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独 り 言 (2012年4月分)
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2012年4月30日(月)
午前中。 ここのところいい加減体重がヤバくなって来たので、とりあえず1日の摂取カロリーを記録してみることに。 というわけで、朝ごはん♪ アサヒドライゼロ 15キロカロリー たん塩 70キロカロリー (朝食のメニューとしてどうかとかは言わないやうに) ニュース。 韓国紙・中央日報は30日、ワシントンの外交消息筋の話として、米当局が、北朝鮮が早ければ週内にも、3回目の核実験 を実施する可能性があるとの判断を韓国側に伝えたと報じた。 あの国もトップが交替して、いまはいったいどんな風になっているのだろう? 昼ごはん♪♪ ホットドッグ 165キロカロリー トマトジュース 95キロカロリー リポD 74キロカロリー 午後。 腹筋運動とか。 あまり効果はなさそうだが、気休め。 脇腹から背中にかけての脂肪が、かなり大量につまめたのが嫌だった。 夕ごはん♪♪♪ ホットドッグ 165キロカロリー キャベツ(155g) 36キロカロリー 東京MXで「ガッチャマン」の再放送をやっていた。 コンドルのジョーが頭に重傷を負う話。 傷口に入り込んだ破片を遠心分離機を使って取り出そうとするが、失敗。 ゴッドフェニックスが爆風できりもみ状態になったら、簡単に外に飛び出した。(^^; それにしても、ジョーひとりがいないと必殺技の「火の鳥」も使えなければ「バードミサイル」も撃てないって、どんだけ 弱いんだ、科学忍者隊? (むかしのアニメは、いま見ると設定の大らかさに笑うなあ) 晩ごはん♪♪♪♪ ギョウザ 258キロカロリー シュウマイ 82キカロリー ギョウザというのは、中国人に言わせると「主食」なのだそうだ。 だからギョウザ定食というのは、「お好み焼きライス」みたいな感覚になるらしい。 確かに「ナントカ飯店」みたいな中国式の店のギョウザは皮が厚くて「麺」っぽい。 それに対して同じ中華料理屋でも日本式の「ラーメン屋」のギョウザは皮が薄く、肉料理の一種という感じ。 日本に渡って来たギョウザの皮は、いつ頃からこんな風に皮が薄くなったのだろう? で、本日は中華風にギョウザは主食の扱い。 炭水化物の量は減らした方が摂取カロリーを低く押さえられるから。(と、思う) 夜。 一日だらだらしていたツケで、細かい雑用でなんとなく忙しい。 本日は、ダイエットのため夜食は抜き。 寝る。
2012年4月29日(日)
良い天気だ。 昼から「メンサ・テスト合格者の会」例会。 最近は、映像を持ち運ぶのが楽になったせいかネタ映像の持ち込みで、本日も半分は上映会。 雷の発生時に飛び出す「スプライト」と呼ばれる電光の映像とか。 「ニホンオオカミっぽい動物」の写真とか。 その他、ゴールデンウィーク用観光地のなんかとか、分けの分からないもの。 例会後は、いつも通りに飲み会。 酔い覚ましの散歩がてらに石ノ森先生のお墓参りに行ったら、そこでいきなり携帯の緊急地震速報が。 (夜の墓場で、墓石に囲まれてこのアラームを聞くのって素敵だな) 時刻:19時28分頃 震源:千葉県北東部(北緯35.8度 東経140.7度) 深さ:約50km 規模:マグニチュード5.8 揺れは感じなかったので、そのまま散歩を続行。 山手通りの古道具屋を2軒ほど覗いてから帰宅。 「硫黄島北東沖で海底噴火」とかいうニュースをやっていた。 (噴火で島が増えるとかだったら、ちょっとお得かも……♪) 寝る。
2012年4月28日(土)
朝。 暑くて寝苦しかったせいか、悪夢を見て目覚める。 突然、初夏になったようだ。 午前中。 「萩尾望都に紫綬褒章」のニュース。 萩尾先生、おめでとうございます。 紫綬褒章とは「学術芸術上ノ発明改良創作ニ関シ事績著明ナル者」に授与されるものなのだとか。 (萩尾先生が選ばれた理由はなんだろうなあ?) 代表作として紹介されていたのは『ポーの一族』「トーマの心臓』『11人いる!』で、それは正しいのだが、発表された のは随分と前。 同時に受賞した役所広司は「Shall we ダンス?」を業績に挙げられていたが、これも1996年の作品。 役所広司、調べてみたら、本日から公開の「わが母の記」に主演しているのだそうだ。 モントリオール世界映画祭の審査員特別グランプリ受賞作で、家族の絆を描いた映画だ。 役所広司が選ばれた理由がこの作品だとすると、萩尾先生は「なのはな」かな? 震災後の福島に暮らす家族を描いた作品。 昼。 昨日録画した「ガンツ」を観る。 謎の物体ガンツに「星人」との闘いを強制される主人公。 解放されるためには、闘いで手柄を立てて点数を稼がなくてはならない。 先週放映された前編では、主人公の友人が闘いの最中に死んでしまった。 闘いで累計点数100点を稼げば、ガンツがその友人を生き返らせてくれると言う。 で、後編。 相変わらずイライラする脚本。 謎の部屋に連れて来られ、戦闘スーツに身を包んだ一団に囲まれた男性が尋ねる。 「あんたたちは、誰なんだ?」 答え、「私はサラリーマンです」。 確かに普段の生活ではそうなのかも知れないが、このシチュエーションでは、それは答えになっていないだろう? しかし、あたかもそれが当然のことののように、全員が普段の職業を自己紹介する一団。 (誰か突っ込めよ!) 前半の見せ場は、地下鉄内での戦闘シーン。 力の入った演出で、ここは評価して良いと思うが、これで力尽きてしまったのか、その後の話はグダグダ。 後半のクライマックスは、重傷を負ったヒーロー、ヒロインが瀕死の状態で抱き合うラブシーン。 しかし、このシーンに到るまでの展開がメチャクチャなのだ。 恋人である主人公が自分を護るために闘ってくれていることを知らされ「逃げろ」と言われたヒロインは、なぜか主人公が 敵と対峙している一番肝心なところで、 「玄野くぅ〜ん」 と、間抜けな声を張り上げつつ、(なぜか笑顔で)道路の真ん中を走って来る。 そのせいで主人公が撃たれると、なおも走り続けて敵の前まで行き、当然攻撃される。 で、大怪我。 (このバカ女は、いったい何をしたかったのだ?) 女が負傷した体を引きずって、倒れている主人公のところへ這って行くところで「感動的なBGM」。 2人が「重傷を負う」原因を作ったのは間違いなくこの女なのに、その女に「悲劇のヒロイン面」をされても……。 刀を構えている敵の前まで一生懸命走って行って、 「斬られちゃった私って、なんて可哀想! ホラ泣いて」 (泣けるかーッッッ!) その後の展開も無理があり過ぎ。 物語のポイントとなるセリフ「さっき殺された人がいる」を言う登場人物が、どう思い出しても肝心の「殺されたシーン」 にいなかったりとか……。 (どうして知ってるわけ?) これはどう考えても脚本のミスだろう。 特撮に金をかけ、有名俳優を使って、これだけの駄作をよくぞ作った。 ある意味、ものすごい作品。 ついで。 次週放映予定の映画「Kー20 怪人二十面相・伝」の予告が、完全にネタバレになっていた。 ミステリー映画の予告編で犯人を明かしちゃうって、どうよ? 午後。 「おおっ!」と思ったニュース。 〈JR飯田線伊那市駅が5月14日に開業百周年を迎えるのを記念し、伊那市職員有志がアニメ「究極超人あ〜る」の登場 シーンを再現するサイクリングイベントを計画している〉 このアニメ、1991年にOVAとして製作された作品。(私もVHSを持っている) 中日新聞電子版の記事の紹介では、 〈高校生らが東京駅から伊那市駅までのスタンプラリーに参加し、多くのトラブルを乗り切るという内容だ〉 となっているが、少し違うと思う。 「非常識な高校生らが東京駅から伊那市駅までのスタンプラリーに参加し、多くのトラブルを起こす」 が、正しい。 〈イベントを計画しているのは、自転車愛好家の市職員でつくる「サイクル倶楽部R(あ〜る)」〉 だそうだ。 (なにやってんだよ、伊那市職員?) 心配なのは、 〈コース選定は参加者に任せる〉 という一文。 OVA通りの非常識なコースを選択するバカが出たら、どうするんだ? 夜。 「究極超人あ〜る」のビデオを久しぶりに観る。 当時もバカバカしい内容だと思ったが、いま観てもバカバカしい。 主にストーリーを動かしているのが、まぬけなアンドロイドと非常識な青年のコンビなので、やることが無茶苦茶。 非常識な青年の思いつきをアンドロイドが超人的パワーで実行し、しかもまぬけなので必ず失敗する。 この2人が、飯田線沿線を破壊しながら走り回るわけだ。 若者の無法と破壊に対して、日本全体が大らかだった時代の作品である。 寝る。
2012年4月27日(金)
今日も雨。 午前中。 「改正郵政法成立」のニュースをやっていた。 ぶっちゃけ「小泉改革」の見直しなわけなのだが、郵政選挙の時に「小泉改革こそが正義」みたいに盛り上がっていたマス コミは、淡々とただ報道するだけ。 この件に関しては、小泉純一郎氏のところへ押し掛けてマイクを突きつけ「今のお気持ち」を聞くといういつもの得意技は 封印することにしたらしい。 (あの騒動さえなかったら、いまも自民党政権が続いていたんじゃないかなあ?) 昼。 今年のSF大会の準備。 どうも当てにしていた会場行きのスタッフ用シャトルタクシーは、実現の見込みが薄くなったようだ。 (ということは、新千歳空港から夕張までは鉄道か……) 路線図を調べる。 (ええと、快速と特急を乗り継いで、新夕張へ。その後は「JR石勝線」というのに乗れば良いのだな) 列車の旅は、乗り間違えさえしなければとりあえず目的地の最寄り駅までは辿り着ける。 ニュース。 「北海道のJR石勝線で土砂崩れがあり、復旧のめどがついていません」 テレビに映った映像では、下の地面がごっそりなくなってしまった線路が空中をブランブランしていた。 7月までには復旧するだろうとは思うが、石勝線に乗るのがちょっと嫌になる。 夕方。 今夜は代官山で「藤岡藤巻(without 藤巻)」のライブがあるので、出かける。 (藤巻直哉氏は、会社の仕事が忙しいので今夜も欠席なのだそうだ) 渋谷でいつも通り道に迷ってから(渋谷駅って、どうしてあんな「ネズミの知能テスト」みたいな構造になってるわけ?) 東急東横線で代官山へ。 本日のライブに出演するバンドは2組。 「藤岡藤巻」と、もうひとつは「ストライク」というロックバンド。 会場に入ると、客席のほとんどが「ストライク」を聴きに来た客であることが分かる。 つまり、若い女性ばかり。 ロックの客はノリがいい。 いつものおっさん客たちなら含み笑いをするコミックソングに、大笑いして「キャー、カワイイ!」。 還暦の藤岡孝章さん、お嬢さんたちの「カワイイ!」に、やや動揺していた。 曲の詳しい内容は、ここには書けない。 CDが発売日翌日に発禁を喰らったり、歌詞が「ピー音」だらけになったりするようなミュージシャンなので。 比較的大人しい部分の歌詞だけ紹介すると「文句があるなら北朝鮮からミサイル撃つよ♪」とか…… ま、そんな感じ。(^^; 「ストライク」というロックバンドは、「藤岡藤巻」の後で聴くと、まあ普通のバンド。 到って、まとも。 客席にいたファンの方から伺った話では、出演者には「本業が大学の教員」とかいう方もいらっしゃるそうで、社会常識の ある、まっとうな方々の集まりとお見受けした。 (どうでもいいけど、ロックバンドの演奏にヴァイオリンを使うのは、最近の流行りか?) 帰りがけ、藤岡氏が会場の出口でタバコを吸っておられたので、 「藤岡藤巻のホームページが昨日あたりから閲覧できなくなっているのですが」 と、言うと、 「じゃあ、おたく管理してくれない? オレ面倒臭くなっちゃってさあ」 ヲイヲイヲイヲイヲイ!(笑) 帰り道。 東横線を降りるところで「今日はお疲れさまでした」と声を掛けられる。 どうやらライブハウスで前の席に座っていたお嬢さんのようだ。 (なぜ、顔を覚えられた?) 帰宅。 藤岡藤巻のサイト管理者に直接メールを送ったらすぐに返事が戻って来て、まもなくホームページが復活した。 (最初から、そうすれば良かった) 寝る。
2012年4月26日(木)
無重力を体験するために列車に乗って軌道上へ旅するという不思議な夢を見た。 屋根のあるジェットコースターみたいな奇妙な列車。 目が覚めてふと思ったのだが、地球の円周に沿ってレールを敷き、高速で車両を走行させたら、重力と遠心力が釣り合って 体が浮くんじゃないだろうか? 夢の中で私の隣に座っていた人は、車椅子に乗っていた。 車両の走行速度の調節によって重力の軽減が行えれば、リハビリに使えるんじゃないだろうか? アミューズメントとしても楽しそうだし。 (まあ、実施に作るのは大変だろうが) 午前中。 ニュースで「小沢一郎無罪判決」と言っていた。 有罪の決め手となる証拠がなかったからね。 午後。 地味な作業をポチポチと。 外は雨。 気分転換に駅前のドトールにコーヒーを飲みに行く。 しかし、店は満席。 しょうがないのでテイクアウトにして部屋まで持って帰る。 あんまり有効な気分転換になった気がしないな。 ニュースを見たら、東京都が尖閣諸島買い取りのための寄付金を募ると言っているらしい。 こういう「みんなの力で」的なものがウケるのは、さまざまなところで実証済み。 コピーライターの故中島らも氏が、難しいクライアントの時には、そのクライアント自身をCMに出演させると良いという ようなことを言っていた。 「自分が参加した仕事」に対しては、人間は評価が甘くなるものなのだ。 さて、石原さんの主張。 尖閣諸島問題は進展していない。(これは事実) 国は尖閣諸島を買い取ろうとしない。(これも事実) だから東京都が尖閣諸島を買い取るのだ。 ここで検証すべきポイントは、 「国ないしは都が尖閣諸島を買い取ると、尖閣諸島問題は解決するのか?」 なのだが、その辺について、彼は決して触れようとしない。 一番大事な部分を黙っていて、国民を「参加」だけさせてしまう。 石原さんがバカじゃないのなら、東京都が尖閣諸島を買い取ったところで尖閣諸島問題が解決しないことぐらいは分かって いるはずだ。 つまり失敗するのは分かっているのだ。 しかし、国民がそれに「参加」してしまうとどうなるか? まず、自分が「参加」した仕事の失敗は認めたくないので、それを失敗だとは言いにくい。 そして、どうしても失敗と認めざるを得ない時には、その原因を他人のせいにしたいと思う。 この「他人(スケープゴート要員)」は、既に決まっている。 「民主党政権」である。 失敗するのが分かっている事業に大勢の人間を巻き込んで、無理矢理「成功した」と言わせるか、もしくは「あいつのせい で失敗した」と、他人のせいにする。 自分は何の損失も被らない。 ずるい手口だと思う。 関連ニュース。 野田首相は26日、来日している中国の中日友好協会長と首相官邸で会談。 石原都知事が尖閣諸島の土地購入を表明した件は議題にならなかったそうだ。 (「困ったちゃんは放っておく」ということで、日中合意が出来たということか?) 来月には、日本の野田総理が中国を訪問する予定なのだそうだが、私が危惧しているのは、石原さんが騒ぐことで、中国が 「騒ぐということは尖閣諸島には領有権問題が存在するという証拠だ」言い出すこと。 「国連のみなさーん、尖閣諸島には領有権問題が存在しまーす。この機会に〈中国側の主張〉をたっぷり聞いて下さーい」 あとは中国四千年の歴史が育んだ「根回し政治」の技術を十分に発揮。 ……とかいう事態になったら、どうする気なんだろう? 「外交問題での失敗は政府の責任で、オレの責任じゃない。オレが責められないのなら何も問題ない」か、石原さん? 夜。 「魔法少女まどか☆マギカ」の第4話を観る。 ゲーテの『ファウスト』を下敷きにしたというアニメ。 今回は、友人の不幸に心を痛めていた少女が、その心の痛みを「隙がある」と見られて、悪党に契約を結ばされてしまうと いう話。 善意で行動するとき、人間はガードが甘くなる。 「振り込め詐欺」が、「親しい者の役に立ちたい、助けたい」という善意につけ込んで人を騙すのは、その心理を利用した もの。 良い事をしているつもりのときこそ「ちょっと待て」が大事だな。 寝る。
