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独 り 言 (2013年11月分)
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2013年11月30日(土)
休日。
中国による東シナ海に防空識別圏騒動。
よく分からないので少し調べてみた。(但し、ネットで)

まず「防空識別圏」について。
こういうものを中国が、一方的に勝手に策定して良いのか?
答え:良い。

なぜなら「防空識別圏」というものは、その名の通り防空のための「識別」を行うゾーンのことだから。
空を見て「あの飛行機、危ないかなあ? 危なくないかなあ?」と「識別」するのは各国の自由。
だから「防空識別圏」の策定は、中国が勝手にやって良いわけだ。
で、アメリカから非難されて中国は驚いたのだ。

では、なぜアメリカは非難したのか?
答え:中国が自国の防衛識別圏の内側の飛行に関し、他国に義務を負わせるルール(※)を作ってしまったから。

※中国が決めたルール
 中国の防衛識別圏の内側を飛行する航空機は事前にフライトプランを提出すること。
 無線通信ができる状態にしておくこと。
 中国側の指示に必ず従うこと。
 従わなければ防御的緊急処置対応をとる。

つまり、こんな話か?
「空を見上げてもいい?」
「もちろん、いいよ」
「じゃあ、私が見上げる空を飛ぶ航空機は、事前にフライトプランを提出して、無線通信ができる状態にしておいて、必ず
私の指示に従ってね。でないと緊急処置対応をとるよ」
「ふざけんなっ!」

なんで中国はこんな変な「ルール」を作ってしまったのか?
一部のブロガーは中国国防部が防衛識別圏が何であるかを勘違いしていたのではないかと推測していたが、本当のところは
よく分からない。

ただ、今回の騒動で「防衛識別圏」が何だか分かっていなかったのは、中国の国民も同じなようで、(これは変なルールを
公表してしまった中国国防部が悪いのだと思うが)中国政府は「「防衛識別圏内でアメリカがルール違反をしたのに、なぜ
何もしないんだ?」と、自国民から非難されているらしい。

そんなところで、今朝の朝刊(日経)の記事。
〈中国軍は29日、東シナ海上空に設けた防空識別圏(ADIZ〉に米軍機や自衛隊機が進入したため、中国軍機が緊急発
進(スクランブル)したと発表した〉

この件に関する日本側のコメントとしては……
「特別な事態は起きていない」(防衛省幹部)
「スクランブルと呼べるものなのかわからない」(自衛隊幹部)
「情報戦だろう」(政府関係者)

そんなわけで、日経の記事も、
〈国内向けにアピールする目的もあるとみられる〉
という書き方になっていた。

つまるところ、
「中国さんも変なことを言っちゃたせいで、自国民向けのパフォーマンスをしなくちゃならなくなって、苦労だのう」
みたいなところか?

……さて、今日は夕方から「アルカン生誕200年記念バースデイ・コンサート」に杉並の勤労福祉会館へ。
これが荻窪駅からバスに乗って行かなくてはならないという不便な場所。

地下鉄に乗って発車を待っていたら、知的障害らしいお嬢さんと、その母親らしき人が乗って来た。
お嬢さん、視線を上に向けてなにやらはしゃぎ出し、母親に「みっともないから!」とたしなめられている。
やがて2人とも座席に座ったが、お嬢さんは相変わらず上を向いてニコニコと、とても幸せそうな顔をしている。

(いい笑顔だなあ)
などと見ていると、2人は途中で降りて行ったのだが、降り際にお嬢さんが車内を振り返って天井付近に向かい、とびきり
の笑顔で手を振った。
つられて後ろを見上げると、そこにはジャニーズの桜井ナントカのいるグループのポスターが貼ってあったのだ。
どうやらお嬢さんはずっとこのポスターを見つめて微笑んでいたらしい。
ポスターの写真だけで、これだけ誰かを幸せにできるとは。
(イケメンは、すごいねえ)

副都心線から丸ノ内線へと乗り継いで荻窪駅前でバスの行き先表示を確認し、振り返ると!
そこに、例の見知らぬ御婦人が立っていた。
今日のコンサートは、一昨日の上野のコンサートの続き。
あっちに来ていた人が、こっちに来るのは当たり前。
彼女がここにいるのは論理的に考えて全く不自然なことではなく、よって喉まで飛び上がった私の心臓の反応の方が理不尽
なのだと考えるべきなのだとは思うが……
(ああ、びっくりしたぁっ!)

御婦人はバスで私の真後ろの席に座り、私の心臓の方は、ドキドキドキドキ……
いや、これは「恋」ではないぞ。( ̄▽ ̄|||)

初めての場所だったので余裕を見て行ったら早く着き過ぎてしまった。
どこかで時間を潰そうと、交番で喫茶店の場所を聞くと、お巡りさんは、
「喫茶店ね。ほら、あそこにキーコーヒーの看板が見えるよね? あそこはね、閉まっているんだよね。つまりこの辺には
入れる喫茶店は1軒もないの。お茶が飲みたかったら、勤労福祉会館の中に自動販売機があるから、そこで買って飲むしかないねえ」
と、大変丁寧に教えてくれたので、こちらも思わす微笑んでしまう。
(一生、交番で市民のために頑張ってねー!)

コンサート開始。
まず、解説のために司会者が舞台に上がる。
後ろの席の御婦人グループの方達、司会者のセリフにいちいち返事をしなくていいから……(笑)

ピアニストの菊地裕介さん。
私は彼のチラシの写真を撮ったカメラマンの腕に感心してしまった。
クールなイケメンが出て来るかと思ったら、ジャニーズの関西の方の丸山ナントカ(だっけ?)を、7割増で「負け顔」に
したような和み系の人が出て来たのだ。
(この人をどう撮ると、ああいう「クールな」写真になるのだろう?)

だから、演奏家は全員「クール」に撮らなくてはならないという法律はないのだから、これはこれで「和み系」のイメージ
でチラシを作るわけにはいかないのだろうか?
(ちなみに、演奏はハンパなく上手かった)

演奏の合間に司会者が出て来て、
「本当は、今日のコンサートを上野の文化会館でやりたかったのだけれど、アルカンでは文化会館は土曜の夜の書き入れ時
にはホールを貸してくれなくて……」
なんて話をする。

そして、トリは森下唯さん。
たぶん、いま日本で「アルカン特集」の演奏会に客を呼ぶには、この人がいなくてはダメなのだろう。
5本の指が体を離れて吹っ飛んで行ってしまいそうな勢いの演奏だった。

少女漫画のセリフ風に表現するならば、
「ああ、あなたすごいわ……まるでピアノを憎んでいるみたい……」
と、そんな感じか?(*^o^*)

当然、大盛り上がりでのうちにコンサートは終了し、バスと電車を乗り継いで帰宅。
帰り道で買ったホカ弁当を、録画しておいた「クロコーチ」を観ながら食べる。

留置場に入っていたラスボスが釈放されてしまい、反対に主人公が悪者に捕まって監禁されてしまうという話。
なんと言っても、受付のお姉さんが強かった。(^^)v

個人的なツボ。
戸次重幸が出ていた。
「霧に棲む悪魔」の時も思ったのだけれど、この人って「中ボス」をやらせたら上手いよね。

敵の側の仲間割れというありがちなパターンだが、裏切った側の動機が(次回語られることになるのだろうが)実に40年
間の心の闇の物語となりそうなので、安っぽくなっていない。
いいドラマだと思う。

……寝よう。

2013年11月29日(金)
朝。
ツィッターに目を通す。
私は『中国嫁日記』の著者である井上純一氏(中国在住)をフォローしているのだが、中国が今回設定した防空識別圏内を
韓国軍機や日本の自衛隊機が飛行したことについて、どうもCCTV中国中央電視台)のニュースでは、報道されていない
らしい。
興味深いのは、実際に中国で生活している井上氏の印象では、中国政府はアメリカが今回の防空識別圏の設定を非難すると
予想していなかったっぽいという話。
(あくまで「井上氏の印象」だが)

アメリカに非難されるようなことではないと思っていたのか?
それともアメリカは中東問題で手一杯だから口出しはしないはずと思っていたのか?

アメリカがすぐに反応して自国機を通過させ、韓国や日本もそれに続くというのは、中国政府から見たら「予想外」の結果
だったのだろうか?
日本からと中国からでは、違う「世界」が見えているのかなあ???

