bplist00?_WebMainResource? _WebResourceFrameName^WebResourceURL_WebResourceData_WebResourceMIMEType_WebResourceTextEncodingNameP_+http://www.maroon.dti.ne.jp/qazaq/1412.htmlO?K 御意見無用―独り言
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独 り 言 (2014年12月分)
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2014年12月31日(水)
朝。
ネットのニュースを見たら、対馬の海上自衛隊の施設内で韓国人の観光客が遺体で見つかったという記事が載っていた。
亡くなられた方はお気の毒だと思う一方で「自衛隊の施設に外国の観光客が簡単に入れちゃうのか?」と、そっちが大変気になった。

明日からしばらく大阪の方に行くので、今日はその準備で忙しい。
百均に買い物に行ったら100円じゃない商品が増えていた。
この間まで100円(税込み108円)だったものが200円以上と、2倍の値段に値上がりしているのだ。
当然、購買意欲は下がる。
大丈夫なのか、日本経済?

夜。
年越し蕎麦を食べて、軽く飲みながら紅白歌合戦を観る。
「誰だお前は?」という歌手と、「何年前のヒット曲だよ?」という歌を歌う歌手と、NHKのドラマの主題歌を歌う歌手が
出ていた。
薬師丸ひろ子が歌っている辺りで眠くなったのでテレビを消す。

正月はネット環境から離れる予定なので、しばらく独り言の更新が止まります。
では、良いお年を。

2014年12月30日(火)
島本和彦先生のブースで「アオイホノオ」関連の書籍を買うためにコミケ(コミックマーケット=同人誌の大規模即売会)に
行く。
人気ブースのようなので、念のため午前中に家を出発。
10時前に国際展示場正門駅に到着する。
駅の目の前の会場に行くのにやたら遠回りの道順が示されていたのは、混雑対策なのだろう。
ぐるりと回って会場の裏側の駐車場に到着。
既に人の列で埋まっている。

開場時刻は10時だが、ネットで読んだところ、その後1時間はそこで待たされるらしい。
周囲の人となんとなく喋っていたら、そのうち1人が釜山から来た韓国人の方だと分かった。
なので長年の疑問をぶつけてみる。
「寿司ってサビ抜きがあるでしょ? キムチでもああいう子供向けのってあるのですか?」
答え、
「小さな子供にキムチを与える時には、お母さんが水で回りの辛い部分を洗ってから食べさせます」
そうだったのか!
お隣の国の食文化のトリビアを学ぶ事が出来た。

さて、約1時間半待って、ようやく列が動き出す。
会場内へ入り、1時間外で待たされた理由が分かった。
ホールの内側(調べたら広さ270平方メートルだそうだ)が、ラッシュアワーの山手線の車内並みの混雑。
文字通り、人がみっちり詰まっているのだ。
確かに、少しずつ人を入れなくては物理的に入れない。
目指すブースに近づこうとしても人の壁があって、前へ進めない。
下手をすると人の濁流に飲み込まれてしまい、後ろに向かって押し流される。

どうにかブースに近づいたら、係の人に建物の外に出て並んでくれと言われる。
会場内に列を作るスペースがないからだそうで、それなら最初から建物の外側を移動すればよかった。(泣)
外の列に並び20名ずつ1組でブースの前へ、片手を挙げて「列に並んでいる人間」だということを示しつつ、さっきの濁流
の中へ。
今度は案内係(気の毒に声が嗄れていた)が、濁流をかき分けてくれるので進もうとする方角へ歩ける。
ブースの前に到着するがゆっくり選んでいる余裕はないので、
「とりあえず全部ください」
と、売り場の本をまとめ買いして、ついでにトートバッグも買って、離脱。

昼食を摂りにカフェへ行き、その後O河内さんと合流してから企業ブースへ。
企業ブースというのに行くのは、久しぶり。
1度建物の外に出て、急な階段を昇る。

人ごみの向こうなので何も見えなかったが、どうやらこの階段の下がコスプレのための会場らしい。
階段を上がりつつ、連れのO河内さんに、
「自分の年齢を考えて、階段はゆっくり行きましょう」
と、声をかける。
「ここで心臓発作を起こして死んだら、新聞に『コスプレ会場で心臓発作』とか書かれて、何に興奮したのかと思われる」

「それにしても、どうして企業ブースは、こんなに行きにくい場所にあるんでしょうね?」
「安全を考えて、人が大勢つめかけないようにじゃないですかね」
参加者が会場に入り過ぎないようにと、ここまで努力しているイベントというのも珍しいかも。

企業ブースは、よくある展示会に似ていた。
若者が集まるからだろう、大学案内のパンフレットも置いてある。

「2号くんの通っている大学のニューズレターがありましたよ」
と、言われて見てみると、学内のハロウィンパーティーの写真が掲載されていて、その中の「デッドプール」の仮装をしている奴の履いてい
る靴に見覚えがあった。
(これは確か、2号くんのアパートで見かけた安全ブーツ……)
と、写メ撮って電話で確認したら、
「写っているのは確かに俺だけど、どこで手に入れた?」
(2号くん、コミケ会場で配布されていたニューズレターに、自分の写真が使われていたことを知らなかったらしい)

O河内さんに、
「正直、全身タイツのコスプレって恥ずかしいですよね」
と、言われたが、当の本人は気に入っているらしい。
コスプレイヤーって、訳が分からない。

帰り道。
参議院議員が選挙カーみたいなのに乗って「表現規制反対」の演説をしていたが、特に足を止める人はなし。
(コミケ会場の近くで、こういう演説をすればウケると思ったのかね?)

りんかい線で池袋に戻って、磯丸水産で飲んでから帰宅。
買って来た資料「アウェイホノオ」(ドラマ「アオイホノオ」の裏話本)を読む。

来年のSF大会の資料用に買ったのだが、読んでただ笑ってしまった。
ネタで出て来た庵野秀明監督による「ガイナ側正史的アオイホノオ」マジで作って欲しい。

寝る。

2014年12月29日(月)
朝から雨。
ノパソのネット接続がやたらに遅くなる。
いじくり回した挙げ句、原因はどうやらWiFiの調子が悪いせいと分かる。
やっと接続したと思ったら、今度はツィッターが繋がらない。
(これはツィッター側の異常と判明)
そんなこんなで午前中が潰れてしまった。

午後。
年賀状を書いたりとかバタバタ。
気がついたら日が暮れてしまっていた。

夜。
テレビに池上彰が出ていたので、そのまま観る。
テレビ朝日の番組。
例の慰安婦の吉田証言問題が取り上げられていた。

テレビ朝日としては、番組で池上さんに「もうこの件は済んだ事」みたいなことを言って欲しかったのかもしれないが、当の
池上さんは「まだ今後の朝日新聞を見守りたい」と、慎重。
後から編集で加えたらしいナレーションでいかにも「朝日も反省してるし」っぽいことを言っていたのが、少し笑えた。

さてこの事件、さっくりまとめると……
1982年に吉田清治(本名:吉田雄兎)という人物(平成12年7月死去)が「自分は戦時中に韓国の済州島で女性を強制
連行した」という内容の講演を行い、同年に朝日新聞がこの「証言」を報道。
その後も何度も記事にした。

ところが、実際に済州島の地元紙「済州新聞」の記者が調べてみると、そんな事件は起きていなかった。
おかしいという話になったのだが、朝日新聞がこの記事を取り消したのが、やっと今年(2014年)になってから。

その間に、この「吉田証言」が、韓国政府による「日帝下軍隊慰安婦実態調査報告書」や、国連人権委員会の「クマラスワミ
報告」「マクドゥーガル報告書」などで慰安婦強制連行の証拠として採用されてしまった。

おそらく当初は、朝日の記者も騙された側の被害者だったのだと思う。
被害者がいつの間にか加害者になっているところが、変な宗教に似ているな。
騙されて上がった2階から降りるハシゴがなくなってしまったというところか。

私としては、朝日新聞に望みたいのは、謝罪より事件そのもののさらなる追求。
吉田清治という人は、そもそも何者なのか?
なぜこのようなことを行ったのか?
その辺のところを徹底的に調べて、きっちり明らかにして貰いたい。
それがマスメディアとしての責任の取り方だと思うのだ。

幕引きを急いで火種をそのままにしてしまうと、後になってから「吉田証言は陰謀によって闇に葬られたのだ」とか言い出す
奴が必ず出て来るものだから。

さて、年賀状を書き終わったので、寝る。 

2014年12月28日(日)
空気は冷たいが日差しは眩しい冬の日。

ネットのニュース。
映画の上映問題で揉めている北朝鮮とアメリカについて。
〈米映画会社へのサイバー攻撃を巡る米国と北朝鮮の対立が激しくなってきた。「北朝鮮による犯行」と断定した米国に北朝
鮮は27日、「米国が我々にサイバー攻撃を加えた」と応酬した。北朝鮮は報復措置を示唆しており、核実験を含む挑発行為
にでる懸念がくすぶる〉(12月28日 日経電子版)
だそうだ。

ところで、問題となっている映画「ザ・インタビュー」だが、かなりB級色の強いお馬鹿映画なのだそうだ。
こんな騒動にさえならなかったらクソ映画として忘れ去られたかもしれない作品が、下手をすると歴史の教科書に載ってしま
うかも知れない。

午後。
メンサ・テスト合格者の会の例会。
本日は、みんなで喋るというより黙々と事務作業。

帰りに簡単な忘年会をやって今年の例会は終了。
寝る。

2014年12月27日(土)
朝。
「マッサン」を観る。
経営危機に陥っている会社で国産初のウィスキーを売り出したマッサン。
しかしブレンドの最後にスモーキーフレーバーの強い原酒を加えたことで、飲んだ人から「煙臭い」と不評。
社長に「スモーキーフレーバーの弱いブレンドにしたらいい」と言われたマッサンは「信念だから」と拒否、工場は大騒動に
なる……

問題は、マッサンがここまで「スモーキーフレーバー」に拘る理由が、今までの話に出て来ていないこと。
彼の主張は「それがウィスキーだ」だけなのだが、番組を観ているこっちが、別にそんなにスモーキーフレーバーが強くなく
ても評価されているウィスキーを山ほど知っている。

また、会社が経営危機に陥っているということは、知っているという設定の下での「分からん人には飲んでもらわんでええ」
という主人公のセリフは、単なる彼の自分勝手にしか聞こえない。
観ていて主人公の心情に寄り添えない。
脚本家(「パッチギ!」を書いた人)は、この主人公のような「金持ちの知識階級」の心情を描くのが苦手なのかな?

午前中。
くしゃみが出るなと思ったら、頭痛がして喉も痛くなって来た。
無理はしないことにして、風邪薬を飲み寝床で『おまえさん(上・下巻)』(宮部みゆき 講談社文庫)を読む。
時代劇シリーズ「ぼんくら」シリーズ。

往来で斬り殺された男の死体の後が、なぜかなかなか地面から消えなくて……

軽くネタバレすると、最近起こった殺人事件の原因が20年前の殺人事件にあったという話なのだが、主人公、最近の事件の
犯人を執拗に追いつめて行く一方、20年前の事件の犯人には妙に寛大。
違いは、今の事件は計画殺人で、昔の事件は衝動殺人だということ。

殺人は殺人だし、動機から考えると昔の事件の犯人の方が悪い。
それでも衝動殺人の方が「どうでもいい」扱いになっているのは、たぶんミステリー作家である作者的に「衝動殺人なんて、
どうでもいい。だって興味が沸かないもの」だからなのか?

