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独 り 言 (2015年1月分)
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アマゾンから『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』(山本弘 東京創元社)が届いたので、読む。 午後。 読了。 400ページちょっとの読みやすい青春小説だった。 舞台は私立の中高一貫校。 主人公は2人。 同じ高校に通う男子生徒と女子生徒。 この2人が章ごとに交互で「語り」の立場になる構成。 男子生徒は、大きな造り酒屋の息子。 女子生徒は、決して豊かとは言えない父子家庭の娘。 男子生徒が女子生徒に祖父の蔵書の話をしたところ、彼女はその蔵書に興味を示し…… ヒロインの女子生徒が元気いっぱいの女の子ではなく大人しく目立たないタイプであるのは、さすが山本先生、イマドキの オタクの好みを反映させている(?)。 某少年誌の関係者に聞いた話だが、最近は「どうかすると男の子をひっぱたいてしまうような元気いっぱいの女の子」という のは人気がないそうだ。 1980年代ぐらいには、そういう女の子が人気だったのだが。(例:「うる星やつら」のラムちゃん) そんなわけで、ヒロインは大人しく、同級生である男子生徒にも敬語で話しかけるような女の子。 そして、コアなSFファン。 この2人が、高校のビブリオバトル部で部活動を通じて成長して行く物語。 ちなみに「ビブリオ」とは「本」のことで、ビブリオバトルとはスピーチによる書評合戦。 書評を聞いた参加者が一番読みたいと思った本が「チャンプ本」として選ばれるというゲーム。 念のため、勝つのはあくまで「本」。 紹介者のプレゼン能力を競うのが目的ではない。 作品中のビブリオバトルで紹介される本は、すべて実在のものなのでフィクションでありながら微妙に現実とリンクする。 そして、話の後半。 悪役登場なのである。 主人公たちが通っているのとは別の高校の生徒たちで、不良というわけではないが別の意味でタチの悪い連中。 この連中が、主人公たちにビブリオバトルの勝負を挑んで来るのである。 その結果……。 学校の図書室に是非お勧めの1冊。 ビフリオバトルで本が紹介されるシーンは、絶好の読書ガイドになっているし、後半のバカどもが登場するシーンはネットの 情報に翻弄されがちなティーンエイジャーにとって重要な情報となるだろう。 夜。 「ひげひげ団」の集会。 ゲームクリエイター関係者の親睦会のようなもの。 偶然、メンサ会員と会って話をする。 最近、よくメンサ会員や元会員と名乗る人と出会う。 理由のひとつは「高IQ者」というのが以前ほど隠さなくてはならないものではなくなったからだと思う。 「高IQ者」は、他の人と区別すべきではない普通の人だという当たり前のことが、もっともっと一般に広まれば良いのだ。 「メンサ会員同士は、道で会っても知らん振りをする」なんてのがマナーとされるのは悲しいことだ。 いつもの店が貸し切りで8時まで使えず、結局、店を3軒ハシゴする羽目になった。 11時半過ぎに帰宅。 寝る。
2015年1月30日(金)
雪。 寒いので室内でほぼ1日中、SF大会とSF乱学講座関係の地味な事務作業。 作業中に、日曜日の乱学講座の課題図書をまだ読んでいないことに気付き、アマゾンでポチる。 夕方。 2号くんが来て、 「飯、食いに行かね?」 と、言うので、 「寒いから嫌だ」 と、断ったら外に出て行ったが、間もなく1号くんと一緒に戻って来た。 1号くん、 「他人のおごりで肉を食お〜♪」 と、歌いながら入って来たので、 「帰れ!」 と、言ったが居座られ、一緒に晩飯を食べる羽目になる。 夜。 地震。 時刻:20時31分頃 震源:茨城県南部(北緯36.0度 東経140.2度) 深さ:約50km 規模:M4.7 ビーンという細かい振動の後、比較的長い揺れが続いた。 テレビで「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」を観る。 前にやった「ルパン三世VS名探偵コナン」の続編。 変な美男美女の歌手とそのマネージャーは不要だったんじゃないか? そして栗田さん、「ドロボーです」のセリフは、あのイントネーションでやって欲しかった。 ニュース 「イスラム国」関係は、特に進展なし。 寝る。
2015年1月29日(木)
朝。 布団の中にいて、既に寒い。 ヒーターをつけ、どてらを被って「マッサン」を観る。 自分が母親(スコットランド人)に似ていないことを気にするようになった養女のエマ。 まだ10歳のエマに、自分が養女であることを伝えるべきかどうかを迷うマッサン夫婦。 エマは考えた末「きっと自分は、お父さん(日本人)の方に似ているんだ」と、納得する。 その時、両親(マッサン夫婦)に呼ばれ「お前は本当は養女なんだよ」と知らされる。 ……なんと言うか、タイミングの悪い親だ。 ニュース。 「イスラム国」が死刑囚の釈放期限を「今日の日没(日本時間だと真夜中)」だと言って来たそうだ。 夜。 五反田のゲンロンカフェで、大森望×森優×込山博実「ハヤカワ文庫SF総解説! その歴史とヴィジョン」というイベント があるので出かける。 ハヤカワ文庫SFの歴史の話と言うか、知られざるエピソードを関係者が語ってくれる。 森優さんと言えば、空飛ぶ円盤大好き人間の私にとっては「南山宏先生」のことである。 会場でお姿をお見かけして、思わず、 「南山先生ですよね?」 と、声をかけたら、 「今日は森優です。そして『先生』はやめて下さい」 と、素敵な笑顔で言われてしまった。 (もう、ともかくねえ、ともかくねえ、目の前に「南山宏先生」がいるんだよ!) 小学生時代の自分に教えてやりたい。 あの昆虫型宇宙人の表紙の『空飛ぶ円盤のなぞ』という本は、たぶん私の人格形成に多大な影響を与えた1冊だと思う。 さて、ハヤカワ文庫SFの話。 当初「SF」ということで、取次店が難色を示す。 営業からのSOSで、当時の「SFマガジン」編集長だった森優さんが直接説明に行き、商品の説明をすることに、 「立川文庫みたいなものです」 と、言ったらすんなり通ったそうで、この辺、さすがだと思った。 たぶん科学のどうのと言ったら、ダメだったんじゃないかな? 私がちょっと興味を引かれた話。 銀背で出ていたレイ・ブラッドベリの邦訳、どういうわけか原書と見比べると丸々2ページ分が抜けているのだそうだ。 「小笠原さんが訳したやつ」 と、言っていたので、ネットで検索したら『太陽の黄金の林檎』(レイ・ブラッドベリ 小笠原豊樹訳〈銀背〉)というのを 見つけたので、ひょっとしてこれかな? 小笠原さんが手にした原書が落丁本だったとか、そういうこと? どこが抜けていたのか知りたいな。 イベント終了後、会場で会った人たちと飲み会。 「私は群馬県出身なので、ずっと『海なし県』とバカにされていたんです」 という人がいたので、 「埼玉とか長野とか海のない県はいっぱいあるさ」 と、みんなで慰めたのだが、そもそも海のない県ってバカにされるものなのか? 山手線で池袋へ戻る……はずが、気がついたら巣鴨。 酔いつぶれて乗り過ごしたらしい。 Uターンして、今度こそ池袋に戻り、帰宅。 寝る。
2015年1月28日(水)
朝。 昨日に比べると寒い。 「マッサン」を観たら見慣れない老人が出演していた。 (何て俳優だろう?) と、ネットで調べたら、オール阪神だったことが分かり、ビックリ! このご老人、本当に「車にポピー♪」の人か? ニュース。 「イスラム国」が人質交渉の期限を「24時間」と切って来たそうだ。 午後。 昨年、辞めた職場の人事部へ行く。 話の内容を簡単に言うと、 「振り込んだ給料の金額、間違っちゃってたから多過ぎた分を返してね(てへぺろ)」 みたいなことだった。 かなりズンドコなところのある職場だったから、やっぱりと言えば、やっぱりな話かな。 地下道の売店で「ニューズウィーク」を買って帰宅。 「イスラム国」の特集が載っていたからなのだが、日本のマスコミの報道よりずっと「有志連合優勢」というイメージ。 夜。 NHKの7時のニュースは、スカイマーク民事再生法申請がトップ。 8時過ぎ。 ヨルダンがヨルダン人パイロットとの交換でなら「イスラム国」の死刑囚を解放すると発表したというニュースが流れた。 テレビで「24時間の期限と言うのは今夜の11時ののことらしい」と言っていたので、その辺の時間にテレビをつけたが、 何も起きてはいないようだ。 日本政府の関係者へのインタビューがニュース番組に映るのだが、「情報を隠している」のではなく「情報を得ていない」と いう感じ。 兵法書である『孫子』には「間(=かん:諜報活動)」の重要さが書かれているが、日本はどうもその辺が下手なような気が する。 日本人は「スパイ」という言葉に何か「悪いもの」というイメージを持っていて、積極的な活用にあまり乗り気になれないん じゃないかなあ? いくら高性能の戦闘機とかを持っていても、攻撃目標の位置が分からないんじゃどうしようもないよな。 寝る。
2015年1月27日(火)