出勤。
空気が乾燥しているので、加湿器の水がすぐに空になる。

昼休みに20代の社員と世間話をしていて「帝銀事件」の話をしたら、
「そんなものは知らない」
と、言われて、ちょっと驚く。

「地元民でもないのに、そんな地方ニュースを知っているわけがないでしょ?」
と、言うので、
「じゃあ、『三億円事件』は?」
と、聞いたら、
「知ってますよ。当たり前でしょう」
という返事。

この違いは何なのだろうと興味深く思ったので、
「なぜ『帝銀事件』は知らないのに、『三億円事件』の方は知っているのですか?」
と、重ねて尋ねると、
「だって『三億円事件』は、漫画にもなっているし……」
と言う。

殺人事件である「帝銀事件」は、子供の読む漫画の題材として扱いにくいが、窃盗事件(「強奪事件」というのは誤り)で
ある「三億円事件」なら、さほど問題なく扱えるので、若い世代にとっても馴染みのある情報になるということか。

後世に伝えるべき情報は、若年世代の多くが利用している形に加工してメディアに乗せる必要があるのだな……
……と、理屈では納得しつつも「文章書き」の端くれとしては、なんか落ち込む。

夜。
メンサのY田先生と四谷のライブハウスにシャンソンを聴きに行く。
ワインとシャンソンを楽しみ、帰りに別の店で出演者と飲み直し。
Y田先生は、自分がギフテッドであることをカミングアウトしているので変に気を使わなくて済み、とてもアットホームな
雰囲気。

つい終電を逃してしまい。
タクシーで帰宅。
寝る。

2013年11月28日(木)
仕事を休んでゆっくり起きる。

昼から「アルカン生誕200年記念コンサート」へ。
今日はこのためにわざわざ仕事を休んだのだ。
会場は、東京文化会館小ホール。

池袋から山手線で17分。
上野駅の公園口を出ると真正面が東京文化会館の「楽屋口」。
いつも不思議なのだが、この建物どうして「楽屋口」を正面に付けた?
普通は、正面入り口は「玄関」だよなあ???

文化会館に入り、ホールに入る前にトイレに寄って出て来たら、今月の6日にすみだトリフォニーホールで声を掛けて来た
見知らぬ御婦人が、こちらを向いて目の前に立っている。
「また、お目にかかれて嬉しいわ」
と、御婦人。
(すいません、こちらはむしろ怖いんですけど……)

昼の部。
森下唯さん、相変わらずピアノを弾くアンドロイド。(注:褒め言葉です)
他に2人の女性ピアニストが演奏した。
実は私は唯さん以外のピアニストがアルカンを弾くのを聴くのは初めて。

司会の人の解説によると、日本ではアルカンを弾くピアニスト自体が少ないらしい。
(いい曲だと思うのになあ)

アルカンが曲を作った後にピアノという楽器に改良が加えられ、その結果、現在のピアノでアルカンを弾くには高度な技巧が
必要になるからだそうだ。
実はリストの曲もオリジナルは同様の問題を抱えていたのだが、リストはピアノの改良に合わせて、自分の曲を弾きやすく
書き直したのだそうだ。

で……
「改良」すると、なんで弾きにくくなるんだろう?

昼の部が終わったので、客席にいた森下一仁夫妻と一緒に食事に行く。
森下夫人によると、
「唯のピアノは、最近少し柔らかくなった」
のだそうだ。
言われてみると、以前はもう少し「力まかせ」という感じだったかなあ。

18時から夜の部。
開場して客を入れてからも調律が続けられていて、私は舞台の上でピアノの前板を外して鍵盤を引っ張り出して調律している
ところというのを初めて見た。

1番手は山田武彦さん。
両手にニャンコ手袋を嵌めての演奏は、見た目はお茶目だが指の動きを制限して(しかもルカンを)演奏するわけだから、
かなりの超絶テクニック。

トリの唯さんの演奏まで、アルカンのパンクな音楽に浸って帰宅。
家に帰ってからパンフレットを読んだところによると「アルカンは本棚の下敷きになって死んだ」という伝説は実は誤りで
実際には「アルカンは傘立ての下敷きになって死んだ」らしい。
……奥の深い話だ。

寝る。

2013年11月27日(水)
出勤。
お茶を冷茶から温かいお茶に切り替える。

午前中。
お茶を飲んでほっこりする。

昼。
肉野菜炒め定食を食べる。

午後。
20代らしいグループのお客様がご来店。
「若いのに、なんか礼儀正しくて、挨拶をきちんとして、物静かな連中だなあ?」
と、係長が首を傾げていた。
いや、それは良いことなのでは。(笑)

定時で帰宅。
「クロコーチ」の第7話をやっと観る。

警察組織を守るために秘密裏に暗躍する「桜吹雪会」と主人公である刑事の闘い。
敵のラスボス(たぶん)が、既に留置所内にいるというところが面白い。

今回でついに、主人公は「桜吹雪会」の創設メンバーのひとりに辿り着く。
昭和40年代の日本を「内戦状態」と言っているのは警察の側から見た主観的な表現かな?
その頃なら、私は新宿で普通に暮らしていたなあ。
(まあ、確かに楯を持ったお巡りさんは、道に立っていたけれどね)

昭和30年代を「三丁目の夕日」の世界だと思っている今の若い世代は、それが突然「内戦状態」の世界になったと言われ
たら、混乱するんじゃないかなあ……。
本当は昭和30年代は今より世の中が荒れていて、それに続く40年代も同様に今よりは荒れていたというだけなのだが。

今はねえ、本当に治安が良いからねえ。
若者は大人しくて、真面目で、みんな礼儀正しいし。
昔は、こんなじゃなかったよ。

……録画を見終わってニュースを見たら、
「中国が東シナ海に防空識別圏を設定した問題で、アメリカ政府が(日本時間の)26日にB52戦略爆撃機2機を圏内で
訓練飛行させ、その事実を公表」
だとか。

これはつまり中国が、
「ここは俺の陣地って決めたからな。通る時には俺にちゃんと断れよ。でないとひどいからな!」
と、言ったのに対して、アメリカが知らん顔をしてその中を通り、
「別に通ったけど中国は何もしなかったよ。みんな普通に通っちゃえ」
と、言ったという話か?

こういう結果は目に見えていたと思うのだが。
アメリカが通って平気なら日本も通るだろうし、韓国だって自国の近所でそんな風にして「陣地」を広げられたら困るだろう
から、たぶん同様の対応をするのではないかな。
中国は、何がしたかったのだろうね?

寝る。

2013年11月26日(火)
普通に出勤。
昼は中華屋で天津丼。

午後。
職場のラジオで国会中継を聴く。
「特定秘密保護法案」で揉めているようだ。

国家の機密を守るための法律は「国家公務員法」とか「自衛隊法」とか、いろいろあるのだけれど、今度の新しい法案が、
いままでの法律とどこがどう違って、なぜその部分が必要なのかという具体的なところが素人にはいまひとつ分からない。
(政治家も、分かっていて議論しているのかなあ?)

夕方。
定時で帰宅。

夜。
「クローズアップ現代」で、ウェアラブル・コンピューターについて特集していたので観る。
装着したコンピューターが、人間が見ているものを認識して指示を出すシステム。
これまで専門知識を持った看護師の業務だった手術用具の準備が、素人の派遣社員でも出来るようになったという。
判断を機械が行うということは、人間は機械の従属品か?

もうひとつ。
社員に装着させたウェアラブル・コンピューターによって昼休みの行動等も細かくデータ化。
「どの社員がどの社員と会話する時間が長いか」などのデータを集めて業績向上に役立てている例。
「あ、こいつ〈ぼっち〉だ」とか分かるわけか?
うちの職場で導入されたら、すげえ嫌だ。

なんか「宇宙船レッド・ドワーフ号」を思い出したな。
地球から300光年離れた空間で宇宙船が事故を起こし、たったひとりを残して乗員が死亡してしまったという設定のSF
ドラマ。
船内コンピューターは、乗員が孤独から精神状態に異常を来すのを防ぐために、死亡した乗員のデータから、どうにか人間
1人分の人格コピーを作り出して生き残りの人間の「パートナー」として再生させる。

この時にコンピューターが選択基準として利用したのが「会話の頻度」。
生き残りの乗員が最も会話を交わしていた相手を、彼の最良のパートナーと認識して選んだのだが、実際に再生されたのは
生前に彼と犬猿の仲で、口論の絶えなかった上司。
会話の頻度が高くても仲が良いとは限らないというオチ。

ネットのニュース。
小笠原の方に出来た新しい島が「ひょうたん型」になり始めたそうだ。
ひょっこり……

寝る。

2013年11月25日(月)
この秋初めてコートを着て出勤。

お仕事。
パンフレットに誤植があったとかで、二重線を引いて訂正する作業。

夕方、帰宅。
帰り道で雨に降られる。

録画しておいた「クロコーチ」5話と6話を観る。
警察の内部に警官の不祥事を揉み消す組織があるという設定のミステリー。
同じTBSのドラマ「安堂ロイド」は、未来の体制側の不祥事を暴く主人公の闘いを描くSF。
TBS、このところ警察の不祥事を扱うドラマが目立つな……。

9時から、やはりTBSの「こうのとりのゆりかご〜『赤ちゃんポスト』の6年間と救われた92の命の未来〜」を観る。
冒頭に、社会問題を取材したものの、プライバシーの問題があってドキュメンタリーとしては番組にするのが難しかったの
で、ドラマにしたという解説が入る。

ストーリー。
熊本のある病院で、捨て子を防ぐため、育てられない子供を妊娠した母親の電話相談という事業を行っていた。
しかし、相談件数は伸び悩み、捨て子の数は減らない。
そこで、生んだ子供をどうしても育てられない場合は、病院が生まれた子供を親の名前を聞かずに引き取るという制度を導
入する。
その結果、電話相談の件数がうなぎ上りに増えた。
そして実際に子供を病院に引き取って欲しいという親の数は、むしろ次第に減っていった。

この事業「生まれた子供を親の名前を聞かずに引き取る」という部分がセンセーショナルに取り上げられることが多くて、
かなり誤解されているようなのだが、本来の事業のキモは「捨て子を防ぐために、育てられない子供を妊娠した母親の相談
にのる」という方。

