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独 り 言 (2017年11月分)
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2017年11月30日(木)
朝から天気がぐずついている。 午前中に買い物に出たら、小雨がパラついていた。 自宅へ戻って昼食。 「NCIS:ニューオリンズ」は、放射性物質を歯磨き粉に混ぜ込むという方法での殺人の話。 関係者の家で放射性物質を捜索中、ペットボトルの水を飲もうとしたらガイガーカウンターから「ガリガリ」という音が! ……どうでもいいけど、アメリカって、そんなに簡単に放射性物質が手に入ってしまう国なのか? そっちの方がずっと怖いと思った。 午後。 熱があるというより皮膚が炎症でヒリヒリと熱を持った感じ。 花粉っぽいのだが、どこか近所にブタクサでも生えているのだろうか? 夕刊は、北朝鮮のミサイルに関する安保理の会合のニュース。 〈米、中国に石油禁輸要求〉 〈日本、圧力最大に〉 〈中ロは人狼的配慮を強調〉 米国「やれーっ!」 日本「そうだそうだ」 中ロ「まあ……ねえ(ニヤニヤ)」 みたいな感じなのか? 夜。 「クローズアップ現代プラス」で、ロボットの特集をやっていた。 自社開発で新型アイボを作ったソニーに対し、世界中のロボット技術の高いベンチャー企業を傘下に集めるソフトバンク。 「ソフトバンクはアメリカの企業と同じぐらい話が早い」 と語るベンチャー企業の人のコメントが印象的だった。 日本の企業は、決定権のない人間を取引先に派遣するので評判が悪いという話をよく聞くので、やはり孫さんは中国系なのだ なと思う。 (日本のビジネスマンは「上にお伺いを立てている」間にビジネスのチャンスを失うのだそうだ) シルクロード交易の歴史を持つ中国人は、根っからの商売人。 ビジネスのチャンスをみすみす逃すような社内システムは採用していないのだろう。 「取引先には、そのビジネスに関する決定権を持つ人間を派遣する」という、せめてこれだけでも中国人を見習おうよ。 寝る。
2017年11月29日(水)
朝のニュース。 〈北朝鮮がミサイル発射、テロ支援国家再指定に反発か〉 (日経電子版 2017/11/29 5:22) テレビで対抗策として「圧力強化」と言っていたが「テロ支援国家再指定」というのも圧力強化のために行ったはず。 つまり「圧力強化」→「ミサイル発射」→「圧力強化」→「ミサイル発射」→「圧力強化」……と、繰り返しているわけで、 そろそろ別の手を考えた方が良いんじゃないだろうか? 午前中。 昨日、届けそびれた3000円を持って交番へ。 部屋が寒かったのでコートを着て出たら、汗をかいてしまった。 コンピューター入力の順番待ちだとかで、交番の建物の中にも入れない状態で延々待たされる。 そして疑問。 落し物が落ちていた場所と時間はともかくとして、なんでこっちの生年月日を聞かれなくてはならない? 帰宅。 テストの資料をプリントアウト。 夕方。 山手線で品川へ。 新馬場の六行会(りっこうかい)ホールで「墨色蛇草子」を観る。 「猟奇倶楽部」シリーズの最終話で、本日が初日。 連続ドラマを舞台でやるというのは、さすが固定ファンの多い劇団《RERAX》ならでは。(笑) カストリ雑誌「猟奇倶楽部」を発行する出版社を中心に、戦後間もなくに起きたさまざまな事件を描いたシリーズなのだが、 今回は冒頭で、若い事務員だったはずの女性が白髪になって登場、そして若いカメラマンだった青年はなぜか白衣姿。 セリフによれば時代は大阪万博の前年で、戸部公爾さんが演じている中年の編集者は、なぜか着物を左前に着ているという、 冒頭でオチがなんとなくわかる仕組みになっている。 プロローグが終わると、場面が暗転して、いつもの編集室。(つまり時間が、いつもの「戦後間もない時代」に戻っている) 持ち込まれた事件の取材がきっかけとなって騒動に巻き込まれていく編集部の面々……というストーリー展開や、実在の事件 を参考に登場人物の名前を変えて扱っているのも(例えば、実在した女優「山口淑子」をモデルにした「沢口与詩子」とか) いつもと同じ。 ちょっとだけネタバレすると、これまでのシリーズの中でいろいろと伏線のあった編集部の若いカメラマン(小林)と731 部隊の関連が、今回で明かされる。 最後までモデルが分からなかった人物がいたのだが、これは戸部さんが「日本マクドナルドの初代社長の藤田田なんです」と 教えてくれた。 (さすがに分かりにくいと思ったのだろうなあ) 次回(来年)の公演では、時代劇をやるそうだ。 家に帰って、寝る。
2017年11月28日(火)
朝。 喉が腫れて痛い。 ヒーターで部屋を暖めると乾燥した風で喉がやられるので、風呂で体を温めてみたら、案外とうまくいった。 風邪を引いたら風呂で治すというのは、ありかもしれない。 午後。 外出がてらに食事をとろうと、3丁目の「なか卯」に行ったら改装中だった。 本日、地下鉄の駅のホームで「Sトレイン」というものを初めて目撃する。 豊洲・有楽町・飯田橋・石神井公園・保谷・所沢のみに停車する列車。 (つまり池袋は通過駅になるのである) さて、五反田へ行くために山手線に乗車。 「山手線は運転を再開しました」 というアナウンスがかかっていたので、どうやら直前まで止まっていたらしい。 病人が出たとか説明していた。 で、列車に乗り込んだら、床に座って寝ている人がいる。 ダメージジーンズにヒョウ柄の上着、髪の毛もまだらに染めている20代ぐらいの青年。 列車が走り出し、隣の駅に近づいたので起こそうとするが、起きない。 ドアが開いてもそのまま。 当然、昇降客の妨げになるのだが、声をかけても体を叩いても起きない。 新宿駅で、座席に空きが出来たので、そちらに座るように促すが、起きない。 原宿駅で、ついに寝たまま列車から転げ落ちそうになり、傍にいた男性客が、慌てて脚を持って車内に引き戻すが、それでも 起きない。 ポケットからスマホが床に落ち、男性客が拾ってポケットに突っ込んでやるが、やはり起きない。 「これはちょっと、おかしいですよね?」 と、男性客。 男性客は、渋谷駅で駅員に連絡すると言って降りて行き、残った乗客で、ともかく青年の体をシートに運んで腰掛けさせる。 息はしているようで、呼気からかすかにアルコールの匂いがしたが、ただの酔っ払いにしては、ここまで反応がないのは変。 列車が五反田に着いたので私は列車を降りたが、降りたあとでなんだか心配になった。 (もしかして、酒に変な薬を混ぜて飲まされたとかだったのか?) 時刻は4時半。 本当は、ファミレスでゆっくり食事をするつもりでいたのだが、食欲が失せてしまった。 本屋で時間を潰すつもりで歩き出したが、目当てにしていた本屋が見当たらない。 潰れたのか、私が道を間違えたのか。 ファミレスで食事をして本屋に寄ってから、本日のイベント会場に行くつもりだったので、無駄に時間が空いてしまった。 しょうがないので、100均へ行って、店内をぶらつく。 6時。 ゲンロンカフェへ。 もう店は開いていた。 (だったらもっと早く来ればよかった) 相も変わらずモタついた挙句に、ようやくiPodにQRコードを表示させ、受付を通る。 久しぶりに来た店の内部はだいぶ模様替えされていて、後ろの方にミキシングルームみたいなものができていた上、舞台用の 大きなライトが2つ。 以前は店の一角を家庭用のビデオで撮っていたという感じだったのが、かなりスタジオっぽい雰囲気になっている。 ワンドリンクサービスでオレンジジュースを飲んだら急に空腹を覚える。 スパゲッティナポリタンを頼んだら、なぜかミートソースが来た。 店員が取り替えようかと言ったが、時間もパスタも無駄なので、そのまま食べる。 前にこの店でナポリタンを食べた時より、パスタの茹で方が上手くなっているような? ちゃんとアルデンテになっていた。 本日のイベントは、【大森望のSF喫茶 #25】小川哲×山形浩生×大森望「暴力の歴史から未来のゲームへ ーー小川哲『ゲーム の王国』刊行記念イベント」。 心筋梗塞で先週まで病院に入院していたという大森さん、 「まずは、その話を」 と促されて、カテーテルを入れた際に細菌に感染したらしく膀胱炎になり、医者に行ったら精密検査を受けてからと紹介状を 書かれ、検査を受けに行ったら肛門に器具を突っ込まれて、いまお尻が痛くて……」 と、話し始めて山形さんを慌てさせる。 「心筋梗塞からの奇跡の生還!」の感動を期待していた客席が、大森さんの肛門のインパクトに撃破される。 (「まだ出血中」だそうだ。お大事に) ツィッターのブロックの話で、 「ブロックなんて必要ない。自分が気にしなきゃいいだけ」 という大森さんの意見が、なかなか。 『ゲームの王国』の舞台となった東南アジアの話。 ベトナム、ラオス、タイ、カンボジアの仲の悪さは、日本と韓国の比じゃないそうだ。 カンボジア人が、クメール・ルージュによる虐殺について、自国の人間がそんなひどいことをやったとは信じられず、 「ポル・ポトは、ベトナム人に操られていたのだ」 とか言っているという話は興味深かった。 カンボジアが対立していたベトナムが、ソ連と友好関係にあった関係で、アメリカは一時ポル・ポトを支持していた。 そのために「ポル・ポト政権を生み出したカンボジア人の責任」を、あまり積極的に追及せず、それが「ナチスを生み出した ドイツ」との違いを生んでいるのだという話。 小川さん「最後まで読みきった本は、読み始めた本の10%」という驚きの発言。 目の前の客席に座っていた高木刑さんにも、 「あなたの『ガルシアなんとか』(※)は素晴らしい作品です。僕は最後まで読んでいないけど」 と、爆弾発言。 「だって、途中まで読んで素晴らしいのが分かったら、別に最後まで読まなくてもいいでしょう?」 ※「ガルシアなんとか」 高木刑さんの短編小説「ガルシア・デ・マローネスによって救済された大地」のこと。 小川さんは、タイトルすら、うろ覚えだった。(笑) その後、はるこんのスタッフが小川さんに寄稿をお願いしに行ったら、 「記録が残るようなところで、あまり危ないことは言えないし……」 と仰せになったそうである。 (本日のトークも、ニコ生で中継された上、バッチリ録画に残っているのだけどね) 帰りに、SF大会のスタッフと近所の居酒屋で軽く飲む。 「小川さん、白ワインの飲み過ぎで、やばくなってたんじゃないかなあ?」 と、言ったら(ゲンロンカフェは、トーク中の出演者にガンガン酒を飲ませるので有名)、 「SF大会で、東浩紀と小川哲で白ワイン・トーク対決をやろう」 とか、危ないことを言い出した。 山手線で池袋に戻り、家に帰ろうとしたら近所の会社の建物の前で3000円を拾う。 落ちていた位置から、その会社の社員さんが落としたのかもしれないと思ったのだが、時刻は午前0時。 当然、会社のシャッターは降りている。 近所の交番に届けようとしたら「パトロール中」。 (明日、会社の人に聞いてみて、心当たりがないようならもう1度、交番へ行こう) 寝る。