ここのところで作者の価値観を受け入れられないと、読後感がすっきりしない作品。
このシリーズ、まだまだ続くのかな?
(続巻が出たら、たぶんなんやかんや言いつつ読むのだろうな、オレ)

午後。
メールを読んだら森下一仁先生から、最近「御意見無用」が読めなくなっているとのご指摘。
以前のプロバイダーが潰れてURLを変更したのをお伝えし忘れていた。
慌ててお詫びのメールを入れる。

夜。
1号くんの好きな「竹鶴」が手に入ったので、電話で呼び出して2人で酒盛り。
(こいつは20代のガキのクセに、生意気にウィスキーを銘柄指定しやがるのだ)
かすかにスモーキーフレーバーの後味が残るウィスキーを2人で賞味。

アルコール消毒で風邪も治ったようなので、寝る。

2014年12月26日(金)
今日もよい天気だが、寒い。

午前中。
2号くんのアパートへ行く。
蛍光灯の交換をしたいのだがカバーの外し方が分からないというので手伝いに行ったのだが、脚立に上がった2号くん、
「ネジみたいなものが付いているのだが、右へ回しても左へ回しても外れない」
という。
「押してみたらどうだ?」
と、やってみたら簡単に外れた。
ネジみたいなボタンをデザインしたメーカーが悪いのか、ボタンをネジだと思い込んだ2号くんが悪いのか。

午後。
「やりすぎ都市伝説」という番組をやっていたので見たら、メンサの話が出て来て、なんかものすごい団体みたいに紹介さ
れていた。
ただの親睦団体なんだけどな。

メンサよりもっととんでもない団体として紹介されていたのがフリーメーソン。
こっちもただの親睦団体のはずなのだが、取材陣を温かく出迎えてくれた団体の人に、イルミナティがどうのとアホな質問を
する。
相手が苦笑すると「その態度が怪しい」というナレーションが入り、「そんなことに興味はない」と当たり前の返事をする
と「答えないのは何か隠しているから」という。

逆に番組側が高い評価を与えていたのは、見るからにインチキ臭い「イルミナティ創設者のデスマスク」を出して来た人物。
挙げ句の果てに「ジョージ・ワシントンとイルミナティ創設者は同一人物」とか、わけの分からない話に持って行った。

ところで、トンデモ業界でよく言われる「アメリカの1ドル札にはフリーメーソンで使われているのと同じマークが使われて
いるから、アメリカ政府はフリーメーソンと何か関係がある」という話。
あれは「プロビデンスの目」というもので、キリスト教の「三位一体」のシンボルとして中世からルネサンス期にかけてヨー
ロッパで流行した意匠。
つまり、昔からあるもので、フリーメーソンも使えばアメリカも使ったというだけのもの。

昔からある卍マークは、日本では蜂須賀家の家紋に使われている他、仏教寺院を表す地図記号にも採用されているが、ナチ
ス・ドイツもこのマークを気に入って採用している。
「同じマークを使用しているのだから、蜂須賀家や仏教寺院はナチス・ドイツと関係がある」と言ったらおかしいだろう?

夕方。
空想小説ワークショップ。
講評と、来月締め切り予定の文学賞の紹介。

飲み会は、忘年会シーズンのせいかどの店も予約でいっぱい。
やっと入れた店では、テーブルの幅が狭くて脚が伸ばせない上、横幅も狭いので脚が崩せない。
全員、正座か体育座り。
この逆境(?)にも負けず盛り上がるのは、たぶんほぼ全員がオタクだから。(笑)

ウィスキーをロックで飲んでいたら寒くなったので、途中から日本酒に切り替えて、馬刺をつつきつつ有馬記念の話など。
帰宅。
寒いのでペットボトルにお湯を入れて、湯たんぽ代わりにして寝よう。

2014年12月25日(木)
朝刊に新閣僚の顔ぶれというのが出ていた。
防衛大臣以外、前と同じ?

朝。
「マッサン」を観る。
相変わらず面白くない。
「パッチギ!」の脚本家が脚本を書いているそうなのだが、あれは「ブレイクスルーは力技で」という作品だった。
ウィスキー作りのような、地味で目立たなコツコツとした積み重ねが成功をもたらすといった話は、この脚本家さん、苦手
なのか?

実際「マッサン」は、主人公が何もしていない時間がやたら長い話になっている。
もの作りというのは、一見何もしていないように見える目立たない努力を継続することが成果に繋がったりするもの。
そういう「目に見えない地道な積み重ねをする人間」は、脚本家にとって苦手な登場人物なのだろうか?

昼。
区役所に印鑑証明を取りに行く。
なんと、私が子供の頃に亡くなった祖母の所有していた株式に、名義書き換えを今の今まで忘れていたものがあったことが
発覚し、その手続きに印鑑証明が必要なのだそうだ。
私にも相続権があるとかで、従兄の説明によると「たぶん印鑑証明代ぐらいにはなる金額の遺産」が手に入るらしいという
ありがたくってどうしようもないような話。

区役所の自動交付機で1枚400円の印鑑証明を入手。
ついでなので税金を口座引き落としにする手続きをしたら、粗品にプラスチックの笛をくれた。

帰宅。
年賀状書き。

夜。
1号くんが「飲みに行こう」というので、養老乃瀧へ。
飲んでいたら店長に「田舎から届いたリンゴ」というのを貰った。
チェーン店の居酒屋でこういうことがあるのが、池袋。

家に帰って、寝る。

2014年12月24日(水)
朝刊の国際面にかなり大きな見出し。
〈北朝鮮、ネット不安定 サイバー攻撃受ける?〉

内容を読むと、
〈米国務省のハーフ副報道官は22日の記者会見で北朝鮮への報復を含めた作戦の詳細は「公表しない」と述べ、米政府が攻
撃に関与したかへの言及は避けた〉
記事によると、この〈報復〉とは、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントへのサイバー攻撃に対するものだとか。

この記事のすぐ下に掲載された記事が、
〈ソニー「映画公開へ努力続ける」〉

北朝鮮の金正恩第1書記暗殺を扱ったコメディ映画「ザ・インタビュー」の公開が脅迫によって中止に追い込まれている件に
についての記事で、
〈現状では公開に応じた映画館も、インターネットでの配信を申し出たビデオオンデマンド業者もいない〉
のだそうだ。(21日に出演したNECテレビの番組内での発言)

つまり……
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)が金正恩第1書記暗殺を扱ったコメディ映画を作る
北朝鮮らしきところからサイバー攻撃と共に脅迫を受ける
映画館から上映を断られ、公開できなくなる
アメリカの大統領がこの件を批判
北朝鮮のネットに異常  ←イマココ
(なんか、サイバー空間での戦争っぽくなって来たな)

その北朝鮮だが、同じ朝刊の総合・政治面に、
〈拉致再調査 越年へ〉
〈北朝鮮、対応鈍く 国連決議が拍車〉
〈政府、通報せかす 進展なく焦りも〉
という記事が載っていた。
「騙された」という言葉が、どうしても頭を過るな。

午後。
2号くんがケーキを買って来てくれた。
そう言えば今日はクリスマスイブ。

今年は池袋の街を歩いていても、何か「クリスマス商戦の盛り上がり」みたいなものを感じなかったせいか、ピンと来ない。
街全体がなんとなく地味なのだよな。
ひと言で言うなら「不景気」な感じ。

ちなみに、読売新聞社が今月の15〜16日に行った衆院選結果に関する緊急全国世論調査によると、衆議院選挙で自民党が
圧勝した理由として「経済政策が評価された」と回答した人は、7%だとか。

夕刊が届く。
〈ソニー系が一転 「金正恩氏暗殺」映画上映へ〉

〈SPEのマイケル・リントン最高経営責任者(CEO)は23日、「多くの映画館が『ザ・インタビュー』の公開を決めた
ことをうれしく思う」との声明を出した。SPEによると、公開劇場は200以上に上るという〉

21日の段階でゼロだったものが、23日には200以上。
すごいな。
「アメリカの力」みたいなものを見た気がした。

寝る。

2014年12月23日(火)
天皇誕生日。
81歳になられるそうだ。
お体を考えると、そろそろ皇太子殿下を摂政として立てられるべきだと思うのだが、たぶん宮内庁内部の力関係とかで難しい
のだろうな。

午後。
買い物に行き、佐藤編集長を誘って千川駅前の「ひじり湖」で食事。
ここは、以前コーヒーを頼んだらポトフがサービスに付いてきた店で「今日はどうだろう?」と思いつつ、ビーフシチューを
セットを頼んだら、サービスでカレーライスが付いて来た。(^^)

ちなみに、このセットにはトーストとライスが付く。
「トーストかライス」ではなく「トーストとライス」なのだ。
それにホットケーキと、なぜか今日はタクアンが出た。

もちろんセットなので、サラダとドリンクは標準装備。
ドリンクに紅茶を頼んだらポットで出て来て、マーマーレード付き。
これに食前のワインも付いて、締めて900円ポッキリ。

客の胃袋をいっぱいにしないと帰さないという意気込みか?
念のため言っておくが、かなり美味しい。

狭い店なので、客が4組も入れば満員。
実際、1組客を断っていたが、それでもノパソを持ち込んでコーヒー1杯で延々と粘っている客にも文句は言わない。
店主は穏やかそうな感じのいいご老人。

いつ行っても不思議な店。
私は好きな空間だが「オシャレで小綺麗で最新のトレンド」的な店が好きな人には向かないかもしれない。

帰りに佐藤編集長に、一緒にDVDを観ないかと誘われたので、部屋に行く。
「パッチギ!」という2004年製作の日本映画。

【ネタバレあり】
舞台は1968年の京都鴨川周辺。
ストーリーは、ざっくり言うと「ウエスト・サイド物語」のラストをハッピーエンドにしたもの。

プエルトリコ系アメリカ人とイタリア系アメリカ人の不良同士の抗争を、そのまま日本人と在日コリアンの不良同士の抗争に
置き換え、鴨川を挟んだ2つの地域の不良同士の仲が悪くて……という設定にしている。

これを「そんな史実はない」と突っ込むのは簡単だが、それを言ったら「池袋ウエストゲートパーク」でも「池袋ではカラー
ギャングが池袋大橋を境界に東西に分かれてにらみ合っている」という「そんな事実はない」設定になっている。
(みなさん、あれはフィクションですからね!)
まあ、エンターテイメントの設定ならば、この程度の嘘は有りにして良いと思う。

「ウエスト・サイド物語」ではジョージ・チャキリスが演じたプエルトリコ系不良グループのシャーク団のリーダー、ベルナ
ルドは、「パッチギ!」では在日コリアンの不良グループのリーダー李安成(リ・アンソン)、ベルナルドの妹マリアは、李
慶子(リ・キョンジャ)、そのマリアと恋に落ちるジェッツ団関係者のトニーは、松山康介とい
う日本人に置き換わっている。

主人公は、この松山康介。
彼は不良でも何でもなく、ただ在日コリアンと対立しているグループとたまたま同じ高校に通うだけの高校生。
あるとき、九州から修学旅行に来た不良高校生が、慶子を在日コリアン不良グループのリーダーの妹と知らずに侮辱する。
怒った不良グループたちは、修学旅行バスを横転させて相手の不良を袋叩きにし、運悪く居合わせた康介は、この騒動に巻き
込まれてしまう。

事件を憂慮した康介の担任は、日本人と在日コリアンの若者同士の対立を打開しようと朝鮮高校にサッカーの親善試合を申し
込むことを考え、その書類を康介に届けさせる。
朝鮮高校に赴いた康介は、そこで慶子を見かけて一目惚れ、辞書を買ってハングルを勉強し、慶子をデートに誘うのだが……

「イムジン河」という南北朝鮮の分断を嘆く内容の曲が効果的に使われ、鴨川によって隔てられたコリアン地域と日本人地域
にイメージが重ねられる。
映画では、この鴨川を挟んだ争いが歌と愛の力によって解決されて行く。
これは「イムジン河の両岸(南北朝鮮)の問題も同じように解決したらいいのになあ」という願いか。

「ギターを手に歌を歌えば、人は愛に目覚め、争いもなくなるのさ」というハッピーエンドは、観終わったあとに気持ちが明
るくなる。
「だったらいいのになあ」を描くことで、人に夢を与えるフィクションは、楽しいし、好きだ。

観ていて『論語』を思い出した。
孔子も戦国乱世の春秋時代に、瑟(しつ=弦楽器の一種)を手に旅をしながら歌を歌って愛を説いていたのだよな。

日本の学校で『論語』を教える時には、なぜか孔子が音楽を重視してプロのミュージシャン(楽士)をハンパなくリスペクト
していたという
話がしばしば省かれるようだが、四書五経のひとつである「詩経」が、当時の歌の歌詞を集めたものだという
ことは、ちゃんと習った?

