[ 事件 index / 無限回廊 top page ]

戦後の主な有名人殺人事件

このページでは有名人やその家族が被害者あるいは加害者になった殺人事件を取り上げています。なお、勝手ながら私の独断で「有名人」を決めています。

[ 歌舞伎俳優一家惨殺事件 ] 1946年(昭和21年)3月15日、東京都渋谷区の歌舞伎俳優・12代目の片岡仁左衛門宅で、住み込みの座付き作者の飯田利明(当時22歳)が仁左衛門(65歳)、元日活女優の妻の登志子(26歳)、三男(2歳)、女中(69歳)、子守り女中のまき子(12歳)を薪割りで撲殺。飯田は、日頃から、一日2食しか食事を与えられなかったことを恨みに思っており、前日に書き上げた原稿を仁左衛門に「これでも作家か」と言われ、投げつけられたことが、犯行の引き金になった。殺された子守り女中は飯田の実の妹だった。飯田に無期懲役の判決が下った。

[ 力道山刺殺事件 ] 1963年(昭和34年)12月8日、東京都港区赤坂のキャバレー「ニューラテンクォーター」でプロレスラーの力道山(39歳)が暴力団の大日本興業組員の村田勝志(当時25歳)にナイフで刺されて1週間後の15日に死亡した。最高裁で村田に懲役7年の判決が下った。

関連書籍・・・
『戦後欲望史 黄金の六〇年代篇』(講談社文庫/赤塚行雄/1984)

『戦後欲望史 混乱の四、五〇年代篇』(講談社文庫/赤塚行雄/1985)
『もう一人の力道山』(小学館文庫/李淳馬日[「馬」ヘンに「日」]/1998)
『迷宮入り事件と戦後犯罪』(王国社/鎌田忠良/1989)
『刑法の楽しい読み方』(河出書房新社/近藤康ニ/1998)
『戦後史開封 社会・事件編』(扶桑社文庫/産経新聞「戦後史開封」取材班編/1999)
『昭和天皇下の事件簿』(現代書館/佐藤友之/2001)
『世界暗殺者事典』(原書房/ジョージ・フェザリング/沢田博訳/2003)
『NHKのそこが知りたい』(講談社/NHK広報局編/2000)
『麻酔と蘇生』(中央公論社/土肥修司/1993)

[ 俳優高島忠夫愛児殺人事件 ] 1964年(昭和39年)8月24日、俳優の高島忠夫と寿美花代(すみはなよ)夫妻の長男の道夫ちゃん(生後5ヶ月)を家政婦(当時17歳)が風呂に投げ込んで殺害。他の使用人にだけアメリカ土産を買ってくると約束し、自分には何も言わないのでのけ者にされているとひがんでの犯行。東京地裁で家政婦に懲役3〜5年の不定期刑の判決が下った。

殺されていなければ、今頃は俳優として活躍していたんでしょうね、きっと・・・。

[ 現役映画女優愛人刺殺事件 ] 1969年(昭和44年)12月14日、姫路市の北端、広峰山に近いドライブウエイのパーキングエリアの車の中で、大映の契約女優の毛利郁子(当時36歳)が一児までもうけた7年越しの愛人の水田照正(40歳)を包丁で刺殺した。大阪高裁で毛利に懲役5年の判決が下った。

関連書籍・・・
『悪女たちの昭和史』(ライブ出版/松村喜彦/1992)

[ 歌手克美茂愛人絞殺事件 ] 1976年(昭和51年)5月8日、羽田空港の駐車場に止めてあった乗用車のトランクから血がこぼれ落ちていたことから、元クラブホステスで克美の借金返済のためソープ嬢となった愛人の岡田裕子(35歳)の死体発見。犯人は愛人で歌手の克美茂(当時38歳)で、別れ話のもつれからカムバックの足手まといになると思い殺害。8月、懲役10年の判決が下った。7年2ヶ月の服役後、仮出所し、埼玉県内でカラオケ教室などを開いたりしたが、その後、覚せい剤取締法違反で逮捕されたりした。

この事件を元に製作された映画に、『戦後猟奇犯罪史』(監督・牧口雄ニ/克美茂役・五十嵐義弘/東映/1976)がある。これは、克美茂愛人殺人事件、西口彰連続強盗殺人事件、大久保清連続殺人事件の3件の事件を再現したオムニバス形式の作品である。

[ タレント佐々木つとむ殺人事件 ] 1987年(昭和62年)9月4日、渥美清の「フーテンの寅」や高倉健、森進一、田中角栄元首相の声帯模写を演じて人気のあったモノまねタレントの佐々木つとむ(本名・佐々木宏幸/40歳)が、東京都板橋区高島平にある愛人の中野美沙(39歳)のアパートで刺し殺された。中野は2日後、青森県陸奥湾で入水自殺した。佐々木には妻(当時38歳)と2人の男の子がいたが、ギャンブルにのめり込んで巨額の借金を作り、家庭内でのいざこざが絶えなかった。同年4月ごろから家を出て、以前に新宿のゲーム店で知り合った中野と彼女のアパートで同棲していた。中野は佐々木に700万円近い金を貢いでいたが、佐々木はそれでも足りないとばかりに中野の貯金を無断で引き出したり、中野が身に付けていた貴金属類を強引に金に換えるなどしたため、中野は愛想をつかしていた。2人の間は日増しに険悪になり、暴力も多くなった。やがて、中野が溺愛するシーズー犬を佐々木が殴って骨折させてしまい、このことがきっかけとなり、中野は佐々木を殺してしまう。