マイクロソフトが開発した「ホロレンズ」についてのニュースが入って来た。 メガネ型のPC。 「これまでのヘッドマウントディスプレイとどう違うのか?」と言うと「ディスプレイ」ではなく「PC」だと言うこと。 これ、単体で使えるのだ。 シースルー型ディスプレイを採用しているので、かけたまま周りを見ることが出来る。 メガネのレンズ越しに見える現実の世界に重ねて仮想現実を見るわけだ。 楽しそうだが、現実と非現実の境が分からなくなって混乱する人は出ないか? 昼のニュース。 「イスラム国」の人質事件の件、日本政府が「日本人の人質とヨルダン人の人質を両方解放するように交渉できないか?」 と言っているらしい。 今回の「死刑囚解放」という条件が、そもそも「身代金を払えないなら代わりに」みたいな話で、テロリスト側がそれほど 熱心に要求して来ている感じではないので「こちら側の人質解放を2人に増やしてくれ」という話を、どの程度まで相手に してくれるかは微妙だと思う。 午後。 2号くんが家に来る。 「就活がうまくいかなくて、落ち込んでいる」 と言うので、 「そういう時には、島本和彦の『アオイホノオ』を読め」 と、勧める。 「特に10巻の158〜159ページのトンコさんが最高だ。俺もいま痛烈に自分のトンコさんが欲しいと思っているぞ。 トンコさんに『そのあとに栄光が待ってるんやろ』と言われたい!」 と、語っていたら、2号くんが、 「ネットの馬鹿動画でも観るか?」 と、言い出した。 良かった、きっと私のお陰で元気を取り戻したのだろう。 テレビのニュース。 広島の平和公園の葉牡丹を引っこ抜いて文字の形に並べた者がいたらしい。 ニュースでは「数字の15の形に」と言っていたが、時事ネタとして考えると、これは「15」じゃなく「IS」だろう。 たぶん知っていてわざとスルーしたな。 夜。 新聞のテレビ欄でオカルト番組らしきものを見つけたので楽しみにして観たのだが、番組のほとんどの部分が、ネットから 拾って来たらしき動画をただ流すだけ。 唯一の見どころ(?)は、見るからに怪しげな外国人のおばさんの「私は宇宙人の子供を妊娠した」話とそのチープな再現 映像だった。 ゲストで出演していた矢追純一氏。 たぶん内心「俺に演出させれば、ずっとマシな番組を作るのになあ」と思っていたのじゃないだろうか? (そんなに予算がないのか、日本のテレビ局?) ネットのニュース。 アメリカ国務省のサキ報道官が、26日の記者会見で、テロリストに拘束された人質と交換するための囚人釈放は、身代金 支払いと同じ部類だとの認識を示したそうだ。 だからアメリカはやらないという話らしいが、それを敢えていま言った意図はなんだ? 寝る。
2015年1月26日(月)
朝。 シャワーを浴びていたら地震 時刻:7時20分頃 震源:千葉県北東部(北緯35.9度 東経140.6度) 深さ:約40km 規模:マグニチュード4.9 最大震度は「4」で、東京は「震度2」の揺れだそうだ。 午後。 外出するが、コートを着ているとむしろ暑い。 夕方。 2号くんから、 「今日、面接に行ったが、帰り道で渡ろうとした道の全ての信号が赤。電車に乗ろうとすれば直前に発車。次の列車を待って 乗ろうとしたら8両の短い編成のため自分のいた乗車位置まで列車が来ない。おまけに靴底にガムが貼り付いていた」 と、電話があったので、 「とりあえず、飲もうか」 と、酒を買って来させる。 夜。 テレビで、池上ニュース解説を観る。 「イスラム国」の人質事件について。 「イスラム国」は「ヨルダンで逮捕された死刑囚の釈放」を要求して来ているが、ヨルダンの世論は、 1)大量殺人の罪で逮捕されたテロリストを釈放すべきではない。 2)どうしても人質との交換のためにテロリスト釈放を行うのなら、ヨルダン人の人質と交換すべきだ。 という方向であるらしい。 (普通、そうだろうなあ……) 興味深かったのは、当初「イスラム国」の要求していた「2億ドルの身代金」について。 池上さんによると、 「身代金を支払う」と言っても銀行振込で行うわけにもいかないから、現金での引き渡しになる。 「2億ドルの札束」を安全に受け取るというのは、テロリスト側から見て困難。 よって、犯人側は200億ドルの身代金を本当に受け取る気はなかったのではないだろうか。 とのこと。 「テロリズム」という言葉通りに「恐怖」を与えることが目的なのかもね。 寝る。
2015年1月25日(日)
朝。 ネットに「『イスラム国』の人質になっていた湯川さんが殺害された」というニュースが流れ、一緒に人質になっていた後藤 さんらしき人物がプリントアウトらしい不鮮明な生首写真を持って立っている映像と共に棒読みの英語が流れる動画がアップ されていた。 「イスラム国」側の要求は、2億ドルの身代金からヨルダンに拘束されている死刑囚の釈放に変わったのだそうだ。 この死刑囚は、自爆テロ未遂で逮捕された女性なのだとか。 でも「日本人を人質に撮ったからヨルダンの死刑囚を釈放しろ」と言われても、ヨルダン政府は「なんで?」じゃないかな。 これって犯人側の「同胞を見捨てた日本と違って、仲間を見捨てない俺たち」アピールか? 昼頃に続報が出ていないかとネット検索をしたら、さっそくこの動画の映像を使ったクソコラがアップされていた。 今回の動画に「イスラム国」側の人物が映っていないのは、もうクソコラの素材にされたくないからかね? 故中島らも氏の名作戯曲「こどもの一生」のエピソードを思い出す。 この戯曲は、もともと主にコメディ芝居を書いていた中島氏が「何をやってもただゲラゲラ笑うだけの観客」に苛立ち「その 開いた口を閉じさせてやる」と書いた戯曲で、前半がコメディ、後半がスプラッター・ホラーという異色の構成になっている のだ。 前半で笑っていた客が、後半は恐怖に静まり返る、そうした反応を狙って書かれたこの芝居なのだが、驚いたことに「物語が 凄惨なホラーのパートに入っても、ひたすらに笑い続ける客」というのが、一握り存在したのだという。 目の前のものがなんであろうと関係なく、ひたすら笑い続ける人間というのが、ある一定の人数、いるものらしい。 午後。 メンサ・テスト合格者の会の年次会。 会計報告、業務報告、委員の選任等が滞りなく終わって、新年度の活動の開始。 つまり、例会でだべって、終了後に飲み会になだれ込む。(^^; 飲んで、家に帰って、寝る。
2015年1月24日(土)
昼過ぎからSF大会のスタッフ会議、夜は空想小説ワークショプの25周年パーティーと、忙しい日。 昼に家を出てスタッフ会議へ。 めいっぱい場所を間違えていて(会場を間違えて秋葉原に行くべきところを九段に行ってしまった)遅刻するも、他のスタッ フも遅刻して開始が遅れたのでさほどの支障はなかった。 ひとり高熱を出したのに出席した人がいて、自分の仕事がないときは会場の隅で寝ていたが、すごい根性。 「医者に行ってインフルエンザでないことを確認してから来た」 のだそうだ。 大会スタッフ、ハンパじゃない。 夜。 空想小説ワークショップのパーティー。 場所はアサヒビール社屋の最上階にある「ラ・ラナリータ」というレストラン。 吾妻橋にあり(浅草駅から徒歩3分)、すぐ前に「黄金の炎」が飾られていることで有名な場所。 今回のパーティーの幹事を引き受けてくれたアサヒビールの社員さんに、 「私は、あのモニュメントを『幸運の炎』と呼んでおります!」 と言ったら、 「アハハ、やっぱりそう見えますか」 と、言われた。 乾杯は、当然アサヒビールで。 みんなで、 「アサヒのビールは美味しいなあ」 「ビールはやっぱりアサヒだね」 などと言いつつ、飲む。 22階の窓からは、周囲の夜景が一望。 窓際に張ってある『ニッカウィスキー(マッサンのウィスキー)のポスターの脇に窓の外に遠く見えるマッサン夫婦(本物) の肖像写真を使った看板が見えるというロケーション。 先ほどのアサヒの社員さんに、 「狙ったんですか?」 と、聞いたら。 「もちろんです」 と、答えられた。 酒が回って来ると、馬鹿話。 時代劇の悪代官が「ヨイではないか」と着物を帯をクルクル引っ張って女の人が「アーレー!」となるシーンについて。 K山さんが、 「あれは実際には女性側の協力がないと物理的に不可能なので、女性は本心では嫌がっていないのではないか?」 などと語っていた。 パーティーが終わって2次会に行くことになり、K山さんを、 「ヨイではないか」 と、引っ張ったら、 「俺は行きたくない」 と、言いつつクルクルと付いて来た。 そんなわけで「つぼ八」で飲んでから帰宅。 寝る。
2015年1月23日(金)
朝。 「イスラム国」の人質事件は進展なしのようだ。 午後。 テレビで「華氏451」という映画を観る。 原作はレイ・ブラッドベリ、監督はトリュフォー。 本の所持や読書を禁じられた社会で、本を燃やす仕事をしている主人公。 彼は、自分の妻そっくりのクラリスという女性と知り合ったことで、社会に疑問を持つようになり、密かに読書を始める。 やがて彼は、変わって行く夫に耐えきれなくなった妻によって通報され、追われる身となるが…… 物語のテーマは、テレビばかり観て本を読まなくなった人間たちへの危機感のようだが(原作となった小説が書かれたのは、 1953年)そのテレビすら観ない人間が増えた現代に、改めて観てみるといろいろと考えさせられることがあるな。 (「他のネットユーザーからの賞賛が全て」になり、その果てに人生を踏み誤る人間のこととか……) 感想。 本がどうとかという話より、妻以外の女性と仲良くなって仕事をサボッたり、妻の友人たちの前でいきなり一方的に自説を喋 りまくって引かせたりする夫の異常さの方が引っかかってしまった。 「本を読んだらこういう奴になる」と思ったら、通報したくなる妻の気持ちが良く分かる。 これだと製作者の意図とは逆に「本好きな人間は異常者」というイメージになってしまう。 もしかして、映画監督であるトリュフォーは「テレビばっかり観ているとバカになる。読書が大事」という原作者の考えに、 必ずしも賛同していなかったのか? 「本より映像メディアの方がいい」とか? 映画が終わったので、BSから地上波に切り替える。 日本テレビだけがニュースをやっていて「『イスラム国』のテロリストが要求していた身代金の支払い期限が過ぎた」と言っ ていた。 人質が殺されたか助かったかは不明らしい。 夜。 空想小説ワークショップは、新幹線に関する雑学本の著者であるA木さんによる執筆過程についての話。 講座が始まる前の雑談で、 「人質事件の後藤さんの名前に付いていた『JOGO』は、後藤さんのクリスチャンネームではないか」 と言われる。 聖人の名前とかか? 放課後は、いつものように少し飲んでから帰宅。 ネットのニュースをチェックしたが、人質事件に進展はないようだ。 寝る。
2015年1月22日(木)
