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独 り 言 (2012年3月分)
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2012年3月31日(土)
また、いつもの家の夢。
夢の中だけの「我が家」に住んでいる。
今回は役所の書類に自宅の住所を書かなくてはならなくなり、そこに「新宿区」と書いているのだ。
「新宿」というのは、私が子供の頃に住んでいた、言わばふるさとだ。
夢の中の私は、今もふるさとのあの町に住み続けているのだろうか?

目が覚めると、腰痛。
なんと12時間も眠り続けてしまっていたらしい。
「カリオストロの城」も観ないで。(笑)
花粉症の薬は、下手をすると睡眠薬よりも効いてしまうのかもしれない。

外はものすごい風。
ネットでニュースに目を通していたら、田中光二先生が自殺を図ったという記事にびっくり。
何が驚いたのかって、田中先生って71歳だったのか!

斬新なイメージの作品に、私はてっきり若い作家さんだと思い込んでいたのだが、戦前生まれの方だったのだね。
幸い軽傷だったそうだから、これからも長生きして作品を発表して頂きたいと思う。

もうひとつ、ニュースと言うか……。
昨日、夕方のニュースをテレビ朝日で見ていたら、えらく長い時間をかけて「お詫びと訂正」をやっていた。
また随分と丁寧に「お詫び」をやるものだと思いながら見ていたのだが、いまふとネットで検索してみたら、どうやらその
「誤報」の放映後、関係者が自殺してしまったらしい。

昨日の「お詫び」の内容と、ネットで拾い読んだ情報をまとめてみると……
車を運転中、自転車の中学生と正面衝突しそうになった人がいた。
彼は「中学生の乱暴な自転車の運転(あくまでこの人の主観で)」に腹を立て、車を降りてその中学生を怒鳴りつけた。
その後、、独り言で悪態をつきつつ車を運転。
道を右折して、今度は中学生の自転車の後ろから追いかけるように近づき、再び車を止めて怒鳴りつけた。
そして、この模様を動画サイトに投稿。
(どうやら彼の意図としては「危ない自転車の運転をする中学生の告発」のつもりだったようである)
動画サイトを観た人が「自転車の中学生を追いかける乱暴運転の証拠映像」として警察に通報。
警察が捜査に乗り出した。
……これが「事件」。

この事件を報道しようとしたテレビ朝日のスタッフが、ネットで問題の動画を探したが、既に削除されてしまっていた。
代わりに見つけたのが、別の投稿者がその映像をコピーして投稿し直したもの。
同じものなのだから問題ないと思ったのか、テレビ朝日は、そのコピー映像に独自のコメントをつけてニュースで放映。

さて、YouTubeを閲覧したことのある人なら経験があると思うが、このサイトの動画は、しばしば音と映像のタイミングが
ずれて再生されることがある。
つまり「ピアノ音」のが聞こえてから数秒後に「ピアノを弾く映像」が再生されるというような現象が起こるのだ。

テレビ朝日が使用した映像は、この「音がずれた映像」であった。
具体的にどういうものだったのかと言うと、

オリジナルの映像
1)乗用車と自転車が接触しかける。
2)運転者が車を走らせながらクラクションを鳴らす。
3)車を降りて中学生を怒鳴る。
4)車に戻る。
5)過激な言葉で独り言を言う。
6)狭い道で無関係な自転車を追い越し、「ごめんな」と言う。
7)再び中学生に追いつき、怒鳴りつける。

音がずれた映像
1)乗用車と自転車が接触しかける。
2)運転者が車を走らせながらクラクションを鳴らす。
3)車を降りて中学生を怒鳴り、過激な言葉で罵る。
4)車に戻る。
5)走行中の映像が流れる画面から、「ごめんな」という意味不明の言葉が聞こえる。
6)狭い道で無関係な自転車を追い越しながら、怒鳴りつける。
7)再び中学生に追いつく。

つまり「音ずれ」のあった映像では、運転者は過激な言葉で中学生を罵った上、無関係な人まで怒鳴りつけているように見
えるのだ。

非常に興味深かったのは、この「音のずれ」のため本来なら聞こえるべき場所で「停車する際のタイヤのきしり音」が聞こ
えないことに気づいたスタッフが「機械の不調によって音が消えてしまったものと思い込んで」その音を「加えた」という
テレビ局側の説明。

つまり、これまで我々がニュースで見ていた「現場の映像」というのは、こうした加工後のものだったということか?
「映像は加工出来る」ということは、さんざん言われて来たことで、よく分かっているつもりだったのだが、改めて実例を
見てみると、人間は映像に簡単に騙されるものなのだなと思う。

ついでに、やや蛇足ながら……
この動画、「乗用車の男性が中学生を追い回した」という主旨の説明と共に見ていたので私もそういう映像なのだと思って
いたわけだが、テレビ局の映像加工に懲りて先入観を極力排して見直してみると、

1)左折しようとした乗用車が正面からやって来て右折しようとした自転車と接触しかける。
2)乗用車がクラクションを鳴らしながら自転車と同じ方向に走る。
3)自転車を追い越した乗用車の運転者が車を降りて中学生を怒鳴る。
4)乗用車の視界から自転車が消えた状態が続く。
5)(よく見ると)遠くを自転車が右方向に走って行くのが見える。
6)乗用車が右折する。
7)しばらくして自転車の中学生と再会する。
8)乗用車の運転手が車を降りてかなり怒った様子で中学生を怒鳴る。
そして、乗用車の運転手が動画につけたらしいタイトルが「当たり屋 中学生」。

これは、
2)では、たまたま自転車と乗用車の進行方向が同じだった。
7)は、別の道を走って来た中学生の自転車と乗用車が偶然に再会した。
という可能性もある。
5)の自転車は、遠くを走っているので運転手は気づいていなかったとも考えられる。

そして、
8)で、運転者がかなり怒っており、かつ動画に「当たり屋 中学生」というタイトルをつけたところから見て、運転者は
この偶然の再会を「中学生側の故意によるイタズラ」だと思っていたのではなかろうか?

だとすると、動画を投稿した運転者には「中学生を追い回した」つもりはぜんぜんなかったのかも知れない。
(むしろ「中学生にイタズラで先回りされた」と思っていたとか?)
残念ながら、当人が既に亡くなられているので、確認のしようがないことなのだが。

それにしても「お詫びと訂正」を長々とやったテレビ朝日、関係者の自殺についてひと言も触れなかったのは、アンフェア
じゃないか?

午後。
風に加えて雨まで降って来るが、気温は低くない。
気象庁が東京での桜の開花を発表したそうだ。

夕方。
「琉神マブヤー」の最後の数分間だけ観たら、おまけコーナーで「沖縄に伝わる民話」っぽい話をやっていた。
むかし琉球では公共事業は鬼が行っていたが、人間の技術が高くなり鬼の力が必要なくなったので追い出そうとしたところ
鬼たちが反乱を起こしたため、餅だと騙して石を食わせて撃退したという話。
民話にしては妙に現代風の話なのでネットで調べてみたところ、元ネタは子供番組で放送は出来ないだろうと思われるもっ
と残酷でエロティックな話だった。

「鬼餅の由来」
むかし首里の金城(かなぐすく)に兄と妹がいた。
妹が嫁ぐと兄は山に住むようになり、やがて村を襲って家畜や人を食う「鬼」となった。
そこで妹は石を入れた餅と普通の餅を持って兄を訪ね、兄には石入りの餅を食べさせて、自分は普通の餅を食べた。
硬い餅を食べられずに不思議がる兄に、妹が自分の女陰を見せ、「上の口は餅を食う口、下の口は鬼を食う口」と言ったと
ころ、兄は驚いて逃げようとして海に落ちて死んでしまった。
(これって「鬼」を色仕掛けで騙して殺害し、海に捨てたとか、そういう話か?)

ちなみに、妹が兄に食べさせた餅に入れたものは、一説によればモーアーサー(念珠藻のこと。別名「イシクラゲ」)。
「イシクラゲ」は食用の藻だが、藻の中には有毒のものがあるから、本当は「騙して石入りの餅を食べさせた」のではなく
「イシクラゲ入りの餅だと騙して毒入りの餅を食べさせた」のではないか?
石入りの餅では、さすがにすぐにバレるだろうが、食用の藻と有毒の藻なら、餅に混ぜてしまえば見分けがつきにくい。
(まあ「民話」を論理的に考えるのはナンセンスなのかも知れないが)

……ネット検索で遊んでいるうちに眠くなった。
そろそろ寝よう。

2012年3月30日(金)
朝。
28日の午後4時頃に、北朝鮮が黄海に向けて短距離ミサイル2発を発射したらしい。
今日付の「中央日報」(韓国の新聞)が韓国政府当局者の発表として報じたのだそうだ。

正恩(ジョンウン)が最高指導者になったら、北朝鮮の軍事行動が活発化するだろうとは、前から言われていたことだから
ある意味、想定内。

日本のマスコミは、そんなニュースより、亀井静vs野田政権の喧嘩の方が大事らしい。
ところで「自民党(郵政改革反対派)」→「国民新党」→「民主党」と移籍した小林興起議員は、いまいずこに?

あの郵政民営化も、増税騒ぎで国民の目がそっちへ行っているうちに、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の金融2社の株式に
ついて売却期限を撤廃した上、完全売却を「努力目標」に後退させるという方針で、自民・公明両党が合意、民主党も大筋
でこれを受け入れる方向……と、地味に報じられた。
つまり国会で成立するだろうということ。

要するに持ち株会社が持っている株式を全て売却する「郵政完全民営化」を「2017年までに完了させる」から、「いつ
まででもいいし、できる範囲でやってね」に変えてしまったということ。

ぶっちゃけ、小泉さんが頑張ってやった「郵政完全民営化」は、肝心な部分をグダグダにしてしまおうということで、自民、
公明、民社の3党が合意したという話。

郵政民営化に反対して「抵抗勢力」と決められ、刺客を差し向けられて惨敗。
以後、政界をヤシの実のように漂う羽目になった小林興起さん、お気の毒で涙が出て来そうだ。
(うちの方の選挙区なんだよね、この人)

午後。
買い物。
ドラッグストアでティッシュペーパーとか買いながら、
(これも消費税が値上がりしたら、高くなるんだよな)
などと思う。
消費税値上げの前提として「食料品と日用品は外そう」と言う人間が、なぜ出て来ない?

夕方。
テレビのニュースをつけたら、
田中防衛大臣が、北朝鮮による来月中旬の「人工衛星」を打ち上げ予告を受けて自衛隊に「破壊措置命令」を発令。
つまり、飛んで来た「人工衛星」をミサイル防衛システムで迎撃しようということだね。

ニュースでは、どこにその迎撃ミサイルを配備し、いつそれを運び出すのかまで詳しく図入りで報じていたが、そういうこ
とは普通はナイショにしておくものだと思うので、これはもう北の将軍様のやっていることも、うちの自衛隊のやっている
ことも、双方、外交的デモンストレーションなのだろうな。

ところで、いま思い出したのだが、前に北朝鮮がノドンだかテポドンだかを発射して「破壊措置命令」が発令されたのも、
確か花見の時期(2009年4月)だった。
北朝鮮の狙いは、日本の「花見」の粉砕か?(^^)

夜。
ザジテンを飲んだら、ものすごく眠くなった。
寝る。

2012年3月29日(木)
朝起きると、なんだか熱っぽい。
鏡を見たら顔が真っ赤に腫れている。
これは風邪なのか花粉症なのか?

昼にザジテンを飲んだら、そのまま約5時間爆睡。
目を覚ましても顔の腫れは引かず(むしろ悪化)関節が痛い。

ぼーっとした頭でニュースを見ると、
ピーター・ラボイ米国防次官補代行(アジア・太平洋担当)が、北朝鮮の「衛星」は、精度が信用できず、沖縄県や韓国の
ほか、フィリピンやインドネシアなど広範囲で警戒が必要、また破片が地上に落下して人的被害が出る恐れがあると発言。

国内ニュース。
自民、公明両党は、不適切な言動を理由として、防衛大臣に対する問責決議案提出を検討することで一致した。

国内ニュース、その2。
3人の死刑囚に死刑執行。
この日の執行で死刑確定者は135人から132人となった。

ニュースをつけたら、ちょうどMXの「5時に夢中!」が終わるところでキャスターが「視聴者からのご意見」を読み上げて
いるところだった。
意見は死刑制度に対する反対意見で「人間はみんな死ぬので、死刑にしても刑罰にはならないから」といのが、その理由。

確かに「刑罰」と言うからには、「刑罰」を受けた人は、受けなかった人より「不幸」になってもらわないと意味がない。
この場合、まず「人間は長生きした方が幸福だ」と定義してみよう。
仮に死刑にならなければ80歳まで生きたであろう人が50歳で死刑になったら、その人は30年分「不幸」になったこと
になる。
もっと細かく言うならば、50歳で死刑になった人は「51歳で死んだ人より1年分不幸で、49歳で死んだ人より1年分
幸せ」な程度に「不幸」になるわけだ。

しかしこれはあくまで「長生きした人は無条件で幸せ」という仮定に基づいた話で、実際には悲惨な人生を生きて「死んだ
方が幸せ」と感じている人もいるだろう。
なにしろ現実に、年間30万人以上もの人が自殺をしているのだ。

従って実際には、50歳で死刑になった人の「不幸」レベルは「そこそこ幸せに長生きした人と比べて不幸」な程度という
ことになる。

人間をその程度に「不幸」な目に遭わせることは、さほど残虐なことではなく、従って死刑は残虐刑ではないから廃止する
必要はないというのが、私の意見だったのだが、MXテレビに意見を送って来た視聴者の考えでは「人間をその程度に不幸
にしたところで刑罰にはならないから、死刑に反対」ということらしい。

この方のご意見は「死刑にするぐらいなら、その分働かせて収益を遺族への補償に当てれば良い」と、建設的である。
クリアすべき問題があるとするならば「死刑囚」を生かしておくことでかかる経費と、働かせることで得られる収益を計算
して採算が合うかどうかということかな。

夕刊。
〈放射能「見える化」 JAXAが特殊カメラ〉
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日、目に見えない放射性物質による汚染状況を可視化できる特殊なカメラを開
発したと発表した。

この技術は、特殊カメラでとらえた画像を通常のデジタルカメラで撮影した画像と重ね合わせると放射性物質の分布が一目
で分かるというスグレモノ。
つまり「あそこに放射性物質が落ちている」と、目で見えるわけだ。

これ、安く作れるのなら学校とかに貸し出して、生徒を校庭に出す前に放射性物質が落ちていないかどうかをチェックする
という用途に使えそう。
お値段はいくらぐらいなのだろう?

