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独 り 言 (2012年8月分)
2012年9月分へ

2012年8月30日()
午前中。
「独り言」更新しようとしたら、いきなりネットに接続できない。
慌ててノパソの方にホームページ作成ソフトとFTPソフトをダウンロード&インストールするなどドタバタ。
更新が終了した時には、昼を回っていた。
(完全にサブ機のつもりで買ったMacBook Airが、だんだんメインっぽくなって来たなあ)

昼。
やっと朝刊に目を通す。
6面のほぼ全面が領土問題の特集になっていて、面白かったので読む。
中国の方(尖閣諸島)の方は、分かりやすい。

1969年に、国連アジア極東経済委員会が、「尖閣諸島を含む東シナ海大陸棚に豊富な石油・天然ガス資源が埋蔵されて
いる可能性がある」という報告書を作成。
1971年に、中国外務省が、「釣魚島などは台湾所属の島しょだ。台湾と同じく古くから中国の不可分の領土だ」とする
声明を発表。(これが中国が尖閣諸島の領有権を主張する内容の確認できる限りで最初の公文書)
要するに「そんなに価値のある島なの? じゃあ中国のものだ」という話。

個人の買い物でもダメもとで一応値切ってみる、ダメもとで一応ゴネてみるという中国人の国民性から考えると、ゴネれば
石油・天然ガス資源が大量に手に入るかもしれないチャンスにゴネるのは当たり前。
何しろ4000年間「領土は力で奪い取り、歴史は後から書き直す」で、世界と渡り合って来た国なのだから。

ややこしいのは韓国の方(竹島)。
日本としては17世紀の鎖国の時期に竹島への渡航が禁止されていない(外国領ではないから)ことから見ても、当時から
竹島を日本領として認識していたことは自明で、だから1905年に島根県への編入が閣議決定されたのだと考えているの
だが、韓国側の主張では1905年は日本が「第2次日韓協約」で韓国の外交権を奪った年であり、竹島の島根県への編入
はもともと朝鮮領だったものを植民地支配の一環として日本の領土にしてしまったもの。
国際法上無効な植民地支配の一部であるのだから韓国領だという主張になる。

ちなみに、第2次世界大戦後の1951年に、韓国はアメリカのアチソン国務長官に日本の放棄地に竹島などを含めるよう
にという書簡による要望を送り、ラスク国務次官補(極東担当)に退けられている。
その理由。
1)朝鮮の一部として取り扱われたことが決してない。
2)かつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとはみられない。

しかし韓国は1952年に「李承晩ライン」を設定、竹島を韓国領であるとして実行支配を進めた。
竹島は韓国人にとっては、「日本の植民地支配によって奪われた領土を初めて韓国人が自らの力で取り返した記念すべき土
地」であり、日本人にとっては、「だからそれはあんたらの勘違いで、そこはもともと日本だった場所なの!」という島に
なってしまった。

ここでさらに話が複雑になって来るのが「従軍慰安婦問題」。
日経の特集のコラムにも〈李明博大統領の竹島上陸は実質支配する側が「騒いだ」という特徴がある〉と書かれているが、
普通の領土問題では、実質的にその土地を支配している側は騒がないものだ。
「領土問題はない」とした方が得だからだ。

それをわざわざ騒ぎを起こしてまで大統領が「竹島上陸」を行った理由というのが、韓国憲法裁判所が韓国政府に「慰安婦
問題解決への努力不足は憲法違反」という判決を突きつけて具体的な行動を迫ったからだと言うのだが???

この2つにどういう関係があるのかが、日本人である私にはさっぱり分からない。
領土問題で日韓の関係が悪化して、慰安婦問題が解決するか?
むしろ、解決が遠のいた気がするのだが。

うき世の話ばかりだと憂鬱になるので、私がちょっと感動した宇宙のニュース。
〈宇宙航空研究開発機構(JAXA)と茨城大は30日、国際宇宙ステーションの外側に設置した実験装置から2005年
に回収された微粒子が、新種の地球外物質だと確認したと発表した〉
という記事。

〈分析した茨城大の山口高明教授は、この微粒子を捕らえた装置を設置していたロシアの居住棟「ズベズダ(ロシア語で星
の意味)」にちなみ、この物質を「Hoshi」と名付けた〉
のだと言うのだ。

何に感動したかって……
ロシア語で「星」は「ズベズダ」と言うのか!

ズベズダ……言葉の響きが美しい。
「アラスカの夜空にズベズダが輝いている」とか。
(綴りを調べたら「звeзда」だそうだ。正確な発音は「ズヴェズダー」に近いのかな)

午後。
デスクトップのネット接続がアレなので、ノパソで作業。
週末(もう明日だ)の「(と)学会」で、万一、何か喋らなくてはならなくなった時のために「何か」を適当にまとめる。

夕方。
長時間ノパソを立ち上げていたせいか、ファンの音がし出した、放熱を考えてちょっと本体を机から浮かせたら急に音が消
える。
同時に、電源コードのランプが消えた。
そんなに強く引っ張ったわけでもなく、そもそもMacBook Airの電源コードは、強い力が加わると本体からポロリと外れる
磁石式。

コンセントを確かめるが、プラグは抜けていない。
このケーブル、ACアダプター付きのコードと、それに接続して使う延長コードから出来ている。
試しに延長コードを外してACアダプター付きのコードを直接コンセントに差し込んだら、ちゃんとランプが付いた。
どうやら延長コード側の不具合らしい。
(私の触る電気製品が、かなり頻繁に不具合を起こす件については、よく分からないが子どもの頃からそうなので、どうも
そういう体質みたいだ)

購入店(ビックカメラ)に電話すると、アップルのサポートサービスに電話してくれと言われて、電話番号を教わる。
サポートサービスのお姉さん、
「買ってひと月半で壊れた」
と言うと、
「では、お取り替えということになると思いますが、ACアダプターと延長コードの両方を取り替えるのと延長コードのみ
を取り替えるのと、どちらの手続きになるのかを上に聞いて参ります」
と、言って電話口から消える。

そして、だいぶ経ってから戻って来ると、
「電源コードは消耗品になりますので、お取り替えは出来ないということになるそうです」
と、言う。
つまり、こっちが全額を負担して買い直せということ。

「先月、買ったばかりで壊れたのだけれど」
と言うと、
「そうなんですよねえ。大変申し訳有りません」
との返事。
その口調から察するに、サポセンのお姉さんにとっても「上から言われた回答」は、意外なことだったのか?

サポートサービスでの結果をフィードバックしてくれとビックカメラの店員に頼まれていたので、そっちに電話。
ACアダプターと延長コードはセットじゃないと売れないとかで、その価格とは……
「6800円です」
(ろくせんはっぴゃくえん?!)
予想金額と1桁違う。

思わず、
「オヤオヤ!」
と、言うと、向こうも恐縮して、
「申し訳有りません」
(いや、別にアンタが悪いんじゃないから)

「壊れたのは延長コードの方だけなんですけどね」
と、言ったら、
「代替品がないか調べて参ります」
と、電話口から消える。

かなり一生懸命に調べてくれたんだろうなあ……という時間だけ待たされ、結果は、
「ないようです。アメリカの製品なもので。本当に申し訳ありません」

なんか、店員さんが気の毒な気がした。
(「アメリカの製品だから」って理由がちょっと分からなかったが)
電話で応対に出た店員さんたちが、2人そろって思いっきり自分でも腑に落ちない声を出していたのが印象的だった。
(日本的なサービスとアメリカ式の対応の板挟みになっているのだろうか?)
とか、いらんことを心配してしまう。

結局、近所の電気屋で延長コード(タップ付き)を610円で買って来てアップル純正延長コードの代わりにする。
(電気屋さんは、ボールペンをおまけにくれた)
それにしても6800円って……
繰り返すけど壊れたのは「延長コード」だよ?

夜。
ネットをやっていたら1号君からスカイプで電話。
「今夜はブルームーンだ」
と言うので、スカイプを接続したまま部屋の外に見に行き、丸い月を見て部屋に戻って来たら、
「フィリピンで大地震らしいぞ」
と言う。
テレビをつけると、日本でも津波注意報が出たと言って特別番組になっている。
外国の地震で、こんなに大騒ぎをするのは珍しい。
とりあえずテレビとネットで情報収集しながら、データを拾ってメモる。

 時刻:21時48分頃(日本時間)
 震源:フィリピン中部 サマール島の東方沖146キロ(北緯10.9度 東経127.1度)
 深さ:約32キロ
 規模:マグニチュード7.9(その後7.6に下方修正)

アメリカ海洋大気局も、アラスカ州やワシントン州、カリフォルニア州などの太平洋沿岸でも津波に注意するよう呼びかけ
ているとのこと。
フィリピンの地震の津波が、アラスカまで到達するということは、かなり大きな地震だったのだろうな。

日本でももちろん津波の危険に備えて気象庁が「海岸に近づかないように」と呼びかけているそうだが、真夏の週末の夜に
海岸にいる人間って、しばしば素面ではないぞ。
花火とかやって、はしゃいでいる図が目に浮かぶが。
防災無線とか聞ける態勢か?

……ニュースを見ながら午前0時過ぎ。
津波注意報は解除だそうだ。
良かった。

ニュースを続けて見ていたら、外交関係のニュースが2つ。
北京で行われた日朝課長級会談は、双方の関心の高い事項についてより高いレベルで協議を行うことで一致。
山口外務副大臣が中国の胡錦濤国家主席にあてた野田総理の親書を副首相級の戴秉国国務委員に渡した。
(韓国を迂回して日中、日朝が接近か?)

外務副大臣の山口さん、ノーブレーキでギリギリのコーナーを曲がり切った人みたいな顔をしていたぞ。
スリリングな外交だなあ……
寝る。

2012年8月30日(木)
本日の朝刊1面トップの見出しは〈死者最悪32万人〉。
何かと思えば〈南海トラフ地震 政府被害想定〉だそうで、要するに内閣府の有識者検討会が公表したという「もしも南海
トラフを震源とする地震が起きたらどうなるか?」の予想被害。

あくまで「予想」であって、別にそういう時間が起きたわけじゃない。
これが朝刊のトップ記事で、これが隣に押しやられて小さな扱いになったのが〈野田首相問責を可決〉。
ページを1枚めくって〈社説〉のコラムを見ると、見出しは〈不毛な問責で国会審議をまひさせるな〉。

私は、日経新聞の記事の書き方には日本の経済界の思惑が反映されていると思うのだが、つまりこれが経済界の多数意見な
のかな?

ところで、2面の見出しは首相問責の関連記事で〈衆院選にらみ党首選へ〉。
それは良いのだが〈自民 安倍・町村氏が意欲〉って、安倍さん、また総理大臣になりたいと言っているのか?
前に自分から「お腹が痛くなるから嫌だ」って言ってやめたじゃん。

自民党が政権を取るのは別に良いけれど、安倍さんが総理大臣というのは嫌だなあ。
1度やってみて自分で「出来ない」と分かったことを、なぜまたやろうとする?

「オレ、ここの職場、体調悪くなるんで辞めます」
と、辞めてしまった奴が、
「やっぱ、オレ、またここで働くわ」
と,ノコノコ戻って来たとしたら、私が経営者なら雇わないけどね。

ところで日経の1面トップ記事の選び方について。
昨日の朝刊の1面は〈ダイキン、米社を買収〉で、丹羽大使が中国で襲撃を受けたという記事は目立たない3面に追いやら
れていたのだよな。
それも見出しは、〈地方のデモ北京に余波〉という内容のよく分からないもので、補足的に〈丹羽大使車襲撃 容疑者拘束
か〉と書かれ、さらに言うなら〈容疑者拘束か〉の方が〈丹羽大使車襲撃〉より文字が大きい。

日本の外交官が海外で襲撃されたというのだから、普通に考えたら大事件だと思うのだが、この扱い。
これもやっぱり日本の「中国シフト」の表れか?

丹羽さんもなあ……
「安全な東京で調子の良いことを言って喝采を浴びるのは、石原」
「危険な北京で中国人に襲撃されるのは、オレ」
「しかも日本のマスコミは、オレが中国でどんな目にあってもろくに報道しない」
失言騒動のときに、この人を辞めさせろと野党が騒いだが、本当は、「駐中国大使なんか辞めたい」と一番思っているのは
丹羽さん本人かも知れないね。

午前中。
いきなりノパソがネットに接続しなくなり、慌ててサポセンに電話。
「電源切って、入れ直してください」
と、言われる。
それぐらいは、もう試したのだが、言われた通りにしたら、なぜか繋がった。
「電源を入れ直す時の順番が大事」であるらしい。

午後。
やらなくてはならないことがあって資料も目の前に置いてあるのだが、気分が乗らない、はかどらない。

夕刊が来て、1面トップは〈社債、通貨の幅広がる〉だったが、その隣の記事が〈韓国、竹島共同付託を拒否〉。
(こっちが後回しか?)
別に「共同付託を拒否した」ということ事態は既に織り込み済みの情報なのだが、問題はその隣のやや小さい見出し。
〈正式回答 日本は単独提訴へ〉

日本が単独提訴しても韓国の同意がなければ裁判は始まらないが、韓国は拒否の理由を説明しなければならばくなり、これ
は、日本側が国際社会に「竹島に領土問題が存在すること」をアピール出来るということを意味する。
「領土問題は存在しない」という主張をしている韓国にとっては嫌なことなわけだ。

だから過去2回の国際司法裁判所(ICJ)への共同付託の時には、日本は韓国側の立場を考慮して単独提訴を行わなかっ
たわけだ。
それが今回は、韓国が嫌がるのを承知で単独提訴を行うことにした。

で、野田さんから中国への親書である。
「対中戦略を考えて韓国と仲良くしようかと思ってたんだけど、やっぱやめたわ」
正直、この野田さんの切り替えの早さは、李明博さんも想定外だったんじゃないかな?
(韓国の次の1手は何だろう?)

