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独 り 言 (2012年2月分)
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2012年2月29日(水)
夜中に緊急地震速報が鳴った。
でも、揺れなかったぞ、少なくとも東京は???

 時刻:1時57分
 震源:千葉県東方沖(北緯35.5度 東経141.1度)
 深さ:約40km
 規模:マグニチュード4.3	M4.3

朝。
目が覚めたら雪。
電車があっちこっちで止まっているようだ。

所用があって虎ノ門へ行き、いつもの方向音痴能力を発揮。
オフィス街の真ん中で、吹雪の中を彷徨うという希有な体験をする。
ビル風、侮るべからず。

日頃、池袋の商業地域ばかりを歩き慣れている身には、道路に積もった雪も大敵。
商業地域では道を歩いているのは「お客様」なので、どの店舗でもは先を争うように店の前の雪かきをするが、オフィス街
を歩いているのは、ただの通行人。
よって、道路に降り積もった雪は、原則放置状態。
(たまにある店は靴屋だったりして、こちらも雪かきをするより長靴を売る方に忙しい)

ただオフィス街の良いところは、その辺りに土地勘のある勤め人が多いという点。
幸いなことに、道を歩いている人数は多いから、適当な人を呼び止めて目的地まで案内して貰う。

昼過ぎに所用を終え、帰り道にオフィス街に珍しい小売店を発見。
但し靴屋だったので、雪かきより長靴を売る方に精を出していた。(^^)

帰り道でもやはり列車ダイヤがめちゃくちゃ。
地下鉄なんかは天気は関係なさそうだが、相互乗り入れしている私鉄が遅れるとやっぱり遅れるのだ。

午後。
濡れた靴を乾かして、SF大会の企画打ち合わせで新宿へ。
雪は小降りになっていたが、ダイヤはまだ正常化していなかった。

ますもとたくやさんに会ったので、気になっていた件を質問。
「升本九八って、ますもとたくやの〈た〉ぬきですよね?」
と、聞いたら、やはりそうだと言う。

「ますもとたくやの方のサインはあるのですが、升本九八の方のサインをまだ考えていなくて……」
と、紙ナプキンにデザイン化した文字で「ますもと」と書いてみせてくれたので、
「そこにそのまま〈98〉と入れたら?」
と、いい加減なことを言ったら、それに決まってしまった。
サイン第1号を、升本九八先生の御著書『圓さん、天下を回る』に頂き、大阪土産「面白い恋人」も頂く。

夜。
もう1件の打ち合わせのために時間を潰してそのまま新宿にいたのだが、こちらは先方の都合でドタキャン。
升本先生のサイン本と「面白い恋人」をGETして上機嫌だったので、そのまま機嫌良く帰宅する。
どうやら打ち合わせ中に地震があったらしい。

 時刻:18時00分
 震源:福島県沖(北緯37.3度 東経141.7度)
 深さ:約40km
 規模:マグニチュード5.3

「面白い恋人」を美味しく頂き(昔懐かしい「ゴーフル」みたいな味だった)寝ようとしたら、また地震。

 時刻:23時32分
 震源:千葉県東方沖(北緯35.2度 東経141.5度)
 深さ:約20km
 規模:マグニチュード	5.8

こっちの方が今朝の地震より大きかったようだが、緊急地震速報のシステムってどうなっているのだろう?
寝る

2012年2月28日(火)
昨日はさすがに花粉症があまりにもひどかったので、少し強い薬を飲む。
強い薬は副作用も強いので、好きじゃないのだが。

朝刊は、1面トップが「エルピーダ 更生法申請」で、その隣の記事がAIJ問題。
エルピーダは経営の失敗で、AIJは運用の失敗。
言ってみれば、どちらも不況が起こした事件。

午前中。
SF大会の企画をひとつ増やせないかという話で、メールの返信が来る。
 >しかし、崎田さんカバー範囲広いですね。
……何にでもハンパに手を出す悪癖を見抜かれたようだ。(^^;

昼。
「CSI:マイアミ8」を観る。
「サキルの刀(原題:Die by The Sword)」というのがサブタイトルでこの「サキル」という奇妙な言葉は、日本の暴力
団の組の名前のつもりらしい。
(どういう字を書くのだろう?)

ストーリー。
人間の体が刃物で真っ二つにされるという殺人事件が起きる。
「こんなことが出来る刃物は、日本刀だけだ!」
しかし第一容疑者は日本のやくざなので、指を詰めていて刀が握れない。(^◇^)www
(……もう何をどこからどう突っ込んで良いのやら)
大爆笑の1時間だった。

午後。
薬をぶちこんで症状を止め、Gパンを洗濯しにコインランドリーへ。
花粉の季節はベランダに干せないので、乾燥機でカラカラ回して乾かす。

月末なので、銀行へもいかなくてはならない。
帰り道で「闇夜のうさぎ」さんに会って、
「花粉症は大丈夫ですか?」
と、聞かれるが、正直に答えるなら「ダメです」。
道を歩いていてもクルクル目が回っている。

夕刊。
1面トップがAIJ問題で、その隣がエルピーダの騒ぎの続報。
つまり今日は、この2つの事件でずっと騒いでいたということか?

そろそろ寝よう。

2012年2月27日(月)
朝。
寒気と息苦しさで起きられない。

寝床から這い出してニュースを見たら、
「本日東京都を含む1都6県が本格花粉シーズンに突入」
だって。

正直、私にとっては「東京に毒ガスが撒かれた」とほぼ同じ意味になる。
いろいろと試している割には、なぜか年々悪化する花粉症。

そんなわけで、午前中は、ほぼダウン。
息を吸い込む度に、胸が痛い。
ナウシカのセリフ「少し肺に入った。焼けるようだ」を思い出す。
主観的には「腐海」の中。(泣)

サッシの隙間から花粉が入り込むのだろう。
顔や手などの露出した部分の皮膚がヒリヒリ痛む。

午後。
SF大会の企画の準備をしようとするのだが、眼の状態が良くないのではかどらない。
目薬でどうにか凌いで、メールを打つ。

夜。
なんとか物を食べるが、全て吐いてしまう。
唾液と共に飲み込んだ花粉で、胃壁がやられてしまっているらしい。
胃薬とか、いろいろ使って、ひとつずつの症状に対処。
花粉症を丸ごと治す薬と言うのは、まだ出来ないのか?

ニュース。
米韓両軍が、朝鮮半島有事や北朝鮮による局地攻撃を想定した定例の合同軍事演習「キー・リゾルブ」を開始。
北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(電子版)」は「演習強行は事実上、我々への無言の宣戦布告」と、これを批判。

まあ、これは普通のことだと思うが北朝鮮に関しては、先日もロシアの週刊誌が、
「金正男氏が本国からの送金を停止されて、夜間の宿泊に使っていたマカオのグランド・ラパ・ホテルを追い出された」
というニュースが流れたかと思ったら、ホテル側が、
「そのような事実は知らない」
と、公式コメントを出すという騒ぎがあったばかり。

要人が夜間に高級ホテルに宿泊するというのは主に身の安全を確保するというのが目的だから、明らかに微妙な立場にある
金正男氏のような人物をホテルが追い出すということは「ホテル側の暗殺への協力」と見られてしまっても仕方がない。

ロシアの週刊誌が「マカオのグランド・ラパ・ホテル」と名指ししているところを見ると(ホテル側は金正男氏が宿泊した
かどうかについて、顧客情報の保護原則を理由に明かしていない)、これはロシア側からの遠回しの圧力だろうか?
あの国は、いまどうなっているのだろうね?

体調が悪いので、今夜はもう寝る。

2012年2月26日(日)
曇り。

午前中。
『史記世家(上)』(小川環樹、今鷹真、福島吉彦・訳 岩波文庫)
『圓さん、天下を回る』(升本九八 ニ出版社)
が、アマゾンから届く。

『史記世家』は、なぜか絶版になっているらしくて、古本。
『圓さん、天下を回る』の作者名「升本九八」は、「ますもと きゅうはち」と読むらしいが「くや」と読めば「ますもと 
くや」になる。
お分かりの方にはお分かりの通り、「升本九八」は、「宇宙犬作戦」のメインライター「ますもとたくや」さんのペンネーム
なのである。

言葉遊びの好きなますもとさんのことだから、これは「ますもとたくやの〈た〉ぬき」→「ますもとたくやが化けている」とい
う洒落なんじゃないだろうか?
ますもとさんに会ったら、ぜひ質問してみたいと思う。
(私は「宇宙犬作戦」のファンなのだよな)

どうでもいいことだが、ついでに。
タイトルの「圓さん」は「まどかさん」と読む。
さらについでだが、
「ニ出版社」の「ニ」は「えい」と読む。
書店で注文するときの参考に。(^^;

さて、『圓さん、天下を回る』の内容。
舞台は近未来の日本。
主人公は、不況で勤めていた会社をリストラされた元OLのパッパラパー女。
但し、このパッパラパー女「宇倍圓(うべ まどか)」には、自分と経済的繋がりを持ったものの過去や未来を透視出来ると
いう、超能力があった。
つまり、自分が受け取ったお金、払ったお金の流通経路が映像として視えるというわけである。

この超能力者(エコパーと言う)が、その能力を見込まれ、経済犯罪と戦う秘密組織にスカウトされる。
チームのメンバーは圓を含めて3人。
残りの2人のメンバーは……、

情緒不安定のハッカー、金城銀次。
銀色に染めた長髪に鼻ピアスという外見。
彼には自分自身の経済状態によって極端に気分が躁になったり鬱になったりしてしまうという欠点がある。

天才トレーダー、神山厘太郎。
小学生でありながら、このチームのリーダー。
彼には膨大なデータの中から論理矛盾のノイズを感じ取ることが出来るという特殊な才能がある。

彼らが闘う相手は……、
メンバーが全員、動物の被り物で顔を隠しているのが特徴の武装テロ組織「アライアンス」。
そして、世界経済を裏から操る秘密結社「財団」。
ここに、警視庁に新たに作られた組織「FIU(金融情報調査局)」、日銀総裁などが絡んで、アクションあり頭脳戦ありの
大騒動が巻き起こり……というコメディ。

経済犯罪を追っている主人公が、入社試験の常識問題で零点を取るようなパッパラパーという設定なので、随所で登場人物に
よる経済の仕組みについての解説が入っている。
このバカ女より頭の悪い読者は滅多にいないと思うので、そのバカでも分かるレベルに噛み砕いた解説なら、まあ大抵の人は
楽に理解出来ると思う。
(たぶん、小学生でも分かるだろうから、学校の図書室に置くのも可)

さすが脚本家さんだけあって、ストーリーそのものも面白いし、経済学の基礎の基礎を学べる教材として読んでみても良いだ
ろう。
川又千秋先生風に言うならば「オトク」な小説。
経済とか景気とか、ざっと分かってはおきたいけれど、別に大学で「経済学」を学びたいわけではないという方にお薦め。
どこかが映像化してくれたらいいのにな。

午後。
メンサ・テスト合格者の会の例会。

終了後、いつものように飲みに行き、ふろふき大根にリベンジ。
今日の大根は、ちゃんと柔らかくて美味しかった。

家に帰って、寝る。

2012年2月25日(土)
朝。
アサヒビールに勤める知人に、
「ドライゼロ美味しかったよ」
と、メールを送ったら、
 >私自身もブラインドで試してみて、これなら行けるかと思った次第であります。
という返事が来た。
自信作であるらしい。

朝刊の1面トップは、また「AIJ」。
見出しの文字は〈ケイマン使い実態隠しか〉。
(「ケイマン」って何だ?)