楽器を演奏しながら各地を回り「ラブ&ピース」を説いた孔子は、現実世界では挫折したが、彼の語録である『論語』が今に
伝えられているのは、やっぱり「そうだったらいいのになあ」という話を人が求めているからなのだろうと思う。
理想を理想としてストレートに描いた「パッチギ!」は、いい映画だと思うよ。

寝る。

2014年12月22日(月)
朝刊の記事。
〈「ONE PICE」スーパー歌舞伎に〉

まあ、カブいたことをやるのが歌舞伎だから、その辺のところはいいとして「過去に他のメディアでヒットしたもの」という
基準で選んだのかという辺りが、少しひっかかる。
冒険の心を無くした者に「ONE PICE」が出来るのか。

午前中。
年賀状書き。

午後。
2号くんが来る。
「『銀魂』が、またアニメでやるんだぜ!」
とのこと。
「銀魂」も過去にアニメ化して大ヒット、確実に固定客のいる作品。
(まあ、その「固定客」のひとりで、現にこのニュースにはしゃいじゃってる私が言ってもしょうがないか)

2号くん、髪を剃って丸坊主になっていたので、
「床屋へ行ったのか?」
と、聞いたら、
「自分で剃った」
とのこと。
(器用な奴)

ニュース。
東京駅開業100周年記念の「Suica」の発売に購入希望者が殺到した問題を受けて、JR東日本東京支社は、スイカを
増刷して希望者全員に行き渡るようにすると発表。
この「記念Suica」は、当初、1万5000枚限定、先着順(1人につき3枚まで)で同駅で発売されたが、9000人
を越える購入希望者が集まって同駅が混乱した。
(「限定品だから価値がある」と思って買った人は、複雑な気持ちになるのじゃないかなあ?)

別のニュース。
米西海岸の港湾労使の交渉の長期化で不足しているフライドポテトについて、

すかいらーくの社長が、
〈傘下のガストのポテトは、ハンバーグなど主力商品に付ける定番。谷真社長は「売り上げへの影響もあるので価格には転嫁
できないが、何としても確保しないといけない商材だ」〉(読売新聞電子版)
と語り、アメリカから空輸することにしたのだそうだ。

私は正直、ハンバーグの付け合わせなんて、別にフライドポテトじゃなくてもいいと思うのだが「何としても確保しなくては
いけない」というほど拘らなくてはならないもなのか?
「あるもん食べなさい!」で、いいじゃん。

バタバタしているうちに夜になった。
年末は、時間が進むのが早い。

寝る。

2014年12月21日(日)
朝。
仮眠から目覚めると、9時を回っていた。

朝刊に〈養殖ノリ異変〉という記事が載っていた。
すごくザツにまとめると、環境規制で排水による富栄養化を改善したところ、川から海に流れ出る水の栄養がなくなり過ぎて
養殖ノリが栄養不足になったという話。
過ぎたるはなんとかということかな。

午後。
2号くんと一緒にビックカメラへ。
酒の売り場でワインを試飲してから、ウィスキーを買う。

デニーズで食事。
2号くんに、
「夕べ、この近所の映画館で『おたくのビデオ』という映画を観た」
という話をすると、2号くん、
「その映画なら、実は自分も観たことがある」
と言う。
「(続編の方の)ラストがシュール過ぎて意味不明だった」そうだ。
まあ、ね。(^^;

帰宅。
ネットのニュースを見る。
「ザ・インタビュー」というタイトルの映画が、ハッカーの脅迫によって上映してくれる映画館がなくなってしまい、上映の
中止に追い込まれたのだそうだ。
内容は、北朝鮮の書記長が暗殺されるというストーリーのコメディらしい。

この件について、アメリカのオバマ大統領が「独裁者に検閲されるべきではない」と批判。
「脅迫は有効な手段」と北朝鮮に思われてしまうと、アメリカ政府としてもやりにくくなるものな。
(CIAが、そのハッカーを特定して捕まえてしまうというのはどうだろう?)

夜。
昨日、映画館で順番待ちの暇つぶしに読もうと買った『エンタムービー 本当に驚いたSF映画』(メディアックスMOOK)
が、意外に面白くて読みふける。
1945年から今年(2014年)までに公開されたSF映画の中から桂千穂という評論家の方が「面白い」と思った作品を紹介している本。

ネットで調べたらこの桂千穂という人、「聖霊女子学園大学卒の女性」と嘘の経歴を書いてシナリオコンテストに応募したら
入賞してしまい、その後、嘘の経歴と性別(本当は男性)がバレて騒ぎになったことがあるというやんちゃな人らしい。

映画の紹介の仕方もなかなか独特で、結構、作品のオチまでネタバレしてしまっていたりするので、未見の人は注意。
ところで、このムック、表紙の絵がCGではなく長野剛氏による油絵なのだそうだ。
(「なぜそこにこだわる?」というところにこだわるところを見ると、この人、オタクなのだろうな)

著者がシナリオライターなので、シナリオの書き方についての蘊蓄も語られ、映像作品のシナリオにうるさい人には興味深いことがいろいろ。
ひとつだけ気になったのは誤植が多いことかな。
読み物として面白いので、お勧め。

寝る。

2014年12月20日(土)
午後。
SF大会の企画会議で都内の大学へ。
大会スタッフの学生さんに、研究のために外部の人間と打ち合わせを行うのだと説明して大学の教室を借りて貰ったのだ。

会場で赤井孝美さんにお越し頂いたので、ドラマ「アオイホノオ」に関する企画が出来ないかとご相談。
赤井さん、「この後、別のイベントでガイナックス関係者に会うので話をしてみる」とのこと。

会議終了後、近所の店で忘年会。
大した距離ではなかったが、雨が降っていたので、移動が少し大変だった。
暗い上に傘で視界が遮られるので、後方にいた人たちとはぐれてしまったのだ。

店に着いて、まずはビール。
それから「ウィスキーを」と思ったが、あまりいいウィスキーは置いていないというので、熱燗と梅酒で適当に。

宴会の途中で、とりにてぃさんが気がついて、
「いまから行っても、赤井さんのイベントに間に合うんじゃない?」
と言うので、途中退席してイベント会場へ向かう。

新文芸座での「GAINAX アカイホノオの時代」というトーク&上映会。
出演者は、山賀博之さん、武田康廣さん、そしてもちろん赤井孝美さん。
司会進行は「アニメスタイル」の小黒祐一郎さん。

ドラマ「アオイホノオ」で主人公の通う自動車教習所の鬼教官役でカメオ出演ていた武田さん、トークが始まってみると意外
と気が弱そう。
鬼教官を演じた時も(ガイナックス時代に監督だった)赤井さんが自分の演技を観たらダメ出しをされるのではないかと内心
ビクビクしながらの演技だったらしい。
(この3人を舞台に上げることが出来れば、放っておいても座談会企画が1個できるな)

トークの後に上映された映画は、
 ・王立宇宙軍 オネアミスの翼 (サウンドリニューアル版)
 ・トップをねらえ! 劇場版
 ・炎の転校生(1話、2話)
 ・おたくのビデオ(正・続)

このうち、私が観たことがあったのは「トップをねらえ!」だけ。
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は、宣伝ポスター等からてっきり「主人公が敵と戦って……」的な話を想像していたのだが
ぜんぜん違った。
パラレルワールドの地球(もしくは地球そっくりの星)の宇宙開発の物語。

学校の成績があまり芳しくなかった主人公は、卒業後、花形である水軍ではなくパッとしない宇宙軍に入隊した。
なぜ宇宙軍がパッとしないのかと言うと、宇宙船というものがまだ存在しない世界だから。
宇宙船の開発が成功したら……という感じでとりあえず乗組員の訓練を行っているのだが、肝心の宇宙船開発が遅れに遅れ、
要するに「実質的に訓練しかしない部隊」なのである。

物語の部隊となっている世界では、貧富の差が激しく、戦争もあったりするのだが、主人公は、その問題に対して特に何もし
ない。
ある日、道で宗教のチラシを配っている少女と出会い「宇宙軍に所属している」と自己紹介すると「宇宙に行ける仕事なんて
素晴らしい」と言われてしまい、彼女の気が引きたくて人類最初の宇宙船のパイロットに志願する。
その結果、政府の宣伝に利用され、テロの標的となり、隣国の殺し屋から命を狙われることに。

だからと言って別にどうということもなく、主人公はパイロットになる訓練を受けつつ日常を送り、くだんの少女を強姦しよ
うとして失敗したりという、アホな男子高校生みたいなことをやっている。

違和感を覚えたのは、身近な人間の死についての主人公の無関心ぶり。
身に危険が迫れば慌てたり、びっくりしたりもするのだが、全体に周囲で起こる事件に対して無感動。

製作陣、NASAに行って取材をしたそうで、その時に見聞きしたさまざまなエピソードを淡々と物語の中に織り込んでいる
感じ。
ともあれ、これが本日の上映作品の中では1番面白かったな。

館内でなつこん(今年のSF大会)の時のスタッフに会い、
「こんなところで何をしているのですか?」
と、質問されたので、
「映画を観ているんだ」
と、答え、ついでなので米魂(来年のSF大会)のスタッフに誘う。
「アオイホノオ企画をやるつもりなんだ」
と、言ったら少し興味を引かれたようなので、もう一息だな。

朝の6時半に上映会終了。
帰宅して、とりあえず仮眠。

2014年12月19日(金)
朝。
気象情報によると、今日は風がなく、その分、体感温度的に暖かいのだそうだ。

午前中。
風呂で体を温めてから年末の作業をいろいろ。

昼。
2号くんが来たので、作業中断。
「モンティパイソン」を観る。
「Ministry of Silly Walk(バカ歩き省)」という話。
「バカな歩き方を考えるための官庁」が存在するという設定で、自分の「バカ歩き」に助成金を出して欲しいと陳情にやって
来た男と大臣のやりとり。
本国では大ウケしたらしいが、日本ではどうだろう?

例えば日本の「落語」を英語に訳してイギリス人やアメリカ人に聴かせたら面白いと感じてくれるだろうか?
「三方一両損」とかって欧米人にもウケるかな?

夕方。
2号くんが「秘密結社鷹の爪」を観たいと言うのでNHKの「ビットワールド」を一緒に観る。
あまりじっくり観た事はない番組なのだが、一応SFなのか、これ?