2012年4月25日(水)
朝。 地震で目を覚ます。 時刻:5時22分頃 震源:千葉県東方沖(北緯35.7度 東経140.9度) 深さ:約60km 規模:マグニチュード5.5 豊島区の震度は2だそうだ。 午前中。 変なタイミングで目を覚ましたので、なんとなく調子が悪い。 午後。 このところなぜが「としまテレビ」(豊島区のローカル放送)がさっぱり映らなくなってしまったので、電話したら、 「チューナーをコンセントからいったん抜いて下さい」 と、言われる。 しかし、コンセントはテレビの台の後ろ。 これを引っこ抜くということは、その台をどかさなくてはならないということで、その台の前にはいろいろゴチャゴチャと 物が置いてあるわけで……。 半日がかりでどうにか「プラグをコンセントを抜く」という難行を達成。 テレビは映るようになったが、電話の人の口ぶりから推測するに、どうもこういうことはけっこう起こるらしい。 「次回」に備えてコンセントとプラグの間に短い延長コードを挟み、引っこ抜き易くすることに。 そこで電気屋までコードを買いに行って…… 午後の時間が完全に潰れてしまった。 夕方 「犬」の企画関係の書類作成。 夜。 テレビで映画「毎日かあさん」を観る。 元戦場カメラマンと結婚した主人公の「かあさん」、しかし夫はアルコール依存症を発症し、次第に精神を病んでいく。 暴れる夫から子供を守るために離婚した主人公だが、夫への愛は断ち難く……。 「かあさん」として全てを包み込むことで家族を護る生き方を選択した女の壮絶な日常を描いた物語。 テレビ放映用に編集したからか、元からそうだったのか、エピソードの繋がりが悪い。 夫が妄想にとり憑かれて暴れ出し、精神病院に入院するくだり、いきなり「CIAに見張られている」なんてセリフが出て 来ても、分からない人にはなのことか分からなかっただろう。 癌の発見も唐突だし。 ちょっとエピソードを欲張り過ぎた。 もう少し数を減らしてひとつひとつの話を掘り下げた方が良かったと思う。 深夜。 眠れないので「LUPIN the Third ー峰不二子という女ー」を観る。 「オペラ座の怪人」のパロディだった。 そう言えば、前回のエピソードは「サウンド・オブ・ミュージック」のパロディだったな。 たった全13話の予定の短いシリーズで「元ネタ付き」のエピソードが続くのって、なんだかなあ。 「オリジナルを書けないのか?」という気がしてしまう。 おまけに、その「本歌どり」のやり方も、原作で最も重要なファクターだった「外見の美醜」の問題が、どうでもいい扱い になっていた。 これでは元ネタに「オペラ座の怪人」を使った意味がないと思う。 パロディをやるのなら、キモの部分は押さえて欲しい。 寝る。
2012年4月24日(火)
昨日の個人的に不幸な出来事のせいで、朝から左足がズキズキ。 朝からとても不機嫌である。 朝刊の1面トップは、 〈電力不足 西日本で3.6%〉 〈今夏 9社、安定供給遠く〉 と、なにやら大変な騒ぎのようだが、よく見ると、 〈原発ゼロ・猛暑で試算〉 記事をよく読むと記録的な猛暑だった2010年並の猛暑を前提にした試算であるらしい。 〈東京電力の需給をみると昨年の試算では供給力が8000万キロワットも不足したのに、今回は250万キロワットの余 剰に転じた〉 〈このうち節電効果が610万キロワットと実に6割を占める〉 要するに、節電すれば電気は足りないどころか、却って余るということのようだが。 〈ただ、供給に責任を負う電力会社からすれば節電は “水もの”。電力会社の経験則によると「気温が40度近くになれば家 庭でエアコンのスイッチを入れる動きは止まらない」〉 「気温40度」と言ったら、かなりの猛暑日。 「最悪の場合」を想定するのは、供給側の姿勢として正しいと思う。 ただ、これを大騒ぎして「電気が足りない足りない」と言いまくった挙げ句に「実際には電力が余った」という事になれば 「原発を動かしたくて嘘をついただろう」と、また電力会社の信用が落ちるのではないだろうか。 先日、国立天文台が「太陽の磁場の関係で気温が下がるかも」とか言っていた。 つまり今年の夏は、むしろ冷夏っぽいのである。 「猛暑で気温が40度近くになったら電力が足りなくなる」は事実だと思うが、報道の仕方を気をつけないと、電力会社を 狼少年にしてしまうよ。 午後。 銀行に行く用事があって出かける。 初夏の日差し。 花粉除けのネイロンのフードを被っていると、かなり暑い。 足も痛いので、最小限の用事を済ませて早々に帰宅。 部屋でクリールの続き。 引用が多い本である上、その引用が、「漢文→英語→日本語」と翻訳されているので、引用元と対象しないとよく分からな かったりする。 クリールの『孔子』を読むためには、脇に『論語』やら『春秋左氏伝』やら『孟子』やらの参考書を積んでおく必要がある わけだ。 ともあれ、西洋人の常識に沿って解釈される孔子像は、大変に興味深い。 読んでいて、ちょっと止まったところ。 〈彼は、また昔の冩字生は本文の文字が確かめられない時には、そこを空白にしておいたのに、今はその空白を想像で埋め るようになったことを遺憾としていた〉(P154) という一文。 この「彼」は、もちろん「孔子」のことである。 原文は『論語』の「衛霊公 第十五」にある以下の文章のようだ。 子曰 先生が言った 吾猶及史之闕文也 私は昔の記録係の記述の中に闕文を見たことがある 有馬者借人乘之 馬を持っている人がそれを人に貸して乗せてやった 今亡矣夫 今はそういうことはない クリールは、これを「昔の記録係は、本文の文字が確かめられない時には、そこを〈闕文〉にしておいた」と解釈し、それ をさらに4行目に繋げて「今はそういうことはない→〈闕文〉にしておかない→想像で埋めてしまう」と受け取ったようだ が、私は荻生徂徠の説「〈闕文〉というのは、本文の文字が確かめられなかったために生じた空白部を示す記号」を支持す るな。 だって、そうしないと3行目が文章の中で浮いてしまうだろう。 よってこの2行目は、 吾猶及史之闕文也 私は昔の記録係の記述の中に〈この部分判読不能〉を見たことがある だろうな。 宮崎市定先生は、前後の文章から〈闕文〉の部分にあった文字は「記小善」ではないかと推理しておられる。(※) それだと「私は昔の記録係の記述の中に〈小さな善行が記録されているの〉を見たことがある」という意味になるのかな? こういう推理はいろいろやってみると面白そうだ。 クリールには怒られそうだが。(笑) ※『現代語訳 論語』(宮崎市定 岩波現代文庫)P265 夜。 テレビで「超再現! ミステリー」を観る。 ミステリー作品を再現ドラマ風の演出で映像化し、クイズ形式で犯人を推理するという番組。 今回、取り上げられた作品は『蜂蜜のデザート』(拓未司 宝島社)。クイズとしては、ちょっと「出題ミス」っぽいかな? これだと、最初の事件で犯人が毒物を手に入れる時間がないぞ。 でも、試みとしては面白い番組。 SFも、作品に登場する科学技術について等を出演者が語り合いながらドラマを観る……みたいにして読者の開拓をやって みる気はないのかなあ? 寝る。
2012年4月23日(月)
朝。 紅茶を入れようとしてポットをひっくり返し、左足に熱闘を注いでしまう。 急いで水で冷やしたが、足の甲が赤くなった。 午前中。 メールをチェック。 2号くんご贔屓の漫画家さんは、やっぱり星雲賞候補にはならなかったようだ。 残念。 昼。 手元に気をつけながらお茶を入れようとして、左足を棚の角にぶつける。 いつまでも痛いのでよく見たら、爪が割れて血がにじんでいた。 (誰かが私の左足に呪いをかけているに違いない) 午後は外出を控え、部屋でクリールの『孔子』を読むことに。 クリールは、子路と子羔が共に孔家に仕えていたとして、衛の??(かいかい)が息子である出公を襲撃した時に、 「子羔は逃げたのみでなく、子路にも逃げるよう説得を試みたが」 と、子羔に批判的だが、この時の子羔の主は衛の出公じゃなかったっけ? その出公が脱出に成功した後で城から逃げようとしたわけだから、別に子羔は悪くないよな。 むしろ孔?に仕えていた子路が、??と孔?が組んで出公を攻め、出公が逃げてしまった後の城に入って何をする気だった のか? これを「??と孔?が仲違いして孔?の身が危なかったから」と説明している人もいるのだが、孔?は後に??を衛の荘公 に立てた人なので「この時だけ孔?が??に命を狙われるほど仲が悪かった」と考えるのは、どうもなあ??? 【無用の知識】 ??:衛の霊公の息子。後の荘公。 母(一説には義母)である南子の暗殺に失敗して他国に亡命中に、自分の息子(出公)が衛公に即位してしまった ので、孔?らと組んで衛を攻め、息子を追い出して衛公となった人。 夕刊が来たので、読む。 〈世界経済フォーラム報告書 拙速な脱原発に警鐘〉 〈世界の政官財の主催団体、世界経済フォーラムは23日発表したエネルギー問題に関する報告書で、日本の脱原発の動き に警鐘を鳴らした〉 大飯原発再稼働の裏にあったのは、ひょっとしてこれかな? しかし今日の長官の1面の見出しは、 〈内閣支持率3割切る 大飯再稼働判断「反対」54%〉 野田さんも大変だ。 夜。 「猫弁 〜死体の身代金〜」というドラマを観る。 「TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作」ということで、芝居として非常に面白かった。 「死体の身代金」というオドロオドロしいタイトルか想像されるようなドロドロの話ではなく、ほのぼの系の物語。 一見悪者風の人は何人か出て来るものの、本当に悪い人間はひとりもいない。 「犯人は悪者だった」とか「犯人は異常者だった」とか、動機を考える手間を惜しんだような人物造形がないのである。 主人公は、むかしペット絡みの面倒な事件を解決したことで下手に有名になってしまったために、その後ペット関係の依頼 ばかりを持ち込まれることになってしまい「猫弁」と馬鹿にされている弁護士。 大会社の会長の葬儀の日に、棺桶を載せた霊柩車が何者かに盗まれてしまったところから、物語は始まる……。 理屈で詰めれば穴だらけの話であるのだが、その辺のところを思い切り良くフィクションに徹しているのがいい。 都合の良すぎる偶然や人間関係も、この芝居では生きている。 (霊柩車の運転手のことまでちゃんと考えたシナリオには感服) 物語の本筋とは直接関係のないエピソードだが、私は未成年が起こした交通事故で子供を失った母親の、 「自分の子供は死んだけれど、あの(犯人の)少年は、どこかで幸せに生きているのだろう。それはそれでいい」 というセリフが好きだったなあ。 個人的な好みで言うと、杏と柳原可奈子が一緒に出て来る場面がすごく好き。 片や小麦肌で、長身、やせ型で、クール。 片や色白で、小柄、ぽっちゃり型で、キュート。 この対照的でかつ、どちらも魅力的な女性2人が並んで歩いているところは、観ているだけで楽しいぞ♪ 寝る。
2012年4月22日(日)
昨日、マスクをして歩いたらなんか息苦しくて「百貨店内は屋内だし」と、ついマスクを外してしまったのだった。 で、すでに夜の段階でかなり「来て」はいたのだが……。 朝。 それはもうひどい騒ぎで、ティッシュ1箱が瞬くうちにカラ。 寒気がする上、露出していた顔が軽い熱傷のようにピリピリするのはともかく、唇が完全に腫れ上がってしまっている。 (花粉症じゃない人は、トウガラシの粉の舞う中を歩いている図をご想像ください) 目は、もちろん開けていられないので目薬を差す。(これでだいぶ治まる) 本来は、あまり推奨されるべきことではないのだが、エスタック・イブを服用。 花粉症の症状は、概ね風邪とかぶるので、対処療法的には風邪薬が効く。 (あくまで非常手段だが) 昼。 夏に北海道へ行くための航空券を予約。 最近は、ネットで入金まで出来るのだね。 外出できないときには、便利。 午後。 昨日買った『名被害者一条(仮名)の事件簿』(山本弘 講談社)を読む。 完全な「タイトル詐欺」で、ミステリーではなくSF。 それも見事な「馬鹿SF」。 これは笑える。 行間からにじみ出て来るのは、作者である山本先生の生真面目なお人柄。 真面目な人が、真剣に誠実な姿勢で書いている馬鹿話。 社会への批判を笑いにしている正統派のお笑いと言えば良いのかな? 社会批判と言っても、よくある世論の尻馬に乗った批判ではなく、自分で統計を調べ、世論に間違いがあれば指摘していく というスタンスの批判。 「みんながそう言っているから」「なんとなくイメージで」という理由の思い込みを裏付けも取らずに無責任に「事実」と してタレ流す人間たちへの批判なのである。 どこまでもきちんと真面目な笑い。 これがとても心地よい。 私が1番気に入ったのは、第2話「雲母坂部長(仮名)と壁を登る鍵」。 批判の対象となっているのは、小説家という職業をナメている作家志望の若者。 作家になりたいと思っている青少年は、必読。 ダメな小説、そしてそんなダメな小説を書いてしまう人間というものがどういうものであるのかが、細かく丁寧に説明され ている。 ちょっと感動したのは、第4話「白1号さん(仮名)と活きのいいタコ」。 低俗なエロアニメを嫌悪していた主人公が、アニメ原作者の仕事場を訪ね、エロ漫画を描くことによって妻子を養っている 漫画家の生活というものを知るという話。 自分の嫌悪の対象となっている相手であろうと、その立場を理解しようという誠実な態度。 本当に、山本先生は真面目な方である。 久々に、小説を読んで笑い転げた。 真剣に作られたお笑いは、本当に面白い。 夜。 2号くんからスカイプ。 「俺の好きな漫画家は星雲賞候補者なのか?」 みたいなことを聞かれたのでSF大会のスタッフに確かめてみることにする。 寝る。
