
日本の沖積平野では基礎杭の施工が多い.その杭打ち機を活かして大口径の孔に2〜6組のUチューブを挿入することで,ボーリング工法に比べて約50%のコスト縮減を実現しています。
1.ビル基礎杭(PHC杭)の施工法を利用した4組Uチューブ熱交換杭の施工
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ビル用PHC基礎杭プレボーリング工法の杭打ち機を利用
地盤の軟らかい日本の沖積平野で発展してきた杭打ち工法を,その大口径掘削を活かし地中熱Uチューブの埋設に用いた.
この大口径4組Uチューブはボーリングの45%の長さで同じ能力が得られることをその試験施工の集熱性能実験と数値シミュレーションで確認した.
この結果と施工実績からのコストから,運搬設置解体が不要となる杭打ち機が現場にある条件ではボーリング工法に比べて約半分の設置費を得た.
この工法は,福井市内の保育園でPHC杭の施工と合わせて15mの長さで施工され,地中熱と空気熱のハイブリッド床暖房として利用されている.
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三谷セキサン鰍ニのNEDOでの共同研究成果 リンク先:三谷セキサン
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WUチューブの行き戻り間隔を広げる効果を融雪では残雪深(ピーク時と冷暖房ではAPF(年間平均のシステム全体成績係数)で
見てみました。ボアホールの約4cmを広げるのは効果的であるが,20cm以上広げても効果は少ない。
2.杭打ち機による熱交換杭WUチューブ工法
この工法は小浜市内の舞鶴若狭自動車道路の料金所での地中熱利用冷暖房と敦賀駅前広場駐車場の無散水融雪融雪の熱源として利用されています.その後4組Uチューブに改良することで設置費を縮減しました.
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3.戸建て住宅用地盤改良機による熱交換杭WUチューブ工法
この短い杭では空気だまりとなる鳥居配管が増えることから、その空気だまりと流速の関係を鋼鞘管でのジョイントレスを前提に実験しました。ジョイントの有無と内径の違いからか鬼頭則夫らの三建設備工業(株)研究報告とはやや異なる結果でした。いずれにせよ流速が速いとエアは抜けるが、並列配管では1回路だけ空気が抜けないことが生じます。