新聞の1面トップの見出しに使うぐらいだから、誰でも知っている言葉なのだろうか?
でも、私は知らないぞ。

記事を読むと、
〈租税回避地の英領ケイマン諸島の私募投資信託を通じて運用していた〉
〈租税回避地は金融当局による監視が届きにくい〉

で、
〈租税回避地は3面「きょうのことば」参照〉とあったので、その3面を見ると、
〈利子や配当への税金。法人税がゼロだったり,非常に安かったりする国・地域〉
〈本国の当局の監視の目が行き届かないことから、企業の不正会計や、富裕層の節税、犯罪資金の資金洗浄(マネーロンダ
リング)などに利用される場合が多い〉

〈オリンパスの粉飾決算事件でもケイマン諸島に作られたSPCやファンドが使われた〉 ※SPCは、特別目的会社
……とここまで読んで、やっと理解。
要するにオリンパスの粉飾決算事件の記事をちゃんと読んでいた人にとっては、お馴染みの「あのケイマン」なのね。
すいません、勉強不足で。
(日経さんは、経済関係の記事になると、いきなり「ど素人」を置いて行くなあ)

「ど素人」は、そこで文化欄へ逃げる。
佐久間良子の「私の履歴書」。

留学先の息子から、卒業式に離婚した元夫を呼びたいと言われた佐久間良子、その場では明確な返事をせず、電話を切る。
式に出席するために渡米するとの、息子から「式に着るワイシャツがない」と言われ、一緒に買い物に行くと、店の近くの
噴水の前に元夫が立っていて「やあ、今晩、メシでもどう?」と声をかけて来る。

このときの心境を、佐久間良子はこう書いている。
〈私は驚いてしまった。 これが13年間の  “空白”  に対する私への言葉なのだろうか? 何かほかに言ってくれる言葉は
なかったのだろうか? 仕事、子育て、教育問題……。様々な困難を女一人で乗り越えて来た私の耳には、彼の言葉がむな
しく響くだけだった〉

この「噴水の前での出会い」は恐らく、息子と元夫が示し合わせてやったことなのだろう。
「男2人」は、13年も「冷却期間」があったのだから、「女」も冷静になっているだろうと考える。
しかし「女」の側には13年分の「空白」が、溜まりに溜まっていた。

男と女の精神構造の違いがよく分かる例。
「〈あのとき〉から、これだけの日々が流れたのだから」と、男。
「〈あのとき〉以来、これだけの日々が積もったのだから」と、女。
時間は、男にとっては「距離」だが、女にとっては「量」なのね。
覚えておこう。

午後。
いつの間にかに、雨。

夜。
「たけしの日本人白書」という番組を観る。
サウジアラビアの「ハワーティル(改善)」という番組で、日本人のマナーの良さが紹介され、日本人気が高まった。
そこで日本に留学したサウジアラビア人、酔っぱらいを見て、
「日本も酒を禁止にすれば良いのに」

国民挙げての禁煙にはかなり成功しているので、ノンアルコール・ビールとかが普及したら、酒を飲まない人が増えるかも
知れないね。
最近の若者は居酒屋に集まる代わりにモバイル機器でコミュニケーションを取るようだから、次の世代にはサラリーマンが
会社帰りに一杯という習慣は廃れているのかも知れない。
私は携帯電話より居酒屋が好きなんだが。(笑)

寝る。

2012年2月24日(金)
朝刊を広げたら「AIJ」という見慣れない言葉が目に飛び込んで来た。
1面トップの見出しの文字である。

何かと思って内容をよく読めば、企業年金の運用を任されている投資顧問会社が、儲かっている振りをして実はぜんぜん儲か
っていなかったという記事。
運用を任されていた年金2000億円の大半が「消失」していたのだそうだ。
つまり運用に失敗してしまっていたのを隠していたらしい。
(2000億円というのは、すごいなあ)

午後。
1号くんが部屋でDVDを観ないかというので、行く。
「ガタカ」(1997年製作)という映画。

作られたのが、ちょうど遺伝子操作がどうのと話題になっていた時期だったのかな?
「遺伝子至上主義」の未来世界の物語。

つまり、どんなに仕事ができて優秀でも遺伝的に「劣っている」と判定された人間は、いい仕事には就けないし、それ以前に学校
にも入れないという世界なのである。

そんな中、「近眼」の上「心臓疾患に罹る可能性が高く推定寿命は30.2歳」と判定された主人公ヴィンセントは、宇宙
飛行士になる夢を追おうとして……。

主人公は夢のために努力を重ね、勉強をし、体を鍛える。
しかし、小学校の時点で、すでに登校を断られ、就職出来たのは掃除夫の仕事。
彼は「ガタカ」(NASAみたいなもの)で、掃除夫として働きつつ、懸命に勉強とトレーニングを積み重ねる。

そしてある日、DNAブローカーの存在を知る。
紹介されたのは、優秀なDNAを持って生まれたにも関わらず、不慮の事故によって下半身不随となった青年ジェローム。
ヴィンセントは、彼から尿と血液の提供を受けて遺伝子チェックをクリア、めでたく「ガタカ」の宇宙飛行士として採用さ
れる。
しかし、そこで殺人事件がおき、現場に落ちていた「まつげ」から、そこいるはずのないヴィンセントが「ガタカ」に入り
込んでいたことが発覚、事件の第一容疑者とされてしまう……。

目の前に現に優秀な人間がいるのに、「彼は遺伝子的に劣っているから優秀なはずはない」と採用を拒否する担当者とか、
遺伝子情報ばかりに目が行き、容貌があまり似ていないジェロームとヴィンセントの見分けがつかない刑事が風刺的に描か
れている。

ひとむかし前の「学歴至上主義」を思い出したな。
就業してからの仕事の実績より、採用時の学歴によって出世が決まる企業というのは、日本に多数実在した。
(ひょっとしたら、いまもあるのかな?)

主人公と、その弟(こっちは遺伝子的に「優秀」)との対比を使った脚本上の工夫が、テーマを分かり易くしている。
子供の頃には何をやっても勝ち目の無かった弟に、遺伝子的に「劣った」兄が努力によって打ち勝つというエピソード。
この弟が、エリート警察官として、主人公が容疑者として追われる事件を担当するのである。

たぶん意図的にそうしたのだろうと思うのだが、登場人物の服装や乗っている車のデザインが、どう見ても1950年代ぐ
らいのものになっていた。(でも「未来」という設定なので、そのデザインで電気自動車だったりする)
これは、この映画が1950年代の「学歴至上主義」の社会の風刺だということを表現したかったのかな?
金星行きの宇宙船に乗る宇宙飛行士が、背広にネクタイ姿って……(笑)

そういう故意に演出されたっぽいツッコミどころも含めて、社会風刺の効いた面白い映画だった。
SFって、こういうものだよね。

帰宅。
アサヒの「ドライゼロ」が、もう発売になっていたことに気付き、コンビニで買って飲む。
これは美味。
ネットで調べたら「麦汁」に拘るのをやめて味を追求したらしい。
「麦汁」の変な甘みがなくなって、すっきりした味に。

ノンアルコールビールでは先行しているキリンやサントリーがパッケージデザインにケチをつけたそうだが、
(味では負けるからか?)
と、勘ぐってしまった。

だって、「ドライゼロ」のパッケージが、(どう考えてもはるかにポピュラーな)「スーパードライ」のパッケージに似て
いるから「ドライゼロ」だと思って「スーパードライ」を飲んでしまいそうで危険だという主張は、ちょっと変だろう。
(逆なら有り得ると思うが)

「スーパードライ」だと思って「ドライゼロ」を飲んでしまった人が、
「これも結構イケるじゃん」
と、キリンやサントリーのノンアルコールビールから「ドライゼロ」に乗り換えてしまいそうで危険だ……と言いたかった
のか、本音では?

夜。
「ヤッターマン(実写版)」を観る。
脚本の意図に対して、出演者のテンションが低過ぎ!(笑)
(櫻井君、何を照れているのだね?)

夕刊のトップも「AIJ」だった。
経済界的に、かなりの大騒ぎであるらしい。
(2000億円だからなあ……)

企業年金というのは、会社が社員から集めた金を運用会社に委託して増やし、社員が定年後にそれを年金として受け取ると
いうシステム。
運用会社が投資に失敗して無くしてしまった資金は、委託した会社が負担するのかな?
負担する力のない中小企業の場合なんかはどうなるのだろう?

深夜0時15分から「白戸修の事件簿」を観る。
大倉崇裕先生原作なので「観なきゃ」と思っていたのだが、放映が始まったのに気づかず4回分ほどうっかりしてしまって
いたドラマ。

1話が「問題編」と「解決編」の前後編になっていて、今日はその第3話目の「問題編」なので、特に問題なく視聴。
(「白戸修シリーズ」は、原作で既に読んでいるので、設定は既に分かっているし)

「有り得ないほど人の良い」主人公が、JR阿佐ヶ谷駅近くに行くたびになぜか「有り得ないほど身勝手な」人間に出会っ
て、強引に事件に巻き込まされてしまい、それを解決していくという推理ドラマ。

会って話をしてみると分かるのだが、実は原作者の大倉崇裕先生という人が、本当に「有り得ないほど人の良い」方なのである。
これは私の推理だが(笑)、先生、この主人公を「有り得ないほど人の良い」人間だと思わずに作品を書かれていたのでは
あるまいか?

ドラマでは、その「有り得ない」人の良さが強調され、役者が他人に引きずられる主人公の優柔不断さをコミカルにデフォ
ルメする感じで演じていたが、原作を読んだ印象では、作者はこの主人公の行動をそんなに「変」だと思っていない雰囲気なのだ。
(だから大倉作品は、読んでいて本当に心が和む物語ばかり)
なのでドラマ版で主人公を「変な奴」にしてしまったのが、ちょっと残念。

「普通の人」は、就職面接に行く途中で、見ず知らずの人が困っていると聞いたら、自然にすべてを捨てて助けに行っちゃ
うものだよね?

「微笑がこみ上げて来る」気分になりつつ、寝る。

2012年2月23日(木)
雨。

気分が大変に憂鬱なのは、お気に入りのGパンに漂白剤をこぼして穴を開けてしまったからだ。
白くなった部分には青い染料を塗ってみたのだが、開いてしまった穴は、どうしよう?

ニュース。
夕張映画祭の開幕。
石原知事が「元部下」である夕張市長にビデオ・メッセージを送り、会場でこれを聞いた市長が苦笑いしたそうだ。

相手は既に他の自治体の首長になっているのに、メッセージの内容は「夕張市内の空いている住宅を、無料で都民の別荘に
利用させればいい」等の完全に上から目線のものだったらしい。
(夕張市は、東京都の植民地か?)
夕張市長は東京都知事の元部下、だから夕張市は東京都の手下とかいう感覚なのかね?

そもそも相手は自主的にあなたの部下であることを辞めた人なのだよ。
石原さんは、このことをどう受け止めているのか?
「〈俺〉の手下が、〈俺〉のために夕張に植民地を作りに行った」とでも思っているのか?

午後。
Gパンの穴の部分に布を縫い付けてみる。
穴は3箇所。
出来上がったGパンは、なんかパッチワークみたいになっていた。
(渋谷の街を、これで歩いたら「オシャレ」とか思ってくれるかな?)

科学ニュース。
超光速ニュートリノの続報。
速度の測定に使ったGPSとコンピューターをつなぐ光ファイバーケーブルに緩みがあった可能性があるそうだ。
この緩みが速さを計測する時計に誤りを生じさせたのではないかという仮説が考えられる。
国際研究チームOPERAは、この仮説に基づいて5月に再実験を行うそうだ。
結果待ちだね。

科学関係のニュースをサーフィンしていたら、大林組が2050年に宇宙エレベーターを実現させると発表したそうだ。
(2050年じゃ、私はもう死んでいるかなあ?)
とか考えていたら、
〈政府の有識者検討会が「65歳以上」と一律的に区分している高齢者の定義を見直すよう求める報告書をまとめた〉
というニュース。

高齢になっても社会の第一線で活躍し続ける人が増えていることから、高齢者が社会保障による各種サービスを受給するだ
けでなく、それらを支える側にも回ってもらう制度設計につなげようというのが狙いだそうだ。

つまり老人も働かせて、ぶっちゃけ「年金を貰うのではなく、払う側に回れ」ということ。
これって実施する時には「働かない高齢者はすごく恥ずかしい奴」みたいな宣伝をうまくするんだろうな。
「65歳を過ぎたぐらいで健康を害する奴は、若い頃から不摂生をして来たのが悪いのだから自己責任だ」とかね。

要するに、建前としては「元気な人だけが年金を払う側に回る」という制度。
しかし運用の段階で「よほどのことがない限り、年金をもらう側にはなれない」という制度になるのだろうな。

窓口の職員に、馬鹿にされ、侮辱され、何度も書類を突っ返され、それでも懲りずに申請を続ければ、
「それだけの元気があるなら働け!」
と、却下されるというような。
(嫌だなあ)

思わず、一句、
 年金や 逃げ水のごとく 遠くあり

夜。
1号君に電話誘われて、飲みに行く。
近所のラーメン屋で餃子をつまみにビールを飲み、シメはラーメン。
(「不摂生」の代表)

寝る。

2012年2月22日(水)
午前中。
溜まっていた事務作業を済ませ、昼食はうどん。

午後。
『史記世家』を読む。
孔子って、結構(特に後半生は)言うこととやることがブレまくっていたよな。
(「就活」がうまくいかなくて、志望先を妥協しだしたと言うか……)

夕方。
コインランドリーへ。

洗濯が終わるのを待っている間、置いてあった「ジャンプ」を読む。
「ブリーチ」が、かなり後ろの方へ行っている。
そう言えば、間もなく終了するとか聞いた。
人気が落ちたのか?