2012年4月21日(土)
朝。 太陽の周期的活動に異変が生じているのだ影響で、地球が寒冷化するのではというニュース。 太陽には南北両極にプラスとマイナスの極があり、通常は約11年周期で同時に反転する。 例えば「北極がプラスで南極がマイナス」が「北極がマイナスで南極がプラス」に反転するわけだ。 次は来年の5月に次の反転が始まると予測されていたのだが、太陽観測衛星「ひので」で観測したところ、北極の方だけが 約1年早く反転に近づいていることがわかった。 このまま行くと来月には北極だけで反転が起こって、太陽の赤道付近に別の極ができてしまう。 つまり今は、北極がマイナス、南極がプラスなのが、北極もプラスになってしまうため、両極の真ん中である赤道の辺りに プラスの極が出来る「4重極構造」になってしまうのだ。 この太陽が「4重極構造」なるという現象は、約300年前にも起きており、このときは地球が寒冷化した。 だから今回も地球は寒冷化するのではないかとのこと。 今年の夏は、冷夏か? 午後。 「JーCAST フライデー」という、ネットの番組を観る。 たまたま見つけたのだが、『そこまでするか! モンスタークレーマー』の著者、関根眞一氏へのインタビューと言うので 興味を引かれたのだ。 関根氏によると、クレームの75%は企業の側に責任があるのだそうだ。 残りの大半はお客様の「勘違い」で、たまに「詐欺師」がいるのだと言う。 ある企業のクレーム担当となった時に、数年越しで揉めている「クレーマー」に関する資料だと渡されたファイルを読んで みたら、全件こっちが悪かったということが分かり、謝りに行ったら解決したという話が興味深かった。 「上司に『あの人はクレーマーなんです』と言うと担当者は楽なんです」 というひと言が「モンスタークレーマー」の実体を非常によく表していると思ったな。 番組側としては「呆れたモンスタークレーマー」の話をして欲しいらしく、なんとかそっちに話をもって行こうとしている ようだったが、そういう大衆ウケするモンスタークレーマーというものは、そうそう居るものではないらしい。 しょうがないので、たまにいるという「詐欺師」の話を懸命に盛り上げていた。 インタビュアー、ご苦労様。(笑) 夕方。 東武に買い物へ。 7階の旭屋で本を買って1階まで降りて来たら、ケーキ売り場で、妙に鋭い目つきでケーキを選んでいる中年の男性を見か ける。 ケーキの売り場の客は、普通は機嫌が良いもので、 (妙だな?) と、思って見てると、前に並んでいる女性客に絡んだ。 列をつめろとかいうことを乱暴な口調で怒鳴りつける。 男性、背中にリュックを背負っているのだが、そのチャックがほぼ全開。 中身が見えている。 (気づかないのだろうか?) こんなに心に余裕のない状態でケーキを買う人というのも珍しい。 間もなく男性は再び列の前の女性を怒鳴りつけ、今度は女性も言い返したので、店員が慌てて男性に注文を聞いてさっさと ケーキを包む。 店員が紙袋に入れてケーキを渡そうとすると「ビニール袋でいい」とか言って入れ直させ、足早に立ち去ったのだが、全開 状態のリュックからは、スーパーのビニールの袋っぽいものが1枚、床に落ちる。 それにも気づかない男性。 よほど追いつめられた精神状態だったに違いない。 (何があったのだろうなあ?) 帰宅。 夕食後。 「世にも奇妙な物語」を観る。 「スウィート・メモリー」 殺人事件の現場に倒れていたという若い女性。 彼女は刑事にストーカー被害に悩まされていたという話をするのだが…… オチがありがち。 「7歳になったら」 もうぐ7歳を迎える男の子が主人公。 数日前に7歳になった同級生が急に跳び箱が跳べるようになった。 でも、その子は、なぜか主人公の名前を忘れていた…… なんとなく「地球へ…」という漫画の第1部を思い出した。 この話を第1話にして、続編の話を作ったら面白い気がしたが、これだけではどうにも中途半端。 「家族(仮)」 独身のはずの男が帰宅するとなぜかそこに妻や子が待っていて…… 「戸籍を確認する」という現実的な行動と、そのあとの話の展開のシュールさがアンバランスな感じ。 電話で脅迫されている男は、なぜ警察を呼ばないのだ? 「試着室」 同窓会に行く途中でドレスを汚してしまった女性が、近くにあったブティックで服を買おうとするのだが…… 些細な違いで枝分かれする未来の話。 「ワタ毛男」 実は都市伝説を作る政府の秘密機関というものが存在していて…… 虚構だったはずのものが現実化してしまうというお話。 言いたいことはなんとなく分かるのだが。 どうも、今回の「世にも奇妙な物語」は、全体的にイマイチだった。 ネタ切れかな? 寝る前に佐藤編集長から借りた『世界ミステリー事件ファイル すべては捏造だった! みんな騙されていた!!』(宝島 社)を読む。 ちなみに値段は、600円。 トンデモ関係のいろいろな本の中身を要約して編集したものっぽいのだが、ネタ本の選び方がよく分からない。 「アポロの月着陸捏造説」を否定しつつ「9.11陰謀説」の方はを支持していたりと、内容に一貫性がないのだ。 要約のしかたもいい加減で、たとえば「月着陸捏造説」に関して、 「宇宙飛行士や、月面の岩の影が平行になっていない→遠近法を用いているから」 って、どういう意味だ? 言いたいのは「遠近法の理屈で」か? たぶん言いたかったのだろうことを説明すると…… 正方形のタイルを敷いた道を遠近法で描くと、タイルがひし形に歪んだ形になる。 消失点を画面中央奥に取ると、歪みの方向が画面中央を挟んで左右で逆転する形となるので、それぞれのタイルに対角線を 引くと画面の左側のタイルと右側のタイルの対角線は長さや方向が異なった線となる。 この対角線を「月面の岩の影」と考えて、タイルの絵を消してみた図が「実際には平行なのに平行に見えない影」の正体な わけである。 (おヒマな方は、実際に紙に図を描いてみて下さい) 借りておいてなんだけど、あんまり読む価値のある本とは思えない。 これなら巻末に上げられている参考文献の方を直接読んだ方がずっと良いな。 寝る。
2012年4月20日(金)
朝。 札幌で熊が出たというニュース。 熊は怖いので札幌に住んでいなくて良かったと思う。 昼。 秋田県で人が熊に襲われたというニュース。 熊は怖いので秋田県に住んでいなくて良かったと思う。 午後。 録画しておいた「坂道のアポロン」を観る。 舞台は1960年代。 都会から転校して来た優等生が地方の「不良少年」とジャズを通じて友情を育む話……でいいのかな? 原作は読んでいないが、学生運動とかそっち関係のエピソードが出て来るらしい。 ふと思ったのだが、石原都知事の「国がダメだからオレが」という発想は、学生デモの国会突入と感覚的に似ているな。 「政府のやることが気に入らないなら実力行使で」みたいな部分が。 記事をよく読むと石原さんと地権者は、青嵐会時代から尖閣諸島を買う買わないの話をしていたんだね。 で、このタイミングで購入という話になったのは、2人が年をとったので「お互いが元気なうちに」という理由らしい。 つまり、外交上のタイミングとかを考えたわけでは、ぜんぜんなかったわけだ。 こういう爺さんの「オレたちがやらなければ誰がやる」みたいな発想は、正直言って迷惑。 爺さん同士で「最近の若い者はダメだ」と盛り上がって、「だからオレたちがやるんだ」みたいになっちゃうのだろうが、 若者はそんなにダメじゃないよ。 石原さん、ことを表立てる前に、せめて伸晃クンぐらいには相談すべきだった。 そして、この件に関するマスコミの報道も、ちょっと変。 ANNのニュースのよると、野田総理大臣が尖閣諸島について、国が購入することも検討する考えを示したと言っていたの だが、野田さんが言ったのは、 「所有者の真意についてもですね、改めてよく確認をさせて頂きたいと思います。そういうなかで、あらゆる検討をさせて 頂きたいと思います」 確かに「あらゆる検討」とは言っているが、これを「国が購入することも検討する考えを示した」と受け取って良いのなら 「中国に宣戦布告することも検討する考えを示した」と言って良いことになる。 前半の「所有者の真意について改めてよく確認したい」という主旨の発言を考えると、これはもっと尖閣諸島購入に関して 否定的な主旨の発言だと思うけどな。 私はこれを「地権者が本当に『尖閣諸島を東京都に売る』ことを望んでいるのかどうかを確認した上で、売らない方向に話 を持っていく検討をしたい」という意味に受け取ったぞ。 夜のニュース。 今月17日にJR埼京線の電車内で、乗客の男性が背中を刺される事件が起きているが、今年2月にもJR中央線の車内で 左腰を刺される事件があったことが分かった。 熊は出ないんだけどなあ、東京は。 ええと…… 埼京線の事件が、池袋ー新宿間で、午前9時半頃。 中央線の事件が、新宿ー中野間、午後11時45分頃。 現場は、いずれも混雑した車内。 列車がサラリーマンで混む時間帯を狙ったのかな。 新宿経由で埼京線と中央線を利用している人は、気をつけよう。 夜。 映画「ガンツ」を観る。 特撮がすごくいいのに、シナリオがひどい映画。 ツッコミどころが満載すぎる。 小学校の時にはいじめられっこを助けてやる(上から目線)少年だった主人公。 現在は大学生だが、就職の内定も決まらなくて周囲から馬鹿にされているパッとしない存在。 「ガンツ」という謎の存在によってパワースーツみたいなものを手に入れる。 そのスーツの力で「俺はヒーローだ」と、同じスーツを持っている人間の中にいてスタンドプレー。(なんでそうなる?) 「助けてやる」つもりだった友人が死んでしまい、自信喪失、死のうと思う。 やっぱり死ぬのやめた。 そんな彼の姿に「君について行こう」と言うスーツ仲間。(どうして???) この映画、前後編で公開されたのだが、前編がこんな感じだったので後編を観に行かなかったのだ。 でも、話が途中とうのもちょっと気になるので、来週テレビで放送される後編は観てみようかと思って、一応前編の方も、 おさらいのつもりで観たのだが、やっぱりダメだな、この脚本。 映像のクオリティが高いだけに、かなり残念。 番組を観ていて、一番心に残ったところ。 間のCM。 「トータル・リコール」、リメイクしたんだ! 寝る。
2012年4月19日(木)
天気が良くない。 体がだるいのは、花粉症の薬のせいだろう。 アントニオ猪木さんが北朝鮮から帰って来たそうだ。 故金日成主席の生誕100周年を祝う式典などに参加したのだそうだ。 こういう時期の訪朝は、政治利用される可能性が大きいのだが、こういう時期に訪朝する人に限って、そういうことに対す る警戒心が薄かったりする。 どうしても行くのだったら、帰国後のマスコミへのインタビューには基本「ノーコメント」で通して欲しいし、向こうで何 か言われても「わかりません」「できません」「そんなに偉くありません」と、ニコニコだけして来ないとダメだ。 間違っても「日本政府への伝言」なんかを預かったりして来ないで欲しい。 自分を悪用しようとしている奴にとっては「使えない奴」に徹するのがベストなのだ。 昼。 「CSI」を観る。 どうもアメリカのドラマに出て来る東洋人は、児童を虐待する奴が多いな。 自分に臓器移植させるためだけに子供の親権を手に入れようとする日本人とか、我が子を人体実験の被験者にして金を貰う 韓国人とか。 アメリカではそんなイメージなのか「東洋人」? ニュース。 インド軍が、核弾頭が搭載可能で中国全土を射程に収める弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験の成功を発表。 「アグニ5」は2014年に配備される見通しだと言う。 忘れている人も多いようだが、インドは核保有国。 その国が中国全土を核攻撃出来るミサイルを作ったという話で、かなり大変な騒ぎだと思うのだが、日本ではあまり大きく 報道されないな。 午後。 なぜか最近、中華系ホラーに嵌っている2号くんから、 「太歳(たいさい)って何だ?」 と質問される。 良く分からないので調べたら、そもそもは暦を作成する都合で便宜上考えられた仮想の天体であるらしい。 つまり木星の軌道に直径を引いて、その直径を境として木星と線対称の位置にあると仮定された、実際には存在しない星の 名前であったわけだ。 そして、地中にいる不死身の存在で、不老長寿の薬でもあると言われ? ……粘菌の一種と考えられる??? (なんじゃ、そりゃ?) ここから先は、私の推測。 恐らく、この星が仮定された当時の中国の天文学者にとっては、この星が架空のものであることは周知であったのだろうが これが文献に記され、伝わるうちにそういった基礎的な知識が失われ、話がおかしくなったのだと思う。 こんな感じか? 木星の反対の場所に「太歳」というものがあるらしい。 でも、目には見えない。(実際には存在しないのだから当り前) 空にある木星の反対の場所と言うと、地面の中か? 粘菌という当時はなんだか分からないものが発見される。 地面の中になんだか分からない「太歳」というものがあるらしい。 地面の中からなんだか分からないものが出て来た。 では、このなんだか分からないものが「太歳」なのだろう。 粘菌には驚異的な再生力がある。 この「太歳」は、切ってもすぐに元に戻るぞ。 こいつは不死身なのに違いない。 不死身の生き物ならば、きっと食べれば不死身に…… 本来、架空の存在に付けたはずの「名前」が実体を求めて、ついに実体化してしまった例ということなのだろうか? (「クルムヘトロジャンの『ヘロ』」みたいなものか?) 夜。 「魔法少女まどか☆マギカ」の第3話(再放送)を観る。 トラウマ・アニメと話題になった作品で、私は本放送の時には観なかった。 第1話で、頼りになりそうな「指導者」に出会った主人公は、その「指導者」と敵対している立場の少女に出会う。 「指導者」の忠告を聞き入れようとしない少女。 主人公は、少女が「指導者」と和解することを望むが…… で、この「トラウマ回」と評判の高かった第3話では、肝心の「指導者」が死んでしまう。 それを見て「だから言ったのに」という感じの少女。 頼りになる年長者と信じて「指導者」について行っていた主人公達は「ええっ!」となり、たぶん初回放送の時の視聴者も 「ええっ!」となったであろう回。 いかにも頼もしそうな年上の人だからといって、何も疑わずについて行ったりすると、大変なことになるわけだ。 子供に見せたら良い社会の勉強になるのだろうが、扱いにくい子供にはなるだろうな。 子供に何か言いつけるたびに、 「あなたの言葉に従う前に、あなたが本当に信じて良い人間かどうかを見極めないと」 なんて返されたら、たいていの大人は困るぞ。 寝る。
