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独 り 言 (2015年11月分)
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2015年11月30日(月)
午前中。 2号くんが来て、 「夕べは夜中に家の外から大声が聞こえて」 (まあ、池袋だからなあ) 「酔っぱらいが騒いでたのか?」 と、聞いたら、 「『まず包丁を捨ててから話をしよう』と繰り返す声だった」 (いや、それ通報しようよ、普通に) 幸い騒ぎは間もなく納まったそうだが、夫婦喧嘩か何かかね? 私が以前、道を歩いていて近くのアパートの室内からガラスの割れる音と悲鳴を聞いて110番した時、 「夫婦喧嘩じゃないんですかあ?」 と、のんびりした対応をされたことがある。 110番通報というのは、どの程度の騒ぎの時なら適切なのだろうね? ちなみに私が今まで通報した例では、 「ビルの2階から裸の男が飛び降りで走り去った」(→割とのんびりした対応をされた) 「路上に人が倒れていた」(→かなりのんびりした対応だった) 「路上に血を流した人が倒れていた」(→一応、現場に来てくれたが、かなりのんびりした感じ) 「シンナーを吸っている若者グループを通報」(→すごい勢いで交番を飛び出して行った) 「道の真ん中で何かを燃やしている若者グループを通報」(→すぐに走って行ってくれた) 2号くんと喋っているうちに昼になったので、一緒に昼食。 午後のロードショーをつけたら「パニッシャー」という映画。 2号くんによると「マーベル原作」なのだそうで、奴の趣味に付き合って一緒に観る。 囮捜査で銃の取引の現場を押さえた主人公(警察官)だが、逮捕現場で起きた銃撃によってマフィアのボスの息子が死んで しまう。 ボスが囮を務めた主人公を恨んで、その家族を皆殺し。 主人公自身も殺害したつもりだったが、彼がやたらにタフで、元気に復活してしまう。 あとは怒りに燃える主人公の復讐劇なのだが、やり口が陰険で爽快感がなかった。 夜。 SF文学振興会のバイキング食事会。 早めに着いたので紀伊国屋で時間つぶしをしていたら、羽田圭介の『スクラップ・アンド・ビルド』に「僕も芥川賞を 受賞しました」というPOPが立っていて、笑った。 バイキング。 恐ろしかったのは、周りが「もう満腹だ」とか「苦しい」とか言っている中で、まるで満腹感を感じていない自分の胃袋。 みんなで2コース(前菜から始まってデザートまでのコースを2回繰り返す)食べたはずなのにな??? 私の満腹中枢は、どうかしているのだろうか? 「腹ごなしに」との提案で、食後にカラオケ屋へ行く。 初めて行く店で、聞いた事のない店名だが「安い」と言うのでそこへ。 受け付けの女性に「1時間で」と言ったら、しばらくして「1時間半でしたっけ?」と聞かれ「1時間」と訂正する。 (そう言えば、前のグループも「1時間」と「1時間半」で揉めていたなあ) 4階の部屋だと言われたのはいいが、エレベーターがなく階段だけ。 この階段に「階段使用はカロリー消費にいい」というようなことを書いた紙がやたらに貼ってある。 (まあ、確かに我々の目的には叶うのだが) 着いた部屋が、椅子はボロボロ(長さ30センチほどの切れ目が2ヶ所、座面のほとんどが剥けた椅子が1個)加えて何か 変な臭いがする。 女性陣が「これは明らかにトイレの臭いだ」と言い出して、部屋を変えてもらう事に。 変えてもらった部屋の椅子はどこも壊れていなかったので、最初の部屋が何か特別だったのだろうか? 使用時間が短いケチな客専用とかだったら、怖いな。(^^; 水木しげる先生が亡くなられたというニュースをスマホで見たという人がいて、追悼のため「ゲゲゲの鬼太郎」と「カラン コロンの歌」。 「悪魔くん」……は、歌い出し以外、誰もまともに歌えなかった。 ところで「カランコロンの歌」の2番の歌詞って知ってた? 私は今夜初めて知ったのだが、1番で鬼太郎がやって来て、2番でおばけと闘い、3番で去って行く、という流れになって いたのだね。 テレビ放映の時には1番と3番しか流れなかったので、子供心に「鬼太郎は、なんで来てすぐに帰っちゃうんだろう?」と 不思議だった。 これで謎が解けた。 ところで、今日初めて知った繋がり。 映画「風立ちぬ」のテーマソングでもある「ひこうき雲」って、投身自殺の歌だったのだね。 (♪誰も気づかすただひとり昇っていく何も恐れずに そして舞い上がる) この歌がカラオケでOKならば、藤岡藤巻の「ダメですよ」も有りなんじゃないか? (♪飛び降りた時は地面に着くまで空飛べるんだな) 1時間歌ってから、帰宅。 寝る。
2015年11月29日(日)
午後からメンサ・テスト合格者の会の例会。 少し遅れそうだったので、別のメンバーに鍵開けを頼んで、こちらも急いで会場に向かったのだが、近道をしようとして道に 迷う。 行き慣れた道で、自分の住んでいる近所のはずなのに、なぜか見覚えのある道に出ない。 だいぶぐるぐると迷って、ふと気がついたら目の前に「平井太郎」という表札のある門が現れた。 さすがに乱歩邸の場所なら分かるから、そこから辿ってどうにか会場まで行き着いた。 「遅れてご免!」 と、言いつつ会場に入ると、中にいた人に、 「そんなに大した遅刻じゃないよ」 時計を見たら、確かに5分程度の遅刻。 (2〜30分迷った気がしていたのだが) 例会後は、いつものように飲み会。 酒を飲みながら傍のベルを鳴らすと食べたいものが運ばれて来るというのは、昔なら王侯貴族の生活だな。(笑) 中国とフランスの料理が世界的に美味しいと言われるのは、貴族や皇帝の美食家が金に糸目を付けずに料理を発展させた後 革命が起こって失業した料理人が街でレストランを開業したからという話を聞いたことがあるが、日本の場合は違っていて 江戸時代に金に糸目を付けずに料理を発展させたのは「御大尽」と呼ばれた金持ちの町人、つまり西洋風に言うと「平民」 の階級の人間だったのだとか。 金持ちの町人がたくさんいた上、識字率も高くかったのに、なんで「封建制度」をあんなに続けることが出来たのか? ちょっと興味深い話だよね。 家に帰って、寝る。
2015年11月28日(土)
朝。 喉が痛い上、熱っぽい。 生姜湯(チューブ入りの生姜を湯のみに絞り出して砂糖をかけてお湯を注いだもの)を飲んだらやや回復。 午後。 池袋の三省堂へ。 リブロの跡地(?)に出来たのだが、書籍以外のものを売るスペースが各フロアにあって、当たり前だがその分、書籍のスペー スが少ない。 そして何か変な店も。 あまり変な感じだったので、店員に、 「ここは何のお店ですか?」 と、聞いたら、 「一言で言うと、博物館に展示してあるようなものを扱う雑貨屋です」 という答え。 ちなみにこの店に置いてあるもの。 鳥の剥製、昆虫標本、土偶やアフリカの民芸品っぽい何かの仮面は、まだ良いとして、義眼のコレクション(誰が買う?)、 店の奥には試験管やビーカーやフラスコ(これのどの辺が「博物館」なんだ?)。 博物館と言うより、B級ホラーに出て来るマッドサイエンティストの怪しい研究所みたいな店だった。 これは最近の流行りの何かなのか? 地下1階のコミックスの売り場で『学生島耕作』という漫画を見つける。 これ、確か「課長」から始まって「社長」だか「会長」だかになったと聞いたから完結したのかと思ったら、時代をさかのぼる 方向で、まだ続いていたのだね。 そのまま主人公に歳をとらせると「認知症島耕作」とかになっちゃうからか? (それはそれで面白い気もするが) 『毎日かあさん 12』(西原理恵子 毎日新聞社)を買って帰る。 「人の犠牲になってまで幸せを逃さないでね」 という名言(?)が出て来た。 この本の著者は、基本的に「尽くすタイプ」なのだろう。 自分がうっかりすると「人の犠牲になって幸せを逃す」タイプだから、こういう言葉が出て来るのだろうね。 この本には著者の息子がアメリカに留学した時のエピソードが書かれている。 それによると、アメリカの高校の授業で使われている『アメリカの歴史』という本は、2000ページ以上あるのだそうだ。 「アメリカの歴史の教科書は薄い」というのはどうやらデマだったらしい。(^◇^) 帰宅。 「世にも奇妙な物語」を後半だけ見て、寝る。
2015年11月27日(金)
起きると、どうも風邪っぽい。 NHKに近藤正臣が出ていたので観る。 近藤正臣と言うと、どうしても「足のつま先で猫踏んじゃったの人」だったのだが、今はいいおじいさんになっていた。 (あれから45年かあ) 最近はどちらかと言うとユーモラスな役が多いが、昔は美男子(←死語)の代名詞みたいな人だったのだよな。 朝刊を読もうと思ったら破れている。 文字が一部読めなくなっていたので、さすがに販売店に電話を入れて新しいのを持って来てもらった。 午後。 ネットに「オウムの菊地直子被告に無罪判決」というニュースが流れた。 17年前に、この人が山梨県の上九一色村から八王子市までに運んだ薬品によって作られた爆薬によって都庁内で爆破事件 が起き、職員が重傷を負ったという事件で、「殺人未遂幇助」の疑いで起訴されたという事件だったのだが、一審で有罪の 根拠とされたのは以下の2つ。 (1)「硫酸」や「硝酸」というラベルを見れば、それが爆弾の原料だと分かるはず。 (2)当時のオウム幹部の「出来上がった爆発物を見せてねぎらいの言葉をかけたが(菊地被告は)表情を変えなかった」 という証言があるので、菊地被告は運んだ薬品が爆発物だと知っていたはず。 これについて、東京高裁の裁判官が、 (1)は、「硫酸」や「硝酸」だけでは爆発物の原料とまでは分からない。 (2)は、オウム幹部の証言が、17年前の記憶にしては不自然に詳細過ぎて信用できない。 と判断したというもの。 17年前というと、菊地被告は、まだ20代。 オウム幹部というのは、会社で言うと重役クラスか? つまり、20代のOLが、上司に「君、これを八王子まで運んで」と言われて薬品を運んだと。 その20代OLに向かって重役が「実は君が運んだ物は、我が社の重要機密で……」と内容を説明したというイメージ? 一審の裁判官は、このオウム幹部の証言を「信用できる」とし、二審の裁判官は「嘘臭い」と思ったわけだ。 組織ぐるみの犯罪に関わる物品を運んだ人間は、犯罪の幇助者か? 単なるお使いOLか? この辺が一審と二審の判決の分かれ目なのだろうな。 ところで、その証言をしたというオウム元幹部の人って、どういう人なのだろう? 「できるだけ真実に添った証言をして、正しい判決を出して貰おう」と考えるタイプなのか? 「どうせ俺は死刑なんだから他の奴らも一緒に不幸になればいいんだ。そしてあわよくば検察に迎合して刑務所内での待遇 を良くしてもらおう」と考えるタイプなのか? 私は、この元幹部(井上嘉浩死刑囚)が、「信頼できる正直者で、他人の幸福を願う人」であるならば、菊地被告は有罪の 可能性が高いだろうと思う。 夕方。 空想小説ワークショップ。 授業が始まる前の雑談で、海外小説の誤訳の話になり、理系の受講生nひとりが、 「仕事で海外から来た書類に、直訳すると『神の裁きが下った場合には、補償の対象外となる』となる文章が書いてあって 意味が分からなかったことがある」 これを聞いた文系の受講生、 「『神の裁き』って、そのまんま『天災』のことでしょ? 『天災の場合には、補償の対象外』って普通じゃん」 理系、 「え? なんですぐに分かるんです?」 文系の人間は「神」とか「天」は「似たような感じのもの」で、ほぼ同じものと認識しているのだが、理系の人にとっては 「違うものは違う」らしい。 文系の脳味噌は「補償の対象外になる場合」の中から「なんとなく神っぽいイメージのもの」を探し、理系の頭脳は「神の 裁き」から順番に理解して行って、理解できたら先へ進むという風に働いているのだろうか。 理系の人間が文系の人間の話にイライラするというのは、そのせいかな? 理系の人と喋っていると、よく話の途中で、 「ちょと待て、○○○というのは何のことだ?」 「話の腰を折るなよ。最後まで聞けばなんとなく分かるものだから」 となる理由が「なんとなく」分かった「ような気がした」。(笑) 放課後の飲み会。 黒碕先生は「コミケ準備に忙しいので」不参加。 今期からの受講生が「コミケって、年末にやるあのコミケですか?」と聞いていた。 (最近のコミケには、プロもブースを出すのだよ) 体調がイマイチなので、早めに帰って、寝る。