夜。
どうせはかどらないのでテレビの怪談特集を観る。
私は基本的にオカルト番組は大好きなのだが、今回の結果はかなりガッカリ。

予算がなかったのかほとんどが動画サイトから拾って来たみたいな映像を検証もせずにただ流して、一般人に見せて感想を
言わせるというもの。

あとは最近「視聴率が取れる出演者」ということになっているらしいお笑い芸人(「ワイルドだぜ!」が決めゼリフの人。
名前は知らない)と、元プロボクサーの具志堅用高が怪談スポットに行くという映像とか。
これには怪しげな「霊能力者」が同行して「壁に貼付けてあったマネキンの手が落ちた」みたいなことに、もっともらしい
説明をつけて盛り上げる。

夜中に奇妙な音がするという家に、やはり「霊能力者」を連れて行くとか。
走るネズミをスローシャッターで写したみたいに見える「動体カメラが写した不気味な影」とか、なんか猫っぽい「ビデオ
カメラがとらえた霊の決定的映像」は、まだ良いとして……
やがて霊能力者が「首が痛くなった」と言い出し、調べてみるとその家ではむかし首吊り自殺があったことが分かるという
のがオチ。
(普通は、撮影の前に調べておくものだと思うが)

そして見るからに胡散臭い「催眠術芸人」みたいなものが登場して「悪魔と交信する」とかいうマジックを見せるとか。
ここまで行くと「もうええわ!」としか言いようがない。

こんな工夫のないことをやっているから、テレビ視聴者が減るんだよ!
……もう寝よう。

2012年8月29日(水)
朝から虎ノ門の病院へ。
待たされる覚悟は出来ていたので、昨日買った『南極点のピアピア動画』(野尻抱介 ハヤカワ文庫)を持って行く。
10年後ぐらいの日本を舞台にした連作SF短編集。

【ネタバレ注意!】
第1話「南極点のピアピア動画」
月面探査ロケットのプロジェクトに携わり、その成果を元に修士論文を書く予定だった主人公蓮見省一は、月面への彗星衝
突によるプロジェクトの延期で計画を狂わされ、恋人にも去られてしまう。

なんとか恋人を呼び戻したいと思いついたのが宇宙旅行。
彼女を宇宙に連れて行くという、昔の約束を実現するのだ。
そんな彼に力を貸してくれたのは「ピアピア動画」という動画サイトに集まった技術オタクの集団だった……。

動画投稿サイトというもの未来を予測した小説。
降着円盤のジェットを推進力に利用するというアイデアが面白いが、そんなものよりも作者が描きたかったのは、動画サイ
トに集う技術オタクたちによる「もの作り」とボーカロイドという存在の持つカリスマ性だろう。
登場するボーカロイドの名前が「小隅レイ(注※)」というのは、SFファン向けのお遊び。

 (注※)小隅レイ:小松左京や星新一ら、多くのSF作家を輩出したSF同人誌「宇宙塵」の主催者である柴野拓美氏の
          ペンネーム「小隅黎」をもじったもの。

カリスマ的ボーカロイドをプロジェクトに絡めることで、高い技術を持ったオタクたちが無償で働いてくれるというのは、
コミック・マーケットのボランティア・スタッフの存在を知る者にとっては、非常にリアルな話だ。

第2話「コンビニエンスなピアピア動画」
本編の主人公はコンビニエンス・ストア「ハミングマート」のアルバイト店員である上田美穂。
ある日、店のドアチャイムに興味を持つ青年がやって来る。
彼は「ピアピア動画」の「ハミマ入店音シリーズ」というドアチャイムのメロディ・アレンジを動画サイトに上げるために
チャイムのハードウエアを調べさせてくれと言うのだが……。

本筋は軌道エレベーター開発の話なのだろうが、それよりコンビニの入店チャイムを利用した新曲の宣伝というアイデアが
面白い。
ここでも新曲を歌うカリスマ・ボーカロイドは重要なガジェットとして登場して来る。

第3話「歌う潜水艦とピアピア動画」
主人公は2人。
ひとりは〈潜水艦による鯨行動の対話的・能動的観察プロジェクト〉がボツになって落ち込んでいる研究者・中野。
肝心の潜水艦を手に入れる予算が出ないのだ。
もうひとりは愛着ある潜水艦がスクラップにされる運命となり、落ち込んでいる元艦長・大賀。
潜水艦の引き取り手がないのだ。

中野は、同僚のアドバイスを受けて自分のプロジェクトにボーカロイドの小隅レイを絡める形でネットに情報を広めてみる
ことにするが……。

はい、オタクはどこにでもいるという話。(笑)
ただの「プロジェクト」では見向きもされなくても、人気のボーカロイドに絡めると世間の注目を集められ、資金の調達も
やりやすくなるというアイデアにはうなずけるところがある。

第4話「星間文明とピアピア動画」
「E.T.」の話。
ただし、活躍するのは子どもたちではなく、大きなおともだち。
会社の社長やら店の店長やら、それなりに社会的地位はあるもののピュアな心を失っていないオタクたちが、宇宙からやっ
て来た「彼女」のために奮闘するのだ。

これまでの話で少しずつ触れられて来た、人やもの、システムが総動員されて、星間文明とのコンタクトという大掛かりな
物語へと発展して行く。
なにしろオタクは無敵。
中国軍の追跡も海上自衛隊の追跡も、見事にかわしてしまう。(^0^)

オタクの味方コンビニだってすごい。
〈首都圏で秘密裏に待機していた機動隊は(中略)手も足も出なかった。即応性、輸送能力、機密保持力のどれをとっても
コンビニ配送ネットワークが一枚上手だった〉
と、警視庁なんか目じゃないのだ。
(ネットとオタクとコンビニが組んだら、日本を乗っ取れる???)

連作を通じて、現在ある技術の発展が未来の生活をどのような形に変えていくのかというシミュレーションなので、現実世
界との地続き感があり、SF初心者にも安心して読める作品。
(「ファミマ」とボーカロイドとのコラボレーションは、すでに現実に行われているし)
こういうの、私は好きだな。
SF作品の未来予測が、目の前で現実化していくのって楽しいじゃないか。

……と、『南極点のピアピア動画』を読み終わり、解説も読んでしまったのだが、まだまだ診察室からは呼ばれない。
地下の食堂に食事をとりに行き、ついでに売店で「ニューズウィーク日本版」を買う。
竹島を巡る韓国の李明博大統領の外交について特集されていたので、何か興味深い情報が得られるかと思ったのだが、
「ニューズウィーク」の執筆者陣にも、支持率回復以上の彼の動機が見いだせなかったようだ。
ちょっとガッカリ。
(「実は裏で」的なものを期待していたのにな)

午後1時過ぎに、やっと名前を呼ばれて診察室に入る。
支払いを済ませ、薬局で薬を買って、新宿にちょっと寄って池袋に帰って来たら、すでに夕方。
不毛なのか充実していたのか分からない1日だった。

帰宅。
雑用を済ませたら既に夜の9時。
ノパソから、どうせ使わないプリンタードライバをアンインストールする作業に、約1時間。

……今日は、もう寝よう。

2012年8月28日(火)
朝。
やっぱり喉が変。
夏場に炎天下と冷房の効いた建物の中を行き来していると、どうしても風邪をひく。

ニュース。
〈尖閣諸島を巡って溝が広がる日中関係の改善に向け、野田佳彦首相が中国の胡錦濤国家主席に親書送付へ〉

野田さんが分かりやすく「親韓」から「親中」にシフト。
対中戦略上、日韓には仲良くしておいてもらいたいアメリカ的には、これはちょっとオイオイか?
日本と韓国双方を親中に向かわせた中国、ひとりでカードを集めてウハウハ。
日韓が対中関係を重視したら、北朝鮮への風当たりも弱まるのではないかと、そっちの国もウヒウヒ?
北朝鮮を喜ばせて、アンタの国は得をするのか李明博さん?

「対中貿易が大事」も「軍事大国化する隣国とのトラブルは避けたい」も分かるのだけれど、ここで踏ん張っておかないと
韓国が中国に?み込まれてしまうのではないかと、他人事ながら心配してしまうよ。
そこまで来られたら北九州まで目と鼻の先だし、最近では「沖縄はそもそも中国」とか言い出しているのもいるそうだし。

日本人は「領土とは歴史的に領有権を持つものが所有するもの」と考えているが、中国は「領土とは力関係で強い側が奪い
取るもの」というのを4000年やって来た国。
(大義名分なんて後付けで十分なのだよ)

昼。
ギターの練習。
チューニングとコードの押さえ方。

午後。
就職面接はやっぱり落ちたみたいだ。

リブロへ行ってSF乱学講座の課題図書『南極点のピアピア動画』(野尻抱介 ハヤカワ文庫)を購入。
表紙の絵が、どう見てもあのボーカロイドで、帯の推薦文が株式会社ドワンゴ代表取締役会長の川上量生さん(解説文も)
つまり「ニコニコ」の話なのかな?

夕食後。
これから本を読んで、寝る。

2012年8月27日(月)
朝。
(なんか、喉が痛いなあ……)

午前中が雑用に潰れ、午後から『青い星まで飛んでいけ』(小川一水 ハヤカワ文庫)を読み始める。
SF短編集。
前に2本めまで読んだので、その続き。

「静寂(しじま)に満ちていく潮」
地球人の女の子が昆虫型異星人とセックスする話。

「占職術師(ヴォケイショノロジスト)の希望」
相手の天職を見抜ける超能力者とそのガールフレンドがテロリストをやっつける話。

「守るべき肌」
人間が肉体を捨ててバーチャルリアリティの中だけで生活するようになった時代の物語。
肉体を持っているが感情を持たない現実世界の人間と、感情を持ったバーチャルリアリティ世界の人間というアイロニーが
ちょっと面白かったかな?

基本的にボーイ・ミーツ・ガールの話なので、「僕と彼女」以外の世界はあまり重要じゃない。
「彼女」は無敵で、彼女とその友達の力を使えば、そんな「あまり重要じゃない世界」の問題なんかはどうとでもなってし
まうことになる。
こういうティーンエイジャー的世界観は、大人になってしまった私が読むと苦笑してしまうが、ティーンエイジャーが読むと
大いに共感するのかな?

表題作「青い星まで飛んでいけ」
主人公は直径100キロの空間を埋める質量2億トンのハードとソフトの群れによって作られた一種の人工知能。
異文明とのコンタクトを目的に、何万年もの時間をかけ、何万光年という距離を旅している。
この人工生命体は、異文明と接触して「融合」ということを行うのだという設定。
ちなみに、彼との「融合」を承諾した相手は、自分が「花嫁になる」と言っているので「融合」とはつまりそういうこと。

ところで、この主人公である人工知能(「エクス」という名前がついている)は、実は過去の不幸な体験から、「融合」に
関するトラウマを抱えている。
そのため、異文明とのコンタクトの際に、つい不器用な態度を取ってしまい、今日もコンタクトしようとした相手の惑星、
「マリコ」に、
「最初からお断りすべきでした。曖昧な態度を取ってしまってすみません。私たちはお付き合いに興味がありません。ごめ
んなさい、お友達でいましょう」
などと言われてしまい、オーバーロードと呼ばれる上位の存在にお互いを傷つけ合うコンタクトの仕方について説教され、
「関係ねえだろ」
などと反抗的な態度を取ったりする。

そんなエクスにも、心を開いてくれる異文明が現れ、8000年間の交流の末、ついに「花嫁になる」と言ってくれる。
歓喜に溢れて「融合」しようとしたエクスだったが、相手に自分のトラウマとなっている過去の出来事を知られてしまい。
「あなたにそんな過去があったということより、私に隠していたということの方がショックなの。私はには、もうあなたが
信じられない」的なことを言われて「伴侶になる」ことを拒絶されてしまう……

直径100キロの主人公と、数万年の時間と、数万光年の距離と……という設定が壮大。
しかし物語は「高校生が面倒見の良い担任教師に恋愛相談をする話」なんだよな。
(このギャップが良いのか???)

小川一水に付いて行けない私は、すでに精神が老いているのだろうか?
などと、悩みつつ、日が暮れる。

夜のニュース。
〈政府が、沖縄県・尖閣諸島の購入に向けて東京都が国に提出した上陸申請を許可しないと回答〉

野田さんの当初の予定では、日米韓の強固な同盟関係を築くことで中国に対抗するはずだったのだと思う。
それが、韓国政府側が「韓日・韓米関係より韓中関係の方を優先すべき」という世論に押されて、「親日」から「反日」に
方向転換してしまった。
ここで、日本政府が中国を刺激しない方向に動くというのは、まあ、外交政策として普通だな。

しかし、李明博にはガッカリだよなあ。
もうちょっと国内世論をどうにか出来るかと思ったのに。
韓国が中国に乗っ取られても知らないぞ。

寝る。

2012年8月26日(日)
朝。
メールボックスを見ると、原田先生から、夕べ送ったメールへの返信が来ていた。

〈ああ、そういうことでしたら、私の方でゲスト申請しておきます。ところで何か発表される予定はあるでしょうか?
 (一応ゲスト申請時に報告することになっておりますので )〉
という内容。

寝ぼけた頭で、申請に何かが必要なのだろうと理解し、佐藤編集長から借りたリチャード・コシミズ本のタイトルをキー
ボード入力して送信。
原田先生から、速攻〈ただいまゲスト申請しました〉という返信が来る。

(ええと……???)
つらつらと思い出すに、夕べは風邪薬とアルコールのカクテルのせいで、軽く酔っぱらい状態だった気がする。
で、その状態での打ち合わせというのは……

崎田から、M上氏への電話。
崎田:「M上さんが構想されていたSF大会の企画の件ですが、T社の××さんに連絡をとってみてはいかがでしょう?」
M上:「でも、来年は広島での大会なので、交通費をどうしましょう?」
崎田:「うーん、仕事で来たついで的な話になれば、交通費は会社から出るんじゃないかと思うのですが」
M上:「広島の仕事と言うと?」
崎田:「(と)関係の方なら、何か良いネタをご存知かも知れませんね」
M上:「では、次回の(と)の例会に参加してみると言うのは?」
崎田:「いいんじゃないですか」

帰宅後。
M上氏から、崎田@酔っぱらいへの電話。
M上:「(と)の方と連絡が取れました。崎田さんは(と)の例会に参加できそうです」
(え? 私が? なんで?)
M上:「それについて、崎田さんは(と)の関係者に誰か知り合いはいませんか?」
崎田:「えーと、SF乱学講座の講師として何回か来てくださった原田実先生とか?」
M上:「分かりました。では、原田先生の友達ということで紹介します」
電話、切れる。
(えーと? 私? なんで私?)

