目次へ
独 り 言 (2015年2月分)
2015年3月分へ

2015年2月28日(土)
 午前中。
レナード・ニモイ氏が亡くなったというニュース。

「スター・トレック」のミスター・スポック役で知られる俳優。
死亡記事で知ったのだが、彼はユダヤ人だったのだね。

感情を表すことを良しとしない厳格なバルカン星人の家庭に育ち、地球人のチームの中で戸惑いながら日々を送るミスター・
スポックは、彼のはまり役だった。

死因は慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、死期を悟っていたのか、ツィッターにこんなツィートを残していたのだそうだ。
“A life is like a garden. Perfect moments can be had, but not preserved, except in memory. LLAP”
(人生は庭に似ている。完璧な瞬間を得られても、ずっとそのままにはしておけない、思い出の中以外では。長寿と繁栄を)

この“LLAP(長寿と繁栄を)”は、流行って、SFファン同士が同類に挨拶する時に、よくやった。
普通に挨拶するように片手を上げて、人差し指と中指、薬指と小指の間をくっつける。
「スター・トレック」を観ている者同士にしか通じない挨拶で「仲間だぜ」な感じになるのだ。

それにしても、COPDで死にかけている時に、ファン宛のメッセージをツィートしていたのか。
どこまでファンサービスに熱心な人だったんだろう。

死亡記事で初めて知ったのだが、2冊の自伝を書いていたそうだ。
1冊目は、“ I Am Not Spock ”(1975年出版)
2冊目は、“ I Am Spock ”(1995年出版)
20年のうちに、抵抗するのをやめて、スポックとして生きて行くことにしたのだろうか?

ところで、ニモイ氏の訃報を報じた読売新聞電子版の見出しが、あんまりだった。
〈耳とがったスポック役の俳優死去…オバマ氏悼む〉

午後。
佐藤編集長が、近所の居酒屋で、今夜ライブがあるらしいという情報を持って来た。

1号くんに電話して誘ったら「同人誌即売会の原稿で忙しい」のだとか。
2号くんだけ来ると言うので、3名で予約して、夕方に出かける。

沖縄民謡のライブということで「どんなものかな?」と思ったのだが、結論を言うと、ハズレ。(^^;
ライブの善し悪しではなく、客が我々以外、全員沖縄県人と関係者だったらしい。

盛り上がって来ると、会話が自然にウチナーグチになる。
(我々3人以外の人には通じているから、多数決で負け)

「次は誰でも知っている○○○という曲です」
客席どっと沸く。
我々3人だけ「ナニソレ???」

(すいません。沖縄県人会に間違って紛れ込んでしまいました)
……という状態。

最後は大盛り上がりで、会場中が沖縄民謡に合わせて踊る、踊る……。
たぶんあれは、あのリズムが体に染み付いている人には、簡単なダンスなのだろう。

(なぜこの人達は、踊りの輪に加わらないのだろう?)
と、不思議そうな目で見られたが、
「踊れません」

ただでさえ音痴なのだ。
ダンスを踊るには、事前の練習と入念なリハーサルが必要で、それでもかなり危ないというタイプ。
いきなり聞き慣れないリズムに合わせて「踊れ」と言われても、それは不可能。

あまりのアウェー感に、つい3人で数学パズルの解き合いをやり出してしまった。(笑)
(数学って、心が落ち着くよね?)
ノリの悪い客だと思われただろうなあ。

帰宅。
読売新聞電子版のレナード・ニモイさん死亡の記事を読み直そうとしたら、見出しが変わっていた。
〈ミスター・スポック、レナード・ニモイさん死去〉

たぶん、最初の見出しを書いた人は、「レナード・ニモイ、誰それ?」という人だったんじゃないだろうか。
見出しがあんまりだと読者から苦情が来たのかな?

レナード・ニモイ氏、人気俳優を殺人犯役で出演させることで有名な「刑事コロンボ」にも、もちろん出ていた。
ニモイ氏演じる犯人が「感情的になったこと」を、コロンボがおかしいと気がついて事件解決という話。
セリフには出て来ないが「ミスター・スポックが感情的になるなんておかしい」という楽屋オチだよな。

どうでもいいトリビア。
レナード・ニモイ氏は、「宇宙大作戦」と「スパイ大作戦」の両方にレギュラー出演している。

いい俳優だったのになあ。
享年83。
バルカン星人にしては若過ぎる死だ。
ご冥福をお祈りします。

寝る。

2015年2月27日(金)
午前中。
「文藝春秋」を読んでいたら中原英臣という人が中咽頭に出来た癌の手術を受けた際の体験記が載っていた。
その中にこんな記述があった。
〈息子からこんな提案があったのです。息子はコンピューターを使って音楽を作る仕事をしていますが、今のうちに私の声
をCDに記録しておいてはどうかと。(中略)今のうちに私の声をサンプリングしておけば、もし声を失っても、パソコン
を通じて、自分の声で喋ることができるかもしれないというのです〉

そう言えば、昨日の夕刊(日経)に〈国立情報学研究所の山岸順一准教授らは4月から、のどの筋肉が徐々に衰えて話がで
きなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の声を永久保存するプロジェクトを始める〉という記事が載っていた。

これ、咽に出来た癌を手術する患者にも広げて欲しいな。
「声が出なくなる」ことを心配して手術をためらう患者に、選択肢のひとつとして示せるんじゃないかと思う。

夕方。
空想小説ワークショップ。
「Story Cubes」を使った物語作り。
「Story Cubes」は、6つの面にイラストが描かれた9個セットのサイコロをつかったゲーム。
サイコロを振って出て来たイラストを繋いで1つの物語を作るという遊びで、ルールとして書き出しは、「むかしむかし、
あるところに〜」か「遠い遠い、あるところで〜」。

ちなみに私が作った物語。
(出たサイコロの絵は、「リンゴ」「てのひら」「鍵」「携帯電話」「橋」「ピラミッド」「鍵穴」「電球」「錠前」)

むかしむかし、あるところにリンゴの木がありました。
そのリンゴには食べると永遠の呪いがかかるという言い伝えがあり、木の根元には「ダメ、絶対!」と書かれた、てのひら
マークの張り紙が張ってありました。
ところがある日、お腹をすかせたひとりの男がリンゴを食べてしまいました。
すると中から鍵が出て来て、直後に携帯電話が鳴りました。
電話からは「この鍵に合う鍵穴を探せ」と命じる気味の悪い声が聞こえて来ました。
その人は電話の声の命令通りに禁断の橋を越え、ついに謎のピラミッドに辿り着きました。
ピラミッドには鍵穴があり、持って来た鍵を差し込むと扉が開きました。
真っ暗な中を手探りで進むうちにスイッチに手が触れたので、押してみたところ電球が点きました。
明るくなった部屋の中には錠前がひとつ置いてあり、また携帯電話が鳴りました。
電話からは「この錠前に合う鍵を探せ」と命じる気味の悪い声が……

……なんか、かなり無理矢理だな。(笑)
放課後は、いつもの「大馬鹿地蔵」で飲み会。

家に帰って、寝る。

2015年2月26日(木)
朝。
ネットのニュースを見ていたら「アバターで通学する高校」という話を見つける。
明聖サイバー学習国。
要するにパソコンやモバイル端末を使った通信制高校なのだが、アバターを使ったゲーム画面みたいなもので「学園生活」を
体験できるという仕組みらしい。
(流行るかな?)

今後、地方自治体の予算の都合や少子化で、学校の数は減って行くだろうから、通学が困難な地域が増えるというのは大いに
考えられること。
こういうシステムを使って、自宅にいて学習するか?
あるいは学校の近くに寮を作るか?
50年後の「学校」って、どうなっているのだろう?

午後。
「文藝春秋」に掲載されている芥川賞受賞作という小説を読む。
「九年前の祈り」小野正嗣。

現代の日本とは思えないような奇妙な迷信がリアルに存在する限界集落を舞台にした物語。
例えば、猿の死体を処理した清掃作業員が手袋を外してか手で顔を拭ったら、顔に火傷のような跡が出来た。
(医者行けよ!)
その作業員に肩車(?)された子どもが、その後、不運な目に遭ったのは、猿の死体を触った手で触られたから……
って、なんでやねん?

ホラーなのかと思ったら、どうもそうじゃないようだ。
そういうことが普通である町であるらしく、そこは「限界集落」なのだそうだ。
(確かに、こんな薄気味の悪い話が日常的に存在するような土地なら、私でも住みたくない)

主人公は、正確に問題のあるカナダ人の夫に捨てられ、障碍児である我が子を連れてこの集落に戻って来た女性。
(なんで障碍児がいるのに、わざわざこんな町に?)
と、思ったのだが、こういう町で育った人間には、こういう町の方が住み良いらしい。

閉鎖的な人間関係の中で、主人公は9年前のカナダ旅行(役所が企画した団体旅行)の記憶と現在を行き来する。
ここも行ったり来たりで、時間的にも閉じている。
時間的にも空間的にも閉じられた世界の中で、障碍児の我が子が泣き叫ぶ姿を「引きちぎられたミミズ」と感じる主人公の心
も、目立たぬままに病んでいる。
登場人物に、誰も幸せな人がいないので、読んでい心が重くなった。

夕方。
ネットの接続がここのところやたらに重いので、調べてみたら、昨年イーモバイルの速度制限ルールが変更になり「月の利用
通信量が10GB以上になった場合は制御期間が当月1ヶ月間」になったのだそうだ。
これでは使い物にならないので、有線接続に切り替えようとアダプター(MacBook Airは、アダプターがないと有線接続が出
来ない)を探すが、こういうものは必要な時に限ってなぜか見つからない。

民放のニュース番組を見る。
「イスラム国(IS)」から逃れて日本に逃げて来た人の特集。
日本では戦争難民を「難民」と認めていない。
(昨年、日本で「難民」と認められた人は「6人」)

特集は「中東での人道支援も大事かもしれないが、日本国内での難民支援も重要ではないか」まとめられ、安倍さんの中東訪
問時の「人道支援」演説を暗に批判している印象を受けた。

夜。
NHK「クローズアップ現代」は、紛争地域での取材や民間団体による人道支援についての特集。
後藤健二さんの映像から始まり、それから紛争地域の取材で命を落とした山本美香さんや橋田信介さんについて。
さらに人道支援を行っている団体の人へのインタビュー。
「現地での活動にはジャーナリストからもたらされる情報が重要」
「むかしは日の丸を掲げていれば安全だったのに、最近はそうではなくなった」

後藤健二さんという人は、どうやら日本のジャーナリストの間では、相当に評判の良かった人のようで、その彼を「勝手に紛
争地域に行って国に迷惑をかけた馬鹿」扱い(高村さんは「蛮勇」とか言っていたからな)する日本政府に対して、目立たな
いようにながらジャーナリスト仲間が政府批判を行い始めたような気がする。

だって安倍さんにとっては、後藤さんの件は「もう済んだこと」にしたい案件だろうと思うから。
それを蒸し返すように番組で扱うというのは、何らかの意図があってのことだろうから。

夕食後
有線接続用アダプターを、ようやく見つける。
和服の帯を入れた箱の上。
(なぜ、そんなところに???)

