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独 り 言 (2011年12月分)
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2011年12月31日(土)
頸の寝違えはだいぶ楽になった。
風邪の症状もさほどひどくない。

昼過ぎ。
大晦日のバタバタが一段落したので、コミケの最終日をちょっと覗き、O河内さんと池袋で待ち合わせて飲みに行く。

まだ時間が早かったので、開いている店が少ない。
芸術劇場近くの雑居ビルにある「北海道」という店を見つけて、入る。
「これで年末は『北海道』に行ったと自慢できますね」
とかせこい相談。

「せっかく北海道に来たのだからカニを食いましょう」
「北海道と言えば、カニですよねえ」
メニューを見る。
特大たらば釜茹で:3,549円
活たらば茹で:7,329円

>>>>プレイバック!!!

「せっかく北海道に来たのだからホッケを食いましょう」
「北海道と言えば、ホッケですよねえ」

2人でホッケをつまみに熱燗を傾け、今年最後の忘年会。
今年あった忘れたいようなろくでもないことを言い合う。
「今年は、3月に幹事をやるはずだった宴会では地震、11月に幹事をやるはずだった宴会では主賓が入院と宴会に逃げら
れっぱなしの1年だった」
「私なんか自分が入院ですよ」
ホント、ろくでもない。(笑)

夕方頃に店を出て、帰宅。
いろいろと細かい用事を片付けてテレビの「紅白歌合戦」を途中から見ようとしたが、あまりにも知らない歌ばかり出て来
るのでやめてしまう。

ネットで楽しそうな動画を探して観る。
結構、面白い作品がいくつも上がっている。
こういうクオリティの高い動画を発表する素人を「プロのアマチュア」と呼ぶのだと1号くんが言っていた。
今後、映像媒体のアマチュア化が進んだら、よほどの「プロのプロフェッショナル」が出て来ないとテレビは負けるな。
競い合って良い作品が生まれるのなら、それもいいか。

教育テレビ(Eテレという言い方は嫌いなのだ)でボレロのカウントダウン(正確にはカウントダウン失敗)を観て、新年
を迎える。

明けましておめでとう!
今年はきっと良い年だ。

寝る。

2011年12月30日(金)
風邪で喉が痛く、寝違えて頸が痛い。
動けないので、今日の予定を全てキャンセルして寝ている。
最悪だ!

暗い心を和ませようと『と学会誌28』を読む。
「全オタクが泣いた!トンデモ映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』」(寶来誠)
内容:タイトルの通り
寶来さん、おっしゃる通りです。
私もアレはねえ、劇場でカネ払ってうっかり観ちゃってねえ。
アレを観た後で観た「宇宙犬作戦」は、大名作に見えた。(笑)

「本当は恐ろしい少女漫画アニメ」(内海晋平)
内容:OVA「僕は妹に恋をする」についての評論。
私は観ていないが、要するに近親相姦アニメらしい。
兄と妹が恋仲になり、ラブホでセックスしまくる?!
内海さんは倫理面に問題が有りすぎるとおっしゃっていらっしゃる。
私もそう思う。

ところで、内海さんの文章の中に、〈パッケージにひかれて「魔法少女まどか☆マギカ」を幼い娘への誕生日プレゼントに
してしまったような悲劇〉という言葉が出て来た。
私は、「魔法少女まどか☆マギカ」を観たことがなかったので、そういうことには詳しい2号くんに問い合わせてみる。

その回答とネットで検索した内容を合わせると「魔法少女まどか☆マギカ」という作品は、いわゆる「魔法少女もの」を連
想させるタイトルと、可愛らしいキャラクターデザインで視聴者に内容を故意に誤解させたダークファンタジー・アニメな
のだそうで、内容的にはゲーテの『ファウスト』のように悪魔との契約によって破滅する人間を描いた作品らしい。

確かに「幼い娘」にプレゼントしたらトラウマになるかも……。
いちばん謎なのは、そういう内容の作品を「子供向け」と故意に誤解させた制作者側の意図だな。

午後。
さすがに暮れの30日にずっと寝ているわけにはいかないので、正月用品を買いに近所のスーパーへ。
以前は新巻鮭を1本自分でさばいて料理していたりしたのだが、最近では雑煮もお節も簡単に済ませるようになって来た。
お節料理って、大家族向けのメニューだよな。

帰宅。
ニュースを見たら、ユーロが100円割れだって。
日経のサイトによると、
〈ユーロ売りを誘った原因とされるのは、欧州中央銀行(ECB)の資産が急拡大したという情報と、イタリア国債入札で
平均落札利回りが7%近くに達したとのニュース〉
なのだそうだが、それで100円割れまで行っちゃうものなのか?
(誰か経済が分かるひとがいたら、教えて!)

さてと、明日は大晦日。
寝る。

2011年12月28日(木)
朝。
クシャミが止まらない。
熱っぽい。
完全に風邪を引いたようだ。
私はむかしからなぜか大晦日が近づくと風邪を引く。
子供の頃、毎年のように「忙しい時に役立たず!」と家族中から罵られつつ寝ていたのを思い出す。

しかし本日はコミケの初日。
風邪薬を飲んで症状を抑え、知人のブースに差し入れを配り、同人誌を何冊か買う。

コミケ名物の「紙袋」のデザインが例年に比べてかなり地味になっていた。
これも震災の影響か?

帰りの列車内で買った同人誌を少し読む。
『日本SF大会の歩き方 もしくは初心者の部屋』
タイトルからSF大会に詳しくないひとへの入門書かと思ったのだが、読んでみたらSF大会に相当に詳しく、かつ毎年
コスプレをして参加するほどディープなひと向けの「あるあるネタ」+「懐かしネタ」の本だった。

『と学会誌28』
これは読み始め途端に爆笑してしまい、自粛。

池袋で電車を降り、リブロに寄って『西原理恵子の人生画力対決 4』(西原理恵子 小学館)を買う。
例の倒産した理論社とのもめ事の話が載っていた。

理論社という会社が倒産し、新しく理論社という同じ名前の出版社が出来た。
新理論社は、旧理論社から在庫品である「西原理恵子の著作物」の所有権を取得したつもりであったが、著作権者である
西原氏の方はそんなことを許可しておらず、在庫品の所有権を主張。
西原氏は、在庫品のカバーを付け替えて別の会社から販売すべく装丁担当やライター等、他の著作権者の許可を取って、
話を
進めていたのだ。

出版社の倒産で印税を踏み倒された著者がそこまでして損益を回収しようとする例は珍しく(私も初めて聞いた)大抵は
泣き寝入りするようである。
そこで理論社の方としは、恐らくは法律に詳しくない著者を相手に話し合いを行い、なんとか自分たちに有利な形でに話
をまとめてしまおうとしたのだろう、話し合いに応じる条件として「他の出版社の人を同席させない」という条件をつけ
て来た。
で、西原氏が話し合いに同席させたのは「敏腕弁護士」。

その結果、問題の著書『この世でいちばん大事な『カネ』の話』は、ユーメイドという別の出版社から、理論社の同じ本
より安い価格で販売されることとなったというオチ。

おまけにその顛末はネタとして西原氏の漫画に描かれまくり、さらにユーメイド版の方の印税を東日本大震災へ寄付すると
いうことにしたので、理論社、完全に悪役である。

さて、本編の画力対決。
『テルマエロマエ』の作者、ヤマザキマリ氏との対決……はともかく、それに関連したエピソードが面白かったな。
映画「テルマエロマエ」のローマの場面でのセットが、なぜあんなに立派で、なぜ現地人のエキストラをあんなに大勢集め
られたのかという裏話。

実は、イギリスのBBCとアメリカのHBOが共同で制作した「ROME」というドラマのセット(製作費200億円)と
エキストラをそのまま流用したから。
これは知らなかった。
映画制作陣、グッジョブ!

もうひとつ、笑えたエピソード。
親の都合でイタリア→ポルトガル→中東→アメリカと、世界各国の学校に通わされたヤマザキマリ氏の息子。
世界各国で「よその国の自慢歴史」を勉強させられてうんざりという話。

いやあ、戦前は日本でも「日本の自慢歴史」を教えていたらしいのだが「神国」であるはずの日本が戦争に負けて反動で
今度は逆に歴史の授業が妙に自虐的になり、最近また、さらにその反動が出ているらしいから、そのうち日本もよその国
と同じように、また「日本の自慢歴史」を教えるようになるのかな?

あ、また熱が出て来た。
鍋焼きうどん食べて、寝よう。

2011年12月28日(水)
年賀状書き、追い込み!

午前中。
もう何も考えない。
ただひたすら葉書を書いている。

昼食。
茶漬け。

午後。
葉書を書いている。

夕方。
ポストに投函。
そのまま赤羽の知人宅へ飲みに行く。
マッコリ、にごり酒、清酒。
「宇宙船サジタリウス」の話など。

終電で帰宅。
なんか充実した1日だった気がする。
寝る。

2011年12月27日(火)
午前中。
ずっと年賀状を書いている。
キーボードに馴染んだ指が文字を書くのに戸惑って、なんだか以前より字が下手になった気がする。

午後。
年賀状を中断して部屋の掃除。
埃でクシャミが止まらなくなったので、空気清浄機を引っぱり出して来てスイッチを入れるが、点かない。
中を開けたら緑青がびっしり。
完全に錆び付いてしまっていた。

夕方。
1号くんのアパートへ。
半ば強制的に「ノウイング」という映画の鑑賞につき合わされる。

「ノウイング」(ネタバレあり)
50年前、ある小学校で子供たちに絵を描かせ、タイムカプセルに入れて校庭に埋めることになる。
ところが子供のひとりがなぜか自動書記状態になって画用紙に数字の配列を書き始める。

50年後の2009年、物理学者の息子がその小学校の生徒となり、記念行事でタイムカプセルから取り出された画用紙を
手に入れる。
物理学者は、数字が過去に起こった大惨事の日付と犠牲者と場所を示すものだと気づく。
そして、画用紙の数字には、今後に起こる事件の日付も書かれていたのだ……。

突っ込みどころが多過ぎ!
航空機事故お現場を目撃した物理学者は、なぜそれを息子からか隠そうとしたのか?
テレビで放映される事件のニュース報道さえ見せないようにする必要性が分からない。

50年前に子供が教師に画用紙を取り上げられたために紙に書けなかった最後の数字の重要性に気づいた物理学者が、なぜ
息子が自動書記状態になって紙に数字を書き始めたとき、慌てて止めたのか?
自分が知りたがっていることを、目の前で書いてくれようとしているのだ。
止める必要性が見当たらない。

結局、この映画の言いたいことは、
「人類滅亡の危機に気づいたら、それは神の思し召しなので、みんなで素直に死にましょう」
ということなのか?