夜。
今月アマゾンに発注した本代のトータル金額を計算したら、えらいことになっていた。
恐るべし、ネット通販。
(古本がいかん、古本が……)

ネットサーフィン。
ちょっと目についた記事。
目下、ロシアと仲の悪い「グルジア」が、日本の外務省に、自分のところの国名はロシア語読みの「グルジア」ではなく、
英語読みの「ジョージア」にしてくれと言って来たそうだ。
(日本以外の国では「ジョージア」と読むのが普通らしい)

日本としては、アメリカの「ジョージア州」と紛らわしいので「グルジア」のままにしておきたいようなのだが、グルジア
的には、現在、ロシアは「敵国」なのだそうで、ロシア語読みで呼ばれるのは不快であるらしい。
いっそグルジア語のでの国名「サカルトヴェロ」を採用してはどうだろう?

日本のニュース。
大阪の市長が、小中学生でも「留年」させたらどうかと言い出したそうだ。

こういう政治家や官僚の教育論を聞く度に思うのだが、政治家や官僚(弁護士とかも)になる人というのは、基本的に子供
の頃から勉強のできる生徒だったのだよね。
(「ゆとり教育」を推進した人も、自分が勉強好きで、だから子供にゆとりの時間を与えたら、自主的に課題を掘り下げた
よりレベルの高い学習を行うものだと思い込んでいたらしい)

でも、世の中には勉強が嫌いな子供というのがいるのだよ。
橋下さんは、勉強のできない子供を留年させたら「これではいけないと発奮して懸命に勉強をする」とかイメージしているようだが、
勉強嫌いの子供を留年させたら「やっぱり俺は勉強ができないんだ。無駄だからやーめた!」となってしまうと思う。
(実際、高校を留年した多くの生徒がこのパターンで学校に来なくなってしまっている)

そうすると、その子供は小学校や中学校を卒業出来ない。
橋下さんのイメージでは「卒業できないと自分が困ることになるので、子供は懸命に勉強する」のかも知れないが、たぶん
勉強嫌いの子供は「勉強するぐらいなら、卒業なんか出来なくてもいいや」と考えてしまうのだ。

義務教育も終えていない者では、就職ができない。
「困るのは当人なのだから」では済まない。
そうした人間は、恐らく犯罪に走るであろうから。
路上強盗が増え、治安が悪くなることが予想される。

教育には「放っておいたらどうしようもないような人間でも、なんとか犯罪者にだけはしない」という社会にとって重要な
役割があると思うのだ。
「ダメなひと」を切り捨てれば、裏社会の人口を増やしてしまう。

義務教育修了時点での習熟度に問題があると言うのなら、個別補講とかそういう形で小学校低学年のうちに基礎学力身につ
けさせる方が良いと思うのだがな。

寝る。

2012年2月21日(火)
朝。
喉の痛いのはうがいで花粉を洗い流してマスクを着用。
肌の露出部分のヒリヒリは慣れるしかない。

昼。
「CSI:マイアミ」を観る。
以前、警察の鑑識課にいたデルコという警察官が、転職して弁護側の鑑定人となったという話。
邦題は「ダークサイドのデルコ」。

(ダークサイド?)
と、ネットで原題を調べてみたら “Delko For the Defense”。
 “Defense” は、ここでは「弁護側」という意味だろう。

確かに、現場でかつての同僚と遭遇したデルコが、ジョークで「ダークサイドに堕ちた?」と言うセリフはあるが、さほど
重要なセリフではない。
そこをわざわざ拾ったのは、アメリカでは弁護士と言うのは「ダークサイド」のイメージがあるということを強調したかっ
たということだろうか?

【ここからちょっとネタバレ注意!】
ちょっと首を傾げたのはAIS(アンドロゲン不応症)の扱いについて。
アンドロゲンとは男性ホルモンのこと。
「アンドロゲン不応」つまり(胎児期に)アンドロゲンに反応しなかったということは、理屈から考えて、この人の外見は
女性に近いのではないかな?
(従って、自分を「女性」だと思って生活している場合が多いはず)

番組では、アンドロゲン不応症が、事故で外性器を失った男性と同様に扱われ(男性として生活し、男性としての自覚や性
衝動はあるのに外性器だけが欠損している)、単にそれが先天的なものであるだけというような描き方だったが、アンドロ
ゲン不応症による外性器の欠損は、後天的な男性器の「喪失」とは違うものだと思う。
(アンドロゲン不応症の患者から、文句は来なかったのだろうか?)

午後。
注文しておいた『論語』(武内義雄 岩波文庫)が届く。
いま書店で手に入る岩波の『論語』は、金谷治さんが解説を書いているものだが、『論語』関係の本には武内版を参考にし
たものが多く、この本が手元にないと何かと不便なのだ。

届いた本は、昭和18年に刷られた本で、戦時中も戦時中。
紙質が悪く、栞のリボンは背とじの糊でくっついちゃっているし、うっかり片手で持ったら物理的に崩壊しそうになった。
でも、なんとか読める。
大事に仕舞っておいて、ときどき取り出して資料として読むには、これでいいと思う。

夜。
吹き矢の講習。
本日、8メートルの距離に初挑戦。
腹筋が痛くなった。

家に帰って、寝る。

2012年2月20日(月)
朝起きると、顔全体が痛い。
花粉症。
年々ひどくなっていく気がする。
これだけ奨励豊富な病気に、なぜ治療薬が発見されないのか。

しょうがないので、差し当たってその時に一番やばい症状に対処しているわけだが、目下の一大事は呼吸の際に飲み込んで
しまう花粉のせいでズタボロになった胃腸と、しつこい微熱。

とりあえず漢方薬の「加味帰脾湯」というのを飲んでみる。
効能書きによれば〈胃腸を丈夫にし、貧血症状を改善〉〈微熱や熱感をともなうときに向きます〉だそうだ。

毎年いろいろと試すのだが、今回は漢方薬で行ってみようか?
「小青竜湯」というのは、主に呼吸器系の症状に効くらしい。

午前中。
畳の上に落ちていた折り込み広告を踏んだら、弾みで紙の端の方が上を向き、それが「足の指の内側の柔らかいところ」を
かすめて、ピッと指が切れた。
血が出た。
地味に痛い。
「畳の上の折り込み広告の端っこを踏んづけて足の指の内側を切る」などという不運に遭遇したのは、間もなく49年にな
ろうとする人生において初めての体験である。
確率的に考えると、こんな不運に遭遇することなく一生を終える人間の方が、遥かに多そうである。
(なぜ、私がこんな目に?!)

昼。
『善の研究』(山口瞳 角川文庫)読了。
「濡れた肌」「なご傷まじ」「イタリア式」それから全体のエピローグである「あとがき」からなるオムニバス形式の説。

新宿の「ホイテ」というバーの常連客を主人公にした話で、「濡れた肌」の主人公は銀行マンだったが、「なご傷まじ」の
主人公は製薬会社の課長。
友人である作家と鹿児島旅行に出かけた主人公は、そこで2人の女性と知り合うのだが……
人身売買組織を扱ったストーリーなのだが、テーマは組織の「悪」ではなく、その組織から脱走しようとする女たちのした
たかさ。
そのしたたかさを、作者は「悪」として描いている。

いまの常識だったら、人身売買組織に売られ、監禁されて、時に拷問を受けている女性たちは、文句無しの犠牲者なのだが
物語に描かれる「犠牲者」は、その女たちの脱出劇に巻き込まれた主人公と、大金をかけて手に入れた女に逃げられた組織
の人間の方。

女が金で売られるのは気の毒なことではあるが、それはまあ仕方がないとして、そこから逃げるために行きずりの男を利用
してしまうなんて、本当に女は怖いよなあ……という感覚なのだ。
(ちなみに彼女たちは、まだ10代という設定)
たった40年前の常識が、すでに今とものすごく違う。

「イタリア式」
主人公は、輸入会社の社員で、美人で金持ちの女性の婿養子に入った男。
女房は家のことはちゃんとしているし、子供の教育にも熱心だし、問題はないはずなのだが、なぜか小説を読まないのだ。
そして、小説を読まないような女と言うのは……

人を殺そうとする人間の「せいぜい懲役三年ぐらいだろう」というセリフに時代を感じる。
(もちろん情状酌量を加味してのことなのだろうが)
昭和40年代の「殺人」に対する意識は、その程度のものだったのか?

小説も読まないし芝居も観ないような人間は、人として何かが欠けているというのは、おそらく著者の持論だろう。
孔子も『詩経』や『楽府』を読むことを勧めていたし、自ら音楽も演奏し、歌も歌った。
たぶん「情操」を大切にするという点で、孔子と山口瞳は同意見だったのだろう。

ふと思ったのだが、最近の若者って「仁」を忘れていないだろうか?
政治家も「愛国心」を教育しようとは言っても「愛」を教育しようとは言わない。
「愛する」が分からなくて「国を愛する」が分かるわけがないと思うのだが。

「誰かを好きになり、その誰かの幸福を心から願ったことはありますか?」
「ぜんぜんないでーす」
「その〈あなたの中にぜんぜんない気持ち〉を国に向けることが、愛国心なのです」
「はあい、よく分かりましたあ」
……これは、ダメだと思う。

夜。
4チャンネル(日本テレビ)をつけたら、ブータンという国の特集をやっていた。
国民の97%が自分を「幸福」だと感じているという国である。
レポーターを民族衣装で出迎えてくれた現地の人。
「その服装では寒くありませんか?」
という質問に、
「寒いです」
おい、すでに彼は「不幸」だぞ!(笑)

ブータンのテレビ局は、建物に入るのに「正装」つまりブータン国民だとこの基本的に民族衣装の着用が義務づけられてい
るとのこと。
みんな寒いのを我慢しながら仕事をしているということなのか?

その後、心理テストに見られる西洋人と東洋人の感覚的な違いについてという話題が取り上げられていた。
たとえば、大きく目立つ花と地味な茎のついた「花の絵」を見せる。
Aグループは「大半が」丸い花びらを持ったグループ。
Bグループは「全て」が直線的な茎を持ったグループ。

「丸い花びらと直線的な茎の花はどちらのグループに属するか」
という質問に、東洋人は「Aグループ」、西洋人は「Bグループ」と答える人が多いのだそうだ。
つまり、東洋人は「全体の印象」でグループを分け、西洋人は「パーツを細かく見て」グループを分ける傾向にあるという
分析結果。
で、私の答えは、「Bグループ」。

その他、2問ほどのテストがあったが、いずれも私は「西洋的感覚」の答えを出してしまった。
(なんとなく周囲と話が通じにくいと感じていたのは、そのせいだったのか?)

……寝よう。

2012年2月19日(日)
寒いのに花粉症の症状はきっちり現れている。
冬と春に、挟み撃ちで殴られている気分だ。

朝刊。
昨日の天皇陛下の心臓手術についての記事が、社会面に載っていた。

東大の小野稔教授が、手術が異例の合同チーム(東大と順天堂大)で行われたことについて、
〈「どう組んだらいいか、率直に不安はあったが、これ以上ないバイパス手術ができた。素晴らしいチームワークの産物」
と会心の表情〉

これに対して、執刀医である順天堂の天野篤順教授は、
〈「全く違和感なく(東大側に)受け入れていただいた」と納得した様子だった〉

手術で医療チームが執刀医を「受け入れない」なんてことがあったら大変だと思うのだが、それをわざわざ、
「違和感なく受け入れていただいた」
とコメントしたあたりに、現場の雰囲気が窺われるな。

東大教授のコメント、
「どう組んだらいいか、率直に不安はあった」
からも「〈東大〉じゃない執刀医を巡る〈東大チーム〉の「違和感」が伝わって来る。

そして、
「素晴らしいチームワークの産物」
と、あくまで「成功したのは〈東大〉のチーム」であることを強調する東大教授に対して、順天堂大の執刀医は「チーム」
の「チ」の字も言っていない。

「医師団会見 一問一答」においても、東大教授のコメントは、
「チームワークも良く」
とか、
「(皇后様は)非常にお喜びで感謝のお言葉を頂いた」
そんなことばっかりで、専門的な手術内容について答えているのは専ら順天堂大の執刀医。

ここからは、私の勘ぐりだよ。
これってつまり「天皇陛下の心臓手術」という医者の檜舞台みたいな手術だったのに、東大にその技術を持った医者がいな
かった。

失敗したら大変なことになるので、しぶしぶ経験豊富で腕のいい〈私大なんか〉の医者に執刀医をやらせたが、〈東大〉の
メンツのために、あくまで手術をしたのは〈東大〉を中心とするチームという形を取った。
これが「異例の合同チーム」の理由。
さすがに執刀医が他大学の教授なのに〈東大の単独チーム〉とは名乗れなかったのだろう。

でも、現実には〈東大〉の医師には、今回のタイプの手術に参加した経験者がおらず、手術室の中では、ほとんど役に立た
なかった。
だから東大教授が「チームワーク」を強調しているのに対し、執刀医は「チームのサポート」について、言及しなかった。
(だって、そんなものはなかったから)
そういうことなんじゃないのかなあ?
まあ、事情がよく分からない部外者としては、「手術が成功して本当に良かった」としか言いようがないが。

昼。
鼻の周りの皮膚が、ティッシュで擦り切れてヒリヒリする。
気管支に入った花粉で胸が痛く、苦しい。

佐藤編集長から借りた『善の研究』(山口瞳 角川文庫)を読み始める。
オムニバス形式の三部作で、第一部になる「濡れた肌」の主人公は、東京生まれの東京育ちで、都内の銀行に勤める東京人
である。
大人になってから暮らしている場所で、幼なじみと再会するということが、当然、あり得る。

彼は小学生時代、いわゆる「いじめっ子」であり、同級生で体の弱い双子の兄弟をいつもいじめていた。
彼にいじめられていたその双子の片割れは、中学の頃に喉の病気で死亡したという。
主人公は、自分がその少年の首を執拗に絞めたことを思い出す。
(もしかして、自分の行為が彼の死の原因なのか?)
そして主人公は、その双子の生き残りと新宿のバーで再会するのである……。

東京生まれの東京育ちにとっては、意外に狭いぞ東京の人間関係。
読んでいてふと頭に浮かんだのが「主人公が田舎へ帰ると、そこで忌まわしい過去の出来事にまつわる事件が……」という
ホラーもののパターン。
あれは東京にさえ帰って来てしまえば「脱出成功」みたいな救いがある。
東京がふるさとという人間は、そういう逃げ方が出来ないのだよな。
話は、いまで言う「ストーカーもの」かな?