百均で買ったケーブルにアダプターを繋いで、どうにかまともに接続できるようになった。
今後は自宅では有線を使おう。

寝る。

2015年2月25日(水)
西川農林水産大臣が辞めた件で、国会で総理大臣の任命責任が追求されているそうだ。
素人である私の理解の範囲でこの件をざっくりまとめてみると……

西川さん「自分は法律の抜け穴を上手く利用して金を受け取った。だから違法ではない」
野党議員「それ、実質的にアウトだろう」
西川さん「だから違法ではないんだ」
野党議員「実質的な意味でアウトだったら、政治家として道義的にアウトだろう」
西川さん「野党議員がアホで、違法ではないということが理解できない。俺は無責任な野党議員とは違うから、国会の運営の
     ために犠牲になって辞めるのだ。役立たずや愚か者でないならば、私が正しいことが分かるはずだ」

午後。
カフカの「流刑地にて」を読む。
流刑地を訪れた高名な学者である旅行者が、そこで将校から残虐な処刑機械を見せられ、そこでの処刑制度についての説明を
受ける。
将校は、新任の司令官が流刑地の処刑制度に難色を示していることを旅行者に話して協力を求めるのである。
その協力の内容とは……
「司令官はあなたが、他の無知なよそ者と同様にここの処刑制度に反対の意見を持つと思い込んでいる。しかしあなたは十分
な説明を受けた。司令官はあなたを味方と信じて高官会議に招待するだろう。彼が処刑制度に反対することを期待してあなた
に発言を求めたその時に、思うさまをぶちまけて欲しい」

将校は言う。
「わたくしを援けていただけますね? いや、援けないではいられない、そうなのではありませんか?」

しかし旅行者は、協力を断る。
なぜなら十分な説明を受けた旅行者は、流刑地の処刑制度について反対の意見を持ったからだ。
これを聞いた将校は、処刑機械を使って自分で自分を処刑してしまう。

感想。
カフカは、この話をコメディのつもりで書いたのだろうか?
なぜなら有名な「変身」が、どうやらコメディのつもりで書かれた作品らしいから。

「変身」が物語がコメディとして評価されない理由は、恐らく、
「虫になったらもう家族じゃないの。だってキモいんだから、それも分からないKYってホント笑えるよな?」
という見方に、大半の読者が共感できないから。

そんなカフカの作品なので「流刑地にて」も、旅行者が自分に味方してくれると信じ切って得々と作戦を語る将校の姿を著者
自身はコメディとして描いたつもりだったのではないかと思うのだ。

カフカの作品から、
「グロい」と「クラウン(道化者)があまりにも悲惨なことになる結末」という要素を除いたら、もっと笑える小説になって
いたんじゃないかなあ?
でも、それじゃ「ブンガク」として評価されなかったか。

夜。
巨大地震をテーマにした「池上解説」番組を観る。
興味深かった話。
大きなビルの建っている土地の一部が、川を埋め立てた土地だったため、阪神大震災の時にビルのその場所だけ陥没してしま
い全体的に崩れてしまうということが起きた。
不動産を買うとき、古地図でむかしの地形を確かめるってのは大事かも。

高層建築物にピロティや駐車場を作るために柱の少ないフロアを作ると、その階だけ潰れるパンケーキクラッシュという現象
が起きる。
とっさに「お江戸両国亭」を思い出した。
この演芸場は、ビルの1階にあるため客席に視界を遮る太い柱があり、しばしば芸人にネタにされている。

なので「お江戸両国亭」でググッてみたら、
〈お江戸両国亭は平成27年4月まで耐震工事中です〉
だって。
「お江戸両国亭」は耐震に配慮した演芸場のようだ。

寝る。

2015年2月24日(火)
朝刊。
1面のトップは、民事再生手続き中のスカイマークの支援に航空各社が動き出したという記事。
〈西川農相が辞任〉は、同じ扱いだがスカイマークの記事に比べて扱いが小さくなっている。
(スカイマークの記事って「農相辞任」という事件が起きた翌朝の新聞で、わざわざトップに持って来なくてはならないほど
緊急性の高いニュースか?)
そして「安倍総理が国会で野次を飛ばして議長に注意を受けた挙げ句その内容が全て勘違いだった件」については、何も書い
ていない。

これだから安倍さんは、油断しまくった発言をするのか?
日本の総理大臣のいろいろな発言は、海外メディアでも報道される。
国内のマスコミと違って、海外ではそのままニュースとして流されてしまうだろう。
そんな時、どうするのだろう?
お得意の「真意が伝わっていなかった(と、発言内容を後から変更する)」という手が通用するのは日本国内だけだぞ。

午前中。
メールが来る。
「4月に1週間だけアルバイトに来てくれませんか?」
という内容で、詳細が載っているという添付ファイルを開いたら、応募資格に「20歳から35歳」と書いてあった。
「私は50歳を過ぎているのですが……???」
と、問い合わせたら、
「それでもいいです。人が足りないんです」
との返事。

 応募期限:今週の金曜日
 説明会:3月半ば
 勤務日:4月の後半に1週間程度(日中の勤務)
 応募資格:20歳から35歳
という条件で募集したら人が集まらないのだそうだ。

その年齢の人だと、普通は学生か社会人。
「社会人だったら日中は働いているし、学生はまだ4月からの大学の時間割が分からないから応募しづらいでしょう」
と、言ったら、
「ああっ、そうか!」

一応、応募書類をメールで送っておく。
週末までに若い人がもっと人が集まれば、向こうから断って来るだろう。

「宇宙船レッド・ドワーフ号」の字幕を頼まれた時もそうだったが、私はどうもこういう時に「あいつなら、たぶんヒマだろ
う」と、思い出されるタイプの人間であるらしい。
いつもボーッとヒマを持て余している人間に見えるのだろう。
ときどき近所のおばさんにもに「たまには外に出て何かしてみたら?」とアドバイスを受ける。
「何か」と言われてもねえ。(笑)

午後。
2号くんが来る。
「スティーヴン・ホーキングの半生が、また映画化された」
なんて話をする。

ちなみに、ホーキング自身はモンティ・パイソンの舞台に出演したことがあるそうだが、なんか「イケメン科学者を車椅子で
礫く」という役だったらしい。
日本では、自国を代表するような科学者を舞台にゲスト出演させたとしても、こんな面白い役はやらせて貰えないだろうな。

夜。
近所のコインランドリーでGパンを洗濯して、ついでに米を買って帰る。

寝る。

2015年2月23日(月)
地味な作業で午前中が潰れる。

午後。
テレビをつけたらNHKの籾井会長が喋っている映像が映った。
途中からなのでよく分からなかったが、例の「政府の正式なスタンスがまだ見えないので、放送するのが妥当かどうかは慎重
に考えないといけない」という失言について釈明していたようだ。
むかしだったら、ここまで失言を繰り返す人はとっくにクビになっていると思うのだが、世の中が甘くなって来ているのか。

夕方。
区の防災無線の定時のテスト放送が聞こえ出して間もなく地震。
 時刻:17時0分頃
 震源千葉県北西部(北緯:35.6度 東経140.2度)
 深さ:約80km
 規模:マグニチュード4.5

横浜の方で震度3
この辺は震度2ぐらいの揺れだったようだ。

防災無線は、地震については特に何も言わない。
防災無線というのは、こういう地震とかの時に情報を流すものじゃないのかな?
そこそこ大きな地震だったのだから「ただいま震度○の地震がありました。火の元に注意してください」ぐらい言っても良い
気がする。

夜。
ネットのニュースに〈西川農林水産大臣が辞任〉と出ていた。
これはある程度、予想されていたことなので別にいまさら驚かないが、私が問題に思っているのは、この西川さんの件で野党
議員が質問している際に首相が飛ばしたという野次。

「日教組どうするの」と言ったのだそうで、その場で議長に注意されている。
そして、翌日、この野次について追求を受けた際の説明が、
「日教組は補助金をもらっていた。そして教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいた。これについて当時の民主党
政府が「(日教組と教育会館は)別の団体だから関係ない」と言った」
(それなのに今回の件で西川大臣を責めるのはおかしいと言いたかったらしい)

で、この件についてよく調べたところ。
まず「日教組は補助金をもらっていた」というのは誤り。
また「教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいた」というのも誤りだった。
結果、本日さらに追求される羽目になった……

以下、私見。
一国の首相が国会で野次を飛ばすというのが、そもそもアレなんだが、それはまあそれとして……。
野次を飛ばして議長に注意されたのが、19日。
そして「日教組は補助金をもらっていた」「教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいた」と、誤った内容の釈明を
してしまったのが、20日。

19日に野次を飛ばして議長に注意されるというような失態を演じてしまったら、翌日にそれを追求されるというのは、予想
が付くよな?
それなのに、その追求に対する釈明の内容が事実誤認の間違いだらけ。
これは「予想される追求内容について、ちゃんと下調べをしていない」ということになる。

相手側の野党議員は、あっと言う間に調べて「首相の言った内容は誤りだ」とネットにアップしているのだから、調べるのが
難しいような内容のことじゃなかったはず。

私だったらさあ……(^^)
19日の時点で「今日の野次は、ちょっとまずかった。きっと明日の予算委員会で追求されるだろうから、急いで突っ込みど
ころのない釈明文を作成させておけ」と、秘書に指示を出すよ。
こういう時のために官僚というその道のプロがいるんだからさ。

これ、国内だから与党が多数派だしマスコミもそんなに叩かないから、この程度で済んでいるので、外交の場でやったら大変
な騒ぎになると思う。

寝る。

2015年2月22日(日)
午後からメンサ・テスト合格者の会の例会。
会場の近くに行ってから携帯電話を忘れたことに気づき、他のメンバーに受け付け事務を頼んで取りに戻る。
例会は、地球ゴマが発売停止になるという話で無駄に盛り上がる。

夜。
ワークショップのK山さんに借りていたDVDを返す約束で会うことになっていたのだが、せっかくなのでサプライズを仕掛けてみたら、
「心臓が止まるかと思った」
と言われる。
サプライズ大成功!
(なぜか、そのあと懇々と「もうサプライズはいらないから」とか言われたが……)

その後、サプライズを手伝ってくれたメンバーと共に飲む。
K山さん、
「アベノミクスは、失敗っぽいねえ」
とか不景気な話をしていた。

安倍さんと言えば、民放の番組でディスられたらしい。
例の人質事件の件で「イスラム国(IS)」と繋がりがあるという民間人に仲介役を申し出られたのに対して「政府が正規の
ルートで交渉をしているから」と断ったところ、日本人人質死亡、ヨルダン人人質死亡、犯人捕まえられず、という結果を見
たその民間人に「ほーら見ろ」みたいなことをテレビで言われたのだとか。

「テロ組織と繋がりがあるような人間は信用できない」は分かるのだが、現実にそういうテロ組織と交渉をしなくてはならな
くなった場合はどうするのか?
今後のことを考えると、その方法は考えておいた方が良いと思う。

寝る。

2015年2月21日(土)
今朝の「マッサン」。
身に覚えのないスパイ容疑で特攻警察に連行されようとするマッサンの妻、エリー。
そこに今まで嫌な奴だと思われていた海軍将校が割って入り、無事救出して「男前」なセリフでキメる。
珍しく面白い回だった。

話の中心にいるのがウィスキー・オタクな主人公ではなく別の男だと、このドラマ生き生きとする。
「モノ作り」の話が苦手な脚本家さんなのかなあ?

午後。
「映画秘宝」4月号に「宇宙船レッド・ドワーフ号」の記事が載っているというのでリブロに買いに行く。
映画雑誌のコーナーで、「映画秘宝」を探すが見当たらない。

(売り切れたのか? いや、そんなはずは……)
と、コーナーを3往復ほどして平台の上に「HIHO」という雑誌を発見。
よく見ると、端っこの方に小さく「映画秘宝」と書いてある。
(私の知ってる「映画秘宝」じゃない!)
確かにここのところご無沙汰はしていたが、いつの間に、こんなに表紙のデザインを変えていたのだろう?

内容は、声優座談会とDVD製作の裏話の書かれたコラム。
コラムにはコアなファンがファン主導で日本語版を作ったということが紹介されていて、SF大会の話も、ほんのちょこっと
だが出て来る。

でも書いているのが当の「コアなファン」自身なので、照れもあるのか全体にものすごく軽い感じで書いてある。
まあ、これを読んだからといって、ファンがイベントに行ったら、簡単にBBCがDVDの製作をOKしてくれると思う人は
いないとは思うが。(^^;

ちょっとだけ「ドキッ」な話。
声優インタビューで、インタビュアーのとり・みきさん曰く、「字幕を見ながら吹替版を観るという人もいますね」。
どうやら、見比べて字幕と吹替で言っていることが違うと吹替にクレームをつけて来る人というのがいるのだそうだ。
字幕だって文字数制限があるから、物語全体の整合性をつけるために、かなり原文とは違うことを書くことがあるぞ。

帰宅。
「幻解! 超常ファイル」を観る。
今回は、火星の写真に写っている長方形の形の何かと、土星を撮影した写真に写っている不思議な光の線の謎の解明。
火星の写真は、デジタル写真を無理に拡大したためにドットの関係でデコボコの線が直線に見えただけ。
(あれだけの大きさの物体があるということは、別に人工物ではないにしても私には興味深いが)
土星の光の線は、長時間露光によって土星の周囲を回る衛星が線状に映っただけ。

最近、NASAが、こうした疑問に答えなくなって来たのは、この手の陰謀論者が、理屈で説明しても納得せず、ああ言えば
こう言うという形で延々と絡んで来るかららしい。
要するに、相手をするのがアホらしくなった?

次回は「ファフロツキーズ」。
いわゆる「空から魚の雨が降る」ってやつだね。
楽しみ♪

寝る。 

2015年2月20日(金)
昨日からの頭痛は、とりあえずロキソニンで鎮める。
クシャミの方は、風邪なのか? 花粉症なのか?
なんだか頭がボーッとする。

朝刊。
〈電力8社、4月値下げ〉
理由は、原油安で火力発電用の燃料費が下がったから。
火力発電は安くて良いのだが、二酸化炭素の排出がネック。
だから二酸化炭素の効率の良い回収技術を開発すれば、かなり良い発電方法だと思うのだが。
日本の技術力では、それは無理なのか?