2017年11月27日(月)
朝から嫌な寒気。 寝不足が祟ったのかもしれない。 パトカーのサイレンがうるさくて眠れなかったのだ。 サイレンの鳴り始めが毎回すぐ近くだったから、たぶんスピード違反とかの取り締まりのために、昨夜パトカーが潜んでいた 場所が、うちの近所だったのだろう。 追跡中のパトカーは、サイレン&拡声器の声。 サイレンだけの場合と違って、人の怒鳴り声が聞こえるとどうしても目が覚めてしまうよな。 先日、テレビで知ったトリビア。 交通違反の罰金は、ちゃんと行政の「予算」に組み込まれているのだそうで、年度末近くになっても罰金が予定金額に達して いないと、お巡りさんが一生懸命になるのだそうだ。(笑) これ、絶対に違反をしない自動運転車が普及したら、どうするのだろうね? 昼。 乱学講座の部屋の予約。 ネット予約をしてから電話で問い合わせ。 「すみません。プロジェクターの使用予約をしたいのですが、入力欄が分からなくて」 と、言ったら、 「ああ、それはお電話でお願いします」 とのこと。 つまりネットで部屋の予約をしてから、付属設備を電話で予約するのが正規の方法であるのだそうだ。 ちょっと入力項目を増やすだけのことだと思うのだが、役所でそれをやろうとするといろいろと面倒な手続きが必要になるの だろうな。 (前に役所でバイトしていた時に、プログラムに明らかなバグを発見したのだが、それを修正するための手続きが大変で放置 することになったという思い出がある。 午後。 (テスト勉強をやらなくてはならないのだよなあ……) と、思いつつ微熱と喉の痛みとだるさを言い訳に、部屋でだらだら。 なんだか本格的に喉が腫れて来たので、夕飯食べてさっさと寝よう。
2017年11月26日(日)
日経朝刊の文化面に辻真先さんのエッセイが載っていた。 「ジャングル大帝」や「巨人の星」を手がけた辻真先さんのエッセイ。 そしてタイトルは「テレビアニメの冒険」。 当然のように、過去のテレビアニメの思い出なんかを語る内容だと思い込んで読み始めたら、違った。 今年の4月から9月まで放映されていたテレビアニメ「レクリエイターズ」の感想を熱く語る内容! ……辻真先、「いま現在」を生きるアニメ作家なのだっだ。 午後。 メンサ・テスト合格者の会の例会へ。 会計担当者と今年の収支のイロイロについて話をする。 終了後の飲み会に、1号くんが参加。 1号くん、実写版「鋼の錬金術師」を観て来たばかりだとかで、感想を語られる。 (2時間にきちんとまとめられた意外に良い映画作品だったそうだ) その「鋼の錬金術師」の作者である荒川弘氏の『百姓貴族(5)』(新書館)を、実は飲み会の会場に移動する途中で衝動 買いしていた。 帰宅して早速、読んだのだが「アライグマの足跡が、人間の子供の手形にソックリ」という話は面白かったな。 (天井裏で物音がするので、天井板を外してみたら人間の子供の手形のようなものがびっしりついていたという話) そして、荒川氏自身の自画像について「自画像が牛なので男性の作者かと思ってました」というお便りを読者から受け取って 驚いたのだという話。 「ホルスタイン=乳牛=ほぼメス」というイメージを持っていた荒川氏は、カルチャーショックを受けたらしい。 (つまりあの「勝負パンツ」のイラストは「オシャレな下着をつけた女性」の絵だったのか???) 結構、大事な話。 牧草は作物。 牧草畑をただの空き地と勘違いして車を乗り入れて荒らしてしまう人がいるそうなのだが、牧草は家畜の栄養を計算した上で ちゃんと種を蒔いて育てている作物なのだという。 実は私も牧草地の草は、自生しているのかと長年なんとなく思っていたので、これは目から鱗。 考えてみたら、自然のままに放っておいて、毎年、都合良く牛のエサにぴったりの草が生えて来てくれるわけはないよな。 面白かった。 寝る。
2017年11月25日(土)
昨夜のピアノの余韻に浸ったまま目覚める。 「イソップの饗宴」は、CDを持っているのだが「相似的無窮動:両手のための」のCDが聴けないのが残念。 作って欲しい。 午前中。 少し喉が変。 昨日、客席で会った人は「インフルエンザの予防接種を受けてから来ました」と言っていたな。 この季節に人が集まる場所に行くには、そのぐらいの準備が必要な年齢になったのだろうか。 若くて粘膜が元気なうちは、多少のウィルスや細菌が付着しても問題なかったのに。 午後。 咳とくしゃみが気になるので、人のいるところに行くのはやめることに。 夜。 池上解説番組を観る。 ロシア軍の風船戦車に感動してしまった。 兵器の配備状況を敵の偵察機に誤認させる目的で作られた「空気を入れた戦車型の風船を膨らませたもの」なのだが、遠目に は本当に戦車そっくりに見えるという優れモノ。 実戦でも、敵軍がかなり騙されてこの風船を攻撃したという記録が残っているのだそうだ。 戦車部隊を壊滅させたつもりが、実は風船だったというオチには、当時の「敵軍」も驚いたようだ。 番組の本日の特集は「警察白書」について。 飲酒運転を厳罰化したら、飲酒運転は減った代わりにひき逃げが増えたという皮肉な結果。 被害者の救助よりも飲酒運転の誤魔化しを優先するようなら、何らかの対策を打たないといけないのではなかろうか。 (飲酒していても被害者の救助に当たったら、その分のプラスポイントを大きくするみたいな?) 桶川ストーカー事件の直後に犯罪の「認知件数」が跳ね上がったというのは、かなり重要なことだと思った。 それまで「事件」とされていなかったことが「殺人の一歩手前」だったと認知されたわけだから。 それにしても日本の犯罪の減少はすごいものだ。 池上さんの言ったことをまとめると、 「昔は殺人事件の取材をしてもローカル・ニュースで流される程度だったが、今は殺人が珍しいので日本のどこで起きた事件 でも全国放送になり、結果的に殺人事件のニュースが流れる回数が増えた」 ということらしい。 意外だったのは、警察職員の数はむしろ増えているという話。 (犯罪が減っているのになぜ?)と思ったが、サイバー犯罪などが増えたので、その専門家を採用したからなのだとか。 そして、これは私が知らなかっただけなのかも知れないが、I種採用の警察官って捜査1課の課長にはなれないそうだ。 殺人事件の指揮を取りたかったらI種試験で警察官になったらダメなのだね。 (ミステリーで、I種採用の捜査1課長が出て来たら、それはマチガイというわけか) ……寝よう。
2017年11月24日(金)
朝。 良い天気。 テレビでMX(東京のローカル放送局)を見たら、保育園の無償化問題について、 「なぜ世論調査では待機児童問題の方を優先すべきだと数字が出ているのに、保育園の無料化の方を進めるのか?」 と、だいぶ叩いていた。 それも完全に無償になるのは、保育園のうちでも、保育料の安い「認可保育所」に子供を通わせているという待機児童問題の 視点から見ると「幸運な上にさらに幸運な人」だけであるらしい。 「保育園に落ちた不運な人」がなんとかしてくれと言っている現状に対して「幸運な上にさらに幸運な人」の方を優遇すると いう対応は、素人目に見ても変だと思う。 午後。 今夜は調布で「森下唯 オールアルカン・ピアノリサイタル4」があるので、出かける。 開演は夜7時だが、道に迷う気満々なので、3時半頃に家を出る。 新宿駅で京王線の乗り場に辿り着くまでに、まず自慢の方向音痴能力を発揮。 私は月に1回は京王線を利用しているのだが、今までに1度も道に迷わずに乗り場に辿り着けたことがない。 そして、なんとか乗り込んだ列車は、笹塚止まり。 いろいろあって、電車を2回か3回か乗り換えて、無事に調布に着く。 (通常の人間は、新宿から調布まで1度も乗り換えなしで到着できるという伝説があるそうだ) ビックカメラの隣の食堂で、遅めの昼食。 すでに日が暮れていたので、時間的には夕食なのかも知れないが。 暗くなった土地勘のない街で、当然のように道に迷う。 調布東山病院の付近をさんざんウロウロした挙句、どうにか以前、調布音楽祭の時に入った覚えのある建物の中へ。 エレベーターを上がったら、まったく知らないおじさんにものすごく親しげに声をかけられる。 話の内容は、 「なぜ、このホールは、くすのきホールであって、たづくりホールではないのか?」 とか、 「公衆電話の数が減って困っている。公衆電話はどこにあるのか?」 といったもので、どう考えても私の管轄外。 入り口のドアを開けに来た森下先生に挨拶したら、おじさん、森下先生にも同じことを質問し出した。 どうやら、相手は誰でも良かったらしい。 おじさんが公衆電話を探してエスカレーターを降りたので、森下先生と少し話をする。 「調布は遠いので、東京芸術劇場でコンサートをやってはどうでしょう? 池袋の方が足の便も良いですし」 と、言ったら、 「調布も池袋も、足の便は大して変わらないでしょう」 とのこと。 調布より池袋の方が、若干、便利なような気がするのだがなあ……。(^^; 7時。 定刻通りの開演。 最初の曲は「すべての短調による12の練習曲」より第3番「悪魔的スケルツォ」。 (やっぱりスケルツォは、プログラムの最初の方にやらないとバテるよな) と、思って聞いていたのだが、そのあとの「片手づつと両手のための3つの大練習曲」もすごかった。 私は特に「相似的無窮動:両手のための」が好きだな。 次のCDには、ぜひこの曲を入れて欲しい。 さて、ここで休憩。 会場内が乾燥していたのか、曲の合間に咳き込む人の多いこと。 私も少し喉がいがらっぽくなって来たので、自販機で水を買って喉を潤す。 休憩後は、やはり「すべての短調による12の練習曲」から、 1番「風のように」 2番「モロッシアのリズムで」 11番「序曲」 12番「イソップの饗宴」(イソップが頓知で考案した「豚の舌のフルコース」を表現した曲) 私の斜め後ろの席の紳士が、興奮して「ブラボー!」と大声を上げ、アンコールの拍手に呼ばれて、再登場した唯さん、 「悲愴な様式による3つの曲」から「風」を弾いてくれた。 この辺で、唯さん、舞台の下から見ていても息が上がっているのに、さらにアンコール。 これはさすがに静かな「夜想曲」だった。 なぜか隣の席の母子連れの母の方が、この曲を「欲望」だと言って譲らず、2人でプログラムの後ろにある「ディスク情報」 のページの曲名を指差しつつ、無言で議論を戦わせていた。 だんだんこっちが自信を失ってしまい、帰りに確認したらやはり「夜想曲」で良いそうだ。 終演後、サイコドクター夫妻と、早川の編集のIさんと4人で食事。 カズオ・イシグロ氏のノーベル賞受賞直後に早川社内で繰り広げられた取材騒動の顛末を聞かされる。 「出社して仕事をするために編集室に入ろうとしても、テレビ中継のカメラが回っているので通れない状態」 とか、怒涛の日々を語ってくれた。 帰り道。 やはり新宿を彷徨った末に、なんとか池袋まで戻ることに成功。 家に帰って、寝る。