2015年11月26日(木)
朝。 昨日読んだ『叛逆航路』にやたら発酵乳を飲むシーンがあってジョアを飲みたくなったが、なかったのでヤクルトを飲む。 自宅の椅子から最寄りのコンビニの売り場まで、徒歩で5分ほどの距離があるので買いに行くのが面倒臭かったのだ。 (最近、動くのが億劫になってヤバイなあ) と、思っていたら軽く熱があるようだ。 PCをポチポチやって、はるこんの作業。 昼。 少し休憩してニュースを眺める。 〈政府は、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、国内での製造と国外からの輸入を、2020年度をめどに 実質的に禁止する方針を固めた。省エネ性能が高い発光ダイオード(LED)への置き換えを促す狙いだ〉(朝日) というニュースが、昨日、流れたらしい。 うちの風呂場の照明は白熱灯で、その理由を「白熱灯は蛍光灯に比べて水気に強いため」と聞いていたのだが、LEDは、 水気に対してはどうなんだろう? 照明器具を変えたら頻繁に風呂場が真っ暗闇、なんてことになるのは嫌なんだが。 午後のロードショーで「ディープ・インパクト」を観る。 1998年のアメリカ映画で、名作と誉れ高い作品。 出だしは高校生らしき少年少女が先生の指導の下で天体観測をする場面から。 望遠鏡の中に、見慣れない星を発見する少年レオ・ビーダーマン。 慌てて報告に行く途中で、先生は交通事故であえなく死亡。 話は変わって、テレビ局の美人記者ジェニー・ラーナーは、父親が母親と別れ娘の自分と同年代の女性と再婚したことで、 家族の関係がギクシャクしている。 彼女は、辞任したばかりの大臣のスキャンダルを記事にしようと取材を行っているうちに、「エリー」という謎の女の話を 耳にする。 しかし、その直後になんとFBIに捕まってしまい、大統領直々に「この話は2日間は公表してくれるな」と頼まれる。 「エリー(ELE)」を調べていくうちに、ジェニーはそれが女性の名前ではなく「Extinction Level Event(種の 絶滅を引き起こす事象)」の頭文字であったことに気づく。 約束の2日後がやって来て、大統領からの重大発表が行われる。 例の高校生が発見した星は、実は地球に向かって来る巨大彗星で大統領がジェニーに頼んだ2日間の猶予とは、この彗星を 核爆弾で破壊するための宇宙船の準備が完了するまでの時間だったのだ。 彗星に自分の名前がついたことを、無邪気に歓ぶレオ。 しかし間もなく地球が重大な危機に直面していることが分かり、ジェニーの父親は新妻に去られてしまう。 さて、彗星破壊計画の一員に選ばれたフィッシュ・タナー船長は、月面着陸の経験を持つベテランの宇宙飛行士だったが、 若い飛行士たちからは老いぼれ扱いされてチームの中で浮いている。 物語は「彗星破壊計画チームの若手メンバーとフィッシュ・タナーのドラマ」「惑星の発見者として避難所行きのメンバーに 選ばれたレオ・ビーダーマンと選ばれなかった彼のガールフレンドとのドラマ」「迫り来る最期のときを前にしたジェニー・ ラーナーとその父親のドラマ」という3つの物語が同時進行する形で進んで行く。 どれを取っても1本の作品に仕上がりそうなドラマを贅沢に3つもぶち込んで、ここに大統領役のモーガン・フリーマンの 優れた演技を加えている。 とてもキリスト教的な話で(妻への遺言が「教会に行き続けてくれ」だったり)キリスト教徒だったら感動できたであろう 場面で異教徒である私は、つい笑ってしまう。 津波が来るのが分かっている時に高台ではなく「思い出の海岸」に向かってしまう人にも「ヲイヲイ」な気分になってしま ったし。 「どうせ死ぬんだから」という理屈なのだろうが、一応、最後までジタバタしてみろよと突っ込みたくなる。 だって、それをやるのが将来を期待されている若い人間なのだよ? もう少し命を大事にしてくれ! 夕方。 かなりぐったりして来た。 食事代わりにバナナ。 夜。 本格的に風邪っぽい症状が出て来たので、寝る。
2015年11月25日(水)
朝刊に昨日のトルコによるロシア軍機撃墜のニュースが載っていた。 〈トルコ側の説明によると、南部ハタイ県のシリア国境付近でロシア軍機がトルコ領空を侵犯した。複数の警告にもかかわらず 退去しなかったため、交戦規定に基づき警戒飛行中のF16戦闘機2機を撃墜したという〉 これに関しては、米軍もトルコが警告を発したことを確認。 一方ロシア側は、領空侵犯はなかったと主張。 そもそもの立場は、 ロシア:親アサド派 トルコ:反アサド派 今回のISの問題で反アサド派であるアメリカが、対ISに関してはロシアに協力を求めた。 ロシアは、IS攻撃という口実の元に大っぴらにシリアの反アサド派(含トルコ系)を攻撃できると大喜び。 アメリカを始めとする反アサド派も、その辺を知ってて「まあ今回は非常事態だし、しょうがないか」と黙認の方向? トルコとしては「アサド派との対立の問題を、IS攻撃のドサクサ紛れにうやむやにされてたまるか!」 で、調子こいてトルコ領空にまで飛んで来たロシア機を「それはそれ、これはこれだから」と、撃墜したと。 ……そんな感じなのかなあ? 昼。 「セイント」という映画を観る。 ロジャー・ムーア主演の連続ドラマをリメイクしたもの。 孤児院で育った少年が、そこを脱走して天才的怪盗となって活躍するというストーリー。 致命的な問題点。 主演のヴァル・キルマーが、ロジャー・ムーア(後に007を演った人だね)ほどイケメンじゃない。 なので初対面の美人女性科学者が、いきなりメロメロになってしまうというシーン(これがないと後の話が始まらない)に、 まるで説得力がない。 そして、主人公が脱走した孤児院、なんか金持ちの子の通うちょっと厳しい先生のいる私立学校みたいで(孤児達はみんな、 きちんとした制服を着ていた)、目立った虐待が感じられず、主人公が脱走までしなければならなかった理由が納得しづらか った。 午後。 『叛逆航路』(アン・レッキー 赤尾秀子・訳 創元SF文庫)を読む。 まずはどーでもいい突っ込みから。 373ページ「洗濯の余地」は「選択の余地」の誤植ではなかろうか? 予備知識。 この作品は「ラドチ帝国三部作」の1巻目だそうで、原題だとそれぞれ“Ancillary Justice” “Ancillary Sword” “Ancillary Mercy” になる。 の1巻目のタイトル “Ancillary Justice” を直訳すると「属躰の正義」。 そして “Ancillary Sword”、“Ancillary Mercy”は「属躰の剣(つるぎ)」「属躰の慈(めぐみ)」になる。 巻末の用語解説によると〈正義〉〈剣〉〈慈〉は、ラドチ軍の主力艦の名称。 この名称は、あとでいろいろと作品のテーマにかかわって来るのかな? さて、いよいよ物語。 人生を賭けたと言っていいような大事な仕事の真っ最中に、雪原で素っ裸で倒れている人物を発見した主人公。 相手は昔の上官だったが、あまり好きな相手ではなく、相手もこちらを覚えていない。 おまけにこいつは麻薬常用者のようで、素っ裸で放り出されていた理由も、酒場でラリッて暴れたかららしい。 でも、そんな奴をつい助けてしまう主人公・ブレク。 意識を取り戻した相手セイヴァーデンは、我がまま、尊大、情緒不安定、もちろんヤク中の使えない奴。 この足を引っ張るしか能のないお荷物野郎を連れてのブレクの冒険が、ストーリーの大まかな流れとなる。 このセイヴァーデン、上流階級の生まれで、かつては艦船の艦長だった。 だがその艦船は破壊され、緊急脱出したまま宇宙空間を1000年間漂流する羽目になる。 とある辺境のステーションで救助されたのは良いが、1000年の間に名家だったセイヴァーデンの家は破産して絶え果てて おり、ショックで気が弱っていることろで言葉巧みに麻薬を勧められ、依存症になったというわけ。 そしてブレクの方は、過去のある事件のおとしまえをつけるために、ラドチという場所を目指していた。 ラドチが他の星々を併呑する過程で起きた大量虐殺と、それに続いて起きた事件だ。 というわけで、次第に明らかになって行く過去の事件と、現在の冒険が交互に語られる構成になっている。 物語で重要な働きをするのは、何千体もの体を持ち同時に何百カ所に存在するというラドチの皇帝アナーンダ・ミナアーイ。 そして「属躰(アンシラリティー)」と呼ばれる生体兵器。 「属躰」は艦隊のAIの人格をコピーされた「人間の体」。 (死体の脳にAIの人格を植え付けたようなイメージのものらしい) 1つのAIは4000体の「属躰」を持ち、それぞれが通信で繋がっていて、属躰が見聞きし行動したことを自分が見聞きし 行動したように感じることが出来る。 AIが語り部となる過去のシーンでは、語り部である「私」が同時進行でいろいろなことが出来るわけだから、サクサク話が 進む反面、一種の感覚的混乱が起きる。 これがこの作品の興味深い特徴として評価されている部分のようだ。 そして現在のシーンは、これはこれでアドベンチャーの連続で面白い。 小説として楽しめる作品。 時空を超えたスペース・オペラ恋愛小説。 ……とまとめると、文句が来るかな? 本当にどうでもいいこと。 ブレクがラドチの食堂で食べていた「海草の皮にくるまれた名を知らない食べもの」って、おにぎりか海苔巻きみたいなもの かな? そもそも海草に「皮」ってあるのだろうか? と、その辺が無駄に気になった。 寝る。