「秘密結社鷹の爪」は、「ビットワールド」の中のアニメ枠らしい。
泥棒の父を持つ少年の夢を叶え、父親させる話。
(いい話じゃないか)

2号くん(学生のくせしやがって生意気にもフリーランスでデザイナーのバイトをしている)に客先から電話がかかって来た
とかで、帰る。

年末の作業を再開するが、なんかはかどらなくなったので、寝る。

2014年12月18日(木)
午前中。
久しぶりにツィッターを覗いてみたら、水玉蛍之丞画伯が亡くなられていて「ええっ!」となった。
私は画伯の隠れファンで、自宅には画伯のイラスト付きマグカップやらTシャツやらがあったりする。
お父さんとお姉さんが漫画家でお兄さんが軍事評論家なのだとか、オタクのサラブレッドみたいな家系だと知って、感心した
り納得したりしたものだった。
大好きなSF小説『フリーゾーン大混戦』の表紙の絵も画伯だったなあ。
ご冥福をお祈り致します。

日経朝刊の記事。
〈バター ぬぐえぬ品薄〉

〈9月に農水省が業務用で3千トンを手当てすると発表した段階では「年末に向けた需要の増加には対応できる」(日本乳業
協会の石原哲雄常務理事)見通しだった。狂いが生じたのは「緊急輸入が報じられた結果、家庭用バターも危ないとの懸念が
広がり、一部の消費者が買いだめに走った」ためだ〉
日用品(それも食糧)が不足しているという報道を聞いた消費者が「買いだめに走らない」と思った根拠を聞きたいぞ。

むかしテレビで「油断」というドラマを見たことがある。
うろ覚えだが、確か不測の事態により原油の輸入がストップしてしまい……という筋書きのドラマだった。

ドラマの中で、数字の上では不足しないはずの農産物を、専門家が「市場で不足するだろう」と予測する。
「なぜ?」と、質問した新聞記者に、専門家は「農産物が不足し始めたら、農民は市場に流す前にまず自分たちや親類縁者の
分を確保しようと考えるはずだから」と答える。

1度観ただけのドラマなので細かい所は違っているかもしれないが、テレビの前で「さすが専門家は、そういうことまで考え
て数字をはじき出すものなのか」と感心したのは覚えている

専門家なら「消費者が買いだめに走ったのは予想外」とか言わないで欲しい。
震災のときに「(津波多発地帯で)堤防があったので津波の被害は想定外だった」と言った「専門家」を思い出したぞ。
素人だって予測できるようなことを予測できない専門家はいらない!

私は酪農に関しては全くの素人だが、バターの原料が牛乳で、牛乳が牛の乳であることぐらいは知っている。
牛に乳を出させるには、子牛を成牛まで育て、種付けをして妊娠させ、出産させなければならないのも考えれば分かる。
そうなれば理屈で考えて「いまバターが不足しているから、すぐに原料の牛乳の生産量を増やせ」が無理なのも分かる。

日経の記事によると〈日本乳業協会は農水省にバターの緊急輸入を求めた〉そうだが、こんな風に慌てて海外で買い付けよう
としたら、足下を見られて高値を吹っかけられるだろうな……と思う。
(ただでさえ円安で、輸入品は高く付くのに)
素人の予測では、バターそのものや、バターを使用した食品は値上がりするだろうと思うのだが、専門家はどう予測している
のだろう?

午後。
寒くて外出する気になれず、部屋の中で出来る作業をして過ごす。

ルーブル暴落の記事を読み、
(いまロシアに物を売るのは難しそうだが、買うのなら安くなるかな?)
などと、ぼんやり考える。
ロシア製品で、日本人が欲しがる物って何だろう?

夜。
ドラマ「ぼんくら」の最終回を観る。
ラスボス湊屋がカラスに糞をかけられて……と、ドタバタ喜劇のような終わり方。
(なんだかなあ……)
予告によると、次はまったく関係のないドラマになるようだが、続編の「日暮らし」を放送する予定はないのかな?

寒いので、今夜は早めに寝る。

2014年12月17日(水)
ニュースによると日本各地で雪が降っているそうだが、私が住んでいるのは太平洋側なので晴天。
いわゆるフェーン現象で、北風が中央山脈を越える時に水分を雪の形で日本海側に落として来てしまうから。
「日本海側の人は大変だなあ」
などと言いつつ、寒いので風呂を沸かして体を温め、上がり湯にシャワーを使っていたらいきなり水になった。
煙突から入った風でガスの火が吹き消えてしまったようだ。
(しまった! 雪は降らないが強風は吹くのだった)

部屋で、どてらを着てブツブツ言っていたら1号くんから電話。
「風邪で会社を休んだ。腹減った」
(なんだよ?)
2号くんは、大学に行ってしまったので留守らしい。
コンビニで肉まんを買って見舞いに行ったら、
「竹鶴が飲みてえ」
(買えるか、そんな高いもん!)

午後。
1号くんの体調が復活して来たようなので、2号くんに頼んで帰りにコンビニでブラックニッカを買って来て貰う。
体が温まったせいか、夕方頃にはほぼ全面復活したようだ。

帰宅。
ニュースを見たら、北海道が急激な低気圧(「爆弾低気圧」と言うそうだ)のため猛吹雪になっているらしい。
映像で見た印象では「雨の代わりに雪が吹き付ける台風」みたいな感じだった。
吹雪のせいで停電した地域もあるそうで「ヒーターがつかない」とか言っている人もいた。

悲惨だったのは根室。
気圧が低くなったせいで海面を押さえつける大気の力が弱まり水位が上昇したところで、強風が海水を陸に向かって押す形に
なり、街が水浸しになっていた。
冬の北海道で、吹雪の最中に自宅が浸水って……

広島の土砂災害に、御嶽山の噴火、長野の地震、そして今回の爆弾低気圧。
日本列島、まとめてお祓いして貰った方がいいんじゃないか、マジで?

夜。
古本屋から『日暮らし(上・中・下巻)』(宮部みゆき 講談社文庫)が届いたので、読む。
『ぼんくら』の続編。

感想。
「おでこ」のような余人を以て代え難い特殊能力を有した人間に「自分は役に立っているのか?」などと悩まれてもなあ。
幻術師の芝居で人の心を操るあたりが、なんだか京極夏彦っぽい。
弓之助は、なんでも測るというクセを「卒業」……ということは、その設定は使わないことにしたのか?
ややこしい登場人物が2人とも頭がおかしくなってしまうというのは、ちょっと都合が良過ぎ。
『ぼんくら』の方が面白かったかな?

それと解説の末國善己さん、登場人物の名前を取り違えている。
「おくめ」は前作『ぼんくら』の方の登場人物で、『日暮らし」に出て来るのは「おみね」。

このシリーズ、まだ続巻があって、そのハードカバー版の方には、おまけで「登場人物相関図」が付いているそうな。
解説者も(そして校閲係も)登場人物の名前がこんがらかるようでは、さすがにまずいと思ったのかな?
(江戸時代の女性名って、たいてい「お○○」なので似てるのだよな)

本を読んでいたら午前1時を回ってしまった。
そろそろ寝よう。

2014年12月16日(火)
朝起きるととても寒い。
ニュースで、株価が急激に下落していると言っていた。

昼。
雨の中、事務手続きで銀行に行く。

午後。
年賀状書きをしなくてはならないのだが、はかどらない。

ネットの経済ニュースを見る。
内閣府の発表によると、2014年7〜9月期の速報値を反映した国内総生産(GDP)は、マイナス2.8%。
4〜6月期のマイナス2.2%からマイナス幅が拡大。

おまけに株価も続落中らしい。
国内総生産が悪化して、かつ株価も下落している状態で、デフレ脱却って出来るのか?

テレビのニュースによると、アメリカ西海岸の港湾労使交渉が長引いている影響で、マクドナルドがMサイズ以上のポテトの
販売を一時休止することになったのだそうだ。
アメリカ西海岸で物資の輸送が停滞しているわけだ。
これって「マクドナルドのポテトがどうの」というレベルの問題なのか?

夜。
1号くんが風邪をひいたというので見舞いに行ってやる。
途中の「なか卯」で思いついて、うどんを買って持って行く。

テレビの気象予報を見たら「関東の雨は午後9時には止む」と言っていたので、それまで待ってから帰宅することに。
「急激な気圧の低下が起きているせいで、北海道や東北では猛烈な吹雪」なのだとか。
民放のベテランお天気キャスターが「長年この仕事をしているが、こんな急激な低気圧は初めて」とか言っていたから、異常
気象なのだろう。

北海道と言えば畜産農家の多い地域。
そんな猛烈な吹雪で、牛の飼育に影響は出ないのだろうか?
つい最近、バター不足で騒いだばかり。

テレビを観ていると憂鬱になるニュースばかりなので、DVDで「エボリューション」(2001年 アメリカ)を観る。
落下した隕石から採取した単細胞生物が急激に進化して、恐竜や凶暴なサルになって暴れ出すというコメディ。
主演は「Xファイル」のモルダー役で有名なデイヴィッド・ドゥカヴニー。

アホな政治家と軍人が事態を悪化させるという、20世紀の定番のギャグ。
(いま日本でこのパターンのコメディをやったらウケるかな?)

DVDを観終わった頃には雨が上がっていたので、帰宅。
寝る。

2014年12月15日(月)
朝。
ネットのニュースで衆議院選挙の結果を見る(上位5党の比較)。
 自民党  ー 3議席(290議席)
 民主党  +11議席( 73議席)
 維新の会 ー 1議席( 41議席)
 公明党  + 4議席( 35議席)
 共産党  +13議席( 21議席)

読売新聞電子版の見出しに「自公圧勝」と書いてあったが、内訳を見ると自民党は3議席減っていて、公明党が4議席増えた
ので、自民と公明の議席を合わせてプラスマイナスでかろうじて1議席の増。
「自公圧勝」としたのは、これではさすがに「自民圧勝」とは言えないからだろう。
選挙前の「自民圧勝」予測から見ると「あれれ?」という感じだ。

今回の選挙で面白いと思ったのは、比例区北海道ブロックから立候補した政党「支持政党なし」。
(そういう党名でも法律的にOKらしい)
さすがにこの党から議員は出なかったが、10万票ほど集めたようだ。

外国のドラマに出て来た生徒会選挙みたいなものに「ドナルドダック票」というのがあったな。
ふさわしい候補者はいないと思った人が、投票用紙に「ドナルドダック」と書いて投票するシステムのようで、単なる無効票
としては扱われず「ドナルドダック:○○票」として発表されるらしい。

ちなみにウィキペディアによると、この「支持政党なし」の方針は〈党(団体)としての政策を持たず、議会における様々な
議案・法案を一つずつ、インターネットなどを通して、有権者にその議決に参加することで、「有権者個々人の意見を基にし
て、使者として議決権をただ行使しに行くだけ」として、党としての政策を持たずに選挙運動に取り組む〉だそうだ。

つまり「有権者は私の考えを支持して下さい」ではなく「私は有権者の考えを国会に運びます」という形の議員ということ。
主権在民という考え方から見て、これはこれでアリかな。

午後。
2号くんのアパートで、ガスの元栓の工事をやるというので、見物に行く。
1時過ぎ頃にやって来た東京ガスのお兄さん、ドライバーを手にさっそく元栓に立ち向かったが、次第に「あれ? あれ?」
という独り言が多くなる。
そのうち、外に出て携帯でどこかに掛けて、なんかいろいろ聞いている。

2号くんが、
「あのひと大丈夫だろうか? 死んだヒラメみたいな(生気のない)目をしているけど」
と、不安がり出したので、
「沖田総司も顔はヒラメだったそうだし、きっと菊一文字を手にしたら輝くタイプさ」
と、答えておく。

お兄さん、そのうちマニュアルを目の前で広げ「えーと……」と、考え込み出した。
2号くんが、私の顔を見る。
(大丈夫、きっといつかは輝く……)

時刻はそろそろ3時。
ファンヒーターが使えないので、コートを着てコタツに両足を突っ込んで待っていた我々の後ろで「あ、動いた……」という
声がした。
どうやら、お兄さんが原因の究明に成功したようだ。
(輝いたか? 君は輝いているのか?)

