気」という意味と「悪いもの(人)」という2つの意味があります。 2人の会話は、まるで通じていません。 リスターは、諦めて1人で医務室に行こうとしますが……   ‘I feel really hot.(俺、本当に熱があるみたい)’ 高熱のために廊下の途中で、ついに倒れてしまいます。 ‘hot’は「熱がある」   《こんな時に役に立つ》 マジで病気になった時。
hurry to 〜 (〜へ急ぐ)   Arnold Rimmer please hurry to White Corridor 159. アーノルド・リマーは、白の廊下159番へ急行して下さい。   大変なことになりました。 ホリーの非常アナウンスが廊下に響きます。 でも、ホログラムのリマーに、いったい何ができるのでしょう?   《こんな時に役に立つ》 非常事態が発生したのに、アーノルド・リマー以外の乗員が船に乗っていなかった時。
Is there something wrong with you? 何か問題があるのですか?   Is there something wrong with you? どうしたって言うんだ?   リマーが服も付けずに、食堂に飛び込んで来ました。 そこではキャットが食事をしています。 「早く! リスターが意識を失っている! 助けが必要なんだ! 急げ!」 でも、キャットは行こうとしません。 「聞こえなかったのか? リスターが病気なんだ。私にはあいつを抱え上げてやることができない!」 それでもキャットは動こうとしません。 「お前は、一体……」   ‘something is wrong with 〜 ’で「〜に何か問題がある」。   《こんな時に役に立つ》 非常事態が起こっているのに非協力的な猫を働かせたい時。
might 〜 (〜だろう)   If you don't help him he might die. お前が助けてやらなければ、奴は死んでしまうかも知れんのだぞ。   まるで関心を示そうとしないキャットに、リマーは必死で状況を説明します。 「早くリスターを助けないと……」   if節の帰結となる文章中での‘might’は「可能性・推量」を表します。 「もしも……であるならば、〜となるだろう」 未来の出来事に対する推量を表す「仮定法現在」の文です。   《こんな時に役に立つ》 猫に事の重大さを説明しなければならなくなった時。
That's too bad. (それはお気の毒です)   That's too bad. そりゃ、気の毒に。   ところが、キャットの返事はつれないもの。 どうやら猫人間の思考や感覚は、人間のそれとは少し違うようです。 「気の毒になあ。俺もあいつのことがが好きだったよ」 「じゃあ来て、奴を助けるんだ」 「え? 昼飯を途中でやめろっての?!」 倒れたのがリスターなのに、なぜ自分の食事が中断されなければならないのか、どうもキャットには理解できない ようです。   《こんな時に役に立つ》 なんかよくわかんないけど、他人が死ぬらしいという話を聞いた時。
deserve 〜 (〜に値する)   That doesn't even deserve an answer. そんなの、言うまでもないだろ。   倒れているリスターを放っておいて食事を続けようとするキャットに、リマーは、 「より大切なのはどっちだ? 人の命と、お前の下らん昼飯と?」と尋ねます。 「そんなの言うまでもない。もちろん……昼飯!」   ‘not even deserve an answer ’は、直訳すると「答えることにすら値しない」。   《こんな時に役に立つ》 大事な昼飯とサルみたいな阿呆の命を比べてみろと言われた時。
That's all. (それだけのことです)   That's all. (それだけだよ)   キャットに頼むのをあきらめたリマーは、サービス・ロボットのスカッターを使って、なんとかリスターを医務室 に運び込みましたが、不器用なスカッターを操作しての看病は、なかなかうまくいきません。 体温計を口に差し込もうとして、リスターの目を思いきり突ついてしまう始末。 リスターは悲鳴を上げます。 「もう治ったよ、治ったってば。軽い肺炎にかかっただけさ」   ‘That's all.’「それが全て」→「それだけ」   《こんな時に役に立つ》 これ以上こいつに看病されたら、かえって危ないんじゃないかと感じた時。
ask 〜 out (〜をデートに誘う)   Why didn't I ask her out? 俺、なんで彼女を誘わなかったんだろう?   「死んだコチャンスキーの宿舎をうろつくようなバカなまねをするから、そんな病気に感染したりするんだ」 とリマーに言われたリスターは「なぜ、彼女が生きているうちに……」と悔やみます。   《こんな時に役に立つ》 300万年前に死んでしまった女性を「なぜ生前デートに誘わなかったのだろう」と後悔した時。
