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独 り 言 (2011年2月分)
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2011年2月28日(月)
朝。 洗面台の鏡に映った自分の唇が、昨日付着した花粉で腫れて辛子明太子色になっていた。 外はかなり強い雨。 気が滅入るような雲の色だが、花粉が飛んでいないのは有り難い。 午後。 ヒマになったので、2号君の部屋へ行って3DSを借り、シューティングゲームで少し遊ぶ。 自分の顔を写真に撮って登録すると、ゲーム機が勝手にそれに表情のデータを加えて、シューティングゲームの的ができる というゲーム。 背景はゲーム機のカメラに写るリアルタイムの周囲の映像で、その中を3D映像の自分の顔がいくつも、笑ったり怒ったり しながら飛び回っているのである。 その顔を的にして撃ち落とすわけだ。 なかなかシュールな体験。 夜。 「心理捜査官」というタイトルに惹かれて、ついまたしょうもない2時間ミステリーを観てしまった。 話の大筋は、警察官だった夫を殺された、やはり警察官である妻が、夫を殺した警察上層部と戦うというもので、それに 無理やり若い女性プロファイラーの話をくっつけて2時間にしたようなドラマ。 これなら深夜の低予算30分ドラマの方がマシなような気がする。 毎週、2時間枠のミステリーを作るというのが、無理なんじゃないか? こんな番組ばかり放映していたら、そのうちテレビを観る人間がいなくなるのじゃないかね? ……寝よう。
2011年2月27日(日)
地震のせいで目が冴えてしまったのか、夕べはよく眠れず寝不足。 昼からメンサの例会。 初参加のメンバーY氏が来る。 就活中の大学生だそうで、目下はホテルの客室係としてバイト中なのだとか。 ホテルと言えばネタの宝庫!(←偏見である) さっそく、 「とんでもない客とかいます?」 と、聞いてみると、 「さあ? 枕を6つ持って来てくれと言われたことは、ありますが……」 「ほー、枕を6つ」 Y氏は知る由もないことだが、このとき私の頭の中では、 「♪夜になったら ケルベロス」 という歌声が、セデスのCMソングのメロディーでエンドレスで奏でられていた。(正確にはケルベロスは3つだが) 「……それは、とても素敵なバイト先ですね」 「ええ、外国人のお客様もいるので、語学の勉強にもなりますし」 Y氏、行く行くは起業家を目指しているのだとかで、なかなか前向きな好青年であった。 SFが好きだと言うので、 「『2001年』は見たか?」 と、聞いてみるが、 「見ていない」 という。 考えてみると、「スターウォーズ」の頃にもまだ生まれていない世代。 (世代が違い過ぎて、話が合わないかなあ……) などと心配していると。 「『銀河ヒッチハイクガイド』なら観ましたが」 おおっ! ピンポイントで大ヒット。 (残念ながら「レッド・ドワーフ」は観ていなかったらしい) Y氏がバイトに行く時間になるまで、アシモフのSFの話などする。 例会終了後、いつもの天狗へ飲みに行く。 クシャミが出だしたので花粉症の薬を飲んだら、寝不足と薬の相乗効果で猛烈に眠くなる。 居酒屋の机で寝ちゃうと店に迷惑なので、帰宅。 2時間ほど爆睡してから目を覚まし、金曜日に録画しておいたビデオの鑑賞。 「LADY〜最後の犯罪プロファイル〜」を観る。 プロファイリングを扱ったドラマだと聞いていたので「羊たちの沈黙」みたいなものを期待していたのだが、犯行現場に 赴いた警察官がダウジングロッド(!)を取り出したのに、コケる。 (番組製作者の頭の中では、「プロファイラー」が「超能力捜査官」とごっちゃになっているのか?) 劇中の重要な小道具として登場する「犯人が被害者を撮影したビデオ」も、あまりにも見え見えの作り物。 しかもこれ、ビデオの映像が「超リアル」だたっために警察官が本物の犯罪を撮ったものだと直感する……という、かなり 重要なシーンに使われた映像なのだ。 とどめは、一番肝心なはずの犯人像のプロファイリングが、観ている側が「はあ?!」となってしまうほど無理な分析。 「女性を追い回す映像を映画館で上映したから、子ども時代に母親と追いかけっこをしたり一緒に映画に行った思い出を 持つ男が犯人」って…… (そうかあ?) もう、寝よう。
2011年2月26日(土)
朝。 バスの乗客が、勝手にハンドルを切って乗っていたバスを横転させたというニュース。 なぜそんなことになってしまったのか? 最近、動機がどうも分からないという事件が増えているような……。 昼。 地下鉄に乗って出かける。 乗車して驚いたことに、つり革に全て赤いリボンの飾りが付いている。 ディズニーの広告が目的であるらしいが、こんなつり革に身の安全を委ねるのは嫌だ。 午後いっぱい、単純肉体労働に従事。 ようやく夕方頃に解放されて、自宅に戻りかけたら2号君に会う。 2号君、本日、任天堂の3DSを「2度買った」のだそうだ。 どういうことなのかと言うと…… 2号君、まず1台目の3DSを池袋の店で購入(それがその店の最後の在庫だったらしい)。 そこへ小学生ぐらいの子どもを連れた母親がやって来て、3DSを買い求めようとしたようなのだが、2号君が既に買って しまったので、当然、店には在庫がない。 2号君が、そのまま店を出て通りで信号待ちをしていたところ、さっきの母子が追いついて来て、 「いま買った3DSを譲って欲しい」 と、頼まれたのだそうだ。 なんでも、今日はその子どもの誕生日で、店を10軒回ったのだが、どこでも売り切れだったのだとか。 そこで2号君(あまりに漫画みたいな話だったので)子どもに3DSを譲り、自分の分は新宿の店で買って来たと……。 聞いて大笑いしたのだが、3DSってそんなに手に入りにくいものなのか? それにしては2号君は2回もGETしたようだが……。 近所の中華料理屋で2号君に奢り、さっそく3DSを借りて眼鏡なしで見られるという3D映像を体験。 ……映像が飛び出すというより、奥行きを感じるという感じの見え方だね。 帰宅。 夕刊に、日本青少年研究所が日米中韓の4ヶ国の高校生を対象に行った意識調査の結果というのが載っていた。 その中に「自分は価値のある人間だと思うか」という質問があり、この質問に「全くそうだ」と答えたのが、 アメリカ 57.2% 中国 42.2% 韓国 20.2% 日本 7.5% ちなみにネットで調べたところ、これに「まあそうだ」と答えた人間を足した数字は、 アメリカ 89.1% 中国 87.7% 韓国 75.1% 日本 36.0% だそうだ。 うーん、文化的な背景もあるかも知れないね。 日本で「俺は価値のある人間だ」とか言っている奴がいたら、周りからウザがられるだろうからなあ。 夜。 午前0時も回って、そろそろ寝ようかなと思っていたら、地震があった。 時刻:0時38分 震源:福島県沖 深さ:約40km 規模 マグニチュード5.2 M5.2 割と揺れたな、東京も。 寝る。
2011年2月25日(金)
朝。 シャワーを浴びようとしたら、煙突から吹き込んだ風で風呂のガスが吹き消えた。 春一番。 変なクシャミと咳が出るのは、花粉症の季節が来たからか? 午前中。 ニュースで「ニュージーランドの地震発生から72時間が経過」と言っていた。 瓦礫に生き埋めになってから72時間を過ぎると、人間は脱水症状のせいで生存率が急激に下がるらしい。 雨水とかで上手いこと水分がとれればいいんだけどな。 昼から午後にかけて、地味なデスクワーク。 メールを作成して送信しようとしたら、メールサーバに拒否られる。 (プロバイダからの連絡によれば、メンテナンス作業は今朝方には終わっているはず……???) と、「メンテナンス情報」をよく見れば、 「メンテナンス終了後にメールの送受信ができないことがあるの。そんなときにはメールソフトを再起動させてみてね」 みたいなことが書いてあったので、言われた通り再起動させてみる。 ……送れない。 さらによく読んでみると、 「メールを送信するときには、SMTP AUTHを使ってね。詳しい設定方法なんて、もちろんあなたは知っているわよね♪」 っぽい感じのことが書いてある。 ええと??? ……で、3時間。 私の、午後の貴重な時間が3時間消える。 あっちの設定をいじくったり、こっちの設定をいじくったりをしているうちに、なんか送れるようになったが、自分が何 をしたのかは、さっぱり思い出せない。 プロバイダの皆さんは、ユーザーにメカ音痴がいるということに、もう少し配慮した説明をして欲しい。 こんなしょうもないことで夕方を迎えてしまった。 こっちは、ただでさえ目が痒くなって来て(完全に花粉症である)イラついているのに。 楽しいニュースを探して、ネットをウロウロ。 昨日の「白衣の女」ドラマ化の話の続きを見つける。 キャスト情報。 ヒーロー、ヒロインは、別に誰でもいいやね。(マジで興味がない) 悪役2人組のうち、パーシヴァル卿のキャスティングは、まあ順当。 面白いと思ったのはフォスコ伯爵で、どうやらそれっぽい立場の登場人物は、ドラマでは女に変えられ、女優の中田喜子 が演じるらしい。 あのキャラの立ち過ぎた人物は、誰がやっても「違う」と言われそうなので、いっそ完全にイメージを変えてしまおうという 作戦かな? 本日は、空想小説ワークショップの日。 早めに出て、西武のクラブオン・ゲート脇のパン屋で「めんたいフランス」(フランスパンにめんたいこが挟んであるパン) を買って談話室で食べる。 金子みづはさんが、この間貸した「宇宙犬作戦」のDVDを返してくれて、 「久しぶりにSFドラマで泣きました」 と、仰せになる。 ホントかい?(笑) 先日、講師の先生に提出した私の300字小説は、めでたくボツとなったので、ここで公開。(マゾ的恥さらし) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ タイトル:誰も知らない物語 「ああ私がお役人であったならと梅之助が涙を絞れば、おまつ様、私こそ役者の家に生まれたかったとお互いに手に手を とって大川にザンブと身投げの哀れさや……」 瓦版屋の名調子に町人達が聞き惚れるその足元で、小さな石仏がふと顔を曇らせていた。若い二人の密かな恋を誰より 見ていた石仏であった。 「願いは聞いた。待っておれよ」 と、石仏はつぶやいた。 三百年後。 サラブレッド女優大河原真津子の電撃結婚の話題がワイドショーを賑わせていた。相手は市役所の窓口係の職員で「転 入届を出しに行ったときに運命を感じたんです」とは女優の弁。 「まあ、ハッピーエンドですよね」 と、コメンテーターが感想を述べた。 ビルの下で石仏がそっと笑った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 人間がアホな一目惚れをするのは、前世の因縁のせい……というひねりも何もないストーリー。 確かにこれは、ボツになるか。 帰りの飲み会で、今期からの受講生の方に、 「300字小説って、どうやって書くんですか?」 と、聞かれる。 それは、もう少し上手い人に聞いてくれ。 宣伝。 MF文庫から出た『怪しき我が家 家の怪談競作集』に、金子みづはさんの短編が載っているそうです。 「印税が入ったら、親孝行がしたい」 と、とても感心なことをのたもうておられましたので、みなさん、ぜひ買いませう。 家に帰って、寝る。
