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独 り 言 (2019年2月分)
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2019年2月28日(木)
朝から雨。
(頭が痛いなー。肩凝りかな? お天気のせいかな?)
などと思いつつ過ごす。

昼。
(違う! 風邪だ!)
と気づく。
正確には、昨日吸い込んだ花粉のせいで鼻の奥が炎症を起こして発熱していた。
帰宅後のうがいが不十分だったのだ。

午後。
ドラマ「マルホの女」を見る。
第3回である今回は、レギュラー3人の変人のうち所長のキャラクターが、かなり抑えられていた。
(やっぱりレギュラーが全員変人という設定は、ドラマ的に無理があった模様)

密室殺人ものだったのだが、途中で現場となったビルのセキュリティーがガバガバだったことがわかるという、謎解き的には
かなりガッカリ感の強い展開。
(「誰でも鍵を入手できた」なんて密室はないよなあ……)

夕方のニュースは、もちろん米朝首脳会談の結果。
両首脳が合意文書への署名をせず、予定していた昼食会もキャンセルして終了という首脳会談としては異例の事態。

トランプさんが「私とポンペオ国務長官は、何かに署名することは賢明ではないと感じた」と言っていたところから推測する
に、ポンペオさんが「殿、なりませぬ!」と安易な署名を止めたということかな?
変な合意をしなかったのは良かったと思うが、首脳会談まで行ってからのこの顛末は、やはりかなりの不首尾に見える。

ところでトランプさんが首脳会談でハノイに行っている真っ最中にアメリカでは下院監視委員会の公聴会が行われ、コーエン
被告が「トランプ大統領は、側近が〈ウィキリークス〉と接触しようとしたことについて事前に把握していた」と証言したの
だそうだ。

もしかして金正恩さん、このニュースを聴いて、
(こいつは間もなく失脚するかもしれないから、ここはこいつとの下手な合意より北朝鮮の「強気の姿勢」を強調する機会に
した方が良いかな?)
と、合意条件のハードルを上げてしまったのだろうか?

そもそも、北朝鮮は「アメリカが交渉に応じたのは、自分たちが核を持ったから」と考えているわけだから、そんなに簡単に
核兵器の全廃なんかするわけがないよね。
(そう考えると、何のための首脳会談だったのだろう)

そして、この結果を受けた我が国の首相は、拉致問題について「次は自分の出番」みたいなことを言っていたが、北朝鮮との
交渉材料として何を用意するつもりなのだろう?

夜。
郵便受けに、アマゾンから『お楽しみはこれもなのじゃ 漫画の名セリフ』(みなもと太郎 角川書店)が届いていた。
1976年〜1979年に「マンガ少年」に連載されたエッセイ(評論)をまとめたもので、ネットで見つけてあまりの懐か
しさに、ついポチッてしまったもの。

この手の本は「子を産む」ので危険だとは知っていたのだが、うっかり買ってしまったわけで、案の定、読んでいるうちに、
園山俊二氏のSF漫画という大変に珍しい作品「火星へシルクハットを」の存在を知ってしまう。

この本、みなもと氏が「マンガ少年」にこのエッセイを連載していた当時は絶版になっていて手に入らず、
〈ああ、やはり「火星にシルクハットを」が欲しい。もし、どなたか持っておられるのならおゆずりいただきたいのでありま
す〉
などと書いているのを見ると、私も欲しくなってしまうではないか!
(みなもと太郎しご自身は、その後めでたく「火星にシルクハットを」を入手されたようである)

……で、21世紀を生きている私の方は、そこはそれ「未来人」の便利さで、アマゾンでポチれば復刻版の『火星へシルクハ
ットを』が容易に手に入る立場。
当然、ポチる。
危惧した通りに、本が「子を産んで」しまったわけである。
『お楽しみはこれもなのじゃ』……恐ろしい本。

寝る。

2019年2月27日(水)
午前中。
履歴書書き。

昼。
ミステリー・ドラマ「マルホの女」を観る。
昨日が第1回で、なんだか尻切れトンボに終わったなと思っていたら、どうやら前後編に分かれていたらしい。
(連続ドラマの第1回を前後編に分けるというのは、視聴率戦略的にどうなのだろう?)

潔癖症で大金持ちの女性保険調査員と、彼女とコンビを組む元暴走族で借金を抱える女性調査員、そして音響オタクの所長の
3人が難事件を解決するというシリーズもののようだが、主要登場人物の3人が3人とも変人というのは、設定的にどうなの
だろうなあ?
ボケしかいない3人漫才になってしまい、物語の流れで誰かがツッコミに回らざるを得なくなるので、その分「変人」ぶりが
薄まってしまう。

事件は、舞台上でスピーチをしていた人物が、突然、火だるまになって死亡するというもの。
被害者が火だるまになる直前に、なぜか会場の電源が落ちて場内が真っ暗になっている。
これはさすがに、解決編を見なくてもトリックが分かるよね。(笑)
(思った通りのトリックだった)

午後。
履歴書の発送のために近所の郵便局へ。
郵便局の並びの、いつも表まで商品を積み上げているドラッグストアの棚がなぜかほぼ空っぽになっていたので中を覗いたら

明日で閉店するらしい。
(景気が悪いのか?)

テレビのニュースは米朝会談。
両首脳2人が通訳しか入れないで行われた会談で、内容はまだ分からないそうだ。
拉致問題については、話し合われたのだろうか?

ネットのニュース。
〈韓国統計庁は27日、2018年に同国で生まれた子どもの数(出生数)は前年より3万人あまり少ない約32万7千人で、
過去最少だったと発表した〉(2019/2/27 16:39 日経)

韓国の去年の出生数が、一昨年より3万人も減ってしまったのか。
(下手をすると、今年は30万人を切るんじゃないのか?)
これは、ここ数年、毎年2〜3万人ずつ出生数が減少している日本も他人事と傍観していられる話ではない。

最近、SFを書こうと「○百年後の世界」を設定するために人口の増減データを見るたびに、
(もしかして未来の地球には、日本人は存在しないんじゃ……???)
と、不安になってしまうのだ。
それまでには、日本の社会も変わっていると良いのだが。

寝る。

2019年2月26日(火)
二・二六事件の日ということで、ネットに二・二六事件を題材にした映画の一覧みたいなものが上がっている。
日本の歴史が動いた重大な日だったのだが、当時の多くの日本人はたぶんそうは感じていなかっただろう。

みなもと太郎氏が、むかし「マンガ少年」に連載していたエッセイ「お楽しみはこれもなのじゃ」で、太平洋戦争前夜という
べき時代の「のらくろ」が、のどかにジョージ・ワシントンをネタにしているのを見つけて驚いたということを書いていたが
事件というものは起きるまでは世の中は平和なのだな。

午前中。
本日は、花粉が酷そうなので、不要不急の外出は避ける。

午後。
1号くんから「独り言」が文字化けしているとメール。
元データから壊れていたので、HTMLを開いて修復に1時間。
ところで、最近、ホームページを作るのにテキストエディタでHTMLを書いている人は少ないのかね?

夕方。
米朝会談についての続報。
金正恩総書記がハノイに着いたらしい。
というか、それ以上の情報がまったく入って来ないようだ。

ところで、今回の会談、選挙向けに結果を出したい立場のトランプさんの方が不利なのかな?
焦って後々に禍根を残すような譲歩はして欲しくないのだが。

夜。
今夜の「クローズアップ現代+」は「貿易摩擦はチャンス!? 中国企業の巧みな戦略」。
米中貿易摩擦によって、多くの中国企業が倒産・閉鎖に追い込まれている。
ここまでは今までも多く報道されて来た。

しかし中国ではいま、倒産したよりずっと多くの民間会社の起業が行われているという。
これにより、国営企業から民間企業へと産業の中心がシフトする新陳代謝が期待されているというのだ。
(21世紀は、中国の時代かなあ?)
産業の中心が民間に移ったら、共産主義ではなく資本主義の国になってしまうのではないかという気もするが。

もしかして我々は、いま「前夜」の時代を生きているのだろうか?
……寝る。

2019年2月25日(月)
朝。
中央線が止まったそうだ。
今日は東大の入試の日だったのだそうで、大騒ぎ。
(これがFラン大学の入試の日だったら、こんなに騒がなかったろうな)

午前中。
風呂に入ろうと沸かしていたら、1号くんから電話。
「同人誌即売会の修羅場で風呂の掃除を忘れた。今日は出かけるのですぐに風呂に入りたい」
との内容。
(どういうタイミングだ?)

昼。
風呂から出てきた1号くんと昼食。

ついでに池袋を散歩していたら、千切りキャベツを食べながら歩いている若い女性を目撃する。
コンビニで売っている袋入りの千切りキャベツは、最近の若い女性にとってはスナック菓子なのか?