別のニュース。
〈親が育てられない子供を匿名で受け入れる熊本市の慈恵病院の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」について、
親が海外に留学するために子供を預けるなど複数の不適切な事例があったことが29日、市の有識者委員会の検証報告書で
分かった。有識者委は同日、幸山政史市長に報告書を提出した〉(産経電子版)

〈(こうのとりのゆりかごを設置している慈恵病院の)蓮田理事長は、(留学を理由とした預け入れについて)母親が病院
に相談する中で思い直し、留学を断念して子どもを育てていると説明〉(時事ドットコム)
 ※「時事ドットコム」の記事中()内は引用する際に崎田が補足。

ええと、つまり結局のところ「留学するために子供を預けた不適切な事例」は、なかったわけね。
そういう不正確な報告書を書いちゃいかんな、熊本市の有識者委員会。

夜。
気象情報によると、今日は花粉の飛散量がものすごかったらしい。
なるほど、確かに悲惨だった。
(あ……頭が空回りしている)

寝る。

2012年3月28日(水)
今日も晴れているなと思っていたら、昼過ぎ頃から強い風と雨。

(出かける予定なんだけどなー)
と、ネットで気象情報を確認したら「晴れ」。
気象衛星からの画像を見ても、東京上空に雲はない。
ものすごく局地的な雨だったのか、じきに止んでしまった。

夕方。
外苑前に藤岡藤巻ライブを聞きに行く。

少し早めに着いたので、そこらをぶらぶらしていたら猫に会う。
飼い猫らしく、ひとの顔を見ると「ニャア」と鳴く。
近づくと少し逃げ、また振り返って「ニャア」。
こういう猫の習性(?)が、「まねき猫」という伝説を生んだのかな?
(井伊直孝が、猫を追いかけて豪徳寺に辿り着いたとか)

猫と別れて会場前まで引き換えす途中、奇妙なものを見つける。
ショッピングカートにしては、形が変だ。
何らかの介護用品っぽい形状をしているが、サイズが小さすぎる。

しばらくして、犬(コーギーだと思う)を抱いたおばさんが現われ、犬の体をその変なショッピングカートに装着。
犬用の車椅子なのだそうだ。
「年を取って歩けなくなったから」
と、おばさん。
老犬を介護しているらしい。

そろそろ開場時間。
会場に戻り、中へ入る。

席に座っていたら、親しげな笑顔を浮かべて、
「あ、いたー」
みたいな感じで近づいて来る人がいた。

知り合いか?
でも、覚えがないぞ。
私は他人の顔を覚えるのは苦手だからなあ。

相手は笑顔で「ここいいですかー?」などと言いつつ、私の隣の席に腰を下ろす。
ええと……誰だったっけなあ???

(たぶん、そんなに親しい人じゃないはず……)
と、当たりをつけて、
「いやあ、よく私の顔を覚えていましたねえ」
などと、言ってみたら、
「そりゃあ、30分間も公開処刑になっていれば」
と、爽やかな笑顔で答えられる。

1月13日のアレのお客様だったのだ。
(自分の過去を消す消しゴムが欲しいと思ったことはありませんか?)

そうこうするうちに開演。
1番手は「チャラン・ポ・ランタン」という女性2人のユニット。
あとで聞いた話では姉妹なのだそうだ。
「18の時から新宿のゴールデン街で流しをやっていた」
という姉のアコーディオンと妹の歌。
若い女性のユニットから想像していたのとは違う、低音で歌う哀愁を含んだ歌声が印象的だった。

次に出て来たのは「水中、それは苦しい」という男性3人組。
ギターを弾きまくってハイテンションで歌うボーカルの隣で、無表情でバイオリンを弾き続ける伴奏者という不思議な組み
合わせ。

さて、いよいよお待ちかね「藤岡藤巻」。
……のはずなのだが、藤巻直哉氏は「年度末で会社の仕事が忙しい」という理由で欠席。
藤巻さんの席には代わりに静炉巌さんが座っていた。

中国をいろんな意味で讃える「チャイナへいらっチャイナ」とか某反捕鯨団体へ贈る「シーシェパード応援歌」とか、震災
被災者に成り代わってその心情を歌った「私の頭の中の消しゴムのカス」とか、放送には載せられそうもな曲。
ラストはいつもの「ラシドの歌。

ライブは楽しかったが私の後ろの席で絶え間なく大声で笑い転げていたお嬢さん、コミックソングを聴いて笑うなとは言わ
ないけれどね。

家に帰るとすでに11時を回っていた。
疲れたので、今夜はこのまま寝る。

2012年3月27日(火)
昨夜、道を歩いていて金星と月と木星が縦1列に並んでいるのを見て、
(面白い光景だな)
と、思ったものの「独り言」に書くほどのことでもないと思っていたのだが、朝のニュースを見ると、どうやら「ニュース
になるような」珍しい現象であったらしい。
観測されながら、観測者がその価値に気づかずに記録されなかった自然現象って結構あるのだろうな。

ニュースついで。
東電の原発は、いま全部止まっているのだそうだね。
これで真夏のピーク時の何分間だかを問題なく乗り切ってしまうと、たぶん困る人が大勢出て来ると思うので、そうならな
いように努力するのではないかな?

午後。
『凍雨』(大倉崇裕 徳間書店)読了。

「不幸なタイミング」の物語。
そもそもは主人公が、幼なじみと飲む約束をすっぽかしたという、それだけのことだったはずなのだが、不幸なタイミング
の連鎖で、事件が大量殺人に発展してしまう。

人里離れた山の中で起きる殺し合い。
気持ちがいいほどに死体が転がる話だ。
ストレスが溜まって「もうみんな死ねばいいのに!」みたいな気分になっている人にはお勧めかも。
幸せな気分で日々を過ごしている人は、無意味な殺人に不快感を抱くと思うが。
(「なんでこいつら殺し合っているんだ?」とか「殺し合わない解決策もあるんじゃないか?」とか考えたら物語から落っ
こちる)

主人公は、訓練を受けた元自衛官、それも精鋭部隊の出身で、ともかく強い。
そしてタフだ。
一種のスーパーマン。
この男が「いきがかり上」人をバンバン殺していく。
(あくまでシリアスに。あくまでストイックに。あくまでハードボイルドに)
主人公の自衛隊時代の「隠された過去」みたいなものがほのめかされているから、これはシリーズ化されるのかな?

著者の大倉先生、ブログを読むといろいろストレスを感じることが多いようだ。
(会ってみると分かるのだが、ものすごく良い人なので、ストレスを溜め込んでしまうのだよね)
著者にとっても、この作品がストレスの発散になってくれるといいな。

夜。
7時過ぎぐらいに地震。
揺れはそんなに大きくなかったが、一応「記録」のため。

 時刻:19時22分
 震源:千葉県東方沖(北緯35.7度 東経141度)
 深さ:約10km
 規模:マグニチュード4.6

8時ちょうどぐらいに、今度はもう少し大きくて長い揺れ。

 時刻:20時0分
 震源:	岩手県沖(北緯39.8度 東経142.5度)
 深さ:約10km
 規模:マグニチュード6.4

午後9時。
「謎解きはディナーのあとで スペシャル」を観る。
このドラマに何か言ってもしょうがない。

今回、名探偵執事・影山が挑戦するのは2つの事件。
1つめは、「黒焦げの死体と大きな箱の残骸が発見された事件」
2つめは、「死体がと大きな箱が消えた事件」
ハイ、脚本家さん、すでに「謎解きモノ」を作る気をなくしてますね。(笑)
(それにしても、冒頭の「つかみ」をもう少し本編に絡められなかったのか?)
最後まで観たのは池田鉄洋と佐野史郎が出ていたからだが、池田鉄洋はともかく、佐野史郎は完全な無駄遣いだった。

寝る前に2号くんから借りた『スレイヤーズ』(神坂一 富士見ファンタジア文庫)を読む。
ライトノベル。

物語の舞台は、いわゆる「剣と魔法」の世界。
主人公は元気のいい15歳の少女で、魔法が使えるという設定。

実を言うと、私は最近のライトノベルは苦手なのだが、この作品の初版の発行は1990年。
私が「苦手だ」と思う最近のライトノベルの特徴(↓)が含まれていないため、苦痛無く読めた。

(↓)
1)登場人物が「そういう人間」である理由が、「そういうキャラだから」で説明終了。
2)不自然な「萌え」。読者に媚びることのみを目的とした登場人物のセックスアピール。
3)物語中の誰からも一目置かれているという設定の登場人物が世界を語るのだが、その内容がせいぜい中学生レベル。

昔はライトノベルも、もっと面白かったのだよなあ。
寝る。

2012年3月26日(月)
花粉で不調。

SF大会の「犬作戦」企画の打ち合わせでメールでやり取り。
出演者が住んでいる場所が離れているので打ち合わせはメールになるのだが、自宅でパソコンをポチポチしていると「怠け
ている」気分になるな。

双熊堂さんが「犬作戦」以外に「ライトフライト 〜帰りたい奴ら〜」の方のフィギュアも持って来て下さるというので、
そっちののDVDも見直す。
ひとりで見るのはつまらないので、2号くんを誘い、鑑賞後に感想を聞く。

2号くんの感想。
「なんでこれを舞台でやった?」

「ライトフライト 〜帰りたい奴ら〜」(舞台劇)ストーリー。
「風穴(ふうけつ)」と呼ばれる時空の断層に飛び込んでしまった旅客機。
乗客は、漫画家とその編集者、コスプレ女に、怪しい歯科医に、ハイジャッカー(?)。
乗員は、オカマのキャビンアテンダントに、精神状態の不安定な機長、そして何かと微妙な副操縦士。
そして、「風穴」に飛び込んだ際に現れた宇宙人。

過去にタイムスリップしたり、太陽に落下しそうになったりと一行を襲う危機また危機の連続。
テラノドンには襲われるわ、戦闘機には撃たれるわ、宇宙人は出産するわ……
果たして彼らは無事に元の時代に帰れるのか???
……この脚本を渡されて、「舞台で」出来るようにしてくれと言われた舞台監督、お疲れさま。

夕方。
1号くんとラーメン屋へ。
餃子をつまみにビールを飲んで帰宅。

メーラーを立ち上げたら、打ち合わせの続きのメールが届いていたので、返信。
今日は1日、充実していたような、何もしていなかったような……

寝る。

2012年3月25日(日)
晴天。
今日は昼から地域の自治会の会合。
近ごろ「孤独死」とか「DV」とかいろいろ新聞に載るので、そういう話。

「最近、町内に引っ越して来た人が独り暮らしのようですが、どんな人か知っている人は?」
と、自治会長。

「会ったことはありませんが若い女性のようですね。ハイヒールの足音を聞いたことがありますから」
「オカマという可能性は?」
「それは未確認です」
とかまあ、そんな感じ。(^^)

午後。
「メンサ・テスト合格者の会」例会。
相変わらずグダグダと。
参加者が持って来た動画を見たり、それについて喋ったり。

例会後は、いつものように一杯やってから解散。
ビックカメラに寄ってから帰宅したら、アマゾンに注文していた『凍雨』(大倉崇裕 徳間書店)が届いていたので、読み
ながら寝ることにする。

2012年1月24日(金)
花粉なのかハウスダストなのか、鼻の奥が腫れて呼吸が出来ず、5時半に目覚ましが鳴るのを目を覚ましたまま聞く。
今日も雨。
寒くはないが、窓の外が薄暗い。

午前中。
メールをポチポチ。
SF大会で「宇宙犬作戦」の続編をやろうという無謀な企画について。

ニュース。
枝野経済産業大臣が、昨日の記者会見で、国立公園などの自然公園内での地熱発電所開発を進める方針を示した。
環境省がの設置基準を緩和したことを受けたもの。

これで「地熱発電所に適した場所は開発が禁じられている国立公園の中なので、地熱発電は現実的でない」が消えたことに
なる。
「日本が原子力発電所を作らなくてはならない理由」が、だんだん減って行くなあ。

昼。
Googleの急上昇ワードに「西原理恵子」の名前を見つけたので、
(なんだろう?)
と、検索したら、朝日新聞の記事を見つけたのだが、その見出しのあまりの下品さに呆れる。
タブロイド紙ならともかく、大新聞のサイトの見出しにふさわしいとは思われない内容だった。

要は西原氏が生放送中にあまり上品ではない言葉を使ったために、放送局が彼女の今後の出演を断った。
そこまではよくある話なのだが、今回はその番組のスポンサーが西原氏の大ファンであったことから話がややこしくなって
しまった。
自分が大好きな西原氏の降板を知ったスポンサーが怒ってスポンサーを降りると言い出したのだそうだ。
まあ、そういう事件があったらしい。

東京以外の地域に住む方のために補足説明をしておくと、この放送局は「東京MX」という東京都内向けのローカル放送局
であり、彼女が失言した番組というのは「5時に夢中!」というこの局の人気ワイドショー。

番組タイトルから分かる通り、放送時間は、夕方5時からの1時間。
ここからが東京特有の事情になって来ると思うのだが、夕方5時というのはつまり「夜のお仕事をしている方々」が起きて
出勤前の食事を摂りながらワイドショーを見る時間帯。

もう少し言ってしまえば「5時に夢中!というのは、新宿2丁目の「オネエさま方」の人気番組なわけだ。
当然、出演者にはニューハーフや同性愛者が多い。
人気コーナーは、オネエ外人が都内の名店を紹介しつつ、ナンパ(もちろん相手は男性)を試みる「ネエ散歩」……。
ここまで書けば、どんな番組なのかは、だいたい想像がつくよね?

