RG−γ(ガンマ)ヒストリー

'97/08/08 ご指摘により誤り訂正しました。他にも誤りが有りましたらご指摘下さい!


WGP[世界ロードレース選手権]500ccクラス。

それは、2輪世界最高のコンペティション。
世界のメーカーがテクノロジーを競うこの闘いで、スズキRGは1976〜1982と7年連続のメーカータイトルに輝いた。
その名称にγが冠せられたのは、1981シーズンである。
(RGとは"Racing Grandprixを意味します)
そして、その年、個人タイトルを欲しいままにしていたヤマハのエース「KING」ケニーを破り、個人タイトルを奪還した。
(この辺りがRZVとの宿命のライバルたるゆえんです!)
ちなみにガンマ最後の栄光は’82年、青いガンマを駆るフランコ・ウンチーニの個人タイトル獲得でした。
「バリ伝」のヒデヨシは自称「六甲のウンチーニ」でしたヨネ!

γ[ガンマ]とはギリシャ語で「栄光」を意味する言葉の頭文字。
「スクエア・フォー」といわれるエンジン形式、アルミ製フレームはγの最大の特徴である。
すなわち、4つのシリンダーが正方形状に並べられた形式。
対角線に位置するシリンダー同士が同時に爆発する為、振動が極めて小さく、バランサーが不要であり、軽量である。
キャブレーションはタイミングが正確なロータリーバルブを用いている

1984年、ついにストリート用のγがリリースされました。
RG500γです。
95ps(※1)のパワーを手にした2ストロークエンジンは“スクエア・フォー”のエンジンレイアウトであるのは勿論、クランクシャフト、ギアシャフトの軸間距離までもがワークスレーサーと同一であった。ワークスγのエンジンパーツさえも組み込み可能という”2ストローク・モンスターです。
日本国内には1985年初めにRG400γがリリースされ、後に500が追加されました。

当時のメーカー広告のコピーを引用します。

勇者γ 凱旋す。
γ(ガンマ)・・・ギリシャ語で「栄光」を意味する語の頭文字を冠するマシンは、常に勝者であった。そして今、RG400γはリアル・スプリンターとしてロードにその姿を現わす。レーサーを思わせるスクエアフォーの咆哮もそのままに。
走り始めるRG400γにライダーの独白が聞こえる。ライバルはもうサーキットにしかいないと・・・・。
リアル・スプリンターRG400γ誕生。

なお、500については”ハイパー・スプリンター”と呼んでました。
WGPでのスクエアフォーRGγの歴史はこの市販型γを生み出す為に有ったとも言えます。市販車メーカーにとって、やっぱメインは公道用の市販車ですからね。

※1 国内仕様500は64ps,400は59ps。500は大体輸出仕様と同じ。チャンバー
   (いわゆるマフラー)を交換すればパワーは輸出仕様と同等となります。


PERFORMANCE
驚く事に、ギアボックスはカセット式です。これはエンジン脱着する事なしにミッションギアの交換を可能とする、レーサーそのままの構造です。
乾燥重量は157kg(フルカウル仕様)と、250ccクラス並の軽量です。
これは1984年型のワークスレーサー譲りのアルミフレームと、なによりシンプルで合理的なエンジンレイアウトにより可能となった数値です。

走行性能は強力なエンジンパワーにより、500は1000ccクラス並、400は750ccクラス並(カタナ1100と同等との証言もある)の加速性能を誇りました。※2
400ですら、3速で、国内仕様の180までしか刻まれていない速度計の針をフルスケール近くまで軽く押し上げるイキオイです。
その一方、3000rpm以下がレーサー流にカットされた回転計の針を動かさなくとも、そこそこ走れてしまう程扱いやすいです。
500に関しては200キロ迄はZZR-1100より速いという証言を聞いた事も有ります。

コーナーリングは、ほんとに素直で、当時としては最高レベルでしょう。
#現在のバイクの足廻りとは比較になりませんが・・

※2 当時の雑誌での実測の最高速は輸出仕様500で246Km/h,国内仕様400で226Km/h。
   0->400mは400で11.8Sec。500は11.34Sec。

WEEKPOINT
弱点といえば、パワーから考えると余りにも効かないブレーキ、スタイリング台無しの細いタイヤです。

しかし、それは個人レベルでモディファイを加えれば解消します。
あと、燃費が悪い事が有ります。2ストローク車だから仕方ないですね。
私の最善燃費は14Km/l(@北海道)です。


他の2ストの個人的評価 です
2ストだらけの愛車歴 です

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