午後。
1時頃に手紙を書き始め、
(3時までに郵便局に行こう)
とか考えていたのだが、ふと時計を見ると5時???
4時間がどこかに消えていた!

夜。
夕食後にテレビで「風立ちぬ」を観る。
ファンタジーが得意な宮崎駿が初めて手がけた実在の人物をモデルとした作品だと聞いていたのだが、結局はファンタジー。

物語は、田舎の旧家の息子らしい主人公の次郎が、雑誌の写真で顔を知っている飛行機製作者のカプローニに、夢で出会うと
ころから始まる。
次郎の夢の中に現れたカプローニは「これは私の夢のはずだ」と言う。
そして飛行機設計者になりたいという次郎の夢を肯定する。

その後、次郎は成長し、関東大震災に遭遇したり、大学を出て航空機メーカーに就職したり、海外に航空機の設計技術を学び
に行ったりしつつ、ことあることにカプローニの夢を見る。
やがて戦争が始まり、そして終わる。

その間に次郎は結婚し、その相手の女性が結核で死亡したりという事件があるのだが、次郎はただ淡々と飛行機を作り続け、
そして物語は、やはりカプローニとの夢の中で終わる。

次郎は、太平洋戦争当時に戦闘機の設計に携わっていた人間のはずなのに、まるで彼自身は戦争が起きていることに気づいて
いないかのような描写。
主人公にとってリアルなのはむしろカプローニとの夢の中のようだ。

この映画を観ながら思い出したのは「マッサン」。
彼も恐らくタイプとしては次郎と似た人間。
周りで戦争が起きたり、妻が苦しんでいたりするのに、そんなことより自分が作りたいものに夢中になっている。

で、なんで「マッサン」の方はつまらないのかと言うと、作品中に彼が作りたい物が何なのかが描かれていないから。
「わしはハイランドケルトのようなウィスキーを目指しちょります」
というセリフは何度も出て来るが、そのハイランドケルトがどう素晴らしいのかが視聴者にさっぱり伝わって来ない。

このウィスキー、ドラマ内の架空のウィスキーのようだが、だったら脚本家はより一層このハイランドケルトがどういうもの
であるのかを説明すべきだ。
ただ「スモーキーフレーバーの強いウィスキー」というだけでは、それのどこがいいのかが分からない。

しかも肝心の「スモーキーフレーバーの強いウィスキー」については、主人公以外の登場人物の「煙臭い」「まずい」という
感想ばかりが出て来る。

「風立ちぬ」で、主人公の夢や紙飛行機、そして吹く風の描写により「空を飛ぶこと」の素晴らしさ、楽しさが繰り返し描か
れていたのとは真反対。

現代の映像技術から考えて、味覚を色や光で表現するのは難しくないはず。
主人公がただ「スモーキーフレーバー、スモーキーフレーバー」と繰り返しているだけでは、彼の夢が伝わらない。
視聴者も彼の夢の実現に共感できない。

時代設定もほぼ同じの、似たような「技術者の話」なので、つい比較してしまったのだが、脚本家が悪いのか、演出家が悪い
のか、ともく「マッサン」は、もはや私の中では「悪い方の良い手本」となってしまっている。

寝ようか。 

2015年2月19日(木)
明け方。
自分が死ぬ夢を見た。
私は初めてなのだが、よくあることなのだろうか?
高い所から落ちて地面に叩き付けられ「あ、死んだんだな」と思う夢。

目を覚ますと、ハンパない頭痛。
しばらく寝てれば治るだろうと思っていたが、くしゃみとが出始め、なんだか喉も痛い。
せっかくの良い天気で、やろうとしていたことが山ほどあるのに。

ニュース。
警察官が「巡回連絡カード」で親の氏名を調べ、小学生を騙して誘拐しようとしたのだそうだ。
警察にうっかり個人情報を渡すのも危険な時代になったのか?
問題の警察官は、事件前に不自然に何度も小学生の家の周りをパトロールしていたらしい。


午後。
文字通りぶっ倒れてしまった。
目を開けても物が二重に見えるという有様。
熱があるっぽい。
(そして体温計を買い忘れていたことに気づく)

夕方のニュース。
車内でスピリタスを飲みながらタバコを吸おうとしたところ引火して車が全焼……という事件があったそうだ。

気化したアルコールが充満した状態の車内で火を使ってしまったのだね。
ニュースの映像で、シャーレに入れたスピリタスに火を近づけたら発火していた。

私が怖いなと思ったのは、このテレビでの実験を見てマネするアホが出ること。
シャーレにほんの少しだけ入れたスピリタスが、あんなにすぐに発火するということは、量を間違っちゃうと大変なことにな
るというのは分かるよね?

うろ覚えなのだが、確か日経新聞の「私の履歴書」というコラムにキッシンジャーさんが書いていた事件。
むかしニクソン大統領がアルコール度数の強い酒(たぶんスピリタスかエバークリア)をどんぶりに入れて、火をつける実験
をしようとしたところ、どんぶりが爆発して危うくホワイトハウスが燃えてしまうところだった……。
理由は、子どもに酒に火がつくところを見せようとしたとかなんとかで、もちろん当時はナイショにされていたみたいだが。

スピリタス、アルコール度数96度のポーランドのウォッカ。
飲むなとは言わないけれど、取り扱いには注意しよう。(普通はジュースとかで割って飲む)
そもそも助手席とは言え「車内で」というのはまずい。
アルコールは気化するものなので、酒に弱い人は傍にいるだけで肺から吸収して酔っぱらってしまうこともあるそうだよ。

この間、テレビ番組で子どもにヘリウムガスを吸い込ませて事故を起こした騒ぎがあったが、日常生活で危険な目に遭わない
程度の科学知識は、学校で教えているはずなのだけどな。
もしかして学校の先生がダメで「授業で習う知識」と「日常生活で必要な知識」をちゃんと結びつけて教えてない?

夜。
イギリスの「宇宙船レッド・ドワーフ号」の公式サイト(Red Dwarf - The Official Website)を見たら、日本での
DVD発売が記事(http://www.reddwarf.co.uk/news/2015/01/30/big-in-japan/)になっていた。

2号くんにメールを送り、
「お前のデザインしたDVDのパッケージが、イギリスのサイトに上がっているぞ」
と、教えてやる。

このサイトから声優座談会のトレーラーが見られるようになっていて、レギュラーの声優さんたち(堀内賢雄さん、江原正士
さん、山寺宏一さん、岩崎ひろしさん)による座談会風景が一部見られるので、興味のある方はどうぞ。

……そろそろ寝よう。

2015年2月18日(水)
雪が降るかもとか天気予報で言っていたが、降っているのは雨。

今日でなくてもなんとかなる外出の予定をキャンセル。
ネットサーフィンをしていたら、曾野綾子氏のコラムについて南アフリカ在住の吉村峰子さんという方がブログ「空のつづき
はアフリカ」に考察を書いているのを見つける。

例の「南アで白人の住むマンションに黒人が住むようになったら、一族を呼び寄せて大家族で住み始めたためにマンションの
水が足りなくなり水道が使用不能になった」というエピソードについて。

詳しくは吉村さんのブログを読んで頂くことにして、簡単に内容をまとめると……
まず、アパルトヘイト終焉直後に、白人専用だったマンションに住めるほど裕福な黒人はほとんどいなかったはず。
そして、それほど裕福な黒人がいたとしたら、土地の広い南アではむしろ一戸建てに住むのが普通。
もしも裕福でかつ敢えて都会のマンションに住むような黒人がいたとしたら、それは現代的で高等教育も終えているエリート
なので、故郷に親兄弟のための立派な家を建てて、自分たちは核家族で暮らしているはず。

つまり「裕福でかつ一戸建てよりマンションを好み、なおかつわざわざ故郷から親兄弟を呼び寄せて大家族で生活を行おうと
する黒人」という存在自体がものすごく特殊なケースなのだと言う。

吉村さんは、このことについて、曾野氏が南アで差別主義者から彼らの勝手な憶測を吹き込まれて信じてしまったのではない
かと推測している。

ここでふと思い出したこと。
私は中国人の多い池袋に住んでいるが、ネットで「中国人はマンションの公共スペースで普通に立ち小便をする」という書き
込みを見つけて「ドッヒャーッ!」となったことがある。
言うまでもなくデマなのだが、周囲に中国人が少ない地域の人が読んだら信じてしまう人もいるかも知れない。

思うに、曾野綾子という人は「○○○は悪です。彼らを攻撃することが正義なのです」と囁けば、簡単に騙されて言われた通
りにやってしまうタイプなのではなかろうか。
だから批判されても「正義を行っている私を攻撃するなんて、悪人か、私が正義だと分からないバカなのね」と思い込んで、
堂々と胸を張り続ける……。
(誰か彼女に「知識」を与えてやってくれ!)

日が暮れても、雨。
明日は晴れるだろうか?

寝る。

2015年2月17日(水)
朝。
NHKを見ていたら、画面に地震速報のテロップが入って、しばらくして臨時ニュースの画面に切り替わった。

 時刻:8時6分頃
 震源:三陸沖 宮古の東210km付近(北緯39.9度 東経144.5度)
 深さ:約10km
 規模:マグニチュード6.9

最大震度は、震度4だったが番組を切り替えるほど大掛かりに報じたのは、津波注意報が出たのが重視されたのだろうな。

ネットのニュース。
今回の産経新聞のコラムの騒動に対する曾野綾子氏の反論が流れていた。
掲載したのは、なぜか産経新聞ではなく、朝日新聞だそうだ。
……どこからどう突っ込んで良いのやら分からない文章だった。

その1。
〈私はブログやツイッターなどと関係のない世界で生きて来て、今回、まちがった情報に基づいて興奮している人々を知りま
した〉
いまの世界で文筆業という情報を発信する職業に就いている人が、〈私はブログやツイッターなどと関係のない世界で生きて
来て〉というのは、どうなのだろう?

そして「関係のない世界で生きて来て」という表現が引っかかる。
「まだやっていません」とか「私はやっていないのですが」なら分かるのだが、なんか「拒絶」のニュアンスがあるよな。
曾野綾子氏の頭の中では「ブログやツイッターをやる人」は、ごく一部の何か特殊な世界の人なのだろうか?

その2。
〈私が安倍総理のアドヴァイザーであったことなど一度もありません。そのような記事を配信した新聞は、日本のであろうと、
外国のであろうと、その根拠を示す責任があります。もし示せない時には記事の訂正をされるのがマスコミの良心という
ものでしょう〉 
この曾野氏の文章自体に添えられていたプロフィールに〈13年1月に安倍政権の教育再生実行会議委員(同年10月辞任)〉
「教育再生実行会議委員」というのは「第2次安倍内閣における教育提言を行う私的諮問機関である」とウィキペディアには
書いてあるのだが、曾野氏が自分のやっていたのは「提言」であって「アドヴァイス」ではないから「アドヴァイザーではな
い」と言うつもりなのなら、それはやはり詭弁と言われてもしょうがないだろう。

そして〈その根拠を示す責任があります。もし示せない時には記事の訂正をされるのがマスコミの良心というものでしょう〉
についてなのだが、曾野氏は、まずご自分の産経新聞掲載のコラムに書かれた「南アのヨハネスブルグのマンションに黒人が
住んだために水栓から水が出なくなって白人が逃げ出した」という話の根拠(出典)を示して欲しい。

なぜここに拘るのかと言えば、この産経のコラムに出て来た〈住人がベッドではなく、床に寝てもそれは自由である〉という
一文にどうも「嘘臭さ」を感じるからだ。
つまり、マンションで、ある部屋の住人が「ベッドではなく、床に寝ている」などという情報を、誰が、どのようにして得た
のかという点が非常に気になるのだ。
これは私がミステリーファンだからなのかも知れないが、「不自然に詳しすぎる目撃証言」には違和感を感じてしまう。

その3。
〈私は、アパルトヘイトを称揚したことなどありませんが、「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいものでしょう〉

曾野氏の産経のコラムの問題の部分〈もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、
白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった〉は〈しかし同時に、移民としての法的身分を
厳重に守るように制度を作らねばならない〉という文章に対する補足、「移民としての法的身分を厳重に守るような制度」の
具体的説明と受け取るべき文章に出て来る。

なので、この文章を普通に読めば「20〜30年前の南アフリカ共和国の実情」を参考に「居住区を、白人、アジア人、黒人
というふうに分けるような」「移民としての法的身分を厳重に守る制度」を作るべきだという主張と受け取るのが普通だろう
と思う。

20〜30年前と言えば、南アのアパルトヘイトがまだひどかった時代。
その時代の「南アの実情」を肯定した上で、人種で居住区を分ける制度を作ろうという話のどこが〈私は、アパルトヘイトを
称揚したことなどありません〉になるのだ?
(先ほど書いた「ヨハネスブルグのマンションの話」は、白人と黒人が同じマンションに住むと、どんなにひどいことになる
かという例として挙げられたエピソード)

言うまでもないが、「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」は、言うまでもなくアメリカ政府が中国人や日本人に居住地を
強制しているものではない。
よって〈「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいもの〉だからと言って、行政が人種で居住区を分ける制度が
いいものだということには決してならない。

どうやら曾野氏は、その辺を意図的に混同させて読者を煙に撒こうとしているようだが、こんな詭弁で言いくるめられるほど
一般的日本人の知的レベルが低いと思っているのか?