夕食後。
昨日、前編を見た「99年の愛」の後編を途中から観る。
アメリカに以上した日系移民の苦難の物語。

太平洋戦争が勃発し、一家は日系人収容所へ。
軍隊へ入隊した長男は、442部隊の1員としてテキサス大隊救出作戦に参加し、戦友を庇って戦死する。
広島と沖縄に行った娘2人は、予想通りひとりは被爆、もうひとりは沖縄戦に巻き込まれる。
父親は日本の敗戦を知って包丁で切腹。
「おしん」でもそうだったが、橋田壽賀子ドラマでは「お父さん」は敗戦を知ったら切腹しないといけないものらしい。

ずっと悪役だった日本人差別主義者のアメリカ人、ジェームズ・ハワードは、実はテキサス出身だったので、442部隊が
テキサス大隊を救出したと知って感激し(?)、一家から取り上げた農場をあっさり返してくれる。
よかったね。

気になったのは、一家が暮らしていた収容所の住宅。
「こんなところで暮らすのか」みたいなセリフが出て来るのだが、どう見ても、私がいま住んでいるアパートよりずっと広
くて立派。(笑)
撮影用のセットを作った人の失敗か、それとも私が本当に戦時中の日系人収容所よりひどいところに住んでいるということ
なのか?

夜。
気がつけば年賀状書きが、一向に進んでいない。
そりゃそうだ、机の前でずっとテレビを見てたもの。(^^;
明日はマジメにやろう!

寝る。

2011年12月26日(月)
午前中。
暮れも押し迫って来て、バタバタバタバタと。
ただバタバタやっているだけで、実際の作業はまるではかどっていなかったり。

ニュースを見たら、靖国神社の神門が放火されたそうだ。
犯人は灯油を撒いて火をつけて逃げたらしい。

靖国神社のように政治的に標的にされがちな建物の門は、24時間監視カメラで厳重に警備されていて、灯油なんか撒いて
いたらその場で現行犯逮捕されるものかと思っていたので、犯人が灯油を撒いて、火をつけて、逃げて、門が燃え出すまで
誰も気づかなかったということの方に驚いた。
狙われ易い場所だと分かっているのだから、もう少し厳しく警備した方が良いのではないだろうか?

午後。
午前と同じ。

ネットで拾ったニュース。
12月25日の昼頃、野村證券の公式ツイッターに、
「グループ広報部長の池田です。評論家と名乗る人物が、ネット上にて断定的に当社の破綻について語っているようですが、
根拠のない憶測であり、現在、法的な対応を検討しております。お騒がせいたしました」
というツイートがあったそうだ。

23日に、副島隆彦先生が、自分の公式サイトの掲示板に「おそらく野村証券は、すぐにもつぶれるでしょう」と投稿した
ことに対するものらしい。

そもそもは「ザ・ファクタ」が、12月20日発売の〈2012年1月号〉に「野村救済に『資本注入』計画」という記事
を掲載したことが発端。
(「ザ・ファクタ」は、オリンパスの粉飾決済を一番最初に報道したことで、最近注目を集めている情報誌)
さらに22日には、時事通信が、金融庁が野村証券に対し「再建・破綻処理計画」を求める方向で調整に入ったと報道。

たぶん副島先生はこの辺の記事を読んで書き込みをしたのだろう。
何しろ『人類の月面着陸は無かったろう論』で、アポロは月に行っていなかったと断言しちゃった先生だからなあ。
「野村がゴタゴタしているらしい」が「野村はすぐにつぶれるでしょう」になってしまうぐらいは朝飯前のことだろう。

副島先生の言うことを真に受ける人がどのぐらいいるか知らないが、風評で動く株式の怖さを知っている証券会社としては
早めに手を打っておいたというところかな。

夜。
ドラマ「99年の愛(前編)」をなんとなく観始めてしまった。
日系移民の苦難の歴史の話。
日系1世の青年の若い頃と日系2世のその息子の両方を草K剛が演じている。
おいしい役は、他の役者にやらせないのかジャニーズは?

戦前の日本。
島根の小作人の子として生まれ、口減らしのためにアメリカに渡った長吉は、差別と戦いながら自分の農場を経営するほど
になる。
しかし第二次世界大戦が勃発し……。

反日感情が高まるアメリカから「平和な日本へ」と帰国させた娘2人が、実家の都合で広島と沖縄(!)に住むことになる
あたり、フラグが分かり易すぎるなあ。

寝る。

2011年12月25日(日)
本日はメンサ・テスト合格者の会の例会があるので、昼から出かける。
途中、キャッチボール場の近くを通りかかったら、中からリズミカルな音がする。
覗いてみたらキャッチボール場にボードを持ち込んでタップダンスの練習をしている人がいた。

池袋の街では「地下道でダンスを踊るな」とか、「路上で寸劇をするな」等の注意書きをしばしば見かけるが、「キャッチ
ボール場でタップダンスを踊るな」という注意書きはまだ見かけたことはない。

そう言えば、キャッチボール場の近くの公園には「立教大生は公園内で騒がないこと」という立て看が置いてあったな。
注意書きというのは、もう少し総括的な文章で書いた方が良いのではないだろうか?
インディースのゲリラ撮影っぽい撮影現場の脇を通り過ぎて、会場へ向かう。

今年最後の例会。
私は会場の隅で年賀状の当て名書き。

昨日の「独り言」を読んだという人から、
「なんで『聖書』をわざわざ英文で読むんだ?」
という質問をされるが、『聖書』の和文訳は、あまりに独特の日本語に訳されていて、日本語の方が却って分かりにくいのだ。
英訳文の方が、はるかにシンプルで分かり易い。

例えば……
いま、机の脇に置いてある和英対訳聖書を適当に開いて、目についた文章を拾ってみる。
 “THESSALONIANS 3”  の第12節。
「こういう人たちには、主イエス・キリストによって、命じ、また勧めます。静かに仕事をし、自分で得たパンを食べなさい」(和訳)
  “Now those who are such we command and exhort through our Lord Jesus Christ that they work in quietness 
and eat their own bread.”(英訳)

  “that they work in quietness and eat their own bread” 
「黙って働き、自分で稼いだパンを食えと」だよな?
「静かに仕事をし、自分で得たパンを食べなさい」って、なんでこんな分かりにくい日本語に訳すのだろう?

年賀状書きに疲れたので、後半はDVDを観たり、だべったりに参加。
例会後、簡単な忘年会をやって帰宅。
寝る。

2011年12月24日(土)
朝からずっと年賀状書き。

ニュース(アサヒ・コム)。
〈日立製作所は23日、リトアニア政府が建設を計画中のビサギナス原子力発電所の建設受注に向け同国と仮契約を結んだ
と発表した〉
(あの辺は石油とかガスとかの関係でロシアといろいろアレだしなあ……)

夕方。
ネットのニュースで「クリスマス粉砕デモ」というものがあったことを知る。
自称、非モテ(モテない男)たちで結成された「革命的非モテ同盟」が、「リア充は爆発しろ!」などと訴えて渋谷の街で
デモを行ったというもの。

「リア充」というのは、「満ち足りた生活を送っている者」という意味のネット用語らしく、満ち足りたクリスマスを送って
いる幸せなカップルたちを「粉砕」しようという主張(?)らしい。

藤岡藤巻の「死ね!バレンタインデー!」みたいなものか?
モテないということを笑いとして表現しているのならユーモアがあって面白いと思う。
本気でやっていたら怖いけど。(笑)

……というわけで、今日はクリスマスイブなので、コンビニにクリスマスケーキを買いに行き、部屋で食べてから『聖書』
を読む。
何度も読んでいる本なので、パッと開いたページを気分で……

  “MATTHEW 8:9”  及び  “LIKE 7:8”  の、the centurion(百卒長)の言葉、
  “For I am a man placed under authority, having soldiers under me. And I say to one ‘Go,’ and he goes; and to 
another, ‘Come,‘ and he comes; and to my servant, ‘Do this,’and he does it.”  
((なぜなら私は権威の下にいる者で、配下に兵隊がいるのだが、そいつらのひとりに「行け」と言えば行くし、「来い」と
言えば来る。うちの下僕も、私が「こうしろ」と言えばその通りにするのだ))

これを聞いて、なんでイエスは、
“I have not found such great faith, not even in Israel !”
(イスラエルでもこれほどの信仰を見た事はない!)
と言ったのだろうなあ?

ちなみに、この百卒長、下僕(たぶんユダヤ人)が中風になったので、 ユダヤ人の長老(有力者)を仲介に立ててイエスに
下僕の病気を治してくれるように頼んだ人。

イエスは長老から「彼はユダヤ人のために会堂を建ててくれた人だ」と聞いてその家に向かうが、近所まで来たところで、
百卒長の友人からの伝言を聞く。
  “I am not worthy that You should enter under my roof.”
(私はあなたを屋根の下に入れられるほど立派な人間ではない)

で、かといってこっちから行くのもまたナンだというわけで、
  “But only speak a word, and my servant will be healed.”
(ただ言葉を言うだけにしなさい。そうすれば下僕は癒されるだろう)

これに続くのが、““For I am a man placed under authority 〜”  なわけで、私には軍隊でそれなりの地位にいる百卒長が
近所の手前、当時の非差別民族であったユダヤ人の宗教家なんかを自宅に入れたくないので詭弁を弄しているとようにしか
思えない。

それほど世間をはばかる立場の人が、ユダヤ人の会堂を建ててくれ、なおかつユダヤ人の下僕のためにユダヤ人の宗教家を
呼んだということにイエスは感動したのだろうか?

こういうところが、さっぱりピンと来ないのが、やっぱり文化の違いなのかなあ?
メリークリスマス!

寝る。

2011年12月23日(金)
今日は天皇誕生日である。

年末の買い出しに東急ハンズへ。
街は完全にクリスマス。
繰り返して言うが、今日は天皇誕生日で祝日なのである。
しかし現人神より神の子の方がご利益があると思うのか、完全に忘れられている。
で、もう1度言う、本日は天皇誕生日!

東池袋駅から地下鉄に乗って千川駅へ。
ここのスーパーで新しいGパンを買う。
キンカ堂がなくなって一番困っているのが、私の体型に合う服がなかなか手に入らなくなったこと。
世の中、足が長くて細身の人間ばかりではないのだぞ。

ファミレスでピザとスパゲッティを食べて帰宅。
日本テレビの「1000年後に残したい 報道映像2011」という番組に、元こらくちゃんが出演しているというので、
録画をスタンバイ。
1度見ただけでは、どこに出ているのか分からないような「出演」なので。(^^;

(中国製コピー商品の番組をやっているなあ)
と思っていたら、いきなり番組が始まったので少しびっくり。
最近、こういうCMを挟まない番組開始が多いよな。
ところで最近「中国製コピー商品」を特集した番組が増えたけれど、視聴率が取りやすいのだろうか、この特集?

さて、「1000年後に残したい 報道映像2011」。
東日本大震災の映像を集めたドキュメンタリー番組のようだ。
全く違う番組の取材中にたまたま地震の瞬間を撮影した映像とか。
(本当にどうでもいいことなのかも知れないが、あのニコニコ笑っている小さな女の子の映像は、本当はどんな番組に使わ
れる予定だったのだろう?)