2012年4月18日(水)
発明の日。 (ちなみに昨日は「良いなすびの日」) 近年に人間の生活を大きく変えた「発明」と言えば、電灯、電話、テレビ、自動車、インターネット……。 私が子供の頃に読んだSFには、人類はフロンティアを求めて未知の世界へと旅立つものが多かったのだが、こうして実際 に普及した発明品を見ると、むしろ外界との接触を嫌い、プライベート空間を充実させる方向になっているな。 山田ミネコの「ハルマゲドン・シリーズ」には、人類が家に籠って趣味に没頭してばかりいるディストピアが描かれていて、 当時は「それはないだろう」と思っていたのが、いまの日本の現実はそれに近い気がするな。 ……などとうだうだ考えつつ、ローカルニュースを見る。 昨日の都知事の「奮発しちゃった買い物」については、都職員も「ええーっ!」という反応だったらしい。 都庁にかかって来た問い合わせの電話に四苦八苦したとか。 いっそ尖閣諸島に都営の高齢者収容施設を作って「ボケ老人若干1名」を収容しておくとか? 午後。 ビックカメラへ買い物に。 JALのマイルが貯まるとかいうカードを店員の口車に乗って作ったが、これって便利なのか? 夕方。 1号くんのアパートに行ったら『天地明察』(槇えびし 講談社)という漫画を勧められて読む。 冲方丁の小説が原作。 どうでもいいけど、この人の名前「うぶかた・とう」と読むのだな。 最初見たとき「冲方(うぶかた)」という名字が、まず珍しい上、「丁」という時を「とう」と読む名前も珍しい。 見かける度に、 (「ちょう」かなあ? てい」かなあ?) と思っていたのだが、いま調べてやっと分かった。 『天地明察』、現在、発行されているのは2巻まで。 ストーリーは、江戸時代初期の天文暦学者、渋川春海(1693年〜1715年)の伝記のようだ。 2巻までの話では、幕府碁方の家に生まれた春海が、本業である囲碁よりも数学に興味を示し、和算家である関孝和と接触 する話が中心で、春海が北極星の観測に出発する直前の話まで。 渋川春海は中国と日本の経度差に気づいて、日本独自の暦(貞享暦)を作成した人だから、たぶん話は今後、そっちの方へ 向かうのだろう。 この作品、映画化もされるそうだ。 監督は、あの「痴漢電車」の…… ええと……(^^; 第81回アカデミー賞を受賞した名作映画「おくりびと」の滝田洋二郎監督ですね。 この人の作品で、私が観たことがあるのは、 「病院へ行こう」「僕らはみんな生きている」「眠らない街 新宿鮫」「陰陽師」…… ぶっ飛んだ演出をする監督だという印象がある。 「眠らない街 新宿鮫」は映画館で観たのだが、奥田瑛二が柱に縛り付けられた真田広之の裸体を舌で舐め上げるシーンに うっかりカップルで来ていた客席の若い男女が、ビミョーな雰囲気になったのを覚えている。(笑) さて、寝るか。
2012年4月17日(火)
朝。 なにか年をとった気分で目を覚ますと、誕生日だった。 49歳。 昔はそういう歳になればもう少し賢くなり、物も分かっているかと思っていたのだが、現実にはぜんぜんそうじゃない。 午前中のローカルニュース。 ええと、東京都の石原都知事は……尖閣諸島を買った?! 都民もびっくり! 政府もびっくり! 発表したのはアメリカで。 「お母さーん、おじいちゃんが散歩に行って、土地を買って来ちゃったー!」( ̄▽ ̄)・・・ 使うのは都のお金で、つまり「都民のために使う」目的で集めた税金。 〈都予算を使うことについて、石原氏は「国のためというのが大原則だ」と述べ、問題はないとの認識を示した〉 この「国のため」というのは、アレかな。 例の青少年健全育成条例改正の時に「この改正案に反対する奴はロリコンの変態だ」というキャンペーンをやったのと同じ 手を使って「この予算の使用方法に反対する奴は非国民だ」というキャンペーンで反対意見を封じてしまうつもりでいると いうことかな? 真面目に考えて、尖閣諸島を都が所有した場合の具体的な管理はどうするのだろう? 警視庁から人を派遣するのか? それとも都立領土防衛軍でも編成するのか? イベントをやるときに、予算配分とか人員配置とか一切考えずに、自分の思いつきで他に相談なしに話を進めてしまう奴。 「だって絶対にやった方がいいに決まってるから」 が、当人の弁。 尖閣諸島を買うって……維持管理に使う予算とか、考えているのだろうか? それとも単に「東京都のものでーす」と、ドヤ顔するためか? 島だよ、島! 最低でも10億円ぐらいはするんじゃないか? 午後。 メールをチェックしたら、いろんな知らないところから誕生日おめでとうメールが届いていた。 私の個人情報は、ネット上でかなりオープン。 ニュース。 東京メトロ飯田橋駅の駅員が女性客をストーカー。 駅の端末を使ってその女性のパスモの利用記録を調べ「何月何日の何時何分にどこの駅で降りた」等の情報を、当人の住所 が特定出来る個人情報および女性を中傷する内容と共に2chに書き込んでいたことが分かった。 問題だと思うのは、 〈女性の相談を受けた警視庁が、駅員に口頭で警告〉 で、解決済みとなっていたらしいこと。 職権を乱用して女性の個人情報を2chに晒したストーカーに、「口頭で警告」で終わり。 ストーカー殺人がなくならないはずだ。 夕方。 吹き矢の講習。 広報紙に載せるとかで、写真を撮られた。 帰宅して、尖閣諸島のニュースの続報を見る。 藤村官房長官が、尖閣諸島を国有化すると言ったとかいう話がネットを飛び交っていたので確認したら、単に、記者の質問 (「国が購入することはあり得るのか」という内容だったらしい)に答えて、 「必要ならそういう発想のもとに進めることも十分ある」 と言っただけのことらしい。 つまり「必要ならば考えます」であって、普通、日本語でこういう言い方をしたら「否定」だろう。 たぶんマスコミが分かった上で、どこかに煽り記事を書いたのだろう。 「日本政府が尖閣諸島を買う」と言ったら、中国政府だって反応しないわけにはいかないだろう。 現在の国際情勢から見て、日本と中国が喧嘩して一番喜ぶのは北朝鮮。 ところで、台湾の外交部が石原都知事の発言について、 「一切承認できない」 「政治家は発言に慎重であるべきだ。一方的な行動で友好関係が損なわれるのは見たくない」 と言っている件は、あまり大きく取り上げられていないようだが、石原さんのスタンドプレーは、アジア一の日本の友好国 との関係にもヒビを入れかねない行為なのだよ。 夜。 コンビニで買ったビールと総菜屋の唐揚げで誕生日を祝う。 テレビで「超再現! ミステリー!」という番組をやっていた。 最近話題のミステリー小説を、できるだけ原作に忠実にドラマで再現するという番組。 有名俳優は使わずに、代わりにクイズ形式にして「犯人当て」を楽しむという趣向を取り入れる試み。 ミステリー読書会に似た雰囲気を楽しめる。 1話目。 『奥様はネットワーカ』。 原作:森博嗣。 大学内で起こった連続殺傷事件の謎を解く。 私の印象ではこれが面白かったので、原作を探してアマゾンの書評を見たら、思ったより評価が低かった。 (つまり、演出家とシナリオライターが優秀だった?) 2話目。 『Q.E.D. 証明終了 ミネルヴァの梟』 原作:加藤元浩(漫画)。 ゲーム会社の社長の殺人事件の謎を解く。 この「Q.E.D. シリーズ」は、前にもドラマ化されたものを見たのだが、ともかく話が有り得なさすぐてつまらないのだ。 で、今回のネタは。 〈暗闇で眠っているところをナイフでひと突きにされた被害者が、自分のトランプのコレクションの中から「ダイヤのキン グ」を選び出してダイイングメッセージとして握って死んだ……なぜか?〉 【答え】 なぜなら「ダイヤのキング」のモデルになった人物は、ジュリアス・シーザーであると言われているので、自分もシーザー と同じように「部下に裏切られて殺された」ということを示したかったからである。 ??? ちょっと待て!!! 眠っているところをひと突きにされて、暗闇でカードを選び出して握り、その理由がジュリアス・シーザー? ……うっかり頭を使ってしまうと、絶対に解けない謎だ。 役者に金をかけずにドラマを作った工夫を評価。 クイズの解答者も、あまり有名どころという感じはしなかったから、出演者で視聴率を取ろうとはしていないようだ。 夜9時台の番組としては冒険だと思うが、成功したら面白いと思う。 第1回目は、私個人としては十分に楽しめた。 寝る。
2012年4月16日(月)
役所に書類を取りに行く用事が出来てしまった。 まず、電話で必要な書類の内容を伝えて担当窓口と、こちらが用意して行く書類を確認。 もちろん、電話に出た相手の所属と名前もメモ。 役所の手続きには、事前にこれだけのことをやっておくかどうかで、後の効率がだいぶ違うのだ。 区役所。 窓口での手続きがすぐに済んだので、空いた時間に床屋へ行く。 バリカンの音を聞いているうちに、なんだか眠くなり、 「モミアゲ、どうしましょうか?」 という声でハッと目を覚ます。 目の前の鏡に、輪郭線を隠す頭髪がなくなってコンパスで描いたように見える丸い顔が映っていた。 空腹を覚えたので、エチカの「山岸一雄製麺所」へ。 つけ麺で有名なラーメン屋。 期間限定つけ麺60円引きというのをやっているというので、それを頼む。 15分ぐらい待って出て来た麺は極太。 (それで茹でるのに時間がかかるらしい) これを鰹節のダシが思いっきり効いた汁につけて食べるのだが、この鰹の味が好きか嫌いかで好みが分かれると思う。 「お酢を入れて下さい」と書いてあったので、お言葉に甘えて酢を瓶の1/3ほど使わせてもらう。 なにしろ「麺」が主役の料理なのだ。 中華の「麺」(餃子とか)には、やっぱり「酢」だろう。 なにか、つけ麺と勝負した気分になって店を出る。(笑) リブロ、ビックカメラと回って帰宅すると、すでに夕方。 夜。 「完全犯罪ミステリー」という番組を観る。 海外で実際にあった事件を取り上げ、鑑識の技術を紹介していくという内容に興味を持ったのだが、合間に入る椎名桔平の 小芝居が完全に邪魔。 人が亡くなっているようなシリアスな話題の間に、コメディ芝居を入れる必要がどこにある? 海外から出来合いの映像の放映権を買い、セット1つに、出演者1名で安上がりに番組を作ろうとしているのが見え見え。 安く番組を作るなとは言わないが、安物の番組を作ってはいけない。 大失敗だな、これは。 寝る。
2012年4月15日(日)
晴天。 絶好の花見日和。 昨日、中止になった花見を、仕切り直しで今日やるとかいう話だったので、江戸川公園へと出かける。 しかし会場に着いても誰もいない。 主催の人に携帯で電話したら、 「集まりが悪いので、やるという確実な話にはならなかったと思います」 とかほざく。 何を言っている! 「飲み会は、『確実にやらない』という話にならない限りはやるものだろう」 と、強く主張したところ、やっぱりやることに。 (そうだ、それが正しい!) 近所のスーパーで買ったシートで場所取りをして、缶ビールをプシューとかして、待つこと1時間半。 ややほろ酔いになった当たりで他のメンバーが集まって来たので、本格的に宴の開始。 「缶ビールとのり巻きを手に、ひとり桜の木の下に立っていた私のさみしい気持ちが、君たちに分かるか!」 などと、絡んでみたりする。 桜の花は昨日の雨でだいぶ散ってしまっていたが、江戸川の川面に遊ぶ花びらは、それはそれで風流。 そろそろ5時も近づき、肌寒くなって来たので池袋の天狗へ移動。 2時間ほど飲んでから、帰宅。 そのまま寝る。
2012年4月14日(土)