その話とはぜんぜん関係のない感想。
この本の初版は昭和48年なのだそうで、そこに描かれている高度成長期の日本のサラリーマンの姿が、実に興味深い。

平成の「家庭を大事にする男たち」には理解しにくいことかもしれないが、当時の男たちは家庭での「女房との気づまりな
時間」から逃げるための努力をしていたらしい。
つまり、今とは逆に「家族と一緒の時間を過ごさないための努力」をしていたことになる。

物語の舞台は、そんな男たちの避難場所とも言える街の酒場。
いわゆる「バー」という形式の飲み屋である。
そこに集った男たちは「マティーニの正しい飲み方」とかについての他愛のない議論をしたりして、時間を潰す。

バーのママは、
「春琴抄だね、まるで」
と、言えば、
「そうなのよ。あのひと、佐助みたい」
という返事が、ちゃんと返って来るような女性。

当時の日本は、知的教養のレベルが高かった……と言って良いのか。
文字も読めないレベルの人間もいた代わりに、ある一定水準以上の教育を受けた人間は、それなりの教養人であった。

いまは、下が上がった分、上も下がって「読み書きパソコン」は小学生でも出来るが、「漫画は字が多すぎて読めません」
なんて平気で言う大学生がいたりする。

夜。
NHKの「平清盛」を、最後の15分だけ観る。
結婚を申し込まれた女性が、その申し込みを受けることによって自分の中に生じる「精神状態」を理由に断りたいといった
内容のことを滔々と述べていた。
そんな精神分析みたいなことをする女は平安時代にはいなかったと思うし、父親の意思決定に対して滔々と反論を述べる女
というのもいなかったと思う。

ドラマ「平清盛」に出て来たような女性は(男性も)、おそらく昭和40年代にもいなかったのじゃないかなあ???
寝る。

2012年2月18日(土)
良い天気。

午前中。
天応陛下の心臓手術開始とニュースで言っていた。
執刀医が日大出の順天堂大学病院の医師だということに、ちょっと驚いた。
(どうした、東大?)

外科医は学閥より技術ということか?
つまり、それだけややこしい手術なわけか。

昼。
秋葉原へ。
最近の秋葉原は、確実に部品屋の数が減っている。
代わりにメイド喫茶のビラ配りが、ほぼ1メートル置きに立っている。
メイド喫茶も飽和状態?
「秋葉原でメイド喫茶をやれば儲かる」と思った飲食店経営のアマチュアが、やたらに店を作って全体の質を低下させたと
いう感じ。

昔のメイド喫茶のメイドさんは、もっと誇り高くて美しかった。
こんな吹き出物だらけの顔にきつくほお紅を塗ったメイドさんなんて、有り得なかった。
生活習慣の乱れが露骨に肌に現われているような女の子は、採用されなかったのだ。
少なくとも飲食店の店員に求められるレベルの清潔感はあって欲しい。

部品屋で電気部品を調達してからドンキ・ホーテへ行き、ヘッドライト型の懐中電灯を購入。
この店のエレベーターのところに「AKB48」という女性歌手グループの写真が貼ってあるのだが、何回見ても顔の見分
けがつかない。

私の記憶では、この「AKB48」、狭い劇場(だってドンキの上だぜ)で常連客だけを相手に歌ったり踊ったりしている
地味なグループで、観に来るのはよほどのマニアという印象だった。
(はっきり言って「こんなのを観に行くなんて、よほどおかしな奴」というイメージだったのだよ、当初は)
それがいつのまにか有名人になっていた。
池袋の西口公園で歌っている連中も、来年あたりは有名になっているかも???(^^)

山手線で池袋に戻って、夕食。
ふろふき大根を頼んだら固かったので、クレームをつけたら、
「仕入れた大根の質が悪かった」
と言って、注文を取り消してくれた。

トウが立っちゃってたのかね?
農業をやったことがないので知らないのだが、2月のこんな時期の大根にトウが立っちゃたりするのだろうか?

帰宅。
ニュースによると、天皇陛下の手術は成功したそうだ。
失敗していたらえらい騒ぎなので、成功して良かったと思う。
寝る。

2012年2月17日(金)
雪は止んだようだ。

午前中。
アマゾンから『孔子』(金谷治 講談社学術文庫)、『孔子』(貝塚茂樹 岩波新書) 、『孔子』(和辻哲郎 岩波文庫)
が届いたので、読む。 

孔子の生涯に関する史料のうち、どれが信頼出来るかとかそういうことについては、人によってかなり違う意見を持ってい
るようであるが、何はともあれ、文化大革命の頃の中国で、孔子が徹底的に否定されていたという雰囲気が伝わって来る。

参考までに、各書籍の初版発行年度は、
『孔子』(金谷治 講談社学術文庫)1990年
『孔子』(貝塚茂樹 岩波新書)1951年
『孔子』(和辻哲郎 岩波文庫)1988年(但し底本は1962年発行の物で、さらに初版本は1937年発行)

昼。
あまり寒いので、風呂に湯を沸かして体を温める。
(真冬に部屋の暖房が足元用のヒーターしかないというのは、やはり問題か?)

銀座のシネスイッチで本日まで「孔子の教え」という映画をやっているはずなので、出かける。
映画館の場所が「駅から1分」だというのに油断して、駅を出てすぐに道に迷う。
交番の警官は「パトロール中」。

池袋では、さすがに交番の警官が全て出払ってしまうということはないと思う。
それだけ治安が良いのか、銀座?
(しかし、役に立たない)

交番で道を尋ねようなどという田舎者は、そもそも銀座の街を歩くなということなのかとカリカリしながら、通行人に道を
聞く。
こちらの人相風体が怪しいせいか、声をかけたら一瞬、警戒されてしまうが、どうにか「あっちの方」らしいということが
分かり、「そっちの方」でビルの警備員らしき人にさらに詳しく場所を聞き、映画館にたどり着いた時には上映開始15分
前だったが、幸い座席は空いていた。
……というか、ガラ空き。
(この映画館、これで経営が成り立っているのか?)

水とパンフレットを買って座席へ。
映画は、孔子が魯の定公に取り立てられたところから始まる。

周潤發(チョウ・ユンファ)が演じている孔子が、いかにも穏やかで人の良さそうで地味なおっさんであるところに好感が
持てた。
実際の孔子は、身の丈2メートル近い大男だったそうだが、そこまで求めるのは無理だろう。

顔回を演じた任泉(レン・チュアン)は、なかなかの二枚目。
好青年っぽさを出していた。

どうでもいいが、物語の冒頭で孔子の妻が「水に濡れても滲まない墨」と言うのを作って持って来るシーンがあって、
(これは何のためだろう?)
と、不思議に思っていたのだが、あとで終盤で顔回が水に落ちた書物を拾うシーンの伏線だったのかと気付き、ツッコミを
許さない細かい脚本に思わず笑ってしまった。

特撮を使ったスペクタクル・シーンとかもあるのだが、映画としての見どころは、やはし孔子と南子(衛の霊公の夫人)の
対決の場面だろう。

南子役の周迅(ジョウ・シュン)が、名優チョウ・ユンファを前に、一歩も引かない名演技を見せてくれる。
内心を探り合う2人の会話の緊張感。
ジョウ・シュンの、上品な色香の漂わせ方がすばらしい。

そのあと、南子が弓で暗殺されるシーンは、史実と違うが(本当は、南子暗殺は朝令の場で、しかも未遂に終わっている)
ま、いいやね。(笑)

史実と違うところを突っ込めば、斉の景公との夾谷の会談の場面もだいぶ話が違うし、顔回が死んだのは孔子が魯に戻って
からだろうとか、いろいろあるのだが、その辺は映画だから。

子路を演じた役者さん、なぜかパンフレットに名前が載っていなかったが、ケーシー高峰を髭面にしたような感じで、私的
には好きだった。
(子路が死ぬ場面では、泣いた)

音楽が好きだったはずの孔子が歌を歌うシーンがなくて、琴を弾くシーンも1場面だけ。
これは,主演のチョウ・ユンファが琴を弾けなかったからかな?
(パンフレットによれば、彼はこの1シーンのために琴の特訓を受けたらしい)

孔子について一通り頭に入れてから、ツッコミを入れつつ観ると楽しめる映画。
何しろ73歳だか74歳まで生きた人の半生を125分にまとめたわけだから、基礎知識がないと目の前の場面がどういう
エピソードを表現しているのだか、分かりにくいと思う。

帰り道。
雪が降っていた。

ジュンク堂に寄ってから、帰宅。
寝る。

2012年2月16日(金)
朝。
外が暗いので「雨かな?」と思ったら雪だった。

天気が良ければ昼から映画でも観に行きたいと思っていたのだが、中止。
でも気分は「映画」だったので、テレビ東京の「午後のロードショー」を観る。
「セルラー」2004年制作のアメリカ映画。

理由も分からず、いきなり誘拐されてしまったヒロイン。
犯人は彼女が外部と連絡を取れないように、部屋の電話をたたき壊すが、実は彼女、理科の教師で超理系。
壊れた電話のコードを接触させることで、電話をかけて救助を頼む。

しかし、そんな方法で行う通話であるから、かかる相手が誰であるかは分からない。
出たとこ勝負で偶然かかった相手は、無責任な性格が理由で彼女に振られたばかりの青年。
ここでもうオチは分かると思うが、無責任だった青年が、ヒロインを救うために必死の努力をした結果、責任感溢れる立派
な若者に成長するという話だ。

この青年ひとりをヒーローにしなくてはならない話の都合上なのか、彼は周囲の協力を求めることが可能な場面でも、なぜ
かひとりぼっちで頑張ってしまう。
その結果、周りの人間は全てヒーローの足を引っ張る障害になり、どう考えてもドタバタコメディのシュチュエーション。

アクションドラマに「携帯電話を切ってはいけない」という縛りを加えたゲームっぽい設定のお話。
携帯電話は階段やトンネルでは切れてしまうので、近道でも階段やトンネルのあるルートは使えないとか。
階段の下に電話を置いて、自分だけ上に上がればいいじゃないか……というようなやり方はルール違反であるらしい。
この「ルール」に納得出来ないと、ヒーローが馬鹿に見えてしまうというのが欠点か?

カッコイイのがヒロインで、理系の強みを利用して敵の動脈の部位を正確に攻撃して倒してしまったり……
(このヒロイン、別にヒーローに助けて貰わなくても、ひとりで立派にやっていけるんじゃないか???)