ドラマでは、子供を抱いて来た母親が看護師との相談した結果、自宅で子供を育てることにしたり、乳児院に預けつつ子供
を育てられる環境を整えるために努力することになったりといった「成功例」が紹介され、同時に「どうしても育てられな
子供」が養子先に紹介された例も紹介されていた。

もうひとつ重要なのは、この事業が実施された結果「簡単に子供を作って簡単に捨てる親」が増えたりはしなかったという
こと。
この辺を分かりやすく表現するために、ドラマでは主人公を看護部長という「女性」にしている。

男にとって新生児は、いわば「初対面の赤ん坊」だが、女の人にとっては「10ヶ月以上も自分の身体の中で育て、陣痛に
苦しんでやっと産んだ我が子」なのである。
思い入れが違うのだ。

現実に子供を「簡単に作る」などということが不可能な以上(繰り返すが子供をひとり作るには10ヶ月以上かかるのだ)
「簡単に子供を作って」などということは有り得ないし、そんなに苦労して胎内で育ててようやく産んだ子供を「簡単に捨
てる」ということもないはずだ。

ドラマは、人間の内面を深く読み取れるベテラン看護部長の視点で物語を進行させることで、強がって、あたかも「簡単に」
子供を捨てようとしているかのような態度を取る母親たちの隠された苦悩や葛藤にスポットを当てることに成功している。

もうひとつ上手いと思ったのは、看護部長の自分自身の娘とのエピソードをドラマに盛り込んだ点。
看護師としての仕事で忙しい彼女は「物理的には」我が子の傍にいられない。
それでも愛情で結ばれているわけで、この彼女の「母子関係」が、産んだ赤ん坊を病院に預けて行った母親たちと我が子と
の絆を暗示している。

このドラマ、今年の芸術祭に参加するのだそうだ。
(TBS、気合いを入れて作ったな)
出来れば何度か再放送をして欲しい作品。

寝る。

2013年11月24日(日)
午前中。
昨日の船舶用トランクが気になったので、中野区の歴史民俗資料館に電話して、引き取って貰えないか問い合わせる。
「担当者が不在」と言われたので連絡先を伝えて電話を切り、当の資料館に実際の展示品の状態を見に行ってみる。
(この程度の保存状態のもので良いのなら、うちの物置の品なんかはOKか?)
などと……。

午後。
民俗資料館の近くのガストで食事。
叔母の家にも、もう1度寄って、日が暮れてから帰宅する。

夜。
「安堂ロイド」を観る。
今回はキムタク演じる「ロイド」が故障してしまっているという設定で、なんとほぼ丸々1回分、主人公が意識不明の状態というかなり大胆な回。
キムタク目当てでチャンネルを合わせた人は、ガッカリしたかも知れないが、話がどんどんSFっぽくなって行くので、私個人としては嬉しい。

物語は、未来からやって来た「ロイド」の過去、つまり地球の未来を巡る謎の話。
アジア・アフリカ地域における人口増加を防ぐため、先進諸国の指導者達が考え出した計画と、その顛末。

文学系の方々には異論もあるかと思うが、私にとってはやはり「SFは絵だねぇ」なのである。
映像化されたSFを観るのは楽しい。

明日は仕事。
寝る。

2013年11月23日(土)
日経朝刊の1面にある記事のインデックス。
〈徳田議員から受領 猪瀬知事の5000万円〉の見出しに付けられた知事の写真が、見るからにふんぞり返った偉そうな
印象のものが選ばれていたことに笑う。
(この写真を選んだ担当者は、間違いなく猪瀬さんに悪意を持っているな……)

新聞の写真の選び方というのは面白い。
菅直人氏なんか、薬害エイズ事件のときの写真と民主党で総理大臣になってからの写真を見比べてみると笑えるよ。

昼。
いよいよ来週末に叔母の家が取り壊されることになったので、最後に家を見に行く。
子供の頃から、よく遊びに来ていた古い家。
改めて奥の方に入ると、いつの時代のものか分からない船舶用トランクを発見。
貴重な骨董品かも知れないが、持ち帰るには少し重い。

天袋を覗いて何やら大事そうに仕舞ってあったふろしき包みを開いてみたら……
うちの親父の小学生時代の通知表だった。
これは貴重な歴史的資料かと(?)持って帰ることに。

引き出しの中に叔母愛用の三角スケールを見つけ、お守り代わりにしようかとポケットに入れる。
(私の祖父は幾何学の教師だったはずなのだが、なぜ私は方向音痴なのだろう?)

帰宅。
トンカツを食べて、寝る。

2013年11月22日(金)
朝。
通常出勤。
昨日、一緒に飲んだ人の中には「身内の急な不幸」で遅刻して来る人もいりしたが(笑)、まあ、相変わらず長閑な職場。

午後。
窓口に来たお客様に、
「機械化したせいで手続きが面倒になった」
と、言われたので、
「そーですよねぇ!」
と、意気投合。
お客様、笑顔でお帰りになる。

機械の導入し始めは、大抵のケースでトラブルが続出する。
以前、メンサの手続きで、
「いままでは郵送で送って頂いていた書類を、スキャナーで取り込んでネットで送るお手軽なシステムに変更」
と、やられたことがある。

で、それまでは、「封筒に入れて近所のポストにポン!」だったものが、わざわざ時間を作って、スキャナーを置いてある
サービスセンターに出向いて、1時間以上もの順番待ちをして、使い慣れない機械と格闘し、安くない料金を払って紙1枚
分のデータをメディアにコピーして(このメディアもわざわざ買ったのだ)自宅のパソコンに落として、容量を気にしつつ
(当時、私が使っていた機械は旧型だったので)何度もやり直してようやく送信完了。
これまで1時間で済んでいた作業に、なんやかんやで3日がかりという羽目になったのだった。

今も「お手元のスマホからお手軽に」をやられるたびに、
「スマホなんか持ってねーよ!」
と突っ込みを入れる日々……。

夕方。
そろそろ帰ろうかと私物をカバンに放り込んでいたら、
「プリンターが壊れた」
と、内線。

なぜか私は職場のプリンターの修理屋だと思われているらしい。(^^;
(印刷屋で働いたことがあると履歴書に書いたせいだろうか?)

幸い簡単な紙詰まりだったので、そっちの方はすぐに片付いたのだが、
「プリンターの下に小銭を落とした」
という人が出て来て、
「ついでに」
と、言われる。

どういう「ついで」か分からないが、定規の先にガムテープを巻き付けて探ったら、百円玉が4枚もくっついて来た。
(残りの3枚は誰のだ?)

帰宅。
今夜は空想小説ワークショップの日。

新規受講者がいたので、本日は基本的注意。
「テキスト入稿の際のルビ文字指定のやり方」とか。

放課後の飲み会参加者は、黒崎先生を含めて8人。
先生が、
「今日はどうしてもみんなに『七人ミサキ』の話を聞いてもらいたいの」
と、言うので、みんなで聞く。

話というのは、黒崎先生のご主人が見たという「七人ミサキ」に関する怖い夢の話だったのだが……
話し終わった先生が、
「さあ、これで私は『7人の人間』に、この話を喋ったわ」
って、先生、それがオチですか?!(怖)
(誰か、私が黒崎先生から聞いてしまった「七人ミサキ」の話を聞いてくれる人はいませんか?)

家に帰って、寝る。

2013年11月21日(木)
テレビのニュースによると、小笠原の方に新しい島が出来たそうだ。
戦争しないで領土が増えちゃうのは、めでたいな。

朝。
今日は遅出と聞いていたので、ゆっくり起きてゆったりと朝風呂を楽しみ、念のため確認の電話を入れると、
「ああ、あれは俺の勘違いでした。あと5分して来なかったら電話しようかなと思っていたところで……」
慌てて出勤すると、
「あ、電話を切ったあとで、本当はやっぱり遅出だと分かったんですが、どうせ家を出ちゃった後だろうから連絡しないで
おきました」
と、言われた。
温厚な私としては珍しく机を叩いて正社員を怒鳴る。

昼になっても怒りが収まらなかったので、
「今日は時間をかけてネチネチと嫌味を言いたいので、一緒に食事に行きましょう」
と、正社員を誘い、「なか卯」で一緒に牛丼を食べる。

夕方。
当然、遅出の時間まで勤務。
当然、職場の人を誘って飲みに行く。

酒を飲んで機嫌が良くなったので、家に帰って、寝る。

2013年11月20日(水)
仕事は休み。
近所のスーパーに買い物に行き、帰宅して録画しておいた「安堂ロイド」を2週分、一気見。
誰が味方だか敵だか分からないのがこのドラマの面白いところで、話が分かりにくいと視聴者からは不評らしい。(笑)

「感情」を持たない旧式のアンドロイドだったロイドに、感情がインプットされ、いままで文字通り「機械的」に敵を殺害
していたロイドに「葛藤」が生まれる……と、話がますますSFに。

個人的なツボ。
演技する役者の映像にCGによる光線の映像を被せる演出がすごく良かった。
あれはたぶん、役者の演技だけだったら間抜けな映像になってしまったと思う。
実写ドラマのこういう映像加工は、今後、主流になっていくのだろうか?