午後。
確定申告の関係で税務署へ。

帰りに「マレーチャン」で食事。
入り口に「ハラール」の看板を掲げた店で、イスラム教徒でも宗教的な問題なく食べられる料理を出してくれる店。
こういう店をいくつか覚えておくと、急にイスラム圏からのお客様を接待することになった時とかに便利だと思う。

食べたのはカレーで、メニューに赤いカレーと緑のカレーがあったので、店員さんに、
「どっちが辛くない?」
と、聞いて緑の方を頼んだ。
(エスニックの「辛い料理」は、本当にハンパなく辛いので)

帰宅。
ネットのニュースを再びチェック。
例の2025年からの火星移住計画を進めるオランダの民間非営利団体「マーズワン財団」が、最初の移住候補者を100人
に絞ったと発表したそうだ。
(おおっ、やはり本気で行くのか、片道切符の火星旅行!)

この100人の中には、メキシコ在住の日本人女性が含まれているそうで、彼女は日本料理店のシェフであるらしい。
この人、取材に対し、
「20万人の中の100人に選ばれ、大変光栄。最終審査も通過して移住を実現し、火星ですし屋を開きたい」
と話したそうだが、「すし屋」って、ネタか?(「すし」だけに)

海も川もなさそうなところで、魚を使う「すし」は難しくないか?
つい、むかし懐かしい「火星人」をタコ代わりにするシェフの姿が思い浮かんでしまった私は、やはり昭和生まれ?(^^;
最終審査も通って、火星に行けると良いね。

寝る。

2015年2月16日(月)
午前中。
所用で本郷に行ったら、少し早く着きすぎたので赤門の辺りまで散歩してみる。

「かねやす」という雑貨屋の前を通る。
店の壁に「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」と書いてある。

享保15年に起こった江戸の大火のあと、江戸の町の防火建築が奨励されたとき、その対象となる地域の北限がこの店だった
ことから出来た川柳なのだそうだ。

ちなみに、かねやすの創業者である兼康祐悦(かねやす ゆうえつ)はもともと歯医者だったが、歯磨き粉の製造販売を行った
ところ人気が出たので小間物屋を開業したのだとか。
そんなわけで、現在も同じ所で雑貨屋をやっているらしい。
雑貨屋の2階は歯医者だが、この歯科医が初代兼康と関係のある人なのかどうかは分からない。

午後。
1号くんたちのアパートに寄ったら、昼休みで家に戻っていた1号くんが『7SEEDS(セブン・シーズ)(15〜28巻)』
(田村由美 小学館)を貸してくれる。

SF漫画。
隕石の衝突で人類文明が滅亡し、この大災害を予見した一部の人間たちが、シェルターや人工冬眠によって人類という「種」
を残そうとする……という設定。

主人公は、はるかな未来の地球で人工冬眠から目覚めた若者たち。
生態系さえ変化した地球で、生き残った若者たちの5つのグループが、彷徨い、出会い、はぐれ、また再会し……ということ
を繰り返しながら人間として成長して行く姿を追ったドラマ。

興味深かったのは、登場人物(女性)により、小松左京の『復活の日』(有名なサバイバルSF)の話が語られ、この小説に
描かれた「生き残った人類が『種』を残すために数少ない女性を共有する」というシステムを、おぞましいものとして切り捨
てている点。

『復活の日』の中では、女性たちもこのシステムに協力し、男性全てを「女神のように」受け入れてくれることになっている
のだが、『7SEEDS』の女たちは、そんなことはしてくれない。

また、この作品では男性の側も「恨みのある相手の娘をレイプして服従させてやる」という男に対して、その友人が「レイプ
した結果、その女がお前の子どもを産んだら、お前は自分の敵に孫を与えてやることになる」と反対する。

似たようなサバイバルもので、同じ小学館から出ている漫画に『アイアムアヒーロー』(花沢健吾)というのがあるが、この
話では、女性は「性欲を処理する道具」と見なされている。
この視点では「性行為の結果、生まれて来る子ども」というものが無視されている。

『7SEEDS』の男たちは、子どもを産めないような環境では、性行為を行わない。
性行為は、あくまで「子どもを産む」という目的のための一過程なので、子どもを産めないような環境での性行為は、無意味
以前に「危険な行為」と見なされるわけだ。
(『7SEEDS』では、無理に女をレイプしようとした男は「追放刑」となった)

まとめると、
『アイアムアヒーロー』
性行為は純粋に男性の性欲処理のための行為。
生まれて来る子どものことにまで配慮しない。

『復活の日』
性行為は男性の性欲処理と同時に子孫を増やすため。
よって、女性は相手を選ばず出来るだけ数多い男性と性交を行い、出産すべきと考える。

『7SEEDS』
性行為は子孫を残すためのもの。
よって「どの男の子どもを残すか」が重要であり、女性は性行為の相手を慎重に選ばなくてはならないと考える。

実は、この3つの作品のうち、『7SEEDS』だけが作者が女性なのだ。
女が子どもを産むのには1年近い期間が必要で、かつ子どもをひとり妊娠、出差することは女性の体に著しい負担をかける。
おまけに子どもは生んでから育ち上がるまでにも20年ぐらいかかるのだ。
だから無駄な子どもを産むわけにはいかないという、実に「女らしい」視点。

この辺、私の言葉でさっくりまとめさせて頂くと、
「うっかりバカとセックスした挙げ句、20年がかりでこの世にバカを1人増やしてどーすんんだ?」

西原理恵子さんの言葉で言うと、
「女はセックスしたら、減るんです」

確かに「妊娠」「出産」「授乳」……と、性行為の結果が女性の体にもたらす「消耗」を考えると、女は「減る」。
セックスしたら「減る」生物である女が「効率的に子孫を残す」ことを考えたら、生存に適した遺伝子を持つ相手を慎重に選
んだ方が、誰かれ構わず性行為を行って子どもを産むより、長い目で見て効率的な結果になるだろう。

『7SEEDS』
めずらしい「女性視点のサバイバルもの」なので「生物としての女」から見た性の考え方が興味深い。
サバイバル状態で、女性が実に積極的に「恋愛」をするのだ、恋愛が「死後に自分の遺伝子を残すために性行為の相手を選ぶ
行為」なのだと考えれば、これは納得が行く。

もうひとつ興味深いのは「サバイバル技術」をきちんと仕込まれたグループと、そういう訓練を一切受けなかったグループで
訓練を受けていなかったグループの方が上手くいくという描写。

ダメな人間のグループに優秀な人間がひとり入って来ると、ダメな人間のグループは、その優秀な人間を自分たちのリーダー
にしてしまうことに躊躇しない。(よって対立が生じない)
そして優秀な人間同士が対立したり争ったりしている間に、このダメな人間のグループは、のらりくらりと生き残ってしまう
のだ。
案外と、サバイバル的には、これが正しいのかも知れない。

面白い漫画だと思う。
問題は、28巻あって、まだ続いている作品なので、全巻揃えるのは経済的にアレかも。

1号くんが仕事から帰って来たので、くだらないことを駄弁る。
「俺が死んだら宇宙葬にして欲しい」
と、1号くん。
「そしたら、死後に宇宙人に発見されて復活した後、武器を奪って銀河系中を暴れ回るんだ」

「お前、『ジェイムスン教授』を知ってるか?」
と聞いたら、
「知らない」
という。
(知らなくても、そういうしょうもないことは言えるのか……)

帰宅。
なんか疲れたので、そのまま寝てしまう。

2015年2月15日(日)
今日は家でDVD鑑賞デー。
「ベニイ・グッドマン物語」
ベニイ・グッドマンの伝記映画。
彼の存命中に作られたもので、そのせいかベニイ・グッドマン、ひたすら優等生。
演出が単調でメリハリがなく「ベニイ・グッドマンがクラリネットを演奏」→「賞賛される」の繰り返し。
膨らませたらお面白そうなエピソードもあるのに。

午後。
途中から気がついて、NHKの「少年ドラマシリーズ」の特集番組を観る。

「未来からの挑戦」(1977年の作品)。
進学校の中学に転校した主人公。
その学校では受験勉強のストレスからか、生徒によるイタズラが流行っていた。
生徒会長選挙で生徒のそうした行為を取り締まろうという主張の生徒が当選、生徒たちに規則を守らせるために「パトロール
員」というものを作り、些細なルール違反でも厳重に処罰する方針を打ち出す。
その裏には、実は社会の無秩序から荒廃した未来からやって来て過去を修正しようとする人間たちの存在があった。
主人公たちは、行き過ぎた「正義」を振りかざす未来人たちと対決することになり……。

2月8日に、この番組の上映イベントがあったそうで、主演の佐藤宏之氏(「関耕児」役)や手塚学氏(「吉田一郎」役)が
出演していたのに、肝心の熊谷俊哉氏(「飛鳥清明」役)がいない。
不思議に思ってネットで調べたら、先月の2日に亡くなられていた!
合掌。

DVD鑑賞に戻る。
「第3の選択」(1977年 イギリス)
SFドラマ。
「フェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)」という手法で有名な作品。

ストーリー。
「サイエンス・レポート」という番組で、科学者がより良い研究環境を求めて外国に移住するいわゆる「頭脳流出」をテーマ
とした特集を組むことになる。
ところが、取材相手の科学者の何人かと急に連絡が取れなくなり、彼らが行方不明になっていたことが分かる。

同じ頃、有名な天文学者が交通事故死するという事件が起こる。
彼は直前に友人にビデオテープを郵送していたのだが、テープを再生してもノイズしか映らない。
謎を追ううちに、番組スタッフは人類に迫る「地球温暖化」という危機の存在を知り、この問題を前に米ソが密かに手を結ん
で進めている恐るべき計画の存在を知るのだった……

DVDには、当時の撮影関係者の座談会が収録されており、日本からの取材陣の話とかが紹介されている(あの人か?)。
中でも興味深かったのは、例の「火星生物」の撮影方法。
CGのなかった時代のアナログな特撮方法が意外で、ちょっと笑ってしまった。

噂の番組の本物の映像を確かめてみるという点で貴重なDVD。
個人的には、座談会で軽く触れられていたウエルズの火星人襲来パニック事件の真相の話も興味深かった。

3本目のDVDは「素晴らしき哉、人生」。
田舎町に生まれ、世界で活躍することを夢見る優秀な少年ジョージ。
しかし家族や町の人々の犠牲となって、友人や弟たちの成功を横目に、進学のチャンスを失い、田舎から出ることも出来ない
まま日々を過ごしている。

そんなある日のこと、弟が軍の勲章を受けることとなり、このニュースに浮かれた叔父が、主人公の経営する住宅金融の資産
である大金をなくしてしまう。
その結果、主人公は使い込みの濡れ衣によって逮捕されそうになり、苛ついて娘の担任の教師に八ツ当たりしたために、担任
の夫に殴られ、やけ酒を飲んで自動車事故を起こす。
全てが嫌になり身投げしようとしたそのとき……
お金より家族や友人が大事で、自分を犠牲にして他人のために尽くす人にはきっといいことがあるというファンタジー。

夜。
ネットのニュースを見たら、曾野綾子女史がコラムに書いた文章が海外で批判を浴びているそうだ。
日本の労働力不足を補うために、移民を雇おうという主張。
「高齢者の面倒を見るのに、ある程度の日本語ができなくてはならないとか、衛生上の知識がなくてはならないということは
全くないのだ」
と、介護福祉士の仕事を思い切り貶め(「衛生上の知識がなくてはならないということは全くないのだ」って、ヲイ!)、
そうした仕事を行う移民の居住区は日本人のそれとは別にしろという主張で海外から叩かれることとなったらしい。

何がいけないかと言うと、彼女がこの「居住地差別」の根拠にしたのが20〜30年前の南アフリカでの話なのだ。
ネルソン・マンデラ元大統領の釈放が25年前なのだから、それを考えれば、20〜30年前の南アフリカが、どういう状況
だったかぐらいは分かるだろう。

その状況における南アフリカで、白人住民と黒人住民がうまくやっていけていなかった。
だから人種が違うと、人間は一緒に住めないのだと堂々と主張しているのだ。

ちなみにこのコラムが産經新聞に掲載されたのは、ネルソン・マンデラ氏が釈放された2月11日。
まさに「南アフリカの人種隔離政策と闘ったマンデラ氏の業績」に世界の注目が集まるこの時期に、
「もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実態を知って以来、私は居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに
分けて住む方がいい、と思うようになった」
なんてことを新聞のコラムに書いちゃう神経が分からない。

この人、脳味噌がどうかしていて「南アフリカ共和国の実態を知っているのは私だけ」とか思い込んでいるのだろうか?
「知識人である私と違って、みなさんは外国のことなんて知らないでしょう?」的な考えなのか?