1号くんと別れて、病院へ。
検査の結果を聞いて、体重と血圧を測る。
太った!
(糖質制限すべきかなあ?)
さっきの千切りキャベツの女性は、ポテチの代わりにキャベツを食べるダイエットでもしていたのかも。

スーパーに直しに出していたズボンを受け取って帰宅。
ニュースに安倍さんが出て、沖縄の県民投票結果は無視するという内容のことを喋っていた。

要は、いつもの「真摯に受け止め」を枕詞に、これまで通り工事を進めるというコメント。
「工事をやめろというあなたの言葉を真摯に受け止めつつ工事をやります」
って、どの辺を「真摯に受け止め」ているのだろう?

外交関係のニュース。
ロシアのラブロフ外相が「(日本の安倍首相が平和条約の締結を表明していることなどについて)その確信がどこから来てい
るのか分からない。プーチン大統領も私も、そうした発言につながる根拠は与えていない」と述べたことについて、衆院予算
委員会の席上、立憲民主党会派の今井雅人に質問を受けた安倍首相は「交渉の場以外の発言について、いちいち反応するつも
りはない」と答えた。

交渉中の相手国の外務大臣の発言に対して「いちいち反応するつもりはない」って……
日本の対露外交は、大丈夫なのだろうか?

米朝協議についてのニュース。
「金正恩総書記の乗った列車がどこそこを通過した」とか、そんな内容。
よほど情報が取れない状況なのか、日本のメディア?

国内ニュース。
逃げたペットのミミズクが交通事故で死んだという話題が、結構大きく取り上げられていた。
そんなのどかな話題がニュースになるほど、世界は平和じゃない気がするのだけどね。

50年後、100年後に、いまのこの時代は歴史にどう記録されるのだろうか?
どうも後の歴史書に「○○前夜」と記述されるような時代を生きている気がしてならないのだ。

明日は2・26事件の起きた日。
1936年の2月25日も、日本人は「平和な1日」を過ごしていたのだろうか?

寝る。

2019年2月24日(日)
ニュース。
日本文学者のドナルド・キーン氏が亡くなられたそうだ。
ご冥福をお祈りします。

午後。
メンサ・テスト合格者の会の例会。
会場の都合で借りた部屋が茶室だったので、ちょっと変わったことをしてみようかと茶道の体験会を行う。

茶菓子と抹茶をデパートで買い、使い捨ての木製のフォークと菓子皿代わりの紙のコースターを百均で調達。
前回で懲りたので、電気ポットを借りてそっちを使ってまず湯を沸かす。
(会場の炉は電熱器タイプで、お湯を沸かすのにやたら時間がかかるという欠点があるのだ)

参加者に、
「もしかして、正装して来ないといけなかったですか?」
と聞かれたが、別にそんなことはない。
楽しむことが最優先。
とりあえず茶菓子が美味しいと好評だったので成功だと思う。

終了後にはいつも通りの懇親会。
帰宅して、久しぶりにNHKの大河ドラマ「いだてん」を観たら、主人公がオリンピック出場のためにストックホルムに旅立
つという回だった。
選手が渡航費を工面するのに苦労するという話だったのだが、21の現実世界ではオリンピックに大金をバラ蒔いたとかいう
話ばかり。
日本のスポーツ界は、当時と比べると堕落したな。

沖縄の米軍基地辺野古移転に関する投票結果は、移転反対が7割だったらしい。
これは私の勝手な推測だが、移転反対に投票した人の何割かは「地方は東京のために犠牲になって当たり前」みたいな態度に
ムカついたんじゃないかなあ?

寝る。

2019年2月23日(土)
朝。
「チコちゃんに叱られる」というNHKの高視聴率番組を観る。
収録現場にNHKの会長が来ているとかで、出演者がなんとなく緊張していた。

今回のテーマのひとつは、スーパーのレジ袋の起源について。
そもそもは、梨園で行われていた「客による梨もぎ」というレジャーに使用されていたカゴで、このカゴに引っかかって当時
普及し始めた女性のストッキングが被害を受けたことが始まりだという説。

普及し始めのストッキングは大変に高価であったので、これに傷が付くというのは大きな被害であったらしい。
そこで、引っかかりのない取っ手付きのビニール袋が開発された。

このビニール袋に、女性客が多く、かつ「買い物カゴでストッキングが傷つく」という同様の問題点を抱えていたスーパーが
目をつけたらしい。
当時のスーパーの買い物袋は取っ手のない紙袋だったので、大量の商品を持ち歩くにはその紙袋をさらに入れるための買い物
カゴが必要だったのだろう。

番組ではそこまで言っていなかったが、要するに自分で買い物カゴを手に商店を回るような階級の女性までが、ストッキング
のような高価な衣類を身につけるようになったということ。
そしてさらにその背景にはナイロンという安価で丈夫な素材の開発というものが存在したわけである。
(……奥が深い)

午後。
佐藤編集長に誘われて、山手通りに開店したというカレー屋に行く。
胃の調子がいまひとつアレだったので、カレーではなくハヤシスパゲティみたいなものを食べる。
味はまあまあ。

それより興味深かったのは、座席ごとにiPadが1個ずつ置いてあり、そこから注文を行うという店のシステム。
人件費をかけてウェイターを増やすより、客の数分のiPadを買った方が割安ということなのだろうな。

店を出て要町の交差点まで歩き、大通りを池袋駅方面に向かったら、豊島区名物では決してない(←重要!)例の「カイコの
もやし炒め」の店が潰れていた。
昆虫料理の専門店というわけではなくややマニアックな中華料理の店だったのだが、このメニューが人目を引いたのか、豊島
区のガイドブックの表紙に使われていた店。
(表紙は写真ではなくイラストだったが、この店をよく知る人が見たら一発でわかる絵だった)

どうやら跡地は「羊料理専門店」になるようだ。
(これもこれで、マニアック?)
池袋の本屋を巡って、帰宅。

夜。
「ブラタモリ」を観る。
パリの建造物は、パリの地下で採掘される花崗岩でできているという話。
(都市の下に大穴を開けてしまって大丈夫なのか?)
と、思ったが、ちゃんと埋め戻してはあるらしい。
(もしかして、パリのオペラ座の地下にあるという謎の大穴の正体は、この採掘の跡だろうか?)

どうでもいいこと。
今回、ガイドに呼ばれて来たフランス人が、地質学の専門家ばかりだった。
ローマ編の時に、呼ばれたガイドよりタモリの方が詳しくてガイドの立場がなかったので、今回は気合を入れた?

番組が終わって「たけしのその時カメラは回っていた」という番組が始まった。
アメリカでの記者会見でフルシチョフが激怒している映像が映って「彼は何に怒っているのか?」というクイズが出されたの
だが、答えは「ディズニーランドに行けなかったから」だった。

内容をよく聞くと、フルシチョフは「アメリカ国民と直に触れ合いたい」と希望していたのに、警備が厳重すぎて希望してい
たディズニーランドも危険だという理由で行けないと聞かされて、これではわざわざアメリカまで来た意味がないと怒っているのだ。
これを「ディズニーランドに行けなかったから」と要約するのは、どんなものだろう?
せっかくの貴重な素材を使っているのに、まとめ方がちょっとアレだよな。

寝る。

2019年2月22日(金)
朝の東京ローカルの情報番組で、墜落した自衛隊機のパイロットは操縦に不慣れな自衛官だったと言っていた。
まあ、不慣れだから慣れるために訓練で乗るんだよね。
搭乗していたのは2名ということだから、もう1人が教官だったのかな?
こういう場合は、墜落の責任は教官の方が取らされるのだろうか?

午前8時。
NHKが、はやぶさ2がりゅうぐうに着陸成功したと報じていた。
今度はサンプル回収にも成功したっぽい。
良かった!