2015年11月24日(火)
昨日買った『叛逆航路』(アン・レッキー 赤尾秀子・訳 創元SF文庫)を読み始める。 〈全裸の人間が、うつぶせに倒れていた〉から始まる物語だが、主人公はどうやら「全裸の人間」の方ではなく、それを発見 した者の方。 確かに面白い。 7つの賞を総なめにしただけはありそうだ。 午後。 トルコがロシア軍機を撃墜したとかいうニュース。 なんかややこしくなって来そうだ。 ニコ動で「ワンパンマン」を観る。 怪人の出現場所が分からず、サイタマ(主人公)の到着が遅れるうちに、様々な「弱いヒーロー」たちが闘うという話。 強くないけれど志の高いヒーローたちが、逆にカッコいい。 夜。 ゲンロンカフェへ。 「【大森望のSF喫茶 #19】大森望×小川哲 ディストピアの最新系」というトークショーを聴きに行ったのだが、会場のある フロアに不審者情報のポスターが貼ってあった。 どうやら女子トイレにスプレーペンキで落書きをした不届きものがいたらしく、防犯カメラの映像だと思われる写真が載って いた。 特に顔を隠している風でもなく、割とはっきり写っている。 こういうの、普通の人だと警察に届けて自分は何もしない場合が多いのだが、オタクはすぐに自力で顔写真を公開しがち。 (そういうことまで分かっていての落書きだったのかなあ?) さて、トークショー。 本日のゲストは、発売されたばかりの『ユートロニカのこちら側』(早川書房)の著者である小川哲氏。 あまりに発売されたばかり過ぎて、客席にも「既に読んだ」という人はほとんどいなかった。 「まったく」ではなかったのは、選考に関わった早川書房の編集者が来ていたから。 「ユートロニカ」とは「ユートピア」と「エレクトニカ」を合成した小川氏の造語だそうで、タイトルに造語を使ったのは、 検索でヒットしやすいようにという考えから、タイトルに「こちら側」とつけたのは、作品中に「ユートロニカの向こう側」 の話を書けなかったので、その辺を突っ込まれたときの対策だそうだ。(笑) 小川氏、応募の時にはペンネームを使っていたそうだが、最終選考に残ったのが分かった時点で本名に戻したのだそうだ。 理由は、 「1次選考まで残って落ちたら、ネットに名前が残ってイタイ奴みたいに思われるが、最終選考まで行けば名前が晒されても 大丈夫だと思ったから」 という、塩澤編集長言う所の「小賢しい」(^◇^)考えからだとか。 私はネットによるある意味での監視社会である現代を生きる若者らしいなと思う。 ちなみに『ユートロニカのこちら側』のあらすじは、 〈個人情報をすべて明け渡し、模範的な生活をする事で何不自由ない暮らしが保障される都市アガスティアリゾート。そこに 望んで住んだ者、巻き込まれた者、反対する者などさまざまな視点を通し、監視社会によって安全が確保されるユートピアの 是非を問いかける〉 だそうだ。 はるこんの人たちと飲んでから帰宅。 寝る。
2015年11月23日(月)
朝起きて、風呂と朝食。 文学フリマのはるこんブースの手伝いへ。 家を出てから「会場は、どこだっけ?」という道に迷う以前のあれやこれやがあったものの、なんとか到着。 本の冊数と釣り銭の金額を確認してから売り台に並べ、11時から頒布開始。 ひっきりなしに客が来る……というわけでもなく、交代で昼食を摂りながら(会場内にカレー屋が出店している)のんびりと 店番。 アン・レッキーさんの『叛逆航路』(赤尾秀子訳 創元SF文庫)をはるこん関係者から入手。 ヒューゴー賞とネビュラ賞とクラーク賞と英国SF協会賞とローカス賞と英国幻想文学大賞とキッチーズ賞を受賞した作品。 全部で7つの賞を総舐めというすごい小説だ。 夕方5時。 文学フリマ終了。 会場を出てはるこんの飲み会に参加してから帰宅。 寝る。
2015年11月22日(日)
朝刊の1面に、 〈ベルギー首都 テロ情報〉 〈警戒「最高」に、地下鉄閉鎖〉 〈ミシェル首相は記者会見し「パリで起きたようなテロのリスクについてきわめて具体的な情報に基づいている」と説明し、 テロ攻撃の計画を察知したことを明らかにした〉 で、同じ朝刊の国際面に、パリ同時テロ関連に関連したアメリカの大統領選候補者へのインタビューが報じられていた。 共和党候補として有力なドナルド・トランプ氏、 〈「(パリ市民が)銃を持っていれば事態は違っていた」と仏の銃規制を批判〉 そうかあ、じゃあ日本も国民に銃を配らなきゃ。(^^; このトランプさんが本当にアメリカの大統領になる可能性が、そんなに低くないのが怖い。 昼。 佐藤編集長と、新馬場(しんばんば)にある六行会(りっこうかい)ホールに、「涅色烏異聞(くりいろからすいぶん)」と いう芝居を観に行く。 《RELAX》の公演。 この劇団は、よくシリーズものの芝居をやるのが特徴で、今回の「涅色烏異聞」も「猟奇倶楽部第0號」ということで、次回 は来年に「創刊号」を上演する予定らしい。 さて「涅色烏異聞」、物語は終戦の玉音放送から始まる。 主な舞台は戦後間もない時代のカストリ雑誌の編集部。 記者のひとりは片腕がなく、助手として働いているのは小林という少年、編集部を訪ねて来るのは編集長の幼なじみの明智と いう刑事で、さらに「湯島」という「津島」という名を連想させる名前の若手作家(彼は後に入水自殺する)が……。 米兵に体を売るパンパンの女達。 戦争で父と兄を亡くし、終戦を迎えても「愛国少年」であり続ける戦災孤児。 平和を訴えるうさん臭い「歌う宗教」の教祖。 これらの人間模様が織りなす「事件」を、カストリ雑誌の記者たちが「取材」していくというのがストーリーの流れ。 「事務員募集」と騙して、米軍相手の娼婦を集めた政府の話とか、公安の言論弾圧の話が会話の中に出て来る。 「日本女性の貞操を守る犠牲として、愛国心のある女性求む」という新聞広告の文章は、当時の政府が、良家の子女が米兵に レイプされるのを防ぐため下層階級の女性を「事務員募集」の広告で集めて娼婦としてあてがった実話に基づくエピソード。 戦後の混乱期のスケッチで、ストーリーより空気の描写を楽しむ芝居。 最後は編集長が、 「安寧秩序を乱し、公序良俗を害するをモットーに猟奇倶楽部創刊!」 を、高らかに宣言して幕となる。 次回は、この創刊された「猟奇倶楽部」の編集部が舞台になるのだろう。 小林少年の「銀行で毒殺事件だ!」と叫ぶ声がちらりと入ったのは次回予告なのかな? ホールを出ると、4時。 品川で飲んでから帰ろうと、居酒屋を探すが時間が微妙。 中で店員が働いているようだが「営業中」のはっきりした表示がない店の前で中を伺っていると、 「もうやってるんだあ」 と、通行人が大声で独り言を言いながら通り過ぎて行った。 他所から来た我々が店が開いているのかどうか分からずに困っていると見て教えてくれたつもりなんだろう。 東京名物「江戸っ子のおせっかい」というやつだ。 有り難くアドバイスに従って入店。 良心的な値段とサービスの店だった。 そこそこの酔っぱらって、帰宅。 寝る。
2015年11月21日(土)
朝。 NHKの連ドラ「あさが来た」では、ヒロインの父親と弟がちょん髷を散切り頭にして現れる。 どうでも良いようなことだが、私が疑問に思っている点。 一般的な町人のちょんまげは、月代を剃ってある。 このちょん髷を散切りにするためには、まず月代を十分に伸ばしてからでないとすごく変な髪型になってしまうはずだ。 ということは、ちょんまげから散切りへの移行期には、月代を伸ばしたちょん髷姿の人が日本中に溢れていた? これはちょっと奇妙なムーブメントであると思うので、誰かが何らかの形で記録に残していてもおかしくない気がするのだが そういうものを見たことがないのだ。 私が知らないだけか? 昼から湘南新宿ラインで戸塚へ。 日本画家の展覧会を観に行ったのだ。 日本画教室の講師やっている女性と、その生徒の展覧会。 講師の絵は、さすがプロの作品。 生徒の作品は……さまざま。(笑) (……技法は学べても、センスは学べないものなのだなあ) 藤沢でお茶を飲み、茅ヶ崎に住む知人の家で軽く飲んでから帰宅。 夕刊に、 〈元陸自総監 書類送検へ〉 〈ロシア側に情報漏洩疑い〉 元陸自東部方面総監の男性が、かつての部下たちに働きかけて、在日ロシア大使館の駐在武官だったロシア人男性に、陸自の 戦術などを記した教範のうち『普通科運用』という小冊子を入手させたという疑いで書類送検されたというのだ。 罪状は「自衛隊法(守秘義務)違反教唆」。 そうだよなあ。 国家機密に触れることが出来る人って、そういう立場の人だけに適用される特別な法律があるのだよな。 「特定秘密保護法」って、わざわざ作ったけど、これが適応される事件が具体的にイメージできない。 それはさておき…… 陸自の元総監が情報漏洩をやるようでは、アメリカ軍は重要な軍事機密を自衛隊に流す事に躊躇するだろうな。 寝る。
2015年11月20日(金)
日経朝刊。 黒田日銀総裁の会見の記事が載っていた。 〈日銀、景気になお強気〉 〈内閣府が16日に発表した7〜9月の実質国内総生産(GDP)は前期比年率0.8%減と2四半期連続のマイナス成長だ ったが、黒田総裁は「緩やかな回復という評価に沿ったものだ」との見解を示した〉 数字の裏付けがあっての強気なら心強いのだが。 素人の私には分からないが、経済に詳しいはずの日経が、見出しを「強気」ではなく「なお強気」としているところに、そこ はかとない不安を感じる。 よもや黒田さん、引っ込みが付かなくなっているだけということはないよね? 昼。 1号くんから電話。 「パソコンで小説を書いていたら(1号くんはオタク)目が疲れて来たのだが」 と言うので、眼鏡屋に行くように勧めたが、差し当たって時間がないという。 なので、 「文字サイズを24ポイントに設定してみろ」 とアドバイスしたら、さっそくやってみたらしい。 受話器の向こうから「でけえ!」という声が聞こえた。 まあ、あっちは20代で、こっちは老眼だからな。 午後。 知人に子供が産まれたそうな。 彼はパパになったのか。 個人情報なのでここに本名を書くのは控えるが、警備隊長、おめでとう! (20数年後に、あの強面の「お父さん」のところに「お嬢さんを下さい」と言いに行く男は……) などと、勝手な妄想をしてしまった。(^^) 夜。 2号くんから電話。 「今夜『視覚探偵日暮旅人』を観るか?」 という。 お勧めらしいので一応、観てみる。 このドラマ、設定が面白いのだ。 幼少時に巻き込まれた事件のせいで五感のうち聴覚、嗅覚、味覚、触覚を失った主人公が、異常な視覚を手にして探偵として 活躍するという話。 人間の見ているものは、その人の感覚器官の差異により微妙に異なっている。 これは事実。 それを極端にして、他人の感情を視覚的模様(?)