ちなみに、この人が「白人と黒人は一緒に住めない」ということの根拠にしているのが、白人の住むマンションに黒人が引っ
越して来たら黒人は大人数で住むので水道の使用量が増えて「常識的な水量しか確保されていない」マンションの水栓から水
が出なくなり、白人が逃げ出した……という、たぶんどこかから聞きかじって来た話。(出典が示されていない)

その話が事実だったとしても、黒人が集合住宅に大人数で住まなくてはならなかった理由が、恐らく経済的なものだろうとい
うことぐらいは、少し考えれば誰にでも分かる。
同じ黒人でもアメリカの裕福な黒人は、別に大人数で生活していないのだから。
金があれば、誰だって狭い集合住宅の部屋に大人数で住みたくはないのだ。

でも、曾野さんは「黒人は基本的に大家族主義だ」でバッサリ。
(それを言うなら、戦前の日本も「大家族主義」なのだが)

この件で南アフリカの駐日大使から、抗議を受けた産経新聞は、
「曾野氏ご本人の意見として掲載しました。産経新聞は、一貫してアパルトヘイトはもとより、人種差別などあらゆる差別は
許されるものではないとの考えです」
と、コメントしたそうだ。

その「曾野氏ご本人の意見」を「どういう意見」だと思って「一貫してアパルトヘイトはもとより、人種差別などあらゆる差
別は許されるものではないと」考えている産経新聞が掲載したのかを知りたいのだが。

寝る。

2015年2月14日(土)
今日は午後から市ヶ谷でSF大会のスタッフ会議。
早めに出て駅前で昼食をとる店を見渡すと「デニーズ」を発見。
なぜか入り口が2つある。

「?」と思いつつ、右側の入り口から店内へ。
メニューをみると、なぜかアジアン。
ベトナム料理は好きなので、普通に注文してから、ふと店の奥を見るとドアがひとつ。
「トイレはデニーズ店内のものをお使い下さい」
と、書いてある。

(え?)
と、改めてメニューを確認すると「アジアジア」?
(ここは「デニーズ」じゃない!)

さっきのドアを開けてみると、その向こうが「デニーズ」の店内。
要するに入り口の2つのドアの左がデニーズ、右が「アジアジア」。
そして、この2つの店がドア1枚を隔てて、店内で繋がって要るという構造。
(私は入る入り口を間違えたのだ)

不思議な構造の店だった。
フォーも生春巻きも美味しかったから、別に良いけど。

スタッフ会議。
米子と東京をスカイプで繋いで打ち合わせ。

「こちら米子です。現在チョコレートの山に囲まれてます」
「東京です。私はチョコレートだけじゃなく……」
(何を話しているんだろうなあ? 今日は「ただの土曜日」なのに)

会議終了後、飲み会。
ビールとワインとウィスキーと梅酒を飲んで帰宅。
寝る。

2015年2月13日(金)
13日の金曜日。

午前中。
ネットで拾ったニュース。
〈東京都渋谷区は12日、同性のカップルから申請があれば「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する方針を発表
した〉(朝日新聞電子版)

〈区民と区内の事業者に、証明書を持つ同性カップルを夫婦と同等に扱うよう求め、条例に反した事業者名は公表す〉
とあるから、想定しているのはたぶんアパートを借りるとかのケースだと思う。
(「2丁目」のある新宿区は、渋谷区のこの制度に追随するのだろうか?)

午後。
今夜の「空想小説ワークショップ」は、ビブリオバトルの予定なので、紹介する『翼を持つ少女』(山本弘 東京創元社)
を読み直す。

夕方。
例の「ダイオウイカのパスケース」を持って外出。
試しに池袋の改札口でポケットから取り出して「ピッ」としてみたが、周囲は「普通」という反応。
(やはり、これは「普通」なんだ)

ワークショップのビブリオバトル。
今回はバトラーがたった2人という変則バトル。(通常は5人前後)
結果は、1票差で『定刻発車』(三戸祐子 新潮社)という本に負けた。
参勤交代をスムーズに行わせるためのダイヤグラムの話とか、面白そうな本。

帰りに、受講生の前で「ダイオウイカ」のパスケースをぶら下げてみせてアピールしてみるも、
「イカ徳利かと思った」
と言った人がひとりいただけで、あとは完全にスルー。
「ダイオウイカのパスケース」って、どうやら「普通」のものらしい。

放課後の飲み会は、カラオケ好きの人の提案で、大馬鹿地蔵の地下のカラオケルームへ。
暖房が入っていなくて寒かったのは、利用する客がいるとは思っていなかったからか?
エアコンが効き出すまで、みんなコートを着て飲んでいた。

帰宅。
特に何事もなく1日が終わる。
来月の「13日の金曜日」に期待???

寝る。 

2015年2月12日(木)
朝。
「マッサン」を観る。

ここまでの話。
国産ウィスキー作りの夢を持つマッサンは、鴨居商店でウィスキーを作るが、売れない。
スモーキーフレーバーの強いウィスキーが日本人には「煙臭い」と不評だったのだ。
なのでスモーキーフレーバーの弱いウィスキーを作ったが、それも売れない。
マッサンは「スモーキーフレーバーの弱いウィスキーを作るのが嫌になった」と、鴨居商店を辞めてしまう。
そして自分で会社を興し、出資者を「林檎ブランデーを作る」と騙してウィスキーを作る。
怒る出資者にマッサンは「ここまでやるにはそれなりの覚悟があります」と胸を張る。

本日の話。
マッサンの作ったスモーキーフレーバーの強いウィスキーが売れない。
(この男、学習せんのか?)

ともかく主人公にぜんぜん魅力がない。
ひらすらスモーキーフレーバーの強いウィスキーを作っては、
「なんで売れんのじゃ?」
と繰り返すのみ。
それでいて本当に「なんで売れんのか?」を考えている素振りはまったくない。
なので、
「じゃあ、どうするか?」
となると、
「スモーキーフレーバーの強いウィスキーを作ります!」
と、元気よく答えて、また、
「なんで売れんのじゃ?」
……いい加減、この繰り返しにうんざりして来たぞ。
(脚本家、この主人公が嫌いなのかなあ?)

午前中。
メールが来る。
返信する。
返信の返信が来る。
また返信する。
返信の返信の返信が来る。
また……

目下、「はるこん」(4月11日〜12日 於:川崎市国際交流センター)の企画の打ち合わせ中。
「宇宙船レッド・ドワーフ号」の上映会をやる予定なのだが、
BBCに上映許可を貰い、企業にお金を出して貰い、機材を無料で貸して貰い、スタッフに集まって貰う……
という段取りをぜんぶメールで済ませようと思ったら、結構やりとりが大変なことになってしまった。

夜。
……ようやくBBCの上映許可の問題が解決し、企業の社長さんにも納得して貰えた。
(私は、みんなを幸せに出来ただろうか?)

知人から荷物が届く。
先日、送ってくれると言ったダイオウイカのパスケースのようだが???
袋を開けると妙に質感のリアルなイカのぬいぐるみのようなものが出て来て、裏側に定期券サイズの透明ポケットが付いて
いた。
これが「パスケース」であるらしい。

全長25cm。
ズボンのポケットには入りそうもない。
ストラップが付いているので、これでベルトにぶら下げて使うのだろうか?

お礼のメールを送ったら、
>ぜひ改札口でタッチして皆さんを楽しませてください
という返信が来たので、どうやら先方は私がコレを本当にパスケースとして使用することを想定しているらしい。

でも、全長25cmのイカをぶら下げて歩いていたら、変な人に見えないだろうか?
最近の若い人の間では、普通なのか?
流行りなんだろうか?
オシャレなの? コレ???

寝る。 

2015日2月11日(水)
建国記念の日。
要するにむかしの「紀元節」だね。
神武天皇が即位したと伝えられている日。
(ゴチャゴチャ細かいことは言わないように。鉄腕アトムの誕生日だって祝っただろう?)

ちなみに神武天皇のお父さんの名前はウガヤフキアエズ。
おじいさんは山幸彦として有名なホホデミ。
ひいおじいさんはニニギ。
そのまたおじいさんはアメノオシホミミで、この人はアマテラスの勾玉から生まれたそうだ。

午前中。
確定申告用の書類を家中から集める。(←普段からまとめとけよ)

一段落してネットを見ていたら、「第3の選択」がDVDになっているのを見つけた。
1977年にイギリスで製作された「元祖」と言っていいかもしれないフェイクドキュメンタリー。
フィクションをドキュメンタリーように演出した冗談番組で、エイプリールフールに公開された。

翌年、日本でも放映されたが、有名になったのは、1982年1月21日に「木曜スペシャル」の枠で「UFOと米ソ宇宙
開発の陰謀!人類火星移送計画が極秘裡にすすめられている!?」として放送されてから。

当時は「フェイクドキュメンタリー」なんてものの存在を知っている人間はほとんどいなかったし、加えて日本テレビの演出
家(ご存知、矢追純一氏)が、元の番組をさらに演出し直して完全にドキュメンタリーとして放送してしまったため、この
番組を見た日本人は当然、これを本物のドキュメンタリー番組だと思ったのだ。

翌朝、高校の教師が深刻な顔で生徒に、
「昨日の木曜スペシャルは見たか?」
と、聞いたのを覚えている。

番組の内容は、二酸化炭素によって「地球温暖化」というものが引き起こされ、人類が近い将来に危機に直面することが分
かり、そのことを知った上層部の人間たちが密かに自分たちだけが火星に移住する計画を進めている……といったもの。

人類全体の危機と言えば「核戦争」とか「氷河期」が原因になるだろうというのが一般的だった時代に「二酸化炭素の増加
による地球温暖化」を滅亡の原因として出して来たところが新しくて、衝撃的だった。

今では日常的に新聞やテレビで報じられる「地球温暖化」が、当時の日本では、いわゆるトンデモ番組のネタだったという
ことが興味深い。
さっそくアマゾンでポチる

午後。
池袋に行ったら西武デパートで古本市をやっていた。
ちょっと覗く。
……レジの人に底が抜けないように二重にしてもらった紙袋を抱えて外に出る。
『異星の客』(ハインライン 井上一夫訳 創元推理文庫)とか、いろいろ見つけちゃったんだよう。

その辺をぶらぶらしていたらDVDの売り場に迷い込み、
「グレン・ミラー物語」と「雨に唄えば」と「素晴らしき哉人生!」を買ってしまう。

……これ以上、池袋にいるのは危険と判断したので帰宅。
「グレン・ミラー物語」は、文字通りグレン・ミラーの伝記で、主演はジェームズ・スチュワート。
ルイ・アームストロング(本物)が出演していたりする。

「雨に唄えば」は、主人公が土砂降りの中、道路で踊ってお巡りさんに叱られるというシーン以外ぜんぜん内容を知らない
映画。

舞台は、トーキー映画が発明された直後のアメリカ。
ドンとリナのコンビはサイレント映画のスター。
映画の宣伝上、2人は恋人ということになっていたが、ドンは内心リナを嫌っていた。
ある日、ドンはファンに追い回された挙げ句に通りすがりの乗用車に逃げ込む。
運転していたのは、駆け出しの舞台俳優のキャシー。
キャシーに映画俳優の演技の浅薄さを批判されたドンは、その後、パーティーの余興の仕事でやって来たキャシーと再会、
彼女に絡む。
言い合いの挙げ句にキャシーの投げたパイがリナに直撃。
リナの差し金で、キャシーは事務所をクビになってしまう。
それを知ったドンは、徹底的にリナを嫌いになる。

さて、時代はサイレントからトーキーへ。
実はリナは美人だがカン高い悪声な上、セリフを喋るのが下手クソ。

ここで、当時のトーキーの録音の失敗例のようなものがコメディ風に描かれる。
1)マイクの感度が悪いので、役者の声がちゃんと拾えない。
2)マイクを胸に取り付けると今度は役者の心音を拾ってしまう。
3)マイクの取り付け位置を肩にすると役者が顔の角度を変えると声がとぎれとぎれになってしまう。
4)役者が身につけたネックレス等がたてる雑音をマイクが拾ってしまう。
5)上映の際に音ズレが生じることがある。

……見たところ、これはリナが悪いというより録音機器の問題だと思うのだが、映画の流れとしては、ともかくリナの悪声
とセリフが下手なことが問題ということで話が進む。

そこで、アフターレコーディングで声を吹き替え、かつミュージカル風の演出を取り入れることにする。
吹き替えは「今回だけ」という約束でキャシーが引き受けることになった。
解決策を見いだした主人公は、浮かれるあまり土砂降りの中、道路で踊ってお巡りさんに叱られる。(このシーンだった)

ともあれ映画は大成功。
会社はリナより演技の上手いキャシーを売り出そうとするが、リナがそれに納得するはずもなく、弁護士を味方につけ契約
を盾にキャシーに今後も自分の声の吹き替えをやらせようとする。(悪役決定!)
そこでドンは一計を案じ……。

感想。
トーキーが最初に生まれた時代は、いろいろと大変だったのだなあ……。

寝る。

2015年2月10日(木)
朝起きたら猛烈に頭が痛い。
ボーッとする頭で「体温計の電池が切れて(使い捨てタイプ)新しいのをまだ買っていない」ことを思い出す。

薬屋に行こうかと思ったが、全身の関節が痛くて立って歩くのが苦痛。
今日は1日休もうと部屋で寝ていることにしたのだが、ノパソから頻繁にメールの着信音が。
半身を起こして布団の上でメールをチェックすると、急ぎでの返信を必要とする内容のものがいくつか。
中には調べて回答しなくてはならないものもあって(指の関節も痛いのに)キーボードをポチポチ。

……気がついたら夕方になっていた。
ぜんぜん休めてないじゃん!

