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独 り 言 (2017年4月分)
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2017年4月30日(日)
朝刊の記事。 〈ミサイル発射 鉄道止まる〉 〈東京メトロなど 安全確認で10分間〉 主に止まったのは東京メトロで、「など」というのは相互乗り入れしている私鉄のことらしい。 〈一部列車に遅れが出て、約1万3千人に影響した〉 ということだが「約1万3千人」の中には、8時過ぎに列車に乗ろうとしたら2分遅れていたという私も入るのだろうな。 まあ「影響」と言えば「影響」だけどさ。 悪天候や車両故障での停車に比べると、小さいよね。 〈東京メトロによると、テレビニュースで発射を把握し、午前6時7分からすべての列車を近くの駅で停車させた〉 〈東京メトロは今月中旬、国の全国瞬時警報システム(Jアラート)や報道でミサイル発射を確認した場合、安全確認のため に運行を止めることを決めた〉 10分経っても着弾などの情報がなければ運行を再開することになっているのだそうで。 〈今後は「Jアラートによる運行停止は続けるが、報道のみでは停止しない方針」〉 ということなので、今後は報道があったという理由だけで列車は止まらないし、Jアラートでミサイル発射が確認された場合 でも、着弾とかがなければ10分で運転が再開するそうだ。 「ミサイルで地下鉄が止まっても、10分待てばだいたい運行は再開される」 これを覚えておくと、慌てずに済むね。 午後。 メンサ・テスト合格者の会の例会。 受付のお姉さんに「Wifiのパスワード」について尋ねたら「来月の予約日」の変更について説明してくれた。 そして、部屋の鍵を渡し忘れた。 (こっちも受け取り忘れたということなのだが) 「人間にマルチタスク機能はない」という2号くんの説は正しかったのか? 例会終了後、飲み会へ行って、石ノ森先生のお墓参りをしてから帰宅。 「フランケンシュタインの恋」を観る。 第2回。 前回、山の中で発見された青年は、体内に無数の菌類を保持しているということが分かったというのだが、その辺の科学的 説明が、かなり雑。 まあ、SFのつもりじゃないんだろうな。 科学に疎い人同士の会話ならともかく「大学で菌類を研究している教授」という設定の人物が、素人でもツッコミを入れた くなるような説明を真面目な顔でやるというのは、どうなんだ? もっと謎なのは、ラジオで悩み相談を担当しているというタレント。 生本番中に故意にやくざに喧嘩を売って、自分がタコ殴りにされる様子を実況中継するのだ。 (念のため、彼の担当は「悩み相談」である) 行動の意味がよく分からない。 とりあえず「フランケンシュタイン」なので、最後まで観るつもりだけれど。 寝る。
2017年4月29日(土)
朝。 秋葉原方面に用があって2号くんと2人で出かける。 8時過ぎぐらいの地下鉄に乗ろうとしたら2分遅れていた。 さて、駅から出たものの私と2号くんという方向音痴コンビなので、当然のように道に迷う。 歩いているうちに交番の近くで、八重咲きのケシの花が咲いているのを見かけた。 ケシの花が咲く季節なのだな。 道は、歩いているうちにどんどんわけがわからなくなって行き、リアル「ここはどこ?」状態。 路上(たぶん末広町のあたり?)で、地面に光るものを見つける。 何かと思ったら小さな金色の弁天像だった。 拾い上げて眺めているたら2号くんが、 「どうした?」 と聞くので、 「芸術と才能の神が道に落ちていた」 と、答えると、 「才能なら欲しい」 と言うので、2号くんに渡す。 ……まもなく、目的地に行き着いた。 帰宅して、ニュースをつけたら「北朝鮮が、またミサイル発射に失敗」だそうだ。 ミサイルが発射されたという報せに、10分後に東京メトロが列車の運行を一時停止したそうだが、もしも届いていたなら、 10分後では遅すぎるよな。 (北朝鮮から東京に向けてミサイルが発射された場合、9分で着弾すると言われている) 間に合った場合でも、大阪大空襲の時のこと(終電後の地下鉄が変則的に動かされ、市民がそれに乗って郊外へ逃げた)を 考えるとむしろ都心から離れる列車は動かしておいた方が良いんではなかろうか? それにしても失敗続きだね、北朝鮮のミサイル。 アメリカがサイバー攻撃で北朝鮮のコンピューターを乗っ取っているからだという説もあるのだと、この間、テレビの英語の ニュースでキャスターが喋っていたが、そう思う人がいてもおかしくない気がするな。 夜。 「世にも奇妙な物語」を観る。 「夢男」。 実際にあったネット上の騒ぎが元ネタ。 元ネタの騒動は、ある人が自分の悪夢に出てくる男のモンタージュを作ってネットにあげたところ「その人なら自分の夢にも 出てきた」と言い出す人が続出したのだそうだ。 (まだネットがなかった頃に雑誌の文通欄などで時折見かけた「私の夢に出てきた風景です。心当たりのある方は御連絡くだ さい」というイラスト付きの投稿を思い出すな) 江戸時代に絵草紙に「河童」の絵が載ったら、日本中で「自分が見たのはそれだった」と言い出す人が出てきたという話が あるが、もやもやとしたイメージを頭の中に持っている人は、具体的なヴィジュアルを提示されると「私が見たのはそれだ」 となってしまうものなのかも。 「カメレオン俳優」。 これは、俳優・菅田将暉(と、こそっと彼が主演している「帝一の國」)の宣伝のようなドラマ。 ストーリーは、運良く主演を手にしたものの、実力が伴わずに悩む若手俳優が、危険な薬に手を出してしまうという話。 この薬を注射すると「カメレオン俳優」として、さまざまな役になりきることができるのだが……。 で、この「役になりきった時の俳優」を菅田将暉が演じるわけだ。 通常この手のドラマは、周囲が「すごい!」とか言っている割に、実際の俳優の演技そのものはすごくなかったりするのだが 菅田将暉は本当にすごい俳優なので、つまり本当にすごいのだ。(笑) 菅田将暉は「泣くな! はらちゃん」で初めて見て気になっていた俳優だが、私が一番「すごい!」と思ったのは「スーパー サラリーマン 左衛内氏」でバスジャック犯を演じた時。 「主人公にやっつけられるバスジャック犯」の役は、通常はあまり売れていない俳優が演じるもので、脚本自体も、割とどう でもいい感じなのか人物造形が薄っぺらな場合が多かった。 それが菅田将暉が演じたら、なんと、人物としてきちんと「立っている」のだ。 つまり「このバスジャック犯には、カメラが回り始める前からの人生がちゃんとあったんだ」と思わせる人間になっていたの だ。 こんなにも人間としての厚みを感じさせる「バスジャック犯」は、初めて見た。 以後、私は菅田将暉リスペクト中。 さて、寝るか。
2017年4月28日(金)
図書館に行きたかったのだが、念のため調べてみたら近所の図書館は休館日だった。 で、自宅で本を読む。 午後。 久しぶりに「ねおクエ」をやってみる。 ある日、異世界で目覚めた主人公が魔物と戦うというストーリーのRPG。 こういうのどかなゲームは好き。 夕方。 「空想小説ワークショップ」 本日は「作家性とは何か?」という話。 「作家性がない40代の漫画家」の例。 器用にどんな絵でも描ける。 例えば「学年誌に有名漫画のタイアップを」とか言われると、元の絵に似せて上手に描けるし、人当たりも良く、締め切りも ちゃんと守る。 でも、その人独自のものがない。 ある編集者によると、あまり売れない作家同士がつるんでいるとそういうことになりやすいらしい。 つまり「売ること」ばかりを考えて求められるままに描いているうちに自分の個性を失ってしまうということかな。 (要するに、器用貧乏?) 放課後の飲み会。 酔った勢いで、鉄道関係のサークルに勧誘されたので、こちらも、 「鉄道が好きなら、アルカンの『鉄道』を聴きなさい。『アルカン ピアノ・コレクション2《協奏曲》』に収められている、 森下唯の演奏が素晴らしいから」 と、勧めてみた。 家に帰って、寝る。
2017年4月27日(木)
朝刊で、日経新聞の社説が、今村前復興相の失言に関連した文章を、 〈われわれの懲罰の一票が集まれば何がおこるか、自民党は心しておいた方がいい〉 という言葉で締めくくっていた。 日経は、比較的保守色の強い新聞なので、ちょっと意外だった。 主要読者層である経済界が安倍政権に批判的な空気になって来たということだろうか? 海外のニュース。 米空軍が26日未明、核兵器を搭載していないICBMを南太平洋に着弾させる発射試験を実施。 これは、やはり「止め男」が必要だと思うな。 で、そんな時に安倍首相はロシア訪問。 北朝鮮の周辺国で、かつ「うちにミサイルは飛んでこないから」という立場の国。 外交能力的に見て、安倍さんは手玉に取られて貧乏くじを引かされるのではないかと大変に不安。 夜。 「モーガン・フリーマン 時空を超えて」を見る。 本日のテーマは「宇宙を支配する法則は何か?」。 量子力学の話で、時間と空間のずれの話。 (この番組、書籍化してくれないかなあ) 寝る。