火災のニュースを取材に行くためにタクシーに乗っていたカメラマンが偶然、津波に襲われた映像というのもあった。
津波で停車した車の渋滞に巻き込まれ、タクシーを降りて逃げるカメラマン。
後ろについて来ていたカメラマン助手(女性)の足元が津波で見えなくなる映像をカメラが捉えていた。

……ということは、カメラマン(男性)もその状況を目撃したはず。
しかし助けようとする素振りもなく、ひたすら逃げるカメラマン。
(でも、実況は忘れない。さすがプロ)

幸い助手の方もなんとか自力で逃げ切ったようであったが、「津波てんでんこ」を目の当たりにした気がする。
自分の命は、自分で守らないとね。

続いて、地震とは関係のない詐欺事件のドキュメンタリーが始まる。
金がないのに通販で品物を購入しては代金を踏み倒すことを繰り返す男。
促されると大人しく警察に出頭するが、しばらくすると、また同じ事を繰り返す。
動機は、
「止めようと思うのだけれど欲に負けてしまって」

男のアパートの部屋の押し入れには、通販で買った商品が山積みになっていて、使った形跡もないようなものも。
購入した商品も「高級和包丁」のような、この男の生活とは関係なさそうなもの。
代金を支払えない商品を膨大に買いまくっては、ただ押し入れにしまっている男。
法律的には詐欺罪が成立するのだろうけれど、これはむしろ精神科の領域のような気がしたぞ。

詐欺のドキュメンタリーが終わって、また話は東日本大震災に戻る。
今度は原発事故直後からの数日間を再現したドラマ「日本がもっとも危なかった87時間」。

当時の菅総理を演じたのが大和田伸也で、原子力発電所長を演じたのが山下真司、枝野官房長官役は布施博と、キャストも
なかなか豪華。

ナレーションによると「細かい質問をする菅総理に東電は萎縮していた」というのだが、再現ドラマでは、萎縮していたの
は東電というより、東電と首相官邸の連絡役をしていた東電社員1名である。

例えば「海水注入をする」ということについて、総理大臣は東電社員に、
「安全なのか? 海水を注入するとどうなるんだ?」
と、聞く。
これはこの場合の普通の質問だと思う。

それに対する東電社員の答え。
「パイプが詰まりやすくなります。また腐食しやすくなります」
(違うだろ!)

正しい答えは、
「真水と比べれば不純物がある分パイプが詰まりやすくなったり腐食しやすくなるという問題点はありますが、冷却が停止
する危険に比べれば微々たる問題で、なにより現状では他に炉心を冷却する手だてがありません」
だよな。

だって自分が総理大臣だったとして考えてみろよ!
こういう時に知りたいのは「海水注入によってパイプに起こる現象」か?
それとも「安全かどうか」か?

ところが(あくまで再現ドラマ上でだが)安全について重ねて質問されたこの社員は、うつむいて黙りこくってしまう。
このボディーランゲージから受ける一般的な印象は「えっ、海水注入って、そんなに危険なことなの?」だろう。

で、「ちょっと待て」と言う総理大臣。
それを「総理が待てと言っているのだから海水注入をしてはいけない」と本社に伝える東電社員。

たぶんこの社員は、人生をずっと「上の顔色を読み、あとあと責任を問われそうな言葉は口にしない」という方針で生きて
来たのだろうな。
(うっかり「安全だ」と答えて、万一トラブルが起きたら自分が責任を問われる。それよりただ事実だけを伝えて、それに
よって総理大臣が言ったことを本社に伝えれば「私は事実を言っただけ。判断したのは総理大臣」ということになって、結
果がどうあれ自分が責任を被る心配はない)
そんな風に考えたのだろうか?

とりあえず、この再現ドラマを見た限りでは「総理が細かい事を質問した」のではなくて「東電の社員が総理の質問の趣旨
を取り違えてトンチンカンな細かい内容を答えていた」が正しいな。

まあ、それはさておき……
元こらくちゃんは、画面に大きめに顔が映る位置に立っていて、良かったと思う。

寝る。

2011年12月22日(木)
朝からメールのやりとりでずっとパソコンの前。
ヒマなんだか忙しいんだか。

午後。
年賀状を買いに近所の郵便局へ行く。
小さな郵便局は大混雑中。
なぜ葉書を買うだけで、こんなにくたびれる?

午後。
またメールのやりとり。

夕方。
2号くんから電話。
「今日は忘年会なのに、『犬夜叉』と「らんま1/2』の録画予約をし忘れた!」
「それは気の毒に…」
「……で、頼みたいのだけど」

〈東京MXが入る地域に住んでいる+どうせヒマそう=お前や!〉
という変な数式をもとに私が録画を頼まれる。

夜。
忘年会帰りの2号くん、ビデオを受け取りに部屋へ来る。
ついでに「CSI」を見ると言って、居座る。
「CSI:マイアミ」。
シーズン2当時のエピソードは、最近のものと違って地味だな。

なんかいろいろと忙しかった気がする割に、振り返ってみるとまとまった仕事をしていない不毛な1日。
寝る。

2011年11月21日(火)
朝。
ニュースサイトを見たら、
〈ウィニー開発者の無罪確定〉
一審有罪→二審無罪→検察側の上告棄却
という流れだそうだ。

二審で無罪を言い渡した大阪高裁の判断は、
「悪用される可能性を認識していたが、著作権侵害のために使うよう勧めて提供はしていない」
というもの。
「悪用される可能性のあるものを作ってはいけない」とすると、包丁も金属バットも作れなくなってしまうのだよな。

ちなみに本件を有罪とした京都地裁の判断は、
「著作権侵害をしても安全なソフトとして広く利用されていることを知りながら、不特定多数に入手可能にした」

これを金属バットを例に考えると、
「金属バットが凶器として頻繁に用いられていることを知りながら、不特定多数に入手可能にした」
になる。

検察側の上告を棄却した最高裁の裁判長は、変な判例を作ってしまうことを避けたのだろうな。
「悪用も出来るソフトを開発した人は有罪」なんて判例が出来てしまったら、新しいソフトの開発が出来なくなってしまう
ことになるからだろう。

昼。
『つくられる古代史』(原田実 新人物往来社)読了。
ちょっとショックな内容。
「トロイア遺跡発掘」で有名なシュリーマンについて。
・シュリーマンが考古学に関心を持ち始めたのは40代半ばに入ってから。
・トロイアの実在を否定する説は、当時の学会では主流ではなかった。
・ヒサリクはトロイアがあった土地として当時の学会で有力な候補地だった。
・そもそもヒサリクの丘がトロイアの首都であったかどうかは確定できない。
・それを確認しようにも、ヒサリクの遺跡はシュリーマンが黄金探しのために破壊しつくしてしまった。

8歳の時にトロイア遺跡を発掘すると父親に約束したシュリーマンが、幼なじみの少女とその夢を語り合い、成人して後に
トロイアの実在に否定的な頭の固い学会の連中と戦いつつ、ヒサリクの丘がトロイアの首都であることをつきとめ、ついに
発掘に成功した……というのは、シュリーマンが自分で書いたエッセイの中のお話だったのか。

どうでもいいこと。
73ページの「危機以前の資料による」の「危機」は「記紀」の変換ミスだよね?
(気になる人は、本を買って確かめよう!)

古代史関係で話題になったいろいろな事件の裏話が分かる本。
私のようにあまり古代史の知識のない人間でも、それなりに楽しめた。

午後。
年末のひと仕事、年賀状用住所録作成。
名刺やら葉書やらのデータを手入力。
これってたぶん、何か便利なソフトとか使えば「ポチッ」で済んじゃう仕事なのだろうな。
でも、私は心を込めて(?)この作業に半日かける。

夕方。
ひと休み。
科学関係のニュース。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームが、宇宙望遠鏡ケプラーを使って地球サイズの太陽系外惑星
を発見したと発表。
宇宙望遠鏡ケプラーを使って発見されたのは、地球から1000光年離れた「ケプラー20」という太陽に似た恒星を回っ
ている2つの惑星で、地球より3%大きい星と、地球より13%小さい(金星よりやや小さいサイズ)の星。
それぞれ「ケプラー20f」と「ケプラー20e」と名付けられた。

このニュースの何がすごいのかと言うと、宇宙望遠鏡を使えば、そんな遠く離れた、そんなちっこい惑星でも見つかるのだ
ねというところなのだろうな、たぶん。
地球サイズの惑星なら、生命が存在している可能性も高いわけで(なにせ地球サイズの「地球」に既に例がある)そういう
星を見つけることが出来るようになったということが、すごく興味深い。

夕方。
1号くんから電話。
「軽く飲もう」というので、近所の居酒屋で軽く飲む。

帰宅。
読売新聞のサイトの記事を読む。
アメリカの偵察衛星の写真によると、金総書記が死亡したとされる17日午前8時半に総書記専用の特別列車は平壌市内の
竜城駅(総書記の特別列車専用のホームがある駅)に停車中であったそうで、この時刻に「視察先」には行っていなかった
ようだ。

また、韓国の情報機関である「国家情報院」の元世勲院長によれば「金総書記の動静は15日を最後に確認されていない」
のだそうで元院長は「金総書記は16日夜に官邸で死亡したとの説もある」とも述べたそうな。

そんな感じで、金総書記に関しては、既に「死亡日時」と「死亡場所」について公式発表が怪しくなって来ている。
だからあの国の言う事は……

寝よう。

2011年12月20日(月)
今朝の日経新聞1面のコラム「春秋」が、北朝鮮の金正日総書記死去のニュースに関連して、
〈最近ずっと姿を見せていなかった名物女性アナが今回の訃告で突然復活したのひとつとっても謎なのだ〉
と書いていた。

やっぱりアナウンサー、イ・チュンヒ氏関連のニュースと総書記死去のニュースの間に何かあるんじゃないかというのは、
誰でも考えることだったらしい。
(何者なんだ、イ・チュンヒ?)

国内のニュース。
昨日、川崎市と東京電力が、メガソーラー発電所である「扇島太陽光発電所」の営業運転開始を発表したそうだが、本日は
東北電力が、同社初のメガソーラー発電所となる「八戸太陽光発電所」の営業運転を開始したと発表。
原子力発電所より安全性は高そうだから、発電効率等の問題がクリアされれば、メガソーラーはもっと増えて行くかもね。

午後。
いろいろと業務連絡で時間が潰れる。

夕方。
吹き矢の講習会。
新しい的を買う金がないとかで、穴の開いた的をリサイクル。
すぐに矢が刺さらなくなり、そっちの方で四苦八苦。

夜。
ドラマ「謎解きはディナーの後で」の最終回を観る。
2つの話を繋いで前後編2時間半に引き延ばしたまではいいが、下手に感動話にもって行こうとしたために大失敗。
ものすごく不自然な話になってしまった。
最終回になって、原作にはなかった影山の過去の話が伏線っぽく出て来たところを見ると、第2シーズンをやる気か?

さて、寒いので早めに寝よう。

2011年12月19日(月)
午前中。
『つくられる古代史』(原田実 新人物往来社)を読みかけたのだが、いろいろと雑用が入って中断。

昼。
昼食を食べながら「CSI:NY4」を観る。
アメリカの鑑識職員の活躍を描いたドラマ。
当然のように、画面中央には血みどろの御遺体が……。
(メシ時に流すものか?)