dead 〜 (絶対に、完全に)   You're dead sexy ! お前は死ぬほどセクシーだよ!   「誘ったところで断られるのがオチだったさ。あんたみたいに臭くて不潔な人なんか嫌いって」 「OKしてくれたかもしれない」 「まあ、奇跡というものは起こるものだからな。例えば1546年にはワルシャワで市長の身体が自然発火して燃 えたそうだし、12世紀にはブルゴーニュで空から魚が降ったそうだ」   リマーに茶化されても、リスターは気にしません。 「友達のチェンよく言っていた。人間の心の中にはうぬぼれ屋と臆病者が棲んでいるんだって、うぬぼれ屋はその 人間に向かって言う。お前はすばらしい。そして……」   形容詞や名詞として使われる時には「生命のない」「死人」という意味で使われる‘dead’ですが副詞として使 われる場合は「絶対に、完全に、非常に」などという意味を持って‘very’などと同様、直後の語を強調する働 きをします。   ‘Confidence’と‘Paranoia’は「自信」と「被害妄想」が辞書的な訳ですが、ここではNHKに従って 「うぬぼれ屋」と「憶病者」と訳しておきます。   《こんな時に役に立つ》 死ぬほどセクシーな自分を誉めたたえたい時。
take 《人》 to 〜 (《人》を〜に連れて行く)   Just take me to me bed. ちょっと、ベッドまで連れて行ってくれよ。   「……でも、憶病者は、お前はバカだと言うんだ。役立たずで、見かけもダサイ。誰からも相手にされやしないさ って。だからコチャンスキーをデートに誘おうとしたときにも……」 でも、リマーはまるで相手になってくれません。   「要するに、お前には自分というものがちゃんと分かっている時と、分かっていない時があるってことだ」 リスターは、あきらめて少しベッドで休もうとします。   そこで、リマーはスカッターに車椅子を動かさせようとするのですが、見事テーブルに激突。 どうも、このリマーという人、好意で物事を行なっている時でさえ、他人から感謝されるようなことは出来ないよ うです。   《こんな時に役に立つ》 ベッドに連れて行ってもらいたい時。
It's raining. (雨が降っています)   It's raining. It's raining down. Get an umbrella ! 雨だ。雨が降ってる。傘を持って来てくれ!   ベッドで悪夢にうなされるリスター。彼はさっきからうわ言を言っています。 「傘を、早く傘を!」   「天候、時間、距離」などを表す‘it’の特殊な用法。 この‘it’は主語ですが、目的語に使用されることもあります。 ‘get 〜 ’は「〜を持って来る」   《こんな時に役に立つ》 魚の雨が降っているのに、傘がない時。
What's going on ? (何事ですか?)   Holly, what's going on? ホリー、何だこれは?   ベッドの脇にいたリマーの目の前に、突然、何かが降って来ました。 ニシンです。 睡眠室の天井から、魚が雨のように降って来たのです。 リマーは驚いて廊下に避難します。 ‘What's happening?(いったい何が起こってるんだ?)’   《こんな時に役に立つ》 天井からニシンが降って来た時。
as 〜 (〜として)   Why did we have to have you as the ship's computer? なんだってお前なんかが、この船のコンピューターなんだ?   ところがホリーの返事は、 「今、エルキュール・ポアロが汽車から降りたところです。私の意見が聞きたいのなら、全員が犯人ですね」 彼は、アガサ・クリスティーを読むのに夢中だったのです。 リマーは頭に来てこう言いました。   直訳すると「我々は、なぜあなたを船のコンピューターとして持たねばならなかったのか?」。 ‘have to 〜’で「〜しなくてはならない」   《こんな時に役に立つ》 天井からニシンが降っている時に、アガサ・クリスティーの話なんぞしているメイン・コンピューターを罵りたい時。
be better off 〜 (〜する方が賢明だ)   We'd be better off with a bucket of sheep's slop running things. 羊の糞や小便の溢れたバケツと一緒にいる方が、まだましだ。   リマーは、ホリーにこんな悪態をつきました。 この‘run’は「溢れ出る」   《こんな時に役に立つ》 糞尿入りのバケツ以下のコンピューターに対して、悪態をつきたい時。