「朝日新聞」ともあろうものが、そんな地方局の下らぬ番組の降板騒ぎをいちいち記事にするな!
「東スポ」じゃないんだから。

夕方。
録画しておいた昨日の「5時に夢中!」を観る。(^^;
ゲストは、矢追純一。

〈松山千春の「出馬宣言」に真っ青な鳩山元首相と町村元官房長官〉
という時事ネタに基づいて(?)、
「鳩山元首相と言えば、宇宙人ですよね」
と、あとは延々宇宙人の話。
(「5時に夢中!」はテレビ界の「東スポ」)

少しお痩せになったようだが、それでも歳の割には元気な矢追さん、UFOはナチスによって作られていて、アメリカ空軍
がロズウェルのUFO墜落事件を隠蔽した……という古典ネタを披露。
司会の逸見太郎が、やたら慇懃な態のまま、思いっきり引いていたのがおかしかった。

この人のお父さん(逸見政孝)が、いい加減なUFO番組に出演した挙げ句に、木星を「UFOだ!」と騒いで、全国的に
叩かれた事件も、今は懐かしい。
(そりゃ親子揃って同じネタでバカ扱いはされたくないよなあ、太郎ちゃん)

夜。
西原理恵子氏のブログを見たら、今日の「東スポ」の1面に、自分の降板騒動の記事が載っていたと喜んでいた。
さすが「東スポ」、こういうアホな事件を1面に持って来るとは偉い!

寝る。

2012年3月23日(金)
かなり大降りの雨。
午後まで小降りになるのを待って、結局、諦めて傘を差して外出。

夕方。
帰宅してマンガ大賞の発表をユーストリームで見る。
大賞を受賞したのは、人気漫画家荒川弘が大手漫画雑誌「週刊少年サンデー」に連載している「銀の匙 Silver Spoon」
という農業高校で学ぶ若者たちの青春を描いた作品だそうだ。

人気漫画家で大手で内容は健全。
見事にツッコミどころがない。
おめでとうございますとしか言えない結果。

受賞者インタビュー。
荒川氏、今朝はネームに追われて寝坊し、テレビで自分の名前が報道されているのに驚いて目を覚ましたのだそうだ。

顔出し不可だという荒川氏に代わって主催者側からの質問を受けたサンデーの担当者は
「荒川氏先生はスクウェアエニックスと何かあったのか?」
という質問に答えて、
「そのようなことはなかったと聞いております」
と、言っていた。

スクウェアエニックスの雑誌でデビューした直後に大ヒットを飛ばした漫画家が、なぜ次の作品を別の出版社の雑誌に連載
したのかについて、いろいろと憶測が流れていることに配慮しての質問かな?

(ふーん)
と、思いつつ、聞いた内容をmixiの「ボイス」にメモる。
私はどうもこの「ボイス」の使用方法がよく分からない。

ついでに他の人の「ボイス」の内容を読んだら、知人が交通事故に遭ったと書いていた。
ここ数年のこの人のブログ等を読むと、どうも最近ロクな目に遭っていないようだ。
勤め先をリストラされたり、再就職先の労働条件が悪かったり、精神的に疲れることが多くなったり、で、今度は事故。

なんかこう書くと、同じ状況にある人が、日本中に増えていそう。
日本人は辛抱強いから暴動は起こさないのかもしれないが、疲れ果ててドロップアウトしてしまう人はいるのではないか?
結果から考えると、組織的なサボタージュより、やっかいだぞ。
(総理大臣、経済政策は?)

夜。
「ルパン三世VS名探偵コナン」を観る。
新作かと思ったら2009年に放送したものの再放送だったのだが、地震以後に海外で報道された「日本人の驚くべきモラ
ルの高さ」の話を聞いてから見ると、ルパンが壊れた自販機からわざわざ金を払ってジュースを買うシーンが妙に笑える。

気になったこと。
「ルパン」のキャラクターと「コナン」のキャラクターは、原作者が違うので、当然、外見のデザインのタイプが違う。
で、ヴェスパランド王家のひとたちのうち「ミラ王女」がストーリーの都合上コナン・タイプ、「サクラ女王」が、これも
ストーリーの都合上、絵的にルパン・タイプになったのは分かるとして、なぜ「ジル王子」をコナン・タイプでデザインし
た?

肝心の事件が起こる冒頭の場面で、「サクラ女王」や「ジラード公爵」を始めとする登場人物ほぼ全員がルパン・タイプの
デザインの中で、ただひとりだけコナン・タイプの「ジル王子」のデザインが違和感あり過ぎ。
シリアスなはずのシーンで、笑いを呼んでしまう。
これは失敗じゃないのかなあ?

ま、いいけど。
寝る。

2012年3月22日(水)
雨は降っていない。

ニュースを検索していて見つけた記事。
20日に胸水を抜く治療を受けたばかりの天皇陛下が、21日午前、国賓として来日したクウェートのサバハ首長と皇居・
宮殿で会見されたのだそうだ。

一般の78歳の老人にこんなスケジュールで仕事をさせたら、労働基準局に訴えられると思うのだが。
これって「虐待」じゃないのか?

夕方。
「外出がおっくうになってるなあ」
などと言いつつ、投稿作品の締め切りに追われているはずの1号くんのアパートに邪魔しに行く。
頭にタオルを巻いて炬燵でカリカリ原稿を描いている1号くんの隣で、高橋洋介の『学校怪談』を読んでから、一緒に近所
のトンカツ屋へ食事に。

1号くんが「最近読んだ本の話」をしてくれる。
『リアル鬼ごっこ』というのだそうで、
「ともかく内容がどうのという以前に、文章が日本語になっていない」
のだとか。
(そういうのは、あんまり読みたくないかな?)

「映画が面白かったので原作を読んでみたら、ひどかった」
らしい。
作者は、小説家ではなく脚本家になれば良かったのかも知れない。

1号くんは、まだ作業が残っているので私だけ軽く飲んで、帰宅。
「CSI」を観たら、アメリカでの死刑の執行風景が出て来た。
向こうでは死刑囚のいる部屋の隣にガラスで仕切られた別室があり、そこで被害者の遺族とか死刑囚の逮捕に関わった警察
官とかが執行の様子を見られるらしい。

被害者の遺族が、犠牲になった娘の写真を握りしめて刑の執行を見守っている。
もちろん死刑囚の側からも遺族の顔は見えている。
遺族感情に配慮しての死刑の存続という目的を明確にする意味で、日本でもこのシステムを取り入れたらどうだろうか?

寝る。

2012年3月21日(水)
明け方、なぜかJAXAを見学している夢を見た。
別に宇宙関係のことを考えていたわけではないのだが。

花粉症薬はなんとか効いているようだ。
普通に軽い鼻風邪を引いているレベルの症状。
ティッシュは手元から離せないが、呼吸はなんとか出来る。

午後。
この間、中古で買ったウインドウズの指慣らし。
適当な文章を入力してみる。
(……キーボードがどうのという以前に、私は文章が下手だ)

昨日、佐藤編集長から貰った番組の録画を観る。
「ゲームレボリューション」という、ちょうど1年前ぐらいにBSハイビジョンで放送された番組。
日本のゲームソフトのシェアが、世界的規模で下がって来ているよという話で、世界のゲーム産業の現在を取材したドキュ
メンタリー。
今後、ゲームはソーシャルゲームが主流になっていくだろうとか、1年前の番組なので、いま観るといまさら感がなくもな
いが、分かり易くまとまっていて、映像資料として良い番組だった。

夜。
『MM9 ーinovationー』(山本弘 東京創元社)読了。
と言っても、これっていわゆる「前編」なのだね。
怪獣モノSF小説『MM9』の第2弾。

今回は短編連作ではなく長編。
主人公は高校生の男の子。

目を覚ますと全裸の少女が隣に寝ていたり、その子が裸エプロンで朝食を作ってくれたりと、ロリの山本先生の妄想炸裂!
(しかし高校生は「チェンジ」なんて言わないと思うぞ、山本先生)

悪者の企みで、東京に大怪獣が出現し、スカイツリーが襲われる。
しかしこの非常時に、東京都知事は、江ノ島にクルージングに出かけていたりして、まるで役立たずだ! \(^0^)/

そこで立ち上がるのは、我らが美少女、その名も「ヒメ」。
セクシーな水着姿で大怪獣と健気に闘う……。

ヒメは怪獣に勝てるのか?
そして主人公と幼なじみのちょっと気の強い同級生の女の子との恋の行方は???

ひとつだけツッコミ。
秋葉原に「音楽を鳴らしてダンスを踊っているグループ」が普通にいたのは、例の秋葉原事件以前の話。
現在の秋葉原は、パフォーマンス規制がやたらに厳しくなって、そういう人たちの姿は見かけなくなってしまっている。

まあ、それはともかく……
山本先生、書いていて楽しかっただろうなあ。
読んでいて、楽しい作品。
続きもぜひ読みたい。

寝る。

2012年3月20日(火)
春分の日。
結局、今年は「春一番」はなしか?

昼。
昼食がてら佐藤編集長と2人で、池袋の「怪しげなエリア」を散歩する。
長期滞在型ラブホテルなんかがある辺り。

微妙にそっち系のお姉さんが、お一人で「その手のホテル」に入って行くのを目撃。
「コールガールか?」
と、編集長。
まあ、たぶん……(^^;

少し歩いたところで、今度は絵に描いたような縞の背広に茶髪頭のお兄ちゃんが、これも絵に書いたような「親分さん」と
車に乗り込むところに行き会う。

もちろんパトカーのお巡りさんも、せっせと街を巡回中。
みんなお仕事、忙しい街。

昼食は、佐藤編集長のお勧めで、そのエリアの牛丼屋へ。
美味しかったけれど、客層がなんとなく恐かった。

ローソンで4月1日の「妖怪玉手箱」のチケットを購入。
ついでに「プレミアムロールケーキ」というのを買って、これを手土産に2号くんの部屋へ。
一緒に食べたがチョコ味のケーキがなかなか美味だった。

その後、佐藤編集長に誘われて録画してあった「クローズアップ現代」(今月7日に放送されたもの)を一緒に観る。
「らきすた」というアニメで話題になった、ファンが作品の舞台を旅行する、いわゆる「聖地巡礼ブーム」について。

アニメの舞台が「宇宙」や「未来」から現実世界にシフトしていった理由とか。
「会社周辺の町並みを写真に撮ってトレースすれば済むので背景の製作が楽」という地方のアニメ制作会社。
観光客誘致のために、アニメの中の架空の祭りを本当に実施してしまった地元。

大笑いだったのは「アニメの舞台になると町おこしになる」と、地方自治体が予算を出してアニメを作ってしまった例。
地元の人々の意見を入れて各話の舞台を決め、ロボットアニメの登場人物に町の見どころを紹介するセリフを喋らせて、
「巡礼」に来られるお客様が分かりやすいようにと「聖地」には看板を立て、さぞ喜んで頂けるかと思いきや、ネットでの
反応は「オタなめんな」という厳しい意見だった。

「何がいけなかっのだろう?」
と、真剣に悩む市の職員……。
(すいません、腹筋がwww)

夜。
「ストロベリーナイト」の最終回を、終わりの方だけ観る。
被害者役を演じた池田鉄洋という役者が素晴らしかった。
ベテランの有名俳優、石黒賢を相手に「殺したくなる男」を見事に演じていた。

演じるに当たって彼がイメージしていた「嫌な奴」は、業界のプロデューサーかね?
ともかく「こいつなら犯人が殺したくなるのも無理はない」と、視聴者に納得させられるだけの人物像を演じ切っていた。
池田鉄洋、リスペクト!

……さてと、そろそろ寝るか。

2012年3月19日(月)
雨上がりの風の強い日。
降り続く雨の中、じっとパワーを溜めていた杉どもが一斉に花粉放出。

鼻からの呼吸が全く出来ない。
もちろん喉も腫れている。
目は開いていられないし、寒気もして来る。

普通のアレルギー薬ではどうしようもなくなって、強い方の薬を使う。
医者が絶対にお勧めしない使用方法だと思うが、効き目は確か。
但し、飲むと眠ってしまうという困った副作用がある。

薬を飲んで、眠って、目が覚めたら昼前。
昼食をとりながら「CSI:マイアミ8」を観る。

主人公(警察官)の息子(軍人)が、父嫌と一緒に同僚の家に行くと、タイヤで全身を拘束された上、ガソリンをかけられ
火をつけられた人間が……。
急いで救出しようとするがすでに遅く、被害者は焼けただれた死体と化す。

毎度のことながら、美術スタッフが大張り切りして作ったと思われるグロ趣味全開の焼死体。
食事中にテレビを観るのはよくないことだなと実感する。
今日のメニューが焼き肉じゃなくて本当に良かったわ。

イスラム教の「名誉殺人」を扱った内容。
親の意向に反して恋人を作った娘と、その父親が出て来る。

ちょっとアンフェアに思えたのは、アメリカに移住して来たイスラム教徒の家族のうち、父親以外が全員「アメリカ的」な
常識を持っているという物語の設定。
この父親に育てられた娘が「(父親が決めた婚約を破棄して恋人を作っても)パパがあんなに怒るとは思わなかった」とか
言うだろうか?
イスラム教徒の娘が、ひと目につく路上で恋人と抱き合ってキスしたりするのだ。
これではイスラム教徒的な常識の世界に生きている父親が、ひとり「変な人」に見えてしまう。

さすがにイスラム教徒から文句が来ると思ったのか、「イスラム教徒に敵意を燃やす頭のおかしいベトナム帰還兵」という
のが登場して、主人公に「人種差別と愛国心をはき違えている」と批判されるシーンが挿入されていた。

ニュース。
田中直紀防衛大臣が、北朝鮮の「人工衛星」発射実験について、今日午前中に行われた参院予算委員会で、
「(「人工衛星」が日本上空を通過する可能性が強まった場合は)自衛隊に破壊措置を命ずることを考えている」
と発言したそうである。
どうでもいいけど、ネット住人はこういう発言については、あまりコメントしないのかな。

午後。
三百字小説を1本書いて送信。
(たぶんボツだと思う)

夕方。
1号くんが、
「鉄拳というタレントが作った『振り子』というアニメーションがネット上で評判になっているそうだ」
と言うので、観てみる。
1組のカップルが結婚して年老いて死ぬというストーリーの手書きアニメ。
アニメーションが、動いている振り子の絵に描かれているという演出がなされている。

池谷裕二博士によると、人間の脳は見づらいものを苦労して見た時に、それを重要な物だと判断する傾向があるのだそうで
絶えず眼球を動かし続けなければ見ることが出来ない「動く振り子上のアニメーション」というのは、脳に強い印象を残す
のに効果的。
作った人は、頭のいい人だな。

ところで今日の風は「春一番」ではなかったみたいだね。
明日は春分。

寝る。

2012年3月18日(日)
今日もやっぱり雨。

午前中。
防災無線が何かを言っているが、聞き取れない。
そう言えば、昨日もこの無線は聞こえたような。
設置場所のせいなのか機械の性能のせいなのか、音が不鮮明で声は聞こえるのだが内容が聞き取れないのだ。
(内容が聞き取れないんじゃ、防災無線の役に立たないなあ)

午後。
また防災無線の声が聞こえる。
耳を澄ますが、今度も聞きとれない。
しょうがないのネットで検索してみたら、
「私は北区民だが、昨日から豊島区が防災無線で振込詐欺への注意を呼びかけている」
という内容の書き込みを見つける。

(そうか、振込詐欺への注意だったのか……)
しかし豊島区民向けの放送が、北区で聞き取れて、なぜ豊島区内で聞き取れない?
スピーカーを向ける方向が間違っているんじゃないのか?