2011年2月24日(木)
朝。 日本の政治のニュースを見ていると、なんかアホらしくなって来る。 菅直人という人のやっていることが素人目にも「政治家(=交渉術に長けた人)」じゃないのだよな。 この人が以前に政治家としてポイントを挙げたのが、例の薬害エイズ事件の時で、あのときは「分かりやすい悪人」を叩 くことでカッコイイ俺を演出して成功したのだった。 だから今回もまた小沢一郎というひとを「分かりやすい悪人」として叩けば自分のポイントを上がられるとか考えたのだ ろうか? しかし、いま小沢一郎を「悪人」に仕立て上げようとしたら、いわゆる「小沢グループ」が敵に回るのは最初から見えてい るのだよな。 党内対立を起こして、党首のポイントが上がるわけがない。 そうならない見込みがあっての行動なのかとしばらく見ていたのだが、どうもそうじゃないらしい。 普通の人は、将来を推測して望ましい結果に繋がる現在の行動を選択するものじゃないのだろうか? この人が何を望んで現在の行動を選択しているのかが、良く分からない。 昨日のGoogle急上昇ワードを見ていてコリンズの『白衣の女』が日本でドラマ化されるということを知った。 (ドラマのタイトルは、「霧に棲む悪魔」) 『白衣の女』は、ミステリーの古典として名高い作品で、あまりにもストーリーが有名なので、つい読んだ気になって、 実際には読んでいなかったという作品。 (よくあるよね、そういうの?) 日本でのドラマ化は、前にアガサ・クリスティー作品が、かなり惨憺たることになってしまったという前例があるだけに ちょっと微妙なところがあるのだが、でもたぶん第1話ぐらいは観るのだろうな、オレ。 ま、とりあえず、いい機会だから原作は読んでおこうか。 というわけで、昼過ぎにジュンク堂へ。 『白衣の女』(ウィルキー・コリンズ 中島賢二・訳 岩波文庫)を買う。 帰宅途中で雨。 昼食をとっていなかったことに気付き、雨やどりがてら近くのファミレスに入る。 まず注文した料理は、しばらくしてウエイトレスが戻って来て「オーダーストップ」だと言う。 次に注文した料理は「付け合わせのコーンが切れているがいいか?」と言われ、いざ料理を食べようとしたらフォークが 汚れている。 取り替えてもらって、食べ始めると、マッシュポテトが明らかに水っぽい。 まるで解凍に失敗した冷凍食品だ。 ウエイトレスにその旨を告げると「調べて来ます」と言って厨房へ行き、やがて戻って来て「解凍に失敗したようです」 と報告してくれた。 そしてなぜか、バニラアイスをサービスされたのだった。 外に出ると、すでに雨は上がっていた。 (雨宿りには役立つファミレス) 帰宅。 『白衣の女』上・中・下巻、読了。 ストーリーは誰でも知っている通りなので省くが、読んでみた感想では、大活躍のヒーローよりも悪人の描写の方が生き 生きとしている。 もしも私が役者で、この物語のどの役でも演じられるとしたら、迷わず悪役の方を選ぶな。 ネットの情報には、ドラマで悪役を誰が演じるのが誰なのかは書かれていなかったが、この小説の悪役が動く映像になっ たところは観てみたい。 アガサ・クリスティーや、コナン・ドイル作品の無駄を省いたサクサクしたストーリー展開に慣れている人には、心理描 写の多い文学作品系の物語の運びが、なんともまだるっこしい印象を与えるかも知れない。 主人公には、現代のミステリーの主人公のような科学の知識も法律の知識もないので、事件の渦中にあって、もたついた 行動しかとれない。 イライラするが、その分リアリティーはある。 日本人の読者にとっての一番の難点は、悪役の男が犯したという過去の悪事が、そんなに悪いことだというのが、どうに もピンと来ないこと。 現代の日本人の感覚だと、なんか些細な犯罪に思えてしまうのだ。 ところで、物語の舞台はヴィクトリア朝時代のイギリス。 女性の権利と自由が非常に制限されていたという時代背景が物語の重要な要素になっている。 これを現代の日本を舞台にやるのは、ちょっと難しい気がする。 時代を戦前か終戦直後ぐらいにするとか? それとも「その地域」や「その家」が、かなり特殊な時代遅れの地域や家だったとかにするとか? あるいは物語の設定そのものを根本的に変えてしまうとか? いま、もう1度詳しく調べたら、放映は昼の連ドラ枠なのだそうだ。 ミステリーを昼の連ドラでかあ……。 なんか逆に「怖いもの見たさ」みたいな気分になって来たぞ。(笑) 寝る。
2011年2月23日(水)
午前中。 昨日の続きで「ザ・クイズショウ」の最終話を観る。 番組の特別企画として、今回は解答者席に座るようプロデューサーに求められる司会者。 代わりに司会者席に座ったプロデューサーは、精神病院の入院患者だった司会者の過去を暴くのだが……。 結局のところ、司会者の方はむしろ正常で、一番気が狂っていたのは番組のプロデューサーだったというオチ。 そりゃ、まともな頭の持ち主なら制作せんわな、こんな気の狂った番組。 プロデューサー役の戸次重幸、だんだんと狂気に堕ちていく芝居がすげえ怖かった。 午後。 DVDを返却に行ったついでにブック・オフに寄る。 2007年に、文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞したという『鈴木先生』を見つけた。 生徒の指導に悩む中学校教師を主人公にした作品。 想像していたより、ずっと真面目な内容の漫画だった。 主人公の鈴木先生は、真面目で熱心で指導力も有り、生徒にも人気のある中学校教師。 しかし、その内面は苦悩に満ちていて…… 「金八先生か」と思うような内容なのだが、鈴木先生の方がずっと人間的な不完全さを持っている。 思春期の生徒の性の問題に取り組みつつ、自分自身も教え子である女子生徒への性欲に悩まされたりするのだ。 漫画に息抜きを求める人には向かない作品かもね。 帰宅。 ニュースを観ようとテレビを点けたら、前のドラマがまだ終わっていなくてラスト5分ほどを観ることになったのだが、 これが「ザ・クイズショウ」のリメイク版。 ジャニーズのタレントが司会者役とプロデューサー役で出ていたのだが、難点としては2人とも「正常な人間」に見える。 番組を盛り上げようとしているのか、それとも本当に頭が変なのか、ステージの上で狂ったピエロのように振る舞う司会 者と、ディレクターの後ろの席に静かに座り、常に冷静な態度で、しかし時おり目に狂気を走らせるプロデューサー。 この2人の「異常な人間」を演じ切るには、彼らはちょっと力不足だな。 夜。 養老乃滝で飲んで帰宅。 寝る。
2011年2月22日(火)
今日は、猫の日、そして竹島の日。 「竹島」と言うと思い出すのは、ホラー作家の岩井志麻子先生の飼い犬の名前だ。 同じ犬を、岩井先生のご亭主(韓国人)は「独島」と呼んでいるそうだ。 なんか可哀想な犬である。 朝イチで、しょうもない用事が1件。 あまりにしょうもない仕事だったので、8時前には終了。 帰宅して朝食。 その後、再び今度はもう少し時間のかかる用事を済ませ、ついでなので「シャーロック・ホームズ」のDVDを借りて来 て、観る。 ロバート・ダウニー・Jr主演の映画版で、前に一度、劇場で観たやつ。 推理モノと言うよりアクション映画で、ホームズが小汚いのも、ワトソンがスマートでお洒落なのも別に構わないが、アイ リーン・アドラーには、もうちょっと気品が欲しかった。 DVDを見終わって画面をテレビに切り替えたら、臨時のニュース番組が映って「ニュージーランドで大地震」だそうだ。 昨年の秋の地震の余震とのことで、日本への第一報は被災した日本人が家族に宛てたメールだったのだとか。 ニュースの迅速性だけで言えば、マスコミは個人のメールに敵わなくなっているな。 しばらく地震のニュースを観ていたが、 「では,次に小沢問題です」 の声に、うんざり。 それがそんなに大事な問題か? ニュージーランドの地震では,邦人も多数被災しているのだ。 他のことは置いておいて、官邸は救援活動に全力を向けるべき時なんじゃないだろうか? 夜。 「ザ・クイズショウ」という番組を観る。 昔、深夜にやっていた番組だそうで、評判は聞いていてずっと観たいとレンタルショップで探していたのを2号君が見つけ て来てくれたのだ。 ストーリー。 全問正解するとテレビ局がなんでも夢をひとつだけ叶えてくれるという人気のクイズ番組に出場できると言われて、喜んで やって来た解答者。 しかし「クイズの問題」だと言われて司会者に質問された内容は、解答者それぞれの秘密や過去を暴くものだった……。 解答者それぞれの過去が暴かれていく前半と、司会者自身の過去が暴かれる後半、そして最終回ではさらに番組に関わる 別の人物の過去が暴かれていく……というドラマのストーリー自体は、すでにネタバレを気にしない親切なお友達によっ て、たっぷりと教えてもらっていたのだが、観てみると脚本と演出と出演者が全ていいので、オチを知っていることなど 気にならなかった。 基本的に司会者役の片桐仁のワンマンショーみたいな番組。(&爽やかな笑顔で冷酷なセリフを言う戸次重幸の怪演) クイズ番組内で出演者の過去を暴く(しかもそれをそのまま放映する)という現実には有り得ないはずの物語が、片桐の 持つ一種異様な雰囲気によって「有ってもおかしくない話」ような気にさせられてしまう。 特に、途中で「帰る」と言い出したニートの青年とのやり取りは天才的。 ステージの上という「開かれた密室」内で、まず相手を嘲り十分に自尊心を傷つけてから、今度は下手に出て、失われた 自尊心を回復したいという人間の感情につけ込むことで、まんまと相手の行動を操っていく。 そしてこれは同時に「もしも解答者が番組の最後までつき合わず、途中で帰ってしまったらどうするのだ?」という、この ドラマを観ている視聴者自体の疑問も封じることになる。 この天才的な司会者の話術を前に、クイズの解答者側の自由意志などないのだ。 さて、そろそろ遅いので、最終話は明日のお楽しみにしよう。 寝る。