straight out (率直に)   If you've got a complaint, just come straight out with it. 文句があるならはっきりそう言いなさい。   ホリーも負けずに言い返します。 「暗示や誇張で本心を押し隠すような表現はやめるべきです」 まあ、それがリマーのものの言い方の欠点ではあるのですがね。   ‘complaint ’は「不平、不満」。   《こんな時に役に立つ》 何を言うにも暗示だの誇張だのとややこしいレトリックを使いたがるアホゾンビを罵りたい時。
be+〜ing (〜している)   I'd be lying if I said I knew. 分かっていると言ったら、嘘になりますね。   そこでリマーは、 ‘Why is it raining fish in our sleeping quarters?!(なんで睡眠室に魚が降ってるんだ?!)’ と尋ねます。確かに、これ以上ないほど率直な表現ですね。 それに対するホリーの答えがこれ。 もったいぶった言い方をしていますが、つまるところ「分からない」のです。   仮定法過去の進行形。現在の事実に反対の仮定を表しています。 「もしも私が分かっていると言ったならば、私は現在嘘をついているところです」   そしてこう付け足しました。 「ただ、このニシンの雨に匹敵するような出来事と言えば、12世紀にブルゴーニュで起こった事件ぐらいでしょ うね」 その途端、リマーの目の前にワルシャワ市長が現れて、自然発火して燃えてしまいます。 それは2つとも、リマーがリスターに話して聞かせた事件でした。   ‘I'd’は‘I would ’の短縮形なので、直後の動詞は原形を使用しています。 ‘lying’は不規則変化動詞‘lie’「嘘をつく」の「ing 形」。 「be 動詞+〜ing」で進行形を作っています。   《こんな時に役に立つ》 アホゾンビに、自分の分からないことを聞かれた時。
You shouldn't have bothered. (そんなご心配をなさらなくても良かったのに)   Aw, you shouldn't have bothered. もう、そんな心配は要らないのに。   キャットがお見舞いの品を持ってやって来ました。 リスターは喜んで迎えます。 「え? そんな、わざわざ……」 でも持って来たものは、ぶどうの茎にオレンジの皮。 実の方は? もちろんキャットが食べちゃったんです。   「should have +過去分詞形」で「〜すべきだった」その否定の形なので「〜すべきではなかった、〜しなくて もよかった」。 ‘bother ’は心配する。   《こんな時に役に立つ》 猫にお見舞いの品をもらった時。
How do you feel ? (お加減はいかがですか?)   How do you feel? 具合はどうだ?   リマーがやって来ました。 リスターの毛布と枕を取り上げて、勝手に寝ているキャットを部屋から追い出すと、彼はリスターにこう尋ねました。 リスターは‘I feel great.(すごくいいよ)’と答えましたが……。   《こんな時に役に立つ》 天井から魚を降らせたり、ワルシャワ市長を燃やしたりという、とんでもない症状の病気にかかったルームメイトに、 病状を尋ねたい時。
put it another way (別の言い方をする)   Okay, I'll put it another way. わかった、別の言い方をしよう。   リマーは、いつになく真面目な表情で話し始めました。 「よく聴けよ、リスター、お前は熱を出した、それはいいな?」 「ああ」 「そして、幻覚を見始めた、そうだな?(And, you started to hallucinate, all right?)」 「そうだよ」 「ただ、お前の幻覚は……固体だった。(Only your hallucinations...were solid.)」 「『固体』って、どういうこと?」 「私が言いたいのは、それが本物だったということ、生きていたということ、固体だったということだ」 「固体って?」 「固体だ」 「『それが固体だった』ってどういうことだよ?」 「わかった、別の言い方をしよう」   で、リマーは「別の言い方」で説明し直すのですが、 「お前は幻覚を見ていた、そうだな?(You had hallucinations, all right?)」 「そうだよ」 「それが固体だったんだ。(And they were solid.)」 ……あんまり、前と変わっていませんね。   ‘hallucination’は「幻覚」。‘hallucinate’は「幻覚を見る」。 ‘solid’は「固体」という意味。   《こんな時に役に立つ》 「お前の幻覚は固体だった」ということを、相手に説明したい時。