午後。
パソコンの前に戻ってメールをチェックして、ニュースに目を通したら金正日が死んでた。
とりあえず、ここ1週間ほどの朝鮮半島関係のニュースを検索してみる。

12月13日
中央日報日本語版のサイトに〈北朝鮮の看板女性アナウンサーであるイ・チュンヒ氏が10月19日夜9時のニュースでロ
シアのイタルタス通信の書面インタビューに対する金正日総書記の回答を読んだのを最後にテレビに出ていない〉という、
一見どうでもいいようなニュースが流れる。

12月15日
朝日新聞のサイトにも同じ内容の記事が載り、〈(イ・チュンヒ氏は)北朝鮮で最も重要なニュースとされる金総書記の動
静を主に伝えていた〉という解説が付される。

12月16日
韓国側の要請により、急遽、日韓首脳会談の前日に両首脳の通訳だけが同席を許される異例の懇談が設定される。

12月17日
両首脳の懇談が事実上1対1の形で行われる。

12月18日
日韓首脳会談。
李大統領が、慰安婦問題の話ばかりして、日韓経済連携協定の交渉再開時期の話等が出来ずに終わる。

12月19日
朝、北朝鮮、日本海に向けて短距離ミサイルを発射。
正午、北朝鮮の特別放送が「12月17日に、金正日総書記死去」というニュースを発表。
韓国政府、国家安全保障会議を招集。
李大統領、この日の日程をすべてキャンセル。
韓国軍、全体を緊急警戒態勢に。
外国為替市場でウォン急落。

さてと……
北朝鮮メディアによると「金正日氏は17日午前8時半に現地視察の列車の中で心筋梗塞で死去」ということになっている
のだが、こういうややこしい立場の要人の死因や死亡日時、死亡場所に関しては、私はあまり報道を信用しない。
北朝鮮のメディアとなると、なおさらだ。

そうなると、17日の懇談の内容が気になるなあ。
少なくともこの時点で韓国側は北朝鮮で何らかの異変があったことをキャッチしていたと思うのだが。

スパイ小説に、
「金総書記の動静を伝えていたアナウンサーの姿が、最近見えないそうです」
なんてセリフが出て来たら、間違いなく「総書記死す」の暗号なんだけどね。

面白かったのは、本日の昼前後の野田総理の動き。
午前中に北朝鮮が正午から特別放送を行うとの発表があり、外務省からも「過去の経緯から、総書記死去も有り得るのでは
ないか」という内容の報告を受けたあとのこと。

 11時59分、首相、街頭演説を行うため官邸の執務室を出発。
 12時00分、北朝鮮の特別放送が金総書記の死去を伝える。
 12時03分、首相秘書官が「総書記死去」を首相に連絡。
 12時05分、藤村官房長官が首相に「戻ってください」と電話。
 12時09分、首相、街頭演説を取りやめて官邸に戻る。

あと1分で重大ニュースが入って来るかも知れないって時に、普通、執務室を離れるかなあ?
このわざとらしい動きが却って気になる。
まさか李さんに「ゼロアワーには念のため官邸から避難していた方がいいかも」と耳打ちされていたとか???

夕食。
うどん。
(寒くてさあ)

夜。
部屋で軽く飲む。
(ホント、寒くて)

ネットでざっと見た感じでは、日本のテレビ局は普通に「水戸黄門」とかやっていたみたいだ。
風呂であったまってから、『つくられる古代史』の続きを読みつつ、寝よう。

2011年12月18日(日)
快晴。
午前中に雑用を済ませ、午後は「宇宙人ポール」の先行上映を観にシネリーブルへ。
この映画館は、池袋駅に直結しているので雨の日や寒い日には便利。

8階の映画館でチケットを買ってから、7階の本屋をウロウロ。
『つくられる古代史』(原田実 新人物往来社)を買う。
同じ階の呉服売り場で店員を躱しつつ時間を潰してまた映画館へ戻る。

「宇宙人ポール」
大人向けの「E.T.」だと思えば分かり易いのかな?
エイリアンに助けを求められたのは、純真無垢な子供たちではなく、全身ムックリのSFオタク。
(脂肪太りした体型がなんともチャーミング)

コミコンに参加するためにサンディエゴへやって来た英国人オタク2人が、せっかくアメリカへ来たんだから「UFO名所
巡り」をして行こうと、キャンピングカーを借りて旅に出たところ、本物のエイリアンに遭遇してしまい……。

主人公2人がオタクであるため、物語はオタク目線で進められて行く。
オタクじゃない私(御意見無用!)にも、オタクの視点から見た「非オタ」がこんなに話の通じない嫌な連中なんだという
ことが実感できる。

非オタの連中は、オタクと見れば絡むものだと決めているのか、些細なことですぐ難癖をつけて来る。
草食系の紳士であるオタクと違って、粗野な非オタは嫌がる女の子にも平気でちょっかいを出す。
おまけにエイリアンが何であるのかも分からないと来た!
(奴らクリンゴン語が話せないんだぜ。「ヘッ!」)

英国人から見たアメリカ人も面白い。
なんでこいつら、何かというとやたらと銃を出すんだ?

進化論を否定するキリスト教原理主義者なんかもいたりして。
「人間が神が作ったものでないとしたら、瞳はどうなのよ?!」(笑)
(脚本を書いた方はトンデモが分かっていらっしゃる!)

全体的にウエットで眉間にシワを寄せたイメージのアメリカSFに対して、英国人の作るSFはドライでクール。
感動のラストシーンは「未知との遭遇」のパロディなのだろうが、私は「ドクター・フー」のイメージを感じたな。
ラスボスの最期も「レッド・ドワーフ」か「銀河ヒッチハイク・ガイド」っぽい。

感想。
これに比べりゃ「E.T.」は失敗作だ!(^^)v
ぜひSFオタク同士で連れ立って観に行き、帰りの喫茶店で感想を語り合って欲しい。

映画館を出ると、すでに夕方。
「天狗」で軽く飲んで帰宅。

寝る。

2011年12月17日(土)
体調が悪くて、午前中ずっとぶっ倒れている。
おまけに寒い。

昼。
ニュースを見る。
フィリピンのミンダナオ島で台風の被害があったというニュース。
洪水と土砂崩れが発生して400人以上が死亡したという。
(12月に台風?)
と思ってニュース映像を見たら、映っている人たちがみんな半袖姿。
フィリピンは、いま気候的に夏なのか?

午後。
ちょっと用があって2号くんの部屋へ。
昨日の「アリエッティ」を観たというので、
「どうだった?」
と、聞いたら、
「設定にばかり凝り過ぎてて、話が退屈で途中で脱落」
という返事だった。
(そうかあ……)

夕方。
寒いので部屋で作業。
YouTubeにあった  “Brave Sir Robin”  をほぼエンドレスで聴きながら。
(クセになる曲なのだ)

これCDが出ているらしい。
買っちゃおうかなあ……。

夜。
「妖怪人間ベム」を観る。
ずっと引っ張って来た「ベムの忌まわしい過去の記憶」と「名前のない男の正体」の謎が明かされた回。
これを1話で全部やっちゃったので、ちょっと詰め込み過ぎで物語として浅くなった。
次回が最終回なのだが、オチが見えてしまったかな?

寝る前に見たアサヒ・コムの記事に、ちょっと面白いものを見つけた。
国立科学博物館の人類研究部が保管している1万個にのぼる江戸時代の人骨についての記事。
分館がつくば市に移転する関係で、荷造りを前に分類、クリーニングの作業のために取り出された人骨について取材したと
いうものなのだが、これにより、
 ・江戸時代の成人の平均身長は男性が150センチ台半ばで、女性はそれよりも10センチほど低い。
 ・栄養状態が悪く、特に鉄分が不足していた。
 ・死亡率の低い若い世代の骨も多く、伝染病の流行で人が簡単に死んだ時代だった。
というようなことが分かるそうだ。

狭い長屋はスラム状態で、そこで暮らす「江戸っ子」たちはストレスも多かったようである。
ストレスと栄養失調のために体格の悪い若者たちが、不衛生なスラムで伝染病に罹りバタバタ死んでいるような江戸。
時代劇の「江戸時代」は、だいぶ美化されているのだなあ。

寝よう。

2011年11月16日(金)
午前中。
来月の13日にやるライブの件で、出演者とメールで打ち合わせ。
……のはずだったのだが、気がつけば「ブラッドベリはSFか?」などと、まるで関係ない話をしている。
(ダメじゃん)

午後。
当日配布するチラシの印刷に池袋のキンコーズへ。
用紙を選んで、メディアを機械に差し込んで、セルフサービス。
(印刷屋が潰れるわけだよなあ)

ちなみに、我が豊島区の基幹産業は「印刷業」なのだそうだ。
やばいんじゃないか?

ついでなので、地下道をウロウロ。
売店のタブロイドの見出しを見たら、「夕刊フジ」と「日刊ゲンダイ」が揃って小沢一郎無罪説を報じていた。
(おやまあ、「フジ」と「ゲンダイ」は、いつから仲良しに?)

リブロへ。
アスペルガー症の夫を持つ妻によるコミックエッセイを立ち読み。
ざっと読んだ感想としては、
「これって、ただのミスター・スポックじゃん?」
バルカン星では普通の人だと思う。

アスペルガーの人が病気に分類されるのは、単に彼らが(地球上では)少数派であるからに過ぎないのではなかろうか?
アスペルガーが多数派の惑星では、「非アスペルガー」の人は「非論理的なことを言ってキーキーわめく病気の人」と分類
されるのかも知れないな。

ふと気が向いたので、『STAY』(西炯子 小学館)の1〜4巻を買う。
雑誌連載中に読んだ作品と読んでいない作品が混ざっているので迷っていたのだが、映画化もされた評判の良い作品なので
この際、一気読み。

鹿児島を舞台に、演劇部の女の子4人、それぞれの夏休みの物語として開始されたオムニバス形式のストーリーは、当初の
登場人物たちとの関わりを通して広がっていく。

例えば、第1話「STAY」のヒロイン玉井由美とサマースクーリングで出会った刈川エリの学校の生徒会長を主人公とした
全く別の物語。
例えば、第3話「LETTER」のヒロイン山王みちると演劇の講習会で出会った佐藤敦士の同級生を主人公としたこれも
全く別の物語。
例えば、第5話「ANSWER」のヒロイン樋高洋子の結婚相手である松木馨の赴任先の生徒たちを主人公とした……
……そんな感じである。

作者が最も力を入れて描いたのは、司法試験合格を目指して全寮制のエリート校で学ぶ男子生徒と地元の県立高に通う女子
高生の恋愛を描いた話「少年」なのだろうが、私的には同じ恋愛ものでもサイドストーリーっぽい「愛してる」という1編
が好きだ。

始終「愛してる」という言葉を口にする軽薄な雰囲気の少年の、この言葉に込められた人生を賭けた重い意味は、この作品
にとってはスピンオフ的位置づけとなる「少年」の中の「うちが病院でよかったと心の底から思ったわ」というセリフに帰着する。
(さらっと言ったが、彼は「愛」のために死にかけたわけである)

「女子高生」というものがいったいどんなものなのか知りたい人には参考になる作品だと思う。
ひと言で言うならば、成長途上にある「女子高生」は、まだまだ子供である「女の子」から、大人から見ても「大人の女」
のような人間までさまざまなのである。
また、ひとりの「女子高生」の内部においても「子供」と「大人」が同居していたりする。

「あの女子高生がこうだったから、この女子高生もそうだろう」
という考えは通用せず、
「こんな大人っぽいことを言うから、この子は大人として扱って良いのだろう」
という考えも通用しない。
まあ、そういういところが「女子高生」の魅力なのかもしれないが。(決して変な意味ではないからな!)