2017年4月26日(水)
午前中、図書館へ。 本を借りるつもりだったのだが「貸し出し中」と言われて本屋で買ってしまう。 待てない性格の私。 昼は2号くんとカレー屋へ。 先日、田中圭一先生の『うつヌケ』がテレビで紹介されたのを2号くんが録画しておいてくれたと言うので2人で観る。 大槻ケンジ氏の「自分の人気の理由が分からずにうつになった」という体験談のくだりで出演していた芸能人の目が真剣に。 芸能人にとって共感できる内容だったのだろう。 私の持っているノートを見て、2号くんが同じものを欲しいと言うので伊東屋へ行く。 背のリングや表紙が別売になっていて、自分でカスタマイズできるルーズリーフ式のノート。 帰宅。 ニュース。 復興大臣辞任騒動で、国会の審議がストップしたそうだ。 これは、まあ、想定の範囲内。 夜。 買って来た本を読みつつ、寝る。
2017年4月25日(火)
朝。 起床時刻はいつもと同じだが、寝不足。 (そりゃそうだ) 本を読んでいても、ついウトウトしてしまう。 ニュース。 北朝鮮で「過去最大級の砲撃訓練」。 (ミサイルは飛ばさなかったんだ) 国家の「外交力」が試される、大事な時期。 夕方。 2号くんから電話。 仕事帰りにこっちに来ると言うので、ついでに夕食を買って来て貰う。 ニュースを見たら、また復興大臣が失言したとか、パーティーでの講演で、東日本大震災の被害額について、 「これがまだ東北で、あっちの方だったから良かったんだけど、首都圏に近かったりすると莫大な額になった」 と、ペラッとやっちゃったらしい。 立ち位置が「東京」なんだよね、この人。 復興大臣なのに、東京に立って遠い東北を眺めているという意識。 夜。 復興大臣辞任のニュース。 さすがの安倍さんが「切る」ことにしたらしい。 国会でまた揉めたら嫌だからだだろうなあ。 後任は、福島出身の議員だそうだ。 最初から、福島の人を当てておけば良かったんじゃないかなあ。 (ついでに、しどろもどろの法務大臣も、もっと有能な人に変えた方が良いと思うけれど) 安倍1強とか言っているけれど、要は自民党内の人材不足。 昔の自民党は、もっと「誰が総理大臣になってもおかしくない」という感じの頼もしい党だったのに、いつからこんな有様 になってしまったんだろう? ……今日は早めに寝よう。
2017年4月24日(月)
今日は「はるこん」明けなので、少しずつ疲労の回復を図りつつ、日常を取り戻すつもりだったのだが……。 私の人生で、今まで体験したことのない事件に遭遇。 なんと、ツィッター大炎上! 地下鉄のポスターについての、別にどうということのない内容を書き込んだつもりだったのだが、そこに描かれていたキャラ クターにものすごく思い入れのある人たちがいたようだ。 マジで1日とひと晩、粘着しまくられた。 もちろん、ほとんどの人は「誤解していました」「熱くなりすぎてしまいました」と、途中で引いてくれたのだが、2〜3人 ヒマと体力の有り余っていたのがいたらしく、午前4時までなんだかんだと粘られ、2時間ほど眠って翌朝6時に再開。 面倒くさくなったので、言葉の迷路の行き止まりに誘い込んで、無事脱出。 疲れた。 1時間ぐらい眠ろう。
2017年4月22日(土)〜23日(日)
22日(土) 【承前】 出発が遅れたために、会場に着いた時にはすでに「はるこん」は受付が始まっていた。 今回はスタッフではないので、のんびりと中に入ったら、いきなり、 「はい」 と、腕章を渡され、避難誘導係にされる。 「腕章だけ渡されても、私はこの建物に入って来たばかりで、非常口も避難経路も何ひとつ知らないのだが」 と、抗議したら、 「ああそうか」 と言って避難経路図を探し始め(!)ようやく1枚見つかったとか言ってコピーして渡してくれた。 いつも通りの「はるこん」。 大森先生が「SF創作講座やってみた」という企画に出るというので、会場に入って開演を待っていたら、いきなり「はい」 と、スマホを手渡され、先生はそのまま壇上へ。 よくわからないまま、とりあえず壇上の出演者の写真を撮ってから、 「なんですか、これ?」 と、聞いたら、 「壇上の出演者の写真を撮って欲しかっただけだから。撮ったなら返して」 とのこと。 カメラを返し、 (あとは出演者のお話を聞けば良いのだな) と、ニコニコと座って聞いていたら、 「どうせなら、あなたも上がってらっしゃい」 と、壇上に上げられて喋る羽目に。 夜。 ゲスト・オブ・オナー歓迎パーティーで近所の沖縄料理屋へ。 1部屋しかない店は、我々でほぼ貸切り。 何で「ほぼ」なのかと言うと、我々の前に4席だけ席を予約していた客がいたということ。 歓迎パーティーの参加人数確認は、もちろん「はるこん」なので、アバウト。 当然、席に座れずに立ったまま飲んでいる人もいる。 ……そこへ、別に予約した客が入って来る。 私はよく知らなかったのだが、この店は横浜スタジアムのすぐ近くなので、試合終了後に観客がよく飲みに来るらしい。 つまり、通常は野球ファンで満席になっているわけか? 予約した4名は、それを見越してあらかじめ席を取っていた??? 入って来た4人の客が目にした満席の店内は、すべて「はるこん」の参加者という状態。 会場中央の座席で使われていた主要言語は英語と中国語。 その他の客の会話はSFのことばかり。 4人が誰と何を分かち合いたくてこの店に入って来たのかはよく知らないが……非常に気まずそうにしていた。(^^; しばらくして、沖縄民謡を唄う歌手の方が登場。 もちろん、舞台の真ん前は海外からのお客様。 「あの……国際交流会か何かのお客様でしょうか?」 と、歌手の方。 ちょっと惜しい? 歌手の呼びかけで歌に合わせて踊ることになり、藤井太洋先生と私とでケン・リウ氏を踊りに誘ったが、頑なに断られた。 「はるこん」1日目の夜は更け、ホテルへ。 雨が降り出していたので、コンビニで傘を買う。 部屋に入ってシャワーを浴び、明かりを消してしばらくしたら、天井裏から「カリカリ」という音が断続的に聞こえて来た。 リスが木の実を齧っているような小さな音。 (何の音だろうなあ?) と、思いつつ、眠りにつく。 23日(日) 5時半に起床。 服を着替えて今日の準備。 私は朝9時半からの企画「SF創作講座受けてみた」に出演する予定。 7時に食堂へ行き、朝食をとってからホテルをチェックアウト。 (謎のカリカリ音については、お客様カードに書いた) 9時前に会場へ着いて本部で荷物を置き、9時半から企画。 予想はしていたことだが、朝イチの企画は客の入りが悪い。 110人はいる部屋に、10人。 登壇者は7人。 「やっちゃった感」しかない。 昼食は、中華街で。 牛ばら肉かけご飯、美味。 (「はるこん」に来て、良かった) 午後。 「作家が語る新刊ラインナップ説明会」という企画を聞きに行く。 さすがにこの企画で登壇を求められることはないと思って油断していたら、 「崎田さんは、その場で良いから立って喋って」 と、いきなりな無茶振り。 ちなみに、登壇者はいわゆる若手作家さんたちで、 「ここにいる人たちからサインをもらっておけば、将来価値が上がるかも知れない」 という司会の説明に、何を勘違いしたのか私にサインを求めて来た人がいた。 いや、私が本に名前を書いても、それは単に落書きだから。(笑) 本日の、ためになるアドバイス。 「原稿をボツにされて落ち込んだ時には、どうしたら良いでしょうか?」という新人作家さんの質問に対して、 勝山海百合先生のお答え「原稿をボツにされたことがないのでわかりません」 大森望先生のお答え「デパスが効きますよ」 はい、デパスが効くそうです……ってヲイ! ※デパス:ベンゾジアゼピン系抗不安薬。 依存症に注意!!! ……いろいろと、心に地味な傷を負うことの多かった2日間。 (110席の部屋に10人ってひどくないか?) 副都心線の特急で帰る。 夜。 「フランケンシュタインの恋」第1話を観る。 危険な能力を持っているために山の中に籠って生活していた男を、事情を知らないヒロインが「ひとりで引き籠っているのは 良くない。社会復帰しなくちゃ」と、街に連れ出してしまい……という話のようだ。 ひっかかったこと。 その1 輪姦されかかったヒロインが、翌日、ひとりで自分が連れ込まれかけた山に出かけ、そこでひとり暮らしをしている男の家に 強引について行く。 この行動は、どう考えても変。 その2 脚本家は「脳科学」と「農学」を混同している? 「感情と生理機能の関係」と「キノコの研究」を両方やっている科学者って何者? いわゆる昔のバカSFに出てきた「万能博士」みたいな人か? 疲れたので、寝る。
2017年4月22日(土)
せっかく早めに寝たのに、夜中に起きて無駄にバタバタしてしまった。 そんなわけで、今は朝の9時半を回ったところ。 これから支度して出かけなくては。 (そういうわけで、しばらくインターネット環境を離れます)
2017年4月21日(金)