夜。
「クローズアップ現代」は、中国特集。
「改革開放」で階級が生まれ、格差が深刻化している中国の現状のレポート。

考えてみると……
共産主義革命→経済の硬直化→改革開放→格差社会
修正資本主義→景気の低迷→規制緩和→格差社会
どこの国でも悩みは同じ。

格差社会がまずいのは経済的負の連鎖が起きて「下層」の人間が、努力しても上に上がれなくなるということ。
中国ではデモやテロが起きているらしい。
国民の不満を察知した為政者が、一般的にまずやることは、言論統制かな?
(事実、中国ではやっている)

自民党案の憲法前文が、中国のそれに似ているというのが昨日の朝刊のコラムの話題だったが、あんまり中国化して欲しく
ないなあ、日本政府には。
私は共産主義が嫌いなんだよな。

寝る。 

2013年11月19日(火)
日経朝刊の「春秋」というコラムに、憲法について書いてあった。
現行の日本国憲法の前文は、リンカーンのゲティスバーグ演説に似ているのだそうだ。
これは起草を主導したアメリカの影響だろう。

それに対して、いま論議されている自民党の憲法改正案の前文は中国の憲法に似ているのだそうだ。
自民党が目指す政府は、中国共産党政府なのか?

長年の自民党支持者としては、どうも最近の自民党の共産主義化が気になる。
下手すると日本共産党より自民党の方が中国共産党に近いことを言っている。
私が支持しているのは「自由主義的民主政治」の自由民主党なのだがな。
「自由民主党」という看板を掲げるからには「国民の自由」と「国民主権の政治」をまず第一に考えて憲法を作ってくれ。

出勤。
係長、「夜中にピンポンダッシュされて寝不足だ」と言って出勤して来た。
午前2時にピンポンダッシュ。
やる方もご苦労さんだなあ……。

午前中。
お茶を飲む。

午後。
お茶葉を買いに行く。

夕方。
定時で退社する。
(今日も充実した1日だった)

夜。
吹き矢の講習。
受付で、
「高齢者割引はご利用にならないのですか?」
と、また聞かれる。
そんなに人を「65歳以上」にしたいのなら年金をくれ。(笑)

的を1個破壊して帰宅。
ちょっと良い運動をした。

明日は仕事が休み。
家でお茶でも飲んでいよう。

寝る。

2013年11月18日(月)
朝。
まだコートはいらないかな、という気温。
11月も半ばを過ぎているのだが。

普通に出勤。
午前中。
事務所の蛍光灯がチカチカして来たので外す。
お茶を飲む。

午後。
外回りの仕事に出かけた人が、いつまで経っても戻って来ない。
何かトラブルでもあったのかと思っていたら、
「道に迷って、もう帰れないかと思った」
と、言いながら戻って来た。

どうやら方向音痴能力を発動してしまい、池袋近辺の道をグルグル回っていたらしい。
(身近な町で、意外な冒険!)
お茶を入れる。

夕方。
そんなこんなで定時で退社。

夜。
運動不足解消のため、少し散歩。
小劇場っぽいものを作っているのか、工事中の建物を見つける。
出来たら覗いてみようと思う。

家に帰って、寝る。

2013年11月17日(日)
明け方に、妙な夢を見た。
観劇のための行列に並んでいる夢。
三宅裕司とかの有名俳優が出る芝居で、前回はソールドアウトで見損なっての再チャレンジという夢中設定。
どうにか芝居小屋の中へ入れるのだが、これが横長の炬燵を挟んで役者と客が向かい合い、ときどき役者が客に話しかけて
は、そのやり取りを受けて芝居が展開して行くという実験演劇なのである。
(……なんでこんな夢を見たのだろう?)

昼からメンサ・テスト合格者の会例会。
佐藤編集長が「ストラディバリウスの音色」について語る。

ストラディバリウスのバイオリンは名器だと言われているが、実際にバイオリンの専門家を集めて目隠しテストで聴き比べ
を行ったところ、ストラディバリウスより最近製作されたバイオリンの音の方を「良い音だ」と言った人の方が多かったの
だとか。

しかし演奏者はストラディバリウスの音色の方が良いと言う。
広いコンサート会場では、ストラディバリウスの音は会場の隅々にまで飛んで行くように聞こえるのだそうだ。
そこで音の指向性テスト。
その結果、他のバイオリンは周囲にまんべんなく音が広がるのに対して、ストラディバリウスのバイオリンの音には指向性
があることが判明する。

で、実際にストラディバリウスのバイオリンの音というのを動画サイトで探して聴いてみたのだが、パソコンのスピーカー
の再現力の問題か、私の耳の問題か、どちらも同じキーキーという音にしか聞こえなかった。

例会終了後。
いつもの天狗で飲み会。

家に帰ってドラマ「ハクション大魔王」を観る。
1969年〜1970年にテレビ放映されたアニメの実写化。
壷の中から出て来た魔法使いが願いを叶えてくれるという話だが、魔法使いは呼び出したいと思った時ではなく、くしゃみ
をした時に出て来る上、性格がドジで……というコメディ。
マンガ的表現を多用した演出は、現実離れした設定の不自然さを感じさせないようにする工夫だろうな?

「お父さんみたいにならないように勉強しなさい」と叱る母親に、団結して大人と闘う子供たち……。
懐かしい昭和の風景である。(ドラマの設定上は「現代」ということになっているらしいが)

親は当然のように子の世代が自分たちより良いものになることを期待し、子も自分たちの力を信じていた。
親子が揃って明るい未来を見つめていた時代へのノスタルジーを感じてしまった。

夜。
サイトのトップページが消えているとの書き込みが「掲示板」にあったので、確認したら本当になくなっていた。
原因不明。
慌ててUPし直す。(ながとさん、ありがとうございました)

ひとつだけ気になった点。
主人公のカンちゃんの家が立派過ぎる。
あれでは「うだつの上がらないサラリーマン」の家に見えないぞ。(笑)

さて、明日は仕事なので、そろそろ寝る。

2013年11月16日(土)
朝。
先月から佐藤編集長と一緒に行こうと計画していた入間の楽器博物館へ出かけるため、9時前に家を出る。

西武線の急行に乗って仏子(ぶし)という駅まで。
西武池袋線は、池袋と埼玉県を結ぶ路線。
窓から見える風景が、その辺の町から緑豊かな田園へと変わって行くのが面白い。
ススキの生い茂る地域が見えて、2号くんが見たら狂喜乱舞するのではないかと思った。

2号くん、中学生ぐらいのときに、
「ススキというのは、実在する植物なのか?」
と、聞いて来たので、電車に乗って2人で「実在するススキ」を見に公園まで行ったことがある。

「剣の形をしていて本当に刃物になっている葉を持つ植物」の話をどこかで聞いて、ファンタジーか何かの創作かと思った
らしい。
公園中を探して、やっと一株のススキを見つけて、その葉で物が切れることを確認したのを覚えている。
ただ季節が違っていたので、2号くんはススキが秋にはこんなに美しい銀色の穂を持つ植物であることは知らないだろう。

入間市。
子供の頃、親父の勤務先がここだったので、夏になると家族でそこを訪ねたのを覚えている。
ヒバリという鳥がいて、なぜか木の上ではなく地面に巣を作る。
子供心にも随分と不用心な鳥だと思ったものだ。

電車はその名も「ひばりが丘」という駅を過ぎる。
隣で佐藤編集長が「ヒバリーヒルズ」と、渾身のギャグを言っていたが聞こえない振りをした。

仏子駅。
駅前で道を聞いたら、
「その道を行ってあの山を登れば……」
と、教えてくれる。
後半にやや不安を覚えつつも「武蔵野音楽大学楽器博物館」へ。

道路を渡り、坂道を上る。
人気がない。
「なぜ誰もいないのだ?」
「我々が知らないうちに人類が滅亡したのでは?」
などと不安に駆られているうちに正門の受付に着く。

退職警官みたいな雰囲気の警備員が、
「博物館の場所は知ってるの?」
と、聞くので、
「知らない」
と、答えるとコピーした地図に線を描いて、
「この通りに行けば着くから」
と、渡してくれたのは良いが、
「じゃあ、頑張ってね」
の一言が、どうもひっかかり、
「頑張らないと行けないようなところなんですか?」
と、聞くと、
「いや……紅葉を楽しみながら行って下さい」
と、謎の答え。

何か腑に落ちないものを感じつつ、2人で教えられた通りの道を歩き出す。
正門から校舎や寮の建て並ぶ通路を抜けて博物館の建物まで……の道は、九十九折の急な山道。
道の左右は生い茂る林。
「ここは元獣道か?」
「私が推測するに獣道ですらなかっただろう」

駅から近くて土地が安く、音を出しても周囲から苦情が来ない。
音楽大学としては理想の立地条件だったのだろうな。

なんやかんやで、博物館に到着。
1階は、ピアノや鍵盤楽器の展示室。
「展示」と言うと、普通は広い展示室に展示物がポツポツと置かれているのを想像するが、ここは違った。
展示物が部屋中にギッチリ並べられている。
「展示物には手を触れないで下さい」と注意書きがあったが、通路はほとんど展示物の間をすり抜ける形。
(太った人だと、展示物に触れずにここを通るのは難しいかも)

展示物の点数の多さには、ともかく圧倒された。
「これは、博物館と言うより物置やな」
と、佐藤編集長。

建物は3階まであって、邦楽楽器やアフリカの民族楽器に混じって入間市消防署から寄贈されたという「半鐘」まで展示さ
れていた。
「『寄贈』ねぇ……」
と、佐藤編集長、苦笑い。
「こレは『寄贈品」ではなく、単なる『不要品』ではないか?」
……などと。

しかし白眉はやはりミュージカルソー用の「楽器」だというノコギリ。
「これは、『ノコギリ』やな」
「うん。どこからどう見ても普通の『ノコギリ』だ」

ともかくクララ・シューマン愛用のピアノやら、ナポレオン3世の結婚祝いにヴィクトリア女王から贈られたピアノとかと
一緒に「なんじゃこりゃ」というようなもの平気で陳列されているのがスゴイ!