として認識する一種の超能力者を設定した着想は面白かったのだが、演出 が悪いのか脚本が悪いのか、下手なドタバタコメディみたいになっていて正直つまらない。 前半の悪役は「人は同じようにものを感じるべきなので、子供には『正しい』感じ方を教える」という方針の幼稚園の園長。 園児の描いた母親の絵に「哀しみ」を感じとった主人公に大して「これは優しいお母さんの絵」と見るべきだと主張する。 主人公は園長に逆らって幼児虐待の事実を突き止めるのだが、頭髪に隠れた傷跡を示すのに、昼寝中の園児を幼稚園から連れ 出して髪をぜんぶ切る必要はないと思う。 その後の虐待をする母親のみを悪人にしない展開が丁寧だったので、この不自然さが逆に目立ったしまった。 後半には、テレビ業界の闇の話が出て来る。 シリアスなテーマなのにドタバタコメディっぽい演出は、一種の「逃げ」か? 全体の印象としては、やりたいことがすごく分かるのにやり切れていない「惜しい」感じ。 意欲はあったのに、いろいろと事情があった、みたいなことか? そして主役の松坂桃李、耳が聞こえない人物を演じているはずなのに、ぜんぜんそう見えない。 「相手の唇を読んで会話している」設定なのだから、もう少しその感じを出して欲しかった。 寝ようと思ったら、Eテレでガロア理論の講義が始まってしまい、つい見入ってしまう。 五次方程式に根の公式が存在しないわけ。 さたにそのあと「ドナルド・キーンの日本」の再放送を続けて見てしまう。 キーン氏が「日本的感覚」として捉えた日本人の特性。 桜の花を愛する日本人は、儚さの中に美の本質を見い出すという話に『フランダースの犬』の話を思い出した。 (キーン氏によると「日本人は悲劇的な結末を迎えるヒーローに人間としての弱さがあることに同情する」のだそうだ) さて『フランダースの犬』というのは、19世紀のイギリスで愛犬家として知られるウィーダによって書かれた物語。 『フランダースの犬』の大雑把なストーリーは、 「主人公の少年ネロはとても良い子だったので、愛犬とともに天に召されることが出来ました。メデタシ、メデタシ」 である。(当時のキリスト教社会では、人間にとって最高の幸せは「天に召される」ことだった) さらに付け加えれば、ネロの死によって偏狭な地主コジェが改心するエピソードは、「人々を悔い改めさせるために十字架の 犠牲となったキリスト」をなぞっている。 つまりネロは「キリストに倣った行いの結果、天に召される」という最高の立場に置かれるわけだ。 この物語は、日本やアメリカにも紹介されたのだが、やがてキリスト教社会での「幸福」のイメージが「天に召されること」 から「家族と暮らすこと」に変化。 そこでアメリカ版の『フランダースの犬』は「良い子の主人公が最後に幸せになる」というストーリーの骨子は変えないまま ラストの部分を、 「死んだと思われたネロは葬式の最中に息を吹き返し、そこに行方不明だった父親もやって来て、一緒に暮らすことになりま した。メデタシ、メデタシ」 という風に変えた。 しかし、日本ではそのような改変はなされなかった。 この理由が長いこと私には分からなかったのだが、キーン氏の言う「日本的感覚」から考えると、日本人はこの物語を「良い 子が幸せになる物語」ではなく「悲劇的な結末を迎えるヒーローの儚さの美を描いた作品」と捉えたのではないだろうか。 どうでもいいことだが、少し前(2011年)に、フジテレビの「それでも、生きてゆく」というドラマの中で『フランダー スの犬』が「良い人間が努力をしても報われない」という物語として小道具的に使われ、絶望の象徴になっていた。 そして、私が驚いたのは『フランダースの犬』をそういう物語だと思って読んでいる人が、最近の若い人に結構いたこと。 (ドラマの中の「『フランダースの犬』のような物語が、なぜあるんだ?」という登場人物のセリフに共感したという感想が ネットに多数見受けられた) こういう世代に『忠臣蔵』を観せたら、 「仇討ちとか言って、徒党を組んで殺人事件を起こすような奴らは逮捕されて死刑になる」 という物語だと受け取るのだろうか? 午前1時を回ったので、寝る。
2015年11月19日(木)
朝。 フランスの同時テロの続報。 パリ郊外にあったテロリストの拠点を治安部隊が銃撃戦の末に制圧したそうだ。 それはめでたいニュースだと思って聞いていたら、逮捕者の中に首謀者がいなかったので現場の遺体をDNA鑑定することに なったが、銃撃戦の結果、建物が危険な状態になっているので作業が難航している……って。 遺体が、DNA鑑定じゃないと判別がつかない状態になっていたのか? かなりグロい場面を想像してしまう。 そして、銃撃戦の結果、建物が危険な状態になっているというのは、銃弾で建物がボロボロになったということか? この建物の所有者って、誰なんだろう? うっかりアパートを貸した相手がテロリストだったとかいう気の毒な大家さんがいるのだろうか? 朝刊の記事。 〈男女平等ランキング〉 〈日本101位〉 〈女性活躍へ道遠く〉 男女平等の度合いを指数化した世界経済フォーラム(WEF)の2015年版「ジェンダー・ギャップ指数」のランキングで 女性の地位を「経済」「教育」「政治」「健康」の4分野で分析したもので、調査対象は145ヶ国だそうだ。 順位が低かった理由を内訳で見ると、 経済分野:106位 女性の労働参加率が低く、男性との賃金格差も大きいため。 教育分野: 84位 高等教育への進学率が極端に低い(世界106位)ため。 政治分野」104位 女性議員が少ないため。 日本の女性の高等教育への進学率が世界106位というのは、驚いた。 オバマ大統領夫人が来日したとき、女子教育の重要性をアピールしたが、日本人はあまり関心を持たなかった。 たぶん日本の女子教育を十分だと感じていたからだろう。 しかし、高等教育への進学率が145ヶ国106位では、あまり威張れない。 学歴はその後の就職や賃金にも反映するものなのだから、とりあえずここから上げていかないと、世界的にみっともない。 昼。 「午後のロードショー」で「乱気流/タービュランス」を観る。 ストーリー。 刑事が証拠を捏造し、ある男を連続殺人犯として逮捕する。 男は無実を主張するが、聞き入れられない。 彼は、他の凶悪犯と同じ旅客機で護送されることになる。 その旅客機には、婚約者に振られた傷心のキャビンアテンダントが乗っていた。 やがて凶悪犯が機内で暴れて警察官を射殺。 無実を主張していた男は…… ちょっと犯人が正体を現すのが早過ぎな気がした。 そもそも凶悪犯を1人も同じ旅客機で護送したりするものなのだろうか? 凶悪犯と乱気流と危ない空軍、ヒロインが闘う相手が多過ぎて現実味が薄れ、緊張感より笑いが出てしまう。 出て来る男達が、別の旅客機の機長以外、ほぼ使えない奴ばかり。 最初はキャーキャー言っていたヒロインが、後半しっかりした有能な人間に変わるが、その変化のきっかけが分かり辛いので 「アレ? なんか人格変わった?」という感じで違和感が残った。 これ、犯人の正体をもう少し隠しておいて、正体の判明を「覚醒」のきっかけにすれば良かったんじゃないかなあ? ちょっと残念な作品だった。 午後。 運動がてら千川のスーパーまで歩く。 Gパンを買って自宅へ戻り、袋から取り出したら太いピンが刺さっていた。 (試着の時には、こんなものはなかったはずだが?) しばらく考えてから気がついた。 (これは万引き防止タグのピンだ!) タグを外したレジのおばさんが、ピンを外すのを忘れてしまったらしい。 田舎のスーパーでは、ありがちなこと? 体に刺さらなくて良かった。 夜。 「ザンビアの国営テレビ局に日本を取材して貰う」という企画の番組を観る。 興味深かったのは、やって来たテレビクルーがカメラマン以外女性だったこと。 そして、日本の商店街をテレビで観たザンビアの視聴者が興味を持っていたのが「男が働いていること」だったそうだ。 ザンビアでは市場で働くのは女性で「男達はビールを飲んでいる」のだそうだ。 そして温泉の取材では、カメラマンは「自分も温泉に入りたいから」とカメラを通訳に任せて仕事を放棄。 結果、素人の撮影ではあまりまともな映像が撮れなかったからか、放映の際には温泉のシーンは大幅にカットされていた。 ザンビアの男性の「労働」に対する意識を誰か取材して来て欲しい。(マジで) ザンビア人の日本についての知識は「えっ、忍者はもういないの?」レベル。 (一般視聴者ではなく、テレビクルーがそのことに驚いていたということに驚いた) しかし、日本からの経済援助で道路がいくつもあるそうだ。 ザンビアは、何しろ土地が広い。 国土面積が日本の2倍で、人口は10分の1なんだとか。 その広い国に、道路が建設され……現在ザンビアでは日本の中古車にすごく人気があるらしい。(^^) ちなみに、日本がザンビアから輸入しているものは、銅。 (日本の10円玉にもザンビアの銅が使われている) ザンビアの銅鉱山に日本の技術を投入するとか、もっと仲良くしていい国だと思ったな。 (日本にはせっかく石炭の採掘技術があるのに、最近CO2の関係で、石炭、不人気だし) 寝る。
2015年11月18日(水)
朝からぐずついた天気。 朝刊にフランスの同時テロの続報が載っていた。 〈「イスラム国」に包囲網〉 〈仏、ロシア軍とも共同作戦〉 〈利害交錯、温度差も〉 との見出し。 記事は、フランスがパリ同時テロの報復としてラッカ(ISの「首都」)への空爆を行ったことについて。 〈空爆のみでISの拠点を一掃することは困難とみられるが、ISへの対抗姿勢を内外に示す象徴的な意味合いがある〉 というわけで、実質的な意味では空爆はあまり効果がないらしく、フランスのオランド大統領は、 〈24日にワシントンで開くオバマ氏との会談で、軍事介入の強化を求める〉予定らしい。 (つまり「米軍の地上部隊を投入してね」ということ) 一方ロシアは、 〈アサド政権と敵対する勢力の一掃を優先しており、ISに標的を絞って掃討を急ぐ米国や欧州連合とは温度差がある〉 こんな感じ? 米国&欧州連合「ISをやっつけるのに、ロシアも協力してくれ」 ロシア「そうだねえ。ISとか反政府勢力とか、アサド政権に反対する奴らはみんなやっつけちゃうといいねえ」 米国&欧州連合「いや、やっつけるのはISだけで、反政府勢力にはむしろ味方してアサド政権もできれば倒したい」 ロシア「それはちょっと、ねえ。うち、アサド政権の味方だし」 午後。 買い物があってビックカメラへ。 私が出かけようとすると、なぜか雨が降るのだよな。 降る雨は傘で防げるが、足下がじんわり湿って来るのが嫌。 帰宅。 ネットの「らばQ」というサイトに、G7が開催されていたトルコのホテルのロビーで、オバマ大統領とプーチン大統領が、 通訳のみを同席させて話し合いをしている様子が撮影されたという記事が載っていた。 〈「どうやら、もっとも重要な会議はホテルのロビーで行われていたようだ…」G20の写真が注目を集める〉 昨日の日経(電子版)の記事。 〈プーチン氏、突然柔軟に…ウクライナ債務見直し〉 とかは、もしかしてこの秘密(?)会談の結果か? テレビのニュースは、アメリカ国内でのTPP反対の動き。 素人の理解の範囲では、アメリカの政党は基本的に、 民主党:国内問題重視 共和党:外交問題重視 で、TPPは、言うまでもなく外交問題。 民主党支持者である労働組合が、国内の雇用が減るとしてTPP反対を表明。 それを受けて、次回の大統領選での民主党の有力候補ヒラリー氏がTPP反対の立場を取った。 おまけに本来ならTPPに賛成の立場のはずの共和党でも、有力支持団体である医薬品関連業界がTPPに反対している。 ということは、ことによると来年の大統領選挙は、民主党が勝っても共和党が勝ってもTPPは白紙? まさかとは思うけれど、そうなったらアメリカの掛けたハシゴに思いっきり上がっちゃっている日本はどうなる? 夜。 「ヘイヴン」を観る。 エリック・バルフォーをガイフォークスに似ていると思うのは、世界中で私だけだろうか? ガイフォークスと言えば、この人形の仮面をトレードマークにしているハッカー集団「アノニマス」がISに対し、サイバー 空間での宣戦布告したのだそうだ。 この件、どこがどこの敵で、誰が誰の味方なのかが非常にややこしくなっている。 とりあえず「みんなISが大嫌い」で良いのかな? 寝る。