午前中。 フェイスブックで昨日の映画に出ていた知人とやりとりしていて、あの映画は配給会社が入って上映されたのだと知る。 商業映画だったのか! (趣味の映画上映だと思い込んでいた) 客席に5人しかいなかったぞ。 大丈夫なのか? 昼。 「ナンバーズ」は、ドラマ「24」出演のため、しばらくお休みしていたピーター・マクニコルの復帰回。 ピーター・マクニコル演じるラリー・フラインハート博士がスペースシャトルで地球に帰還する話。 (宇宙に行っていたという設定になっている) ニュース映像(NASAの映像にピーター・マクニコルの映像を編集で入れたもの)を主人公たちがテレビで観るという安上 がりな演出だった。(笑) 午後。 『SFの書き方』(大森望編 早川書房)が、アマゾンと早川書房から届く。 (アマゾンに発注した後で、創作講座の受講生には早川がタダでくれるというのを知った) 複数の有名作家の講演録みたいなものなので、SF作家の創作についての考え方に興味のある方にはお勧め。 私の「二本目のキュウリの謎、あるいはバートレット教授はなぜ時空犯罪者を支持することにしたのか?」も載っている。 作品を書き上げる前に書いた「梗概」や「アピール文」も載っていて、自分でも忘れていたのだが、これ「謎の死体もの」の つもりで書き始めたのだった。 (興味のある人は、買って読んでね) 明日は、はるこんで横浜へ行くので、今夜は早めに寝る。
2017年4月20日(木)
明け方は寒く、日中は暑いという地味に体に来る気温。 一日中、なんとなくだるい。 夜。 知人が出ているというので「ストロベリーバナナシェイク’s」というインディーズ映画を観に行く。 開場時間に中に入ったら、客席には私ひとり。 開演ギリギリになって、なんとかあと4人入って来た。 合計5人。 たぶん、興行的な成功は目指していないのだろう。 さて、映画。 いやあ、なんと言うか……。 これが「20代の感性」なのだろうか? ごめん、私は心の汚れた中年なんだ。(笑) 汚れた社会の中でもがく20代の女の子たちを描きたかったのだろうが、映画に登場する「汚い大人」が「もっと汚い本物 の大人」である私の目から見ると、気の毒なくらいのお人好しに見えてしまう。 こんないい人を「汚い」と感じる20代は、どれだけピュアなんだか。 そもそもタイトルにある「ストロベリーバナナシェイク」、主人公が元気が出ない時に飲んでいると説明されていたのだが、 見たところ、新鮮な大粒のイチゴを何個も使って作る飲み物。 冷蔵庫を開ければいつでも大粒のイチゴが入っている生活って、かなり贅沢だよな。 作っている人が、貧乏を知らないということだけは、よく分かった。 帰り道。 行きはGPS頼りで歩いて来たのだが、帰りでやっぱり道に迷う。 コンビニの前で歩いて来た男性2人に道を聞いたら、 「大通りを左に」 と、教えてくれる。 言われた通りに歩いて行ったら、後ろから女性2人が走って追いかけて来た。 振り返ると、さっき道を聞いた時にコンビニの前にいた人。 「さっき道を教えた人は間違っています。本当は大通りを右です」 それを言うために、わざわざ走って来てくれた人たち、聞いてみたら地元民だそうだ。 さすがは江戸っ子!(^^) どうもありがとう。 おかげで無事、地下鉄の駅に着いて、帰宅。 寝る。
2017年4月19日(水)
午前中。 近所の図書館まで自転車で行こうとしたら、見事にタイヤの空気が抜けていた。 (1年ほど屋外自転車置き場に放置してあったからなあ……) 図書館の帰りに、自転車屋で空気入れを買って帰る。 それにしても、暑い日。 午後。 甥っ子の誕生日プレゼントを買いに行き、デパートをうろうろ。 夕方、家に帰ろうとしたら、寒い。 昼間の暑さはなんだったのだろう? 夜。 「期間限定無料」に惹かれて『妖怪ハンター 地の巻』 Kindle版をダウンロード。 諸星大二朗の怪奇漫画の短編集。 諸星大二朗の作品は、恐ろしい怪物が出てきても気持ち悪くはないので好きだ。 絵の気持ち悪さで読者を脅かすのではなく、あくまでストーリーで恐怖を伝えるタイプなのが私の好みに合う。 この作品が、現在無料で読めるという情報は、ツィッターで知った。 例の大臣が学芸員を「ガン」呼ばわりして問題になった騒動がらみで、観光ばかり重視していると困ったことになるという話 の例として話題になったのだ。 問題のエピソードを読んだ印象では、漫画の内容はあまり大臣の失言内容とは関係がなかった。 物語は、観光客を呼び込むために、昔の祭りを復活させ、おまけに現代風にアレンジしてしまったとある村の話。 実はその祭りには縁起の悪い側面があったのだが、観光の邪魔になると、そっちはカット。 駅から見やすいようにと、鳥居の向きまで変えてしまう。 当然と言うか、妖怪がらみの事件が起きて……。 なんとなく「インドの牛」の話を思い出したな。 こんな話。 昔、インドで疫病が流行した。 ところが、ある村ではこの病気で死んだ者がほとんどいなかった。 その村では牛が飼われていて、村人みんなが始終、撫でたりさすったりして可愛がっていたのだ。 「牛を撫でると病気に罹らない」という話は外国にも広まり、日本でも、撫でやすいように石や木で作った牛の彫像を境内に 置いて参拝に来た信者に撫でさせる寺が出来た。 牛痘と天然痘の関係を知っている現代人なら、これがどれほど意味のないことか分かるだろう。 天然痘は根絶されたとされているが、ウィルスのサンプルは残っているので、万一の事故が起こってパンデミックなんて事態 になったら、昔からの教えを守って町中に牛を放し飼いにして誰でもさわれる状態を保っているヒンズー教徒だけが生き残っ たり、とか??? 寝る。
2017年4月18日(火)
朝の海外ニュースで、 「北朝鮮のミサイル発射が失敗したのは米国のサイバー攻撃が原因だという説がある」 と言っていた。 だから安倍さんは、ミサイルなんか飛んで来ないと知っていた??? 天気が大荒れというニュース。 昼過ぎに2号くんから電話。 「飯、無え?」 と聞くから、 「冷や飯ならあるぞ」 と答えたら、のりたまを買って来て、わしわしと食べる。 「過去に行くにはどうすればいい?」 と聞かれて、 「光速を越えればいいんだが、それには質量が……」 なんて話をする。 夕刊。 〈日米、貿易ルール協議〉 〈米商務長官 2国間協定意欲〉 ついに来たよ! 日本に、これに対抗する外交カードはあるのか? 寝る。
2017年4月17日(月)
今日で54歳。 そんな年齢の私が日々やっていることは、SFやミステリーを読んで、小説を書いて、あとは学校へ行って……。 先日の空想小説ワークショップで「主人公の成長を描くことが重要」と習ったのだが、私は主人公になれないタイプらしい。 14歳の時からまったく成長していない。 要は、永遠に中二……。 さて、そんな私のバースデーの朝刊1面の記事は、 〈北朝鮮 ミサイル発射失敗〉 15日には、安倍さん、花見をやっていたしな。 北朝鮮のミサイルって、田母神さんの言う通り大したことがないのかも知れない。 田母神さんは、一応は「元航空幕僚長」だから。 午前中。 珍しく姉から電話がかかって来る。 内容は……法事の打ち合わせ。 「実は……今日は私の誕生日なのだが」 と言ってみたところ、姉はすっかり忘れていた。 午後。 2号くんから電話がある。 「ケーキを買って来てくれないか?」 と言ったら、 「OK、俺もちょうど甘いものを食いたいと思ってた」 と、コンビニでティラミスを買って来てくれたので、 「……食べる前に『誕生日おめでとう』と言ってくれ」 と言ったら、思い切り「は?」という顔をされた。 (泣かないもん!) 2号くんが、吾妻ひでおの「みだれモコ」を読んでみたいというので、復刻ドットコムから出た『悶々亭奇譚』を貸す。 「ブランコくん」や「みだれモコ」などが載っている短編集。 昨日観た「名探偵コナン から紅の恋歌」についてや「刑事コロンボ 断たれた音」や「古畑任三郎 若旦那の犯罪」につい て語っているうちに夕方になった。 そんな充実した誕生日。 夕刊。 〈AI同時通訳 五輪までに〉 〈政府、成長戦略に明記〉 これは、ぜひ実現して貰いたい。 言葉の壁がなくなれば、難民の受け入れもしやすくなり、労働者不足の問題も解決するかも。 寝る。
2017年4月16日(日)