夜。
SF乱学講座メンバーによる原田実さん迎撃パーティー。
(実は、昨日のパーティーも乱学講座のパーティーだった)
本日は私が幹事なので、ちゃんと主賓に直前の確認も入れてあるので大丈夫。(笑)

「天狗」池袋北口店。
原田さん、時間通りにやって来て、座敷の入り口で中にいる私を見つけると、すすす……と部屋に上がって来た。
その後を、店員が下足札を持って追いかけて来る。
相変わらず前だけを見つめて生きている人だ。
(脱いだ靴の存在など、過去のことには拘らない)

今日はサンシャイン60で行われたイベントに参加するために上京されたのだとかで、
「出演者のひとりが遅れて来て、理由が会場の場所が分からなかったからなのだそうです」
と聞かされて、
「それはあり得ないでしょう!」
と、驚く。

サンシャイン60というのは、池袋で1番高いビル。
2番や3番がどうとかいう1番ではなく、ともかくダントツに1番に高いビルなわけで、
「さすがにあれの場所が分からないということはないと思いますが」
と、言うと、
「ところがですね。地方の人間には、あのビルの入り方が分からない」
「いや、でも、場所は分かっているのですから、とりあえずそっちの方向に向かって歩いて行って、適当な〈穴〉から中へ
入れば……」
「そうすると、駐車場などに入り込んで、そのまま外に出て行ってしまったりするんです」
「………………」
「一種、SF的なミステリースポットなのですね。あのビルは」
(し……知らなかった)

「それにしても、ホテルの窓から見下ろすと、池袋は悪所と普通の店が混在している変わった街ですね」
と、原田さん、
「普通は、そういうところは真面目な店とは別に固まってあるものでしょう」
「まあ、池袋は、そもそもが全体が悪所だったみたいな街ですからねえ」
何しろ闇屋街が発展して街が出来たようなところなのだ。

(大手スーパーが、店の外に放置自転車の監視員が来ると警告アナウンスを流すのは、警察が来るたびにに「手入れだー!」
とかやっていた時代の名残りかな?)
「悪所が、少しずつ堅気になろうとしているところなのだと思って、温かい目で見てやって下さい」
(^^)(^^)(^^)

そんな話をしているところに、ポツポツとメンバーが集まって来て、そのうちのひとりから、
「昨夜の主賓だった人が今日の夕方頃ツイッターに、日にちを間違えていたという書き込みをしていた」
と聞かされる。
「それって、昨日のパーティーのことですよね?」
と言う。
たぶん、そうだろうな。
(日にちを間違えていたのなら、来ないよなあ)
でも、主催者のお陰(?)で、結果的にあまり困らなかったので、まあいいか。

「私も以前、とある講演会で、主催者と講演者の両方ともが来なかったという体験をしたことがあります」
と、原田さん。
「後で分かったことですが、実は主催者と講演者が両方とも急死してしまったからだったのですね」
(何なんだ、その呪いの講演会は?!)
原田さん自身は気づいていないようだが、ミステリースポットは、実は原田さんそのものなのかも知れない。

「天狗」を出て、まだ飲み足りない私と原田さん、エピクトさんの3人で2次会。
乱学講座で対談企画をやりたいなあ、みたいな話をぐだぐだと。

酔った勢いで昨夜の幹事の人に電話。
「幹事と場所取りが別の人間と言うのが良くなかった。今度パーティーをやる時には、幹事が全部やって下さいよ」
という話をする。

適当なところで切り上げて、帰宅。
寝る。

2012年3月17日(土)
雨。
花粉症の薬は、たぶんそれなりに効いているのだろうけれど、明け方のクシャミと喉の痛みは相変わらずだ。

午後。
薬を飲んでいるので、当然のように胃の調子が悪い。

ネットでニュースの動画配信を見たら、
画面に池袋東口のグリーン大通りが映っていたので、
(なんだろう?)
と思ったら、昨夜、南池袋で人が殴り殺されるという事件があったのだそうだ。

ネットの記事を検索したら「俳優がアルバイト社員に殴られた」と書いてあるものと、「アルバイト社員が俳優に殴られた」
と書いてあるものあったので
(どっちなんだ?)
と、詳しく記事を読んだら「俳優でアルバイト社員をしている人が俳優でアルバイト社員をしている人に殴られた」らしい。

被害者を「俳優」として犯人を「アルバイト」とした記事と、被害者を「アルバイト」として犯人を「俳優」とした記事の違
いは、書き手の職業に対する偏見か?

夕方。
雨の中を某パーティーのために出かける。
花粉避けにゴーグルをしていたら、マスクから漏れる息で真っ白に曇ってしまった。
街全体が暗くなり、街の看板や自販機の灯りだけがぼんやりと光って見える。
震災後の節電騒動の時に、弱視の人が「灯りが消えて街の様子が見えなくなった」と言っていたが、弱視者に見えている風景
は、こんな感じなのかな?

バリアフリーの街を設計するには、担当者が曇りガラスのゴーグルをつけて夜の街を歩いてみると良いのかも知れない。
危険箇所が事前にチェック出来れば、標識灯の改良に役立つのではないだろうか?

本日の会場は「大馬鹿地蔵 池袋東口店」。
ロサ会館の3階である。
交番で場所取りをしたのは私だが、行くのは初めてなので、念のため交番で道を確認したら、
「今日は、ロサ会館への道を尋ねる人が多いけれど、何かあるの?」
と、質問された。
(さあ、ねえ?)

店に着いて待っていると、やがてポツポツと参加者が集まって来る。
本日の本来の幹事であるK場さんも、主賓に渡す予定の記念品を持ってやって来る。
但し、すぐに帰る。(笑)
用事があるのだそうだ。

「開始時刻を過ぎているのに、主賓がまだなんですが?」
と、聞くと、
「すぐに来るよ」
という返事。
主賓の電話番号も分からないというので、そのまま待つことにする。

やがて、主催者から「遅刻する」という電話と、別の人からドタキャンの電話。
なかなか幸先の良いスタートである。

なにしろ今回のパーティーは、幹事と主催者と会場を予約した者(私だ)が、全部違う人間なのだ。
そして、この3人の連携が笑えるほどとれていない状態で迎えた当日なのだ。
早くもグダグダな予感がする。

開始時刻を過ぎること、30分。
主賓、到着せず。
念のため、エレベーターで1階まで降りてみるが、そこにもいない。

「幹事が連絡したはずなんですけどね」
「誰か電話番号を知っている人は?」
「さあ、私は特に親しいわけじゃないから……」
実は、私も自身もほとんど口を聞いたことのない相手なのだ。

「携帯電話で連絡出来ないと、こういう時に不便ですねえ」
と、私。
「いや、私は携帯電話を持っていないが、別に不便はしたことがない」
と、F氏。
「私も持っていないが、ぜんぜん困ったことはないです」
と、H氏。
「しかし、現にいま、こうして困っていますよ」
と、私。
「いや、我々は別に、そんなに困っているわけではありません」
と、主催者。
(まあ、主催者がそう言うのなら……)

そんなわけで、一同「そんなに困っていない状態」のまま、2時間40分そこで主賓の到着を待ち、遂に諦めて帰路に着く。
料理は、そこそこ美味しかった。
保健所の指導でドギーバッグが廃止されたとかで、まだテーブルに残っている御馳走をそのままにしなければならなかったの
は心残りだったが。
(頭数が少なくて食べきれなかったのだ)

帰宅。
幹事に「主賓が来なかったのだけれど」とメールを打ってから、寝る。

2012年3月16日(金)
明け方に、ちょっと揺れた。

 時刻:4時20分
 震源:埼玉県南部(北緯35.9度 東経139.5度)
 深さ:約100km
 規模:マグニチュード5.2

豊島区の震度は「2」だったそうだ。
埼玉県が震源というのは割と珍しくないか?

午前中は花粉症がひどい。
寝ている間はマスクとゴーグルを外しているので、アレルゲンをたっぷりと吸い込んでしまうらしい。
しかし、マスクをして寝るというのもアレだしなあ。

午後。
DVDレコーダーの位置を移動。
(1行で書ける作業だが、実際の作業は周囲に積んであるあれやこれやの整理も含めて3時間ほどかかった)
あとは、使っていないビデオデッキとテレビをどこへ置いておくかだな……。
地デジ移行に取り残されたそういうものが、部屋にはまだ山ほど。

夕方。
東京MXのローカルニュースを見ていたら、石原都知事が東京の平均世帯人数が1.99人になったことについて、
「恐ろしいことだ」
とか言っていたが、江戸はもともと単身者の街。

江戸時代の長屋の構造を見れば分かるが、今で言うミニキッチン付きのワンルームなのだ。
どう考えても大家族が暮らすための住宅ではない。
彼らが食事をどうしていたのかと言えば、一膳飯屋というものがそこかしこにあったらしい。
いまのファーストフードだ。

だから単身者が多いということ事態は、特に問題ではない。
都会と言うのは昔からそうだから。
問題は、その年齢。
これも、都会が高齢者にとって住み良い場所だからと考えれば、彼らが集まって来てしまうのも仕方がない。
(自宅からコンビニまでドア・ツー・ドアで徒歩2分なら、脚腰の弱ったお年寄りでも暮らしていける)
弱者に優しい街だから自然と弱者が集うのだと、前向きに考えたらどうだろうね?

夜。
「クレヨンしんちゃん」と「ドラえもん」のスペシャルを何となく観てしまう。
「クレヨンしんちゃん」は、前後編の後編だったので話はよく分からなかったが、南山宏ファンには懐かしい「宇宙人のロ
ボット」そっくりの兵器みたいなのが出て来て、映画版の予告では「ウンモ星人の円盤」そっくりのUFOが映っていた。
(これは、制作者側にマニアがいるな)

「ドラえもん」の方は、ロボットの星からロボットが攻めて来るという、これもかなりSFな内容。
階級社会の問題点に気づいたロボットたちが、ロボット社会の平等のために「ロボット以外の労働力」を求めて地球に来る
という話。
奴隷の存在によって市民の平等が保たれていたローマ社会がヒントかな?

地球の先進国では、昔は掃除と洗濯を女中に言いつけて出勤していたが、今は掃除は掃除ロボットに、洗濯は全自動洗濯機
に任せている。
「ドラえもん」では、機械が人間に「奴隷労働」をさせるのは良くないことだという話になっていたが、掃除ロボットや洗
濯機に「奴隷労働」を拒否されたらどうしよう?

……アホな想像が広がってしまった。
寝る。

2012年3月15日(金)
……また、夢でいつもの家に行った。
現実では見たこともない家なのに、夢の中ではお馴染みの我が家。

朝。
昨夜飲んだ花粉症の薬は、一応効いている感じ。

ニュースは、アフガニスタンで米兵が起こした殺人事件。
〈11日未明に駐留米兵がカンダハル州で民家3軒で銃を乱射し、子どもと女性を含む計16人を射殺した事件を受けて、
パネッタ米国防長官が14日にアフガニスタンを事前予告なしに訪問〉

それにしても、この米兵、いったい何を考えてそんな事件を起こしたのだか。
ストレスで頭に来ちゃったのか?

〈アフガニスタンでは、13日、約2000人規模の反米デモが行われた〉
まあ、そうなるわなあ。

午後。
花粉症薬の効き目のテストを兼ねてリブロまで。
『なのはな』(萩尾望都 小学館)
『マンガのあなた SFのわたし』(萩尾望都 河出書房新書)
を買って帰る。

『なのはな』
表題作は、福島で津波の災害に遭い、放射能の危険に晒される一家の日常を小学校6年生の女の子の視点から描いた
物語。
「あのときは大変だったね」
という話でもなければ、
「むかし大変なことがあった」
という話でもない。
現在進行形で「大変な目に遭っている」人々の「いま」。

津波で流されたばーちゃん。
その現実を受け入れられないじいちゃん。
放射性物質除けのマスクをして帽子を被り、学校に通う小学生。
髪を金髪に染めてて歌手になった村の若者は、テレビで反原発ソングを歌う。

なのはなを植えると汚染された土がきれいになると聞いた主人公ナホは、ばーちゃんの種まき機でなのはなの種をまこうと
思う。
実際になのはなが土壌汚染に効果があるかどうかという問題ではなく、主人公は、そう思うのだ。
解決出来ない問題の禍中にいる人々の姿を描いた「いま」しか書けない物語。

「プルート夫人」「雨の夜 ーウラノス伯爵ー」「サロメ20××」は、いわゆる「放射性物質擬人化三部作」。
「プルート夫人」
エネルギーとしての原子力の素晴らしさを讃える人々。
原子力の危険性を訴える人々。
そして、プルトニウムそのものが呼び出されて審判が行われる。

プルトニウムは言う。
「雨がひどい嵐になっても、水を悪魔とはいわないでしょう? わたしだって決して悪魔じゃないのよ」
そして審判が下されるのだが……

「雨の夜 ーウラノス伯爵ー」
雨の日に、一家のお茶の席に呼ばれたウラノス伯爵こと、ウラン。
彼は主張する。
「貧しさのせいで富を争って戦争が起こりました」
「20世紀に起こった第1次世界大戦、そして第2次世界大戦では何百人もの人々が亡くなりました」
「例えば原子力発電所は25年に1度事故を起こすかもしれません」
「でも何百万人の死者が出る戦争よりそれはましなのではありませんか?」

彼を「ペテン師!」と罵る老人。
ウランは言う、穏やかに。
「わたしは人間を愛しています。人間の幸福のために、人間の役に立ちたいのです」

「サロメ20××」
サロメは美しい踊り子。
彼女は踊る、愛しい恋人ヨカナーンのために。

しかし「恋人」は、突然、態度を一変させる。
泣きすがるサロメにヨカナーンは、言い放つ。
「おまえの父親はウラン。おまえはウランが核分裂して生まれたプルトニウム。恐ろしい核廃棄物だ」

「恋人」の裏切りによって閉じ込められたサロメは、しかし希望を失わない。
「いつかきっと誰かが助けにきてくれるわ」
その言葉が意味することは……怖い!