『黒き微睡み(まどろみ)の囚人』(ラヴィ・ティドハー 押野慎吾訳 竹書房)読了。
ハードボイルド小説だとばっかり思って読んでいたら、なんとファンタジーだった。
あまりすっきりしない終わり方。
読み手を選ぶ小説。

夕方。
郵便受けを覗くと、今日も今日とて「お祈り」メール。
就活の道は険しい。

夜は空想小説ワークショップ。
物語のラストシーン、そして笑いについて。

「勝や」で飲んで、帰宅。
アマゾンから届いていた『翔んで!埼玉』をざっと読み。
カバーの上に映画公開に合わせたカバー(いわゆる「カバーサイズの帯」というやつ)がついたバージョン。
ある意味、コレクターズアイテム。

「やおい君の日常的でない生活」と「時の流れに」が載っている。
確か、最初にこの本が単行本化された時には「やおい君の日常的でない生活」の方が表題作だったんだよな。
魔夜峰央の失敗作集(?)みたいな短編集だった。

この中で、最も完成度が高いのは「時の流れに」だと思うが、破綻していない分、印象も薄いという残念な作品。
「翔んで!埼玉」は、ご存知の通り尻切れとんぼで終わっているし、「やおい君の日常的でない生活」は、シリーズ化を狙っ
て凝ったキャラクターを造形したのだが、作者自身があとがきで、
〈こりすぎは良くないという見本のような作品になってしまいました〉
と書いてある通り、キャラクターの個性が凡庸な物語の中で空回りしている。

まあ、これはこれで、あくまでコレクターズアイテムということで……
と、買ってしまった自分に言い訳しつつ、寝る。

2019年2月21日(木)
午前中に雑用を済ませてから『黒き微睡み(まどろみ)の囚人』(ラヴィ・ティドハー 押野慎吾訳 竹書房)を読む。
この本、表紙のイラストと帯が完全にネタバレになってしまっている。
さすが、竹。(笑)

主人公は、ウルフという男。
「狼」は、ドイツ語で言うと「アドルフ」。
要するに、パラレルワールドでのヒトラーが主人公なのだ。

ウルフは元はドイツでナチス党の党首だったが、なぜか共産党に敗れてイギリスに亡命しているという設定。
亡命先のイギリスでは「外国人移民」として差別を受け、娼婦が住むようなボロアパートに住み、目下の仕事は探偵業。
家賃を滞納し、金のために嫌々ユダヤ人からの依頼を引き受けるウルフ。

依頼の内容は「行方不明になった妹の捜索」なのだが、この妹、そして依頼人の父親が何かとワケアリで、主人公はどんどん
ややこしい事件に巻き込まれて行き……。

……という物語と並行して、もう一人の主人公であるユダヤ人作家ショーマーの物語が語られる、
彼はアウシュビッツの収容所で、歴史通りの酷い扱いを受け、現実逃避のためにひとつの物語を思い描く。
その物語とは、ヒトラーがドイツを追われてイギリスで惨めな生活しているという話。
ヒトラーは「ウルフ」と名乗って探偵業を営んでいるが……。

暴力とセックス満載のハードボイルド・タッチの作品。
今のところ、読みづらい部分はない。

夕方。
アマゾンから『翔ばして!埼玉』(魔夜峰央 宝島社)が届く。
尻切れとんぼのエッセイ漫画に、魔夜峰央関係の資料を加えて一冊にしたような本で、本文の用紙も書籍には珍しいザラ紙の
ような紙。
たぶん映画「翔んで!埼玉」公開に合わせて、無理やり1冊にまとめて発売したのだろう。

漫画の内容は、魔夜峰央が資料を確認せずに昭和の思い出を語るというようなもの。
「面白いか?」と言われると微妙だが「取っておいたらコレクターズ・アイテムになるかなあ?」というような商品。
要するに「珍品」の類。
コレクターの方は、ぜひどうぞ。(^^;

夜。
「はやぶさ2」の小惑星リュウグウへの着陸予定が、5時間ほど遅れそうだということ。
地球から4年もかけた旅なのだから、5時間ぐらいはどうってことない。

そろそろ風呂に入って寝ようかと思っていたら、北海道の方に住んでいる人がツィッターに地震があったとつぶやいていた。
急いでテレビをつけたら、臨時ニュース。

 時刻:21時22分頃
 震源:胆振地方中東部(北緯42.8度 東経142.8度)
 深さ:約30km
 規模:マグニチュード5.8
 最大震度:6弱(北海道	厚真町)

最近、胆振(いぶり)地方を震源とする地震が多いな。
胆振は、私にとっては地震のニュースで初めて聞いた地名なのだが、地図で確認したら苫小牧とかその辺であるらしい。

テレビでは一時的に停電があったと言っていた。
大きな被害がないと良いのだが。

寝る。

2019年2月20日(水)
今日は花粉が多いと朝の天気予報で言っていたので、不要不急の外出は控えることに。

午前中。
ネットのニュースによると、自衛隊の戦闘機が墜落したらしい。
幸い乗員は無事だったそうだが、特に荒天という感じでもない日に?
機器の故障か?
操縦ミスか?

午後・
『時間SFアンソロジー レヴィジョンズ』(大森望・編 ハヤカワ文庫JA)読了。

「時空争奪」(小林泰三)
ストーリーは論理的で私好みなのだが、それにしてもグロい表現の好きな人だ。(笑)
意地の悪い質問で学生を苛める大学教授が妙にリアルなのだが、過去に何かあったのか、小林先生?

「ヴィンテージ・シーズン」(C.L.ムーア)
映画「グランド・ツアー」の原作らしいが、その映画は観ていない。
(ネットであらすじを読んだら、だいぶ違う話になっているっぽい)

主人公は、古い家を所有する男性。
その家の賃貸契約を済ませた直後に、同じ家を高額で買い取りたいという客が現れる。
条件は「5月中(つまり、いますぐ)に売ること」
こんな古いボロ家に、なぜ「いま」に限ってこんなに住みたがる人間が現れるのかという主人公の疑問の答えは、ドラッグに
ラリッた借家人のひとりが口を滑らせたことで判明する。
彼らはタイムトラベラーだったのだ……。

それにしても、明らかに危ないドラッグと分かる飲み物を、ためらいなく口に入れてしまう主人公。
ドラッグというものに対する感覚が今とは違うのだろうなあ。

「五色の舟」(津原泰水)
舞台は戦時下の日本。
先天的な障害のために見世物小屋に出て糊口をしのぎ、川に浮かべた船の中で生活している一家。
彼らが「くだん」の噂を聞き、見世物のレパートリーを増やそうと出向くところから話は始まる。
このアンソロジーの中では、一番救いのある物語かな?

『時間SFアンソロジー レヴィジョンズ』
どれも優れた作品だとは思ったが、読んで気持ちが暗くなるものばかり。
気が滅入っている時にはお勧めしない。

ニュース。
トランプ大統領が「北朝鮮の非核化は急がない」と発言したそうだ。
安倍さんの北方領土の話と言い、国内で宣伝できる「結果」を焦る政治家が、どんどん自国に不利な外交を進めていないか?

夜。
「ためしてガッテン!」は、鍼灸の話。
結局のところ鍼治療が効くはっきりとした理由は、いまだに解明されていないようだ。

「探検バクモン」は、分身ロボットについて。
元引きこもりの研究者が開発したロボットは、身体的な障害や育児のために職場に出向けない人が働くのをサポートするのに
役立っているそうだ。

ロボットの外見は、試行錯誤を経て無個性で中性的なものを採用したそうだ。
その人に似せた外見のロボットを作ったら「気持ちが悪い」と不評。
ラブリーな犬のぬいぐるみ型のロボットを作ったら周囲からは好評だったが当人から「社長なのに社員から犬扱いされる」と
苦情が来て……というところで笑った。

分身ロボット開発者の吉藤さん、高校時代の部活の顧問からは、扱いにくい生徒だと思われていたらしい。
「ぜんぜん僕の言う通りにしないんです」
だそうだ。
でも、そういう生徒を潰さなかったところが、この先生の偉いところかな?

『黒き微睡みの囚人』(ラヴィ・ティドハー 押野慎吾訳 竹書房文庫)を読み始める。
ハードボイルドっぽい文体のSFのようだ。

寝る。

2019年2月19日(火)
朝から雨模様。
昨日はとても良い天気だったのに。

「モーニング・クロス」で、iPS細胞を使って脊髄損傷を治療する臨床研究の話題を取り上げていた。
脊髄損傷と言うと、自民党の谷垣前総裁も事故による脊髄損傷で政界を引退したんだよな。
若くて元気な人が、いきなり全身がマヒしてしまうというのは当人にとっても周囲にとっても悲惨なことだろうから、治療法
が早く確立できると良いな。

午後。
小雨のパラつく中を区役所へ出かける。
自動交付機で住民票を取ろうとしたら、いつもの場所に交付機が見当たらない。

(場所を移動したのかな?)
と、受付の人に聞いたら、
「住民票の自動交付機は、昨年末を以って廃止になりました」
と言われる。
マイナンバーカードの関係らしい。
(マイナンバーの導入以来、世の中がどんどん不便になるな)

昔ながらに手書きで申請書を書いて、番号札を取って、名前を呼ばれてから窓口で申請書類を提出して、それから書類の作成
を延々と待って、窓口に呼ばれて、書類を受け取る。
自動交付機を使えば5分もかからずに済む手続きに、30分近くもかかってしまった。

帰宅。
『時間SFアンソロジー レヴィジョンズ』(大森望・編 ハヤカワ文庫JA)から「ノー・パラドクス」を読む。
時間旅行業を家業にしている主人公。
タイムトラベルの仕組みを理解していないお客相手に、その仕組みについての説明を行う日々。

ある日、主人公はタイムトラベラーによる殺人事件に巻き込まれてしまう。
事件の解決に当たる愛煙家のフォークという男は、絶対にあの警部補がモデルだな。(笑)

事件を起こした犯人はその動機を述べるが、どうも話が通じない。
そして意外な真相が……。
(ミステリーに見せかけたSFで、やっぱりミステリー?)