天気の良い日。 ここ数日、ネットで話題になっているユナイテッド航空の乗客引きずり下ろし事件。 乗員の通報でやって来た警察官が乗客を無理やり機内から引きずり出して重傷を負わせ、その状況が動画でネットに流れたた めに大炎上という事件だ。 (なんでそんな炎上するに決まっていることを???) と、ずっと理解できなかったのだが、ようやく事件の詳細みたいなものが分かって来た。 「移動の都合で急遽、社員を飛行機に乗せなくてはならなくなったので、乗客に降りるように言った」 というのが発端。 私の感覚では「社員の都合でお客様に迷惑をかけるなんて論外」なのだが、どうもアメリカではよくあることらしい。 「それなりの弁償をする」と言えば、割とすんなり席を譲ってくれる人も多いらしい。 問題は「それなりの弁償」の金額を、航空会社側が少しケチッたこと? どうやら搭乗前に提示された金額では、降りてくれる乗客がいなかったようだ。 そこで金額をもう少し上げればよかったものの、そうはせずに乗客を機内へ。 搭乗前なら席を譲ってくれる客も、機内に入ってしまうと「えー、いまさらあ?」となりがち。 だがここに、保安上の理由から「機内の乗客は係員の指示に従わなくてはならない」という規則がある。 ユナイテッド航空側は、この規則を利用すれば、金額を上げることなくに乗客を強制的に降ろすことができると考えたのでは ないかと思う。 しかし、最後のひとりが頑張った。 彼は医師であり、どうしてもその航空機で勤務先の病院に戻る必要があったのだ。 揉めているうちに離陸時刻が迫って来る。 ここで「じゃあ、うちの社員は別の方法で目的地に向かわせよう」と頭を切り替えれば良かった。 ところが、ユナイテッド航空には「社員優遇」の社風があった。 言葉は悪いが「乗客ごときが、社員様に逆らうなんて」という感情が存在したのではあるまいか? 「変な乗客が言うことを聞かずに、離陸を妨げている」と、その乗員は感じたのではなかろうか? 乗員はそんな気持ちで警察に通報したのだと思う。 通報の内容は「乗客のひとりが、乗務員の指示に従わずに暴れている」というものだったらしい。 実際には乗客は冷静に話をしており、別に暴れてはいなかったのだが、通報のニュアンスに多分に通報者の心情が反映してし まった可能性はあると思う。 通報を受けた警察官が駆けつける。 私の疑問に対する答えは、どうやらここにあったようだ。 警察官は「暴れる男」を取り押さえるためにやって来たのだ。 目の前の男が暴れていないように見えても、それは警察官の前で猫を被っているのかも知れない。 ともかく相手は「暴れる危険人物」なのだ。 警察官は、男をスタンガンで制圧し、機内から引きずり出すのに成功。 これが「警官たちが大勢の乗客の見ている前で乗客に暴力を振るった理由」だったのではないだろうか? 要するに問題の乗客を「危険人物」と知らされていた警官たちは、周囲の乗客が自分たちの行動を支持してくれているものと 思い込んでいたのではないだろうか? 「乗客のみなさん、安心してください。危険人物は我々が退治しましたよ!」 ところが、返って来たのは「ヒーローを讃える賞賛の声」ではなく「善良な市民に暴行した暴力警官に対する罵倒の声」。 動画に残された「容赦ない暴力」の理由は、彼らが「自分たちは正義を行っている」と確信していたことによるのだろう。 人間は、正義を行っているつもりになった時が、一番凶悪だ。 午後。 近所で、土地の名士の人が主宰するお箏の発表会があったので、行く。 お弟子さんたちの演奏する「さくら さくら」なんかを聞いていると、お箏や三味線は決して演奏が難しい楽器じゃないのだ ろうな、という気がする。 途中で抜けて、池袋へ遊びに行く。 映画「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」のチケットを買おうとしたら、20時50分からの回の分しか取れなか ったので、それまでの時間つぶしに「炉端かば」へ行って飲む。 もちろん、酔っ払うわけにはいかないので、日本酒は1合だけ。 あとはビールぐらい。 そのあと1時間程度サンシャインをぶらついて、完全にアルコールが抜けてから映画館へ戻る。 パンフレットを買って席に座り、間もなく上映開始。 コナン(新一)の親友である服部平次と、その幼馴染の遠山和葉の意外な特技が競技かるただったことが分かる。 ストーリーの都合で「意外な特技」が次々に追加される服部くん、だんだんスーパーマンみたいになるな。(笑) 〈以下、ややネタバレ〉 かるたの有力競技者が、何者かに撲殺される。 かるた競技界の会場に爆弾が仕掛けられ、決勝戦用の大事なかるたを取りに和葉の友人の未来子が会場に戻り、未来子を心配 して一緒に会場に戻った服部と和葉がピンチに。 ……等々の事件が次々に起こり「犯人は誰か?」というフーダニット・ミステリー。 (今回、初登場のお嬢様女子高生「大岡紅葉」は、恐らく、今後の準レギュラーになる予定なのだろうな) お馴染みの「物理学的にどうかと思うアクション・シーン」は健在なので、そこでは大いに笑わせて貰った。 肝心のアレは「古畑任三郎で、似たような話を見たな」と思ったが、まあその程度の類似は良いかと思う。 そして、例え何万分の1の確立でも起こる可能性のあることなら「起こった」と言って良いのがフィクションの良いところ。 感想。 名頃鹿雄は、女を見る目がなかったな。 帰宅。 気がつけば、午前0時を過ぎていた。 誕生日おめでとう!>オレ。 寝る。
2017年4月15日(土)
朝からネットに北朝鮮がミサイルを撃ったというデマが流れたとか、流れなかったとか。 電車が止まったとか動き出したとか。 世の中がピリピリしていると、そこを狙っていたずらを仕掛ける迷惑な奴がいるようだ。 午後。 茅場町でSF大会のスタッフ会議。 会場前の道が水道管だかの工事中で、ちょうど建物の入り口の前に道路に沿った長い穴が掘られている。 他に出入り口があるかと探したが、ない。 (どうしろと?) と、困惑していたら、工事の人が私の手を掴んでヨイショッと、穴の向こうに渡してくれた。 (これ、来館者全員にやっているのだろうか?) 念のため、会場の係員に確認してみたが、本当に出入り口はそこだけらしい。 火事とかで、建物の入り口付近が燃えたら避難不能なんだろうか? それとも非常出口は別なのか? 本日の会議でグランドタイムテーブルが決定。 企画の打ち合わせが早めに終わったので、早退して夕方から池袋へ。 東武の7階でバインダーノートのプラスチック製の表紙を買う。 (パーツを組み合わせて自分の好みのノートを作るアレだ) 袋入りの表紙をレジまで持って行って、 「中身は1枚ですか? それとも2枚入っていますか?」 と聞いたら、 「1枚です」 という返事。 「では、表紙と裏表紙で2枚買う必要があるのですね?」 と、確認してから2袋購入。 あとで中身を確かめたら、ちゃんと1袋に表紙の分と裏表紙の分、2枚のプラスチック板が入っていた。 (私の聞き方が悪かったのだろうか?) 「なすびの会」 会場を予約する時に「5時からの開始で大丈夫ですか?」と、さんざん確認したのに、時間通りに会場に着いたのは、私と 佐藤編集長だけ。 (やっぱり) これだから、光画部時間の奴らは……。 ワインとビールとウィスキーを飲む。 薫子ちゃんが、徳利をプレゼントしてくれた。 帰宅。 SF大会の企画関係の仕事をしてから、寝る。
2017年4月14日(金)
朝のニュース。 米軍がアフガニスタンのISを第久保爆風爆弾(MOAB)で攻撃したそうだ。 この間、シリアを攻撃したばかりのトランプさん、あの攻撃のウケが良かったので気を良くしてしまったのかな? 午前中。 郵送で通信教育の教材が届いた。 1〜2年がかりで少しずつ勉強して行こう。 夕方。 空想小説ワークショップへ。 川又先生の大学での講座がなくなって、今期からワークショップに戻って来られそうとのこと。 ワークショップとしては朗報だが、文学部の縮小ということなので手放しには喜べない。 企業の即戦力の養成に役立たない文学部は学生に人気がないのだそうで、この先、どんどん国文学を学ぶ学生が減っていくと そのうち国文学の存在そのものが忘れ去られるのではないかと心配になる。 「日本には文学なんてなかった」とか言われるようになったら嫌だよなあ。 さて、ワークショップ。 本日の講義は「構成」について。 映画のシナリオを教材に、物語のどの辺りでどのようなことを描くかという話。 今日は受講生がひとり休みで、教室に集まったのは5人だった。 放課後の飲み会。 一昨日の「大森望×片渕須直対談」に行きそびれたという人から対談の内容について聞かれる。 「『この世界の片隅に』はパラレルワールドSFか?」という質問について、監督は「そういったことは考えていなかったが 映画を観た人がそうした受け取り方をするのは自由」と答えたら、なぜかとても興奮された。 その他、「件(くだん)」の出て来るなんとかという漫画との比較についても質問されたが、その話は対談で全く触れられな かったので、そのように答えると、ひどく落胆された。 そもそも対談は、コニー・ウィリスの『ブラックアウト』と『オール・クリア』と、片渕監督の「この世界の片隅に」につい てのものだったので、比較対象となったのは専らコニー・ウィリスの作品。 そして監督の注目点は、主に作品内の時代考証についてだった。 なので、そのように説明したのだが、なかなか納得してくれず、その「件」の出て来る漫画(タイトル忘れた)を読むように 勧められた。 第2次大戦下の日本が舞台で、「件」とはパラレルワールドへの移送装置であったのだという内容のSF漫画らしい。 私が見せられたページがたまたまそうだったのかも知れないが、グロテスクで陰鬱な作品という印象を受けた。 読んだ本に精神的に影響を受けやすいタイプの私は、読む時期を選ぶべき作品のようだ。 (事実、『ブラックアウト』と『オール・クリア』の戦争の話を読んだあと、未だに気分がどっぷりと暗い) 家に帰って、寝る。