この擬人化三部作に描かれる放射性物質は、決して恐ろしい悪魔の姿はしていない。
むしろ恐ろしいものとして描かれているのは、彼らを利用する人間の方だ。
この辺がさすが萩尾先生。
「放射性物質は恐いねえ。私たち人間は被害者だ」
などとは、決して言わないのだ。

エピローグは、「なのはな ー幻想『銀河鉄道の夜』」
表題作の主人公、ナホが再び出て来る。
大好きだったばーちゃんと一緒に銀河鉄道に乗るナホ。
合理的な解決ではなく、人の心が立ち直っていくための「癒し」を求めた物語。

感想。
私は「サロメ20××」が1番気に入ったな。
健気に自分に尽くそうとするサロメ(プルトニウム)を裏切り、平然と彼女を「断罪」する側に回るヨカナーン(人間)の
狡猾そうな表情が実にいい。

『マンガのあなた SFのわたし』
萩尾望都と、著名人との対談(鼎談)を集めたもの。
その相手は、
手塚治虫(1977年)
水野英子(1976年)
石森章太郎(1977年)
美内すずえ(1978年)
寺山修司(1977年)
小松左京(1977年)
手塚治虫+松本零士(1978年)
羽海野チカ(語りおろし……ということは、この本の発行が2012年2月なので、去年ぐらいか?)

こうして並べただけで、この本が貴重な資料であることが分かる。
萩尾先生が26歳〜28歳頃の対談集なのである。
掲載された雑誌もさまざまなので、こうやってまとめて読めるようにしてくれたことが嬉しい限り。
これはお買い得の1冊だった。

私が特に面白かったのは、寺山修司との対談。
寺山「お月さんをもらったら何に使いますか?」
萩尾「わぁ、すてき(笑)。でもお月さんだけもらってもしょうがないなあ。開発費もくれないと」
寺山「開発費?」

で、萩尾先生、お月さんをもらった場合の夢を語る。
月面を開発して半透明のガラスのドームの内側に都市を創り、そこを修学旅行の指定地にするのだ。
これは、ビジネスですな。

寺山「それであなたはそこに住んで、修学旅行生を案内しては、悪いことをいろいろ教えるわけ?(笑)」
萩尾「いえ、私は長くは住みません。月に長く住むと身体の骨が弱くなるといいますから。重力の関係で」
と、骨粗鬆症の心配までなさる、あくまで現実的な萩尾先生。

果てはドームの地下菜園でジャガイモを栽培する話となり、寺山修司は、
「月のイモにまたがって地球に帰るか」
と、話題を変える。

当時40代だった寺山修司が、20代の少女漫画家を前に懸命にメルヘンな話をしようとしているのに、対する「乙女」の
話は、すぐにSFになってしまう。
1970年代の中年男(失礼)が抱いていた「20代の女の子」のイメージと、現実の萩尾先生がどれほどズレていたのか
が分かる。

対談集全体としてちょうど「少年チャンピオン」での「百億の昼と千億の夜」の連載前後に行われたものが多いので、その
裏話としても興味深い。

最後の羽海野チカさんとの対談は、最近の漫画界のイロイロが分かってこれはこれで楽しかった。
特に、萩尾先生の漫画の原画を古本屋で手に入れた羽海野さんが、単行本の該当ページと対照して、この原画が単行本用の
製版が行われる前に抜き取られたものであることに気づき、後に機会を得て連絡を入れたところ、盗難に遭ったものである
ことが分かって無事、萩尾先生の手元に戻って来た……というあたり、トリビアだ。
(だから最近は、原画展で「複製原画」しか展示されないのか?)

トリビアと言えば、「ガラスの仮面」に萩尾先生が背景を担当したページがあったというのもトリビア。
言われてよく見れば、モブの端っこでタダとフロルが談笑している。

楽しい本だった。
今夜は良い見目が見られそうだな。
寝る。

2012年3月14日(木)
今日も良い天気。
昨日あたりから花粉がかなりひどい。

そんなわけで、午前中は、ずっと部屋でくすぶっていた。
今月の出費を計算し、
「だから食品に消費税をかけちゃいけないよな」
などとつぶやいたり。

官僚になる人間は、基本的に学生時代に真面目に勉強した優秀な人材だ。
悪名高い「天下り」だって、そもそもは優秀な人材を国だけが独占しないために始まった習慣だと聞く。

彼らの問題点は、若いうちから社会の上の層とばかり交わりがちなので、下層の人間の生活に対して実感を伴った理解が出
来ないという点だ。

「少し生活を切り詰める」ということが、
「年に3度の旅行を節約して2度にする」
ということを意味する階層の生活のはイメージ出来ても、
「日に3度の食事を節約して2度にする」
という意味になる階層の生活はイメージ出来ないのだ。

そういう話を聞いても、
「まさか(笑)」
「いまの日本で、それはないでしょ!」
という反応になってしまって、実感が湧かない。

しかし現実にはいまの日本でも餓死者はいる。
餓死する人間がいるということは、餓死する一歩手前の生活を送っている人間も少なからずいるということだ。
そこで食品にかかる消費税が10%とかいうことになった、どういうことになる?

考えてみれば、例の「ゆとり教育」の話もこれに似たものがある。
あれの発案者は「ラサール→東大」のエリート官僚だった。
成績における「上層」の人間であったわけだ。

彼は「詰め込みをやめて学習内容にゆとりを持たせれば、生徒がより独創的で発展的な学習が出来る」と考えた。
優秀な「上層」の生徒なら、そうだろう。
しかし、この世にはどうにかギリギリで授業範囲の学習しか出来ないレベルの生徒というのが数多くいるのだ。
彼らにとっては、「授業範囲」が全てになってしまう。

発案者は、そんなことには思い到らなかった。
だって自分が中学からずっとエリート校の学生寮で暮らしていたのだから。
自分の知っている中高生は、みんなエリートなのだ。
だから、中高生のレベルを、そんなものだと錯覚してしまったのだと思う。

エリート官僚が、知らず知らずに「日本人の生活レベル」を自分の周囲の人間の生活レベルに合わせてイメージしてしまい
がちになるのも、これと同じだと思う。
彼らの知る「生活困難者」は、あくまでも紙の上のデータに過ぎず、実感を持ってイメージ出来るのは「富裕層」の生活に
なってしまう。

その感覚で「このぐらいの税の値上げなら大丈夫だろう」と考えてしまっているのなら、ちょっとやめて欲しい。
ぜんぜん大丈夫じゃない人が大勢いるのだから。

ここまで聞いて「一番下層の人には、生活保護があるから」とか落ち着いていないでもらいたい。
なぜなら国家の安定を考える上で、警戒すべきなのだ「下層階級」よりむしろ「ギリギリ中流」の人間なのだ。
(この層は、長引く不況の中で、確実に増えている)

この「ギリギリ中流の階級」が「下層階級」に落ちると、社会不満が高まるというのが、私の予測。
そこそこの学歴があり、プライドもあり、「自分はもっといい生活が出来るはず」という期待を持っている人間が下層に落
ちると、社会の安定に対してマイナスとなる大きなエネルギーを生み出すことになるのではないかと思うのだ。
そういう「新下層階級」を作ってしまう政策は、決して上策とは言えない。

とりあえず、消費税を上げるのなら対象から食費品や日用品を外せ。
「ギリギリ中流」の階級が、どうにか「中流」の体面を保てるだけの生活が出来るように政策を考えるべきなのだ。
それとも「民主党なんか」のために、それはやりたくない?

夕方。
花粉症、強い薬の連用は副作用が心配になって来たので、日が暮れて飛んでいる花粉の量が減るのを見計らって薬局へ行こ
うと支度していたら、揺れた。

 時刻	:18時9分
 震源:三陸沖(北緯40.7度 東経145.2度)
 深さ:約10km
 規模:マグニチュード6.8

揺れは、池袋あたりでは震度1程度だったので、そのまま普通に出かけて、薬局で薬を買って帰る。
エスエス製薬の「アレジオン10」。
1日1回での服用で済み、眠くなりにくいという説明だったので、それにする。

帰宅。
夕食をとり、部屋でひと息ついていたら、揺れを感じた。
緊急地震速報も鳴り出す。
安普請のアパートにいると、この速報、いらないな。(^^;

 時刻:21時5分
 震源:千葉県東方沖(北緯35.8度 東経141.1度)
 深さ:約10km
 規模:マグニチュード6.1

今度は、ちょっと大きかった。
震度3だそうだ。
ニュースを見たら、千葉県の方では電車が止まったらしい。

ネットでは、既に「大地震で日本が滅びる」系の「予言」が飛び交っていた。
こういう話には「地震が恐い」という人より「地震で世界が滅んでしまえばいい」という人の方が、派手に反応するようだ
というのが、ノストラダムス騒動を体験した人間としての実感。
(デマの拡散が速いほど、ヤケになっている人間が多いというバロメータ?)

さて、買って来た薬を飲んで、寝ようか。

2012年3月13日(火)
朝。
ニュースを見たら、
〈政府が11日に主催した東日本大震災の一周年追悼式典で、台湾代表として出席した台北駐日経済文化代表処の羅坤燦(ら
こんさん)副代表が指名献花から外されるなど冷遇されたことが分かった。12日の参院予算委員会で世耕弘成氏(自民)が
明らかにした〉(産経新聞のサイトより)
という記事があった。

〈世耕氏によると、政府は約160の国と国際機関の代表に会場1階に来賓席を用意したが、羅氏は「民間機関代表」と位置
付け、2階の企業関係者などの一般席に案内。指名献花からも外し、羅氏は一般参加者と献花したという〉(同上)

以前、役人は政治家にウソみたいな嫌がらせをすることがあるというようなことを書いたことがあったと思うが、ひょっとす
るとこれはその分かり易い例なのではないかな。

台湾(正式には「中華民国」)は,1972年の日中国交正常化以来、日本では「国ではない」と位置づけられた「地域」
である。
しかし、事実上は世界一の親日国であり、日本との付き合いも深い。
言ってみれば位置づけのややこしい「国」であり、だから公式の式典なんかの時には、その辺のややこしさが表面化しない
ようにいろいろと気を使うようにして来たはずなのだが……。

今回の式典では、なぜか席を「1階は来賓席」「2階は一般席」と明確に分けた上で、台湾代表を「一般席」に案内。
国際機関の代表は「指名献花」にして、台湾代表をそこから外している。
つまり、わざわざ台湾への差別があからさまになるように座席を決め、プログラムを組んでいるのである。
言い換えれば、通常の逆をわざとやることで、政府主催の式典でことさらにトラブルを起こしたことになる。

追悼式典は政府主催だが、実際にその会場をセッティングして参加者の座席を決め、プログラムを組むのは役人である。
そして、この役人にとって、「脱官僚主導」を公約に掲げる民主党は「敵」なわけである。
(官僚というのは、役人である)

彼らは間違いなく民主党政権の「官僚冬の時代」が早く終わり、官僚と政治家が蜜月状態だった自民党時代が戻ることを、
切望している。
機会さえあれば、民主党の足を引っ張りたがっていると考えるのが自然な連中なのだ。

私はこの記事を読んだ瞬間、
(ああ、これは野田さんが嵌められたな)
と思った。

この不手際を国会の場で公表したのが「自民党議員」。
それも式典翌日の予算委員会でと、妙に手回しが良い。

思わず、
「……というわけで、センセイ、明日の予算委員会で野田を追求する格好のネタを御用意致しましたので、自民党が政権に
返り咲いた時には、何分よしなに」
「わかっておるわい、愛いやつめ」
……などという会話を想像してしまったぞ。(笑)

付け加えるならば、座席の場所やプログラムを作るのは、あくまで役人の裁量の範囲内。
法律に違反しているわけではないから、この役人はまったく罰せられる気遣いはない。
役人仲間からは、逆に褒められるぐらいだと思う。
(怖いね、お役人は)

午後。
ニュース。
「役人」繋がりで。
〈兵庫県西宮市で生活保護を担当する男性職員2人が、同市の30歳代の男性受給者に「自殺する」などと泣きつかれ、ポ
ケットマネーから7回にわたり計7万8000円を渡していたことがわかった〉(読売新聞のサイトより)

窓口に来た男性に「生きていくのが嫌になった。生活保護を打ち切って」と訴えられ心配したケースワーカーと(56)
と上司の係長(37)が、自腹を切って2万2000円を渡したところ、男はその後も「置き引きに遭った」「水道代が払え
ない」などと訪れ、合計で7万8000円を全部自腹で渡していたそうだ。
いろんな意味で、「役人も人の子」だね。

夜。
「みんなの家庭の医学」という番組で、「睡眠時無呼吸症」という病気についての解説をやっていた。
肥満していると発症し易いのだとか。
(もしかして、私が上を向いて寝ると呼吸が苦しい理由はコレか?)
そのせいで、眠れなくて慢性的に睡眠不足なのだが……

とりあえず、早めに寝てみよう。

2012年3月12日(月)
朝。
窓ガラスの向こうには気持ちの良い青空が広がっているが、あの空にはどうせ花粉が舞っているのだ。
(ここの大気は、呼吸には不適切だ)

午前中。
ずっとSF関係がらみのメールのやりとり。
お陰でいろいろと話が進む。
充実した時間を過ごせて、私は大変喜ばしい。

午後。
花粉症の症状がひどくなって来たので、薬を飲んでしばらくボーッとしている。
好きでボーッとしていたわけじゃなく、薬の副作用でそうなるのだ。

ボーッとしていたら、昨日、秋葉原で見かけたハトを思い出した。
ぼってりと丸く太り、近づいたらヨタヨタと20センチほど右に「歩いて」避けた。
私が近づいたので、自分のいた位置が日陰になったのだ。
20センチ歩いて、また日の当たる場所に出ると、そのまま地面の上でひなたぼっこを続けた。
(飛べよ! 鳥ならば大空へ羽ばたいて!)