で、とりあえず、原田実先生へメール。
〈(と)の例会にご挨拶に行こうかと思っているのですが、「原田さんの友人」と名乗って問題はないでしょうか? 〉
……ここまでが昨日の晩の記憶。

そして朝メールボックスを見ると、原田先生から返信が来ていたというわけである。
(つまり(と)の例会に参加するって、M上さんが参加するってことじゃなかったのか……)
やっとここまで理解が追いついたところで、改めて慌てる。
(発表?!!!)

午後。
メンサ・テスト合格者の会の例会。
例によって、くだらないことをくちゃべる。
なんとなくリチャード・コシミズの話もする。

夜。
普通に飲み会に参加してから、帰宅。

(で、どうしよう、リチャード・コシミズ)
寝る。

2012年8月25日(土)
朝。
昨夜のライブハウスの冷房で風邪をひいたようだ。

風邪薬を飲んで、効いて来るまでフリーペーパー「R25」を読む。
〈手で触れた “感覚” も再現! バーチャルリアリティの未来〉という記事。

面白いのが慶応義塾大学の「TELESAR V」。
アバター(ロボット)の感覚情報をユーザーに伝える技術で、これのスゴイところは、視覚や聴覚からの情報はもちろん、
「感触」を細やかに伝えることが出来るということ。
用途としては、遠隔医療での医師の「触診」とからしい。

産業技術総合研究所による「i3Space」。
手に装着した装置によって立体映像に「触っている感じ」を実感するシステム。
ゲームとかに応用できそう。

謎だったのは「Chilly Chair」。
椅子に座った人の体毛を逆立てることで「恐怖や感動」を増幅するというシステム。
映画を観たり本を読んだりした時に、より強い感動を感じさせる装置らしいが……。
(用途が分からん!)

昼。
ノパソのメーラーの設定と闘う。
現状、ノパソだとメールを受け取れるが送れないという状態になっているのだ。
さんざんいじくった挙げ句に、認証方法の設定をどうにかするのだということが分かる。

午後。
なんとかメールが送れる状態になった。

夕方。
新宿で飲み会。
ついでに来年のSF大会の打ち合わせを、なぜか電話で。
(飲み会に来ると思っていた人が来なかった)

帰宅。
電話で打ち合わせの続きをしてから、寝る。

2012年8月24日(金)
午前中。
区役所に面接に行く。
久しぶりだったので「3分間の自己PRを」と言われて1分半でネタが切れる。
自己PRって苦手なんだよな、控えめな性格(当社比)だから。

(落ちたかなあ?)
なんて考えつつ帰宅。

午後。
ニュースを見たら、日本政府は韓国から書留で返送されて来た親書については、特に送り返すとかせずにそのまま受け取っ
たみたいだ。
まあ、このまま続けても泥仕合になるだけだからね。
大人の喧嘩は相手を殴るような真似をしてはいけない。
相手に殴らせて訴えて勝つのが大人の喧嘩。(⌒◇⌒)(⌒◇⌒)(⌒◇⌒)

夜。
藤岡藤巻ライブのため、下北沢へ。

複数のバンドが出演するタイプのライブなので、
(藤岡藤巻は何番目かな?)
などと思いつつ、客席で待つ。

客席と言ってもスタンダップだから、客はフロアに全員立ち見という状態になる。
(つまり、これは若い人向けのライブなのか?)
と、思いつつ、フロアに立っていたのだが、前列はすでに背の高い若者たちに占領されている。

やがて藤岡さんが登場したが(藤巻さんは会社の仕事の都合でお休み)私に見えるのは人の背中だけ。
「お母さん(ライブハウスにおける私のニックネーム)、壁際に行ったら少しは見えるじゃないですか?」
なんて言われつつウロウロしていたら、前に立っていた知らない若い女の子が、
「私の目当てのバンドは、最後の方に出るのでしばらく場所を代わります」
と、場所を譲ってくれた。

近頃の若者は、老人を大事にする感心な人間が多い。
これは一応、勉強よりも地域コミュニティーへの参加を優先した「ゆとり教育」の成果なのかも。

さて歌は……
例によって、内容は問題になるのでブログには書かないというお約束。
事前にファンの間では、
「中国の歌とか、あるかな?」
「尖閣諸島でややこしいから、ちょっとヤバ過ぎて中国の歌は歌えないんじゃないか?」
「いや、そういう時だからこそ歌って欲しい」
などと囁かれていたのだが、舞台が始まって披露されたのは中国の歌ではなく、新作「李明博応援歌」。

内容は、藤岡さんが某国の方々から危害を加えられることになってもいけないのでここには書かないが、藤岡孝章のライブ
は初めてだという若者たちは皆、引きつった笑顔のまま凍り付いていた。
(これほど客席がしんとなるライブというのも珍しい)

最後はいつもの「ラシドの歌」。
「ラくになりたいから、シんでしまおう、ドう脈を切って、レ〜霊柩車♪」
藤岡さんのレパートリーの中では、一番ほのぼのと安心した気持ちで聞ける曲である。

冷房が寒くて風邪を引きそうになったので、藤岡さんが引っ込むと同時に退席。
帰宅してテレビで「崖の上のポニョ」を観る。
前半は面白いのに後半がグダグダになってしまっている惜しい作品。

フジモトが結局何をしたかったのかが良く分からない。
彼をもっと分かりやすい悪役にしてしまって、フジモトVSポニョの図式をはっきりさせた方が良かったのでは?
で、最後はグランマンマーレが全てを解決……みたいに???
作り手として新しい物語の作り方に挑戦したいのは分かるけれど、2時間の作品で枠組みが不鮮明だと話の中で迷子になっ
てしまう。

ところでこのアニメ「津波ノイローゼ」みたいなお婆さんが出て来て、公開当時(2008年)には、この人は笑える存在
だったのだろうなあ……などと、しみじみ。

寝ようか。

2012年8月23日(木)
朝。
民放のニュースで、シリアで亡くなったフリージャーナリスト山本美香さんについてが大きく報じられていた。
ひょっとして、外国でニュースになったからか?

外交関係のニュース。
韓国が野田総理が韓国の李明博大統領に送った親書を在日韓国大使館から日本側に返送することを明らかにした。
親書の内容は、李大統領の竹島上陸と天皇陛下への謝罪要求発言に遺憾の意を表明したもの。

韓国の大統領として取れる対応は、
 (1)反論する
 (2)無視する
 (3)受け取らない
「反論する」ということは、竹島に領土問題が存在することを公に認めることになるので、これは実効支配している韓国側
としては取りたくない手段だろう。
で、(2)か(3)なのだが、ここで(3)を選んじゃったか。

そもそもは選挙向けのパフォーマンスだったはずの竹島上陸で、日本との間にある程度の外交問題が生じるのは織り込み済
みだったのだと思う。

外交問題とは、平たく言えば国家レベルの「損得勘定」の話。
日本も韓国もお互いに、両国が喧嘩をするのが損だということは分かっている。
だから、国内的な人気取りのためにパフォーマンスをやるときも、大喧嘩には発展しない程度という加減を見てやったつ
もりだったのだろうが、事態がややこしくなったのは、大学の会合で学生に乗せられた(??)大統領がつい口を滑らせて、
「日本の天皇が韓国を訪問したいなら、独立運動をして亡くなられた方々のもとを訪ね、心から謝罪すればいいのだ」みた
いなことを発言してしまった辺りから。
(どうもおっさんという人種は、万国共通で、若い者の前で強がりたがるものらしい)

念のため、天皇陛下は別に韓国に行きたいなんて言っていない。
陛下を招請したのは、韓国大統領の方。

皇室が出て来ると、日本では話が「外交問題」ではなく「宗教問題」になってしまう。
なんのかんの言っても、日本というのは、基本的に神道の氏子集団の国だから。

外交問題なら損得の話だから、適当なところで折り合いをつけるということも比較的容易なのだが、宗教問題というのは、
なかなかそうはいかないのだ。
(どうする、日韓両首脳?)

午後。
ギターの練習。
ちょっとやり方を変えて、チューナーで音を合わせた弦と音叉の音を同時に鳴らして「共鳴音」なるものを聞く練習。
(この「ピィーン」のあとの「……ンィンィンィン」みたいなのがそうか?)

夕刊の記事。
〈オスプレイ、訓練断念〉
〈米軍、ハワイの2空港で〉
〈住民の懸念受け〉

米軍が、ハワイのモロカイ島にあるカラウパパ空港と、ハワイ島にあるウパル空港でのオスプレイの訓練を住民の懸念を受
けて断念したというニュース。

その「懸念」の内容はと言うと、
〈2空港周辺はザトウクジラなどの野生生物の生息域で、周辺住民は環境への影響を懸念〉

これ、沖縄の住人の頭の上は、飛ぶんだよね。
(米軍は「鯨公方」か?)

夜。
「探偵ナイトスクープ」を観る。
「亡き祖父のアルバムの中から、UFOの写真っぽいものを見つけたので調べて欲しい」
……という視聴者からの依頼を受けて番組がまず呼んだのは、たま出版の韮沢潤一郎編集長に、UFO研究家の竹本良氏、
謎の霊媒師、東スポの超常現象担当デスクだという三浦伸治氏。
そして、フリーカメラマンの橋爪英典氏。

この「探偵ナイトスクープ」という番組の良いところは、オカルト系の写真の鑑定に、プロの写真家を呼ぶところ。
まず橋爪氏、写真が縦位置で撮られているということを指摘。
実際にカメラを構えてみれば分かることだが、縦位置の写真を撮るにはカメラを90度横に傾けなくてはならない。
写真の素人である依頼人の祖父がとっさにシャッターを切ったと考えると、横位置の写真になるのが自然。

また、被写体であるUFO(?)が、きちんと画面の中央に収められ、画面は完全に水平、被写体と大きさを比較するため
の背景の山までが構図に入っているのも、とっさに撮った写真としては不自然。

さらに、プロカメラマン、写真の外枠(昔の写真なので枠がある)に歪みを発見。
これは、机に置いた写真を上からカメラで撮った時などに出来るもの。
よって、この写真は「UFO写真」を被写体として撮影したものと考えられる。
また、その元となった写真自体も模型を糸で吊っただけの簡単なトリック撮影で作ることが出来る。
……という結論だった。
たいへん分かりやすい解説。
(元の写真は1970年代のUFOブームの時に雑誌なんかに掲載されたものではないかとのこと)

夜のニュース。
野田総理の親書を返送するために訪問した韓国大使館員の面談要請を外務省が拒否、正門を通さなかった。

この「門を閉ざす」という対応の仕方は、やはりこの問題が日本人にとって「外交問題」ではなく「宗教問題」であること
の表れだと思うな。
「帝を誹るもの」は「ケガレ」であるから門内に入れてはならないのだ。
(……これは、落としどころが見えない話になって来てしまった)

寝る。

2012年8月22日(水)
午前中。
昨日はサボったギターの練習。
相変わらず弾いた弦の音が、合っているのだか合っていないのだかさっぱり分からない。
チューニングのサイトで「正解」を聞きながら音を合わせるのだが、2つの音が「どうも違うっぽいかな?」程度は分かっ
ても、それが高い方に違うのか、低い方に違うのかになると、もうさっぱり。
1時間がかりで半分ほどチューニングと闘ったところで、休憩。

午後。
アマゾンに発注していたチューナーが届く。
さっそくスイッチを入れて弦を弾いてみると、どうやら私がチューニングした弦は低い方にずれていたようだ。
6本の弦の高さを合わせてコードを弾いてみたら、ちゃんと「ドミソ」の和音に聞こえた。
問題は、チューナーを使わずにこの状態にチューニングしなくてはならないということだよな。

夕方。
藤巻直哉ライブショー「或るサラリーマンの一勝〜ほふく前進で突破しろ!」を聴きに大森へ。
早めに会場に着いて座っていたら、出演者の静炉巌改メ「針野蒸郎」さんがやって来て、
「今回は本当につまらないと思います。出演者自身が何をやるのか分かっていないという有様なので」」
と、教えてくれる。
「そんなにつまらないのですか?」
と、聞くと、
「聞いても時間を無駄にするだけです。ただ、人生で無駄な時間を過ごすというのは、ある意味最高の贅沢なので、そうい
う意味では大変に贅沢なライブです」
と、言う。

(そうか、贅沢なライブなのか)
と、楽しみにしているうちに、小学生ぐらいの女の子が(あとで聞いたら小学6年生だそうだ)浴衣姿で舞台に登場、紙芝
居でストーリーの紹介が始まる。
定年を迎えたサラシーマンが再就職の先を探すという話。
要するに、藤巻さんお得意の「小芝居」であるらしい。