夜。
テレビで「今夜はスーパームーン」と言っていた。
(「スーパームーン」という言葉、むかしはあまり聞かなかったよな……?)
と、思っていたのだが、天文学への関心を高めようとNASAが作った造語なのだそうだ。
なるほど……。

月が1番大きく見える時刻は真夜中になるのだそう。
そこまで付き合う気にはなれなかったので、寝る。

2019年2月18日(月)
午前中。
池袋の病院へ。
先日の検査結果を聞いて、紹介状を書いてくれた医師への返信を書いて貰う。

昼。
千川(有楽町線で池袋から2つ目の駅)に移動して昼食。
ファミレスでハンバーグを注文したのだが、ここのハンバーグは生焼けのまま出て来る、ちょっと変わったタイプ。
ペレットという焼いた鉄がトレイに一緒に載っていて、生のハンバーグを客が自分で焼いて食べるシステム。

熱源は特にないので、当然、途中でペレットは冷める。
肉が十分に焼けない温度になったと感じたら、店員を呼んで新しいペレットと交換して貰うのだが……面倒臭い。
まあ、特に事故が起きていないからやっているのだと思うが、普通に店員が焼いたハンバーグじゃ、なぜいけないのだろう?

ちなみに、素人が熱でトレイ(鉄板)に張り付いた状態のハンバーグを切ってペレットに載せると、その時点でハンバーグは
かなりボロボロ。
食べる時点ではただのひき肉の塊になるので、普通のハンバーグと比べて味が落ちることは確実。
料理としての質を落としてまで、客に自分で肉を焼かせるメリットがいまひとつ分からないのだ。

ぶーたれつつ、店を出て向かいのスーパーに入ったら、
「ズボンの裾直し無料サービス中」
という表示が目に入った。
脚の短い私にとっては、これはなかなか大事なチャンス。
新しいズボンを1本買って、裾直しを頼む。

午後。
もう1軒の病院へ。

血液検査。
予想通り、検査技師が四苦八苦。
(私の血管は細いのだそうだ)

ベテラン看護師と交代してなんとか採血はできたものの、
「腕をホカロンで温めてから来てくれると助かります」
と、注文をつけられる。
(気持ちは分からなくもない)

どうでもいいけど、病院のハシゴって別にこっちが何かする訳でもないのに、精神的に疲れるな。
無性に甘いものが食べたくなって、ドトールでケーキを注文。
(血糖値、上がるな……)

帰宅。
ニコ動で「けものフレンズ2」の第5話を観る。
ようやくかばんちゃんが登場したところで、来週につづく。
「来週」って言うか、「今夜」だな。
深夜アニメは録画やネットで観ることが多いので、なんとなく感覚が狂う。

……寝よう。

2019年2月17日(日)
川崎で「はるこん」の会議。
行きの副都心線の中で『時間SFアンソロジー リヴィジョンズ』(大森望・編 ハヤカワ文庫JA)の中の「ノックス・マ
シン」を読む。
「ノックスの十戒」と呼ばれる探偵小説を書くためのルールに、なぜ「中国人を登場させてはいけない」という条項があるの
かについて研究していた中国人が、タイムマシンでノックスがこの「十戒」を書いているところに行ってみると……。
(ややオチの予想がついてしまっていたかな?)

今日の会議は、川崎国際交流センターでの下見がてら……ということだったが、5時まで会議室で会議をしただけという感じ
(役員の人は、他にも何かやったのかも知れないが)だった。

終了後は飲み会。
明日は病院で検査があるので、私はウーロン茶で付き合って、10時頃に帰宅。

寝る。

2019年2月16日(土)
朝食。
うどん。

午後。
ネットでニュースを見ていたら、トランプ大統領が「日本の安倍首相によってノーベル平和賞に推薦された」と言ったという
話が流れていた。
トランプ大統領と言えば、メキシコとの国境の壁問題で非常事態宣言を出したとかで、目下「アブナイ奴」イメージで見られ
ている人。
(さすがに、それはネットのデマだろう)
と、新聞のサイトを確認したら、どうやら本当だったらしい。

推薦の理由は「朝鮮半島の非核化や地域の平和に貢献したこと」だそうだから、今回のメキシコの壁の件とは直接関係ないの
だが、このタイミングでその話を持ち出すことで、あたかも「日本国はアメリカがメキシコとの国境に壁を作ることを支持し
ている」かのような印象操作に使ったらしい。

過去の発言を上手く利用されたということか。
自分の発言がトランプみたいな人物によってどう悪用されるかを考えて、政治家はよくよく発言に気をつけないとね。

夕食。
久々のカレーライス。
胃袋は大丈夫。

夜。
「出没!アド街ック天国」という番組で、池袋の特集をやっていたので、観る。
ゲストに荒俣宏先生がいて『虚実妖怪百物語』を読んだばかりだった私は、根拠のない親しみを感じてしまった。
その荒俣先生のイメージする池袋は、1にも2にも「ブラックマーケット」。
まあ、否定はしないが……。

極真空手の本部が池袋にある理由について、峰竜太が「ブラックマーケット時代にボディガード的なことをしていた名残り」
みたいにきれいに説明していたが、要は「闇屋の用心棒」だろうが。(笑)

意外だったこと。
司会の井ノ原快彦氏、そこそこ空手ができるっぽい。
カメラの前で、ちゃんと板割りを成功させていた。
(これって、実は失敗した方が番組的には美味しかった?)

落語家で人間国宝の柳家小三治さんに、むかしの池袋の印象を聞いたら、
「汚ねえところ」
(まあ、その通りですね)

初めて知ったこと。
西池袋の「舞台芸術学院」というのは、日本で唯一の舞台芸術課程のみの専門学校なのだそうだ。
(「舞台芸術課程のみの専門学校として日本で唯一」というのが、どの程度価値のあることなのかは知らないが)

「舞台芸術学院」の卒業生である女優の渡辺えりさんがむかしアルバイトをしていたロサ会館の「おでん やま」が、未だに
営業していて「舞台芸術学院」の学生たちが、そこで今もそこでアルバイトをしているという話は、良かったな。

笑ったのは「タカセのバタークリームケーキ」の話。
平成10年生まれだという若いタレントに、
「バタークリームって何ですか?」
と、聞かれて説明に困る井ノ原氏。
「生クリームを使っていないケーキに使われるクリームで、でも最近のバタークリームは美味しくなりましたよね」
と、苦しい説明。

さすがに「高価な生クリームの代用品として使われた安くてクソまずいクリームのこと」とは言えないよね。(^^;
タカセは未だに「バタークリームケーキ」を販売しているのだから。
(「タカセのクッキー」が久しぶりに食べたくなったな)

池袋、改めて良い街だと思ったな。
寝る。

2019年2月15日(金)
朝。
「モーニング・クロス」(東京ローカルの時事問題系の番組)を観ていたら、
「トランプがメキシコの壁問題で、非常事態宣言を出したが、実はアメリカは結構よくこの宣言を出しているのだ」
と、ゲストコメンテーターが解説していた。

今回の非常事態宣言と、いままでの非常事態宣言の何が違うのかと言うと「法案が議会を通らなかったから、非常事態宣言を
出して通す」というのが前例がないことなのだそうで、アメリカ議会は「これが〈大統領が議会を通らない法案を通すために
非常事態宣言を出す〉という前例になったら困る」と騒いでいるらしい。

要するに「非常事態宣言」そのものは、別に珍しいことではないけれど「議会を通らない法案を通すための非常事態宣言」と
言うところが問題なんだね。

午後から就職面接。
20分前に会場に着き、
(少し早いかなー)
と、思いつつ入口のインターホンを押したのだが、割と普通に入れてくれた。
中に入ってなんとなく壁の時計を見て気づいたのだが、私の腕時計は20分遅れていた。
(セーフ! ……なのか?)

面接。
「仕事に役立ちそうな特技を何かお持ちですか?」
と、聞かれたので、
「もともと印刷屋に勤めていたので、紙を運ぶのは得意です」
と、答えたら、なんかウケた。
(お笑い芸人のオーディションだったら、良かったんだけどね)

「不採用の場合は、2週間後に書類で連絡します」
と、言われたのだけれど、これは落ちたのかな?