どうやらガス管の差し込み口のスプリングがダメになっていたせいで、センサーが「ホースが差し込まれていない」と認識し
てしまっていたために、ストッパーが掛かってしまっていたらしい。

「だから、カバーを外してセンサーがホースが差し込まれていると認識した状態にしてから元栓を開けば開くのですが、1度
元栓を閉めてしまうと、また同じことに」

……長い説明を要約すると「部品を取り替えないとダメ」で「その部品はいま手元にない」。
「とても寒いので、ヒーターが使えないと大変困るのだが」
と、言ったら、会社に戻って部品を取って来ると言うのだが、それにはかなり時間がかかりそう。
2号くん、
「俺、夕方から用事があるんだけど」
と、言うので、私が留守番をしてやることにした。

2号くんが出かけ、私はヒマつぶしに『ちょびっツ』(CLAMP 講談社)の全8巻を読破。
舞台はヒューマノイド型の「パソコン」が普及した未来という設定。
捨てられていた「パソコン」を拾った予備校生が、この「パソコン」にまつわる事件に巻き込まれて行くという展開なのだが
話を広げた割にはテーマが「ご家庭内の話」。
思いつきっぽい設定を後半で理屈で説明しようとして、やや無理な物語になっていた。
(あの政府の回し者っぽい2人は、結局、何をしに出て来たんだ?)

あまりものを考えずに「こんな可愛い女の子が僕のものになったら嬉しいなあ」だけ楽しむべき漫画なのかも知れない。
2号くんが帰って来て、間もなく東京ガスの兄さんも戻って来る。

さて、ここからが取り付け作業。
……2号くん、退屈してテレビ(東京MX)で、アニメ「グリム名作劇場」を観始める。
「死神の名付け親」。
落語の「死神」の元ネタだと言われている話で、死神から死にかけている人間を生き返らせる方法を教わり医者として成功を
収めた男が、欲を出して死神との約束を破ったために自分が死んでしまうという話だが、このアニメでは男を欲深い人間では
なく良い人に変えていた。
こういう改変って、あまり好きじゃない。

番組が終わる頃には、どうにか作業も終わり「では実験」と、ヒーターのスイッチを入れたお兄さん。
……点かない。
再び「あれ? あれ?」みたいになって来たので、
「元栓が閉まったままです」
と、教えてみる。

そんなこんなで、ほぼ半日がかりで元栓も直り、お兄さん、
「スペアの部品を置いて行きますので、壊れたら自分で直して下さい」
と言って帰って行った。

ガスの元栓って、そんなに壊れやすいものなのか?
それより素人が元栓のネジを外してしまっても大丈夫なものなのだろうか?
(でも、まあ「専門家」の言う事だから……)

ヒーターが点いて、部屋が暖かくなったのに気を良くした2号くん。
「2人で飲もう」
と、ウイスキーを買って来たのでロックにして乾杯する。
瓶が空になるまで飲んで、帰宅。
寝る。

2014年12月14日(日)
寒い。
昼頃に驟雨議員選挙の投票に行く。
東京10区なので、投票前から結果は見えているのだが、国民の権利なので。

昼。
1号くんと昼飯。
「今夜、地方に住むダチが遊びに来て一緒に飲みに行く約束なのだが、なんか『お洒落して行く』みたいなことを言われたの
で、慌てて靴を買ったら5000円もした」
と、愚痴られる。
「どうせ池袋だし」とサンダル履きで出掛けるつもりだったらしい。

午後。
2号くんが「ファンヒーターをガス管に繋いで元栓を開こうとしたら開かない」と言うので、ネットで調べたらグリスの固着
っぽい。
素人がいじると危ないので、ガス屋を呼んで調べて貰うようにアドバイス。

2号くん「部屋が寒いから」と家に来て、そのまま2人で「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」と「ノス
トラダムスの大予言」を観る。
「帰って来たウルトラマン」のメイキングに、2号くん、
「俺が過ごしたかった青春って、こんなのだった」
と、つぶやく。
(同級生に庵野秀明と赤井孝美がいなかったのは、本当に残念なことだと思う)

「ノストラダムスの大予言」は、道路を埋め尽くす群衆のシーンが、何度見てもエネルギッシュでいい。
ビデオを見終わってから選挙速報を見るが、投票率は戦後最低かも知れないとのこと。
都内で雪が降ったそうだから、それも影響したのかも知れないが、それにしても予想投票率が「50%ぐらい」って言うのは
ひどいな。

夜。
2号くんが(ちゃっかり風呂に入ってから)帰ったので、アマゾンから届いた『あなたの恋人、強奪します』(永嶋恵美 徳
間文庫)を読む。
(永嶋先生は、先週の空想小説ワークショップのゲスト講師)

『あなたの恋人、強奪します』は、正義の「別れさせ屋」が、不幸な男女関係に泣くヒロインたちを救い出すというシリーズ
ものの短編集で、ファンタジーに近い読後感。
「悪い男」がやっつけられるパターンが多いので、女性読者の方にウケは良いだろうと思う。
軽い読み物が読みたい時にお勧め。

時計を見たら午前2時。
そろそろ寝よう 

2014年12月13日(土)
朝から年賀状のデータをノパソに移そうとしていろいろやっている。

明日が選挙なので、表の通りを選挙カーが通っているがイマイチ盛り上がらないのは「自民圧勝」の報道が溢れているので、
有権者がみんな「別に自分が行かなくても自民党は勝てるだろう」みたいな気分になっているからだろう。

ときどき支持を訴える電話もかかって来るが、私は「皆様に幸あれかし」の人なので、どの候補者の事務所からの電話にも、
愛想良く応対して「○○○党の×××さんですね。頑張って下さい!」と、言う事にしている。(^^)

夕方。
……結局、データは移せなかった。
(どうしよう?)

夜。
ワークショップの忘年会で借りたDVDを視聴。
ひとつはDAICON FILMの「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」(1983年製作)。
若き日の庵野秀明監督が顔出し出演している貴重な映像なのだが、これが「アオイホノオ」で「若き日の庵野秀明」を演じた
安田顕にそっくりで笑えた。
(つまり安田が庵野そっくりの役作りをしていたということだな)

安田顕、「スマートモテリーマン講座」でモテリーマンを演じた時にも「漫画の絵がそのまんま立体化した」と大笑いしたの
だが、本当にカメレオンのように誰にでも化けてしまう役者なのだな。

本編よりも面白かったのがメイキング。
20代の若者達の溢れ出るエネルギーだけを根拠とした自信が伝わって来る。
そして、こんなチャチなボール紙で出来たセットで、それなりの映像を撮ってしまった庵野監督、これが才能というものか。

もう1本は「ノストラダムスの大予言」という1974年製作の特撮映画。
(タイム・ベース・カウンターが付いていたから、何かの資料用か?)

ストーリーは、代々ノストラダムスの予言書を受け継いでいるという家系の科学者が、公害や核戦争の危険を説き「このまま
では人類は滅亡する」と総理大臣を説得するという話。

それにしても、成層圏でのSST(超音速輸送機)の事故によってオゾン層が破壊され、地上に降り注いだ超紫外線によって
コンビナートが燃え上がるって……。
(「超紫外線」って、何だよ?)

『ノストラダムスの大予言』(五島勉 祥伝社)と言えば、トンデモ本(※)の代名詞のような本だが、トンデモ本の内容を
映像化すると本当に笑えるということがよく分かる作品。

※トンデモ本
 著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本。
 平たく言うと、書いた当人は大まじめなのに読むと大笑いな内容の本のこと。

借りたDVDで、1970年代と1980年代に撮影された映像を見たわけだが、さっくり感想をまとめると当時は日本中に
エネルギーが溢れていたのだなと思う。
人数の多い「団塊世代」が若かったからだろう。

寝る。

2014年12月12日(金)
この忙しい暮れに、なんとなく同人誌の原稿っぽいものを打ち始めてしまった。
もちろん今年の冬コミには間に合いそうもないので、来年の夏か、その先か……そもそも本になるのか?

夕方。
空想小説ワークショップ。
本日の特別講師は、小説家の永嶋恵美先生で、長編の中だるみで原稿に詰まった時の対処法について。
永嶋先生は、第1稿を出版社に渡した後でいったん「取材旅行」に行くことにしているのだそうで、その「取材旅行」を自分
へのご褒美にモチベーションを高めるのだとか。
(でも、私の場合「出不精」だからなあ)

雑談で聞いた噂話。
ビル・ゲイツが軽井沢に別荘を建てるのだそうだ。
(なぜ「軽井沢」なんだ、ゲイツ?)

放課後の飲み会「テング酒場」を予約しておいたのだが、予定より6人ほど人数が増えてなんか部屋中みっちりという感じに
なってしまった。

二次会はカラオケ。
日付が変わるまで歌いまくって帰宅。
寝る。 

2014年12月11日(木)
午前中。
年末なので、それなりに忙しいのだが、ともかく寒い。
マジで冬眠したい!

午後。
ネットでニュースを読む。
ノーベル平和賞の授賞式の最中、メキシコ国旗を掲げた男が壇上に乱入。

こういう記事を読むと思うのだが「万全の警備」って現実には有り得ないのだよな。
ところで、このニュース、テレビではあまり大きく取り上げられていなかったようだ。
そのことの方が私には興味深かったな。

夕方。
粗品で貰ったものの使用する予定のない卓上カレンダーがあったので、2号くんに電話で「欲しいか?」と聞いたら取りに来
るという。
ついでに一緒に夕食を食い、そのままドラマ「ぼんくら」を一緒に観る。

このドラマ、話は面白いのに何か違和感があるな……と思っていたのが、原作小説を読んでその正体が分かった気がした。
原作は心理劇なので、登場人物の内面に焦点が当てられている。
ところがドラマは典型的な時代劇の演出をとっている。

象徴的なのが番組の宣伝ポスター。
長屋の住人が一同に会して主人公を取り囲んで屈託のない笑顔を向けている構図。
でも、物語は「住人が長屋から次々に転居していく怪異の謎を主人公(同心)が解き明かす」という心理サスペンスなのだ。

物語のポイントは登場人物たちの心の奥に潜む「闇」の部分。
その「闇」を探り出そうとする主人公に、長屋の住人が「屈託のない笑顔」を向けているはずはないのだ。

今回のエピソードで一番大きな違和感を感じたところは、12歳の子供である弓之助が遺棄された死体の発掘に立ち会いた
いと主人公(平四郎)に詰め寄り、主人公がそれを許すというシーン。
白骨化しているであろう人間の死体などを子供に見せるのは相応しくないと考えていた主人公が、考えを変える場面である。

原作では、以下のように描写されていた。
〈平四郎は足を止め、真っ向から弓之助を見おろした。子供は凄絶なほど綺麗な顔をしていた〉

つまり、ここのポイントは子供の〈凄絶なほど綺麗な顔〉なのである。
当然、カメラをアップにして主人公の気持ちを変えさせるほどの子供の表情を撮らなくてはならない。
(子役の加部亜門、ちゃんとそのくらいの表情演技は出来る役者だ)

……なのに、ドラマではこのシーンをロングショットで撮っている。
遠くから、平四郎と弓之助が向かい合っているところを横から撮っているのである。
これは「客観的な説明」の場面の演出だ。

「子供が白骨死体を見たいと言ったので、主人公は同意しました」
話の筋書きとしては、その通りなのだが、何か違和感がある。

子供が「見たい」と言ったぐらいで、普通、死体遺棄現場など見せるはずはない。
これはあくまで「例外」なのだ。
なぜそんな例外を主人公が認めたか。
それはこの子供が、ただ者ではないということを、その「凄絶な」表情から主人公が読み取ったからだ。