〈「どうやら、もっとも重要な会議はホテルのロビーで行われていたようだ…」G20の写真が注目を集める〉
2015年11月17日(火)
NHKの朝ドラ「あさが来た」を観る。 幕末から話がスタートしたので、ヒロインの髪型は当然のように日本髪。 でもヒロインは進歩的女性という設定なので、いつまでも日本髪というのは違和感。 「どうするのかな?」と、思っていたら、 炭坑で作業を手伝ううちに髪が乱れていく。 そこへ祖父の危篤の連絡。 慌てて駆けつけたヒロインの髪は取り乱した心情の演出っぽく大きく乱れる。 急いで結い直した髪は、元のようなきっちりした日本髪ではなくなっている。 (なるほど!) 日経朝刊の連載コラム「私の履歴書」。 今月の執筆者は洋画家の絹谷幸二さん。 1970年代、イタリアに留学中の絹谷さんは、アサリに埋まる海岸を見つけた。 経済的に苦しかった時期でもあり、持ち帰って食べたら先生に「貝は市場で買いなさい。漁師が困るじゃないか」と言われた そうだ。 また、アフレスコに使う石灰を買って自分で一論車を押して持ち帰ると、やはり先生に「それはファッキー(運び屋)の仕事だよ」と言われた のだとか。 絹谷さん〈人は支え合って生きている。イタリアの人々には、そんな考え方が根本にあると教えられた〉とまとめていたが、 私はイタリアの戦後復興が遅れたのは、こういう「それは他の人の仕事だから俺はやらない」姿勢にあったんじゃなかろうかと思ったな。 午前中。 昨日まで、なんかやんやでサボッていた部屋の掃除。 1号くんが来たので仕事関係の書類を書いて渡す。 午後。 ニコ動で「ワンパンマン」を観る。 今回のストーリー。 サイタマ(ワンパンマン)の弟子ジェノス(ヒーロー協会においてはサイタマよりかなり階級が上)が協会に呼ばれる。 行ってみると隕石落下の危機が迫っていることを知らされ、その処理を命じらる。 しかし、隕石を破壊すると飛び散った破片でそれ相当の被害が予想されるのだ。 逡巡するジェノスに先輩ヒーローのシルバーファングが「迷うな」と諭し、ジェノスは隕石を破壊しようとするものの失敗。 あわやというところへ駆けつけたワンパンマンが、隕石の破壊に成功する。 飛び散った破片でそれ相当の被害が出たものの、死者の発生は防ぐ事が出来た。 しかし、この被害が出た事を批判する声が上がる。 それに便乗したC級ヒーロータンクトップタイガー(彼はサイタマが今回の働きを理由に自分を追い抜いて昇進したのが気に 入らなかったのだ)は、「サイタマが出しゃばってジェノスたちの脚を引っ張ったために被害が生じた」というデマを流して 大衆を煽動するのだが…… 一緒にいた、いかにも強そうなジェノスやシルバーファングではなく、一見弱そうなサイタマだけを標的にする辺り、分かり やすい卑怯者だ。(笑) タンクトップタイガーのモデルは、故意にネットを炎上させる無責任な書き込みをする連中なのだろうね。 ところで、炎上と言えば乙武氏が、フランスの同時テロについて、テロを行う側との話し合いを提案してネットで炎上したそ うだ。 テレビに映った「街の声」では、「テロをやる奴らなどと話し合いをする必要はない。叩き潰してしまえばいいのだ」という 意見が目立っていたが、これはたぶんテロリストを「叩き潰せる相手」と認識していることから来た発言だろう。 もしもテロを行ったのが「国家」とかのより強大な相手だったら「叩き潰してしまえばいい」とはならないはず。 この辺が、たぶん乙武さんのような真っすぐな青年には気持ちが悪いのだろうね。 もうひとつ、ニュース。 「アッコにおまかせ!」という番組が、ゴーストライター事件の佐村河内守氏を取り上げた際に、名誉を毀損する人権侵害が あったとして放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が、再発防止を求める勧告を出したそうだ。 (「勧告」は人権委が出す最も重い判断) 佐村河内氏が会話する画面に「普通に会話が成立」などのテロップをつけて、視聴者に佐村河内氏が聴覚障害者を装っている かのような印象を与えたのが問題になったのだとか。 佐村河内氏の障害は「感音性難聴」である。 つまり「音は聞こえるが内容が聞き取れない」という障害なのである。 よって、佐村河内氏が「音」に反応したとしても、彼の聴覚に障害がないという証明にはならない。 ところが、事件当時、この知識はあまり広まっておらず「佐村河内は音に反応するから、彼が聴覚障害者だというのは嘘だ」 という説に「人気」があった。 番組は、完全にこの空気に乗った形のものだったようだ。 当時の佐村河内氏は「わるもの」とされ「弱者」であった。 たぶん、氏を叩くことには「弱い者イジメの楽しさ」があったのだろうと思う。 なぜ私がそう思ったか? この「アッコにおまかせ!」という番組、以前に初音ミクを取り上げた時にも似たようなことをやったことがあるのだ。 ボーカロイドを使って作曲を行う者が、まだ少数派であったとき「オタクの間でボーカロイドというソフトを使っての作曲が 流行っている」という話題を取り上げ、「ボーカロイドを使用する人間は社会不適合者だ」という演出で放送したのだ。 番組で取り上げられた「作曲家」は、コンビニバイトで生計を立てていることを笑い者にされていたが、これが仮に、もっと ポピュラーな楽器「ギターを使っての作曲」だったらどうだったろう? 「コンビニバイトで生計を立てながらギターで作曲をしている若者」を社会不適合者扱いしたら、多数のミュージシャンから 非難轟々だろう。 「シンセサイザーで……」だったら、坂本龍一大先生が黙っていまい。 でも、ボーカロイドを使う人間なら(当時は)少数派で、そんな有名人もいない。 この番組にはすでにこの時から「少数派は弱い、だから叩いてもいい」という基本姿勢が根底にあった気がする。 夜。 「CSI」を観ていたら、ホストクラブというものが登場して来た。 ホストクラブというのは、日本発祥なのだそうで(初めて知った)、登場人物のアメリカ人が「セックスをするわけでもない のに男に金を出す」というのが理解できないと、繰り返していた。 日本は「男性が会話で女性を楽しませる」という文化がなく、それを求めるなら、それ専用のプロが必要とされたということ なのかもね。 寝る。
2015年11月16日(月)
朝からずっと、はるこんの作業。 もうちょっと詳しく言うと「ハルコン・SF・シリーズ」(はるこんのゲスト・オブ・オナーの未訳短編を翻訳して頒布する もの)の翻訳する作業。 これを1日中ずーっと。 午後。 気がついて、カップ麺を食べる。 体が急にだるくなって来るのは、たいてい食事を忘れた時。 ニュースを見たら、フランスはシリアのIS本拠地に報復爆撃をやったらしい。 これってもはや「戦争」なんだろうか? ISから見たら、日本も「敵国」なのだろうなあ。 日が暮れる頃になって、ようやく第1稿を送信。 コインランドリーに行こうとしたら、雨。 雨の日のコインランドリーは、混んでいた。 Gパンを乾燥機で乾かして、帰宅。 寝る。
2015年11月15日(日)
朝。 雨が降っているようだ。 午前中。 はるこんの作業、進まず。 パリの同時テロは、ISの仕業だったようで「フランスのIS」が犯行声明を出したそうだ。 動機は「フランスがISの支配地域に空爆を行ったから」。 このISという組織、仕組みがよく分からない。 アルカイダにも「○○のアルカイダ」というものがあり、アルカイダの場合、それは「アルカイダの思想に共鳴する者」を指す のだと聞いた。 つまり「日本のビートルズ・ファン」が「世界ビートルズ・ファンクラブ」のような大きな組織の一員ではなく、単に日本に いるビートルズのファンを指したように、「○○のアルカイダ」もアラブで活動するアルカイダと何の連絡も取り合っていなく ても「○○のアルカイダ」と名乗っていたわけだ。 「フランスのIS」が、もしもアルカイダと同様の組織形態を持っているのだとすると、少々やっかいだな。 午後。 昨日が佐藤編集長の誕生日だったので、本日はパーティー。 2号くんたちのアパートを会場に、食べたり、飲んだり、飲んだり、飲んだり……。 家に帰って、寝る。
2015年11月14日(土)
朝のニュースを見たら「パリで同時テロ」と言っていた。 (犯人は前に漫画の出版社を襲撃した連中の仲間かな?) はるこんの打ち合わせ。 11時半にジョナサンで待ち合わせなので、11時前頃に店に到着して質問事項の整理。 肝心のチームリーダーが遅れて来るとの連絡。 そして、チームじゃないスタッフがやって来て……。 ただのスタッフ会議になってしまった。(泣) (オマール海老のスパゲティーを食べながら、無理やり英文についての質問をする) 午後。 通常のスタッフ会議。 5時まで。 そのあと、懇親会。 10時過ぎまで。 今日は12時間近く、はるこんの打ち合わせをやっていたことになる。 帰宅。 夕刊によると、パリの同時テロでは、少なくとも120人の死者が出たらしい。 フランスのオランド大統領が「国家非常事態」宣言したとか。 今後、戦争の時代が来るのかな。 20世紀の終わり頃は、世界は平和に向かうと思っていたんだよなあ。 寝る。
2015年11月13日(金)