反対に、カッコ悪いのはヒロインの亭主。
ひとつのドラマに2人のヒーローはいらないからか、やたら役立たず。

もうひとり(?)のヒーローは、最新式の携帯電話。
「最新式の携帯電話には、便利な機能があるのさ」で、悪の親玉をギャフンと言わせてハッピーエンド。
頭を空っぽにして楽しむドタバタアクション映画がお好きな方にお薦め。

個人的な感想。
それにしてもアメリカのお巡りさんって待遇が悪いんだね。
日本で定年退職後の警察官と言ったら悠々自適のイメージがあるが、アメリカはいろいろと大変らしい。
ひとりぼっちのヒーローを、終盤で唯一、助けてくれた老警官の退職後の生活がすごく心配になった。

夕方。
自民党の新しいポスターについて森元総理が批判したそうである。
報道によると、森総理の発言は、
「なんであんなに暗い? 日陰者の……額だけが光ってる。そこから抜け出ようという意味なのか。そこまで吟味して幹事
長はやったのか?」
だそうである。

ポスターは、演説する谷垣総裁の右手が、党のスローガンを指差すデザイン。
総裁の写真が黒っぽいのは、スローガンを際立たせる意図なのかもしれないが、勘ぐりようによっては、総裁の顔を目立た
なくしたデザインは、それを作らせた石原幹事長が谷垣総裁を「党の顔」ではなくしたいという意味に取れる。
そして、そういう「嫌ァな」ことを考えるところでもあるのだ、永田町は。

古狸の森さんがテレビカメラが入っていることを知りつつ、わざわざ「日陰者」とか「幹事長はやったのか」という言葉を
選んだのは、
「石原幹事長は『谷垣はもはや党の顔ではない』とアピールして日陰者に追いやり、自分が総裁の椅子に座る気なのか?」
と、暗に牽制したのではないだろうか?

政治家は、勢力が弱まると叩かれる。
森さんがそういうことを言うということは、例の「石原新党」の問題で、石原幹事長の立場が、党内で微妙なことになって
いるという意味か?

夜。
『史記列伝』を読む。
衛の霊公の夫人南子は、中国の歴史上、有名な悪女とされる。

霊公の太子である??(かいかい=後の荘公)は、継母に当たる南子と仲が悪く、彼女を戯陽?に暗殺させようとするが、
戯陽?がこれをためらったために、発覚してしまい宋に亡命。
霊公は、公子である郢を太子に立てようとするが、彼は母親の身分が低いことを理由に、これを辞退。
まもなく霊公は死去し、南子が「霊公の遺言だから」と郢を即位させようとするが、郢は「??の息子の輒がいるから」と
断った。
そこで輒が即位し出公となった。
??は衛に戻ろうとしたが、入国を拒まれてしまったので、後に姉の子である孔?と共謀して出公を襲撃、出公は魯へ亡命
する。
このとき、孔子の弟子の子路は孔?の宰であったが、??と孔?が仲間割れして孔?の身が危なくなったので、助けに飛び
込んで殺されてしまった。

……と、ここまで書いてみたが、南子のどこが悪女なのかがさっぱり分からない。
南子は淫乱な女だったという記述もあるが、女の悪口を言う者は、大抵「淫乱」だと言うので、こういう記述は、あんまり
当てにならない。

『論語』でも、孔子と会って話をしたというぐらいのことしかなく。
別に会っただけで変なことはなかったと、孔子自身が言っている。
あとは霊公の馬車に同乗したぐらいか。
でも、これはたぶん霊公が乗れと言ったんだよね。

分かったことは、むしろ南子を暗殺しようとした??がろくでもない奴だったということか。
親父のかみさんを殺そうとして失敗。(その理由も、仲間がためらったからだという人望のなさ)
亡命しているうちに自分の倅が公になったと聞き「待て、俺がなる」と戻って来て追い返される。
で、自分の倅を自分で襲撃。
(こんな親父はいらねえ!)

『論語』の世界、読むと案外、血なまぐさい。
寝る。

2012年2月15日(木)
差し当たって雨は降っていない。

日経の朝刊のコラム「春秋」に「狡兎死して走狗煮らる」という成語が引用され、重慶市で組織犯罪撲滅運動を指揮して来
た副市長(「王立軍」という名前だそうだ)が、今月初めに公安部門から外され、間もなく「病気のため休職」となり、今
は北京で取り調べを受けているらしいという話が載っていた。

組織犯罪撲滅運動のトップが、半月後には自分が取り調べを受ける身になってしまったということだ。
(何の容疑で?)
中国で何があったのだろう???

昼。
近所の中華料理屋でランチ。
そのままリブロへ行き、『史記列伝(一)』(司馬遷 小川環樹・訳 岩波文庫)と『論語』(桑原武夫 ちくま文庫)を
買う。
『史記列伝(一)』は、孔子の弟子について知るのに便利。

『論語』は、『論語』という本の「郷党第十」までの部分の抄訳と解説。
なので『論語』そのものを読みたいという人には、別の本をお勧めするが、これはこれで研究書として面白い。
(著者の本業はフランス文学の研究家であるらしい)

帰り道。
地下道の売店でタブロイド紙の表紙にデカデカと「直下型地震」の文字があるのを見つける。
(何だ?)
と、思って帰宅してからネットで調べたら(こういう時にネットは便利)、欧州の専門誌「Solid Earth」に、
東北大学の趙大鵬教授(地震学)らの「東京電力福島第1原発から数キロ西にある双葉断層で、直下型地震が起こる可能性
が高い」という研究成果が掲載されたのだそうだ。

(趙大鵬教授って誰だろう?)
と、これもネットで調べてみたら、中国の北京大学で地質学を専攻した後、日本の東北大学の大学院で地球物理学専攻。
1991年に同大学で博士号(理学博士)を取得し、現在、東北大学の地震・噴火予知研究観測センター火山噴火予知観測
研究部の教授をやっている人なのだそうだ。

夜。
買って来た本を読み返していたら、孔子について調べたいことが出て来て、ついアマゾンに、
『孔子』(金谷治 講談社学術文庫) 1313円 
『孔子』(貝塚茂樹 岩波新書) 756円 
『孔子』(和辻哲郎 岩波文庫) 567円
を発注してしまう。
(うわあ、出費があ……)

いつも思うのだが、講談社学術文庫って、どうして文庫なのに新書より値段が高いのだろう?
「文庫」と言うからには、やはり価格は1000円以内に納めて欲しいんだよな。

寝る。

2012年2月14日(火)
きっっと誰かの涙雨……
今日は「日本ふんどし協会」が定めた「ふんどしの日」。

午前中。
藤岡藤巻の「死ね! バレンタインデー」をBGMに雑用を済ませて時計を見ると、正午を回っていた。
テレビで「CSI」でも観ようかと、立ち上がったら床がグラグラする。

 時刻:12時28分
 震源:茨城県沖(北緯36.3度 東経141.6度)
 深さ:約20km
 規模:マグニチュード5.5

「CSI」は、アメリカの医療保険精度の問題に触れる内容だった。
あっちは基本的に個人主義の国だから、相互扶助的な制度は日本の方が発達している。

ところで、アメリカのドラマを見ていると「アルバイトをしている警官」というのが普通に出て来る。
アメリカの公務員は給料が安い分、副業についての規定が緩いのか?

ちなみに、日本では公務員は「おかみの御用を務めるお役人様」だが、アメリカでは「政府の犬に成り下がった奴」という
イメージになるようで、待遇もその社会的認識に合わせて悪いらしい。
そういうものを全て考え合わせた上で、日米の制度はどっちが良いのかなあ。

午後。
事務的作業を部屋で地味に。
午後3時過ぎに、また地震があった。

 時刻:15時22分
 震源:茨城県沖(北緯36.3度 東経141.8度)
 深さ:ごく浅い
 規模:マグニチュード6.2

最近、茨城県沖を震源とする地震が多いな。

夜。
ますもとたくやさん(「宇宙犬作戦」のメインライター)から升本九八名義で『圓さん、天下を回る』という小説を出すと
いうメールが来たので、アマゾンに予約を入れる。

寝床で『論語』(八?第三)

 子夏問曰     子夏が質問した。  
 巧笑倩兮     可愛い笑顔に♪
 美目?兮     綺麗な目元♪
 素以爲絢兮    肌の白さがその仕上げ♪
 何謂也      って、どういう意味ですか?
 子曰       孔子先生が言った
 繪事後素     絵を描くときだって、白の縁取りで仕上げをするだろう
 曰        そこで子夏が言った
 禮後乎      つまり「礼」とはその仕上げのことですね  
 子曰       すると孔子先生、
 起予者商也    商は面白いところに気づかせてくれるね
 始可與言詩已矣  そういうことを言えるようになれば、詩を語り合うのも楽しいんだ

 【無用の知識】
  子夏:孔子の弟子、卜商の字(あざな)。
  (注意)「卜」はカタカナの「ト」ではなく「卜(ぼく)」という漢字。

子夏が引用した詩だが、『詩経』衛風の碩人篇のこの詩なのではないかと言われているのだが、それにしては、微妙に文言
が違う気がする。

 手如柔? 手の柔らかさは新芽のようで
 膚如凝脂 肌は固めた脂のようだ
 領如?? うなじの細さはキクイムシ
 歯如瓠犀 歯はひょうたんの種のよう
 ?首蛾眉 ナツゼミの額に蛾の眉毛
 巧笑倩兮 笑顔が可愛く
 美目盻兮 目はパッチリ

「巧笑倩兮」なんて表現は、美人を褒めるかなり陳腐な文句だし。
案外と、今は残っていない当時の流行歌か何かの歌詞だったのかも知れない。

ちなみに、「ナツゼミ」は眼の上あたりに緑色の縞があり、その縞に縁取られた部分が四角いくっきりとした額の形を連想
させるらしい。
それにしても、どうして美人のパーツを虫に例えるかなあ?
蚕が生活に密着した国(絹の産地だ)だと「虫」というものに対する感覚が違うのだろうか。

寝る。

2012年2月13日(月)
鼻腔の奥のツンという痛みで目が覚める。
春の訪れをこんな形で知るのは哀しいが、今年も花粉症の季節である。

体がだるい。
花粉症の薬というのは基本的に対処療法的なものなので、飲んでも体調全般が良くなるわけではないのだ。
花粉がどうやら耳に来ているようで、耳の穴の入り口の皮膚がボロボロになった。
(これはマキロンをつけたらどうにか改善した)
今年も少しずつ、体全体の症状に対処して行こう。

昼。
部屋で『孔子家語』(清田清 明徳出版社)を読む。
『論語』に漏れた孔子の言葉を集めた書物ということだが、現存する「孔子家語』は後世の偽作説が有力であるが、まあ、
よく作ったもので、解説を書いている清田さんも「作った人のバイタリティーを褒めようよ」的なことを言っている。
偽書『孔子家語』の作者とされるのは、王粛(AD195年〜AD256年)という三国時代の人らしい。
そして孔子批判によく出て来る「少正卯」のエピソードは、この『孔子家語』に出て来るのだ。

その他の書物でで、このエピソードが出て来る本は『荀子』『説苑(ぜいえん)』『韓詩外伝(かんしげでん)』『十八史
略』。
このうち『説苑』『韓詩外伝』は前漢の時代の書物、『十八史略』は元の時代の書物であるから、大本のネタ本は『荀子』
だと考えて良いだろう。

荀子は、中国の戦国時代末期の人で、孟子の「性善説」を批判し「性悪説」を唱えた人。
そして、問題の「少正卯」のエピソード。
孔子が、魯の司寇(警視総監+裁判官みたいなものか)に任命された、わずが7日後に少正卯という人物を「政を乱す」と
して処刑したという話である。
すごく「性悪説」っぽい。

そもそも、孔子は本当に少正卯を処刑したのか。
それ以前に、孔子が魯の司寇になったというのが、疑わしい。
だから、孔子が少正卯を処刑したという話自体が、嘘なのではないか。
その辺の批判は、この際、置いておくとする。

『孔子家語』に記された少正卯処刑の理由は、以下の5つ。
 一曰、心逆而険。 一、常識に逆らったことを考え,攻撃的である。
 二曰、行僻而堅。 二、やることが偏っているくせに、妙に揺るぎがない。
 三曰、言偽而辮。 三、偽りを言っているのに、弁舌が巧みである。
 四曰、記醜而博。 四、下手に博学なので、書いたものに説得力がある。
 五曰、順非而澤。 五、良くないことをしているのに、人気がある。

現在の基準で考えると、イマイチこの人が死刑にならなくてはならなかった理由が分からない。
少正卯は、魯において人気の高い人物で、孔子の弟子の中にも孔子門下を離れて少正卯の門下となったものがいたらしい。
だから、孔子は魯の国のためではなく、自身の利益のために少正卯を処刑したのではないかというのが、孔子批判の根拠と
なっている。

しかし、見方を変えるとこの5つは、今で言う「独裁者」の条件じゃないか?
それまでの常識に攻撃的に挑戦し、行動に揺るぎがなく、弁舌たくみで博学、そして大衆に人気がある。
そういう人物が、もしも間違っていたとしたら?
孔子が本当に少正卯を処刑したのだとするならば、彼はそこに危険を感じたのではないだろうか?