2011年2月21日(月)
朝。 天気は良いとは言い難いが、空気はさほど冷たくない。 昼。 税務署へ確定申告に行く。 なんか税金というものを払わなくてはならないらしい。 添付書類が足りなかったとかで、出直す羽目になった。 帰宅して、テレビで「ミザリー」を観る。 小説家が頭のおかしいファンに無理やり作品の書き直しをさせられるというホラーで、笑顔が愛くるしいアニーというおば さん役を演じたキャシー・ベイツは、この映画で主演女優賞を獲っている。 しかし、何度観ても怖い映画。 やっぱり作家が「作家が体験する恐怖」を描いた小説を原作にしているせいか? ところで、勘違いしている人が多いが、この映画に「ミザリー」という人物は出て来ない。 夕方。 1号君と2人で、ワインバーで飲む。 (飲んだと言っても、グラス3杯程度なので、店を出て5分で2人とも素面に戻ってしまったが) 20歳になったばかりの1号君、ワインというものを飲むのは初めてなのだそうで、感想は、 「ワインがこんなに甘いものとは知らなかった」 だそうだ。 ま、白ワインだからね。 帰宅。 ネットでニュースをチェック。 経団連会長が記者会見で、野党側に広がる衆院解散論について「国民が税金を払っていながら、国民のために何にもしな い。給料泥棒のようなものだ」と述べると共に、予算関連法案の早期成立を求める発言をしたそうだ。 予算は早く決めてもらわないと、本当に国民は困る。 だいだい解散して政権政党が変わったところで日本の政治は大して変わらないということは、既に実験済みだろう。 自分が政権を取りたくて政治家が足の引っ張り合いをしているだけの国会は、いい加減、勘弁してもらいたい。 最近、ニュースを観ているとイラッと来ることが多くて、精神衛生上良くないな。 寝る。
2011年2月20日(日)
曇天。 昼過ぎに買い物がてらエチカに行って「アロハテーブル カウカウコーナー」という長い名前の店で食事。 看板メニューは「ロコモコ」というハワイの郷土料理で、どんなものかと言うと「洋風丼」。 「丼」で分かると思うが、考案したのはハワイ在住の日系人だったらしい。 サラダが美味なのだが、量が多いので「ついでにサラダも」感覚で注文すると持て余す。 私のように「昼食の後の軽い食事」として食べる時には、サラダのみでも十分な量がある。 ところでエチカ。 作った人は「お洒落な地下街」を目指したのだろうし、事実お洒落なレストランやブティックが並ぶ街なのだが、歩いて いるのが池袋の住人。 (そこの高校生! 「お洒落なブティック」の前でカップ麺すすってんじゃねえ!) だからさあ、「池袋」で「お洒落」ってのが、そもそも無理なんじゃね? 東口へ出て、ビックパソコン館へ。 店を出てジュンク堂まで歩く。 適当に本を買って、店内の喫茶店でお茶。 クラブオンゲート脇のパン屋で、めんたいこパン(正式名称は知らない)を買ってから、GEOでDVDを借りて帰宅。 「JINー仁」というドラマの第1話。 4月から続編をやるというので、ちょっと予習しておこうかと思ったのだ。 借りてから気がついたのだが、DVD1巻に特典映像として全話の予告編が収録されていた。 これは全体のあらすじをもう1度振り返ってみたいという人には便利。 本編の方は、江戸時代にタイムスリップしてしまった現代の外科医が、怪我人の手当をして、本来は死んでいるはずの人間 を助けてしまったために、歴史の改変が起こって……という「タイムトラベラーの殺人」をひっくり返したような物語。 「33分探偵」を観た人にだけ分かる出演者によるサービス・シーンがあって、これが個人的にツボだった。 つまり「33分探偵」で熱血刑事を演じた人が、「JINー仁」では冷静な医師の役で出ているのだが、主人公が過去へ タイムスリップしてみると、彼の先祖は熱血飛脚で、例の「茂木走り(もてぎばしり)」をやっているというわけ。 他局の番組なのに。(笑) 夜。 「アイアンマン」を観る。 武器メーカーの社長である主人公が、アラブのテロリストに捕まって心を入れ替え、平和を守るためテロと闘うヒーロー になるというお話。 主人公はハンパない大金持ちでプレイボーイ。 アラブのテロリストの目的は権力で、アメリカの悪党の目的は金。 美人秘書は有能でかつ勇敢。 ……と、アメリカ人がお好きな設定のてんこ盛りである。 戦争のための武器を作ることはいけなくて、テロリストと戦うためのアーマーを作ることは正義というのが、アメリカ人 じゃない私には、ちょっと笑ってしまう理屈だ。 分かりやすい悪人を出したいのなら、「アラブ人テロスト」みたいな実在の存在は出さない方がいい気がしたな。 単純な勧善懲悪ストーリーに、変にリアリティを持たせようとしたために、中途半端な感じになってしまっていた。 笑いどころとしては、金持ちのボンボンで技術系エリートのはずの主人公の体が、やたら頑丈なことかな? 2回観たいとは思わない映画だったな。 寝る。
2011年2月19日(土)
朝。 リアルに怖いなと思ったニュース。 地方自治体の職員が、住民に無断で、所得税の還付を請求する確定申告書を税務署に提出していたことが分かったという もの。 虚偽の医療費や保険料を計上して国から還付金を得るという手口だったそうだ。 申告内容を不審に思った国税職員が、修正申告をして還付金の返還を求める行政指導を行ったことがきっかけで発覚した そうだが、これって下手をすると、被害に遭った住民側は、自分が請求した覚えのない還付金を返さなくてはならないと ころだったということになる。 今回は、たまたま事件が明るみに出たが、普通、行政の人間は同じ行政側の人間を疑わないものだから、住民側が「請求 した覚えがいない」と言っても通らなかった可能性は、決して小さくない。 私は、役人が「お役所仕事」をする点については、比較的寛容なのだが「違法行為」は許せない。 行政に対する信頼が揺らぐということは、最終的には国家の秩序が保てなくなるということになるからだ。 昼。 池袋の勤労福祉会館のフェスティバル。 「吹き矢の体験教室があるので賑やかしに来てくれ」 と言われていたので出かける。 体験希望者がやって来たら、目の前でそれっぽい感じで楽しく矢を吹いて見せるという役どころ。(^^; しかし、肝心の体験希望者が来ない。 「建物の入り口で配っているプログラムには、載っているんだけどね」 そのプログラム、見てみたが、はっきり言って扱いが地味。 館長が様子を見に来たので、館内放送で案内を流してくれるように頼んだが、結局、私がいる間にやって来た体験希望者は たった2名だった。 空腹を覚えたので、会場を出て池袋へ。 東武の7階で食事。 レストランで食事をしている知り合いを見かけ声を掛けようとしたのだが、先方、なんか肩に力が入っている妙な感じ。 (こいつ、何をそんなに緊張してるんだ?) と、近寄ってよく見たら、同じテーブルに美女ひとり。 もしかしたら、彼の人生にとって何か大切な日であるのかも知れないので、声を掛けるのをやめて立ち去る。 こういう気遣いの出来る俺って、すげえ大人。 (次に飲み会でも会った時に、みんなの前で本日の首尾を聞いてみよう♪) 2号君に会う。 2号君、午前中に用があって出かけたのだが、目的地まで案内をしてくれる予定だった1号君が、ほんの4時間ほど寝坊 してしまったので、結局ひとりで行く羽目になった……のだとか。 こいつの方向音痴は、ほぼ芸術的範疇に入るので(池袋で道に迷って、気がついたら埼玉県川越市に居たという実績あり) 「で、ちゃんと着いたのか?」 と、聞いたら、 「目的地の近くにケーキ屋があることを知っていたので、匂いを辿って行き着いた」 のだと言う。 (誰か、方向音痴用「匂いで辿れるMAP」とか作る奴はいないか?) 帰宅。 朝にビデオをセットしていたNHK−BSの釣り番組を観る。 漫画家の西原理恵子が息子と一緒に出ているというので、ちょっと興味が湧いて録画してみたのだ。 収録に13歳の息子を連れて来たことについて、ディレクターに理由を尋ねられた西原氏が、 「親子の和解とか、そういうのじゃないんです……すみません」 と、かましたのに、まず笑った。 相手が「番組をまとめやすい答え」を期待していることを見越してのひねくれた返事が、母となってもやはり無頼派。 続く息子との大人気ないやり取りも、素晴らしい。 見事なほどの「こんなお母さんは嫌だ」の実践ぶり。 40代の母親が、中1の息子と同じレベルで張り合うな!(笑) (「良いお母さん」を目指してノイローゼになりかけている全国のお母さん、大丈夫! 親がガキでも子は育ちます) 夜。 養老乃瀧で、マッコリという酒を初めて飲む。 甘酸っぱい白酒? って言うか、ドブロク? 上品さも気品も感じさせない味だが、嫌いじゃないな。 家に帰って、寝る。
2011年2月18日(金)