鍵盤楽器コーナーで私の目を引いたのは、ヤンコ・ピアノ。
1882年に数学者のヤンコが考案したそれまでのピアノと違った非常に合理的なキー配列のピアノ。
非常に数学的で合理的だったが「馴染んだキー配列と違う」という理由で、結局、普及はしなかった。

パソコンのキー配列(操作性から考えると不合理なタイプライター以来のQWERTY配列が「馴染みがある」という理由で
採用されている)の歴史に似ていて興味深かった。
一般に人間は「馴染みがあるもの」と「合理的なもの」では「馴染みがあるもの」の方を選ぶものなのだな。

もうひとつ気に入ったもの。
ハープ・ピアノ。
ハープに鍵盤をつけて演奏を楽にしたもの。
こういう「改良」を考える人の発想って好き。

佐藤編集長が、弦楽器のコーナーでハープを見つけ、
「入間の竪琴」
と、人生を賭けたギャグを言っていたので、静かにその場を立ち去る。

出口でパンフレットを買って(1巻と2巻があって、各1500円)、近所のレストランを聞いたら、
「学食があります」
との返事。
音楽大学の付属高校の生徒らしき高校生が食事をとっていた。
ランチは焼き肉定食で、1人前450円。
まあ、妥当。

それにしても、こんな山の上の学校の寮で生活している子供達は、池袋の学校に通う高校生なんかと比べると、人生感から
違って来ちゃうんじゃないかなあ?
(ビルの谷間で暮らす子供たちにとって、世界は見上げるものだが、ここでは世界は見下ろすもの)

それはさておき、食堂で見かけた貼り紙、
「食堂で持ち込み容器にご飯を入れて持ち出したり、おにぎりを作ったり、パンにおかずをはさんでサンドウィッチにした
りして持ち出すことは食中毒の原因になります。絶対にやめましょう!」
これには笑った。
(いろいろ考えるものなのだな、寮生たち)

帰り道。
来た道の隣に下りの細い道を発見。
「別に急ぐわけでもないし」
と、探検してみることに。

2人で道を下って行くと、あっと言う間に正門に着いた。
振り返ると、そこには「近道」の文字。
(???)
すぐに正門の受付に行ってみたが、さっき道を教えてくれた警備員の姿は消えていた。
残念ながら紅葉を楽しむゆとりはなかったぞ、警備員!(笑)

池袋へ戻り、今週、佐藤編集長の誕生日があったので「祝うてやろう」と、酒宴を開く。
帰宅。
寝ようかと思った頃に、地震。

 時刻:20時44分頃
 震源:千葉県北西部(北緯35.6度 東経140.2度)
 深さ:約90km
 震源:マグニチュード5.4

気象庁のサイトを見たら、東京23区では、22の区が「震度3」で、豊島区だけが、なぜか「震度3」。
なぜ23区中、豊島区だけがピンポイントで揺れが小さい?
(豊島区の震度計が壊れているじゃないだろうなあ???)
などと不安に思いつつ、寝る。

2013年11月15日(金)
雨は降っていないので、自転車で出勤。
(キコキコ変な音がするので、油を注さないといけないな……)

出勤途中でうちの社員さんに会う。
近所のドトールで、いつも資格試験の勉強をしているのだと言うので、
「何の資格ですか?」
と、聞いたら、石切り場の現場責任者だそうだ。
「火薬の取り扱い者の資格も持っていて、発破も扱えます。次は砂利の採掘の資格を……」

「何か仕事に必要で?」
と、聞いたら、
「私は事務屋ですから」
って、そうだよなあ。

「何か趣味に使うとか?」
と、聞いたら、
「ぜんぜん……」
と、言うので、
「分かりました。あなたはオタクです」
と、オタク認定して差し上げる。

午前中。
お客様が来て、道を聞いて帰った。
外は雨が降り出したらしい。

昼。
パンを買いに外に出たら、少し雨が降っていた。

ニュースを見る。
特定秘密保護法案について。
いつも不思議に思うのだが、なぜこの法案の担当大臣が「少子化対策担当大臣」なのだ?

ところで機密保持に関する法律というと、国家公務員法や地方公務員法、自衛隊法等々、日本にはいっぱいあるのだけれど
今回の法案がそれとどう違うのか、詳しく知っている人がいたら教えて下さい。

午後。
お茶を飲む。
ちなみに隣の席の人は、リンゴジュースを飲んでいた。

夕方。
雨は止んでいた。

夜。
六行会ホールへ《RELAX》の「A Study in RED RUM(紅い糖蜜酒の研究)」を観に行く。
若手の多い舞台だった。
戸部さん、演劇のワークショップを始めたらしい。

主人公は「ホームズ」という名前なのにヘボな探偵。
今日も迷子の猫探しなどというしょうもない仕事をしている。
彼の兄は監察医、姉は弁護士。
優秀な兄弟の中で、自分だけ何の才能にも恵まれていないと嘆く主人公だが、実は彼には誰からも愛されるという自分でも
気づいていない才能があった。
誰からも愛され、限りなく善良な「ホームズ」。
その彼の前に「モリアーティー」という渾名の男が現れる。
この男は数学の天才で、実は「殺人の研究(A Study in MURDER)」を行っているのだった。

主人公の周囲で次々に起こる「犯人が悪人である殺人事件」。
その陰では「モリアーティー」が糸を引いていた。
自分の研究のため、限りなく善良な「ホームズ」を殺人者にする実験を行おうとする「モリアーティー」。
その仕掛けた罠とは……

戸部公爾さん、今回は主人公の兄の監察医の役。
「モリアーティー」は、飛田展男さん。

「Good Guy シリーズ」というのの、今回は第1回らしい。
……というわけで、善良な男(Good Guy)である「ホームズ」と、悪の天才「モリアーティー」との対決を描くシリーズ
が、今後も続くらしい。
第2回は、来年の11月。
テレビドラマと違って、インターバルが長い。(笑)
設定が面白い作品なので、今後も楽しみに見て行こうと思う。

家に帰って、寝る。

2013年11月14日(木)
微妙に風邪が残っていて、息苦しいせいか夢見が悪い。

朝。
布団を出たら寒かったので、湯船のお湯で体を温める。
それでも寒いので早めに出社。
「早いですね」
と、言われたので、
「貧乏なので、自宅にいると寒いのです」
と、答えたら笑われた。

午前中。
社員さんの忘れ物を届ける。

午後。
お茶を飲みながらヒヨドリの鳴く声を聞く。

夕方。
自転車で帰るのにライトを点ける季節になったのだな……などとしみじみと。

帰宅。
コンビニで買った肉まんを食べる。

11月も半ばなので、そろそろコートを出そうか。
(しかし、どこに仕舞ったかな?)

あっちこっちゴソゴソしてとりあえず、丹前を発見。
まだまだ部屋でストーブを点ける必要はなさそうだ。

体調がイマイチなので、そろそろ寝る。

2013年11月13日(水)
仕事が休みなので郵便局へ。
東京芸術劇場内郵便局へ行こうと建物に入ったら、エントランスに空気で膨らませた巨大オブジェが飾ってあった。
変な怪物の形のオブジェ。
どのぐらい巨大かと言うと、足元が地下にあり、そこから吹き抜けを通って頭は5階のコンサートホール辺りに見える。

怪物の顔は龍というか獅子舞というか、わけの分からないものになっていて、後ろが羊というかパーマのおばちゃんの後ろ
頭というか、やっぱりわけの分からないものになっている。
これが地下からウニョニョッと伸びた胴体の上にくっついているのだ。
(野田秀樹のシュミか?)

郵便局を出て東口へ回り、ビックカメラへ。
地下の奥の方のカウンターでヒマそうにしている店員に売り場を尋ねたら、
「左側です」
と、自分の左側を指差した。

カウンター越しに対面した客に道を教える時には、普通「相手側から見た左右」で言わないか?
接客の研修で習う基本だと思うのだが。
(だからこの人はこんな目立たないカウンターでヒマそうにしていたのだろうか?)