定年で会社を辞めた主人公「藤巻」は、何か仕事を見つけなくてはと探すうちに、電柱に貼ってあった「サラリーマン講座
講師募集」の広告を見つける。
さっそく応募し、めでたく採用となって受講生の前で話をする藤巻。
「サラリーマンの職場は戦場です。頭を下げていないと撃たれます」
などと、サラリーマンの心得を語る……と、ここはどうやらスタンダップ・ショーのようだ。

さて、講師の先生と呼ばれていい気になっていた藤巻だったが、実は主催者の「針野」に騙されていたことをが分かる。
再び職探しを始めた藤巻は、会社員時代の後輩の「山田」が落語家になっていたことを思い出して入門することにするが、
なんとサラリーマン講座を企画した会社が倒産して失業した針野がすでに1日前に「柳亭風五」つまり山田に入門していて
兄弟子になっている。

後輩だった山田を「師匠」と呼び、兄弟子の針野にいじめられつつ、どうにか初高座を迎えた藤巻。
……と、このコーナーは、針野蒸郎、藤巻直哉による落語と柳亭風五の小話。

針野蒸郎 新作落語「渚の葬儀社」
海難事故を当て込んで湘南海岸で開業した葬儀屋、海の家と間違えられて買い物に来た客にトンチンカンな店員「藤巻」が
応対し、棺桶やその蓋、果てはご遺体までもをボートやサーフボードだのと言って売りつけてしまうが……
ブラック・ジョーク系。

藤巻直哉「現代版 お見立て」
古典落語の「お見立て」の舞台を現代のキャバクラに移したもの。
我がままなキャバ嬢が、嫌いな客である藤岡を断るためにボーイの山田に嘘をつかせるが……

出演順が兄弟子である針野の方が先になっている点について、「出番の直前に藤巻がトイレに行きたくなったため」という
説明がちゃんとなされており、変なところが細かい。(笑)

さて、落語家として筋が良いと認められた藤巻だが、そんな矢先に師匠である柳亭風五と針野が自動車を盗んで逮捕されるという
不祥事を起こし、一門は解散。
藤巻はまたも失業してしまう。
「しょうがない、落語家にもなれないのだったら、バンドでもやるしかない」
……ということで、第2部へ。

 〈第1部出演者:藤巻直哉 針野蒸郎 山田賢司(柳亭風五)〉

第2部は、いわゆる音楽ライブだったのだが、藤巻さん、第1部の落語で全力を使い果たしてしまったのか、全ての曲で歌
い出しをトチるという紅白歌手とは思えない荒技を披露!

山田さんによると「今回のライブは、藤巻さんが自分の還暦の記念ライブをやりたいとギャラも交通費も出さずに俺たちを
呼び集めた挙げ句に、自分は打ち合わせに遅刻して来て全体の構成も頭に入っていない」のだそうだ。(^◇^)

アンコール曲は沢田研二の「勝手にしやがれ」客席に投げた帽子にゴムが付いていて手元に戻るという小ネタ有り。
(開演前に藤巻さんがライブハウスのマスターから輪ゴムを大量に借りて行ったのは、これか)

感想。
「キャンパス・レポート もっとクリスタル愛の屈折編」の「オフィスラブ・バージョン」を聞けたのは、収穫か、不覚か?
還暦のおっさんにパンツくわえて絡み合われても、なあ……(^^;
ちなみにこの曲、1981年のレコード発売時、話題にはなったものの、あまりに下品な内容にレコード会社の社長が激怒
して、一切のプロモーションを禁止したのだそうだ。

会場で会った顔見知りの客とビールを飲みつつ、
「ギターのチューニングが上手く出来ない」
という話をしたら、
「アナログの音にアナログの音を合わせるなんで、土台、無理です」
と、断言される。

私だけが出来ないわけではないようだ。
賛同者を得て心が強くなった。
私はもう、孤独な音痴ではない!

帰宅。
ネットのニュースによると、日本のフリージャーナリスト(山本美香さん)がシリアで銃撃に遭って死亡したという事件が
海外のマスコミで大きく報道されているとのこと。
日本のマスコミでの扱いはそれほどでなかった気がするが。

寝る。

2012年8月21日(火)
朝。
テレビでシリアで邦人記者が撃たれて死亡したという事件が報道されていた。
死亡したのはフリージャーナリスト。

大手マスコミの社員は、基本的に危険地帯には行かないそうだ。
彼らの代わりにそうした場所での取材を行い、写真を撮って大手マスコミに売るのがフリージャーナリストの仕事。
ちなみに、日本の自衛官は原則、戦闘地域には行かないことになっているので、フリージャーナリストは「兵隊さん」より
危ない場所で仕事をしていることになる。

続けて民放のニュース番組を見ていたら「チャージマン研」が、最近話題のアニメとして紹介されていた。
日本は大丈夫か?

午前中。
(ギターの練習をしなくてはならないのだよなあ……)
と、思いつつ、PCのゴドウィンのファイルを開いてしまう。

 “And Devious the Line of Duty”
地球の命運をかけた重大任務に就いた若くてハンサムなデール・ハンター中尉。
だが、肝心の外交官である上司は飲んだくれの爺さんで……

私は英語が苦手なので「ジーニアス」と「リーダース」の2つの辞書を脇に置き、ネットの「エキサイト」の助けを借りて
これを読んでいる。
紙の本だったらたぶん無理だったろう。
書籍のデジタル化は、確実に読む本の範囲を広げるな。

午後。
遅めの昼食をとって、ふと時計を見ると2時半。
3時に病院の予約を入れていたことを思い出して、慌ててシャワーを浴び、服を着替えて出かける。

……どうにか予約時間の10分前に病院の窓口に到着。
診察を受けて、処方箋を書いて貰い、薬局で薬を買って帰宅する。

夕方。
吹き矢の講習。
どうもうまく飛ばない矢があるので、交換して貰う。
分解して調べたら、経年劣化で内側の糊が剥がれていた。
こいつが変な舵の働きをして、矢が飛ぶ方向を狂わせていたらしい。

「当たらなかったのは、私が下手だったせいじゃなかった」
と、言ったら、講師の先生に、
「そうです。その通りです」
と、太鼓判を押され、隣の人に、
「どうしたら、そういう自信を持てるのか、羨ましい」
と、羨ましがられる。

帰宅。
 “And Devious the Line of Duty” の続きを読んでから、寝る。

2012年8月20日(月)
午前中。
雑用を済ませてギターのコードを弾く練習。
コードを音で聞き分けるという高度な技は(駄洒落です。ここで笑ってください)もはや諦め、テキストの通りに指が弦を
抑えていたら弾けているということにして先へ進む。

音楽というものは学習が進めば楽しくなってくるというのは、子どもの頃からよく聞かされた話。
これを続けていれば、いつかそういう日が来るのだろうと思うと、とても楽しみである。

昼。
ヴァリコン・スタッフから借りた「再生機甲ユーバリアン」を観る。
ヴァリコンのスタッフが製作し、今年のSF大会の開始前に会場内のどこだかで人知れず上映されたようだという噂の特撮
動画。
長さは約20分ほど。
ヒーローもののようだが、登場人物の全員がボケキャラで、20分間とりとめもなくボケ続けているという脚本。
笑わせるつもりだったという製作者側の意図だけは「あ痛たたたたっ!」なほど伝わって来る。

(これ、脚本と監督が知り合いなのだよなあ)
もしも今後、彼と地球上のどこかで顔を合わせてしまい、「面白かったでしょ? 実は自信作で……」的なことを言われて
しまったらどうしようかと思うと、胸がドキドキして来た。

えーと……
「再生機甲ユーバリアン」
作り手の気持ちが良く伝わる、ドキドキするような特撮映画。

午後。
ギターの練習に疲れたので、トム・ゴドウィンの “And Devious the Line of Duty” を読み始める。
未訳のSF短編小説である。

途中で、あまりにも意味不明の単語が続出。
どうやら「アルタイル人(SFなので宇宙人が出て来る)は、変な英語を喋る」という設定であるらしく、アルタイル人の
アロンゾという男(?)が出て来ると、そのセリフが綴りの間違いだらけの変な英語になるのだと気づく。

綴りの間違った英語を発音してみて近い発音の単語を探し、正しい綴りに「修復」してから翻訳し直して読む。
時間はかかるが、コツが掴めて来るとなかなか面白い。

気がつくと、午後6時。
ほぼ半日、ゴドウィンと闘っていたことになる。
(短編をざっと斜め読みするだけで半日って……)

どうやら、地球の命運をかけた重要な国際会議のために出かけた主人公が、そこで父親の遺言で嫌な相手と結婚しなくては
ならなくなった王女と出会い……というようなストーリーのようである。

夕食後。
「懐かしのアニソン」みたいな番組をやっていたので観ていたら、尾藤イサオが出て来て「あしたのジョー」を歌った。
(この人、最近こういう番組で「あしたのジョー」を歌っているところ以外、顔を見ない気がするなあ)
番組の終わり近くになって、アニソンとは関係ない韓国歌手の歌みたいなコーナーになった頃、部屋がグラグラし出す。

 時刻:20時42分頃
  震源:茨城県南部(北緯36.0度 東経140.5度)
 深さ:約60km
 規模:マグニチュード5.1

気象庁の発表では豊島区は「震度1」だそうだが、もう少し大きな揺れだった気がする。

夜。
アロンゾのセリフを解読するため、「アルタイル語辞典」を作ることにした。
“awr right” は、“all right” ……と。

寝る。

2012年8月19日(日)
昨日の夕方に飲んだ紅茶2杯が効いたのか、よく眠れず、微妙に睡眠不足気味の朝。

午前中の雑用を済ませて、昼からギターの弦を買いに出かける。
気温の高さより日差しの強さでジリジリと焼ける暑さの中、明治通りをテコテコ歩いて楽器屋へ。
狭い階段を2階に上がって「A−5th」と書いてある袋を探してレジに持って行く。
「ギターの弦を買う」ということが初めてだったので、ちょっと緊張したが、思ったより簡単だった。

回転寿司で昼食を済ませ、ついでにそこらの100均で財布をひとつ買って帰ろうと思ったら、ない。
100均を4軒回って、どこも置いていない。
(つい最近までは、どこの100均でも置いていた商品だったはずなだが???)

諦めて帰宅することにしたが、炎天下の100均巡りで喉が渇いた。
スイカを買って帰る。

さて、ギターの弦の張り替え。
これはやったことがないので、佐藤編集長にアドバイスを求める。
基本的には三味線と同じみたいだが、ブルッジに結んだ弦の端がボディに触れていてはいけないとか、そういう細かい注意
が必要なようだ。
で、買って来た弦を取り出そうとしたら「切れた弦の残りの長さが十分ある」とかで、結局、古い弦を張り直して終わり。
(何のために、この炎天下を!)

早速、チューニングの練習。
音叉で「ラ」の音を鳴らして、それと共鳴する高さに弦の張りを調整するのだが、本当に人間の耳は訓練で音の微妙な高さ
なんてものを聞き分けられるように出来ているのだろうか?

相変わらず、私の耳は「高い」「中ぐらい」「低い」程度のおおざっぱな区別しか分からない。
「ラ」と「ラのフラット」と「ラのシャープ」なんて、音で聞いて分かるか?

佐藤編集長は、彼が他人を馬鹿にしているとき特有のキラキラと光り輝く目をして私の目の前で簡単に音を合わせると、
とてつもなくウザいドヤ顔でこちらを見た。

チューニングが終わったので、コードの練習。
いわゆる「和音」が出るように、ギターの弦を抑える練習。
ギターを弾いている人を見ると、とても簡単そうに指で弦を抑えていたので、簡単にできることなのかと思ったら、ピアノ
で和音を弾くより遥かに難しいことが判明。
もちろん三味線よりも難しい。
何しろ弦の本数が三味線の倍なのだ。

人差し指と中指と薬指と小指を、同時に動かして、細い線の上に着地させる。
その着地点それぞれが、指をいっぱいに広げて運が良ければ届くというぐらいの距離、離れているのである。
今日気がついたこと「私の指は、とても短い」。
(さあ、音程が聞き取れず、指が短い人間が、果たしてギターを弾けるようになるのか?!)

ニュース。
国の許可を受けずに尖閣諸島に上陸した日本人がいたそうだ。
「目的」と「手段」の関係について、考える。
「それをすること」が、本当に「目的の達成」に役に立つのか?

