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独 り 言 (2015年7月分)
2015年8月分へ

2015年7月31日(金)
気がつけば7月も末。
今日も暑い。

午前中。
地味な事務作業。

昼。
ネットでニュース拾っていたら、第23回日本トンデモ本大賞に、小学生向け教材「私たちの道徳 小学校5・6年」が選ば
れたことを知る。
日曜日にトンデモ本大賞の投票があったらしい。
(しまった! ネット中継を見損なった)

「私たちの道徳 小学校5・6年」には、例のインチキ伝承「江戸しぐさ」が本物の伝承として記述されている。
文科省のサイトには〈児童生徒が道徳的価値について自ら考え,実際に行動できるようになることをねらいとして作成した
道徳教育用教材〉
と書いてあるのだが、嘘の伝承をデッチ上げて広め、講習会とか言って金を集めるのは「道徳的価値」に照らしてどうなの
だろうな。
(これって下村文部科学大臣に賞状が届くのかな?)

午後。
部屋の掃除。
ぜんぜん捗らない。
出て来た本を「片付ける前に一応目を通すクセ」がいけないのだろうか?

夜のニュース。
東京電力福島第一原発事故で、業務上過失致死傷容疑で告発された当時の東電役員3人について、東京第5検察審査会が、
「起訴議決」。

2008年に、15.7メートルの津波の可能性を示す試算結果を東電側が得ていたことから「10メートルを大きく超える
巨大津波と事故を具体的に予見できた」と判断したのだそうだ。

この津波、当初「想定外」のものとされていたのだが、あとになって「実は、あの土地は有名な津波多発地域だった」とか
「実は、津波の危険性を示すデータが既に出ていた」とかボロボロ。

原子力発電所は、事故を起こしたらとても危険なものなのだから、建てる時には慎重の上にも慎重を重ねなくてはならない
はず。
確かに「100%の安全」は有り得ない。
だからといって「津波多発地域に水を被ったら爆発するような原発を建てるのも仕方が無い」にはならない。
「100%の安全は求めないが、そこまで危ないものはNG」だよな、やっぱり。

新聞のテレビ欄を見たら「永遠の0」をやるらしい。
「探偵ナイトスクープ!」のシナリオライターが書いた小説が原作の映画で、特攻隊の話なんだとか。

「探偵ナイトスクープ!」は、一般人が送って来た「ネタ」を、プロの番組製作陣が演出と編集の技で面白おかしく仕立てた
バラエティ番組。
素人の「ネタ」を上手に盛り上げる番組制作の「技」については私も評価しているのだが……。

(「探偵ナイトスクープ!」で「特攻隊」か……)
なんか「食い合わせ」が悪い気がするので、観ないで寝る事にする。

2015年7月30日(木)
朝。
「まれ」を5分ほど見て、ついにテレビを消す。
「一方的な発言をする姑に、周囲が気圧されて反論を封じられる」というシーンだったのだが「気圧される」側の登場人物が
これまでのストーリーで「周囲をものともせずに自分の意見を押し通して来た気の強い女たち」という設定のキャラばかりな
ので、ものすごく不自然。
(明日はもう観ないかも……)

朝刊に、2020年の東京五輪のエンブレムが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴと酷似しているとして、劇場の方のロゴを
デザインしたデザイナーが「弁護士と対応を協議している」と述べた……という記事が載っていた。
新聞の白黒写真で見比べた感じでは、素人目に見て「確かに似ているなあ」と思う。

これに関する東京五輪・パラリンピック組織委員会の広報課長コメントは、
「国際的な商標登録の手続きを経てエンブレムを発表している。特に本件に関して懸念はしていない」
だそうだ。

昼。
東京五輪のエンブレムについての続報。
今度は、スペインのデザイナー事務所が作った「東日本大震災からの復興のために作った画像」と配色が同じだと言う話だ。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は、
「半年以上かけて世界各国で似たようなデザインがすでに登録されていないかどうか、IOCと情報交換しながら確認した」
「佐野研二郎さんのデザインに内定したあと、世界各国の商標を確認しながら、すでに登録されているものに抵触しないよう
にデザインを少しずつ変えてきた」
と説明しているそうだ。

つまり「世界各国の商標を確認したら似たデザインのものがあったので、抵触しないように既に内定していた佐野研二郎さん
のデザインを少し変えた」ということか?
だから、ギリでOKという考え?

法律上はそれで大丈夫なのかも知れないが、素人目に見て五輪のロゴは、ベルギーのデザインとスペインのデザインを足して
2で割ったデザインに見えるのだよね。
どちらとも半分しか似ていないから著作権的にはOKなのかもしれないが、この3つを並べて見せられると東京五輪のロゴが
つくづくオリジナリティーのないデザインに見えて、トホホな気分になる。

こういう、あまりにも似たデザインが見つかった場合「抵触しないようにデザインを少し変える」とかいう小手先のことをし
ないで、いっそ1から全部やり直した方が良かったんじゃないか?
国立競技場の例もあるのだから。

午後。
昨夜「行方不明」になった友成純一郎さんの生存が確認されたという知らせがTwitterに流れる。
友成さんから朝松健先生に電話があったのだそうで、友成さんは「博多で飲んでた」のだそうだ。
ご無事だったのは何よりだが、なぜ自分が企画したイベントの当日、会場に来ないで博多にいた???

夕刊。
厚着飛行場の騒音訴訟について、東京高裁で「来年末まで自衛隊機の夜間、早朝の飛行を差し止める」という判決が出たそう
だ。
「差し止める」と言っても、自衛隊機は既に自主規制で夜間や早朝には飛んでいないし、その時間帯に飛行している米軍機の
飛行差し止め関しては「国の支配が及ばない」認めていない。
早い話がこの判決、実質的には単なる「現状維持」なのだ。

この間、調布で飛行機の墜落事故があったりして航空機に対する世間の目が厳しくなっている今、下手に原告に不利な判決を
出して世論の反感を買い、うっかり沖縄の米軍基地の反対運動にでも結びついたりしたら面倒だから……と裁判官が考えたか
どうかは分からないが、
〈原告側「画期的な判決」〉
というはしゃいだ記事の割には「なんか大した事ねーな」と思う。

同じ夕刊の〈プロムナード〉というコラム。
本日の担当執筆者はエッセイストの宮田珠己さんで、タイトルは〈科学の進歩と仕事〉

会社員だった頃に「取締役の携帯電話を運ぶ係」をやっていた宮田さん、当時はアタッシュケースほどの大きさがあった携帯
電話を肩から下げて取締役の出張に同行するという業務の担当者だったのだそうだ。
それが、携帯電話の小型化により、その業務が無くなってしまう。
〈まさに科学技術の進歩によって、私の仕事が奪われたのである〉

同様に、あと何年かすると無くなってしまう仕事というのがあるだろう。
例えば電車の運転士。
お台場を走っている「ゆりかもめ」は、既に自動運転。
基本的に踏切のない地下鉄なんかにも同様のシステムを取り入れる事は可能な気がする。

RFID(被接触のデータ読み書きシステム)が普及すると、スーパーやコンビニでの清算が改札口方式になるかも。
カードかスマホをピッして店を出る感じ。
スーパーのレジ係が大量失業してしまいそうだ。
……などと、妄想は果てしなくひろがりんぐ。

夜。
友成さんの件、さらなる続報。
韓国で飲み過ぎて博多まで戻ったものの、寝過ごしてしまい、起きたら真夜中だったのだとか。
国際的に酔いつぶれる人だな。(笑)

寝る。

2015年7月29日(水)
朝。
連続テレビ小説「まれ」を観る。
人手不足(特に女手)がなくて大変なことになっている夫の家を支えるため、フランス修行を諦めて夫の家に行った主人公。
そこに突然現れた強烈なキャラクターの「姑」。
(アレ? こんな人、いたっけ?)

主人公とその夫は、小学校時代からの幼なじみという関係。
高校時代には、主人公は後の夫となる同級生の家庭問題に盛んに首を突っ込んでいた。
ならば「夫の母親」とは旧知の仲でなくてはおかしいはずだが???

(このドラマ、時計代わりにつけているだけなので私が見落としていたのかな?)
と、思ったのだが、後番組の女性キャスターがドラマについて、
「結婚式の時に、あの人いましたっけ?」
とコメントしていたので、やはり唐突な登場であったらしい。

そもそも「どうしても女手が足りないから」と、主人公が夢であったフランス行きを諦めてまでやって来た家に「夫の母」が
いるというのが理屈から言っておかしい。
(彼女がこの家の「女手」として働いてはいけない理由もなさそうだ)

何を考えているのだろう、このドラマの脚本家?
最終ページで、伏線もなしに真犯人が登場するミステリー並の違和感。

午後。
ボケ防止に良いと言うのでノートに左手で文字を書く。
平仮名はなんとかなるが、漢字がまるで書けない。
ちょっとムキになりはじめる。(笑)

夜。
新宿の「ライブワイヤー(「旧ビリビリ酒場」と言った方が分かりやすいか?)」へ。

店に入ろうとしたら、米魂の企画局長から電話。
「あまり良い話じゃないんだけどね……」
って、この時期に企画局長から電話があって「良い話」の訳がない。
予想通り、トラブルが発生した模様。
(あーあ、土曜日の企画会議は休もうと思っていたのに行かざるを得ない)

さて、本日のイベントは「大顰蹙ホラー&SF番外地・世紀末をとうに過ぎて」。
主演は友成純一さん、聞き手が大森望先生ということで、出かけたのだが……

開演は7時半の予定で、7時10分に大森先生が到着。(ここまでは順調)
店の人が「友成さんに連絡がつかない」とか言っているのが耳に入る。
(まあ、こういうイベントでは開始直前に滑り込んで来る出演者というのもいるし……)

開始10分前。
店の人があっちこっちに電話している。
「どうやら2日前辺りから消息不明のようで」
とか聞こえるが、まだこの辺では苦笑いの段階。

開始5分前。
まだ、友成さんと連絡がつかない模様。
後の席にいたK合くんに「自分が仕切ってるイベントじゃなくて良かったよ」と話しかけたら「マジに」と返される。
お店の人、電話かけまくり。

開始時刻。
ついに店長(だと思う)が、マイクを持って壇上に。
主演の友成さんが来ないということと、朝松健先生に電話が繋がっているので、電話の隣にマイクを置いて友成さんが到着す
るまで朝松先生に電話口で「友成先生について」を語って頂くことにするというアナウンス。

朝松先生が電話の向こうでしゃべり、大森先生が壇上で相槌を打つというなんか変な光景。
しゃべりながら、入り口のドアをチラチラ。

しかし、友成さん、一向に来ない。
連絡もない。

「友成くんは、悪い奴じゃなくて……」
と語り始めた朝松先生、語っているうちに怒りが込み上げて来たのか、次第にスゴイ方向(さすがにここでは書けない内容)
に話が盛り上がって来る。
終いには激高した声で「もう今夜限り友成とは縁を切る!」(朝松先生、落ち着いて下さい!)

そんなわけで、次に舞台に引っぱり上げられたのは、友成さんの担当編集者の方。
客席にいた「友成さんの中学・高校時代の同級生」とかにもマイクを回して、どうにか終了予定時刻まで話を繋いだ。
(店側からは「今回のイベントにご不満の方は払い戻しをします」と言われたが、さすがにこれは店のせいじゃないよなあ)

私は店内で食事をして、11時までその店にいたが、ついに友成さんは姿を見せなかった。
副都心線で帰宅。
家についてからも友成さんの行方が分からないかとTwitterを検索してみたりしたが、続報はないようだ。
(本当に、どうしちゃったんだろうなあ?)

寝る。 

2015年7月28日(火)
午前中。
夜勤明けっぽい1号くんがいきなり遊びに来て、そのまま2人で昼食を食べに行き、勢いで服を買うのに付き合うことに。
1号くん、タテ縞模様のズボンとヨコ縞模様の靴下という出で立ちで、
「トップスは何がいいと思う?」
と、聞くので、タテ・ヨコ縞のチェックを勧める。
(本当に買った)

「『ベイマックス』のDVDがあるんだが」
と、誘われたので部屋へ行き、一緒に観る。
「悪党のせいで娘を失った男の復讐を、主人公が邪魔する」というストーリーの映画。
男の復讐ための行動に巻き込まれて主人公の兄が死亡したので、主人公が男に復讐しようとするわけだ。

(ディズニーにしては、なんか観ていてスッキリしないストーリーだな?)
と、思って聞いたら、原作がマーベルの「ビッグ・ヒーロー・シックス」なのだそうだ。
「スパイダーマン」とか「Xメン」とかのスッキリしない系の漫画をよく出しているところだ。
ナルホド。

帰宅。
夕刊(日経)のコラム「あすへの話題」に元中国大使の宮本雄二氏の文章が載っていた。
1969年に外務省に入って中国課で実務研修をしたという宮本氏、
〈中国共産党の文献を真面目に読んでいると、先輩から「共産党の文献をいくら読んでも中国のことは分からないよ。三国志
や水滸伝を読みなさい」と言われたことを良く覚えている〉
と書いている。

1969年「中国共産党第九回全国大会」において、毛沢東の後継者の地位に就いた林彪が、政治報告を行った。
宮本氏は、この報告は大事なはずと思い〈赤線を引いて勉強した〉らしい。

ところが2年後の1971年、林彪はクーデターに失敗した挙げ句に逃げる途中で死亡。
〈その後、第九回党大会のことも、林彪の政治報告のことも、中国では誰も口にしなくなった〉
という結果になる。

私自身、中国人の多い地域に住んでいるので中国人と接触する機会も無い訳ではない。
面白いのは「規則で決まっています」というと日本人は「規則なら」と納得してくれるのだが、中国人はしばしば「その規則
は誰が決めたのですか?」と、質問し返して来るのだ。

三国志や水滸伝、そして林彪の例を見ても分かる通り、中国は栄枯盛衰が派手な国。
仮に「林彪が決めた規則」というのがあったとしよう。
その規則は「中国共産党第九回全国大会の政治報告」同様に、林彪がクーデターに失敗した後は無効になってしまった可能性
が高い。
下手にその規則を守っていると「林彪の決めた規則を後生大事に守っているところを見ると、さてはお前は林彪の一味だな」
なんてことになって自分の身まで危なくなってしまうかも知れないのだ。
だから「その規則は誰が決めたのか?」は、たぶん中国人にとっては、かなり重要な問題なのだろう。

そして大きく世界を考える際に、日本の政治家、外交官が「中国」という国を捉えようとした時「今の中国」だけを見てい
も訳には立たないのだろう。
宮本氏に「共産党の文献をいくら読んでも中国のことは分からないよ」とアドバイスしたという先輩の人、さすが中国が良く
分かっていたろうな。

寝る。 

2015年7月28日(月)
暑い。
だるい。
そして右のまぶたが腫れている。
(夏風邪で体力が低下して、体内の細菌が活性化した?)