池袋に戻って、別件の手続きを済ませてから帰宅。
ネットでニュースを読む。
〈日本の光通信速度、23位に転落 5Gの足かせに〉(2019/2/15 18:00日本経済新聞 電子版)

〈日本経済新聞が各国の光回線など高速固定通信の速度を調べたところ、経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国中、日
本は2015年の7位から18年は23位に転落したことが分かった。大容量動画の普及に設備増強が追いつかず、夜は東南
アジア主要国より遅い〉

〈日本でも高速通信網の円滑な投資を促すため、総務省の有識者会議が投資分担のあり方などを議論し始めたところで、煮詰
まっていない。光回線の増強が足踏みしたままでは、日本の産業競争力は5G時代に一段と劣化してしまう。〉

なんかこう、日本は大事なところで後手に回っているんだよなあ。
……寝る。

2019年2月14日(木)
朝。
東京ローカルの番組「モーニング・クロス」で、安倍首相が「自衛隊の新規隊員募集に対し都道府県の6割以上が協力を拒否
している」と主張した件を取り上げていた。

岩屋防衛相によると「(非協力的な自治体と言われた)6割のうち3割は住民基本台帳などの閲覧はさせてくれている」との
こと。
(じゃあ、協力しているということじゃないのか?)
と、ネットで確認してみたのだが……

防衛省によると、2017年度には1741市区町村の約36%が紙か電子媒体で住民名簿を提出、提出はしないが住民基本
台帳の閲覧や書き写しを認めている自治体が約53%。
過疎地などの理由でそもそも住基台帳の閲覧を求めていない「その他」が約10%だった。

実際には9割近い自治体から情報を得ているということなのだが、首相が言いたいのは「名簿の書き写しのような面倒な作業
を自衛官側にやらせるなんて、非協力的だ」ということらしい。
(そこまでおんぶにだっこ?)
だって「自衛隊の求人」に関する業務だよね?
それは自衛隊の人事担当者の任務じゃないのか?

そして私がわけがわからないと思うのは、首相のこの話が「憲法改正」の根拠として挙げられたという点。
「自衛隊への対応ができるように市区町村の職員を増員しよう」という話の根拠なら、まだ話が分かるのだが。

さて……
『虚実妖怪百物語』(京極夏彦 角川文庫)の「急」を読む。
「序・破・急」の「急」で、つまり3巻目(最終巻)。

暴徒を逃れて富士山の麓に隠れ住む荒俣宏一行の元には、同じように住んでいた地域を追われた人や、クトゥルー信者など、
さまざまな人間たちがが集まって来て……という感じのところから始まった「急」の巻。
次第に敵の正体が分かって来る。
そしてついには自衛隊が動き出し、対する妖怪たちは……。

実在の人間を登場人物としたフィクションで、奥付に、2011年3月刊行の「怪」Vol.0032から連載が開始したと書いて
あったから、書き始めた直後に東日本大震災が起きたわけで、現実と同時進行のつもりで予定していた小説としては京極先生
も戸惑われたのではないだろうか?
(結局、地震の話は小説内ではあまり大きく扱わないことにしたようだ)

おまけに連載中に主要登場人物のひとりである水木しげる先生も亡くなられてしまったし……。
(これはなんか良い感じにまとめていた)

感想。【以下、ネタバレ注意!】
個人的にやられたと思ったのは、てっきりスピンオフかと思っていたらオチだったことかな?
そして「序」からの「馬鹿」が、実は重要な伏線だったり。
面白かった。
久々に小説を読んで、声を出して笑った。

寝る。

2019年2月13日(水)
朝。
口に入れたうどんを舌が「異物」ではなく「食べ物」と認識してくれる。
これは、かなりの回復。

NHKの「まんぷく」は、いよいよ日本初のインスタントラーメンが出来上がったところ。
「美味しい、美味しい」と、登場人物がみんなで盛り上がるのだが、こちらは実際の「チキンラーメン」を普通に食べたこと
があるので、
(そんなに言うほどか?)
と、首を傾げてしまう。
「お湯をかけたらすぐできる」というところは画期的なので、むしろそっちに力点を置いて感動を盛り上げた方が良かったの
ではないかなあ。

午後。
『虚実妖怪百物語』(京極夏彦 角川書店)の「序」を読み終わって「破」を読み進める。
「序」では、のんびりと語られていた妖怪の出現だったが「破」は、それをきっかけにして日本中で起こる暴動というキナ臭
い流れに。

漫画版の『デビルマン』のラスト近くのような……と言うか、解決できない問題を前にヒステリックに犯人探しをする人々が
暴徒と化し、ついに荒俣宏氏の家が焼き討ちに遭う。
警察も、どちらかと言うと暴徒の味方で、東京都に至っては籠城する荒俣氏を暴徒の前に引き摺り出すために毒ガスの注入を
決定するという有様。
こういうピンチを救う者と言えば、やはり巨大ロボということになるわけで……。

「序」で思いっきり読者をイライラさせることで溜め込んだフラストレーションを一気に押し流す怒涛の展開。
マジで本を読んで1日過ごしてしまった。
寝よう。

2019年2月12日(火)
朝起きたら汗びっしょりで、風呂を沸かして入ることに。
とりあえず、うどんは食べられる程度に回復した。

ニュース。
チャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」がグラミー賞の最優秀ミュージックビデオを受賞。
監督は日本人のヒロ・ムライ氏ということだが、このミュージックビデオは、アメリカの銃社会を批判する内容。
日本の貧困問題を取り上げた是枝裕和監督の「万引き家族」に対する日本の反応と比較して捉えると興味深い。

午後。
昨日、アマゾンから届いた『虚実妖怪百物語』(京極夏彦 角川書店)を読む。
(「序」「破」「急」の3冊をまとめ買いしたのだ)

タイトルに「虚実」とあるが、物語はもちろんフィクション。
しかし登場人物の多くは実在の人物。

2011年から連載された小説をまとめたもので、2015年に亡くなられた水木しげる先生がまだご存命中に連載が開始し
たことになる。
で、その水木先生が「妖怪を感じなくなった」つまり日本から妖怪が消えていると言い出したところから事件は始まる。
そしてそれと前後して、各地に妖怪が次々に姿を現し始め……。

なんかむちゃくちゃに面白そうな話なのだが、登場人物がなぜか全員ふざけている。
バカな冗談やダジャレを言い合って、話がなかなか先に進まないのだ。
イライラする。
妖怪がすぐそこに見えているのに、登場人物が一向にそこに辿り着かないイライラ感が悪夢の感覚に似ている。

京極先生のことだから、これはたぶんそういう計算なのだろう。
それでもともかく面白い話なので、イライラしながらどんどん読み進めてしまう。
なんだこの麻薬的な小説は?

夜。
『虚実妖怪百物語』を読んでいるうちにうとうとして来て、夢の中だか小説の中だか分からなくなって来たので、寝る。

2019年2月11日(月)
朝。
東京MXの番組を見ていたら、安倍さんが「悪夢のような民主党政権時代」と発言したことについて、キャスターの堀潤氏が
「安倍さんにとっては悪夢のようだったということでしょうね」
と解説を入れていた。
自分が参院選で大敗したのがきっかけで、他の政党に政権を取られた時代なのだから、確かに安倍さん個人にとっては悪夢の
ような時代だっただろう。

午前中。
熱もなければ咳も出ない。
風邪自体の症状は何ともないのに、胃だけがストライキ中。
差し当たって塩と糖分が摂取できないと人間の体はアレなので、麺つゆを薄めて煮立ててから少しずつ飲んでみる。
こういう時に、麺つゆは最強。

午後。
『天皇即位と超古代史』(原田実 文芸社文庫)を読む。

さまざまな時代に作られた、いわゆる「偽書」に天皇がどう描かれているのかというマニアックな研究。
「偽書」というのは、さっくり言うと捏造された古文書のこと。
捏造なので、もちろん書かれていることは嘘なのだが、その嘘は「偽書」が書かれた時代の考えを反映している。

例えば、五代将軍・綱吉の時代に作られた『大成経』は聖徳太子の時代に書かれた古文書という触れ込みだったが、この中の
「未来本紀」には、この世に天変地異と戦乱が続いた後、太陽の精とも言べき治世者が現れて世界平和が実現すると書かれて
いるが、その平和を実現する手段は「諸国の主の妻を人質に取り、都に住まわせること」とされている。
これは、明らかに徳川幕府の統治法であり、つまり徳川家が未来の世界の統治者であると聖徳太子の時代に予言されていたと
いう意味になる。

要するに『大成経』の作者が幕府にゴマをすったということなのだが、こうした努力(?)も虚しく『大成経』は禁書となり
版木も回収されて焼き捨てられた……はずだった。
にもかかわらず、現代に残っているのは、神官・僧侶・学者・好事家が隠し持っていたからだと言う。

(神官・僧侶・学者はともかく「好事家」って?)
どうやら、江戸時代にも幕府に逆らってまで、コレクションを守ったマニアがいたらしい。
オタクの鑑である。(笑)

さて……。
私のストライキ中の胃袋との交渉。
小さく切った餅を麺つゆに浮かべてやわらかく煮たものを、少しずつ噛んで飲み込んでみる。

夜。
「どろろ」を観る。
戦国時代に、戦災孤児を養うために身を売る女性が出て来た。
仕事から帰って来た彼女の体はアザだらけで、そういう商売をしている女性が客の男性からどのような扱いを受けるものかが
伺える描写になっている。
(リアルだ……)

ところで、いまさら気づいたのだが、今日は「建国記念の日」だったのだな。
根拠は、神武天皇が即位したと伝えられる日だそうだ。
ちなみに偽書『大成経』に出てくる神武天皇は、竜の尻尾が生えていたことになっているらしい。