夕べ、窓の外に聞いたのは、本当の雨の音だったらしい。 池袋の朝は、びしょぬれ。 昼に本屋へ。 ジュンク堂の洋書売り場で、つい “Robot Dreams”(短編集)を衝動買いしてしまう。 表題作は、映画「アイ,ロボット」の実質的な原作である。 アシモフには “I, Robot” という表題の作品集があり、一般にはこっちの方が「アイ,ロボット」の原作ということになって いるのだが、内容を見くらべてみると明らかに “Robot Dreams” (邦題「夢みるロボット」)の方が元になっている。 (映画「羅生門」の原作が「薮の中」であるようなものか?) 映画では、ウイル・スミスが元気に街を走り回るが、 “Robot Dreams” の方は、事件はひとつの部屋の中で起こる。 元気いっぱいの黒人刑事の代わりに活躍するのは、スーザン・キャルビン、冷徹な女性科学者である。 “and……and……” が重ねられたスピーディーな文章に、彼女のためらいのない論理的思考が表現されていて、改めて、 このロボット・シリーズのヒロイン、スーザン・キャルビンに惚れ直してしまう。 ところで…… この本を清算するためにレジに並んでいた時のこと。 隣のレジで、おつりを受け取り忘れて店を出て行ってしまった客がいた。 若い店員、もちろん声を掛けたのだが、客は気がつかない。 その時の店員の対応が面白かった。 おつりを渡しそびれた店員は、客が店外に出たのを見ていったん諦めかけたそぶりを見せ、しかし、それに気がついた隣 のレジの店員が大声で客を呼び止めようとしたのを見るなり、カウンターを飛び出し、客を追いかけて走り出したのだ。 自分の取るべき行動を自分で判断するのが苦手なイマドキの若者(「ゆとり世代」という言い方は「ゆとり教育」の定義 から考えて正確でないと思うので、私は「少子化世代」と呼んでいるのだが)の典型を見た気がした。 「おつりは渡さなくてはならないものだ」と理解した後の行動は素早いのだが、それを自分で考えて判断するのは苦手。 大人の目が行き届きすぎる環境で育った世代の特徴なのだと思う。 「大人に言われた通りにやれば上手くできる」という教育を受けて育ってしまった世代なのだろうな。 「自分がやるべきこと」が判明した途端に、迷いのない行動を起こす、ある意味、有能な若者たちなのだが。 ジュンク堂を出て、リブロで、最近評判の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだ ら』(岩崎夏海 ダイヤモンド社)を買う。 タイトルから内容が分かり易い本。 「あとがき」によると物語の着想のヒントは、アメリカで野球のマネージャーと言ったら「監督」を指すのに、日本だと なんか「下働き」の女性部員のイメージがある……という、その辺だったらしい。 ドラッカーというのは、もはや既に知らない者はいないだろう有名な経営学者の名前で、マネジメント(要は組織管理) という考え方を提唱した人……だよね? (この辺、専門外なので、間違っていたら教え手下さい) ストーリーは、高校野球の女子マネージャーがこのドラッカーの『マネジメント』を読んで、それを野球部の組織管理に 用いて成功するという話。 登場人物は、主人公の女子マネージャー、それをサポートする「人心の掌握に長けた女子マネージャー」と「非常に知能 の高い女子マネージャー」。 これに加えて、スポーツものの定番である「自分の指導力に自信のない監督」と「優秀だがメンタルな面が弱いエース」が、 出て来る。 舞台は高校の野球部。 但し、進学率100%というかなり優秀な高校の野球部である。 OBである監督も、当然のように東大出。 よって、この物語の登場人物に、「ドラッカーの『マネジメント』? なにそれ難しそう。ワカンナーイ」などと言う、 頭の悪い人間はひとりも存在しない。 全員が『マネジメント』程度の本なら当然、読みこなせして理解できるおつむを持っているという設定なのである。 というわけで、ともかく主人公を始めとした高校生(特に女子高校生)たちの精神年齢が高い。 例えば、自分の指導力に自信のない監督が、前向きの提案に逃げの言い訳をする。 大人が子どもを騙す時の、一見、筋の通ったような理屈を述べるのである。 普通の子どもなら、これに騙される。 そして、 (大人の言っていることは、筋が通っていて正しいように思える。しかしなんだろう、この違和感は?) と、思考力の未熟さによって大人に言いくるめられつつも直感的に「嘘」を感じ、この矛盾した感覚の不快感が元になっ て大人への信頼を失い、場合によってはグレてしまったりするのだ。 しかし、この物語に出て来る女子高校生は、そんなことはない。 大人の嘘を即座に見破って、単に「あれこれ理由をつけて」いるだけのことだと理解、「さて、この困った人をどうしよ う?」的な方向に思考を巡らせる。 「大人」は完全に形無しである。 この辺、読んでいてなかなか痛快だった。 高校の野球部の立て直しを例にドラッカーが『マネジメント』において述べている考え方を分かりやすく解説した書籍と 捉えて、そのように読むことも可能だし、普通に青春小説として読むのも良い気がする。 青春小説として楽しんで読んで、しかもドラッカーの『マネジメント』の内容が少し理解できたなら、2度お得。 売れるだけの理由のある本だと思った。 読み易い本なので、万人向き。 いっぺん読んでみても良いと思う。 さて、寝るか。
2011年2月17日(木)
朝。 空は雲っている。 ニュース。 若田宇宙飛行士が、SSIのコマンダーに決まったそうだ。 めでたい話だ。 中東情勢。 バーレーンのデモ隊は強制排除されたらしい。 バーレーンの現政権って、親米だったっけか? 要は、アメリカがどっちに付くのかって話なのだろうか、これは? 昼 靴箱の革靴を取り出したら、底に穴が開いていた。 ハンズに補修剤を買いに行く。 帰りに知り合いに会い、 「お仕事は?」 と、聞かれる。 ……失業中です。(泣) DVDの返却に行き、ソウヤーの「フラッシュフォワード」がテレビドラマ化されていたことを知る。 ソウヤーは、かなり好きな作家のひとり。 帰宅。 まずは靴の修理。 なんでこんな穴が開いてしまったのか分からないような穴をパテで埋める。 ついでに、表面の細かい傷も補修。 こういうことをやり始めるとキリがなくなるんだ。 夕食後。 本棚から『フラッシュフォワード』(ロバート・J・ソウヤー 内田昌之:訳 ハヤカワ文庫)を取り出して読む。 ヒッグス粒子を作り出す実験中に事故が起こり、地球上の人間全員の意識が2分間の間「21年後」に飛んでしまうとい う話。 21年後に自分が殺されていたという衝撃の事実を知りなんとか回避しようとする男。 運転手が意識を失っていた自動車に轢かれて娘が死んでしまった女。 21年後の自分が、現在の婚約者ではない別の女性とベッドを共にしていたことを知って苦悩する男。(これが主人公) 考えてみると、主人公の悩みが一番小さいのだが、なにしろこいつが主人公なものだから……(笑) ソウヤーの小説は、いつも壮大な設定の割には主人公が抱える苦悩が小さい。 彼の作品の普遍のテーマは、 「自分が優柔不断なばっかりに、好きな女性との仲がうまくいかなくなってしまった。どうしよう?」 ものすごい壮大な事件の最中に、いつでも主人公はそういう問題で悩み続けるのだよね。 私だったら、21年後の未来が見えたりしたら、女の問題なんか頭からふっ飛んでしまうと思うのだが。 さて、小説を通して読み直してみたら、確かに第3部あたりにややドラマにし易い緊迫した場面が出て来るな。 wikiでドラマ版のあらすじを見てみたら、主人公は原作に出て来ないマーク・ベンフォードというFBI捜査官に変 わっていて、原作の主人公ロイド・シムコーは脇役に追いやられてしまっていた。 まあ、そりゃ、ただ悶々と悩む男が主人公じゃ、ドラマにはなりにくいわな。 ちょっとガッカリなのは、どうやら原作ではテオドシオス・プロコピデスという名前の科学者だった副主人公の役割が、 ドラマ版ではディミトリ・ノウというFBI捜査官に振られているっぽいこと。 「ディミトリ・ノウ」だって! 「テオドシオス・プロコピデス」の方が、ずっと響きのいい名前なのに。 小説版の『フラッシュフォワード』が発表されたのは、1999年。 この小説に出て来る2009年の日本は、なかなか元気が良さそうで、それに比べて中国はしょぼい。 これが、たった10何年か前に書かれた「21世紀のアジア」なのだよな。 気がついたら、もう午前1時だったので、寝る。
2011年2月16日(水)
朝。 ニュースを見ると、中東の方は市民デモ、市民デモ……で、大変なことになっているようだ。 これまで市民の物理的「集合」を禁止することで防いでいた反政府活動が、フェースブック等の出現によって一ヶ所に集 まらなくても大規模活動の計画が可能になったために防ぎ切れなくなって来たようだ。 昼。 パソコンをポチポチ。 明るく楽しいSF長編に挑戦するつもりで設定を書いていたのだけれど、話の辻褄を合わせようとしたら登場人物の人間 関係がドロドロに……(笑) 夕方。 1号君のアパートに行ったら、なぜか2号君がいて、1号君は留守だった。 2人で1時間ほどしょうもないDVDを観てから、別に話すこともないので、帰る。 夜。 久しぶりに「学べるニュースショー」を見る。 大相撲八百長問題を扱っていたのだが、池上さんが現在進行形の事件に触れないために、いつになく必死な感じになって いるのが可笑しかった。 (元NHKの人だものね) 中東の市民デモ問題。 中東での市民革命となると、どうしてもイスラム原理主義者が出て来る。 となると、市民革命はOKだがイスラム原理主義は困るという立場のアメリカは微妙なスタンスを取らざるを得なくなり 当然と言うか、日本の取るべきスタンスも難しいところなのだが…… 国内ニュースを見る限り、永田町は、まだ「お家騒動」をやっているらしい。 国際ニュース。 韓国与党ハンナラ党国会議員らが、エジプトのムバラク政権が崩壊したことに言及しつつ北朝鮮の体制を批判するビラを 大型風船に付けて北朝鮮に向けて飛ばしたそうである。 中東の騒動は、朝鮮半島まで波及するか? 空に目を向け…… 宇宙からの(?)ニュース。 情報通信研究機構が大規模な太陽フレアを観測したと発表。 電離層が乱れて人工衛星の通信障害などが起きる恐れがあるとして注意を呼び掛けた……のは良いとして、宇宙飛行士の 人たちなんかは大丈夫なんだろうか? ……そろそろ寝よう。
2011年2月15日(火)
晴天。 昼に外出すると、風はまだ冷たいものの、日差しはポカポカと春の足音。 「福しん」でラーメン。 その後、GEOで「33分探偵」のDVD3巻と4巻を借りて帰る。 これも映画化が期待された作品だったのだが、ミステリー好きの主人公が、目の前の事件を無理やり自分の妄想に合わせ ようとするというストーリーが、あれやこれやあった現在となっては、ご時世的に問題があるかな? こういうのは、コメディの世界だから面白いのだ。 本当にやらないで欲しいよな。 ……と、DVDを観ながらのまったりとした午後のお茶のひとときを楽しんでいたら、いきなり電話。 「あの原稿だけど、締め切りが先週の火曜日だったって言うの、聞いてた?」 (すいません、聞いてませんでした) どうやら明日が印刷所の締め切りらしい。 「今夜中になんとかします」 と、答えて、とりあえずそのままDVD鑑賞。 夕方になったので、吹き矢の講習に出かける。 ……なんか、矢を壊しまくる。 継ぎ矢は上達の証拠……とか言われてもなあ。 (5回もやっちゃったよ) 帰宅。 また違う方面からの電話で、また違うトラブルが起きたそうな。 (それも、別件2件) 電話を受けながら原稿を書いて送信。 ようやくゆっくりと夕刊を広げたら “イランでも反政府デモ” だそうだ。 デモはバーレーンやイエメンにも広がっているそうだ。 (イエメンってどこだっけ?) と、地図を開いたら、サウジアラビアの南。 バーレーンの方は、海を挟んでイランの向い側にある。 周辺諸国が軒並みこんな騒ぎでは、最近なにかと景気のいい話の多かったドバイにもいろいろ影響は及ぶだろうな。 ドバイに投資している人とかは、大騒ぎなんじゃなかろうか。 日本の企業は大丈夫か? こんな時、日本のマスコミが騒いでいるのは「小沢の処分」。 そっちの方が大切か? 世界情勢よりお家騒動の方が、話が下世話な分、大衆受けするとでも? マスコミの煽動で国が滅びるんじゃないかと、本気で思うぞ。 寝る。