午前中。
昨日の調布の小型機墜落事故のニュースを見る。
改めて見てみると、中学校のすぐ近くに落ちたのだのだと分かる。
それ以前に、飛行場周囲が住宅だらけ。

昼。
「エレメンタリー」というアメリカのドラマ。
本日のエピソードは「危険なフライト」で、シャーロック・ホームズが小型機墜落事件の謎を解くという話だった。

昔、旅客機の墜落事故があった直後に放映された「刑事コロンボ」で、予定されていたのが飛行機が出て来るエピソードだっ
たので、他のエピソードに差し替えられたことがあったのだが、今回はどうやら問題無しと判断されたようだ。
シャーロック・ホームズが、小型機を墜落させるトリックについて語る場面を興味深く観る。

午後。
「ベイブ」を観る。
1995年制作のアメリカ映画。
当時のアメリカの田舎の生活が詳しく描写されているのが面白い。
都会で暮らしている息子から、ファクシミリとい
う「手紙を電話みたいに送れる機械」をプレゼントされて戸惑うシーンに、
(そう言えば、私がFAXを初めて買ったのは1991〜2年頃だったな)
などと思い出す。
(当時は「自宅にFAX」が格好良かったのだ)

夜。
「クローズアップ現代」は、調布の小型機墜落事故の特集。
調布飛行場では、1980年にも中学校の校庭に小型機が墜落する事故があった。
住民からの抗議を受けて行政が「発着回数を減らす」方向に改善。
その方法として、新規の機体の受け入れをしないことにした。

つまり古くからその飛行場を利用している「機体」しか調布飛行場を使えない規則としたのだ。
(そうすれば、機体が古くなって使えなるので、だんだん飛行場を使用する機体が減るという予定だったらしい)
しかし実際には機体が古くなっても買い替えると飛行場が使えなくなるなら、古い機体をそのまま使うということになる。
機体が古かったことが直ちに事件の原因だとは言わないが、ちょっと行政の対応の仕方がまずかったのではないかと思う。

どうやら役人は「機体が古くなったら飛行場を使うのを諦めるはず」という方向で物事を考えたようだ。
なんとかして飛行場を使いたい民間企業の人間が「無理をしてでも古い機体を使う」という風には考えなかったらしい。

役人は「少々高くついても規則通り」が常識だが、民間企業は「規則的にはグレイでも経費の節約が出来た方がいい」と考え
るのが常識。
この常識のズレが元で起きるトラブルが山ほどあるのに、役人はその度に、
「規則を守るのは正しいことだ」
「我々は正しいことを言っている」
「だからトラブルが起きても我々の責任ではない」
「我々の責任ではないから我々には改善すべき点はない」
という主張を繰り返す。

いい加減「誰の責任か」より「トラブルが起きないためにはどうすれば良いか」を優先する方向に発想の転換が出来ないもの
なあ?

……寝ようか。 

2015年7月25日(日)
昨日、荷物を背負って蔵前をウロウロしたせいか、まだ筋肉に疲労が残っている。
「クラタスvsメガボット」のメガボッツ社が考えている試合のイメージの動画らしきものを見つけた。
“MegaBots: Giant Fighting Robots Kickstarter Video” という昨年公開された動画だが、見た感じロボットに乗ってやる
サバイバルゲームみたいな感じだ。

搭乗型ロボットに乗って遊ぶのは楽しそうだし、サバイバルゲーム自体も楽しいものなのかも知れないが、この2つを合わせ
た遊びは、果たして楽しいだろうか???

動作がゆっくりで、しかも大きくて的として狙いやすい搭乗型ロボットでは、あっと言う間に「ヒット」を取られてしまうだ
ろうから、すぐに試合が終わってしまう。
(どういう試合をするつもりなのだろう?)

昼。
テレビをつけたら「調布で小型機が墜落」というニュースをやっていた。
住宅地に飛行機が墜落したのだそうで、死者も出たらしい。

日曜日に家に居て飛行機に落っこちて来られるなんて、防ぎ様の無い事故だ。
亡くなられた方はお気の毒としか言いようがない。
住宅が1軒、丸ごと燃えてしまったらしく、テレビ画面に焼け跡に小型機の尾翼部分がひっくり返って落ちているのが映る。

続いて、スマホか携帯で撮影したらしい事故直後の映像。
こういうのは、取材に行った記者が付近の住民を訪ねて「動画を撮影していた方はいませんか?」とか言ってもらって来るの
だろうか?

どうでもいいこと。
こういうアマチュアが撮影した動画のことを民放は「住人の撮影した映像」と紹介するのだが、NHKは「視聴者が撮影した
映像」と紹介するのだな。
「一般人=視聴者」なのだろうか、NHKは?
「テレビは持っていないがスマホは持っている人」とかもいると思うがなあ。

午後。
佐藤編集長に誘われて、西武で食事。
閉店直前のリブロがせっせと配りまくっていた今月末まで有効の食堂の割引券というのがあったので。
受け取ったのが1週間前だから「あと半月で使えなくなる割引券」って、普通はちょっとアレかと思うのだが、今回のリブロ
の場合は、なんか許せる。
ちなみに食べたのはスペイン料理。
池袋にはスペイン人が多いらしく、スペイン料理店も多いのだ。

西池袋でハーブを買い、ビックカメラとキャン・ドゥへ寄ってから帰宅。
これだけの移動で、少し熱中症っぽくなった。
途中で自販機で水を買って飲んだのだが家に帰り着いてしばらくは、ぐったり。

夜。
〈「池上彰の戦争を考えるSPの第6弾「教科書に載っていない20世紀」あの「言葉」が世界を変えた?!〉を観る。

満州国建国の正否を審議した1933年2月24日の国際連盟特別総会において、国際連盟脱退を宣言した松岡洋右首席全権
が、実は自分は日本国民の期待を裏切って仕事に失敗したと認識していたという話が興味深かった。

実際には日本の新聞は〈連盟よさらば! 連盟、報告書を採択し我が代表堂々退場す〉と「連盟を辞めた松岡さんカッケー」
式の報道をしており、糾弾されるつもりで帰国したのに英雄として迎えられた松岡さんは、戸惑ったらしい。

まあ、普通に考えれば「国際連盟に満州国建国を認めさせる」目的で出かけて行って「認めてもらえなかったので連盟を辞め
て来ました」じゃあ、「失敗」と捉えた松岡さんの認識の方が正しいよね。

それをあたかも「松岡さん、大成功」みたいに書いた当時のマスコミについて、池上さんは「その方が新聞が売れたんです」
と、身も蓋もない解説をしていたが、たぶんその通りなのだろう。

さて、その後の松岡さん、ともかくアメリカと戦争するのはまずいと思ったようで、ドイツ、イタリア、そしてソ連と手を組
んでアメリカを牽制しようと考える。
で、ドイツ、イタリアとの三国同盟を結ぶと同時に、ソ連とも交渉を進めていたのだが、ドイツがソ連に攻め込んでしまった
ために、この計画はおじゃんになる。
後に松岡さん、この三国同盟を悔やんでいたらしい。
つまり松岡さん自身の自己評価では、国際連盟脱退も失敗なら、日独伊三国同盟締結も失敗にカウントされていたのだ。

もうひとつ興味深い話。
ヒトラーの演説。
派手な語り口やジェスチャーにばかり目がいくが、内容を文字に起こして内容を分析すると、彼がしばしば口にしていた言葉
が「平和」であったことが分かる。
ヒトラーは自分のやっていることを「平和のため」の行動なのだと主張していたのだ。
政治家の口にする「平和のため」という言葉がいかに信用できないかがよく分かる。

そしてさらに面白い点。
このヒトラーの演説を後のケネディの演説と比べると、内容的に笑えるほど似ているのだ。
(もしもケネディが暗殺されなかったら、彼はどういう政治家となっていただろう?)

ヒトラーとは、経済政策で支持を集め、その支持を後ろ盾に憲法解釈の変更を行った政治家だったというのがまとめかな?
あと「国内にいる異民族」の悪口を言い始めたら、その政治家には気をつけないといけない。

さて、この番組を放送したのはテレビ東京なのだが、日本経済新聞社とテレビ東京による24〜26日の世論調査によると、
内閣支持率は6月の前回調査から9ポイント低下の38%、不支持率は10ポイント上昇の50%だったそうだ。

参考までに、
 朝日新聞:支持37% 不支持46%
 毎日新聞:支持35% 不支持51%
産経・FNN:支持39.3% 不支持52.6%

そして読売新聞も、24〜26日、の調査で、支持率43%で、前回調査(7月3〜5日)の49%から6ポイント下落。
不支持率は49%と前回の40%から9ポイント上昇。

朝日や毎日の報道で内閣支持率が低いのは不思議ではないが、これまで安倍内閣よりだった産経、読売、日経の調査でもこの
有様。
まあ、とりあえず読売だけは40%を越えていたが、それでも不支持率の方が高い。

新聞が「売れる」ことを目指す以上、この支持率の傾向は、今後の記事の書き方に影響を与えるだろうと思う。
比べたら悪いが、小泉さんの方がマスコミをコントロールする力はあったよな。

寝る。

2015年7月25日(土)
朝。
ネットのニュースに目を通していたら、
〈屋久島に内閣府参事官の遺体、川で流された?〉(読売新聞電子版)
という記事を見つけた。
亡くなられたのは、内閣府情報保全監察室参事官だそうだ。

(「情報保全監察室」って何だろう?)
と、内閣府のサイトを調べたら、
〈特定秘密保護法の適正な運用を確保するため、特定秘密の指定及びその解除並びに特定秘密である情報を記録する行政文書
の管理について検証、監察等を行う組織として、平成26年12月10日に内閣府に独立公文書管理監及び情報保全監察室が設置
されました〉
と書いてあったので、どうやら特定秘密関係の監察をやる部署らしい。

読売電子版の記事によると、
〈同署(鹿児島県警屋久島署)は事故の可能性が高いとみている〉*()内は崎田が補足 
のだとか。

警察の発表によると、死亡した内閣府情報保全監察室参事官は登山のために18日から屋久島を訪れていたが、20日に宿泊
先を出た後、行方が分からなくなっていたのだそうだ。
「18日から」ということは、18(土)から20日(日)までの3連休を利用した旅行だったのだろうな。
21日は月曜日だから、参事官は東京に帰ろうとして川に落ち、死亡したということか?
気の毒に。

午後。
銀座でSF大会スタッフ会議があるので出かけ、会場近くで昼食をとる。
銀座の店のナポリタンは、パスタはアルデンテでピーマンとエビが入っていた。
ナポリは海辺の町だから海産物が入っている方が「ナポリタン」としては正しいのかも知れないが、なんだろうこの理不尽な
「コレジャナイ感」は?

会議。
ホールに消防自動車を展示したいとの実行委員長の意向で、その展示場所の話とか。
「床を養生処理する都合を考えると、出来るだけで入り口に近い場所がいい」
「でも、その場所だと消防自動車が非常口を塞いでしまいます」
「どう見ても消防法違反ですね」
「消防自動車が消防法違反というのは、まずくないですか?」
……というわけで、消防自動車の展示場所、変更。

その他、機材関係とかゲストの基準とかいろいろ話し合って5時に会議が終了する。
私は隅田川の花火大会を観に行きたいので、会場を出て宝町駅から都営浅草線で蔵前の待ち合わせ場所へ移動。
……と、こう書くと何かスムーズに行ったようだが、もちろん宝町の駅に辿り着くまでにはさんざん遠回りしたし、蔵前の駅
を出た後も、お約束通り正反対の方角にだいぶ行ってから気がついた。
方向音痴能力は、健在である。
iPodのGPSがあって、本当に良かった。

道に迷いつつ焼きそばと唐揚げを買い、知人とその連れと合流してからコンビニでビールを買う。
そして知人の知人(簡単に言うと赤の他人。もちろん初対面)の家が所有しているビルの屋上へと移動。
行ってみたら、30人ぐらいの人が敷物の上に座っていた。
花見の時の桜の下みたいな有様で、グループ同士は赤の他人。
みんなビルの持ち主の知り合いの知り合いみたいな関係のようだ。

待ち合わせで少しもたもたしていたせいか、屋上への階段を上がって行く途中でもう花火が打ち上がる音が聞こえて来た。
ところで今日、初めて知ったのだが、花火大会の日って、蔵前付近の車道が通行止めになるのだね。
車道に敷物を敷いて、その上に座って花火見物をするらしい。

中にはまだ通行止めになっていないのに車道に陣取ってお巡りさんに叱られている人もいた。
(車が走っている車道の真ん中に敷物を敷いて場所取りをするのは危険なので、良い子はマネしないようにしよう)

さて、花火大会。
打ち上げ台がビルのすぐ近くにあるので(花火が終わってから打ち上げの人に手を振ったら、振り返してくれた)打ち上がっ
た花火がすぐ頭上に見える。
花火を真下から見る感じで、こんな経験は初めて。
きれいだが、花火の燃えかすが上から降って来る。
最初、パラパラ顔に当たる何かを雨かと思ったら5ミリ角ぐらいの燃え殻。

さらにたぶん花火の殻の部分の燃えかすなのだろう、1辺が3〜5センチぐらいのいびつな三角形の焦げたボール紙。
こっちは大きいので、ポタンと落ちて来て当たると少しびっくりする。
後で片付けの時に懐中電灯で照らしたら、無数のボール紙が落ちていたから、まさに「降り注いで」いたのだろう。

前にも同じ場所で花火見物をした人に聞いたら、
「今年は多いですね」
ということなので、たぶん風向きにもよるのだろう。

隅田川の花火大会というのは、あまり休憩がない。
一応、第1会場と第2会場というのがあって(私がいたのは第2会場近く)何時にはどちらから打ち上げるみたいなスケジュ
ールはあるらしいのだが、基本は絶え間なく花火が打ち上がっている感じ。
まさに連射といった有様で、それが頭の真上。

打ち上げの轟音、光のシャワー、バラバラと降り注ぐ燃え殻、そして火薬の臭い。
美しくも怖い光景だ。

周りを見ると動画を撮影している人がいたので、私も真似してiPodで撮ってみる。
このカメラの構造上、実際の光景をバックに、撮影中の画面が見える。
面白いのは画面の中に視線を向けると、私自身がその場にいるのに「臨場感」がなくなること。
「画面のフレーム」には、不思議な力があるな。

帰りは大江戸線と有楽町線を乗り継いで池袋へ戻る。
疲れたが楽しかった。
隅田川の花火大会。
機会があれば死ぬまでに1度は見ておいて良いものかも知れない。

寝る。 

2015年7月24日(金)
朝。
ネットで見つけたニュース。
興味のない人にはどうだっていい事なのかも知れないが、小林幸子声のボカロが出るらしい。

ちょっと前に有名な歌手が癌で喉の手術をして声を失ったという話を聞いたとき、そういう声が命の商売の人は、自分の声を
記録しておいた方が良いなと思った。
声のライブラリを作っておけば、声帯を無くしてもボカロで歌える???