時代劇というのは、ドラマの中でも筋が単純なものが多い。
「悪者」はいかにもな「悪者」で「彼が心の底では何を考えていたのか」なんてことは問題にならない。
「その場面で何が起こっているのか」だけが分かればそれで良いのだ。

でも、この物語の原作は、宮部みゆきなのである。
心理サスペンスなのだ。

それをドラマが「一般的な時代劇」の演出で映像化しているので、登場人物がこういう「普通じゃない」行動をとったとき
に視聴者側が違和感を感じてしまうことになる。

NHK木曜時代劇「ぼんくら」。
原作も役者も脚本も悪くないのに、演出がちょっと残念。

それはさておき……
今回の「ぼんくら」は、拷問によって秘密を聞き出そうとした男の失敗談だったが、現実の話でも、つい最近CIAが情報
を得るために拷問を行っていた事実が明るみに出た。
結局のところ、有効な情報はほとんど得られなかったようだが。
(この方法が有効であったならば、たぶん「拷問を行っていた」ということ自体が公表されなかっただろうと思う。CIA
が、もう続ける気のない方法だから公表したのだろう)

そもそも拷問というのは、こちら側が「痛い目に遭わせる」「やめる」の2種類のアクションしか取れないのに対し、相手
は「喋らない」「正直に喋る」「嘘をつく」の3つの選択肢を持っている。
また、相手が喋らない場合に「知っていて黙っている」「本当に知らない」のどちらであるのかも分からない。

つまり「拷問によって、こちらが知らない情報を聞き出す」というのは、非常に困難な事なのだ。
拷問が有効なのは「嘘でも本当でもどちらでも良いからこちらの言わせたい事を言わせる」場合だけだろう。

寝る。 

2014年12月10日(水)
朝。
消防自動車とパトカーのサイレンの音が聞こえた。
それは別に珍しいことではないが、その音が近所で止まった。
(火事場が近い?)
体を起こすと、拡声器を通した割れた声が聞こえる。
コートを着て外に出ると、表通りのビルに回転灯の光がいくつも赤く反射していた。

表通りにまで歩き、横断歩道を渡って消防車の近くへ。
煙の臭いはしない。
野次馬もいない。
それに、なんか帰り支度をしているみたいだ。

パトカーのお巡りさんに、
「火事ですか?」
と、聞いたら、
「火事じゃなかったんです」
と、答えて行ってしまった。

それにしては、消防車が3台にパトカー。
(「火事じゃなかった」って、つまり誤報か?)
よく分からないまま、コンビニで買い物をして帰宅。

それにしても以前なら、あれだけの大騒ぎが聞こえたら、もっと野次馬が集まった気がする。
(なんか街に活気がないなあ)

昼。
株価が値下がりしているというニュース。
400円ぐらい下がっているらしい。

「株価が下落したらデフレに向かうんじゃ?」というのが、素人的な感覚なのだが、実際のところどうなのだろう?
今度、SF乱学講座に経済の専門家とか招いて、現在の世界経済の動向などを素人にも分かりやすく解説して貰えないものだ
ろうか。

午後。
2号くんが「中耳炎になった」と言って、やって来る。
「それでこれから耳鼻科に行くところだ」
と言うので、
「帰りに安い寿司でも買って来てくれ」
と、頼む。
(こうして家から出ずに飯を食っているから、私は次第に太っていくのだ)

夕方。
寿司を買って来た2号くんと駄弁っているうちに、日が暮れた。
「最近のお勧めアニメは?」
と、聞いたら、
「子供向けだが『怪盗ジョーカー』が、意外に侮れない」
のだそうだ。
(あとで調べたら、脚本が「交響詩曲エウレカセブン」の佐藤大氏だった)
印象としては「ルパン三世」を子供向けにした感じなのかな?

どうでもいいが、アニメ「怪盗ジョーカー」の公式サイトを見たときの個人的な感想。
 “警視庁怪盗対策本部長鬼山毒三郎というキャラ、「忍たま乱太郎」のドクタケ忍者隊首領稗田八方斎に似てないか?”

夜。
NHKで「ハムレット」の解説番組をやっていたので、なんとなく観る。
ヨーロッパの演劇は、キリスト教が分からないと、やっぱり分からないのか。

逆に、日本の芝居を観てヨーロッパの人は理解できるのだろうか?


寝る前に、ネットのニュースを一周。
酔っぱらった自衛官(1等陸曹)が駅員を殴ったら、相手が柔道の高段者だったので逆に取り押さえられて逮捕。

そもそも駅員を殴っちゃダメだし、いくら相手が柔道高段者だったにせよ1等陸曹が駅員に取り押さえられるほど弱いという
のもダメだろう。
なんでこんな「ダメの二乗」みたいな奴が、1等陸曹なんだよ?
ちょっと納得がいかないなあ。

寝る。

2014年12月9日(火)
朝。
『ぼんくら』(宮部みゆき 講談社文庫)下巻の途中まで読む。

昼から品川でセミナーがあるので出掛ける。
メーカー主催で行われる来年発売予定のソフトの講習会で、参加するとデモ版が貰える由。

山手線で出かけ、途中で『ぼんくら』の続きを読んでいるうちに、品川駅に着いた。
品川というと、どうもパッとしないイメージがあり、乗り継ぎぐらいにしか使っていなかったのだが、今回久しぶりに港南口
に出て驚いた。
(なんか、未来都市みたくなってる!)

ガラス張りのビル同士の間に複数の歩道橋が渡され、これが周囲のビルの2階の外壁に沿って巡らされている広い通路に直結
しているので、通路から周囲を見回すと、吹き抜け構造の巨大な建物の内部にいるような錯覚を覚える。
(これに比べると、池袋はやっぱり田舎臭いな)

セミナーは、建築用ソフトについて。
「今回のバージョンでは、カーテンウォールの設計がより簡単に……」
と、何度も強調されたので、あとで「カーテンウォール」の意味をネットで調べたら、「建物の荷重を直接負担しない壁」の
ことだそうだ。

つまり、建物の重さを柱とか梁とか、ともかく「壁以外のもの」で支える建築物の壁のことらしい。
重さがかからないので、それほど頑丈である必要はなく、ガラスなんかでもいいらしい。

そういう設計がやりやすいようにソフトを改良したということは、そういう設計が流行っているということなんだろうな。
駅前の新しいビルがみんなガラス張りだったのは、そのせいか?

セミナー、最初に出て来た講演者は外国人。
分野を絞った内容だったせいか、割合と単語が聞き取れる。( “ R ” の音は別だけど)

4時半までと聞いていたセミナー、4時36分頃まで長引いて、
(やっと終わりか)
と、思ったら、次の講演者が出て来た。
結局5時過ぎまで。

このあと有楽町で「国際ミーティング・エキスポ」の予定があったので急いで移動、SF大会スタッフと合流する。
「国際ミーティング・エキスポ」というのは、各地方がミーティングやコンベンションの誘致を行うイベント。

富山県のブースで「お土産に」とチューリップを貰ったが、私は庭のないアパート住まい。
東京の住環境の悪さは、富山の人には想定外?
それとも単に私の貧乏が想定外?
(せっかくだから、今度庭付き住宅に住んでいそうな人を捜してプレゼントしよう)

SF大会スタッフのM上さん(都内の大学院で経済学を研究している)、
「今年は、例年に比べて貰えたお土産が少ない。やはり不況のせいでしょうか?」
と、ぼやいていた。

イベント終了後、近くの中華料理屋で食事。
M上さんの修士論文用のプレゼンをノパソを使って再演して貰う。
最近のゲームが「パッケージ版」から「スマホ版」に移行して行っている理由を経済学の視点から分析したもので、結構おも
しろかった。

教授にも評判が良かったプレゼンだったのだそうだが、実は「修士論文を提出して卒業するためには、事前の申し込みが必要
だった」ということを、締め切り日が過ぎてから知ったのだそうだ。

「何の案内もなかったんですよ」
というM上さんに、
「抗議しますか?」
と、聞いたら、
「もう1年間在籍して、もっと良い論文を書きます」
とのこと。
博士課程への進学を考えているからだそうだ。
上を目指すのだな。
良いことだと思う。

食事を終えて、帰宅。
帰りの副都心線で、酔った勢いでうっかり『ぼんくら』を読み終わってしまった。(^^;
オチは、まあ、宮部みゆきらしい心理サスペンスだった。
(ドラマも一応、最後まで観ようと思う)

寝る。

2014年12月8日(月)
朝。
今日が8日であることに気づいて「あっ」と思った。
無精をして壁のカレンダーを11月のままにしていたせいで勘違いをしていた。
昨日は「第1日曜日」だったのだ。
(なんとなく第2日曜と思い込んでいた)
今年最後のSF乱学講座をサボッてしまったのだった。

午前中。
風邪薬を飲もうかどうか、思案する程度に体がだるい。
結局、トレーナー二枚重ねに「どてら」を被って部屋で大人しく本を読んでいることにする。

『おとなの教養』(池上彰 NHK出版新書)読了。
黒人(アフリカ)と白人・黄色人種の遺伝子的な違いの話は興味深かった。

黒人はネアンデルタール人の遺伝子を持っていないのだとか。
アフリカで発生した人類のうち、皮膚の色が薄い突然変異種が日差しの弱い地方へ移動、その仮定でネアンデルタール人と
混血したので、アフリカに留まった黒人は、ネアンデルタール人の血を引いていないそうだ。
たぶん、考古学とか遺伝学とかに詳しい人にとっては常識なのだろうが、私は初耳(目?)だった。
白人・黄色人種にはあって黒人にはない遺伝的特徴には、ネアンデルタール人由来のものがあるということかな?

夕方。
ドラマの放映が終わるまで買わないでおこうと思いつつ、ついネットの古本屋で見た「1円」という価格につられてポチッて
しまった『ぼんくら(上・下)』(宮部みゆき 講談社文庫)が届く。
時代劇ミステリー。
主人公である同心が、長屋で起きた殺人事件を皮切りに次々と起こる奇妙な事件の謎を解くという。
(ミステリードラマの原作を先に読んでしまうと、犯人が分かってしまうよなあ)

まず、一緒に郵便受けから持って来た夕刊を先に読もう。
1面トップは、
〈GDP1.9%減 下方修正〉

〈内閣府が8日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.9%減
と、11月に発表した速報値の1.6%から下方修正となった〉

「1.6%減」でも大騒ぎしていたのに、実際はもっと悪かったわけだ。
「1.6%減」の時に、経済の専門家が「前年比増になると予想していたのに」と言っていたのが非常にひっかかる。

日経新聞によると、今回の「下方修正」についても、
〈民間予測の平均値では今回の改定値が年率0.5%減に上方修正されると見られていた〉
と、またも「専門家の予想より悪い」という結果だったようだ。

専門家の予測では「現行の経済政策によって国内総生産がプラスになる」はずだったものが、実は「マイナス」になっていて
専門家が、それでも「マイナスと言っても、もっと小さなマイナスだろう」と予測したら、またも外れて「もっと大きなマイ
ナスだった」というわけだ。
(これは、マジで経済政策を見直すべきなんじゃないのだろうか?)

