クラクフ          2000年10月18〜20日

 

クラクフへの列車の中。新聞を読んでいた老人に、老婆が話しかけ二人でおしゃべりが始まった。しばら

くすると、彼女は、バッグから十数枚の写真を取り出し、彼に見せ、説明しだした。どうやら孫の写真らしい。

洋を問わず孫はかわいいらしい。彼女が一つリンゴを食べた後、彼と私に半分ずつリンゴをむいてくれた。私

はついで? クラクフに近ずくにつれ、徐々に地面が盛り上がり、丘から山が近くなる。(ポーランドの南側

には、かなり高い山もある)。これでワルシャワから反時計回りに3/4周した事になる。ホテルの前で観光タ

クシーの運転手に捕まり、明日、アウシュビッツへ200zt(4,000円)で約束。

小高い丘の上のヴァベル城を南端とする周囲4kmの城壁(現在は公園)があって、北側の一部にレンガの

円形砦パルパカンと四角な物見櫓が残っている。周回公園の中が旧市街(世界遺産)で、中央に100m角の

旧市庁舎広場がある。この広場をきょろきょろしていると、英語で話かけてきた若者(約30歳)二人。しば

らく話して、写真を撮ってもらい分かれたが、夕方、駅近くで帰宅する彼等から声をかけられた。実は明後日、

この広場で再会する事になる。時間を入れた4次元の世界で、しかも外国で同一人に3回も会うとは・・・・。

平日なのに何をしている若者か。駅のバスターミナルでバスの行き先を調べていたら、日本人の若者(ポーラ

ンドへ留学)が日本語で声をかけてきた。ポーランドで初めて会った日本人。

クラ5
クラ4
クラ3 クラ6
 

 

 

 

 

 


ヴァベル城         パルパカン         中央市場広場      旧市庁舎の塔

 

アウシュビッツ強制収容所     2000年10月19日

約束の9時にホテルの前に昨日の運転手。この車に乗り約54km西のアウシュビッツとピルケナウ(世界

遺産)へ。道路は幹線にしては整備が今ひとつ。1時間程でナチスの強制収容所のゲートの上の“Arbeit

 Macht Frei” の文字の下をくぐる。有刺鉄線と高電圧線で2重に囲まれた、200×300m程の敷地内に

レンガ造りの2階建てが30棟。その中の共通展示棟には、処刑した人の正面、横顔の写真が中央の廊下にぎ

っしりと貼られ、彼等のメガネ、カバン、靴が部屋いっぱいにつまれ、当時のゲシュタボの残虐な行為を伺わ

せる。身体を洗う為にシャワーをすると言って裸にして詰め込んだガス室(シャワー口に似たガス噴出口が天

井に)、焼却炉は敷地の外にある。各国の展示棟が並ぶ一番奥の棟の間に、4m程のレンガの高い壁。この壁

を背に立たせ銃殺した「死の壁」。その前には、花束が絶える事が無い。壁の前ではしゃぎながら団体写真を

撮る中学生?グループ。どんな気持ちで、ここを訪れたのか。

アウ3
アウ4 アウ2
 

 

 

 

 


ゲート        有刺鉄線と高電圧線      ガス室         

 

ピルケナウ強制収容所     2000年10月19日

タクシーで10分程離れた場所にピルケナウ収容所がある。ここは先ほどの20倍の広さで、平屋のバラッ

ク(ベッドは3階の蚕たな)で現在50棟程しか残っていない。1300m四方の草原の中に各棟にあった

炊事場の煙突(レンガ製)だけが無数たっている。ゲシュタボの映画によく出てくる、入り口の建物の下を

2本の線路が入り込む映像、線路は敷地を2分し、奥のガス室へと伸びている。多くの亡霊に見送られ、帰

りのタクシーでは、無言でクラクフへ。

ピル3アウ1ピル2  

 

 

 

 

収容棟           三段ベッド          入り口

 

ヴィエリチカ岩塩坑        2000年10月20日

ヴィエ1ヴィエ3ヴィエ2乗り合いバスで30分にある地下300mの岩塩

採掘場(世界遺産)へ。約20名毎に係員がつきエ

レベーターで地下へ。蜂の巣の様に坑道のあちこち

にホールが有り、壁には岩塩の彫刻絵、床には頭身

大の小人像、パウロU世像、マリア像、教会の礼拝

堂、天井からぶらさがるシャンデリア等。すばらし

い芸術作品。埃で汚れた塩の壁を、かわいい小学生

の女の子が、指を舐めては壁をこすって確認していた。パウロU世像    マリア像     角柱の支え

どこの国の子供も子供。また、地下にハンドボールの出来る大きな体育館?が造られ試合をしていた。いた

るところ、20cmの木の角柱を組んで落盤防止の支えをしてある。

今日の夜行寝台でチェコへ向かうが、中央広場で5時頃日が沈む迄、1時間半程ベンチでポーランド人を

観察。日本人ツアー客はいないし、60過ぎて一人旅をしている外人も見かけない。無謀なのか?

ローカル列車は、座席につぎがあたっていたり、網棚の“さん”がはずされ物を置く事が出来ない。どの

列車も側面の落書きのまま走っている。しかし、国際列車の側面はきれいに洗われており、比較的良い車両

を用いている。ポーランド人の見栄か? 寝台車に乗り込む時、車掌に寝台券とパスを取られ、顔も名前も

知らないので、もし、トラブルで返してもらえなかったらと思うと、十分には寝られなかった。(国境でパス

ポートチェック)

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