ふと思い出したのは「銀の三角」という萩尾望都先生の作品。
人間の全データが保存されるようになった未来の話。
死んでもそのデータによって蘇ることが出来るという設定の物語だった。
(「歌手の小林幸子」には、永遠に死が訪れないことになるのだろうか?)

午後。
昨日から続いている「30年前の映像」を探し出す作業。
必然的に、古い映像を何本も観る羽目になる。
(おおっ! 若いのう、○○さん)
画面の中に入り込んで「実はあんたは30年後にはねえ」なんてことを教えてやりたくなって来た。

夜。
ゲンロンカフェで【大森望のSF喫茶 #17】大森望×磯達雄×中村融×柳下毅一郎「殊能将之ができるまで――『殊能将之 読書
日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow』刊行記念」があるので出かける。

「早めに出かけて途中で食事でも」と思っていたのだが、歩いている途中で行き先が「カフェ」であることに気づいた。
で、直行したら早過ぎて店が開いていない。(笑)
開店まで20分ぐらいだったので、雑居ビルの中にある店のドアの前で待つ事にしたのだが、当然と言うかエアコンがない
汗だく。

店内に入って(今回はちゃんとiPodで「ピッ」というのが出来た)まず、ウーロン茶とナポリタンを頼む。
ナポリタンは、昔懐かしい御子様ランチの味。
最近、こういう柔らかい茹で方をしたパスタを出す店は珍しい。
(子供の頃に「スパゲティ」と言ったら、この味だったなあ)

ナポリの人に言わせると「どこがナポリタンやねん?」というくらい、ナポリの要素のないパスタなのだそうだが、ナポリと
いう町の名前は知っていても、それがどんなところかは知らなかった昔の日本人が、いっしょうけんめいに「ナポリ」を想像
してこれを作ったのだと思うと、これはこれでアリなんじゃないかと。

さて「殊能将之ができるまで」。
殊能将之というのは、2年前に亡くなられた作家で、代表作は「ハサミ男」。
一応、「覆面作家」だったそうだが、業界ではデビューする遥か前から「福井の天才少年」という渾名で知られたある種の
有名人で、知っている人はみんな知っている人だったそうだ。

その学生時代の友人が集まって「まだ殊能将之になっていない頃の殊能将之」についてを語るという座談会。
当然、殊能将之氏については、本名で語られたが「覆面作家」なのでここにはその本名を書かない。

笑ってしまったエピソード。
「ハサミ男」の原稿を受け取った講談社の編集者「これはぜひとも掲載すべき作品」と早速、作者に連絡をとろうとしたが、
電話が通じず(諸般の事情で電話を解約していたことが後に判明)連絡先が分からない。
作者の略歴から「アノ大学のアノ学部ということは、自分と同じ高校出身に違いない」と、卒業生名簿から実家の住所を探し
当て、やっと連絡を取れた由。
その経緯が、なんか探偵小説っぽい。

終了後、近所の店で軽く飲んで帰宅。
寝る。

2015年7月23日(木)
朝から、映像を探している。
何の映像かと言えば、SF大会の出演者が「30年位前に確かに見た記憶がある」と言っている何かの動画のワンカット。
本編映像なのか、メイキングなのか、あるいはテレビ取材か何かの映像なのか、まるで分からないらしい。

昼。
気がついたら12時半を回っていた!
マジでびっくりした。

午後。
ネットのニュースを見たら、昨日の午後1時頃に防衛省内のグラウンド上空で試験飛行中のドローンが強風にあおられて敷地
外に飛び出し、行方不明になるトラブルが発生したのだそうだ。
防衛省のグラウンドって、市ヶ谷のあそこだよな?
「強風」の風向きによっては皇居に墜落しかねない場所だ。
安全を考えたら皇居の近くでの試験飛行は、強風の日は避けた方がよかったんじゃないだろうか?

そして、私はドローンについて詳しくないのだが、あれは風で飛ばされてしまったらGPSとかで追跡できないものなのか?
防衛省のドローンということは、素人が使うような安物とは違うはずだよな?

夜
朝から探している「30年位前に確かに見た記憶がある」という映像、未だに見つからず。
(そもそも本当に存在するのか?)

ニュース。
宇宙飛行士・油井亀美也さんを乗せたロシアのソユーズ宇宙船がISSに到着。
地球への帰還は12月22日頃の予定。
夏に宇宙に行き、帰る頃にはクリスマスか。
私が子供の頃だったら、完全にSFの中の話だな。(笑)

注文していた『SFまで10000光年』(水玉蛍之丞 早川書房)が届く。
昨年の12月に亡くなられた水玉蛍之丞画伯が「SFマガジン」の1993年1月号から2002年の12月号まで連載して
いたイラストコラム。

(コレ、当時リアルタイムで雑誌連載を読んでいたんだよなあ……)
などと思いつつページをめくっていたら、117ページに、
「こわいわねえ、SFが現実になっちゃうなんて」
というセリフを見つけてひっくり返る。
(視られた?!)

解説は大森望先生。
アスキーのパソコン誌に連載していた水玉画伯のイラストコラムを読んだ大森先生が、
〈この人はきっと重度のSFマニアに違いないとにらみ(中略)一面識もないのにいきなり電話して〉
SFセミナーに誘ったというエピソード。
そういう行動をとった大森先生よりも、そういう行動をとらせた水玉先生のコラムがすごかったのだなあと感動!

〈そして誘われるまま本郷のふたき旅館に訪ねて来た水玉さんと、その夜に初めて対面〉
かくて大森先生、そして大森先生の奥様と画伯との20年以上に渡る家族ぐるみの付き合いが始まったと言うのだから、SF
者同士の引き合う力の偉大さか?
(いま思い出したが、あの本郷のふたき旅館も、もう無くなってしまったのだよなあ……しみじみ)

解説には水玉画伯の兄上である岡部いさくさんの、
「妹(水玉画伯)が、自分の仕事は画集や単行本として残らなくていい、消えてなくなるものだ、と言っていた」
という発言が引用されていた。

この『SFまで10000光年』、書かれた時代のかなりコアなSFファンの心を映したもので、そうでない人には、たぶん
チンプンカンプンな部分も多いと思う。
しかし、いま考えると、だからこそこれは重要な資料に成り得る本だと思う。

20世紀の終わりから21世紀始めにかけてのSF者の魂が「閉じ込められている」本。
たぶん「涙が出るほど分かる人」と「何が書いているのかさっぱり分からない人」に分かれると思うが。

寝る。 

2015年7月22日(水)
朝刊(日経)のトップは、東芝のいわゆる「不適切会計」の記事。
1面のコラム〈春秋〉に、この事件に関する第三者委員会の報告書の言葉が引用されていた。
曰く「上司の意向に逆らうことのできない企業風土」。

社員が全員「上に逆らえない」これは東芝の問題というより、いまの日本全体の問題ではないだろうか?
新国立競技場の問題にしても「いちばん分かっている現場の人間」が「いちばん分かっていないトップ」に逆らえない風土が
問題点の発覚を遅らせて、より問題をややこしくしてしまったと思えるし、同時に「上の意向だから仕方がない」を免罪符に
誰もが責任を取りかたらない体質が問題解決の足を引っ張っているとも言える。

さて、同じ日経朝刊。
社会面の連載記事〈学びの現場から〉は、大学の授業で英語はbe動詞、国語は「動物園」の読み方レベルから教えなくては
ならない教育現場の現状についてのレポート。

〈高校教員は「中学校が問題だ」といい、中学教員は「小学校が不十分」。結局、その場の結論は「家庭に問題がある」に落
ち着いた〉

結論が〈「家庭に問題がある」に落ち着いた〉理由は、恐らくその場に「家庭」の代表者がいなかったからだろう。
全員が「俺の責任じゃない」を主張した結果「じゃあここにいない奴が悪いことにしよう」に話が落ち着いたわけだ。
なんか「モンスターペアレントの伝説は、こうして生まれる」みたいな話だな。
国を挙げて責任のなすり合いをしているうちに日本国が滅びるのではないかと本気で心配になる。

午後。
なんだかユラユラする感じがして「地震か?」と回りを見るが、何も揺れていない。
テレビをつけても速報も流れていない。
……まもなく頭痛がして来て、熱で目眩がしているのだと気づく。

つけたテレビをそのままに、キアヌ・リーブス主演の「チェーン・リアクション」を観る。
1996年の作品。
(参考までに彼が主演した「スピード」は1994年、「マトリックス」は1999年公開の作品)

「チェーン・リアクション」。
主人公は、石油に代わる画期的な新エネルギーの開発に関わった若きエンジニア。
この新エネルギーの発表を妨害しようとする謎の組織によって殺人の罪を着せられた主人公は、組織とFBIの両方に追われ
美女とともにアクションに次ぐアクションの逃避行を行うことに……。

いやあ、エンジニアって身体能力が高いんだね。(笑)
それはともかく……
この水からエネルギーを取り出す「世紀の大発明」って、映画内の説明を聞いた感じでは、水素と酸素を化学反応させて電力
を取り出す燃料電池じゃないか?

日本でも既に実用化されているよな。
そんなにアメリカ中がひっくり変えるほどの大発明とも思えないのだが???

どうでもいいが、私が一番びっくりしたのは、キアヌの声の吹き替えが山寺宏一さんだったこと。
ぜんぜん気づかなかった。
さすがプロ。
山寺さんの骨格で、なぜキアヌの声が出るんだろう?(^^;

夕方。
右のまぶたが腫れて来た。
(体力、落ちてるなあ)

今日は早めに寝よう。 

2015年7月21日(火)
朝からお願いメールが来る。
簡単に言うと、
「印刷物を作りたいので画像加工できる技術者を探してね」
みたいな話。
「探してね」と言うと魔法のように技術者が見つかる、アラ不思議???(←ンなわきゃねーだろ!)

おまけに、
「今回は金がないのでボランティアで」
だと。
日本のビジネスの末端部分は、もしかしてこういう「今回はボランティアで」が動かしているのかもな。

午後。
1号くんが来る。(本日は夜勤なのだとか)
「高校生のバイトを雇ったら全員が同じ日に休暇をとった」
という愚痴。
(お疲れさん)

その穴埋めで、1号くん自身の勤務時間がエライことになっているらしい。
日本のビジネスの末端部分は、もしかしてこういう「勤務時間がエライことになっている」人たちが動かしているのかもな。

夕方。
SF大会関係の地味な事務仕事。
使用する動画や楽曲について、著作権所有者の使用許可を取らなくてならないのだ。

夜。
画像加工の技術者、どうにか1名確保。
私の元に送られて来ていた印刷物の画像を転送したら、
「これじゃ使えません」
と、電話がかかって来たので、発注元にそのように伝えて加工用のデータを探してもらう。

夕食をとって一休み。
ネットでロボットの動画を探して眺める。
(やっぱり、ロボット動画は心が和むなあ……)

クラタスの動画を探して検索していたら「中央日報(韓国の新聞)」電子版の日本語訳の記事でクラタス関連の話題を見つけ
たのだが……
〈大型ロボット業界トップの日本の水道橋重工〉って(笑)

「大型ロボット業界」って何だよ?
確かに、趣味で「大型ロボット」を作っている人が何人かいるのは知っているがそれを「業界」と呼んでいいものなのか。
そもそも「水道橋重工」って、単なる「制作チーム」の名前だぞ。

そしてクラタスの説明も、
〈1分間に6000発を発射できるペイントボールガトリングガンを搭載〉
クラタスが撃てるのはBB弾のはずだが?

そして記事のまとめに、
〈国連は殺傷用ロボットの危険を警告している。国連特別報告官のクリストフ・ヘインズ氏は2013年、「殺人ロボット」
の開発を禁止するべきだという報告書を出した〉
とか、アメリカの実戦用無人攻撃機やロボットタンクみたいなまるで関係のない話題。

なんだろうかこれは?
趣味で「乗って遊べるロボットアート」を作った日本の制作チームに、アメリカのオタクが「俺たちの作った巨大ロボットと
勝負しようぜ」と言って来て、日本のチームが「面白そうだから一緒に遊ぼう」と返事をしたという話から、唐突に「国連が
殺傷用ロボットの危険を警告」の話って、無理があるだろう。

殺傷用ロボットのニュースかと思って取材してみたら、オモチャのロボットの話だったので、用意していたまとめの文章と繋
がらなくなっちゃったのだろうか?
記事を読んで大爆笑してしまった。

寝る。

2015年7月21日(月)
暑い……。

部屋で本を読んで過ごす。
ダン・シモンズの「ケリー・ダールを探して」。
元教師である主人公は、小学生の時にケリー・ダールという女の子の担任になる。
その後、息子の交通事故死のショックで死んだ息子と同じ年の子供を見るのが苦痛になり、高校教師に転職した主人公。
その高校に進学して来たケリー・ダールと再会するのだが……。

ファンタジーに分類されるのだろうか?
主人公は「ケリー・ダールの作り出した世界」の中に閉じ込められ、そこで彼女に命を狙われる。

描かれているのは、アメリカの社会問題である子供の性的虐待とアルコール依存症。
自分を信頼してくれた生徒を救えなかった教師。
子供を乗せて車を運転する前に「ビールを3杯だけ」飲んでいた父親。
著者自身の説明によると〈愛と喪失と裏切りと強迫観念と中年の怒りの話〉。

ところで、作中に出て来た〈「ム」という中国語〉どういう漢字を書くのだろう?
〈あるレベルでは、「ム」は単に「はい」を意味する。だが禅のもっと深いレベルでは、これはしばしば師匠が愚かな質問や
答えようのない質問や間違った質問に与える返答だった〉

ということなのだが、普通に中国語で「はい」(「はい、そうです」とかの「はい」)という時には「是(shi)」と言うと
学校で習ったのだが???
手元の中国語辞典を見ても「ム」という発音で「はい」を意味する言葉が見つからない。

「没(mei または mo)」かなあ?
「没説的」で「言うまでもない」という意味になるので、その省略形?