リブロへ。
……気がつくと1万円近くも本を買っていた。
危険を感じて、慌てて店を離れる。

QBハウスへ行って髪を切る。
隣の席の客がやたらに理容師に話しかけ、挙げ句にチップを渡そうとして相手を困惑させていた。
「いいから、お前さんの働きなんだからとっとけ!」
って……
自分の知っている「床屋」と、この店のやり方が違うのに、最後まで納得できないようだった。

帰宅。
買って来た本『質量はどのように生まれるのか』(橋本省二 講談社ブルーバックス)を読む。
橋本さん、自分が自分が書いていることをちゃんと理解しているのか?
本筋と関係のないエピソードで無駄に笑いととろうとするところが嫌。
1/3ぐらい読んだ感想では、ちょっとイマイチな感じ。

とりあえず、今夜のナイトキャップはこれにしよう。
寝る。

2013年11月12日(火)
朝。
寝坊したが、今日は10時出勤なので少しも動じず朝風呂にまで入って余裕で出社。
風邪はだいぶ良くなったが、鼻の奥が乾く感じがして不快なので加湿器をフル稼働。

午前中。
本日のお仕事、その1。
図面を1枚PC入力。

カンペを鉛筆書きして見ながらやっていたら、
「この鉛筆で書いてある暗号みたいなのは何ですか?」
と、聞かれたので、
「その暗号を謎の機関に知られると人類が滅亡するので極秘にしておいてください」
と、答えて誤摩化す。

昼。
「非メガネくん」の机の上にチョコ菓子を1袋置いてみたところ、しばらくモシャモシャ食べてから、
「ああッ、これは危険だ!」
と、叫んで袋を休憩コーナーに持って来たので、彼が自制心を持った立派な若者であることが判明する。

午後。
本日のお仕事、その2。
スーパーへ行ってクリープを買う。

夕方。
5時に退社。

テレビを観て、寝る。

2013年11月11日(月)
朝。
咳やクシャミの症状がなく、とりあえず他人に風邪を伝染す心配は少なそうなので通常通り出勤する。
頭の中で、悪い小人さんが「はいほーはいほー」と歌っている。

午前中のお仕事。
除湿器をダンボール箱に入れて倉庫に仕舞う。

昼休み。
除湿器のタンクを事務室の机の上で発見。
悪い小人さんの仕業だ。

午後。
どうにか体調、復活。

なぜだか突然どしゃぶりになり、ものすごい風が吹き出した。
「この嵐は崎田さんが呼んだんですか?」
と、意味不明の質問をされる。

ギリギリセーフで雨が降り出す前に外回りから戻って来た「非メガネくん」、もうひとつ「セーフ」な話をしてくれる。
「昼休みに会社の自転車を借りて近所のラーメン屋に行ったんですけどね。午後に仕事で同じ自転車を使ったら、前カゴに
自分の財布が入っていました」
悪い小人さんが、増殖中のようだ。
(それにしても、池袋が治安の良い街でよかったね)

夕方。
すっかり雨も上がったので、定時で帰宅。
録画しておいた「ワンス・アポン・ア・タイム」を観る。

おとぎの国の物語。
闇の魔王ルンペルシュテルツキンが、以前はとても良い人だったという話。
貧しい父親であるルンペルシュテルツキンは、横暴な王から愛する息子を守るために国からの逃亡を企てるが……

現代の物語。
保安官選挙に出ることになったヒロイン、エマは、自分が未成年の時代に服役していたことをライバル候補の新聞社にすっ
ぱ抜かれてピンチに陥る。
なぜか悪人のはずのゴールド(ルンペルシュテルツキン)が支援を申し出て来る。
直後に庁舎で火事があり、町長を救い出したエマは一躍町の英雄に。
しかし、この火事は放火であり、火をつけたのはゴールドだった。
それを知ったエマは……。

ヒロインが単純な罠には引っかからないところが良いな。
さて、今夜は早めに寝よう。

2013年11月10日(日)
目を覚ますと喉が猛烈に痛くて明らかに発熱している。
でも、今日は青海でサイエンスアゴラがあるのだ。

風邪薬を飲んで支度をしていたら、ビィーと低い振動を感じた。
 時刻:7時37分
 震源:茨城県南部(北緯36.0度 東経140.1度)
 深さ:約70km
 規模:マグニチュード5.5
最大震度は、茨城県筑西市の「震度5弱」だそうだ。
豊島区は震度3。
結構、大きい揺れ。

9時頃に家を出て都立産業技術研究センターへ。
今日はここでSF文学振興会がブースを取っているのだ。

地下鉄で豊洲まで。
駅のホームで自販機の下を懐中電灯で覗き込んでいる謎の人を目撃。
落とし物でもしたのかと思ったが、見たらコンベックスを伸ばして奥の方に落ちている小銭をかき出しては拾っている。
風邪をひいている私の鼻にも分かる程度にホームレスっぽい体臭がする。

地下鉄(東京メトロ)のホームに降りるには乗車券が必要なはず。
自販機の小銭を集めると、乗車料金を支払っても黒字になるのだろうか?
聞いてみたいと思ったのだが、謎の人は私と目が合うなりそそくさと向こうへ行ってしまった。
「お仕事」の邪魔をしてしまって、悪いことをしたかな。

豊洲からゆりかもめに乗り換えてテレコムセンター駅へ。
この車内から見える風景は近未来的で、むかし呼んだSF小説の挿絵を連想させる。

会場到着。
本日はビブリオバトルを行う予定なのだが、まだ午前中で客が少ないのでデモンストレーションのみ。

昼近くになって、風邪薬の効き目が切れて来たので「早退」。
せっかくのサイエンスアゴラだったのに……。
家に帰ってうどんを食べて、寝る。

2013年11月9日(土)
なんだか嫌な夢を見た気がする。
風邪でもひいたか?

午後。
昼から来年のSF大会のスタッフ会議で人形町へ。

今日は会議に見学者が1名。
若い漫画家の卵を支援する活動をしているNPO法人の方。
漫画家を志して上京した若者に3年間の期限付きで格安で部屋を提供する事業を行っているのだそうだ。
「期限なしでいつまでも居られても困りますよね」
と言ったら、逆に3年経つ前に諦めて出て行く人が大半なのだそうだ。

会議を見学した理由は、SF大会の運営システムに興味を持ったからだそうだ。
「毎年新たにスタッフを集めて新しく実行委員会を立ち上げるんですね」
と、驚かれる。
確かにこれだけ大勢の人数(来年の大会だと推定1000人程度か?)を動かす団体が年ごとに立ち上げられ、責任者も、
メンバーも、運営の方法もその年ごとに違っているというのは珍しいのかも。

NPO法人の方、「スタッフそれぞれガ責任を持って会議に参加し、積極的に発言する姿」に感銘を受けたそうだが、
「え? 俺たち、司会のK合くんをイジって楽しんでただけだけど???」
うん、そうだったよね。(笑)

会議終了後は宴会。
焼酎の一升瓶を空にして帰宅。

寝る。

2013年11月8日(金)
朝。
普通に出勤。

午前中。
会議の準備。

昼休み。
「非メガネくん」から夕べ夢で「別の世界」に行った話を聞かされる。
彼はよく「別の自分」になった夢というのを見るのだそうだ。

「夕べの夢では、俺は大学を留年した挙げ句にニートになっているんですよね」
と、言うので、
「きっとそっちがあなたの本当の人生で、いまは夢の中にいるのですよ」
と、言うと、
「そうか、俺は大学を卒業して就職できた夢を見ているニートだったのか」
と、納得(?)していたので、
「楽しい夢は、もうじき覚めますよ」
と、言ってみる。

午後。
「非メガネくん」、鼻血を出す。
「最近、鼻血がよく出るんです」
と、言うので、医者に行くように勧めたら病院に予約の電話を入れていた。

夕方。
休憩コーナーのチョコ菓子が大量に減っているのに気づく。
(そう言えば「非メガネくん」は、先週買ったこのチョコ菓子をとても気に入っていたな……)
と思ったが、深く考えずに帰宅する。

夜。
空想小説ワークショップ。

講座が始まる前の待ち時間に、自習コーナーで超弦理論についてノートにまとめる。
「グラスマン数の座標を考えると、弦理論にフェルミオンも含めることができるようになる」という理屈がいまひとつ理解
できない。

ええと……
普通の数のかけ算は、同じ数を無限にかけ続けることが出来る。
同じ状態にいくらでも粒子を詰め込むことが出来るボゾンの性質は、この普通の数の性質に由来する。

そして、フェルミオンの複数の粒子がを同じ状態を占めることが出来ないという性質は、1回かけるとそれで終わり(ゼロ
になってしまう)グラスマン数の性質に由来する。
……って、何を言っているのか分かる?