2017年4月13日(木)
朝。 ニュースは米軍の朝鮮半島を囲む配備。 とっさに「1980年代ぐらいのディストピアSFの書き出しのようだ」と思った私はSFオタクか? 不安なのは「金正恩さんは相手が強気に出たら引っ込むタイプ」というデータが見当たらないこと。 (これはトランプさんについても同じ) 引くのが苦手な者同士が、相手が引くのを期待して前進を続けた挙句に引っ込みがつかなくなる嫌な結果を予想してしまう。 地理的に考えて絶対に巻き込まれると思うのだが、日本。 午後。 『空襲警報』(コニー・ウィリス 大森望訳 ハヤカワ文庫)に載っている残りの短編を読む。 「マーブル・アーチの風」 「すみません、通してください」の「すみません」は、アメリカでは “Excuse me” だが、イギリスでは “Sorry” なんだね。 ……と、どうでもいいことに感動する。 その昔「どっちが正しいか論争」が、私の周囲であったのだ。 私(英国SFドラマ・ファン)が “Sorry” と言ったら「それは間違いだ」と言われて……。 夕刊。 1面トップは米ロ外相会談のニュース。 〈米ロ、シリア平行線〉 〈トランプ氏「関係は史上最低」〉 大丈夫なのか、トランプ外交? やや明るいニュースは、 〈無人運転、公道実験OK〉 〈警視庁許可、今夏にも〉 〈公道実験が早期の実用化につながれば、ドライバー不足の解消や過疎地域での移動手段確保などにつながる可能性がある〉 とのこと。 これは本当に実用化して貰いたい。 夜。 眠くなったので、今夜のモーガン・フリーマンは録画しておくことにして、寝る。
2017年4月12日(水)
朝。 卒業証明書を取りに出身大学へ。 なぜそんなものが必要なのかと言うと、通信制大学の科目履修というのを始めることにしたから。 去年1年間ゲンロンカフェ主催のSF創作講座に通って「課題の提出が必要な学校ってボケ防止にいいな」と思い、ネット で調べたら科目履修生の年間の学費がゲンロンのスクールよりもずっと安い大学があることが分かったのだ。 スクールより大学の方が安いというのが衝撃で、つい願書を書いてしまった。(笑) 郵便局から願書を送って、帰宅。 『オール・クリア 下』(コニー・ウィリス 大森望訳 ハヤカワ文庫)読了。 意外なラストだった。 どのぐらい意外かというと…… マラソンのレースだと言うから沿道で日の丸の小旗を手に応援していたら、ランナーがいきなり道端の花を摘み始め「きれ いな花束を作った人が勝ちということにしましょう。その方がいいから」と言い出して、選手同士が「やっぱり君の花束が 一番きれいだね」「まあ嬉しい。ありがとう」みたいな会話を当たり前のように始めた…… ……というぐらいに意外。 まさしく「先の見えないレース展開」。 夜。 〈【大森望のSF喫茶 #24】大森望×片渕須直「コニー・ウィリス、その作品世界と魅力――『ブラックアウト』『オー ル・クリア』と『この世界の片隅に』」〉を聴きに五反田のゲンロンカフェへ。 開店と同時に店に入り、カウンターでミネラルウォーターを頼んだら、炭酸入りだった。 前回はちゃんと普通のミネラルウォーターで、その前は「いまありません」だった。 この店の商品の仕入れ状況が謎。 片渕須直は、言うまでもなく映画「この世界の片隅に」を作った人。 「今は映画監督の仕事は、DVDの発売で終わると言われているのですが、この映画はロングランが続いていて、未だに私 が舞台挨拶等で駆け回っている状態。いつDVDが出るのか見当がつきません」 と、嬉しい悲鳴。 興味深かったこと。 戦時中の風景として、よく窓ガラスに米の字型に紙テープが貼ってあるものがドラマに出てくるが、あれは爆風でガラスが 飛び散るのを防ぐためのもの。 米軍が日本で使ったのは主に油脂焼夷弾。 焼夷弾は、木造の家を「燃やす」ためのもので爆発はしない。 爆発するタイプの「爆弾」が使われたのは、イギリスで、戦時中の日本にはイギリスからの情報が結構入って来ていたこと が資料によって確認されている。 日本人は「必要に迫られて」ではなく「イギリスの真似をして」窓に紙テープを貼ったのではないだろうかという話。 ちなみに、日本でも必要があってテープを貼った建物(軍関係などで爆発の危険のある建物)もあったが、その際のテープ の貼り方は、井桁型で、実際にガラスの飛散を防ぐ目的ならこの方が合理的なのだそうだ。 (どうでもいいけど、あのテープの貼り方ってユニオンジャックにちょっと似ているね) 会場でSF大会の企画局長に会ったので、帰りに2人で飲む。 最近、ネットのデマが問題になっているが、企画局長によると、 「2000年の日本SF大会の実行委員長の勤務先に、崎田さんが嫌がらせの電話をかけたというデマが流れているのは、 知ってます?」 (なんじゃ、そりゃ?) 「面白ければいい」で、無責任なデマを流す奴が多くて困るんだよな。 正しくは、 「崎田は2000年の日本SF大会の実行委員長を面と向かって怒鳴りつけた」 なので、デマを耳にした人は訂正しておいて欲しい。 寝る。
2017年4月11日(火)
朝から雨。 年金事務所に用があって、電話をしたのだが繋がらない。 仕方がないので土砂降りの中を傘を差して出かける。 窓口の係員は、こちらが手渡した書類を見て、 「確認して参ります」 と、言ったあと、しばらくして戻って来て、 「この件は年金事務所側の手違いだが、よくあることだから、別にあなたが気に病む必要はないのだ」 という主旨のことを優しい口調で言った。 帰宅。 郵便受けを覗いてから部屋に入り、ドラマ「ナンバーズ」を観る。 ピーター・マクニコルが「24」に出演するためにしばらく出演を休んでいる。 (正直、ピーター・マクニコルが出ていない「ナンバーズ」を、私は何のために観ているのだろうな?) ピーター・マクニコルを苛める立場になると思っていた学部長役のキャシー・ナジミーは、ピーター・マクニコルの代わりに 主人公に事件のヒントを与える役回りに。 ピーター・マクニコルの復帰後、彼女のポジションはどういうことになるのだろうな? ネットで郵便物が配達されたことが確認できたので、もう1度郵便受けに。 アマゾンから届いた『オール・クリア 上』(コニー・ウィリス 大森望訳 ハヤカワ文庫)を読み始める。 著者による〈謝辞〉の次のページが〈『ブラック・アウト』あらすじ〉。 ここまでしても出版社は『ブラックアウト&オール・クリア』の全4巻本にするのが嫌だったらしい。 何も知らずに『オール・クリア』を買ってしまい、いきなり物語の途中から読まされる読者のことは考えなかったのか? (「だから〈親切にも〉あらすじを載せてやったんじゃないか!」と言われれば、それまでだが) さて、物語は過去でトラブルに見舞われた3人のタイムトラベラーの話。 おせっかいな時代人(タイムトラベル先の人間たち)のいらない親切のお陰でなかなかトラブルから脱せなかった3人だが、 ようやく顔を揃えたことで、情報量も3倍に……と思ったらそうはいかなかった。 なぜならよくない情報を掴むと「(仲間のタイムトラベラー)がこんなことを知ったら、きっとショックを受けてしまう。彼 らを嫌な気持ちにさせることだけは避けないといけないわ。だから何があっても絶対に彼らにだけは知られないようにしなく ては」との善意から、大事な情報を必死で隠す主人公。 (合流した意味がない!) こんな風だから、例えばひとりが「タイムトラベラーあることをやると非常にまずい事態になる可能性が高い」なんて情報を 得たとしたら、この情報を仲間たちから隠すことに命がけになる。 (だって「仲間を嫌な気持ちにさせること」だけは避けたいから) 当然、何も知らない仲間はそれをやってしまう。→状況悪化。 そしてもう1人のタイムトラベラーは元の時代に戻れなくなるかも知れないという瀬戸際で赤の他人の子供の世話をするのに 大忙し。 (何やってんの、こいつ?) ひとつ分かったこと。 この作者、どうやらアガサ・クリスティーのファンだ。 そして女性に人気のあるクリスティー作品といえば『鏡は横にひびわれて』。 あの「善意の人の大きなお世話」のせいで、事態が悪化していく物語だ。 彼女(コニー・ウィリス)もきっと、あの作品が大好きなんだろうなあ……と、思いつつ『オール・クリア』上巻を読了。 寝る。
2017年4月10日(月)