朝起きるとノドが痛く、風邪薬を飲むと治り、別に熱も出ないという状態が続いている。 インフルエンザではなさそうなのだが??? 午前中。 朝刊。 陳舜臣氏が亡くなられたという記事。 享年90。 死因は老衰。 大往生だよな。 この人の『秘本三国志』(中公文庫)、好きだったなあ。 ご冥福をお祈り致します。 午後。 ネットのニュース。 「イスラム国」から送られて来た人質の映像をコラージュ加工してネット上に拡散させ、犯人グループを煽ったお馬鹿様たち がいるようだ。 そうした連中の言い分をさっくりまとめると、 「わざわざ危険地域に出向いて人質になり、国に迷惑をかけるような人間は殺されても構わない」 しかしジャーナリストが危険地域に行ってはいけないのなら、戦場カメラマンはどうするんだ? スタジオ撮影でもするのか? 戦場って、普通は危険地域だぞ。 この連中、もしもテロリストが本気で怒って日本国内でテロを行ったらどうするつもりなのだろう? わざわざ自国を危険地域にして国に迷惑をかけるような人間は、お前らだろうが! そんなこんなで、ついついニュースウォッチャーになってネットをうろついていたら、興味深いものを見つけた。 英国人の人質がテロリストに殺害されている写真なのだが、 (1)スタジオらしき場所でグリーンバックを前に「人質の首を切っているテロリスト」。 (2)それを撮影しているらしいカメラ。 (3)砂漠を背景に「人質の首を切っているテロリスト」が映し出されたディスプレイ。 ……が、1枚の写真に収められている。 つまりこれは「メイキング写真」という設定らしい。 ところが、よく見ると(1)のスタジオの人物と(3)のディスプレイ上の人物がまったく同じ写真。 これが本物のメイキングであるならば、(3)のディスプレイには「(2)のカメラで撮影された写真」と「砂漠の背景」と の合成写真が映っていなければならない。 ところが(3)に映っているのは「メイキング用カメラに映った人物」と「砂漠の背景」との合成写真なのだ。 どうやらこの写真は元の「砂漠で人質の首を切っているテロリスト」の写真を加工したフェイクのようだ。 そして、このフェイク写真が結構ネットに出回っているようなのだ。 (作った奴、何がしたいんだ?) で、さらにネットをうろうろしてみたら「テロリストたちは本当は人質を殺していない」説というのに出会ってしまった。 彼らの狙いは「脅し」であって、本気で人質を殺害する気はないというのだ。 「本当にそうだったらいいなあ」と、一瞬思った。 (後藤さん、いい人そうだし) 望みを繋ぐならば、人質映像の湯川さんが、そこそこ肉付きが良く髭もきれいに剃られていたということか。 彼が拉致されたのは、去年の8月。 つまり5ヶ月間、拘束状態にある計算になる。 1986年11月にマニラで誘拐された若王子支店は、翌年の1月に犯人グループから届いた写真では、髭ぼうぼうのやつれ 果てた姿をしていた。 その姿に比べると、今回の人質は、ずっと健康そうだ。 人質にひどい扱いをしない連中なら無闇に殺したりもしないのではないかと、希望的観測。 ところで、イスラム研究者の中田考・元大学教授が、 「『イスラム国』に知人がおり、司令官ともコンタクトは取れる。交渉できるのなら、自分が行きたい」 と、言い出したそうだ。 中田・元教授と言えば、北大の学生の「イスラム国」入りを支援しようとしたとして、昨年、公安から事情聴取された人物。 日本政府としては、この人の力は借りたくないだろうなあ。 夕刊。 社会面に後藤さんの写真&〈揺るぎない正義感 胸に〉の大きな見出し。 これはマスコミ関係者の「俺らの仲間を見殺しにするな」というメッセージか? 夜。 SF大会関係の仕事。 預かっている企画の件で、かなり悩む。 (これ、もっと上の方の人が担当すべき企画だという気がする) 寝る。
2015年1月22日(水)
朝。 NHKの「あさイチ」で、キャスターの柳澤秀夫解説委員が、 「『イスラム国』に人質になっているフリー・ジャーナリストの後藤さんは、一緒に仕事をしたことのある人だ」 と、言っていた。 わざわざ言ったのは、後藤さんを「どこの馬の骨とも分からない見捨てていい人」にしないための配慮かな、と思う。 この人質事件について、興味を持ってネットをうろうろ。 東京外語大で国際政治を教えているという伊勢崎賢治という人のツィートを見つけた。 〈イスラム国邦人拘束。毎日から電話取材。個人が危ないところに行き、国に迷惑をかけるのはどう思うかと。社の責任で人 を送らない大手メディアが何も言える立場にないと言っておいたが、書かないだろうな。〉 ツィッターの短い文章なので短か過ぎて分かりにくいが、〈毎日〉は「毎日新聞」のことだろう。 言葉を補うと、 イスラム国邦人拘束の件で「毎日新聞」から電話取材を受け、 「個人が危ないところに行き、国に迷惑をかけるのはどう思うか」 と(質問されたので)、 「社の責任で人を送らない大手メディアが何も言える立場にない」 と言っておいたが、(恐らく「毎日新聞」は、このコメントを記事に)書かないだろうな。 このツィート内容が正しいとすると、「毎日新聞」の記者のうち少なくともひとりは、このニュースを小泉政権時代の「人質 バッシング」と同じ方向で報道するために専門家の言質を取ろうとしたことになる。 ちなみに「社の責任で人を送らない大手メディアが何も言える立場にない」について、私が知っている範囲で簡単に説明する と「一般に大手メディアは危険地帯の取材には自社の社員を送り込まず、フリー・ジャーナリストの取材して来た内容を金で 買って記事を書いている」ということ。 「そうしたフリー・ジャーナリストたちのお陰で自分たちは安全地帯にいて記事を書けるのに、彼らが危険な目に遭った時に 大手メディアの人間が『そんな危ない場所に行くフリー・ジャーナリストが悪い』と批判する資格はない」 と、伊勢崎賢治さんは答えたわけだ。 私も以前の人質事件の時に(これは読売新聞の記事だったが)危険地帯に取材に行くフリー・ジャーナリストたちを批判して いるのを読んで呆れた覚えがある。 だったら彼らから写真もレポートも買うな。 そして「私は危険な事件現場には行っていないので、何が起きたのかさっぱり分かりません」という記事でも書けよ。 午後。 生命保険屋のおばちゃんが「手続きの必要がある」と言うので駅前のドトールへ。 「機械を使ったとても大変な手続き」と、言うから何かと思ったらネットに接続してパスワードを入力しろと言う話。 バッグからノパソを出して数字を入力したら、 「あ、すごいっ」 (「あ、すごいっ」じゃねーよ!) 「もしかしたら、来て頂く必要はなかったのかも知れません」 って…… (どうやら50代のニートにPCが使えるはずはないと思われていたらしいが、さすがにキーボードから数字を入力するぐら いは出来るぞ) 帰宅。 夕刊の記事によると社会面に人質になった後藤さんは、どうやら先に拘束された湯川さんの情報を求めてシリアに渡ったらし い。 ちなみに、この件に関する1面の記事の見出しは、 〈拘束邦人は湯川・後藤氏〉 〈政府判断「イスラム国」犯行濃厚〉 「公式発表なのだから慎重に」は分かるけど、何なんだこの「何を、いまさら」感は? 後藤さんが「日本政府に任せておいたら、湯川さんが殺される」と判断して自ら救出に向かったとしても、あながち責められ ない気がするなあ。 社会面の記事には、すごくいい笑顔の後藤さんの写真が使われていた。 たぶん、記者仲間から好かれる良い人なのだろう。 ところで、ネットに「今回、安倍総理が中東訪問で日本政府の方針を述べたことが事件の動機」とか書いていたのがあったけ れど、犯行準備にかかる時間とかを考えると「安倍さんが発言→犯行を決めた」は有り得ないと思う。 訪問日程はもっと早くに分かっていただろうから「安倍さんの中東訪問に合わせてビデオを公開」は、あるかと思うが。 拉致と言えば、北朝鮮に拉致された人たちの件も、どうも話が前進していない。 あの人たちは日本国内にいて拉致されてしまったわけで、「イスラム国」というのも世界中にそのメンバーが潜伏しているの だとか。 怖いね。 寝る。
2015年1月20日(火)
ネットのニュース。 日本人が2人「イスラム国」の人質になったらしい。 昨日、安倍総理がイスラエルのネタニヤフ首相から、 「日本もテロ巻き込まれる可能性があり、注意しなければいけない」 と、忠告を受けたばかり。 犯行声明によると、 「日本の首相へ。(日本は)イスラム国から8500キロも離れていながら、自発的に十字軍に参加した。おまえはわれわれ の女性や子どもを殺害するのに、そしてイスラム教徒の家を破壊するのに、得意気に1億ドルを提供した」 というのが日本人を狙った動機らしく(「遠くにある、しかもキリスト教国でもない国が札ビラ切って首突っ込んで来んじゃ ねーよ」と言いたいらしい)身代金は2人分で2億ドルだそうだ。 まあ、日本政府としては「テロ国家」の言いなりにホイホイ金を出すわけにはいかない。 (何よりアメリカのご機嫌を損ねてしまう) しかし「自力で人質を奪還できるか?」というと、それもいろいろと困難だろう。 かと言って「自国民を守れない政府」では国民の信用が落ちる。 小泉政権時代にイラクで日本人が人質に取られた際には、あっと言う間に「あの人質はバカでとんでもない奴ら」という情報 が日本国中を駆け巡った。 有名な「人質バッシング」だ。 「そんなバカは助けられなくても日本政府の落ち度ではない」という考えを日本国民に浸透させたのである。 噛み砕いて言うと、 「自国民が危険な目に遭っているのに国がその人を助けられない」→「自分も国に助けてもらえない。政府は信用できない」 となるのを防ぐために、 「危険な目に遭っているのは特別なバカで、君とは違う」→「だから君は助けてもらえる。政府を信用していい」 という宣伝をしたわけだ。 私がよく覚えているのは、あの事件が起こる直前にアサヒ・コム(朝日新聞の電子版)に上げられていた、 〈サマワの空に泳ぐ ひとあし早い鯉のぼり〉 という記事が、事件発生直後に消されたこと。 事件が発生するまでは、日本政府は「自衛隊の派遣先は非戦闘地域でなくてはならない」という縛りをクリアするために、 「イラクはそれほどの戦闘状態にない」というイメージ宣伝を積極的に行っていた。 それが人質事件が起きた途端、「あれほど危険だと言っていたのに、それを無視してイラクに行って人質になった奴がバカで 迷惑」と、ころっと態度を変えたのだ。 笑ってしまったのは、サマワにいたために、この日本政府の豹変ぶりを知らなかったのだろう、当時の佐藤隊長がこの事件の 後に日本に送って来た現地の様子を撮影したビデオ。 ニュース番組で放映されたのを見たのだが、とても長閑で平和な光景が映っていた。 念のため言っておくが、佐藤隊長は悪くない。 