夕食後。
布団に入り、とりあえず、テレビでやったところまでの話なら支障はあるまいと、『ぼんくら』を読み始める。

……日付が変わったので、寝る 。

2014年12月7日(日)
今日も良い天気。
だが、寒い。
空気が乾燥し、先天的に皮膚の弱い私が露出した顔面に痛みを感じる季節。
(マジで「冬眠」したい……)

池袋に用があって出掛けることに。
佐藤編集長を誘ったら「散歩がてらに」と付いて来た。

久しぶりにやって来た東口側では、立体駐車場が雑居ビルに建て代わり、テナントとして「ユザワヤ」が入っていた。
「キンカ堂」が無くなって困っていたコスプレイヤーは、喜んでいることだろう。

「帰りに寄ってみよう」
と、話しながらいくつか所用を済ませ、昼食をとり、区役所でちょっとした手続き。
帰ろうとしたら、
「忘れとった。ユザワヤに寄るんやった」
と、佐藤編集長。

「よく思い出したね」
と、誉め称えると、
「いまの窓口の兄ちゃん、『湯澤』いうネームプレート付けとった」
……この男と歩いていると、どうも妙な偶然によく遭遇する。

帰宅。
朝に読み損なっていた朝刊に目を通す。
1面トップが、
〈円の「実力」40年で最低〉

記事の内容を読むと、
〈円相場が急落している。日銀によると日本の貿易相手国通貨に対する円の総合的な価値を示す実質実効為替相場は1973
年1月以来、約42年ぶりの弱さになっている〉

日本のように資源を輸入に頼っている国で、この状況は結構やばいんじゃないだろうか?
「デフレからの脱却」は、別に悪くないのだが「デフレからの脱却さえ出来ればどうなってもいい」わけではない。

バブルの時に、政治家は不動産価格の上昇を止めようとした。
それは別に悪くなかったが、
不動産価格の急激な下落で不良債権続出。
これは非常に悪かった。

経済というのはバランスが大事なので、全体が傾かないようにゆっくりと動かすのが肝心だと思う。
最近の政治家は「大衆はバカだから派手なことをやって見せないと成果が分からない」とでも思っているのか「劇的ビフォー
アフター」みたいなことをやりたがる傾向にある。

別に、急激に改善する必要はないんだよ。
政治はショーじゃないんだから。

寝る。 

2014年12月6日(土)
良い天気。

昼。
佐藤編集長を誘って出掛ける。
編集長が「アトリエ第7秘密基地」まで上演中の作品の演目を確かめに行きたいと言うので、少し回り道。

やっていたのは朗読劇で演目に「ユリイカを呼ぶ」という文字を見つけた編集長に、
「ユリイカって何や?」
と、聞かれたのは、
「アルキメデスがアルキメデスの原理を見つけた時に叫んだ言葉『エウレカ』のことで、意味は『見つけた』ぐらいかな」
と、答える。

「インターステラー」を観に映画館に行く。
チケット売り場に到着したのが上映の開始時間だったので、1回見送って次の回のチケットを購入。

時間つぶしに本屋へ行き、『新・戦争論』(池上彰・佐藤優 文春新書)と『おとなの教養』(池上彰 NHK出版新書)を
買う。

池袋の地下道で、謎のオカマさんに遭遇。
普通、オカマさんというのはきれいに見せるために化粧をするものなのだが、このオカマさん、やたら顔に化粧品を塗りたく
り「元の顔が分からなければ何でもいい」みたいな化粧をしていた。
(一体あれは、なんだったのだろう?)

時間になったので、映画館に戻る。
G列の席に座ったのだが、我々の前には2人ぐらいしか客がいない。
映画館の前列は人気がないのは分かるが、土曜日の午後にこれでいいのか、シネ・リーブル池袋?

さて、「インターステラー」。
舞台は未来。
主人公は元飛行士。
人類の文明は後退し、NASAは政府に逆らったとかで解体されている。
学校では「人類は月に行かなかった説」が教えられ、これに反論する生徒(主人公の娘)は「デマを流す」と問題児扱い。
大事な事は「良い農民になること」で、エンジニアは居場所が無い。

そんなある日、主人公の娘の部屋で本棚の本が不規則に抜け落ちる落ちるという出来事が起こる。
娘は「これはメッセージ」だと言い、主人公も抜け落ちる本の位置に規則性を見いだし、それが座標であることに気づく。
そこで、その座標が示す場所に行くと……

ツッコミを入れ始めたらキリがないので、それはそれとして、相対性理論に基づく時間の遅れやブラックホールなどのSF的
ガジェットを素直に堪能しよう。
あと「2001年宇宙の旅」を意識しているのがよく分かる演出とか。

宇宙船に乗っているのは「HAL 9000」ならぬ「TARS」という人工知能搭載ロボット。
こいつが「HAL 9000」と違って、実に頼りになる。
(結局のところ、人間はアテにならない。信頼できるのは、やっぱり機械というオチか?)
このロボットの唯一の欠点は「ユーモアが有り過ぎる」。
(ネタバレをひとつすると、こいつの冗談好きな性格のせいで、観客も1回騙されるのだ)

終盤はSFというより、ちょっとファンタジーっぽい気もするが、五次元の世界で実際に何が起こるのかは我々にも分からな
いわけだし、主人公の娘の名前(マーフィー※)に免じて、これはこれで良いと。

感想。
主人公が加わった計画全体について。
これを考えた人は、人間の感情を考慮に入れなさ過ぎ。
「いくら人類のためでも進んで犠牲にはなりたくない」という奴がひとりでもいたらひっくり返るような計画は、ダメだろ。

※マーフィー
 「マーフィーの法則("If it can happen, it will happen."=起こる可能性のあることは、きっといつかは起こる)」から。

どうでもいいこと。
映画の中で、方程式を解いた科学者が「ユーレカ!」と叫ぶシーンが出て来て、ちょっと笑った。
(「シンクロニシティ」か?)
 
映画館を出て、池袋でハーブを買って帰宅。
アイブライト
ローズマリー

夕刊の文化欄。
東京国際映画祭で開会式の挨拶をした安倍首相が、
「この映画祭は日本の素晴らしさを、クールジャパンを世界に発信していると思う」
などと盛んに「クールジャパン」をPRして、参加した外国人に苦笑されていたそうだ。
確かに「国際映画祭」の開会式の挨拶としては、かなり場違い。

今回の国際映画祭、「国のクールジャパン戦略に乗って予算を大幅に増やした」のだとか。
映画祭関係者が、政治家から金を引き出すために適当に口にした「クールジャパンを世界にPRする絶好の機会ですから」と
かいうトークを真に受けてしまったのだろうか?

寝る。

2014年12月5日(金)
朝からパソコンの前で止まっている。

知人からのメール。
 >いつも日記を拝見してますが、レッドドワーフ号のDVD化で大活躍されてましたね。 
 >精力的に活動されてて、うらやましい限りです。 
いや、オリジナルが書けないので、翻訳の仕事を頂いているわけで……(^^;

午後。
ネタ探しにネット動画とか眺めたり。

昨日、2号くんがテレビで観たという映画の話をしている時に、
「ベルリンの壁が出て来たから、だいぶ(映画内の時代設定が)特定されるよね」
と、言っていた。
2号くんの感覚では「ベルリンの壁」というものが存在した時代は、過去の歴史の中のほんの一瞬であるらしい。

我々があの壁が「あった」時代を生きていた頃には、ベルリンの壁というものはずっと存在し続けるような気がしていたが。
SFを書くとき、いま現在「あるのが当たり前」のものを「あるもの」として未来を設定してしまいがちだが、ほんの20年
もすれば消え去ってしまうものもあるわけで、「何が生き残るのか」の予測を外すとちょっと残念な作品になってしまう。

ちなみに「宇宙船レッド・ドワーフ号」では、21世紀に流行したDVDは廃れて、未来では代わりにVHSテープに外見が
そっくりのメディアが使用されているという設定になっている。
(だからリスターが使っているアレは、VHSテープじゃないんだよ)

夕方。
ネタ探しでネットのニュースをサーフィン。
品薄になっている家庭用のバターについて、農林水産省が先月下旬に業界団体を通じて乳業メーカーに対して安定供給を文書
で要請したことを受け、大手乳業メーカー4社が今月の供給量を先月よりもおよそ30%増やすなどの対応を取ることを明ら
かにした。

〈飲用向けや生クリームなどの原料に予定していた牛乳をバターに振り向けることや、在庫を大幅に減らすことで実施する〉
のだそうだが、これはストレートに読んで「飲料用の牛乳や生クリームの供給を減らす方針」なのだと解釈して良いのかな?

ところで、給食の献立から牛乳を外す試みが一部の小中学校で始まったそうだ。
保護者からの「和食に牛乳は合わない」という声を受けたそうだが、そんな「声」は、これまでも沢山あったはず。
だから、行政が、その「声」に耳を向けると方針転換したということだよな。

国民からは、いろいろな要望が出される。
そのどれを無視し、どれを取り上げるかは行政側が決めることなので「要望があったからこうしました」と言っても「行政は
単に国民の要望に応えただけ」ということにはならない。
行政が「やりたくない」と思ったら、要望がそれなりに多くてもやらないし、行政が「やりたい」ことだったら、要望がさほ
ど多くなくてもやる。
(猛暑で生産量が減ってしまう製乳業について、行政的に、今後の縮小を考えているのかなあ?)

夜。
久しぶりにドラマ「玉川区役所 OF THE DEAD」を観る。
物語の舞台は、ウィルスの感染により「ゾンビ(=外見が醜く崩れ、脳にも異常をきたして正常な思考能力を失った人間)」
となる伝染病が存在する世界。
ワクチンの接種によって新たな発症者はいなくなり、ゾンビ化した人間を捕獲して隔離施設に送る仕事をする区役所の役人は
区民から「税金泥棒」的な目で見られていたのだが……

しばらく観ていないうちに、物語はかなり重い方向へ向かっていた。
ゾンビウィルスに感染した主人公の義兄は、脳への症状が出る前に家族との最後の時間を過ごそうとしていた。
ゾンビに家族を殺されたことでゾンビを憎んでいたヒロインは、発症し「殺して」と泣く幼なじみを前にして辞表を出す決心
をする。
そんな中、ついに「ワクチンの効かない新種のゾンビ」の存在が公にされ、人々に恐怖が走る。

日本のドラマには珍しい、重いテーマを笑いに包んだコメディ。
DVDを買うかどうかを思案中。

寝る。

2014年12月4日(木)
午前中。
天気が悪そうなので、部屋でずっと本を読んでいる。

午後。
2号くんが「録画したビデオを観に来ないか?」と言うので、ビールを土産にアパートまで出掛ける。
録画した番組というのは「全盲のぼくが弁護士になった理由」というドラマで、タイトルからヒューマンドラマかと思ったら
ミステリーだった。

主人公である全盲の弁護士が、視力を補う形で身に付けた優れた聴覚、嗅覚、皮膚感覚を頼りに事件を解決するという話。
日本のミステリーに有りがちのツッコミどころは満載だったが、芸達者な役者が揃っていて、そこそこ面白かった。
(佐藤二朗の押さえた演技とか、泉谷しげるの微妙にミスリードさせる雰囲気とか)
よくセリフをチェックしてみると、ちゃんと真犯人を匂わす伏線もあるし。

一応、設定は実話から取ったものらしい。
(視覚障害は弁護士の欠格事由にはならないのだね)

ちなみに、2号くん(アメコミ・ファン)は、どうやら「デアデビル」みたいな作品を期待して観たらしい。
ちょっと違ったな。(笑)

夕方。
雨の中を帰宅。
今度は2号くんが我が家へやって来て、2人で酒盛り。

「選挙で誰に入れる?」
なんて話をする。

新聞によると「自民圧勝」だそうだ。
こういう報道が流れると、むかしは「じゃあ、マスコミの期待を外してやろう」と、わざと自民党以外に投票する輩がいたが
いまの若い人は素直だから「マスコミが自民圧勝と言うのなら、それに従います」になるのかな。