夜になって、風邪薬の買い置きを薬箱の底から発見。
期限切れにはなっていなかったので、それを飲んで、寝る。 

2015年2月9日(月)
ほぼ1日、今年のSF大会とか、春に川崎でやるSFコンベンション(はるこん)の企画の準備とかで、メールを送ったり、
受け取ったり、また返信したり。

夕方。
東京MX(東京のローカル局)で「5時に夢中」を観たら、フリージャーナリストのパスポートを取り上げたのは是か否かと
いう話題が取り上げられていた。

女性コメンテーターのひとりが、
「日本のジャーナリストが現地に行ってはいけないとしたら、ニュースでは何の映像を使うの? 動画サイトの映像でも?」
という、テレビ関係者としては、ごく普通の意見。
「共同通信とかに所属している人の……」
と、言いかけたコメンテーターのひとりは、途中で気がついて、
「ああ、それじゃあ行けない場所があるか」

結論としては、
「我々が何か言えることじゃない」
に落ち着いた。
それはそうだろうと思う。

たぶん、本音を言ったら戦場へ行くフリージャーナリストなんて「地雷を踏んだらサヨウナラ」な人間。
危険な仕事を彼らにやらせることで、大手マスコミの社員は安全な場所にいて、危険地域の情報を入手できているというのが
現状のシステム。
さすがに番組でそれは言えないと思う。

私は「死んでもいいから取材に行きたい」などという人間は、取材先で死んでもいいと思っている。
だから安倍さんに「絶対に助けろ」とは言わない。
「あんたには無理でしょう」と言う。

日本政府の情報収集能力で、中東の紛争地域にいる自国民を救うなんて、どだい無理。
(賢い戦場ジャーナリストは、ピンチに陥ったとき、とっさに日系アメリカ人のふりをして米兵に助けて貰ったとか)

いいじゃん、行かせてやれば。
そしてそいつが捕まったら、今回みたいに「助けられませんでした」という結末でいいと思う。
世論調査を見てみれば分かるが「人質を助けられなかった安倍さんが悪い」なんて言っている奴は少数だ。

「あんたには出来ない」
みんなそれで納得しているよ。

いまの日本人も日本政府も、自分のやることは必ず成功しなくてはならないと思っていないか?
だから失敗しそうなことを恐れる。

ジャーナリストがまた殺されて「なぜ助けられなかった」とか言われるのが怖いのだろう?
そんなことにビビるな!
「すいません。助けられませんでした」
と言う勇気を持って欲しい。
出来ないことは「出来ない」と正直に言えばいいんだよ。

日本政府に、「紛争地域のジャーナリストをひとり残らず助けること」を本気で期待している日本人は、ものすごく少ないと
思うよ。

夜。
知人からメールが1件。
私が某サイトにおいて、ある人間について「何も書かなかった」ことに関する苦情が来たそうな。

「崎田がネット上でAという人について褒めていた。しかし私の方がAより立派な仕事をしたはずである。それなのに崎田は
私を褒めるのを怠った。訂正するように」
という内容の抗議が、なぜか私の知人の元に来たのだそうで「どうすりゃいいの?」というメール。
私は、その人が何をした人なのかなんて、本当に知らんぞ。(笑)

「別にどうもしなくていいと思います」
と、返信したら、
「ならほおっておきます」
と、返事が来た。
念のため、その知人は私が書き込みをしたサイトの管理者でもなんでもない人。

よく分からないなあ。
寝る。

2015年2月8日(日)
朝刊。
「イスラム国」の人質殺害事件についての特集記事が載っていた。
見出しは、
〈「情報戦」翻弄された日本〉

記事によると、
〈軍事情報を担当する自衛官である防衛駐在官は配置されず〉
ということで、問題の地域には防衛駐在官(自衛隊から外務省に派遣された「自衛官の身分を持つ外交官」のこと)は、置
かれていなかったようだ。
そのため、日本は情報を外国に頼るしかない状態だったわけだ。

言うまでもないが、どこの国だって外国の利益より自国の利益を優先する。
今回の件でもそれがはっきりした。
人質解放の交渉で、ヨルダンは日本人の人質よりヨルダン人の人質の命を優先した。
当たり前だと思う。

外国に情報を頼っていたら、例えば「日本に伝えるとヨルダンの利益を害する情報」をヨルダンは日本に伝えないだろうとい
うことは、容易に推測できる。

今回、安倍さんは中東地域で「イスラム国」と敵対する国家への人道支援をぶち上げた。
「人道支援なんだからいいじゃないか」は、日本国内でなら通る理屈かもしれないが、紛争地域では通らない。

対立する暴力団の一方の事務所に、札束を詰めた鞄を手に訪れ、
「これで、組員の奥さんや子どものために何か買ってくれよ」
と、手渡したら、相手側の暴力団が、
「あれは、奥さんや子どものための金だから問題ないな」
と、思ってくれるだろうか?
人質になった湯川さんの能天気ぶりを批判していた人が多いが、能天気ということでは、私は安倍さんもいい勝負だと思う。

そんなわけで「相手が誤解しているだけだ」とか、話はそんな問題じゃなく、日本が既に中東地域の紛争に巻き込まれてしま
っているという事実がここにある。
にも拘らず、日本はこの地域で情報を収集するための独自の機関を持っていないのだ。

その日本に、現在、紛争地域の情報をもたらしてくれている人は、誰か?
戦場ジャーナリスト、特に新聞社やテレビ局の社員ではないフリージャーナリストたちなのだ。

何か勘違いしている人がいるようなのだが、フリージャーナリストは紛争地域の素人ではない。
むしろ紛争地域におけるプロ中のプロである。

今回の事件を「素人である後藤さんが地域の現状をよく知らずに行って捕まった」と見ている人がいるようだが、私がネット
でざっと調べた範囲でも、後藤さんという人は相当のベテランジャーナリストであり、NHKも含めた日本のテレビ、新聞関
係者が彼に情報を頼っていたような人物だった。

繰り返すが、今回の人質事件は、
「後藤さんが素人だから捕まった」わけではなく、
「後藤さんのようなベテランでさえ捕まった」事件なのである。

そんなわけで、紛争地域に情報機関を持たない日本としては、彼らフリージャーナリストが、それこそ命と天秤にかけるよう
にして持ち帰ってくれる情報が貴重なものになることは明らかなのである。

で、社会面を読んだら、
〈外務省は7日、シリアへの渡航を計画していた新潟市在住のフリーカメラマン、杉本祐一さん(58)に、旅券法に基づい
て旅券(パスポート)を返納させた。邦人人質事件を踏まえ、渡航を強制的に阻止した〉

〈外務省幹部は6日、個人的意見としたうえで、イスラム国の支配地域を目指す渡航者の出国禁止措置を検討すべきだとの考
えを記者団に明らかにした〉

これはつまり、
「だって紛争地域で日本人の身に何かあったらボクの責任になるでしょう? ジャーナリストの渡航を阻止したら、日本に紛
争地域の情報が入って来なくなるって? 知らないよ。だってボクが責任を問われない事の方が日本の国益より大事だもん」
と、そういう考えか?

念のため、パスポートを取り上げられた杉本さんは、
「過激派『イスラム国』の支配地域に入るつもりはない。シリア国内の難民キャンプなどの取材をするつもりだった」
と言っているそうで、特に危険地域に行く予定ではなかったようだ。

地図で見るとシリアというのは、かなり広い国。
別に「イスラム国」が、シリア全土を支配しているわけではない。
それを「シリア」というだけで大騒ぎするのは、東日本大震災の後で「日本」というだけで「放射能汚染」と騒いだ連中と
同じレベル。

こんなことをやって、
「見て、見て! 外務省はちゃんとお仕事してまーす」
と、アピールしているつもりなら、アホとしか言いようがない。

私がもしも中東地域の権力者なら、今回のニュースを聞いたら、
「じゃあ、この辺の情報にますます疎くなる日本は、今後カモり放題だな」
と、大笑いするだろう。

午後。
電話が鳴る。
出たら、ここ数年、会っていない知人からだった。
「崎田さんは、ダイオウイカとダイオウグソクムシは、どちらが好きですか?」
(は?)

「いま水族館にいるんだけど、崎田さんにパスケースを送ろうと思って。ダイオウイカのパスケースとダイオウグソクムシの
パスケースの、どちらが欲しい?」
「だから、なぜあなたはそれを私にくれるのか?」
と、聞いたが、
「なんとなく」
としか言わないので、
「イカ」
と、答えたら、
「分かった。じゃあイカを送る」

……誰でもそうなのか、私だけがそうなのか知らないが、よく何年も会っていない人に突然、物を貰うことがある。
時には、初対面の全く知らない人から、
「これをあげます」
だけ言われて、キリスト教か何かのお守りっぽいものを手渡されたこともある。

理由は聞いても、だいたい答えてくれない。
ひとりだけ、行ったこともない神社のお守りだという鈴をくれた人に理由を尋ねたときは、
「真夜中に神社に行ったら人気のない社の奥から鈴の音が聞こえて、その瞬間に頭の中で『崎田和香子にこの神社のお守り鈴
を送れ』という声が響いたから」
と、答えられたが、答えを聞いても理由がよく分からなかった。

とりあえず「イカのパスケース」が到着するのを待つことにする。
(それにしても、なぜダイオウイカ? なぜ私に?)

夜。
「宇宙船レッド・ドワーフ号」のお気に入りエピソード、「レモンで知った歴史の秘密」を字幕版で観てから、軽く飲んで、寝る。 

2015年2月7日(土)
朝。
寒い。
SF大会関係のメールを書いたりの事務仕事。

一段落したので「宇宙船レッド・ドワーフ号」のDVDを吹き替え版で観る。
吹き替えで何度もNGが出たシーンでは、笑うと言うより感慨深さを感じてしまう。
(シリーズ10第4話の「間違いだらけの大正解」のあのシーン、山寺さんと岩崎さんがどれほど苦労したことか……)

夜。
コインランドリーに行って、ついでに近所のとんかつ屋で夕食。

帰宅して、テレビで「幻解!超常ファイル」を観る。
最近、やっと真相が分かったとして話題になった「ロズウェルのUFO事件」の話。

1947年、アメリカのニューメキシコ州ロズウェルで、奇妙な物体が回収された。
その後、軍が「気象観測用気球」であると公式発表。

しかし、回収された残骸を目撃した人間によると、落ちていた物は「気象観測用気球」としては変だと言う。
どうも軍は何かを隠しているらしいということから「空飛ぶ円盤の残骸だったのではないか」という噂が流れ、その説を元
にしたテレビドラマまでが作られて大ヒットしてしまったりした。

そして、ようやくつい最近になって、アメリカ軍が隠蔽していた真実が明らかになった。
ロズウェルの墜落物は、実は対ソ連用の核実験監視用気球の残骸だったのだ。

「モーグル計画」というこの計画は、冷戦下のアメリカにおいては軍上層部だけが知る重要機密事項。
だから事件の真相は厳重に隠されていたのだ。
つまりロズウェルの墜落物が「気象観測用気球」だと言うのは真っ赤な嘘で、本当は軍の秘密兵器の「監視用気球」だった
わけだ。

今回のゲストは「と学会」の皆神龍太郎さん。
わりと淡々と事件を紹介していた。

番組としては夢を残したかったのか、アメリカ政府に空飛ぶ円盤についての真相を公開しろと要求する宇宙飛行士らの団体に
ついて、ちょこっと触れて終了。

感想。
軍が必死に隠しているものがある→それは宇宙人だ
というより、
軍が必死に隠しているものがある→それは軍の秘密兵器だ
の方が、私も筋が通る気がするのだが、どうだろうね?