夜。
「アリエッティ」を途中まで見て、脱落。
これって忙しくバタバタしながら観るには向かない映画だね。

録画しておいたので、正月にでも観ることにする。
(こうしてビデオが溜まっていく)

ひと仕事済ませたら、寝よう。

2011年12月15日(木)
寒い。
12月が嫌なのは、もういいというぐらいに寒いのに、まだ冬が始まったばかりだということ。
あと3ヶ月はこんな気温が続くわけだ。

ほぼ半日、メールでの打ち合わせ。
移動の時間が節約できる分、会って話すより効率的だと思うのかなあ、最近の人は?

夕方。
小腹が空いたので近所のラーメン屋へ。
(こういう中途半端な食事って太るんだよなあ)

コンビニに置いてあったフリーマガジン「R25」に、ヴァージンギャラクティック社が来年から始める宇宙旅行の料金が
書いてあった。
20万ドル(約1540万円)だって。

比較として1908年の世界一周旅行(96日間)の料金が書かれていたが、これが2340円。
当時の大卒初任給の35円を元に換算すると、いまの1350万円ぐらいになるのだそうだ。

しかしヴァージンギャラクティック社のスペースシップでの旅は約2時間で、無重力を体験できるのは約4分間。
宇宙への旅行の人気が出れば、もう少し長い時間の、もう少し安いツアーも出来るかも。

家に帰って部屋でくつろいでいたら、1号くんがいきなり訪ねて来て、
「恐ろしい話を読んでしまった」
と、本を差し出す。
『7SEEDS』という漫画本(人類滅亡後に生き残った人類のサバイバル・ストーリー)なのだが、それは関係ない。
あとがきに書いてあった「度の強い眼鏡をかけている人間には鏡に映った自分が痩せて見える」という話がショックだった
ようだ。

「俺って、自分が思っていたよりデブなのか?」
と、聞くので、
「そうだよ、お前は実は大層なデブなのだ」
と、教えて現実に目を向けさせる。

夜。
テレビで「水戸黄門の歴史を振り返る」みたいな番組をやっていた。
(そう言えば、子供の頃によく観たんだよな「水戸黄門」)
と、懐かしく眺めていたら、山田純大が「格さん」役で出ていたことを知って驚いた。

私は、この人のお父さんが「助さん」で出ている頃の「水戸黄門」を観ていたのだ。
お父さん(杉良太郎)は、私が若い頃、当時の時代劇役者として1番の二枚目だと言われていたひと。
親子で「助さん」と「格さん」をやった役者がいたとは、さすがは長寿番組!

(そんな長寿番組でも、視聴率が取れずに終了してしまったりするのだな)
あと20年ぐらいしたら、テレビ視聴者って、いまのラジオリスナーみたいなイメージになるのだろうか?

寝る。

2011年12月14日(水)
朝。
まずはニュースサイトで「ヒッグス粒子」を検索。
(昨日、見ないで寝ちゃったのだ)
発見されたのか、ヒッグス粒子?

日経のサイトの記事によると、
〈欧州合同原子核研究機関(CERN)は13日、2つの国際研究チームによる実験で、万物の重さ(質量)の起源とされる
「ヒッグス粒子」を発見できる可能性が高まり、研究が大きく前進したと発表した〉

「発見できる可能性が高まり、研究が大きく前進した」かあ。
(微妙……)

国際ニュース。
〈韓国の排他的経済水域で中国漁船船長が韓国の海洋警察官を殺傷した事件をめぐり、韓国では反中国感情が高まっている
一方、13日、北京の韓国大使館には、空気銃用の弾丸とみられる金属球が撃ち込まれた〉
あそこであまり揉めるのは嬉しくない。

ところで、この事件への対応について「弱腰外交」と国民から批判を受けている韓国政府が、韓国の民間団体「韓国挺身隊
問題対策協議会」がソウルの日本大使館前に嫌がらせっぽく置いた少女のブロンズ像の件について黙認しているのは、「弱
腰じゃない」という国民向けアピールか?
だとしたら、ある意味、日本も巻き込まれていることになるな。

昼過ぎに部屋で座っていたら、揺れを感じた。
 時刻:13時1分
 震源:岐阜県美濃東部(北緯35.4度 東経137.4度)
 深さ:約50km
 規模:マグニチュード5.2
東京23区は「震度1」だったそうだが結構大きく感じたのは、震源と建物の向きの関係か?

午後。
『華竜の宮』(上田早夕里 早川書房)を読み始める。
プロローグの出だしは幕張メッセから。

マスコミ嫌いの教授の代わりにテレビ出演を押し付けられた若い研究者、鴻野。
有楽町の居酒屋で友人・星川相手に愚痴を言っているところで、地震発生。
でも、大したことはないようで……

と、「事件」の前兆っぽいものが描写されるので、こっちはこれでこのまま話が進むのかと安心して読んでいたら、
〈鴻野と星川は、その後も地球惑星科学の研究に人生を捧げた〉
という、一文がいきなり!

(えっ「捧げ」ちゃったの?)
と、驚く間もなく、この人たちの人生はさっさと過去のものとなり、物語の舞台は25世紀の未来へすっ飛んでしまう。

例の「地震」は、地球規模の大災害の前兆だったらしく、世界の大半は海中に没した地球はほとんど異世界と化している。
生き残りをかけて行われた遺伝子操作の暴走がもたらした結果、異形の生物が跋扈する世界。
そこで主人公は巨大爬虫類と戦い……。
(SFというより、ファンタジーに近い作品なのか?)

笑ったのは、こんな何でも有りの世界で、それでも生き残っているのが日本の「官僚制度」らしく、第一章、第二章を読み
終わった時点では、ヒーロー、ヒロインの敵は、専らこの制度と役人根性丸出しのエリート連中という図式になっていると
いう点。
第八章まである長い小説なので、この先の展開が楽しみである。

夕方。
来月の藤岡藤巻ライブについて、電話で打ち合わせ。

夜。
国際ニュース。
ユーロが相変わらず安いそうな。
中東ではホルムズ海峡を封鎖するのしないのと、こっちもわけが分からない。
中国と韓国は、海洋警察官殺傷事件でややこしいことになっている最中だし。

じゃあ、日本はどうなんだと政治のニュースを検索すれば……
野田政権の支持率低下で、次の衆議院選では「反民主党票」が自分の方へ来るかと楽しみにしていた自民党だが、思わぬ伏
兵「大阪維新の会」が国政にも手を伸ばしたがっていることが判明。
「反民主党票」を、そっちに取られてしまっては困ると「維新の会」との連携を模索し始め、ついこの間、大阪ダブル選挙
で「維新の会」と戦ったばかりの関西の自民党関係者から「いくらなんでも節操がなさ過ぎる」とツッコミが入り……
……と、そんな感じか?

ちょっとほのぼの? 笑えるニュース。
映画「宇宙人ポール」(グレッグ・モットーラ監督、23日公開)の試写会でトークショーを行った矢追純一氏(76)、
映画のPRそっちのけで「宇宙人は実在する」と熱く語る。

もう76歳なんだねえ。
彼が日本テレビを退職するときに、パーティーの招待状をもらったのだけれど(当時の私は、かなりミーハーな方のUFO
マニアとして、そっち方面の名簿に名前が乗っているような人だったのだ)、まだ学生だったの私には会費が高すぎて行け
なかったんだよなあ。

あれはかれこれ四半世紀前のことになるのか。
その後、こっちはSFの方へ行っちゃったし、矢追さんも「と学会」のゲストとして招かれる人になっちゃったし……
まあ、歴史だよねえ。

寝る。

2011年12月13日(水)
今日も良い天気。

昼過ぎに銀行へ。
通帳の記載について不審な点があったからだが、応対に出た行員も首を傾げてさんざん調べた挙げ句に、
「どうやらシステムを変更した結果、こういう形の記載になったようです」
という返事。
「こういう形」というのは、自動引き落としがあった後に入金と同時に記帳をすると、通帳に入金後の差し引き残高のみが
記載されるという形。
変更前には、自動引き落とし後の差し引き残高が記載された下の行に入金後の差し引き残高が記載されていたのだ。
要するに「入金前の残高を知りたかったら、お客さんが自分で計算してね」という形に変更になったというわけ。

で、その変更を、行員自身も知らなかったということで、
「なんでこんな変更をしたのでしょうね?」
と、カウンターの向こうとこちらで互いに首を傾げる。

「不便になってしまいましたよね」
と、行員。
「不便ですよね」
と、私。
「上の人に、改善してくれるように言ってくれませんか?」
と、言って銀行を出る。

どんな効率的なシステムを目指してシステム変更を行ったのか知らないが、実際に客と応対する窓口係がよく分からないよ
うなシステムでは、却って現場が混乱して非効率だと思うぞ。

その足でリブロへ。
『華竜の宮』を買いに行ったのだが、本棚に見当たらない。
著者名五十音順に本が並んでいるのだが、肝心の著者名を忘れてしまった。

(困ったな)
と、思っていたら、目の前になぜか腹巻猫さんが立っているではないか。
たまたま今日は仕事を早く切り上げてそこへやって来たのだと言う。

「すいません、猫さん。『華竜の宮』の作者って、誰でしたっけ?」
と、聞いたら自分のスマートフォンで検索してくれた。
(正解は上田早夕里さんだった)

良い友人に恵まれているということは幸せなことだ。
検索したいことがあるとき、スマホを持って目の前に現れてくれる友人って素晴らしい。

残念ながらリブロに『華竜の宮』は置いていなかった。
(品揃えが悪いぞ、リブロ)
腹巻猫さんと別れて道路の向かいの、ジュンク堂へ。
『華竜の宮』(上田早夕里 早川書房)を買い、すぐ傍の棚に『MM9ーinvasionー』(山本弘 東京創元社)を見つけて
それも買う。

帰り道。
ブック・オフをうろついていたら、1号くんから電話。
「飲みに行こう」
と、言うので2人で「養老乃瀧」へ。
牡蠣鍋をつつきながらSFの話をする。
アヤシイ2人組。

帰宅。
テレビドラマ「謎解きはディナーの後で」を観る。
お嬢様が新米刑事で、その執事が名探偵という設定のミステリー・シリーズ。

「聖なる夜に死者からの伝言をどうぞ(前編)」。
原作の第1巻第6話の「死者からの伝言をどうぞ」に、第2巻第4話の「聖なる夜に密室はいかが」のエピソードをくっつ
けて前後編のドラマに仕上げたようだ。

後編の予告編の映像を見ると、執事・影山が犯人と間違えられて連行されかかるという原作ではほんの3行程度のギャグを
広げて影山が逮捕されるというドラマにしているらしい。
次回の後編が、どうやら最終回。
荒唐無稽なコメディで、私はそんなに嫌いじゃない作品だったな。

寝る。

2011年12月12日(月)
朝。
イチニ、イチニと駆け出したくなる日付。
しかし寒い。
おまけに体調もイマイチ。

午前中。
部屋で細々とした作業をあれこれ。

昼。
たまったスパムメールの処理。

午後。
うんざりしてやめる。

夕方。
買い物がてら、喫茶店でお茶。
なぜか2号くんとバッタリ会い、お茶を奢らされる。
そのまま2人でミステリー話。
殺人の方法を密談する怪しげな人物としてマークされてないか、我々?