【無用の知識】
 グラスマン数:
 同じ数(θ)同士をかけて答えがゼロになるという数。
  θ×θ=0

 弦理論:
 俗に「ひも理論」とも言う。
 物質の最小単位である素粒子を点ではなく振動する弦であると考える理論。
 但し、この理論で説明されている素粒子はボゾンのみ。
 フェルミオンについても含んだ理論が「超弦理論」。

 フェルミオン:
 物質の元になる素粒子。
 ちなみに、力を伝える素粒子はボゾンと言い、例えば電磁気力を伝える光子の数が多いほど磁石が強くなるというように
 ボゾンの数が多いほど力は強くなる。
 
空想小説ワークショップ。
本日は川又先生の代講の黒崎先生代講で川又先生の講義。
(お二人とも忙しいらしい)

講談本の文体に慣れていた大正期の子供にとって言文一致体(口語体)の文章は却って読みづらかったようで、当時は子供
向けにわざわざ文語体で読み物を書いていたらしい。

現在では言文一致体の文章に慣れた若年層のために「舞姫」や「山月記」の口語訳というのが出ているそうだ。
(どっちも読めるようにしておこうよ)

放課後の飲み会。
夏に翻訳したゴドウィン本、1冊売れる。

「同じ職場の人が、よく夢の中でパラレルワールドを旅行しているらしいのです」
と言うと、
「楽しい職場で良いですね。うちの職場はごく普通の平凡な連中ばっかりで」
と、羨ましがられる。
(ごく普通で平凡な人生って、結構楽しいと思うけどな)

帰宅。
今日は職場と自宅を往復して、夜に酒を飲んだ。

寝る。

2013年11月7日(木)
雨。
この間、通販で買った長靴を履いて出勤。
少しカポカポするので、次は厚手の靴下を履こう。

午前中。
インデックスラベルを6種類作る。

28日の昼に森下唯さんの出るコンサートが上野であるので、休暇を申請する。
「係長、28日に会社を休んでいいですか?」
「別に暇だからいいよ」
即決。
うちの職場はこういう対応が迅速なのがとてもいい。

昼。
雨は止んでしまった。

午後。
鉛筆を7本削る。

夕方。
定時で退社。
長靴をビニール袋に入れて持って帰る。

帰宅。
職場に傘を忘れて来たことに気づく。

28日のコンサートのチケットを電話で予約。
電話に出た人に、
「セブンイレブンで買った方が簡単ですよ」
とアドバイスされる。
「手数料は同じですか?」
「いや、うちで予約した方が安いです」
……電話で予約する。

夜。
ゴドウィンの未訳作品をネットで見つけたので、翻訳ソフトを使って読む。
英語がまったく読めなくても英文作品が読める良い時代。

寝る。

2013年11月6日(水)
仕事が休みなので7時過ぎに起床。

午前中。
民放の番組で、アニメ「サーバント×サービス」の特集をやっていたのでぼんやりと見てから朝食。
チーズトーストを食べる。

午後。
年末調整関係の書類をのんびりと書いて、チーズトーストを食べる。

夕方。
(日が暮れるのが早くなったなー)
……などと思いつつ、なんとなく手帖を確認したら、本日7時からすみだトリフォニーホールで森下唯ピアノ・リサイタル
の予定が入っていた。

すでに時刻は5時を回っている。
とりあえずシャワーを浴びて服を着替え、地下鉄に乗ったのが6時前。
錦糸町駅で道に迷い、トリフォニーホールの建物の中で、やっぱり道に迷って会場の入り口に辿り着いた時には、既に列が
動き出していた。
ホールに入ると、最前列の舞台から見て右手側の席が次々に埋まっていくところ(全席自由なので)。
慌てて座席を確保したのだが「指の見える席」は、ギリギリで埋まってしまっていた。
やはり森下唯さんのピアノ演奏は「観る」ものなのだな。(笑)

エントランスで森下一仁先生に挨拶していたら、サイコドクターを見かける。
(客席に戻ってから気づいたのだが、サイコドクター、私の真後ろの席だった)

見知らぬ御婦人に、
「前回の唯さんのリサイタルには来ていなかったけれど、どうしたの?」
と質問される。
(チェックされているのか?)

時間通りに開演。
・ドイツ風メヌエット 作品46

・すべての長調による12のエチュード 作品35より 第7番「隣村の火事」
 長閑な村で火事が起こり消防隊が奮闘して消し止める……という物語をピアノの曲で表現したもの。
 ストーリーがあるので、音楽が苦手で聞いても分からないという人でも映画を観る感覚で楽しめる曲だと思う。

・悲愴な様式による3つの曲 作品15
 1.我を愛せよ
 2.風
 3.死んだ女
 この3曲、パンフレットによると譜面に発想記号(音の強弱やスラー、スタッカートなどの演奏上の指示)が一切書かれ  
 ていないのだそうで〈シューマンはそれを音楽が皮相的(悲愴ではなく!)な証拠と捉え、辛辣な批評を加えているが、
 しかしリストは実際に演奏した上で賛辞を惜しまなかった〉というものだそうだ。
 「譜面を見ても分からないが、弾いてみれば分かる曲」らしい。
 
15分間の休憩。
バラライカさんを見かける。
今年のSF大会スタッフだった方を見かける。
早川書房の編集者の……
ここはそういうところか?(笑)

後半。
・歌曲集 第5集作品70
 1.「小二重唱」:十分にゆっくりと
 2.アンダンティネット
 3.アレグロ・ヴィヴィアーチェ
 4.「楽器の声」
 5.「合唱的スケルツォ」:プレスティッシモ
   回顧ーー推移、あるいは次曲への序奏の代わりに

 6.「舟歌」:アンダンテ・フレービレ

・すべての長調による12のエチュード 作品35より第3番、第8番
 この曲は、演奏者を間近に見ながら聴いた方が面白い。

・スケルツォ・フォコーゾ 作品34
 超絶技巧の曲。
 ともかく1度聴け。

最後の曲が終わって客席から「ブラボー!」の声がかり、唯さんは一旦ひっこんでから、当然のようにまた出て来る。
小さな曲をひとつ演奏し、そんなもので収まるものではないから、また舞台に呼び戻される。

ここでサプライズ。
「シメのスケルツォにお聞き苦しいところがありましたので」
と、どうやら自身が納得できる演奏ではなかったようであの難曲を「弾き直し」するというのだ。
客席、当然のように大盛り上がり。

で、「スケルツォ・フォコーゾ」弾き直し。
申し訳ないが私には、さっきの演奏の何がアカンかったのかが分からない。

客席が盛り上がったまま、終演となり、外に出ようとしたらK原くんに会う。
「ピアニート公爵はつくばに呼べるかなあ?」
と、言ってみたら、
「調律予算と貼り付きスタッフ1名と、4時間程度完全に占領できる音響のちゃんとした部屋が確保できるならば」
との返事。
(ハードル、高いなあ)

JRと地下鉄で池袋に戻る。
10時半頃、商店街の路上で鳥を見かける。

(ハトにしちゃでかいな???)
と、よく見ると足には水かき。
海鳥のようだ。
でも,体は黒っぽくて羽がよく生え揃っていない感じ。
嘴は、やや長め。

もしかして、ウミネコか?
(ウミネコが、なぜ豊島区の路上に……?)
と、見ていたら飛び去ってしまった。
何だったのだろう?

コンビニでいなり寿司を買って帰宅。
遅めの夕食を済ませて、寝る。

2010年11月5日(水)
朝のニュース。
昨日の午後6時頃、東京都大田区昭和島の会社から「血まみれの男性が助けを求めてきた」と110番通報があった。
男性は「公園のトイレで刃物を持った強盗に襲われたので反撃して逃げて来た」と説明。
警視庁大森署の警察官が近くの公園を確認したところ、若い男が倒れており、約2時間後に搬送先の病院で死亡した。

昭和島って人が住んでいない人工島だよな?(鉄工所とかがあるところだ)
「会社から」ということは、連休中に営業していた会社があったわけだが、休みの会社が多い日だったろうから、無人島に
近い状態だったのか?

(ところで、あの島に「公園」なんてあったっけ?)
と、wikiで調べてみたら、高速道路の下辺りが、いわゆる「緑道」になっているらしい。

休日の無人島の高架下トイレ。
死んだ男は、そんなところで待ち伏せをして強盗を働く気だったのか?
それとも、そこに潜んでいたら、たまたま人が来たので発作的に強盗を働こうとしたのか?
東京、意外に人の居ない死角というのがあるものなのだな。

さて、本日は3日振りの出社。
自分の机の上に置いてある書類を見て、
(はて、これはいったい何だろう?)
と、一瞬考える程度に連休ボケ。

昼休み。
連休中に佐藤編集長を目撃したという人が、
「編集長は犬に似ている」
と、言い出す。
(確かに多少セントバーナードに似ているような……)

「犬に似ているのなら押井守だろう」
という話になり、押井監督とばっちり。
だが話していた相手は、私に心密かに「キリンに似ている」と思われていることに気づいていないのだった。(笑)

午後。
会議資料のコピーをとる。
(うん、今日も充実して働いた)

帰宅。
冬コミの当選通知が届いていた。
30日(月)東4ホール「リ」ブロックの18b
(来てね♪)
100部も刷っちゃったゴドウィン本、今回で売り切れるか?

夜。
吹き矢。
的を1個破壊して帰宅。

民放のニュースの特集で「未来研究員」という職業の人が紹介されていた。
SF小説や映画に出て来る未来技術などをヒントに、未来の客のニーズを予測して主尾品開発を行う人……だそうだ。
SFオタクに向いている職業かな?

SFオタクの人たちは、10年以内に実現しそうな「SFの中の技術」って何だと思う?
寝る。

2013年11月4日(月)
日経朝刊の1面のコラム「春秋」に、東京五輪の主会場になる予定の新国立競技場について、
〈1300億円と見込んだ建設費は3千億円まで膨らむかもしれないというし、(中略)大きすぎて五輪後に使い道がある
のかを危ぶむ声もある〉
と書いてあった。

お祭り気分で盛り上がっていいのは「お客様」だけ、主催側はあくまで冷静でいないとイベントは成功しない。
熱いイベントをクールに運営するのが肝心なのだが、ちょっとはしゃぎ過ぎていないか?