「答えるまでもない」という日本語は「もちろんそのとおり」と「それは愚問だ」の両方のニュアンスを持つので、そういう
イメージなのだろうか?
禅の用語である中国語を、いったん英語にしてからさらに日本語に訳したものを読んで、ニュアンスを理解するのは難しい。

午後。
SF大会関係のメールを読む。
週末は、メーリングリストに流れるメールの量が大量なので、読むだけでひと仕事。
(この連絡システム、改良の余地があると思う)

夜。
ウィスキーのボトルを手に、佐藤編集長が来る。
ライブの帰りだそうだ。
「客席で30代やら40代やらのいい年したおっさんたちが盛り上がってて、笑ろたわ」
「待て。同じ客席にいた君は、60代だろうが」

還暦過ぎたおっさんが、ライブで盛り上がってCDまで買ったらしい。
いつまでも気が若いのは羨ましいんだかなんだか……。(笑)

軽く酒が回って来たので、寝る。 

2015年7月19日(日)
明け方にホラーな夢を見た。

潰れたはずのスーパーがなぜか営業していて、中へ入ると建物はボロボロ。
階段を2階に上がるのだが、その足下から崩れかけ、
(上がることは出来ても、降りることは出来ないかもしれない)
と、不安に思っていると、年を取った女性店員に、
「すみませんねえ。臨時営業なので」
と言われるのだ。
どうやら普段は営業していないスーパーが、なぜかその時だけ店を開けていたようで……
……目が覚めてもかなり細部まで詳細に覚えていて、嫌な感じの夢だった。

午後。
リブロで『音楽という〈真実〉』(新垣隆 小学館)を買う。

新垣隆氏というのは、例の佐村河内事件のゴーストライターの人だ。
帯のあおりも当然というか「ゴーストライターの告白」となっているが、内容的にはかなり上品な本。
第2章までは、著者である新垣隆氏の生い立ち。
かなり恵まれた家庭で、才能にも恵まれて育ったいわゆる「育ちのいい人」の半生記である。

そして第3章で、いよいよ佐村河内守が登場して来る。
こちらは「育ちの悪い人」っぽい。

佐村河内が友人と喋っているのを聞いた新垣氏は、
〈同郷らしいんですが、広島弁でしゃべっていて、広島の方には申しわけないんですが、関東生まれの私には、これが怖いん
です。『仁義なき戦い』の菅原文太や千葉真一を間近に見る思いでした〉
という感想を抱くが、全ての広島人がやくざ映画ような言葉でしゃべるはずはないので、恐らく佐村河内とその友人の話して
いた言葉は、広島の中でもあまりガラの良くない地域の言葉だったのではないかと思う。
簡単に言うと、佐村河内は、そういう「ガラの良くない連中」と付き合いのある人物だったということなのだろう。

この、生まれ育ちも人柄もまるで違う2人が出会ってしまったことが、事件の発端。
最初に新垣氏が依頼されたのは、譜面の書けない佐村河内に代わって新垣氏が彼の曲を譜面に起こすこと。
それから曲のアレンジ、さらに作曲と仕事は進み、録音が終わったところでの2人のやりとりが、実に興味深い。

佐村河内「申し訳ないけれど、この曲をオレにください。あなたの名前は演奏のところで必ずクレジットしますから」
  新垣「いや、別にいいですよ」

育ちのいい新垣氏としては面白い体験が出来たし、困っていたっぽい人に手を貸したことで「人助け」も出来て楽しかった。
だから、作曲者が誰であるかなんか気にしないし、演奏者のクレジットも別にいらない。
「曲をください」と言った佐村河内の腹づもりがどこにあるのかなんか考えもせずに、
〈スタジオ代、交通費のみとはいえ、人数分、全部自腹でやった彼はなかなか偉いと思います〉
とか、のんきなことを言っている。

これは、コミケやSF大会のスタッフをやる人の心境に少し似ているのかも。
なんでタダで、あるいは金を払ってまで仕事をするのか?
楽しいからである。
しかし、育ちの良くない佐村河内には、どうやらそれが分からなかったようだ。

後にテレビでの記者会見で、インタビュアーと新垣氏の間にこういうやりとりがあったらしい。
インタビュアー「佐村河内氏側の代理人によると、新垣さんが表に出づらい理由があったということだが」
     新垣「いえ、特段ありません」

タダで仕事をし、しかもそれを他人の名前で発表して「楽しかったから別に構わない」という新垣氏の感覚が、佐村河内には
どうしても理解できなかったのだろう。
そこで佐村河内側は「こんなことをするからには新垣には何か弱味があるに違いない」と思い込んでしまったようだ。
彼の行動はエスカレートしていく。

その後、佐村河内は新垣氏の作曲した曲を自分の実績としてゲーム音楽の作曲家としての自分を売り込み、新垣氏には「この
仕事が成功して自分が大プロデューサーになったら必ず新垣をひっぱりあげる」みたいなホラを吹く。
新垣氏は、そんな話は信じていなかったようだが、面白そうな経験なのでボランティアで手伝ってやっていたらしい。
〈200人分のオーケストラを指揮する機会なんて、それはあまりにも「贅沢なこと」ですからね〉

ところが佐村河内側は、おそらく「人間が、ただ面白そう、楽しそうというだけのことでタダ働きをすすはずはない」と思い
込んでいたのだろう。
自分は新垣氏をうまく騙せている、そして新垣氏がここまで自分の言いなりにタダ働きをするところをみると、きっと新垣氏
の方にも何か弱味があるに違いないと考えたらしい。
後に仕事を断ろうとした新垣氏に、佐村河内は「あなたも覚悟しなさい」という脅迫めいたメールを送ったのだそうだ。

ところで、ここで問題が起きる。
作曲をするからには注文主であるゲーム会社の人と打ち合わせをしなくてはならないのだが、佐村河内は音楽のことがさっぱ
り分からない。
そこで新垣氏を連れて行き、実質的な打ち合わせは「助手」である新垣氏が行う形になる。
その言い訳として「自分は少し耳が遠いので」という言葉が出て来た。
この言葉が後に「全聾の作曲家」のホラ話にまで発展してしまったというのが真相のようだ。

やがて、あまりにもあんまりな佐村河内の嘘に新垣氏が嫌気が差し、最終的に、佐村河内が「全聾の作曲家」であることを怪
しむ人間がでてきたのをきっかけに、新垣氏が記者会見を開いて全てが明るみに出たわけだが、このとき一番「騙された!」
と思ったのは、ことによると佐村河内自身かもしれないと私は想像する。

新垣氏を上手く騙し、彼の「弱味」を利用して仕事をさせていると思い込んでいたのに、蓋を開けてみたら新垣氏は別に騙さ
れていたわけでもなんでもなく、さらには利用されるような「弱味」も持っていなかった。
手伝っていたのは単に「楽しかった」から。

この時の佐村河内の感想を、ぜひ聞きたいと思うな。
「それが分かったとき、どんなお気持ちでしたか?」(^◇^)

話は変わるが、私の知っているあるライターに、マニア向けのトークショーなどに出演した時の持ちネタとして、
「私は○○○ではありません」
というギャグをよく言う人がいる。

○○○というのは、プロの文筆家ではないが、あちらこちらによく文章を発表している某著名人。
そのライターは、関係者なら誰もが知っている「○○○の専属ゴーストライター」なのである。

プロの文筆家ではない人が、本にして売れるような文章を書くのは難しい。
でも、出版社としては著者名に著名人の名前が欲しい。
そこで、著名人が「自分はこんなことを書きたい」と語った構想をプロのライターが文章にまとめる。
よくあることのようだ。

新垣氏の感覚では、彼の仕事は、たぶんこれに似たようなことだったのだろう。
問題は「それは言わない約束だからみんなが口にしなかったこと」を佐村河内が「俺の嘘で周りを騙すのに成功している」と
思い込んで、嘘を犯罪レベルにまでエスカレートさせ、笑って許せる範囲を逸脱してしまったということ。
つまり、やはり一番騙されていたのは、佐村河内自身だったということかな?

さて、この本には、ほんの少しだけピアニストの森下唯さんについてが触れられている。
今回の事件について生産的な議論を展開した音楽家の1人として紹介されているのだが、森下唯さんのことは、たぶん皆さん
もご存知のはず。

そう、あの人!
「ピアニート公国の国家元首にしてニコニコ動画における人気アーティストとして名高いピアニート公爵」その生き別れの兄
という「設定」の人のことだ。
佐村河内も、こういう笑えるレベルの「設定」で活動していたら、問題なかったのになあ。

夕方。
西武の地下で「数万円の貴腐ワインを押しのけ最高金賞を受賞した貴腐ワイン」というのが3000円未満の価格で売られて
いた。

(どんなものかな?)
と、1本購入し、2号くんのアパートで一緒に飲もうかと思っていたら、2号くん、なんと今日は酒が飲めないのだという。
「目医者で視力検査をしたら、網膜剥離が起きかけているのが見つかったので、緊急でレーザー手術を受けたから」
だそうだ。
それはお大事に。

2号くんのアパートに見舞いに行き、とりあえずワインは冷蔵庫へ。
「体調が良くなったら飲もう」
と言って帰宅。

寝る。 

2015年7月18日(土)
朝刊(日経新聞)の1面の見出し。
〈新国立、首相「白紙に」〉
〈秋までに新計画 再びコンペ〉
〈20年春完成〉
金がかかり過ぎると評判の悪い新国立競技場の国際コンペをやり直すのだそうだ。

(関連記事 3面、スポーツ面、社会面に)とあったから、そっちも見てみると、
まず、3面(総合面)の見出し。
〈新国立 無責任体制の果て〉
〈膨らむ費用 対応後手〉
〈安保法案に逆風、背中押す〉
と、手厳しい上に安保法案も絡めて〈支持率に危機感〉という小見出しをつけている。

記事のまとめは、
〈下村氏をはじめ、五輪関係者は早くから問題に気がついていたものの、当事者意識はどこか希薄だった。首相の決断という
形をとらなければ決着できない、無責任体制をはからずも露呈した〉
で、かなり批判的。

スポーツ面の関連記事の見出し。
〈ラグビーW杯 収支悪化〉
〈会場変更で収容人数減〉
〈国際統括団体が「大変失望」声明〉
と、こちらは計画の白紙化のあおりで新国立競技場が使えなくなったワールドカップ側のデメリットが強調された内容。

社会面では、
〈五輪の顔 出直しに注文〉
〈「選手頑張れる場を」メダリスト〉
〈「思いきって簡素に」建設業者〉
〈予算内、当たり前」市民〉
は、いいとして……

〈建築家に追加支払いも〉
〈コンペやり直し 代金返還されず〉
と、1度コンペで採用された建築家に支払ったデザイン監修料13億円が返還されないうえ、損害賠償を請求される可能性も
あると、計画を見直したところでドブに捨てた金は戻らないと言った論調。

さらにはコラムで〈漫画家のやくみつる氏の話〉として、
〈安全保障法案国民の理解が得られなくても進めたのだから。新国立競技場の問題で「耳を傾けた」とすれば、逆に腹が立つ。
競技場問題は国民のガス抜きに使われただけではないか〉
と、やはり安保法案絡みの意見が紹介されていた。

これまでアベノミクスを持ち上げて、どちらかと言うと安倍内閣寄りだった日本経済新聞が、こんな感じ。
やはりマスコミは、支持率の低下した内閣には冷たいな。

午後。
SF大会のスタッフ会議。

早めに着いたので、無駄話。
搭乗型巨大ロボットの対戦について、熱く語り合う。
ロボットを強くしようとすればするほど、その形は「人型」から遠ざかってしまう。
「人の形をしたもの」って、戦闘には向かないんじゃないだろうか。

「でも、やはりロケットパンチは捨てがたいですよね」
「問題は、発射したパンチをいかに素早く回収するか」
「回収を考えないのなら、フィンガーミサイルという手も」
「その場合、ミサイルをどこに格納するかが問題になって来るので……」
会議場の廊下で真剣にこんな話をしている中年2人って、通りすがりの人には何に見えただろうか?

さて、スタッフ会議。
現時点で入院したスタッフが6名いることが判明する。
体を壊しているスタッフも何人かいるので、当日に会場でスタッフが倒れた場合の手はずの打ち合わせ等。
(やはり人手不足が原因かなあ?)

ディーラーズの申し込みで手違いがあったとかで、その処理に追われる。
みんな、もっと頑張らないと……頑張らないと……

会議終了後は、飲み会。
9時前に帰宅して「ど根性ガエル(実写版)」を観てから、寝る。 

2015年7月17日(金)
朝。
民放(テレビ朝日)の安保法改正案可決関連のニュースに、佐藤正久参議院議員(自衛隊のイラク派遣で第一次復興業務支援
隊長だったヒゲの人)が出演していた。

「徴兵制は有り得ない」ということを説明していたのだが、その理由が、
1)憲法18条があるから。
2)現代の戦争では訓練に時間がかかるので徴兵して来た素人を自衛官として使うのは無理。

憲法18条というのは、
「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」
というもの。

しかし裁判員制度導入の時には「裁判員となることは〈苦役〉ではない」で、難なくクリアしたはず。
ちょっと従来解釈を変更して「自衛官となることは〈苦役〉ではない」で、徴兵はOKじゃね?
つい昨日、政府は「大胆な憲法解釈の変更」をやってのけたばかりなのだから。

そして「訓練に時間がかかる」の件。
確かに「一人前の優秀な自衛官」を育てるには時間がかかると私も思う。
けれど航空兵として未熟な(経費等の関係で飛行訓練時間が10時間ぐらいしかない)若い兵士が特攻隊として使われた史実
を考えると、未熟な兵士でも使い道によっては十分に使えるのだ。
十分な訓練を受けた「一人前の自衛官」を温存するために、徴兵で集めた「未熟な兵隊」を単純労働だが危険な任務に就かせ
る事は、作戦上、十分に有り得ることだと思う。

ぶっちゃけ、佐藤議員の言っていることは「机上の空論」なのだ。
そして喋っている佐藤議員自身にも、たぶんそんなことは分かっているのだと思う。

(自民党の上の方から「言え」って言われて来たのかなあ?)
佐藤議員、内心では「なんで俺がこんな頭の悪そうなことを言わなくちゃならないんだ?」とか思っていたかも。

昼。
「エレメンタリー」を観る。
アメリカのミステリードラマ。

いわゆる「シャーロック・ホームズもの」だが、舞台は現代のニューヨーク。
ホームズはイギリスの富豪の息子で、女性問題でアメリカにやって来たものの薬物依存症で、リハビリ施設から出て来たばか
りという設定。

ワトソン博士は、ジョーン・ワトソンという名の中国系アメリカ人で、女性医師(笑)。
ホームズの父に雇われた、いわゆる「お目付役」で、ホームズがまた薬物依存に陥らないように見張るのが仕事のようだ。

このコンビが事件を解決するというお話なのだが、まだ第1回だからか、2人のキャラクターがいまひとつ伝わって来ない。
ホームズは、もっと徹底的に「変」でいいと思うんだよね。
これだと、ただの非常識なだけの甘ったれたボクチャン。

そしてワトソン。
立場上、ホームズとの対照性が求められるキャラのはずなのだ、「中国系」で「女性」で「アメリカ人」なので、どの部分を
強調して「ホームズとの違い」を際立たせていいのかがぼんやりしてしまっている。

「動」のホームズに対して「静」のワトソンにしたいのなら「野球に夢中になるアメリカンな部分」はいらない。
「野球に夢中になるアメリカンなワトソン」ならひとりでオペラなど観に行かせない方が良かった。
なんか、脚本がワトソンのキャラを決めかねて揺れている感じのする第1回だった。
そしてこれは翻訳についてだが「推論」は、「推理」と訳して欲しかったなあ。

午後。
郵便局に用があったので出かける。
ついでに近所に先日できたばかりの床屋に寄ったら、なぜかドアが閉まっていて(定休日ではないことは確認した)閉まった
ドアの隙間におびただしい数のチラシだか郵便物だかが突っ込まれ、ガラスのドア越しに室内を見ると、床にもいくつか郵便
物らしきものが……。

(いきなり閉店? そんなこと、どこにも書いてなかったよな)
だいたいこの床屋、雑居ビルの2階にあり、2階にはこの床屋しかないのだが、1階のドアの鍵は開いていた。
だから営業中だと思ったのだが、この店の状態、どう見ても何日も前から2階のドアは閉めっぱなしのようだ。
嫌な予感がしたので急いでその場を離れ、QBハウスへ向かう。

店の前まで来たら、作業服姿の人が何人か。
ガラス越しに見える店内は、天井のエアコンの蓋が大きく開いて、その下には脚立。

「やってないのか?」
と、独り言を言ったら、
「やってますよ」
店員。(作業員の陰にいたようだ)。
店に入ってチケットの自販機に千円札を入れたところで、
「エアコンが故障しておりますので、少し暑いですが……」
店の奥に向かって歩きつつ次第に吹き出して来る汗とともに「少し」という感覚の個人差について考察する。

……ベタつく汗で、切った髪がぜんぶ顔や首にひっつく。
前髪を切っているときなんか、すっかり毛もじゃ顔。
散髪が終わる頃になって、ようやくエアコンが効き出したのだが、そうなると首筋のチクチクが背中の方にパラパラ落ちて行
く……。
(すげえ気持ち悪い)

店を出ても背中のチクチクがとれないので、東京芸術劇場へ行き、トイレでシャツを脱いで背中の毛を払う。
ついでなので1階から外に出て西口公園の「ショヒド・ミナール」を記念撮影。
なんか埼玉県の物産展的なものとアロハシャツの露天が並んでいた。
あとで調べたら「東京フラフェスタin池袋」の前夜祭だったらしい。
(なぜ埼玉県の物産が露天を出していたのだろう?)