夜。
「鑑識・米沢守の事件簿」という映画を観る。
警視庁の鑑識係を主人公にしたミステリーで、「相棒」という連続ドラマのスピン・オフ作品だということだが、そっちは
観ていない。

主人公の米沢守を演じているのは、「電車男」で牛島貞雄を演じた六角精児。
「電車男」ではAチャンネルのリーダー格として主人公を支え、そのスピンオフの中で誠意と愛の力で美女と結ばれる男の
役だった。

で、今回も彼の役どころは「不細工なイケメン」。
冷静な判断力と優れた頭脳を持った優秀な技術者であり、正義感が強く男気に溢れ、ギターを手にすれば街の人気者、但し
外見は太った眼鏡男である。

その米沢守が担当した事件の被害者が、彼の逃げた女房そっくりだったことから、事件に巻き込まれてしまう。
彼女を妻ではないかと内々に調べていたことが、被害者の元夫である刑事に知られ、その理由を問いただされる。
結局、被害者は別人で人違いだったと分かるが、同じように離婚歴を持った刑事との間に友情を感じた米沢は「自殺として
処理された元妻の事件は、他殺ではないか」と疑う刑事に協力するが、この刑事、かなり暴走気味の男で……

暴走しまくって有り得ない行動をとる男が、主人公ではないというところが、まず感情移入しやすい。
ドラマは誰かが動いてくれないと物語が進まないので、特にスピード感を大事にするサスペンス作品では「過剰に動き回る
登場人物」というのが出てくることが多いのだが、こいつが主人公だと、正直、観ている側は疲れる。

「鑑識・米沢守の事件簿」では、この「動き過ぎキャラ」が、主人公とは別の人間になっていて、主人公の視点はあくまで
常識人のそれ。
物語自体も、ちゃんとミステリーとして出来ていて(最後はちょっと強引だったが)「犯人は誰か?」を視聴者が推理する
楽しみにも配慮されている。
(劇中、犯人は確かに不自然な行動をとり、犯行の動機と機会もあることがほのめかされているのだが、それがうまくカモ
フラージュされているのだ)

これは割と「当たり」のミステリーだったな。
カフェイン入り飲料を飲まずに気持ちよく、寝る。

2012年8月18日(土)
午前中。
雷が鳴ったなと思ったら、大雨。
午後に出かける予定があるのに困ったな……と、思っているうちにあがった。
最近の天気は、どうも変だ。

午後。
板橋区役所前までギターセミナーに出かける。
地下鉄を使うとやたら行きにくい場所なので遠い印象の場所だったのだが、バスだと片道20分程度であることを発見。

問題は、バスは停留所に着いてからが分かりにくいということ。
思いっきり道に迷い、徒歩2分の距離を30分迷う。

セミナーは3時半から。
会場はDream's Cafeという店で、内容的には初心者向けのギター講習会。
ギター各部の名称の説明から始まり、どの弦を押さえるとどの音が出るのかという、基礎の基礎から教えてくれる。

講師がカフェのマスターなので、1講義1000円(ワンドリンク付き、テキスト代込み)という格安価格が嬉しい。
本日の講義はチューニングの実習まで。

音叉を使って、弦の音程を合わせるのだが、
「同じ高さの音が出ているのかどうか、音叉の共鳴で確かめて」
と、言われて気づく。
(私は「音程」というものが聞き分けられない!)

そうか、これが音痴というものか。
これは訓練で克服できるものなのだろうか?

帰宅。
佐藤編集長からギターを借りてチューニングの復習。
……開始5分で弦をぶち切って終了。

夜。
テレビで「ほんとにあった怖い話」を観る。
視聴者から送られた体験談をドラマ化したもので、夏の定番ホラー番組。
こういう「いかにも」な番組は、けっこう好きだったりする。

【ここから完全ネタバレ注意!】
「赤い爪」
人間関係に疲れて田舎に転職したばかりの男性が主人公。
転職先が残業の多い職場で疲労が重なり、おまけにその日は発熱していた。
課長に言われて会社を早退して乗用車で帰宅しようとした主人公は(自動車通勤にも慣れていなかった)帰り道のY字路で
左に行くべきところを右に曲がってしまい、危険な行き止まりの道に入って変なところに辿り着き、そこで倒れてしまう。

療養を経て会社に復帰した主人公は、課長から「Y字路で何か見なかったか?」と聞かれるがその時は何も思い出せない。
そして、課長からY字路にまつわる怪談を聞かされる。
「Y字路で見かけたもののことを人に話すと、相手が不幸になる」のだとかで、どうやらその辺りでは有名な怪談らしい。

その後「Y字路で赤い爪の女を見かけたこと」を夢の中で思い出し、ややノイローゼ気味になってしまった主人公、同僚の
女の子から「デートしてくれたらY字路で見た者の話を聞いてあげる」と持ちかけられ、彼女に赤い爪の女の話をする。
すると今度はその同僚の女の子が「赤い爪の女が見える」と言い出す。

課長から「自分もむかし、ここで赤い爪の女を見かけ、そのことを友人と母親に話したら、
2人とも赤い爪の女の姿を見るようになった」と聞かされる主人公。
その後の2人の話を聞くと、別に今はどうもなっていないらしい。
同僚の女の子も、しばらくして元気になった。
(これ、怪談を本気にした人たちが、一時的に軽いノイローゼになったという話だよな?)

「黒い病室」
新人ナースが主人公。
一時、物置として使われていたことのある病室の患者が、相次いで死亡する。
その病室に入院することになった子どもが、天井のシミを気にし出し、やがて画用紙を真っ黒に塗ったり、気味の悪い顔
を描いたりするようになる。
主人公は、看護師長に少年の病室を移すように言うが……
(病院で患者が死亡するのは別に珍しいことではない。病気で精神的に不安定になっている子どもと、思い込みの激しい
ナースの話か?)

「右肩の女」
つきあっている彼女に別れ話を切り出そうとしている男が主人公。
別れ話をしようとすると、彼女は「あなたの右肩に女の霊が憑いている」と言う。
「私が付いていて護ってあげる」と、主人公の部屋に手製の「お札」を貼りまくる彼女。
おまけに大学の授業中に主人公の後ろの窓ガラスが突然割れ、別の大学の学生であるはずの彼女の姿を教室で見かける。
思いあまって霊媒師に相談すると「憑いているのはその彼女の生霊」だと言われる。
「彼女はあなたと別れたくないので『霊が憑いている』などと嘘をついた上、生霊になって
取り憑いているのだ」と霊媒師に言われた主人公は、そのことを彼女に話して完全に別れたのだった。
(これはいわゆるストーカーで、別に「生霊になっていた」と説明する必要はないと思う。
ある意味、一番怖い話だった)

「真夜中の列車」
時刻表を勘違いして終電が出てしまった後の駅に着いた男が主人公。
1時間前に発車したはずの終電が、なぜかホームに止まっていて、乗車してみると乗客が誰もいない。
主人公は、無人に見えた列車の中で気味の悪い人に出会い、列車が駅に着くなり外に逃げ出してしまう……。
(終電が出た後の駅のホームには入れないはずなので、主人公が「時刻表を勘違いしていた」と思ったことの方が勘違いで
単に普通に終電に乗っただけでは??? 路線によっては、終電がガラ空きというケースもあると思う)

「或る夏の出来事」
幼なじみの青年の死に負い目を感じる女性が主人公。
彼女は真夜中に夢うつつの状態で隣の弟の部屋で物音がするのを聞く。
目を開けると、目の前に立っていたのは死んだはずの幼なじみ。
夢かと思って翌朝目を覚ますと、夜勤のバイトから帰宅した弟が「自分の部屋が荒らされている」と言う。
その後も家族が夜中に家の中をうろつく男の姿を目撃。
幼なじみの幽霊だと思った主人公がホテルに泊まると、夜中に幼なじみの幽霊を見て、彼が「カギ」と言ったように思う。
しばらくして、弟が出がけにバイクの鍵をなくして外出が遅れ、その直後に近所で交通事故が起こる。
幼なじみは主人公の弟を事故から護ろうとしていたのだ……
(夜中に物音がして、部屋の中が荒らされていたら、普通は「幽霊」ではなく「泥棒」だと思うんじゃ???)

ツッコミどころ満載の楽しい怪談話を2時間堪能してしまった。
そろそろ寝ようか。

2012年8月17日(金)
朝のニュース。
韓国の大統領が竹島に上陸した件で、日本政府は韓国に国際司法裁判所への共同提訴を提案したが、韓国は拒否。
尖閣諸島に上陸した香港の活動家は、領土問題をアピールしたが日本政府は穏便に強制送還させた。

竹島を実効支配しているのは、韓国。
尖閣諸島を実効支配しているのは、日本。

何かとややこしい領土問題では、実行支配している側は「揉めずにこのまま」という方が得になる。
だから「実効支配していない側」は騒ぎを起こして領土問題の存在をアピールしたがり、「実効支配をしている側」はコト
を穏便に処理してなかったことにしたがる。

それなのに、今回の竹島の件では、韓国の大統領が自分で揉めごとを起こして、日本側に領土問題の存在をアピールさせる
チャンスを作ってしまった。
これって「悪手」じゃないのか?

午後。
昨日、読了したゴドウィンの “The Nothing Equation” を日本語に直して送信する。
(簡単に言ったが、なんと3時間かかった)

夕方。
コインランドリーにGパンを突っ込みに行ったら、恐ろしいことに、コインランドリーの前に1号くんが待っていて、飲み
に誘われる。

国道沿いの小さな居酒屋。
テーブルの上の小皿が、手を触れていないのにスウッと動いたので、
「心霊現象じゃあっ!」
と、はしゃいだら、1号くんに、
「表を車が走っているんだよ」
と、夢のないことを言われる。

ビールを2杯飲んだあたりで店内カラオケ大会が始まってしまった。
演歌を個性的に歌うおっちゃんたちを残し、後ろ髪を引かれる思いで(笑)店を出る。

コインランドリーに寄ってから帰宅。
寝る。

2012年8月16日(木)
午前中。
そろそろいろいろとやばくなって来たので、履歴書を持って区役所へ。

昼。
電話で佐藤編集長を誘って、一緒に食事。
「いけふくろう」で待ち合わせたのだが、盆休み中の池袋は人が少なくて、「いけふくろう」の前にいたのは、なぜか小太
りで眼鏡にリュックサックという似た感じの人たちばかり。

佐藤編集長お気に入りの東池袋駅前のスペイン料理屋で食事をしたあと、ダイソーで買い物。
ここでなぜか3000円が飛ぶ。
(100均で、何をそんなに買ったんだろう、オレ?)

夕方。
帰宅してトム・ゴドウィンの続きを読む。

夜。
どうにか “The Nothing Equation” を読了。
物理的には完璧に作られたはずの宇宙観測基地に係員を派遣すると、なぜかみんな気が狂ってしまうという話。
オチは『オデュッセイア』に出て来るポリュペモスのエピソードのパクリと言えば分かるか。
(タイトルそのまんまのオチだし)

しかし、なぜ「方程式」なんだ?
「冷たい方程式」がウケて、クセになったか、ゴドウィン?

……気がついたら午前2時になっていた。
寝る。

2012年8月15日(水)
午前中。
兎にも角にもアップルのサポセンに電話。
今回、電話に出た人は、会話の出来る人だった。
つまり自分より知識量の少ないユーザーの説明から状況を理解して、適切なアドバイスをすることが出来る人だ。
言われた通りにしたら、ちゃんとダウンロードが開始した。

前回のことがあったので、約1時間半PCに触らずに待ち、さらに30分かけて無事インストールに成功。
再起動して現れたデスクトップは、前と同じく銀河の映像だったが、ややダークなイメージの画像になっていた。
ネットに接続して表示されたアップルスタートの画面は、検索ウインドウが以前のものと違っていて、これは使い慣れた方
が良かったかな?

午後。
デスクトップのダークな銀河の映像を眺めつつ、トム・ゴドウィンの “The Nothing Equation” を読む。
宇宙観測基地でたったひとりで任務に就いている職員が、次第にノイローゼになり、最後に精神に異常をきたすという話。
訳しているうちに(私の語学力では小説を原語でダイレクトには読めない)だんだん頭がおかしくなっていくような文章。
さすが、鬱小説のゴドウィン。

夕方。
2号くん(平成4年生まれの20歳)が来る。
「今日は8月15日だね」
と、言ったら、
「15日って、何かあったっけ?」
と、言われる。

私も戦後生まれだが、上野で傷痍軍人がアコーデオンを弾いている光景は、子どもの頃に目にしている。
「あれは兵隊さんだ」と大人に聞かされ、まだ本当に子どもだったので「兵隊さん」が何かは正確に理解できなかったものの、
その人たちに手や足がなかったので、
(「兵隊さん」になると、手や足がなくなるのか)
と、ぼんやり思ったのと、彼らに向けられる通行人の視線が、なんとなく冷ややかだったことを覚えている。

そんなわけで、私にとって「戦争」とは「手足のない人が上野の森でアコーデオンを弾くこと」である。
そして2号くん、正解は「8月15日は終戦記念日」だからね。

夜。
2号くんの提案で酒盛りをしつつ、奴の用意して来たDVD「トイ・ストーリー3」を観る。
オモチャ箱のオモチャの話。

【以下、ネタバレ注意】
今回は、持ち主が成長して遠くの大学に行ってしまうことになり……という物語。
持ち主は、一番のお気に入りのウッディ(主人公)以外のオモチャを屋根裏に仕舞おうとするが、運ぶのにゴミ袋を使った
ために、過って捨てられそうになる。

「捨てられるぐらいなら」と、保育園への寄付用の箱に潜り込んだオモチャたち、しかしその保育園は持ち主に捨てられて
心の歪んだオモチャによって独裁支配されていて……

このシリーズ、第1話がウッディとバズが出会って衝突し、その後に友情が生まれるまでの話だった。
なぜ2人が衝突したのかと言うと、両者が共にヒーロー・キャラだから。

つまり、このシリーズ、ヒーロー・キャラが2人いるのだ。
そこで問題になって来るのが、ウッディをメインで活躍させたいときのバズの立ち位置。
で、今回は「悪役の企みで記憶を失ってしまった」ことにしていた。

どうでもいいこと。
バズがスペイン語で「どこですか? セニョリータ」というシーン。
スペイン語の「どこですか?」は「ドンデ エスタ?」なので、早口で言われると、そのまま日本語の「どこですか?」に
聞こえる空耳が楽しめる。(注:空耳には個人差があります)

DVDを観ながらビールと梅酒と日本酒を飲んでいたら、眠くなったので、寝る。

2012年8月14日(火)
朝。
メールをチェックしようとしたら、1件も届いていない。
いくらなんでもそんなことはないはず。
メールソフトの設定がおかしくなっていないかと確認するが、別に異常はない。

「mac メールが受け取れなくなった」で、検索してサポートサイトに入ろうとすると、サイトの一部が利用できなくなって
いるというメッセージが出た。
どうもこっちのトラブルではなさそうなので放置していたら、昼近くになって突然メールが復旧した。
(何だったのだろう?)