2011年2月14日(月)
朝。 いかにも崩れそうな天気。 ニュース。 “イタリアで首相退陣を求めるデモ、参加者は全国で100万人規模” だそうだ。 市民デモ騒動、ついに海を越えたか? 今回も呼びかけは「フェースブック」で行われたらしい。 もしかしたら我々は、後の歴史家から見たら非常に興味深い時代を生きているのかもしれないな。 昼。 事務的な用事があって新宿へ。 ラーメン屋で昼食をとって帰宅。 帰り道は小雨だった。 1号君が「イノセンス」というDVDを持ってやって来たので、2人で鑑賞。 素晴らしい映像美。 しかし、ストーリーがちょっと……。 とりあえず、これを作った人の「子ども嫌い」ぶりは、よく伝わって来た。 「ロボット > 犬 >>>>>>>>>>> 子ども」 ぐらいか? DVDをGEOに返しがてら、白木屋に飲みに行く。 日が暮れて気温が下がったせいか、雨は雪に変わっていた。 帰り道の地面はすでに真っ白。 かなり本格的な雪のようである。 (チェーンを巻かずに走り出しちゃった車とか、困っているだろうな) などと思いつつ帰宅して、しばらくしたら緊急車両のサイレンが池袋駅の方角に走って行った。 帰宅。 ニュースをチェック。 “阿久根市の前市長竹原信一氏が、検察官の事情聴取を受けた際のやりとりを記録した音声や、聴取にの報道陣の取材を 受けた際の映像が、インターネットの動画サイトに投稿されていたことが14日、分かった” (投稿を行ったのは、前市長の支持者らしい) 取り調べの可視化がどうのと法曹関係者がゴタゴタしているうちに、録音機器の小型化や動画サイトの利用拡大によって 自力で取り調べの状況を公開してしまう人が出て来たわけである。 さらに興味深いのは「報道陣の取材の際の映像」までが、自力公開されてしまうようになったということ。 情報の発信源が「マスメディア」から「個人」に変わるということは、社会をどのように変容させていくのだろうな。 寝る。
2011年2月13日(日)
日曜日。 せっかくの晴天なのだが、少々面相臭い作業が入って、ほぼ1日中部屋の中。 夕方のニュース。 エジプトの政権崩壊の影響で、チュニジアでもデモが起きたとか。 国内のニュースだと、日本の菅内閣の支持率は22.1%なのだそうだ。(NNN調べ) 日本では、首相の退陣要求デモとか起きないなあ……。 午後5時頃。 どうにか作業を終了させて、リブロまで散歩する。 マイケル・サンデルの『これから「正義」の話をしよう』が売れているせいか、哲学関係の本が平積みになっているのが 目立つ。 哲学書を「ブーム」で買う人間って、そんなにいるのか? ずっと椅子に座って細かい作業をしていたせいか、背中から腰にかけてが痛い。 歩いて体をほぐしても良くならないので、焼き鳥屋に入って軽く飲む。 軽い頭痛や腰痛は、アルコールで簡単に治ってしまうから不思議だ。 地下鉄に乗ったら中吊り広告に、テレビ局が社員の給料を削減するとかいう週刊誌の見出しが出ていた。 考えてみると、私はここ数日、テレビというものを観ていないな。 ニュースはネットで見られるし、最近のバラエティはつまらないし、ドラマはすぐにDVDになってレンタル出来る。 政治家の中にも、テレビで編集された映像を嫌って自分が発言している映像は、自分で動画サイトにアップするという人 がチラホラ出始めている。 この状態で地デジ化移行行われたら、テレビ局は本当に危ないんじゃないだろうか? 買い物をして帰宅。 寝る。
2011年2月12日(土)
寒い朝。 風邪なのか花粉なのか分からないクシャミが出る。 ニュースによると、エジプトの大統領が辞任したそうだ。 その原因が市民デモ。 これを見ると、日本の政権交代なんて交代したうちに入らないよな。 午後。 久しぶりに300字小説を1本書く。 舞台は江戸時代、役人の娘と芝居小屋の役者が身分違いの悲恋の果てに心中、しかしその魂が現代に生まれ変わって…… という話で、ちょうど300文字。 (京極夏彦先生って、なんであんなに長い小説を書けるのだろうなあ?) 夕方。 YouTubeでホラードラマを見つけて、つい最後まで観てしまう。 お陰でまるまる2時間潰してしまった。 アホである。 ドラマの内容は「実は死んでました」ネタのB級ホラー。 こういうのって、下らないけどクセになるよね?(←誰に同意を求めてるんだ?) ……というわけで、何もしないで日が暮れて、夕食の時間。 作るのが面倒臭いので、蕎麦をゆでる。 関西の方では、蕎麦にニシンを入れて食べたりするそうだが、ニシンって魚だよなあ…… 生臭くないように、加工してあるのだろうか? 夜。 (よぉ〜し! SF長編を書くぞぉぉぉ!!!) と、キーボードを叩き始め、15行で停止。 今夜は、もう寝よう。
2011年2月11日(金)
雪。 立春を過ぎて、そろそろ春に向かっているのだな。 良いニュース。 警察庁発表の「平成22年中の暴走族の実態および取り締まり結果について」によると、平成22年に確認された暴走族 のグループ数は、前年よりも76グループ減少の507グループ、構成員数も1390人減少して9064人と10000 人を下回ったのだそうだ。 日本の治安はますます良くなっているようで、大変めでたいことである。 昼。 SF大会のスタッフ会議に出席するために目黒へ。 5分ほど遅刻してしまったのだが、まだ始まっていない。 どうも集まり具合がよくないらしい。 「まあ、雪だからねえ」 と、スタッフのみなさんも諦め顔。 出来る作業からまず始めることにし、ゆるゆると会議に入る。 困ったことに、発起人のひとりがまだ到着しておらず、電話を入れても留守電になってしまうのだそうだ。 「まあ、雪だからねえ」 スタッフは関東の人ばかりではないので、会議にはSkypeが使用されたのだが、これが思ったよりクリアな音声で、双 方の発言がはっきり聞こえる。 これ、映像も併用したら、スタッフ会議にわざわざ広い場所を借りる必要がなくなるんじゃないだろうか? (「立体映像スタッフ会議」とか、SFな妄想が広かってしまう……) しばらくして、ようやく発起人の人に連絡がついたようで、遅れて会議に参加。 遅刻の理由は、 「すいません、寝てました」 とのこと。 「まあ、雪だから……」 さて、「犬作戦」企画のプレゼン。 「せっかくのテレ東のこの “暴挙” に際し、我々SFファンが暴れなくて、なんとする」 というような内容のことを語る。 だって、このご時世に深夜枠とはいえ、SFドラマを2クールも放映するとは、とても正気の沙汰ではないのだぞ。 会議の終了までに、どうにか制作会社の重役と知り合いだという人を見つけてメールを送って貰う。 (どうにかなるかなあ?) 夕方からは、空想小説ワークショップ。 「♪かものはし」さんに「宇宙犬作戦」のDVDを貸し、ウイスキー入りのチョコレートを貰う。 講座は、投稿小説の失敗例の話とか。 とある小説の公募に、それまでの採用作品を分析して、それらの作品に含まれている要素を盛り込んだ作品というものを 送って来た人がいるのだそうだ。 その人の作品は、当然と言うか、不採用になって「なぜだ?」と編集部に問い合わせが来たらしい。 創作作品の募集というのは、「これまでの作品にあるもの」ではなく「これまでの作品になかったもの」を求めているの だが……。(笑) 放課後の飲み会。 少々疲れていたのか、女性陣の「見合いで最低の男」の話を聞いているうちに、軽くウトウト。 男が「優しい心遣いを見せよう」とすると、女は「優しい心遣い」ではなく「見せようとしている」ことの方を感じ取っ て不快に思ってしまうらしい。 男の「〜と見せよう」というようなスケベ心は、勘のするどい女たちからは、なかなか隠せないようで、「何を計算して るのよ。いやらしい!」と、怒らせてしまうようである。 いろいろと勉強になることの多い話だった。 家に帰って、寝る。
2011年2月10日(木)
朝。 天気が微妙。 昨日は晴れていたのだが。 さて、午前中。 昨日届いた『畸人巡礼 怪人礼讃』(佐野眞一 毎日新聞社)の「あとがき」をまず読む。 〈 “レーニンから大金を騙し取った男” として本書で二回にわたって取りあげた茂木久平について雑誌連載中、姪と名乗る 女性から電話で抗議がきたと聞いたときは、飛び上がるほど驚いた。抗議がきたことに驚いたのではない。あの茂木久平 に姪がいたことに驚いたのである〉 という文章を読んで、こっちの方が驚いた。 (そんなこと、ちょっと調べれば簡単に分かることじゃなかったのか?) しかし、佐野眞一氏、〈茂木については過去に徹底的に調べた〉のだと言う。 〈茂木が書いた著作は入手できる限り歩猟したし、茂木の終の住処となった東京・新宿区南榎町の近所の聞き込みをして、 茂木に子どもや近親者がいなかったとの言質も得ていた〉のだそうだ。 (本当かよ?!) だって、この「茂木久平の姪」という人物、幸か不幸か(笑)私も良く知っている女性なのだが、単に「姪」というだけで なく、子どもの頃に父親を亡くして小学生ぐらいの時から茂木久平の自宅で、久平の妻の連れ子と共に育てられた半ば娘の ような存在であったはずだから。 それを誰も覚えていなかったというのか? (つーか、〈茂木に子どもや近親者がいなかった〉という誤った情報を佐野氏に与えたいい加減な奴って誰なんだ?) さらに佐野氏、この姪の自宅へ行って久平の訃報の載った雑誌だか新聞だかの切り抜きを見せられるまで、そうした記事が 存在したことすら知らなかったようで、葬儀に岸信介が参列していたことに驚いたりしている。 ちなみに、久平が亡くなったのは1970年。 ほんの40年前の出来事なのだ。 仮にも佐野眞一である。 そんないい加減な調査をしたはずはないと思うのだが、それでもこの程度のことが分からなかったりするものなのだな。 