「ショヒド・ミナール」は、立ち並ぶ露天の裏側になっていて、ぜんぜん目立たない。
(これは、気をつけて探さないと見つからないな)
とりあえず記念写真は撮った。

ついでなので東口へ回ってリブロへ。
文庫を3冊買う。
帯に「陰陽師外伝」と書いてあった『陰陽師 平成講釈 安倍晴明』(夢枕獏 文春文庫)。
「〈ハイペリオン〉シリーズの後日譚」という表紙裏の説明に惹かれて『ヘリックスの孤児』(ダン・シモンズ 酒井昭伸・
嶋田洋一[訳] ハヤカワ文庫)。
最近、どうも細かい文字が読みづらいので『9割の老眼は自分で治せる』(日比野佐和子 中経の文庫)。

『陰陽師 平成講釈 安倍晴明』の帯のアオリは、やや詐欺。(笑)
だって「夢枕獏」で「陰陽師外伝」とあったら「夢枕獏の〈陰陽師〉シリーズの外伝」だと思うじゃないか!
(しかも文春文庫版にした時に、元のタイトルの頭に「陰陽師」と付け加え、〈陰陽師〉シリーズのタイトルと同じスタイル
にしているのだ)

ぜんぜん違った。
「平成講釈」とある通り、講釈師の語った「安倍晴明」という講釈の夢枕獏先生バージョン。
2通りの「安倍晴明」という講釈をくっつけて、その話を夢枕獏先生お得意のエロスとバイオレンスの物語へと繋げる趣向。

さすが獏先生と思ったのは、講釈師によって異なる安倍晴明幼少時の風貌を「安倍晴明の変身前と変身後」という設定にして
「いざとなると変身する晴明」というものすごいキャラクターを作り上げてしまったところ。

これはこれで面白いので、まあいいかと思う。
寝る。

2015年7月16日(木)
朝。
台風が来ているとかで、天気はイマイチ。
民放の報道番組で、
「安倍さんが安保法案の可決を急いでいる理由のひとつは、内閣支持率の低下だろう」
と、言っていた。

確かに支持率、落ちているね。
正直、国会での安定多数を確保してからの安倍政権って、やることがユルユル。
(自分で呼んだ憲法学者に「違憲判断」をやられた辺りで、私は「何やってんだ?!」と呆れた)

午後に出かける予定だったのだが、2時頃からすごい雨と風の音。
無理して今日に行かなくてはならない用事でもないので、断念する。

夕方。
ニュースによると、安保法案は通ったらしい。
「アアソウデスカ」としか言えない。

目下、切実にやばい立場なので、現実に紛争地域で活動しているNPOの人たちかなあ。
安倍さんの説明が分かりにく過ぎて、銃を手に「敵か? そうじゃないか?」を判断しようとしている目の前のゲリラを納得
させるのは難しいだろうから。

「オマエ、アメリカの仲間だな?」
「いえ、日本はあくまで後方支援の立場でありましてぇー」
……私がゲリラなら、こんな奴は撃つ。

現地に居る人には、分かりやすい「日本は敵じゃない」説明が必要だ。
「僕らはみんな生きている」(1993年公開の日本映画)で、ゲリラに撃たれないために日本人がパスポートを掲げて逃げ
るシーンが懐かしい。
安倍さんの説明には、いろいろな「そういう時にはどうするの?」の答えが、ことごとく抜けている。

そして今回の法案、私が一番大きく疑問に思う点は「前線」と「後方」という、現在のゲリラ戦では役に立たない概念に基づ
いて考えられているということ。
そしてあたかも「後方」を「安全地帯」のように考えている(言っているだけ?)節があるということ。

「後方支援だけだから大丈夫」で戦地に行かされる自衛官のことを考えると、やはり「政治家一族は兵を軽んじているな」と
思わざるを得ない。
(ゲリラや海賊が奇襲攻撃をかけて来るような現在の戦争で、安全な「後方」ってどこだよ?)

ニュースがもうひとつ。
新国立競技場のデザイン選考で、審査委員会の委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が記者会見で、
「私たち(デザイン審査会)が頼まれたのは、ここ(デザイン案選考)まで。これで終わりなんですね」
と述べたそうだ。
要するにコストの議論は自分たちの仕事じゃないということらしい。

国家レベルの大事業で、審査委員長の立場の人が、
「私の仕事は木を見ることで、森を見ることじゃない」
みたいなことを堂々と言っているわけだ。

日本人全体の意識が、いま「俺の責任の範囲のことだけやっていれば後はシラネ」という方向に傾いている気がするのは私だ
けじゃないと思う。

「日本は資源がないというハンデを持った国。国民ひとりひとりが他の国の何倍も努力をしなければ外国に潰されてしまう」
そう言われて育った日本人としては、こういう考え方の人が増えたら、いかに軍備を増強しようと国家が内側から崩れていく
と思うのだがな。

夜。
芥川賞・直木賞の受賞記者会見をニコニコ生中継で観る。
どうでもいいことだけど、大森望先生は、こういう席でもアロハシャツなのだね。(笑)
有名なお笑い芸人の人が受賞してしまったせいで、他の受賞者の方がなんとなく霞んでしまったのが気の毒だった。

興味深いなと思ったのは、記者会見での質問。
マスコミの記者が社名と名前を名乗って「自分の質問」として質問を行っていたのに対して、ニコニコの人は「動画の視聴者
の質問で多かったものなのですが〜」という感じで質問していた。
記者会見の質問ですら「匿名の人間から」というのが、いかにもネットだなあと思った。

テレビをつけたら台風情報。
明日も天気は良くないらしい。

寝る。

2015年7月15日(水)
朝起きると顔に脂が浮いている。
子供の頃からよく家族に「鯨油に突っ込んだような顔」と言われていたが、先天的にそういう体質らしい。

昼。
新しいWiFiルータが届く。
箱を開けてみると、想像していたよりかなりデカイ。
長さが1センチほど短い分厚いスマートフォンという感じ。

午後。
ルータの設定に四苦八苦。
「登録電話番号」というのが分からなくて、サポートセンターに聞いたら、
「前に使っていたルータの開通時に送ったハガキに書いてある電話番号」
と言われ、2年前に届いたというハガキを探して部屋中を引っ掻き回す羽目に。

夕方。
どうにかルータが使用可能な状態になる。
そして、今回のルータ、やたら多機能。(笑)
電池残量が分かるようになった点は前に使っていたものより良いのだが、他はちょっと余計。
ポケットWiFiは持ち歩くものなのだから「小さい」って大事なことだと思う。

ニュース。
安全保障関連法案が衆院平和安全法制特別委員会で可決。
ま、そりゃそうだよなあ。
与党が絶対多数の委員会で与党案が否決されたら、そっちの方が驚くわ。

この件に限らず審議の出席者が絶対に意見を変えるはずのない審議って、意味があるのかね?
だって結果は多数決で決まるんだろ?

今回の審議も最初から与党議員は賛成するに決まっているし、野党議員は反対するに決まっている。
多数派である与党が、野党の質問を適当に受け流して採決へ。
趣味の会かなんかなら良いんだけど、これ、税金使ってやってるんだよなあ。

こんな「審議」をやるぐらいなら、選挙で与党の人数が審議可決の規定人数に達したら与党案はみんな自動的に可決とでもした
方が、まだ時間の節約になる分、良くないか?

そして、その「選挙」に関して国民として今ひとつ納得いかなかったのは、選挙の時に安倍さんが本来の「目玉」であるはず
のこの「安全保障関連法案」についてあまり言及していなかった点。

この法案が本当に大切なものだと思っていたなら、
「今回の選挙戦で勝った暁には、安全保障関連法案をなんとしても通します!」
と、堂々と言って欲しかった。

少なくとも小泉さんは「郵政民営化を行います」と言って選挙をして郵政民営化をやったぞ。
安倍さんみたいに、
「消費税増税を延期するのに賛成な人は自民党に投票して下さい」
と言って、選挙に勝ってから、
「国民が自民党に投票したということは、国民は自民党の安全保障関連法案を支持したということです」
なんて言うのは、どうにも気持ち良くないよな。

利口に立ち回ったつもりかもしれないが、こういう姑息なやり方は、日本国民全体に「日本政府のやることは信用できない」
という意識をジワジワと広げ、愛国心を萎えさせて行く。

で、話は新国立競技場だが……
「国が赤字だから税金を増やすって言ってなかったっけ?」
こんなザルに水を汲むようなマネをやってれば、そりゃ赤字にもなるさ。

財政赤字をなんとかしなくてはならない。(いいよね?)
だから増税します。(これもまあしょうがないか)
でも、国家予算の使い方はザル。(ダメだろ、これは?)
「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」は戦時中の標語だが、これは「工夫」以前の問題だろう。

競技場の設計案を審議した委員の人たちが本当に「日本の国のため」を考えたならば、見るからに作るのに金のかかりそうな
このデザインは採用しなかっただろうと思う。
もっと「予算」について慎重に調査して審議したと思う。
国家事業に携わる人が、頭に「国」を置いていない。
これは重大なことだと思う。

そして「安全保障関連法案」に話は戻るが、共同通信世論調査よればこの法案について、国民の80%以上が「説明不足」と
回答している。
その状態で採決を行い法案が可決。
これでは国民が「俺たちが何を言っても日本の国には関係ないんだな」という意識を持つようになっても仕方がない。

安倍政権の一番悪い点。
「国民の愛国心を削いでいる」

一見、無関係なような国会での安保法案採決と新国立競技場の問題は、
「政府が国民の意見を無視する」→「国民全体の愛国心が薄れる」→「重要な国家事業で国益を損なう判断がなされる」
と、実は根底の部分で深く繋がっているように思えるのだ。

さて、天気予報によると明日は雨になるそうな。
寝る。 

2015年7月14日(火)
朝。
……暑いな。(^^;

部屋で『スクリプトドクターの脚本教室・初級編』(三宅隆太 新書館)を読む。
今期の空想小説ワークショップで副読本的に使っている本。

三宅隆太という人、肩書きを見ると「脚本家・映画監督/スクリプトドクター/心理カウンセラー」だそうだ。
「脚本家・映画監督/スクリプトドクター」までは良いとして「心理カウンセラー」って、ナンジャラホイ?

文章を読んでいて感じたのは、こういう人が傍にいたら相当にウザそう。(笑)
念のために言っておくが、別にそれは悪い事ではない。
クリエイターとして成功している知人には、ウザイ感じの人が多い。
要するに性格的にバランスが取れていて感じの良いような人には、創作のようなヤクザな仕事には向いていないのだ。

だって自分のエネルギーを現実世界より虚構世界につぎ込んで生きているような人だよ。
逆に、現実世界に満足して幸せに生きているような人では、仕事に出来るほど虚構世界に没入するのは難しい。

しかし三宅さん、決して「天才肌」の人ではない。
ひらめいて、書いているうちに傑作が出来るタイプではなく、どちらかと言うとコツコツ型。

小説のハウ・ツー本として私的にイチオシな『スペースオペラの書き方』(野田昌宏 ハヤカワ文庫)も、他人の書いた名作
を分析することを勧める内容だったが、三宅さんのこの本でも、それぞれの登場人物の行動を場面ごとに書き出して分析する
方法が勧められている。
ハウ・ツー本としてお勧めの内容。

欠点。
著者が「心理カウンセラー」として(?)かなり得意気に他人の心理分析をする下りが、かなりウザイ。
このウザさに負けなければ、ハウ・ツー本としては出来が良いので役に立つ。

笑ったのは「謝辞」。
この本、著者は最初は900ページ以上も書いてしまったのだそうだ。
それから書き直しても600ページ以上。
で、実際のこの本が、330ページちょっと。
……なんと言うか、この著者の担当編集さん、ご苦労様と言いたい。

夜。
「CSI シーズン7」を観る。
舞台はアメリカのラスベガス。
ウィキペディアによると、シーズン7のアメリカ国内での放映は2006年9月21日 〜 2007年5月17日だそうだ。
ブッシュ政権2期目で、イラク戦争が2003年に「終結した」とされつつも実質的な戦闘は継続中。
大統領の不人気ぶりが伝えられていた時期だ。

本日のエピソード「害虫の群れ」は、ごく普通のティーンエイジャーが集団になると悪逆非道な犯罪者となる……という話。
ティーンエイジャーを個人としてではなく、集団(群れ)として看做す視点が興味深い。

参考までに2009年3月9日から放映が始まったアメリカの人気ドラマ「キャッスル」(舞台はアメリカのニューヨーク)
では、主人公にティーンエイジャーの娘がいるという設定で、登場して来るティーンエイジャーは、この娘の友人たちが主。
大人達の世代より、むしろ真面目で健全な若者たちの姿が描かれている。

放送時間帯にも寄るのかも知れないが、双方がそれぞれの時代にアメリカ国内で高視聴率を取った番組だと思って見比べると
少し面白いな。

寝る。

2015年7月13日(月)
朝。
目を覚ますとかなり汗をかいている・
暑い。

昼。
2号くんが病院の帰りだと言って来る。
「会社の仕事はどうだ?」
と、聞いたら、
「普通」
と言う返事。

詳しく聞くと、
「出社すると上司からその日の業務についての指示メールが届くので、書かれている通りに仕事をして結果を返送する」
のだそうだ。
「上司って、どこにいるんだ?」
と、聞いたら、
「隣の席」

最近、よく事務職の人に「業務上のやりとりは全てメール」という話を聞くのだが、オフィス・オートメーションが進むと、
そういう感じが普通の社内風景となるのか?