2017年11月23日(木)
朝から雨。 ネットに「オウムアムア」の続報が入って来た。 それによると科学者たちの間で「オウムアムア」を追いかけようという検討がなされているらしい。 やるのなら急がないとな。 「オウムアムア」は、いますごいスピードで太陽系を離れつつあるのだから。 是非とも成功して欲しいと思う。 で、この「オウムアムア」に関するSF者たちの反応。 これはクラークの「前哨」なのではないかという説。 わざと地球人の目の前に「探査機」を飛ばしてみる。 もしも捕まえられたらスイッチが入り、遠くにいる「誰か」の元に「地球人は探査機を捕まえるだけの技術力を持ったぞ」と いう連絡が行くという話。 さて、その連絡を受けた「誰か」は、どうするのだろう? 「おめでとう。君たちは合格だ。ウエルカム!」 なのか? 「危険だな。叩き潰そう」 なのか? ここで私は楽観派に入るのだが、もしも相手を叩き潰したかったならば、相手の成長を観察するなどという面倒なことはせず に、相手がしょぼいうちにプチッとした方が手っ取り早くないか? 午後。 レポートとか、試験勉強とかやらなくてはならないことがあるのに、ついネットで「オウムアムア」ウォッチング。 夜。 「コズミックフロントNEXT」を観る。 本日のテーマは、火星移住計画に関わる研究を行っている日本の研究者たちの発表。 火星まで片道1ヶ月で行ける宇宙帆船のアイデアが興味深かった。 もうひとつ。 火星探査用ミニロボットというアイデアも、興味深い。 要は、探査に目的を絞って小型化したロボットを100台ぐらい火星に運ぶというアイデア。 (小さくて軽いので、大型の探査ロボットを1台運ぶのと同じ重量でたくさん運べるという理屈) ロボットの数が多ければ、仮に1台が故障しても全体の計画に大きな支障が出ないという仕組みだそうだ。 それはさておき…… 現代の若者の代表っぽい立ち位置で出てきた古市憲寿さんが、やたら火星移住に否定的なのも別な意味で興味深い。 以前、火星に移住するメンバーにはどんな人がふさわしいかという議論をネットの掲示板で行ったところ、日本人の多くが、 「犯罪者や社会不適合者」という方向で議論を進め、海外では「優れた人格と頭脳を持った研究者」という方向で話が進んで いることに気づいて驚いてた。 いまの日本の若者にとって「開拓者になる」というのは「島流しに遭う」というイメージなのか? もしも「なぜ成功している人が新たなチャレンジを行わなくてはならないのかわからない」という思考だったら…… マジで日本は滅ぶと思うぞ。 寝る。
2017年11月22日(水)
朝。 言ってもしょうがないことだが、寒い。 今日は「いい夫婦の日」なのだそうだ。 よく考えると、いったいなんなんだろうね「いい夫婦」って? NHKの「わろてんか」は、悪徳芸能プロダクション(?)に苛められ、良い芸人をなかなか回してもらえず寄席の番組編成 に悩むヒロインの夫の話。 これは、テレビ局 vs 芸能プロの話か?(^^; 午前中。 ネットで、昨日の夕刊に想像図が載った恒星間天体「オウムアムア」の外見が宇宙船っぽいと話題になっていた。 太陽系の外からやって来て、また飛び去りつつあるこの天体、長さ約800くらい、幅・高さ共に約80mと推定されたのだ そうで、要するに細長い葉巻型。 (葉巻型の物体が太陽系外から飛来したと聞けば、葉巻型UFOを連想してしまうのも無理はないかな?) もっとも「オウムアムア」は、地球を素通りしてどこかへ行ってしまう様子。 これが地球に向かって来る段階で発見されていたら、もう少し大騒ぎになったかも知れない。 「オウムアムア」、想像図だと尖った先端を前に航行しているように見えるが、実際にはプロペラのようにブンブン回転しな がら飛行しているらしい。 昼。 昼食はカップうどん。 午後。 部屋で雑用。 夜。 先週、うっかり見忘れた「コズミックフロントNEXT」の再放送を観る。 ホーキング博士の提唱する地球脱出計画の特集。 「プラズマエンジンを使った船だと火星まで片道2ヶ月」という説明をするために、実際にプラズマ発生実験。 「危険はないのですか?」 と尋ねるレポーター役の博士に向かって、 「アメリカで1人、死にましたね」 と、さらっと答えたイギリス人、さすが! そもそも彼女(博士は女性だった)が入れられた保護ゲージの形が、どう見ても「鉄の処女」を連想させる形状。(笑) ※鉄の処女 中世ヨーロッパで使用されていたと伝えられる拷問具。 高さ2メートルほどの人形で、前面が開いて中に人間を入れる構造になっている。 その他、食べると放射線によるDNAへのダメージを防げるかもしれない物質とか、プロキシマbまで20年で行ける速度の 宇宙船とか、恒星間旅行への障害を解決するための研究の話。 タイムリーな意味で面白かったのが無重力が人体に及ぼす悪影響を防ぐ宇宙船の仕組み。 遠心力をかけるために、船全体をプロペラのように回転させるのだそうだ。 (「オウムアムア」のように?) と、マジで考えたぞ。 「オウムアムア」が、仮に宇宙人の船だったとして、彼らが恒星間旅行中であったのならば、旅の途中は冬眠状態である可能 性が高い。 そして、ただの通過点である「ほとんど無害」な地球の近くで目を覚ます必要などまるでないので、そのまま通り過ぎて行っ てしまったのではないだろうか? 妄想は広がって行く……。 寝る。
2017年11月21日(火)
朝。 寒い。 ついこの間まで、かなり暖かかったので、いきなりの気温の変化に体がついていかない。 ネットでボストンダイナミクスのアトラスがバク宙をしている動画が話題になっていた。 これ、AIを搭載した兵士タイプを作って大量生産したら……と、真面目に考えてしまった。 AIと言えば、中国ではAIが医師国家試験に合格してしまったそうだ。 もう何十年かしたら、 「ロボットじゃないロボトニク(※)なんて変だ」 とか言われるのではないだろうか? ※ロボトニク robotnik=スロバキア語で「労働者」。 ロボットとは、そもそもロボッタ(robota=スロバキア語で「強制労働」)とロボトニクを合成した造語。 午後。 図書館へ行ったら、パソコン席が埋まっていて、なんか争奪戦みたいになってしまった。 席が空くと、他のところで作業していた人が、さっと行って席を取る席取りゲーム。(笑) 図書館でパソコンを使う人が増えて来たのだから、もう少しパソコン席を増やしても良い気がするな。 日が暮れたので、帰宅。 帰り道が寒い。 部屋に帰ってからも寒くてコートが脱げない。 夕食は、温かいうどんにしたが、それでも寒い。 ついにストーブを取り出してスイッチを入れた。 (小型の足元タイプのやつで、私はこれを指先を暖めるのに使っている) 夜。 国内のニュース。 パナソニックが、11月17日からホテルや観光施設、公共交通機関など外国人が訪れる法人向けにタブレット型多言語音声 翻訳サービス「対面ホンヤク」の提供を開始すると発表。 「対面ホンヤク」とは日本語と、英語、中国語、韓国語、タイ語との翻訳ができるサービスのことなのだそうだ。 これ、むしろ外国のホテルとかに置いて欲しいよな。 SF大会に来たハッティに「なぜ英語で話さないの?」と不思議そうに言われてしまったのだが、本当に英語は苦手なのだ。 寝る。
2017年11月20日(月)
寒い。 ニュースによると12月中旬の気温なのだそうだ。 海外からのニュース。 中国で、AIを搭載したロボットが医師国家試験に合格。 そのうちロボットの医者というのが本当に現われるかもね。 伝染病感染のリスクを考えると、一部の病気の治療は、本当にロボットに任せたほうが安全な気がするよな。 エボラのパンデミックのように病院が感染の中心になってしまってはまずいしね。 午後。 図書館へ。 夕方までそこにいて、家に帰ったら外より部屋の中のほうが寒い。 (なぜなんだ!) 本を日に焼かないように、カーテンを閉め切っているのが悪いのだとは思うが。 郵便受けに届いていた「ムー」と「ニュートン」の12月号を読む。 両方とも「マルチバース」の特集。 オカルト雑誌と科学雑誌が同時に同じ内容を特集したのがネットで話題になっていて、衝動的にポチってしまったのだ。 「ニュートン」は、もちろん普通にマルチバース宇宙論の解説をしていた。 「ムー」の特集記事の方も、思ったよりまとも。 まあオカルト雑誌なので、エピローグでポルターガイストやリーインカーネーションのような超常現象と、パラレルワールド を強引に結びつけたりはしているが。 〈重力波の検出成功によって遂に「アインシュタインの予言」が成就!〉 とか、見出しに使われた言葉のチョイスが微妙にアレな点は、目をつぶろう。 (普通は「アインシュタインが理論的に予測していた重力波が観測によって検出された」とかだよなあ) それにしても、ハーバード大のリサ・ランドール博士や東大の佐藤勝彦博士は、自分の写真がオカルト雑誌に載る日が来ると 予想していただろうかと思うと、笑えてしまう。 さて、肝心のマルチバース理論。 理数系がさっぱりわからない私の脳味噌がぼやぁっと理解できたマルチバース理論というのは…… 物理学の理論で考えたら、宇宙がこんなに生命の発生に具合が良くできている確率って低いんだよね。 じゃあ我々の宇宙にちゃんと生命が発生しているのはなんでだろう? →きっと宇宙はいっぱいあって、この宇宙はたまたまそのうちの生命の発生に具合が良い宇宙だったんだ。 ……みたいな話かな。 要は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」と? 寝る。