今日の花見は、雨天中止になりそう。 良いニュース。(だと思う) 厚生労働省の調査によると、全国の公園や河川敷、駅舎などで生活するホームレスはの人数が、昨年同時期に比べ1314 人減少の9576人となった。(統計数字のマジックとかやっていないよね?) 特に島根県では、ホームレスの数が昨年の1人から0人へ。 この「0人」ってすごいなあ。 つい「恋のエキゾーストノート」(※)を歌ってしまったぞ。(笑) ※「恋のエキゾーストノート」 島根県の観光ガイド・アニメ「むかしの吉田くん」のエンディング主題歌。 昼。 花見の中止が決定。 今日の産経新聞のサイトの記事によると、昨日の北朝鮮のミサイルについて石原都知事が、 「(ミサイルが)もう少し飛んで、日本領空に来たときに撃ち落とせばよかった。それは、日本の防衛力の顕示になった」 と発言したそうである。 この人、「戦争」と「戦争ごっこ」の区別がついていないのじゃないか? ちなみに、同じ産経新聞のサイトの昨日の記事のよれば、 〈北朝鮮が「人工衛星」と称した長距離弾道ミサイルには「非対称ジメチルヒドラジン」と呼ばれる毒性の強い液体燃料が 使われていた。今回は空中で爆発し洋上に落ちたとみられるが、専門家は「陸地の上空で爆発していたら毒性の強い燃料が 降り、大変なことになっていた」と指摘する〉 自国に向かって外国からミサイルが飛んで来たら、それはもう戦闘状態なのである。 そういう状態で、敵国のミサイルが自国の領空内まで飛んで来れば良かったなどと言う平和ボケ爺さん。 この人の頭の中では、ミサイルが空中で撃破される「カッコイイ」シーンが浮かんでいたのだろう。 その下で猛毒の液体燃料を浴びることになる日本の国土・国民のことを考えていたら、こんな発言はしないはず。 自衛隊は「カッコ良く闘う」ためにいるのではない、日本国と国民を護るためにいるのだ。 その辺を理解出来ていないのは、所詮この人の考えている「戦争」が「戦争ごっこ」に過ぎないから。 しかし、日本のマスコミは、この人を叩かないのである。 (仮に同じ発言を田中防衛大臣がしたところを想像してみて欲しい) ダメだな。 午後。 外がすごい雨なので、ネットでサーフィン。 なぜか「コンニャク芋 毒」というのがGoogleの急上昇ワードに上がっていた。 どうやら、なにかのバラエティ番組の素人に農業体験をやらせるという企画で、都会育ちの出演者が知らずにコンニャク芋 を生のまま口に入れてしまうという事件があったようである。 私も知らなかったのだが、コンニャク芋は、別名を「毒芋」と言い、皮を剥いた状態のものにうっかり触れただけで手が腫 れあがるほど毒性の強いものらしい。 それを口の中に入れ、あろうことか飲み込んでしまった出演者は、激痛のショックで過呼吸を起こし、倒れてしまったのだ そうだ。 考えてみれば「コンニャク」はありふれた食材なのに、「コンニャク芋」が八百屋で売られているのは見たことがない。 「コンニャク芋」は、擦りおろして中和剤で毒を消さないと、食べられないものだったからなのだね。 恐いのは、医師の中にも「コンニャク芋の毒」についての知識がない人が少なくないらしいということ。 コンニャクの生産地では、「毒芋」を食べる馬鹿はいないし、それ以外の地域ではコンニャク芋そのものが手に入らないの で食べない。 結果として、医師が「コンニャク芋の毒」による症例を目にする機会は稀なのだ。 医師が知らないということは、手当の方法も分からないということになる。 これは、恐いな。 夜。 「三毛猫ホームズ」をドラマでやるというので、観る。 間抜けな刑事が、飼い猫の行動にヒントを得て事件を解決するというミステリー。 この作品は私が子供の頃にもドラマ化されていて、観た覚えがある。 主人公を演じる役者が、猫を相手に一人芝居で事件のヒントを見つける見せ場が面白かったと記憶している。 で、観た。 誰だろう、この主役の男の子は? まるで「演技」が出来ない。 しょうがないので、主人公が演技している傍で、他の役者が本来ト書きにあるはずの「彼がどのような様子であるのか」を 喋るというギャグ風の演出で誤摩化している。 (つまり、主人公が歩いている後ろで、別の役者が「悩んでいる様子で歩いているぞ」などとセリフで言うわけ) 極めつけは「猫」。 ここは本来、役者の演技で「猫が事件解決のヒントを知っているらしい」と匂わせるところ。 それがこのドラマでは、猫が人間に変身(!)してセリフで犯人を教えるという脚本になっている。 主人公、ただの猫語通訳。 ……無駄な時間を過ごしてしまった。 寝る。
2012年4月13日(金)
朝。 ニュースを見たら、北朝鮮のミサイルは発射直後に海に落ちてしまったらしい。 金正恩にとっては、正に最悪の13日の金曜日。 もうひとつニュース。 石原新党構想が、白紙に戻ったとか。 石原さんの目論みでは、人気の高い大阪の橋下市長とくっつけば、自民党議員が雪崩を打って自分のところへやって来て、 大勝利! のはずだったのだろう。 それが橋下さんには、のらりくらりと躱され、そこそこの人数を連れて来てくれるかと思っていた亀井さんは、国民新党と 喧嘩別れしてしまう……と、計画が狂ったのだろうな。 (まあ、当初の読みが甘かったのだろうな) 昼。 『春秋左氏伝(上)』(小倉芳彦 岩波文庫)届く。 『春秋左氏伝(中)』発注。 上中下巻だったのね、これ。(^^; 午後。 『春秋左氏伝』を読む。 困るのは、登場人物の名前。 「誰やねん、こいつ?」という奴が、何の説明もなく出て来る。 例えば、昨日読んだ南子暗殺未遂事件(497 B.C.)のところに、 大子奔宋 大子は宋に逃げ 盡逐其黨 その一味は追放された 故公孟?出奔鄭 そういうわけで公孟?も鄭に逃げた ……とある、この「公孟?」って一体誰なんだ? で、ネット検索をかけてみると、出て来たのが中国語のサイト。 簡体字(現在、大陸で使われている漢字)で書いてある。 簡体字は苦手なのだ。 読むのに時間がかかる。 繁体字(いわゆる「旧字体」)なら、ちょっと知らない字でも、字面からだいたいの意味が分かる。 適当な「読み飛ばし」が出来るのだ。 簡体字は、それが出来ない。 しょうがないので、頭の中で繁体字変換。 ええと、公孟?とは、中国春秋時代の衛の国の公子で…… 「衛霊公之子」ということは、南子暗殺事件の首謀者である??の兄弟であるわけだ。 「過継給了孟?」孟?のところへ養子に行ったわけね。 で、孟?って誰? 衛の襄公の子か。 生まれつき足が不自由だったので、公の地位を弟に取られたのだと、そういう人か。 孟?は、衛の司寇、斉豹を侮り、司寇の職と?の邑を取り上げた。 よって斉豹により暗殺される。(522 B.C.) 『論語』を読んでいるとあまり感じないが、孔子(551 B.C ? 〜 479 B.C. ? )の時代の中国人って、戦争の合間に暗殺を やっていたみたいだ。 夕刊。 今朝の北朝鮮のミサイル発射の際に、日本の政府発表が遅れたとかで、その原因についてが記事になっていた。 7時40分にミサイル発射直後に米軍から早期警戒衛星のとらえた発射情報が防衛省に入っていたのに、日本政府の発表が 8時23分(正式な「ミサイル発射」としての発表は8時36分)だったということ。 2009年4月に北朝鮮が予告していたミサイル発射期間の初日に実際には発射されていないにもかかわらず、政府がいったん 発射を発表してしまい、直後に訂正した経緯があったため。 この失敗を踏まえて、「1つの情報でなく、ダブルチェックの確認をしようとした」というのが藤村官房長官の弁。 つまり、米軍からの情報だけでなく、我が国の自衛隊の情報と併せて確実な発表をしようとしたのだという説明。 で、肝心なその自衛隊からの発射情報は、日経新聞の記事によると、 「ミサイルが発射後まもなく海上に落下し、海上自衛隊のイージス艦などがミサイルの軌道を十分に捕捉できなかった」 のだそうである。 要するに、あんまり早く落っこちちゃったので、自衛隊も見逃したわけね。 たぶん予定では、米軍からの情報と自衛隊からの情報は「ほぼ同時」ぐらいに政府に届くはずだった。 その考えで「ダブルチェックをしてから発表」というのがマニュアルだったのだろう。 ところが実際には上記の理由で自衛隊がミサイルの軌道を十分に捕捉できなかったため、待てど暮らせど自衛隊からの情報 が届かない。 そのうち、韓国がミサイル発射の報道をし出す。 7時50分 韓国YTNテレビ、ミサイル発射を速報。 8時00分 韓国国防省、「7時39分に発射」と発表。 しかし、自衛隊からの情報は、まだ政府に届かない。 8時03分 日本政府「発射の報道があるが、日本としては発射を確認していない」と発表。 8時15分 米国ABCテレビ「発射は失敗」との米国政府関係者の見方を報道。 8時23分 田中防衛大臣「7時40分ごろ飛翔体が発射され、1分以上飛行して洋上に落下した模様」と発表。 8時36分 藤村官房長官「落下物などによる日本への影響は一切ない」と発表。 推測するに、韓国の報道の段階では「まだ自衛隊からの情報を待つ」というマニュアルに従っていたのが、アメリカの報道 を見て方針転換したのだと、そんな感じかな? 自民党議員が、さっそく民主党政府の批判を始めたのは言うまでもない。 「防衛省と内閣官房で連絡の不首尾があることが明らかになった」(石原幹事長) 自民党の敵は、北朝鮮より民主党。(笑) ミサイルを向けられてもなお、のどかな国。 本来、こういう時には「国を挙げて」北朝鮮の方を非難すべきだと思うのだがな。 国家の非常時には、国を護るために一致団結するのが愛国心じゃないのか? ところで、日経の記事の書き方、 〈日本政府 発表遅れ〉〈発射確認 手間取る〉の見出しのあと、記事要約の直後に、〈警報システム活用せず〉とあるが これだと発表が遅れた理由が「警報システムを活用しなかったから」と誤読する人が出ると思うぞ。 記事を読むと、この「警報システム」というのは「発射情報を確認してから」住民に知らせるためのシステムであって、確認 が遅れたことと、このシステムを活用しなかったこととは関係ない。 さらに言うなら、今回の場合ミサイルは発射直後に海上に落下したわけで、つまり「日本に飛んで来ないのが確実だった」 わけだから「日本に飛んで来る恐れがある場合の警戒システム」が使われなかったのは当たり前。 日経の記事によると、 〈北朝鮮の当初の想定では、ミサイルは沖縄の先島諸島上空を通過する可能性があった。ミサイル発射の場合、政府は全国 瞬時警報システム(J−ALERT)を使って、発射情報を30秒以内に、自治体を通じて住民に知らせるとしていたが、 「わか国領土内に入ることはないと確信していた」(藤村長官)としてJ−ALERTを活用しなかった〉 これって、 〈北朝鮮の当初の想定では、ミサイルは沖縄の先島諸島上空を通過する可能性があったが、今回はミサイルが発射直後に海 上に落下したため、発射情報を30秒以内に、自治体を通じて住民に知らせる全国瞬時警報システム(J−ALERT)を 使用するまでもなかった〉 ってことだよな? そもそも自治体を通じての連絡って、たぶんあの音の割れる「防災無線」かなんかでだろう? あの聞こえ難いスピーカーで「ミサイルが発射されましたが、警戒の必要はありません」なんて無駄な情報を流したら、住民 を混乱させるだけに終わっただろう。 これは瞬時警報システムを活用しなかった藤村長官の判断が正しい。 夜。 「クレヨンしんちゃん」をチラッとつけたら、アホな国がミサイルを発射しようとする話だった。 ことと場合によっては放送中止になったネタか? 明日は花見の予定なのだが、天気はどうかな? 寝る。
2012年4月12日(木)
朝のニュースによると、昨日、スマトラでまた大きな地震があったらしい。 日本は日本で、北朝鮮からのミサイルが飛んで来るかもと朝からニュースで騒いでいる。 もうひとつ。 郵政民営化見直し法案が衆議院を通過。 自民党からは小泉進次郎議員らの造反が相次いだが、党執行部は党内の混乱を避けるため、厳しい処分は行わない方針。 小泉(父)人気で支持率が上がった自民党。 本音では反対の「郵政民営化」に賛成して見せたが、その「支持率の元」がいなくなれば、さっそく法案を骨抜きに。 でも、それに反対する小泉(息子)を処分するというのもアレなので、グダグダ……という感じだな。 昼。 近所の家に空き巣が入ったとかで、自治会の防犯カメラの映像をイロイロ。 夜中に脚立を持ってウロウロしている2人組の姿が映っていた。 「この2人、怪しいですかねえ?」 と、私。 「怪しいですねえ」 と、自治会長。 怪しい2人組の映像は、警察に届けようとかいう話になる。 午後。 録画しておいた深夜の「ルパン三世」を観る。 主役は峰不二子で、前回はルパンとの出会い、今回は次元との出会いの話。 全裸の女性が椅子に前後反対に座り(つまり両脚を広げて)背もたれに腕をかけた前のめりの姿勢でこちらを見つめている 構図は、女性監督特有のものか? いわゆる「萌え絵」の女の子が後ろ重心の姿勢であるのに対し、この絵は前重心。 「襲いかかられる女」ではなく「襲いかかる女」なのだ。 男が恐くて逃げ出したくなる美女のヌードという、興味深い絵。 夕方。 古本屋から『春秋左氏伝』(小倉芳彦・訳 岩波文庫)の下巻が届く。 さっそく南子暗殺未遂のエピソードが載っている「定公十四年」を開く。 この本は、西暦が併記してあるので見易い。 定公14年は、496 B.C.。 小倉さんの訳文によると、事件のきっかけとなる部分は、 「衛公(霊公)は夫人南子のために、[もとの愛人]宋朝を呼んでやった」 とある。 ここは原文では、 衛侯為夫人南子召宋朝 (衛侯が夫人の南子のために宋朝をお召しになった) このあと公子である(つまり霊公と南子の子である皇太子)??が会議のために宋の国を訪れると、野原でそこら辺の奴ら が歌を歌っていた。 この歌が、原文では、 ?定爾婁豬 盍歸吾艾? 直訳すれば、 メス豚はすでに妊娠した なぜ私の種豚を帰さないのだ になる。 【無用の知識】 婁豬:繁殖用のメス豚。 艾?:種付けのためにメス豚のもとに連れて行くオス豚。 大子羞之 大子はこれを恥と思い 謂戲陽速曰 戲陽速に言った 從我而朝少君 「奥方への挨拶の時に私について来い 少君見我 奥方が私に接見し 我顧乃殺之 私が振り返ったら殺せ」 速曰諾 速は「承知しました」と答えた 【無用の知識】 戲陽速:大子の部下の名前。このような大事を命じたところから見て、腹心の部下だと思われる。 なぜ、大子(??)が宋の人の歌を聞いて恥と思ったのかと言うと、「吾艾?」は宋出身の宋朝を指し、「婁豬」は南子を 指していると解釈したから。 霊公は、呼び寄せた宋朝を、そのまま大夫として衛の国に留め置いた。 これを、南子をメス豚に宋朝をオス豚に喩えて「宋朝を宋の国に帰さないのは、南子の愛人だからだろう」と揶揄した歌だ というわけである。 ところで、南子についてだが「??の母」とする説と「??の義理の母」とする説がある。 「義理の母」という説の方は「いくらなんでも実の母親を暗殺しようとはしないんじゃない?」という推測に依るようだが 私は逆に、??は「実の母の素行不良が明るみに出たら、自分の(霊公の嫡子という)出自まで疑われかねない」と恐れた のではないかと思うのだが……。 それはさておき、いよいよ暗殺決行の日がやって来た。 乃朝夫人 (??