昨日買った『アオイホノオ 14』(島本和彦 小学館)を読む。
主人公が新人賞に佳作入選したことを知った編集者の横山。
彼は、主人公を「見込みがない」と見限って後輩編集者に投げた人物だった。

この横山のセリフが分かりやすくて笑った。
「お…俺の捨てた新人を…後輩が担当して人気でも出られた日には…俺の立場はどうなる?!」
そして始まる横山の地味な嫌がらせ。

主人公の描いたネームを見て眉をひそめ、
「せっかくさ…賞、もらったんだからさ…次はもっとマシなの描こうよ、ね」
主人公に作品のタイトルについての感想を聞かれると、じっと黙り込んだ挙げ句に露骨にため息をついてみせる。

「フィクションです」と断ってはいるが、たぶん似たようなことはしたのだろうなあ、この編集者。
まさかその新人が小学館漫画賞を取るような漫画家になり、まさか自分がモデルの編集者が出て来る漫画を描かれるとは?

「ゲッサン」の方に、この単行本の続きの話が描かれていたが、これは主人公が大学受験のために宿屋に泊まった時のエピソ
ード。
半年前から予約していた宿に着くと、なぜか「相部屋」だと言われる。
しかもその「部屋」というのが宴会場の舞台の上。
幕は引いてあるものの、宴会場では深夜まで宴会客がドンチャン騒ぎをしているのだ。
念のため言うが、主人公は受験生で、明日は大学受験本番という夜。

この件についての宿屋側の説明が素晴らしい。
「学生さんなら大丈夫ですって!」
(何が大丈夫なのか?)

夜。
「クローズアップ現代」は、ブラックバイトの特集。
学生が塾の講師のアルバイトを始めたら徹夜で残業をさせられ、しかも残業代を払ってもらえないという話。

悪質な企業は「辞めたい」というアルバイトに「辞めるのなら君が辞めたことによって発生する会社の損害を賠償する義務が
ある」と脅して辞めさせないのだそうだ。
もちろん法律的に言って、そんな義務はない。
じゃあなんで、企業側はそんな見え透いた嘘をついても大丈夫だと思ったのか?

これってもしかして「アオイホノオ」で宿屋の従業員が言った「学生さんなら大丈夫ですって!」と、同じ「大丈夫」か?
「アオイホノオ」の主人公は、宿屋にひどい扱いを受けても抵抗する手段を知らなかったため、結局、泣き寝入りすることと
なる。
「学生さんなら(どうせ泣き寝入りするから)大丈夫ですって!」

さて、番組は企業側が悪役というイメージでまとめられていたが、企業がこんなとんでもないことをやる背景には「人手不足
だが正社員を雇う余裕はない」という企業側の事情があるようだ。

「人手不足」ということは、仕事はあるのだろう。
でも「正社員を雇う余裕はない」ということは、収益が上がっていないのだろう。
「仕事はしているのに収入が少ない」って、まるで「ワーキングプア」だ。
日本、もしかして企業がジワジワと「ワーキングプア」状態になっているのか?

寝る。

2015年7月12日(日)
【承前】
帰宅して30分程度の睡眠を取る。

朝刊の文化面に〈異郷としての東京〉と題した明治大学の管啓次郎教授の文章が載っていた。
そこに1952年に起こったベンガル語国語化運動(※)の犠牲者を追悼する記念碑「ショヒド・ミナール」のレプリカが、
バングラディシュからの友好の証として豊島区に送られ、池袋西口公園に置かれていると書かれていたのだが……
知らない。
池袋に暮らして既に四半世紀経つ私だが、「ショヒド・ミナール」なんて聞いた事がない。

ネットでが画像検索したら……
(ああ、アレ!)
なんか、竹の囲いの中にあるアレのことね。
「ショヒド・ミナール」というのか、名前を知らなかった。
バングラディシュからの観光客に道を尋ねられた時のために覚えておこう。
「ショヒド・ミナール」ね。

※ベンガル語国語化運動
 パキスタンの公用語をウルドゥー語にするという政府の政策に反対してベンガル人が起こした運動、後にバングラディシュ
 独立運動に発展し、1971年にバングラディシュがパキスタンから独立するという結果となった。

昼。
佐藤編集長から「印鑑証明の取り方を教えてくれ」というリクエスト。
この人は、なぜか役所関係の手続きが苦手。
(役人の使う言葉が理解できないのだそうだ)

「区役所には何を持って行けばいい?」
と、聞かれる。
既にそこから分からないらしい。
「『印鑑登録証兼区民カード』(交付機で印鑑登録証を取れる区民カード)があるだろう? それを持って行けばいい」
と言ったら、
「印鑑と身分証明書はいらないのか?」

「窓口に書類を出すわけじゃないからハンコはいらない。身分証明書もいらない」
と、答えると、
「どうやって本人確認すんねん?」
(そのために暗証番号があるのだが……)

……区役所まで付き合うことになる。
東池袋に出来た新庁舎は、私も行ったことがないので少し興味があったのだ。

さて、エレベーターで自動交付機のある3階まで上がり、機械の前に立った編集長。
ここで私が確かに気がついた「お役所の不親切」。
「住民票コードの必要な住民票は交付できません」と書いてあった。
「住民票コードの必要な住民票」って分からない人には分からないかも知れない。
こういうことを書くのなら、近くに「住民票コードの必要な住民票」とは何かを書いて貼っておいて欲しいな。

役人の側から見れば「住民票コードの必要な住民票」が必要な手続きの場合は、手続き書類にそう書いてあるのだからここで
説明する必要はない、ということになるのだろうが、そんなことは一般の人は知らない。
「俺の取ろうとしている住民票は、もしかして『住民票コードの必要な住民票』なんだろうか?」
と、いらんことで悩んでしまう人が出て来てしまいかねない、中途半端な注意書き。

本日、佐藤編集長が取りたいのは、印鑑登録証なので関係ない。
カードを入れて、タッチパネルを操作、料金を入れると印刷された自分の印鑑証明が機械から出て来るので、取り出し口から
受け取る。
「簡単だろ?」
と声を掛けたら、佐藤編集長、あまり簡単そうな顔をしていなかった。
編集長に言わせると、いろいろな表示が役所言葉なので分かりづらく、自分が何か間違えているような不安な気持ちになるら
しい。

午後。
折角なので、有楽町線で市ヶ谷まで足を伸ばし、靖国神社へ。
境内で販売しているお札なんかの料金表をなんとなく見ていたら「大麻」がない。

神社で大麻を売ってないことはないだろうと表に近寄ってよく見ると「神札」という見慣れないものがあり、その「神札」の
文字が何かの字の上に紙を貼って書かれているのが分かった。
どうやらこれが「大麻」のようだ。

「大麻」と言えば、あの白い紙で包んで神社の名前とか書いてあるお札のこと。
(日本人で、これを目にしたことがないという人間は、まずいないだろう)
いつの間に名称が変わったのだろう?
以前、靖国神社に来た時にはちゃんと「大麻」と書かれていたのを知っているので、神社によって呼び方が違うというのでも
なさそうだ。
(はて……???)

佐藤編集長の説によれば、
「語感が悪いから、変えたんやないか?」
ということだが、そんなことで伝統的なお札の名称をコロコロ変えるということがあるのだろうか?

神社境内にある「遊就館」へ。
1階の無料入場スペースにゼロ戦が展示してある。
同じ階に、戦時中にタイとビルマの間を走っていた「泰緬鉄道」でされたC56型31号機関車もある。

奥に売店で特攻隊関係の本が売られていたのでパラパラ見てみると、特攻隊の成功率は5%で一番の目的であった空母は一隻
も沈められなかったということが書いてあった。
(米軍は、当初は日本軍の特攻を単なる「戦闘機の墜落事故」だと思っていたらしい)
若くして死んで行った彼らのことを思うと、本当に可哀想で涙が出る。

神社を出てから池袋へ戻り、サイゼリアで食事。
ランブルスコ ロゼをデカンタ(500ml)で。(^^)

本屋で「ゲッサン」を購入。
「アオイホノオ」で主人公が着ているTシャツの「応募者全員サービス」という企画があると聞いたから。

応募方法は……
まず、雑誌の応募券を切り取って必要事項を記入。
「郵便局で、2000円分の定額小為替を購入してください」って……???

「代金2000円(品物代1820円+送料180円)で全員にお届けします」と書いてある。
「代金を渡して商品を受け取る」って、コレ、大人の社会で普通に「購入」と呼んでいる手続きではなかろうか?
子供相手の商売では、こういうのを「応募者全員サービス」と呼ぶのか?

帰宅。
昨夜録画した「ど根性ガエル」を観る。

16年後のヒロシとぴょん吉の物語、ぴょん吉役の満島ひかりがすごくはまっていて、いいドラマになっていた。
ヒロシがニート、京子ちゃんが両親を亡くしたあと結婚にも失敗して出戻りになっているという設定は、平成だなあ。
(昭和の「ど根性ガエル」は、ヒロシは貧乏な母子家庭のわんぱく坊主、京子ちゃんは裕福な家の子という設定だった)

主人公の弟分であった五郎が警察官になっているのは、「じゃりんこチエ」(チエの父親であるテツはニートで、子分だった
ミツルは警察官という設定)を参考(パクリとは言わない)にしたのかな?

昭和版「ど根性ガエル」で番長という子供世界のヒエラルキーにおける上の階層にいたゴリライモは、平成版では会社の社長
という大人の世界のヒエラルキーにおける上の階層にいる。

全体に昭和版の人間関係を壊さないように上手くスライドさせている。
なんと言っても「泣くな、はらちゃん」の岡田惠和(脚本)と菅原伸太郎(監督)コンビ。
これは楽しみにしていいドラマかも。

寝る。

2015年7月11日(土)
朝。
NHKの「ニュース深読み」を観る。

アメリカの連邦最高裁判所がすべての州で同性結婚が出来るという判決を下したことについての話題を扱っていた。
放送中にツィッターでつぶやかれた視聴者の意見が公開されたが、その中に「同性婚を認めたら少子化が進むのではないか」
というものがあり、この見方は番組中でも否定されていたが、同性愛者は同性婚が認められなかったからと言って異性と結婚
して子供を作るわけではないだろう。
同性婚が認められなかったら、単に結婚しないだけのことだ。

別の人の意見として「同性婚を認めて同性愛者がやりたい放題のことをするようになったら困る」というものもあった。
「やりたい放題」って何だ?
現実に「異性婚」が認められているからと言って異性愛者が「やりたい放題」をやって困るようなことは起きていない。
この人は、具体的にそのような「困ること」を思い浮かべてこのような意見をつぶやいたのだろうか?

昼。
スタッフ会議で市ヶ谷へ行ったら、時間を間違えていて1時間ほど空き時間が出来たので近くで行われている「キャラクター
アート展」を観に行く。
一本木蛮先生のデザインした着物が展示されていた。
きれいだが、着る人を選ぶ着物。
(痛車の着物版だと思って欲しい)

午後。
スタッフ会議。

終了後、飲みに行って、帰りに新文藝坐のオールナイトに行くことになる。
「ユーカース・カム・ヒア」
「アリーテ姫」
「金の鳥」
「ボビーに首ったけ」
の、4本で、このうち「ユーカース・カム・ヒア」以外の3本はタイトルは知っていたが観たことのない作品。
「ユーカース・カム・ヒア」は、タイトルすら知らなかった作品。
いずれもアニメーション。

「ユーカース・カム・ヒア」(1995年発表)
ユーカースという喋る犬を飼っている小学生の女の子が、失恋したり、両親の離婚の危機に遭遇したりするという話。

1990年代に、通いのお手伝いさんと住み込みの家庭教師のいる家庭で暮らしているという主人公。
あまりに経済的に恵まれ過ぎていて、イマイチ共感がしづらい。
そして「自分は奇跡を起こせる」と言うユーカースの言葉をそんなことは有り得ないと本気にしない主人公。
普通の人に言われたのならそういう反応が一般的かもしれないが、相手は「喋る犬」なのである。
すでにかなりの「奇跡」を受け入れておきながら、なぜ奇跡など有り得ないと思うのだろう?

「アリーテ姫」(2001年公開)
原作は『アリーテ姫の冒険』というフェミニズム童話。
美人ではないが聡明で行動的、結婚相手にと連れて来られた王子達をことごとく言い負かしてしまう姫が、魔法使いによって
美しく従順で思考力も行動力もない女性に変えられ、地下室に閉じ込められてしまうが……

魔法使いを滅亡した文明世界の生き残りという設定に変えたのは、何か意味があるのか?
前半に出て来た魔女が後半にまったく登場しなくなるのは不自然。
原作にあった3つの難題が1つになり、なぜか姫は事件解決後にわざわざこの難題に挑み、しかもぜんぜん難題ではなくなっ
ている。
フェミニズムがテーマの物語に、無理やり滅亡した文明のエピソードをねじ込んだために話がおかしくなってしまったように
思える。

「金の鳥」(1987年公開)
国王の命令で魔法使いの飼っている金の鳥を手に入れる旅に出た3人の王子。
要領が悪く、日頃は役立たず扱いをされていた末の王子が大活躍するという物語。
申し訳ないが、観ていて途中で寝た。

「ボビーに首ったけ」(1985年公開)
主人公は高校生、さしたる理由もないのに「大学へ行け」という父親に「つきあい切れない」と呆れて高校をサボッてアルバ
イトを始め、定期試験を受けなかったことを父親に知られて喧嘩になり、家出して友人のアパートに転がり込む。

学校はサボるし、家出はするし、今の感覚からすると甘ったれたクズなのだが、彼は同時にアルバイトはちゃんとやって雇い
主にも信頼される真面目な青年でもある。
そういう彼を雇い主やその周辺の「大人の社会」が肯定しているのだ。
この辺、今の若者の感覚からすると驚きかも知れない。
1980年代の時代の空気がよく伝わって来る作品。
(本日観た4作品の中では、これが1番よかったかな)

映画館を出ると、夜が明けていた。
家に帰って、寝る。 

2015年7月10日(金)
朝。
経済のニュース。
中国の株価が政府の力で、やや回復したそうな。
さすが共産主義国家?
まだまだ不安が解決したとは言いがたいが。

午後。
使っているWifiルータの会社から電話が来て、使っているルータをアップグレードすることにする。
前に携帯電話をずっと買い替えないでいたら、ある日「その機種でのサービスを打ち切ります」とか言われたことがある。
機種をアップグレードしない客って冷遇されるものなのだろうな。

夜。
空想小説ワークショップ。
ボツになるシナリオの4パターンについて。

(1)「死神」系
 「謎の白い世界」で主人公の前に現れる死神。
 「ここはどこだ?」とかやっているうちに、唐突に主人公の過去の罪が暴かれ、「うわー」とかなって終了。

(2)「女子高生と中年おじさん」系
 人生に疲れた中年男の前に、特に理由もなく女子高生が現れる。
 なぜだか2人で旅をすることになり、おじさんは女子高生の行動に振り回される。
 そしていきなり、女子高生の暗い秘密が明かされる。

(3)「陸幕」系
 謎の世界で軍隊っぽい組織に入隊する主人公。
 あとはマニアックな兵器についての講釈がダラダラと……

(4)「窓辺」系
 主人公は都会で働くさえないサラリーマンとかOL。
 モノローグで、退屈な人生をウダウダと語る。
 ここで弟か妹の結婚式みたいな、主人公自身が主役とならない理由で田舎に帰ることに。
 田舎では母さんの味噌汁を飲んだり、故郷の夕日を見たり。
 でも、これといった事件は何も起こらない。
 にも関わらず、都会に戻った主人公は、なぜか「頑張ろう!」みたいな心境の変化を起こしている。

……こういうのを送って来る投稿者は、多いらしい。
帰りに飲み会。

O河内さんが、
「私がイジメられているというデマが流れていて、その情報源が、どうやら崎田さんの『独り言』らしいです」
と、言われる。
「なんじゃいそりゃ?」
と、聞いたら、いつだったか自分でも忘れた「独り言」に、O河内さんと私のワインの好みが違うと書いたのが原因らしい。
(ネットのデマって怖いなあ)

家に帰って、寝る。

2015年7月9日(木)
朝刊の1面に、
〈中国株安 アジア巻き込む〉
という見出し。
中国でバブル崩壊か?