寝る。

2019年2月10日(日)
朝起きると、風邪の症状は、ほぼ引いていて、
(治ったなー)
と、思ったのだが食事をしたらいきなり吐き気に襲われた。
風邪が胃腸に来て、時間差して症状が現れたらしい。

その他の部分は健康なので普通に空腹になるのに、ものが食べられないという地獄のような状態。
差し当たって、
(この機会にダイエットを!)
と、前向きに捉えてみる。

午前中。
立ち上がると軽く立ちくらみがするので、電話とPCでできる作業。

午後。
読書。

夜。
「池上ワールド “スパイの事件簿”」という番組をやっていて、面白そうだったので、観る。
現代史を「スパイ」という視点から捉えた内容だったのだが、ちょっと怖い話が紹介されていた。

スパイが敵のスパイを暗殺するために神経ガスを使った。
彼は第一の作戦が失敗した場合を考えて予備の神経ガスを用意していたが、成功したために予備のガスは未使用となった。
スパイは偽装のために香水瓶に入れていた神経ガスを隣町のゴミ捨て場に捨てた。

ところが何も知らない一般人の男性が、その瓶を拾って恋人にプレゼントしてしまった。
恋人は喜んで香水瓶のスプレーを自分の顔に向けて噴射。
吹き出した神経ガスを吸って死亡してしまう。
スパイ同士の暗殺劇が一般人を巻き込む事件となってしまったのだ。
……とりあえず、ゴミ捨場で拾ったものを恋人にプレゼントするようなセコイ男とはつき合うべきじゃないね。

もうひとつ興味深かったのは「別班」と呼ばれる陸上自衛隊の秘密情報部隊の話。
首相や防衛大臣もその存在さえ知らされていないという組織なのだそうだ。

国会でこの件について質問された防衛大臣は「幕僚に確認したが存在しないという返事だった」と答弁したらしいが、確認っ
て、どうやったのだろう?
「君たちは私に内緒でスパイ組織を作っているのかね?」
「いえいえ、そんなことはしていませんよ」
「そうか、それを聞いて安心した」
みたいなやりとりか?
(もうちょっと説得力のある答弁は、できなかったものか?)

英国諜報部MI5の元女スパイの話も面白かった。
外務省職員に応募したら「あなたが興味を持ちそうな仕事がある」と連絡があってスカウトされたのだそうだ。
ちなみにMI6では、堂々と新聞に求人広告を出しているらしい。

一番面白かった話。
敵国に潜入中に正体がバレて捕まった女スパイの現在。
いわゆる「スパイ交換」によって本国に戻されたのだが、
「失敗したわけですから、処罰されたんじゃないですか?」
という日本人のレポーターに対して、
「いいえ、祖国のために命を賭けた英雄として大切に迎えられ、今では冠番組を持つ人気タレントとして、テレビで活躍して
います」
という回答。

「スパイ」というものに対する日露の意識の差かな?
日本人は、スパイを粗末に扱い過ぎるのだ。
「間(かん=スパイ)」の大切さについては『孫子』にもすでに記されているのだぞ。
やっぱり日本人って、根本的に戦争が下手なんじゃないかね?

寝る。

2019年2月9日(土)
天気は悪いし、体調もイマイチ。

午後。
テレビでミステリー・ドラマを観るが、私の目が悪くなったのか最近の女優さんがみんな同じような髪型、同じような化粧を
しているせいか、途中で見分けがつかなくなって来た。(笑)

ドラマが1本終わると、チャンネルを変えさせないためか、すぐに次のドラマが始まる。
消そうと思ったのだが「池袋」の文字に、
(あ、地元じゃん)
と、ついついそのまま見てしまう。
残念ながら「池袋」という地名はドラマ中で大して重要ではなく、単に「繁華街」ならどこでも良かったようだ。

「要町西交差点」という架空の地名が出て来たのだが、要町の西の交差点と言ったら千川駅の辺り。
あそこはスーパーや学校のある住宅街で、繁華街じゃないよ。
中途半端に実在する地名が出てくると、違和感MAX。

(「要町」を「池袋の場末の街」みたいに思っている人が多いのかな?)
池袋の西口の大通りは、西に進むと祥雲寺という大きな寺があり、寺の西側にある山手通りを渡ると街の雰囲気が変わって、
いわゆる普通の商店街に。
そこからさらに西に進むと新しい住宅が整然と建ち並ぶ、比較的金持ちの住む地域になる。
ミステリー・ドラマが繁華街に求めるような混沌とした地域ではない。
どうせ架空の地名なら、もっと徹底的に存在しない地名を使えば良かったのに。

夕方。
熱はないのに体はだるい。

2号くんを晩飯に誘おうかと電話したら、
「雪が降っているから、いい」
との返事。
気がつかなかった。
道理で寒いはずである。

夜。
池上解説番組を観る。
日韓関係と北方領土と米中問題について……なのだが、風邪薬を飲んだら、番組の途中で眠くなって来た。

寝る。

2019年2月8日(金)
朝。
軽く咳が出て体がだるい。
(風邪か?)

朝イチで病院へ行って胃カメラの検査を受ける。
キシロカインに弱い体質なので、麻酔なし。
「修行ですねえ」
と、医者。
(なぜそこで、嬉しそうな顔をする?)

喉を無理やり通って、グネグネする管が体に入って来る。
かなり気持ちが悪い。

結果。
「ご存知かと思いますが、胃の中に……ポリープがたくさんできています」
(いや、「ご存知」じゃないよ!)

「ポリープはいくつぐらい?」
「数えていなかったので」
(あ、そう)

「このポリープが癌化する可能性は、かなり低いです」
(なぜそこで、ガッカリした顔をする?)

文字通り「痛くもない腹を探られて」胃カメラ終了。
ポリープは結局、放っておくそうだ。

昨日、午後を寝飛ばして朝食しか摂っていないので、足元がフラつく。
ドトールに駆け込んでサンドイッチとアイスティー(ガムシロップ入り)で朝食。

帰宅して体温を測ったら37度5分だった。
この程度の熱ならば、インフルエンザとかそういうやっかいなものではないようだ。

午後。
役所の書類が苦手だと言う2号くんに付き合って区役所へ。
30分ほどかけて手続きを手伝う。
(ところで「役所の書類が苦手」という人、たまにいるのだけれど、一体何が苦手なのだろう?)

サンシャインの「丸亀製麺」で昼食を摂ってから、2号くんのアパートへ。
一緒に録画しておいた「モブサイコ100」の第2話を観る。
森羅万象丸さんの登場の回。
安倍総理のせいで「森羅万象」という言葉を聞くと、なんか笑ってしまう)

原作では「口裂け女」だった妖怪が「おひきずりさん」に変わっていた。
(「口裂け女」だと何かまずい理由でも?)

風邪薬を飲んで2号くんの万年床で少し寝たら、熱が下がったようだ。
「キューティクル探偵因幡」の18巻を借りて読む。
連載終了が決まっていたからか、作者、存分に暴れまくったようで、最終章の悪役は悪徳警官と警視総監(!)。

人間と狼の間に生まれた「人狼」たちは人権を求めようとするが……というストーリー。
まさかのヤギ大活躍なので、ヤギのファンには嬉しい話。

夕方。
「空想小説ワークショップ」へ。
本日の講義は「ピンチ(エピソードをつなぐもの)」について。

終了後は飲み会。
9時前から11時まで飲んで2500円。
財布に優しい池袋価格。

店の外に出たらやたらに寒い。
明日は雪が降るかも知れないとのこと。
家に帰って、寝る。

2019年2月7日(木)
熱は出ないが咳は出る。
花粉か風邪か微妙なところ。

今日は「北方領土の日」。
しかしロシアとの交渉で、かなり押されているっぽい日本の首相は、どうも歯切れが良くない。
昨日の国会でも野党議員に「北方領土は日本固有の領土か」と質問にされて「わが国が主権を有する島々」とか曖昧な表現で
逃げていたし。
(これが韓国や中国が相手だったら、どうしたのだろう?)