野暮用で1日外出。 靴のかかとがすり減ったのでミスターミニッツで修理してもらう。 夕方に帰宅したら、米海軍が空母カール・ビンソンを朝鮮半島に向けて派遣したというニュース。 2017年は、未来の史学生が必ず暗記する年になるのか? 史学生と言えば昨日読んだ『ブラックアウト』は、史学生が主人公の小説だった。 未来の史学生が過去を観察するためにタイムトラベルする話。 タイムトラベル先は1940年のイギリスで、ヒトラーのナチス・ドイツがヨーロッパを支配しようとしていた頃。 夜。 池上解説番組を見る。 イギリスに続いて、下手をするとフランスもEUを離脱するかも知れないそうだ。 となると、EUに残る大国はドイツだけ? (ドイツがEUを支配したら「ドイツによるヨーロッパ支配」という誰かさんの夢が叶う?) と、アホなことを。 ミステリー作家の大倉崇裕先生が新作についてツィッターに書き込んでいた。 取材に行ったバーでアイリッシュコーヒーを飲んだというので、 「アイリッシュコーヒーをトリックに使ったミステリーなんですか?」 と聞いたら、 「犯人の職業がバーテンダーなので」 とのこと。 大倉先生は、作品を書き上げる前に読者に犯人を教えてくれるほど親切なミステリー作家。(^^; (まあ、倒叙もので有名な人だから……) 寝る。
2017年4月9日(日)
雨。 自治会の寄り合い。 会計報告とか一応の議題を消化したあと、雑談。 区議会の動向を聞いてみたら、 「自民党豊島区議連は、小池百合子を支持した豊島区長を裏切り者とみなしている」 らしい。 まあ、そうだろうね。 ご丁寧に「次の選挙で区長になる予定の人物」の名前まで教えてくれた。(笑) (まあ、選挙って、だいたいそういうものだから) 帰宅。 『ブラックアウト(上・下)』(コニー・ウィルス 大森望訳 ハヤカワ文庫)読了。 2060年から1940年に出かけたタイムトラベラーの話。 それぞれ時期と場所を微妙にずらしたイギリス国内に「降下」した3人の史学生(タイムトラベラー)たち。 着いた現地で、それぞれ自力で仕事と住居を見つけるという、かなりハードな計画。 前半では、それぞれの史学生たちが1940年のイギリスでの生活に悪戦苦闘する有様が描かれ、後半は思わぬトラブルに 遭遇した主人公たちの物語となっている。 善意の人に足を引っ張りまくられるというのは、同じシリーズの「空襲警報」と同様のパターン。 (重傷を負い、一刻も早く元の時代に戻るために現在の戦況に関する情報をつかもうとする主人公に「怪我人が戦争のこと なんかで悩まされないように」と、彼に情報が届かないよう懸命に手を尽くしてくれる看護婦とか) 相手にとって良いことをしているつもりで多大な邪魔をする人物は、アガサ・クリスティーの『鏡は横にひびわれて』にも 出て来た。 コニー・ウィルスとアガサ・クリスティーの共通点は、共に女性作家であるということ。 共に「わけ知り顔で足を引っ張る同性」に悩まされる立場だったのだろうか? そんなわけで、善意の邪魔者に妨害されながら懸命にトラブルと戦う主人公たち。 読んでいて「アレ?」と思ったのが紙の本の特徴である「残ページの厚み」。 (左手に持っている紙が、こんなに少なくなっているのに、話が一向に解決に向かっていないぞ???) そして、まさかのオチは、最終ページの、 〈『オールクリア 1』に続く〉 『ブラックアウト』に『オールクリア』という続編があることは知っていた。 しかし続編はあくまで続編であるので、 (まずは正編を読んでから) と、そっちの方は買わなかったのだ。 「続編」ではなく「前後編の後編」であるなら、先に書いておいてくれ。 『ブラックアウト』で謎を提示して『オールクリア』でそれを解決するという構成であったらしい。 (騙された) と、憤りつつAmazonでポチってから、寝る。
2017年4月8日(土)
雨。 東京芸術劇場まで歩いて行って自宅に戻るだけで、靴の中まで濡れてしまう。 週に2〜3度の割合で見に行っていた水道橋重工のサイト。 去年の9月6日以来、更新が止まっていたので目を離した隙に(笑)ついにクラタス vs メガボッツの対戦が、 ・客席なしの会場で実施。 ・開催地は非公開ということに。 ・その代わり、8月に動画を発表。 ……ということで決定したとのこと。 ここまで読んで「なんのこっちゃ?」と思った人へ、さっくりと、これまでの話。 水道橋重工という日本のチームが、搭乗型巨大ロボを製作。 これを知ったアメリカのグループが「自分たちの作った巨大ロボと対戦しようぜ!」と挑戦状。 「わかった。やろう」と、日本のチーム。 そこまでは良かったのだが「じゃあ、どこでやる?」の段階で問題が。 日本でやってもアメリカでやっても不公平。 じゃあ第3国で……と思ったが、どう見ても戦闘用ロボット(=兵器)なので、受け入れてくれる国がない。 (まあ「うちの得体の知れない戦車を、あんたの国に入れてくれない?」って、普通に考えて相当に無理だから) 揉めに揉めに揉めた挙句が、今回の決定。 さあ、8月を楽しみにしていよう。 午後。 東京駅へ。 しばらく来ないうちにだいぶきれいになり、地下道のややこしさも増した気がする。 迷いながらも、行きはなんとか目的地までたどり着いたものの、帰り道でもまた迷う。 方向音痴は、なぜ行きに行けた道を帰りに戻れないのか? たぶんこれは、解いたばかりの迷路パズルに、上下をひっくり返して再チャレンジするのに似ているのだと思う。 出口に着くまでに、あまりに迷いまくる方向音痴は、いつ自分が正しい経路を辿っていたのかがわからなくなっているので、 2度目の利点を生かせないのだ。 ……東京駅に戻るつもりが、有楽町駅に辿り着いてしまった。 帰宅してから、とある書類が必要なことに気がついて、区内の某所に電話をかける。 「今日は土曜日なので、4時半までなら窓口が開いています」 と、言われたのが午後3時20分。 電車を乗り継ぎ、もちろん途中で道に迷って4時2分に到着。 ところが「窓口は4時半までですが、機械が動いているのは4時までで……」とか言われてしまい、思わずニーッコリ笑って しまう。 「笑顔」というのは本来「自分の牙を相手に見せつける表情」であって、サルなんかがこの表情をした時は「威嚇」のメッセ ージなのだと、何かで読んだ。 ……そんなわけで、満面の「笑顔」で交渉した結果、なんとか今日中に書類の申請手続きが出来た。 (いいね、笑顔って) 帰り道。 その建物のすぐ前のバス停から池袋への直通バスが出ていたことを思い出して乗車。 10分で池袋に帰り着く。 次回は、行きもこのバスに乗ろう。 帰宅。 『ブラックアウト』の続きを読む。 第二次世界大戦中のロンドンにタイムトラベルした主人公たち史学生。 当時の状況を観察したのちに現代に戻るのが任務らしい。 決められた時刻に「降下点」という場所に行くことで現代に戻って来られる仕組みなのだが、そこへ行こうとすると、なぜか 邪魔が入るのだ。 前作「空襲警報」でも思ったのだが、なぜ主人公たちの行き先は、毎回、直前になって勝手に変更されるのだろう? 抗議をしても聞き入れてくれない教授。 これってイギリスの大学のシステムを、風刺しているのか? とりあえず上巻を読み終わったので、下巻へ進むことに……。 でも眠くなったので、寝る。
2017年4月7日(金)
少し汗ばむような陽気。 花粉で外出がしづらいので部屋で本を読む。 『ブラックアウト』(コニー・ウィリス 大森望訳 ハヤカワ文庫)。 空襲下のロンドンに行くタイムトラベラーたちの話。 昼。 「ナンバーズ」を観る。 登場人物のひとりが宇宙飛行士になってスペース・シャトルに乗るというエピソード。 (シャトル?) と、ネットで確認してみたら、この番組のアメリカ本国での放送は2006年の12月15日だった。 (スペース・シャトルの最後の飛行は、2011年7月8日) ついでに言うと、コロンビア号の事故が2003年2月1日で、事故後の再開飛行が2005年7月25日。 つまり2006年頃というのはNASA「スペース・シャトル計画の再生」に向けて頑張っていた時期だと推測できる。 (ドラマの最後の方に、アポロ11号の宇宙飛行士バズ・オリドリンがカメオ出演していたのは、そのせいか?) いろいろと裏側を覗きたくなるドラマだなあ。(笑) 午後。 米軍がシリアのアサド政権軍の基地を攻撃したというニュース。 理由は、4日にアサド政権側が反政府勢力の支配地域を攻撃した時に使った武器が化学兵器っぽかったから。 (国連での非難決議は、ロシアの反対で否決) アサド政権は、独裁政権。 そしてアメリカが後押しする反政府勢力と内戦中。 アサド政権の反政府勢力への攻撃は、別に今に始まったことじゃないのだけれど、今回は何が違うのかと言うと、化学兵器を 使ったから。 但しアサド政権は、これを否定している。 言ってみれば「確認を取る前の攻撃」だったわけだ。 午後3時半。 安倍さんが今回の攻撃を支持する意向を表明。 (まあ、日本の立場としては、そうだよね) 夕方のニュースで日中首脳会談の映像が入って来た。 習近平さんの手を、トランプさんが無理やり握る格好での「両首脳握手」の写真撮影。 「シリアへの攻撃には議会の承認が必要なのか」という記者の質問に、一瞬ふいを突かれたような表情でスルーするトランプ さん。 これって、北朝鮮問題への中国側の感触がイマイチだったら議会の承認なしにシリアを攻撃する手はずだったということか? それを予想してあの質問をしたのだとすれば、あの記者は大したものだ。 で、今回のシリア攻撃は北朝鮮にどういう感想を持たれたのだろう? 「アメリカは怖いから大人しくしよう」 それとも、 「シリアは核を持たないから攻撃されたのだな。核ミサイルの開発を急がねば」 金正恩さんの性格から考えて、どっちだと思う? 夜。 『ブラックアウト』の続きを読むが、戦時下で苦しむ人々の小説から顔を上げたら戦争のニュースをやっているというのは、 あまり楽しくないな。 寝る。