2017年11月19日(日)
11月も後半なのだから当然のことなのだが、寒い。 綿入れ半纏、大活躍。 (人型寝袋を買おうかなあ) と、半ば真剣に考える。 そんなわけで、午前中は、あまり活動せず。 部屋でSF乱学講座関係の事務作業などやっている。 メールのやりとりとか、出版社に宣伝用の原稿を送ったりとか。 午後。 昨日届いた参考書をパラ見。 イマイチ集中力が持続しない。 夕方。 ネットでニュースを拾う。 ESO(ヨーロッパ南天天文台)が、地球から11光年の距離にある赤色矮星系「Ross128」で、地球サイズの系外惑星 「Ross128b」を発見したと発表。 「Ross128」といえば、今年の5月頃にプエルトリコのアレシボ天文台が、この星の近くから謎の信号を受信したとして 話題になった星。 この信号の正体については、PHL(Planetary Habitability Laboratory=直訳すると「惑星居住適性研究所」になる)が 「由来は複数が考えられるものの、複数の衛星からの信号が干渉して伝わったものである可能性がもっとも高い」と発表し ているのだが、表面温度が−60〜20度の地球型惑星(質量は、地球の1.35倍)の近くからの「謎の信号」となると、 あらぬ妄想が広がってしまうな。(^^; 夜。 ニュースで、サウジアラビアの皇太子と他の王子たちがモメていると言っていた。 皇太子に決まった人が、他の王子たちを汚職の疑いで逮捕させたのだそうだ。 この皇太子、汚職の追放と石油依存からの脱却、娯楽文化の解禁、女性の地位向上と、聞く限りではなかなか良いことを言 っているようなのだが、やることが性急すぎてコケるのではないかと心配する見方もあるそうだ。 世界有数の産油国なので、できればそのままそっとしていて欲しいというのが各国の本音なのかな? でも、サウジアラビア自体の利益を考えると、いつもでも石油に頼っていたら世界の動きに乗り遅れるだろうしな。 「サウジアラビアの未来なんかどうでもいいから大人しくしておいてくれ」という意見だったら皇太子としても聞き入れら れない話だろうし。 ニコ生の中継を見ようとしようとしたのだが、動画がブツ切り。 ついに視聴を諦める。 せっかく「ど根性ガエルの娘」の第1話の話だったのに。 ちなみにこの作品、1〜2巻がほのぼの系エッセイ漫画。 3巻以降は、そのほのぼの系漫画が、実は編集部の意向で事実をねじ曲げたものだったという暴露とともに、同じ話が現実 ではどうだったのかというドロドロ系のエッセイ漫画になっている。 (1〜2巻と3巻以降で、出版社が変わった模様) コンピューターと将棋を指して勝ったので、気分の良いうちに、寝る。
2017年11月18日(土)
朝。 7時過ぎに目を覚まして、BSで「わろてんか」を観る。 ヒロインとその駆け落ち相手である内縁の夫が寄席を始めるという話。 ヒロインの元婚約者が落語家を紹介してくれ、ヒロインの内縁の夫の元婚約者が、女性記者としてその興行について好意的な 記事を書いてくれる。 なんなんだ、この爽やかな人間関係は?(笑) 今日は夕方から練馬で「堺三保ハリウッド流脚本講座 2017」の最終講義。 外へ出ると雨。 早めに出かけて、練馬のモスバーガーで食事。 食べ終わった食器を片付けようとした店員がバランスを崩したのかカップを割ってしまった。 そこで気づいたのだが、モスバーガーって落とせば割れるカップを使っているのだね、マクドナルドの紙コップに慣れていた ので、ちょっと新鮮。 ところで、練馬駅のモスバーガー。 この店、ちょうど真ん中あたりに腰の高さ程度の謎の仕切りがある。 実はこの店、改札内と改札外の2カ所に出入り口があるのだ。 仕切りで「改札内の客」と「改札外の客」を分けているのだね。 改札内の入り口から入って来たお母さんが、改札外の席でハンバーガーを頬張っていた小学生ぐらいの息子に、 「あんたも出かけるなら、改札を通ってこっちへ来なさい!」 とか声をかけていて、なんかほのぼの。(^^) さて6時半からいよいよ「ハリウッド流脚本講座」。 今日は、別の場所で別の講座(俳優のための講座らしい)の講師をやっていたという堺さん、疲れていると言いながらも機嫌 が良い。 充実しているのだな。 本日の講座は「映画とドラマ」の違い。 CM抜きで、正味45分程度のドラマを2時間ものの映画のような「3幕8場構成」にするのは無理。 そこで…… アメリカの映画やドラマは、主人公が「内的障害」と「外的障害」を乗り越えて「自分が欲しかった何か」を得るが、その過 程で「成長」することで「自分が本当に必要としていたもの」が、実は別のものだったことに気づき、それを手に入れてハッ ピーエンドとなるパターンが基本。 この「主人公が本当に必要としていたもの」を、映画では最後に持って来るが、ドラマではこれをシリーズアーク(1話ずつ の起承転結と別に全体を通した話の筋)として使うことが多い。 例えば「メンタリスト」。 主人公は、過去に負った心の傷のために孤独(内的障害)を抱えている。 彼の目的はレッド・ジョンという連続殺人鬼を倒して妻子の仇を討つこと。(主人公が欲しいと思っているもの) そのためにCBIという捜査機関に協力し、事件(外的障害)を解決することで、次第にレッド・ジョンを追い詰める。 やがてCBIの仲間たちに孤独だった心を開いていく主人公。(心の成長) そして捜査を通してCBIの仲間たちへの信頼の大切さに気づいた主人公は、孤独からの解放(本当に必要としていたもの) を手にして、ハッピーエンド。 ただ、このパターンは最近のもので、昔は主人公が役割ヒーロー(最初から完成されていて、何も変わらない)が主人公とい うものが多かったのだそうだ。 例えばシャーロック・ホームズ。 原作は、事件が起きて、それを最初からヒーローとして登場する名探偵が解決するという話だったが、最近作られたドラマ版 では、孤独なシャーロックが少しずつ友達を得るというシリーズアークが付け加えられている。 物語には「主人公の成長」という要素が必要だと考えられるようになったかららしい。 あと「24」の話も興味深かった。 (実は、本日の講義の中心は「24」のストーリー分析だったのだが、それをバラすとネタバレになるので) 全体を通して、面白い講座だったと思う。 軽く飲んで帰宅。 寝る。
2017年11月17日(金)
朝。 東京MXの「モーニング・クロス」を観る。 保育園無償化について。 世論調査によると国民が求めているのは「全入化」であって「無償化することで、より入所がしにくくなるのでは?」という 懸念もあるという話。 どうして国民が「全入化」を求める中で、国は「無償化」というトンチンカンな政策に踏み切ったのか? 「現場を知らない政府の重鎮が〈無償〉という言葉は票を集めやすいと考えたからではないか」 と、ゲストコメンテーター。 特集は「人手不足倒産」。 中小企業は、売り上げが少ないので時給が上げられない。 時給が安いので求職者が来ない。 その結果、中小企業は従業員不足で業務が続けられなくなってきている。 昨年の中小企業の倒産は、過去最多の2万9583社に上るのだそうだ。 この現状で「就職率が上がったということは、景気が良くなった証拠でめでたいこと」と考えるのは、無理があると思う。 就職率が上がったのは、むしろ少子化の影響なんじゃないだろうか? 午後。 運動不足解消のため、区立中央図書館まで歩いて行くことにする。 駅を出て早速に道に迷い、グリーン大通りの入り口にある交番で、 「図書館はどこですか?」 と聞いたら、若い警官に「え?」と聞き返される。 (発音が聞き取りにくかったのかなあ?) と、何回か、言い直していたら奥の方から年配の人が出て来て、 「この通りをまっすぐ」 と、教えてくれた。 若い警官は、どうやら中央図書館の場所を知らなかったらしい。 なんとなく「警察は役所なのだから役所関係の建物の場所は詳しい」みたいなイメージがあったのだが、どうやらそれは私 の思い込みだったようだ。 そもそも池袋駅から500メートルも歩いて図書館に行く人は珍しいのかな? (東池袋駅からだと、1〜2分で着いてしまう場所) 暑くも寒くもない良い陽気。 ぶらぶら歩いて図書館へ。 目当ての本を探し出し、目当てのページのコピーを取って池袋まで戻る。 三省堂で東京創元社と早川書房の探訪記が載っているという「増刊フラワーズ」を購入し、ついでに西池袋を散歩。 祥雲寺のカフェが開いていたので、ちょっと贅沢をして抹茶とどら焼きでまったりする。 (ここの住職は、相変わらず愛想が良いな) 帰宅。 さっそく「増刊フラワーズ」を開く。 東京創元社と早川書房の社風の違いが分かって面白い。 (356ページに出てきた、東京創元社の「一際目をひくデスク」って、もしかして、あの編集さんの机かな?) 「ミステリ&ファンタジー」特集なので、ミステリ漫画とファンタジー漫画とファンタジーっぽいSF漫画の特集号。 田村由美さんの「ミステリと言う勿れ」が、興味深かった。 物語の中心は、殺人事件の重要参考人として取調室に連れて来られた男と、刑事たちとのやりとり。 数日間による取り調べの間に、鋭い観察力と推理力、記憶力を持った重要参考人の男に、刑事たちは次第に私生活や過去、 刑事同士の人間関係を暴かれて追い詰められていく……。 刑事たちのリーダーは、いわゆるハードボイルド系の老刑事。 妻子が交通事故で死亡した際にも張り込みの現場を離れず、その代わり妻子の仇を討つためにと執念で轢き逃げ犯を追う。 物語の主人公は男性に設定されているが、作者の田村さんは女性。 なので、この老刑事の行動は主人公によって「女性的」に分析されることになる。 妻子が轢き逃げに遭った際に駆けつけなかったのは、 「怖かったんですよね。死に目に合うのが、現実を見るのが怖かった。刑事としての薮さんの代わりはいくらでもいるのに、 そこは無視した」 そして膨大な時間をつかって妻子を殺した轢き逃げ犯を追い続けた刑事の、 「妻や息子も喜んでくれるだろう」 という言葉には、 「僕が子供ならこう思う『お父さん、なんだか楽しそうだね。あんなに忙しい忙しいって言ってたのに、刑事の仕事は何より 大事で、そのためにすべてを犠牲にしてきたのに。