が)夫人に挨拶する時が来た 夫人見大子 夫人が大子に接見する 大子三顧 大子は(戲陽速の方を)3度振り返ったが 速不進 速は動こうとしない 夫人見其色 (??の)表情に気づいた夫人は 啼而走曰 大声を上げて逃げた ??將殺余 「??が私を殺そうとしています!」 公執其手以登臺 霊公は夫人の手を?むと、楼台を駆け上がった ハイ、暗殺失敗。 ??は、宋の国に亡命、一味も全て追放に。 この後が笑える。 大子告人曰 大子が人に話して言ったことには 戲陽速禍余 「戲陽速のせいでひどい目に遭った」 戲陽速告人曰 戲陽速が人に言ったことには 大子則禍余 「大子のせいでひどい目に遭った 大子無道 大子はとんでもない奴で 使余殺其母 自分の母親を俺に殺させようとしたんだよ 余不許 断れば 將?於余 俺が殺されるだろうし 若殺夫人 殺せば 將以余? 俺のせいにされたはずだ 余是故許而弗為 だから俺は、引き受けるだけ引き受けて実行はせず 以?余死 お陰で死なずに済んだのだ 諺曰、民保於信 ことわざに『民は信頼で身を守る』とあるが 吾以信義也. 俺は信義で身を守ったのだ」 つまり、??は信頼していた腹心にぜんぜん信用されていなかったのである。 この人の対人感情って、一方的なのだよね。 だから母親の浮気を連想させる歌を聞いただけで、いきなり「母を殺さねばならぬ」になってしまう。 謎なのは、中国の歴史書がこの??に非常に同情的であるということ。 そのせいで南子は、すごく悪人にされている。 今の常識では、変な噂を流された上に息子に殺されかけた、南子はむしろ被害者なのだが、中国の史書を記した人によると 「南子が変な噂を流されるようなことをしたために、??が暗殺を企てざるを得なくなった」という解釈になるらしい。 しかし私が思うに、南子がそのように「素行の悪い」夫人であったならば、夫である霊公が、わざわざ美男の宋朝を呼び寄 せて傍に留め置いたりするだろうか? 南子が、そういう心配のない女性だったからこそ、霊公も安心して宋朝を大夫に任命したのだと思うのだが。 私には、里帰りも儘ならない時代に妻の故郷の人を呼んで傍に置いたのは霊公の温かい思いやりであって、この夫婦が仲睦 まじかった証拠であるように思える。 夫人の地位の高くない時代にあって、霊公という人が愛妻家であったということが、「霊公は恐妻家だ」→「霊公の夫人は とんでもない女らしい」になってあらぬ噂を呼んだのではないか。 ちなみに、南子を暗殺しようとした??だが、後に孔子の弟子の子路を殺して遺体を「塩辛」にしてしまった人である。 そのトラウマで(?)孔子は以後、塩辛が食べられなくなったらしい。 そういうことをする人を無理に「いい人」にしようとするから、話が不自然になると思うのだが。 夕方。 北朝鮮のミサイルは、結局今日は来なかったようだ。 夜。 8時過ぎに地震。 時刻:20時19分 震源:茨城県沖(北緯36.8度 東経141.4度) 深さ:譯20km 規模:マグニチュード5.5(最大震度4) 真夜中頃に、もう1度。 時刻: 23時50分 震源: 福島県沖(北緯37.4度 東経141.8度) 深さ:薬30km 規模:マグニチュード5.9(最大震度4) 今夜は、もう寝よう。
2012年4月11日(水)
午前中。 ついクリールと時を過ごしてしまった……。 クリールによれば、衛の南子は、 「この夫人は兄弟と血族相姦の関係だったのを結婚後も知られているので批難された人であった上に、政治上の陰謀にも手 を出したようであった」 ということになっているのだが、この「血族相姦の関係だった兄弟」というのは、宋朝のことだと思う。 南子は宋の国の出身で、宋朝は宋の国の公子。 衛の霊公は、この宋朝を宋から呼び寄せて大夫に任命している。 なぜなら宋朝は、霊公の夫人である南子とかねてから密通関係にあり、よって霊公は南子の推薦によって宋朝を大夫にした のだと言うのだが……。 普通、自分の女の元カレを、わざわざ傍に呼び寄せるか? むしろ遠ざけておこうとするものなのじゃないだろうか。 そこで「密通関係にあった」についてなのだが、「密通」というのは、内緒でやるものなので、他の人は知らないはず。 それなのになぜ南子と宋朝が「密通関係にあった」ことを、みんなが知っているのだろうか? ここで、参考資料。 『論語』(雍也第六) 子曰 孔子が言った 不有祝?之佞 祝?のように口がうまい訳でもないのに 而有宋朝之美 宋朝のような美貌があったら 難乎、免於今之世矣 スキャンダルは免れないよなあ 要するに、宋朝はイケメンだったのだ。 「王様が外国からわざわざ呼び寄せた男がイケメンだった」→「このイケメンは、王の夫人と同郷である」→「夫人が王を そそのかして自分の不倫相手を故郷から呼び寄せたに違いない」 この連想は、「事実」というより、いかにも巷に流れそうな「噂話」である。 百歩譲って、南子と宋朝が恋人同士だったとしても、孔子が南子に「会った」というだけで大騒ぎだった時代の話である。 南子と宋朝との「密通関係」も、せいぜい「会話をしたことがある」程度だったのではないかな? 【無用の知識】 祝?:衛の祭祀官で、雄弁家として有名な人。 気がついたら、昼を過ぎていた。 出かけようとしたのだが、あまり風の音が強いので、気が萎える。 ローカル・ニュース。 東京都が、東京電力の筆頭株主になったことが分かった。 福島の原発事故のせいで東電の株価が著しく下落した。 そこで、今まで筆頭株主だった第一生命保険と2位株主だった日本生命保険がそれぞれ3月末までに東電株の一部を売却。 その結果、これまで3位株主であった東京都が筆頭株主となったということのようなのだが、目下、東京都は東電の大口向 け料金値上げに猛反対中。 猪瀬直樹副知事は「株主提案権を行使して、株主総会の場で東京都の意見、提案を表明していく」と言っているそうだ。 (これはたぶん、揉めるな……) 夜。 「実写:ヤマト」をテレビ放映しているらしいが、さすがにあれは劇場で1回観て、もう観る気がしない。 (そう言えば、オリジナル版で「真田さん」役をやった青野武さん、お亡くなりになってしまったのだよなあ) 考えてみると、今日は1日、何もしなかった。 寝る。
2012年4月10日(火)
午前中の雑用を済ませ、「CSI:マイアミ8」最終回を観る。 殺害された平凡な主婦が、実は大学での実験の被験者で…… なんか既視感があったのは、気のせいかなあ。 平凡な一般人のはずの人が「被験者」のバイトをすることで、大学内での実験に関わりを持っていたというお話。 自分の実験データを取るために捜査妨害をやってくれる学者さんのせいで捜査がミスリードされ、その間に犠牲者が増えて いく……。 突っ込みを入れるなら、論文のデータを取るための被験者って、もっと大勢じゃないか? 一番怖かったのが、連続殺人事件の犯人より誰より、物語の冒頭で事件を予言するような歌を歌っていた小さな女の子。 これはどういう演出意図だろう? アメリカのシリーズものドラマの常で、シーズン最終回は「大事件発生、次シーズンに続く」になる。 だから番組が打ち切りになると、視聴者はものすごく欲求不満になってしまう。 せめてスペシャルで事件の解決篇ぐらい流そうという気にならないのか、アメリカのテレビ局は? 午後。 つい『孔子 ーその人とその傳説ー』(H.G.クリール 田島道治・譯 岩波書店)を読み始めてしまう。 アメリカ人が書いた孔子の研究書。 「儒家の祖はかかるべき」と言うフィルターがない分、面白い。 門下生に出世した人間が多いのに、自分自身は大した地位に就けなかった。 にもかかわらず、出世した門下生からも、ものすごく尊敬され、その語録が2000年以上の時を超えて読み継がれている ある意味不思議な人の人生が分かり易く解説されている。 ところで、訳文なのだけれど、ところどころ意味不明の文章があるのが気になった。 「司馬牛は孔子の門弟であったから、門地の高い人間だけに地位の下ることの深さを測り知る資格があると思ってた連中は 軽視すべきだということを知ってたに違いない」(P58) これ、日本語として変じゃないか? 夕方。 古本屋から『春秋左氏伝』を発送したよという連絡が来る。 届いたら、そっちを先に読もうか? それともクリールを読みながらときどき『左氏伝』のページをめくろうか? ……などと、アホなことで悩む。 ニュース。 鳩山氏(兄)が、「核兵器のない世界を作ろう」とイランに行って大統領と会談して来たところ、その発言を相手の都合の 良いように解釈され「日本の元首相、IAEAの対応を二重基準と批判」という話にされたとのこと。 で、思い出したのが、この話。 『論語』(雍也第六) 子見南子 孔子が(何かと評判の悪い)南子と会見したことについて 子路不説 (弟子)子路が不快感を示した 夫子矢之曰 そこで孔子先生は子路の前で誓って言った 予所否者 「もしも私にやましいことがあったら、 天厭之、天厭之 天に滅ぼされますように、天に滅ぼされますように」 鳩山さん、「IAEAの対応を批判」については、覚えがないと言ってイランのウェブサイトからも削除させたそうだが、 会談全体にについては、 「核兵器のない世界をつくりたいと強く申し上げ、アフマディネジャド大統領はじっくり耳を傾けた。言葉は通じた」 と、満足しているらしい。 孔子も南子との会見について「作法通りに答えられた」(岩波文庫『史記世家(中)』の訳文による)と、満足出来る結果 と見なしていたようである。 私は、鳩山由紀夫さんという人は好きだが、政治家には向かないタイプだと思っている。 孔子の人徳を評価しつつも彼を政治家にしなかった中国人は、賢いと思う。 夜。 クリールの『孔子』を読みつつ、寝る。
2012年4月9日(月)
自分の体が球体になるという夢を見た。 フロイト的に言うとこれは??? ニュース。 北朝鮮が「人口衛星」打ち上げ用だとするロケットを外国メディアに公開。 ロケットが発射台に「立てて」あるのは、これが「衛星打ち上げ用ロケット」であってミサイルでない証拠なのだそうだが パッと見の印象がミサイル(テポドン?)をタテ置きにしただけみたいに見えるのは気のせいか? 北朝鮮側の説明によると「衛星はこれから搭載する」のだとか。 (発射台に立ててから衛星を搭載?) 手順が変に思えるのは、私が素人だからなのだろうか? 午後。 「犬」の打ち合わせの準備。 (これで半日潰れる) 夜。 「犬」の打ち合わせ。 途中から、ただの飲み会。(笑) ゲーム業界の現状を憂える話になってしまった。 いまゲーム業界で一番カネになると言われているのは「ガチャ」なのだそうだ。 要するに、ゲーム上で必要なアイテムを課金のガチャガチャを使って当てるというシステム。 但し、あまりに賭博性が高いという理由で、そろそろ規制対象になりそうなのだそうだ。 帰宅。 ネットでニュースをチェック。 自民党、次期衆院選マニフェストの原案を公開したそうだ。 消費税は、「当面10%」にする予定なんだとか。 これを民主党案の「8%」よりひどいと受け取る人が多ければ、支持率は下がるし、より堅実だと受け取る人が多ければ、 支持率は上がるだろう。 ……そのままパソコンの前にいたのがいけなかったのか、酔った勢いで『春秋左氏伝(上・下)』を発注してしまう。 これ以上、取り返しのつかないことになる前に、寝る。
2012年4月8日(日)
今日は、花祭り。 「誕生会(たんじょうえ)」とか「灌仏会(かんぶつえ)」とも言う。 簡単に言えば、仏教のクリスマス(?)。 今年は桜の開花が遅れたせいで、花見の時季と重なり文字通りの「花祭り」。 昼。 良い天気。 西池袋公園へ。 佐藤編集長に誘われ、ぶらぶらと散歩がてらの花見。 行ってみると案の定園内は花見客で埋まっている。 編集長が、 「あ、あれ」 と言うので視線の方向を辿ると、男女数名の比較的こぢんまりとしたグループが花見をしている。 その一番奥に座っている中年の男性。 「誰だ?」 と、聞いたら、リ×××ド・コ××ズという、割と有名なトンデモさんなのだそうだ。 きっとユダヤの陰謀も桜の花の下では休みなのだろう。 のどかな日差しが暖かい日。 昨日も行った「第1回日台文化交流〜東日本大震災復興支援〜」を覗き、台湾の仏教会か何かが主催する灌仏会に参加。 誕生仏に甘茶をかけるのは日本と同じなのだが、この仏像がすごく派手。 顔立ちも童形に作ってあってなんか可愛らしく、ちょっと見はカラフルなキューピー人形。 仏像というのは、もともとは着色されていたものも多いらしいから、こっちが正解なのかも知れないのだが。 そのまま東武の旭屋へ。 『しろくまカフェ マンゴー味』(ヒガアロハ フラワーズコミックス)を買ってからメトロポリタン通りのドトールへ。 この店、周囲の店が禁煙になっている中で、禁煙席よりはるかに広いスペースを喫煙席にしている珍しい店。 よって、この地域での喫煙者の憩いの場所に。 店内は相当に煙たいので、知らずに入るとびっくりする。 サイゼリアでスパゲッティーを食べ、祥雲寺の誕生仏に甘茶をかけてから(こっちの仏像はお馴染みの地味な仏像)帰宅。 『しろくまカフェ マンゴー味』を読む。 パンダママの話。 セレブな奥様という設定のパンダママ。 さりげない「金持ち」の描写がリアルでいい。 アイドルグループのコンサートに行った時にはグッズに散財、スーパーの詰め放題ではさほど熱心に詰め込まない。 一方、一緒にコンサートに行ったペンギンママはパートで働いているし、去年買ったペンライトを持って来ている。 近所に住むエゾリスママは、パートに出ているし(パンダママは専業主婦)、詰め放題では極限まで頑張る!(笑) そしてパンダママ、趣味がガーデニング。 庭と暇がなければ出来ない趣味である。 嫌みのないいいところの奥様ぶりが、素直にほんわかと「こんな金持ちっていいな」という気分にさせられる。 見ている側までなごむ幸せ。 夜。 「犬」企画のゲストに、大会参加の詳細をメールで送る。 明日は打ち合わせ。 手帳のスケジュールがヴァリコン関係で埋まって、ちょっとうんざり。 寝る。
2012年4月7日(土)