彼は「サマワは平和なところ」というイメージの広報用ビデオを作るようにと命令を受けていたのだろうから、自衛官として 命令を忠実に実行しただけだ。 落ち度があるとしたら「政府の方針が変わり、今はイラクは危険なところという風に以前と逆のイメージ宣伝を行っている」 ということを、伝え忘れた(?)政府関係者だろう。 この時は、結果的に人質は助かったものの「バッシング」のせいで、帰国後に吊るし上げられるという悲惨な目に遭った。 さて、今回。 人質2人のうち、湯川遥菜さんに関しては、日本政府はそれほど悩んでいないのではないかと思う。 プロフィールを見るに、気の毒だが「バカで助ける価値のない奴」というイメージを宣伝するのがさほど難しくない。 問題は、後藤健二さんの方。 この人、フリー・ジャーナリストなのだがテレビとかにも出ている、割と有名な人で、メディア関係に知り合いが多いような のだ。 マスコミに「後藤健二は助ける価値のないバカだ」という宣伝を流すように言った場合に「彼は私の友人だ」とか抵抗される 可能性が高い。 2人が映っているビデオを見て興味深かったこと。 湯川さんはオドオドとした様子で落ち着きがないのに対して、後藤さんはカメラを睨みつけるようにこちらを見据えている。 とっさに頭に浮かんだのは「古武士のような」という表現。 そういう表情なのだ。 もともとそういう方なのかも知れないが、ひとつ穿った見方をさせて貰うと、イラク人質事件での日本政府の対応を知ってい るジャーナリストとしては、この映像を見るであろう日本人に「みっともない殺してもいいようなバカ」と認定されたら最期 という思いが心にあったのではなかろうか。 日本の世論が「こんな立派なサムライのような人を殺してはいけない」という方向に動いてくれることを期待してのあの表情 だったのではなかろうか? 考え過ぎと言われたらそれまでだが、なんと言っても戦場ジャーナリストは、サバイバルのプロだ。 もしも私だったら、使えるチャンスは全て使う。 そしてもうひとつ。 「イスラム国」のビデオに表示されていた後藤さんの名前。 「KENJI GOTO JOGO」 「後藤健二」だから「KENJI GOTO」は分かるが「JOGO」というのは何だろう? 単なる間違いかも知れないが、ちょっと妄想を許して貰うと…… ジャーナリストというのは情報を伝えるのが仕事だから、もしかして仕事仲間との間で何らかの「合図」を取り決めていたの かも知れない。 後藤さんは「イスラム国」が作成する人質ビデオに人質となった者の名前の字幕が出ることは知っているはず。 だったら自分の名前だと言って「合図」の言葉をそこに紛れ込ませたという可能性も否定できない。 (試しに「JOGO 意味」で検索をかけてみたが「ポルトガル語でゲーム、遊びという意味」ぐらいしか出なかった) 夜。 人質事件の続報が流れた。 安倍総理は、この件について、 「人命を盾に取って脅迫することは許し難いテロ行為であり、強い憤りを覚える。2人の日本人に危害を加えないよう、直ち に解放するよう強く要求する」 と述べたそうだ。 当然と言うか、実質的に何も言っていないな。 たぶん、目下、水面下で何かやっているのだろう。 人質自身を非難する言葉がないのは、やっぱり後藤さんのお陰か? (私的には、今回の人質の湯川さんは、イラクの時の人質3名よりずっと自業自得感が強いのだが) ネタニヤフ首相の心配が的中して、日本はイスラム教過激派に敵認定されちゃったみたいだ。 寝る。
2015年1月19日(月)
朝刊。 少年が商店の店内にその商店で売られているものと同じスナック菓子を持ち込み、カメラの前で袋につま楊枝を刺して見せた 動画(つまり店の商品に傷をつけたように見せかけたドッキリ動画)をYouTubeに投稿して逮捕……というニュースが社会面 に載っていた。 逮捕状の罪名は「建造物侵入」だそうだ。(買い物とかの「正当な理由」なく入店したから) このしょうもない事件(?)の記事が、5段抜きの扱い。 日本は、つくづく平和だ。 昼。 病院と銀行に行く。 待合室にて『宇宙のランテヴー』(アーサー・C・クラーク著 南山宏訳 早川文庫)読了。 ゆっくり読書する時間が持てて、とても良かった。(^^; 『宇宙のランテヴー』 長編SF小説。 世代型宇宙船(宇宙船の中に都市が丸ごとと入っていて、その中で何世代にも渡っての生活をしながら宇宙を旅行するタイプ の宇宙船)と思しき巨大宇宙船が太陽系に接近して来る。 初の異星人とのコンタクトか? はたまた侵略による地球の危機か? 最後に彼らの意外な(見方によっては当然の)目的が明らかになる…… 宇宙船内部へ侵入した探検隊の一行と、地球(とか月とか火星とか水星とか)の宇宙諮問会の会議の様子が交互に描かれるこ とで、地球側の反応が描写される。 クラークの小説の良いところは、探検隊に無駄に戦闘型の人間がいないこと、諮問会側にもアホな政治家がいないこと。 異世界の存在を見つけても、いきなり攻撃したりしないし、自分の政治的立場とかのために変な策謀を巡らしたりしない。 だから異世界との接触は、基本的に平和。 これを「退屈だ」と思う人には楽しめない小説。 ちなみにこの作品、続編があるようだが、そっちは他の作家との共著でネットで見る限り評判が良くないようだ。 (下らない人間が山ほど出て来て、登場人物がバタバタ死ぬような事件がてんこもりらしい) 帰宅。 夕刊を読んだら、 〈東京ビッグサイトエスカレーター逆走 ボルト緩みが原因〉 という記事が載っていた。 覚えている人もいるかと思うが、2008年の8月にワンダーフェスティバルが行われていた東京ビッグサイトで、エスカレ ーターが逆走して大勢のけが人が出た事件。 「人が乗り過ぎていたから」という方向で報道され、同時に「人が重なるような状態で乗っている写真」が公開されたため、 「こんな乗り方をしていたら事故が起こるのは当然」という話になったのだが、よく見るとこの写真「事故直後」のもの。 つまり「人が重なるような状態」になっていたのは、事故が起きて上の段の人が下に滑り落ちて来たからだったのだ。 ところが写真の印象というものは恐ろしいもので、「事故の原因はエスカレーターの乗り方が悪かったから」という話が既成 事実のように広まり、事故の被害者であるはずの方たちが「自分のマナーが悪かったせいで事故を起こした」と非難されると いう気の毒な展開になってしまった……という経緯だったと記憶している。 で、ふと思い出したのが最近ネットで流れたという「ガンツ事件」。 事件の本当の経緯は…… (おそらく精神的に不安定であった)女性が大声を上げて大阪の泉大津駅で列車の進入して来る直前に線路に飛び込んだ。 列車が停車。 探したが、線路上に遺体のようなものは見当たらなず、この状況を撮影した人がいた。→ツィッターに上げる。 この時点で運転手が「人が消えた」的な発言をして、これを聞いた人がいた。→ツィッターに上げる。 その後、女性が「飛び降りたんや」と言いつつホームによじ上った女性、そのまま走り去る。 しかしネット上には「運転手が『人が消えた』と言っていたというツィートと「列車の前に遺体がない状況」の写真が拡散。 「有名な漫画の『ガンツ』(列車に跳ねられそうになった主人公が異世界に行く話)のような事件」という話になってさらに 広まってしまった。 「写真で見たから真実」というのは、あまり信用できないのだな。 (ついでに、この「証拠写真」をよく見ると、この駅のホームの下には人が逃げ込める程度のスペースはあるようだ) 「人が消えた」(その時点では見つかっていなかったというだけ)→「ガンツ」みたい(面白い話になる)→広まる そして、「消えたと思った人が見つかった」(面白くない話)の方は、なかなか広まらない。 ネットによる情報拡散の怖さを感じたな。 寝る。
2015年1月18日(日)
朝。 ツィッターに「平井和正氏死去」という情報が流れていた。 病気だったとかそういう情報を聞いていなかったので「ホントか?」と思う。 午後。 通販のカタログが届いたので、めくって見ていたら「デニムの和服」が載っていた。 やっぱり流行っているのか? 夕方。 SF大会のスタッフとの飲み会。 もちろんM上さんも参加(^^)v ……SF大会の重要事項はスタッフ会議ではなく飲み会で決まるというのは、本当らしい。 酒が回って、宝塚歌劇の「ルパン三世」が、どうやら時間SFモノっぽいという話題で盛り上がる。 フランスの「王妃の首飾り」を盗もうとしたルパン一味が、マリー・アントワネットの時代のフランスにタイムスリップして しまい、歴史に名高い「王妃の首飾り事件」に巻き込まれる……というストーリーらしい。 ちょっと観たいか??? 2次会でお茶を飲んでいたら、スマホを見ていたM上さんが、 「朝日新聞の電子版に、平井和正氏死去というニュースが流れました」 と言う。 やはり本当だったようだ。 帰宅して、ニュースの詳細を読んだところ、平井氏は昨夜、心臓発作で急死されたらしい。 平井和正氏と言えば、私がまず思い浮かぶのは「8マン」に「幻魔大戦」。 享年76。 ご冥福をお祈り致します。 寝る。
2015年1月17日(土)