時事問題つながりで、海外ニュースの話。
〈英下院外交委員会のリチャード・オッタウェー委員長(保守党)は2日の下院で、在英中国大使館の次席大使が、返還後
50年間の香港の「高度な自治」などを定めた中英共同宣言(1984年調印)は、「無効」になったとの見解を伝えていた
ことを明らかにした〉
という、読売新聞電子版の記事について。

〈宣言は、97年の香港返還ですでに効力を失った〉
というのが中国側の主張だそうだが、国と国との間で正式に調印された共同宣言を、一方が勝手に「無効になった」って……

そもそも「返還後の自治について定めた宣言が、返還により無効になる」というのは有り得ないと思うのだが、これが記事の
間違いでなければ、「共同宣言の内容は香港を返還させるための嘘でした」という意味になってしまうぞ。

夜。
2号くんが帰ったので、ひとりでドラマ「ぼんくら」を観る。
時代劇。
いわゆる「人情時代劇」を想像しつつ第1回をなんとなく観たら、宮部みゆき原作の本格ミステリーだったという作品。
で、続けて観ている。

今回は、第1話に出て来た殺人事件の関係者が殺害された!
……というところで「つづく」。

原作は、むかし「小説現代」に連載されていたそうで、言われてみれば登場人物の名前に少し見覚えがある。
小説版も読みたいが、犯人が分かってしまってはドラマが面白くなくなるので、買うのは後にしよう。

寝る。

2014年12月3日(水)
午前中。
『UFO学入門』(皆神龍太郎 楽工社)読了。

「自分は空飛ぶ円盤を見た」と信じている人。
これはまあ、罪の無い人。
人間の感覚や認識が、どれほどアテにならないものかは、大学の心理学の時間に少し習ったから、有り得ないものを「確かに
見た」と信じる人を特別に変な人とは思わない。

困るのは「宇宙人実在の証拠を手に入れた」と嘘をついて、人を騙す人。
単なるジョークやら、愉快犯、金目的……

詐欺師が金目的でやっている場合など、本気で騙すつもりでねつ造をするから「物的証拠」が出て来てしまう。
専門家が調べれば分かるだろうと思うかも知れないが、相手だって最初から騙す気で準備しているのだから、そうそう尻尾は
?ませない。
途中で少し変だと思いつつ、のらりくらりと誤摩化されているうちに、気がつけば騙された自分も別の人間を騙す「加害者」
の立場に。

もちろん、マスコミが騙されて報道してしまった例も多数ある。
昨日、朝鮮半島についての本を読んだばかりなので、どうしても「吉田証言」を思い出してしまうな。
本当に他人を騙すつもりで入念に準備された「嘘」を人はどこまで見抜けるのだろう?

UFOも歴史のねつ造も変な宗教も、たぶん「変だと気づいた時には、自分も加害者となっている」という仕組みが、事実の
発覚を遅らせてしまうのだろうな。

午後。
「はやぶさ2」の打ち上げ成功。

先代の「はやぶさ」の帰還の時は、マスコミが見向きもせず(何かのスポーツの試合の日でそっちの報道で忙しかったのだ)
結局、リアルタイムの帰還の様子がネット中継ぐらいでしか見られなかったのとはえらい違いだ。
(サーバの混雑で映像がブツ切れになっていたのを覚えている)

NHKの「あさイチ」という番組で「はやぶさ」の帰還がどのぐらいものすごいことなのかを語る柳澤解説委員を前に、司会
の井ノ原快彦氏が苦笑していたのを覚えている。
井ノ原氏は、特別に変わった感性の持ち主ではなさそうだから、彼の「大した事でもないのに、柳澤さんは何をそんなに興奮
しているんだ?」という態度は、あの時点での多くの日本人の感覚と、そうズレてはいなかったはず。

それが海外で話題になり、映画が作られ、リアルタイムでは放送されなかった「はやぶさ帰還」の映像が何度もテレビで流さ
れるようになったら、
「いやあ、あれは本当に感動だった」
とか、言い出した奴らが続出。

あと十何年かしたら「小惑星探査機はやぶさは、日本中の人がテレビの前で固唾を飲んで見守る中を帰還した」とかいう話が
ねつ造されてしまうのかも知れない。

夕方。
2号くんが家に来る。
「小説、進んでる?」
と、聞かれたので、
「今回、初めての恋愛小説に挑んでいるのだが、冒頭2行で止まってしまった」
と、答える。

たぶん、このままボツになるであろう崎田和香子初チャレンジの恋愛小説「初恋の終わり」冒頭2行は、以下の通り。

 その夏、一郎は自分の持っている一番強いクワガタ虫を贈った。
 和子は喜ばなかった。

……私は恋愛小説に向かないな。
寝る。

2014年12月2日(火)
朝。
「独り言」を更新しようとしたら、ファイルが壊れていて四苦八苦。
無料のソフトで作っているのがまずいのかな?

昼。
リブロへ。
『西原理恵子の人生画力対決』7巻と8巻(西原理恵子 小学館)
『そうだったのか! 朝鮮半島』(池上彰 集英社)
『ウドウロク』(有働由美子 新潮社)
『UFO入門』(皆神龍太郎 楽工社)
を買って帰る。

『西原理恵子の人生画力対決』は、タイトル通り漫画家の西原理恵子氏が、他の漫画家と「画力対決」というゲームを行い、
それを漫画にまとめたレポート。
「画力対決」というのは、SF大会で言う「おぼろげ絵画」。
要するに「みんなが良く知っているはずのものを何も見ないで絵に描いてみる」というゲーム。
出場者が発表した絵を、観客が審判となって多数決で「正解に一番似ている絵」を描いた人が勝ちとなる。
一説によれば、もともと漫画家が酒の席の遊びとして始めたものらしい。

「人生画力対決」は、プロの漫画家がファンの前でこのゲームを行うという企画。
うろ覚えで描いた絵を自分のファンの前に晒されるわけだから「漫画家人生を賭けた対決」という意味でそういうタイトルが
つけられたのだという話を聞いた事があるが、うろ覚えの話だから……(^^;

7巻の目玉は「名探偵コナン」の作者青山剛昌氏との対決。
(西原氏、青山氏の仕事場に取材に行き、サービスで「コナン」の原稿に自分の絵を描いたそうだ)

8巻目の目玉は萩尾望都先生。
西原理恵子氏の「ポーの一族」についての質問。
「ポーさんちは、働いてもいないのにしょっちゅう引っ越しするお金がどっさりあって、でっかいお城に住んでて、病気ない
し、死なねーし、毎日が超正月でラッキーなのに、何を毎日毎日めそめそしてるかね?」

萩尾望都先生の答え。
「それはね、人間の愛に未練があるんですよ」
(……同じ日本語を喋っていても、言葉が通じないことってあるんだなあ)

『そうだったのか! 朝鮮半島』
戦後の朝鮮半島の歴史を1冊の本にまとめたもの。
崎田は「韓国の方々が何をそんなに怒っていっらっしゃるのかがさっぱり分からない」ので購入。
読後の感想「なんとなくお気持ちは分かりましたが、ご主張を通すのはやはり無理な気が致します」。

そして提案。
とりあえず、日韓で用語の定義をするところから始めないか?
どうも「挺身隊」と「慰安婦」がごっちゃになっている様子。

NHKつながりで……というわけではないが買ってしまった『ウドウロク』。
アナウンサーとして活躍中の有働由美子さんのエッセイ。

傍目から見ると「才色兼備で大変に輝いている女性」なのだが、当人的には劣等感の強い人であるらしい。
たぶんこれは「貧乏性の金持ち」と同じ理屈で、「いまの自分はダメだ」と思っているから努力を続け、より一層、輝く人に
なっているということなのだろう。
困るのは、そんな劣等意識のせいで良い縁談があっても「こんな私なんか」と、つい断ってしまうということのようだ。

この辺、最近の若い人が結婚できない理由と重なっているように思える。
「妻子をちゃんと養っていく自信がないから結婚できません」という、アレ。
こういう人が「稼ぎが少ないので、僕の分も働いてくれる人と結婚しよう」と、頭を切り替えられたら、すぐに結婚できそう
な気がするのだけどな。

有働さんも「酔っぱらって全裸で寝ちゃう」のなら、「そんな私に毛布をかけてくれる人」とかを探せばいいのに。(笑)
全裸で寝ている有働アナに毛布をかけたい男、探せば大勢いる気がするのだが。

夕刊が届く。
関西大学東京センター長の竹内洋さんのエッセイ「パターンにはまる」。
スナックのママがあまり知り合いに似ていたので、思わずそのことを口にしたら「スナックのママをナンパした」という話に
なって広まり、いくら事実を言っても誰も信用しない。
そこで「ナンパしようと嘘をついた」と言うと納得された。

竹内さん、
〈人はパターンに即した物語が好きである。真実よりもおもしろさを求めている。そんな人情世態学の法則を体得したしだい
である〉
と、結んでいた。
よくネットに流れる「デマ」も、たぶんこの「パターンにはまる」物語なのだろうな。

『UFO入門』
目撃者が描いたという「UFO(未確認飛行物体)の絵」が、その後に確認された、その飛行物体の正体と似ても似つかな
いのは「画力対決」と同じ理由か?

民俗学の研究家に聞いた「河童の姿」の話を思い出したぞ。
ある地方で、夜中に水辺で奇妙な水音を聞いた者がいる。
その川だか池だかには、大きな魚など棲んでいないはずなのに、妙に大きな水音だった。

その話が村に広まり、やがて「俺も同じ音を聞いた」という者が現れ、そのうち「俺は暗闇の向こうに、そいつの姿を見た
ような気がする」という者も出て来る。

村人のひとりが何かの用事で江戸に出掛ける。
当時人気の江戸土産のひとつに「絵草紙」があった。
化け物の絵を描いた怪談ものも「絵草紙」の人気ジャンルのひとつ。
河童の絵を描いた「絵草紙」が村に持ち込まれる。

「お前が見たものは、ひょっとしてこの絵に描かれている河童じゃなかったか?」
河童の絵を見せられた「目撃者」は記憶を辿る。
「言われてみれば、なんだかこんな姿をしていたような気がする」
こうして、水音の正体は「河童の姿」をしていたことになってしまうのだ。

本を読んでいるうちに、眠くなった。
続きは明日にしよう。

寝る。

2014年12月1日(月)
今日から12月。

朝から雨が降っているので、傘を差して出勤。
私物の整理を済ませて1年半以上通った職場を後にする。
(もうこんな風に「お勤め」の仕事をすることはないのかもなあ……)

帰宅してメールをチェック。
RDの字幕も最終段階。
この間「まだDVD、出てないんですか?」と聞かれたが、いま作ってるんだから……(^^;

目下、字幕の詰めの確認作業中。
「検討中」だった訳文が会議を経て決定稿として出来上がっていく。
ちょっと嬉しかったのは「狂戦士(バーサーカー)」の訳語が通ったこと。
「狂」という字が「差別語では?」と、難色を示されたのだが「SFでは定訳なので」と頑張ったのだ。

少しずつ、完成に近づいていっている。
「宇宙船レッド・ドワーフ号」字幕を作っていて本当に面白い作品だと思ったので、マジで買って観て欲しい。

夜。
ツィッターの「知り合いかも知れないユーザー」に山寺宏一さんが入っていた。
私の複数の知り合いが山寺さんをフォローしているからだそうだ。
面白いのでフォローをポチってみる。

RDの仕事が完全に手を離れたら、オリジナルの新作を書くか、その前に同人本を出してみるか。
(同人誌イベント、以前は敬遠していたのだが、やってみたら以外と面白かったのだ)

明日は良い天気になりそうだ。
寝る。

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