夜。
バラエティー番組っぽいものの終わりの方をちらっとだけ観る。
デパートの歴史についての特集をやっていたので。
「定価販売」ということを始めたのは、ヨーロッパではデパートが初めだったそうだ。

日本では江戸時代に呉服屋の越後屋始めたのが最初だという説が有力。
両者ともにそれまで店で服を買う習慣のなかった層をターゲットに市場を広げたという点が共通する。

ヨーロッパに最初にデパートが出来た当時、貴婦人は教会へ行く以外は外出をしないのが普通だったらしい。
そこで彼女たちが抵抗なく入れるようにと、デパートの内装を教会に似せたのだとか。
マーケティングを考える上で、ちょっと興味深い話だった。

メールをチェックしてから、寝る。

2011年12月11日(日)
目を閉じた次の瞬間、朝だったというような目覚め。
さすがに疲れが残っている。

午前中。
ニュースをボーッと眺める。
有名スケート選手の母親が肝硬変で死んだというニュースは既に耳にしていたのだが、その年齢が48歳。
私もいま48歳なんだが。
肝臓は症状が出ないで病気が進行してることが多い臓器なので、自覚症状がなくてもときどき検査した方が良いね。
ぜんぜん知らない人だけど、ご冥福をお祈り致します。

新聞を見たら、
〈ロシア数万人集会 「選挙不正」各地で抗議〉
〈「プーチン独裁」反発強く ロシアデモ収束へ改革迫られる〉
だって。

与党「統一ロシア」による票の水増し疑惑が発端らしい。
(ところでロシアの第2党ってどこなんだろう?)
と、調べてみたら「共産党」らしい。
じゃあ、万一「統一ロシア」が倒れると、次に政権を取るのは「共産党」なのか?

ところで「統一ロシア」の首相、プーチンさんだけど、ノーベル平和賞に対抗して中国で創設された「孔子平和賞」の今年
の受賞者に選ばれたらしい。
孔子が生きていたら、プーチンさんのようなタイプの政治家を、支持したかなあ?

授賞式にはプーチンさんは出席せず、代わりに北京大学で学ぶロシア人女子学生2人が出席したそうでだが、「北京大学で
学ぶ女子学生」って、どう考えてもロシア政府が派遣した正式な首相代理じゃないよな。
どちらかと言うと「ロシア人なら誰でもいい」という感じで適当な女の子を引っ張って来た印象。
こんなのに名前を使われた孔子さんがなんか気の毒。

午後。
体温が下がって来たので、風呂桶に湯を張って体を温める。
半変温動物である。

今日は池袋のジュンク堂で日本SF大賞の発表があったのだとか。
(もう少し元気なら野次馬に行ったところだったのだが)
大賞受賞は上田早夕里さんの『華竜の宮』。
(あ、読んでない)

夕食。
カツ丼。
(カツ丼って、カツの卵とじなのか?)
と、下らないことを考えつつ食す。

今日はもう寝る。

2011年12月10日(土)
昼からSF大会のスタッフ会議。
初のスカイプ会議に挑戦。
オプショナルツアーについて等話し合う。
1月13日のライブのチラシ撒きを頼み、映像の編集について打ち合わせ。

会議を途中で抜けて、蒲田で行われている「劇伴酒場忘年会2011」へ。
ここでも13日のライブの告知をさせてもらう。

終了後、飲み会。
「アイアンキング」の話など。
11時半頃に店を出ると、月全体の大部分に赤くもやがかかったようになっていた。
皆既月蝕である。

カラオケへ行くというひとたちと別れて、京浜東北線を品川で乗り換え、山手線で池袋へ。
天気が良いので、散歩がてら月食を観る。
乱歩通りを西へ。
池袋のネオンの灯りが届きにくくなった祥雲寺の山門の前で、しばし月を見上げる。
月は、端の方が丸い形に欠けて見えた。
すごく太った三日月型である。

時計を見ると、時刻は0時45分
家に帰って、寝る。

2011年12月9日(金)
良い天気だが、寒い。

午前中。
1月13日のライブの宣伝をメールで頼み、簡単な打ち合わせ。

午後。
会場である大森のライブハウス「風に吹かれて」へチラシを置かせて貰いに行く。
郵送でも良かったのだが、ここのところ家に籠りがちだったので、散歩がてら。
そのあと、池袋で買い物。

夕方、帰宅。
メールをチェックしたら、メーリングリストに川又先生からの「三百字小説急募!」の連絡が流れていた。

夜。
怖いもの見たさで「実写版 らんま1/2」を観る。

流行らない町の道場の三人娘。
母親は既に亡く、家事を切り盛りするおっとりした長女と、キャバクラで働く金の亡者の次女。
自分を道場のあと継ぎと考える高校生の三女に父親は旧友の息子との縁談を持ち込むが、その婚約者は、溺死した若い娘の
呪いがかかった泉に落ちたせいで、水を浴びると女になってしまう特異体質になってしまっていた……

アニメにもなった高橋留美子の人気漫画の実写化。
「らんま」を実写化したかったというより、家族向けコメディドラマの素材を探していて「らんま」に行き当たったという
感じだったのだろうな。
「らんま1/2」という作品を観るつもりだった視聴者には大いに不満が残ったと思う。

ドタバタコメディドラマとしては、これもアリなんじゃないかという感じ。
主演の新垣結衣も可愛かったし、主要登場人物の大半が暴れまくる終盤のアクションシーンも、そこそこに笑えた。

ドラマが終わって、次に始まったのは「天空の城ラピュタ」。
さすがに4時間ぶっ続けでテレビを観ているほどヒマじゃないので、こっちは録画しておいて正月にでも観よう。

今回の「ラピュタ」のテレビ放映、本当は洋画をやる予定を「局の都合で」急遽、差し替えたのだそうだ。
番組の放送予定を変えるほどの「局の都合で」って何だ?
放送する予定だった「ベンジャミン・バトン」に、問題になるようなシーンがあったという話は聞かないが???

一説によると、「ベンジャミン・バトン」より「ラピュタ」の方が安定した視聴率が取れるからで、他局との視聴率競争の
兼ね合いなのだとか。
本当にそうだとすると、視聴者を置いてきぼりの業界内部の競争で番組を差し替えたことになり、アホみたいだ。

そういえば「らんま1/2」も、かつて安定して視聴率を取れていた番組のリメイク。
テレビが守りに入っちゃ、ダメだな。

ベッドに入りかけて「三百字小説」のことを思い出し、原稿用紙に向かう。
ワープロを使い始めたのは学生時代からなのに、未だに第一稿は紙じゃないと気分が乗らない。
書き上げてパソコンで打ち直し、メールで送信。
なんかやることが中途半端だな。(笑)

寝る。

2011年12月8日(木)
雨。
気圧のグラフと平行してテンションが推移する私は、気分がダダ下がり。

日米開戦の日……なのだが、最近の大学生あたりに話しても、
「ゴメン、歴史はあんまり得意じゃなくて……」
こっちが関ヶ原の合戦の話でもしているみたいな返事が返って来る。

部屋で『検証 大震災の予言・陰謀論』(ASIOS アンドリュー・ウォルナー 文芸社)を読む。
東日本大震災は地震兵器による人工地震だったとかいう話あたりまでは、まあ大抵の人は信じない分かり易いトンデモ話の
類なので笑って読んでいたのだが、いわゆる「震災文化人」あたりの放射能に関するデタラメ話になると、うっかり信じて
しまう人もいそうで、やや怖い。

興味深かったのは、「恥の壁」というサイトを立ち上げる事により、震災後のいい加減な報道を国際的規模で集めたことで
一部で大変有名になったアンドリュー・ウォルナー氏の当初の動機。
彼は、こうした悪質な報道を集める事で劇を作ろうとしていたのだと言う。
そんな動機で立ち上げられたサイトに多くの注目が集まったということは、やはり世界中の人がマスコミによるいい加減な
報道にうんざりしていたということなのだろう。

そして注目すべきは、震災直後の報道でまともだったのは「日本国内の報道だった」ということ。
それに対して海外の報道は、入って来る情報が少ない分、推測や大げさな演出に頼りがちで信頼できないものが多かったら
しい。

しかし残念なことに、日本人は「外国人と日本人なら外国人の言っている方が正しいに決まっている」と思うのか、こうし
た海外のデマが日本に伝わるにつれ「日本のマスコミが報道しようとしない海外からの情報」として珍重され、わざわざ正
確な日本国内の報道を排して海外のデマを有り難く押し頂いてしまったアホが続出したというのは、私もネットを見ていた
ので知っている。
(英語で言っているから正しいとは限らないのだぞ!)

目からウロコだったのは、タブロイド紙のウエブサイトの危険性。
タブロイド紙というのは、日本で言ういわゆる「スポーツ新聞」のこと。
紙の新聞を見れば、あの見出しのレイアウトから、この新聞の言っていることは眉唾だとすぐに分かるスポーツ紙。
(「東スポ」の見出しが本当なら、日本中はいまUFOと河童と雪男だらけになっている)

ところが、ウエブサイトになると、あの目印になるレイアウトが普通のフォントの文字となり、まともな新聞と見分けがつ
かなくなってしまうというのだ。
新聞の編集姿勢を正しく示してくれる隣の記事「裸のおネエちゃんのウフン、アハン」みたいなものも、別ページとなって
しまって目に入らない。

よって、こういう「河童の大群、東京を襲撃?!」と大差ない編集姿勢で作られた「震災デマ」が、ウエブ上ではまともな
報道と見分けがつかなくなってしまうというのだ。
(ナルホド、これは気をつけなくては)

ASIOSのメンバーには、山本弘さんやら原田実さんやら「と学会」でお馴染みのメンバーの名前も目立つが「笑う事」
を第一目的とした「と学会」の本とは違い、やや硬い内容になっている。
爆笑したければ「と学会」の本、より詳しく知りたければASIOSの本がお勧め。

午後。
メールのやりとりで潰れる。

夕方。
ひと休みしてニュースを見たら、
〈ヒッグス粒子を探し続けてきた国際的な研究グループが、13日にスイスで記者会見を開いて研究成果を発表することに
なった〉
という記事。

ヒッグス粒子と言えば、ロバート・ソウヤーのファンなら「あれか!」と思う『フラッッシュ・フォワード』の冒頭部分に
出て来る粒子。
これを研究すれば物質の質量の起源が分かるかもというシロモノらしく、理論的に存在が予言されながら、、まだ発見され
ていなかった粒子で、そいつが発見されたのなら大発見なのだが……
(でも、ちょっと待て!)