朝起きて、はるこんの作業。 昼。 「ハワイ・ファイブ・オー」を観る。 野生動物の内蔵を原料とする漢方薬を頼みの綱としていた重病患者が、野生動物の違法取引する業者を取り締まろうとした捜査官を殺害するという話。 「野生動物を殺すなんてとんでもない奴だ」 と、怒る捜査官側に、イマイチ共感できなかった。 午後。 はるこんの作業。 夕方。 空想小説ワークショップ。 本日の講義は「逆バコ起こし」。 完成した映像作品から、逆に「ハコ書き」を書き起こすというもの。 放課後の飲み会。 職場でパワハラに遭ったという人がいたので、みんなで慰める。 帰宅。 明日は早いので、すぐに寝る。
2015年11月12日(木)
朝。 今日が木曜日であることに気づく。 (昨日の歯医者の予約を忘れていた) 予約の取り直しをすべきなのだろうが、どうも気が進まない。 はるこんの作業を開始。 こっちもあんまり捗らない。 午後。 「ムーン・パニック(DVDのタイトルは「IMPACT」、こっちが原題なのかな?)」を観る。 月に直径19キロの巨大な天体が衝突し、その結果、月が地球に落ちて来そうになる。 天文学者が直前まで天体の接近に気づかなかったのは、流星群の陰に隠れていたため??? そんなでかいもの、見落とすかい! (念のため、ちゃんと太陽光を反射する天体だ) ……という出だしで分かると思うが、ともかく科学的デタラメのオンパレード。 これがコメディじゃないのだから恐れ入る。 ある意味スゴイ映画だ。 科学的デタラメのみならず、ドラマとしてもよくわからない。 非常物資を積み込んでいる軍のトラックに若い女が「乗せて」とやって来る。 当然、断られる。 すると女はゲエゲエやり出して「つわりなんです」。 一緒にいた男がトラックの軍人に「彼女は身重なんです」。 それを聞いた軍人「じゃあ乗せましょう」。 (なんでやねん?!) 実はこの女、主要登場人物の婚約者という設定で、このあと人類を救うために危険を犯してロケットに乗り込む予定の婚約者 の元へ行き、愁嘆場を迎えるなくてはならないというストーリーの都合があったわけだが非常物資を緊急に運ぶトラックが、 つわりでゲエゲエやってる女を「身重なら乗せましょう」となるか? 普通「身重なら余計ダメ」だろう。 気分転換のつもりが、観ていてイライラしてしまった。 ニュース。 ミャンマーでアウン・サン・スー・チー氏の党が選挙で勝った件。 ミャンマーのインフラ整備事業をに関して、現テイン・セイン政権下で事業の受注を進めていた日本は、新政権を担うことに なるスー・チー氏の国民民主連盟とのパイプを急いで作らなくてはなった。 一方、テイン・セイン政権下で関係が冷えていた中国は、スー・チー氏に急接近。 素人の素朴な疑問。 日本の関係者は、選挙でスー・チーさんが勝つというのを、予測できなかったのかね? 国民民主連盟とのパイプを作っておくぐらいのことを、本当にやっていなかったのだろうか? もうひとつ、ネットのニュース。 〈政府予算に無駄がないか有識者が点検する「行政事業レビュー」の2日目の公開検証が12日行われ、理化学研究所のスー パーコンピューター「京(けい)」について、コスト抑制や国民への説明責任を果たすよう求める意見が相次いだ〉(読売) 河野行政改革相は「数ある事業の中で最も説明されてこなかったのがスパコン事業だ」と、述べたのだそうで、要するにこの スーパーコンピューターは、予算の無駄遣いをしている疑いがあるという認識らしい。 ここで思い出して欲しいのは、この「京」を事業仕分けで仕分けようとした民主党の蓮舫さんが、どんだけ叩かれたかというこ と。 「京を予算のムダ遣いなんて言う蓮舫はとんでもない」とか。 「蓮舫は『2位じゃだめなんでしょうか』とかほざいたそうだ」とか。 でも、自民党政権下でも、やっぱり「予算の無駄遣い」という認識に至ったらしい。 あのバッシングは何だったのだろうね? 夜。 「ぼんくら 2」を観る。 ふと気がついたのだが、登場人物の女性名が「おふじ」に「葵」に「お六」。 原作者の宮部先生、この作品を書いている時に、手元に『源氏物語』があったのかなあ?(笑) はるこんの作業、続き。 寝る。
2015年11月11日(水)
朝。 笑ってしまったネットのニュース。 〈飲食店がマイナンバーの一部を示すと受けられるサービスを今月から始めたところ、同制度を所管する内閣官房が自粛を求 めていたことが10日、分かった〉(読売) 店側は、事前に内閣官房の問い合わせ窓口に電話で確認をとっており、「いいとも悪いとも言えない」という回答だったため サービスを開始した。 ところが、10日になって「自粛してほしい」という連絡が来た。 内閣官房の弁によると「番号の一部を利用することを想定しておらず、窓口に周知していなかった」のだそうだ。 要するに、内閣官房としてはマイナンバーとは「極秘の個人情報である」という認識の下に「犯罪以外の目的でそんなものを 知りたがる人間がいるわけがない」と考えていた。 ところが、この制度を導入する際、以前に「国民総背番号制」が大反対に遭って廃案になった教訓から、下手に国民の関心を 引かないようにと配慮するあまり、「大した事のないもの」というイメージで周知した。 結果、国民が「大した事のないもの」という意識でマイナンバーを認識し、ツィッターで自分のマイナンバーをつぶやいちゃ ったり、今回のように焼き肉屋が「当たり番号」として使用してしまったりという事態が続発してしまったと。 (あーあ!) さて、はるこんの作業。 ……遅々として捗らず。 夕方。 ニュース。 ミャンマーの総選挙の結果、アウン・サン・スー・チー党首の率いる国民民主連盟が政権を取ることが確実になったそうだ。 さて、これからミャンマーはどう変わっていくのだろう? 夜。 NHKの「歴史ヒストリア」で谷崎潤一郎の特集をやっていた。 この人『細雪』を書かなかったら、単なる変態作家だたんじゃあるまいか? ちなみに、谷崎の作品では、私は「幇間」が好き。 マゾヒストの歓びがストレートに表現された非常に変態な小説で、簡単に言うと、帝国大学を優秀な成績で卒業したマゾが、 凋落した果てにかつての級友達の策略に掛かって笑い者にされるのだが、何しろマゾなので当人は却って歓ぶという物語。 マゾって、ある意味最強! 寝る。
2015年11月10日(火)
朝食を食べて、NHKの「あさが来た」を観る。 倒産して夜逃げをした姉娘の嫁ぎ先では、経済的に苦しい時に子供を産んだ嫁に姑が嫌みを言う。 倒産を免れた妹娘の嫁ぎ先では、跡取りの子供を産まない嫁に姑が不満を持つ。 ここで視聴者が愉快なのは、妹娘の婚家がかろうじて倒産せずにいる理由が、妹娘の商才によるものであるということ。 だから「商売にかまけて跡取りを産まない」と妹娘を非難する姑が、現実を分かっていないピエロに見えて面白いのだ。 朝ドラの主な視聴車層は、高齢女性なので、どうしても脚本はその年代寄りになる。 現代の話をやると「年寄りの言うことは正しい。若い世代はもっと年寄りの言う事に従うべき」になってしまう。 ぶっちゃけ「世の中を変えてはいけない」になってしまう。 これは、息苦しい。 で、このドラマ、時代を幕末に持って行ってしまった。 登場人物が頭にちょんまげを乗せて出て来れば、いかに高齢世代でも、ここで時代遅れのピエロの役回りを当てられている 「頭の固い年寄り世代」が、自分のことではないと認識できる。 自分たちの年代は、むしろ年寄りを痛快にやっつけている若い主人公に近い。 よって、ヒロインが「世の中をどんどん変えて行く」ということに拘り無く共感できる。 主人公が時代に新しい風を吹き込んで行く物語は爽快だ。 ちなみに、このドラマの主題歌の歌詞は、 ♪いつも見る夢は、私がもうひとりいて、やりたいこと好きなように何でも出来る夢 「現実の自分はやりたいことを好きなように出来ない」という意味だ。 これが平成の若者の現実だとすると、若者の目から見ても、幕末の時代の変わり目の風に乗り、やりたいことを好きなように どんどんやっていく主人公は、気持ちの良い存在であるのだろうな。 午後。 金曜日までに提出しておかなくてはならない空想小説ワークショップの課題を、ぜんぜんやっていなかったことに気づく。 慌ててノパソをポチポチ。 なんとか送信して提出完了。 夕刊に、 〈冥王星に氷の火山〉 という記事が載っていた。 半ば凍った状態の水や窒素、アンモニア、メタンなどで出来たどろりとして物質を噴出したと思われる火口のような地形が、 スプートニク平原の南側で発見されたのだとか。 高さは3〜6キロメートル(メートルに直すと、3000〜6000キロメートル)。 富士山は、3776メートルだから、日本にあったらすごく大きく感じる高さなのだろうな。 夜。 NHKの「クローズアップ現代」で、派遣労働法の改正についての特集をやっていた。 改正後の「派遣会社は派遣社員がスキルアップして正社員になれるように研修を行わなくてはならない」という内容について 工場労働者を多く派遣している派遣会社の人が「工場の大型機械の研修なんて、派遣会社でやるのは無理」と言っていた。 それはそうだろうと思う。 この改正案を考えた担当者、派遣社員として事務職しか考えていなかったんじゃないだろうか? 私も「派遣」というと、なんとなく「事務職の女性」というイメージを持っていた。 派遣工場労働者の存在に気づいて取材して来た取材班を、ちょっとリスペクト。 こういう「一般人の盲点」みたいなことをちゃんと見つけて取材して来る人が、プロのジャーナリストなんだと思う。 はるこんの作業の続き。 (土曜日がスタッフ会議で、その前にチームのリーダとの打ち合わせの予定があるのだ) それまでに、質問事項をまとめておかなくてはならない。 で、今夜は、寝る。
2015年11月9日(月)
寝不足。 ニコ動で「ワンパンマン」を観る。 普通のヒーロー者は、主人公がだんだんと強くなって行くのがパターンなのだが、この作品の場合、主人公は最初から最強。 主人公が闘うと一撃(ワンパン)で終わってしまうので「主人公が闘うまで」が物語の中心となる。 原作はネット漫画だそうだが、既存の漫画誌だったらうっかりすると編集者に「改善」されかねなかった設定だ。 今回は、1週間「ヒーロー活動」をしないとヒーロー協会から「ヒーロー資格」を取り上げられると聞いた主人公が、悪人を 探して街を走り回るというのが前半の物語。 もちろん街は平和で、主人公は困り果てる……という流れになる。 ふと思ったのだが、アメリカの作品だと「ヒーローが悪人に不自由する」というパターンはないな。 日本、平和な国なんだねえ。 「ワンパンマン」を観終わったところに2号くんが来る。 「ロボットが出て来るテレビ番組を録画しておいたので、部屋に来ないか」 という誘い。 (奴は私のロボット好きを良く知っている) 「ついでに、一緒に昼飯を食わないか?」 と、たぶんこいつのメインはこっち。(笑) 2号くんのアパートに行き、録り溜めしてあったという番組を観る。 録画してあった番組は「マツコとマツコ」という……確かに「ロボット」の番組だった。(^^; (この番組、使用していたアンドロイドの維持費がかかりすぎるとかいう理由で終了してしまったらしい。残念だ) 夕方。 「養老乃瀧」に飲みに行く。 帰宅したらメールが来ていて、はるこんの作業のことでメールが来ていた。 週末の会議の前に打ち合わせをすることになりそう。 夕刊にミャンマーの総選挙の記事が出ていた。 アウン・サン・スー・チー氏が党首を務めている野党が優勢とのこと。 ミャンマーは、この先、どうなるのかな? 寝る。