日本はハトまでやる気がない。
中国にこんなハトがいたら、きっとあの大きな中華鍋で美味しく調理されて食べられてしまったことだろう……

そんなことをボーッと考えながら、本屋でタダで配っていた『熱風』(発行:スタジオジブリ)という冊子を眺めていたら
養老孟司さんがインタビューの中で、花粉症について、
「あれは、かなり気分な問題があるから、まだ大丈夫と思っていればならない。アレルギーってみんなそうですよ」
と発言していたが、養老さん、あんたは間違っている!
私は「花粉症」なんて言葉がまだ世間に存在しない1970年代に、既に立派な花粉症患者だった。

自分の症状に「花粉症」という名称があることを知ったのが大学生ぐらいになってからだったから「まだ大丈夫」も何も、
「花粉症」なんて知らなくても「花粉症」にはなるのである。

夜。
昨日買ったノパソを取り出して、少し遊ぶ。
キーボードがMacと違うので(配列もそうだが、キータッチがかなり)慣れるのに少し時間がかかる。
マウスを繋いでカーソルの動きもチェック。
このマウス、むかし投げ売り状態になっていたものを買ったのだ。

なんで「投げ売り」になっていたのかは、使ってみれば分かる。
飾りのライトが無意味にピカピカ光るので、とても鬱陶しいのである。
デザインした人間は、これを「斬新なアイデア」だとでも思っていたのかね?

ノパソそのものの動作は、特に問題はないようだ。
本番でもちゃんと動いてくれそう。

寝る。

2012年3月11日(日)
空は青く晴れている。
当然、花粉も飛んでいるわけだ。
雨上がりなので特にひどい。
良くないなとは思いつつ、効き目の強い方の薬を飲む。

昼。
秋葉原へ買い物に行く。
7月のSF大会で企画に使うノートパソコン。

旅先に持って行くので、万一壊れたり盗まれたりしても泣かないように、予算は1万円以内。
あとは、軽くて、丈夫で、それなりに名の通ったメーカーのものが望ましい。
(本当は、Macの新製品が欲しかったのだが、これを無くしたら間違いなく号泣ものだろう)

日曜日の秋葉原。
大通りは歩行者天国。
パフォーマンスの取り締まりが厳しいので、以前に比べてひっそりした印象。

いつもの通りに裏通りへ。
最近のテレビが映さない秋葉原は、中古電化製品街。
路上に安い中古製品が並べられ、嘘みたいな値段で売られていたりする。
(もちろん道路交通法違反なのだが、警察もこういう裏通りにはあまり取り締まりに来ない)

2〜3店を回って、ヒューレット・パッカードのCompaq nc2400(Windows XPインストール済み)を購入。
9,480円。

そういう中古の店なので、もちろん箱とかパッケージみたいなものはない。
黒いビニール袋に放り込んで「ハイ」みたいなもの。

この状態での持ち運びは心許ないので、帰りに駅前のキャン・ドゥでクッションケースと、ついでにケーブル類をまとめて
おくための袋を買う。
合計210円。
本体と合わせて9,690円なので、ギリギリ予算内。

どうせだからとドンキへ寄って「変な商品」を探す。
本日のヒットは「女装用ブラジャー」。
ブラジャーの形をした大きな胸パットなわけだが「女装にピッタリ」と堂々と書いてあるところが気に入った。
「女装」は、もう隠れた趣味ではないのだね。

エレベーターを降りつつ、ふと時計を見ると2時57分。
去年の今ごろは、ちょうど地震で崩れた本の山から這い出すのに苦労していた時刻だなと思う。

吉野家で夕食を済ませて、帰宅。
まずはDVDを再生出来るかのテスト。
(これが出来ないと話にならない)

まずは、PCで作成したDVDから。
……音は聞こえるが、映像が出ない。

市販のDVD。
「互換性のあるDVDデコーダがインストールされていないため、Windows Media Player はこのDVDを再生できません」
というメッセージが出て、こっちもダメ。

ネットで調べてみると、WindowasでDVDを観るためには、DVD再生ソフトである「デコーダー」なるものを買わなく
てはならないらしい。
価格は、2,940円。
パソコン本体の値段の1/3近い。

さすがにアホらしいのでいろいろ調べたら、ゴムプレイヤーというフリーソフトがあることが判明。
ダウンロードしてインストール、DVDを入れて再生してみたら私製のものも市販のものもどちらも問題なく再生出来た。
……と、言うと簡単な話のようだが、そこまで辿り着くのに約2時間。

ジョブズに甘やかされて育ったMacユーザーにとっては、えらい騒ぎだった。
ちなみに現在、使用中のデスクトップ用Macのセッティングは、
箱から出す → コンセントに繋ぐ → 電源を入れる
で、完了である。

あとは観たいDVDをスロットに差し込めば、放っておいても再生してくれる。
(コンピューターって、そういうものだと思っていたのに!)

Macだったら映画を1本を観終わってしまう頃に、Windowsではようやく再生の準備が整うことになるらしい。
恐るべし、Windows!

夜。
目下、休養中のフィギュアスケートの安藤美姫さんのドキュメンタリー。
安藤さん、大会を休んで何をしていたのかと言えば、アメリカでアイスダンスのショーに出演し、ファッソンショーにモデ
ルとして出演し、震災復興のためのチャリティー・フィギュアスケート・ショーをプロデュースしていた。

浅田真央選手と違って、あまりマスコミの取材を受けない安藤さん。
その理由は「テレビは意地悪だから」。
自分のインタビュー映像がマスコミの都合で編集され、自分の意図しない使用のされ方をするのが嫌らしい。

番組での安藤さんの印象は、ともかくよく笑う人。
「画面に向かってニッコリと」ではなく、自分が可笑しいから「アハハ」と笑う。
笑いながら、よく食う。
「美味しいからと」食う。
そして身内と喋る時には、名古屋弁。

極めつけは「空気を読まない」。
テレビが期待している「話をまとめやすいリアクション」をとらないのだ。
この辺、「スタッフが楽な番組作り」をしたいテレビ局にとっては、嫌な人だろう。
私はファンだが。(笑)

寝る。

2012年3月10日(土)
雨。
(今日は、東京大空襲の日だったな……)
と、カレンダーを見ながら思う。

私の母親の思い出によると、
「防空壕の外に立って、憎らしい米軍機を睨みつけていた」
のだとか。

昼。
SF大会のスタッフ会議があるので、出かける。
参加者にかける保険金のこととか、スーベニール用バッグのこととか、スタッフのユニフォームのこととか。
予算がタイトなので、あんまり贅沢な話は出来ない。

ヴァリコンのスタッフ会議の良いところは、終了後、速攻で帰宅出来ること。
つまり、SF大会の会議に付き物の「宴会」がない。
この「宴会」で、結構、大事な話が出たりするので、実質「宴会」までが会議という感じになるのだが、今回は実行委員長
が下戸なので。

帰り道、ペンペンさんと一緒に東上線に乗る。
ペンペンさん、
「ラム肉を買って帰らないといけない」
と、言うので、
「何の料理に使うのですか?」
と、聞いたら、
「猫の餌」
なのだそうだ。

食物アレルギーのある猫で、ラム肉以外の肉やペットフードなどを食べさせると、湿疹ができてしまうのだそうだ。
ペットを飼うのも大変である。

夜。
2時間サスペンスを観る。
土曜ワイド劇場「温泉(秘)大作戦 11」。
「温泉」で「(秘)←「マルヒ」と読む」で、おまけに「大作戦」。
これは見逃せない番組の匂いがする……。

「旅館コンサルタントたちが依頼を受けた旅館やホテルの立て直しを図りながら、そこで起こる殺人事件に挑む」という、
シリーズものの第11作目なのだとか。

「旅館コンサルタント」が「旅館やホテルの立て直しを図りながら」「殺人事件に挑む」。
で、シリーズもの。
胸がワクワクして来た。(^^)

内容は期待通り、2時間まるまる、ひたすら「ホテル浦島」のコマーシャル。
その合間に、主人公たちが殺人事件をひとつ解決してしまうのである。

殺人事件の方は、生き別れになった我が子との再会が誤解から悲劇を生んでなんちゃらかんちゃらという話で、犯人はどう
いうわけか「平安衣装」というめちゃめちゃに動きにくい上に着るのも大変そうな服装で連続殺人を行う。
これはたぶん「熊野古道では平安衣装がレンタルできます」ということをストーリーに織り込まなくてはならなかったから
だろう。

「ホテル浦島」の女将の暗い過去にまつわる話っぽい流れだったのが、途中から女将の親友という人が出て来て、女将は、
ただひたすらに「いい人」に。
スポンサーに気を使って脚本に手を入れたのが、ありありと分かる。

とりあえず、番組が言いたかったこと、
「ホテル浦島はサービスが充実し、料理もおいしく、周辺には見どころが満載」
は、よく伝わって来た。

NHKの「平清盛」も、こういうドラマ作りをしていたら、兵庫県知事からクレームをつけられることもなかったのだろう
なあ。(笑)

テレビも下手に視聴率に拘るより、確実にスポンサーから金がとれる企画へと方針を変えて行っているのだな。
(いやもう、期待通りに笑わせて頂きました)

寝る。

2012年3月9日(金)
2号くんと一緒に、王子の街を歩き回っている夢を見た。
レストランに入るのだが、2号くんが妙に行儀が悪い……というか人間離れした行動をとる。
(おかしいな)
と、思っていると、その姿が急に見えなくなる。
……そんな夢。

朝から、雨がザンザン降り。

午後まで待って、止まないので諦めて郵便局へ。
「犬作戦」の企画が少し動き出した。

出演者が一部変更されることになりそう。
その出演者を紹介して下さった方から、
 >普通の素人の方なんで、トークではフォローして差し上げるのが必要かとは思いますが、
というメールを頂く。
私も「普通の素人の方」なんだが……(^^;

夕方。
「5時に夢中」を途中から見たら「透明マント」と「不老不死」の技術はどこまで実現しているかという話をやっていた。
いわゆる光学迷彩と人体冷凍保存の話。
説明する側が懸命にレベルを落として話しているのが分かって苦笑する。
(これはもう少し面白い話のはずなのになあ)

夜。
「ファンタスティック・フォー」を観る。
2005年の作品で、以前にも観たことがあるが、改めて見直してみるとジョニー(ヒューマン・トーチ、「宇宙忍者ゴー
ムズ」のファイヤーボーイ)の不自然な子供っぽさが本当にウザい。
原作では16歳という設定であるそうで、それを大人に変えてしまったのもあるのだろうが、16歳と言えば、日本の高校
1年生ぐらいの年齢。
その年齢だとしても、ここまでアホなことをやるものか?

チームのリーダーであり主人公のリード(ミスター・ファンタスティック、「宇宙忍者ゴームズ」のゴームズ)は、まるで
リーダーシップを感じさせない優柔不断男。
彼がときたま自信を持って言い切ったことは、大抵まちがっている。

リードの友人のジム(ザ・シング、「宇宙忍者ゴームズ」のガンロック)は、岩のように変貌した自分の容姿に鬱々とする
中年男。
まともに見えるのはツッコミ役(?)のスーザン(インヴィジブル・ウーマン、「宇宙忍者ゴームズ」のスージー)だけ。

原作と違ってヴィクター(ドクター・ドゥーム、「宇宙忍者ゴームズ」の悪魔博士)が全財産を失う原因となったのが、
「リードの実験に投資したこと」なので、彼の恨みがぜんぜん逆恨みではなく、普段は弱気のくせに、なぜかそのときだけ
強気になって「私のせいじゃない!」みたいなことを言い張るリードが、ものすごく嫌な奴に見える。
主人公たちのチームに、まるで感情移入出来ないため、観ていてだんだん辛くなって来た。

よく分からなかったのはヴィクターが言われた「ラトベリアへ帰れ」というセリフ。
原作ではヴィクターは「ラトベリア」という国の専制君主という設定なのだが、映画版ではアメリカの実業家っぽい。
「ラトベリア」からアメリカに移住して実業家になったとか、そういう設定なのか?
よく分からない。

映画が終わって次回予告。
「第9地区」の放映が予告されていたのだが、なぜか映画のカット映像にベートーベンの「第9」が被せてある。
駄洒落のつもりなのかもしれないが、あれは差別を扱ったかなり重いテーマの作品だぞ。

この予告を観てドタバタコメディ系映画だと思った人は、途中で観るのをやめるだろうし、本来、ああいう映画を観ようと
いうタイプの人は、こんな予告を見たら最初からチャンネルを合わせないだろう。
(この予告を作った人って、バカなの? そうなの?)

もう寝よう。

2012年3月8日(木)
天気は悪くない。
花粉症の薬を飲みまくっているので、やや眠いが、体調もそこそこ。

2号くんと王子稲荷に参詣に行く約束をしていたので、昼頃に2人で出かける。
都電荒川線に乗って、王子駅まで。
……案の定、道に迷い、最寄りの交番で道を聞く。

交番の中に置いてある楯を見て、2号くんが、
「本物を初めて見た」
と、言うので、
「私が子供の頃には,警官はよく楯を持ちヘルメットを被って、若者と闘っていたよ」
と、言う。

そう言えば最近の若者は、みんな行儀が良くて、法律や規則をよく守るよな。
「50年ぐらい前の若者は、国会議事堂に火炎瓶を投げつけるぐらいは普通だった」
と、当時の若者(つまり、いまのおっさん)自身に聞いたことがある。

いまの基準で言ったら、団塊世代の若者はみんな犯罪者になるのじゃないかと思う。
 ・酔っぱらって自転車に乗る。
 ・タバコの吸い殻を道に投げ捨てる。
 ・自転車に二人乗りする。
21世紀の日本では、こういうしたをする人間がすべて「犯罪者」扱いされるのだと聞かされたら、60年代の若者たちは
未来ではどんな圧政が敷かれているのかと驚くことだろう。

我々が交番のお巡りさんは親切な人で、わざわざ外に出て来て、丁寧に道を説明してくれた。
にもかかわらず、道に迷う。
(なんだか、同じところを行ったり来たりしている気がするなあ)
などと言いつつ、どうにか王子稲荷まで辿り着く。
神社は幼稚園に隣接していて、境内には明らかにお迎えのお母様方のママチャリがずらり。

本殿で手を合わせたあと、
「誰もいなければ、上がってもいいよ」
みたいなことが書いてあったので、お言葉に甘えて中へ。
天井画を拝む。

昼食をとりに表通りへ戻ろうとして、やっぱり同じところをグルグル。
食事のあとも駅へ行こうとして、やはり道に迷ってさっきとは違う交番へ。
ちょうど外に立っていた警察官がいたので、その人に道を聞いて歩き出すが、なぜか2号くんが怪訝そうにしている。
なぜかと思って聞いたら、
「交番の奥にいた警官が、行きに道を聞いたの交番の警官と同じ人だった」
のだそうだ。
「その人は俺らを見て出て来ようとしたが、その前にこっちが別の警官に道を聞いて歩き出したので、やめたようだ」
と言う。
(ふうん???)
今度は迷わずに駅に着いた。

帰り道はJR。
ホームから「さくら新道」の辺りの建物が黒焦げになっているのが見えた。
火事があったのは、1月頃だったと思うが、焼け跡がまだそのままになっているのだな。

池袋のリブロで穂高順也さんの新刊『なべぶぎょう いっけんらくちゃく』(穂高順也:文 亀澤裕也:絵 あかね書房)を買う 。
あとがきによると、外国の民話を日本の大岡越前の話に変えての翻案だそうで、話の大筋は「においの代金」という小話に
似ているかな?