午後。
ネットのニュースによると、「大阪維新の会」が3月に開講する「維新政治塾」に、民主党の高橋昭一衆院議員が応募して
いたことが分かったのだそうだ

夜。
薬の副作用で、眠い。
なので、寝る。

2012年2月12日(日)
町内餅つき大会の日。
手伝うのが面倒臭いので、つき上がった頃に行って餅だけ買って帰って来る。
つきたての餅、旨し。

午後。
佐藤編集長から「池袋百均巡り」に誘われる。
西池袋のキャン・ドゥから始めて、東池袋のダイソーまで5件の百均を徒歩で巡りながら、それぞれ買い物をして、最後に
「戦利品」について語り合うという、オシャレでも何でもないヒマ人のレジャー。

途中の南池袋公園にて見かけた光景。
この公園、区のホームページによると、

 平成21年9月14日より平成26年度まで、東京電力地下変電所工事及び公園整備工事で閉鎖(一部開放)となります。次に  
 開園するときにはリニューアルされた南池袋公園に会えることでしょう。
 ※一部開放エリアは乳幼児及び小学生の団体利用のためのエリアです。一般の方のご利用はできません。詳しくは区にお 
 問い合わせください。

なのだそうで、知らずにやって来たのだろう幼児を連れた若夫婦が、公園の周囲に張り巡らされた鍵のかかった高いフェン
スを前に、不思議そうな表情を浮かべていた。
ホームページに掲載さえているような説明は、見たところ公園周囲にはなく、どうして遊具の整備された公園の中に自分た
ちが入れないのかが分からなかったようである。

たぶん、この親子、自宅の近所の公園を見かけ「子供が歩けるようになったら行こうね」などと話し合い、天気の良い休日
である今日、子供を連れてここまでやって来たのだろう。
地方行政が、そんな無計画な行動をとる人間を許すわけがない。

公園は行政が管理する施設なのだから、利用したかったら自分からお役人様に問い合わせをしなくてはならないに決まって
いるではないか。
(そして「団体ですか? 個人? じゃあダメです」という返事を聞くわけである)

「平成21年9月14日より平成26年度まで」の5年間は、公園を利用したい幼児にとっては5歳児が10歳の小学校高学年
になってしまう長さだが、行政を仕切る爺さんにとっては「たったの5年」だ。
「次に開園するときにはリニューアルされた南池袋公園に会えることでしょう」という言葉に、それが表れている。
(「5年も後では遅すぎる」なんてことは、爺さんは夢にも思わない)

ただでさえ公園が少ないことで有名な豊島区で、このエリアに住む幼児が「幼児期の外遊び」をする機会を奪われてしまっ
たところで知ったことではない。

幼児期に充分な外遊びをさせないと子供の精神形成に悪影響が出るそうなので、子供を外で遊ばせるのは、親の義務。
但し、子供を「公園以外の場所」で走り回らせるような無責任で呆れた親にならないように。
繰り返すが、このエリアでほぼ唯一の子供の遊べる公園は「たった5年間だけ」は使用出来ないので、そのつもりで。
(やれやれ、である)

南池袋から東池袋方面へ向かう。
サンシャイン60の近くで、交差点の脇に腰を下ろした老人が、
「もう、何もかもおしまいだ!」
と、叫んでいた。
「予言者」か?(^^;

サンシャイン60の中をウロウロしてから東急ハンズに寄り、池袋の地下へ戻ってスパゲッティーとワインで夕食。
西口の「パセラ」で2時間ほどカラオケの後、解散。

家に帰って、寝る。

2012年2月11日(土)
朝からSF大会のスタッフ会議というか、作業。
封筒を数えたり、データを入力したり。

昼。
近所の店で焼き肉。

午後はそのまま会議。
旅行社との連絡にうまくいっていない部分があったとかで、上の方の人たちがいろいろ苦労しているようだった。

会議終了。
企画の持ち込みで来ていた漫画家さんと、例の非実在青少年条例の話。
なんで子供と何の関係もなさそうな警察の幹部が東京都にやって来て余計なことをして行ったのかという裏事情を教えても
らう。

漫画家さんによれば、要するに警察官僚の出世の関門みたいなものに「そういう委員会とかに出向して手柄を立てて来る」
というのがあるのだそうだ。

どう見ても子供なんてものに興味がなさそうな警察キャリアが、「子供たちのために」とか白々しいことを言っていた目的
は「俺の出世に必要な書類を整えるため」だったという話。

警察キャリアというものを思い浮かべてみよう。
その人物が、
「ぼく、子供たちのために力になりたいんです」
と、言っている図と、
「ガキをダシに使って出向後の椅子を確保しよう」
と、言っている図では、どちらが自然に想像出来るか?

職業で偏見を持つのは良くないことだが、高学歴で職業選択の幅に恵まれた人間が、数ある職業の中から「警察官僚」の道
を選んだとしたら、その時点で、その人の目指した「なりたい自分」というものは、自ずと特定出来る気がする。

池袋で漫画家さんと別れ、リブロへ。
『さまよえる孔子、よみがえる論語』(竹内実 朝日新聞出版社)を買う。
読んで分かったのだが、著者はどうやら現代中国が専門のようで、孔子についてはあまり詳しくないらしい。

その著者がこの本を書いたのかはよく分からないのだが、まえがき、あとがき、及び本文(208P〜)と三度に渡って触
れられている2011年2月初旬に北京の天安門広場に孔子の像が建立された「事件」が、何か関係あるのかも知れない。
この像は、後にどこかへ移送されたそうで、
 〈ーーよみがえる孔子
  と、本書の書名を考えていたわたしは、かなり落胆した〉(本文214P)
と、書かれている。

孔子の研究についての新しい発見、学説等を知りたい人には不向き。
文革の時期に孔子の言葉が政治的目的でどのように利用(主に否定的に)されていたのかを知るには、やや役に立つ。
巻末に年表があるので、孔子の生涯をざっと俯瞰するには便利かも。

寝る。

2012年月10日(木)
青空が広がる朝。
やはり花粉症っぽい。

日中の外出がためらわれたので、終日、部屋で『論語』を読んでいる。
この本が、紀元前から現在に至るまで読み継がれて来たのは、やはり「面白い」からなのだろうな。

 子曰、巧言令色鮮矣仁 先生が言うには「弁舌さわやかでやたら愛想の良い人間に、めったに立派な奴はいない」

                                   (『論語』学而第一 陽貨第十七)
同じ文章が、「学而篇」と「陽貨篇」の2ヶ所に出て来る。
孔子が始終、言っていたということなのだろうか。
よほどそういうタイプに痛い目に遭わされたか?

夜。
風呂に入っていたら、K山さんから電話。
「これからワークショップのメンバーと池袋で飲むので来ないか?」
というので、行く。

北口の天狗で飲んでから、一部のメンバーは帰が帰ったあとパセラへ。
私はレパートリーがあまりないので、藤岡藤巻の「私は偉い」とか「息子よ」とか「牛乳・トイレットペーパー・海苔」とか
を歌っていたら、K山さんが、
「なんだか涙が出て来た」
と言うので、
「人の心を動かす感動的な歌だからか?」
と、聞いたら、
「そうじゃなくて、なんか心が痛い気がして」
とのこと。
……ひょっとして、思いっきり「盛り下げて」しまった?(^^;

「このあと、どんな歌を歌っても嘘臭い気がして歌えない」
と言うので、そこで解散。
家に帰って、寝る。

2012年2月9日(木)
朝。
寝床から起き上がろうとしたら、世界がグラリと回った。
良性発作性頭位目眩?(中国語ではない)

(そう言えば、夕べ寝る前に耳に違和感があったかなあ?)
などと。
ともかく頭の位置を動かせないので、そのまましばらく寝ているしかない。

枕元にあった『論語』などを読みつつ、安静に寝ている。

 子夏曰         子夏は言った
 賢賢易色        「賢賢易色」という言葉があるだろう
 事父母、能竭其力    父母に対しては力を尽くし
 事君、能致其身     主君に対しては我が身を捧げ
 與朋友交、言而有信   友人との付き合いでは、信義を重んじる
 雖曰未學        そういう人ならばまだ学問していないと言われる人でも
 吾必謂之學矣      学問を修めた者に等しいと私は思うね

                             (『論語』学而第一)

この2行目の「賢賢易色」の読み方が、諸説あるので有名なところ。

 『論語』(金谷治 岩波文庫)
  読み方:「賢(けん)を賢として色に易(か)え」
  意味:「すぐれた人をすぐれた人として〔それを慕うことは〕美人を好むようにし」

 『論語新訳』(宇野哲人 講談社学術文庫)
  読み方:「賢(けん)を賢として色に易(か)へ」
  意味:「賢人を尊び慕うて好色の心に易え」

 『論語』(加地伸行 講談社学術文庫)
  読み方:「賢(けん)を賢として色を易(かろ)んじ」
  意味:「夫婦はたがいに相手の良いところを見出してゆくことが第一であり、容姿などは二の次だ」

 『論語』(貝塚茂樹 中公文庫)
  読み方:「賢(けん)を賢(たっと)ぶこと色(おんな)の易(ごと)くせよ」
  意味:「人は、美人を好むのと同じように賢人を尊敬せねばならない」

 『論語』(吉田公平 タチバナ教養文庫)
  読み方:「賢(けん)を賢として色に易(か)え」
  意味:「賢い人を賢いとし、美人をしたう心持ちをも忘れ」

 『現代語訳 論語』(宮崎市定 岩波現代文庫)
  読み方:「賢賢(けんけん)たるかな易(とかげ)の色は」
  意味:「易(とかげ)の色は賢々として周囲に応じて変わるもの」

私は、宮崎さんの「とかげ」が一番好きなのだけれど。

午後。
ようやく起き上がって、ニュースを見たら、
〈気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)は9日、東京、埼玉、鹿児島の3都県で花粉症に敏感な人に症状が出始める
花粉飛散量を観測したとして、「花粉シーズン」に入ったと発表した〉

(花粉か!)
花粉症と言うと、「ああ、あのクシャミの出る」と思う人も多いと思うのだが、鼻でも喉でも耳の穴でも、ともかく花粉が
飛び込んで来たら、どこでも炎症が起こりまくるという病気なのである。
当然、耳に入ればめまいも起こす。
(やばいなあ)

また、マスクとゴーグルで重装備の季節。
念のため、風呂で入念に頭髪等を洗い流して、今日は部屋に籠っていることにする。

楽しいニュース。
〈欧州宇宙機関(ESA)は、30億年以上前に火星の表面に存在したと考えられる大洋の地図を発表した。火星を周回中
の無人探査機「マーズ・エクスプレス」の観測から作図した〉(朝日新聞のサイトより)

もうひとつ。
〈マネキンの代わりに人間そっくりのアンドロイドを使った展示「アンドロイドも恋をする?」がこのほど新宿高島屋で始
まった〉

使用されているのは、毎度おなじみ大阪大学の石黒浩教授の「ジェノミノイドF」で、ショーウインドーの中で「春物の服
を着て恋人を待っている」というストーリーの演技をするらしい。
ちょっと面白い。

……ダメだ。
だるいので、今日はもう、寝る。

2012年2月8日(水)
朝。
雨は降っていないようだが、雲が厚いのか表が薄暗い。

午前中。
佐藤編集長から、
>今日から10日までサンシャインでpage2012をやってる。
というメールが来る。
印刷関係のコンベンションである。

行こうかどうしようか迷っていたら、昼頃、1号くんから電話があり、
「一緒に、古代オリエント博物館に行かないか?」
と言う。

古代オリエント博物館は、サンシャイン60の文化会館にある。
つまりサンシャインのコンベンションセンターがある建物。
ついでなので、まとめて行くことにして、2号くんも誘う。

昼食。
……2人に、当然のようにたかられる。(泣)

page2012。
最新の印刷技術の発表会。
あらかじめネットで申し込んでから出かけたので、メールのプリントアウトを見せれば入場は無料。
特殊な印刷を施した看板をカメラで撮影するとリアルタイムの動画の看板があるべき位置に、アニメのキャラクターが映っ
て動いたり喋ったりする。
結構、面白い。

新聞などで既に使われている技術として、新聞の写真にスマートフォンをかざすとスマートフォンの画面に写真の関連動画
が現れるという技術。
原理は、QRコードと同じで、コードのパターン代わりに写真を登録しておくというものなのだそうだ。

ここでも中国企業の進出が著しいのに気づく。
豊島区の地場産業は印刷業なのだが。

さて、エスカレーターで上に上がって、古代オリエント博物館。
入場料は、500円。(学生は、400円)