2015年11月8日(日)
朝。 メンサ・テスト合格者の会の会場予約のため、電話をかけたら話し中。 前回、会場に直接行った時には空いていたようなので油断していた。 慌てて外に出て、電話をかけながら会場に向かう。(良い子は真似しないように) 途中で相手が出たが、安い部屋は既に埋まっていた。 とりあえず会場をおさえて料金を支払いに行ったら、受け付けカウンターは空いている。 どうやらこの会場、直接会場に来る人は希で、みんな電話予約をするらしい。 帰宅。 はるこんの作業。 外は雨の音。 部屋の中では、自分がキーを打つ音。 空腹を覚えるとカップ麺にお湯を注ぎ(この間買った新製品だという108円のカップ麺)食べる。 ……不味かった。 (頭の中で「二度と買わないリスト」に書き加える) はるこんの作業。 途中で、外国人のスタッフから私の所属するチーム宛のメール。 著者に連絡をとってくれるらしい。 “As usual(いつもの通り)” と書いてあったが、私はこのチームで作業するのは初めてなので “usual(いつも)” がどうだか 分からない。 差し当たって、固有名詞の読み方について質問してみる。 午前2時過ぎ。 どうにか英語が日本語(っぽいもの)に置き換わった。 さてと、これからだ。 ……寝る。
2015年11月7日(土)
朝。 起きて朝食を摂り、NHKの「あさが来た」を観る。 ドラマのストーリーは、こんな感じ。 京都の老舗に娘が2人いた。 姉娘はしとやかで控えめ、妹娘はお転婆で出しゃばり。 2人は大阪の老舗に嫁に行くが、幕末の混乱で嫁ぎ先は共に倒産の危機に直面する。 姉娘は夜逃げした夫に従うが、妹娘は商売に口を出し、商才を発揮して店を持ち直させてしまう。 今回は、嫁ぎ先ですっかり頼りにされるようになった妹娘(主人公)が、新規事業を立ち上げるために九州の炭坑に向かう話だった。 テンポがいいので、観ていて楽しい。 続いて始まったニュース解説番組は、肥料の偽装。 有機肥料を作っていたメーカーが、有機肥料は臭いがして近隣から苦情が来るからと、有機肥料の袋に化学肥料を入れて販売 していたとかいう話。 「有機肥料栽培」を看板にしていた農家は大打撃だそうだが、謎がひとつ。 プロの農民が、臭いで違いが分からなかったのだろうか? 「いくらなんでもまさか」みたいな感じでスルーしちゃったのかな? 人から聞いた話。 とある地域に汚水の処理施設があった。 「汚水」と言っても、そこで処理していたのは水道水にする最終段階のものだったので臭いはないはずなのだが、なぜか近隣 の住民からしばしば苦情が来た。 その苦情が来る季節に偏りがあることに気付き、調べてみたら、その季節は家庭菜園を楽しむ近隣住民が畑に堆肥を撒く時期 であった。 漂う堆肥の臭いに、処理施設が濡れ衣を着せられたということらしい。 なので私の中では有機肥料は臭いで分かるというイメージがあるのだが、最近の有機肥料は進化して臭いでは分からなくなっ ているのかな? さて、テレビを観てゴロゴロしている場合じゃない。 はるこんの作業開始。 ひたすらに英文を読み続け……どうにか読み終わったのが午前0時過ぎをかなり回った頃。 かなりボロボロの状態で、寝る。
2015年11月6日(金)
朝。 民放の情報番組で『亜書』という書籍に関する話題を取り上げていた。 日本の法律では、本を出版したら国会図書館に納めなくてはならないことが決まっている。 そして、国会図書館は納められた本の半額を代償金として支払うことになっている。 で、この『亜書』。 タイトルから見ると「書物に次ぐもの」「書物を真似たもの」という意味になる。 つまり、書物に似ているが、書物ではないもの。 なぜかと言うと、書かれた文字の羅列に全く意味がないから。 アルファベットとギリシャ文字を適当に並べた者で文章は愚か単語すら形成していないのだ。 そして、問題となっているのは、この本の価格。 6万4800円で、90巻以上(続巻が予定されているらしい)。 これを法律通りに国会図書館に納めると、代償金が1冊3万2400円で、これに巻数を掛けるわけだから……。 そのため、これは単に代償金目的なのではないかという疑惑が生じたのだそうだが、問題は日本国には、 「本を出版したら国会図書館に納めなくてはならない」 「国会図書館は納められた本の半額を代償金として支払う」 という法律はあっても、 「内容のない本を出版するな」 という法律はないのだ。 例えば、この「独り言」をプリントアウトして製本し、ISBNコードを取って「本だ」と言い張れば本になり「この本には 6万円の価値がある」と、そういう定価をつけても法律的には何の問題もないことになる。 そもそも書籍は普通の商品と違って、書かれている「情報」の価値で価格が決まる。 装丁やページ数、使われている紙が同じでも「大学者先生70年がかりの研究の集大成」と「俺が適当に3日で書いた駄文」 では、価格が違って当然だ。 『亜書』の出版社の言い分では、この本は芸術作品なのだそうだ。 (だから6万4800円の価値があると言いたいらしい) 「芸術作品」と来たか! ちなみに「ピカソが描いた子供の落書きのような魚の絵」は、ちゃんと美術館に飾られている「芸術作品」。 ……なんてことを考えているうちに、番組はこの話題が終わって次の話題に。 「自分の子供が描いた名画やレコードジャケットの模写を美術品として展示している個人美術館」の話。 この「美術品」もちろん画力は子供の絵のレベルなのだが、来場者は満足している様子。 「芸術作品」は、難しい! 午後。 ひたすらに、はるこんの作業。 (2日間ほど現実逃避をしてサボッていたので、その分のツケ) SFって、難しい。 主人公が「むかし腕を切り落としたことがある」みたいなことを言い出し、訳し間違えたか何かの比喩的表現かと思ったら、 どうやら未来の世界では腕ぐらいは医者が簡単に代わりをくっつけてくれるという設定らしい。 一番困るのは、どんな姿をしているのか分からない生物の行動を訳すとき。 (モジャモジャなのかと思って訳していたら、どうやらウニュウニュだったらしいとか) 夜。 テレビでぼーっと「るろうに剣心」を観る。 明治政府が倒幕の際に雇った暗殺者を闇のうちに葬り去ろうとしたら、失敗して復讐されかけてさあ大変。 見どころはチャンバラ。 主人公が刀に手をかけた瞬間、取り囲んでいた捕吏がサァーッと後ろに引くところ、きれいだったなあ。 下手なリアリズムより、チャンバラ映画はこういう様式美が好き。 はるこん、来年のゲスト・オブ・オナーは、アン・レッキーさん。 もう何行か作業してから、寝よう。
2015年11月5日(木)
朝。 ネットのニュースで「ヤマハが普通のバイクに乗れるロボットを開発」というのを見た。 ヤマハは、言わずと知れたバイクのメーカー。 バイクとバイクに乗るロボットを作ったら、それで自己完結してしまうと思うのだが。 何に使うのだろう? バイク便のライダー? ロボット・バイクレースみたいな競技を作るとか? 午後。 「カサンドラ・クロス」を観る。 1976年に製作された映画で大変な話題作だったのだが、私は観ていない。 生まれ育った家に、映画館に行くという習慣がなかったためだ。 ソフィア・ローレンが美人で聡明で勇気と行動力を持ったベストセラー作家という、かなり完璧な女性を演じている。 女性医師に、女性の大富豪と、出て来る女性がみんな社会的地位が高い。 対する男どもは、上の言いなりの軍人とか麻薬中毒とか、あまりぱっとしない。 そういう時代だったのかな? 物語。 ジュネーヴの国際保健機構に潜入したテロリストが銃撃戦の最中に危険な細菌に感染してしまう。 テロリストは大陸横断鉄道に逃げ込む。 乗客が感染したらパンデミックになる。 そこで車内に客として乗っていた医師と国際保健機構の主任医師である女性医師が無線で連絡を取り合いつつ対処するのだが 実はこの細菌、アメリカ政府が兵器として開発していたもの。 国家機密を守る事を最優先する情報部の大佐は、乗客達を隔離施設に送る振りをして、老朽化した鉄橋カサンドラ・クロスに 誘導する。 おかしいと気づいた乗客たちは、見張りの兵士たちと銃撃戦を繰り広げ……。 ベトナム戦争終結が1975年のことなので、アメリカ政府と軍人は、当然のように悪役。 収容所のトラウマを持つユダヤ人が出て来るあたりは、時代だな。 このユダヤ人、最初は調子のいい商人という感じで出て来て、列車が収容所に近づくにつれて精神的におかしくなっていくの だが、こういうのが当時の「ユダヤ人」のイメージだったのかな? 映画が終わったのが3時半。 4時に家を出て、すみだトリフォニーホールへ。 今日は森下唯さん(ピアニート公爵の生き別れの兄)の「オールアルカン・リサイタル」があるのだ。 アルカンのCDの発売を記念したアルカンの曲だけのピアノリサイタル。 ジーグと古い形式によるバレエの音楽 作品24 軍隊風奇想曲 作品50 ソナチネ イ短調 作品61 サルタレッロ 作品23 夜想曲 第1番 作品22 すべての短調による12の練習曲 作品39より第4番〜第7番《交響曲》 会場でSF大会の出入りの業者さんとお会いして、びっくり。 米魂の時に作業しながらホワイエで行われていたピアニート公爵の演奏を聴き、気に入ったのだそうな。 確かに、1度聴くとクセになるよね。 ところで本日のピアニート公爵……じゃなかった、森下唯さんは、なんとなく弾きにくそうに見えた。 一緒に行った佐藤編集長によると「ピアノの調律が変だった」のだそうだ。 休憩時間にも調律をし直していたようで「日頃のピアノの手入れが悪いんじゃないのか」とか言っていた。 もちろん私には、そんな違いは聴き分けられなかったが。 米魂の企画局長と業者の人を誘って、4人で飲んでから帰宅。 寝る。
2015年11月4日(水)