2017年4月6日(木)
微熱、来たー! ……と、喜んでいるわけじゃない。 毎年恒例、花粉で起こる炎症による発熱。 昨日からポカポカ陽気で、春が来たのはめでたいのだが、その分、花粉も飛ぶ飛ぶ。 ニュース。 北朝鮮のミサイルは、結局「失敗だったらしい」というのが、アメリカの公式発表。 そしてこれから米中首脳会談。 予想だが、会談結果は日本が望んでいるような形にはならないんじゃないかな? トランプさんにとっては「米中経済摩擦」の方が重要課題っぽいし。 昼。 ドラマ「ナンバーズ」を観る。 数学教授の弟を持つFBI捜査官の話。 今回は、その弟の親友である宇宙物理学者が、宇宙飛行士として宇宙に行くことになるというエピソード。 「ライバルだった研究者が出世して宇宙に行く暇がなくなったので、椅子が空いた」 みたいな説明。 (え? アメリカでは、そんな感じで宇宙飛行士になれるの?) と、そっちの方に衝撃。 念のため、このドラマはSFではない。 現代のアメリカを舞台にしたミステリー・ドラマ。 そう言えば、映画「ゼロ・グラビティ」(こっちはSF)でも、割と普通の人が宇宙で仕事をしていたな。 この間のSF乱学講座でSF小説と普通小説の垣根がなくなって来ているという話になったが、ちょっと未来の話だとすぐ に現実に追いつかれるのだな。 ところで……。 このドラマ「ナンバーズ」、確か前回「この宇宙へ行くことになった親友」の天敵みたいな新学部長が登場したので、しば らくはそっちの絡みでドラマが進むものだとばかり思っていたのだが、今回は学部長は登場せず。 (なんか不自然な流れだなあ?) と、ネットで調べたら、親友役の俳優が人気番組「24」への出演が決まって、しばらく「ナンバーズ」に出られなくなった のだと書いてあった。 (ああ、そういう裏事情があったのね) 夜。 NHK Eテレ「モーガンフリーマン 時空を超えて」を観る。 「宇宙は永遠に続くのか ブラックホールの脅威」。 番組が終わってすぐにチャンネルをNHK BSプレミアムに変え……、 「コズミックNEXT選 宇宙で低温の場所」の最後の15分間のブラックホールの解説の部分を観る。 なぜ、NHKはこの2つの番組を裏番組同士にぶつけるのだろう? 時間をちょっとずらすだけで、両方の視聴率が倍になるとは思わないのか? それとも最近のテレビ番組は、録画前提で編成しているのだろうか? うちのテレビは裏番組録画ができないんだよ!(泣) 寝る。
2017年4月5日(水)
朝。 臨時ニュースが入って、北朝鮮がまた「ミサイルちゃぽん」をやったらしい。 「またか」な話なのだが、困るのは、目下のアメリカ大統領がトランプさんだということ。 「北朝鮮と戦争始めよう。そして『俺の支持率、下げてる場合じゃねーだろう』という絶好の口実にしよう」 って、あの人ならやりかねない……かも? 昼。 北朝鮮のミサイルについて、詳細が入って来た。 飛距離60キロだって。(もちろん日本の排他的経済水域にも届かない) それも、高さがあったわけでもない。 まさに「へろへろ、ちゃぽん」だったわけだ。 〈飛距離が約60キロと短かったことについて、ある幹部は「こんなに距離を抑えたケースは記憶がない」と戸惑いつつ、 「何の意図があったのか。分析を急がなければならない」と表情を引き締めた〉2017年04月05日 12時01分 読売 素人である私は「距離を抑えた」のではなく「単なる失敗」だと思ったが。 そういえば「コミンテルン陰謀論」で有名な田母神元航空幕僚長が、北朝鮮のミサイルってそんなに大したものじゃない とか言っていたな。 (痩せても枯れても「元航空幕僚長」は軍事の専門家なので、政治家の言うことよりは信憑性があるかも?) と、思っていたのだが、今回の「へろへろ、ちゃぽん」みたいなのを見るに、やっぱり田母神さんは正しかった? 夕方。 風邪っぽいのが治らず、2号くんに電話したらテイクアウトのカレーを買って来てくれた。 ナンの美味しい店のカレー。 2号くんの分の辛口と、私の分の甘口(口から入った花粉を飲み込んでしまうので胃粘膜も弱っているのだよ)。 区別がつくようにお店の人(インド人?)が、カレーを入れたパックの蓋に書いておいてくれた。 「亠」に「○」に「十」は、「辛」という字かな? もうひとつの方には、「日口」。(惜しい!) 夜。 「クローズアップ現代プラス」は、最近のカメラと個人情報について。 解像度の良くなったスマホカメラの前でうっかりピースをして写真に写ると、指紋をコピーされて「家庭用の簡単な機械」 (小型の3Dプリンターとかかな?)で、ニセの指先を作られてしまうという話。 番組では実験で指紋認証のPCの立ち上げを試したら簡単に成功してしまっていた。 ピース写真での自撮りは要注意! もうひとつ。 高いところからの撮影した動画の「地面に映る影」の動きからその人物を特定する技術。 天気の良い日は日傘の下にいた方が良い? 続いて始まった「ドクターG」は、吐き気を訴えて来院した患者の症例。 十二指腸に問題があるようなのだが、胃カメラでは十二指腸まで届かない。 そこで、普段は肛門から入れる大腸用の内視鏡を口から入れて十二指腸を撮影。 十二指腸に転移していた膵臓癌を発見してメデタシメデタシ。 しかし、再現ドラマに出て来た患者の家。 修正が上手いと評判の写真館だったのだが専門の技術者が退職したことで、患者(経営者の妻)の負担が増えてストレス。 それと言うのも夫が修正の技術を覚えようとせず、全てを妻に丸投げしていたから……という設定だった。 (妻がガンで1年間も入院していた間、あの写真館はどうしていたのだろう?) と、本筋と関係ないところが気になってしまった。 寝る。
2017年4月4日(火)
朝。 「ひよっこ」を観る。 茨城県から東京に電話をかけるのに交換台を呼び出して番号を告げ、つないでもらうまで1時間も待つシーン。 1964年という設定のドラマだが、1963年生まれの私の記憶では、そんな風にして電話をかけていた覚えがない。 私が生まれて物心がつくまでの数年間のうちに、日本の電話のかけかたが変わったのだろうか? 興味深い。 花粉症のせいで寝不足。 喉や鼻の奥が腫れているのはもちろんのこと、顔や手といった露出部分もヒリヒリ痛くて寝苦しい上、薬を飲むと副作用で 悪夢を見るのだ。 昼。 近所の中華料理屋でラーメンを食べる。 中華料理屋なので、当然のように店員は中国語ネイティブの方。 そういうお店なので、お客の方も中国語ネイティブの方が多い。 池袋の街中で、ちょっとした海外旅行気分。 ラーメンそのものの味は悪くなかったのだが、店員に汚れたテーブルを拭いて欲しいと頼んでも、なぜか放っておかれる。 「テーブルの汚れた席にお客様を案内してしまった」→「これは店の大失態、すぐに拭きます!」 というような居酒屋の対応に慣れていたので、 「へえ、このお客さん、テーブルが汚れているのが気になるタイプなんだ」→「ヒマがあったら拭いてあげよう。俺、親切」 というような店の対応にイライラしてしまい、同行した知人に、 「そんなに気になるなら、テーブルにある紙ナプキンで自分で拭けば?」 と、諌められる。 午後。 知人のアパートでDVDの鑑賞。 帰宅してテレビをつけたら、「今村復興大臣がフリージャーナリストのしつこい質問にキレて怒鳴って退出、後に謝罪」と いうニュースが報じられていた。 フリージャーナリストの質問は、原発事故での自主避難者への住宅の無償提供が打ち切られたことについてのもので、 「国が責任を持って対応しないのか」 「福島の実情を知らないのではないか」 というような内容。 それに対する大臣の回答は、 「責任を持ってやっている」 というようなものだったそうだが、ジャーナリストは納得せず、何度も同じ質問を繰り返したそうだ。 アナウンサーの解説を聞きつつ、ニュース画面に映った復興大臣の襟元を見たら、締めているネクタイが、はっきりそれと 分かるアニメ柄。 (詳しく言うと「エヴァンゲリオン」の漫画の絵が描かれた派手なネクタイ) 別に「エヴァンゲリオン」のネクタイが悪いとは言わないが、服装にはTPOというものがある。 震災復興を巡る記者会見というシリアスな場にしていくネクタイじゃないだろう。 大事な会見の場に、こんなふざけた格好でやって来た人に、 「責任を持ってやっている」 とか言われても、納得できない気持ちになるのは分かる気がした。 その後の謝罪の場面では普通のネクタイで現れたから、やっぱり「あのネクタイはないだろう」と注意されたのだと思う。 なんか小学生の服装検査みたいで情けない。 この人は、例えば外国の要人との会見の場にも、ああいうネクタイで臨むのだろうか? それとも「震災の復興に関わる記者会見」だから、ああいうネクタイで臨んだのか? どっちにしても問題があるよな。 最近、日本の政治家の質が、目に見えて低下していると感じるのは私だけか? 寝る。