お父さんが忙しい忙しいって言ってたのは、僕たちに会いたくなかったか らで、僕たちが死んだらもう忙しくなくなったんだね」って」 この言葉に刑事は激昂する。 「命を削って働いたこともない、妻や子を持ったこともないおまえに、おまえなんかに何がわかるんだ!」 それに対して、男はこう答える。 「僕は子供を持ったことはないですが、子供だったことはあります。親になったら忘れてしまうのかもしれませんが、僕は今 子供の立場でものを言っています」 万事がこんな具合で、男臭いハードボイルドな世界に住む男たちのことは「男のロマン至上主義の人たち」とばっさり。 いわゆる、ハードな大人の男の世界を理解した「成長」なのだと言われて来た諸々のことについても、 「『おまえは青臭いガキだ』とか、『感情論はやめろ』とか、『清濁あわせ飲んでこそ一人前の男だ』とか言われたら、乗せ られちゃうでしょ」 と、実際には成長でもなんでもない「乗せられちゃった」だけの思考停止だとして切り捨てる。 「仕事のために犠牲にしてしまった妻子への贖罪のために人生を賭けるストイックな男の生き様」という、これまでに何度も 使われて来たストーリーを、ハードボイルド・ミステリの根底に流れていた「思想」そのものを否定することで、全く別の物 語に変えてしまったところが新しいと感心した。 さて、この「増刊フラワーズ」には、別のミステリ作品、絹田村子さんの「重要参考人探偵」も載っている。 そのドラマ化したものの放映が本日であることに気づいたので、観る。 「重要参考人探偵」 「第一発見者体質(死体を発見して事件の第一発見者になってしまう体質のこと)」という設定が、すでに十分におバカなの で、そのつもりで安心して観る。 主人公は、モデル業が本業。 しかしこの「第一発見者体質」のために始終、警察に疑われては「重要参考人」となり、自分の無実を証明するために事件を 解決する羽目になるという物語なのだが、ドラマだと、モデルである主人公やその仲間のモデルたちを演じているのが現役の アイドル。 芸能人を芸能人が演じているわけで、当然ごく自然な雰囲気になり、世界観も安定している。 そんなわけで、漫画原作のドラマにしては、珍しく楽しめるドラマになっていた。 寝る。
2017年11月16日(木)
朝。 背中が少しゾクゾクする気がする。 それとも単に寒いのか? 昼。 本日の「NCIS:ニューオリンズ」は、初めて本編の「NCIS」の登場人物が1人も出ない回。 このドラマ、ちゃんと犯人が割と最初の方から登場しているのが、ミステリーとしてフェア。 午後。 図書館へ。 なんか小学生がうるさい。 ……と、思っていたところに2号くんから電話。 「昨日、1号に飯を奢ったろう。同じ店で俺にも奢ってくれ」 という、分りやすい内容。 2号くんのアパートへ行ったら、ちょうど録画していた「NCIS:ニューオリンズ」を観ていたところだった。 観終わってから、昨日と同じ店へ。 なんとなくさっぱり系が食べたくて、気の向くままに注文していたらウエイターに、 「お客さん、それだと鶏ばっかりになるネ」 と言われてしまう。 1個を豚肉料理(豚足の醤油煮)に変えて注文しなおす。 帰りがけにウエイターに、 「うちの店、他にも美味しい肉、イパイあるヨ」 と言われる。 池袋3丁目の「大拉?食堂」のウエイターは、いつもやる気満々。(^^; 私はここの「鶏肉とカチューナッツの炒め物」が好き。 「豚足の醤油煮」も悪くなかったが、この料理を上品に食べる方法が分からない。 2号くんのアパートへ。 2号くんがネームを切っている間、こっちは図書館でやっていた勉強の続き。 時々、上がったネームにダメ出し。 2号くんが飽きてテレビを観始めたので、一緒に観る。 「アンビリーバボー」というバラエティ番組で、老夫婦が下水に落ちた子猫を救出したという話を、再現ドラマで1時間。 ネタは当事者のブログから拾って来たようで、再現映像はもちろん無名の俳優が演じていた。 この番組、昔は所ジョージが司会をしていたはずだが、今日見たら人気の割りにはギャラが安いという噂の剛力彩芽が司会 だった。 安直に仕入れたネタを安い役者で映像化して、安い司会者を使って番組にする。 それでも番組1本を作ってしまうスタッフを褒めるべきなのか? 2号くんが風呂に入ると言い出したので、なんとなく解散。 家に帰って、寝る。
2017年11月15日(水)
朝。 ?に手を当てると熱っぽい。 1週間前、自分がどこへ出かけたかを思い起こしてみる。 (東京芸術劇場だ) 東京芸術劇場内に、風邪の保菌者が存在している確率って、結構高いのだろうな。 昼。 ドラマ「NCIS:ニューオリンズ」シーズン1を観る。 人気シリーズ「NCIS」のスピンオフ。 いままでのところ「NCIS」のレギュラー・キャラが、毎回、誰かしらゲスト出演している。 今回は、「NCIS」の主役であるギブス捜査官が出て来た。 本シリーズの人気を、なんとかスピンオフに持って来ようとする工夫なのだろうな、製作陣も大変だ。 本日の「午後のロードショー」。 シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーがダブル主演だというので、つい「大脱出」を観てしまう。 主人公(シルベスター・スタローン)の職業は、刑務所のセキュリティの欠点を調べてアドバイスを行うコンサルタント。 囚人に混じって収監され、実際に脱走できるかどうかを試すという、変わった手法で成功を収めているという設定。 その彼に新しい仕事が来た。 最新式の刑務所のセキュリティを調査する仕事だ。 いつものように刑務所に入った彼だが、話を通してあるはずの所長が、なぜか聞いていた人とは別人。 これではいざという時に、出られない。 ちょっと困っている主人公に、囚人のひとりが、なぜか親しげに話しかけてくる。 この男は、敵か味方か……? でも、この「謎の囚人」を演じているのが、アーノルド・シュワルツェネッガーなんだよね。 敵なわけないじゃん。(笑) キャスティングがネタバレになってしまっている。 その辺は、製作陣も分かっているのか、すぐにこの囚人に心を開いた主人公。 一緒に脱獄を企てることに。 都合よく床板を止めるネジにサビやすい鉄が使われていたりしたところは、まあ目をつぶろう。(^^; 脱走を試みた主人公は、脱出が不可能に近いことに気づいて失意のどん底に。 それを励ます相棒の「謎の囚人」。 励まされて復活した主人公は、新しいアイデアを思いつき……。 というオーソドックスな流れ。 夕方。 2号くんのアパートで、コミケの打ち合わせ。 こちらの原稿を手直しして、2号くんがネームを切るのを待つ間、録画してあったNHKのドキュメンタリーを観る。 AIや機械化によって人の仕事が奪われるのではないかというテーマのドキュメンタリー。 仕事を失った人のためにベーシックインカムを導入してはどうか、という提案に対する反対意見に「仕事をしなくてもお金が もらえると人々は仕事をしなくなる」というものがあった。 「お前は、仕事をしなくてもお金がもらえるとしたら、どうする?」 と、2号くんに聞いたら、 「俺は、仕事をしなくなると思う」 という返事。 「仕事をしないで、何をするんだ?」 と聞いたら、 「1日中、漫画を描いている」 と言うので、 「その描いた漫画をどうするんだ?」 と聞いたら、 「ネットで売る」 のだそうだ。 (それは「仕事」じゃないのだろうか?) 夜。 1号くんが帰って来たので、ネームを切っている2号くんを残し、2人で近所の「大拉?(※)食堂」へ。 この店は、以前は、中国の雲南省や四川省の郷土料理の店だったのだが、リニューアルしてメニューに「日式中華」なるもの が加わった。 「日式中華」とは、ニラレバとかそういう日本の中華料理屋で馴染みのある「中華料理」のことらしい。 正直、雲南省の山岳地帯の郷土料理って、私にはイマイチ合わなかったので(ピリ辛系が多いのだ)その方が助かる。 カシューナッツと鶏肉の炒め物をつまみに、青島(チンタオ)ビールを飲む。 1号くんは、担々麺を食べていた。 ※「大拉?」の発音は、店のメニューや看板でも「ダイラバ」とか「ダーラーバー」とかいろいろな表記になっている。 家に帰って、寝る。
2017年11月14日(火)
朝。 銀行へ行って振込み手続き。 時間帯のせいか空いていて、すぐに済んだのは助かった。 帰宅して朝刊を開く。 日経の1面トップは〈モネータ 女神の警告〉というタイトルの、経済に関する特集記事だった。 本日の見出しは、 〈マネー膨張 踊らぬ経済〉 内容はと言えば、 〈世界の中央銀行は、あふれるようなお金を流してきた。なのに企業や家計は貯蓄に励むばかりで、経済成長は弱々しい〉 〈(先進国企業は)よそからお金を借りて投資に使い、経済を活性化する機能を果たしていないように映る。デジタル関連の 産業が増えているためだ〉 ※( )内は、崎田が補足 〈長寿社会が到来し、人々が老後に向けた蓄えに励むのは日本だけではない。国全体の成長が著しい中国でさえ、貯蓄大国の 横顔を持つ〉 カネ余りなのに経済は低迷している、そんな状態なのに、 〈世界は緩和モードに浸ったままだ〉 〈09年以降はマネーがGDPを大きく上回るようになった。乖離(かいり)は年々鮮明になっている〉 低金利のせいで、マネーは金融商品や不動産投資に流れ込み、世界の株式時価総額は過去最大の約83兆ドルに増加している そうだ。 ……ええと、素人の私に理解できる範囲でまとめると、金融緩和で市場に出たお金はやたら多いけれど、みんながそれを使わ ないで貯蓄している。 でも、低金利だから普通の貯金だと利息がつかないでの、仕方なく株を買う。 結果、株価はものすごく上がっている。 要するに、自社株が値上がりするので、一見、企業が儲かっているように見えるけれど、実態はそうじゃないということ? 7面に記事の続きがあって、そのページの、 〈「緩和→物価高」崩れた図式〉 という小見出しの記事によれば、 〈ネットで価格を比べやすくなり、値上げのハードルは上がった〉 〈機械化や人工知能(AI)の普及は賃金の上昇力をそいでいる〉 ということもあるらしい。 ……て、ことは、黒田さんのやっている金融緩和じゃ、景気は良くならないということ? 日本経済、前途多難。 昼。 少し、くしゃみは出るが午後からは図書館へ行こうかな……などと思いつつ、海外ドラマを観る。 「NCIS ニューオリンズ」 今回の話は、自分が伝染病に感染していることに気づかずに、患者が街も出歩いてしまったために……という話。 公害にならないように、自宅にいることにする。 午後。 スラドヘッドラインニュースを読んでいたら、記事にレスをつけている人がいて、最近、身近で起こった体験を書いていた。 (似たような体験をした人がいるのだなあ) と、書いた人の名前を確かめたら、知り合いと同じ名前。 ちょっと珍しい苗字の人なので、たぶん同一人物だろう。 (なるほど「身近で」同じ体験をしているわけだ) 「リアルの知り合いとネットで出会う」というのは、ちょっと面白い感じがするものだな。 夕方。 雨。 (出かけなくて良かった) ニュース。 韓国政府と軍が、昨日、板門店で脱北を図った北朝鮮の兵士が、北朝鮮側から受けた銃撃での負傷で重体に陥っていると発表 したそうだ。 北朝鮮軍は、この脱北兵に対して40発の銃弾を発砲、兵士は軍事境界線の南側およそ50メートルの場所で、肩と肘を負傷 した状態で発見され、韓国軍と米軍の兵士に救出されたのだと言う。 (「生きて南に行かせてたまるか!」みたいな勢いで銃撃したのだろうな) 脱北兵は意識不明だそうだから、たぶん銃弾が当たったのは肩と肘だけじゃないだろう。 自分の国から命がけで逃げ出さなくてはならないとは、悲惨だな。 寝る。