「中国嫁日記」というネット漫画があって、中国人女性と結婚した日本人男性が自分達の日常をネタの漫画を描いて連載して
いるのだが、この漫画でつい最近「中国で異常に株価が値上がりしている」というネタを読んだばかり。

株価は乱高下を繰り返すのか?
それともこのまま下がりっぱなしになるのか?
確実に日本の景気に影響して来ると思うので、少し不安だ。
「来年の消費税増税のタイミングで海外からの影響で景気が悪化」というシナリオは、避けたいよな。

昼。
アパートの下の階で下水の水漏れがあったとかで、工事の担当者が「1時半から4時半まで水を流さないで下さい」と言いに
来た。
階下の水漏れ騒ぎは耳にしていたが、まさか4時間も水道を使えなくなるとは思わなかった。
シャワーを浴びて出かける予定が変更になる。

夕方。
「クラタス」vs「メガボット2号」戦の続報(笑)をネットで読む。
格闘戦という水道橋重工側の条件をメガボット社側が一応飲んだ(?)ようだ。

「クラタス」は、普通に考えてオモチャの冗談ロボット。
戦闘用ではない。

対する「メガボット2号」を作ったメガボット社は、どうやら「ロボット対戦」で興行を行いたい様子。
興行のための資金投資を呼びかけたが、思うように集まらず、そこで「世界最初の搭乗型巨大ロボット」として注目されている
「クラタス」に目をつけたもののようあ。
(マイナーなイベントに客寄せパンダとして有名人を呼ぶみたいな感じ)

「メガボット2号」、見た感じは榊原機械の「ランドウォーカー」をキャタピラに乗せて、やたらでかいペイントボール発射
装置をつけた感じ。
言ってみれば、ペイントボールが発射できるという以外に「売り」のなさそうな機械だ。
離れたところからカラフルなペンキ玉をぶつけ合う「見た目に派手なショー」を考えていたのかな?
で、そこで「格闘戦」とか言われたわけだが、どうするつもりなのだろう?

正直、自分がイベントを主催する側だったら搭乗型ロボットの格闘戦は、避けたいところ。
怪我人が出る危険性があると思われ、スポンサーに嫌がられる。
しかも動作のゆっくりなロボット同士の格闘は、たぶん見た目も地味。
(どうするんだろうなあ?)

「どうするんだろう?」で思い出したのだが、オリンピック用に新築することになった新国立競技場。
無駄に金がかかるというので、世論調査では反対意見が多いらしい。
関連のニュースや特集番組の情報を繋ぎ合わせると、このデザインに決めた委員会の人は、内心本当に東京でオリンピックを
やることになるとは思っていなかった節がある。

書類の上だけのデザインと考えていたのなら、予算について深く検討せず「いかにも政治家の喜びそうなデザイン」を選んだ
のも理解できる。
(政治家って、なぜだかハコモノに奇抜なデザインを採用するのが大好き)

この金のかかるデザインを設計した建築家は外国人だったが「予算がかかることは分かっていたが日本なら出来ると思った」
みたいなことを言っていた。
(日本政府の莫大な赤字を知らないのか?)

総じて関係者がカネのことが頭からすっぽ抜けていたとしか思えない。
どうもは「税金をやってやる事業はカネに糸目をつけなくていい」と勘違いしている奴が多いぞ。
「楽しい事」は自分のポケットマネーでやって欲しい。

夜。
「クローズアップ現代」で、アメリカのDARPA主催の災害救助ロボ競技大会の話題が取り上げられていた。
結果は、1位が韓国で、日本は10位。
日本のライバルと思われていたアメリカは6位だったそうだ。
日本の敗因は、自律型プログラムの開発の遅れ。
韓国の勝因は、必要がない場合は脚を折り畳んで車輪で走れる構造にしたことのようだ。
(2足歩行ロボットの弱点は重心が高く転倒しやすいこと)

そして、日本のプログラムの開発が遅れた理由は、政治的な理由で競技参加へのGOが出るまで時間がかかったこと。
6位に終わったアメリカは、参加チームがプログラム開発に専念できるようにと主催者であるDARPAがボディを提供、開発
にも協力したらしいが、オペレーターの操作ミスで失点したのだそうだ。
(ものすごく、お国柄が出る大会だったみたいで面白い)

寝る。 

2015年7月8日(水)
朝。
歯が痛い。

昼。
歯医者を予約。
「キャッスル」というアメリカのミステリー・ドラマを観たら、犯人のプリファイリングを行うシーンが出て来た。
「犯人は、IQは高いが賢くはない」
そこで、刑事はメンサとプロメテウスの名簿をチェック。

「IQは高いが賢くはない」→「じゃあメンサ会員かも」って。(笑)
(分かってるなあ)

午後。
歯医者へ行く。
「虫歯ではないが、歯の噛み合わせ部分がすり減っている」
と言われる。
治しようがないらしい。

「理由は分からないのですが、こういうのは痛くなったり痛くなくなったりするので、痛くなくなるのを待ちましょう」
と、よく分からない説明をされて帰宅。

夕方。
『シメオンの花嫁』(アリソン・テイラー 青木久惠訳 ハヤカワ・ミステリ)読了。
1995年に発表された作品(日本語版の発行は翌年)

田舎町の森の中で絞首刑状態になった女性の腐乱死体が発見されたところから物語は始まる。
犠牲者が住んでいたコティジは、「昔、シメオンというユダヤ人の妻が子殺しでの罪で絞首刑となり、シメオンはその遺体を
持ったまま行方不明になった」という伝説のある家。

ウェールズ地方の独特のなまりとか、我々が一口に「イギリス人」と呼んでいる人たち同士の間にある微妙な感情。
不満を抱えた専業主婦と、その夫。
田舎町独特の嫌な雰囲気の中で捜査は進む。
(1990年代半ばのイギリスの田舎町が舞台なので、既婚女性は専業主婦が普通らしい)

札付きの犯罪者と刑事が幼なじみだったりする濃厚な人間関係。
一見、華やかな都会人に見えて、実は精神的にかなり不安定であった被害者。
事件そのものの解決というより、事件の起きた町そのものの不気味さが印象的な作品。

読みやすいが、視点が始終変化するので感情移入しづらく、物語に入り込む感じがしない。
ゲーム画面の中の村を眺めているような印象と言えば良いのかな。
書籍としては、誤植(というか誤字)の多さがちょっと気になった。
ワイドショー的なオカルト・ミステリーがお好きな方はどうぞ。

夜。
「ヘイヴン」第2話を観る。
田舎町を舞台にしたオカルト系ミステリー。
超常現象的事件が起き、誰がその事件を起こした超能力者なのかを探るという話で、結構面白い。

原語放送(字幕付き)なのでリスニングの勉強になる。
金のない地方局は、吹き替え費用をかけずに原語でどんどん海外ドラマの放映をしたら良いよな。
それで名作ドラマを観られるのなら、その方が嬉しい。

……SF大会のことでメールが来たので、その対応をしてから、寝る。 

2015年7月7日(火)
今日は七夕なのだが、天気はいまひとつ。
考えてみると七夕の日に天気が良かったという記憶は、あまりないな。

朝食の時に水を飲んだら歯に沁みた。
(虫歯かなあ?)
歯医者を予約する。

昼。
SF大会がらみの地味な事務作業。

午後。
歯医者へ。
「知覚過敏ではないか」
と、言われる。
歯茎が後退してエナメル質と歯茎との間に隙間が開いてしまうと水などが直に歯の敏感な部分に触れて痛むのだとか。
歯茎の根元を埋めてもらう。

帰り道で新しい歯ブラシと念のためロキソニンSを購入。
レジにいた薬剤師(たぶん)は、携帯電話に夢中。
店員が、その人に向かって
「センセー、ロキソニン!」
と、叫んでから売ってくれた。

私個人的には特に問題はなかったが、いいのか、こんなやり方で?
これが「有資格者による対面販売」なら、通販で買うのとあまり変わらない。

帰宅。
ネットでニュースを見ていたら、
〈巨大ロボ「クラタス」がアメリカの巨大ロボからの挑戦状に対しての返答をYouTube上で公開〉
という記事を発見。

日本のクラタスを見たアメリカ人がペイントボール発射銃付きの搭乗型ロボットを作って「対戦しろ」と挑戦状(動画)を
公表したという話はすでに聞いていたが、これに日本の水道橋重工側、倉田光吾郎氏が「やりましょう」と返事をしたとい
うニュース。

但し、ペイントボール銃を武器とするアメリカの巨大ロボに対して、倉田氏が提案した対戦方法は「格闘戦」。
「ロボット対戦」とか言っても、そもそも競技のルールが決まっていないのだ。

倉田氏、あくまで「スポーツとしての対戦」を考えているそうで、イメージしているのは「リアルロボットバトル」の搭乗型
ロボット版みたいなものかな?
「リアルロボットバトル」は、ロボットの体に「コア」と呼ばれるセンサーを取り付けて、相手の「コア」を叩いて得点する
ゲーム。
でも、これを搭乗型でやったら、ロボットが倒れた時に乗っている人が怪我をしないか?

日米戦だし、相手もペイントボールを発射できるロボットなんだから「野球」とかで勝負したらどうだろう?
相手の投げた球をバットで打ち返し、ホームランを打ったら勝ちとか?

しかしクラタスは、1台1億円以上もするオーダーメイド製品だが、基本的にオモチャ。
発射できるのはBB弾とかペットボトルミサイル程度。
なのでここは共和技研(世界最速空気圧ピッチングマシン「トップガン」を作っているところ)あたりに協力をお願いして、
ボールを発射できるように改造して……
……
妄想が広がって行く。(笑)

深夜。
やはりロキソニンが必要になった。
明日、もう1度歯医者に行こう。

寝る。

2015年7月6日(月)
朝のニュース。
「ギリシャの国民投票で、EUが求める財政緊縮策に対して反対多数という結果になった」
と言っていた。

これは「家族会議で借金の返済は待ってもらうことに決まりました」みたいなものか?
貸している国は、どうするのだろう?
日本も確か、貸している側じゃなかったっけ?

朝刊のコラム〈池上彰の大岡山通信 若者たちへ〉
を読む。
〈報道圧力と資本主義〉というタイトルで、先日の「文化芸術懇話会」等で出た、与党議員による「マスコミを懲らしめろ」
発言について書かれていた。

池上氏、まず、
〈言論の自由が保障されている世界の先進国は、いずれも経済体制が資本主義です〉
から始め、
〈消費者に人気のない商品つまり視聴率の取れない番組はテレビ画面から消えていく。これが資本主義のルールです〉
と話を進め、
〈安保法制を多くの国民が支持していたら、批判報道をしている番組は、次第に姿を消すでしょう〉
とまとめている。

その上で、与党は、
〈自由なマーケットのもとで、自分たちが「優れた商品」だと信じる主張を消費者=国民に売り込めばいいのです〉
と意見を述べていた。
それが「資本主義国家」のやり方であるはずだという主張。

なかなか興味深い視点だ。
そう考えると、大西議員あたりは「反資本主義者」つまり「共産主義者」だったのだな。(笑)

昼。
2号くんが来る。
1号くんと喧嘩したらしい。
一緒に「八岐大蛇の逆襲」を観たり、だらだらと過ごす。

夕刊。
社会面のトップ記事は〈大分で住宅全焼〉。
〈父親放火 子供?4人死亡〉
記事を読んでみると、この父親、海上自衛隊の現役自衛官だそうだ。

たぶん私が子供の頃だったら、この事件の見出しは〈現役自衛官放火〉か何かになっていただろう。
昔は自衛官が犯罪を犯したら「自衛官」であることを強調する報道をするのが普通で、短期間でも自衛官を経験していたら、
犯罪を犯した時の肩書きは「元自衛官」と決まっていた。

あまりしつこく「元自衛官、元自衛官」と繰り返す報道に、うちの親が怒ってテレビ局に、
「そんなに自衛官の評判を落としたいのか」
と、抗議の電話をかけていたのを覚えている。

そういう人が増えたせいか、最近は犯罪者の肩書きで「自衛官」を強調する報道は、あまり見かけない。
視聴者の支持を得られない報道を行うマスコミは、次第に姿を消す。
この辺、池上さんは正しいと思う。

夜。
73歳で大学入試(社会人枠)に挑み、合格したコメディアンの萩本欽一氏の英語勉強法というのをテレビでやっていた。
「参考書を全ページコピーして、自分に必要のある部分だけ切り抜いてノートに貼って記憶した」
のだそうだ。
これ、いいかな?