近代史研究というのは、思ったより大変なものらしい。 午後。 『畸人巡礼 怪人礼讃』の本文の方を読む。 茂木久平の姪が抗議の電話を入れたという記事の半分近くは、五十嵐八郎という人物からの情報を元に書かれているのだ が…… この茂木久平という男、例の満映の甘糟大尉の知り合いであり、『畸人巡礼 怪人礼讃』にも 〈茂木のことを「親友」と呼んでいるくらいだから、甘糟がいかに茂木を買っていたかがわかる〉 と書かれている人物である。 それが、五十嵐情報によると、単なる飲んだくれのセコいホラ吹きジジイだったことになっているのだ。 佐野氏自身、 〈それにしてもわからないのは、冷徹な実務家タイプの甘糟がなぜ茂木のために再就職斡旋に奔走したのか、という点であ る〉 〈五十嵐氏の語る茂木久平像は、早稲田時代の親友の尾崎士郎が茂木をモデルにして書いた『人生劇場』の高見剛平の剛直 なイメージからは想像もできない〉 と、書いているにも関わらず、あくまで五十嵐氏が語る茂木久平像を正しいものとして話の辻褄を合わせているので、 〈千葉刑務所から出獄後、フランスに渡る甘糟の心中は荒みきっており、そのとき同じ船中で茂木からかけられた温かい言 葉に、普段のクールな甘糟らしくもなく、思わずほろりといってしまったとでも理解するほかない〉 などと、結論づけている。 ちなみに、この五十嵐という人、佐野氏によると、 〈五十嵐氏は、茂木の名前を出すなり、べらんんめえ調の大声でまくしたてた。「茂木っていうのは、とんでもねえ野郎だ よ。(以下略)〉 というような人物で、これだけ読んでも彼が茂木久平という人間に対して相当な負の感情を抱いていたことが推察される。 その五十嵐氏の証言を唯一正しいものとして、甘糟正彦や尾崎士郎の茂木久平像の方を否定してしまうというのは、素人が 考えてもちょっと乱暴な気がするな。 夜。 10時過ぎに地震。 時刻:22時3分 震源:福島県沖 深さ:約50km 規模:マグニチュード5.3 明日は雪だそうだ。 寒いのは嫌だな。 寝る。
2011年2月9日(水)
天気はあまり良くない。 天気予報によると午前中は雪なのだそうだが、降っているのはどちらかと言うと、雨。 しかし今日は六本木の国立新美術館に「シュルレアリスム展」を見に行く予定。 雨止みを待って出かける。 地下鉄の駅から地上に上がると、青空が広がって濡れた地面が光っている。 初めて行く国立新美術館は、ウニョウニョ曲がった外観をした変な建物。 設計したのは、彼の故黒川紀章氏である。 本日、展示のサブタイトルは「パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による」で、その第1部のテーマは、「ダダからシュル レアレスムへ(1919ー1924)」。 壁面にトリスタン・ツァラの「ダダ宣言1918」の抜粋が掲げられていた。 「家庭を否定するまでにいたるような嫌悪のあらゆる産物、それがダダである」 歴史的背景を考えると、1919年はヴェルサイユ条約締結の年。 これを以て第1次世界大戦が終結したわけである。 この時代の作品は、まずは私の大好きなキリコ。 そして、マン・レイの「ミシンと雨傘」は、言うまでもなく『マルドロールの歌』に出て来る有名な「解剖台の上のミシ ンとこうもり傘の出会い」を表現したもの。 (これは「本当にやるなよ!」という突っ込みを期待した作品か?) 続く第2部は、「ある宣言からもうひとつの宣言へ(1924ー1929) 1929年にマン・レイが発表した「森の中の工場」という作品はカタログの解説文で「ある種の不穏でシンボリックな オブジェのようなものとして提示されており」と紹介されている。 私は、田縣神社の御神体を連想したが……。 このコーナーで上映されていたのは、たぶんルネ・クレールの「眠るパリ」。 警備か何かの仕事の関係(?)で、パリのエッフェル塔の上で暮らす青年が、ある朝目覚めて地上に降りてみると、パリ 中の人間が全て動きを停止させている。 そこへ、飛行機で地上へ降りて来た旅行者の一団がやって来る。 旅行者たちは、青年と自分たち以外の全ての人間たちが「止まって」いるパリの街に、最初は驚き、次にその状況を利用 して、さまざまないたずらを行う。 高級レストランでワインを飲みまくり、貴婦人の装飾品を失敬し、好き放題に遊びまくっていた彼らだが、やがて、ある 女性から事件の真相が、とあるマッドサイエンティストの発明した装置によるものだということを知らされる。 装置を止めることによって、再び元のように動き出したパリ。 しかし、主人公の青年は、時の止まった世界では必要ないと、所持金を全て捨ててしまっていた。 無一文ではさすがに困るので、再びマッドサイエンティストの元へ行き、再び装置を作動させ「止まった」通行人から財 布を盗もうとした青年だが、運悪く財布を手にした瞬間にマッドサイエンティストが装置を停止させたので、窃盗の現行 犯で逮捕されてしまう。 警察に連行される青年。 このときマッドサイエンティストが、またも装置を作動させ……。 装置が作動している間は、全ての社会的ルールが意味を失い、装置が停止すると、それが戻って来る。 その繰り返しが生む笑いをテーマにしたコメディ…… ……だと思う。 というのは、これ、全編フランス語なのだよね。 それをそのまんま上映しているので、細かいところが良く分からない。 これは美術館側が気がきかないのだと思う。 私の後ろの席で見ていた老夫婦なんか。 「これはなんだろうねえ?」 「チャップリンか?」 と、ダダともシュルレアリスムともぜんぜん関係のない会話をしていて、それがある意味シュールだったので…… これはこれで良かったのか???(^^) さて、第3部は「不穏な時代(1929ー1939)」。 サルバドール・ダリの大活躍。 いま、ダリの没年を確認したら、1989年なんだね。 つい最近じゃん。 SFファンならグレドリック・ブラウンの小説『発狂した宇宙(原題 “What Mad Universe” )』で、SF雑誌の編集者 である主人公が「挿絵をダリに書かせろ」という読者からのお便りを読む場面を覚えていると思う。 “What Mad Universe” の発表は1949年。 この時代のダリは、SFオタクから雑誌の挿絵画家として推薦されるようなイメージの人だったようだ。 ちなみにダリは、棒つきキャンデー「チュッパチャプス」のロゴをデザインした人としても知られている。 仕事の選び方が「巨匠」っぽくないところが、シュルレアリスムの作家らしい。 さて、シュルレアリスムと言えば、忘れてはならないのはエロスに対するさまざまな冒険的作品。 マン・レイの「祈り」(1930年発表)は、現代では芸術として認知されているようだが、最初にそれを見せられた 人は、どう感じたのだろう? 知っている人は知っているニュースだが、西武渋谷店美術画廊で開かれていた現代美術家らによる展覧会 「SHIBU Culture 〜 デパート de サブカル」が、今月の2日に中止となったという事件があった。 来場者からの「 百貨店にふさわしくない作品がある。不快だ」などという苦情を受けての中止だったそうだが(ヌードを 表現した作品があったらしい)展示されていたのが例えばマン・レイの作品だったなら、百貨店側は、どういった対応を しただろう? 会場を出て、昼食。 「ギロッポンでシーメ」だぜ!(笑) フジフィルムの1階にある「写真歴史博物館」へ。 何年か前までは、普通にそこらのカメラ屋で売られていたポケットカメラが麗々しくガラスのケースに展示されている。 なんか、笑えるな。 続いて、地下の「コナミスタイル」へ。 現代のサブカル絵画やフィギュアと呼ばれる人形が商品として販売されているショップ。 もしかすると「ラブプラス等身大POP」なんかが、100年後には美術館に展示されていたりして……。 帰宅。 『畸人巡礼怪人礼讃』(佐野眞一 毎日新聞社)が、アマゾンから届いていた。 うちの母親が佐野眞一氏に苦情電話をかけた顛末が、あとがきに書かれているという本。 ……せいぜい1〜2行の記述かと思ったら、あとがきのほぼ8〜9割が、その話のようだ。 気分が一気に重くなる。 これは明日、もう少し心の準備を整えてから読もう。 寝る
2011年2月8日(火)
曇り。 昼にちょっとした用があって1号君とサンシャインへ。 帰りにアニメイトに寄る。 平日のアニメイトは空いていて、いるのは高校生ばかり。 1号君は、コピックの詰め替えインクを買いに来たらしいが、この店に置いていなかったとかで、店員に近隣の店を探さ せ、「ハンズにあるらしい」というので、そっちへ移動。 漫画をデジタルで描く人間が増えたせいか、最近、コピックが手に入りにくくなったのだとか。 (昔は、ポスターカラーを使っていたのだけどね) 西武イルムス館の8階にあるカフェ・コンポートでお茶を飲む。 なぜか2号君までやって来て、 「今朝、ニュースに要町交差点(池袋から地下鉄1駅分ほど西にある交差点)が映った」 とかいう話をする。 お天気に関する街頭インタビューだったらしいが、なんでそんな中途半端なところで? レポーターが「ここはコンビニが多くて、立地が最高」みたいなことを言っていたそうな。 どこぞの不動産屋の回し者か?(笑) ゲオでDVD「33分探偵(1〜2巻)を借りて帰宅。 2008年8月〜9月に放映されたテレビドラマ。 (続編である「帰って来させられた33分探偵」は、2009年3月〜4月に放映) ストーリーは、単純な事件に遭遇した名探偵が、それをテレビドラマの時間枠に合うように引き延ばすために活躍すると いうもの。 ドラマの登場人物自身が、自分がドラマの登場人物であることを知りつつ、その世界の中で普通に生活しているという、 シュールな設定のドラマ。 似た設定のドラマに「名探偵の掟」(2009年4月〜6月に放映)というものがある。 (但し、こっちは原作付きで、原作の方の発表は1996年) 一時は、今後、この傾向が流行るのかと思ったのだが「3匹目」を狙ったものは出なかったな。 第1話は、花嫁殺人事件で、ドラマの開始5分で全身に返り血を浴びてナイフを持った男が警察に逮捕されてしまう。 ここで番組を終わらせてしまわないために、名探偵が大活躍。 第2話は、湖畔の別荘での首吊り事件。 密室で遺書を残して首を吊った会社社長の事件を、なんとかドラマの長さに合わせるために殺人事件に仕立てようとする 名探偵の活躍を描く。 第3話は、女子校での教師殺人事件。 遺体には注射の跡があり、すぐに養護教諭が被害者にとってのアレルギー物質であるカニエキスを注射したことを自白。 そこで名探偵が活躍して…… ……そんなドラマである。 これも映画化するとかしないとか言っていたテレビドラマだったが、その後、どうなったのだろう? 映画化と言えば、京極夏彦の『豆腐小僧』が、アニメ映画化されると聞いて、さっそく公式サイトを見に行ったのだが、 原作にあった絶妙のセリフのやり取りが、普通の会話に変わってしまっている。 主人公のキャラクターも、あの微妙な「ボケ感」が消えて、普通の男の子っぽいイメージ。 そもそもストーリーがぜんぜん違うようだ。 これは、原作とは別物と考えた方が良いだろうな。 天気予報によると、明日の天気は雪なのだそうだ。 寒いのは、嫌だな。 寝る。