今日は本当は午前中からSF大会のスタッフで作業の予定だったのだが、作業の準備が整わないとかで、急遽、午後の会議 にだけ行くことに。 昼前に自宅を出て、池袋駅で「西口の東武線」と「東口の西武線」を間違えるという池袋ビギナー並の技をやってのける。 未だ初心を忘れず。(←違っ!) 機材のレンタル会社の方が来て、担当スタッフと打ち合わせ。 担当スタッフ、かなり頑張って値切っていた。 良い仕事をする男である。 午後の会議。 最近の大会の会議は、スカイプを使用して行うので、本日の一番の遠方からの参加者は、イスタンブールから。 直通バスの料金等、お金の話。 スタッフが足りないので人を雇う経費とか。 会計担当、かなりシビアな発言中、スカイプの向こうから愛らしい猫の鳴き声。 一気に場が和む。 自宅からの会議参加は、個人の生活感が会議室に持ち込まれるので、ちょっと不思議な雰囲気になる。 帰りに、池袋で「第1回日台文化交流〜東日本大震災復興支援〜」が開催されていたので、ちょっと覗く。 東北と台湾の料理が屋台で売られていたので食べ比べてみるが、日本の料理は繊細、台湾の料理は豪快な味がする。 東北の肉料理は、おじさんが炭火で丁寧に肉を焼いて出すが、台湾の肉料理はおばちゃんが骨ごと肉を叩き切る。 (台湾、パワフルである) 会場で会った1号くんと軽く飲んで帰る途中、路上で変なおっさんに行く手を遮られた。 脇を通り抜けたら後を付いて来られる。 近くの寺の境内のトイレの個室に入ってやり過ごそうとしたら、おっさん、扉に腕を突っ込んで中に入って来ようとする。 腕を挟んだままバンバン扉を締め、相手が腕を引っ込めた隙に施錠。 しばらくしたらいなくなったようなので、交番に直行して事情を話すると、現場検証をすると言うので警官3人と一緒に寺 まで戻って状況説明。 (いったい何だったのだろうな、あのおっさんは?) 現場検証が終わったので、1号くんの部屋へ。 2人で「酔拳」という映画のDVDを観る。 1977年製作のジャッキー・チェン主演のカンフー映画。 DVDの音声は、広東語に一部英語が交じるという、不思議な形式だった。 この映画の日本公開は1979年で、ポスターの絵をモンキー・パンチが描いていたのを覚えている。 (たぶん「ジャッキーの写真」をポスターにしても客が呼べないと思ったからだろう) 日本人が初めてジャッキー・チェンという俳優の存在を知った作品と言っていいと思う。 あまり有名な映画だったので、逆に見そびれていた作品。 ストーリー。 名門道場の息子で、そこそこ腕はあるが素行に問題のある若者が修行のために名人の元に預けられ、一度は逃げ出すものの 謎の男との闘いに敗れて己の未熟さを悟り、修行に励んで強くなって帰宅を果たす。 すると家では父親が例の謎の男(実は殺し屋)に命を狙われていた。 で、強くなった息子が殺し屋を倒して雪辱を果たすと同時に父を助けてハッピーエンド。 主人公の黄飛鴻は、清朝末期に実在した武術家がモデルなのだそうで、つまりその時代という設定なのだろうが、それにし ては、登場人物の髪型が1970年代なのはご愛嬌か? 旅に出たはずの師匠が、大事な勝負の時にはなぜか普通に戻って来たりと、ストーリー的にもアバウト。 食い逃げしようとした主人公を、店の人間が役人に引き渡すのではなくその場で袋だたきにしようとしたり、主人公の師匠 が平然と違法賭博をやったりと、日本人の感覚からすると違和感を覚える部分も多い。 (なにしろ始終、暴力事件が起きているのに、捕吏、警官の類が、画面に一切登場しない) まあ、「正しい」ことよりも「強い」ことの方が重用というのは、政情が不安定な国では当然の感覚なのかも知れないね。 そんなわけでか、主人公の師である人物は必ずしも「正義の人」ではない。 この辺は、修行というとすぐに精神論を語り出す日本の武道モノとの、大きな違い。 主人公が師匠と非常にざっくばらんな会話を交わしているのも面白い。 中国における「師弟」のイメージがこんなものだとすると、『論語』に於ける師弟の会話も、こういう雰囲気の中で交わさ れたと考えるべきなのかもな。 さてと、家に帰って寝よう。
2012年4月6日(金)
朝。 メールをチェックしたら、佐藤編集長から「おすすめ動画」というURLが届いていた。 幕末に書かれたという『藤岡屋日記』に関するドキュメンタリーもの。 面白かったが、なぜこれを私に? いつのまにか、昼過ぎ。 (のんびり動画サイトなど眺めているからだ) 「犬」関係の資料整理などしなくてはならないのに、クリールが気になる。 『孔子 ーその人と傳説ー』(H.G.クリール 田島道治・譯 岩波書店)チラ読み。 これは、やっぱり、腰を落ち着けて読む本だな。 午後。 ニュース。 政治関係。 亀井さんが代表をクビになったらしい。 整理すると、目下、野党はこんな感じか? 自民党:大筋で民主党と同じ意見だが野党になって以来「民主党に反対する党」以外の目立ったアピールポイントがない ため、下手に民主党に味方すると支持率が落ちるという立場。 公明党:消費税増税に反対する立場だが、連立している自民党が基本的に増税賛成なので、どうしようかというところ。 国民新党:消費税増税に反対する亀井を追い出して、民主党との連立を続けることに。 問題は「事実上野党」の民主党小沢派で、なんか維新の会と微妙に仲が良いらしい。 維新の会と一番仲が良いのは、みんなの党。 出来るかどうか分からない石原新党も仲良し。 さて、次の衆議院選、政策的なくっつき方をするならば、「民主党野田派、国民新党、自民党、公明党(?)」と「維新の 会、みんなの党、石原新党、民主党小沢派」なんだけれど、自民党は立場上、民主党とはくっつけないだろうから、「民主 党野田派、国民新党」と「自民党、公明党」と「維新の会、みんなの党、石原新党、民主党小沢派」のグループ分けになる のかな。 もうひとつニュース。 東電関係。 東京都が「新宿地域冷暖房センター」(東京ガスの子会社が運営)の発電設備からも電力の供給を受けることにしたとか、 都が管理する水力発電所の電力を東京電力以外に販売できるように条例を改正するつもりだとか、東京都vs東京電力の図 式になって来たのか、これ? 東電に関しては、政府も政議決権の過半を持って一時的な公的管理に置く方針だとかで、目下、東電はそれをのらりくらり と逃げているところ。 東電としては、解散総選挙で仲良しの自民党が政権に返り咲いてくれるのを待っているのだと思うのだけれど、せっかく民 主党が負けても、仲良しじゃない維新の会なんかに政権を取られてしまったら、民主党の場合よりひどいことになりそう。 どうするのだろうな? 夜。 テレビで都市伝説を扱った番組をやっていたので、とりあえず観る。 トンデモ系は大好きなのだ。 しかし、かなりガッカリ。 フリーメイソン・ネタを扱うと言うので楽しみにしていたのだが、グレードが低過ぎる。 番組製作者に、基本的な知識がないのだ。 番組では「万物を見通す目」(例の三角形の中に目玉があるアレのこと。別名「プロビデンスの目」)を、なぜだかずっと 「ヤーハウェ」と呼んでいる。 そのあとのユダヤ教のラビが出て来るシーンに「ヤーハウェはヘブライ語で神を表す」というナレーションがあったのだが 矛盾を感じなかったのだろうか? 「万物を見通す神(ヤーハウェ)の目だ」と説明されたのを、いい加減に聞いていたのか? トンデモは、ある意味フィクションなのだから、きちんとしたフィクションとして番組を作って欲しいよな。 この番組の一番の見どころは、フリーメイソンのグランドロッジに日本のお笑い芸人が平気で入って行き「フリーメイソン のグランドロッジは部外者が簡単に入れる場所だ」ということをテレビ画面で証明してしまったところだな。 フリーメイソンを謎の秘密結社にしておきたいトンデモ関係者は「バカがやっちまった!」と頭を抱えたかも知れないが。 あーあ、なんかこう、「おおっ!」というようなトンデモ番組が観たいなあ。 寝る。
2012年4月5日(木)
「メンサ・テスト合格者の会」の例会会場場所取り抽選会。 毎月の抽選会は、4月のみ5日に行われる。 以前は他の月と同じ1日にやっていたのだが、異動当日に朝イチで100人以上の抽選者参加者を捌けと言われた職員が、 毎年混乱を引き起こす羽目になり、さすがにそれはまずいだろうということになった模様。 今回、クジ運が最悪。 9時に抽選会が始まり、会場を出たのは正午ごろ。 さすがに空腹を覚えたので、松屋で牛丼。 帰宅して、録画しておいた「LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜」を観る。 ファースト・シリーズ前半というか、ハードボイルド調。 悪役が「浅はかな若者」ではなく「醜い老人」であるのは、70年代テイストか? ストーリーは…… あああっ! 峰不二子のトップレスしか観ていなかった自分に、いま気づいた。 午後。 昨日買った「ナイトランド」を読む。 雑誌と言うよりアンソロジーっぽい。 (連載小説は、朝松健先生の「The Faceless City #1 狂雲師」のみ) 特集は「ラヴクラフトを継ぐ者たち」 「ルイジアナの魔犬」 スコッチ・カースン 田中一江・訳 「魔犬が出た」と呼ばれた動物管理官が迷信だろうと思いつつ行ってみたら、本当に犬のバケモノがいて…… 翻訳の文章がすごくいい。 南部なまりの英語を、日本の西の方の方言っぽく訳しているのが非常によく雰囲気を出している。 「沼地に潜むもの」 ティム・クーレン 夏来健次・訳 雨宿りをした家で実話だという怪談めいた話を聞かされ「こいつ、頭がおかしいんじゃないか?」と思っていたら、本物の バケモノが出て…… 挿絵を描いている楢喜八さんの絵が、ちょっと水木しげるっぽくて、描いてあるバケモノが可愛らしい。 こんな可愛いやつの話だったか? 「ウェストという男」 グリン・バーラス&ロン・シフレット 金子浩・訳 ラヴクラフトの「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」に出て来たハーバート・ウェストが、実は生きのびていて、死体蘇生 の実験を続けていたという話。 ウェストと闘う敵が、なぜかマッチョ男でハードボイルトと言うか、スプラッターと言うか…… 実は、本号中一番面白かった作品なのだが、このハーバート・ウェストって、なんか違くね? 西洋人(キリスト教徒)の感覚では、死体の蘇生は殺人よりもはるかに悪いことであるらしい。 キリスト教徒ではない私には、その辺の「おぞましさ」や「恐怖」は、あまり感じられないので、たぶんキリスト教徒だっ たらぞっとしたかも知れないラストに、「ま、いいんじゃね?」という感想を抱いてしまった。 感覚に訴えるタイプの文学であるホラーというジャンルは、文化が違うと理解が難しいのかも知れない。 「ダイヤー神父の手紙」 レイフ・マクレガー 増田まもる・訳 考古学者であり、聖職者でもあるダイヤー神父は、王立協会のバックランド師にノアの洪水の証拠となる化石を発見したと いう手紙を書き送るが…… これも、キリスト教が分からないとお手上げ。 どうも「神父さんがだんだんおかしくなっていく」という話らしいのだが、「ノアの洪水」という文字を見て、まず「子供 向けの絵本に載っている物語」を思い浮かべてしまった私は、冒頭から話から落っこちてしまった。 (どの辺までが「まとも」で、どの辺からが「おかしい」のだろうか? キリスト教徒的には) 「扉」 サイモン・ブリークン 田村美佐子・訳 いつ頃からか村にある謎の扉の話。 つい「そんな変な場所に住むなよ」と突っ込んでしまい、完全に話から落っこちた。 「矮人族」 ロバート・E・ハワード 中村融・訳 気が強くてバカな妹を怪奇小説に詳しいオタクなぼくが救って「お兄ちゃんカッコイイ!」な話。 原題 “The Little People” これを「小人族」と訳したら、いろいろと支障があるのかな? 「コールド・プリント」 ラムジー・キャンベル 野村芳夫・訳 変態性欲小説マニアの少年が、変態性欲小説を手に入れようとして奇怪な目に遭う話。 主人公が遭遇する怪異より、主人公自身の方がずっと恐いぞ。(笑) 「The Faceless City #1 狂雲師」 朝松健 舞台は「大帰還」と呼ばれる災害のため、秩序を失った世界。 私立探偵の神野(しんの)十三郎は、依頼を受けて、この世に再び秩序を取り戻すためにCと敵対する者が創造したという 「地獄印(ネザー・サイン)」を手に入れるため、まずオブラク博士なる人物に会いに行くが…… 連載小説の最初の3ページを読んだだけでは、まだなんとも言えないが「神野十三郎」って「海野十三」から考えた名前だ よね? しかし今後も「毎号3ページずつ」の連載を続けていく予定なのか、この小説?) 夕方。 古本屋から『孔子 ーその人と傳説ー』(H.G.クリール 田島道治・譯 岩波書店)が届いた。 岩波は、どうしてこの本を文庫に入れてくれないのだろう? 5時から。 アニメ「しろくまカフェ」の第1回を観る。 原作に比べると、ややテンポが速いイメージ。 パンダ君は、のんびり屋というより、ニートっぽいイメージのキャラになっていた。 「働かないでお金をもらえる仕事」を探していたパンダ君、動物園にバイトが決まり、パンダとして寝ているだけでお金が もらえることになって、めでたしめでたしという話だったが、子供に見せたら、悪い影響があるんじゃないか?(笑) 原作のヒガアロハの絵が、ほぼキャラ崩れなしに動いていたが(つーか、原作が写実画なので、単に写実的な動物の絵)、 パンダ君の家の中のシーンで、テレビに映っていた番組が「ハシビロコウの全て」。 スタッフは写実的デザインの動物を描くため、上野動物園に取材に行ったものと思われる。 (ハシビロコウは、目下、上野動物園の看板スター) 夜。 メールが来て、来週始めに「犬」の打ち合わせをやることになった。 準備をしないとな。 寝る。
2012年4月4日(水)