2017年4月3日(月)
朝。 喉が痛くて体がだるい。 花粉症なのか、風邪なのか? アマゾンから届いた短編集『空襲警報』(コニー・ウィルス 大森望訳 ハヤカワ文庫)。 とりあえず表題作だけ読む。 タイムトラベルもの。 主人公は未来のオックスフォード大学で史学を学んでいる学生で、講義の課題に「過去へタイムトラベルしての実習」という ものがあるらしい。 主人公の同級生のキヴリンという女子学生が登場する。 彼女は本編ではあまり活躍しないのだが、その実習先が14世紀のイングランドであるということが、意味深な感じで書か れている。 ネットで調べたら、このキヴリン、同じ作者の作品『ドゥームズデイ・ブック』のヒロインであるらしい。 『ドゥームズデイ・ブック』は、未読だったのだが、どうやらキヴリンが14世紀のイングランドで活躍する話のようだ。 さて、主人公は実習先として「聖パウロ」の時代を希望していたのだが、コンピューターのミス(?)によって、第2時世界 大戦中のロンドン大空襲下の「セント・ポール大聖堂」に行くことになってしまう。 教授に抗議するも受け入れられず、ロンドンに送られた彼は、そこで「セント・ポール大聖堂を焼夷弾から守るためのボラン ティア(火災監視員)」として働くことになる。 そして主人公は、自分が「課題」のためにそこに送り込まれたのであることは分かっていたのだが、その「課題」が何である のかまでは知らされていないのだった……。 先の見えない状況で、次第に疑心暗鬼に陥る主人公。 ちょっとオチが早く分かり過ぎてしまったのが欠点か。 短編小説だったのに、読んでいる最中に1度、眠ってしまった。 話の内容が退屈だったわけじゃなく、私の体力の問題。 本を手に持ったまま、次の瞬間、自分のいびきに驚いて目を覚ました。 (花粉症の時期の私は、結構ないびきをかいて寝ているらしい) やはり風邪なのか? 昼。 SF大会の企画局長と電話。 私の企画の前に、別の企画をブチ込むことになるかも知れないという話。 詳細はイロイロとしかアレだが、大雑把に言うと場所取りの話で「スタインウェイは譲りたくない」とだけ。 午後。 2号くんがケーキを持って見舞いに来る。 ニュース。 〈トランプ米大統領は、中国が北朝鮮政府への圧力を強めなければ、北朝鮮の核の脅威を取り除くために米国が単独行動に 出ると警告した〉 2017/4/3 14:24 日経 なんだろうね「単独行動」って? やばいのはトランプの支持率が落ちているということで、アホな政治家は自分に都合の悪い状況に陥ると国際緊張を高めて 「いまはそれどころじゃないだろ」と、国民の目を不都合から逸らそうとする。 だから、ここで重要なポイントは「トランプはアホな政治家か?」という点なのだが、どうなんだろう? 夜。 NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」を観る。 1964年の北茨城が舞台。 (懐かしい時代だなあ) と、思いつつ見ていたのだが、地域の違いか、やっぱり私の住んでいた新宿と北茨城では、同じ1960年代でもちょっと 雰囲気が違うようだ。 脚本は岡田惠和さん、楽しみにして見てみようかと思う。 寝ようと思ってネットを覗いたら、ニュース。 〈ロイター通信によると、3日、ロシアのサンクトペテルブルクの地下鉄で爆発が起きた〉 2017/4/3 21:46 (2017/4/3 22:38更新)日経 イスラム教のテロを考えると、大きなモスクのある豊島区は安全な場所だと考えても良いのかな。 同胞を殺してもイスラム教徒の反感を買うだけで、テロリスト側に得はないと思うから。 イスラム教徒の集まりそうな場所、例えば「ハラル料理の店」とかをご近所に誘致するのも良いかもね。 寝る。
2017年4月2日(日)
今夜のSF乱学講座課題図書『火星の人』上下巻(アンディー・ウィアー 小野田和子訳 ハヤカワ文庫)を読み直す。 読後感の良い作品。 というか、作品世界から連れ出されるのが悲しいような楽しい小説。 ストーリーは、事故で火星にただひとり置き去りにされた宇宙飛行士のサバイバル&救出劇。 主人公の、どこまでも前向きで楽観的な(「お気楽」と言うべきか?)性格が悲惨な状況をユーモラスにしている。 寒くて食料も不足している火星で、年単位の日数をひとりで生き延びなくてはならないのだが、彼にかかると「周りに人が いない分、気楽でいい」みたいに見えて来る。 自分の生死がかかった問題の結果が出るのを待つしかないような時、彼がやることは他の乗員が置いていった古いドラマを 視聴すること。 地球にいる側が孤独な彼の心理状態を慮っている時に、当の主人公は「アクアマン」(漫画のヒーロー)の設定にツッコミ を入れているところだったりするのだ。 映画(オデッセイ)にもなった有名な作品だし、わかると思うからネタバレするが、もちろん主人公は最後に助かる。 その時の独白がいい。 〈ぼくを生かすためにかかったコストは何億ドルにもなるはずだ。ばかな植物学者ひとりを救うために、なんでそこまで? うん、オーケイ、ぼくはその答えを知っている。(中略)人間はだれでも互いに助け合うのが基本であり、本能だからだと 思う。そうとは思えないときもあるかもしれないが、それが真実なのだ〉 日本人である私は、ここでつい「イラン人質事件」を思い出してしまった。 イランで日本人がゲリラの人質になったとき、日本政府は何をした? 「人質になった人々が、いかに無責任な馬鹿で救出する価値のない人間であるか」を徹底的に喧伝したのだ。 (おかげで、未だにその話を信じている人がいるぐらいだ) 日本政府の言いたかったことは「こんなクズどもは助ける価値はないのだから、助けられなかったとしても国は悪くない」 と、そんなところだったのだろう。 他人を助けるために遠い国まで無償で出向くような人々が、それほどのクズであるのなら、この私なんか生まれて来る価値 はなかったどころか生まれてはいけなかっただろうし、私を産んだ母親は死刑にすべきということになるだろう。 夕方。 読書会へ。 『火星の人』は、参加者誰もに評判の良い作品だったが、主人公が「星を見ない」ことに疑問を持った人がいた。 私はぜんぜん気にならなかった点なので、私の方が主人公と好みが近かったのかも知れない。 この作品、作家志望だった作者がネットの自分のサイトで少しずつ公開した作品が評判となったことがきっかけで、出版社 の目に止まり、ついには映画化となったのだそうだ。 自分が生きていることを地球に知らせる術のない状況で必死にサバイバルを続け、生きるために位置を動かしたテントから その生存が「発見」された主人公と、少し重なるところがあるね。 読書会終了後、いつもの「包茶」へ……行こうと思ったら満員。 仕方がないので近所の居酒屋へ。 焼酎を飲んで体を温め、ついでに「なすびの会」の開催を決める。 (4月15日の午後5時から池袋北口の「テング酒場」で) 家に帰って、寝る。
2017年4月1日(土)
エイプリールフール。 毎年のことだが、ネット上を嘘のニュースが駆け回る。 「今年のエイプリルフールは、土曜日のため中止です」とか。 午前中、ゆっくり風呂に入り、昼から銀座の「大黒屋ギャラリー」へ。 今日も雨。 「大黒屋」という文字が目に入ったので、近づくと質屋だった。 目的の「大黒屋ギャラリー」は、その数件隣のビル。 ビルに入ったところに、わざわざ張り紙がしてあり「ここは大黒屋ギャラリーです。チケットを売っている質屋の大黒屋とは 一切関係ありません」なんてことが中国語で書いてあった。 (間違えて入る人が多いのだろうなあ) ギャラリーで展覧会を見てから、池袋へ戻って西口公園(ウエストゲートパーク)でやっている日台友好イベントを見る。 舞台の上では台湾の踊りやら太極拳が披露され、周囲には台湾料理の屋台。 昼食に何か買おうかと屋台のひとつに立ち寄って店員に声をかけるが、日本語が通じない。 「これはいくらですか?」「はい。豆腐も美味しいです」的な不思議な会話をしたあと「多少銭(トゥシャオチェン?)」と 聞いたら、笑いながら「サン」と答えてくれたので、300円渡してパック入りの五目おこわみたいなものを買う。 最初から中国語で聞けば良かったのかもしれないが、一応、日本で物を売っているのだから、店員が日本語を話せなかったら 見えるところに値段を貼っておけば良いと思うのだよね。 昨日の「マントウ(中華まんの中身のないやつ)」を土産に、昨日の同人漫画家さんを訪ねる。 「『エンケラドゥスの烏賊』の烏賊はですね、全身に気味の悪い斑点のある、とてもラブリーなバケモノなんです」 などと説明して絵にして貰った。 帰宅。 寒いので毛布にくるまって、早めに寝る。2017年3月分へ 目次へ
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