朝。 午後から歯医者に行く予定を楽しみに目を覚ます。(嘘) ニュースは、日本郵政の株式公開。 上場するのは「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」だけで、「日本郵便」は上場しない。 郵便屋さんが株式上場して、収益重視で「効率を考えて、遠い所には届けません」とかなったら、困るものなあ。 昼。 テレビで「ライジング・サン」をやっていたのでつけてみたが、あまりに変な日本に引いて、途中で消してしまった。 (そもそもタイトル直後に画面に映った「日昇」という文字は何だ?) 午後。 歯医者へ。 痛い歯をキュイーンと削られて「また来週」。 夕方。 生命保険の外交員が交代したので「挨拶に」というので、駅前のドトールで会う。 でも、この会社の保険、去年の12月に切り替えたばかりなんだよね。 だから会っても何もやることがない。 2人でコーヒー飲んで、別れた。 (この人、何しに来たんだろう?) タオルもらったから、いいけど。 夜。 民放で、江戸から明治の時代を現代と比較するという主旨の番組をやっていたので、なんとなく観る。 江戸時代の蕎麦は蕎麦粉100%だったので、細く切って茹でると切れてしまう。 そこで、幅広に切って蒸し、そばつゆではなく塩をつけて食べていたのだそうだ。 実際に試食してみた出演者によると「酒のつまみに合いそうな味」だそうだ。 江戸落語に「蕎麦屋でぺえいちたあ本寸法だね(【標準語訳】蕎麦屋で酒を飲むとは正当派だね)」というセリフがあった りして、蕎麦屋は酒を飲むのが当たり前の場所というイメージで出て来るのだが、そもそもの「蕎麦」は酒のつまみだった? NHKで、渋谷の地下の再開発を特集した番組を観る。 もともと渋谷駅の近くを流れていた渋谷川が、東京オリンピックの時に上に蓋をされて、さらに今回の再開発で流れを人工的 に変えられたのだそうだ。 (なんか、川の神様が怒りそうな話だなあ) 寝る。
2015年11月3日(火)
文化の日。 何か文化的なことをやろうかと、池袋へ映画を観に行く。 「ギャラクシー街道」。 SFコメディ映画。 出だしのアニメーションが、明らかに「奥様は魔女」のオープニングを意識している。 この辺で「古き良き昔を懐かしむ物語」を期待した人も多いだろう。 舞台は宇宙ステーション内のハンバーガーショップという設定になっているが、この古臭さはどう見ても昭和の日本だし。 ところが…… この映画、各所で酷評されているらしい。 そりゃそうだろう、観て嫌な気分になる人間が続出する仕組みになっているのだから。 ひとことで言うと「みんなが大好きな懐かしの昭和って、実はこーんな嫌な時代だったんですよぉ」という映画。 髪を七三分けにして、宇宙人の客にあからさまに嫌な顔をする店長。 気の弱そうな金持ちに宇宙人娼婦を紹介するポン引き。 そして、人妻を誘惑しようとするセールスマン…… 宇宙人を「外国人」に置き換えてみると、当時の排他的な日本人の嫌らしさが浮き彫りになる。 根本的な問題は何も解決されないまま、映画は宇宙人の歌う歌で唐突に終わる。 そう、我々日本人は、実は何も解決していないのだ。 映画館で金を払って、深い反省の元に自らの欠点を見つめ直してみたい人にはお勧めの映画。 楽しい娯楽映画を希望する人は、他へどうぞ。 どうでもいい感想。 店長のかつての恋人の髪型が「宇宙犬作戦」の美しすぎる大統領を連想させ、西田敏行演じる「コンピューター」が「宇宙船 レッド・ドワーフ号」のメインコンピューター「ホリー」を連想させるので、たぶん製作スタッフ、どちらの作品も観ている んじゃないかと思った。 【ここから、ネタバレ注意!!!!!!】 1番の衝撃シーンは、遠藤憲一が綾瀬はるかの子供を妊娠して卵を産むなんてところより、主人公たちの悩みにわけ知り顔 でアドバイスをしていたコンピューター(西田敏行)が、単に相談する側が自分で選んだ都合の良い回答を喋る機械に過ぎ なかったと分かるシーンだな。 三谷幸喜監督の「俺はお前らの観たがる〈まやかし〉を作る機械じゃないんだよ」という宣言か。 寝る。
2015年11月2日(月)
朝。 はるこん関係のメールが来ていた。 私の担当する業務について。 締め切りが12月上旬ということで、あたふた。 夕方までずっとはるこんの仕事。 1ヶ月間は、日々こんな感じか? 気がついたら日が暮れていた。 ちょっと休憩。 ツィッターに目を通す ピアニート公爵のシンガポール公演は、どうやら無事に終了したようだ。 シンガポールの人たちは「トップをねらえ!」を知っているのかな? 知らずに聞いたとしても(実際、私は最初「トップをねらえ!」を観る前に「ガンバスター幻想曲」を聴いて感動した)、 十分に名曲だと分かって貰えたと思うのだが。 ニュース。 日中韓3カ国の首脳会談について。 やっぱり出て来た慰安婦問題。 これ、私の理解だと、朝鮮を併合した日本が、日本国内でやったのと同じように慰安婦の募集を行った。 公娼制度のあった日本では、吉原に「何名の慰安婦を」と発注。 朝鮮でも出入り業者(?)に、同様の発注を行った。 ところが、朝鮮には公娼制度がなかったので、私娼を買うのと同じ方法が取られた。(推測) 私娼というのは、売られた女性の側から見れば、大抵「騙されて」娼婦にさせられるのである。 戦後、朝鮮の慰安婦たちは「日本軍の慰安所で働いていた」ことで差別を受けた。(推測) ところで、韓国は国内的には(韓国の憲法の条文上)戦前から存在し、日本軍と交戦したことになっている。 しかし、国際的には戦後(1948年)に建国されたことになっている。 韓国としては「第二次大戦の戦勝国」として日本に賠償金を請求したかったが、日本に「その時代、韓国と言う国は存在して いなかったので、当然、交戦していない。戦勝国ではないので賠償金を請求する権利は無い」と断られた。 1961年のクーデターで政権の座に着いた朴正煕大統領は、財政的に苦しかったので、日本に認めさせるのが困難な「賠償 金」の請求権」を放棄する代わりに「経済協力資金」という名目で、日本から資金を受け取った。 しかし、このことが決定した会議で、韓国側が「慰安婦問題」を言い出さなかったので、この協力資金の使い道に、慰安婦に 関するものは含まれていなかった。(国同士の正式な経済協力金なので、使い道がきちんと決まっていた) これは本当に私個人の想像なのだが、韓国という国は戦前の日本と同様、女性の人権を軽視して来た国だったのだと思う。 で、時は流れて朴正煕元大統領の娘である朴槿恵氏が韓国の大統領になった。 彼女は、 1)「お前の親父は、日本への賠償金請求放棄とか下らないことをしやがって」と、長年言われていた人。 2)韓国初の女性大統領。 なので、 「そう言えば、日本の経済協力資金のうちに、慰安婦関連のものがなかった」 「これを日本に賠償金として請求すれば、倍書金請求放棄をやった奴の娘という悪評を覆せる」 かつ「女性の人権を大切にした、さすが初の女性大統領ということにもなる」 とか考えたんじゃないかと、想像してみた。 これに巻き込まれたのが、元慰安婦のお婆さんたち。 長年「日本兵に抱かれた女」と罵倒されていたのが、急に「あなたたちは日本の被害者。対日賠償請求のための大事な旗印」 に変わって戸惑ったのではないかと思う。 気の毒だが慰安婦として売られた彼女たちが、ちゃんとした教育を受けたとは思えない。 言われている事がよく理解できないまま、なぜか罵倒されていたのが大切にされて「酷い目に遭いました(これは事実だろう )」と言うと、周囲が大げさに同情してくれる。 知らないうちに「政治の道具」にされているのか、あるいは「政治の道具」であった方が「日本兵に抱かれた女」であるより ましだと思うのか。 たぶん、お婆さんたちの立場は、そんなものなのだと思う。 さて、安倍さんは、どうする気なのだろう。 たぶん今回の首脳会合は、アメリカに「やれ」と言われたものだろうから、そう不調には終わらせられないかな? 素人の考えでは、朴正煕大統領の時と同じように「金は出すけど『賠償金』という名目ではないよ」にするか。 でも、それじゃ朴槿恵さん、納得しないだろうなあ。 寝る。
2015年11月1日(日)
午前中。 アマゾンから届いた『戦争前夜』(牧野愛博 文藝春秋)を読む。 著者の牧野氏は、朝日新聞の現ソウル支局長。 そして、なぜか文藝春秋発行。 サブタイトルは〈米朝交渉から見えた日本有事〉で、帯のアオリは、 〈日本はすでに戦後ではない、戦前なのだ〉 そして、 〈スクープ!「日本列島空母化構想」〉 〈マル秘「日本有事3計画」の衝撃〉 ※「マル秘」は、○の中に「秘」 中身は、第1部が北朝鮮情勢で、第2部が日米安保の舞台裏。 それに「プロローグ」と「エピローグ」が付くのだが、ここだけ少し文体が変わっていて、五島勉さんの書く文章みたいにな っている。 ……ざっと読んでみた感想。 第1部は、「ソウルから見た北朝鮮」という感じ。 詳しいのだが、ある程度の予備知識がないと振り落とされる。 第2部は、外国から見た日米安保というか、日本の外交。 アジア外交戦略の一環としての日朝外交を望むアメリカと「拉致問題」にしか興味を抱かない自国民の人気を気にして外交を 行う日本。 そうかと思うと能天気に北朝鮮を信じてしまうアメリカのお人好しぶり。 興味深かったのは、最近の北朝鮮と中国の関係。 金正恩の専横ぶりに、北朝鮮の要人は国益より保身を優先しているとか。 金正恩は、自国が中国より格下に扱われること(国力から見て当然のことだと思うのだが)が気に入らず、中国嫌いになって しまっているとか。(マジかい?) 私が感じていた北朝鮮の外交の「え、なんで?」の理由が説明されている気がした。 アジア外交のわけの分からない部分を少し理解するのには役に立つ本。 但し「プロローグ」と「エピローグ」の部分を除くと、帯のアオリほど過激なことが書いてある本ではないので、そういう ものを期待した人は、少しガッカリするかも知れない。 夕方。 SF乱学講座。 タイトル:エインシェント=フューチャー 講師:小林武人氏(ポストデジタル・アーティスト) 大藪龍二郎氏(陶芸家) 本日の講師は2人で、最初に大藪さんが話をされた。 画家の息子に生まれ子供の頃から芸大に出入りしていて4浪して芸大に入り陶芸を学んだ方だそうで、縄文土器をイメージし た陶芸作品を製作されているそうだ。 この人の作品は、一応、壷とかの「容器」なのだそうだが、縄文土器をイメージしただけあって、過剰なほどの装飾が施され ていて実用品ではない。 そしてとても残念なことに、私が「飾り物」に価値を見いだせない人なのであった。 芸術的な作品なのは分かるが、「欲しくないモノ」という感想になってしまう。 話の中で、私が最も興味を惹かれたこと。 最近の陶芸品は、高温の窯で焼かれるので硬いが、割れると粉々になってしまう。 しかし、縄文土器は低温の窯で焼かれているので、割れやすい代わりに破片が大きい。 よって縄文土器の方が、破片からの復元が容易。 そして、現在、残っている縄文土器がみな複雑な形状をしているのは、「貴重品」の方が大切に扱われるので壊れずに済んだ から。 さて、もうひとりの講師、小林武人氏は、3Dプリンターで「クールな義足の装飾パーツ」を作っておられるそうだ。 取り付けると義足がアニメの巨大ロボみたいになるパーツ。 まあ、私の知人に「迷彩柄の義足」を愛用している人がいるから、需要はあるのかな? いつも通り「包茶」で食事をして、帰宅。 寝る。2015年10月分へ 目次へ
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