嵐が通り過ぎて、今朝は晴天。 昼。 気持ちよく風呂を浴びようとしていたら、玄関に人が来た。 「隣の棟の工事をしているものですが、工事中に水道管が壊れて水が噴き出してしまったので、建物全体が断水します」 「壊れて」って自然現象みたいに言うなよ。(笑) 断水がいつまで続くのかは、いま部品を手配しているところなので分からないのだそうだ。 シャワーは使えないし、もちろん台所もダメ。 仕方なく、昼食はコンビニのおにぎりとペットボトルのお茶で済ませる。 隣の棟で内装工事をしているらしいことは、ドリルの音で知っていたが(普通は工事の前に挨拶に来るものじゃないか?) 水道管まで壊すとは、いったいどんな業者だ? 自分が大変イライラしているのに気づいて、理由を考えてみるに、これが「突然始まり、いつ終わるか分からない災難」で あるからのようだ。 午後。 しばらくしてドリルの音が再開。 業者は、「水道が使えるようになり次第連絡します」と言っていたが、どうせ当てにならないので適当な時間を見計らって 蛇口をひねってみたら、管に溜まっていた空気と共に茶色い水が吹き出して来た。 水がきれいになるのを待って、風呂に入る。 今度はあまり腹が立たなかったのは、業者にぜんぜん期待していなかったから。 「予測していないことが起きる」 「予測が立たない」 どうもイライラしたり腹が立ったりするのは、この2点が主な原因らしい。 「どうせ連絡は来ないだろう」と予測して、その通りになったとしても強いストレスには感じないらしい。 夜。 付き合いでロフトプラスワンに「『ナイトランド』創刊記念・新宿クトゥルーミーティング」を聴きに行く。 『ナイトランド』というホラー小説雑誌の創刊を記念しての(つまり宣伝のための)イベントで、主に喋っていたのは朝松 健という名前の、私の知らない小説家。 この作家さん、話をしていて隣から「その話は初めて聞く人には説明が必要でしょう」と注意されると、説明を加える代わ りに、その話そのものをやめてしまう。 私自身はホラー小説そのものをあまり読まないので、今夜の話は大半が「初めて聞く話」。 よって、分からなかったことは、結局、最後まで分からなかった。 クトゥルー神話に興味のある人には面白い内容だったのかも知れない。 ホラー小説というのはアメリカでは低俗小説の扱いで、質の良くない編集のされかたをしていることが多いので誤植が多い という話は、なんとなく分かった。 「だから、活字は信じちゃいけない」 と、朝松先生。 勉強のために、会場内で売られていた『ナイトランド』の創刊号を購入。 通常価格1700円のところ、会場内特別価格で1500円。 季刊の予定らしいが、売れるのかな? (ホラー小説については本当によく知らないので、日本にどのぐらいのホラー小説ファンがいるのか情報がない) 友人にこの雑誌の購入を勧めて回ったという朝松先生、定期購読を頼んだのにみんな「試しに」と言って創刊号だけしか 買ってくれず「面白かったら定期購読を申し込む」と言っていたが全く当てにならないという話をされ、 「だから、友達は信じちゃいけない」 本日の特別メニューで「黄金の蜂蜜酒(ミーノ)」といのがあったので注文する。 ポーランドの「ドヴィニャク・スタロボルスキ」とかそんな名前の酒なのだそうで、味は紹興酒を水で薄めた蜂蜜で割った ような感じ。 口当たりが甘い割には強い酒なので店側が警戒したのか、大きなタンブラー1杯のチェイサー(ミネラルウォーター)が付 いて来たので、結果、あまり酔わなかった。 会場でO河内君に会い、店を出たところで初対面の人に2次会に誘われたので、一緒に「和民」へ。 誘った当人が真っ先に潰れて帰ってしまい、こちらもなんとなく解散。 家に帰って、寝る。
2012年4月3日(水)
天気予報が嵐が来るのだと言っている。 午前中は、雑用を済ませてから、昨日の続きで『論語』を読んで笑ったり。 昼食。 ロールパンにソーセージ挟んでミニ・ホットドッグ。 ホットドッグというのは、アメリカのドイツ系移民が考案した食べ物。 ホットドッグの「ドッグ」は、ドイツの「フランクフルト・ソーセージ」をアメリカ人が「ダックスフンド・ソーセージ」 と呼んでいたことから。 太くて大きめの「フランクフルト・ソーセージ」が、アメリカ人には「ダックスフンドの胴みたい」に見えたらしい。 当初は熱々のフランクフルト・ソーセージのみを屋台で売っていたのだが、 「熱くて持てない」 と客から苦情が来たので、パンに挟んで売ることにしたというのが定説。 (「だから何?」と言われると困るのだが) 午後になって、窓の外の風の音はより大きくなり、雨音がはっきりし出した。 今日は吹き矢の講習なのに。 夕方。 とりあえず外に出ると、風は強いが雨は小降りになって来たようだ。(と、思った) で、外に出たら、途中から雨がひどくなる。 念のため、イシヅキ部分が壊れた古い傘を持って出たのが正解。 強風で傘の骨がみんな折れる。 (新品の傘だったら号泣したところだ) 会場に着いたら、 「荒天のため、講習は中止」 とのこと。 「何をしに傘を1本壊したのやら」 と、嘆いたら、 「では、傘を1本あげましょう」 と、くれたので、その傘を差して帰宅。 この嵐、「爆弾低気圧」と呼ばれているらしい。 春になって暖かい空気が北上して来たのに大陸側に冬の寒気が居座ったままという気象条件で、暖かい空気と冷たい空気の 間に、まるで台風みたいな空気の渦が出来たもの。 「爆弾」と呼ばれるのは「急速に(爆発的に)」発達するからだという噂だが、本当かどうかは分からない。 さて、予定が変わってしまったので、今夜は『孔子』(金谷治 講談社学術文庫)でも読みつつ、寝よう。
2012年4月2日(火)
朝。 起きて紅茶を飲みに台所に行き、驚いたのはその距離を歩くのに足がふらついたこと。 昨日はトータルで約12時間、出歩いていたわけだが、若い頃にはそんな程度の外出で翌日に疲労が残るなんてことはかったのだ。 体がなまっているのだな。 鍛えないと。 まあ、本日は大人しく部屋で本を読んでいることにする。 『論語』(武内義雄:譯注 岩波文庫)。 この本、絶版本なので古本屋で購入したもの。 古くても読む分には問題ないと思っていたのだが、ページを開く時にうっかり手が滑って背綴じ部分が裂けてしまい2つに 分離してしまった。 しょうがないので続きは『論語』(金谷治:訳注 岩波文庫)の方で読む。 (武内先生のバージョンは「論語序」の付いた資料的に価値のある本なので、再版してくれませんか、岩波さん?) 昼。 「CSI:マイアミ 8」を観る。 別れた夫の暴力で片耳の聴力が低下、補聴器を付けている捜査官が、その補聴器が拾ったノイズによって電波妨害装置や隠 しマイクを発見するという話。 障害者は、場合によっては特殊能力者と成り得るわけだ。 『論語』衛霊公第十五 子冕見 (楽師の)冕先生が訪ねて来た 及階、子曰、階也、 階段のところへ来ると、孔子先生が「階段ですよ」と言い 及席、子曰、席也、 座席のところへ来ると、孔子先生が「座席ですよ」と言った 皆坐、 みんなが着席すると、 子告之曰、某在斯、某在斯、 孔子先生は「あそこにいるのが誰それで、あそこにいるのが誰それです」と言った 師冕出、 冕先生が帰ると 子張問曰、與師言之道與、 子張が質問した「さっきのあれは、楽師と会談するときの道なんですか?」 子曰、然、固相師之道也。 孔子先生は答えた「もちろんそうだよ。これは楽師サポートの道である」 盲人には、健常者より聴力が鋭い人が多い。 そういうわけで日本では盲人が楽師になった例が多いわけだが、古代中国では、もう一歩進めて(?)、楽師になるために 故意に目を潰してしまったりしたのだとか。 だから、この楽師の冕という人は、盲人。 その盲人の冕が、孔子のところに訪ねて来たわけだ。 孔子は、階段のところで「階段です」と言ったり、座席のところで「座席です」と言ったりと、世話を焼く。 それを見ていて「あれは楽師と会談するときの道なんですか?」と、しょもないことを聞いたのは、弟子の子張。 子張の本名は「?孫師(せんそん・し)」、中国では珍しい二文字姓の人で、「?孫」が姓で、「師」が名前。 『論語』先進篇に 子貢問、師與商也孰賢、 子貢が「師と商とでは、どっちが賢いでしょう?」と聞いたら 子曰、師也過、商也不及、 孔子先生は「「師は過ぎていて、商は及ばない」と答えた。 曰、然則師愈與、 子貢が「じゃあ、師の方が上なんですね?」と言うと 子曰、過猶不及、 先生は「過ぎたるは、なお及ばざるがごとしなんだよ」と答えた とあって、孔子に「やり過ぎ」と評価されていた人。 ちなみに、ここで師と比べられている商とは「子夏」のこと。 『論語』を読むと、この人の言っていることには、あまり才気を感じない。 逆に言うなら、子張(商)は、少し才気走った人なのだ。 いらないところで「ちょっと上手いこと」を言ってみようとかするタイプ。 盲人に「ここは階段です」とか言うのが別に「道」だからそうしているわけじゃないのは分かり切っているのに、わざわざ 「それって、道なんですか?」などと、いらんボケをかましたりする。 子張がわざとボケているのを分かっていて、孔子は突っ込む代わりに「然、固(もちろんそうだ)」と答える。 「楽師サポートの道である」というボケ返し。 これには子張も、とっさにいいツッコミが浮かばない。 孔子vs子張、孔子のボケ勝ち!(←そんな「師弟対決」をやっていたという記録はない) 『論語』を読んでいるうちに日が暮れた。 こう書くと、なんか真面目なことをしていたみたいだな。(^^; 天気予報によれば、明日は台風並みの暴風雨になるそうだ。 寝る。
2012年4月1日(日)
良い天気。 今日は新宿の「ロフトプラスワン」で「妖怪玉手箱 3」。 新宿駅東口。 これまでに何度来たのか「ロフトプラスワン」。 それでも道に迷う。 方向音痴も芸術の域。 なにしろこの辺、アヤシイ店ばかりの地域。 派手目で安物のスーツを着たお兄さんが、店の前に座り込んで眠っていたり。 古本雑誌を路上に店を広げて売っていたり。 ともかく路上はゴミだらけ。 池袋だってもっとずっと清潔だ。 ウロウロしていたら、 「何かお探しですか?」 と、声をかけてくれた人がいるが、うっかりついて行ったらそのまま遠いお国へ連れて行かれそうなお兄さんだったので、 道を聞くのはやめる。 かと言って、まともそうな人に聞いても、そんな場所は知らないと答えられてしまう「ロフトプラスワン」。 どうにか自力で辿り着いたのは開場10分前。 そのまま中へ入ってヤキソバとウーロン茶を頼み、開演を待つ。 正午。 ヤキソバを食べているうちに、始まった。 原田実(偽史学研究家):江戸のフランケンシュタイン 内容は『飛騨匠物語』と『フランケンシュタイン』の話。 ……と、まとめてしまっていいのか? 19世紀始めに、奇しくも洋の東西で書かれたSF小説の時代的背景とその比較。 瀧川鯉朝(落語家):妖怪にちなんだ落語 内容は「むじな」の現代版。 電車内で目を覚ました男が、まわりを見回すとのっぺらぼう。 慌ててホームに飛び降り、改札を抜けようとすると、駅員ものっぺらぼう。 近所のレンタルビデオショップに逃げ込むと、店員ものっぺらぼう。 馴染みの居酒屋へ行くと…… と、「二度の怪」が3度も4度も繰り返されるという噺。 明木茂夫(中京大学教授):「『詳注聊斎志異図詠』について 挿絵で楽しむ聊斎志異 内容は、『聊斎志異』の挿絵にツッコミを入れまくり、かつ原文を中国語で読んでみたり。 これが面白い。 明木先生が都内の大学で講義をやってくれるのなら、喜んで聴講に行ってしまうのだが。 池袋から名古屋は、ちと遠い。 残念! 多田克己(妖怪研究家):河童、おまえは何者だ? 内容は、河童について。 中国の「水虎」とか「河伯」とか。 「河太郎」の語源が「河虎(かわとら)」かも知れないという話は面白かったな。 どうでもいいけど、「河伯」を中国語で発音してもらうためだけに、楽屋の明木先生を呼び出すのはどうかと思う。(笑) (笑顔で階段を駆け下りて来て下さった明木先生、偉い!) 最後は、出演者うち揃ってのアブナイ話。 一見スーツ姿の瀟洒な紳士、どこから見ても「大学教授」で、「ロフトプラスワン」のような場所には場違いのような明木 先生が、口を開けば、誰よりもその場にふさわしい方だった。 文部科学省に暗殺される日も近い???(^^; 明木先生よりの拡散希望。 現在、文部科学省が社会科の教科書で、中国の地名のカタカナ表記を進めているのだそうだ。 つまり今まで漢字表記されていた中国の人名や地名を無理矢理「中国語っぽい発音のカタカナ」で表記させるということ。 中国の固有名詞を「カタカナ表記」にすると、どうなるのかと言うと…… 中国の人名や地名を「中国語っぽい発音のカタカナ表記」にしたところでもともとの中国語の発音とは違うから、“table”を 「テーブル」と発音しても英米人に通じないのと同じように、中国人には通じない。 漢字表記を教えないから「字で書いて」という手も使えなくなる。 大学に進めば文献に漢字で書かれた地名が読めない……とまったくいいことがない。 単に「いかにも日本が中国の文化を尊重している風のポーズ」のためだけとしか思えない。 馬鹿げているのでやめさせるべきだ。 ……と、こういうお話。 午後4時。 「妖怪玉手箱」終了。 新宿から京王線、京王井の頭線を乗り継いで高井戸へ。 ドトールで軽く「おやつ」を食べてから、今度はSF乱学講座。 講師:伊藤拓馬氏(遊戯研究家) 「日本の花札が李朝時代の朝鮮半島に伝わり、韓国の世相を取り入れて遊び方が変化していった様子を、近現代史を通して 紹介します」とのことで、戦後日本の文化が禁止された韓国で、なんとか花札で遊ぼうと工夫されたデザインの札を見せて 頂く。 (韓国風の帽子を被った「お前、誰やねん?」みたいな小野道風の絵とか、笑った) その他。 韓国の「ゴーストップ」(「コイコイ」に似た遊び)の「政治的」バリエーション。 そのときどきの政治的事件や人物名を冠した「○○ゴーストップ」。 ルールが政治批判になっているわけで、言論の自由が制限されていた国ならではのゲーム。 伊藤氏、以前はそんなに韓国に興味がなかったのだが、たまたま旅行に行った韓国で、韓国人がメチャメチャに親切にして くれたので、すっかり韓国好きになり、韓国のゲームの研究をして本を書くまでになってしまったのだとか。 草の根外交の大切さを感じるエピソード。 放課後。 エピクトさんと会場を出て、 「この歩道橋へ上がるエレベーーターで、エピクトさんのドッペルゲンガーを見た人がいるらしいですよ」 と、言うと、 「私のドッペルゲンガーは、会社でもよく目撃されます」 との返事。 2人でドッペルゲンガーの話をしながら、駅前の「包茶」へ。 「包茶」でマッコリを飲みつつ、 「今年のSF大会は、楽しいよ」 と言ったら、 「じゃあ、参加を申し込みます」 と、ユービックさん。 今日は楽しいエイプリルフールだった。 家に帰って、寝る。
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