寝る。 

2015年7月5日(日)
今日も雨。

昼頃に家を出てリブロへ。
店員に7月20日に池袋本店が閉店した後に入る店を聞いたら「三省堂」らしい。
肝心の本店の移転先は、まだ決まっていないのだそうだ。

地下道にポスターが貼ってあって、ペッパーが来るイベントの告知っぽい。
本日のイベントのようなので見に行くことにして、店員に場所を聞いたら誰もが「は?」みたいな反応。
どうにか探して行ってみたら、お中元売り場の入り口でペッパーがティッシュを配っていた。

このロボットについてよく知らない人が配置したのか、ペッパーが2台並べて置いてある。
イベントオタクとして言わせてもらうと、これはNG。
(浦安のランドの入り口に、ミッ○ーの着ぐるみが2つ並んでいるところを想像してみて欲しい)
売りである「希少性」を、わざわざ潰している。

加えて、ペッパーは「音に反応するロボット」なのである。
人の声がした方向に視線を向けるという機能があるのだが、並べて配置してあるために1台目のペッパーが客を認識して挨拶
の言葉を口にすると、2台目のペッパーは、その声に反応してしまい客にそっぽを向けてしまうので「客の声を聞き、そちら
に顔を向けてティッシュを渡す」という動、作がうまく出来ない。

(せっかくのロボットを、なんでこんな使い方をしてしまうのかな?)
そして、置いた場所が出入り口の近くというのも大失敗。
売り場の奥まで入らなくてもペッパーを見ることが出来るので、ペッパー目当てで来た我々のような客は、そこで踵を返して
帰ってしまう。

これたぶん「客寄せにペッパーを使おう」と思いついた人と、現場で実務を担当する人との意思の疎通が出来ていなかったの
だと思う。
なんてもったいない!

夕方。
SF乱学講座。
タイトル:幻の集団 信長母衣衆
講師:源代広太郎氏(明治大学大学院 文学研究科大学院生)

母衣(ほろ)というのは、ざっくり言うとマントの裾を腰に括り付けたような形の武士の七つ道具のひとつ。
実際には細い布を綴り合わせた作りになっていて、絹で出来ている。
これを着用して走ると風圧で布が膨らみ、背後からの流れ矢を防ぐ働きをする。

当初は実用目的で着用された母衣だが、後にその実用面が形骸化し「お守り」的な意味での矢よけとして扱われたり、着用が
名誉を意味するものとなったりと、いろいろ変遷があったようだ。

「ようだ」というのは、リアルタイムの戦国時代には、この「母衣」に関して記述した文献がほとんど残っていないから。
当時の武士階級は、農民である雑兵よりも識字率が低かったそうで、そもそも日常的な出来事を記述して書き残すという習慣
がない。

残っている文献はというと、織田信長の配下には母衣を身につけることを許された母衣衆という精鋭部隊がいて、自分もその
一人だったと書き残している渥美刑部丞という人の書いた文章ぐらい。
但し、渥美刑部丞が信長の母衣衆にいたという話自体は、調べてみるとどうやら嘘らしい。
しかし、渥美刑部丞が自分の嘘を本当らしく見せるために書いた他の母衣衆については、どうやら事実っぽい。
……というややこしい話。

こんな感じで「母衣衆」については、後世のいい加減な文献の記述の中から、どうにか本当らしい部分を探し出して再構築す
るという形で研究を進めるしかないらしい。

そして「母衣」そのものについても、戦国時代に実際に使われていた物は現在のところ発見されていないのだとか。
というか一般に「母衣」についての知識がないので、もしかしたらどこかの蔵だか物置だかの中になんだか分からない布とし
て仕舞い込まれてしまっているのではないかという話。
なかなか歴史のロマン。

放課後は、いつものように「包茶」で軽く飲んで帰宅。
寝る。

2015年7月4日(土)
雨。
テレビで「梅雨前線が停滞している」とか言っている。
「農作物への影響が懸念されている」そうな。

こういう時にいつも思うのだが、農業って自然災害の影響を受けないように屋内でやるってのは無理なのか?
子どもの頃に本で読んだ未来世界の話には、ビルの中に畑を作るというアイデアがすで載っていたのだが、あれは実現しな
いのだろうか?

午後。
SF大会のスタッフ会議@オシャレが集まる街・表参道。
「気後れしないで来て下さい」と、会議案内には書いてあったのだが……
駅から出ると、そこは「オマエラがいてはいけない世界」。

逃げるように会議室に入り、スタッフ会議開始。
会議食にバラパンというクリームの入ったパンを持って来た人がいて、1切れづつ貰ったのだが、口に入れた瞬間、
「賞味期限切れのパンだけど大丈夫ですよ。僕ら平気だし」
お前らの雑な胃袋と、私のデリケートなストマックを一緒にするな!
(スタッフが食中毒で全滅して今年の日本SF大会は中止とか、嫌だな)

会議は多目的ホールの使い方について。
広い会場を分割して使用するのだが、時間帯が重なると困る企画があるのでその時間の調整。
「ビブリオバトルのスピーチを行っている隣で『ようかい体操第一』を踊るというのは、避けた方が良いのではないか?」
など討議を重ねる。
(こういう時になぜ「では実際に試してみよう」とか言って踊り出す奴がいるのだろう?)

「ようかい体操第一」を見て、
「こんな難しい体操が、子どもに出来るんですか?」
と言い出した人がいるので、
「今は体育の授業でダンスを教える時代だから」
と、小学生のダンスの動画を見せたら、
「こんなの絶対に出来ません。僕は今の小学校へ行ったらダンスが出来なくて苛められる自信があります!」
(そんな自信はいらねーっ!)

会議終了後、会議場近く(だから表参道)のタイ料理屋へ。
店に入ったら、なんかお洒落なお店。
その店内に生え抜きのオタクどもがゾロゾロ。

微妙な表情の(表参道の店の)店員に、トイレの脇の階段を上がった人目につかない席に案内され、
「7時までなら」
と釘を刺され、6時40分を過ぎた辺りには、
「次のお客様がいらっしゃるので」
と、急かされて店を出る。

どうやらこの店は、オシャレなお客様が、ちゃんと「事前にご予約を入れてから」入る店だったようだ。
やっぱり我々は表参道なんかで会議しちゃいけなかったんだ。(泣)

副都心線で家に帰って、寝る。 

2015年7月3日(金)
朝。
インターネットでニュースを見ていたら、昨日の「中国国営テレビで自衛隊の資料映像にガンダムのCGが混じっていた」と
いう事件(?)が、面白ネタだったせいか話題になっていた。

普通に考えると、録画した日本のニュース番組の映像を編集して使用し、その際にガンダムのCGを使ったカップヌードルのCMをカットし忘れたのだと思うが。
昨日の民放ニュースも「ガンダム」が映る直前の映像をあまりはっきり流さなかったうえ、問題点も、「映像の無断使用」と
していたから、たぶん分かっていてわざと面白ニュースとして流したのだろう。

……と、このニュース関連のサイトを検索するため「ガンダム 自衛隊」で検索していたら、

2007年10月29日06:30のガページニュース(旧過去ログ版)に
〈防衛省技術研究本部、陸上装備として「ガンダム」の実現を模索〉
という記事を見つけてしまった。

「平成19年度研究発表会〜防衛技術シンポジウム2007〜」の概要発表の記事の中に、
〈防衛省が現在開発している数々の兵装や技術に関するお披露目の場ということだが、その展示品目の中に「陸上装備」カテ
ゴリーとして「ガンダムの実現に向けて(先進個人装備システム)」という表記があることが明らかになった〉
だそうだ。

で、「先進個人装備システム」で動画検索してみたら、GPS付ヘルメットと防弾板を装着した人の映像が出て来た。
要するに「パワードスーツ」みたいなものの開発か?
(「ガンダム」って……)

まあ、モビルスーツはパワードスーツの一種と言って良いのかも知れないが。
言葉の一人歩きって怖いなあ。
(「パワードスーツ」の一種が「モビルスーツ」で、その「モビルスーツ」の一種が「ガンダム」だろう)

午後。
古本屋で買った『シメオンの花嫁』(アリソン・テイラー 青木久惠訳 ハヤカワミステリー)を読む。

ミステリー。
森の中で手首を縛られ、首吊り状態で発見された女の死体。
警察は殺人事件として捜査に乗り出すが……

どうでもいいが、前の持ち主、本に傍線引くの止めて欲しかった。
鉛筆の線なので消しゴムで消しつつ読んでいるのだが、すごくうざい。

夜。
ダイコンフィルム関係者からSF大会の資料用映像として渡された
「八岐大蛇の逆襲」を観る。
1984年制作の自主制作特撮映画。
 監督・脚本:赤井孝美(「プリンセスメーカー」の、あの人)
 特技監督:樋口真嗣(「平成ガメラシリーズ」の、あの人)
 出演(毛利大佐役):武田康廣(株式会社ガイナックスの、あの人)
 出演(テレビレポーター役):庵野秀明(「エヴァンゲリオン」の、あの人)
 機材協力:押井守(「攻殻機動隊」の、あの人)
……と、後の「あの人」な人だらけで作られた、ある意味、本編よりエンディングクレジットの方がスゴイ作品。

ストーリーは、ヤマタノオロチが実は宇宙人の巨大ロボット兵器だったという設定で、スサノオに敗れた後、兵器を改良して
リベンジを試みた宇宙人が地球の防衛隊と戦うという話。

ヤマタノオロチの所有者である宇宙人は、姿はヘビに似た怪物だが、性格的には争いごとが苦手な「公家」。
戦闘に長けた地球人にヤマタノオロチを操縦させようと2000年間、待っていたのだが、ヤマタノオロチを起動させてしま
ったのは、事情を知らない女性科学者。

喜んで勝手にヤマタノオロチの走行を開始する宇宙人たち。
いい加減な防衛隊長。
やたら威勢のいい戦車隊長+運転の下手な戦車兵。
ド近眼の砲兵。
無責任なテレビクルー。
ついにキレてしまう女性科学者。
……等々が暴れまくって、米子の街を壊滅させてしまうというストーリーで、素人なので役者の演技は下手。
それを補って余りある当時の特撮好きの男の子たちの熱い情熱。
(赤井さん、若いなあ!)

砲兵がド近眼である理由を「最近視力が落ちた」と、わざわざセリフで言い訳させている無駄な細かさがいいなあ。(笑)
(通常、近視の者は砲兵に選ばれない)

メイキング映像。
公園にセットを組み、野次馬で集まって来た幼稚園児たちの目の前で火薬を爆発させていたが、今だったら大騒ぎだろうな。
どう見ても木造のアパートみたいなところで(床は畳)火薬を使ったセットの爆破実験。
これも今だったら間違いなく逮捕されると思う。
1980年代の日本の長閑さが懐かしい。

これ、自主制作なんだよな。
個人的に最も感動したのはメイキングの「(陽炎のような)ユラユラ感を出すために、カメラとセットの間に石油ストーブを
置く」という赤井さんのアイデア。
こういう身近な物を使った特撮って大好きだ。

寝る。 

2015年7月2日(木)
朝。
民放のニュースで、先日、新幹線でガソリンを被って自殺した男の動機は年金の支給額に強い不満を持っていたことだと言っ
ていた。
つまり、あれは単なる自殺ではなく、政府の年金政策への不満を動機とする、ある意味での「政治テロ」だったのだな。
いわゆる集団テロとは違って、こういったいつどこでだれが行うのが分からない、防ぐのが困難なテロが、今後は増えるのだ
ろうか?

昼。
夜勤明けだという1号くんと一緒に駅前へ。
リブロへ行って柱のサイン(リブロ池袋本店が閉店になるので、作家や漫画家が入り口の柱に記念にサインをした)を写真
に撮る。
(この柱、壊すのか? それともどこかに保存しておくのか?)

一緒に飯を食い、ビックカメラに寄ってから1号くんのアパートへ行く。
1号くん、本業の他に漫画家のアシスタントのバイトをしているというので、
「仕事が終わってから通ってるのか?」
と聞いたら、
「電子だよ」
と、笑われた。
漫画家さんから電子データで届いた原稿を自宅のPCで処理して返送するのだそうだ。
(最近のアシスタントの仕事って、そんななのか?)

部屋で民放のニュース番組を見ていたら、中国国営テレビの真面目な特集番組の中で「日本の自衛隊の資料映像」として流
された映像にガンダムのCG映像が混じっていたという。
どうやらCM用(カップヌードルのテレビCMだったらしい)に作られた映像であったようだが、どういうわけでこの映像
が「自衛隊の資料映像」の中に紛れ込んだのかは不明。

ミステリーファン的には、実は中国のテレビ局内に「勇者」がいて、「この番組の内容は信用できない」と主張するために
故意に紛れ込ませたとかなら面白いのだが。(^^;

家に帰って、寝る。

2015年7月1日(水)
朝。
ネットでニュースを斜め読み。
「文化芸術懇話会」問題で自民党が火消しに懸命になっている最中に、大西議員が、またいらんことを言ったらしい。
「マスコミを懲らしめる」とか、わざわざ見出しに使いやすい言葉を繰り返すのは、何か狙いがあるのか?
「大西は、攻撃材料を作るために野党が差し向けた工作員」とか言われたら、私は半分信じるぞ。(笑)

午後。
小雨がパラついていたが、駅前に出かける。
リブロはいよいよ7月20日に閉店だそうだ。

「パニーノ・ジュスト」で食事する。
生ハムとパンとスパークリング・ワイン。

帰宅。
日経夕刊の文化欄に〈映画が描いた戦争〉というコラムの連載第1回目が掲載されていた。
今回とりあげられていたのは「爆弾三勇士」
サブタイトルは〈集団自決の導火線に〉。

記事によると、
〈ある戦闘で三人の日本の兵士が中国軍の鉄条網を破壊しに行って死んだ。誰もその現場を見ていた者はいないから本当の
ことは分からないのだが、これは爆弾を抱えて鉄条網に飛び込んだのだとその部隊の将校が言うと、日本中が驚きで騒然と
なった〉
のだそうだ。

そしてこの事件が映画化され、ヒットしたことで、
〈軍人にはそれが、誰もが三勇士のようであるべきという重いプレッシャーになった〉

〈この熱狂が太平洋戦争での特攻隊を生むことに影響していることは明らかだし、特攻隊はまた、今の中東の戦争での自爆
攻撃に影響しているであろう〉

執筆者は日本映画大学学長の佐藤忠男氏。
メディアが事件をどう取り上げたかが、社会に与えた影響という視点での考察のようだ。

佐藤氏がもうひとつ例に挙げたのが空閑(くが)少佐という人の自決事件。
中国軍の捕虜となった空閑少佐は、捕虜交換で帰されて来たあと部下たちが大勢戦死した場所に行って自決した。
〈するとまるで軍神のように褒め讃えられた〉

日本軍では敵の捕虜になる兵士はいないという建前があり、従って捕虜になったらどうするかということが教えられていな
かった。
〈しかし現実には、どんな勇士でもやむを得ず捕虜になるということはあり得る〉

そこに空閑少佐の事件が起きて、捕虜になっても自決すれば褒め讃えられることが分かった。
だから捕虜になったら自決すればいいということになってしまったというのが、佐藤氏の考察。
人間って「どうすれば良いのか分からない」と「死ぬ」だと「死ぬ」方を選ぶものなのだろうか?

夜。
NHK BSプレミアム「アナザーストーリー」で、クリントン元大統領のいわゆる「モニカ・ルインスキー事件」が、取り
上げられていた。
窮地に陥った時のヒラリーのしぶとさが、なかなか!
(日本の軍人ってこういう「しぶとさ」に欠けていたんじゃないだろうか?)

寝る。

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