基礎杭PHC杭兼用利用による地中熱融雪・空調
1.PHC杭 鋼管杭 内壁空洞貯水利用
プレストレスコンクリート基礎杭(左) 回転貫入鋼管杭(右)の中空に貯水し,その循環で周囲の地中熱を集熱した融雪や冷暖房
PHC兼用杭融雪は全日本建設技術協会研究部門表彰。30年後の今も運転。
教育センターでの空調への利用では他の省エネと合わせて空気調和衛生工学会技術振興賞を受賞
PHC杭では三谷セキサン梶C潟zクコンとの共同開発です。回転貫入鋼管杭ではJFEの協力を得た。
この国内最初のコンクリート杭と鋼管杭での基礎杭兼用方式は,その後貯水内へのWUチューブ挿入に改良され冷暖房で全国的な普及となっています.
国内最初の基礎杭兼用地中熱冷暖房のヒートポンプ(福井県立図書館)
漏水は大気密閉回路化で漏れる杭でも漏れなくなりました.
大気からのCO2とコンクリートからのCaイオンと反応して炭酸カルシウム析出が生じる例が一部で生じたが,これもケイ酸ソーダ添加でなくしました.
杭貯水内にポリ管(WUチューブ)を沈下させ,このポリ管内に不凍液を入れて,それを循環する方法も普及されています.
その方法は貯水直接循環に比べて15%ほどの性能ダウンとなるが,ヒートポンプの熱交換器の腐食と凍結のリスクは無くなります.
循環水の凍結が懸念される寒冷地で,貯水の直接循環に拘るなら,不凍液に食塩水を用いて,循環ポンプには海水用ポンプ,管路には腐食のない樹脂管を用いる.
2.PHC基礎杭内壁Uチューブ設置法
杭底鋼板設置で空洞の貯水の方法は深さ25m以上のPHC杭の施工が孔内圧入が浮力などで困難になる.
そこで杭壁の内側に4〜6組のUチューブを工場で組み込んでの工法も開発しました.
ボーリング工法との各工法の価格性能の比較
基礎杭兼用杭では建物下面での基礎杭から建物外までの10mの往復配管を考慮しての価格です.
この延長が長いことやその工程の制約が厳しくて,建物外側に専用杭を設置できるなら,杭打ち機による専用杭でも価格比較で遜色がなく,その方も良いでしょう.
空気調和・衛生工学会 論文集/18 巻 (1993) 52 号/書誌 基礎くい利用地熱融雪法の開発と数値シミュレーション 竹内 正紀, 宮本 重信, 木村 照夫, 坪田 諭治
土木学会論文集/1998 巻 (1998) 609 号 基礎杭利用による地熱融雪法の設計施工運転と数値シミュレーション 宮本 重信, 竹内 正紀, 木村 照夫 1998 年 1998 巻 609 号 p. 99-110
土木学会論文集G/64 巻 (2008) 1 号 熱交換杭群を用いた合成鋼床版橋での季節間蓄熱融雪の一設計 宮本 重信, 竹内 正紀, 永井 二郎, 菅原 桂一郎 2008 年 64 巻 1 号 p. 10-25
日本機械学会論文集 B編/74 巻 (2008) 739 号/ 放熱管埋設路面融雪の数値シミュレーション 永井 二郎, 宮本 重信, 西脇 昌哉, 竹内 正紀 2008 年 74 巻 739 号 p. 640-647
土木学会論文集G(環境)/67 巻 (2011) 1 号 橋梁基礎杭を用いた季節間蓄熱融雪の実測と数値シミュレーション 宮本 重信, 永井 二郎, 竹内 正紀, 山崎 三知朗, 山端 信也 2011 年 67 巻 1 号 p. 1-10 <BR> 基礎杭利用による地中熱融雪システム--構成,数値シミュレーションと実施例 宮本重信 加賀久宣 竹内正紀 特集 地中熱の利用 地熱エネルギー 26 (4), 384-388, 2001-10
基礎杭利用地熱融雪法の開発, 福井県雪対策・建設技術センター年報第 4 号 宮本重信, 千田秋広, 竹内正紀, 木村照夫, 橋詰善光… - 1991 年
杭打ち工法による専用熱交換杭