次の日

看護婦1 「おはようございます。みなさん朝ですよ」
英一  「な・なんだ…」
             大声をあげて看護婦達が部屋に入ってきた。
看護婦1 「樋山さん血圧と体温のチェックです」
英一   「くそ〜、もう少し寝かせろよ」
             と口に出せないので心の中でつぶやく。
看護婦1 「樋山さん血圧をはかりますので右手を出して下さい」
英一  「はい、どうぞ」
             素直にしたがってしまう英一だった。
看護婦1 「はい、OKです」
英一  「すいません」
なぜか会釈をしてしまう英一だった。
看護婦1 「また、来ますので体温計っておいてくださいね」
英一  「はい」
英一は心の中で思ったが・・・。
英一 「くー、だめだ、この生活には耐えられん!!」 
「ああ、しゃあない、寝るか」

それから30分後 7時・・・。

看護婦1 「あら、まだ寝ているんですか。食事はこちらへ置いときますね」
「冷めないうちに食べてくださいね」
英一 「……」
さらに30分後・・・。
英一  「よしゃ〜。飯でも食うか」
英一は、ふととなりを見る・・・。
英一 「蘇我さんいないんだ。まあ、いいや人のことは気にしないで飯でも食おう」
「あっ、タマネギ落としちゃった。まあいいや。後で拾おうっと」
数分後・・・。
英一 「いや〜食った、食った。病院の飯にしてはうまいじゃん」
英一はテレビのリモコンを持ち、テレビを付けた
英一 「最近、殺人とか自殺が多いよな。いいニュースやってないのかね」
「つまんね〜。売店でも行こう」
と英一はベットから降りようとしたその時
「ゴンッ」
鈍い音とともに部屋の中に大声が響き渡った。
英一  「いって〜!!」
あいにく部屋の中には誰もいなかったが近くにいた看護婦が掛けよってきた。
看護婦1 「どうしたんですか」
英一  「す、すいません、足ぶつけました」
看護婦1 「そ、そうですか、大丈夫ですか?」
英一は苦笑いをしながら
英一 「大丈夫です。ただぶつけただけです」
看護婦1 「派手にやったんですか?」
英一 「い、いいえ」
看護婦1 「ギブスずれてないですか?」
英一 「だ、大丈夫です」
看護婦1 「安静にしててくださいね。まだ、入院したばっかりなんですから」
英一 「すいません」
看護婦は病室を後にした。
英一 「まったくついてね〜な〜」
英一は目線を前に向けた。
英一 「!」
康輔 「……」
英一 「こいついつの間に入ってきたんだ」
康輔はこちらを見ている。
英一 「よう」
康輔 「……」
英一 「無視…。くそ〜!、足折れてなきゃぶん殴ってやるのにぃ!」

英一は廊下に目をむけ次の行動でも考えることにした。

英一 「トイレにでもいくか」
「俺は2度と同じ過ちは犯さないのさ。だから今度は慎重にいこう」
しかしその日、英一はとてつもなく運が悪かった。
英一 「良し、慎重にいくぞ」
英一が地面に足を置いた瞬間…
「ツルッ」
英一 「うわ〜!!」
英一は先ほど落としたタマネギを踏んでしまい大きくこけた。
康輔 「バッカデ〜、ハハハハハハ」
康輔はその光景を見て思いっきり笑っている。
英一 「いてててててて」
近くを通りかかった看護婦がやってきた。
看護婦1 「ちょっと、どうしたんですか?」
英一 「いててて、すいませんこけました」
看護婦1 「さっきもいったでしょ、安静にって」
英一 「すいません。トイレに行きたかったもんで」
看護婦1 「も〜、肩貸しますからつかまってください」
英一 「すいません」
看護婦1 「せ〜の」
英一 「いてて」
看護婦1 「きゃ、大丈夫ですか?」
英一 「大丈夫、大丈夫」
看護婦1 「一緒にトイレまでいきますか?」
英一 「い、いやいいです」
看護婦1 「一人で行けますか?」
英一 「心配いりません」
看護婦1 「私、ここで待ってます」
英一 「大丈夫ですって」
英一はトイレに向かった。
看護婦2 「ジャー」
英一 「ふ〜、すっきりした」
「知ってた・・・」
英一 「なんだ?」

トイレの奥の方から声が聞こえる。

看護婦2 「204号室の伊藤さんが昨日なくなったそうよ」
英一 「ん?」
看護婦3 「うそ〜。あんなに元気だったのに」
看護婦2 「しかも病死じゃないんだって」
看護婦3 「え?どうゆうこと?」
看護婦2 「どうも殺されたらしいの」
看護婦3 「うそ・・・・」
英一 「って、まさか・・・」
英一の脳裏に蘇我の顔が浮かんだ。
看護婦3 「だから朝、あわただしかったんだ」
看護婦2 「そうなの」
看護婦3 「警察は?」
看護婦2 「今、極秘で動いているわ」
英一 「よ〜く聞こえているんだけど・・・」
「ガタッ」
英一は近くにあった尿瓶にぶつかった。
英一  「やばい!」
英一はトイレからでた。
看護婦1 「大丈夫そうですね」
英一 「うわっ!ま、待っていたんですね。すんません」
看護婦1 「じゃ、戻ります」
英一は病室へ帰った。
英一 「まさか蘇我さんじゃないよな。あんな夢みるんじゃないな」

英一はとなりを見る。
英一 「!」
蘇我は隣でテレビを見ていた。
英一 「…」
蘇我はこちらを向く。
蘇我 「何だ?」
英一 「い、いや、別に何も・・・」
蘇我 「ふん」
英一 「びっくりした」
英一は気を取りなおしてテレビを付けた。
英一 「…殺人か?」
アナウンサー 「昨夜未明、女優の川中美雪さんが殺された事件で・・・」
英一 「昼寝でもしよう」

 


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