2011年2月7日(月)
本日は「北方領土の日」。 調べたところ、この日が制定されたのは1981年なのだそうだ。 エズラ・ヴォーゲルが『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を発表したのが、その2年前の1979年。 ……いい時代だった。 昼。 野暮用の電話連絡で忙しい。 相手がなかなか捕まらず、午後がいっぱい潰れてしまう。 夕方。 メールが1通。 昨日、乱学講座でお会いした方から、なぜか私の母親のことを尋ねられ、 「なぜ私の母親の名前を知っているのか?」 と、聞いたら、 「佐野眞一の本に載っていた」 と言うので、 「なぜ、佐野眞一氏が、うちの母のことを知っていたのだ?」 と、詳しいことを尋ねたところ、確認してメールしてくれたのだ。 メールによると、佐野眞一氏の方から私の母親にコンタクトしたわけではなく、佐野氏の著書の内容について、 >いいかげんなこと書くなゴラァ、と 母親の方から編集部に電話をかけたのだそうだ。 で、どうやらその顛末が「実名で」本のあとがきに載っているらしい。 確認のため、急いで本をアマゾンに発注する。 齢80を越える自分の母親に関する心配事が、 「今度は、いったい何をやらかしやがった?!」 であるというのは……頭が痛い。 夜。 昼の電話の続き。 不毛な1日だった割には、精神的になんか疲れ果てた。 寝る。
2010年月6日(日)
午前中。 急に金の支払いが生じたので、ATMまで行ったら、ヘルメット姿の係の人が機械の前に立っていた。 「機械が故障して」 と、言うので、近所に別のATMがないか聞いてみたら、 「隣の駅にひとつ」 との答え。 「他にはないのですか?」 と、聞いたら、 「反対側の隣の駅にひとつ」 と言う。 そこまで行く気はしなかったので、いったん帰宅して1時間ほどしてまた同じATMまで行ったら、さっきのヘルメットの 人がいない。 直ったのかと思ってよく見たら「故障中」の貼り紙がしてあった。 (修理の担当者とかは、来ないのか?) しようがないので、隣の駅まで歩く。 金を下ろして西池袋で支払いを済ませ、そのままぶらぶら歩いていたら、佐藤編集長から電話。 合流して「池袋のちょっと危ない場所ツアー」に行くことにする。 池袋は、基本的に安全な街なのだが、場所によってはちょっと危ないと思われるスポットも存在しないことはない。 そのひとつが「人喰いビル」。 昔、そのビルに入った人がそのまま行方不明になり、数ヶ月後に東京湾にご遺体が浮かび、警察が捜査したものの真相は 未だ不明……という都市伝説があるビルなのである。 現在、そのビルの入り口にはロープが張られ、さらにその前には古い机やガラクタがバリケードのように積まれている。 のみならず、その場所には防犯カメラが設置され、近づいた人間の写真を撮影したものが、いくつも周囲に貼られ、警察に 通報する旨の警告文が添えられている。 建前としては、そのビルはリサイクルショップであり、周囲のガラクタは「商品」。 よって防犯カメラはそれらの商品の盗難を防ぐ目的で設置されていることになっているのだが、何ヶ月間もただ雨ざらしに なっている電子レンジなんかを「商品」と言われてもなあ……。 まあ、見るからに怪しげなビルなので、いろいろと伝説が生じるのも無理はない気がする。 ビルの向かいのお茶屋で、名物「ふくろう最中」を買う。 この最中、梟の形をしているのだが、よく見ると裏も表も同じ形。 つまり背中側というのが存在していないのだ。 店の経営者らしき老婦人は、数百円分の最中を買いに来た我々にもお茶を出してくれたので、店内でしばしくつろぐ。 店の奥に置いてあったのはデスクトップ型のMac。 この老婦人が使用しているのだろうか? 帰宅。 夕方からSF乱学講座。 本日のお題は、「ウォーゲーム(図上演習)の歴史:クラウゼヴィッツ、H.G.ウェルズからオバマ大統領まで」 。 講師は、軍事問題研究会研究委員の蔵原大氏。 私は「ウォーゲーム」というものについてあまり知識がなかったので「どんなもんかなあ?」程度の興味で聞きに行ったの だが、会場は大盛況で、机が足りなくなるほどだったが。 確かに話は面白い。 笑ったのが、財務省が無料配信しているという「財務大臣になって予算を作ろう!」というゲームの話。 これは財務省が配信している無料ゲームで、このゲームは最初から「増税をしないと財政破綻する」ようにプログラムされ ているのだそうだ。 どうやらゲームをプレイした国民の皆さんに「政府が増税するのは無理のないこと」と、納得して頂くことが目的のプロパ ガンダ・ゲームであるらしい。 (税金を使ってこんなしょうもないものを作っているから、国家予算が足りなくなるんだ!) 歴史学とゲーム理論の対立の話も興味深かった。 「開放系」を扱う歴史学に対して、ゲーム理論の対象は「閉鎖系」。 要するに、余分な要素を省いた世界を対象にしているのがゲーム理論なのである。 「宇宙犬作戦」を見た方なら、サイコルのエピソードを思い出して貰うと分かると思う。 サイコルの知識の範囲内におけるシミュレーションでは、DC号のクルーたちがオーブを手に入れて、あの立方体の中から 脱出するのは不可能。 つまり、サイコルは絶対に自分が負けないゲームを仕掛けたわけである。 しかし、大統領によって、あらかじめ携帯端末ニキュパッドに仕込まれていたイザアプリ(=サイコルの知識にない要素) が発動することによって、彼らはオーブを手に無事帰還を果たす。 現実世界に存在する「不確定な要素」を全て排除した上でのシミュレーションは、予測を誤ることがあるというわけだ。 (わはは、ザマアミロ、「犬」を見ていない人には思いっきり分かりにくい説明をしてやったぞ) 放課後の飲み会。 蔵原さん、アシモフのファウンデーションを全巻お読みになっていらっしゃったので、庭師とクレメンンツのエピソードの 話をすると、 「あれは悲しい物語ですよね。だってクレメンツは善意だったのだから」 と、ちゃんとアシモフを文学として読まれていたご様子。 崎田の方はと言えば、 「しかし、あれはアシモフが自ら考えた心理歴史学(ゲーム理論に近い未来予測理論)というものの欠陥をテーマにした話 ですよね」 と、せっかくの名作小説を味も素っ気もない読み方をしていたことを、自ら暴露。 ダメな読者である。 その後、孫子の兵法とクラウゼヴィッツの『戦争論』の比較の話で盛り上がる。 戦争とは、それを避ける力の限界によって起こるのか、あるいは、それを起こす力の限界によって起こらないのか。 最後に本日の講座となんの関係もないどうでもいい話。 これだけSFファンが集まっている場所で「犬」を見たことがある人間が私しかいないのは、なぜなんだ?! 終電で帰宅。 寝る。
2011年2月5日(土)
今日は午前中から会議。 それも、会議を短く済ませようという気のない人たちとの会議である。 朝から憂鬱な予感。 この仕事は、前にもやったのだが、あの時は、責任者が家庭の事情で辞任。 次に責任者になった人の家族が海難事故に遭い、手伝いに来てくれた人たちが2人ほど交通事故に遭い……という大変な 騒ぎになってしまったのだった。 出かける準備をしていたら、電話が鳴った。 今回の責任者の人からで「家族が急死したので、会議に出られない」との連絡である。 お悔やみを述べて電話を切る。 (……何も考えないことにしよう) 10時30分から会議開始。 途中の11時頃に地震があった。 東京は、震度3とかのかなり大きな揺れだったそうだが、会議室のある建物は耐震建築なので、さほど揺れない。 時刻:10時56分 震源:千葉県南東沖 規模:マグニチュード5.2 深さ:約70km 会議の方は、13時25分に終了。 そして、13時30分からは、同じ部屋でまた別の会議。 ここのところ土曜日の昼食は、毎週会議弁当を食べている気がする。 議題は、イベントの打ち合わせなのだが、途中で会計担当者から「予算が大幅に余る」という報告。 役所の関係する仕事なので、これは非常に困ったことになるのである。 急遽、余った予算の使い道を考えることになり、 「子供たちに、お菓子を配りましょう」 などと言う、いかにもな案が出て来る。 「じゃあ、適当に何か……」 と、言うと女どもが、スイーツ選びの話で盛り上がり出してしまった。 「ガキに配る菓子なんぞ、何だっていいだろうが!」 ……と、キレない私は大人である。 15時30分。 どうにかこうにか会議終了。 「お役人様」のところへ行って、報告と次回の予定に関する簡単な打ち合わせ。 「……ということで大丈夫ですね?」 と、言うと、 「大丈夫と申しましょうか、何と申しましょうか、その辺のところは明言を避けたいところなのでございますが」 という返事が返って来たので、 「心強いお返事を頂けて、幸いです」 と、答えて部屋を出た。 (だ〜か〜ら〜、役人は嫌いなんだ!) 1号君を電話で呼び出し、マクドナルドで愚痴を聞かせてから、一緒に奴の部屋へ。 「一昨日やったビールはどうした?」 と、聞いたら、 「さっき飲んだ」 とのこと。 (昼間から、酒を飲むな!) どうやらこの馬鹿は、20歳の誕生日を迎えてからの2日間に、目についた酒を片っ端から味見しまくっていたらしい。 昔、こいつのことを馬鹿な子供だと思っていたのだが、成人してもやっぱり馬鹿だった。 帰宅。 ニュースを見たら、北方領土問題でロシアがかなり強気の姿勢を見せているというニュース。 普通、領土問題は、相手国の国民が一丸となって敵に回るのでやっかいなのだが、相手が日本の場合だと、マスコミが、 「相手国そのもの」よりも「相手国に強気の姿勢を見せられた自国の政府」の方を主に叩いてくれるので、ロシアは大変 有利に交渉を進めることが出来る。 ロシア側が、「(北方領土で意見が対立している)日本政府はダメだ!」みたいなことを言うと、日本のマスコミが、 「そうだそうだ。政府はダメだ!」と、呼応してくれるのだから、こんなに交渉を進め易い相手はいない。 強盗に入ったら、応戦しようとした親父の手足を、その家の家族がみんなで押さえつけてくれたようなものだ。 普通に考えると「日本のマスコミにはロシアの工作員が入り込んでいる」という結論になるのだが、大半の日本人はスパ イだの工作員だのというものを半ばフィクションの世界の存在だと思っているらしく、そういう危険性についてを真剣に 考えない人間が多数派だ。 真面目にこの国は、やばいんじゃないだろうか? 寝る。