シルクロードの遺跡から出た出土品等が展示してある。
ここは、土産物を売るグッズショップがなかなかマニアックで有名。

私は通常はフィギュア系のものには興味がないのだが、美女のフィギュア付きボールペンに、なぜかひと目惚れ。
つい購入してしまう。
750円。

帰宅して彼女の名前を調べたら、ネフェルティティと言うそうである。
アメンホテプ4世(アクナーテン)の妻で、ツタンカーメンの義母にあたる人。
彼女の夫であるファラオ、アメンホテプ4世は、多神教否定の宗教改革(アマルナ革命)を行った人。

結局、唯一神アテンへの信仰に基づくこの改革は、アメンホテプ4世の死後「なかったこと」にされ、エジプトは再び多神
教国家に戻ったのだが「世界最初の一神教」と言われる彼の改革は、同じ一神教であるキリスト教文化圏ではウケが良く、
アメンホテプ4世は、ヨーロッパでは人気が高かったりする。

ミステリー作家として有名な英国人作家アガサ・クリスティーは、このアメンホテプ4世を主人公とする歴史物の戯曲『ア
クナーテン』を書いている。

参考までに。
ツタンカーメンは、エジプトの宗教がアテン神を信仰する一神教から、旧来のアメン神を中心とする多神教に戻った時に、
自分の名前を「ツタンカーテン(トゥト・アンク・アテン)」から「ツタンカーメン(トゥト・アンク・アメン)に改名し
ている。
(「トゥト=似姿、像」「アンク=生命」なので、「トゥト・アンク・アテン」「トゥト・アンク・アメン」は、それぞれ
「生命を持ったアテンの像」「生命を持ったアメンの像」という意味になる)

帰宅。
夜、近所まで出かけたら雪が降り出した。
嫌だなあ。

さっさと戻って、風呂であったまってから、寝る。

2012年2月7日(火)
今日も雨。

雪ではなく雨と言うことは気温はそう低くないということなのだろうが、天気が悪い分、日が照っているよりは寒い。
……当たり前だ。

午後。
札幌の雪まつりで雪像が融けて倒壊し、怪我人が出たというニュース。
それだけ気温が高いということなのだろうが。
まあ、冬の北海道で「気温が高い」と言っても、寒いことは寒いのだろうが。

夕方から、吹き矢の講習。
シャツ2枚、セーターの上にトレーナー、さらにコートと手袋とマフラーをして出かける。
それでも外は寒い。

しかし建物に入ると中は暖房が効いていて、むしろ暑い。
セントラルエアコンとかいうやつで、全館を一斉に暖房しているせいでこうなるらしい。
(せめて体育館と会議室ぐらいは別にした方が良かったのでは?)

帰り道。
雪国出身の人に、
「雪の中で道に迷うということはないのですか?」
と、聞いたら、
「あります」
との返事。
(やっぱり、あるんだ)
方向音痴は雪国に住まない方が良さそうだ。

ドラマ「ストロベリーナイト」を観る。
殺人を犯した少年の話。
数年後、少年は少年院から戻って来るのだが……。

「少年法に護られた殺人者をどうの」という話と「社長のドラ息子に手込めにされた従業員の娘とその恋人との心中噺」を
混ぜてしまったので、なんとも納まりの悪い話になっていた。

心中噺が心中噺として、あまりにも「かたち」が出来てしまっているので、そこに現代の価値観を持ち込んで説教をする主
人公が、歌舞伎の愁嘆場に飛び込んだ「お呼びでない奴」に見えてしまう。

つまり、心中という「あの世」というものがあると信じることから出発する世界観の物語を「死は終わり」という現代風の
世界観を自明のこととして論じているのが、なんとも場違いなのだ。

「この世で結ばれなかった2人は、きっとあの世では幸せになれたんだよね」
に対する返事が、
「死んですべてを終わらせようとするなんて間違っている」
では、会話として成立しない。

そこに少年法で護られている悪人をどうのという、これもまったく別の話が入って来るので、全体を要約すると、
「心中の生き残りが、人殺しのくせに少年法で護られて死刑にならないのは許せないという理由で、彼が恋人の後を追って
自ら命を絶つのを黙認する行為は、死ぬことで安易に罪から逃れるのを認めることになるから間違っている」
という話になってしまう。

詰め込み過ぎで、訳が分からない。
なんで、3つも混ぜたんだ?

アブナイのは、この2人の心中噺があまりにも美しい悲恋物語なので、視聴者が主人公の「自殺はいけない」という理屈を
頭で聞きつつ「心中の美しさ」の方に感情を動かされてしまうというところ。
(理屈でなんのかんの言っても、死は美しいよね)
と、いう感想を抱かれてしまうと、むしろ自殺を勧めるドラマになってしまうのだ。
実にアブナイ。

寝る。

2012年2月6日(月)
朝からなんとなく部屋が暗いと思い、窓を開けたら、雨。
昼頃から本格的な降りになったが、幸いなことに雪じゃない。

昼。
「CSI:マイアミ8」を観る。
邦題:大地の反乱
原題:  Bad Seed
遺伝子組み換え作物による死亡事故を扱ったエピソード。

Wikipediaによると、初回放送は、2009年10月19日だそうだ。
この年の5月に、アメリカ環境医学会が「遺伝子組み換え食品は健康に悪影響を及ぼす」という理由で、出荷停止を求める
ポジション・ペーパーを発表しているから、そういうことが、脚本に影響を与えたのかも知れないな。
TPPでなにかとややこしい最中に日本でこの番組が放映されたのは、別に意図的じゃないと思うが、影響は出るかな?

夕方。
「SPAMALOT」のCDが、やっとイギリスから届いたので、聴く。
ケースに「TONY AWARD WINNER」と書かれた黄色いシールが貼ってあった。
残念ながら音楽を聴く耳を持ち合わせていない私には、単に音色が綺麗で、聴いていてとても楽しい気分になる曲だという
ことしか分からない。

ニュース。
千葉県横芝光町の齊藤町長(48歳)が死亡。
齊藤さんは、一昨年の4月に町長に初当選。
穏やかな性格の人だったが、午前1時半ごろに突然暴れ出し、自分で自分の首を切って水深約1メートルの川に飛び込んで
死亡したとのこと。
使用された刃物は、まだ現場で発見されていない。
千葉県警山武署では、自殺を図った可能性があるとみて調べているそうだ。

先月にも東京の昭島市で、自分で自分の局部を切断してベッドの下に投げ入れ、腹や胸を刺したあとで、隣の部屋に凶器の
刃物を落としてから死亡した自殺者がいた。
最近、変わった自殺の仕方をする人が多いな。


海外のニュース。
フィリピン中部ネグロス島付近で6日午前11時49分(日本時間同日午後0時49分)、マグニチュード6.7の地震が
発生、43人が死亡した。

ここのところ、大きな地震のニュースが多いな。
寝る。

2012年2月5日(日)
良い天気。
でも、寒いことは寒い。

午後。
夕方に乱学講座があるので、その準備。
課題図書である『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』を入れて行く袋を探していたら、昨年の「ニュートン」12月号が
出て来た。
ニュートリノが光速を超えたとかいう例の実験の報道があった直後の号。
(そう言えば、あの実験はどうなったのだろう?)

ニュートリノに質量があることが確認されたのは、割と最近のことだった気がする。
確か日本のスーパーカミオカンデを使って実験したのだとかで、新聞で騒いだんだよな。

(ニュートリノの質量って,全部同じなのだろうか?)
例えば、ニュートリノの変種で「質量0」のものがあったりとかはしないのか?
(「亜ニュートリノ」みたいな???)

通常物質の速度が光速を超えられないのは、速度が光速を超えると質量が無限大になってしまうからだそうだが、仮に質量
0の物質(光子とかじゃなくて)の速度が光速を超えた場合、この物質の質量は、どういう風に変化することになるのだろ
う?

……などと、アホなことを考えつつ「新宿三丁目駅」で京王線に乗り換えようと歩いていたら、いつの間にか「新宿駅」の京
王線の乗り場に着いていた。
私のこの方向音痴の方が、光速を超えるニュートリノより謎だ。

本日のSF乱学講座は〈ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』を深く味わう 〉というテーマの読書会。
講師は岡和田晃氏。

史上最悪の独裁者と言われるドミニカのラファエル・トルヒーヨによって「呪われた」一族の物語。
トルヒーヨは、経済破綻したドミニカ共和国の経済の回復に成功する一方、ハイチ系住民の大量虐殺を行った。
虐殺されたハイチ系住民は、1日に1万7000人〜3万5000人に上ると言われている。
(「1日に」というところが、ものすごい)

なんで「独裁者」と言われる人間に、多くの人々が従ってしまうのか。
経済的に苦しくなって来ると、人間「財政をなんとかしてくれるのなら、もう独裁者でもいいや」と思ってしまうのかね?
日本も、いま財政的に危機なので、あまり他人事ではない。

独裁者は、まず、嫌われ者の少数派を迫害する。
多くの人々が「俺は○○じゃないから、別にいいや」と思っていると次第に迫害の対象が身に迫って来て、ついにはまるで津
波に呑まれるように自分も迫害のされる結果となる。

主人公、オスカー・ワオの祖父も、知識階級でいわゆる名士であり、反体制分子でも何でもなかったはずなのに、思いがけ
ないことから投獄され、悲惨な末路を迎える結果となった。

よって、少数派を攻撃する言動をとる政治家には要注意。
「ゲイ」や「共産主義者」を差別する発言を繰り返す政治家を見たら、
「俺はゲイでも共産主義者でもないから、関係ないや」
ではなく、
「あの政治家は、自分の好みに合わない者を差別する傾向がある」
と分析すべき。

「ゲイや共産主義者を否定するのなら、俺と同意見だから問題ない」
と、思う人間も、彼と君が永遠に同意見とは限らないよ。

『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』は、主人公が愛するポップ・カルチャーを比喩に、「独裁者」を「個人」ではなく
「現象」として描いている。
独裁者は、個人では生まれ得ないのだ。

さて、読書会の話題の中心は、主に作品に登場するそのポップ・カルチャーについてだったので、そういうことに疎い私は
完全に落ちこぼれる。
(すいません、挙げられた本の大半を全く読んでいません)

帰り道。
H田さん(理系)に、
「光速を超えた〈質量0の物質〉の質量」について質問してみたら、やっぱり光速を超えると言うのは無理らしい。

家に帰って、寝る。

2012年2月4日(土)
今日も良い天気。
立春であるから、そろそろ「春」が近づいているはずである。
なのに寒い!

午前中。
東京都の公式サイトをのアドレスに「うちの携帯は訓練用メールが受け取れなかったよ」と送信しておく。
本番の時に送ったはずの情報が受信出来ない人が出て、混乱が起きては困る。
そのための「訓練」なのである。

昼。
東池袋の「あうるすぽっと」へ。
豊島区ご自慢の劇場、図書館、貸会議室の複合施設である。

出来た当時にやたら宣伝していたのだが、あまり宣伝されてうんざりして行かなかった場所。
というわけで、本日初めてその「中央図書館」へ。
建物はさすがにきれい。
机もたくさんあって、勉強中の人がぎっしり。
この机は「3時間総入れ替え制」なのだそうだ。

問題は、本棚がスカスカ。
図書館でこれはないだろうというぐらいに、本の数が少ない。
(もしかして「郷土資料館」と並ぶ「豊島区がっかりスポット」か?)

トイレの水道、わざわざお湯と水が切り替えられる仕組みの蛇口が取り付けられているのに「お湯は出ません」の貼り紙。
(これは「節電中」という意味なのだろうか?)

微妙な感想を抱きつつ外へ。
サンシャイン60で買い物。
(と言っても、実際に物を買ったのはダイソーでぐらいだが)

ちょっと発見。
いつの間にかにサンシャイン60と東池袋駅の間に地下道が開通していた。
(あとで調べたら、昨年の2月2日開通だそうだ)
開通イベントとかやったっけ?
なんだか、知らないうちにひっそりと開通していたという感じだな。
しかし、ここが出来て、60階通り(※)の商店街は、結構、打撃を受けたんじゃ……?

※60階通り
 正式には「サンシャイン60通り」。
 池袋駅とサンシャイン60の間にある通りで、池袋最大の繁華街。
 テレビで「買い物客で賑わう池袋」の映像が映ったら、たいていはここだと思って良い。
 池袋駅からの地下道は、この通りの直前でいったん切れ、この通りの終わりからまた始まってサンシャイン60に繋がっ
 ている。
 つまり池袋駅から地下道を通ってサンシャイン60へ向かう人々は、この繁華街を抜ける間だけは店舗の建ち並ぶ地上に 
 出なくてはならない構造になっているのである。

不自然に切れているあの地下道もアレだとは思っていたが「裏口」から繋げちゃったか……。(^^)
街の中心地が池袋駅から東池袋駅へ移って、みんなが直で東池袋に行くようになると、60階通りの人通りは減らないだろ
うか?
そして西口側は、よりいっそう寂れる?  Σ( ̄□ ̄|||)!