「なべぶぎょう」は、文字通り頭が土鍋になった奉行。
奉行が頭の中の具材の意見をまとめて裁きを下すというアイデアがシュール。
(さすが穂高さん!)

リブロを出て西口方面へ。
山手通りの要町交差点で先ほど交通事故があったようで、警官が交通整理をしていた。

リブロを出て西口方面へ。
山手通りの要町交差点で先ほど交通事故があったようで、警官が交通整理をしていた。

突然だが、本日池袋で見かけた楽しそうなお店。
潰れた居酒屋の前に「格安航空券」という「のぼり」が立ててあったので中を覗くと、薄暗い店内の奥に階段があり、
「格安航空券は、4階へ」
という貼り紙がしてあった。

入り口が営業していない居酒屋の奥の階段なんて、変わった旅行代理店(?)だ。
おまけに表の看板は「のぼり」だけ。
行き先は中国方面限定らしい。
(ちょっと、ワクワク♪)

帰宅。
ほぼ半日、王子の町を歩き回ったことになるのだが、あまり疲れは感じていない。
その代わり、なんだかとても眠い。
なので、寝る。

2012年3月7日(水)
天気予報では雨っぽいらしいが、差し当たって降ってはいない。

花粉よけにフード付きのナイロンパーカーを着て外出。
これでマスクとゴーグルを着用すると、文句無しの「不審者」である。
警官を見る度に職質されるのではないかと思うので、春はなんだかドキドキのシーズン。

2号くんに会って、少し話をする。
話しているうちに、奴は「日章旗」と「旭日旗」の区別がついていなかったことが判明。
大丈夫なのか、日本人?

まあ、私も「旭日旗」と「軍艦旗」を見分けろと言ったら怪しいからなんとも言えんが……
(いま調べたら「軍艦旗」の方は、太陽が微妙に左に寄っているらしい)

帰宅。
ニュースをざっと見る。
日経の記事を読んでいると「プーチンは、もうおしまい」みたいな感じなのだが、実際のところはどうなのだろう?

「カラオケ館」が、上野の方の支店でレコーディングに使える1人用の部屋を作るそうだ。(3月9日から)
「仕事が欲しいのでデモテープを作りたいが、仕事がないでの金がない」というジレンマに苦しむ若手の歌手なんかには喜
ばれるかも。
動画サイトに上げる曲を録音したい人にも使えるのかな?
ちょっと、面白いサービス。

夕方。
1号くんと近所まで飲みに行く。
5時半過ぎに店に入り、1時間ほどいたが、その間に他の客は入って来ない。

いわゆるチェーン店ではない居酒屋。
景気の善し悪しの影響を真っ先に受けるのはこういう店なのだろうなあ。
いま消費税を増税したら、この手の店がバタバタ潰れるような気がするが、野田さんにはそういうことが分かっているのだ
ろうか?

薫子ちゃんの説によれば、野田さんが増税とTPPを同時進行でやりたがっているのは、増税によって起こる食品価格の値
上がり分を、TPPで下げて相殺しようというつもりだからなのだそうだが、高級食材で売っているような店はそう簡単に
外国産には乗り換えられないだろうから、苦しいことになるんじゃないかな。

家に帰って、寝る。

2012年3月6日(火)
雨。
寒いので嫌だなと思っていたら、いつの間にか止んでいた。

昼。
「CSI:マイアミ8」を観る。
民間の宇宙旅行会社が所有する宇宙船の中で殺人が起き、鑑識班が無重量下での血液の飛散状況を検証するために、無重力
訓練機を借りて実験するという話。

ストーリーはともかく、
「アメリカの警察ってそんなに捜査予算があるのか?」
と、そっちの方にびっくり。

買い物に出かけたのだが、花粉で喉が痛くなり、早々に帰宅。

強めの薬を飲んだら、案の定、猛烈に眠くなる。
困ったものだ。
佐藤編集長に借りたジャズのCDを聴いていたら、本当に眠りそうになった。
ジャズというのは、子守唄に良いのか?

夕方。
2号くんの部屋に遊びに行ったら、ちょうど動画サイトを観ているところだった。
「素人が市販のアニメ作成ソフトで作ったアニメ作品」というのを2人で観る。
言われなかったら、プロの作品かと思うほどの仕上がり。
最近のソフトというのは、こんなことが出来てしまうのか。

夜。
吹き矢の講習。

寒いかと思って厚着をして外に出たら、歩いているうちに汗が出て来た。
なんだこの気温の変化は?

フォームを確認するために、練習場の隅にある姿見の前に立ち、そこに映っている紡錘形の物体にしばし唖然とする。
これは、球形になる日も近いか?
(デブの進化: 紡錘形 → 球形 → 円錐形)

帰宅。
天皇陛下の御病状についてのニュース。
胸水が増えたので針を刺して抜く処置を行うことになったのだそうだ。
退院の日の報道では元気そうということだっかが、やはりあれは相当に無理をしていたのか?
そろそろ摂政を立てることを真面目に検討するべきじゃないのか、宮内庁?

寝る。

2012年3月5日(月)
降っているのは、雨というよりみぞれ。
3月だというのに気温がさっぱり上がらない。

ニュース。
ロシアではプーチンさんが予想通り大統領に当選したようだが、この人の人気って下がっているのか?

午後。
昨日録画しておいた「明日をあきらめない…がれきの中の新聞社〜河北新報のいちばん長い日〜」を観る。
震災で被災した地方紙が、1日も休まずに新聞を発行し続けたという事実に基づいた2時間のドラマ。
生々しい題材だけに、扱いかねているという印象。

実在する関係者が何人もいるので、あまり脚色するわけにもいかず、しかし事実をそのままドラマにしたのでは、ドラマに
ならない……。
「ドラマ」にするには不適切な題材だったのじゃないか?
いっそドキュメンタリーにして「一部再現ドラマ」とかにした方が良かった気がする。

夕方。
ものすごい体のだるさを感じて、横になったら見事に熟睡してしまう。
(何なんだ?!)

夜。
ニュース。
東電の株主が、福島第1原発事故で東京電力が巨額損失を出したのは歴代経営陣が地震や津波対策を怠ったためだとして、
東京地裁に「株主代表訴訟」を起こした。
賠償金を回収できた場合、原発事故被害者への損害賠償に充てるよう求めている。

要するに「事故の責任は原発の危険な状態を知りつつ放置した歴代経営陣にあるのだから、被害者への賠償金は自分たちの
財布から出しなさいよ」という訴訟。

東電の歴代経営陣が、
「俺がミスをしても、賠償金を出すのは会社。自分の懐が痛むわけじゃない」
という態度で経営を行って来たのが、事故を起こすような体制を生んだのだと言っているわけだ。
興味深い訴訟なので、結果を見守りたい。

体のだるさが抜けないので、部屋で本を読んでいる。
『悪霊論』(小松和彦 ちくま学芸文庫)。
「王殺し」という習俗についての話が怖い。
王の肉体的衰弱は王国の衰徴をもたらすと考えられていたため、老衰のために体の弱くなった王は、王国の死を防ぐために
殺されるという習俗。
王様なんて、なるものじゃないのかも知れない。

……なんか、背筋がすごくゾクゾクして来た。
骨の中を冷たいものが流れているような不快感。
もう寝よう。

2012年3月4日(日)
天気が悪く、空が薄暗い。

昼。
「その街の今は」というドラマをBSフジでやるというので、観ることにする。
「第7回日本放送文化大賞準グランプリ受賞作品」で、何度も再放送されていたのに観るチャンスがなかった作品。

午後1時。
録画の準備もして、テレビの前へ。
さて……

「その街の今は」
主人公は、勤めていた会社が倒産して、いまはOL時代に通っていた喫茶店でウエイトレスをやっている歌(うた)という
女性。
彼女は大阪の町並みを写した古い写真を見るという少し変わった趣味を持っている。
ある日、友人に誘われて行ったライブハウスで、良太郎という青年と知り合う。
良太郎は歌の趣味を理解してくれ、2人は何度か一緒にお茶を飲んだり骨董市場へ行ったりする。
やがて歌は、むかし写真屋をしていたという老人と知り合い、その人が持っていた古い写真を何枚か貰う。
そして老人の死後、歌と良太郎は老人の残した8ミリフィルムの上映会を行うのだった……

歌にはむかしつき合っていた鷺沼という男がいた。
鷺沼は婚約者がいるにも関わらず歌と交際し、結局、婚約者と結婚して今は東京に住んでいる。
その鷺沼が仕事で大阪にやって来て、歌をデートに誘う。
歌は、そんな鷺沼の態度に心をときめかせるのだった……

……と、ストーリーを説明しようとすると、どうしてもパラグラフが2つ必要になってしまう。
2つのエピソードが、ドラマの中できちんと融合していないのだ。

さらにツッコミを入れれば、良太郎が8ミリフィルムの上映会を行おうとする根拠が、まず不明。
「上映会」を行うということは、それを観る客がいなくてはならないわけで、それまでの話の流れで歌と良太郎以外にそう
したものに興味を持っている人がいるという伏線がなにもないのに、いきなり「上映会」というのはなぜだ?

鷺沼と歌の関係も、あまりに不自然。
かつて二股をかけて捨てた女のところに当然のようにやって来てデートに誘う男に、その男の態度に「ときめき」を感じ、
男を傷つけないようにと気遣う女。
さらに「女はもてあそばれるのもいい」とか言って、その女を応援する友人。
(全員のやっていることが分からない)

写真に残っている古い風景を「むかしの男」になぞらえて表現したかったのだろうか?
それとも、これってコメディだったのか?
なんでこのドラマが準グランプリを受賞してしまったのかが、よく分からない。

唯一よかった点。
作品中の小道具として出て来る写真や映像に資料的価値がありそう。

夕方。
SF乱学講座。
タイトルは、「河童の起源 」
講師は、妖怪研究家の多田克己氏。

河童と言うのは研究家にとって、あまり扱いたくない題材なのだそうだ。
理由は、さまざまな水妖が習合したものなので、まとめようがなくなる。
例えば、一説によれば河童の敵はサルであり、別の説によれば河童の正体はサルである。

平家の落人が河童になったという話もあり、平清盛は九十瀬入道(こせにゅうどう)という河童になったという話がある。
二位の尼は河童の総大将になったという話もあるそうだ。
壇ノ浦で滅びた平家は、実は筑後国一宮の「高良(こうら)神社」へ向かう予定だったのだとか。

関西では河童は「ひょうすべ」と呼ばれ、禿頭で全身毛むくじゃら。
兵部大輔であった島田麿が使役していた人形を捨てたところ河童になったという伝承。
兵部大輔の部下なので兵主部(ひょうすべ)。

江戸を中心とする東関東では、河童には甲羅があることになっている。
水神である牛頭天王を祭神とする祇園信仰(天然等よけにご利益があるとされた)では、キュウリを備える。
(キュウリのイボが天然痘の発疹を連想させるからか?)
祇園神(つまり水の神様)の眷属はスッポン。
河童はスッポンのような甲羅とくちばしがあり、キュウリを好むという伝承。

感想。
面白い話だったのに、時間が足りなかったのが残念。

インドで牛が大切にされるのは、牛痘に罹ると天然痘に罹らないということを経験的に知っていたからではないかという話
が面白かった。
つまり「理由は分からないが牛に触っている人は天然痘にならなかった」わけだ。

これが牛頭天王が天然痘よけにご利益があると考えられるようになった理由なのではないかという話。
「撫で牛」信仰とか「牛に触ると病気が治る」系の信仰も、これが元かも。

いつものように「包茶」で食事をして帰宅。
帰り道はでは、小雨がパラついていた。

寝る。

2012年3月3日(土)
朝からなぜか疲れている。
理由をしばらく考えて、どうやら寒いので布団の下で体を固くしているのが原因らしいと気がつく。

そう言えば今日は雛祭り。
でも、うちにはあんまり関係ないな。
この間、池袋の伝統的工芸品センターに行って、
(なんでこんなにいっぱい雛人形が展示してあるのだろう?)
と、しばらく考えてしまったぐらいだ。
独り暮らしの人間が増えると、こういう伝統行事もだんだん廃れていってしまうのだろうな。

午後。
ネットでニュース(日テレ)を観る。
東京電力と政府の原子力損害賠償支援機構が今月中にまとめることになっている「総合特別事業計画」について。

その内容。
家庭用電気料金を早ければ今年7月に10%程度、値上げする。
値上げは3年間に限定し、「新潟・柏崎刈羽原子力発電所が13年中に再稼働すれば」15年に電気料金を元の水準に戻し
その後は値下げする方針。
但し「原発の再稼働には自治体の同意が必要なため」、値上げ幅や時期については変わる可能性もある。  

ええと、これは……
「お前らが柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に同意しなければ、家庭用電気料金の値上げ幅や値上げの期間が延びるんだぞ、
分かっとんのかコラ、新潟! こっちは首都圏の消費者を人質に取っとるんじゃあ!」
と、そういう意味なのか?
(もうちょっと経営努力とかをしてみる気はないのだね?)