午後。
「ラストドクター」は、三味線の糸の話。
「技術が落ちたのをごまかすためにこっそりナイロンの糸を使っていた」という話なのだが、ナイロン糸が優れているのは、
耐久性のはず。
絹の糸だと何度もバチを当てているうちに毛羽立って切れやすくなるのだ。

つまり新品であるならば、絹糸の方が特に切れやすいわけではないし、バチの当て方の強弱で新品の糸がいきなり切れるとい
うわけではない。
だから絹糸だと切れやすくて困るというのなら、何度も三味線を弾く練習の時にだけナイロン糸を使えば済むだけのこと。
そして、三味線を見慣れた芸者衆の前でナイロン糸を使ってバレないというのも変。

それはさておき、仮にも日本で長く監察医をやっている主人公が「糸道(三味線の糸で磨り減った爪先)」を知らないという
のはどうなのだろう?
こういう職業的な肉体の変形というのは、監察医という職業の人なら知っていなくてはならないことのような気がするが。

午後。
咳が気になるので風邪薬を飲んだら、副作用でそのまま夜まで爆睡してしまった。
ほんの数分程度うたた寝をしたつもりだったので、目が覚めて自分でも驚いた。

明日は検査があるので、夕食は抜き。
そのまま風呂に入って、寝る。

2019年2月6日(水)
朝からやや風邪気味。
寒いし天気も悪いし、インフルエンザも流行っているそうなので、不要不急の外出は控えることに。
家の中でやらなくてはならないことは、山ほどあるのだ。

午後。
ドラマ「ラストドクター」を観る。
死亡した画家の着衣から金粉が検出される。

刑事「金粉は、最近食品に利用されていますね」
調べてみるが、成分から食品用の金粉ではないことが明らかに。
そして捜査の結果、画材に使用する金粉だったことが判明!

……って、画家の服から金粉が出たら、まずそっちを先に考えるよな?
なぜ「食品用の金粉」などという、特殊な用途の方を最初に挙げる?

ところで、この死んだ画家の役を演じていたのは大杉漣。
(改めて、良い役者だったよなあ……)

夕方。
「森羅万象」という言葉がネットでトレンド入りしたとか言うので、理由を調べたら、安倍さんが国会で「私は、森羅万象を
担当している」と答弁したのだそうだ。

「総理大臣の責任は、それほど多岐に渡る」という責任の重さを言ったのかと思ったら「だから、報告書に丁寧に目を通して
いられない」という趣旨の発言だったらしい。
平たく言えば「私は忙しいのだから仕事が手抜きになるのはしょうがないだろう」という意味になるよな?

これ、もしも自宅の普請を任せた大工に「俺は何軒も家を建てているのだから、御宅の釘の1本ぐらい手を抜いたってしょう
がないだろう」と言われたら施主はどう思うだろうか?
どのような職業の人であっても、口にしてはならない言葉だと思う。

夜。
アマゾンから「天皇即位と超古代史』(原田実 文芸社文庫)が届いたので、読む。
第1章「時の管理者と王権」。
為政者の権威を「暦」という視点から分析した内容で興味深い。

このまま読み進めたいところだが、喉に違和感を感じ始めた。
今夜は風邪薬を飲んで、早めに寝よう。

2019年2月5日(火)
午前中。
病院へ。
いつもの病院ではなく、いつもの病院で紹介状を書いて貰った別の病院。

初めて行くので電話で場所を確認したのだが……、
「大通りに面していますか?」
「いいえ」
「大通りからの曲がり角に、何か目印はありますか?」
「いいえ」
という説明。

仕方なく地図と住居表示を頼りにウロウロしていたら、調剤薬局を発見。
調剤専門の薬局というものは、通常、病院の近くにある。
で、そこで聞いたら、
「うちの隣です」
と、丁寧に教えてくれた。

この辺では評判の良い病院なのだろうか、待合室はとても混んでいた。
こんなこともあろうかと、鞄の中には読みかけの『うつくしい繭』(桜木みわ 講談社)を用意してある。
「苦い花と甘い花」
「うつくしい繭」
「マグネティック・ジャーニー」
「夏光結晶」
の4編からなるファンタジー中・短編集。
それぞれが独立した作品でありながら登場人物が微妙に重なり合っていたりする。
(例えば「うつくしい繭」の登場人物である中瀬が「マグネティック・ジャーニー」の主人公の祖父であるといった具合)
装丁も美しい本。(何より軽いので、持ち運んで出先で読めるのが素晴らしい)

ふんわりとしたイメージの物語で、普通に考えたらとんでもない悪人であるはずの人間に対して、主人公が特に腹を立てたり
しない辺りが、作者の人柄か。

さて……
本も読み終わる頃、名前を呼ばれて診察室へ。
検査用の細胞採取。
痛いので嫌いな検査だ。

終了後にさっきの薬局に寄り、処方箋を出して薬を買う。
店の外に出てから、
(ところでここは、どこなのだろう?)
と、大通りに出たら目の前に、私の主観からいうとかなり目立つビルが建っていた。
(これを目印に教えてくれたら、一発だったのだがなあ……)

床屋に寄って髪を切り、うどん屋で昼食を済ませてから履歴書用の写真を撮って、帰宅。
アマゾンに発注していたKindleのカバーが届いていたので早速、先日買ったkindleをそこに収める。
迷ったのだが、精密機器の持ち歩きにはやはりこういうものが必要だな。

「けものフレンズ2」の第4話をニコニコ動画で視聴する。
記憶喪失の少年が、手元に残っていたスケッチブックに描かれた絵を頼りに、自分の家を探す旅をするという話。

退屈しのぎのパズルを作るのに、キュルルが大事な手がかりの絵をバラバラに切ってしまうところに違和感を覚えた。
この時点では、彼にとってその場所はまだ発見されていない場所なので、これはとても大切な絵であったはずだ。
(うーむ……?)

そして自分の正体を知りたがっているはずのキュルルが、自分の正体を知っているらしき「センちゃん」と「アルマー」から
逃げ出す流れも、ちょっと納得しづらいものがある。
(とりあえず、この2人から話を聞こうとは思わないのだろうか?)

夜。
BSの民放番組で時事問題解説みたいなのをやっていた。
韓国船によるレーダー照射問題について、
「なぜこの問題を、すぐに公開してしまったのか?」
という話をしていた。

「両国ともに国民世論というものがあるのだから、下手に話を広げてしまうと互いに引っ込みがつかなくなるのはわかり切っ
ているのに」
という話。

私もそう思う。
外交というのは「落とし所」を考えて、いかに自国にとって得な形に結論を「落とし込むか」というのが勝負なはず。
相手が一歩も譲歩できないところに追い込んでしまったら、膠着が続いて、それは「外交の勝負」としては「負け」だと思う
のだがな。
例えばここで仮に日本が韓国をやり込めて「ハイ、論破!」と言ったところで、日本が得をするとは思えないのだ。

「それが気持ちが良いのは分かるのですけどね」
という出演者の発言に賛同。
外交というのは「得」をするためのものであって「気持ち良く」なるためのものではない。
ここは「頭下げれば蔵が建つ」というナニワのあきんどの金言をよく噛み締めていただきたい。

寝る。

2019年2月4日(月)
午前中に雑用を済ませ、午後は履歴書を書いたり、面接を申し込んだり。
地味な作業で日が暮れる。

夜。
近所にパトカーが来たようなので買い物ついでに野次馬に行くが、それほど大きな事故ではなかったようだ。

NHKの「クローズアップ現代プラス」は、「三島由紀夫×川端康成 ノーベル賞の光と影」。
それなりに面白かったのだが、「クローズアップ現代」は普通は時事問題を扱う解説番組。

こういう歴史テーマを扱いたいのなら、NHKは別にドキュメンタリー枠をいくつも持っているはず。
(何かの企画に直前にストップがかかって、他の番組のために用意していた内容に急遽差し替えてごかましたのかなあ?)
などと妄想を楽しむ。
「クロ現」、迷走中なのか?

夜11時。
今夜の「モブサイコ100」は、悪霊に取り憑かれた少女を助けに行ったモブが、悪霊・最上(もがみ)によって「有り得た
かも知れない世界」の悪夢に引きずり込まれる話だった。

主人公の茂夫(モブ)は、強大な超能力を持つが、超能力以外には何の取り柄もない少年。
現実の世界のモブは、ダメな自分に劣等感を抱きつつも友人たちに恵まれて、それなりに幸せな日々を送っている。

そこで最上は、最悪な同級生たちに囲まれた「悪夢の日常」を作り出して、その中にモブを閉じ込める。
その「最悪な同級生たち」を率いるいじめ集団のボスこそが、彼が助けようとしている少女であるという世界。

最上によって記憶を奪われているモブは、少女の壮絶ないじめによって精神的に追い詰められ、ついに彼女に対する怒りを爆
発させかける。
自分が助けに来た相手を、モブ自身の手によって攻撃させようという最上の作戦を防いだのは、意外にも……。

この作品は、いざという時の人間の「善」を信じる哲学が心地良い。
普段はいい加減なことを言っているインチキ霊能力者霊幻も、本当にピンチの時になると決して逃げないし。

……さてと、寝ようか。

2019年2月3日(日)
午前中。
本日の2時半から「東アジア文化都市2019」で島本和彦先生と藤田和日郎先生のトークセッションがあり、その整理券の
配布が11時からだと言うので、10時半前に東京芸術劇場に着いたらすでに予定枚数を配布終了だと知らされる。
両先生の人気を甘く見ていた私が悪いので、帰ろうとしたら、途中のエスカレーターで(東京芸術劇場に行ったことがある人
ならご存知の、あの1階から5階に上がるところのやたら長いエスカレーター)、はるこんのスタッフに会う。
「整理券なら配布終了していますよ」
と、教えるもエスカレーターが止まるわけでもなく、彼はそのままズーッと上に上がって行ってからトロトロ下に降りて来て
「配布終了ならエスカレーターの乗り口に書いておいて欲しい」
と、ぼやいていた。