サンシャイン60の「とりじん」で、軽く飲んで、帰宅。
ニュースを見たら、
〈民主党の小沢一郎元代表は4日までに共同通信の単独インタビューに応じ、野田佳彦首相の消費税増税方針は「筋道が違
う。経済政策としてもおかしい」と述べ、法案採決では反対に回る意向を表明した〉(産經新聞のサイト)
だそうだ。

景気低迷で政府の財政が厳しいとき、素人でも思いつくのは、
(1)減税して景気を上向きにすることで、税収を増やす。
(2)増税して直接的に税収を増やす。
の2通りの方法。

(1)の欠点は、現在の景気低迷の原因が国際的な経済の悪化にあるため、減税ぐらいでは景気が上向かず、税収が増えな
いどころか減ってしまう危険性があるという点。
(2)の欠点は、景気をますます悪くしてしまう危険性があり、いわゆるじり貧に陥って税収が減り、仕方がないのでまた
増税して、さらに景気が悪化……の悪循環に陥る危険性があるという点。

長期的に考えれば(1)の方が、景気の悪化を加速させない分だけ、まだましな政策のような気がするが、短期的に政府の
財政を改善するには(2)の方が即効性がある。
問題は、目下、日本の政権はほぼ年替わり状態なので、政治家が長期の見通しより短期の見通しに偏った政策を好みがちで
あるということ。

いまさら言っても仕方がないとは思うけれど、麻生政権の時に、自民党がサブプライムローン対策より麻生降ろしを優先し
たりしなければ、政権交代もなかったかも知れないし、こんな「年替わり政権」状態にもならなかったかもしれない。
なにより、あのとき経済政策をちゃんとしておけば、いまの景気はもう少しマシなものだったのではなかろうか?

海外のニュース。
〈ロシア、反政権集会に3万6千人〉

プーチンも、そろそろやばいのかな?
日本のマスコミは、ロシアについて北方領土がらみぐらいでしか騒がないけれど、なんと言っても「お隣の大国」揺れれば
こっちにも響くに決まっているのだが。

寝る。

2012年2月3日(金)
日本各地で最低気温更新中なのだそうだ。
北海道枝幸町歌登で午前7時17分に氷点下32.6度を記録とのこと。
(自宅から出て、駅に辿り着くまでに死ぬんじゃないか?)
と、一瞬考えたが、前に見た北海道の地図(夕張市周辺)を思い出してみると、鉄道より道路が発達しているようだった。
北海道の人は、ドア・ツー・ドアで車で移動するので、気温が低くても大丈夫なのかも知れない。

(ところで「歌登」って、北海道のどの辺なんだろう?)
Google Mapによると、紋別とクッチャロの間?
……ということは「前頭葉」の辺りか?
(どういう地図の見方だ!)

昼。
ニュースで、本日は池袋で帰宅困難者の訓練を行い、区内の携帯に訓練用のメールを送信したと言っていたのだが……。

すいません、うち、来なかったみたいなんですけど???
メール送信は朝の10時頃だったそうで、携帯が入ったバッグは、座っている私の頭の真後ろぐらいの場所にかけてあった
から、いくらなんでも着信音が聞こえなかったということはないはずなのだが?
念のため、取り出して確認するが、着信履歴もない。

行政にハブられた?! ( ̄▽ ̄|||)
「こんな安い携帯を使っている奴に教えてやる必要はない」みたいな?
(もしかして受診不能な機種とかがあるとかだったら、あらかじめ教えておいて欲しいのだけれど、こういうのって、どこ
へ言えば良いのだろう?)

午後。
また、田中防衛大臣がいじめられているというニュース。

田中さん、「風邪で鼻水が止まらなくなったので、委員会中に風邪薬を飲みに会議室の外に出た。食堂で水を貰って薬を飲
み、水だけでは悪いのでコーヒーを注文した」のだそうだ。

これが力のある政治家だった場合。
 →そもそも記事にならない。

そこそこ力のある政治家だった場合。
 →「風邪薬を飲みに委員会を中座」と、報道される。

田中さんの場合。
 →「委員会を中座してコーヒーを飲んでいた」と、叩かれる。

田中直紀、はっきり言って好きな政治家じゃないのだが(豊島区に住んでいるくせに、選挙区は新潟だし)マスコミは公正
中立じゃないという見本のような例だったのが、ちょっと面白かったので。

ちなみにこの人、もともと自民党だったのに、鳩山さんの時に民主党に鞍替えしているので、
自民党にとっては裏切り者。
民主党とっては、「せっかく政権を取ったのに、初手でヘタを打って党の支持率を思いっきり下げたバカ首相の手下」。
どう考えてもバックが弱いので、叩いても後の祟りが怖くない。

返り咲きの可能性がある政治家を、今は弱いからとうっかり叩いてしまうと、後でそいつが権力を取り戻した時に、自分の
ところだけ大事な情報をリークしてもらえなかったりとか、マスコミ的にいろいろと困ったことが起きる。
「その点、田中さんなら大丈夫だろう」と、マスコミもきっと安心して心置きなく叩いているに違いない。

夕方。
寿司を手土産に1号くんのアパートへ、誕生日を祝いに行ってやる。
寿司屋の前に行列が出来ていたので、何かと思ったら節分の「丸かぶり寿司」を売っていたのだ。

節分に寿司を食うという習慣は、いつの間に定着したのだろう?
たぶん、冬場の寒い時期、温かい蕎麦やうどんに客を取られてしまう立場の寿司屋が、必死で宣伝したのだろうな。

どうでもいいことだが「土用の丑の日」だって、夏場でうなぎが売れない時期に客を集めようといううなぎ屋の工夫だった
ので、本来はうなぎって冬場の食べ物のはずなのだよな。

1号くんの部屋へ行き、寿司を食べてケーキを食べて、録画してあったアニメ「テルマエロマエ」を見て、酒を飲む。
「テルマエロマエ」は、蛙男商会の作品なので、フラッシュ・アニメ。
原作のゆったりした雰囲気とは、また別のイメージの演出(つまり、ボケまくって視聴者に突っ込ませるタイプの案出)に
なっていて、それなりに面白かった。

帰宅。
豆を撒いて、寝る。

2012年2月2日(木)
朝。
秋田では雪崩が起き、名古屋でも大雪なのだとニュースで言っていた。
東京に生まれて、本当に良かった。
もしも豪雪地帯とかに生まれていたら、雪の中で道に迷ってとっくに死んでいるぞ、私は。

雪国の人は、真っ白な雪の中でも迷わず目的地に辿り着けるのだろうな。
雪の多い地方で方向を見失うというのは生命に関わるから、方向音痴は雪国では自然淘汰されてしまって子孫を残せない?
雪国の人とそうでない人とを比べて、方向音痴の割合を調べてみたら興味深いような気がするが、そんなヒマな調査をする
人間はいないか。

ニュース。
沖縄防衛局長が職員に投票を呼びかける講話を行っていたという話が、国会で問題になっているそうだ。
言い出したのが共産党で、乗っかったのが自民党という、30年前だったら完全にジョークの世界。

可哀想な田中防衛大臣は、民主党の「弱点」と見られているのか、タコ殴り状態。

狙いは、
 田中さんは悪い
 ↓
 田中さんを大臣にした野田さんは悪い
 ↓
 責任を取って「橋下・石原の新党が体勢を固めてしまう前に」(←ココが大事!)解散総選挙をしろ
……なんだろうなあ。

この講話、たぶん歴代の局長が長年ずっとやっていたことなのだろうね。
小泉政権時代とかだったら、問題にはならなかっただろうこと。
政府に力がないというのは、こういうことか。
支持率の高い政治家は、まずいことをしていないのではなく、まずいと思わせないだけの力を持っているのだよな。

大阪の橋下さんの実際の発言を漫画のフキダシに入れ、フキダシの口の部分に菅さんの写真を貼って、
「あなたは、この〈発言内容〉を支持しますか?」
という心理実験をやってみたら面白いと思う。

夜。
東京MXで「CSI:マイアミ2」という番組を見ていたら、ちょっと面白いことがあった。
この「CSI:マイアミ」は「CSI」というラスベガスを舞台にしたドラマのスピンオフ作品。
「CSI」には、もうひとつスピンオフ作品があって、それが「CSI:NY」。

今回の「CSI:マイアミ」(サブタイトルは「マイアミーNY合同捜査」)は、どうやらちょうど来週で第2シーズンが
最終回になり、「CSI:NY」が新番組としてスタートする、その次回作の「顔見せ」の回であったらしい。

「CSI:NY」は、日本でも何度か放映されているので、私にとって「CSI:NY」のメンバーは馴染みの顔になっている。
ところが(たぶん最初に吹き替え版を作ったときの都合だろう)レギュラー番組である「CSI:NY」のNYメンバーの
声優と、この「CSI:マイアミ」で同じメンバーを担当した声優は違う人になっているのだ。

そして驚いたことに、役者は同じアメリカの俳優なのに、声が違うだけでぜんぜん別人に感じてしまうのである。
特に、正義のために自分の意志を貫き通す「自由の女神」ことステラ・ボナセーラ捜査官が、単に我の強い厚かましいおば
さんみたいな印象になっていたのには驚いた。

人間が何かに抱くイメージは、こんな簡単なことで変えられてしまうものなのだな。
寝る。

2012年2月1日(水)
朝。
コートを着て道路まで出たところで手袋を忘れたことに気づいて、近所の百均で買う。
こんなしょうもないことで105円出費するのはアレなのだけれど、ないと指がかじかんでしまう。

勤労福祉会館。
館長が挨拶に出て来て、
「2月3日に携帯電話向けの訓練用緊急速報メールが送られるので、着信音が鳴っては困る人は、あらかじめ携帯の電源を
切っておくように」
とアナウンス。

これはたぶん区のサイトとかでもアナウンスしているのだと思うのだが、用もないのに区の公式サイトにアクセスする人と
いうのは珍しいだろう。
区の広報紙とかも、読まない人は多いだろう。
当日、区内の会社の会議室等で、ちょっとした騒動が起こることが予想されるな。

クジを引いて、持って行った『さざなみの国』(勝山海百合 新潮社)を読みつつ順番を待つ。
日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
帯の煽りは「こころをじわりと癒す漢方薬小説」。
(「漢方薬小説」という新ジャンルを作ったか、新潮社?)

途中で、クジの順番が回って来たので、続きは帰宅してから読む。
読み易い文章なので、すぐに読める。
話を雑にまとめれば、主人公が「漢方薬となって」国を救う話???
なるほど、確かに「漢方薬小説」だ。(笑)

帯に書かれたストーリー紹介によると、
〈このままでは愛する村が滅亡する。未来を悟ったとき、少年さざなみは旅立った。一匹の猫とともに…… 執拗に続く謎
の襲撃、馬を愛する王女・甘橘との遭遇、剣の使い手の美少女・桑折との奇縁。やがて巷に死病が流行した時、さざなみの
身体に潜む不思議な力が、人びとの運命を一変させていく。 古代中国を舞台に、癒しの極地を描く志怪ファンタジー!〉

これは、嘘ではない。
但し、
〈執拗に続く謎の襲撃〉からは、ただ逃げるだけ。
〈馬を愛する王女・甘橘〉は、主人公を気に入って取り立ててくれたのは良いが、後に彼が平凡な役人に成り果ててしまっ
たのを見て失望する羽目になる。
〈剣の使い手の美少女・桑折〉は、要するに親が決めたいいなずけで、2人の間柄は「奇縁」というほどのものでもない。

帯のストーリーを読んで、明確な目的を持ったヒーローが、力強く運命を切り開き、大活躍の末に人びとを救ってハッピー
エンド……というような物語を期待した人は、きっとガッカリしたと思う。
そういう話ではぜんぜんないから。

この物語の主人公・さざなみは、どちらかと言うと平凡で、地味で、単に真面目な若者である。
塾へ通えば真面目に学び、役人になれば真面目に務め、恩義ある主人には忠心より仕える。
強い使命感も、目的意識もなく、与えられた運命に逆らうことなく、ただその日その日を誠実に生きている。
その平凡な男の存在が、水に浮かべた木の葉が波紋を広げるように、静かに世界に働きかけ、ひとつの国を戦乱より救い、
大自然に奇跡を起こす。
「バタフライ効果」を思い出したな。

読み易いし、面白い小説。
但し、上記の理由で「ヒーローもの」を期待する向きにはお勧めしない。

さてと、もう寝よう。

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