2017年11月13日(月)
雨が降るかと思ったが、晴れ。 森下唯さんのランチタイム・コンサートを聴きに銀座へ行く。 山野楽器の7階が会場なのでエスカレーターを上がっていったら、靴を売っていた。 楽器屋にピアノやCDが置いてあるのは納得できるが、 (なぜ靴?) と、思って店員に聞いてみたら、ピアノ演奏用の婦人靴なのだそうだ。 舞台に上がる女性はドレスを着るので、靴もそれに合わせて踵の高いものになる。 そうすると、踵が邪魔をしてピアノのペダルが上手く踏めない。 そこで踵の後ろを斜めに切って、演奏の邪魔にならないようにしたピアノ用の靴というのがあるのだそうだ。 店員さん、なおも親切に商品の説明をしているが、私の頭の中ではすでに名探偵が、 「この足跡は……さては犯人はピアニストだな!」 なんてことをやり始めてしまっていた。(^^; さて、開演時間になって唯さん登場。 いきなり〈悪魔的スケルツォ〉から。 平日なのに、なぜか小学生ぐらいの子供連れのお母さんがいて、 (大丈夫か? 子供、怖がらないか?) と、余計な心配をしてしまった。 〈左手のための変イ調の幻想曲〉 唯さんの説明によると、 「目をつぶって聴くと曲として楽しめ、目を開けて聴くとピアニストの奮闘を楽しめる曲」 なのだそうで、私は鍵盤の端から端へと飛ぶ音符を流れるスピードで弾く超絶技巧を楽しませて貰った。 ちなみに「演奏中は腕が4本になる」と噂される唯さん、この曲を弾いている時には普通に(?)腕が2本に見える。 最後の曲は、 〈イソップの饗宴〉 これはアルカンが下記の逸話に基づいて作曲した曲だそうだ。 あるとき主人から「客が来るので最高の食材を揃えて料理を作れ」と言いつけられたイソップ。 しかし当日、客人の前に出て来たものは、なんと豚の舌のフルコース。 主人に理由を問い詰められたイソップは、その場で舌というものが、いかに人類の文明に貢献したかを雄弁に語り、 「だから舌こそは最高の食材なのです」 と、言い抜けた。 そこで主人が「では、今度は最悪の食材で料理を作ってみろ」と言うと、イソップが並べたのはやはり豚の舌のフルコース。 そして今度は、舌という者がいかに人類に不和をもたらしたかをやはり雄弁に語り、 「だから舌こそは最悪の食材なのです」 と答えた。 (もう3回ぐらい聞いたので、さすがに覚えた) 今日は、雨も降らずに演奏も素晴らしい最高のコンサートだった。 帰宅して、夕方に2号くんの部屋へ。 コミケの打ち合わせをして帰ろうとしたら、雨が降って来た。 急いで帰宅。 夜。 土砂降り。 ランチタイムのコンサートで良かった。 夜の演奏会だったら帰り道でみんなえらい目に遭ったかも。 ……と、思ったら、唯さん自身から「あんなに晴れていたのにびっくりしました」とのツィートが。 雨男がピアノを弾いたせいだとは言わないが。(笑) 寝る。
2017年11月12日(日)
良い天気。 近所で、お箏の演奏会&フラダンス&茶道のお茶会があるというので、出かける。 要はカルチャースクールの宣伝のための発表会で、入場は無料。 お箏とお茶はともかく、フラダンスは出演者2名(たぶんそのうちの1名は先生)という、やや寂しい顔ぶれ。 そして生徒さんの年齢を考えたのか、衣装がやたら地味。 そのまま街を歩いたとしても、普通に地味な服として通るようなデザインの服。 (腰を動かして踊るフラダンスは、あまり普通の服で踊ると非日常性がなくなる分、却っていやらしい感じになるな) あの、やたらに派手な衣装には、ちゃんと訳があったのだ。 夕方まで、そこにいてから西池袋の居酒屋で軽く飲み、ビックカメラで買い物をして帰宅。 テレビで「シン・ゴジラ」を観る。 この映画は、決してパニック映画ではない。 逃げ惑う群衆は、多少出てくるものの、基本的に登場人物は全員が冷静。 そして、いらないことをするバカという者も出て来ない。 この映画のストーリーは、基本的に、 (1)ゴジラ出現。 (2)戦う。 (3)負けそうになる。 (4)最終的に勝つ。 という流れ。 こういう物語を作る時に悩むのは、(3)と(4)との整合性。 「なんで最終的には勝てる相手に負けそうになるのか?」の理由の説明が必要なのだ。 解決策。 (その1)こっちの方が強いのに、味方に足を引っ張る奴がいた。 バカな味方のせいで、序盤はチャンスを逃して負けそうになるのだが、本当は強いのだから最終的には勝つというパターン。 (その2)本当なら勝てない相手なのに、相手が勝手に自滅してくれた。 「敵の仲間割れに救われる」などのパターン。 (その3)序盤では弱かった主人公が、強く変化する。 最近流行りの「主人公が修行して強くなる」などというパターン。 (その4)主人公は弱いまま、チートな味方が現れる。 「神の奇跡で勝つ」とかいうパターン。 このうち、一番簡単なのが(その1)のパターンじゃないかと思う。 (その2)は、敵の内部についての設定を考えなくてはならない。 (その3)は、どんな修行を、どのように行うのかを考えなくてはならない。 (その4)は、客をそれなりに納得させるチートを考えなくてはならない。 「シン・ゴジラ」の庵野監督は、(その1)のパターンが嫌いらしい。 特に、ただ主人公の障害になるためだけに、味方が無意味に足を引っ張る行動を取る安直なパターンが嫌なようだ。 そして、私も実はこのパターンが大嫌い。 だから「無意味に足を引っ張るバカ」が出て来ないこの映画は観ていて気持ちが良いのだ。 「シン・ゴジラ」は、基本的に言うと(その3)のパターン。 修行の代わりに、科学的な分析によってゴジラの弱点を解明することで、主人公たちが強くなる。 ところで「日本のピンチに米軍が核攻撃を提案し、日本側がそれを断る」というのも、やっぱりパターンなのかな? 私の好きなもうひとつの侵略モノの映画「ゼブラーマン」も、そのパターン。 寝る。
2017年11月11日(土)
午前中。 レポートの送信。 不正防止のためコピペが無理なので、自分で書いたレポートの下書きをプリントアウトして、大学のサイトの所定のページに 手作業で打ち込む。 この方式でも、その気になれば不正はできるわけだが、それを言い出したら通学コースでもレポートの代筆が可能なわけで、 まあ、性善説に従うということなのだろう。 午後。 〈農工大、ロボットが人間に感情を伝えるための新しい運動制御方法を開発〉 というニュースを見つけた。 (2017/11/07 マイナビニュース) 〈この研究の目的は、「ロボットが人間のように、ある仕事を行いながら同時に感情を伝えるという動作を行うことは可能 なのだろうか?」という疑問を解決することであった〉 〈その結果、"嬉しそうな"と"悲しそうな"ことが参加者に伝えられていることがわかった。次に"平穏"がよく伝わっており、 ”恐がっている"ことはうまく伝えられていなかった〉 この「”恐がっている"ことがうまく伝えられない」という問題、ロボット側と人間側のどちらに原因があるのだろう。 人間の側だとしたら、相手の “恐怖” の感情に敏感すぎると、ハンターとして獲物を狩る際に支障になるからか? 夜。 レポートにかまけて買ったままだった『おい、マジか。池上彰の「ニュースを疑え!」』(池上彰 文芸春秋)読了。 「週刊文春」(2016年4月14日号〜2017年7月20日号、8月17・24日号)に連載されたコラムをまとめた もの。 読み終わって、テレビをつけたら、池上彰氏が出ていた。 忙しい人だ。(笑) 中国で習近平さんの独裁が進んだら、 「仮に習主席が親日路線を取ろうと言った場合、反対する人がいなくなるわけです」 と、そこで話を切ったところが、さすが池上さん。(^^; 寝る。
2017年11月10日(金)
ニュース。 トランプさんが、アジア歴訪中。 「北朝鮮への圧力」に関しては中国に断られたようだ。 中国が入っていない「北朝鮮包囲網」では、穴の空いた網で魚を捕ろうというようなもの。 日本で報道を見ていると、あたかも「中国だけ」が北朝鮮への強硬策に反対しているみたいなのだが、実際には「アメリカ (と言うよりトランプさん)だけ」が強硬策を主張し、日本がそれに追随している図式のようだ。 そして、そのトランプさん「ロシアゲート」でい足元が危うい。 もしかして安倍さんが、動静を見誤っているのではないかと、日本国民としてはドキドキする。 そもそも「トランプ当選を予測できなかった日本の情報網」が、首相に情報を提供しているわけなのだから。 午後。 久しぶりに祥雲寺へ行って、お茶。 (ここは寺の仕事がない時に、寺院の広間がカフェになるのだ) カフェの開店当初はガラガラだった店内(笑)が、今日は人でいっぱい。 少し驚いた。 このカフェ、もちろん普通のカフェと同じで、テーブルに向かい合わせに椅子が置いてあるのだが、客はその一方にしか座ら ない。 庭が見える方の椅子だ。 2人で来ている客もいるのだが、そういう客も、並んで庭の方を向いて座っている。 そして、誰も会話をしていない。 ただ、ボーッとお茶を飲みながら、境内の庭を眺めているのだ。 ボーッとお茶を飲みながら庭を眺めるというのは、池袋3丁目では金を払って体験する贅沢なレジャーなのかも。 さて、思う存分ボーッとした後は、図書館へ。 レポートの下書きを仕上げて帰宅。 夜。 咳とくしゃみが出てきたので、風邪薬を飲んで、寝る。