昼。
録画しておいた「安堂ロイド」を観る。
主人公(今回のエピソードで「ロイド」という名前が付く)の暗い過去の記憶の話。
相変わらずダークな設定のストーリーとコメディタッチのセリフがちぐはぐなドラマ。

セリフの方は「日常の中にやって来た異世界人」パターンなのに、ストーリーの方はヒロインが何度も殺されかけるなど、
全然「日常」じゃない。
何度も暗殺者に狙われているのに、怪しげな訪問者を普通に部屋に迎え入れてしまうヒロインが「未来からやって来たアン
ドロイド」よりもよほど異常な存在に見えてしまうのだ。
これを見て「SFって話が不自然」と思ってしまう人がいたら、残念だなあ。

午後。
昨日使ったカメラの充電をしておこうとして充電器が見当たらないことに気づく。
部屋中を引っ掻き回して探した挙げ句、夏に広島に持って行った旅行鞄の中で発見。
(どんだけ長いこと充電していなかったのだろう?)

夜。
テレビをつけたらバラエティ番組をやっていて「飲む傷薬」を持ってオーストラリアに入国しようとした青年が麻薬を所持
していると誤認されて止められたという話題が紹介されていた。
麻薬犬が反応し、機械による薬物検査でも陽性反応だったのだが、実際に持っていたのは「傷薬」だったという話。
そういう検査で変な反応が出ちゃうものって、あらかじめ注意書きかなんかに書いておいて欲しいなあ。

明日は仕事なので、そろそろ寝る。

2013年11月3日(日)
文化の日。
良い天気。

江古田の方の大学の学祭に移動動物園が来るという情報をキャッチしたので、ペンギンを見にいそいそと出かける。
大学構内へ入り、そこにいた女子学生に、
「ペンギンが来ると聞いたのですが、どこですか?」
と、聞くと、
「えー、ペンギン来るの? 私も見たい!」
と、まったく情報量の増えない答え。

しょうがないので自力で探していたら「きじまち動物園」という看板を発見。
中庭でテントを見つけたので近づくと、すでに入場待ちの列が出来ていた。

しばらく並んで中に入ると、まず犬がいた。
そして猫。
さすがは動物園と名乗るだけあって、スタンダードプードルとシャム猫である。
プードルは、まったく毛を刈っていない様子でもふもふの茶色い大型犬。
名前は「モフ」だそうだ。
(命名者、あまり複雑なことは考えなかった模様)

犬。
地べたに寝そべっている。
猫。
マジで寝ている。

アヒルがいた。
こいつは比較的元気だが、機嫌は悪そう。
なんか見物客に攻撃的。

ウサギ。
寒そうに丸まっている。

モルモット。
同上。

ペンギン。
飼育員の折の外でお姉さんに撫でられていた写真撮影用らしいのがいたので、写真に撮る。
きれいなお姉さんだったので、邪心が出たのか、画面で確認したらペンギンよりお姉さんがメインになってしまった。

ヒヨコ。
たらいの中で黄色い小さいのがひしめき合っていて、見物の子供が両手ですくい上げて遊んでいた。

ヤギ。
なんか哲学的な顔をしていた。

全体の感想は、ちょっと微妙……

音楽が聞こえて来たので、野外ステージへ。
軽音楽部の学生っぽいのが演奏を行っていた。
ここまでつまらなそうな顔をして楽器を演奏する集団を見るのは初めて。
(「軽音楽部だから、学祭なので、しょうがなく一応演奏やってます」なのか?)

室内では、クラッシックの木管四重奏。
音が外れるのは御愛嬌。(^^;

一旦、外に出て寿司屋で軽く昼食をとってから、また学祭へ戻る。
移動動物園。
相変わらずやる気なく寝そべっていたスタンダードプードルが、いきなりピクンと起き上がり、柵に前脚を乗せて立ち上が
ると吠え始めた。
なんでも大好きな飼育員が帰って来たところだったのだそうだ。
突然、やる気を出す犬。

テントは壁がないので外からも見えることは見えるが、動いているスタンダードブードルは近くで見てみる価値がありそう
なので、もう1回列に並んでテントの中へ。
今度はウサギもモルモットも動き回っている。
もふもふの犬をカメラに納め、動くウサギにシャッターを切り、ペンギンは……相変わらずのペンギンなので、これももう
1度撮影。

外に出たところで、この動物園の情報をくれた当人を見かけたので近づいて肩を叩いたら、振り向き様にものすごい悲鳴を
上げられた。
「な、なんで、居るんだッ?!」
って、崎田は「居る」のが特技。(笑)

夕方からSF乱学講座があるので、高井戸に移動。
「始皇帝は銀河帝国を夢見えるか」
講師は、お馴染みSF乱学者の大宮信光氏。

相変わらず脱線の多い大宮さんの講義。
大宮さんは「始皇帝は秦王となった子楚ではなく、衛の豪商であった呂不韋」という司馬遷の説を支持する立場だそうで、
子楚、呂不韋、天帝、そして趙姫の愛人であった??までも含めて「4人の父を持つ男」という主張。

【無用の知識】
 趙姫:呂不韋の元愛妾で、後に子楚(荘襄王)の妻(太后)となった。つまり始皇帝の母親。

始皇帝が自らを天帝(神)の子であると主張し、地上に天界(星座)を模して宮殿を配置した話あたりから大宮節が炸裂。
最後は宇宙移民のSFストーリーまで話が行ってしまうところは、さすがはSF乱学者。

放課後の食事会。
いろいろとドガジャガがあって、店にビールを奢られる。
「どうやって脅したんですか?」
と、人聞きの悪いことを言われたが、私の人徳が酒を引き寄せただけのこと。

帰宅。
充実した1日だった。
寝る。

2013年11月2日(土)
朝。
7時までゆっくり寝て、朝食はファミマのイートイン。

部屋に戻って、録画しておいた「クロコーチ」を観る。
鑑識係役の女優が妊娠による体調不良を理由に降板したとかで、臨時の鑑識係というのが「前任者は病気で休みなので」と
言って出て来た。
台本は急に変更できなかったのか、臨時の鑑識係のキャラクターが、かなりの変わり者だった前任者の鑑識係と同じ。
こんな変人が2人もいるのか、神奈川県警?(笑)
この辺の不自然さは、しょうがないので目をつぶることにする。

さて、今回は大物政治家の汚職を暴こうとして殺害された秘書の事件。
政治家のバックにいるのは、もちろん例の「元知事」。
看守を手足のように使い、留置場の中から事件を操る元知事と黒河内との知恵比べはゲームを観戦している感覚で面白い。

ひとつ突っ込みを入れるとすると「看守は、いつ彼からそれを手に入れたのか?」というところなのだが。
これは「『元知事の指示』と言われたら彼が自分で渡すはず」で良いのかな?
(ミステリーについてネタバレにならないように話をするのは面倒臭い)

昼。
ネットで見つけて笑ったニュース。
〈Dell users get claws out over laptops that stink of cat pee〉
(デルのユーザー、猫の小便臭のするラップトップに爪をむき出す)

デル・コンピューターが発売した6430uというノパソから「猫の小便臭がする」というユーザーからのクレームが相次ぎ、
原因を調査したところ製造工程に問題があったことが分かったので改善したという話。

最初のうちはデル側のサポセンでもまさかと思ったのだろう「コンピューターをよく掃除して下さい」的な対応をしていた
らしいのだが、あまりに苦情件数が多かったので、調べてみたら「製造工程の問題」が発見されたのだとか。

「製造工程の問題」の具体的な内容は明らかにされていないらしいが、いったい何をどうすると、コンピューターから猫の
小便の臭いがするのだろう?
気になるなあ「製造工程の問題」の具体的な内容。
(「機械の組み立てに猫の手を借りたのが原因」……というネタは、誰でも思いつくのか、もうネットに流れていた)

夜。
「こいこん」の打ち上げで有楽町へ。
疲れたので9時で退席。
そのまま帰って、寝る。

2013年11月1日(木)
出勤。
寒くもなく暑くもない爽やかな朝。

午前中。
1日なので、普段よりやや忙しい。

午後。
3時のおやつはチョコアイス。

夕方。
帰り道で忘れていた夏のSF大会関係の清算金を振り込む。
(ビブオ先生が良い人で、本当に良かった)

セブンイレブンで6日の森下唯ピアノ・リサイタルのチケット購入。
コンビニエンス・ストアというのは、流通システムにおけるものすごい発明だと思う。

帰宅。
録画しておいた「ワンス・アポン・ア・タイム」を観る。
速水もこみちは今回も出番なし。
(彼の出演コーナーは、完全にカットか?)

今回は「白雪姫の狩人」が、記憶を取り戻してしまうという話。
この話、それぞれ目的が異なる悪役が2人いて、彼らの利害が必ずしも一致しないというところがミソ。
前回では、ルンペルシュテルツキンが「白雪姫の王子」の記憶を消したが、今回はむしろ記憶を取り戻させる側に加担している様子。
こういう話、好きだな。

夜。
山本議員の手紙事件、まだネットで騒いでいる。
私はこれは「アホな子がテストで0点を取った」みたいな事件だと思っている。
「怒りを感じる」という人が理解できなくて、苦笑しか湧いて来ない。

彼が議員に立候補したのは「アホだから自分にその能力がないことが分からなかった」からで、そんなアホに投票して当選させてしまった有権者の方が悪いと思うぞ。
「国会議員としての立場にふさわしい行動」をとるだけの能力がない人間を国会議員にしてしまった方が悪いのだ。
だって、立候補前の彼の言動を見ていたら、あれがアホだということぐらい分かるだろう?
投票するなよ。

寝る。

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