寝る。

2015年2月6日(金)
朝。
喉が腫れている。
昨日、妙に疲れた感じがしたのは、どうやら熱があったかららしい。

本を開いても文字が頭に入って来ない(かなりの重症)。
ほぼ1日、ボーッとしていたら、夕方ぐらいには復活して来た。

日が暮れてから1号くんから電話があったので、一緒に池袋に行ってワインを買って、飲む。
(やっぱり酒は体が温まって良いな)

1号くんに、
「お前、歳はいくつだ?」
と、聞いたら、
「今月で24歳だ」
と言う。
私の想像する24歳って、もっと大人っぽい感じなんだが……。

帰宅して「宇宙船レッド・ドワーフ号」のDVDを観る。
最初は吹き替えで、途中から字幕で。

特に、シリーズ10の2からは自分が作った字幕なので、
「俳優のセリフと雰囲気は合っているだろうか?」
「読みやすいだろうか?」
「分かりやすいだろうか?」
とか、いろんなことを考えてしまった。

1番気になるのは「ジョークがちゃんと笑える翻訳になっているか?」
これは誰かに観てもらって、感想を聞くしかない。

もう寝よう。

2015年2月5日(木)
朝起きたら雨が降っていた。
天気予報で「午後は雪でしょう」と言っている。

顔を洗って鏡を見たら、なんか変?
(こめかみのホクロが取れてる!)
そう言えば、なんかここのところホクロが硬くなって来て痒くなり、夕べ寝ながらポリポリ掻いたのだ。
ホクロって、取れるものなのか?
理由は分からないが、もしかしたら二日酔いの薬の副作用か?

午前中。
アマゾンで買った『吉原はこんな所でございました』(福田利子 教養文庫)読了。
昭和時代に吉原の引手茶屋で女将をしていた女性の回想録。

売春防止法によって吉原の赤線がなくなったのは、昭和33年3月のこと。
著者は幼少時に引出茶屋の女将の養女として吉原という場所にやって来てから、その赤線廃止までを女将の立場で吉原の郭を
見て来た人。

もちろん著者は「経営者」の側であるから、回想録の中身には、遊郭で働いていた遊女の側から見たら「それは違うよ」的な
ものも多々あると思う。
例えば、著者は聞いた話として「震災のときには、花魁は亡くなったが貸座敷の主人や女将さんは助かった、という例がいく
つもありました」と、さらりと書いているが、「なぜ花魁だけが亡くなったんだ?」と突き詰めると、遊女たちがどんな扱わ
れ方をしていたのかの想像ができる。

また、大正3年に起こった「白縫事件」についても、
「大勢の見ている中を、髪形も美しく、艶やかなかけを羽織り、大勢のお伴を従えて道中するのですから、花魁としては大変
に名誉なことと思われていたのに、白縫は、重い髪を結わされ、重い衣裳を何枚も着せられ、重い下駄で引きまわされたのは、
明らかに奴隷的虐待であるとして警察に自由廃業を訴え出たのです」

この結果、白縫花魁は自由廃業を認められたわけだが、「花魁としては大変に名誉なことと思われていたのに」という一文に
著者の不満げな気持ちがよく出ている。
女将の立場であった著者には、そんな「名誉」なことを「奴隷的虐待」と認識した花魁の考えが理解できなかったのだろう。

それはともかく、当時の日本の下層階級の暮らしを知る上では貴重な資料。
例えば著者が遊女から聞いた話として、こんな話が紹介されていた。
製糸工場の女工が、工場が不況で潰れて故郷に帰ったところ「誰もがいい顔をしてくれなかった」うえ、すぐに父親が吉原に
彼女を売ることとなった。
その遊女は、自分が吉原に行くことが決まったとき「父親のほっとしたような顔を見られたのがうれしかった」と述懐してい
たそうだ。

そして、この話のおまけとして、彼女が東京へ行くために周旋屋と駅で汽車を待っていたところ、汚れた顔をした娘たちが、
「自分たちも吉原へ連れて行ってくれ」と、周旋屋に頼んだ話が出て来る。
年齢を聞くと「12だ」と答えたが、
「どこから見ても子どもで、大きくなったら連れてくから、と言いきかせるのが一苦労だった」
という話。
貧農の娘は、遊女になった方がましな時代だったわけだ。

その後、戦後となって、国策として「進駐軍向けの遊女」を募集した時の話は、また別な意味で興味深い。
「女子事務員募集、年齢18歳以上、25歳まで。宿舎、被服、食糧など全部支給」
という広告を出し、応募して来た女性に初めて仕事の内容(つまり事務員ではなく、本当は娼婦として働くのだということ)
を知らせ、ショックを受ける彼女たちを、
「お国のためになる仕事ですから、誰に恥じることもありませんよ」
と説得し「しぶしぶ引き受け」た女性を進駐軍に相手の娼婦として働かせたのだとか。

「お国のためになる仕事ですから、誰に恥じることもありませんよ」
って、いいなあ、このセリフ。

こうして「お国のためになる仕事」を引き受けた女性たちが、その後「パンパン」とか「パン助」と呼ばれて、全ての日本人
から「敬愛」のまなざしを向けられた歴史を考えると、彼女たちは「誰に恥じることも」なくても、他に恥じるべき人間が、
山ほどいると思うな。
売春が公的に禁じられてから故郷へ帰ろうとした娼婦たちは、実の家族から「外聞が悪いから」と帰宅を拒まれたそうだ。

女たち自身も、自分に人権がないのを当たり前だと思っていた時代に生まれた公娼制度が、時代の波に揉まれていく様子は、
面白く、著者の感じる「むかしの吉原は良かった」も、理解できないことはないが、同じ吉原をそこで働いていた花魁たちの
目から見たら、また違った感想になるのだろうなと思う。

とりあえず、資料として面白い1冊。
絶版本だが、アマゾンで探せば簡単に見つかる。

午後。
雨の中を手続きのため区役所へ。
「すいません。こんな天気になっちゃって」
と、係の人に謝られたので、
「いや、別にお宅が雨を降らせたわけじゃないので」
と、答える。

帰り道でなんとなく「怪人アメフラッシー」というアホなネタを考えてしまった。
眼鏡をかけた区役所の職員が変身して「実は私の正体は!」と……。
自分の考えたネタに自分で寒くなり、あまり寒いので途中のドトールでホットココアを飲む。
店を出たら、外は雪。
怪人ユキフラッシー……は、もういい!

帰宅。
2号くんが、
「今日は面接だった」
と言ってやって来る。
最近、よく来るな、こいつ。

夜。
一緒に「探偵ナイトスクープ」を観る。
アマチュア無線を趣味にしている高校生3年生の男の子が、大きなアンテナを敷設するので手伝って欲しいという依頼。
どうも趣旨としては、彼の工事技術の紹介のようだ。
彼は4月から陸上自衛隊に入隊が決まっているのだそうで、もしかして自衛隊の広報部が何か関係しているのかな?

もうひとつは、急死したレストランのシェフの妻からの依頼で、死亡したシェフしか製法を知らない秘伝のタレの味を再現し
てレシピを作って欲しいというもの。
プロの調理人が、自分の舌を頼りに調味料を調合して味の再現をするわけで、これはなかなか興味深かった。

最後は「ブタの背中にニワトリを乗せて散歩している人を見かけた」という情報から、その人を特定してインタビュー。
ブタとニワトリはペットで、他にネコも飼っているそうだ。
なんとなく「ブレーメンの音楽隊」を連想したのは私だけか?(あれはブタではなくロバだったが)

余談。
ブレーメンには、この物語にちなんで音楽隊の像というのが建てられ、観光名所となっているようだが、実際には物語中では
動物たちはブレーメンには行っていない、「ブレーメンの音楽隊」とは「ブレーメンの音楽隊にでも入るしかない=そこまで
落ちぶれ果てている」といったニュアンスで出て来る言葉で、よく考えたらブレーメン、軽くディスられているんじゃないか
と思うのだが、観光名所にまでしているところを見ると、ブレーメンの人たちはあまり気にしていないようだ。

寝る。

2015年2月4日(水)
今日は読書の日と決めた。

『輪廻の蛇』(ロバート・A・ハインライン 矢野徹・他訳 ハヤカワ文庫)を読む。
アンソロジー。
表題作は前から読みたかった作品だったのだが、今度、映画化されるとかで復刊したのだそうだ。

短編集だと思って買ったのだが、ちょっと意外なことに最初の作品「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」は中編で、文庫
1冊のほぼ半分までが、この作品。
これだけで1冊の本にしても良いような長さだが、読んでみた感想では、この作品だけの1冊があったら私は買わなかっただ
ろう。

毎日、朝から夕方までの記憶を失っているというホーグ氏。
どうやらその時間に何かの仕事をしているはずなのだが、それがどんな仕事なのかが思い出せない。
ある日、右手の爪の間に赤黒い汚れが詰まっていることに気づいたホーグ氏は、自分の職業を知るために私立探偵を雇うこと
にする……
で、そのあと、物語の視点は急に私立探偵にシフト。
ミステリーなのかと思えば、途中からホラーに変わり、最終的にファンタジー?
なんかよく分からない小説だった。
訳者は、矢野徹氏。

次の「象を売る男」は、比較的正当なファンタジー。
旅行が趣味の夫婦。
妻の遊び心で、旅先で職業を尋ねられたら「象のセールス」と答えることにしていた。
その妻も今は亡くなり、ひとりで旅を続ける主人公。
ある日、乗っていたバスが事故に遭い……
この手の話を読み慣れている人なら「あのパターンか」とすぐに分かる「あのパターン」の小説。
解説に、この本の底本の発行は1959年とあるから、もしかしたらこの作品が「あのパターン」の元祖かも?
訳者は、井上一夫氏。

「輪廻の蛇」
あまりに有名な表題作。
あまりに有名過ぎて、あまりに有名なオチを読む前にから知っている私は不幸な読み手。

興味深いのはヒロインが「非常時女子国民軍慰安部」に入りたがっていたという設定。
「非常時女子国民軍慰安部」は、さっくり言えば「従軍慰安婦」のことで、そこで軍人と知り合って、あわよくばその妻にな
りたいと願っていたのだ。
ところが行きずりの男の子を妊娠してしまったために、なんやかんやで夢破れて相手の男を恨むようになり……というわけ。

「慰安婦=娼婦」という職業の地位は、現在では恐ろしく低い。
一度「娼婦」になったら、人生は終わりというイメージなのだが、それを「希望していた」女性をあたりまえのように登場さ
せているということは、少なくとも1950年代にハインラインがイメージしていた「慰安婦」というのは、21世紀の我々
が思い描いているのとは違う立場の人であるらしい。

「輪廻の蛇」は、今度「プリデスティネーション」のタイトルで映画化されるそうだ。
(だからこの本も復刊した)
予告映像を見たところでは刑事物みたいだ。
たぶん原作をそのまま映像化しても映画にならないからだろう。

まったくの余談だが「宇宙船レッド・ドワーフ号」の主人公リスターは、「時間旅行で過去に戻った自分に捨てられたその息
子」という設定。
「息子を過去に捨てて来るなんてひどい親だ」と、シリーズ10(DVD買ってくれ!)で相棒のリマーになじられたりして
いるが、リスターの生い立ちはどう見てもこの作品のパロディ。
あまりに有名なオチのせいで、パロディにされることも多い作品だ。
訳者は、井上一夫氏。

「かれら」
全ては「かれら」の陰謀……
精神状態が不安定な方にはお勧めできない作品。
悪化するかもしれない。
心身が健康でヨタ話を面白がれる人は、どうぞ。
訳者は、福島正実氏。

「わが美しき町」
小さな町の新聞記者が、心を持ったつむじ風と組んで悪者と闘う話。
まあ、ありがちと言ったらありがちな楽しいコメディ。
訳者は、吉田誠一氏。

「歪んだ家」
建築家が「過剰空間の家」という斬新な家を建てたら、その家が地震で四次元的にアレしてえらいことになってしまい……。

私はこの小説のネタバレを福島正実氏の『四次元の世界をさぐる』という本でやられてしまった。(笑)
『四次元の世界をさぐる』は、科学書に見せかけて、タイトルを書かずにSF小説の筋書きを翻案して載せてある凶悪な本。
(「ちゃんと読んでみたければ、自分で探してごらん」的な紹介の仕方なのだ。
幼少期の私は、福島正実、南山宏の両氏に騙されてSFの世界に連れ込まれてしまったようなものだ。

解説によると「歪んだ家」の発表は「アウスタンディング」誌の1941年2月号だそうだから、太平洋戦争以前の作品。
訳者は、吉田誠一氏。

夕方頃、2号くんから電話。
「新宿で警察署に行こうとしたら、道に迷った」
と言うので(奴はスマホを持っていない)グーグルマップで道を調べて教えてやる。
なんで警察署に行くのかと聞いたら、地下道で鞄を落としたらしい。
アホめ。

それにしても、
「お前の現在位置を知りたいから、そこから見える物を教えろ」
と、聞いた返事が、
「中野行きのバスが走って行った」(^^;
(どこかの名探偵なら、そのヒントでもどうにかしてくれるかも知れないけどなあ)
方向音痴がどうやって道に迷うのかがよく分かる。

しばらくしてまた電話があったのだが、どうやら無事に目的地にたどり着いたようだ。
親切な人が声をかけてくれて道を教えてくれたらしい。
落とした鞄もちゃんと届いていたそうだ。
まあ、迷った場所が新宿で良かったよな。
人気のない山の中とかに行ったら死んでるタイプだ。

さてと、軽く飲んで,寝よう。

2015年2月3日(火)
朝。
起きて顔を洗う。
ここ数日、なんだか皮膚がヒリヒリしている。
紙ヤスリで皮膚を軽く擦ったような感じと言えばいいのか、顔に触ると炎症を起こしているのか熱っぽい。

スギの花粉のシーズンではないから、他の何かのアレルギーになったのだろうか?
こういうのは春先だけだと思っていたのに、嫌だなあ……。

ニュースをチェック。
ネット情報によると「イスラム国」の人質事件に関して、日本政府の対応を巡っていろいろな意見が出ているらしい。
では、安倍さんは、どうすれば良かったのだろうか?