記事を良く読めば、
「ヒッグス粒子を探し続けてきグループが、研究成果を発表」

どこにも「ヒッグス粒子を発見」とは書いてないな。
前の「NASAの地球外生命体に関する重大発表」の騒ぎの例もあるし、とりあえずシャンパンを抜くのは13日以降に。

どうでもいいこと。
ソウヤーの『フラッッシュ・フォワード』では、ヒッグス粒子を作り出そうとした実験の結果、世界中の人が精神だけタイ
ムスリップしてしまうのだが、さすがにそういうことはないと思う。
当たり前だが。

夜。
「CSI:マイアミ」を観る。
この「CSI」というアメリカのドラマ、月〜火の昼にテレビ東京が比較的最近のシーズンのものを、木曜の夜に東京MX
で比較的古いシーズンのものを放映しているのだが、同じ「DNAの鑑定」の場面で、最近のシーズンのものがパソコンの
画面を見ているに対して、古いシーズンのものでは紙のファイルを見ている。
ドラマの中の場面だからどの程度まで本当なのかは分からないが、科学技術の進歩がすごいというのは間違いないようだ。
(背景のCGも、昔のものはいかにもCGっぽかったのに、今のものは言われても分からなかったりするしなあ)

……寝よう。

2011年12月7日(水)
朝。
テレビのニュースをザッピング。
オリンピックで金メダルを取ったことのある柔道の選手が警察に逮捕されたとかで、そればっかり。
(それほどの大事件なのか?)
つい、鈴木宗男釈放の話題を霞ませるための「マスコミの陰謀」かと勘ぐってしまった。(笑)

昼。
ビックカメラへ。
機材関係で揃えておく必要のあるものがあったのだが、携帯のカメラキ機能ってこういう時に便利だな。
手持ちの機材の写真を撮って持って行き、
「これに繋ぐやつ」
と言うと店員が見つけてくれる。

リブロへ。
『検証 大震災の予言・陰謀論  “震災文化人たち”  の情報は正しいか』(ASIOS アンドリュー・ウォールナー 
文芸社)を買う。

午後。
来月の藤岡藤巻ライブ関係でメールのやり取り。
こういうメールでの打ち合わせって、どうも苦手。
会って話をしないとなんとなく不安になる。
こっちの不安が伝わるのか、先方がだんだんナーヴァスになって行くのが分かる。
これは私の側の失態である。

夕方。
渋谷のライブハウスへ。
1号くんと一緒にやつの知り合いの出演するライブを聴きに行ったのだ。
ロックだと聞いていた音楽は、曲調はロックだが歌詞はフォークソング。
リードボーカルは、そのまま詰め襟を着せたら「委員長」になりそうな男の子。
ドラムは、これも優等生風のメガネくん。

(最近の「ロック」は変わったなあ)
などと、つい中年はつぶやいて1号くんに笑われる。

飲みに行きたいという1号くんにつき合って自宅の近所の居酒屋へ。
いかわたをつまみに李白を飲んで帰宅。

『検証 大震災の予言・陰謀論』を読みつつ、寝る。

2011年12月6日(火)
昨日までと打って変わって天気は雨。
寒い。
部屋の中でもコートを着たくなる。

ニュース。
NASAが、宇宙望遠鏡「ケプラー」が地球型の惑星(ケプラー22b)を確認したと発表。
ケプラー22bの公転周期は290日。
地球からの距離は600光年。
大きさは地球の2.4倍。
ということは、その星で育った「人間」は、背が低くて筋力が強いということになるのだろうか。(^^)ワクワク

昼。
北海道の芸能事務所から電話。
来年のSF大会での「宇宙犬作戦」企画用にオファーを出していたタレントさんについて「出演お断り」のご連絡。
「彼」の所属するユニットのメンバーはイベント用には出さない方針なのだそうだ。
まあ、あのサンシャイン劇場で「客を帰した(客席に入りきれなかった)」という人気ユニットなので、しょうがないな。
では、「彼」なしで企画を考えないとな。

午後。
N医師の病院から封書が届く。
先日の肝臓検査の結果。
「γーGTP 13」

これは肝臓が、
「えっ、お酒って何? そんなものアタシ知らな〜い」
と言っているような数値である。
私の肝臓は、私が酒を飲んでいることに気づいていないのだ。

さァ、忘年会シーズンだ!
お酒は、肝臓を壊さない範囲で飲みましょう♪(^^)

夕方。
吹き矢の講習。
的が古くなってボロボロになって来たのだが。
「役所が補助金を出してくれなくて、新しいのが買えない」と、主催の人に愚痴られる。
どこでも金がない話。

昨日の新聞だったかに書いてあったが、目下日本は耐久電化製品の価格は下がっているが、日用の食品の値段は上がってい
るという「全体にはデフレなのに物価高」という変な状況にあるのだそうだ。

帰宅。
ほとんど習慣で「謎解きはディナーの後で」を観る。
「殺意のパーティにようこそ」。
学生時代に女子生徒の憧れの的であった先輩にパーティーに招かれたヒロインは、そこで先輩の婚約を知らされる。
そんな中、先輩の姉が「赤いドレスに赤い宝石のペンダントをつけた女」に襲われる。
そこで赤いドレスを着ていた出席者が集められて捜査が行われるが……

ゲスト出演のイケメン俳優を悪人にしたくなかったのか、原作と話を変えており、その点がやや不自然。
(いくらなんでも7年近くも一緒に話をしていれば、気づくだろ?)
うーん、イマイチ。

さて、そろそろ寝よう。

2011年12月5日(月)
快晴。
しかし体調は、やや寝不足。
むかしは朝までマラソン飲み会なんて平気だったのだがな。

昼。
「CSI:NY」をボーッと観る。
自転車を祝福するという場面が出て来て、教会らしきところで子供たちが並んで自分の自転車に聖水をかけて貰っていた。
キリスト教徒ではない日本人の目から見ると、ものすごく奇妙で馬鹿みたいな光景に見えるのだが、画面の中は大真面目。

その後の展開でも「あの子は今朝、自転車を祝福してもらったばかりなんだ」なんてセリフが出て来て、相手も普通に聞い
ていたようだから、どうやらアメリカでは当たり前の習慣であるらしい。
日本で言う「交通安全祈願」みたいなものなのだろうか?
海外ドラマを観ていると、よく分かっているつもりの国の常識にときどき「えっ?」となることがある。

そしてアメリカのドラマを観ていて興味深いのが、本当に子供が大切にされているという点。
子供というのは、どうやら「第一優先事項」らしく、子供の誕生会に親が出席しないとうのは大事件らしい。
日本では(少なくとも私が子供の頃は)子供の誕生日を覚えていない父親なんて、ザラだったよな。

子供の頃に読んだ日本の漫画に、父子家庭で病気の子供を家にひとり残して出社した父親の吸うタバコの量が増えたという
エピソードがあって、大人になってからその話を聞いた子供が「お父さんは私のことをそんなに心配してくれていたのか」
と感謝するという「いい話」だったのだが、アメリカだったらこの父親は、間違いなく犯罪者扱いである。

今回のエピソードは、知らずに子供を殺してしまった「犯人」の話。
かなりしたたかな男が、自分が子供を死に至らしめていたことを知ると真っ青になる。

なんとなく「甘糟事件」を思い出してしまった。
無政府主義者の夫婦が殺害された事件。
一緒に夫婦の連れていた子供が殺害されたのは、たぶん犯人にとっては「ついで」に近い動機だったのだと思うが(せいぜ
いが目撃者の口封じ)、この子が実は夫婦の子供ではなく、日系とはいえメリカ国籍を持つ子供だったのだ。
この子がもしもアメリカ人でなかったら、あの事件は歴史に残る大事件には発展せず、その後の満州における「甘糟大尉」
の暗躍もなかったのではないかな、と、私は勝手に思っている。

午後。
どうでもいいような用事で潰れる。

夕方。
2号くんとドトールで会い「コーヒーに毒を入れて人を殺害する方法」について議論する。
どう見ても危ない客である。

帰宅。
簡単な夕食を済ませ、寝る。

2011年12月4日(日)
朝から快晴。
アマゾンから届いた『空中都市008』(小松左京 講談社青い鳥文庫)を読む。
1968年に、SF作家小松左京が書いた21世紀の「未来」を舞台にした児童向けSF小説。
未来世界のさまざまな機械が出て来るが、章末の「注」に、その根拠となっている当時研究中の科学技術についてが記され
ている。
つまり、これはれっきとした「ハードSF」なのである。

即日配達のテレビショッピングは、ネット注文のピザ屋の宅配に近いかな?
人間そっくりのアンドロイドは、それに近いものなら出来つつある。

子供が図書館の電子脳に質問して必要な情報を探すというのは、インターネットの音声認識検索システムだね。
挿絵を担当した和田誠さんがいろいろと工夫して「電話の回線を使って画面に情報が映し出される機械」の絵を描いている
のだが、その機械に「電話のダイヤル」がついているのには唸った。
ダイヤル電話しかなかった時代に書かれた小説なのだと改めて気づくと、すごい!

空中都市、地下都市、月面都市、海底都市、コンピューター、ロボット、等々、1968年に予測された「21世紀の未来
技術」には、はずれたものも当たったものもあったが、残念ながら一番はずれてしまったのは「まえがき」のこの部分かも
知れない。
「(未来の)子供たちは、やっぱり、今のきみたちみたいに、すごく元気で、ちょっとわんぱくで、おやつと遊ぶことがだ
いすきで、なんでもかんでもめずらしくて、ときどきとんでもないしっぱいをして、おとうさんやおかあさんーーつまり大
人になったきみたちを、びっくりさせたり心配させたりするでしょう」
おとなしいが元気はなく、物事にあまり感動せず、失敗を恐れて無難な行動をとる子供が増えているんだよなあ、最近。

夕方。
SF乱学講座。

会場に向かう途中でエピクトさんに会う。
エピクトさん、ヘッドフォンをしていたので後ろから近づいた私に気づかなかった。
「ヘッドフォンをして道を歩くのは危ないですよ。後ろから近づいたのがもしも悪者だったらナイフで刺されています」
と、言うと、
「誰に刺されるの?」
と、聞かれたので、
「逆恨み男に『俺の女を取ったな』とか言われて」
と、答えると、
「そんな刺され方ならしてみたい。私が刺される時には『どいて』とか言われて刺されるような気がします」
(嫌だよ、そんな哀しい小説のラストシーンみたいな刺され方は!)