昼。
新聞を読む。
〈知床五湖 ヒグマ遭遇多発〉
という見出しで、観光客とヒグマとの遭遇を避ける有効な手段がないことが書かれている。

(ヒグマは体も大きいし、走るのも速いし、出会ってしまったら逃げようがなかもなあ)
と、思いつつ記事の続きを読むと……

〈(知床財団の担当者は)「ヒグマを見ても『車から降りない』『近づかない』『餌をやらない』の3点を徹底して欲しい」
と注意喚起している〉

……つまり、ヒグマに遭遇した時に、わざわざ「車から降りて」「近づいて」「餌をやる」人間がいるということか?
(なぜだ?!)

午後。
とても地味な事務作業。
途中、嫌気が差したので「ポアロ」をもう1回観て気分転換。
夕方までに、なんとか終える。

夕方。
あまりの面倒臭さに放置していた例のOSのアップデートをしようと、アップルのサイトに接続。
今回はなぜか領収書をどうのと言われないまま先へ進み、パスワードのメールが受け取れる。

とりあえず、ダウンロード開始。
……しばらくしてエラーメッセージ。

再びダウンロード開始。
……またしばらくしてエラーメッセージ。

しょうがないので、最初からやり直したら、今度は「このコードは既に使用されています」的なことを言われる。
明日になったら、サポートセンターに電話しよう。

不毛な1日だった気がする。
寝る。

2012年8月13日(月)
朝。
週末のニュースを斜め読み。
韓国の李明博大統領が、対北朝鮮強行政策を押し進めるために戦略的に親日外交を行っていたところ「お前は日本の手先
か」と言われて国内の支持率が下がったので、選挙向けのパフォーマンスとして竹島に上陸した。

私は、日韓両国で「反日・嫌韓世論」を煽っているのは北朝鮮工作員だと思っている。
なぜなら日韓同盟が成立すると、戦略的に一番困るのは北朝鮮だから。
対北朝鮮強行派の李明博大統領の評判が、なぜか日本で悪いのは、北朝鮮工作員の仕事の成果か?

昼。
昼食を摂りに外出し、帰りにGEOに寄ってDVDを借りる。
ポワロの「白昼の悪魔」。

デヴィッド・スーシエの名演に酔って、繰り返し3回も観てしまう。
吹き替え版の熊倉一雄も素晴らしい。

前にNHKでやったアニメ版の「名探偵ポワロとマープル」は演出が酷くて、ポワロがポワロじゃなくなっていた。
(そもそもポワロ役が里見浩太朗って、ないだろう!)

「フランス語混じりの変な英語を気取って喋る滑稽なベルギー人の小男」を演じさせたらデヴィッド・スーシエの右に出る
者はいないだろうし、この男の滑稽さを日本語で表現するのは、やはり熊倉一雄でなくてはならない。

私がこの映画で特にお気に入りのシーンは、医者の命令でいやいや保養地に出かけたポワロが浜辺で車を降りるところ。
まず、画面にはステッキが登場。
その先端が砂に潜って、浜辺の砂の細かさと埃っぽさを表現。
続いてその脇に降りて来る、無駄にピカピカに磨き上げられたポアロの靴。

続いて、これでもかとポワロをイジメまくる保養地のあれやこれや。
不味そうなヘルシー・メニューと、ワイン代わりのイラクサの青汁(!)。
見るからに窮屈で暑苦しそうなスチームサウナと、無神経な相客。
押し付けがましい健康アドバイザーと、その手先(笑)であるバーテン。

終盤で、食堂に関係者を集めたポワロが「全員に殺人の動機がある」と主張して、「容疑者たち」を容赦なく怒鳴りつける
場面へ向けて、この小男の内部に莫大なエネルギーがストレスとして蓄積されていく……。

この食堂のシーン、怒鳴りつけた相手が背の高い男で、ポワロが彼を見上げる体勢で威圧する演出になっているのが素晴ら
しい。
こんなチビで、こんなハゲで、こんな変な喋り方をしている、こんな、こんな奴に……
堂々たる押し出しの英国紳士が、びびるのである。
(爽快感!)

夜。
トム・ゴドウィンと、ちょっと闘ってから、寝る。

2012年8月12日(日)
朝。
……見知らぬ天井の下で目を覚ます。
夕べはコンパックで酔っぱらって眠ったのだと思い出し、とりあえずシャワーを浴びに風呂場へ。
10時の撤収時刻に部屋を出て、同室の方と「やよい軒」で朝食を食べてから帰宅。
同室の方は元自衛官なのだとかで、食事をしながら楽しく「ネットに集う右翼のアホ」の話を聞かせてくれた。
(現実を知っている人から見ると、笑うというより困惑してしまうようなことを書き込む輩がいるらしい)

午後。
一休みしてからコミックマーケットへ。
聞くところによれば「コミケ→コンパック→コミケ」という強行スケジュールで参加した人もいたらしい。
(体を鍛えないと、オタクにはなれないのだ)

熱中症になるといけないので、展示場正門駅で水のペットボトル2本(計200円)を購入したところ、サービスで防水手
提げとポーチのセットをくれた。
(採算は合うのか?)

会場内は、予想通りの熱気。
昨日だか一昨日だかに企業ブースで社員の人が熱中症で倒れたのだという噂。
夏のコミケ会場の異常な室温を知らない人が、会社命令で普通の展示会のイメージで来ちゃったのかな?

その他、郵便局のポカで会場に届いた郵送物の仕分けをコミケスタッフが手伝う羽目になったとか、まあ、いろいろあった
ことはあったらしいが、今年も夏のオタクのお祭りは楽しく行われたようで、まずはめでたい。

池袋で軽く飲んで帰宅。
夕方5時半に自宅に戻って軽く横になり、そこでタイムワープ!
気がつけば夜の9時前。
この2日間でなけなしの体力を使い果たしていたのだな。
マジで意識を失った。

夕食を食べて、これから本格的に、寝る。

2012年8月11日(土)
午前中。
トム・ゴドウィンとちょっと遊ぶ。

いろいろ雑用を済ませてから、荷造り。
今夜は本郷でコンパック2012があるのだ。

丸ノ内線で後楽園へ。
駅を出てから、お約束通り道に迷う。
10分程度でたどり着くはずの会場まで、30分も荷物を持ってウロウロ。
やっと見つけた宿屋の入り口に「悪の秘密結社コンパック」の文字を見つけ、なんか膝の力が抜ける。

荷物を部屋に置いてから宴会場で寛いでいたら、伊藤龍太郎氏から、
「コンパック会場に着きました。いま入り口です」
との連絡。
「了解です」
と、電話を切ってから、彼に私がコンパックに参加することなど教えていなかったことに気づく。

あとで当人を問いつめると、
「私の中では崎田さんは来るものと決まっていました」
との返事。
(あなたの中の私は、そういう人か?)

実を言うと、コンパックというものへの参加は今回が初めて。
イベントそのものより、会場である「鳳明館 森川別館」に来てみたかったという邪道な理由。
「鳳明館 森川別館」は、古い旅館を建て増ししたせいか、中の構造が複雑な4階建ての日本家屋。

もちろんエレベーターはなく、トイレは男女共用で、懐かしのアノ香りが漂う和式便器。
個室の中に貼ってあった張り紙の「USED PAPER IN TOILET STOOL」の「IN」の文字に×が書かれ、明らかに別人の筆跡で
「For」に書き直されていたところが、心くすぐるオシャレ感覚。(注:感想には個人差があります)

2時間ほど乾杯の練習などしているうちに、宴会本番。
どうも、宴会の裏でいろいろ企画とかがあったらしいが、慣れないので勝手が分からず、飲み会の席を外すタイミングが測
れなくてそっちは見損なってしまった。
ちょっと残念。

JAXAの物販コーナーで、絵のないジグソーパズルというのを買って来た人がいたので、一緒にやる。
ピースの形だけをたよりに組み立てていかなくてはならないので、とても面倒臭い。
(宇宙飛行士の訓練だか性格診断テストだかに使うのだという噂だった)

結局、2時過ぎまで酒を飲み続けて、そのまま上の部屋へ。
廊下をカナブンが飛び回っている辺りも、昔の日本の家という感じだ。

昭和50年代にタイムスリップしたような宿の空気に抱かれて、寝る。

2012年8月10日(金)
そこそこ涼しい朝。
午前中。
民放のニュース番組で、飼い主の車の中にいた犬が熱中症で死んだと言っていた。

この間、暑さの中を歩くのを嫌がる犬を引きずるようにして散歩させている人を見た。
真夏のアスファルトの上を毛皮を着て歩いているようなものだからなあ。
都会で飼われるのは、犬にとって不幸なことなのじゃないだろうか。

午後。
OSのアップデートのことで、アップルのサポートセンターに電話。
「スキャナーも高解像度のデジカメも持っていないので、領収書の画像データが送れないのだが」
というと、どうやら相手にとってはあまりにも想定外のことであったようで、他の担当者に相談するとかで2分ほど電話口
で待たされた挙げ句に返って来た回答は、
「お友達にスキャナーか高解像度のデジカメを持っている方はいらっしゃいませんか?」

……と、言われてもねえ、持っていそうな人は忙しいし、暇そうな人は持っていなさそうだし。
「アップルストアに機械を持ち込んだらアップデートすることは出来ないのか?」
と、聞いたら、それはアップルストアに直接聞いて欲しいとのことだったので、アップルストアに電話する。

アップルストアの回答は、
「ここではそういったサービスは行っていない」
とのことで、そもそも担当部署が違うらしい。

「担当部署では領収書のコピーの郵送は受け付けていないのか?」
という質問には、
「そういったサービスは行っていない」
とのことで、領収書の種類に付いて、
「保証書添付用のものでも良いのか?」
と、聞いたら、
「ここでは分からないので、担当部署に直接聞いてくれ」
との返事。
それも尤もかと担当部署の連絡先を聞いたら、
「アップルのサイトの送信フォームから、メールを送ってくれ」
と、言われた。

たぶん、この担当者に「世の中にはメールが苦手だから電話をするという人もいるのだ」などと言おうものなら、ただただ
驚かれるばかりなのだろう。
(宇宙人に会ったかと思われるかな?)

どうもアップル社のシステム全体が、人間がネットを介さずにコンタクトを取らないように出来ているらしい。
(つくづくアメリカの会社だなあ)

「CSI」というアメリカのドラマの、
「彼は消えたわ。ここ2ヶ月間、カードも使っていなければATMの出金記録もない」
というセリフを思い出して苦笑する。
(ネットに接続せざる者は、人に非ず)

ちなみに、アップルストアの人は、サイト内の送信フォームのある場所をすごく丁寧に教えてくれたが、たぶん私が自力で
見つけろと言われたら無理だっただろう。

ページのたどり方が、私には理解できないものだったからだ。
(えっ、そこから行くの?)
という感じ。
たぶんアップルの製品に精通していて、その製品が作られた哲学みたいなものが分かる人間にはものすごく納得のいく分類
方法でサイトマップが作られているのだろうね。

せっかく教えて貰ったものの、サイトのフォームからメールを送るというのが大の苦手の崎田は、金額を記入した領収書を
再発行して貰った方が早いと、ビックカメラに電話をする。
担当者は親切だったが、
「納品書ではダメでしょうか?」
と言う。

「納品書ならFAXで送れますが、領収書だと店まで取りに来て頂かなくてはならないのです」
とのことだったので、
「店まで取りに行くので領収書にして欲しい」
と、答える。

もしも彼が、私が領収書を選んだ理由が「FAXの操作が面倒だから」だと知ったら、どんな顔をするだろう?
……面倒な機械の操作の手間を省くため、歩いて書類を取りに行く。(笑)
私は接続しない女。

ビックカメラで領収書(手書き)を発行して貰って、帰宅。
ニュースを見る。
「社会保障と税の一体改革関連法が、参議院本会議で、民主・自民・公明などの賛成多数で可決」
(次の衆院選で自民党が勝つと、この3党は「事実上の連立」から「名実ともに連立」になるのかな?)

夜。
トム・ゴドウィン “The Nothing Equation” の続き。
読んでいるうちに「無」に襲われる。(笑)

寝る。

2012年8月9日(木)
朝。
Googleの検索急上昇ワードに「チャージマン研」が入っていたので不思議に思って検索してみたところ、昨夜「再放送して
欲しいアニメの第1位」としてどこかのテレビ番組で紹介されたらしい。
(そのアンケート、どこで調査したんだ?)

昼。
トム・ゴドウィンの続き。
文章は素直だが、ゴドウィンと言えば「冷たい方程式」の人なわけで、当然のように内容は憂鬱。
読んでいるとどんどん暗い気持ちになって来るので、ちょっとモチベーションが下がる。

午後。
スーパーに行ってカラーボックスを買って来る。
かなりどうしようもない状態だった本類を少し整理。

夜。
内閣不信任案の採決。
民主党が反対し、自民党と公明党が退席したので否決。
「反対」だとあとで「信任した」と言われるからなのだが、自民・公明・民主は、傍目から見ていると「自公民党」という
1つの党として動いているように見える。
その中で「自民派」「公明派」「民主派」が、せいぜい「派閥争い」レベルの対立をしてるという感じ。

要するに、派閥の寄り合い所帯だった昔の自民党みたいなもの。
「派閥」が「党」に名前を変えただけなので、違いを強調している割には、進もうとする方向はだいたい同じ。
(これなら昔の自民党の党内派閥の方が意見の対立は大きかったんじゃないか?)

そういう昔をよく知らないからか、自民党の若手議員は、真面目に採決に参加して不信任案に「賛成」を投じたらしい。
若手が党の方針に逆らったりしたら、普通は大変なのだけれど「プリンス進次郎」がいるから、たぶん大したお咎めはない
と踏んだのだろうね。

ところで、このところ影が薄く、もはや「誰?」という感じの小林興起議員(うちの選挙区のひと)だが、なんか民主党を
離党して「賛成」票を入れたらしい。
先月、某所の飲み会で小耳に挟んだ、
「小林興起は、どうやら次の選挙は別の党から出るらしい」
という話は、これか?