2011年2月4日(金)
立春。 天気も良くて、穏やかな日。 ノルウェーの国会議員が「ウィキリークス」を今年のノーベル平和賞候補に推薦したらしい。 おやおや。(笑) 推薦理由は「汚職や戦争犯罪などを公表することで、人権や自由を求める闘いに貢献しているから」だそうで、推薦した のは、ノルウェーの連立与党の一つである「左派社会党」の議員なのだそうだ。 国内のニュース。 “これまで報道各社の選挙不出馬に関する会見要請を拒否して来た秋葉忠利広島市長が、引退表明後初めての記者会見を 行った” それがどうしたのかと言うと、この人は、先月4日の仕事始め式で4選不出馬を表明し、その後YouTubeで理由を 説明したものの、記者クラブの会見要請に対しては「選挙に出るかどうかは市長の職務ではない」として拒否を続けてい たのだそうだ。 動画投稿という手段を選んだ理由については「自分の伝えたいことをカットなしに伝えられるから」。 動画等サイトの発達で「記者クラブ」を通さないで情報を広く流せるようになり、それを利用する政治家が現れたという ことが事件なのである。 これは、今後の社会にかなり大きな影響を与える出来事なのではないだろうか? 昼。 リブロで『本当は怖い宇宙の話』(福江純・監修 イースト・プレス)という本を衝動買い。 本文の紙質は週刊誌みたいだが、口絵の写真は一応カラー。 肝心の中身は、宇宙ネタの雑学。 参考文献として挙げられているのが素人向けの科学解説書の類なので、内容的ににはその手の本の要約っぽい。 おまけにあまり吟味せずにネタ本を選んだのか「宇宙の泡構造」と同列ぐらいの扱いで「竹内文献」が出て来たりする。 (福江先生、本当にちゃんと監修したのか?) 良いのは巻末に索引があるので、宇宙関連の用語を簡単に調べてみるのに便利。 但し、内容はやや怪しいので、大づかみに言葉の意味を調べる以上のことが必要な際には、もっときちんとした別の本を 読むことをお勧め。 まあ、税込み500円の雑学書なので、あまり文句は言えない。 夜。 エジプトの騒ぎは、要するに「革命」なのか? これは、対応を誤ると面倒なことになると思うが、前原さんは大丈夫だろうか? もうひとつ、海外から。 干ばつに見舞われているアマゾンで、枯れた樹木などが排出するCO2が、アメリカが1年に排出する温室効果ガス以上 の影響をもたらす可能性があるとの調査結果をイギリスやブラジルなどの研究チームが「サイエンス」に発表。 地球の大気のCO2を減らしていたはずのたアマゾンが、逆にCO2の発生源となってしまっているという皮肉な事態。 地球規模で大変な騒ぎだと思うのだが、日本のマスコミは、あまり重要視していないようだ。 日本のマスコミが好きなのは、分かり易い悪役がいて、それをみんなで叩いて正義面が出来るニュース。 馬鹿みたいだ。 寝る。
2011年2月3日(木)
朝。 NASAが、ケプラー宇宙望遠鏡を使って太陽系以外で約1200個の惑星とみられる天体を発見したというニュースを 見つける。 発見された惑星のうち68個は地球と同サイズで、54個には液体の水が存在する可能性があるという。 つまり、生命がいる可能性のある天体ということになるのだろうが、大真面目に、 「もしも宇宙人に遭ってしまったら」 ということを考えると、これはめでたいことなのだろうか? 相手が性格の悪い宇宙人とか、乱暴な宇宙人とかだったら、困るよな。 逆に、相手がこっちを性格の悪い宇宙人だとか、乱暴な宇宙人だとか判断してしまう可能性もある。 ……いろいろとSFな妄想が広がってしまう。 夕方。 節分の豆を買いに行ったら、見事に売り切れ。 「節分当日に、豆を買おうというのは無理です」 と、店員に諭されてしまった。 恵方巻だけ買って帰り、これを食べて今年の節分はおしまい。 夜。 1号君から電話。 随分と以前から、2011年の2月3日に一緒に飲みに行く約束をしていたので、出かける。 20歳、最初の酒は、無理をしないでビール。 中ジョッキに最初に口をつけた感想は、 「想像していたのより、美味しい」 麦の味がして、甘く感じられたのだそうだ。 酒を初めて飲む時には、2杯目は30分してからにした方が良いので、そのように注意する。 そのくらい時間をおかないと酔いが回って来ないので、自分の酒量が分からないからだ。 1号君、なぜだか人間がビールで酔うとは知らなかったようだ。 「だって」 と、私のジョッキを指差し、 「水代わりに飲むものだと思っていた」 (誰だ、そんな教育をしたのは) その後、1号君がサワーに行ったので、こっちは日本酒へ進む。 チェイサーに烏龍茶を頼み、 「慣れるまでは、チェイサーなしに酒を飲むな」 と、教える。 1号君、すでに酔っぱらっている様子で、こんなに簡単に酔いが回るという事実に驚いている。 試しに日本酒にも口をつけたが、あえなくギブアップ。 ビールとサワーにしておいて、良かった。 ワインを飲ませたら、ひっくり返っていたかも知れない。 そんなこんなで、1号君の20歳の誕生日を祝って帰宅。 寝る。
2011年2月2日(水)
ニュースによると、アメリカの大統領がエジプトの大統領を見限ったのだとか。 政権交代のきっかけが民衆デモというところがなかなか。 外国の政権交代劇は、日本と違って派手だな。 前に池袋で会ったインド人に、 「日本では前政権の人間をなんで生かしておくのですか?」 と、真顔で尋ねられたことがある。 「うちは、建国以来、王朝が交代していないからねえ」 と、答えておいたが、そういう国民性だから日本はこんなに平和なのか、日本がこんなに平和だからこういう国民性が育つ のか。 日本国内の平和なニュース。 奈良市西ノ京町の薬師寺で、奈良時代に写された大般若経が47巻まとまって発見された。 薬師寺では奈良時代の写経と気づかないまま、昭和57年(1982年)まで、この大般若経を法要で普通に使用していた。 要は昔から使っていたものだからと、中身をよく見ずに、そのままずっと使っていたということらしい。 実は、この辺のところが、日本の平和の秘訣なのかも知れない。 スポーツ関連。 野球賭博の捜査のために力士の携帯メールを復元したら、八百長の証拠が見つかってしまった。 相撲の八百長と言えば、長年「やってるだろ」が常識でありながら「やってないことにする」で、ずっと続けて来たこと。 これも良く考えないで、慣習に従うことで守られて来た「平和」のひとつだったのかも知れない。 午後。 環太平洋経済連携協定(TPP)について、日本政府がこれまでの交渉状況をまとめた報告書というのが発表されたそうだ。 日本にとって、問題は「コメ」が例外に出来るかとということ。 国家の利益を考えたら、TPPを結ぶことによって、日本の主力輸出品である工業製品への関税を撤廃させたいのだが、 国会議員は票田である農家を敵に回したら国会議員ではいられなくなってしまう。 「国民の代表」が必ずしも「国益の代表」ではないところが、日本の政界の面倒臭いところ。 夕方。 久しぶりにアニメ「毎日かあさん」を見たら間に挟まったCMが、西原理恵子出演の食用油のCMに映画の宣伝と、本編 より貴重な映像。 このアニメ、視聴率って、どうなんだろう? 夜。 考えてみると、明日は節分。 ちょうど20年前の今日、豆を買って来たものの、節分当日に体調の関係で、豆まきが出来なかったことを思い出す。 (あの豆は、結局どうしたんだっけな?) 午前0時を過ぎたので、1号君に電話。 「20歳の誕生日おめでとう」 とだけ言って、切る。 ……さて、寝ようか。
2011年2月1日(火)
朝。 メンサの例会会場予約。 珍しく3番クジを引き当てて、早々に抽選会場を出る。 帰宅して、朝刊を読んだら「小沢強制起訴」。 村木さん事件の前なら、 「起訴されたのだから有罪だろう」 みたいな雰囲気になったのだが、あの件で地検特捜部の調書の信用性がガタ落ちになってしまったせいか、新聞も、 「調書だけが証拠で、有罪にできるのか?」 っぽい論調になっている。 しかも、すでに唯一の証拠とされるこの調書について検察の誘導によるものだという話が出ている中での起訴。 ある意味、興味深い裁判であることは確かなのだが、正直な国民感情としては、 「もっと大事なことがあるだろ!」 という気持ちの方が強いな。 政治家やマスコミの興味・関心と、普通の国民のそれとが、大きく乖離してしまっている気がするぞ。 夕方。 吹き矢の講習。 まいど元気な「くのいち婆さん(勝手にあだ名つけた)」は、今日も元気に、「ギャハハ、ギャハハ」と笑いつつ、的の 真ん中に矢を当てまくっている。 たまに1本、的の中心じゃないところに当たると、 「やぁーだぁー、はずしちゃったぁ!」 と、大騒ぎするので、見学に来ていた吹き矢協会の方がびっくりして、 「ここは、そんなハイレベルの教室なんですか?」 (いや、彼女が個人的に異常なだけ) ちなみに私は、本日、講師から、 「上達したねえ。前は的まで届かなかったものねえ」 と、褒めて頂いたぞ。 8時半頃に帰宅。 部屋でゴロゴロしていたら、1号君に誘われて近所の養老乃瀧へ。 なぜか突然、 「もうじき20歳になるので、ダチと飲みに行こうかと思っているのだけど、どのくらい金がかかるのか?」 という相談を受ける。 「お前らレベルが行く居酒屋なら、普通は3000円もあれば十分。 と、答えてから気がついて、 「但し、お前の今の勢いで飲み食いしていたら、軽く5000円はいく」 と、言い直す。 1号君、私の金でさんざんに飲み食いした挙げ句、食いきれなかった分を慣れた態度で店員に包んでもらっていた。 (やだねえ、こんな未成年) 家に帰って、寝る。 2011年1月分へ 目次へ
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