2017年11月9日(木)
ニュース。 昨日、サンシャイン水族館で、大型水槽で飼育されていた魚の9割余りに当たる1235匹が死んでいるのが見つかった。 水族館では、魚に病気が流行っていたので水槽に治療薬を投入した。 その際に、薬の効果を高めるために水槽内のフンなどを取り除く装置を止めた。 この装置は細かい空気の泡を発生させることでフンなどを取り除く仕組みだった。 装置が止まったために水中の酸素濃度が減り、魚が死んだ可能性がある。 フンなどを取り除くのも空気の泡を使う装置というのがあるのか。 私の知っているフンの除去機というのはフィルター方式の濾過器だな……。 ふと、妄想。 もしかして、薬に添付された説明書に「薬を与える時にはフンの除去機を停止させるように」と書いてあったのか? 説明書を書いた人は、フィルター式の濾過器を想定していた。 薬がフィルターに濾し取られてしまっては、効果が出ない。 しかし、サンシャインの装置は空気の泡を発生させて、フンの除去と同時に水中の酸素濃度を保つタイプのものだった。 係員は、この装置を説明書通りに停止させてしまった??? サンシャイン水族館、今日も営業しているみたいだが、魚の9割がいなくなった水槽って、お金を払って何を観るのだ? それとも「話のタネに」と、観に行く人がいるのかね? 本日のドラマ「キャッスル」は、ドローンとAIの危険性についてがテーマ。 本国での番組の放映は2013年だから、それらが話題になっていた頃なのだろう。 それにしては「AI」の認識が、映画「ウォーゲーム」時代のコンピューター・レベル。 「テロリストのものだとしてターゲットに定めた車が、実は結婚式帰りの新婚夫婦のものだった。人間なら車に積んだバラの 花束から、それが新婚夫婦の車だと分かるが、AIには分からないから攻撃を実行してしまうだろう」 というのだが、ちゃんとしたAIなら分かるんじゃないかという気がするのだが。 午後。 レポートをやらないとな……。 夕方。 2号くんの部屋へ。 昨日、2号くんが再生してくれたドラマ「24」が、実は第1話ではなく第2話だったことが分かり、改めて第1話を観る。 主人公の家庭は、妻と娘との折り合いがたいそう悪いらしい。 それにしてもアメリカの不良は、すぐにドラッグをやるのだな。 「娘の机の引き出しにマリファナがあった」というのが、せいぜい「タバコがあった」レベルの感覚なのか? 髪を染めたぐらいのことで、停学レベルの大騒ぎになる日本の高校とはえらい違い。 帰り道、自宅近くでパーンという音を聞いたのだが、何の音だろう? 時計を見たら、7時3分前ぐらい。 夜。 今夜の「コズミックフロント NEXT」は、ホーキングの提唱する地球脱出計画。 その前編。 火星に暮らすには、空気を逃がさないような大きなドームが必要。 これを地球から持っていくのは非常に困難……という話だったのだが、地面に穴を掘って内壁を空気が漏れないような物質で 固めてしまうというのは難しいのかな? さて、明日こそ、ちゃんと大学のレポートを頑張ろう。 寝る。
2017年11月8日(水)
朝。 事務的な手続きのために東京芸術劇場へ。 自転車で出かけたら、帰りに雨に降られた。 小雨のパラつく中を帰宅。 濡れた服を脱いで風呂に入る。 昼。 休憩で観た「キャッスル」は、いわゆる総集編回。 ヒロインの身にピンチが迫り、主人公と2人で過去の思い出(名場面集)を振り返るというストーリーだった。 可愛い印象だったヒロインが次第に年輪を重ねていくのが見られて、これはこれで良いかなと。 夕方。 2号くんと待ち合わせをして、レンタルショップへ。 DVDをレンタルして「24」の第1話を借りて観る。 かなり思い切った構成のドラマで、第1話を観ただけでは何が起こっているのかさっぱりわからない。 大統領候補がなぜか行方をくらまし、主人公の恩人が謎のカードを託して死亡し、主人公の娘が不良少年たちに拉致され、 主人公の仲間にはスパイ疑惑が……つづく。 「メンタリスト」の第1話を、今度はノートを取りながら視聴。 冒頭で、主人公の性格が説明される。 主人公は自分のせいで人が死んでも平然としているような人物。(だって死んだ奴は悪い奴だから) 次に連続殺人鬼「レッド・ジョン」と主人公の因縁の話。 その因縁のせいで、警察のコンサルタントを行っている主人公。 レッド・ジョンの模倣犯が現れ、警察は主人公の助言に従って容疑者を追うが……。 1時間ものの海外ミステリーというのは、基本的にCM抜きの45分前後で1話が完結する。(「24」は例外) そして、開始30分ぐらいまで犯人だと思われていた人物は、たいてい真犯人じゃない。(^^; 帰宅。 役所に出す書類を書いて、寝る。
2017年11月7日(火)
朝。 政府が幼児教育の無償化策について「認可外の保育園は対象にしない方向」で検討しているということについて、民放の情報 番組が、選挙の時のマニフェストには「すべての子ども」の教育無償化と書いておきながら、選挙が終わったら「認可外の保 育園は対象にしない」と言うのは如何なものか、というようなことを言っていた。 この問題についてに関係各省からのデータや意見を、マニフェスト作成時点で自民党が知らなかったはずはないのに、敢えて 「すべての」という言葉を入れたのが、不誠実だという意見。 (うん、なんかこう……仕事が「雑」だよな) 確かに「すべての」という文言は、削っておくべきだったと思う。 昼にテレ東で「キャッスル」を観て、そのまま、次に始まった「エイリアン4」を観てしまうというルーズなテレビ視聴。 (ウィノナ・ライダー、可愛かったんだよな……) クローン実験の失敗で生まれた「奇形」は処分されるべきだったのか? ラストのリプリーの判断、危険な性格を理由にしていたようだが、もしも「あの子」が可愛い姿をしていたら? そういうひねくれた目で見ると、ドミニク・ピノン演じる障害者が生還する場面が言い訳っぽく見えてしまうんだよな。 夕方。 2号くんと一緒にビデオ屋で借りた連続ドラマ「メンタリスト」を観る。 コールド・リーディングの才能を使ってインチキ霊能力者として商売していた男が、調子に乗ってテレビ番組で連続殺人犯を 馬鹿にする発言をしたために、怒った犯人に妻子を殺害されてしまい、そいつを追うために警察の協力者(コンサルタント) になるという設定の連続ミステリー。 アメリカの刑事ドラマには、よくこの「コンサルタント」という立場の人が出て来る。 警察官ではない「専門家」が警察官と一緒に継続して事件捜査に当たるというのは、ちょっと不自然な気がするが。 ドラマを観ている最中、来年のSF大会の実行委員長から電話。 有名なドクターを大会に呼びたいので、連絡をつけてくれとのこと。 「先方は忙しいので、たぶん無理だと思うよ」 と、言いつつ、連絡だけは入れる手配をしたら、 「ついでにスタッフもやって……」 と言いかけたので、そのまま電話を切る。 帰宅。 アマゾンに発注していた本が届いていたので、読みながら、寝る。
2017年11月6日(月)
日経朝刊の1面トップは、来日しているアメリカ大統領の話題を押しのけて、 〈国の成長戦略である日本文化輸出を支援する官民ファンドのクールジャパン(CJ)戦略が振るわない〉 という記事だった。 〈戦略なき膨張〉 〈規律欠く官民〉 という見出しで、 「これが日本だ、と押し売りしている」 という商社の駐在員の意見を紹介している。 3面のコラム〈きょうのことば〉に載っている「クールジャパン」という言葉の解説は、この言葉が1997年のブレア政権 下の英国で進んだ「クール・ブリタニカ」が語源であることを紹介し、 〈2001年秋の米同時テロで西洋文化へのイスラム社会の反発が顕在化して以降、英国ではこの言葉はあまり使われなくな った〉 と解説。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの太下義之主席研究員はによる、 「『英国はクール』と自ら言うことの危うさに気づき、文化の多様性が大事だという考え方が広まった」 という分析を紹介している。 この問題をトップに持って来たところに日経新聞の危機感を感じる。 16年も前に英国が、その危うさに気づいて捨てたものをいま、日本が国の成長戦略と位置付けて行おうとして、その結果、 失敗しているという現実。 (やばいね) 午前中。 ちょっと銀座へ。 アップル社の前にできていた行列は、たぶん新型iPhoneの予約かな? 昼。 生命保険の外交員と喫茶店で待ち合わせて話を聞く。 保険の見直しの話なのだが、3年前に彼女の前任者と契約更新をしたばかり。 「その人、どんな人でした?」 と、盛んに聞かれたので、私が加入しているのは、どうやら保険会社的にはあまり「お勧め」の保険ではないらしい。 午後。 図書館へ行き、その後、冬コミの打ち合わせで2号くんのアパートへ。 コミケから来た封筒がアパートの郵便受けに入っていて、 「やった! 当選だ!」 と、2号くん。 (え? 当選したから打ち合わせをするという話じゃなかったのか?) とりあえず、当選が決まったので、原稿に取り掛かかるのだが…… 「まだ、時間はあるし」 と、テレビをつけて見始める2号くん。 (「余裕のある段階の時間の使い方」って、大事だと思うけどなあ) ギリギリの時になって、なぜか「奥の手」が次々に出てくる奴って「運がいい」とか「能力が高い」というより「そのための 準備をちゃんとしている奴」なんだよ、2号くん。 帰宅。 夕刊の1面トップは、さすがに米大統領来日の記事。 〈米大統領「対日赤字に不満」〉 〈2国間通商協議に意欲〉 って、この「2国間通商協議」って、絶対に日本にとって不利なものになるとさんざん言われて来たアレのことだよな? 夜。 ネットにニュース動画が流れて来た。(撮影したのはテレ東) アメリカのトランプ大統領とのゴルフ中に打球をバンカーに入れてしまった日本の安倍首相。 大叩きした挙句に、ようやくボールを外に出したが、先へ進もうとするトランプ大統領を追いかけてバンカーから外に出よう と焦るあまり、バランスを崩して無様に地面に転がってしまった。 それを無視して、さっさと行ってしまうトランプ大統領……。 日米両国の関係を象徴しているような映像だな。 寝る。
2017年11月5日(日)