私の意見では、安倍さんの取るべきだった対応は、
「優れた日本の諜報能力によって人質の捕われている場所および相手の弱点を迅速に探り出し、優れた日本の外交技術によっ
て培った中東諸国との連帯を生かして救出作戦を成功させること」
だったと思う。
そして、もしも日本にそういうことが出来ないと言うのなら、面倒な相手を敵に回すような不用意な言動は慎むべきだった。

今回の件、兄貴がイキがって不用意にヤ○ザを挑発した結果、巻き添えを食って弟が殺されてしまったというような事件だと
思うのだ。

そして安倍さん、よく「真意は〜だ」みたいな言い方をするが、相手に真意をきちんと伝えるのは外交の基本中の基本。
「総理大臣のコミュニュケーション能力に問題があったせいで、国民が殺されました」
これを「分かってくれない相手が悪い」で済ますつもりだろうか?
いつまでそんな「コミュ障外交」をやっている気だ?

午前中。
アマゾンから「宇宙船レッド・ドワーフ号」のDVDが届く。
簡素なパッケージで、企画段階ではおまけに付く予定だった小冊子も省略。
でも、ファンクラブで作って商品化したことを考えれば、予算ギリギリでよくやったなと思う。
(ちなみに、DVDのパッケージをデザインしたのは2号くん。ボランティアだったそうだ)
ファン活動の成果としては、立派なものだ。

まずは、特典映像の声優座談会を観る。
山寺宏一さんが、吹き替え録音の時にファンにダメ出しをされたという話をしていた。
あのときは、ファンのあまりの「勇者」ぶりに、山寺さんが戸惑っていたのを覚えている。
座談会の話題にするということは、山寺さんにとっても印象的な出来事だったのだろうなあ。
あまりに熱過ぎて「熱暴走」するファン。(笑)

午後。
『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』(大森望編 ハヤカワ文庫)を読む。
時間SFのアンソロジー。
表題作はF.M.バズビィの短編。
ジュディというのがヒロインの名前なのかと思ったら、ぜんぜん違った。
自分の主観的な時間が時系列を無視しているという立場の主人公の話。

それはともかく……
このアンソロジーには、ボブ・ショウの「去りにし日々の光」が載っている。
望んでいなかった妻の妊娠をきっかけに関係が悪化してしまった若い夫婦が、妻子を亡くしたスロー・ガラス売りに出会って
考えを改める……という物語自体はそれほど大したことはないのだが「スロー・ガラス」というアイデアで注目された作品。

「去りにし日々の光」というタイトルではピンと来なくても、「スロー・ガラス」と聞いたら「ああ、アレか!」と思う人も多いのでは?
そう、「去りにし日々の光」というのは、あの「スロー・ガラス」が出て来る小説のタイトルなのだ。

念のため。
スロー・ガラスというのは、光が通過するのに時間がかかるという架空の特殊ガラス。
一見透明なガラスの向こう側の風景が、こっち側で見えるまでに何年もかかるわけだ。

1966年に発表された作品だから、まだビデオとかが一般にない時代の作品。
今だったらビデオカメラと記録媒体とディスプレイを組み合わせれば、似たようなものが出来そうな気がするけどな。
桟でいくつかに区切られた窓ガラスの1枚だけを薄型ディスプレイにして、裏側にビデオカメラをセットしておく。
カメラの映像を一旦、媒体に保存してから、一定の時間をおいてディスプレイに映し出す。
窓ガラスのガラスの1枚だけが、例えば2時間前の外の風景が見えるガラスになる仕組みだ。
時間をテーマにしたイベントのアトラクションとして使えそうじゃね?

夜。
恵方巻きを食べて豆まきをしてから、届いたDVDのシリーズ9を観る。
(もちろん吹き替え版で)
録音の時に生では聞いていたのだが、ちゃんと音声を加工したものを改めて聞くと、かなりイイ感じ。
「レッド・ドワーフらしくない作品」ということで批判も多いシリーズ9だが、独立した作品として考えれば、これはこれで
良いと思う。

寝る。

2015年2月2日(月)
午前中。
医者に行った帰りに初めて行く薬局に処方箋を出したら「お薬手帳」なるものを渡そうとした。
「それは要りません」
と断ったら、
「あ、請求書の金額計算を間違えていました」
と、さっきとは違う金額を言われた。
(なんだ?)

帰宅。
『中国嫁日記 四』(井上純一 エンターブレイン)と、『終わりなき平和』(ジョー・ホールドマン著 中原尚哉訳 創元
SF文庫)を読む。

『中国嫁日記』は、お馴染み中国人女性と結婚した著者のエッセイ漫画。
興味深かったのは、例の中国での反日デモ騒ぎの時に、著者の知人の中国人女性(日本人と結婚)のところに、日本のいろい
ろなテレビ局から取材の申し込みがあったという話。
それがどれも「領土問題で夫婦喧嘩をしていませんか?」という質問だったので、みんな断った由。

マスコミというのは「自分が求めてる答えを言ってくれる人」を求めて「取材」をし、
「取材の結果(マスコミ側が求めていた通りの)こういう回答が得られました」
という報道をするようだ。

念のため断っておくが「マスコミの言うことが信用できない」というのは「ネットの言うことが信用できる」という意味では
ないからね。
ネットに流れているのは、あくまで「噂話」レベルのことだから。

さて、『中国嫁日記』。
今回のおまけ漫画は「男性不妊症」の問題。
著者である井上氏、子供を作ろうとして1年半頑張ったのに子宝に恵まれなかったため、夫婦で(ここ肝心)病院へ行ったと
ころ、男性側が原因の不妊であることが分かり、井上氏が治療のため手術を受けることになったという話。
病名は「精索静脈瘤」。
簡単に言うと精巣に繋がっている静脈に温かい血液が逆流してしまい、精子の生産能力が落ちるという病気だそうで、なんと
成人男性の15%は、この病気に罹っているのだそうだ。

で、診察を受けた荻窪病院の大橋医師に「井上さんも機会があったら男性不妊について周りの人たちに理解を呼びかけて下さ
い」と言われた著者が、言われた通り「周りの人たちに理解を呼びかけるため」漫画にしたようだ。
大橋医師、どうやら井上氏が人気漫画の作者であることを知らなかったようだから、いまごろ病院にバンバン問い合わせが行
って(この漫画の発売日は1月31日)「なにごと?」とか思っているかも知れない。

『終わりなき平和』
ジョー・ホールドマンは名作『終わりなき戦い』の作者。
でも、これはあれの続編というわけではなく、戦争も出て来るが、あくまで地球人同士のもので、宇宙人とかは出て来ない。

1997年に書かれた本作に、アメリカ国内にいる兵士が、遠隔操作で戦地にあるロボット(ソルジャーボーイ)を動かして
戦うというアイデアが出て来る。
これ、実際に「無人ヘリ」での攻撃で、似たようなことをやっているのだよな。
そんなわけで、兵士たちは遠隔操作で「戦争」をしたあと、基地から自宅へと帰って行く。
そこでは普通の平和な生活が繰り広げられているわけで、前半はひたすらそうした状況に置かれた兵士の日常の描写。

はっきり言って、前半はかなり退屈な小説。
物語が急展開するのは、主人公が任務で行った暴動の鎮圧の最中に心ならずも子供を殺してしまい、その後の精神状態を理由
にソルジャーボーイによる任務から外されてしまうところから。
ここから話は一気にノンストップ・サスペンスとなる。

感想。
「ジュピター計画」の話と「人間化計画」の話は分けて別の物語にした方が良かったんじゃないかな。
人類を危険に陥らせる「ジュピター計画」阻止には賛成でも、人類を積極的に進化させる「人間化計画」には反対という立場
の者が、出て来ないのもちょっと引っかかる。
現実には、そういう立場の人が大半なんじゃないかと思うからだ。

そんなわけで、前半は退屈、後半はワクワクドキドキ、作者の出した結論には「うーむ?」という作品。
読み手を選ぶ作品だと思う。

2015年2月1日(日)
朝。
「イスラム国」が、今朝の5時頃(日本時間)に後藤さん殺害を示すビデオ映像を、動画サイトに投稿したというニュースが
流れた。
ご冥福をお祈り致します。

今回はさすがに日本政府も「自己責任」とは言わない。
(たぶん、それを言ったらマスコミ関係者を敵に回すのが分かっているからだろう)

被害者は生命を失ったし、犯人のテロリストにとっても、何も得られることのなかった事件だった(それどころかクソコラ
で笑い者にされた)と思う。
誤算のひとつは、日本人がシリアなどという「遠い国」で起こった事件に対し、あまり現実感が沸かず、テロの狙いである
「恐怖」をそれほど感じなかった点。
もうひとつは、「ヨルダン人の人質を優先する」というヨルダンの方針について、日本人が「日本人の方を優先しろ」とか
言い出さなかった点かな。

今日はSF乱学講座。
ビブリオバトルをやる予定なので、発表する予定の『去年はいい年になるだろう』(山本弘 PHP研究所)を読み直す。
戦争やテロを未然に防ぐために未来からロボットがやって来るという話。
お陰で911テロなどは防げたが、割を食ったのはSF作家。
未来の空想話が書けなくなったことで仕事を失い、悲惨なことに。
全世界的なテロを防いだのと引き換えに、自分の家庭が崩壊したとき、人間はどう考えるのだろう?

SF作家である作者自身を主人公にしているので、現実と虚構の境界線が曖昧になり(特にSF関係者にとっては実在する
知り合いが登場して来たりもするので)読み進めるうちに物語世界の中に取り込まれて行くような錯覚に陥る。

夕方に家を出て、高井戸へ。
2ヶ月来なかっただけなのに、高井戸の駅が様変わりしていて驚いた。
駅前の店が新しくなっている!

ビブリオバトルでは『去年はいい年になるだろう』には、残念ながら1票も入らなかった。
「だって、みんなもう読んでるもん」
って、そりゃそうだな。
名作すぎる本を選ぶと、ビブリオバトルでは不利。φ(.. )メモメモ

課題図書『翼を持つ少女』(山本弘 東京創元社)について。
「あとがき」に、この本を書くことになったきっかけとして、山本先生が「こいこん」(2013年に広島で行われた日本
SF大会)に行った話が載っていたが、H田さんが、
「私はこの時、山本先生に会った」
と、言い出した。
「会場で会った人に『お名前は?』と聞いたら『山本です』と答えられて、割と平凡な名前だなと思ったんだ」
と言うので、教室中が思わず「ドッヒャーッ!」となる。

「それは『アオイホノオ』で、山賀が手塚治虫先生のことを『あの人誰?』とやったのに匹敵する」
と、エピクトさん。
(他の場所ならともかく、場所がSF大会の会場だからなあ)

放課後は、いつものように「包茶」で食事会。
今日は店内が空いていた。
寒いせいかな?

コートを着ていても寒気がしみ込んで来る。
駅から急ぎ足で帰宅。

寝る。

2015年1月分へ  目次へ