stand for 〜 (〜を表す、意味する)   Hey, you, what does the "H" stand for? よう、あんた、その‘H’は何の意味?   早い話が、リスターの見た幻覚が、みんな実体化してしまったということなのです。 まず、最初が魚の雨、次が自然発火ずるワルシャワ市長、そして……。 リスターがリマーに連れられて操縦室に行くと、そこでは「うぬぼれ屋」と「憶病者」が実体化していました。 リスターの心の中に住んでいた2人です。 「うぬぼれ屋」はリスターに「やあ、キング(王様)」と呼び掛けます。「あなたは、すばらしい男だ」。 そして、リマーを振り返り……   《こんな時に役に立つ》 おでこに変な‘H’をつけた野郎に、それが何だか聞きたい時。
tread on 〜 (〜を踏む、踏みつける)   You are treading on a very thin line, me laddo. そのぐらいにしておけよ、このガキ。   御存知の通り、リマーの額には‘H’の文字が付けられています。 決して消せないこの文字は‘Hologram’の‘H’。 彼が死人だということを示す‘H’。 スイッチひとつで消されてしまう立場にあることを意味する‘H’。   「うぬぼれ屋」は、その‘H’の文字のことで、リマーをさんざんからかいます。 リマーはかろうじて自分を押さえていますが、その表情はかなり引きつっています。   ‘You are treading on a very thin line.’は、直訳すると「あなたは非常に細い境界線を踏んでいる」。 「それ以上、踏み込むなよ」という意味ですね。   《こんな時に役に立つ》 これだけは触れて欲しくなかった額の‘H’マークについて、こともあろうにジョークのネタにする大馬鹿野郎を 目の前にして、あやうくキレそうになった時。
happen to 〜 (たまたま〜する)   I happen to be dead. 私はたまたま死んでしまったのでね。   リマーは、さりげない風を装ってこう説明します。 この‘happen to ’には、彼の最後のプライドがにじみ出ています。 (私はたまたま死んでしまったんだ。リスターはたまたま死ななかっただけだ。それだけのことだ……)   そこへ「うぬぼれ屋」はとどめを刺します。 ‘Couldn't happen to a more deserving guy.(もっと価値のある人間に、そんな「たまたま」が起きちゃ いけないな。)’ 命令文。‘Couldn't 〜 ’で、「〜してはならない」。 そしてリスターに言います。 「さあ、行こうキング。負け犬のことなんか忘れて、これからパーティーだ」   《こんな時に役に立つ》 たまたま死んでしまった時。
this is 〜 (こちらは〜さんです)   Stabem, meet Lister's paranoia.Lister's paranoia, this is Stabem. スタッビム、リスターの「憶病者」を紹介しよう。リスターの「憶病者」、こいつがスタッビムだ。   「それはお前の幻覚なんだ」と、いくらリマーに忠告されても、おだてられていい気になっているリスターは 耳を貸そうとしません。 「うぬぼれ屋」は、リスターを連れて出て行ってしまいました。 リマーは、とりあえず「憶病者」からなんとかすることにしました。 相手の注意を引いて隙を作り、注射器を持たせたスカッターに、後ろから忍び寄らせる計画です。   話に夢中になって、スカッターの接近に気づかない「憶病者」。 さあ、今がチャンスです。リマーは叫びました。 ‘Stab him ! (そいつを刺せ!) スタッブ ヒム!’   「え?」と「憶病者」が振り返ります。スカッターは、ノロノロと注射器を持ち上げたところでした。 そこで、とまってしまっています。つくづく使えないサービス・ロボット……。 リマーは慌てて誤魔化します。 「まだ紹介していなかったかな? こいつはね、Stabem(スタッビム)という名前なんだよ」   《こんな時に役に立つ》 人の心の中に棲む「憶病者」にサービス・ロボットを紹介したい時。
all 《人》 have to do is 〜 (《人》は、ただ〜をしさえすれば良い)   All we have to do is turn off all non-essential power systems . 非主要動力システムを全て切るだけでいいんだ。   そんなことをやっているところに、リスターと「うぬぼれ屋」が戻って来ました。 リスターは、リマーのスイッチを切らずにコチャンスキーをホログラム再生する方法を見つけたのです。   《こんな時に役に立つ》 2つのホログラムを同時に再生させるのが、意外に簡単なことに気づいた時。 