[ 梶原一騎子女誘拐殺人事件 ] 1997年(平成9年)4月14日、台湾で「巨人の星」や「あしたのジョー」など数々の作品で知られている劇画原作者の梶原一騎(1987年1月21日死去)と梶原の夫人で台湾のトップスターの白冰冰(パイピンピン/当時42歳)の一人娘の高校2年の白暁燕(パイシャオイェン/17歳)が誘拐された(白は梶原と日本で結婚し、妊娠中に別居・帰国したため暁燕を一人で育てていた)。犯人は暁燕の左手の小指を切って送りつけ、500万ドル(約6億3000万円)の身代金を要求した。白夫人はなんとか全額は揃えたが、現金の受け渡しに失敗。マスコミに情報が漏れ、引き渡し現場にヘリコプターが先回りしているほどだった。4月28日、暁燕が遺体で発見された。8月8日、犯人グループは台北市で会社経営者を誘拐し、身代金400万台湾元(約1600万円)を奪っていた。8月19日、台北市内で、犯人グループの3人と警官800人との5時間に渡る銃撃戦になり、警官1人が殉職。犯人の1人で主犯の林春生(38歳)が警官によって射殺されたが、他の2人は逃亡した。後日、残る犯人の1人の高天民(36歳)が警官に包囲された際に自殺。11月18日、最後まで逃走した陳進興(当時39歳)は、ペルーで起きた日本大使公邸人質事件(1996年12月17日〜1997年4月22日)をまねて、南アフリカ大使館の武官官邸に人質を取って立てこもったが、陳の母親と妻に説得され、23時間後に投降した。1998年(平成10年)1月22日、台湾板橋地裁は陳に5件の誘拐・強盗・殺人について5回分の死刑、別の事件で2回分の無期懲役、それ以外の暴行事件などを合わせて有期懲役59年6ヶ月という判決を下した。1999年(平成11年)3月16日、高等法院は陳に対し白冰冰への賠償命令として1億7130万台湾元(約6億3000万円)という台湾史上最高額の判決を言い渡した。10月6日、陳の死刑が執行された。

[ 安室奈美恵の母親殺人事件 ] 1999年(平成11年)3月17日午前10時40分ごろ、産休を終え、復帰したばかりの歌手の安室奈美恵(当時21歳)の母親の平良恵美子(48歳)が義理の弟で、建設作業員の平良謙二(44歳)に車に轢かれたあと、ナタで殴られた。恵美子はその後、病院に運ばれたが、午前11時50分ごろ、死亡した。謙二は恵美子の再婚相手の平良辰伸(当時48歳)の実弟。犯行後、謙二は車で逃走したが、現場近くの山中で自殺していた。殺害動機は不明だが、恵美子と謙二とは以前からトラブルが絶えなかったという。

[ 元子役俳優の貸金業者殺人事件 ] 1999年(平成11年)11月30日午前1時ごろ、新潟県上越市で元子役俳優で元新潟県白根市議の西川和孝(当時32歳)と元マージャン店店長の川原裕一(当時30歳)が共謀して佐藤幸雄(56歳)を佐藤の事務所で頭を殴るなどして殺害、現金約500万円を奪って、遺体を新潟県朝日村の林道工事現場に棄てた。西川は犯行後、香港、タイに逃亡した。1994年(平成6年)から、白根市内でスイミングスクールを経営していたが、赤字経営になって手放し、マージャン店を開店、川原を店長として雇った。しかし、店の運営資金に困り、新潟県上越市の貸金業の佐藤幸雄に融資を依頼したが、断られたことから殺害を計画した。西川はテレビ時代劇「子連れ狼」(主演・萬屋錦之介/原作・小池一夫/原画・小島剛夕)の1973〜1974年(昭和48〜49年)に放映した同作品に大五郎役として出演、一躍有名になったが、高校を卒業すると同時に、芸能界を引退した。1995年(平成7年)に白根市議に初当選したが、1999年(平成11年)4月の市議選には立候補しなかった。2000年(平成12年)10月3日、新潟地裁は西川に求刑通り無期懲役、川原には「西川被告の指示で従属的立場にあった」として、懲役15年(求刑・無期懲役)を言い渡した。

[ サックスプレーヤーの渡辺貞夫の実兄殺人事件 ] 2002年(平成14年)9月9日午後5時5分ごろ、宇都宮市中央3、無職の渡辺登幾雄(ときお/81歳)方の1階寝室の押し入れで、渡辺が死んでいるのを、捜していた親せきと宇都宮中央署員が発見した。栃木県警捜査1課と同署は殺人、死体遺棄事件とみて捜査。調べでは、渡辺の遺体は布団にくるまれていた。玄関の鍵は開いており、屋内に物色された跡はなかった。渡辺は1人暮らし。6日正午ごろ、同市内の知人女性が渡辺方で本人と会ったのが最後で、7日昼ごろ、親せきの別の男性が渡辺方を訪れたが姿が見えず、同日夜、同署に家出人として届け出た。渡辺は「ナベサダ」の愛称で知られる世界的なサックスプレーヤー、渡辺貞夫の実兄。2003年(平成15年)9月25日、宇都宮地裁は雑貨販売業の田口文一と無職の中克己に対し求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。被告側、検察側ともに控訴せず刑が確定。

参考文献・・・
『実録 戦後殺人事件帳』(アスペクト/1998)
『20世紀にっぽん殺人事典』(社会思想社/福田洋/2001)
『明治・大正・昭和・平成 事件・犯罪大事典』(東京法経学院出版/事件・犯罪研究会編/2002)
『毎日新聞』(1999年3月17日付/2000年10月3日付/2003年9月25日付)

参考・関連サイト・・・
テレビドラマデータベース

[ 事件 index / 無限回廊 top page ]