朝。 昼過ぎからテストなので、その準備。 披見用に資料をコピーしてパソコンの前へ。 午後。 テスト開始。 私が採点者だったら、あまり高得点はやらないだろうなというレベルの答案を、なんとか時間内に送信する。 夕方からSF乱学講座。 駅の改札で、いるはずのない人の幻を見た気がして思わず立ち止まる。 (私はどうかしているのだろうか?) 高井戸区民センターに着くと、受講者のひとりがエントランスの椅子に腰掛けていた。 「待っていても彼は来ないよ」 と言ったら、 「本当に、突然で信じられません」 という返事が返って来る。 その答えに、なんだかほっとして、最後に病室でエピクトさんに会った日の話をする。 乱学講座。 部屋の支払いの件で手違いがあり、プロジェクターを使うのにスクリーンの準備がしていない。 いるべき人がいないので、何もかもが上手く回らない。 なんとか講座が始まった。 講師は、天空博物館製作者の綾塚祐二氏。 アマチュアの大気光象の研究者だとかで、今日の講座のタイトルは「空を彩る大気光象」。 虹や暈(かさ)についての話。 講師によると、雲の切れ間からの光線の柱が放射状に地上へ降り注いで見える現象を「薄明光線」と言うのだそうだ。 「この薄明光線は、別名『ヤコブの梯子』と言います」 と、講師。 ヤコブは、エピクトさんのクリスチャンネーム。 (ヤコブは梯子を昇って行ったのか?) と、ぼんやり馬鹿なことを考える。 講師が話しているのは気象現象の話で、ヤコブの梯子は薄明光線の別名。 誰も梯子は昇らない。 講座の終了後、来月の予定の話になる。 講師予定のKさんが、少し遅れるかも知れないとのこと。 「遅刻したら、その時間をエピクトさんが話をして繋いでおいてくれるはずだったんだ」 (そんなことを言ったって、エピクトさんはいないじゃないか!) と、私は少し怒った気持ちになる。 なぜ怒るのか? 目の奥が熱い。 イライラする。 「エピクトさんは信仰の話をしてくれるって言っていたんだよね。一瞬、意味が分からなくて。彼はキリスト教徒だけど、 あまり宗教っぽい話をする人じゃなかったから」 その話をしたのは9月の3日なのだと言う。 その月の29日にエピクトさんは入院し、先月の半ばに亡くなった。 彼が来月にするつもりだった「信仰の話」とは、どんな話だったのだろうか? 講座終了後に「包茶」で、エピクトさんの弟さんと話をする。 いるべき人がいなくなった空間を、ここでも感じ、私は意味もなくカメラの話をする。 「遺品のカメラは乾燥剤と一緒に保管してください。レンズにカビが生えると困りますから」 (誰が「困る」のだろう?) 誰もカメラのシャッターを切らないのなら、レンズのカビに悩む者はいない。 持ち主の手を失った道具は、ただの「もの」に成り果てる。 なぜだかとても腹立たしい。 親戚の遺品の中にあった中カメラを彼に譲ったことがある。 彼ならずっと大事に持っていてくれると思ったのだ。 その「ずっと」がこんなに早くに終わってしまった……。 食事の間に、他の人に話しかけられた。 「あなたをSF大会の舞台で観たことがあるんです」 と、親しげに言われる。 (あー、お客さんか……) 近くに座った若い女性のためにと「SFの話」をリクエストされた。 貼りついたような笑顔で、定番のネタを暗記したセリフを話すようにただ口から垂れ流す。 目の前にいる人の顔が、遠すぎて見えていないような不思議な気分。 無闇に腹が立っている。 イラついた気持ちのまま帰宅。 部屋に入ったら、急に涙がポロポロこぼれて来て、自分が怒っていたのではなく泣きたかったのだとようやく気付いた。 受け入れるべきことを受け入れられない自分に腹がたつ。 寝る。
2017年11月4日(土)
目が覚めると7時半。 テレビをつけるとBSでドラマ「わろてんか」が始まったところ。 今回は、嫁ぐつもりだった相手の店が潰れ、ヒロインがニコニコしながら「お笑いを商売にしましょう」という話。 不自然さを言ったらきりがないので、これはこういうドラマなのだと思って観ることにする。 午前中。 さすがに明日がテストなので、それなりの準備をする。 午後。 パソコンを開いていると、つい将棋ソフトなどを開いてしまう。 いかんな。 テキストを開いて、手に赤鉛筆など持つと勉強した気になって、 (ちょっと息抜き) などと言い訳をしつつ、ネットをウロウロ。 「マンガコマッタラー」というマンガのコマ割り自動生成サービスのサイトなどを見つけてしまう。 1ページ分のセリフを入力すると、勝手にコマ割を考えてくれるというソフトであるらしい。 絵が描けない人でも漫画が描けるソフトというのも既にあるし、人間は、だんだんやることがなくなるな。 夜。 夕食後にまたテキストを開いて、ゴニョゴニョやっていたら、1号くんから電話。 「昨日の俺の大変だった話を聞いてくれよ。まず朝の7時に日暮里でダチと待ち合わせ。それから千駄木に行って、そこか ら……」 と、ひとりで延々と喋って、 「あ、ダチからスカイプ入った。じゃあ」 と、電話を切りやがった。 ……もう、なんかいろいろとどうでもよくなったので、シャワーを浴び、明日に備えて寝よう。
2017年11月3日(金)
午前中。 「合皮の靴の補修」というライフハックに挑戦。 別に大したことではない。 木工用ボンドにアクリル絵具を混ぜて、合皮の表面の剥がれた部分に塗るというだけ。 黒い靴は、黒の絵の具でOKだが、茶色は2色を混ぜて靴と同じ色を作らなくてはならない。 革用の塗料を塗るのがベストなのだと思うが、それだと値段が高くなり、合皮の靴を修繕して使おうという「節約」の趣旨 に反する。 で、100円ショップで売っているアクリル絵具を使おうというわけだ。 木工用ボンドは乾くと防水性があるので、絵の具で色をつけたボンドを補修剤代わりに使うのだ。 用意するもの。 靴の色に合わせた絵の具(こげ茶の靴なら黒と茶の2色)。 木工用ボンド。 古いハブラシ。(ゴミ) パレット代わりにする何かの蓋だったプラスチック。(これもゴミ) ガムテープ。 やり方。 靴の合皮が剥がれた部分をガムテープでペトペトやってホコリを取る。 剥がれかけてペロペロしている部分を取ってしまうか、指でボンドを薄く塗ってきれいに貼り付ける。 プラスチックの上で絵の具を混ぜて靴と同じ色を作る。 剥がれた部分に塗る。 乾かす。 仕上がりは…… まあ、明るいところでよく見ればバレるよな、という程度。 午後。 佐藤編集長と池袋の街へ。 地下道を歩いていたら、警察官があっちこっちに立っている。 要人の来日に関連しての警戒だろうか。 池袋はあまり要人に関係ないような気もするが、一応ターミナル駅だからかな? 西口公園(池袋ウエストゲートパーク)に屋台が出ていて、何かのお祭りをやっていたようなのだが、午後3時を過ぎると 終了。 こういうお祭りって、夕方からの方が盛り上がる気がするのだがなあ。 編集長が疲れたというので、東京芸術劇場の地下にあるエントランスで自販機のジュースを買って休憩。 この建物は、私の好きな場所のひとつ。 「劇場」ではあるが、芝居を観る以外の目的で利用することが多い。 そのまま歩いて帰宅。 スパゲッティーを食べて、寝る。
2017年11月2日(木)
今日も良い天気。 NHKの「わろてんか」は、ヒロインの亭主が道楽者の阿呆ぼんで、ヒロインには陰ながら彼女を愛するイケメンがいるとい う設定。 これ、評判の良かった「あさが来た」そのもののシチュエーション。 違うのは「わろてんか」の方では、ヒロインが好きでその男と結婚したことになっているという点。 (「あさが来た」の方では「親が決めた許嫁」だった) ヒロインがなぜその阿呆ぼんのことが好きなのかが、観ていてさっぱりピンと来ないのは、今後のドンデン返しを期待しろと いうことかな? 昼。 本日の「キャッスル」は「裏窓」のパロディだったが、「リング」のパロディの時ほどうまくいっていない。 (大仕掛けだった割には、オチがしょぼかった) 午後。 先月使った喪服をクリーニングに出す。 雨に濡れたので、本当はもっと前にやらなくてはならなかったことなのだが、忘れていた。 その後、ビックカメラへ。 店名から考えても開店当時はカメラが看板商品だったはずなのに、今やカメラの売り場は本店の地下。 現在の主力商品はスマホのようだ。 このスマホによる「自撮り写真」というものが流行っているそうで、つまりスマホはカメラとして人気なのだろうか? 帰り道。 喉が渇いたなと思っていたらカウンターバーみたいなのがあったので、ビールを1杯。 なぜだかなかなかビールが出て来ない。 4〜5人もいる女性店員たちは賑やかに喋ってばかり。 ときどきそのお喋りにカウンターの客が加わっていた。 店員は全員、普通のバーテンダーの格好をしていたし、店の作りも一般的なバー。 (どういうコンセプトの店だったのだろう?) と、首をひねりつつ店を出る。 夜。 「コズミックフロント NEXT」を観る。 「映像革命!宇宙の謎を解き明かせ」というタイトルで、映像技術の進歩が天体観測に与えた影響について。 見えなかったものが見えて来るって、科学者にとっては興奮だろうな。 明日は「文化の日」。 寝る。
2017年11月1日(水)
深夜に…… 表の国道を暴走族(?)が爆走して行った。 同じグループが往復していたのか、複数のグループがいたのかは分からない。 はっきりしているのは、私が夜中に目を覚まし、眠れなくなったということだ。 ……朝からすっごく寝不足。 (道路は静かに走って欲しいなあ) 頭がぼーっとして足元がふらついている。 こういう時に自転車で池袋の道路を走るのは危険な気がするので、部屋でテキストを広げることに。 午後。 休憩。 コンピューター相手に将棋。 私の将棋って変なのか、終盤になると盤面にほとんど駒がなくなる。 (テレビの将棋を見ると、もっといっぱい盤に駒が乗っているみたいなんだが) 大学の試験資料をプリントアウトしたら、用紙トレイが空になった。 予備の用紙入れの箱を見たら、そっちも空。 慌ててコンビニで買って来る。 ふと思ったのだが、自宅近くにコンビニがない家の人って、こういう時にどうするのだろうな? それとも普通は、プリンターが用紙切れを起こすようなヘマはしないものなのか? 夜。 今夜は街も静かなようなので、早めに寝ることにする。2017年10月分へ 目次へ
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