天気の良い日。 今夜、新宿に「クラッシャージョウ」を観に行くので、チケットを譲ってくれるという人と17時に映画館前で待ち合わせ。 チケットを受け取って代金は支払ったが、上映開始は19時。 向いの伊勢丹で時間をつぶす。 百貨店というところに来たら、私はとりあえず呉服売り場に行く。 「百貨店」が最近のスーパーや量販店と唯一違うのは、そこだと思っているので。 スーパーは、さすがに浴衣よりグレードの高い呉服は取り扱っていない。(と思う) で、呉服売り場。 ウォッシャブルデニムの和服というのを発見。 最近の流行りなのか? 一緒に「クラッシャージョウ」を観る予定のM上さんと合流。 プロントで時間つぶしをしてから館内へ。 実を言うと「クラッシャージョウ」を観るのは今回が初めて。 31年ぶりのリバイバル上映だとかで、ヒーロー、ヒロインを演じた声優さんの舞台挨拶があった。 司会の紹介とともに舞台上に姿を見せた声優さん、どう見ても和服姿のご老人。 あとで調べたら19歳という設定のヒーローを演じた当時、この声優さん(竹村拓氏)は、既に30歳。 俳優を辞めて新宿の(偶然だろうがこの映画館の隣のビルにあった)割烹料亭でフロアマネージャーとして働いている時に この映画の主役の仕事が来たのだそうだ。 劇団に残っていたデモテープのおかげで抜擢されたそうだから、人生、面白いな。 さて「クラッシャージョウ」。 悪者の罠にはまって警察に捕まり「話の分からない」父親に謹慎を言い渡された主人公。 かつての父親の同僚からの有力情報を元に自分を罠にはめた奴を追いかける。 そこで出会った美女に「お父さんは本心では、あなたのことを心配しているはず」と諭される。 で、大騒動の末に悪党を追い込んだ主人公、全ては父親がその悪党をおびき出すための計画で、自分は父親の計画を実行す るために騙されてコマとして利用されたことを知る。 1980年代に描かれた「大人」って、こんな嫌な感じの奴が結構いたよな。 (その後、製作現場に「親の世代」の人間が増えるに従って「お父さんは本当は立派な人」オチのものが増えた気がする) 帰りに「みくに丸」で飲む。 新宿三丁目駅近くの裏通りにあるこの店、入り口がビルの裏口のような狭い階段なのでちょっと隠れ家的な店なのだが、最 近ではこの店「隠れ家」として有名になってしまったのか、ほぼ満席状態。 大繁盛している。 (結構なことだとは思うが) 帰り道。 明日、SF大会のスタッフで飲み会をやろうという誘いがメールで来ていたので出席の返信。 M上さんに「出席する?」と聞いたら、 「最終的には行くつもりなのですが、少し気を持たせて『俺は忙しいんだぞ』アピールをしてから出席することにします」 と言うので、 「それは典型的な『非モテ』の行動パターンだからやめるように」 と、止める。 (お前は、地獄のミサワの惚れさせ男か?) 家に帰って、寝る。
2015年1月16日(木)
朝。 時計代わりにマッサン」を観る。 鴨居商店で自分の思う通りのスモーキーフレーバーの強いウィスキーを作ったが売れず、スモーキーフレーバーを抜いたウィ スキーを作ってもやっぱり売れず、ノイローゼ状態になったマッサンは鴨居商店を辞めて自分で会社を起こすことにする。 そこで出資者に言ったセリフが、 「わしが自分の思う通りのウィスキーを作れば必ず売れます」 (いや、それ前に1度やって失敗してるから) 物語としては「主人公が新しいことにチャレンジする」流れ。 でもその理由が「失敗してノイローゼになったから」。 これって普通「撤退」の方向の理由だよな? そして「どんな味のウィスキーを作ったらいいのか分からなくなった」とノイローゼになった主人公のセリフが「わしが自分 の思う通りのウィスキーを作れば必ず売れます」。 これじゃ演じている役者さん自身にも、自分が演じている人物が何を考えているのかが分からないんじゃないだろうか? ここまでいくと逆に、このドラマが興味深い。 さて、外を見ると雨は降っていない。 昨日行く予定だったクリーニング屋に行こう。 ニュース。 声優の大塚周夫(おおつか・ちかお)さんの訃報。 私の中ではブラック魔王とねずみ男、そして忍たまの山田先生か。 ご冥福をお祈りしたい。 最近、何かのCMで故淀川長治さんの声のライブラリを編集してCGの映像に喋らせるというのがあった。 文化遺産的価値のある「声」は未来で活用できるように残しておいて欲しいな。 午後。 買い物を済ませてクリーニング屋に行こうとしたら、あと50メートルというところで突然の雨。 一瞬、引き返そうかと思ったが、ここまで来たのだからとビニール袋に入れて貰って洗濯物を受け取る。 そして店を出て数歩、いきなり雨が止んだ。 (変な天気だな???) 帰宅。 原稿用紙に字を書いて、それから寝る。
2015年1月15日(木)
たいへん久しぶりに、雨。 書店に本を取りに行く予定だったのだが外に出るのが嫌なので、ちょうどプリンターを借りに来た2号くんに頼む。 出不精……と書くつもりが「デブ症」と変換された。 (このPC、私に何か言いたい事があるのか?) PCがメールの着信を知らせて来たので、スカイプでやりとりして、週末に映画を観に出かける約束をする。 午後。 2号くんが受け取って来てくれた「アオイホノオ」(島本和彦 小学館)の12巻を読む。 〈経験豊かな本質を突いた大人のアドバイスなど、若者には受け止められない。そうやって若者は自分から遠回りを選んで しまうが……後悔することはない。なぜなら本人はそのことには気づかないからだ……〉 いやあ、なかなか本質を突いたお言葉。(^^; 夜。 「探偵ナイトスクープ」を観る。 視聴者から「依頼」を募って、それを「探偵」である番組出演者が実現させるという番組。 今回は「父親を幼稚園時代の先生と再会させてあげたい」という依頼だったのだが、それはともかく…… その父親の仕事である槍鉋(やりかんな)の話が興味深かった。 現在、普通に使用されている鉋(かんな=木材の表面を削って平らにする大工道具)は、室町時代の発明品。 それ以前は「槍鉋」というものが用いられていたが、いまの鉋(区別するために「平鉋」と呼ぶことにする)の方が、槍鉋 よりも木材の表面をきれいに平らにできる上、扱いも容易だったため、平鉋が生まれると槍鉋は廃れてしまった。 ……と、この辺は日本史の授業で習ったと思う。 平鉋で削った木材は表面が真っ平らになり、腕のいい大工が削れば合わせた2枚の板がピタリと張り付くほど。 それに比べて槍鉋で削った木材は表面に軽い凹凸が出来、平鉋で削ったようにはならない。 なぜか? 木というのは植物なので、その幹は根から吸い上げた養分を枝葉に送るための無数の管状組織で出来ている。 (細いストローをいっぱい束ねたような構造を想像して欲しい) そして、自然のものなのでその組織は定規で引いたような直線にはならない。 槍鉋は、平鉋と比べて刃に掛かる力が弱いため、その刃は管状組織の表面に沿う形で木を削ることになる。 よって、木材の表面は直線にはならない。 だから見た目から言うと、平鉋で削った木材の方がきれいな削り面になる。 しかし反面、管状組織を傷つけてしまうため、そこから木材内部に異物が入りやすくなり、耐久性は落ちる。 「木造建築物の耐用年数は短いのに、飛鳥時代に建てられた法隆寺がいまも残っているのはなぜ?」 という長年の疑問がやっと解けた。 あれは「表面を槍鉋で処理したおかげで管状組織が傷つけられていない木材を使用しているから」なのだね。 さて、番組の本来の目的は、この槍鉋を作る職人である「父親」と幼稚園の先生との再会。 先生は、何十年も前に自分が担任をしていた園児について、細かいことまでちゃんと覚えていた。 クラス全体をピシッと一糸乱れずに動かせる先生は、評価が高い。 それは、木材の表面をピッタリ真っすぐに削れる大工の評価が高いのと同じ。 きれいだし、ちゃんとして見えるからね。 でも、管状組織は……と打とうとしたら「感情組織」と誤変換した。 (このPCは、もう) 寝る。
201t5年1月14日(水)
ここのところずっと、朝起きるとノドが痛い。 症状が長引いている上に、日に日に痛みがひどくなって行く。 (でも、薬を飲むとすぐに治まる) 風邪か? アレルギーか? ひとつ考えられるのは、先日たんすの奥からひっぱり出した服が妙にカビ臭かったのでクリーニングに出した件。 あの時、胞子を部屋にバラ撒いてしまったのか? アレルギー体質なので、花粉とかハウスダストとか、もうともかくいろいろ……。 全てのアレルゲンを避けようとすると、地球上で生活できない。 午後。 アマゾンに発注していた上着が届く。 最近、なんでもアマゾンだな。 夕方。 2号くんが部屋に来たので一緒に「アオイホノオ」のDVDを鑑賞。 何回観ても、この「痛さ」が心地よい。 2号くんに付録の小冊子を見せたら山賀博之氏がウルトラセブン(※)に似ていると驚いていた。 (※)正確にはモロボシダンを演じていた森次晃嗣氏。 夜。 「クローズアップ日本」で、運送業界の人手不足の問題を取り上げていた。 トラック運転手が不足しているので長距離の輸送手段を貨物列車にシフトしているという話題だが、今月13日の日経に、 〈ロボット活用へ法整備〉 〈無人機で商業輸送 公道に自動運転車〉 という記事が載っていたので、今度はそっちの話もやって欲しいな。 (ドローンで配達って、マジでいいよな?) 夕食後。 ドラマ「○○妻」の第1回を観る。 完璧(というかそれ以上)の妻だが、なぜか籍を入れることを拒む女の夫が主人公。 こういうドロドロものは基本的に好きじゃないのだが、ひとつだけ興味深かったのはニュースキャスターを職業とする主人公 によるマスコミ批判。 (さっくり要約すると、いまのマスコミは批判を恐れて何も言えなくなっているという内容) 脚本家は、これが言いたくてこのドラマを書いたんじゃないだろうか? 寝る前に、ネットでニュースをざっと読む。 ムハンマドを描いた漫画を発表して殺害された漫画家と編集者、フランスではなんかものすごいヒーローみたいな扱いになっ ているらしい。 週刊新聞「シャルリー・エブド」は事件後初の発売となる特別号で、わざわざムハンマドの漫画絵を表紙に使ったそうだ。 「売られた喧嘩は買う」という感じか? フランス人は血の気が多いからな。 寝よう。
2015年1月13日(火)