彼も郵政選挙で自民党から追い出され、あっちこっちを漂った挙げ句に、ほとんど議員に返り咲くためだけに民主党に入っ
たような感じだったが、結局冷や飯を喰わされて党を出るタイミングを窺っていたのだろう。
次はどこから出るのかなあ?
石原慎太郎と並んで写っているポスターベタベタ貼ってがあるから、そっちの方かな?

夜。
2号くんが缶チューハイとさきいかを持ってやって来たので、一緒に飲む。
どうやら奴は、20歳になって以来、連日飲みっぱなしらしい。
ぶっ倒れても支障のないところでぶっ倒れるまで飲んで自分の酒量の限界を知っておくのも大事だから、放っておく。
(ほら、そろそろロレツがおかしくなって来た)
(^◇^)(^◇^)(^◇^)

……さて、2号くんもダウンしたことだし、私も寝る。

2012年8月8日(水)
朝。
あまり暑くはない。

民放の朝のニュースバラエティで、
「『エヴァンゲリオン』がオシャレだと、若い女性の間で大人気」
という特集をやっていた。
(ファッション感覚で観るような番組だったっけ???)

昼過ぎから、ディックの続き。
日が暮れて、やっと終了。
短編1本読むのに、丸3日かかったことになる。

 “BEYOND LIES THE WUB”
火星人から豚そっくりの「ワブ」と呼ばれる生物を買った宇宙船の乗組員。
ワブはテレパシーで会話する能力を持ち、知的で教養に溢れ、哲学や芸術について議論するのが大好きな生き物。
しかし、残忍な船長はワブを殺して食糧にしてしまおうと考える……

(ああ、そういう話だったのね)
と、訳し終わってやっと分かった。(笑)

夕方。
コインランドリーにGパンを放り込みがてら、1号くんの部屋へ遊びに行く。
なんとなく飲んでいるうちに、勢いがついて近所の居酒屋へ。

帰宅してメールを見たら、トム・ゴドウィンの原文のテキストファイルが届いていたので、さっそく読み始める。
ディックよりは素直な文章みたいだ。
途中まで読んで、寝る。

2012年8月7日(火)
朝。
ニュースは〈米探査機が火星着陸〉のニュース。
探査機キュリオシティがゲイルクレーターに着陸成功。

これ、降り方が変わっていて話題になったやつだよな。
何しろ重いので(約900kg)当たり前の方法だと上手く着陸できない。
で、まず母船がパラシュートで減速してから、ロケットを噴射して地表のホバリングしながら地表20mまで下降。

そこからキュリオシティをワイヤーで吊るして地上に降ろしてから切り離し、母船の方は近くに落っことすという仕組み。
書いていても手順が面倒臭そうなことは分かる。
これを1万km以上離れたところでやるのだから、すごいものだ。

昼。
12時半に昨日のディックの続きを読み始める。
……2時間ぐらいで読み終わるかと思った短編が、4時半になってもまだ終わらない。
自分の語学力のなさを痛感する。

2号くん、遊びに来る。
「5年後の未来はどうなっているか?」
というような話をする。

私の予想。
「音声入力機器の普及で、みんなの滑舌がなんとなく良くなる」
って、アシモフ(『第二ファウンデーション』に出てくる音声入力ワープロのセールスマンの営業トーク)のパクリだな。

街を歩く若者たちが、やたら滑舌の良い発音で会話している図を想像していて、ふと思ったのだが、音声入力装置が造語
の類いに対応できないとすると「若者言葉」というやつが生まれづらくなるということになるのだろうか?
後の言語史研究家が、新語の数が急激に減った時代として研究したりして。

夕方。
吹き矢の講習。
的を1個破壊して帰宅。

夜。
ディックの続き。
結局、読み終わらないまま、寝る。

2012年8月6日(月)
朝。
起きてシャワーを浴びるが、あまりの暑さに洋服を着る気が起こらない。
浴衣姿で部屋でぶらぶら。
(朝から浴衣がけって……)

午前中。
昨日、エピクトさんから貰った『青い星まで飛んで行け』(小川一水 ハヤカワ文庫)を読み始める。
短編集。
1本目は「都市彗星(バラマンディ)のサエ」。
舞台は、タイトル通り彗星に作られた都市。
ヒロインのサエは、なにかと言うと「うひっ」だの「くわぉわー」だのといった奇声を発したり、オーバーリアクションで
食べかけのものを吹き出したりするような14歳の女の子。
ギャグなのかと思ったら、意外とシリアスな話だった。

考えなしに突拍子もないことをする主人公の行動に従って、重苦しい世界が語られ、その世界から抜け出そうとする人間の
必死の足掻きが、深くものを考えずにドタバタやっているうちにトントン拍子にことが運ぶヒロインの視点で語られる。
(まだ世の中をナメている中二ぐらいの子供の妄想をリアルに描写した作品?)

2本目は「グラスハートが割れないように」。
トンデモ健康食品にハマった高校3年生の女の子の姿を、ボーイフレンドである大学生の視点から描いている話。
(元ネタはたぶん「水は答えを知っている」事件なのだろう)

どちらの話も、主人公の想定の範囲でしか世界が動かない。
例えば「この女の子の親は、なぜ何もしないのか?」とか「医者は何をしているのだ?」とか考えると、いきなり空白に突
き当たってしまう。
主人公の考えが及ぶ範囲外には、世界が存在していないのだ。
(これがいわゆる「セカイ系」という奴?)

そんなわけで2本とも、とても精神を不安定にさせれる作品だった。
3本目に取りかかるのは後回しにして、買い物に行くことにした。
地下鉄で千川のスーパーへ。
たまに行く店。
新しいぐい呑みを買うつもりだったのだが、改装で店内が一新されていて、店員に聞いたらどうやらそうしたものは扱う
のをやめたらしい。

当てが外れて、どうだっていいものを2、3買ったあと、向いのファミレスで早めの夕食。
帰宅したが、小川一水の連続読みには精神が耐えられそうもないので、フィリップ・K・ディックの短編をネットで拾って
読むことにした。

昨日、乱学講座の帰りにディックの未訳作品を翻訳して遊ばないかと誘われたのだが、自分の語学力に自身がなかったので
一応、返事を保留にしていたのである。
ネットで拾ったディックの原文をPCに落として読み始める。

夕刊。
今日が原爆忌だったことを思い出した。

日経電子版の記事を読む。
〈「原発は高くつく」 GEトップの発言は本当か 〉

ゼネラル・エレクトリック社のCEOであるジェフリー・イメルト氏が「原発は(他の方法の発電所に比べて)高くつく」
と発言したことについて。

〈昨年の各種経済予測では、原子力発電所が生み出す電力はこの先何年も天然ガスや風力発電所、太陽光パネルの電力より
も安いか同程度とされていた〉
しかし、
〈太陽光パネルの市場価格が急落し、風力タービンの価格も下がったうえ、膨大な量のシェールガスの発見で米国における
安いガス価格がほかにも広まるとの期待が生じた〉
原子力業界の幹部は、イメルト氏の発言は米国という1国の事情を反映したものに過ぎないと言っているのだが……

〈原子力発電がガスや再生可能エネルギーと張り合えることを示してイメルト氏の間違いを証明するには、まだまだ時間が
かかりそうだ〉
と、コラムは結んでいる。

私はなんとなく「原子力発電は他の発電方法に比べてずっと安く電気が作れる」と聞いていた気がしたのだが、世界の常識
では、せいぜいが「天然ガスや風力発電所、太陽光パネルの電力よりも安いか同程度」だったのか。
じゃあ、太陽光パネルとかで発電したら???
値段がそんなに変わらないなら、事故が起きた時に安全な方が良いじゃないか。

そもそも、電力の安定供給の視点から考えて、発電方式を1種類に絞るというのは、素人が考えても危うい話だ。
「原発がコケたら皆コケた」みたいな騒ぎは、去年、体験済みだろう。
いろいろな方式を併用して発電を行えば、リスクも分散できて良いと思うのだが。

政治のニュース。
内閣不信任案がなんちゃらと。
毎年9月に総理大臣が変わるのが既に恒例と化しているので、特になんとも思わない。
(もう、勝手にやっててくれ)

夜。
テレビで「戦国鍋TV」をぼーっと見る。
「幕×JAPAN」のドラムを担当している坂本龍馬くんが手に怪我をしたとか。
徳川家康さんが武田軍に追われて逃げる途中、茶店で食い逃げをした事件が発覚とか。
木下勝俊さんの離婚事件とか。

「戦国鍋TV」は、テレビ神奈川と千葉テレビ、テレビ埼玉と、なぜか兵庫県のサンテレビジョンの共同制作バラエティ。
無駄にマニアックなところが好きだったりする。

ディックの続きを読み始めたが、2/3ぐらい読んだところで眠くなって、本日は終了。
短編1本を読むのに、こんなに時間がかかってちゃダメだな。

寝る。

2012年8月5日(日)
寝苦しい一夜が明けると、今日も夏。
寝不足である。

午後。
SF乱学講座のための準備。
本日の講師がノートパソコンを持っていないので、講座に使う参考資料の用意を頼まれているのだ。

講座のタイトルは「虹の色は何色か(完全版)」
講師は、元小学校教員の草場純氏。

夕方。
MacBook Airをリュックに入れて出かける。
電源ケーブル等を含めるとそれなりの重量となる。
(一番重かったのは「延長コード」)

会場に着くと、改装工事がやっと完全に終わったのか、いつも通りの入り口から入れる。
工事中はぐるりと遠回りをしなければならなかったのだ。
ロビーでゆーびっくさんに会ったので北海道の思い出話など……。

講師の草場さんがやって来て、
「画像を使うと、プロジェクターやスクリーンの準備が面倒じゃない?」
とか、今さら言い出すので、
「わざわざ重たい機材を持って来たのだから、使いましょう」
と強く主張して、MacBookをプロジェクターに繋ぐ。

実は本日がVGAアダプターの初陣。
万一、上手く接続できなかったらゆーびっくさんのノパソにデータを移させてもらおうかと思っていたのだが、ケーブルを
繋いだ瞬間にパッと画面に予定通りの虹の画像が映り、「さすがはMac」と感心される。

さて、肝心の講座の内容。
「虹の色は何色(なんしょく)か?」

このことを最初に問題にしたのは、鈴木孝夫という言語学者。
アメリカ人に「虹は7色だ」言ったところ、「6色だ」と言われた鈴木孝夫は、このことを1978年に発表した『日本語
と外国語』という本の中で取り上げた。
アメリカ人によると、虹の色は「赤橙黄緑青紫」の6色であり、日本人が青と紫の間に認める「藍」に関しては、「藍は青
の一種だろう」と言って譲らなかったのだと言う。

同じ年。
日高敏隆という動物生態学者が『犬のことば』という本の中でやはり同じ問題を取り上げた。

翌年。
村上陽一郎という科学史家が『新しい科学論』という本で、桜井邦朋という宇宙物理学者が、『〈考え方〉の風土』という
本の中でこの問題を取り上げた。

彼らは皆、この理由を「文化的なもの」つまり、
「アメリカ人は色の言葉が不足しているから、虹の中の藍色を識別できずに虹は6色であると思うだけなのだろう」
と考えた。

ところが、よく調べてみると昔はアメリカ人も「虹は7色」と考えていたことが分かる。
1833年にアメリカで出版されたミス・メアリー・スゥイフトのロングセラー『子どものための科学入門』にもちゃんと
「虹は7色」と書いてある。

実は「虹は7色」と言う説を最初に唱えたのはアイザック・ニュートンだった。
『光学』という本を出した1904年頃には、ニュートンは虹を「赤黄緑青菫(すみれ)」の5色だと考えていた。
しかし、その後「分光学」の研究を行って行くに際し「虹は7色」と考えを変えたのである。

なぜか?
ひとつには、彼がキリスト教徒だったから。
聖書には「神は6日で世界を作り、後の1日を安息日とした」と書いてある。
よって7は特別な数字であり、だったら虹の色も7色なのではないかと考えたようである。

もうひとつは、光を「波動」と考えたニュートンが同じ波動である音が「ドレミファソラシ」の7音の音階から出来ている
ことをヒントにしたから。
彼は虹と音階の理論を対応させて分光学の理論を組み立てて行ったわけである。

虹の色同士には明確な境目が割る訳ではなく、グラデーション変化をしているわけだから、赤と黄色の中間の色を「橙」、
青と菫の中間の色を「藍」と分けて数えれば、5色に見えていた虹の色の数も7色にすることが出来る。
よって、「7色であるはずのもの」は「7色」とされる。

このニュートンの考えに基づいて決められた虹の色が、明治の学制開始の頃に日本に輸入された。
それまでの日本の書物などを見ると、虹の色の数はまちまちで、特に「何色(なんしょく)」と決められたものではなかっ
た。
それが、学校教育で「虹は7色」と教えられることによって「虹の色は7色」というのが常識になったのだ。

ところで、アメリカの虹の色はなぜ「7色」から「6色」になったのか?
これは1941年にB・M・パーカーという人が著した単元別教科書『雲と雨と雪』で、
「あなたは、〈虹には七色ある〉と聞いたことがあるかも知れません。ときにはindigoが虹の色の一つとしてあげられる
ことがあります。indigoというのは、赤みがかった青です。あなたが特に〈青と藍の両方の名を挙げたい〉というのではなけ
れば、両方の名を挙げる必要はありません」
と「虹は6色」説を取ったから。

よって、アメリカでは1941年以後には学校で「虹の色は6色」と教えるようになったようだ。
言語学者の鈴木孝夫先生がアメリカ人に虹の色を尋ねた1978年頃は、ちょうどこの新しい教科書で虹の色を学んだアメ
リカ人が30代ぐらいになって日本の文化人と交流するようになった時期になる。

まとめると、
日本人が虹を7色だと思っているのは、ニュートンの説を採用した教科書で教わったから。
最近のアメリカ人が虹を6色だと思っているのは、パーカーの説を採用した教科書で教わったから。

放課後。
「包茶」で食事をして帰宅。

寝る。

2012年8月4日(土)
午前中。
暑いなーと思っていたら、天気予報が午後は雨だと言う。

午後。
予報通り雨が降ったので、涼しくなるのを期待したら、蒸し暑くなった。
(打ち水効果なんて、もう信じない!)