講座は「みちのく怪談からふるさと怪談へ」
講師が『幽』編集長の東雅夫氏ということもあって、受講者の半分ほどは作家と出版関係者。
内容は、怪談文芸ムーヴメントの動向についてだった。

東さん、震災で打撃を受けた「みちのく怪談プロジェクト」のための募金活動中ということで、本日の受講料は募金箱へ。
それはいいのだけれど、あの募金箱はちょっと口が小さ過ぎ。

せっかく勝山海百合先生が、
「1億円を寄付したい気持ちです」
とおっしゃっていたのに、あれでは勝山先生の札束が入らない。(^^)

その勝山先生に、
「今度のトークで、崎田さんの体験したエレベーターの話(※)を使わせてもらっていい?」
と聞かれたので承諾するが、あんな話、面白いのか?

※エレベーターの話
 崎田が知人と一緒に歩道橋のエレベーターに乗ろうとしたら、暗がりに人が立っていた。
 こちらがドアに近づいたのでセンサーが反応して乗り場のライトが点き、その人の存在に気づいたのだ。
 一緒に乗り込んだが、なぜかその人は行き先ボタンも押さずに黙って後ろに立っている。
 エレベーターを降りてから知人に
 「一緒に乗った赤ん坊を抱いた髪の長い女の人が……」
 と言いかけると、
 「僕が見たのは男の人だったけど?」
 と、不審そうな顔をされる。
 確かめようと振り返るが既にその人の姿はない。
 たぶんどちらかが見間違えたのだろうということになったのだが、男であれ女であれ、その人がエレベーターの前に立っ 
 ていたとき、なぜ乗り場のライトが点いていなかったのだろうか?
 ……という話

サプライズ!
原田実先生が広島から名菓「焼き餅咲ちゃん」を手にやって来ていたのだ。

当然、講座修了後の2次会の後は池袋で2人で3次会。
午前2時まで飲んで帰宅。
寝る。

2011年12月3日(土)
朝から雨模様の天気。

昼に池袋へ。
リブロに行く。
コミックのフロアに坊主コーナーが出来ていて、驚く。
並んでいた本のタイトルは、『ボーズラブ』『坊主DAYS』『びぼうず』……。
いつの間に「坊主」はジャンルになったのだ?
(最近のこの業界の動きについていけません)

『金のはさみのカニ』『なぞのユニコーン号』『レッド・ラッカムの宝』(エルジェ作 川口恵子訳 福音館書店)そして
 タンタンの冒険特集号の「ユリイカ」を買う。
いずれも「タンタンの冒険シリーズ」。
今回、スピルバーグ監督で映画化された作品の原作なのだそうだ。

「タンタンの冒険」は、ベルギー人によって1929年から著者が
『金のはさみのカニ』は、主人公である少年記者タンタンが、後の相棒となるハボック船長と出会う話。

ストーリーは、ニセ硬貨事件を追っている知り合いの刑事に同行して貨物船に乗り込んだタンタンが、アヘンの密売事件に
巻き込まれ、一等航海士に騙されて船内に半幽閉状態だったアル中のハボック船長と出会い、2人で船を脱出。
海で遭難しかけたり、飛行機をぶんどったり、砂漠で盗賊と戦ったり、アラビアの街中で悪者を追跡したりと大活躍の末、
無事、事件を解決するという話。

非常にハリウッド的である。
と言うか、スピルバーグ監督で映画化するのにピッタリの素材と言うか、インディジョーンズ?
要するに戦前の冒険活劇のテイストの物語。

『なぞのユニコーン号』『レッド・ラッカムの宝』は、長編の前編と後編である。
『なぞのユニコーン号』は、タンタンがノミの市で買った古い帆船の模型の中から暗号の一部と思われる紙片を発見、これ
がハボック船長の先祖が隠した宝に関係あるらしいことが分かり、残りの紙片を巡ってタンタンと船長が悪党と戦う話。
『レッド・ラッカムの宝』は、暗号を解いたタンタンとハボック船長が、南海に宝探しの冒険の旅に出かける話。

『金のはさみのカニ』には横浜署の刑事の倉木文治という日本人がちょっとだけ出て来るが、「ユリイカ」のタンタン特集
によると、この作品が描かれた当時(第二次世界大戦中)著者のエルジェは国際情勢の絡みでナチスに協力する立場にあっ
て、そのためナチスにとって同盟国である日本の警察が味方として描かれているわけで……とややこしい事情があったそうだ
が、ま、そんなことはどうだっていいよな。

「タンタンの冒険」は、むかし断片的に読んで記憶に残っていた作品だったのだが、読み返してみると、確かに名作。
スピルバーグが映画したくなった気持ちが良く分かる。

夕方。
昨夜、録画しておいた「ルパン三世 血の刻印〜永遠のmermaid〜」を観る。
声優陣が一新したというので、ちょっと不安があったのだが声優陣を総入れ替えして製作した結果、ファンの不評を買った
「風魔一族の陰謀」での教訓があったからか、新声優陣は元の声優の声と演技を可能な限りコピーして演じていたようだ。
よって、慣れている声とほぼ同じで、違和感はあまりなかった。

キャラクターのデザインも「赤背広」ながらアニメのファースト・シーズンのものに近く、ところどころにオマージュと見
られる絵が挿入されている。

キャラクターの性格設定の基本は「カリオストロの城」。
純真な少女の頼みを断れないルパン。
表面上のクールさと裏腹の優しさを持つ次元。
己の未熟さと戦い続ける永遠の修行者である五ェ門。
しばしばルパンを裏切りつつも、ピンチの時には頼りになる不二子。
敵でありながら、実はルパンの最も良き理解者でもある銭形警部。

要は、声優陣交代第1作は「最も愛されているルパン」の形に沿って製作されたのだ。
賢い方法だと思う。

【ネタバレあり】
ストーリーは、2つの宝石と、もうひとつの「何か」があれば手に入るというお宝を巡ってのルパンと悪党との戦い。
シリーズ40周年記念ということもあってか、自分がなぜ「怪盗」ルパン三世でなくてはならないのかという問題にルパン
自身が悩んだりするシーンがあったりする。
40年前は、そんなこと悩む必要はなかったんだけどねえ、世の中、理屈っぽくなって来ちゃって……(笑)

親に捨てられた少女が、施設で出会った友人との関係に新しい「家族」を見いだしていく話。
そして、不死の体を持つものの「人間ではない自分」に対する苦悩の物語。
テーマは、家族とアイデンティティーか?

そつのない作りのよく練れた脚本。
「悪者」はやっつけられる時に「人ではないもの」に変身し「主人公が殺人を犯す」というタブーを巧みに避けているし。
感心したのは裏切った不二子がルパンの元に戻って来る時、必ず「手みやげ」を携えて来るという細やかさ。
次元と五ェ門が文句を言いつつもこの女と切れないのは、その「手みやげ」が結構、重要なものであったりするからだ。
「ルパン三世 血の刻印〜永遠のmermaid〜」は、いい作品だと思う。

夜。
「妖怪人間ベム」を観る。
不死の体を持つベムたち妖怪人間は、親に捨てられた心の傷から犯罪者となってしまった青年に出会い……。

よく考えると、昨夜放映された「ルパン三世」と、今夜放映された「妖怪人間ベム」は、テーマが被るのだよね。
不死の肉体を持つ登場人物たちは、どちらも自分が「人間でない」ことに悩み、親に捨てられた子供たちは、自分が他人に
とって不要な存在なのではないかと悩む。

「自分は役に立たないから親に捨てられてしまうかも知れない。人間の仲間に入れてもらえなくなるかも知れない」という
恐怖が、いまの子供たち全般の共通したトラウマか何かとして存在しているのだろうか?
そういえば伝説的大ヒットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」も、確かそんなような話だったよなあ。

「子供の使い」という言葉がある通り、子供というのは本来「役に立たない」ものであって、子供とはそういうものだとい
うことで社会的に認知されていたはずなのに、いつにまにか子供が「役に立たない」ことで責められる時代になってしまっ
たということなのだろうか?
ガキなんてのは、何の役にも立たなくてもふんぞり返って、ただ飯を食っているだけでも褒めてもらえるものだったと思う
のだけどねえ。

……寝ようか。

2011年12月2日(金)
冬も本気を出して来る12月。
外出するつもりでいたのだが、朝から電話やらメールやらのやりとりで時間が細切れになり、断念。

午後。
部屋で『作家は教えてくれない 小説のコツ 驚くほどきちんと書ける技術』(後木砂男 言視舎)を読む。

実は、そろそろ年賀状を書く準備をしようかと今年の正月に貰った葉書を出して来たら、著者、後木砂男さんからの年賀状
に「本を出しました」と書いてあったのをすっかり忘れていたことに気付き、いまごろ買って慌てて読んでいる……という
のは後木さんにはナイショなので、会っても絶対にバラさないようにしようね。 d(^。^)

『小説のコツ』
まず表紙に「イラストで納得」と書いてあるが、この本に関して言うとイラストはさほど重用ではないと思う。
本文そのものが、かなり丁寧な書き方をされているので、そっちを読めば充分なのだ。
(「小説のコツ」というタイトルの本を手に取る人は、絵から内容を読み取るより文章を読む方が得意だろうという前提で
言っているが)

本文に書かれている内容は基本的なことが多いのだが、初心者以外には役に立たないというわけでなない。
かなり文章を書いている人が、何かでつまづいた時に取り出して読んでみるのも良い本。
イメージとしては、会社でずっと使っているFAXやコピー機が何かのはずみで動かなくなった時、改めて読み返してみる
取り扱い説明書のような感じ。

ちょっと行き詰まったベテランの人が開いてみて、
「おっと、そこを忘れていたよ」
みたいな感じでスランプから脱出したりも出来るかもしれない。

問題は3段組みというページの組み方。
何度も上下に視線を動かさなくてはならないのが、年寄りにはちょっと厳しい。
若い人にはなんともないのかも知れないが、私は目が疲れた。

夕方。
知り合いからメール。
「『魚民』の看板のイラストとガイナックスの井上博明さんて、似てね?」
というような、どうだっていいような内容。
(確かに私も似ているとは思ったが……)
井上さん、すいません。 m(_ _)m

夜。
『捜神記』を読みつつ、寝る。

2011年12月1日(木)
朝。
メンサ・テスト合格者の会の例会会場予約抽選会へ。
クジ運はあまり良くなかったが、『捜神記』を読んで待ち時間を潰し、どうにか部屋も取れたので良しとする。

午後。
N医師の病院へ行ってワソランを処方して貰う。
「ついでに肝臓の検査も」
と、言ったら、
「忘年会の料金は、今日から高くなるんですよね。11月にやっておいた方がお得だったのに」
と言われたので、
「忘年会なら11月にも1回やっています」
と、答える。
(念のため、居酒屋の店員との会話ではなく、医師との会話である)

夕方。
1月13日の藤岡藤巻ライブの打ち合わせのため、大森のライブハウス「風に吹かれて」へ。
「宇宙大犬作戦 第2弾」をやらせてもらう話をして、映像をどうするかとか予約の方法とかイロイロ。

帰宅。
東京MXで、2号くんお薦めの「CSI」を観てから、寝る。


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