まずは〈お詫びと訂正と補足〉 12日の「独り言」の内容について、K山さんから以下の通りのご指摘がありました。 お詫びして訂正致します。 >喫茶店で島本先生と待ち合わせていたのは、笹本先生ではありません。 >この話は笹本先生が「喫茶店で島本先生と待ち合わせをしていた人」から聞いた話であります。 ただ、 >あと、島本先生が見せたかったのは「汗まみれの自分=熱い男である俺」であって、その仕込みのために走りこんでいる >ところを相手に見られたのは、おそらく想定外だったはずです。 ……については、ちょっと? 岡田斗司夫氏によると、以前に2人が対談したとき「島本先生が勢いで失言→岡田氏にやりこめられて悔しがる」という流れ の会話があり、それが対談全体の「締め」となったそうです。 もちろんこの流れは、事前に打ち合わせたものではありません。 だから岡田氏は、単に話の流れでそろそろ対談が終了する時間に、たまたまそういう「絶好の締め」となる会話が来たと思っ ていたようです。 ところが楽屋に引っ込んだ途端、島本先生、ニヤリと笑い「岡田さん、あんな感じで良かったかな?」。 つまり「失言→やりこめられる→悔しがる自分をオチとした対談の締め」は、島本先生の計画したものだったのです。 岡田氏によると、島本先生はそういう風に相手を誘導しては「俺が考えた台本どおりのセリフを喋らせてやった」と嬉しがる 人なのだとか。 このように、島本先生というのは、自分を演出して見せるのが好きな人で、そのキャラの方向が「熱さが滑って間抜けな男」 なわけです。 そこから推測するに、喫茶店で島本先生が見せたかった自分は「熱い男を演出するためにわざわざ店の周りを走り回るような 間抜けな男」だったのだと思います。 そうなると「ただ汗だくで店に入る」だけでは、スルーされてしまう可能性が高いわけで、ここはやはり相手に「なぜ店の周 りを走っていたのですか?」という質問を促し「熱い男である俺を見せたかった」と答えることでオチとする。 こういう計画だったのだと考えられるわけです。 なので島本先生に限って、窓のある喫茶店の周りを走り回っておいて「相手に見られたのは想定外」ということはないと思い ます。 先生は「笑いの演出」のプロフェッショナルなのですから。 ===〈お詫びと訂正と補足〉ここまで=== 今日も晴天。 朝刊(日経)の記事。 日本生命保険が実施した「給料が増える見通しに関するアンケート」によると、2014年と2015年の見通しについて、 増える:15.6% 減る:22.7% 変わらない:61.7% 「物価の見通し」については、 大きく上がる+少し上がる:86.7% 大きく下がる+少し下がる: 1.5% (日本生命の契約者を対象として2014年12月1〜23日に実施したアンケート結果 回答者数1万5049人) で、同じ朝刊の「総合・経済面」に載っていた記事が、政府が今月12日に閣議了解した「政府経済見通し」。 〈「民需主導で回復」描く〉 要するに、民間の消費や投資が活発になるという前提で見通しを立てているわけだ。 80%以上の人が「物価が上がる」と考え、かつ「給料が上がる」と考えている人が15%ちょっとしかいない状態で、消費 や投資が活発になることをアテにした「民需主導」は無理なんじゃないか? まあ偉い人が「景気は良くなる」と言っているから、待っていればそのうち景気は良くなるんだべ。 それまで財布のヒモを固ァ〜く締めて「いつになったら景気が良くなるんだべなあ」と待っていることにするだか。(笑) 午後。 ちょっとややこしい手続きをしに銀行へ行く。 窓口のお姉さん「えっと、これは私も初めてなんで……」と、本音をポロリ。 1時間近く待たされてから、なんか偉い人っぽいのが出て来て、 「お待ち頂いている間にアンケートにご協力ください」 と言うから、ペンを手に用紙を見たら「あなたの血液型は?」と書いてあった。 一瞬、暴れそうになる。 で、結局のところ、 「1週間後に、またお越し下さい」 だって。 これ、歩いて行ける場所に銀行があるからいいようなもので、平日に仕事を休んで電車に乗って来た人とかだったら、絶対に 怒るよな。 本屋を巡り、床屋で髪を切ってから帰宅。 寒いのでペットボトルにお茶を入れ、湯たんぽ代わりに抱きかかえて、寝る。
2015年1月12日(月)
良い天気だが、寒い。 本日知って軽くショックを受けたこと。 宝塚歌劇で「ルパン三世」を上演するそうだ。 (なぜ宝塚で?) 午後。 2時に東京芸術劇場でK山さんと待ち合わせ。 貸した「アオイホノオ」のDVDを返して貰い、借りたDVDを返したら、別のDVDを貸してくれた。 「アオイホノオ」と言えば島本和彦先生の原作だが、K山さんによると、島本先生は笹本祐一先生と喫茶店で待ち合わせた時 に、わざわざ店の周りをぐるぐる走り回ってから入店したのだそうで、その理由が「汗だくになって走り込んで来る熱い自分 を演出するため」だったのだそうだ。 すごい! 何がすごいかと言うと、わざわざ店の周りを走ることで「走っている自分」を笹本先生に目撃させていること。 つまり「伏線」を引いているわけだ。 K山さんからご指摘がありました。 上の話は「笹本祐一先生が島本先生と喫茶店で待ち合わせた時の話」ではなく 「笹本祐一先生が島本先生と喫茶店で待ち合わせた人から聞いた話」だそうです。 お詫びして訂正致します。 さて、K山さん、 「なぜ午後2時などという中途半端な時間を待ち合わせに指定して来たのか?」 と、聞いたら、 「今夜は家族で蟹料理を食べる予定なので、夕方に待ち合わせて崎田さんに飲みに誘われると、ちょっと……」 と、言う。 (なーんだ、そんなことを心配していたのか!) 「大丈夫だ。すぐそこに24時間開いている居酒屋があるから、夕食まで一緒に飲める」 と誘って、2人で飲みに行く。 蟹味噌をつつきながら、自分が「あれはない」と思ったSF映画の話など。 ちなみにK山さんの本業はタクシー運転手。 都内のタクシーで、ハンカチ代わりにSF大会てぬぐいを使っている運転手を見つけたら、たぶんその人。 タクシーに乗って行き先を告げたら、運転手さんに、 「お客さん、それよりもっと素敵な世界に連れて行ってあげますよ(ニヤリ)」 なんて言われたら…… それはそれで嬉しいかも。 帰り道「アオイホノオ」の8巻から13巻までを買いにリブロに寄ったら、12巻だけ在庫がなかったので予約する。 タイヤキとタコヤキを買って帰宅。 さっそく読む。 13巻でSF大会の打ち上げで泣いているスタッフを目にした山賀の、 「何 泣いてるのこいつら? 訳わかんねぇ。」 のセリフが良かった。 「別にあれで食えるようになったワケでもないじゃん!!」 身も蓋もないセリフなのだが、このあとSF大会が実は大赤字だったことが分かり、感動で泣いていた連中が赤字補填のため にオープニングアニメを売って金に変えるという話になる。 (感動で泣いていた連中、実は約束を破って誰も資金調達に協力していなかったのだ) つまり夢を実現させるための「金」という重要なポイントに1番先に気づいていたのが、実は山賀だったというわけだ。 さすがは、後のガイナックス社長。 読んでいたら午前1時を回っていたので、そろそろ寝る。
2015年1月11日(日)
ノドが痛い。 風邪薬を飲むと副作用で眠くなる。 困ったものだ。 午前中。 そんなわけで、部屋でウトウトしていたら2号くんから電話。 「液タブの起動に成功した」 というので、見に行って自慢されてやる。 「液タブ」というのは、学校の机の天板ぐらいのサイズのタッチ式のディスプレイのようだ。 (それにお絵描き用のソフトが組み込まれているのかな?) 液晶画面に専用のペンで絵を描くように画像入力が出来る仕組みっぽい。 私も少しいじってみたが、なんと言っても絵心がない。 ご存知の人はご存知の通り2号くんはメンサ会員(高IQ者)の精子と卵子によって生まれて来た人間だが、その片方の遺伝 子の中に、たまたま絵心というのが含まれていたようで、こういうソフトも上手に使う。 午後。 西池袋にハーブを買いに行く。 目当ては「アイブライト」というハーブで、このハーブの熱水抽出液を飲むと疲れ目に効くのだ。(個人差有り) ついでに地下でワインを1瓶。 宝くじ売り場で当たりクジ(300円)を換金してから寿司屋で持ち帰りの寿司を買って帰宅。 昨日買ったハードディスクにデータを移して不要データの整理をしたら、ノパソがだいぶ軽くなった。 ネットでニュースを見たら、フランスで漫画家が射殺された事件で、ヨーロッパの方はかなり盛り上がっているらしい。 日本でも1991年に反イスラム的とされた「悪魔の詩」を翻訳した筑波大学教授が殺害される事件があったが、あの時には 「日本中が怒る」というような空気にはならなかったな。 たまたま私の知人に筑波大の教授がいたので同僚が殺害されたことに関する感想を求めたのだが、 「いやあ、あの人はちょっと変わった人だったから」 と、「関わり合いになりたくない」という態度がありあり。 キリスト教徒ではない日本人としては「わざわざイスラム教に喧嘩を売る必要はないだろ」という考えが主流なのだろうな。 夜。 SF乱学講座を2ヶ月連続で欠席してしまったことに気づく。 まあ、この体調で出掛けても回りに迷惑だから(本日は見学会なので、いろいろと歩き回らなくてはならなかった)、却って 良かったかなと思う。 それにしても微熱とノドの腫れが引かないのはうっとうしいな。 寝る。
2015年1月10日(土)
朝のニュースでフランスの編集者と漫画家が殺された事件の続報をやっていた。 犯人は射殺されたらしい。 ところでどうでもいい事だが、NHKのニュースで被害者の漫画家を「風刺画家」と呼んでいた。 「漫画家」だと何か不都合なのだろうか? 2号くんとビックカメラへ行き、私は外付けハードディスクを、2号くんはワコムの液晶タブレットのケーブルをPCに接続 するためのアダプターを買った。 2号君の部屋でPCに取り付け、起動させたがタブレットがPCを認識しない。 ネットで調べたら、このタブレットはアダプターには対応していないのだそうだ。 どうするのかと思ったら、ネジで裏蓋を外し、ケーブルそのものを交換するのだとか。 そういった肝心なことが、製品に同梱された取説に一切書かれていないのはなぜだ? 明日、改めてケーブルを購入することにして、西池袋の「いちげん」で飲む。 2号くんから聞いたところによると、 「コミックスタジオ」という日本製ソフトは、海外では「マンガスタジオ」という商品名で売られているのだそうだ。 商標の関係か? それとも「コミック」と日本の「漫画」は違うものなのか? 帰宅。 読売新聞電子版に、最近の食品への異物混入騒動についての記事が載っていた。 〈森岡孝二・関西大名誉教授(企業社会論)は「異物混入は珍しいことではない。これまでは客と企業の話し合いで解決し、 表面化してこなかっただけだ」と指摘する。2002年の調査で、食品関係企業約100社の半数が「過去5年間で異物混入 などの問題があった」と答えたという〉 そうだろうなあ、と思う。 「デュラララ」を録画して、寝る。
2015年1月9日(金)