夕方。
雨が止み、中止かと思っていた盆踊りの太鼓の音が聞こえて来たので、はしゃいで浴衣に着替えて出かけようとしたら下駄
が見つからない。
しょうがないので古い下駄を履いて出かけたら、硬くなった鼻緒で鼻緒ずれを起こし、踊れなくなる。

今夜はヴァリコンの打ち上げだったなと思い、幹事に電話して途中参加を告げる。
地下鉄に乗って渋谷に着いたが、店の場所が分からない。
もう1度電話して聞いたら「アニメイトの傍」だと言われたので、駅員に、
「アニメイトはどこですか?」
と、聞いたら、
「は? 何ですか、それ?」
と、聞き返される。
(しまった! ここは渋谷だった)

(池袋の駅員だったら、きっと分かってくれたはず!)
と、心の中で泣きながら、
「さあ? 私にもよく分かりません」
と、作り笑顔で嘘をつく。

再度電話して、
「もう少し(一般人に)分かりやすい目印はないのか?」
と、聞いたら、
「じゃあ246を目印に来て。その手前だから」
と、言われたので、
「246というのはどこですか?」
と、駅員に聞くと、
「5番出口を出たすぐ目の前です」
と、教えられたので、その通りに行くと、目の前に「109」があった。
(数字なら、なんでも一緒か、駅員!)

傍にビルの警備員らしき人が立っていたので、
「この辺に『209』だかなんだか、そんな風なものはありますか?」(すでに自分でも何だか分からなくなっている)
と、聞くと、警備員、
「国道246号線なら、ここを真っすぐ行ったとこだけどねえ」
と、答える。
数字に弱い渋谷の迷子に慣れている警備員、偉い!

国道246号線の手前を探したが、それらしい店はない。
またまた幹事に電話して迎えに来て貰ったら、店は国道246号線の「向こう側」にあった。
(「手前」というのは、店にいる幹事自身を基準にしてだったらしい)

1時間ほど飲んでから、池袋に移動。
閉店まで2次会。
店の人が店内を片付け始めたので、帰宅。

寝る。

2012年8月3日(土)
扇風機と添い寝している。
暑いから。
たぶんあまり健康には良くないのだろうな。

午前中。
昨日のテレビの「呪いの仮面」についてまとめたサイトを見つける。
それによると、実際の事件の時系列は私が思っていたのとちょっと違っていて、弟が最初に仮面を見たのはそれが事務所に
届いた直後で、研究家が仮面を箱に入れたのは一連の事件が全て起こった後なのだそうだ。

よって弟が2度目に見た時に仮面が箱に入っていたのは、呪いがどうのというのとはぜんぜん関係なく、単に事務所の引っ
越しのため、荷物として箱詰めされていただけということだったようだ。
だからと言って、話の大筋に特に変わりがあるわけではないが。

午後。
仮面の話を検索したついでに見つけたショートショート怪談集みたいなサイトを見つけて、つい読みふけってしまう。
(なんのかんの言いつつ「オカルト話」は好き)
結構、秀作と思われる作品があるのだなあ。

夕方。
昨日20歳になったばかりの2号くんを誘って近所の居酒屋へ。
日本酒と梅酒と焼酎を飲ませて感想を聞いたら、
「梅酒が1番好き」
とのこと。
まだ子供の舌だな。(笑)

夜。
部屋でで少しウトウトしていたら、ビィーンという振動に続いて揺れが来た。

 時刻:22時19分頃
 震源:茨城県南部(北緯36.1度 東経139.9度)
 深さ:約50km
 規模:マグニチュード4.5

地震情報を見ようとテレビをつけたら、ちょうどニュース番組をやっていて、特集が「オスプレイ」だった。
アメリカ国内でも「よく落ちる」と評判のこの戦闘機が、なぜ作られ続けているのかというリポート。
簡単に言うと、部品工場が各州に分散した形であるので、製造を中止すると雇用に打撃を受ける州が多い。
ぶっちゃけて言うと、議員がオスプレイに反対すると、選挙で票が集めにくくなる州の数が多い。
そのため、オスプレイ製造に反対しにくい立場の政治家が多いのだという話。

まったく素人としての意見を言うと、乗せられる戦闘機の信頼性が低いというのは、兵士の士気に関わる重要な問題なのだ
から、現在オスプレイを作っている工場で別なものを作ることで雇用を確保する方向に検討を進めた方が、アメリカのため
にも良いのではないだろうか?

まあ、もうひとつの問題、560億ドルもかけて開発した兵器を「失敗作でした」と言って、誰が責任を取るのかという話
は残るとは思うが。

とりあえず、日本の防衛省さんへ。
「あれは不良品なので、恐いお兄さんに押し売りっぽいことをされても絶対に買わないように」
大金をはたいて日本の自衛官を殺してどーする?!

寝る。

2012年8月2日(木)
朝刊の1面に、〈難病ALS治療に道〉の見出しを見つける。
〈京大、iPSで薬候補発見〉だそうだ。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者の皮膚細胞から作成したiPS細胞で運動神経の細胞を作って調べたところ、ALS
の患者の細胞は脳の命令を骨格筋に伝える突起が通常より短かく、また、細胞には特定のたんぱく質が多くたまっていた。
この細胞に「アナカルジン酸」をふりかけたところ、問題のたんぱく質が減り、突起の長さも正常になった。
というわけで、「アナカルジン酸」がALSの治療薬として使えるのではないかという話らしい。
成功するといいね。

午後。
ちょっとしたトラブルで3時間ほど待ちぼうけ。
手元にMacBookがあったからいいけれど、3時間も完全に時間を無駄にすることになっていたら少々イラつくことになっ
ていただろう。

夕方。
1号くんから電話があり、今夜アパートで2号くんの誕生パーティーを開くのだと言う。

夜。
ビールを買ってパーティー会場へ。
2号くんの20歳の誕生日を祝う。

「オレ、あんまり自分が大人って気がしてなかったのだけど、酒が飲めるってことは大人なんだよな」
と、2号くん。
「これからは、もっと大人らしくしようと思う」

良い心がけである。
今後は、エレベーターの階数ボタンを連打したり、アパートの階段で変な動きをする踊りを踊るのはやめてくれ。

さて、寿司とビールとケーキで腹が膨れた酔っぱらいどもは、畳の上でゴロゴロしつつテレビを観始める。
夏の心霊特集番組。
1時間の番組の大半は動画サイトで有名な心霊動画の紹介だったが、最後の話が「本日の目玉」だったらしい。

次のような話である。
呪いの仮面の話。
(1) ある怪奇現象研究家が祭祀用の仮面を購入する。
(2) その仮面が自宅に届けられると、妻が「嫌な感じがするから家に入れてくれるな」と言う。
(3) 研究家は仮面を自宅とは別の事務所の壁に飾る。
(4) ある雑誌がその仮面のことを取り上げることになる。
(5) 雑誌が出来上がった直後、担当編集者が陸橋の階段から落ちて大けがをする。
(6) 雑誌を出した出版社も倒産してしまう。
(7) しばらくして、隣家の主婦が風呂場で死亡する。
(8) 隣家の庭からは、事務所の壁にかかっていた仮面を見ることが可能だった。
(9) 研究家は仮面を箱にしまう。
(10)研究家の弟がその箱を開けてしまう。
(11)まもなく弟の友人夫婦が死亡する。
(12)弟が再び仮面の箱を開けている時に、電話がかかって来る。
(13)弟は電話の相手と会う約束をするが、まもなく電話の相手は急死してしまう。
(14)研究家は、仮面を寺に預けて供養してもらうことにした。

さて、この「怪奇現象」は、どこから起こったのか?
私は(7)が発端だったのではないかと思う。

(1)は、特に問題ない。
(2)も、夫のこれまでのコレクションを知る妻が、届けられたものに「何か嫌な予感」を覚えても不思議ではない。
(ところで再現映像では妻は仮面の「箱」だけ見て嫌がっていたが、もしもそれが演出で、妻が見たのが「祭祀用の仮面」
そのものであったとしたなら、なおさら嫌がるのが当然だと思う)

(3)(4)は問題ない。
(5)は、雑誌の校了直後で、担当編集者が疲れていたのだろうと考えるのが自然。
さらに(6)を見ると、勤め先が倒産寸前だったわけだから、心労も溜まっていたものと思われる。
出版不況が言われ続けている昨今、出版社の倒産自体は別に異常なことでもなんでもない。
だからこの時点では、研究家もこの「事件」と仮面とを結びつけては考えなかったのだろう。
仮面はそのまま事務所の壁に飾られ続けていたようである。

ところが、ここで(7)の事件が起きる。
(8)は、単に可能性の問題であって「主婦が仮面を見た」というのは、あくまで研究家の推測に過ぎない。
つまり、このとき「主婦の死」と「仮面」を結び付けたのは研究家自身なのである。

そこで研究家は(9)の行動に出る。
(10)と(11)は、普通だったらあまり結びつけては考えないことだ。
しかし、ここで(12)(13)の事件が起きる。
話全体を通して「仮面を見た」と「人が不幸になった」が、いささかでも関わりのありそうな唯一の例である。
おそらく研究家から仮面の「呪い」の話を聞いていたであろう弟は、この「たった1度の偶然」を「そういえば、前に友人
が亡くなった時にも、その少し前にこの仮面を見た」という風に(10)と(11)を結びつけてしまったのだろう。
で、(14)ということになったのだろうとは思うが……。

そもそも「仮面を見た本人」ではなくて、「仮面を見た人の友人」が呪われるって変じゃないか?
一番呪われそうな立場の怪奇現象研究家本人が、まったくどうもなっていないのである。

隣人が急死して、警官が自分のところへやって来た。
これは研究家にとって大事件だったのだろう。

会う約束をしていた人が、その直前に死亡してしまった。
これは研究家の弟にとって大きなショックだったのだと思う。

かくて祭祀用の仮面は、彼らが心に受けた衝撃を和らげるために「呪いの仮面」とされ、寺で供養される。
「この『モノ』のせいで悪いことが起きた。これを遠ざければもう悪いことは起こらない」
心の平安を取り戻すための「儀式」である。

偉かったのは、仮面を預けられた寺の住職。
「こうして供養しているのだから、この仮面もこれからは人を幸せにする仮面になるでしょう」
みたいなことを言っていた。
ちゃんと分かっているのである。
(たぶん、他にも似たような「呪いの品」を預けられたことがあるのではないか?)

……というわけで、楽しく番組を見終わったのだが、残念だったのはパーティーの参加者の中に誰も「怖がり」がいなかっ
たこと。
ホラー系の番組って、一緒に観ている誰かひとりぐらいは怖がってくれる人がいないとつまらないよな。

家に帰って、寝る。

2012年8月1日(水)
昨日は暑いからと少しだらだらしすぎてしまった。
なので、今日は早起きしてジョギングをすることにした。
運動で体を鍛えて、暑さを乗り切るのだ!

……しかし、この炎天下にそこらの道をやたらに走り回って熱中症になってはいけないな。
エアコンの効いた屋内ランニングコースへ。
更衣室で着替えて10分間ほどコースを走り、シャワーを浴びてから帰宅する。

午後。
ジョギング疲れでダウン。
つくづく運動が向かない体質なのだと思う。

夕方。
2号くんの部屋へ行き、一緒に「CSI・トリロジー」のDVDを観る。
「CSI:マイアミ」で起こった事件が、「CSI:NY」での事件の関わって、最後に「CSI:科学捜査班」の管轄である
ラスベガスでの事件を解決して終わりというシリーズ全てをクロスオーバーする構成。

ストーリー全体を通しての主人公が「CSI:科学捜査班」の主人公である人情家のラングストン教授(ローレンス・フィッ
シュバーン)だったので、話がウエットな人情話になっていて、私はあんまり好きじゃなかったな。

謎だったのは、登場人物同士がストーリーとぜんぜん関係なく、唐突にアメリカ兵を讃える会話をするシーン。
(軍がスポンサーに付いたのだろうか?)

夜。
「福しん」に行ったら、半ラーメン(250円)がメニューから消えていて、餃子が180円になっていたのがショック。
替わりに「手もみラーメン麺少なめ(350円)」というのが出来たらしい。

いままで100円餃子+半ラーメン(計350円)という格安セットで食事を済ませていたので、いきなり180円分出費
が増えた!
たぶん同じことをする奴が続出して、店側が客1人に付き350円の売り上げでは割に合わないということに気づいたもの
と思われる。
(次回からは普通に380円の手もみラーメンを頼もう)

帰り道でブック・オフに寄り『4ジゲン』(にざかな 花とゆめコミックス)を買って帰宅。
作者名の「にざかな」は「にざ(原作)」と「かな(作画)」というコンビ名らしい。

イメージ的には『魁!! クロマティ高校』の少女漫画版かな?
変人の集う定時制高校の日常を描いたギャグ漫画。
(定時制高校からは、苦情は来ないのだろうか? 『クロマティ高校』にはクロマティから苦情が来たそうだが)

ところで、この漫画の原作を担当している「にざ」さんというのは、一條マサヒデさん。
『殺し屋さん』の作者「タマちく」の「タマ」さんである。
『殺し屋さん』の時にも思ったのだが、原作者と作画担当者の人間関係って、難しい場合が多いのか?
……などと「あとがき」を読みつついろいろと考える。

さて、今日は、慣れない運動でくたびれた。
早く寝よう。

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