政治のニュース。
先月の25日に東京都内のホテルで、野田首相が自民党の谷垣総裁と約1時間の会談を行ったという報道があったが、昨日
岡田克也副総理が「消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革」への協力を要請するために自民党の町村信孝元官房長官
と会談を行った。

お前ら、もう結婚しちゃえよ。(笑)
だから自民党と民主党(少なくとも現政権)は、同じ党なんだってば。
「消費税を増税するという民主党案には断固反対し、我々自民党は消費税を増税します!」
こんな馬鹿なことを、いつまで言っているつもりなんだ?

前にも言ったと思うが、
景気の悪化すると税収の減少して政府が赤字になる。
だから、
案1)減税して景気の回復を待ち、税収を増加させる
案2)増税して景気が悪化しても、税収が増加するようにする

案1)のデメリット
減税しても景気が回復するとは限らない。

案2)のデメリット
増税により一時的に税収は増えるが、その後、景気が悪化して却って税収が減る危険性が高い。

これを〈役人アタマ〉に選ばせると、
「とは限らない」などという不確実な「景気の回復」より、一時的にせよ確実に「税収が増える」方が良い。
となってしまうらしい。

役人というのは「不確実な良いこと」より、「確実な悪いこと」の方を好む習性がある……というのが、長年お役所仕事を
相手に生活して来た庶民としての実感。

政治家は、この〈役人アタマ〉どもを使って仕事をしなくてはならないのだから、まあ大変と言っちゃ大変。
(政治家がうっかり役人の機嫌を損ねると、ウソみたいな嫌がらせをされるんだぜ、ホント!)

役人(財務官僚)は、増税をしたいのだ。
それを蹴っ飛ばそうとすると、嫌がらせをされて政府が機能しなくなってしまう。
(前任者の例で、それは分かっている)
じゃあ、どうしましょうか、野田総理?

この際だから、消費税は値上げしましょう。
その代わり、食品などの日用品の消費税は無税とする。
(つまり、エンゲル係数の高い世帯にとっては、実質「減税」になる)
低額所得世帯への減税と高額所得世帯への増税を同時に出来て、格差是正にも役立つと思うのだけどなあ。

夜。
NHKのドキュメンタリー番組「原発事故 100時間の記録」を観る。

原発事後直後である3月11日4時45分に、東京電力から周辺の自治体にFAXが送られた。
しかし地震による通信機器の不調から、波江町には、この連絡が届かなかったのだと言う。
(町長が原発事故による避難指示を知ったのは、テレビのニュースによってだった)

原発事故直後のニュースで、テレビのインタビューに答えて、
「我々は何の連絡も受けていなかった」
と言っている役場関係者を記憶しているが、役場の電話やFAXがまともに通じない状態であったということか。

興味深かったのは「ベント」が遅れた理由。
これも、事故直後には「東電ではベントの準備が整っていたのに、アホな総理大臣がパフォーマンスのためにヘリコプター
で原発上空を無駄に飛び回って邪魔をした」という面白おかしい話がまことしやかに流れていたのだが、NHKのこの番組
によると、実際には「電源を喪失してしまったため電動の弁を手作業で開けなくてはならず、その作業に手間取ったため」
という、面白くもおかしくもない地味な理由だった。

たぶん人々の記憶には「アホな総理大臣が……」の面白おかしい話の方が残り、やがてそっちが「事実」とされてしまうの
だろうな。

避難指示の混乱について。
当時、原発から半径10km圏内に住んでいた人は約5万人、これが20km圏内になると7万8000人、30km圏内だと
21万人に上った。

官邸には現場からの情報が上がって来ておらず、事故の状況が把握出来ない。
しかし、万一を考えて避難指示は出さなくてはならない。

避難計画が想定していたのは、10km圏内までの避難。
だが、爆発事故が起こった場合、チェルノブイリでは30km圏内の人間を避難させた。

いきなり30km圏内への避難指示を出してしまうと、逃げようとする人々によって道路に渋滞が出来てしまい、その結果、
肝心の、より原発に近い地域の人たちが逃げようにも身動きが取れなくなってしまう危険性がある。

ではまず、10km圏内に避難指示を出し、そこの住人が避難した辺りで20km圏内に避難指示を出しては?
ところが、地震で道路が塞がり、10km圏内の避難が思うように進まなかった。

現地からの情報は、通信の混乱で指示を出す官邸に届かない。
現地では10km圏内の避難の混乱の最中に、今度は20km圏内への避難指示が出ることとなる。
結果、現場は大混乱

この最中、官邸には30km圏を超えた地域でも風向きによって放射線量が危険なレベルに達するという情報が入って来る。
(さあ、この場合の避難指示はどうする?)

地図を見て、危険だとされる場所は分かった。
そこへ直接指示を出す地方自治体はどこで、何人の住人がいるのか?(そんなものをまとめた資料はない)
その人たちを、いったいどこへ逃がすのか?(そんな事態を想定した計画案はない)
避難指示は遅れ、多くの住人が被曝する結果に。

これはあくまで私の素人意見なのだが……
原子力発電所というのは、なんやかんや言っても相当に丈夫な建造物であるはず。
それが壊れてしまうほどの「何か」が起きた時には、周辺の道路や通信網も、当然使えなくなっていると考えるべきだった
のではなかろうか?
後知恵だから言えることなのかも知れないが「原発事故」が単体で起こった場合しか想定せずに対策案を作っていたところ
に問題があったのではないかと思う。

感想。
菅さんって、やっぱり、喋り方が何か感じ悪い人だね。
言っている内容以前に、それでカチンと来てしまう。
参謀ならともかく、一国のリーダーとしては、これは致命的だったな。

確か星新一の小説に、嫌な奴の仕事をサポートすることになったスタッフが、そいつへの反発から少しずつ仕事の手を抜き
それらが積み重なって大きな惨事を引き起こしてしまうという話があったなあ……。

寝る。

2012年3月2日(金)
雨。

午前中。
雨が止むのを待ってみる。

午後。
止まないので駅前に出かけ、薬屋でマスクを買ったり銀行で月初めの手続きとか。

マスクは60枚入りを1箱。
(これで1シーズンもつかな?)

帰宅。
名刺の整理をしていたら「内藤陳」という名前のものを発見。

「暮れに亡くなった内藤陳さんのお別れの会を……」という話を知人から聞いたとき、
(何か聞き覚えのある名前だなあ???)
と思ったら、会ったことがある人だったのだ。
名刺を頂いた時の記憶を辿ると、確か新宿の狭くて薄暗い店の中で奥の方に座っていた無口な人だったような気がする。

「どうも、内藤陳です」
と、言われて、
(変わった名前の人だな)
と、思ったのを思い出す。
(いまネットで調べたら、本名は「のぶる」と読むのだそうだ)

どうやら有名人だったようで、ことによるとあの時、初対面の私がまるっきり自分のことを知らないのに少しがっかりして
いたのかも知れない。
(それで、あまり喋らなかったのか?)

仏教に「因縁」という言葉がある。
「因」は「果」をもたらす「直接要件」、「縁」は「間接要件」と説明される。
要するに「因縁」とは、ある「結果」をもたらすための「要件」のことでなのある。

この件に関して言えば、「私が内藤陳さんという人に出会った」というのが直接要件だとして、ここで「私が内藤陳さんを
知っていた」という間接要件があったなら「2人で会話をする」という結果がもたらされたのだが、そうした要件がなかっ
たので「会った」だけで終わってしまった。
こうしたことを「縁がなかった」と言うわけである。

古い名刺を整理していると、こういう「縁のない」出会い方をした人が束になる。
そうかと思うと、やたらに「縁がある」のか、どこへ行っても(コミケ会場とかSF大会の会場とか)不思議と顔を合わせ
て、ついに何回目かにお互い「奇遇ですね」と声を掛け合った人もいる。

「因果」と言うが、「果」をもたらすものとしては、「因」より「縁」の方が勝つような気がする。
つまり「趣味が同じ」という「縁」は、「イベント会場での出会い」という「因」を誘発するわけである。

夕方。
東京MXをつけたら、中尾ミエ(だと思う)が映っていて、「加藤茶が結婚した」というような内容を喋っていた。
加藤茶という人は、私が幼稚園ぐらいの時に既に有名なコメディアンだったと記憶している。
(「結婚」する年齢なのか……?)

中尾ミエが、
「高齢者との結婚は相手を介護するためにするようなものだ」
という主旨の発言をしていた。
(高齢になると「介護」を考えて結婚する人もいるのかも知れないね)

夜。
地震。

 時刻:19時11分
 震源:千葉県東方沖(北緯35.2度 東経141.3度)
 深さ:約40km
 規模:マグニチュード5.1

東京23区は「震度1」とあまり大きな揺れではなかったようだが、はっきりと感じたのは少し揺れに神経質になっている
せいか?

夜。
思わず失笑してしまったニュース。

動物愛護法施行規則の一部改正に伴い、6月1日から都内の猫カフェの夜8時以降の営業が禁止されることになり、カフェ
の経営者や猫愛好家から不満の声。
「猫は夜行性なのに」

つまり、夜行性の動物に関しては、むしろ昼間に起こしておく方が「虐待」となるのに、人間の生活時間に合わせて「昼間
起こして夜に寝させる」ということを「動物愛護法」で決めたというのだ。

「動物愛護法は〈動物を大事にしているオレ〉をアピールするためのもの、動物の都合なんか知ったこっちゃない」
という本音がよく分かる改正だ。

寝る。

2012年3月1日(木)
朝。
地震があった。

 時刻:7時32分
 震源:茨城県沖(北緯36.5度 東経140.7度)
 深さ:約60km
 規模:マグニチュード5.4

月始めなので、いつもの抽選会へ。
10時過ぎに手続きを済ませて、ビックカメラで買い物。

ぶらぶらしているうちに昼近くになる。
牛丼を手みやげに、1号くんのアパートへ。
一緒にDVDを観て、だべって、漫画を読む。
(大学生って、こんな生活しているのか?)

読んだ漫画は、以下の4冊。
『テルマエロマエ』4巻(ヤマザキマリ エンターブレイン) 
『アイアムアヒーロー』8巻(花沢健吾 小学館)
『げんしけん』10〜11巻(木尾士目 講談社)

『テルマエロマエ』4巻
古代ローマの浴場設計技師が、現代日本の風呂場にタイムスリップ。
帰還して日本の風呂をヒントにローマの風呂を改良していうという話。

当初、読み切りの予定が人気が出て連載となった作品なのだそうで、さすがに4巻目ともなるといろいろと無理が出て来た
ので「古代ローマに詳しく、ラテン語に堪能な天才美人芸者」というキャラクターを出して、主人公のタイムスリップ中
における通訳を担当させることにしたらしい。

しかし「古代ローマに詳しく、ラテン語に堪能な天才美人芸者」という設定がすでに、かなり無理なような。(笑)
この辺を「ギャグ漫画なんだから」と笑って済ませるか、不自然さにどん引きするかで評価が分かれそう。

4巻では、いままではすぐにローマへ戻れた主人公ルシウスが、どういうわけか元の時代に戻れなくなり、しばらく日本で
暮らすことなるという展開。
そういう設定での話が始まったばかりなので、まだちょっとよく分からない。

『アイアムアヒーロー』
主人公、鈴木英雄は仕事のできないダメ男。
特技は「銃が撃てる」という、日常生活では何の役にも立たないものだけ。

しかし、ある日突然、日本中をゾンビの大群が襲う。
非常事態に直面しつつも「ダメ男」としての自己認識から抜け出せず、グズグズと他人に流されていた主人公が、追いつめ
られて、ついに銃の引き金を引く……というのが、この8巻。

迫り来るゾンビの群れと対峙した主人公が、「敵」を撃つ瞬間に、いつものクレー射撃のクセで「はーい」と言うシーンが
とても好きだ。
911テロの時の話や311津波の時の映像から思うに、非常事態が起こった時に本当に危険なのは「パニック」ではなく
「人間が急には非常事態を認識できない」ということであるようだ。

津波がすぐそこまで来ている時の高台からの映像を見ると「パニック状態になって先を争って逃げようとした」のではなく
「隣の人と喋ったり後ろを振り返ったりしながらゆっくりと歩いて避難しようとして」危険な目に遭っている。
311以前に連載が開始したにもかかわらず、この作品は、そういうところが非常にリアル。

『げんしけん』
正式には『げんしけん 弐代目』というタイトルらしい。

『げんしけん』1〜9巻は、大学に入学した主人公、笹原完士が「現代視覚文化研究会(略して「げんしけん」)」という
サークルに入会、友達を作り、やがて学年が進んで後輩が出来、会長に選ばれ、会員たちを苦労してまとめながら成長し、
恋人が出来、卒業し、就職するまでの物語だったが、「弐代目」は、その笹原の恋人、荻上千佳が「げんしけん」の会長と
なってからの物語。

主人公とはあまり関係がないのでうやむやになったままになっていた「班目先輩の片思い」の話と「荻上の中学時代のトラ
ウマ」の話に決着をつける方向に行っているのかな?

後輩の恋人への片思いに苦しむ班目先輩にはアメリカ人のオタク娘が積極的にオファーをかけ、荻上を罠にはめてトラウマ
を背負わせたかつての同級生が再登場して来る展開となっている。
班目先輩の話の方はともかく、荻上のトラウマの方は、ちょっとこれを放置して終了はないだろうと思っていたので、興味
を持って読めそう。

午後。
大学生と一緒に遊んでばかりもいられないので、帰宅。
いろいろと雑用を片付けていたら、日が暮れてしまった。

夜。
「アンビリーバボー」という番組で「奇跡のような」脳の働きについて特集していた。
頭にボールが当たって以来、知能はそのままに「サヴァン的能力」を身につけた男性の話が面白かった。

ボールがぶつかった以後、知的な障害はないのに記憶力だけがサヴァン並みになってしまったというのだ。
この能力が「後天的」というところが素晴らしい。
(よほど打ち所が良かったのか?)

彼の脳を研究して仕組みを解明したいと言っている研究者がいるらしい。
そりゃ、いるだろう。
仕組みが解明されて再現が可能になったら、みんなの頭にボールをぶつけて人類全体の記憶力を上げるとか……。

寝る。

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