フランスで出版社を襲い、漫画家と編集者を殺害した犯人は、まだ逃げているらしい。 ところで日本のコメディアンがNHKで政治を風刺したネタをやろうとしたところ、局側の判断で「自粛」することになった そうだ。 NHKの籾井会長によると「ある個人に打撃を与えるのは品性がない」からだとか。 政治家って「個人」というより「公人」だと思うが。 それはともかく、この2つのニュースが、図らずも同時に報道されたというのが、面白いな。 午後。 島本和彦先生について、ネットで資料集め。 本当に熱い人なんだなあ……(^^; 夕方。 空想小説ワークショップ。 小説の企画から本になって出版されるまでの流れとその裏話。 「校閲漏れ」で本になってから読者から指摘が来たという怖いお話。 幕末の物語で、懐中時計の秒針の音が1秒1秒正確に時を刻んでいる……と書いたら「秒針の音が1秒毎の時計(=クオーツ 時計)の発明は1921年なので幕末に「秒針の音が1秒1秒正確に時を刻む時計」は存在しないと言われたとか。 あとで「古い時計のコチコチ音」で動画検索してみたら、確かに「1秒毎」ではなかった。 むかしの懐中時計(腕時計も)は、「チッチッチッチッ」みたいに音が速いのだ。 放課後の飲み会。 寒いので専ら燗酒を飲む。 体がポカポカ暖まった状態で帰宅。 寝る。
2015年1月8日(木)
フランスでマホメットをネタにした漫画を描いた漫画家がイスラム教過激派に殺されたそうだ。 風刺漫画を描く立場の人が、昨今のイスラム教過激派の文字通り「過激な」活動を知らない訳はないから、それなりの覚悟を 持って描いたのだろうと思う。 いまに日本の漫画に、それほどの覚悟の上に描かれているものがあるだろうか? そして、そんな漫画を発表させてくれる出版社があるだろうか? 午前中。 事務作業。 午後。 郵便局その他へ行き、喫茶店で一休み。 紅茶を頼んだら、妙に待たされた後でやたら渋い茶が出て来た。 あまりの味に純粋に驚いてしまった。(^^) リブロで『陰陽師 酔月ノ巻』(夢枕獏 文春文庫)を買って帰る。 短編集。 事件が起る→安倍晴明が解決→源博雅相手に種明かし、というパターンが出来上がっているので安心して読めるシリーズ。 今回は、サブタイトルから予想した通り、李白の詩(月下独酌)の話が出て来た。 まあ、詩そのものはあまり重要じゃないのだけれどね。 (「月」が出てくれば何でも良かった) ちなみにこの作品「望月の五位」というタイトルの短編だったのだが「五位」についても、あまり重要ではなかった。 もうひとつ漢詩(こっちは白楽天の詩)の出て来る話「新山月記」は、舞台は日本に移されているものの、大筋のプロットは 中島敦の「山月記」と同じ。 文末に〈『唐代伝記集 2』東洋文庫(平凡社) 張読「虎と親友」(前野直彬・訳)より〉とわざわざ書いたのは、中島敦 のパクリではなく、同じ元ネタを使ったのだという意味なのだろうな。 びっくりするような仕掛けもない代わりにストレスになる展開もないシリーズ。 ゆったりした気分で読むのに良い短編。 夜。 NHKの「岩井俊二のムービーラボ SF編」を観る。 庵野秀明監督がゲストで出ていて「自分たちが20代だった当時はアニメの現場は人手不足でどんどん仕事を任せてもらえた のが良かった」的な話をしていた。 いまも世の中は人手不足のようだが「だから20代に重要な仕事をどんどん任せよう」という風にはなっていない気がする。 某牛丼チェーン店が店員不足に陥ったのも若手をあくまで「キツイだけで報われない仕事」をさせるための労働力と考えてい るからじゃないかな? 「キツイけれど報われる仕事」ならば喜んでやる若者は多いと思う。 寝る。
2015年1月7日(水)
風邪を引いたと認めざるを得ない状態。 頭痛がする。 部屋で寝ているとヤマトと佐川に相次いで起こされた。 正月に半分酔っぱらっていろいろとポチッたことを思い出す。 ヤマトさんが配達してくれたのは『対訳 國體の本義』(前田慶一 ブイツーソリューション) 戦前に出版され、戦後GHQによって禁書とされたという本の原文とその口語訳。 佐川さんの方は『アオイホノノゲンバ』及び『アオイホノオ 復刻版』(一本木蛮 個人誌) 『アオイホノノゲンバ』は、ドラマ「アオイホノオ」撮影の際に小道具の漫画原稿を描き、出演者に漫画の描き方を指導し、 セットの考証のアドバイスを行い……と、八面六臂の活躍をされた一本木蛮先生が、ドラマの舞台裏を描いた本。 漫画講座の講師を20年近く経験されているという一本木先生だが、教える相手の俳優さんには、ペンを裏表逆に持って絵を 描こうとした人までいたそうで、 「これは7の人を10にするとか、100の人を150にするとかそういうことじゃない。ほぼ0からのスタートだ」 と、つぶやく羽目に。 しかし、そんな「生徒さん」を相手に、 「あ ペンはこーゆう向きで使います! そーすると線に強弱がつけられます♪」 とか、穏やかに教える一本木先生、立派。 (でも、普通にペン触らない人はそうだよね……!) って……。 私だったらきっと怒鳴ってしまいそうだ。 「君は、つけペンはともかく万年筆も使ったことがないのか?!」 とか。 (もしかして私は、気の短い人間だったのかもしれない)←いまさら そして、『アオイホノオ 復刻版』の方は、劇中の小道具であった「戦え! トータス1号」と「あの娘を奪え」の復元原稿 (つまり、島本和彦先生が若い頃に描いた漫画を一本木蛮先生が劇中の小道具として描いた漫画原稿)を印刷したもの。 これは貴重品かも。 初めて読んだ「戦え! トータス1号」(島本先生が最初に小学館に持ち込んでボツになった原稿)。 舞台は未来の宇宙。 宇宙船で新婚旅行中の主人公は、旅先で故郷の星が何者かに襲われて花嫁の父親が殺されたという事件を知る。 報復のために仲間を募った主人公だが、いざ出発の際に停電のトラブルで出遅れてしまう。 先に故郷に到達した仲間達は、事件が狂言だったことを知るが、そこへ何も知らない主人公が遅れてやって来て…… 善意のつもりが虐殺者となってしまうというブラックなオチが、間に挟まった小ネタとちぐはぐ。 でも、作者がすごく楽しんで描いているのが伝わって来る漫画。 もうひとつの「あの娘を奪え」は、後の「炎の転校生」の元となった作品だそうだ。 ボクシングの勝負でガールフレンドを手に入れられるという校則の学校で、ボクシング素人の主人公が一目惚れした女の子を 賭けて試合に挑むという話なのだが、ギャグの連続で「物語」がない。 ドラマ「アオイホノオ」によれば、本当はSFを描きたかった作者が、デビューするために初めて描いた学園ものらしい。 作者が恋愛ものを苦手としていたのがすごくよく分かる作品。 男:見た目だけで一目惚れ 女:試合に勝った相手なら惚れる このキャラで学園ラブ漫画は無理だろう。 (「ボツ作品」って、勉強になるなあ) 夜。 夕刊に載っていた広告が目に留まる。 「かんたんカセットプレーヤー」の広告。 この商品、カセットテープを再生する機械で。 《とことんカンタン操作にしたら、再生だけになりました》 と、あおり文句がついている。 で、 ●どこでも聞ける両耳イヤホンつき ●ベルトに装着するクルップつき なのだそうだ。 すごい! これが「新製品」として売られていることが! (むかしむかし「ウォークマン」というものがあってな……) 寝よう。
2015年1月6日(火)
ノドが痛い。 朝からノドがめっちゃ痛い。 風邪の潜伏期間を1週間と考えると、12月の30日にビッグサイトのどこかに風邪を引いた人間がいたに違いない。 午前中。 布団に寝たままネットで「明るいSF」のネタ探し。 「100年後の日本」というワードで検索したら、やたら暗い予測ばかりでびっくりする。 「人口が減少するので警察官の数も減り、治安が悪くなる」とか……。 「人口が減少するので犯罪者の数も減り、治安が良くなる」とは考えられないのだろうか? 私の予想する100年後は…… 燃料電池とかの新技術による発電が普及していてエネルギー問題が解決している。 公共交通機関は、AIが動かしている。 自動車も目的地を入力すれば自動的に到着できるAI車が普通。 買い物はネットでOK。 配達業務はもちろん自動化。 人口が減った分、不動産が安くなるので自宅は広々。 農作物は屋内で栽培するので供給が安定。 質の良い人工肉や人工ミルクが開発されて、食料品は安価に。 ……そんな感じかな? 午後。 ネットで読んだニュース。 三重県警が暴走族の集結を防ごうと、3日夜から4日未明にかけて県内の東名阪自動車道や伊勢湾岸自動車道の一部サービス エリアやパーキングエリアの閉鎖を依頼、かつ「暴走族が集結場所を他のサービスエリアやパーキングエリアに移す可能性も ある」などとして、事前に閉鎖を周知しなかった。 このため、年始のUターンラッシュのさなかに一般客が事前に何も知らされないまま、サービスエリアやパーキングエリアを 利用できなくなり、苦情や問い合わせが寄せられる結果に。 要するに三重県警は、「暴走族を出し抜くこと」で頭がいっぱいになり、Uターンラッシュの真っ最中に高速道路のサービス エリアやパーキングエリアが予告もなしに閉鎖されたらどういうことになるのかが、すっぽり頭から抜けていたということか な? で、この作戦の成果として「暴走族の車両は、愛知県内や奈良県内のパーキングエリアなどに集結した」のだそうだ。 (わあい! 三重県内のパーキングエリアじゃないから大成功???) 夕方。 ニュースで「株価が下がった」と言っていた。 原油価格の下落とギリシャの政情不安が原因らしいが、デフレ脱却を目指す安倍政権はこういった世界的な経済情勢に対して どういった対応を取るのだろう? 夜。 「ブラタモリ」の特番で京都編。 生放送番組である「笑っていいとも!」が終了したためにタモリが遠出できるようになったのだそうだ。 この番組、レポーターであるタモリが「おたく」であるところが面白い。 現地を案内する専門家との会話が「分かっている者同士」の会話になるので、非常にスムーズ。 「犬釘」という言葉の語源を知る事が出来たのが、私的にはとても興味深かったな。 「犬釘」とは、レールを枕木に固定するための釘だが、日本に当初入って来たものはイギリス型の釘。 これは線路を押さえるための突起部分が犬の鼻面、引き抜くための両脇の突起部分が犬の垂れ耳に似た形をしていて、釘の頭 全体を見ると、垂れ耳の犬の頭の形に似ているらしい。 その後、亀の甲羅に似たアメリカ型の釘が入って来て、現在の日本ではこの形が一般的だが「犬釘」の名称だけは残り、今も レールを枕木に固定する釘のことを「犬釘」と呼ぶのだそうだ。 (そうだったのか!) ノドはまだ痛い。 寝る。