そのまま帰宅して、ツィッターを見ると、私が会場を出た直後に島本先生が会場にお越しになり、なんと整理券をもらい損ね
たファンに丁寧にご挨拶をされたのだそうだ。
(しまった! もう少しあの場にいるべきだった)
しかも、その後にどうやら「立ち見席用整理券」というのが配布された模様。

(こうしてはいられない!)
昼過ぎにもう1度、東京芸術劇場へ。
行ってみると会場の周囲にはロープ(正確にはベルト)が張られ、その内側に入るには整理券が必要とのこと。
ロープの外側に立っていた若者たちがいたので、とっさに話しかけて急いで友達になり、彼らの前の場所に入れてもらうこと
に成功。
(そして後でわかったのだが、この場所、下手な立ち見席より特等席だった)

さて、トークセッション。
豊島区、紹介でいきなり島本先生の本名を暴露。
「なぜそこで、本名を言うの!」
と突っ込んだ島本先生。

「ここは豊島区なんだから、トキワ荘関係の話をしてよ」
と、藤田先生に促されて、
「石ノ森章太郎先生に最初にお会いしたときにテンションがおかしくなって、最大の褒め言葉を言おうと思ったら『先生の雑
な絵が大好きなんですよ』と言ってしまった」
と、しょうない過去を振り返ると、藤田先生は、
「あだち先生はご自身のことを『トキワ荘の先人たちが一生懸命荒れ地を耕して整地してグランドを作ってくれたおかげで、
自分はそこのホームベースに立ってようやくホームランを打てたんだ』とおっしゃっていた」
と、やたら良い話。

これを聞いた島本先生、
「これを言うために私に前振りをかけてきたんだ! いい話は自分がしてきちんとポイントを稼ぐ!」
『『笑いが大切、笑いが大切』って言いながら『からくりサーカス』では悲しみに堪える顔ばっかり描いて。そんなに笑いが
大切なら笑わせればいいじゃん! いつもこういうところで私が笑わせると、自分はいい話で締めくくる!」
と、叫ぶ。
最後は、2人でボクシングのグローブをはめての(ちゃんと用意していた)の殴り合いを、会場の客に撮影させて終了。
楽しいイベントだった。

私はそのままSF乱学講座のために電車で高井戸に移動。
途中の明大前で夕食にハッシュドビーフを食べてから、会場へ。

本日の講座タイトルは「無線通信の発展とアマチュア無線 Rev.A」

講師は、航空・宇宙部門の技術士である升本喜就氏。
内容は、無線通信の歴史と升本氏自身のアマチュア無線の話。

ロシア軍部は自国の科学者えだるポポフが研究していた無線通信に興味を示さなかったが、日本の軍部はこの技術を活用。
日本海海戦(1905年)の際には、バルチック艦隊発見をいち早く連絡するのに成功した。
しかしながら、レーダーの開発においては、日本軍は「夜中に提灯を灯して自分の居場所を知らせるようなもの」と考えて、
見向きもせず、のちにイギリス軍がレーダーに自国の研究者が開発した八木アンテナが使われていたことに気づいて驚いた。
……なんて話とか。

興味深かったのは、LEDは交流を直流に直して使用するが、この際に質の悪い機器を使っているとノイズが発生する。
クリスマスシーズンに個人が安いイルミネーションを使用してLEDを明滅させると、明滅のたびに周辺の通信機器にノイズ
が入って大変迷惑。
……という話とか。
面白い話だった。

そしてもうひとつ興味深かったこと。
私より少しばかり年の若い薫子ちゃんが、フィクションに描かれているアマチュア無線について、
「実態を知らずに描いている」
と言っていた点。

(そんなことはないはずだが……?)
と、思ったのだが、考えてみたら私が子供の頃というのは、アマチュア無線人口が非常に多かった時代だった。
読み手も書き手もアマチュア無線に詳しいのは当たり前。
本人がやっていなくても、周囲に誰かアマチュア無線に詳しい者がいる時代だった。

なので私が漫画や小説で読んだアマチュア無線の話は、リアルなものが多かった。
これに対して、アマチュア無線が廃れてからこれを扱った作品には、想像だけで書いたものが多かったのではないだろうか?
世代の違いを感じたな。(笑)

「包茶」で食事。
今日はビールを飲まなかったので税込918円で済んだ。

家に帰って、寝る。

2019年2月2日(土)
午後から東京芸術劇場に「東アジア文化都市2019」を観に行く。
途中で1号くんと合流してVRゴーグルで「トキワ荘内部」を疑似体験したり、都知事と区長がアニメのコスプレをしている
写真の展示などを眺めていたら、会場内で島本和彦先生の姿を見かける。
どうやら明日のトークショーの打ち合わせに来ていたようだ。

地下で入場無料の別のイベントをやっていたので、覗いたらやはりVRゴーグルを手渡され、こちらは「鳥取の星空」を楽し
む内容。
イベントはどうやら鳥取県への移住を促す内容のもののようだったが、
(ゴメン、私は地元の東京が好きなので、他へ行く気はない)

1号くんと一緒にケーキとワインと寿司を買い、2号くんのアパートで1号くんの誕生会。
ケーキを食べたあとで2号くんが録画しておいたという「特撮ガガガ」という番組を観る。
特撮好きのヒロインがそのことを親にも職場にも隠しているために起こる騒動を描いたコメディ・ドラマ。

「このヒロインは、なんで自分が特撮オタクだということを隠しているんだ?」
と、不思議がる1号くんと2号くん。
都知事と区長がアニメのコスプレをした写真が、区の主催のイベントで麗々しく展示されるのが当たり前という地域で育った
1号くんと2号くんには、理解しづらいことなのかもしれないなあ。
(と言うか、私にとっても理解しづらい感覚だった)

20代の子供に母親が言う小言が、
「結婚相手はまだなの?」
である地域と、
「コミケの原稿はまだなの?」
である地域の差か?(^^;

夜。
近所の居酒屋に飲みに行き、2時ぐらい飲む。
3人で飲んで6600円。

家に帰って、寝る。

2019年2月1日(金)
雪は結局、うちの近所では降らなかったのかな?

午前中に雑用を済ませ、午後ネットに繋いだら、いわゆる「お祈りメール」が来ていて、求人に応募したことを思い出す。
ネットで応募して、ネットでお断り。
最近の就活は、随分とお手軽になったものだ。(笑)

……と、笑ってばかりもいられないので、本格的な就活用の書類を書こうと昔使っていたデスクトップを立ち上げたら、なぜかデータの大半が消えていた。
(消した記憶はないのだが……?)

夕方になっても修復ができず、一旦、作業を中断。

夕食後。
テレビで「ローグ・ワン」を観る。
「スターウォーズ」の1本という以外の予備情報なしに観たので、最初はいつの時代の話か分からなかったが、途中でおなじ
みのC-3P0とR2-D2が出て来たので、どうやら「エピソード4」(私はどうもこのタイトルに馴染めない)つまり最初
の「スターウォーズ」の時代あたりだということが判明。

帝国軍の無敵の要塞「デス・スター」になぜ弱点があったのかという物語。
無理やり「デス・スター」を作らされた科学者は、自分の立場を利用して、こっそり「デス・スター」に弱点を作った。
それを知ったヒロインは、その秘密を反乱軍に知らせるために「デス・スター」の設計図を盗み出そうとするが……。

それはさておき、
(「ローグ・ワン」というタイトルの映画なのに「ローグ・ワン」という言葉がなかなか出て来ないな)
と、思っていたら、主人公たち一行が敵の基地に潜入しようとした際に認証コードを尋ねられたメンバーのひとりがデマカセ
に答えたコード名(※)だった。

 ※ローグ(Rogue)は「ならず者」という意味。

最後まで観てからネットで調べたら、この話は「エピソード4」の事件が起こる10分前までの出来事なのだそうだ。
そのため、残念なことにこの物語に出て来た結構いいキャラが途中で死んでしまう。
生き残っていたら「エピソード4」に登場しないのが不自然になってしまうからなのだろうなあ。

興味深いのは「ヒロイン」の扱い。
1977年公開の「スターウォーズ(エピソード4)」では、ヒロインはあくまでも「お姫様」な扱い。
それに対して2016年公開の今作では、ヒロインは「戦士」として登場する。
時代の「女性観」を反映したのだと思うが、まあレイラ姫と今回のヒロインであるジン・アーソは立場が違うと言えば違うの
で、同じ時代を生きている2人の女性がこんなに違うのはひとつの多様性なのだと自分を納得させよう。

寝る。

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