I don't know. (私は知りません)   I don't know. Is it some place near Uruguay? 知らないよ。ウルグアイのあたりにでもいるんじゃない?   リスターは「うぬぼれ屋」に励まされて、リマーがディスクを隠しそうな場所を推理し、ついに正しい隠し 場所を探り当てます。宇宙船の外壁、それも睡眠室のすぐ外側にコチャンスキーのディスクは隠されていた のです。 喜んで「うぬぼれ屋」と宇宙船の外に出て行こうとするリスターをリマーが止めます。 「医療機械が壊された」と言うのです。 「いいか、お前はまだ病気なんだ。この幻覚が消えない限り、まだ治ってはいないんだ。この幻覚たちは、 お前が完治するのを妨害したがっているんだ」 ところで「憶病者」の姿が見えません。 「どこにいるんだ?」リマーに尋ねられた「うぬぼれ屋」は、こう答えました。   《こんな時に役に立つ》 アホゾンビの質問に、まともに答えたくなかった時。
no longer 〜 (もはや〜ない)   Paranoia is no longer aboard this ship. 「憶病者」は、もはやこの船には乗っていません。   リマーが止めるのも聞かず、リスターは「うぬぼれ屋」と一緒に船外へ出て行ってしまいます。 「『憶病者』を探せ」そうリマーに言われたホリーは、 「冷静に聞いて下さいよ」と前置きして、こう言いました。 ……と、いうことは?!   《こんな時に役に立つ》 「探せ」と命じられた相手が、実は既にいなくなっていた時。
What do you mean ? (どういう意味ですか?)   What do you mean? それはどういう意味だ?   ディスクは、思った通りの場所にありました。 リスターは、ふと疑問に思います。「どうして『憶病者』は、俺たちより先にここへ来なかったんだろう?」 「うぬぼれ屋」にその疑問をぶつけてみると、 「ああ、奴なら心配ない」 「でも、あいつは医療機械を壊したんだぜ」 「医療機械を壊したのは、あいつじゃないよ」 「え?」 ここで初めて、リスターは「うぬぼれ屋」に対する疑念を抱きます。   《こんな時に役に立つ》 自分の中の「うぬぼれ屋」の言うことに、疑惑を覚えた時。
Don't look at me like that. 私をそんな風に見ないで下さい。   Don't look at me like that. そんな目で見るなよ。   「医療機械は、俺が壊したんだもの、ずっと、あんたと一緒にいたかったから。治療なんて受けさせたくなかった のさ。あんたのためにやったんだよ」 「それで、『憶病者』はどこに行ったんだ」 「♪俺が殺しちゃったよ、チャ、チャ、チャ……」 「何だって?!」 「そんな目で見るなよ」 彼は……狂ってる!   《こんな時に役に立つ》 自分が人を殺したというだけで、大好きな「キング」に変な目で見られた時。
handle 〜 (〜を解決する、処理する)   I can handle it. それは解決できるんだ。   狂った「うぬぼれ屋」は、自分で自分の宇宙服のヘルメットを外し、急激な減圧によって破裂して死亡しました。 コチャンスキーのディスクを手に、命からがら船内に逃げ戻ったリスターは、さっそくそれを再生しようとします が、リマーは「やめた方がいい」と言います。   「ちょっと言わせてもらいたいんだが、私が最初から正しかったということだ。私は奴らを病原菌だと言った。 そして奴らは病原菌だった」 「そう、その通り。それで?」 「そして、今、私はそのディスクはお前に苦しみをもたらすだけだと言っている。私はお前に、私がそう言った ということ覚えていて欲しいだけなんだが」 「なあ、彼女が戻って来て、仮に俺に興味を持ってくれなかったとしても、それは解決できるんだ」   名詞としてはお馴染みの‘handle(ハンドル)’は、他動詞として使われる時には「〜を扱う、解決する、処理する」 などの意味を持ちます。   《こんな時に役に立つ》 自分の恋人を再生しようとしている時に「苦しみをもたらすだけだ」と止められた時。
good luck. (幸運をお祈りします)   Lister, look, good luck. I mean it. リスター、さあ、幸運を祈るよ。それが私の言いたいことだ。   いよいよスイッチ・オン。隣でリマーが皮肉な笑いを浮かべているのが気になりますが……。   そして、現れたのは……もう1人のリマー! 「コチャンスキーのディスク・ケースの中に、本当にコチャンスキーのディスクを入れておくと思ったのか?  この大馬鹿者めが!」 入っていたのはリマーのディスクのコピーだったのです。 さあ、2人になってしまったリマー。この先こいつらは一体、どうなっちゃうんでしょうか?   《こんな時に役に立つ》 ディスクの中身も知らずにホログラムを再生しようとしている阿呆の幸運を祈りたい時。

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