2015年1月5日(月)
午前中。 『日本国家の神髄』(佐藤優 扶桑社新書)という本を読む。 読んでいて途中で気がついたのだが、この本、『国体の本義』という本の解説書なのだな。 午後。 区役所に住民記録カードの更新に行く。 窓口が混んでいた上、どうもこの「更新」という手続きに窓口の人が馴れていないようで、結局、2時間ぐらい待たされる事 になった。 考えてみると私は住民記録カードが豊島区に導入されて間もなく作成した人間なので、その「10年目の更新」という手続き をやるのが、あの係の人にとって初めてのことであっても不思議ではない。 さほど忙しくもない私の手続きでやり方を覚えて貰ったのなら、それも良いかな? これを機に、窓口対応マニュアルを作ってくれ。 リブロへ。 店の検索システムで『国体の本義』を探すが、売り切れのようだ。 コミック売り場に移動して『アオイホノオ』(島本和彦 小学館)の5巻〜7巻を買う。 5巻目で主人公、なぜか自動車免許の取得という物語の本筋とは関係のないことをやり始める。 (なぜ?)と思ったら、ここで主人公の知らないうちに庵野秀明らがDAICON3のオープニングアニメの制作を開始する話に なるのだ。 主人公のライバル(と主人公側が一方的に思い込んでいる)の側に話の焦点を持って行くために、主人公側の動きを押さえて いるのだろうな。(たぶん) 夜。 1号くん、2号くんと磯丸水産で新年会。 仕事始めの日なので、会社帰りに仲間内だけの新年会をやっているサラリーマンが多くて、店内はすごい混雑。 でもフロア係は2人きり。 たぶんアルバイトの学生がまだ帰省先から戻って来ていないのだろう。 注文したものがテーブルに来るまでに時間がかかるので、こちらもゆっくり飲むことになり、ゆっくり酔いが回って来る。 海老や蟹や貝が網の上で焼けるのを待ちつつ、熱燗をじんわりと味わう。 帰宅。 ネットで『国体の本義』を発注してから、寝る。
2015年1月4日(日)
朝刊の科学特集によると、今年は一般相対性理論誕生100年(論文での発表は1916年)なのだそうだ。 なんかそっち関係のイベントがあるかな? 昼過ぎ。 電話があって、夕方に会う予定だった人から予定変更のお知らせ。 (昨日、分かっていたら、大阪にもう1泊できたのにな……) とりあえず、空いた時間の有効活用。 1号くんから『アオイホノオ』(島本和彦 小学館)の1〜4巻を借りて読む。 確かに噂通り、心に響く名言の多い作品。 〈自分のことで頭がいっぱいで、君のことなど考えているゆとりは無い!!〉 ↑このセリフ、コマごとプリントしたTシャツが出たら、私は買うな。 登場人物の中で最強なのは、トンコさん。 主人公が何をやっても褒めてくれるという最強のヒロイン。 それがもう、ものすごく「分かってない」感じで褒めてくれるのだ。 むかし読んだ本に、人を叱る時には微妙にポイントを外した方がいいと書いてあったが(「そうじゃない。俺の本当に悪い所 は、こっちなんだ」と思う事で、相手は自分のプライドを保ちつつ自分の悪い所に気づけるから)トンコさんのピント外れな 褒め方には、それに近いものを感じる。 4巻で、主人公が自分の失敗を正直に打ち明けた時、トンコさんが、 「ホノオくんて……けっこうウソつくよぉ」 と、言った瞬間に、この女性の聡明さにハートを鷲掴みにされてしまった。 つまり、トンコさんは主人公の誇張だらけの自慢話をウソだと知った上で、あのピント外れの褒め言葉を口にしていたということになる。 そして、その直後のセリフが、これだ。 「せやけど……偉いわホノオくん……コレ……よう隠さんと……この本見せてくれたね……? 偉いわー……うんうん。偉い わ。ホンマ偉いと思うよ」 相手がウソをついた時に「それはウソだ」と言うのはアホでも出来るのだが、それを気づいたままずっと騙された振りをして相手が正直 に告白して来たタイミングで彼の虚言癖を指摘すると共に、その(珍しい)正直さを徹底的に褒める。 相手のウソを見抜いた瞬間に「見抜いたオレ偉いだろ」で頭がいっぱいで「君のことなど考えているゆとりは無い」にならずに(笑)どのタイミ ングで何を言ったら相手をウソつきから正直者にすることが出来るのかをちゃんと考えて、最高のタイミングで適切な言葉を口する。 「褒めて育てる」というのは、こうやるのか! (このトンコさんには、モデルが存在するらしいが、本当にこんなすごい人だったのだろうか?) 夜。 NHKの「ネクストワールド」(第2回)を観る。 「寿命はどこまで延びるのか?」 感想。 その1)人間の平均寿命を100歳まで延ばして、何かいいことがあるのか? その2)イケメン俳優の小芝居は必要か? その3)ドラマパートの脚本がムダに頑張り過ぎ(笑) これは「世にも奇妙な物語」とかでやった方がよかったんじゃないか? ……軽く飲んで、寝る。
2015年1月1日(木)〜3日(土)
元日。 夜明け前に起きて終夜運転の地下鉄に乗り、新幹線の駅へ。 地下鉄の車内、向かいに座った女性が口を開けて寝ていた。 お洒落なブーツはすり切れ汚れ、服とコーディネートした黒のパンティストッキングには目立つ伝線。 それでもこの女性の顔のつくりがかなり端正で、口さえ閉じていれば相当の美女であろうことが伺える。 うわあ、残念! (せめてマスクでもして寝ていてくれば……) 菊名の駅でJRに乗り換えようとしたら、改札は開いているのに特急券の自販機が動いていない。 窓口も閉まっている。 普通乗車券の自販機は動いているのだが、なぜ特急券だけ? システム上の理由? セキュリティ上の理由? 15分ほどその場で待ち(寒かった)、隣の新横浜駅へ。 駅に着くと、当然というか既にホームに新幹線が停車していて、自由席が次々と埋まっている。 (だから早く来たかったんだよ) 運良く空いた座席を見つけられたので、乗車して西へ向かう。 やがて真っ暗な地平線が少しずつ明るくなって来て、窓からは見えない列車の後方に初日の出。 新しい1年が始まった。 大阪での用事を済ませて、夜は軽く飲み会。 コンビニにビールを買いに行った若手が、 「外は吹雪だ」 と、雪まみれになって戻って来た。 (来る途中は、米沢辺りで積雪を見た外は、ほぼ天気は良かった感じなのに) 酒を飲んで、寝る。 2日。 若い連中はUSJへ行くと言っていたが、天気が心配なのでロートルは室内で飲んでいる。 日が暮れたので「大江戸捜査網 2015」を観る。 「大江戸捜査網」は1970〜80年代に人気だった時代劇シリーズ。 劇中での「隠密同心」は「隠密回り同心」ではなく、老中・松平定信の密命を受けた特殊チームのこと。 無役の旗本・内藤勘解由によって統率され、普段は一般人に身をやつし、法で裁けぬ悪党を松平定信直々の「ご下命」により 成敗するという筋書き。 「尚死して屍拾う者なし」というナレーションから察するに、当時大人気だった「スパイ大作戦」を意識していたっぽいが、 ストーリー的には戦隊ヒーローものの時代劇版みたいなもの。 がんじがらめの「絆」に窮屈さを感じていた1970年の若者には、その「絆」を敢えて断ち切るクールさがウケたのだろうと思う。 さて、その2015年バージョンだが…… 時代が変わって「絆」への回帰が、世のトレンド。 1970年代に一生懸命断ち切ったものを「取り戻そう」とか言っている。 そして歴史観も変わっている。 「田沼意次=悪人、松平定信=善人」から「田沼意次=有能、松平定信=無能」 で、そんな時代の「大江戸捜査網」は、オリジナルを知っている者から観ると、変にウエット。 また「松平定信=無能」という歴史観に立つ「松平定信の直属」は、どうにも足下が不安定。 (水戸光圀が無能な暴君という設定の「水戸黄門」を想像して欲しい) 結果的に後味の悪いドラマになってしまっていた。 オリジナルの方のキャストが顔出ししていたのは古くからのファンへのサービスなのだろうが、 反面キャスティングのせいでオチが分かってしまうという難点があったな。(笑) 私は久しぶりに「大江戸捜査網」のテーマ曲を聴けて嬉しかった。 そして、どうでもいいこと。 このドラマ、山田純大が出ていたのだな。 オリジナル版で主人公の十文字小弥太を演じていた杉良太郎の息子。 「だから何?」かも知れないが、懐かしいよね?(←誰に同意を求めてる?) 眠くなったので、そのまま寝てしまう。 3日。 正月番組で閑散とした鈴本演芸場の前が映っていた。 いまの落語協会会長が柳亭市馬であることを初めて知る。 「誰?」と思った人も多いと思うぞ。 スタジオ内では往年の芸人が自らの「老い」をネタに笑いをとっている。 観ていて新年早々に不景気な気分になりそうなので表へ出て新幹線に乗るために新大阪駅へ。 荷物が多いのでタクシーを拾ったら運転手に、 「お客さん、これから田舎へ?」 と、聞かれる。 「いえ、東京へ」 と、答えたが、 上方的には「はい、東京へ」が正しかったのかな? (ちなみに私は東京生まれなので「田舎」を「故郷」の意味で使うのなら「田舎は東京」ということになる) 新大阪は帰省ラッシュでホームには長い列。 1時間ぐらい並ばないと座れそうもない。 そんなところで1時間も立っているのは嫌なので、ホームにいた列車に乗り通路の良い所に陣取る。 窓際の眺めの良い所で荷物を下ろし、壁にもたれて少し眠る。 品川で山手線に乗り換えて池袋に帰る。 西武で鳩サブレーを買って、1号くんたちのアパートに寄り「土産だよ」と渡したら喜んでいた。 まあ、そんなもんだ。(笑) 帰宅。 ネットを立ち上げ「らばQ」で〈厚生労働省の発表によると、2014年の日本人の死亡数は出生数を26万8000人上回り、記録 史上(1899年以降)最大幅の自然減となったことが明らかになりました〉というニュースに対する海外の反応を読む。 ●日本に3度行ったけど、「ここにもっと人が必要だな」と思ったことはないぞ。 まあ、ねえ。(^^; 日本の国土に対する適正人口って、本当のところ何人ぐらいなのだろうね? 私の住んでいる池袋は「消滅可能性都市」と言われる豊島区にあるわけだが、それでも見た感じではそれほど「人が少なくて 困っている」という印象はないのだよな。 寝る。2014年12月分へ 目次へ
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